JP2019040834A - 磁界発生装置 - Google Patents

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明平 森下
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Abstract

【課題】エネルギー効率の向上を図ることができる磁界発生装置。【解決手段】磁界発生部40には、上層コイル群42が内側コイル48A、48B、中間コイル48C及び外側コイル48D、48Eによって形成され、中層コイル群44が内側コイル50A及び外側コイル50Bによって形成され、下層コイル群46が内側コイル52A、52B、中間コイル52C及び外側コイル52D、52Eによって形成されており、上層コイル群42、中層コイル群44、及び下層コイル群46の内側コイル52A、外側コイル52Dの各々に同相の高周波電流が供給され、下層コイル群46の内側コイル52B、中間コイル52C及び外側コイル52Dに逆相の高周波電流が供給される。これにより、磁界発生部40には、径方向断面内においてハルバッハ磁石配列に近似する磁束が形成されて、磁場を一側に集中できて、磁場を形成するためのエネルギー効率の向上を図れる。【選択図】図6

Description

本発明は、導電性線材に流れる電流によって磁界を発生させる磁界発生装置に関する。
電磁調理器(IH調理器)は、コイルに高周波電流を供給して磁場を形成し、この磁場に配置される誘導加熱用器具に電磁誘導による渦電流を生じさせて、誘導加熱用器具を加熱する。特許文献1の誘導加熱調理器には、中央コイルが配置されると共に、中央コイルの周囲に複数の周辺コイルが配置されており、中央コイル及び複数の周辺コイルに高周波電流が供給されることで磁場が形成される。また、特許文献1では、中央コイル及び周辺コイルの上方に載置された誘導加熱調理器具を検出し、上方に誘導加熱用器具が検出された中央コイル、及び周辺コイルに選択的に高周波電流を供給することで、誘導加熱用器具の加熱に寄与しない不要な磁束の発生を抑制するようにしている。
国際公開第2010/101202号
ところで、平板状(扁平状)に巻かれたコイルには、該平板状コイルの一方の面側と他方の面側(裏面側)に磁場が発生する。このため、電磁調理器には、コイルの誘導加熱用器具とは反対側(装置裏側)に強磁性材料などを用いた磁気遮蔽部材が配置され、装置裏側に向けて発生する磁束が電磁調理器の内部空間に漏れるのが抑制されている。また、電磁調理器では、磁場を形成するコイルに発熱が生じると共に、磁気遮蔽部材にも発熱が生じる。このため、電磁調理器には、冷却ファンなどの冷却手段が設けられて、コイル及び磁気遮蔽部材の過熱を抑制している。このため、電磁調理器などの磁界発生装置においては、磁場を形成する際のエネルギー効率の向上が望まれている。
本発明は、上記事実を鑑みて成されたものであり、エネルギー効率の向上を図ることができる磁界発生装置を提供することを目的とする。
本発明の磁界発生装置は、以下の態様を含む。
第1の態様は、各々が矩形領域の周縁部において該矩形領域と交差する複数の導線を有し、前記導線が所定方向に対で配置されると共に前記導線の複数対が所定方向と交差する交差方向に配置され、前記交差方向に起磁力を発生可能な第1の磁気発生部と、前記導線が前記交差方向に対で配置されると共に前記導線の複数対が所定方向に配置され、前記交差方向に起磁力を発生可能な第2の磁気発生部とが、前記所定方向に交互に配列された磁界発生部と、前記第1の磁気発生部の両側の前記第2の磁気発生部の各々の起磁力方向が該第1の磁気発生部に向く際には、該第1の磁気発生部の起磁力方向が前記交差方向の一側に向き、前記第1の磁気発生部の両側の前記第2の磁気発生部の各々の起磁力方向が該第1の磁気発生部とは反対側に向く際には、該第1の磁気発生部の起磁力方向が前記交差方向の他側に向くように、前記第1の磁気発生部及び第2の磁気発生部の起磁力方向を配列方向に順に異ならせる電流を前記導線の各々に供給する電流供給部と、を備える。
第2の態様は、第1の態様において、前記磁界発生部には、前記第1の磁気発生部の起磁力方向が前記交差方向の一側に向けられる際に、該第1の磁気発生部の両側の前記第2の磁気発生部の各々の該第1の磁気発生部とは反対側に、起磁力方向が前記交差方向の他側に向けられる前記第1の磁気発生部がさらに配列されている。
第3の態様は、第1又は第2の態様において、前記第1の磁気発生部及び前記第2の磁気発生部の各々は、前記対に配置された前記導線の間隔が長さ2rとされた3対の導線対が、互いの間隔が長さrとされて配置されている。
この第3の態様においては、前記導線対が、半径がrとされて前記導線によって形成されたコイルであってもよい。
第4の態様は、第3の態様において、前記磁界発生部は、前記第1の磁気発生部及び前記第2の磁気発生部の各々において前記交差方向の一側に配置された前記導線の各々により形成された第1の導線群、前記第1の磁気発生部において前記交差方向の中間部に配置された前記導線により形成された第2の導線群、及び前記第1の磁気発生部及び前記第2の磁気発生部の各々において前記交差方向の他側に配置された前記導線により形成された第3の導線群を含み、前記電流供給部は、前記第1、前記第2及び前記第3の導線群の各々の前記導線に電流を供給する。
第5の態様は、第4の態様において、前記第1の導線群及び前記第3の導線群では、隣接する前記矩形領域の間で接するように配置され、各々に逆相とされて電流が供給される2本の前記導線が省かれている。
第6の態様は、第4又は第5の態様において、前記第1の導線群及び前記第3の導線群では、隣接する前記矩形領域の間で接するように配置され、各々に同相とされて電流が供給される2本の前記導線について、2本の前記導線の一方が省かれ、他方に2倍の電流が供給される。
第7の態様は、第1から第6の態様の何れかにおいて、前記磁界発生部は、各々に前記第1の磁気発生部及び前記第2の磁気発生部が交互に配列された第1の磁界発生部及び第2の磁界発生部を備え、前記第1の磁界発生部の前記第1の磁気発生部及び前記第2の磁気発生部の各々が、前記第2の磁界発生部の前記第1の磁気発生部及び前記第2の磁気発生部の各々に対向されて配置され、前記電流供給部は、前記第1の磁界発生部において、前記第1の磁気発生部の起磁力方向が前記第2の磁界発生部側に向き、該第1の磁気発生部の両側の前記第2の磁気発生部の各々の起磁力方向が該第1の磁気発生部に向く際に、前記第2の磁界発生部において、前記第1の磁気発生部の起磁力方向が前記第1の磁界発生部とは反対側に向き、該第1の磁気発生部の両側の前記第2の磁気発生部の各々の起磁力方向が該第1の磁気発生部とは反対側に向くように前記導線の各々に電流を供給する。
本発明の態様によれば、磁界発生部によって発生される磁場を第1の磁気発生部及び第2の磁気発生部の配列方向と交差する方向の一側に集中させることができて、磁場を発生する際のエネルギー効率を向上できる、という効果を有する。
磁界発生装置の概略構成図である。 (A)は、ハルバッハ磁石配列を示す概略構成図、(B)は、一般的磁石配列を示す概略構成図である。 (A)は、第1の実施の形態に係る磁界発生部の概略構成図、(B)は、コイルの一例を示す概略図である。 (A)及び(B)は磁石配列において磁石を等価コイルに置き換えた磁気回路図である。 (A)は、第2の実施の形態に係る磁界発生部の概略構成図、(B)は、第2の実施の形態に係るコイルユニットを示す概略図、(C)は(B)の径方向断面図である。 第3の実施の形態に係る磁界発生部の主要部を示す斜視図である。 (A)は、磁界発生部の主要部を示す図6の径方向に沿った概略断面図、(B)は、(A)と等価の配列を示す断面図である。 第3の実施の形態に係る磁界発生部のシミュレーション結果を示す線図である。 第4の実施の形態に係る磁界発生部の主要部を示す斜視図である。 磁界発生部の主要部を示す図9の径方向に沿った概略断面図である。 第4の実施の形態に係る磁界発生部のシミュレーション結果を示す概略図である。 第5の実施の形態に係る磁界発生部の主要部を示す斜視図である。 (A)は、磁界発生部の主要部を示す図12の配列方向に沿った概略断面図、(B)は、(A)と等価の配列を示す断面図である。 第6の実施の形態に係る磁界発生部の主要部を示す斜視図である。 磁界発生部の主要部を示す図14の径方向に沿った概略断面図である。 第6の実施の形態に係る磁界発生部のシミュレーション結果を示す概略図である。
以下、図面を参照して本発明の実施形態について詳細に説明する。なお、以下の説明において、半径及び直径は導線中心の半径及び直径を示し、導線間の間隔は、導線中心間の間隔を示す。
〔基本構成の説明〕
図2(A)には、ハルバッハ磁石配列100が示され、図2(B)には、比較例としての一般的な磁石配列102が示されている。なお、図2(A)及び図2(B)は、磁石の配列を直線状に展開した展開図とされている。また、図面では、磁石のS極側が網掛けにて示され、着磁方向(磁石内でS極からN極に向かう方向)が矢印にて示され、磁力線が破線にて示されている。
図2(B)に示す磁石配列102は、電動機(モータ)や発電機などの電気回転機などにおいて、回転軸回りに形成されている。磁石配列102では、着磁方向が交互に反対方向に向けられて複数の磁石(永久磁石)104が配列されており、配列方向と交差する方向の両側には、N極とS極とが順に配置されている。このため、磁石配列102では、磁石104の配列方向と交差する方向の両側に磁場(磁界)が形成される。
また、図2(A)に示すように、磁石の配列には、隣接する磁石104の間において着磁方向が略π/2(90度)ずつ変更されたハルバッハ磁石配列100がある。ハルバッハ磁石配列100では、着磁方向が配列方向と交差する方向の一側に向けられた磁石104Aに対して、配列方向両側の磁石104B、104Cの着磁方向が磁石104A側に向けられている。また、磁石104B、104Cの磁石104Aとは反対側に隣接する磁石104D、104Eは、着磁方向が磁石104Aの着磁方向とは反対方向に向けられている。なお、磁石104Dの磁石104Bとは反対側には、着磁方向が磁石104Bとは反対側に向けられた磁石104(磁石104Cと同様の磁石104)が配置され、磁石104Eの磁石104Cとは反対側には、着磁方向が磁石104Cとは反対側に向けられた磁石104(磁石104Bと同様の磁石104)が配置される(何れも図示省略)。
これにより、ハルバッハ磁石配列100では、磁石104Aの着磁方向に、磁石配列102に比して強い磁場が形成され、磁石104Aの着磁方向とは反対方向の磁場が磁石配列102の磁場に比して弱められる。このようなハルバッハ磁石配列100に用いられる磁石104は、例えば略直方体状(着磁方向に平行な断面の一辺の長さがaの正方形)とされて、緊密に接するように配置されることが好ましい。
図1には、本発明に係る磁界発生装置10の概略構成が示されている。磁界発生装置10は、磁界発生部12及び電流供給部としての電源部14を備えており、電源部14は、磁界発生部12に高周波電流(交流電流)を供給する。なお、電源部14は、磁界発生部12に直流電力(直流電流)を給電してもよい。
一般に、一対の導線(電線)又は導線を巻回したコイルに電流を流すことで、一対の導線又はコイルが電磁石として機能し、電磁石は、磁石104と同様に磁場を形成できる。ここから、磁界発生部12は、ハルバッハ磁石配列100における磁石104に替えて、導電性線材(導線)又はコイルによって構成される磁気発生部(第1及び第2の磁気発生部)を用いており、磁界発生部12は、複数の磁気発生部が配列されて形成され、電源部14から供給される電力(高周波電流)によってハルバッハ磁石配列100の磁場に近似した磁場を電気的に形成する。磁界発生装置10は、電源部14が所定周波数の高周波電流を磁界発生部12に供給することで、磁界発生部12が高周波交番磁界を発生する。これにより、磁界発生装置10は、電磁調理器などの電磁誘導機器に適用可能となる。
以下には、磁界発生装置10に適用される磁界発生部12を詳細に説明する。
〔第1の実施の形態〕
図3(A)には、第1の実施の形態に係る磁界発生部20の概略構成が示されており、図3(B)には、磁界発生部20に用いられる磁気発生部(第1及び第2の磁気発生部)としてのコイルユニット22が概略図にて示されている。第1の実施の形態において、磁界発生部20は、磁界発生装置10に磁界発生部12として適用される。
図3(B)に示すように、コイルユニット22は、コイル24を備えており、コイル24は、導電性線材としての導線(電線)26が螺旋状に巻かれて形成されたソレノイド(ソレノイドコイル)とされている。導線26は、銅線が用いられてもよく、銅線以外の金属線が用いられてもよい。また、導線26は、リッツ線が用いられてもよく、特に、電源部14から高周波電流(周波数が数kHz以上の電流)が供給される場合には、リッツ線が用いられることが好ましい。また、導線26は、裸線であってもよいが、第1の実施の形態では、耐熱性の被覆線が用いられている。さらに、コイル24は、鉄芯入りであってもよいが、インダクタンスを小さくするために空芯又は芯材として非磁性材が用いられることが好ましく、第1の実施の形態では、空芯としている。
コイル24は、直径(導線中心の直径)Dと軸線方向に沿った長さ(軸線方向両端の導線26の中心間距離)Lとが略同様とされている(D=L)。これにより、コイルユニット22は、径方向断面が略矩形領域となり、略直方体形状の磁石104(図2(A)参照)と置き換え可能になる。コイルユニット22は、この矩形領域に複数の導線26が交差すると共に、複数の導線26が対となって配置される。
コイル24は、導線26に電流が流れることで、中空内部を貫通する磁力線(磁束線)が発生して磁石(電磁石)として機能する。また、コイル24は、導線26に高周波電流などの交流電流が供給されることで、磁束線の向きが交互に切替わる。図3(B)には、所定のタイミングにおいてコイル24内部に生じる起磁力の方向(以下、起磁力方向とする)を矢印にて示しており、コイル24の起磁力方向が、磁石104における着磁方向に相当する。また、図3(A)には、磁界発生部20がコイルユニット22の起磁力方向に沿った断面(平面)にて示されている。
図3(A)に示すように、磁界発生部20には、5つのコイルユニット22(22A〜22E、5本のコイル24)が配置されている。コイルユニット22のうちの配列方向の中央部のコイルユニット22A、及び両端部のコイルユニット22D、22Eは、第1の磁気発生部とされており、コイル24の軸線方向が配列方向と交差する方向とされている。また、コイルユニット22Aの両側のコイルユニット22B、22Cは、第2の磁気発生部とされており、コイルユニット22B、22Cは、コイル24の軸線方向が配列方向と同様とされている。
また、磁界発生部20では、コイルユニット22Aとコイルユニット22D、22Eとの間、及びコイルユニット22Bとコイルユニット22Cとの間に、高周波電流が逆相(逆位相)とされて供給される。このため、図2(A)に示すように、コイルユニット22Aの起磁力方向が一側(上側)に向く際には、コイルユニット22D、22Eの起磁力方向がコイルユニット22Aの起磁力方向とは反対側に向けられると共に、コイルユニット22B、22Cの起磁力方向がコイルユニット22Aに向けられる。また、コイルユニット22Aの起磁力方向が他側(下側)に向く際には、コイルユニット22B、22Cの起磁力方向がコイルユニット22Aとは反対側に向けられる。なお、コイルユニット22Aとコイルユニット22D、22Eの間、及びコイルユニット22Bとコイルユニット22Cとの間では、起磁力方向が反対方向となればよく、コイル24の巻方向を変えると共に同相の高周波電流が供給される構成であってもよい。
これにより、磁界発生部20では、複数本のコイル24の起磁力方向が90度ずつ変更されるようにコイルユニット22A〜22Eが配列されており、コイルユニット22A〜22Eは、ハルバッハ磁石配列100の磁石104A〜104E(図2(A)参照)と略同様の配列とされている。磁界発生部20では、コイルユニット22Aの起磁力方向が上側に向けられた際に、コイルユニット22の配列方向の上側(コイルユニット22Aの起磁力方向側)に強い磁場が形成される。なお、コイルユニット22Aの起磁力方向が下側に向いた際には、コイルユニット22B、22Cの起磁力方向がコイルユニット22Aとは反対側に向くことで、コイルユニット22の配列方向の上側に強い磁場が形成される。
図4(A)には、磁気回路28Aの主要部が示され、図4(B)には、磁気回路28Bの主要部が示されている。図4(A)に示すように、磁気回路28Aは、磁界発生部20においてコイルユニット22A〜22Eの各々のコイル24を図2(A)のハルバッハ磁石配列100における磁石104の等価コイルとした場合の主要部が示されている。また、図4(B)に示すように、磁気回路28Bは、コイルユニット22A、22D、22Eを用いて、コイルユニット22A、22D、22Eのコイル24を図2(B)の磁石配列102における磁石104の等価コイルとした場合の主要部が示されている。
一般に、磁石104においては、保持力をHm、磁極間の長さをlmとした場合、磁石104の起磁力Fmが、Fm=lm・Hmとして得られる。磁石104の等価コイルとしてのコイル24においては、磁石104の起磁力Fmに相当する起磁力Vm(Vm=Fm)が、コイル24の巻回数をN、コイル電流Iとした場合に、Vm=I・Nとして表される。
ここで、コイル24について極ピッチτが高さhに対して所定の割合となる位置に磁気抵抗Rを設定する。これにより、図4(B)の磁気回路28Bにおいては、コイル24の起磁力方向両側における磁束φが、φ=N/Rとして得られる。
これに対して、図4(A)のハルバッハ磁石配列100に対応する磁気回路28Aにおいては、コイル24の配列方向と交差する方向の一側での起磁力Vmが2・N・Iとなるため(Vm=2・N・I)、該一側の磁束φ1が、φ1=2・N・I/Rとなる。また、コイル24の配列方向と交差する方向の他側では、起磁力Vmが打ち消しあってゼロとなるため、磁束φ2は、φ2=0/Rとなって発生しない。
このため、コイル24の電流I及び巻回数Nが同じ場合、磁界発生部20では、一般的な磁石配列102を適用した場合に比べ、磁束φが2倍の磁場を配列方向の一側に形成できる。また、磁界発生部20では、巻回数Nを同じとした状態で磁束φを同じにする際には、コイル24に供給される電流Iが1/2で済む。この際、強い磁場は、コイルユニット22Aの起磁力方向側に形成される。
従って、磁界発生部20では、効率的に一側に磁場を発生できると共に、他側の磁場を抑制できるので、一側に磁場を形成するためのエネルギー効率を向上できる。このため、磁界発生部12として磁界発生部20を適用した磁界発生装置10は、電磁調理器に適用した場合に、磁界発生部20上に載置した電磁加熱用器具を少ない電力で効率的に加熱できる。また、磁界発生部20は、電磁加熱用器具とは反対側(下側)の磁場が抑制されるので、磁界発生部20の下側に配置する磁気遮蔽部材が加熱されるのを抑制できる。これにより、磁界発生部20では、磁気遮蔽部材に対する冷却手段の冷却能力を低くできるので、磁気遮蔽部材の冷却に用いるエネルギーを抑制できて、エネルギー効率をより向上できる。しかも、磁界発生部20の下側の磁場が抑制されるので、磁気遮蔽部材の遮蔽能力を抑制できて、磁気遮蔽部材の軽量化、ひいては電磁調理器の軽量化及び小型化を図ることができる。
このような磁界発生部20は、少なくともコイルユニット22A、22B、22Cの3本のコイル24によって構成されていればよい。これにより、コイルユニット22B、22Cの起磁力方向がコイルユニット22Aに向いた状態におけるコイルユニット22Aの起磁力方向側に、該起磁力方向とは反対側より強い磁場を形成できる。
また、磁界発生部20は、3以上の奇数(3+2・n、但し、nは0以上の整数)本のコイル24によって形成されてもよい。また、磁界発生部20において、コイルユニット22の配列方向両側において磁束(磁束線)が広がるのを抑制するたには、配列方向両側のコイル24の起磁力方向が配列方向に沿う方向であることが好ましい。このため、コイルユニット22(コイル24)の数は、(5+4・n、但し、nは0以上の整数)本であることがより好ましい。
また、コイル24は、導線26を螺旋状に巻回したコイル24を用いたが、これに限らず、コイルは、導線26が矩形状に巻回されて形成されてもよい。また、磁界発生部20は、コイルユニット22を縦横に配列してもよく、同一平面上(例えば、水平面上)においてコイルユニット22をリング状に配列してもよい。これにより、磁界発生部20では、磁場が形成される面積を広くできるので、磁界発生部20を誘導加熱用器具の底面の面積に合わせることで、誘導加熱用器具を効率的に加熱できる。
〔第2の実施の形態〕
次に第2の実施の形態を説明する。なお、第2の実施の形態において、第1の実施の形態と同様の機能部品については、第1の実施の形態と同様の符号を付与して、その詳細な説明を省略する。
図5(A)には、第2の実施の形態に係る磁界発生部30の概略構成が示され、図5(B)には、磁界発生部30に用いる磁気発生部(第1及び第2の磁気発生部)としてのコイルユニット32が概略図にて示され、図5(C)には、コイルユニット32が径外方視の断面図にて示されている。第2の実施の形態において、磁界発生部30は、第1の実施の形態の磁界発生部20に替えて磁界発生装置10に磁界発生部12として用いられる。
図5(B)及び図5(C)に示すように、コイルユニット32は、第1のコイル、第2のコイル及び第3のコイルとしての3本のコイル34A、34B、34Cによって形成されている。コイル34A、34B、34Cは、導線26が単巻とされて導線26中心が半径rのリング状に形成されており、コイル34A、34B、34Cは、同軸上に配置されている。また、コイル34Aとコイル34Bとの間隔(導線26の中心間の間隔)d1、及びコイル34Bとコイル34Cとの間隔(導線26の中心間の間隔)d2は、半径rと同様とされている(d1=d2=r)。このため、コイルユニット32は、径方向断面が略矩形領域となり、この矩形領域においてコイル34A〜34Cの各導線26が交差すると共に、複数の導線26が対となって配置される。
ここで、コイルユニット32においてコイル34Aとコイル34B、及びコイル34Bとコイル34Cとの各々が、ヘルムホルツコイル(Helmholtz coil)を形成しており、コイルユニット32は、二つのヘルムホルツコイルが重ねられた構成とされている。
ヘルムホルツコイルは、各コイルに同様の電流(例えば直流電流)が流れることで電磁石として機能し、内部空間に永久磁石(磁石104)と同様の均質な磁場が形成される。このため、コイルユニット32は、コイル34A、34B、34Cの各々に同様の電流(電流値及び位相が同様の電流)が流れるように用いられることで、直径と軸方向長さが同様にされた円筒状の内部空間(コイル34A、34B、34Cによって囲われた円筒状の内部の空間)に均質な磁場が形成されると共に、コイル34A〜34Cの間において磁束が周囲の漏れるのが抑制される。また、コイルユニット32では、コイル34A〜34Cに高周波電流(交流電流)が供給されることで、磁束線の向きが交互に切替わる。図5(A)及び図5(C)には、所定のタイミングにおいてコイル34A〜34C(コイルユニット32)内部に生じる起磁力方向を矢印にて示している。
図5(A)に示すように、磁界発生部30には、5つのコイルユニット32(32A〜32E)が配置されている。コイルユニット32のうちの配列方向の中央部のコイルユニット32A、及び両端部のコイルユニット32D、32Eは、第1の磁気発生部とされており、コイル34A〜34Cの軸線方向が配列方向と交差する方向とされる。また、コイルユニット32Aの両側のコイルユニット32B、32Cは、第2の磁気発生部とされており、コイル34A〜34Cの軸線方向が配列方向と同様とされている。
また、磁界発生部30では、コイルユニット32Aとコイルユニット32D、32Eとの間、及びコイルユニット32Bとコイルユニット32Cとの間に、高周波電流が逆相(逆位相)とされて供給される。このため、コイルユニット32Aの起磁力方向が一側(上側)に向く際には、コイルユニット32D、32Eの起磁力方向がコイルユニット32Aの起磁力方向とは反対側に向けられると共に、コイルユニット32B、32Cの起磁力方向がコイルユニット32Aに向けられる。
これにより、磁界発生部30では、起磁力方向が90度ずつ順に変更されるようにコイルユニット32A〜32Eが配列されており、コイルユニット32A〜32Eは、ハルバッハ磁石配列100の磁石104A〜104E(図2(A)参照)と略同様の配列とされている。磁界発生部30では、コイルユニット32B、32Cの起磁力方向がコイルユニット32Aに向けられた際に、コイルユニット32Aの起磁力方向側に、コイルユニット32Aの起磁力方向とは反対側より強い磁場が形成される。
また、磁界発生部30には、ヘルムホルツコイルが形成されたコイルユニット32が用いられており、コイルユニット32は、コイルユニット22に比して、わずかな導線56で磁束漏れが抑制されている。このため、磁界発生部30は、磁界発生部20に比して、自己インダクタンスを抑えることができ、電源部14からより高い周波数の電流を出力して誘導加熱を行うことができ、エネルギー効率をより向上できる。
従って、磁界発生部30では、より効率的に一側に磁場を発生できると共に、他側の磁場を抑制できるので、一側に磁場を形成するためのエネルギー効率を向上できる。
磁界発生部12として磁界発生部30を適用した磁界発生装置10は、電磁調理器に適用した場合に、磁界発生部30上に載置した誘導加熱用器具を少ない電力でより効率的に加熱できる。また、磁界発生部30は、誘導加熱用器具とは反対側(下側)の磁場がより抑制されるので、磁界発生部30の下側に配置する磁気遮蔽部材が加熱されるのをより抑制できる。これにより、磁界発生部30では、磁気遮蔽部材に対する冷却手段の冷却能力をより低くできるので、磁気遮蔽部材の冷却に用いるエネルギーをより抑制できて、エネルギー効率をより向上できる。しかも、磁界発生部30の下側の磁場が抑制されるので、磁気遮蔽部材の遮蔽能力を抑制できて、磁気遮蔽部材の軽量化、ひいては電磁調理器の軽量化及び小型化を図ることができる。
なお、磁界発生部30は、コイルユニット32Aを磁界発生部20のコイルユニット22と同様に配列できる。また、コイルユニット32のコイル34A〜34Cは、単巻に限らず、ホルムヘルツコイルを形成し得るものであれば複数巻であってもよい。
また、磁界発生部30は、少なくともコイルユニット32A、32B、32Cの3本によって構成されていればよい。これにより、磁界発生部30では、コイルユニット32B、32Cの起磁力方向がコイルユニット32Aに向いた状態におけるコイルユニット32Aの起磁力方向側に磁場を集中して形成できる。
さらに、磁界発生部30は、3以上の奇数(3+2・n、但し、nは0以上の整数)本のコイルユニット32によって形成されてもよい。また、磁界発生部30において、コイルユニット32の配列方向両側において磁束(磁束線)が広がるのを抑制するたには、配列方向両側のコイルユニット32の起磁力方向が配列方向に沿う方向であることが好ましい。このため、コイルユニット32の数は、(5+4・n、但し、nは0以上の整数)本であることがより好ましい。
また、磁界発生部30は、コイルユニット32を縦横(平面上)に配列してもよく、同一平面上(例えば、水平面上)においてコイルユニット32をリング状に配列してもよい。これにより、磁界発生部30では、磁場が形成される面積を誘導加熱用器具の底面積に合せることで誘導加熱用器具を効率的に加熱できる。
〔第3の実施の形態〕
次に第3の実施の形態を説明する。なお、第3の実施の形態において、第1及び第2の実施の形態と同様の機能部品については、第1及び第2の実施の形態と同様の符号を付与して、その詳細な説明を省略する。
図6には、第3の実施の形態に係る磁界発生部40の概略構成が斜視図にて示されている。また、図7(A)には、磁界発生部40の主要部が径外方視の断面図にて示され、図7(B)には、図7(A)と機能が同様のコイルユニット32配列が断面図にて示されている。第3の実施の形態において磁界発生部40は、第1の実施の形態の磁界発生部20又は第2の実施の形態の磁界発生部30に替えて、磁界発生装置10に磁界発生部12として用いられる。なお、図6では、電源部14との接続端子の図示が省略されている。
図6及び図7(A)に示すように、磁界発生部40は、第1の導線群としての上層コイル群42、第2の導線群としての中層コイル群44、及び第3の導線群としての下層コイル群46の三層構造とされている。上層コイル群42、中層コイル群44及び下層コイル群46は、導線26(図示省略)が用いられて略扁平状の円形に形成され、同軸上に配置されている。
上層コイル群42は、2本の内側コイル48A、48B、1本の中間コイル48C、及び2本の外側コイル48D、48Eによって形成されている。内側コイル48A、48Bは、略同径とされ、内側コイル48Aの外周に接するように内側コイル48Bが配置されており、中間コイル48Cは、内側コイル48A、48Bより大径とされている。また、外側コイル48D、48Eは、略同径とされていると共に中間コイル48Cより大径とされ、外側コイル48Dの外周に接するように外側コイル48Eが配置されている。また、内側コイル48A、48B、中間コイル48C及び外側コイル48D、48Eは、略同一面上において同軸的に配置されている。
中層コイル群44は、内側コイル50A、及び内側コイル50Aより大径とされた外側コイル50Bによって形成されており、内側コイル50A及び外側コイル50Bは、略同一面上において同軸的に配置されている。
下層コイル群は、2本の内側コイル52A、52B、1本の中間コイル52C、及び2本の外側コイル52D、52Eによって形成されている。内側コイル52A、52Bは、略同径とされ、内側コイル52Aの外周に接するように内側コイル52Bが配置されており、中間コイル52Cは、内側コイル52A、52Bより大径とされている。また、外側コイル52D、52Eは、略同径とされていると共に中間コイル52Cより大径とされ、外側コイル52Dの外周に接するように外側コイル52Eが配置されている。また、内側コイル52A、52B、中間コイル52C及び外側コイル52D、52Eは、略同一面上において同軸的に配置されている。
図7(A)に示すように、上層コイル群42の内側コイル48A(48B)、中層コイル群44の内側コイル50A及び下層コイル群46の内側コイル52A(52B)は、同様の半径rとされている。また、上層コイル群42の中間コイル48C及び下層コイル群46の中間コイル52Cは、同様の半径2rとされており、上層コイル群42の外側コイル48D(48E)、中層コイル群44の外側コイル50B及び下層コイル群46の外側コイル52D(52E)は、同様の半径3rとされている。さらに、上層コイル群42と中層コイル群44の間隔d1、及び中層コイル群44と下層コイル群46との間隔d2は、半径rと同様にされている。
また、磁界発生部40では、上層コイル群42の各コイル、中層コイル群44の各コイル、及び下層コイル群46の内側コイル52A、外側コイル52Dの各々に同相の高周波電流が供給され、下層コイル群46の内側コイル52B、中間コイル52C、及び外側コイル52Dに逆相の高周波電流が供給される。
これにより、図7(B)に示すように、矩形領域(図7(B)において二点鎖線によって示す領域)内に配置される上層コイル群42の内側コイル48A、中層コイル群44の内側コイル50A、及び下層コイル群46の内側コイル52Aの配置により、第1の磁気発生部としてのコイルユニット32Aと同等の構成が得られる。この際、内側コイル48Aの導線がコイル34Aの導線26に相当し、内側コイル50Aの導線がコイル34Bの導線26に相当し、内側コイル52Aの導線がコイル34Cの導線26に相当する。
また、上層コイル群42の内側コイル48B、中間コイル48C、外側コイル48D、及び下層コイル群46の内側コイル52B、中間コイル52C、外側コイル52Dは、径方向断面上の矩形領域内における配置が、コイルユニット32Aの両側に配置される第2の磁気発生部としてのコイルユニット32B、32Cと同様の配置を形成する。この際、内側コイル48B、52Bの導線がコイル34Aの導線26に相当し、中間コイル48C、52Cの導線がコイル34Bの導線26に相当し、外側コイル48D、52Dの導線が、コイル34Cの導線26に相当する。
さらに、上層コイル群42の外側コイル48E、中層コイル群44の外側コイル50B、及び下層コイル群46の外側コイル52Eは、径方向断面上の矩形領域内における配置が、コイルユニット32B、32Cのコイルユニット32Aとは反対側に配置される第1の磁気発生部としてのコイルユニット32D、32Eと同様の配置を構成する。この際、外側コイル48Eの導線がコイル34Aの導線26(コイルユニット32B、32C側の導線26)に相当し、外側コイル50Bの導線がコイル34Bの導線26に相当し、外側コイル52Eの導線がコイル34Cの導線に相当する。
従って、磁界発生部40は、径方向断面における上層コイル群42、中層コイル群44、及び下層コイル群46の配置(導線の配置)が、起磁力方向に沿う断面におけるコイルユニット32A、32B、32Cの導線26の配置と同様にされている。
ここで、図8には、磁界発生部40において形成される磁場のシミュレーション結果が分布図にて示されている。なお、シミュレーションでは、上層コイル群42の各コイル、中層コイル群44の各コイル、及び下層コイル群46の内側コイル52A、外側コイル52Dの各々に同相の高周波電流を供給すると共に、下層コイル群46の内側コイル52B、中間コイル52C、及び外側コイル52Dに逆相の高周波電流が供給している。また、図8では、上層コイル群42、中層コイル群44及び下層コイル群46の周囲に形成される磁束線及び磁場の分布の概略が示されている。
図8に示すように、磁界発生部40では、上層コイル群42の上側に下層コイル群46の下側よりも強い磁場を形成することができ、磁界発生部40では、上層コイル群42の上側に磁場を偏奇させて形成できる。
従って、磁界発生部40は、電磁調理器として用いられた場合、誘導加熱用器具を少ない電力で効率的に加熱できる。また、誘導加熱用器具とは反対側(下側)の磁場を抑制できるので、磁界発生部40の下側に配置する磁気遮蔽部材が加熱されるのを抑制できるので、磁気遮蔽部材に対する冷却手段の冷却能力を低くでき、磁気遮蔽部材の冷却に用いるエネルギーを抑制できて、エネルギー効率をより向上できる。しかも、磁界発生部40の下側の磁場が抑制されるので、磁気遮蔽部材の遮蔽能力を抑制でき、磁気遮蔽部材の軽量化、ひいては電磁調理器の軽量化及び小型化を図ることができる。
なお、磁界発生部40は、コイルユニット32A〜32Cの径方向断面を形成すると共に、コイルユニット32D、32Eの径方向断面の一部を形成するように上層コイル群42、中層コイル群44及び下層コイル群46を設けた。しかしながら、磁界発生部40は、少なくともコイルユニット32A〜32Cを形成するように配置されればよく、これにより、磁界発生部40では、コイルユニット32B、32Cに相当する構成によって形成される起磁力方向が、コイルユニット32Aに対応する構成に向いた状態において、コイルユニット32Aに対応する構成の起磁力方向に強い磁場を形成できる。
また、磁界発生部40は、上層コイル群42、中層コイル群44及び下層コイル群46の各々が径外方に広げられてもよい。即ち、磁界発生部40は、3以上の奇数(3+2・n、nは0以上の整数)個のコイルユニット32に対応する構成(その外側のコイルユニット32の一部に対応する構成を含んでもよい)を形成するように、上層コイル群42、中層コイル群44及び下層コイル群46が形成されてもよい。また、磁界発生部40において、コイルユニット22の配列方向両側において磁束(磁束線)が広がるのを抑制するたには、径方向の両側(直径方向の両側)においてコイルユニット32を形成する構成の起磁力方向が径方向内側又は外側に沿う方向であることが好ましい。このため、コイルユニット22(コイル24)の数は、(3+4・n、nは0以上の整数)本であることがより好ましい。
また、磁界発生部40では、上層コイル群42、中層コイル群44、及び下層コイル群46の各々のコイルが単巻に限らず、複数巻とされて扁平リング状に形成されてもよい。
〔第4の実施の形態〕
次に第4の実施の形態を説明する。なお、第4の実施の形態において、第3の形態と同様の機能部品については、第3の実施の形態と同様の符号を付与して、その詳細な説明を省略する。
図9には、第4の実施の形態に係る磁界発生部60の概略構成が斜視図にて示されている。また、図10には、磁界発生部60の主要部が径外方視の断面図にて示されている。第4の実施の形態において磁界発生部60は、第3の実施の形態の磁界発生部40に替えて、磁界発生装置10に磁界発生部12として用いられる。なお、図9では、電源部14との接続端子の図示が省略されている。
図9及び図10に示すように、磁界発生部60は、第1の導線群としての上層コイル群62、第2の導線群としての中層コイル群64、及び第3の導線群としての下層コイル群66の三層構造とされている。上層コイル群62、中層コイル群64及び下層コイル群66は、導線26(図示省略)が用いられて、略扁平状の円形に形成され、同軸上に配置されている。
ここで、磁界発生部40の上層コイル群42では、内側コイル48Aと内側コイル48Bとが接するように配置されると共に、外側コイル48Dと外側コイル48Dとが接するように配置され、かつ同相の高周波電流が供給される(図6参照)。
電線(導線)の周囲に形成される磁場の強さは、電線に流れる電流に比例する。このため、図8に示すように、上層コイル群42では、内側コイル48Aと内側コイル48Bとの間、及び外側コイル48Dと外側コイル48Eとの間では、各々において一方のコイルに2倍の電流を供給した場合と同様に磁場が強くなっている。また、下層コイル群66では、内側コイル52Aと内側コイル52Bとが接するように配置されると共に、外側コイル52Dと外側コイル52Dとが接するように配置され、かつ互いに逆相の高周波電流が供給される。このため、内側コイル52A、52Bの周囲、及び外側コイル52D、52Eの周囲の各々においては、磁場が相殺される。
ここから、図9及び図10に示すように、磁界発生部60は、上層コイル群62が半径rの内側コイル48A(内側コイル48Bでもよい)、半径2rの中間コイル48C、及び半径3rの外側コイル48D(外側コイル48Eでもよい)が同一平面上かつ同軸上に配置されて形成されている。中層コイル群64は、半径rの内側コイル50A、及び半径3rの外側コイル50Bが同一平面上かつ同軸上に配置されて形成されている。下層コイル群66は、半径2rの中間コイル52Cによって形成されている。また、上層コイル群62と中層コイル群64の間隔(導線中心間の間隔)d1、及び中層コイル群64と下層コイル群66との間隔(導線中心間の間隔)d2は、内側コイル48A、20Aの半径rと同様にされている。
また、磁界発生部60では、上層コイル群62の内側コイル48A、中間コイル48C、外側コイル48D及び中層コイル群64の内側コイル50A、外側コイル50Bに同相の高周波電流が供給され、下層コイル群66の中間コイル52Cには、逆相の高周波電流が供給される。また、上層コイル群62の内側コイル48A及び外側コイル48Dには、他のコイルに供給される高周波電流の2倍の高周波電流が供給される。
これにより、磁界発生部60では、磁界発生部40から内側コイル48B、外側コイル48E、内側コイル52A、52B、及び外側コイル52D、52Eを省略すると共に、内側コイル48A及び外側コイル48Dに2倍の高周波電流が供給される構成となっている。
図11には、磁界発生部60において形成される磁場のシミュレーション結果が分布図にて示されている。図11では、上層コイル群62、中層コイル群64及び下層コイル群66によって形成される磁束線及び磁場の分布の概略が示されている。
図11に示すように、磁界発生部60の上層コイル群62では、内側コイル48A及び外側コイル48Dの周囲の磁場が、中間コイル48Cの周囲の磁場より強くなっている。また、磁界発生部60では、磁界発生部40と同様の磁束線の分布が得られている。
このように、磁界発生部60では、磁界発生部40に比して、コイル数を削減でき、かつ磁界発生部40と同様の磁場の分布が得られる。
従って、磁界発生部60では、磁界発生部40と同様に、効率的に一側に磁場を発生できると共に、他側の磁場を抑制できるので、一側に磁場を形成するためのエネルギー効率を向上できる。磁界発生部12に磁界発生部60を適用した磁界発生装置10を電磁調理器に適用した場合には、磁界発生部60によって発生する磁場によって効率的に誘導加熱用器具を誘導加熱することができて、誘導加熱用器具を加熱する際のエネルギー効率の向上を図ることができる。しかも、誘導加熱用器具とは反対側(下側)の磁場を抑制できるので、磁界発生部60の下側に配置する磁気遮蔽部材が加熱されるのを抑制できるので、磁気遮蔽部材に対する冷却手段の冷却能力を低くできるので、磁気遮蔽部材の冷却に用いるエネルギーを抑制できて、エネルギー効率をより向上できる。しかも、磁界発生部20の下側の磁場が抑制されるので、磁気遮蔽部材の遮蔽能力を抑制でき、磁気遮蔽部材の軽量化、ひいては電磁調理器の軽量化及び小型化を図ることができる。
なお、上層コイル群62、中層コイル群64及び下層コイル群66の各コイルを単巻にて形成したが、各コイルは、複数巻きされて扁平形状に形成されていてもよい。
また、磁界発生部60は、上層コイル群62、中層コイル群64及び下層コイル群66の各々が径外方に広げられてもよい。この際、上層コイル群62は、r又は2rの間隔でコイルが配置され、中層コイル群64は、2rの間隔でコイルが配置され、下層コイル群66は、中間コイル52Cの外側に3rの間隔でコイル(中間コイル52C)が配置されればよい。これにより、ハルバッハ磁石配列100におけるコイルユニット32のコイル34A〜34Cの配置状態が得られ、互いに接するコイルの間で同相の電流を流す場合には、一方を省略して、他方の電流値を高く(2倍)にすると共に、互いに接するコイルの間で逆相の電流を流す場合に、双方のコイルを省略すればよい。
〔第5の実施の形態〕
次に第5の実施の形態を説明する。なお、第5の実施の形態において第3及び第4の実施の形態と同様の機能部品については、第3及び第4の実施の形態と同様の符号を付与して、その詳細な説明を省略する。
図12には、第5の実施の形態に係る磁界発生部70の概略構成が斜視図にて示されている。また、図13(A)には、磁界発生部70の主要部が配列方向と交差する方向から見た断面図にて示され、図13(B)には、図13(A)と等価のコイルユニット32の配列が断面図にて示されている。第5の実施の形態において磁界発生部70は、第3の実施の形態の磁界発生部40及び第4の実施の形態の磁界発生部60に替えて、磁界発生装置10に磁界発生部12として用いられる。
図12及び図13(A)に示すように、磁界発生部70は、第1の導線群としての上層部72、第2の導線群としての中層部74及び第3の導線群としての下層部76によって構成されている。上層部72には、3系統の発磁配線78、80、82が設けられ、中層部74には、2系統の発磁配線84、86が設けられ、下層部76には、1系統の発磁配線88が設けられている。
発磁配線78の中間部には、導電性線材としての導線78A、78B、78C、78Dが直列接続され、発磁配線80の中間部には、導電性線材としての導線80A、80B、80C、80Dが直列接続され、発磁配線82の中間部には、導電性線材としての導線82A、82B、82C、82Dが直列接続されている。また、発磁配線84の中間部には、導電性線材としての導線84A、84B、84C、84Dが直列接続され、発磁配線86の中間部には、導電性線材としての導線86A、86B、86C、86Dが直列接続されている。さらに、発磁配線88の中間部には、導電性線材としての導線88A、88B、88C、88Dが直列接続されている。導線78A〜78D、80A〜80D、82A〜82D、84A〜84D、86A〜86D、88A〜88Dは、同様の長さとされ、かつ互いに略平行とされて配置されている。
上層部72では、導線78A、80A、82A、82B、80B、78B、78C、80C、82C、82D、80D、78Dの順で同一面上に配置され、かつ、導線82Aと導線82Bとの間、導線78Bと導線78Cとの間、及び導線82Cと導線82Dとの間が、間隔2・rとされ、それ以外の導線間が間隔rとされている。
中層部74では、導線84A、86A、86B、84B、84C、86C、86D、84Dの順で同一面上に配置され、かつ、互いの間が間隔2・rとされている。また、下層部76では、導線88A〜88Dが、間隔4・rとされて、等間隔に配置されている。
また、磁界発生部70では、上層部72と中層部74との間隔d1及び中層部74と下層部76との間隔d2が間隔rとされている。
ここで、発磁配線78〜88の各々は、電源部14から高周波電流が供給される。この際、発磁配線78〜86には、同相で高周波電流が供給され、発磁配線88には、逆相にされて高周波電流が供給される。また、発磁配線78、82には、発磁配線80、84〜88の高周波電流の2倍の高周波電流が供給される。
このように構成されている磁界発生部70では、導線78A〜78D、82A〜82Dの周囲に、導線80A〜80D、84A〜84D、86A〜86D、88A〜88Dの周囲よりも高い磁場が形成される。
このため、図13(B)に示すように、磁界発生装置70には、導線78B、78C、84B、84Cが配置される矩形領域に第1の磁気発生部としてのコイルユニット32Aと同様の起磁力方向の磁場が形成されると共に、導線78B、80B、82B、84B、86B、88Bが配置される矩形領域に第2の磁気発生部としてのコイルユニット32Bと同様の起磁力方向の磁場が形成され、導線78C、80C、82C、84C、86C、88Cが配置される矩形領域内に第2の磁気発生部としてのコイルユニット32Cと同様の起磁力方向の磁場が形成される。また、磁界発生装置70には、導線82A、82B、86A、86Bが配置される矩形領域内に第1の磁気発生部としてのコイルユニット32Dと同様の起磁力方向の磁場が形成され、導線82C、82D、86C、86Dが配置される矩形領域内に第1の磁気発生部としてのコイルユニット32Eと同様の起磁力方向の磁場が形成される。さらに、磁界発生部70には、導線78A、80A、82A、84A、86A、88Bが配置される矩形領域内にコイルユニット32Dのコイルユニット32Bとは反対側において起磁力方向がコイルユニット32Bとは反対側に向けられた第2の磁気発生部としてのコイルユニット32Fと同様の磁場が形成される。また、磁界発生部70には、導線78D、80D、82D、84D、86D、88Dが配置される矩形領域内にコイルユニット32Eのコイルユニット32Cとは反対側において起磁力方向がコイルユニット32Cとは反対側に向けられた第2の磁気発生部としてのコイルユニット32Gと同様の磁場が形成される。
従って、コイルに替えて導線の配列を用いた磁界発生部70では、磁界発生部40、60と同様に、配列方向と交差する方向の他側の磁場を抑制して、効率的に一側の磁場を他側より強くでき、一側に磁場を形成するためのエネルギー効率を向上できる。磁界発生部70を電磁調理器に適用した場合には、磁界発生部70によって発生する磁場によって効率的に誘導加熱用器具を誘導加熱することができて、誘導加熱用器具を加熱する際のエネルギー効率の向上を図ることができる。しかも、誘導加熱用器具とは反対側(下側)の磁場を抑制できるので、磁界発生部70の下側に配置する磁気遮蔽部材が加熱されるのを抑制できるので、磁気遮蔽部材に対する冷却手段の冷却能力を低くでき、磁気遮蔽部材の冷却に用いるエネルギーを抑制できて、エネルギー効率をより向上できる。また、磁界発生部20の下側の磁場が抑制されるので、磁気遮蔽部材の遮蔽能力を抑制でき、磁気遮蔽部材の軽量化、ひいては電磁調理器の軽量化及び小型化を図ることができる。
なお、上層部72、中層部74、及び下層部76において各導線を単線として用いたが、複数本の導電性線材を束ねて用いてもよい。また、発磁配線78〜88の各々は、導線部分以外(同一の発磁配線内において導線同士を接続している部分)においても磁場を形成するように用いられてもよい。
さらに、磁界発生部70は、少なくともコイルユニット32A、32B、32Cと同様の磁場を形成する構成であればよい。
〔第6の実施の形態〕
次に第6の実施の形態を説明する。なお、第6の実施の形態において、第3の実施の形態及び第4の形態と同様の機能部品については、第3の実施の形態及び第4の実施の形態と同様の符号を付与して、その詳細な説明を省略する。
図14には、第6の実施の形態に係る磁界発生部90の概略構成が斜視図にて示され、図15には、磁界発生部90の主要部が断面図にて示されている。第6の実施の形態において磁界発生部90は、磁界発生装置10に磁界発生部12として用いられる。なお、図14では、電源部14との接続端子の図示が省略されている。
図14及び図15に示すように、磁界発生部90は、第1及び第2の磁界発生部としての上側磁界発生部92A及び下側磁界発生部92Bによって構成されている。上側磁界発生部92A及び下側磁界発生部92Bの各々は、上層コイル群62、中層コイル群64及び下層コイル群66によって構成されており、上側磁界発生部92A、及び下側磁界発生部92Bの基本的構成は、磁界発生部60と同様とされている。また、磁界発生部90は、上側磁界発生部92Aが下側磁界発生部92B(磁界発生部60)に対して上下を反転させた構成とされている。
これにより、磁界発生部90の上側磁界発生部92Aは、下側磁界発生部92B側に上層コイル群62が配置され、上層コイル群62の上方に中層コイル群64及び下層コイル群66が順に配置されている。また、磁界発生部90は、上側磁界発生部92Aの上層コイル群62、中層コイル群64、下層コイル群66、及び下側磁界発生部92Bの上層コイル群62、中層コイル群64、下層コイル群66が同軸上に配置されている。
回転機器や誘導機器に適用される磁石配列には、2組のハルバッハ磁石配列100(図2(A)参照)を対向させて配置する配列(デュアルハルバッハ配列)がある(デュアルハルバッハ磁石配列の図示は省略)。デュアルハルバッハ配列においては、N極の着磁面とS極の着磁面とが対向される。
デュアルハルバッハ磁石配列においては、断面正方形の磁石104の一辺の長さaに対して、着磁面の間隔であるギャップ長Gを1.0倍から1.5倍(a≦G≦1.5a)とすることで最大磁束鎖交数が得られる。
ここから、図15に示すように、磁界発生部90では、上側磁界発生部92Aの上層コイル群62と下側磁界発生部92Bの上層コイル群62との間隔d3が、内側コイル48Aの直径(2・r)の1倍から1.5倍(2・r≦d3≦1.5・2・r、例えば、d3=3・r)とされている。また、上側磁界発生部92A及び下側磁界発生部92Bでは、内側コイル48A、50A、中間コイル48C、外側コイル48D、50Bと中間コイル52Cとの間で逆相の高周波電流が供給される。
ここで、図16には、磁界発生部90において形成される磁場のシミュレーション結果が分布図にて示されている。図16では、上側磁界発生部92A及び下側磁界発生部92Bによって形成される磁束線及び磁場の分布の概略が示されている。
図16に示すように、磁界発生部90では、上側磁界発生部92Aにおいて下側磁界発生部92Bとは反対側(上側)の磁場が抑制されていると共に、下側磁界発生部92Bにおいて上側磁界発生部92Aとは反対側(下側)の磁場が抑制されている。また、磁界発生部90では、上側磁界発生部92Aと下側磁界発生部92Bとの間に強い磁場が形成されている。
このように磁界発生部90では、上側磁界発生部92Aと下側磁界発生部92Bとにより、ハルバッハ磁石配列100を対向させたデュアルハルバッハ磁石配列を電気的に形成している。これにより、磁界発生部90では、上側磁界発生部92A及び下側磁界発生部92Bの周囲に磁束が漏れるのを抑制して、上側磁界発生部92Aと下側磁界発生部92Bとの間に強い磁場を形成できる。この際、磁界発生部90では、上側磁界発生部92Aと下側磁界発生部92Bとの間に磁場を形成する際のエネルギー効率を向上でき、同じ電力を用いた場合には、磁石配列102と同様の磁場を電気的に形成する1つの磁界発生部を対向させた場合よりも強い磁場を形成できる。
なお、第6の実施の形態では、上側磁界発生部92A、92Bに磁界発生部60を用いたが、第6の実施の形態に係る磁界発生部は、第1の磁界発生部及び第2の磁界発生部に磁界発生部20、30、40、60、70の何れを適用してもよい。これにより、周囲への磁束の漏れを抑制して、対向された磁界発生部の間に強い磁場を形成する際のエネルギー効率を向上できる。
以上説明した第1の実施の形態から第5の実施の形態に係る磁界発生部20、30、40、60、70は、電磁調理器に限らず、電磁誘導によって電気エネルギー(電力)を伝達する給電装置(充電装置)などの電磁誘導によってエネルギーを伝達する各種の機器に適用できる。この際、エネルギーを伝達するための磁場を効率よく形成できるので、エネルギー伝達の効率向上を図ることができる。この際、磁界発生部の周囲に漏れる磁束を抑制できるので、エネルギー損失を抑制できると共に、周囲に漏れた磁束を抑制するための遮蔽部材を簡略化できる。
10 磁界発生装置
12、20、30、40、60、70、90 磁界発生部
14 電源部
22(22A〜22E)、32(32A〜32G) コイルユニット
24、34A〜34C コイル
42、62 上層コイル群
44、64 中層コイル群
46、66 下層コイル群
48A、48B、50A、52A、52B 内側コイル
48C、52C 中間コイル
48D、48E、50B、52D、52E 外側コイル
72 上層部
74 中層部
76 下層部
78A〜88D、80A〜80D、82A〜82D、84A〜84D、86A〜86D、88A〜88D 導線
88 導線
92A 上側磁界発生部
92B 下側磁界発生部
100 ハルバッハ磁石配列
102 磁石配列
104 磁石

Claims (7)

  1. 各々が矩形領域の周縁部において該矩形領域と交差する複数の導線を有し、前記導線が所定方向に対で配置されると共に前記導線の複数対が所定方向と交差する交差方向に配置され、前記交差方向に起磁力を発生可能な第1の磁気発生部と、前記導線が前記交差方向に対で配置されると共に前記導線の複数対が前記所定方向に配置され、前記所定方向に起磁力を発生可能な第2の磁気発生部とが、前記所定方向に交互に配列された磁界発生部と、
    前記第1の磁気発生部の両側の前記第2の磁気発生部の各々の起磁力方向が該第1の磁気発生部に向く際には、該第1の磁気発生部の起磁力方向が前記交差方向の一側に向き、前記第1の磁気発生部の両側の前記第2の磁気発生部の各々の起磁力方向が該第1の磁気発生部とは反対側に向く際には、該第1の磁気発生部の起磁力方向が前記交差方向の他側に向くように、前記第1の磁気発生部及び第2の磁気発生部の起磁力方向を配列方向に順に異ならせる電流を前記導線の各々に供給する電流供給部と、
    を備えた磁界発生装置。
  2. 前記磁界発生部には、前記第1の磁気発生部の起磁力方向が前記交差方向の一側に向けられる際に、該第1の磁気発生部の両側の前記第2の磁気発生部の各々の該第1の磁気発生部とは反対側に、起磁力方向が前記交差方向の他側に向けられる前記第1の磁気発生部がさらに配列されている請求項1に記載の磁界発生装置。
  3. 前記第1の磁気発生部及び前記第2の磁気発生部の各々は、前記対に配置された前記導線の間隔が長さ2rとされた3対の導線対が、互いの間隔が長さrとされて配置されている請求項1又は請求項2に記載の磁界発生装置。
  4. 前記磁界発生部は、前記第1の磁気発生部及び前記第2の磁気発生部の各々において前記交差方向の一側に配置された前記導線の各々により形成された第1の導線群、前記第1の磁気発生部において前記交差方向の中間部に配置された前記導線により形成された第2の導線群、及び前記第1の磁気発生部及び前記第2の磁気発生部の各々において前記交差方向の他側に配置された前記導線により形成された第3の導線群を含み、
    前記電流供給部は、前記第1、前記第2及び前記第3の導線群の各々の前記導線に電流を供給する請求項3に記載の磁界発生装置。
  5. 前記第1の導線群及び前記第3の導線群では、隣接する前記矩形領域の間で接するように配置され、各々に逆相とされて電流が供給される2本の前記導線が省かれている請求項4に記載の磁界発生装置。
  6. 前記第1の導線群及び前記第3の導線群では、隣接する前記矩形領域の間で接するように配置され、各々に同相とされて電流が供給される2本の前記導線について、2本の前記導線の一方が省かれ、他方に2倍の電流が供給される請求項4又は請求項5に記載の磁界発生装置。
  7. 前記磁界発生部は、各々に前記第1の磁気発生部及び前記第2の磁気発生部が交互に配列された第1の磁界発生部及び第2の磁界発生部を備え、前記第1の磁界発生部の前記第1の磁気発生部及び前記第2の磁気発生部の各々が、前記第2の磁界発生部の前記第1の磁気発生部及び前記第2の磁気発生部の各々に対向されて配置され、
    前記電流供給部は、前記第1の磁界発生部において、前記第1の磁気発生部の起磁力方向が前記第2の磁界発生部側に向き、該第1の磁気発生部の両側の前記第2の磁気発生部の各々の起磁力方向が該第1の磁気発生部に向く際に、前記第2の磁界発生部において、前記第1の磁気発生部の起磁力方向が前記第1の磁界発生部とは反対側に向き、該第1の磁気発生部の両側の前記第2の磁気発生部の各々の起磁力方向が該第1の磁気発生部とは反対側に向くように前記導線の各々に電流を供給する、請求項1から請求項6の何れか1項に記載の磁界発生装置。
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