JP2019039819A - 放射線検出器、及びその製造方法 - Google Patents

放射線検出器、及びその製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】シンチレータに対する防湿体の位置合わせを容易に行うことができる放射線検出器、及びその製造方法を提供することである。
【解決手段】実施形態に係る放射線検出器は、複数の光電変換部を有するアレイ基板と、前記複数の光電変換部の上に設けられたシンチレータと、ハット形状を呈し、前記シンチレータを覆う防湿体と、を備えている。前記防湿体は、前記シンチレータに対する前記防湿体の位置を規制する第1の位置決め部を有する。
【選択図】図2

Description

本発明の実施形態は、放射線検出器、及びその製造方法に関する。
放射線検出器の一例にX線検出器がある。X線検出器には、X線を蛍光に変換するシンチレータと、蛍光を電気信号に変換するアレイ基板とが設けられている。また、蛍光の利用効率を高めて感度特性を改善するために、シンチレータの上に反射部をさらに設ける場合もある。
ここで、水蒸気などに起因する特性の劣化を抑制するために、シンチレータと反射部は、外部雰囲気から隔離する必要がある。例えば、シンチレータが、CsI(ヨウ化セシウム):Tl(タリウム)やCsI:Na(ナトリウム)などを含む場合には、水蒸気などによる特性劣化が大きくなるおそれがある。
そのため、高い防湿性能が得られる構造として、シンチレータと反射部をハット形状の防湿体で覆い、防湿体のつば(鍔)部をアレイ基板に接着する構成が提案されている。
防湿体のつば部をアレイ基板に接着する際には、治具を用いてアレイ基板に対する防湿体の位置を合わせるようにしている。ところが、シンチレータを形成する際に、シンチレータの位置がばらつく場合がある。シンチレータの位置がばらつくと、シンチレータと防湿体とが干渉して、防湿体のつば部をアレイ基板に接着することができなかったり、シンチレータおよび防湿体が破損したりするおそれがある。
そこで、シンチレータに対する防湿体の位置合わせを容易に行うことができる技術の開発が望まれていた。
特許第5597354号公報
本発明が解決しようとする課題は、シンチレータに対する防湿体の位置合わせを容易に行うことができる放射線検出器、及びその製造方法を提供することである。
実施形態に係る放射線検出器は、複数の光電変換部を有するアレイ基板と、前記複数の光電変換部の上に設けられたシンチレータと、ハット形状を呈し、前記シンチレータを覆う防湿体と、を備えている。前記防湿体は、前記シンチレータに対する前記防湿体の位置を規制する第1の位置決め部を有する。
本実施の形態に係るX線検出器を例示するための模式斜視図である。 X線検出器の模式断面図である。 (a)は、反射シートと表面部の接合を例示するための模式断面図である。(b)は、(a)におけるB部の模式拡大図である。 他の実施形態に係る防湿体を例示するための模式断面図である。 他の実施形態に係る防湿体を例示するための模式断面図である。 他の実施形態に係る防湿体を例示するための模式断面図である。 (a)は、X線検出器をX線の入射側から見た図である。(b)は、(a)におけるX線検出器のC−C線断面図である。 (a)は、X線検出器をX線の入射側から見た図である。(b)は、(a)におけるX線検出器のD−D線断面図である。 防湿体の接着を例示するための模式断面図である。
以下、図面を参照しつつ、実施の形態について例示をする。なお、各図面中、同様の構成要素には同一の符号を付して詳細な説明は適宜省略する。
また、本発明の実施形態に係る放射線検出器は、X線のほかにもγ線などの各種放射線に適用させることができる。ここでは、一例として、放射線の中の代表的なものとしてX線に係る場合を例にとり説明をする。したがって、以下の実施形態の「X線」を「他の放射線」に置き換えることにより、他の放射線にも適用させることができる。
また、放射線検出器は、例えば、一般医療などに用いることができる。ただし、放射線検出器の用途は、一般医療に限定されるわけではない。
(X線検出器)
まず、本発明の実施形態に係るX線検出器1について例示をする。
図1は、本実施の形態に係るX線検出器1を例示するための模式斜視図である。
なお、煩雑となるのを避けるために、図1においては、反射シート6、防湿体7などを省いて描いている。
図2は、X線検出器1の模式断面図である。
なお、煩雑となるのを避けるために、図2においては、信号処理部3、画像処理部4などを省いて描いている。
放射線検出器であるX線検出器1は、放射線画像であるX線画像を検出するX線平面センサである。
図1および図2に示すように、X線検出器1には、アレイ基板2、信号処理部3、画像処理部4、シンチレータ5、反射シート6、防湿体7、接着層8、および支持板9が設けられている。
アレイ基板2は、シンチレータ5によりX線から変換された蛍光(可視光)を電気信号に変換する。
アレイ基板2は、基板2a、光電変換部2b、制御ライン(又はゲートライン)2c1、データライン(又はシグナルライン)2c2、配線パッド2d1、2d2、および保護層2fなどを有する。
なお、光電変換部2b、制御ライン2c1、およびデータライン2c2などの数は例示をしたものに限定されるわけではない。
基板2aは、板状を呈し、無アルカリガラスなどの透光性材料から形成されている。
光電変換部2bは、基板2aの一方の面に複数設けられている。光電変換部2bは、矩形状を呈したものとすることができる。光電変換部2bは、平面視において、複数の制御ライン2c1と、複数のデータライン2c2と、により画された複数の領域のそれぞれに設けられている。複数の光電変換部2bは、マトリクス状に並べられている。なお、1つの光電変換部2bは、X線画像における1つの画素(pixel)に対応する。
複数の光電変換部2bのそれぞれには、光電変換素子2b1と、スイッチング素子である薄膜トランジスタ(TFT;Thin Film Transistor)2b2が設けられている。
また、光電変換素子2b1において変換した電荷が供給される蓄積キャパシタを設けることができる。蓄積キャパシタは、例えば、矩形平板状を呈し、薄膜トランジスタ2b2の下に設けることができる。ただし、光電変換素子2b1の容量によっては、光電変換素子2b1が蓄積キャパシタを兼ねることができる。なお、以下においては、一例として、光電変換素子2b1が蓄積キャパシタを兼ねる場合を例示する。
光電変換素子2b1は、例えば、フォトダイオードなどとすることができる。
薄膜トランジスタ2b2は、蓄積キャパシタの役割をはたす光電変換素子2b1への電荷の蓄積および放出のスイッチングを行う。
薄膜トランジスタ2b2は、ゲート電極、ソース電極及びドレイン電極を有している。薄膜トランジスタ2b2のゲート電極は、対応する制御ライン2c1と電気的に接続される。薄膜トランジスタ2b2のドレイン電極は、対応するデータライン2c2と電気的に接続される。薄膜トランジスタ2b2のソース電極は、対応する光電変換素子2b1と電気的に接続される。また、光電変換素子2b1のアノード側は、対応する図示しないバイアスラインと電気的に接続される。なお、バイアスラインが設けられない場合には、光電変換素子2b1のアノード側はバイアスラインに代えてグランドに電気的に接続される。
制御ライン2c1は、所定の間隔をあけて互いに平行に複数設けられている。制御ライン2c1は、例えば、行方向に延びている。1つの制御ライン2c1は、基板2aの周縁近傍に設けられた複数の配線パッド2d1のうちの1つと電気的に接続されている。1つの配線パッド2d1には、フレキシブルプリント基板2e1に設けられた複数の配線のうちの1つが電気的に接続されている。フレキシブルプリント基板2e1に設けられた複数の配線の他端は、信号処理部3に設けられた読み出し回路と電気的に接続されている。
データライン2c2は、所定の間隔をあけて互いに平行に複数設けられている。データライン2c2は、例えば、行方向に直交する列方向に延びている。1つのデータライン2c2は、基板2aの周縁近傍に設けられた複数の配線パッド2d2のうちの1つと電気的に接続されている。1つの配線パッド2d2には、フレキシブルプリント基板2e2に設けられた複数の配線のうちの1つが電気的に接続されている。フレキシブルプリント基板2e2に設けられた複数の配線の他端は、信号処理部3に設けられた信号検出回路と電気的に接続されている。
保護層2fは、第1層2f1および第2層2f2を有する。第1層2f1は、光電変換部2b、制御ライン2c1、およびデータライン2c2を覆うように設けられている。第2層2f2は、第1層2f1の上に設けられている。第1層2f1および第2層2f2は、絶縁性材料から形成することができる。第1層2f1および第2層2f2は、例えば、窒化ケイ素(SiN)などの無機材料から形成することができる。第1層2f1および第2層2f2は、例えば、アクリル系樹脂、ポリエチレン、ポリプロピレン、ブチラールなどの有機材料から形成することもできる。なお、第1層2f1と第2層2f2は、同じ材料から形成することもできるし、異なる材料から形成することもできる。
信号処理部3は、アレイ基板2の、シンチレータ5側とは反対側に設けられている。
信号処理部3には、読み出し回路と、信号検出回路とが設けられている。
読み出し回路は、薄膜トランジスタ2b2のオン状態とオフ状態を切り替える。読み出し回路には、画像処理部4などから制御信号S1が入力される。読み出し回路は、X線画像の走査方向に従って、制御ライン2c1に制御信号S1を入力する。例えば、読み出し回路は、フレキシブルプリント基板2e1を介して、制御信号S1を各制御ライン2c1毎に順次入力する。制御ライン2c1に入力された制御信号S1により薄膜トランジスタ2b2がオン状態となり、蓄積キャパシタの役割をはたす光電変換素子2b1からの電荷(画像データ信号S2)が受信できるようになる。
信号検出回路は、複数の積分アンプ、選択回路、およびADコンバータなどを有する。1つの積分アンプは、1つのデータライン2c2と電気的に接続されている。積分アンプは、光電変換部2bからの画像データ信号S2を順次受信する。そして、積分アンプは、一定時間内に流れる電流を積分し、その積分値に対応した電圧を選択回路へ出力する。この様にすれば、所定の時間内にデータライン2c2を流れる電流の値(電荷量)を電圧値に変換することが可能となる。すなわち、積分アンプは、シンチレータ5において発生した蛍光の強弱分布に対応した画像データ情報を、電位情報へと変換する。
選択回路は、読み出しを行う積分アンプを選択し、電位情報へと変換された画像データ信号S2を順次読み出す。
ADコンバータは、読み出された画像データ信号S2をデジタル信号に順次変換する。デジタル信号に変換された画像データ信号S2は、画像処理部4に入力される。
画像処理部4は、デジタル信号に変換された画像データ信号S2に基づいてX線画像を構成する。画像処理部4は、配線4aを介して、信号処理部3と電気的に接続されている。なお、画像処理部4は、信号処理部3と一体化することもできる。
シンチレータ5は、複数の光電変換部2bの上に設けられ、入射するX線を蛍光に変換する。シンチレータ5は、有効画素領域Aを覆うように設けられている。有効画素領域Aとは、基板2a上の複数の光電変換部2bが設けられた領域である。
シンチレータ5は、例えば、ヨウ化セシウム(CsI):タリウム(Tl)、ヨウ化ナトリウム(NaI):タリウム(Tl)、あるいは臭化セシウム(CsBr):ユーロピウム(Eu)などを用いて形成することができる。シンチレータ5は、真空蒸着法を用いて形成することができる。真空蒸着法を用いてシンチレータ5を形成すれば、複数の柱状結晶の集合体からなるシンチレータ5が形成される。
また、シンチレータ5は、例えば、テルビウム賦活硫酸化ガドリニウム(GdS/Tb、又はGOS)などを用いて形成することもできる。この場合、複数の光電変換部2bごとに四角柱状のシンチレータ5が設けられるように、マトリクス状の溝部を形成することができる。
反射部の一例である反射シート6は、蛍光の利用効率を高めて感度特性を改善するために設けられている。すなわち、反射シート6は、シンチレータ5において生じた蛍光のうち、光電変換部2bが設けられた側とは反対側に向かう光を反射させて、光電変換部2bに向かうようにする。
なお、反射部として、光散乱性を有する粒子を含む樹脂層やアルミニウムなどの金属を含む金属層などを設けることもできる。光散乱性を有する粒子を含む樹脂層は、例えば、光散乱性を有する粒子、樹脂、および溶媒からなる材料をシンチレータ5の上に塗布し、これを乾燥させることで形成することができる。金属層は、例えば、アルミニウムなどの金属をシンチレータ5の上に成膜することで形成することができる。
この場合、アルミニウムなどを含む金属層は、光散乱性を有する粒子を含む樹脂層に比べて反射率が低くなるという問題がある。
また、光散乱性を有する粒子を含む材料をシンチレータ5の上に塗布すると、材料が柱状結晶同士の間の隙間あるいは溝部に侵入し、材料が表面からある程度の深さ入り込んだ位置で乾燥(固化)する。シンチレータ5において発生し、光電変換部2b側とは反対側に向かう光が、柱状結晶同士の間あるいは溝部に設けられた光散乱性を有する粒子に入射すると、入射した光は光電変換部2b側に向けて反射される。しかしながら、シンチレータ5において発生し、光電変換部2b側に向かう光が、柱状結晶同士の間あるいは溝部に設けられた光散乱性を有する粒子に入射すると、少なくとも入射した光の一部は光電変換部2b側とは反対側に向けて反射されてしまう。
この場合、材料が入り込む深さは、材料の粘度、柱状結晶同士の間の隙間の寸法のばらつき、溝部の寸法のばらつきなどの影響を受けるため、制御が難しい。そのため、柱状結晶同士の間の隙間あるいは溝部に光散乱性を有する粒子が設けられないようにすることが好ましい。
この場合、シート状を呈する反射シート6であれば、柱状結晶同士の間の隙間あるいは溝部に光散乱性を有する粒子が設けられるのを抑制することができる。そのため、反射部は、シート状を呈する反射シート6とすることが好ましい。
反射シート6は、シンチレータ5の上面5aに設けられている。反射シート6は、樹脂を含むシート状の基材と、基材の内部に設けられた光散乱性を有する複数の粒子と、を有するものとすることができる。光散乱性を有する粒子は、例えば、酸化チタン(TiO)などからなるサブミクロン粒子とすることができる。樹脂は、例えば、ポリエチレンテレフタラート(PET:polyethylene terephthalate)などとすることができる。光散乱性を有する粒子の含有量は、例えば、5wt%以上とすることができる。
以上においては反射部が設けられる場合を例示したが、反射部が設けられない場合もある。ただし、反射部を設ければ蛍光の利用効率を高めることができるので、感度特性を向上させることができる。
防湿体7は、空気中に含まれる水蒸気により、シンチレータ5の特性が劣化するのを抑制するために設けられている。そのため、防湿体7は、シンチレータ5を覆っている。なお、図2に例示をした防湿体7は、シンチレータ5および反射シート6を覆っている。
図2に示すように、防湿体7は、ハット形状を呈し、表面部7a、周面部7b、つば(鍔)部7c、および位置決め部7d(第2の位置決め部の一例に相当する)を有する。
表面部7a、周面部7b、つば部7c、および位置決め部7dは、一体成形されたものとすることができる。
防湿体7は、透湿係数の小さい材料から形成することができる。例えば、防湿体7は、アルミニウム、アルミニウム合金、低透湿防湿材料などから形成することができる。低透湿防湿材料は、例えば、樹脂層と無機材料(アルミニウムなどの軽金属、SiO、SiON、Alなどのセラミック系材料)の層とが積層されたものとすることができる。例えば、防湿体7は、厚みが0.1mmのアルミニウム箔をプレス成形して形成することができる。
表面部7aは、シンチレータ5の上面5aの側に設けられている。
周面部7bは、シンチレータ5の側面5bの側に設けられている。周面部7bは、シンチレータ5の側面5bを囲んでいる。
つば部7cは、周面部7bの、表面部7a側とは反対側の端部を囲むように設けられている。つば部7cは、周面部7bの端部から外側に向けて延びている。つば部7cは、シンチレータ5の外側に位置している。つば部7cの平面形状は、枠状となっている。つば部7cは、接着層8を介して、アレイ基板2の、光電変換部2bが設けられる側の面と接着されている。
位置決め部7dは、表面部7aの周縁と、周面部7bの表面部7a側の端部との間に設けられている。なお、位置決め部7dに関する詳細は後述する。
表面部7a、周面部7b、および位置決め部7dにより形成された空間の内部には、シンチレータ5と反射シート6が設けられる。表面部7a、周面部7b、および位置決め部7dにより形成された空間の圧力は、大気圧よりも低くすることができる。例えば、この空間の圧力は、5kPa〜10kPa程度とすることができる。
接着層8は、防湿体7のつば部7cと、アレイ基板2の、光電変換部2bが設けられる側の面との間に設けられている。接着層8は、接着剤が硬化することで形成されたものである。接着剤は、透湿係数と、防湿体7とアレイ基板2との接着性を考慮して選択する。接着剤は、例えば、紫外線硬化型のエポキシ系接着剤や、熱硬化型のエポキシ系接着剤などとすることができる。また、透湿係数を低くするために、無機材料からなるフィラーが添加された接着剤を用いることができる。例えば、エポキシ系の接着剤にタルク(滑石:MgSi10(OH))からなるフィラーを70重量%以上添加すれば、接着層8の透湿係数を大幅に低減させることができる。
支持板9は、板状を呈し、図示しない筐体の内部に設けられている。支持板9は、筐体の内部に固定されている。支持板9のX線の入射側の面には、アレイ基板2とシンチレータ5が設けられている。支持板9のX線の入射側とは反対側の面には、信号処理部3が設けられている。
次に、防湿体7の位置決め部7dについてさらに説明する。
接着剤を用いて反射シート6をシンチレータ5の上面5aに接着すると、シンチレータ5において発生し反射シート6に向かう光の一部が接着層に吸収されたり、接着層により拡散されたりする。また、接着剤は柱状結晶同士の間の隙間あるいは溝部に侵入する。接着剤が入り込む深さは、接着剤の粘度や、柱状結晶同士の間の隙間の寸法のばらつき、溝部の寸法のばらつきなどの影響を受けるため、制御が難しい。
そのため、蛍光の利用効率が低下して感度特性が悪くなったり、感度特性に面内分布が生じたりするおそれがある。
そこで、本実施の形態に係るX線検出器1においては、反射シート6は、シンチレータ5の上面5aに直接設けられている。すなわち、反射シート6は、シンチレータ5の上面5aに載置され、接着剤による固定は行われていない。この様にすれば、蛍光の利用効率を向上させることができる。
ところが、反射シート6が固定されていないと、反射シート6の位置がずれるおそれがある。反射シート6の位置ずれが大きくなると、複数の光電変換素子2b1の上方に反射シート6がない部分が生じ、蛍光の利用効率が低下するおそれがある。
そこで、防湿体7には位置決め部7dが設けられている。
位置決め部7dは、シンチレータ5の上面5aにおける反射シート6の位置を規制する。位置決め部7dは、反射シート6の側面、および反射シート6の表面部7a側の面の周縁の少なくともいずれかと接触してもよいし、位置決め部7dと反射シート6との間に僅かな隙間が設けられていてもよい。
位置決め部7dが設けられていれば、反射シート6がシンチレータ5の上面5aに直接設けられていても、反射シート6の位置がずれるのを抑制することができる。そのため、蛍光の利用効率を向上させることができる。
また、反射シート6のシンチレータ5側とは反対側の面と、表面部7aのシンチレータ5側の面とを接合することもできる。
図3(a)は、反射シート6と表面部7aの接合を例示するための模式断面図である。 図3(b)は、図3(a)におけるB部の模式拡大図である。
図3(a)、(b)に示すように、反射シート6は、接合部10を介して表面部7aに接合することができる。接合部10は、例えば、接着剤が硬化することで形成された層や、両面テープなどとすることができる。接合部10が反射シート6のシンチレータ5側とは反対側の面に設けられていれば、シンチレータ5において発生した蛍光が接合部10に入射するのを抑制することができる。そのため、接合部10が設けられていても、蛍光の利用効率が低下することがないので、接合部10が設けられない場合と同様の効果を得ることが出来る。ただし、接合部10は、X線検出器1に入射したX線が遮蔽されることなくアレイ基板2の有効画素領域Aに到達する位置および範囲に配置することが好ましい。また、接合部10の材料が、X線をある程度遮蔽するものである場合には、得られたX線検出画像の品質が許容範囲内となる必要がある。これらの条件を満たすのであれば、接合部10は、部分的な接合もしくは面状の接合とすることが出来る。また、反射シート6が防湿体7に接合されていれば、反射シート6及び防湿体7をシンチレータ5に被せるのが容易となる。
また、位置決め部7dが設けられていれば、反射シート6を表面部7aに接合する際に、反射シート6を表面部7aの所定の位置に接合するのが容易となる。
また、図3(b)に示すように、位置決め部7dの高さhが反射シート6の厚みtより小さくなるようにすれば、位置決め部7dとシンチレータ5の上面5aとが干渉するのを抑制することができる。そのため、防湿体7により画された空間の圧力を大気圧よりも低くした際に、反射シート6をシンチレータ5の上面5aに密着させるのが容易となる。
図4〜図6は、他の実施形態に係る防湿体7を例示するための模式断面図である。
図4〜図6に示すように、防湿体7の形状は、反射シート6の周縁の位置や反射シート6の大きさなどにより適宜変更することができる。
例えば、反射シート6の周縁が、シンチレータ5の上面5aの周縁近傍に位置していたり、反射シート6の大きさが、シンチレータ5の上面5aの大きさと同程度であったりした場合には、防湿体7の形状は、図4に例示をしたものとすることができる。
反射シート6の周縁が、シンチレータ5の上面5aの外側に位置していたり、反射シート6の大きさが、シンチレータ5の上面5aの大きさよりも大きかったりした場合には、防湿体7の形状は、図5に例示をしたものとすることができる。
反射シート6の周縁が、シンチレータ5の上面5aの内側に位置していたり、反射シート6の大きさが、シンチレータ5の上面5aの大きさよりも小さかったりした場合には、防湿体7の形状は、図6に例示をしたものとすることができる。
また、図4〜図6に示すように、防湿体7は、位置決め部7e(第1の位置決め部の一例に相当する)を備えることができる。表面部7a、周面部7b、つば部7c、位置決め部7d、および位置決め部7eは、一体成形されたものとすることができる。
位置決め部7eは、シンチレータ5に対する防湿体7の位置を規制する。位置決め部7eは、例えば、周面部7bに設けることができる。位置決め部7eは、シンチレータ5の側面5bと接触してもよいし、位置決め部7eとシンチレータ5の側面5bとの間に僅かな隙間が設けられていてもよい。
位置決め部7eが設けられていれば、シンチレータ5に対する適切な位置に防湿体7を取り付けるのが容易となる。また、位置決め部7dおよび位置決め部7eが設けられていれば、シンチレータ5、反射シート6、および防湿体7の位置関係を適切なものとすることができる。
なお、図4〜図6に例示をした防湿体7には、位置決め部7dおよび位置決め部7eが設けられているが、位置決め部7dおよび位置決め部7eの少なくともいずれかが設けられるようにすることができる。
例えば、反射部が、アルミニウムなどからなる金属層や、光散乱性を有する粒子を含む樹脂層である場合には、位置決め部7dを省くことができる。反射部が、シート状を呈する反射シート6である場合には、少なくとも位置決め部7dが設けられていればよい。
図7(a)は、X線検出器1をX線の入射側から見た図である。
図7(b)は、図7(a)におけるX線検出器1のC−C線断面図である。
図8(a)は、X線検出器1をX線の入射側から見た図である。
図8(b)は、図8(a)におけるX線検出器1のD−D線断面図である。
図7(a)、(b)、図8(a)、(b)に示すように、位置決め部7dは、反射シート6の周縁に沿うように設けることができる。この場合、図7(a)に示すように反射シート6の角部にR面取りを施すこともできるし、図8(a)に示すように反射シート6の角部にC面取りを施すこともできる。反射シート6の角部にR面取りやC面取りを施せば、位置決め部7dの内側に反射シート6を設けることが容易となる。
この場合、図8(a)に示すように、位置決め部7dには、反射シート6の角部に対応する位置に外側に向けて突出する逃げ部7fを設けることができる。逃げ部7fを設ければ、反射シート6の角部と位置決め部7dとが干渉するのを抑制することができる。そのため、位置決め部7dの内側に反射シート6を設けることがさらに容易となる。
(X線検出器の製造方法)
次に、本発明の実施形態に係るX線検出器1の製造方法について例示をする。
なお、以下においては、一例として、反射部として反射シート6を設ける場合を例示する。なお、反射部として光散乱性を有する粒子が混合された樹脂層や、アルミニウムなどを含む金属層を設ける場合には既知の技術を適用することができるので詳細な説明は省略する。
まず、基板2a上に光電変換部2b、制御ライン2c1、データライン2c2、配線パッド2d1、2d2、および保護層2fなどを順次形成してアレイ基板2を作成する。アレイ基板2は、例えば、半導体製造プロセスを用いて作成することができる。
次に、アレイ基板2の複数の光電変換部2bが設けられた領域の上に、X線を蛍光に変換するシンチレータ5を形成する。シンチレータ5は、例えば、真空蒸着法などを用いて、ヨウ化セシウム:タリウムからなる膜を成膜することで形成することができる。この場合、シンチレータ5の厚みは、600μm程度とすることができる。
蒸着工程においては、蒸着材料がアレイ基板2の周縁近傍に到達しないようにマスクが用いられる。そのため、シンチレータ5の周縁領域は、外側になるに従い厚みが薄くなる。
次に、ハット形状の防湿体7を作成する。例えば、厚みが0.1mmのアルミニウム箔をプレス成形して、表面部7a、周面部7b、つば部7c、位置決め部7d、および位置決め部7eを一体成形することができる。
次に、反射シート6を表面部7aに載置する。この際、反射シート6は、位置決め部7dにより表面部7aの所定の位置に位置決めされる。すなわち、防湿体7の表面部7aに反射シート6を設けるとともに位置決め部7dにより反射シート6の位置を合わせることができる。なお、接合部10を介して、反射シート6を表面部7aに接合することもできる。
次に、以下のようにして、防湿体7をアレイ基板2上に接着する。
図9は、防湿体7の接着を例示するための模式断面図である。
図9に示すように、つば部7cの接着面を清浄化し、清浄化したつば部7cの表面に所定の量の接着剤8aを塗布する。接着剤8aの塗布は、ディスペンサー装置を用いて行うことができる。なお、接着剤8aは、アレイ基板2上に塗布してもよい。
続いて、つば部7cに接着剤が塗布されたハット形状の防湿体7をシンチレータ5に被せ、つば部7cとアレイ基板2とを接着する。この際、防湿体7に設けられた位置決め部7eによりシンチレータ5に対する防湿体7の位置を合わせることができる。
接着は、大気圧よりも減圧された環境において行うことができる。接着剤が硬化することで接着層8が形成され、防湿体7がアレイ基板2に固定される。なお、接着剤の硬化は、大気圧よりも減圧された環境において行うこともできるし、大気圧の環境において行うこともできる。
大気圧よりも減圧された環境において防湿体7をアレイ基板2に接着することで、防湿体7の内部に水蒸気を含む空気が収納されるのを抑制することができる。また、航空機によりX線検出器1を輸送する場合などのように、X線検出器1が大気圧よりも減圧された環境に置かれる場合であっても、防湿体7の内部にある空気により防湿体7が膨張したり変形したりするのを抑制することができる。
また、大気圧により防湿体7が押さえつけられるので、反射シート6がシンチレータ5に密着する。
次に、フレキシブルプリント基板2e1、2e2を介して、アレイ基板2と信号処理部3を電気的に接続する。
その他、回路部品などを適宜実装する。
次に、図示しない筐体の内部に、防湿体7が接着されたアレイ基板2、フレキシブルプリント基板2e1、2e2、信号処理部3、画像処理部4などを格納する。
そして、必要に応じて、光電変換部2bの異常の有無や電気的な接続の異常の有無を確認する電気試験、X線画像試験などを行う。
以上のようにして、X線検出器1を製造することができる。
以上に説明したように、本実施の形態に係るX線検出器の製造方法は以下の工程を備えることができる。
アレイ基板2の複数の光電変換部2bが設けられた領域の上にシンチレータ5を設ける工程。
ハット形状を呈する防湿体7を前記シンチレータに被せ、防湿体7のつば部7cをアレイ基板2に接着する工程。
この場合、防湿体7をシンチレータ5に被せる際に、防湿体7に設けられた位置決め部7eによりシンチレータ5に対する防湿体7の位置を規制する。
また、ハット形状を呈する防湿体7の表面部7aに反射シート6を設けるとともに位置決め部7dにより反射シート6の位置を規制する工程をさらに備えることもできる。
以上、本発明のいくつかの実施形態を例示したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更などを行うことができる。これら実施形態やその変形例は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。また、前述の各実施形態は、相互に組み合わせて実施することができる。
1 X線検出器、2 アレイ基板、2a 基板、2b 光電変換部、2b1 光電変換素子、3 信号処理部、4 画像処理部、5 シンチレータ、5a 上面、5b 側面、6 反射シート、7 防湿体、7a 表面部、7b 周面部、7c つば部、7d 位置決め部、7e 位置決め部


Claims (12)

  1. 複数の光電変換部を有するアレイ基板と、
    前記複数の光電変換部の上に設けられたシンチレータと、
    ハット形状を呈し、前記シンチレータを覆う防湿体と、
    を備え、
    前記防湿体は、前記シンチレータに対する前記防湿体の位置を規制する第1の位置決め部を有する放射線検出器。
  2. 前記防湿体は、
    前記シンチレータの上面の側に設けられた表面部と、
    前記シンチレータの側面の側に設けられた周面部と、
    前記周面部の、前記表面部側とは反対側の端部から外側に向けて延びるつば部と、
    を有し、
    前記第1の位置決め部は、前記周面部に設けられている請求項1記載の放射線検出器。
  3. 前記シンチレータの上面と、前記表面部と、の間に反射部をさらに備えた請求項2記載の放射線検出器。
  4. 複数の光電変換部を有するアレイ基板と、
    前記複数の光電変換部の上に設けられたシンチレータと、
    前記シンチレータの上面に直接設けられた反射シートと、
    ハット形状を呈し、前記シンチレータおよび前記反射シートを覆う防湿体と、
    を備え、
    前記防湿体は、前記シンチレータの上面における前記反射シートの位置を規制する第2の位置決め部を有する放射線検出器。
  5. 前記防湿体は、
    前記シンチレータの上面の側に設けられた表面部と、
    前記シンチレータの側面の側に設けられた周面部と、
    前記周面部の、前記表面部側とは反対側の端部から外側に向けて延びるつば部と、
    を有し、
    前記第2の位置決め部は、前記表面部の周縁と、前記周面部の前記表面部側の端部との間に設けられている請求項4記載の放射線検出器。
  6. 前記防湿体は、前記シンチレータに対する前記防湿体の位置を規制する第1の位置決め部をさらに有する請求項4または5に記載の放射線検出器。
  7. 前記第1の位置決め部は、前記周面部に設けられている請求項6記載の放射線検出器。
  8. 前記第2の位置決め部の高さは、前記反射シートの厚みより小さい請求項4〜7のいずれか1つに記載の放射線検出器。
  9. 前記第2の位置決め部は、前記反射シートの角部に対応する位置に外側に向けて突出する逃げ部を有する請求項4〜8のいずれか1つに記載の放射線検出器。
  10. アレイ基板の複数の光電変換部が設けられた領域の上にシンチレータを設ける工程と、
    ハット形状を呈する防湿体を前記シンチレータに被せ、前記防湿体のつば部を前記アレイ基板に接着する工程と、
    を備え、
    前記防湿体を前記シンチレータに被せる際に、前記防湿体に設けられた第1の位置決め部により前記シンチレータに対する前記防湿体の位置を規制する放射線検出器の製造方法。
  11. アレイ基板の複数の光電変換部が設けられた領域の上にシンチレータを設ける工程と、
    ハット形状を呈する防湿体の表面部に反射シートを設けるとともに第2の位置決め部により前記反射シートの位置を規制する工程と、
    前記防湿体を前記シンチレータに被せ、前記防湿体のつば部を前記アレイ基板に接着する工程と、
    を備えた放射線検出器の製造方法。
  12. 前記防湿体を前記シンチレータに被せる際に、前記防湿体に設けられた第1の位置決め部により前記シンチレータに対する前記防湿体の位置を規制する請求項11記載の放射線検出器の製造方法。



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