JP2019039462A - シールリング - Google Patents

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Noriyuki Inagaki
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Abstract

【課題】アンダーカット部を含まず、金型構造を簡略化可能なシールリングを提供する。【解決手段】樹脂製のシールリング201は、回動変位により通路を開閉するバルブの全閉時に、通路部の内壁とバルブとの間をシールする。シールリング201の内周面23に設けられた複数の保持部25、26は、軸方向の一方の端面である第一端面側、及び、他方の端面である第二端面側から周方向に互い違いに径内方向に突出し、軸方向の両側から被保持部材であるスプリングを保持可能である。第一端面側の保持部25と第二端面側の保持部26とが周方向に互い違いに配置されており、軸方向に重複しないため、型抜き方向のアンダーカット部を有しない。したがって、成形金型は、スライドを用いない単純な二分割構造とすることができ、金型構造を簡略化可能である。【選択図】図3

Description

本発明は、樹脂製のシールリングに関する。
従来、排気再循環(以下「EGR」)ガス等の流体が流れる通路の開閉に用いられるバタフライ弁式のバルブ装置において、バルブと通路部の内壁との隙間をシールするシールリングが知られている。
例えば特許文献1には、無断変速機等のオイルシールに用いられる組合せシールリングが開示されている。この組合せシールリングは、樹脂シールリングの内周面に形成された溝に、金属スプリング(特許文献1ではコイルエキスパンダ)が設けられている。金属スプリングは、樹脂シールリングを径外方向に押圧する。
再公表WO2014/156819号公報
特許文献1に開示されたオイルシール用の組合せシールリングの構造は、バルブ装置のガスシール用シールリングにも応用可能である。
ところで、アンダーカット部を含むシールリングの内周溝を無理抜きせずに成形する場合、キャビティから金型センタに向かって移動するスライドが必要となり、金型構造が複雑になる。或いは、アンダーカット部を無理抜きして成形すると、シールリングの変形や残留応力の発生によってシール機能を阻害するおそれがある。
本発明は上述の課題に鑑みて成されたものであり、その目的は、アンダーカット部を含まず、金型構造を簡略化可能なシールリングを提供することにある。
本発明のシールリングは、回動変位により通路(80)を開閉するバルブ(70、77、78)の全閉時に、通路を形成する通路部(81)の内壁(84)とバルブとの間をシールする樹脂製のシールリング(201−206)である。このシールリングは、軸方向の両側から被保持部材(50、77)を保持可能な複数の保持部が設けられている。
複数の保持部(25、26)は、当該シールリングの内周面(23)において、軸方向の一方の端面である第一端面(21)側、及び、軸方向の他方の端面である第二端面(22)側から周方向に互い違いに径内方向に突出する。又は、複数の保持部(27、28)は、当該シールリングの外周面(24)において、第一端面側及び第二端面側から周方向に互い違いに径外方向に突出する。
本発明のシールリングは、第一端面側の保持部と第二端面側の保持部とが周方向に互い違いに配置されており、軸方向に重複しないため、型抜き方向のアンダーカット部を有しない。したがって、成形金型は、スライドを用いない単純な二分割構造とすることができ、金型構造を簡略化可能である。また、アンダーカット部を無理抜きしなくてよいため、シールリングの変形や残留応力の発生を防ぐことができる。
好ましくは、被保持部材は、シールリングを径外方向又は径内方向に押圧可能な金属製のスプリング(50)である。例えば、バルブの外周溝に収容されたシールリングの外周面がバルブ全閉時に通路部の内壁に当接するバルブ装置において、シールリングの内周側に保持されたスプリングは、張力によってシールリングを径外方向に押圧する。これにより、バルブ全閉時のシール性が向上する。特に、樹脂剛性が低下する高温クリープ後にもシール機能を好適に確保することができる。
好ましくは、シールリングは、周方向の一箇所に合口(29)を有している。シールリングの板厚(t)の中心を通る仮想XY平面(Sxy)と、シールリングの中心軸(O)及び合口を通って仮想XY平面に直交する仮想YZ平面(Syz)とが交わる直線を対称軸(Q)とすると、複数の保持部は、対称軸に対して回転対称に設けられている。
これにより、シールリングが縮径されたときの応力分布を周方向で分散させることで、うねりを抑制することができる。
EGRバルブ装置の概略断面図。 図1のII部拡大断面図。 第1実施形態のシールリングの正面図。 図3の(a)IVa−IVa線断面図、(b)IVb−IVb線断面図。 図3の(a)Va−Va線断面図、(b)Vb−Vb線断面図。 第1実施形態のシールリングの(a)正面模式図、(b)図6(a)のVIb方向矢視図。 第1実施形態のシールリングの金型構造を示す模式図。 第2実施形態のシールリングの(a)正面模式図、(b)図8(a)のVIIIb方向矢視図。 第3実施形態のシールリングの(a)正面模式図、(b)図9(a)のIXb方向矢視図、(c)シールリングのうねりを説明する模式図。 図9の(a)Xa−Xa線断面図、(b)Xb−Xb線断面図。 第4実施形態のシールリングの正面模式図。 第4実施形態のシールリングの軸方向断面模式図。 第5実施形態のシールリングの(a)正面模式図、(b)図13(a)のXIIIb方向矢視図。 第5実施形態のシールリングの軸方向断面模式図。 第6実施形態のシールリングの正面図。 第6実施形態のシールリングの斜視図。 従来技術のシールリングの正面図。 図17のXVIII−XVIII線断面図。 従来技術のシールリングの金型構造を示す模式図。
以下、シールリングの複数の実施形態を図面に基づいて説明する。複数の実施形態及び従来技術において、実質的に同一の構成には、同一の符号を付して説明を省略する。また、以下の第1〜第6実施形態を包括して「本実施形態」という。
本実施形態のシールリングは、排気の一部を吸気通路に還流するEGRシステムにおいて、EGRガスの通路開閉及び開度調整を行うバルブ装置に適用される。
[バルブ装置の構成]
図1、図2に、バルブ装置の概略構成を示す。その概要は、特開2016−211678号公報等に記載された内容と同様であるため、詳細な説明を省略し、簡単に説明する。図1、図2において、シールリングは、第1実施形態のシールリング201を代表として図示し、バルブは、第1〜第3実施形態のシールリングが適用されるバルブ70を代表として図示する。
バルブ装置90は、EGRガスの通路80を有するハウジング91、ハウジング91内でシャフト95と一体に回動し、回動変位により通路を開閉するバタフライ弁であるバルブ70、及び、センサケース96等を備えている。
ハウジング91内で通路80を形成する部分のうち、バルブ70が回動する部分を通路部81と記す。図1、図2の構成例では、ハウジング91の孔に内挿されたノズルにより通路部81が構成されており、このノズルの内壁が「通路部81の内壁」に相当する。
例えばハウジング91はアルミニウム合金のダイカスト製であり、ノズルは、耐熱性や耐腐食性に優れたステンレス等により形成されている。
シャフト95は、ハウジング91内に設けられた軸受92、94によって回動自在に支持されている。軸受92と軸受94との間にはシール部材93が設けられている。シャフト95は、図示しないモータの回転が減速しつつ伝達されて回動する。
バルブ70は、シャフト95の先端部に、シャフト95の軸に対して傾斜した状態で固定され、シャフト95と一体に回動することにより通路80の開度を調整する。
センサケース96は、シャフト95の回転角度を検出することでバルブ70の開度を検出する回転角センサ97が収容されている。リターンスプリング98は、バルブ70を閉弁方向に向けて付勢する。
バルブ70は、軸Oを中心とする円板形状であり、外周縁の全周に亘って断面が矩形状の外周溝75が形成されている。外周溝75には、「被保持部材」としての金属製のスプリング50が内周側に保持された樹脂製のシールリング201が収容される。
シールリング201は、PPS、PTFE、PEEK等の樹脂材料で成形された平板状のリングである。シールリング201は、弾性変形可能であり、バルブ70の全閉時に、バルブ70と通路部81の内壁84との間をシールする。
スプリング50は、バネ性を有する金属線材によって形成されている。
各実施形態によって、シールリングが適用されるバルブの形状や、「被保持部材」を保持するシールリングの詳細な構成が異なる。以下、シールリングの詳細な構成及び作用効果について実施形態毎に説明する。各実施形態のシールリングの符号は、「20」に続く3桁目に実施形態の番号を付す。
各実施形態のシールリングは、軸方向の両側から「被保持部材」を保持可能な複数の保持部が設けられている。第4実施形態以外では被保持部材はスプリングであり、第4実施形態では被保持部材はバルブである。
また、第5実施形態以外では、複数の保持部はシールリングの内周面に設けられ、第5実施形態では、複数の保持部はシールリングの外周面に設けられる。
(第1実施形態)
図3〜図6(b)を参照し、第1実施形態のシールリング201の構成を説明する。
シールリング201の軸方向断面は、軸方向の一方の端面である第一端面21、他方の端面である第二端面22、内周面23及び外周面24に囲まれた略矩形状である。
図4(a)に示すように、保持部25は、内周面23の第一端面21側から径内方向に突出する。図4(b)に示すように、保持部26は、内周面23の第二端面22側から径内方向に突出する。第一端面21側の保持部25と、第二端面22側の保持部26とは、いずれも板状であり、周方向に互い違いに設けられている。シールリング201の周方向において、第一端面21側の保持部25と第二端面22側の保持部26との間には隙間δが形成されている。
複数の保持部25、26は、周方向の同じ位置で対向することなく、軸方向の両側から金属製のスプリング50を保持する。スプリング50は、それ自体が剛性を有するため、軸方向の片側面のみが周方向に交互に保持部25、26に当接した状態で、撓むことなく適正に保持される。
シールリング201はバルブ70と一体に回動し、バルブ全閉時には、シールリング201の外周面24が通路部81の内壁84に当接する。このとき、シールリング201の内周側に保持されたスプリング50が張力によってシールリング201を径外方向に押圧することで、シール性が向上する。特に、樹脂剛性が低下する高温クリープ後にもシール機能を好適に確保することができる。
また、シールリング201は、径を拡縮可能とする合口29を周方向の一箇所に有している。図3では、合口29は、リングが単純に分断された形状に図示されている。しかし実際には、合口29は、後述の第6実施形態のように、周方向の両端部が径方向及び軸方向に重なり、且つ、拡径時の隔離を防止するフック部を有する形状に形成されてもよい。
シールリング201をバルブ外周溝75へ組み付ける時、作業者は、弾性変形により合口29を離間させて一旦拡径させ、外周溝75に挿着する。挿着後、シールリング201は縮径する。また、バルブ装置90で使用されるとき、ガスの圧力によってシールリング201が拡径し合口29が離間するものの、バルブ全閉時には合口29の隙間が密着するように形成されている。
以下、シールリング201の中心軸O及び合口29を通ってシールリング201の端面21、22に直交する仮想平面を「仮想YZ平面Syz」と定義する。図5(a)、図5(b)には、反合口側のY部における、仮想YZ平面Syzに沿った互いに対向する断面を示す。第1実施形態では、Y部において互いに対向する断面形状は同一である。
続いて、図3を模式化した図6(a)、及び、図6(a)のVIb方向矢視図である図6(b)を参照し、複数の保持部25、26の数や配置に関してさらに詳しく説明する。
図6(a)では、シールリング201本体や複数の保持部25、26の径方向の幅を誇張して大きく示す。また、複数の保持部25、26や隙間δの形状について、実際の樹脂成形品で常識的に形成される角丸めを省略し、エッジ形状で表す。
図6(b)において、シールリング201の板厚tの中心を通る仮想平面を「仮想XY平面Sxy」と定義する。そして、仮想XY平面Sxyと仮想YZ平面Syzとが交わる直線を対称軸Qとする。ここで、仮想XY平面Sxyは端面21、22と平行であるから、仮想YZ平面Syzは仮想XY平面Sxyに直交する。
第1実施形態のシールリング201は、周方向に保持部25、26が同数の各6個設けられている。つまり、保持部25、26の合計数は12個で、偶数である。複数の保持部25、26は、合口29に隣接する部分を除き周方向に等間隔に設けられている。
本明細書では、保持部25、26の1個分に相当する中心角を「単位角度」という。参考までに、図6(a)では合口29を無視して360°が12等分され、単位角度θ1は30°で描かれている。
保持部25、26の合計数が偶数であるため、反合口側のY部では、第一端面21側の保持部25と第二端面22側の保持部26との隙間δが形成されている。図5(a)と図5(b)とが同一形状であることからもわかるように、第1実施形態の複数の保持部25、26は、対称軸Qに対して回転対称に設けられている。
第3実施形態の図9(b)に示すように、複数の保持部25、26が対称軸Qに対して回転対称でない場合、シールリングが縮径されたときの応力分布が一方向に偏り、うねりが生じるおそれがある。それに対し、複数の保持部25、26が対称軸Qに対して回転対称に設けられている第1実施形態では、シールリング201が縮径されたときの応力分布を周方向で分散させることで、うねりを抑制することができる。
次に、第1実施形態のシールリング201の作用効果を、特許文献1(再公表WO2014/156819号公報)に開示された従来技術と比較しつつ説明する。
図17、図18に示すように、従来技術の樹脂製シールリング209は、内周面23にスプリング50を収容する溝235が形成されている。シールリング209が拡径された状態で、スプリング50は溝235に装着される。
図19に示すように、従来技術のシールリング209の成形金型において、例えば第二端面22側の型を固定型64、第一端面21側の型を可動型63とし、型分割面をPLと記す。このシールリング209の形状では、型開方向であるシールリング209の軸方向に対し、溝235の部分がアンダーカット部となる。
アンダーカット部を無理抜きせずに成形しようとすると、ブロック矢印で示すように、キャビティから金型センタに向かって移動するスライド65が必要となり、金型構造が複雑になる。そのため、多数個取り金型の採用が現実的に困難である。また、スライドの作動時間がサイクルタイムに影響する場合もあり、生産性低下の要因となる。
或いは、アンダーカット部を無理抜きして成形すると、シールリング209の変形や残留応力の発生によってシール機能を阻害するおそれがある。また、変形や欠け、割れ等による不良品が発生し、歩留まりが低下するおそれもある。
この従来技術に対し、第1実施形態のシールリング201の成形金型の構造を図7に示す。図7において、例えば第二端面22側の型を固定型62、第一端面21側の型を可動型61とする。
第1実施形態のシールリング201は、第一端面21側の保持部25と第二端面22側の保持部26とが周方向に互い違いに配置されており、軸方向に重複しない。そのため、成形金型は、保持部25、26の軸方向位置に応じて単位角度θ1毎にPL位置を互い違いにオフセットさせることで、スライドを用いない単純な二分割構造とすることができ、金型構造を簡略化可能である。よって、多数個取り金型を現実的に採用しやすくなる。さらに、例えばスライド作動時間が無くなることによってサイクルタイムが短縮できる場合もあり、シールリング201の生産性が向上する。
また、アンダーカット部を無理抜きしなくてよいため、シールリング201の変形や残留応力の発生を防ぐことができる。
ここで、シールリング201の周方向において、第一端面21側の保持部25と第二端面22側の保持部26との間には隙間δが形成されている。仮に隙間δが無いと、PLの段差部に勾配が付けられず、型のカジリや成形品のバリ発生の原因となる。そこで、成形金型の技術常識に基づき、PL段差部の勾配を確保可能な程度に隙間δが形成される。
また、複数の保持部25、26は、合口29に隣接する部分を除き周方向に等間隔に設けられている。言い換えれば、単位角度θ1は、合口29に隣接する部分を除き一定値に設定される。これにより、金型設計や金型製作がしやすくなる。また、成形品の寸法や物性が周方向においてほぼ均一となる。
さらに、第1実施形態の複数の保持部25、26は、対称軸Qに対して回転対称に設けられているため、上述の通り、シールリング201が縮径されたときの応力分布を周方向で分散させることで、うねりを抑制することができる。
次に、第2〜第5実施形態のシールリングについて、図8(a)〜図14を参照して説明する。各実施形態の正面模式図の図示は第1実施形態の図6(a)に準じ、側面図の図示は第1実施形態の図6(b)に準ずる。
第2〜第4実施形態においてシールリングの内周面23に設けられる複数の保持部には、第1実施形態と同じ「25、26」の符号を付す。一方、第5実施形態においてシールリングの外周面24に設けられる複数の保持部には、「27、28」の符号を付す。
各実施形態のシールリングは、第1実施形態と同様に、第一端面21側の保持部25、27と第二端面22側の保持部26、28とが周方向に互い違いに配置されているため、成形金型は、固定型及び可動型の簡略的な二分割構造とすることができる。したがって、無理抜きによる変形や残留応力の発生を防ぎ、生産性を向上させることができる。
(第2実施形態)
第2実施形態について、図8(a)、図8(b)を参照する。
第2実施形態のシールリング202は、周方向に保持部25、26が同数の各9個設けられている。つまり、保持部25、26の合計数は18個で、偶数である。複数の保持部25、26は、合口29に隣接する部分を除き周方向に等間隔に設けられている。参考までに、図8(a)では単位角度θ2は20°で描かれている。
反合口側のY部では、第一端面21側の保持部25と第二端面22側の保持部26との隙間δが仮想YZ平面Syz上に位置する。第2実施形態の複数の保持部25、26は、第1実施形態と同様に、対称軸Qに対して回転対称に設けられているため、シールリング202が縮径されたときのうねりを抑制することができる。
(第3実施形態)
第3実施形態について、図9(a)〜図9(c)、図10(a)、図10(b)を参照する。
第3実施形態のシールリング203は、周方向に第一端面21側の保持部25が4個、第二端面22側の保持部26が5個設けられており、数が1個異なっている。つまり、保持部25、26の合計数は9個で、奇数である。複数の保持部25、26は、合口29に隣接する部分を除き周方向に等間隔に設けられている。参考までに、図9(a)では単位角度θ3は40°で描かれている。
反合口側のY部では、第二端面22側の保持部26が仮想YZ平面Syzに跨って設けられている。図9(b)に示すように、第3実施形態の複数の保持部25、26は、仮想YZ平面Syzに対して面対称であって、対称軸Qに対して回転対称ではない。また、図10(a)、図10(b)に示すように、Y部において互いに対向する断面形状は左右対称である。
図9(c)に示すように、第3実施形態のシールリング203は、縮径時にうねりやすいという点で第1、第2実施形態に比べ不利であるものの、その他の点では、第1、第2実施形態と同様の作用効果を奏する。
(第4実施形態)
第4及び第5実施形態は、バルブのシール構造自体が第1〜第3実施形態とは異なる。
第4実施形態について、図11、図12を参照する。
第4実施形態のシールリング204の内周面23には、第1〜第3実施形態と同様に、周方向に互い違いに複数の保持部25、26が設けられている。ただし、複数の保持部25、26によって保持される「被保持部材」がスプリングではなく、バルブ77そのものである点が第1〜第3実施形態と異なる。バルブ77は、軸方向両端面の周縁部が複数の保持部25、26により保持される。なお、バルブ77の外周面773には外周溝は形成されていない。
図12に示すように、シールリング204はバルブ77と一体に回動し、バルブ全閉時には、シールリング204の外周面24が通路部81の内壁84に当接する。
複数の保持部25、26が周方向に互い違いに設けられる点を除き、シールリングの内周面に設けられた保持部により軸方向の両側からバルブ77の周縁部を挟んで保持する構成は、国際公開WO2006/080273号の図19等に開示された構成に準ずる。
第4実施形態のシールリング204は、周方向に互い違いに複数の保持部25、26が設けられる点をはじめ、複数の保持部25、26の配置等の構成について、第1実施形態と同様の作用効果を奏する。
(第5実施形態)
第5実施形態について、図13、図14を参照する。
第5実施形態ではバルブ78に外周溝が形成されていない。また、通路部81と筒部材82とにより、通路部81の内壁84に収容溝85が形成されている。シールリング205は、外周側が収容溝85に収容され、内周面23が収容溝85から通路内に露出する。
複数の保持部27、28は、シールリング205の外周面24において、第一端面21側及び第二端面22側から周方向に互い違いに径外方向に突出し、「被保持部材」としてのスプリング50を軸方向の両側から保持する。
バルブ78は、固定されたシールリング205に対し、破線で示すように単独で回動する。バルブ全閉時には、バルブ78の外周壁783とシールリング205の内周面23とが当接する。このとき、シールリング205の外周側に保持されたスプリング50が張力によってシールリング205を径内方向に押圧することで、シール性が向上する。特に、樹脂剛性が低下する高温クリープ後にもシール機能を好適に確保することができる。
この構成では、スプリング50の装着時にシールリング205を拡径させるための合口29は無くてもよい。また、シールリング205の周方向において、第一端面21側の保持部27と第二端面22側の保持部28との間には、隙間δが形成されている。
第5実施形態のシールリング205は、周方向に保持部27、28が同数の各6個設けられている。つまり、保持部27、28の合計数は12個で、偶数である。複数の保持部27、28は、周方向に等間隔に設けられている。参考までに、図13(a)では単位角度θ5は30°で描かれている。
また、第5実施形態では、合口29を基準とする代わりに、中心軸Oに対して反対側に位置する任意の二箇所の隙間δ同士を結び、仮想XY平面Sxyに直交する仮想平面を仮想YZ平面Syzとすればよい。そして、仮想XY平面Sxyと仮想YZ平面Syzとが交わる直線を対称軸Qとする。第5実施形態の複数の保持部27、28は、対称軸Qに対して回転対称に設けられている。
周方向に互い違いに設けられた複数の保持部27、28にスプリング50が保持される点を除き、通路部81の収容溝85に収容されたシールリング205に対してバルブ78が回動する構成は、独国DE102014222517A1明細書に開示された構成に準ずる。
第5実施形態のシールリング205の構成や作用効果は、第1実施形態に対し径内方向と径外方向とが反転する点が異なるのみであり、基本的な思想は同様である。
(第6実施形態)
次に、第6実施形態について、図15、図16を参照する。
第6実施形態のシールリング206は、第1実施形態のシールリング201の合口29において、周方向の両端部が径方向及び軸方向に重なり、且つ、拡径時の隔離を防止するフック部を有するものである。
図15に示すように第一端面21側から視たとき、シールリング206の合口40は、径方向外側において一方の端部から延出する外側係止片41と、径方向内側において他方の端部から延出する内側係止片43とを含む。外側係止片41は、内側係止片43の径方向外側に形成された受容空間42に入り込み、内側係止片43は、外側係止片43の径方向内側に形成された受容空間44に入り込む。
外側係止片41及び内側係止片43の先端には、互いに係合する向きに突出する鉤状のフック部415、435が形成されている。シールリング201が自由直径のときには、フック部415、435は離間している。シールリング201が拡径したとき、フック部415、435同士が当接することで、それ以上に拡径して両端部が隔離することが防止される。図15に対し裏側の第二端面22側にも同様の構成が設けられている。
なお、第2−第4実施形態についても同様に、第6実施形態の構成を適用可能である。
(その他の実施形態)
上述の実施形態の作用効果の例として金型構造を簡略化可能であることを記載したが、成形金型を実際にどのように設計製作するかは当事者が適宜決定することである。場合によっては、本明細書の内容とは別の理由等により、上記実施形態のシールリングを従来技術より複雑な構造の金型で製作することもあり得る。したがって、本発明の技術的範囲に属するか否かの判断は、あくまでシールリングの構成によってなされるべきであり、成形金型の構造によって判断されるべきではない。
複数の保持部25、26、27、28の数や配置は上記実施形態に例示の構成に限らず、適宜調整してよい。例えば複数の保持部25、26、27、28は、あえて周方向に不等間隔に設けられてもよい。
本発明のシールリングは、EGRバルブ装置に限らず、吸気ガスが流れるスロットルバルブ装置や、その他バタフライ弁を用いる各種開閉弁、流量調整弁、圧力調整弁等に適用可能である。
以上、本発明は、上記実施形態になんら限定されるものではなく、発明の趣旨を逸脱しない範囲において種々の形態で実施可能である。
201−206・・・(樹脂製の)シールリング、
21・・・第一端面、 22・・・第二端面、
23・・・内周面、 24・・・外周面、
25、26、27、28・・・保持部、
50・・・(金属製の)スプリング(被保持部材)、
70、77、78・・・バルブ、
80・・・通路、 81・・・通路部、 84・・・内壁。

Claims (7)

  1. 回動変位により通路(80)を開閉するバルブ(70、77、78)の全閉時に、前記通路を形成する通路部(81)の内壁(84)と前記バルブとの間をシールする樹脂製のシールリング(201−206)であって、
    当該シールリングの内周面(23)において、軸方向の一方の端面である第一端面(21)側、及び、他方の端面である第二端面(22)側から周方向に互い違いに径内方向に突出し、又は、当該シールリングの外周面(24)において、前記第一端面側及び前記第二端面側から周方向に互い違いに径外方向に突出し、軸方向の両側から被保持部材(50、77)を保持可能な複数の保持部(25、26、27、28)が設けられているシールリング。
  2. 前記被保持部材は、当該シールリングを径外方向又は径内方向に押圧可能な金属製のスプリング(50)である請求項1に記載のシールリング。
  3. 周方向の一箇所に合口(29)を有しており、
    当該シールリングの板厚(t)の中心を通る仮想XY平面(Sxy)と、当該シールリングの中心軸(O)及び前記合口を通って前記仮想XY平面に直交する仮想YZ平面(Syz)とが交わる直線を対称軸(Q)とすると、
    複数の前記保持部は、前記対称軸に対して回転対称に設けられている請求項1または2に記載のシールリング。
  4. 当該シールリングの周方向において、前記第一端面側の前記保持部と前記第二端面側の前記保持部との間に隙間(δ)が形成されている請求項1〜3のいずれか一項に記載のシールリング。
  5. 複数の前記保持部は、周方向に等間隔に設けられているか、又は、
    周方向の一箇所に合口(29)を有する構成において、複数の前記保持部は、前記合口に隣接する部分を除き周方向に等間隔に設けられている請求項1〜4のいずれか一項に記載のシールリング。
  6. 当該シールリングが前記バルブ(70、77)の外周側に設けられて前記バルブと一体に回動し、前記バルブの全閉時に当該シールリングの外周面が前記通路部の内壁に当接する構成のバルブ装置に適用され、
    複数の前記保持部(25、26)は、当該シールリングの内周面に設けられている請求項1〜5のいずれか一項に記載のシールリング。
  7. 当該シールリングが前記通路部の内壁に設けられ、前記バルブ(78)の全閉時に当該シールリングの内周面が前記バルブの外周壁(783)に当接する構成のバルブ装置に適用され、
    複数の前記保持部(27、28)は、当該シールリングの外周面に設けられている請求項1〜5のいずれか一項に記載のシールリング。
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