JP2019042470A - 歩行訓練装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】被訓練者が環境変化や外乱に適応する能力を磨くことを可能とする歩行訓練装置を提供する。【解決手段】並列する2つの第1歩行面、第2歩行面を提供する2つの無端ベルト1、2と、歩行中の被訓練者に、選択されたターゲットの押圧動作を行わせるための複数のターゲットT1〜T4と、歩行中の被訓練者に、前記選択されたターゲットを提示するモニタ8とを備え、第1歩行面の移動速度と第2歩行面の移動速度は独立して設定可能であり、複数のターゲットT1〜T4は、第1歩行面上の被訓練者が押圧可能な第1ターゲットT1、T2と、第2歩行面上の被訓練者が押圧可能な第2ターゲットT3、T4を含む、歩行訓練装置。【選択図】図1

Description

本発明は、歩行訓練装置に係り、特に、リハビリテーション医療に用いられる歩行訓練装置に関するものである。
歩行安定性はリハビリテーション治療の大きな目標である。リハビリ介入では、実際に平地やトレッドミル等の歩行訓練を反復することで、歩行の安定性の獲得を目指している。歩行訓練は介護予防等を目的に頻用される介入法であるが、運動学習の視点で見ると一定の歩行様式での反復練習では、環境の影響で運動様式が不意に変化したり、外乱が加わったりした場合の適応は学習されにくい。従来のリハビリテーションで行われるような歩行訓練は必ずしも介護保険脱却の有効な手段とならないおそれがある。
すなわち、本来、歩行訓練では変化する環境に対応できる能力を身につける必要があるが、リハビリテーションの場面では転倒等に配慮しながら、ある歩行パターンを反復するのが通常であるところ、それでは環境変化や外乱に対して適応能力が低い運動戦略の学習となってしまうという不具合がある。
近年、同じ動作を繰り返し行う伝統的な学習に対して、様々な感覚ノイズを処理する運動学習が着目されている。非特許文献1には複数種類の簡便な運動プログラムの実践による姿勢制御能力の向上が記載され、非特許文献2には、感覚ノイズに対処することにより環境変化や外乱に対する適応能力を磨く運動学習が実現できることが記載されている。繰り返し動作を行う従来の手法に対して、より現実に即した効果的な運動学習は、一定の運動様式を反復させずに様々な感覚ノイズを処理することで学習者がパフォーマンスを探索することであり、そのために様々な運動パターンを組み込む学習である。この考え方は歩行訓練によるリハビリテーション等においても有効であると考えられる。
上述のように、画一的に歩行パターンを反復して練習する既存の手法では周囲の環境変化や外乱に対して適応能力が低いものとなっている。ここで、歩行の安定を得るためのバランス練習等が歩行訓練とは別に実施されるが、歩行練習の中で同時に実施できた方が効率的であるとともに、歩行安定の習得に寄与すると考えられる。そこで、環境変化や外乱に対する適応能力を磨くため感覚ノイズを処理させる運動学習(歩行中に側方バランス課題を組み込む等)を取り込んだ歩行訓練システムを提供することを検討した。
トレッドミルを用いた歩行訓練装置については多くの先行特許文献があるが、歩行訓練にバランス練習を組み込むという視点を採用したものは無い。例えば、特許文献1は、転倒予防として環境適応のための学習効果があるリハビリテーションを行うことを可能とする歩行訓練システムに係り、障害物を含む歩行コースの映像データを被訓練者に表示し、被訓練者に非接触で被訓練者の足先の高さを検出して、足先高さ検出データと当該障害物の高さデータと比較することで、被訓練者が障害物を跨ぐことができたかを判定することが記載されているが、上記視点は無い。
特許文献2、3には、リハビリテーション等を目的とし、左右で独立して走行するベルトを備えた歩行訓練装置が記載されているが、被訓練者の左右の足をそれぞれ、左右のベルト上に載せるものであり、歩行中の被訓練者が左右のベルト間で乗り移るもの(被訓練者が左右の足を同じベルトに載せて歩行するもの)ではない。
特開2009−219508 特開平10−243979 特開2011−50451
James EG. Short-term differential training decreases postural sway. Gait Posture (2013), http://dx.doi.org/10.1016/j.gaitpost.2013.06.020 Principles of sensorimotor learning, Daniel M. Wolpert, and et al., NATURE REVIEWS, NEUROSCIENCE VOLUME 12, DECEMBER 2011, 739-751
本発明は、被訓練者が環境変化や外乱に適応する能力を磨くことを可能とする歩行訓練装置を提供することを目的とする。
本発明が採用した技術手段は、
並列する少なくとも2つの第1歩行面、第2歩行面を提供する少なくとも2つの無端ベルトと、
歩行中の被訓練者に、いずれか1つの歩行面上に両足を載せた状態で、選択されたターゲットに身体の部分を接近させる動作を行わせるための複数のターゲットと、
歩行中の被訓練者に、前記選択されたターゲットを指示するターゲット指示手段と、
を備え、
第1歩行面の移動速度と第2歩行面の移動速度は独立して設定可能であり、
前記複数のターゲットは、第1歩行面上の被訓練者の身体の部分が接近可能な1つあるいは複数の第1ターゲットと、第2歩行面上の被訓練者の身体の部分が接近可能な1つあるいは複数の第2ターゲットを含む、
歩行訓練装置、である。
本発明に係る歩行訓練装置では、第1歩行面上を歩行する被訓練者に第2ターゲット(T3、T4)が指示された場合、第2歩行面上を歩行する被訓練者に第1ターゲット(T1、T2)が指示された場合には、被訓練者は第1歩行面と第2歩行面との間で側方に移動することになる。
本発明に係る歩行訓練装置は、第1ターゲット(T1、T2)に接近動作をした後に、第2ターゲット(T3、T4)に接近動作する際に両足を第1歩行面から第2歩行面に乗り移る必要があり、第2ターゲット(T3、T4)に接近動作をした後に、第1ターゲット(T1、T2)に接近動作する際に両足を第2歩行面から第1歩行面に乗り移る必要があるようにターゲット(T1〜T4)が設置されていることを特徴とするものである。
1つの好ましい態様では、第1ターゲットは、前側第1ターゲット、後側第1ターゲットを含み、第2ターゲットは、前側第2ターゲット、後側第2ターゲットを含む。
後述する実施形態では、4つのターゲット(T1〜T4)を例示しているが、ターゲットの個数は限定されない。
並列する歩行面の数は2つに限定されるものではなく、例えば、第3歩行面、あるいは、第4歩行面を提供する提供する無端ベルトをさらに有していてもよい。例えば、歩行訓練装置が3つの並列する第1歩行面、第2歩行面、第3歩行面を提供する3つの無端ベルトを備え、第1歩行面を中央に、第2歩行面、第3歩行面を左右に配置させ、基本姿勢では中央の第1歩行面上を歩行し、ターゲット指示手段の指令にしたがって、指示されたターゲットの位置に応じて、第2歩行面あるいは第3歩行面に乗り移るようにしてもよい。
3つ以上の歩行面(例えば、第3歩行面や第4歩行面)を備える場合に、1つの態様では、各歩行面の移動速度は独立して設定可能であり、各歩行面の移動速度を異ならしめるようにする。
本明細書における第1歩行面、第2歩行面についての記述は、第3歩行面、第4歩行面等のさらなる歩行面の説明に援用し得る。
1つの典型的な態様では、訓練中に、第1歩行面は第1の速度で移動し、第2歩行面は第1の速度とは異なる第2の速度で移動する。
ベルト回転速度を変えた2つの無端ベルトを並列して配置することで、運動位置および運動リズムを変えることができる。
第1の速度と第2の速度のベクトルが逆の場合(第1歩行面と第2歩行面が逆方向に移動する)もあり得る。
1回の訓練中に、歩行面の移動速度を変更するようにプログラムしてもよい。例えば、タイマを用いて時間によって所定の移動速度に変更する。あるいは、ランダムに走行中のベルト速度を変更してもよい。例えば、所定のターゲットが選択された時には、移動速度を所定量加速ないし減速させるように設定してもよい。あるいは、訓練者ないし被訓練者が操作パネルの加速ボタンないし減速ボタンを操作することで歩行面の移動速度を変更してもよい。
1つの態様では、訓練中に、第1歩行面、および/あるいは、第2歩行面の傾斜を変更してもよい。
例えば、第1歩行面、第2歩行面を同速度で移動させる場合であっても、第1歩行面、第2歩行面の傾斜角度を異ならしめることで、歩行中の被訓練者に外乱、刺激を与えることができる。例えば、いずれか一方の歩行面を水平面(傾斜角度0)、他方の歩行面の斜面としたり、両方の歩行面を異なる斜面に設定したりしてもよい。
1回の訓練中に、歩行面の傾斜を変更するようにプログラムしてもよい。例えば、タイマを用いて時間によって所定の傾斜角度に変更する。あるいは、ランダムに走行中の傾斜角度を変更してもよい。例えば、所定のターゲットが選択された時には、傾斜角度を所定量増加(+)ないし減少(−)させるように設定してもよい。あるいは、訓練者ないし被訓練者が操作パネルの傾斜ボタンを操作することで歩行面の移動速度を変更してもよい。
さらに、第1歩行面、第2歩行面を異なる速度、異なる傾斜で移動させてもよい。異なる歩行速度と異なる傾斜の組み合わせを用いることで、歩行中の被訓練者に、より変化に富んだ外乱、刺激を与えることができる。
1つの好ましい態様では、前記ターゲット指示手段は、前記複数のターゲットからターゲットをランダムに選択して指示する。歩行訓練において、ターゲットの指示を不規則に行うことで、被訓練者がターゲット(どの位置のターゲット)を予測できないようになっている。ターゲットのランダム選択は、例えば、乱数生成器を用いて行うことができる。
典型的な例では、前記ターゲット指示手段は、被訓練者に対して視覚的あるいは聴覚的に指示を与えるものである。
視覚的な指示手段(すなわち提示手段ないし表示手段)は典型的にはモニタである。
聴覚的な指示手段は典型的にはスピーカやイヤホーンである。
典型的には、複数のターゲットには識別子(典型的には識別番号)が設けてあり、モニタに識別子を表示したり、識別子を音声で指示したりする。
指示手段は、被訓練者が五感でターゲットを識別できるような形で識別子を提示するものであれば、視覚的手段、聴覚的手段に限定されず、触覚や振動を用いてもよい(嗅覚、味覚を排除するものではない)。
1つの態様では、前記歩行訓練装置は、選択されたターゲットに身体の部分を接近させる動作が実行されたことを検知する接近動作検知手段を備えている。
1つの態様では、前記接近動作検知手段は、身体の部分とターゲットの接触あるいは身体の部分によるターゲットの押圧を検知して検知信号を生成する。このような接近動作検知手段は、例えば、タッチセンサや押しボタンスイッチから構成することができる。
接近動検知手段は、身体の部分を接近させる動作が実行されたことを非接触で検知するものでもよい(例えば、予め決定した所定距離まで接近したことをセンサで検知する)。
接近動作検知手段による検知が行われたことを、音やランプで被訓練者に知らせるようにしてもよい。
1つの態様では、前記歩行訓練装置は、前記接近動作検知手段によって接近動作が検知された検知元ターゲットと被訓練者に指示されたターゲットとを照合する動作正誤判定手段を備えている。
1つの態様では、前記動作正誤判定手段により照合されたターゲットが一致した場合には、接近動作完了と判断し、前記ターゲット指示手段は、次のターゲットを選択して指示する。
1つの態様では、選択されて被訓練者に提示されたターゲットと、実際に接近動作が検知された検知元ターゲットが一致しない場合には、誤動作としてカウントして回数を記録する。
1つの態様では、前記ターゲット指示手段は、前記接近動作検知手段から検知信号が生成された時に、接近動作が正動作であるか誤動作であるかにかかわらず、次のターゲットを選択して指示する。
1つの態様では、前記歩行訓練装置は、訓練結果記録手段を備えており、
前記訓練結果には、ターゲット指示手段による被訓練者に対するターゲットの指示から接近動作完了時までの時間が含まれる。
1つの態様では、前記歩行訓練装置は、訓練結果記録手段を備えており、
前記訓練結果には、ターゲット指示手段による被訓練者に対するターゲットの指示から接近動作検知時までの時間が含まれる。
なお、接近動作検知時に同時に接近動作の正誤判定を行うことができるので、接近動作完了時と接近動作検知時に実質的な時差は無い。
また、訓練結果には、誤動作の回数を含んでもよい。
1つの態様では、前記身体の部分は上肢である。
典型的には、身体の部分は手である。その他、肘等でもよい。
ターゲットの位置が、左右のいずれの手でも接近動作可能な場合には、予めどちらの手で接近動作を行うかを決めておいてもよく、あるいは、訓練によって異なる方の手で接近動作を行うようにしてもよい。あるいは、左右いずれの手で接近動作を行ってよいとしてもよい。
身体の部分は上肢以外の部位、例えば、下肢(足、膝等)、頭部、肩、臀部、腰、背等であってもよい。
ターゲットによって、異なる身体の部分を接近させるようにしてもよい。
想定される身体の部位に応じて、ターゲットの位置が異なり得ることが当業者に理解される。また、被訓練者の身体的特徴等に応じて、ターゲットの位置を調整することが有利な場合もあり得る。よって、ターゲットが位置調整可能に配置してもよい。例えば、ターゲット(例えば押しボタン)であり、トレッドミルのフレームに設けられる場合には、ターゲットのフレームへの磁着(フレームが磁性体の場合)、吸盤等による吸着、両面ファスナによる接着等を用いて着脱可能とすることで、ターゲットの位置調整が可能である。
本発明に係る歩行訓練装置では、被訓練者にベルト速度の異なる複数の歩行面上を歩行させ、また、歩行面間で移行させることで、被訓練者の下肢に感覚ノイズを与えると同時に、所定のターゲットに身体の所定部位を接近させることで被訓練者に歩行や側方移動と異なる動作を行わせることで、下肢への感覚ノイズと異なるノイズを与え(後述する実施形態では、上肢訓練として、各トレッドミルの前方・側方に1個の押しボタンを設置してリーチ動作、体幹の回旋を促す感覚ノイズを与える)、被訓練者にこれらの感覚ノイズを処理させることで環境変化や外乱に対する適応能力を磨く運動学習が実践できる。そして、このような運動学習の実践により環境変化や外乱に適応できる身体能力を磨くことにより、要支援者を介護保険から脱却させることが期待できる。
本発明に係る歩行訓練装置において訓練結果(ターゲット指示から接近動作完了までの反応時間や接近誤動作回数等)を記録することで、運動の精度の評価、訓練の評価や分析を行うことができ、例えば、リハビリテーション治療に有効な運動学習に役立てることができる。
本実施形態に係る歩行訓練システムの全体図である。 本実施形態に係る歩行訓練システムの動作説明図である。 本実施形態に係る歩行訓練システムにおけるターゲットの選択・提示、接近動作検知の流れを示すフロー図である。 他の実施形態に係る歩行訓練システムの全体図である。
本実施形態に係る歩行訓練システムについて、図面を参照しつつ説明する。図1に示すように、歩行訓練システムは、並列する2つの第1歩行面、第2歩行面を提供する2つの第1無端ベルト1、第2無端ベルト2と、第1歩行面あるいは第2歩行面上の歩行中の被訓練者に対して、選択されたターゲットの押圧動作を行わせるための複数のターゲットT1〜T4と、歩行中の被訓練者に訓練プログラム(ターゲットT1〜T4からランダムに選択した1つのターゲット)を提示するモニタ8と、ターゲットの選択・提示を制御し、また、被訓練者の訓練結果を記録するコンピュータ9と、を備えている。第1歩行面の移動速度と第2歩行面の移動速度は独立して設定可能である。歩行訓練装置の並列する2つの第1歩行面、第2歩行面を提供する2つの第1無端ベルト1、第2無端ベルト2は、左右に並列した2台の電動トレッドミルから構成することができるが、第1無端ベルト1、第2無端ベルト2を備えた1台のトレッドミルを用いてもよい。本実施形態では、4つの押しボタンによってターゲットT1〜T4が構成され、押しボタン(ターゲットT1〜T4)は、左右に位置しているそれぞれのトレッドミルの前方および側方に設置している。ターゲットT1〜T4は、第1歩行面上の被訓練者が押圧可能な第1ターゲットT1、T2と、第2歩行面上の被訓練者が押圧可能な第2ターゲットT3、T4とからなる。
本実施形態に係る歩行訓練システムは、並列して2台のトレッドミルをそれぞれ異なる速度でベルトを動作させ、被訓練者はその2台のトレッドミル上を歩行・またぐ動作をおこなう。さらに同時に上肢訓練として指示されたターゲット(ボタン)を押すことでリーチ動作、体幹の回旋を通して感覚ノイズを処理していくシステムを提供するものである。
コンピュータ9は、データを入力するための入力装置、処理されたデータを出力するための出力装置、データを表示する表示装置、主としてCPUから構成される演算装置、ROM、RAM、ハードディスク等の記憶装置、これらを接続するバス、コンピュータに所定の処理を実行させるために記憶装置に格納された所定のプログラム、等を備えている。コンピュータ9は、計測された各種データを用いてデータ処理を行う処理部(データ処理装置)、ターゲットの提示を制御する制御部、計測データや計算されたデータを含む訓練結果を記録する記憶部(情報記録装置)、訓練プログラムを記憶する記憶部等として機能する。トレッドミルの動作は、コンピュータ9と独立した制御部(図示せず)によって制御される。あるいは、コンピュータ9をトレッドミルのディスプレイパネル(モニタ8を兼用できる)に内蔵し、同じコンピュータでトレッドミルの動作を制御してもよい。
第1無端ベルト1は、駆動側スプロケットとしての前側スプロケットと従動側スプロケットとしての後側スプロケット間に巻き掛けてなり、駆動手段としての第1モータによって駆動側スプロケットを回転させて、第1無端ベルト1を移動させるようになっており、第1無端ベルト1の上面が第1歩行面となる。第1無端ベルト2は、駆動側スプロケットとしての前側スプロケットと従動側スプロケットとしての後側スプロケット間に巻き掛けてなり、駆動手段としての第2モータによって駆動側スプロケットを回転させて、第2無端ベルト2を移動させるようになっており、第2無端ベルト2の上面が第2歩行面となる。これらのスプロケットやモータはトレッドミルに内蔵されており図示されていない。
第1無端ベルト1と第2無端ベルト2は、それぞれ、独立した第1モータの回転速度、第2モータの回転速度によって移動速度が独立して制御可能となっている。図2に示すように、入力部から走行制御部に移動速度の入力指令があると、第1無端ベルト1、第2無端ベルト2がそれぞれ指令された移動速度で移動するように、各駆動手段(第1モータ、第2モータ)が回転する。例えば、第1無端ベルト1の移動速度が時速2km、第2無端ベルト2の移動速度が時速3kmという入力指令があった場合には、第1モータが第1無端ベルト1が時速2kmで移動するような回転速度で回転し、第2モータが第2無端ベルト2が時速3kmで移動するような回転速度で回転する。
第1歩行面の移動速度、第2歩行面の移動速度は、予め決められた歩行訓練プログラムによって設定されてもよく、この場合、トレッドミルのスタートボタン(図示せず)を押すと、第1モータ、第2モータが駆動して、歩行訓練プログラムにしたがって所定の回転速度で回転し、第1無端ベルト1、第2無端ベルト2が設定された移動速度で移動する。スタートボタンは、第1モータ用、第2モータ用に2つ用意してもよいし(特に、2台の戸トレッドミルを用いる場合)、1つのボタンで第1モータ、第2モータの駆動を開始するようにしてもよい。
第1歩行面、第2歩行面の移動速度について、訓練中に被訓練者ないし訓練者が任意の移動速度を選択・変更できるようにしてもよい。例えば、第1歩行面及び第2歩行面上の被訓練者が歩行中に操作できる位置に操作パネル(図示せず)を配置し、操作パネル上に、第1歩行面の移動速度の加速ボタン、減速ボタン、停止ボタン、第2歩行面の移動速度の加速ボタン、減速ボタン、停止ボタンを設け、歩きながら加速ボタンないし減速ボタンを押すことで第1歩行面、第2歩行面の移動速度を変更できるようにしてもよい。
第1歩行面、第2歩行面の角度を可変としてもよい。歩行面が任意角度に傾斜可能なトレッドミルもよく知られており、例えば、前後のスプロケット及び無端ベルトからなるユニット全体の支持台を傾動可能に構成し、傾動用モータによって支持台を任意の角度に傾斜させる。例えば、傾斜は、水平を0度として、前方上向き傾斜を+の角度や%で設定し、前方下向き傾斜を−角度や%で設定することができる。
歩行ないし走行訓練装置としてのトレッドミルの基本的な構成は当業者によく知られており、スタートスイッチ、停止スイッチ、速度可変スイッチ、傾斜角度可変スイッチ等についてのさらなる説明は省略する。なお、第1無端ベルト1、第2無端ベルト2の移動を停止させる緊急停止ボタン(図示せず)を設けてもよい。
並行する2つの第1歩行面、第2歩行面を提供する2つの無端ベルト1、2を備えたトレッドミルにおいて、第1歩行面は、前側部10、後側部11、第2歩行面に近い側である第1側部12、第2歩行面から遠い側である第2側部13を有し、第2歩行面は、前側部20、後側部21、第1歩行面に近い側である第1側部22、第1歩行面から遠い側である第2側部23を有する。
第1無端ベルト1、第2無端ベルト2の幅(第1側部12、22と第2側部13、23間の寸法)は、それぞれ、被訓練者が両脚を載せて歩行できるのに十分な歩行面を提供する幅を備えている。並列した第1歩行面・第2歩行面間を被訓練者が移動することが可能であれば、並列した第1歩行面の第1側部12と第2歩行面の第1側部22との間に間隔が設けてあっても、あるいは、第1歩行面の第1側部12と第2歩行面の第2側部22が近接していてもよい。図1の態様では、第1歩行面の第1側部12と第2歩行面の第1側部22との間の部位はフラットであるが、凹部であっても、あるいは乗り移りに支障が無い程度の高さの凸部(図4参照)であってもよい。第1歩行面と第2歩行面間の乗り移り移動に伴う訓練効果を向上させるためには、第1歩行面の第1側部12と第2歩行面の第1側部22との間に少なくとも5cm以上の間隔が設けてあることが好ましい。なお、被訓練者の左右の足をそれぞれ左右のベルト上に載せる従来の歩行訓練機では、左右のベルトの側部は互いのベルトの走行を妨げない程度に可能な限り近接している。第1歩行面と第2歩行面間の乗り移り移動に伴う訓練効果をさらに向上させるためには、第1歩行面の第1側部12と第2歩行面の第1側部22との間の部位の上面を、第1歩行面、第2歩行面よりも高くすることが望ましい。
第1歩行面の第2側部13の前側には、第1ポスト3が立ち上がり状に設けてあり、第2歩行面の第2側部23の前側には、第2ポスト4が立ち上がり状に設けてある。第1ポスト3の上端から後方に向かって、第1歩行面の第2側部13の上方に位置して、第1サイドフレーム5が略水平状に延びており、第1サイドフレーム5の後側はさらに下方に向かって第1歩行面の第2側部13の後側まで延びている。第2ポスト4の上端から後方に向かって、第2歩行面の第2側部23の上方に位置して、第2サイドフレーム6が略水平状に延びており、第2サイドフレーム6の後側はさらに下方に向かって第2歩行面の第2側部23の後側まで延びている。第1サイドフレーム5及び第2サイドフレーム6の前側は第1ポスト3、第2ポスト4を越えて前方に延出しており、第1サイドフレーム5の延出部と第2サイドフレーム6の延出部間を結ぶようにフロントフレーム7が延びている。
図1に示すフレーム構成は例示であって、他の構成を取り得ることが当業者に理解される。例えば、フロントフレームが第1ポストと第2ポスト間を直接結ぶようにしてもよい。また、フロントフレームにディスプレイパネル(図示せず)を設けてもよく、ディスプレイパネルが、トレッドミルの動作を制御する操作パネル、ターゲットを提示するモニタ8を兼用するようにしてもよく、さらには、ディスプレイパネル内にコンピュータ9を内蔵させてもよい。また、ターゲットを他の支持手段(例えば、トレッドミルとは独立した支柱や支持台)で所定位置に支持するようにすれば、トレッドミルにフレームが備わっていなくてもよい。
歩行訓練システムは、歩行中の被訓練者に、身体の部分を接近させる動作を行わせるための4つのターゲットT1〜T4を備えている。本実施形態では、ターゲットT1〜T4は、押しボタンから構成されており、ターゲットT1〜T4から1つのターゲットを選択して、歩行中の被訓練者に提示することで、本実施形態では、ターゲットT1〜T4は、押しボタンから構成されており、被訓練者には、歩行しながら選択されたターゲット(押しボタン)を押すというタスクが課される。
本実施形態では、コンピュータ9において、4つのターゲットT1〜T4から1つのターゲットがランダムで選択される。第1歩行面、第2歩行面の前方には、第1歩行面あるいは第2歩行面上で歩行中の被訓練者の目線の高さに位置して、被訓練者に対してターゲットを指示するモニタ8が設けてあり、選択されたターゲットをモニタ8に表示するようになっている。より具体的には、ターゲットT1、T2、T3、T4にターゲット番号として1、2、3、4が割り当てられており、例えば、モニタ8上に大きく「1」を表示することで、被訓練者がターゲットT1(押しボタン)を押すようになっている。選択されたターゲットの表示の仕方には色々なやり方を取り得ることが当業者に理解される。
本実施形態では、ターゲットT1は、第1サイドフレーム5の水平部の後寄りに設けてあり、ターゲットT2は、フロントフレーム7の第1歩行面側に設けてあり、ターゲットT3は、フロントフレーム7の第2歩行面側に設けてあり、ターゲットT4は、第2サイドフレーム6の水平部の後寄りに設けてある。図示の態様では、ターゲットT1〜T4は、トレッドミルのフレームを利用して配置しているが、ターゲットをトレッドミルと別体の構造体に支持させてもよい。
ターゲットT1、ターゲットT2は、被訓練者が第1歩行面上で歩行している時にのみ押すことができる位置にあり、ターゲットT3、ターゲットT4は、被訓練者が第2歩行面上で歩行している時にのみ押すことができる位置にある。したがって、第1歩行面上を歩行する被訓練者にターゲットT3ないしターゲットT4が指示された場合、被訓練者は第1歩行面から第2歩行面に乗り移る必要があり、第2歩行面上を歩行する被訓練者にターゲットT1ないしターゲットT2が指示された場合、被訓練者は第2歩行面から第1歩行面に乗り移る必要がある。
また、第1歩行面上の被訓練者にターゲットT1が提示された場合、第2歩行面上の被訓練者にターゲットT4が提示された場合には、ターゲットT1、T4を押す時に、被訓練者に体幹の回旋を促すことになる。第1歩行面上の被訓練者にターゲットT2が提示された場合、第2歩行面上の被訓練者にターゲットT3が提示された場合には、ターゲットT2、T3を押す時に、被訓練者にリーチ動作を促すことになる。
上述のように、トレッドミルの左右のそれぞれに2つずつ設置された押しボタン(ターゲットT1〜t4)には、1〜4の番号が割り当てられており、モニタ8にボタン番号を提示することで、被訓練者に、上肢・体幹の運動として指示された1〜4の番号をタッチする動作を行わせる。リーチ動作および回旋運動を実施するためにボタンはトレッドミルの前方および側方に取り付けている。左右のボタンは他方のベルトに乗り移らないと押せない距離に設置しており、ベルト乗り換え運動を促す構成となっている。
本実施形態では、ターゲットT1〜T4は、押しボタンから構成されており、押しボタンを押圧した時にスイッチが入力されることで、接近動作を検知するようになっている。すなわち、押しボタンを押すことで入力されるスイッチが接近動作検知手段を構成しており、押しボタンスイッチが入力された時に生成される接近動作検知信号がコンピュータ9側の処理部に送られる。
処理部において、受信した接近動作検知信号が、ターゲットT1〜T4のどのターゲットから送信されたものであるかを認識できるようになっている。処理部では、ターゲット選択手段により選択され、ターゲット提示手段により提示されたターゲットの番号情報が保持されており、処理部の動作正誤判定手段によって、受信した接近動作検知信号の送信元ターゲット番号と、モニタ8に表示されたターゲット番号とを照合する。これらのターゲット番号が一致した場合には、接近動作完了となり、ターゲット選択手段により次のターゲットが選択され、ターゲット提示手段によりモニタ8に表示される。本実施形態では、被訓練者は、モニタ8に表示される数字が変わることで、接近動作が完了したこと(接近動作が正動作であったこと)を知る。これらのターゲット番号が一致しない場合には、接近動作未完了状態が継続する。接近動作未完了状態の間は、モニタ8上に継続してターゲット番号が表示され、本実施形態では、被訓練者は、モニタ8に表示される数字が変わらないことで、接近動作が誤動作であったことを知る。なお、接近動作が誤動作であった場合を被訓練者に告知するようにしてもよい。このような告知としては、ブザー等の警告音、ランプの点灯、モニタ8上での表示が例示される。
本実施形態に係る歩行訓練システムにおいて訓練の開始には、幾つかの態様がある。例えば、被訓練者が第1歩行面ないし第2歩行面上に立った状態で、2台のトレッドミルのスタートボタンを押し、第1無端ベルトを所定の第1の速度で回転させ、第2無端ベルトを所定の第2の速度で回転させて、被訓練者が歩行を開始した後で、訓練スタートボタンを押すことで、訓練が開始する。あるいは、共通のスタートボタンを用意し、このスタートボタンを押すことで、予め設定された歩行訓練プログラムにしたがって、トレッドミル、ターゲット提示手段等を動作させてもよい。
図2、図3を参照しつつ、本実施形態に係る歩行訓練システムにおけるターゲットの選択・提示、接近動作検知の流れを説明する。訓練スタートボタンが入力されると、ターゲット選択手段によって複数のターゲットT1〜T4から任意の1つのターゲットが選択され、選択されたターゲットの番号がモニタ8に表示される。例えば、ターゲットT3が選択され、モニタ8にターゲット番号「3」が表示されるとする。第1歩行面上で歩行する被訓練者は、ターゲット番号「3」が表示されたことを見て、第1歩行面から第2歩行面(第1歩行面とは異なる速度で移動する)に乗り移った後、手でターゲットT3にタッチして押圧する。ターゲットT3を構成する押しボタンスイッチがONとなると、接近動作検知信号が処理部に送信される。処理部では、動作正誤判定手段によって、選択され、表示されたターゲット番号「3」と接近動作検知信号の送信元のターゲットT3の番号「3」を照合し、ターゲット番号が一致したことで接近動作完了と判断する。
選択されたターゲットがモニタ8に表示された時点で時間計測手段としてのタイマがスタートし、接近動作完了(接近動作が正動作であった場合)時にタイマが終了する。タイマによって取得されたターゲット提示から接近動作完了までの時間を反応時間としてコンピュータ9の記憶部に記憶する。押しボタン(ターゲット)の押圧時、接近動作検知信号受信時、動作正誤判定時は、実質的には同時なので、時間計測手段は、ターゲット識別子(ターゲット番号)がモニタ8に表示されてからボタンを押すまでの時間を自動的に計測するものであると言える。
表示されたターゲットに対する接近動作が完了する同時に、ターゲット選択手段によって、新たなターゲットがランダムに選択されて、選択されたターゲットの番号がモニタ8に表示され、新たにタイマがスタートする。ターゲットの選択と表示は実質的に同時に行われるので、実際には、タイマ終了と同時にタイマがスタートする。すなわち、本実施形態では、被訓練者がボタン(正しいボタン)を押すと、すぐに次の指示が出される仕組みとなっている。なお、接近動作が完了してから、次のターゲットを表示するまでにインターバルを設けてもよい。
モニタ8に表示されたターゲット番号「3」を見た第1歩行面上で歩行する被訓練者が、誤って手でターゲットT2にタッチして押圧すると、ターゲットT2を構成する押しボタンスイッチがONとなって、接近動作検知信号が処理部に送信される。処理部では、動作正誤判定手段によって、選択され、表示されたターゲット番号「3」と接近動作検知信号の送信元のターゲットT3の番号「2」を照合するが、ターゲット番号が不一致となるので、接近動作未完了状態と判断する。接近動作未完了状態の間は、モニタ8上に継続してターゲット番号「3」が表示され、タイマカウントは継続する。本実施形態では訓練者がターゲットT3を押すことで初めて訓練が次のステップ(次のターゲットの提示)に進むようになっている。なお、反応時間の上限を設定しておき、タイマカウントが上限時間となった時には、新たにターゲットを選択して表示するようにしてもよい。ターゲット番号が不一致の場合には、接近動作が誤動作であったと判断して、誤動作回数(押し間違い回数)をカウントして記憶部に記憶してもよい。
訓練結果には、反応時間に加えて、各歩行面の移動速度・加速度の時系列データ(一定の場合には必ずしも必要無い)、被訓練者がどの歩行面上で歩行しているかやターゲットに接近動作していたかの軌跡を示す時系列データ(例えば、圧力センサによって判定することができる)、選択され提示されたターゲットの遷移情報等を含んでもよく、これらの情報はコンピュータ9の記憶部に記憶される。さらに、動作計測手段(光学式モーションキャプチャや慣性センサ)によって訓練時の被訓練者の動作情報を取得し、動作分析や慣性センサ情報と合わせることにより歩行面のみではなく被訓練者の位置、速度、加速度、角度、角速度、角加速度などの動作情報を取得し評価・分析に利用してもよい。
本実施形態に係る歩行訓練装置は主としてリハビリテーション医療に用いられる。脳卒中片麻痺患者等の患者が歩行訓練をする際は、安全のため理学療法士(PT)などの介助者が必要である。トレッドミルをリハビリ訓練に活用しようとすると操作パネルが前方にあるため介助者は患者を抱えながらとなり、単独での操作が困難なため複数名必要であった。しかし人手の問題から単独での介助で可能なトレッドミルの歩行訓練が求められていた。一方、吊り下げ式のトレッドミルを採用することで被訓練者の歩行面からの落下を防止することができるが、装置が大掛かりとなり、コスト高となることに加えて、第1歩行面と第2歩行面間での移動を前提とする本実施形態に係るトレッドミルに吊り下げ式を適用することは困難である。
図4に示す歩行訓練システムは、かかる課題に対応するものである。従来のトレッドミルは使用者自身が操作しており(操作パネルは、使用者が操作し易いように歩行面の前方にある)、それ以外の者が操作することを想定していなかった。しかしながら、医療現場ではトレッドミルの操作者と使用者(被訓練者)が同一ではない場合がある。本実施形態では、従来想定していたものと異なり介助者が操作を行うことを前提としており、トレッドミルの後側に補助台16を設置し、補助台16の側方に位置して操作パネル15を設けることで、歩行者(被訓練者)の後方にいる介助者から操作可能なトレッドミルを提供する。介助者は、トレッドミルの歩行面の後方に位置して、被訓練者(患者)を介助(支える)する必要があるため、トレッドミルの後方の介助者が手を伸ばして操作可能な位置に操作パネル15を設けることで、介助者は、補助台16に乗って被訓練者を介助しながら操作パネル15の操作を行うことができる。
図4に示すように、歩行訓練システムは、並列する2つの第1歩行面、第2歩行面を提供する2つの第1無端ベルト1、第2無端ベルト2と、第1歩行面あるいは第2歩行面上の歩行中の被訓練者に対して、選択されたターゲットの押圧動作を行わせるための複数のターゲットT1〜T4と、歩行中の被訓練者に訓練プログラム(ターゲットT1〜T4からランダムに選択した1つのターゲット)を提示するモニタ8と、ターゲットの選択・提示を制御し、また、被訓練者の訓練結果を記録するコンピュータ9と、を備えている。なお、図4に示す実施形態において、図1に示す実施形態と共通の要素には同一の参照番号が付してあり、必要に応じて図1に関連する記載を参照することができる。
並行する2つの第1歩行面、第2歩行面を提供する2つの無端ベルト1、2を備えたトレッドミルにおいて、第1歩行面は、前側部10、後側部11、第2歩行面に近い側である第1側部12、第2歩行面から遠い側である第2側部13を有し、第2歩行面は、前側部20、後側部21、第1歩行面に近い側である第1側部22、第1歩行面から遠い側である第2側部23を有する(図2参照)。図4に示す態様では、第1歩行面の第1側部12と第2歩行面の第1側部22との間には所定幅の中間部14が設けられていることで被訓練者に側方移動を行わせる構造となっている。このような中間部14を介しての側方移動が被訓練者の身体負荷を強めており、訓練効果を向上させている。本実施形態では、さらに、中間部14の上面140が、第1歩行面、第2歩行面よりも高くなっており、第1歩行面と第2歩行面間の乗り移り移動に伴う訓練効果を向上させている。
トレッドミルの無端ベルト1、2の後側部11、21側が、被訓練者が第1歩行面ないし第2歩行面上に乗り降りする際の昇降側となっており、トレッドミルの昇降経路の側方には操作パネル15が設けてあり、トレッドミルの昇降側(後側)には、無端ベルト1、2の後側部11、21に対向ないし近接して補助台16が設置されている。補助台16は、その上に介助者(図示せず)が載ることが前提となっており、操作パネル15は、補助台16上の介助者が、被訓練者を介助しながら容易に操作を行うことが可能な位置に設けられる。
補助台16は、少なくともトレッドミルの無端ベルト1、2の後側部11、21の幅に亘って延びる幅を有し、所定の奥行、所定の高さを備えている。補助台16の上面160は、第1歩行面、第2歩行面の高さと同じあるいは略同じ高さに位置しており、第1歩行面、第2歩行面との間で実質的な段差が生じないようになっている。補助台16の上面160は、その上で介助者が被訓練者を介助できる程度の面積(幅及び奥行)を有している。補助台16の前端は、トレッドミルの無端ベルト1、2の後側部11、21に隣接して位置しており、第1歩行面ないし第2歩行面から補助台16の上面160に移行する際に、被訓練者の足が挟まれない程度の距離となっている。
トレッドミルの後側の昇降経路の側方に位置して、操作パネル15が設けてある。操作パネル15は、補助台16上の介助者が容易に操作できるように補助台16の側部の所定高さに設けられる。図示の態様では、補助台16の一方の側部に位置して立設された柱状部150を支持部として操作パネル15が支持されている。なお、支持部は柱状部150に限定されるものではなく、例えば、所定高さの台に操作パネル15を設けてもよく、また、支持部と補助台16は別体でも、一体形成されていてもよい。操作パネル15は支持部も含み、被訓練者の第1歩行面ないし第2歩行面に対する乗り降りを妨げないように、昇降経路に隣接して側方に位置して設けてある。なお、補助台16(昇降経路)の両側に位置させて操作パネル15を設けてもよい。また、操作パネル15をディスプレイパネルから構成してコンピュータ9を内蔵してもよい。
1 第1無端ベルト
2 第2無端ベルト
3 第1ポスト
4 第2ポスト
5 第1サイドフレーム
6 第2サイドフレーム
7 フロントフレーム
8 モニタ
9 コンピュータ
15 操作パネル
16 補助台
T1〜T4 ターゲット

Claims (17)

  1. 並列する少なくとも2つの第1歩行面、第2歩行面を提供する少なくとも2つの無端ベルトと、
    歩行中の被訓練者に、いずれか1つの歩行面上に両足を載せた状態で、選択されたターゲットに身体の部分を接近させる動作を行わせるための複数のターゲットと、
    歩行中の被訓練者に、前記選択されたターゲットを指示するターゲット指示手段と、
    を備え、
    第1歩行面の移動速度と第2歩行面の移動速度は独立して設定可能であり、
    前記複数のターゲットは、第1歩行面上の被訓練者の身体の部分が接近可能な1つあるいは複数の第1ターゲットと、第2歩行面上の被訓練者の身体の部分が接近可能な1つあるいは複数の第2ターゲットを含む、
    歩行訓練装置。
  2. 訓練中に、第1歩行面と第2歩行面は異なる速度で移動する、請求項1に記載の歩行訓練装置。
  3. 訓練中に、第1歩行面と第2歩行面は異なる傾斜で移動する、請求項1、2いずれか1項に記載の歩行訓練装置。
  4. 前記ターゲット指示手段は、前記複数のターゲットからターゲットをランダムに選択して指示する、請求項1〜3いずれか1項に記載の歩行訓練装置。
  5. 前記ターゲット指示手段は、被訓練者に対して視覚的あるいは聴覚的に指示を与える、請求項1〜4いずれか1項に記載の歩行訓練装置。
  6. 前記歩行訓練装置は、選択されたターゲットに身体の部分を接近させる動作が実行されたことを検知する接近動作検知手段を備えている、請求項1〜5いずれか1項に記載の歩行訓練装置。
  7. 前記接近動作検知手段は、身体の部分とターゲットの接触あるいは身体の部分によるターゲットの押圧を検知して検知信号を生成する、請求項6に記載の歩行訓練装置。
  8. 前記歩行訓練装置は、前記接近動作検知手段によって接近動作が検知された検知元ターゲットと被訓練者に指示されたターゲットとを照合する動作正誤判定手段を備えている、請求項6、7いずれか1項に記載の歩行訓練装置。
  9. 前記動作正誤判定手段により照合されたターゲットが一致した場合には、接近動作完了と判断し、前記ターゲット指示手段は、次のターゲットを選択して指示する、請求項8に記載の歩行訓練装置。
  10. 前記ターゲット指示手段は、前記接近動作検知手段から検知信号が生成された時に、接近動作が正動作であるか誤動作であるかにかかわらず、次のターゲットを選択して指示する、請求項6〜8いずれか1項に記載の歩行訓練装置。
  11. 前記歩行訓練装置は、訓練結果記録手段を備えており、
    前記訓練結果には、ターゲット指示手段による被訓練者に対するターゲットの指示から接近動作完了時までの時間が含まれる、請求項9に記載の歩行訓練装置。
  12. 前記歩行訓練装置は、訓練結果記録手段を備えており、
    前記訓練結果には、ターゲット指示手段による被訓練者に対するターゲットの指示から接近動作検知時までの時間が含まれる、請求項6〜8、10いずれか1項に記載の歩行訓練装置。
  13. 前記身体の部分は上肢である、請求項1〜12いずれか1項に記載の歩行訓練装置。
  14. 前記少なくとも2つの第1歩行面、第2歩行面の間には当該第1歩行面と第2歩行面間の乗り移りを要する中間部が存在する、
    請求項1〜13いずれか1項に記載の歩行訓練装置。
  15. 前記中間部の上面は、前記第1歩行面及び第2歩行面よりも高い位置にある、
    請求項14に記載の歩行訓練装置。
  16. 前記少なくとも2つの第1歩行面、第2歩行面の後側が、被訓練者が第1歩行面ないし第2歩行面に乗り降りする昇降経路となっており、前記昇降経路の側方に位置して操作パネルが設けてある、
    請求項1〜15いずれか1項に記載の歩行訓練装置。
  17. 前記少なくとも2つの第1歩行面、第2歩行面の後側には、介助者が載る補助台が設けられ、前記操作パネルは、前記補助台上の介助者が操作可能な位置に設けてある、
    請求項16に記載の歩行訓練装置。

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