JP2019039445A - セレクタブルワンウェイクラッチ - Google Patents

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充朗 富田
Mitsuo Tomita
充朗 富田
塩入 広行
Hiroyuki Shioiri
広行 塩入
寛之 柴田
Hiroyuki Shibata
寛之 柴田
正太郎 加藤
Seitaro Kato
正太郎 加藤
祐樹 黒崎
Yuki KUROSAKI
祐樹 黒崎
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Abstract

【課題】アクチュエータの小型化と低温環境下での誤係合の発生の抑制とを両立することができるセレクタブルワンウェイクラッチを提供すること。
【解決手段】固定プレートと、回転プレートと、切り替えプレートと、アーム部材と、アーム部材を移動させるための操作軸部材を有するアクチュエータとを備え、固定プレート、切り替えプレート及び回転プレートのそれぞれのプレート間に潤滑油を介在させたセレクタブルワンウェイクラッチであって、係合位置から非係合位置に向かってアーム部材を移動させるような第1付勢力を付勢する第1弾性部材と、第1付勢力とは反対向きであって第1付勢力よりも小さな第2付勢力を付勢する第2弾性部材とを備えており、第2弾性部材の弾性係数は、低温時よりも高温時のほうが大きい。
【選択図】図6

Description

本発明は、セレクタブルワンウェイクラッチに関する。
従来、車両に搭載されるワンウェイクラッチとして、ポケットプレートとノッチプレートとの間に配置されたセレクタプレートにより、ポケットプレートの係合片であるストラットと、ノッチプレートの係合凹部であるノッチとを係合状態または非係合状態に切り替えることが可能なセレクタブルワンウェイクラッチが知られている。このようなセレクタブルワンウェイクラッチでは、セレクタプレートと、ポケットプレートまたはノッチプレートとが相対的に摺動するため、その摺動面に潤滑油を供給することにより、各プレートをスムーズに動作させている。
また、特許文献1には、各プレート間に潤滑油を供給したセレクタブルワンウェイクラッチにおいて、ノッチプレートの回転方向を切り替えるセレクタプレートを操作するために、セレクタプレートの外縁部にアームを連結した構成が開示されている。
特許文献1に開示されたセレクタブルワンウェイクラッチは、リターンスプリングを備えるアクチュエータのプランジャによって、セレクタプレートに連結されたアームを移動させることにより、係合状態と非係合状態とを切り替えるように構成されている。このように構成されたセレクタブルワンウェイクラッチにおいて、例えばエンジンの始動前は、トルクを伝達する必要がないため、ポケットプレートとノッチプレートとが非係合状態となるように、リターンスプリングの付勢力によって、アームが非係合方向に付勢される。
特開2016−121750号公報
特許文献1に開示されたセレクタブルワンウェイクラッチにおいては、非係合状態から係合状態に切り替えるときに、リターンスプリングの付勢力よりも大きい力をアクチュエータによって発生させる必要がある。そのため、アクチュエータを小型化したい場合には、リターンスプリングの付勢力を弱くすることによって、非係合状態から係合状態に切り替えるときにプランジャを吸引するのに必要な力を小さくすることが考えられる。
しかしながら、リターンスプリングの付勢力を弱くすると、以下の問題が生じやすくなる。一般に、低温環境下においては、セレクタブルワンウェイクラッチ内の潤滑油が高粘度になるため、この状態でエンジンを始動すると、セレクタプレートが高粘度の潤滑油に引きずられて回転し、セレクタプレートが係合状態となり非係合状態のはずであるポケットプレートとノッチプレートとが誤係合するおそれがある。特に、アクチュエータの小型化のためにリターンスプリングの付勢力を弱くすると、上述したような低温環境下での誤係合がより発生しやすくなる。
本発明は、上記課題に鑑みてなされたものであって、その目的は、アクチュエータの小型化と、低温環境下での誤係合の発生の抑制とを両立することができるセレクタブルワンウェイクラッチを提供することである。
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明に係るセレクタブルワンウェイクラッチは、固定プレートと、前記固定プレートに回転軸方向で対向する回転プレートと、前記回転軸方向で前記固定プレートと前記回転プレートとの間に配置され、所定角度だけ該回転プレートの中心軸まわりに回転することによって、係合手段により前記固定プレートと前記回転プレートとが係合する係合状態と、前記係合手段による前記固定プレートと前記回転プレートとの係合がなされない非係合状態とを切り替える切り替えプレートと、前記切り替えプレートに連結され、該切り替えプレートの径方向外側に突出したアーム部材と、アクチュエータ本体と、該アクチュエータ本体から突出しており、前記係合状態となる係合位置と、前記非係合状態となる非係合位置とに、前記アーム部材を移動させるための操作軸部材と、を有するアクチュエータと、を備え、前記固定プレートと前記切り替えプレートとの間、及び、該切り替えプレートと前記回転プレートとの間に潤滑油を介在させたセレクタブルワンウェイクラッチであって、前記操作軸部材は、前記アーム部材と接触して該操作軸部材の軸線方向の力を該アーム部材に作用させるための第1接触部と、前記第1接触部よりもアクチュエータ側であって前記アーム部材に対して該第1接触部と軸線方向反対側に位置し、前記アーム部材と接触して該操作軸部材の軸線方向の力を該アーム部材に作用させるための第2接触部とを有し、前記係合位置から前記非係合位置に向かって前記アーム部材を移動させるような第1付勢力を、前記第2接触部を介して前記アーム部材に付勢する第1弾性部材と、前記操作軸部材の軸線方向において前記第1付勢力とは反対向きであって該第1付勢力よりも小さな第2付勢力を、前記第1接触部を介して前記アーム部材に付勢する第2弾性部材とを備えており、前記第2弾性部材の弾性係数は、低温時よりも高温時のほうが大きいことを特徴とするものである。
また、上記の発明において、前記第2弾性部材は、Ti−Ni系形状記憶合金で構成されていてもよい。
これにより、第2弾性部材自身の温度変化に応じて第2付勢力を変化させることができる。
また、上記の発明において、前記第1弾性部材は、ばね鋼で構成されていてもよい。
これにより、温度によらず第1弾性部材の弾性係数がほぼ同じため、低温時及び高温時のいずれの温度環境下においても、アーム部材が非係合位置から係合位置に向かって移動するのを第1弾性部材によって抑制すことができる。
本発明に係るセレクタブルワンウェイクラッチは、高温時に低温時よりも第2付勢力が大きくなるため、その分、アーム部材を係合位置から非係合位置に向けて付勢する第1付勢力を小さくすることができる。これにより、非係合位置から係合位置にアーム部材を移動させるときに必要な駆動電流が小さくなるため、アクチュエータ本体の小型化、ひいては、アクチュエータの小型化を図ることができる。また、低温時には、高温時よりも第2付勢力が小さくなり、セレクタプレートが高粘度の潤滑油に引きずられて回転し、アーム部材が非係合位置から係合位置に向かって移動するのを第1弾性部材によって抑制すことができる。よって、アクチュエータの小型化と、低温環境下での誤係合の発生の抑制とを両立することができるという効果を奏する。
図1は、実施形態における車両の駆動装置を示すスケルトン図である。 図2は、SOWCの全体構成を説明するための分解図である。 図3は、非係合状態におけるSOWCを示す図である。 図4は、係合状態におけるSOWCを示す図である。 図5は、アーム及びアクチュエータに作用する力についての説明図である。 図6は、リターンスプリングの付勢力及びロードキャンセルスプリングの付勢力の温度特性を示したグラフである。 図7は、リターンスプリングの付勢力と、保持力と、操作荷重との関係を示したグラフである。 図8は、アクチュエータの吸引力特性を示したグラフである。
以下に、本発明を適用した実施形態に係るセレクタブルワンウェイクラッチを備える車両について、図面を参照しながら説明する。なお、本発明は、以下の実施形態に限定されるものではない。
図1は、実施形態における車両の駆動装置を示すスケルトン図である。車両Veの駆動装置100は、動力源としてエンジン1と、第1モータMG1と、第2モータMG2とを備えている。エンジン1は、周知の内燃機関により構成されている。各モータMG1,MG2は、モータ機能と発電機能とを有する周知のモータ・ジェネレータ(電動機)であって、インバータを介してバッテリ(いずれも図示せず)に電気的に接続されている。
駆動装置100は、動力分割機構としての第1遊星歯車機構10と、変速部としての第2遊星歯車機構20と、セレクタブルワンウェイクラッチ(以下「SOWC」という)30と、カウンタギヤ機構40と、デファレンシャルギヤ機構50とを備えている。エンジン1が出力した動力は第1遊星歯車機構10によって第1モータMG1側と駆動輪2側とに分割される。第1モータMG1側に分割された機械的な動力によって、第1モータMG1を発電機として機能させ、第1モータMG1で発電した電力をバッテリに充電し、もしくはインバータを介して第2モータMG2に供給する。その電力によって第2モータMG2をモータとして機能させる。さらに、エンジントルクが駆動輪2に伝達される際、SOWC30がエンジン反力を受け持つ機構として機能することによって、第2遊星歯車機構20は増速機として機能する。
エンジン1のクランクシャフトは、図示しないダンパを介して入力軸3に連結されている。入力軸3と同一軸線上には、第1遊星歯車機構10、第1モータMG1、第2遊星歯車機構20、SOWC30が配置されている。第2モータMG2は、クランクシャフトとは別軸線上に配置されている。
第1遊星歯車機構10は、シングルピニオン型の遊星歯車機構によって構成されており、三つの回転要素として、第1サンギヤSと、第1サンギヤSに対して同心円上に配置された第1リングギヤRと、第1サンギヤSと第1リングギヤRとに噛み合っているピニオンギヤを自転可能かつ公転可能に保持している第1キャリアCとを有する。
第1サンギヤSには第1モータMG1が連結されており、第1モータMG1のロータ軸4と第1サンギヤSとは一体回転する。第1キャリアCにはエンジン1が連結されており、エンジン1のクランクシャフトと入力軸3と第1キャリアCとは一体回転する。第1リングギヤRには、第1遊星歯車機構10から駆動輪2側へトルクを伝達する出力ギヤ5が一体化されている。第1リングギヤRはエンジン1から出力されたトルクを駆動輪2へ出力する出力要素であり、出力ギヤ5と第1リングギヤRとは一体回転する。
出力ギヤ5は、カウンタギヤ機構40を介してデファレンシャルギヤ機構50に連結されている。デファレンシャルギヤ機構50には、左右のドライブシャフト6を介して駆動輪2が連結されている。
また、エンジン1から駆動輪2に伝達されるトルクに、第2モータMG2が出力したトルクを付加できる。第2モータMG2のロータ軸7は、入力軸3と平行に配置されている。ロータ軸7には、カウンタギヤ機構40のカウンタドリブンギヤと噛み合っているリダクションギヤ8が一体回転するように取り付けられている。
第2遊星歯車機構20は、ダブルピニオン型の遊星歯車機構によって構成されており、三つの回転要素として、第2サンギヤSと、第2サンギヤSに対して同心円上に配置された第2リングギヤRと、第1ピニオンギヤ及び第2ピニオンギヤを自転可能かつ公転可能に保持している第2キャリアCとを有する。なお、第1ピニオンギヤは第2サンギヤSと噛み合っており、第2ピニオンギヤは第1ピニオンギヤ及び第2リングギヤRと噛み合っている。
第2サンギヤSには第1モータMG1が連結されており、第1遊星歯車機構10の第1サンギヤSと第1モータMG1のロータ軸4と第2サンギヤSとは一体回転する。第2キャリアCにはエンジン1が連結されており、第1遊星歯車機構10の第1キャリアCと入力軸3と第2キャリアCとは一体回転する。第2リングギヤRは、選択的に回転不能に固定される反力要素であり、ロック機構として機能するSOWC30に連結されている。その第2リングギヤRはSOWC30のノッチプレート32と一体回転する。
SOWC30は、第2リングギヤRを選択的に回転不能にロックする係合機構(Hiギヤロック機構)である。SOWC30は、ケースに固定された固定プレートであるポケットプレート31と、回転プレートであるノッチプレート32とを有し、第2リングギヤRの回転方向を一方向のみに規制する係合状態と、第2リングギヤRが両方向に回転可能となる非係合状態とを選択的に切り替える。SOWC30が係合している場合、第2リングギヤRが正回転することは規制され、第2リングギヤRが負回転することは許容される。正回転とは、エンジン走行中にクランクシャフトが回転する方向と同一方向に回転することを意味する。負回転とは、正回転に対して逆方向に回転することを意味する。
Hiギヤロック状態では、反力要素である第2リングギヤRがSOWC30によって正回転不能にロックされているために、出力要素である第1リングギヤRの回転数が入力要素である第1キャリアC及び第2キャリアCの回転数よりも大きいオーバードライブ状態となる。つまり、SOWC30がエンジントルクの反力受け機構として機能し、第2遊星歯車機構20が増速機として機能する。
次に、SOWC30の詳細構成を説明する。図2は、SOWC30の全体構成を説明するための分解図である。図3は、非係合状態におけるSOWC30を示す図である。図4は、係合状態におけるSOWC30を示す図である。
図2に示すように、SOWC30は、固定プレートである環状のポケットプレート31と、回転プレートである環状のノッチプレート32と、ポケットプレート31とノッチプレート32との係合状態と非係合状態とを切り替える切り替えプレートであるセレクタプレート33と、スナップリング34と、係合片であるストラット35と、アーム部材であるアーム36とを備えている。
ポケットプレート31は、円盤状のプレート部311を有し、プレート部311の外周部分から軸方向に伸びる円筒部313が一体成形されている。プレート部311の一方の面は、軸方向でセレクタプレート33及びノッチプレート32と対向する面であり、ストラット35を収容するポケット312が周方向で所定間隔を空けた位置に複数設けられている。ポケット312は、プレート部311の板厚方向に窪んだ形状を有する。ポケット312の底部とストラット35との間には、ストラット35をノッチプレート32側に付勢する図示しない付勢ばねが設けられている。
ノッチプレート32は、ポケットプレート31及びセレクタプレート33に対して相対回転可能な環状のプレートである。ノッチプレート32のうち、セレクタプレート33及びポケットプレート31と軸方向で対向する面には、ポケットプレート31のポケット312に対応する位置に、ストラット35が係合する係合凹部であるノッチ321が複数設けられており、ストラット35とノッチ321とで係合手段を構成している。図2では、ノッチ321が一つのみ示されているが、ノッチプレート32にはポケット312及びストラット35と対応する位置に複数のノッチ321が設けられている。また、図2に示すように、ノッチプレート32はセレクタプレート33とともにポケットプレート31の円筒部313内に収容され、その円筒部313の内周部に嵌合させたスナップリング34によってポケットプレート31から抜け落ちないように構成されている。また、SOWC30内における、ポケットプレート31、セレクタプレート33及びノッチプレート32のそれぞれのプレート間には潤滑油が介在している。
セレクタプレート33は、回転軸方向でプレート部311とノッチプレート32との間に配置され、ポケットプレート31及びノッチプレート32に対して相対回転可能な環状のプレートである。図2に示すように、セレクタプレート33には、ポケットプレート31のポケット312に対応する位置に複数の窓孔331が設けられている。窓孔331は、板厚方向に貫通したストラット開閉窓であり、ポケット312及びストラット35と同数設けられている。図3に示すように、セレクタプレート33は、アーム36を介してアクチュエータ37に接続されており、アクチュエータ37によってポケットプレート31に対し相対回転させられる。そして、窓孔331の位置がポケット312の位置と周方向で略一致する係合プレート位置と、窓孔331の位置がポケット312の位置と周方向にずれている非係合プレート位置との間で、セレクタプレート33が所定角度だけノッチプレート32の中心軸まわりに回転することにより、係合状態と非係合状態とが切り替えられる。
アーム36は、アーム本体361と操作部362とで構成されており、アクチュエータ37から出力された力をセレクタプレート33に伝達するための部材である。図2に示すように、ポケットプレート31の円筒部313には、アーム36を差し込むための差し込み孔314が形成されている。アーム36の一端部は、ポケットプレート31の円筒部313の外側から差し込み孔314に差し込まれて、ポケットプレート31の内部でセレクタプレート33と連結される。差し込み孔314は、円筒部313のプレート部311側を径方向に貫通し、円筒部313の一部を周方向に切り欠いた形状を有する。そのため、差し込み孔314に差し込まれたアーム36は、差し込み孔314の端部壁面によって周方向での可動域が制限される。つまり、アーム本体361が差し込み孔314の端部壁面に接触すると、アーム36の動きが規制されてセレクタプレート33の回転は停止する。
図3及び図4に示すように、アクチュエータ37は、内部に電磁コイルが設けられたアクチュエータ本体371と、アクチュエータ本体371から突出している操作軸部材であるプランジャ372とで構成されており、プランジャ372を直線的に動作させる直動アクチュエータである。プランジャ372は、アーム36をセレクタプレート33の周方向に沿って移動させることによって、係合状態となる係合位置と、非係合状態となる非係合位置とに、アーム36を移動させるためのものである。プランジャ372は、アクチュエータ本体371から突出している軸部372aと、操作部362と接触してプランジャ軸線方向の力を操作部362に作用させるための、軸部372aから径方向に広がる一対のフランジ部を構成する第1接触部である第1フランジ372b及び第2接触部である第2フランジ372cとを有している。
軸部372aの根元側端部は、アクチュエータ本体371の内部に挿入されており、軸部372aの先端側端部は、ケースに設けられた支持部材60の貫通孔61に挿入されてプランジャ軸線方向に往復移動可能に支持されている。第1フランジ372bには、プランジャ軸線方向で第2フランジ372c側を向く面である第1壁面373が形成されており、第2フランジ372cには、プランジャ軸線方向で第1フランジ372b側を向く面である第2壁面374が形成されている。第1フランジ372b及び第2フランジ372cは、プランジャ軸線方向で軸部372aの先端側からアクチュエータ本体371側に、第1フランジ372b、第2フランジ372cの順で並んで設けられており、第1フランジ372bと第2フランジ372cとの間に操作部362が配置されている。そして、第1壁面373または第2壁面374と接触することによって、アーム36とプランジャ372とが接続される。
軸部372aにおける第2フランジ372cとアクチュエータ本体371との間には、係合位置から非係合位置に向かってアーム36を移動させるような第1付勢力である付勢力Frsを、第2フランジ372cを介して操作部362に付勢するための第1弾性部材であるリターンスプリング38が設けられている。このリターンスプリング38は、ばね鋼で構成されている。また、軸部372aにおける第1フランジ372bと支持部材60との間には、プランジャ軸線方向においてリターンスプリング38の付勢力Frsとは逆向きの第2付勢力である付勢力Flsを、第1フランジ372bに付勢するための第2弾性部材であるロードキャンセルスプリング39が設けられている。このロードキャンセルスプリング39は、Ti−Ni系形状記憶合金で構成されている。
非係合状態から係合状態への切り替え動作では、アクチュエータ37に通電し駆動させてプランジャ372を吸引する。これにより、リターンスプリング38の付勢力Frsに抗してプランジャ372が縮むように直線的に動くことによって、第1フランジ372bによって操作部362が押され、アーム36を介してセレクタプレート33は、セレクタプレート回転中心Oで係合方向に回転する。そして、セレクタプレート33は所定角度だけ係合方向に回転してから係合プレート位置で停止する。
セレクタプレート33が係合プレート位置にある場合、ストラット35は、図示しない付勢ばねによって押され窓孔331を通じてノッチプレート32側に立ち上がる。この場合、ノッチプレート32の回転方向に応じて、ストラット35がノッチ321に係合する場合である係合状態と、ストラット35がノッチ321に係合しない場合であるオーバーラン状態とに分けられる。係合状態では、係合方向にノッチプレート32が回転することが規制される。オーバーラン状態では、オーバーラン方向にノッチプレート32が回転している。
一方、係合状態から非係合状態への切り替え動作では、アクチュエータ37に通電せず停止させる。これにより、第2フランジ372cがリターンスプリング38の付勢力Frsによって付勢され、ロードキャンセルスプリング39の付勢力Flsに抗してプランジャ372が伸びるように直線的に動くことにより、第2フランジ372cが操作部362に向かって移動する。そして、第2フランジ372cによって操作部362が押され、アーム36を介してセレクタプレート33は、セレクタプレート回転中心Oで非係合方向に回転し、所定角度だけ非係合方向に回転してから非係合プレート位置で停止する。
セレクタプレート33が非係合プレート位置にある場合には、セレクタプレート33の窓孔331間の板部分332によってストラット35がポケット312の内部に押し込まれている。板部分332は、ストラット35をポケット312内に収容させる部材として機能し、ストラット35が立ち上がらないようにポケット312の開口を閉じる。この場合、ストラット35とノッチ321とが係合しないため、ノッチプレート32は両方向に回転可能な状態である非係合状態となる。
SOWC30において、セレクタプレート33が誤作動するときには、セレクタプレート33の係合方向への回転に連動してアーム36が動いた後に、プランジャ372が動かされる。すなわち、低温環境下などSOWC30内の潤滑油の粘度が高い状態でエンジン1が始動され、ノッチプレート32が係合方向に回転した際に、潤滑油を介してセレクタプレート33にトルクが作用し、セレクタプレート33がノッチプレート32の回転に引きずられて係合方向に回転して誤作動する場合がある。この場合、セレクタプレート33の係合方向への回転に連動して、アーム36もセレクタプレート回転中心Oを回転中心として係合方向に回転する。これにより、アーム36の操作部362とプランジャ372の第2フランジ372cとが接触し、第2フランジ372cが操作部362に押されることによって、アクチュエータ37に通電していないにもかかわらず、プランジャ372が縮むように動こうとする。
図5は、アーム36及びアクチュエータ37に作用する力についての説明図である。図5に示すように、第2フランジ372cには、プランジャ軸線方向においてアクチュエータ37の吸引力Fとは逆向きに、リターンスプリング38の付勢力Frsが作用する。また、第1フランジ372bには、プランジャ軸線方向においてアクチュエータ37の吸引力Fと同じ向きに、ロードキャンセルスプリング39の付勢力Flsが作用する。また、アーム36の操作部362には、プランジャ軸線方向においてアクチュエータ37の吸引力Fと同じ向きに、セレクタプレート33の誤作動による操作荷重Fが作用する。
セレクタプレート33の誤作動が止まるかどうかは、操作荷重Fと、リターンスプリング38及びロードキャンセルスプリング39の組み合わせばねによる保持力Fre(=Frs−Fls)との大小関係で決定される。すなわち、F>Freのときに、プランジャ372が縮むように動くため、セレクタプレート33が誤作動し始めても、それを止めることができない。このようにセレクタプレート33の誤作動が止められず、セレクタプレート33が係合プレート位置に位置してしまうと、ポケットプレート31とノッチプレート32とが誤係合して、エンジン始動に失敗するおそれがある。
図6は、リターンスプリング38の付勢力Frs及びロードキャンセルスプリング39の付勢力Flsの温度特性を示したグラフである。なお、図6においては、リターンスプリング38及びロードキャンセルスプリング39の変位が、それぞれ一定である。図7は、リターンスプリング38の付勢力Frsと、保持力Freと、操作荷重Fとの関係を示したグラフである。ばね鋼で構成されたリターンスプリング38は、ばね定数(弾性係数)が温度によらずほぼ同じである。そのため、図6に示すように、リターンスプリング38の付勢力Frsは、20[℃]〜60[℃]の温度範囲において、リターンスプリング38の変位が同じ場合、40[℃]を境にした低温側と高温側とにおいてほぼ同じ大きさであり、温度依存性が小さい。一方、Ti−Ni系形状記憶合金で構成されたロードキャンセルスプリング39は、ばね定数(弾性係数)が低温時よりも高温時のほうが大きい。そのため、ロードキャンセルスプリング39の付勢力Flsは、ロードキャンセルスプリング39自身の温度変化に応じて変化し、前記温度範囲において、ロードキャンセルスプリング39の変位が同じ場合、前記低温側よりも前記高温側のほうが大きく、温度依存性が大きい。そのため、図7に示すように、保持力Freは40[℃]を境に低温側よりも高温側のほうが小さい。
また、本実施形態に係るSOWC30は、図7に示すように、−20[℃]〜60[℃]の温度範囲において、常に保持力Freのほうが操作荷重Fよりも大きい。そのため、セレクタプレート33が誤作動しようとしても、プランジャ372が縮むように動くのを抑制し、セレクタプレート33の誤作動を止めることができる。よって、エンジン始動時に潤滑油が高粘度となる低温環境下であっても、セレクタプレート33が潤滑油に引きずられて回転し、非係合状態であるポケットプレート31とノッチプレート32とが誤係合するのを抑制することができる。
図8は、アクチュエータ37の吸引力特性を示したグラフである。アクチュエータ37の吸引力Fは、20[℃]〜60[℃]の温度範囲においてほぼ一定であり、常にリターンスプリング38の付勢力Frsよりも小さい。一方、保持力Freに対しては、前記温度範囲における40[℃]より高温側において、アクチュエータ37の吸引力Fのほうが大きい。すなわち、図8中の斜線で示した範囲では、アクチュエータ37の吸引力Fによるプランジャ372の吸引が可能となる。そのため、エンジン始動後の高温環境下では、アクチュエータ37が保持力Freに抗してプランジャ372を吸引し、アーム36を介してセレクタプレート33を係合方向に回転させて、非係合状態から係合状態に切り替えることができる。
この際、非係合状態から係合状態にするときにプランジャ372を吸引するために必要なアクチュエータ37の吸引力Fは、リターンスプリング38の付勢力Frsよりも小さい。そのため、ロードキャンセルスプリング39を設けずに、リターンスプリング38の付勢力Frsよりも大きな吸引力Fを発生させる必要がある構成よりも、吸引力Fを発生させるために必要なアクチュエータ37の駆動電流が小さくなる。よって、その分、アクチュエータ本体371を小型化、ひいては、アクチュエータ37の小型化を図ることができる。
以上のように、本実施形態に係るSOWC30においては、上述したような付勢力Flsに温度依存性を有するロードキャンセルスプリング39をアクチュエータ37に設けることによって、アクチュエータ37の小型化と低温環境下での誤係合の発生の抑制とを両立することができる。
1 エンジン
10 第1遊星歯車機構
20 第2遊星歯車機構
30 セレクタブルワンウェイクラッチ(SOWC)
31 ポケットプレート
32 ノッチプレート
33 セレクタプレート
35 ストラット
36 アーム
37 アクチュエータ
38 リターンスプリング
39 ロードキャンセルスプリング
100 駆動装置
311 プレート部
312 ポケット
313 円筒部
361 アーム本体
362 操作部
371 アクチュエータ本体
372 プランジャ
372a 軸部
372b 第1フランジ
372c 第2フランジ

Claims (3)

  1. 固定プレートと、
    前記固定プレートに回転軸方向で対向する回転プレートと、
    前記回転軸方向で前記固定プレートと前記回転プレートとの間に配置され、所定角度だけ該回転プレートの中心軸まわりに回転することによって、係合手段により前記固定プレートと前記回転プレートとが係合する係合状態と、前記係合手段による前記固定プレートと前記回転プレートとの係合がなされない非係合状態とを切り替える切り替えプレートと、
    前記切り替えプレートに連結され、該切り替えプレートの径方向外側に突出したアーム部材と、
    アクチュエータ本体と、該アクチュエータ本体から突出しており、前記係合状態となる係合位置と、前記非係合状態となる非係合位置とに、前記アーム部材を移動させるための操作軸部材と、を有するアクチュエータと、
    を備え、
    前記固定プレートと前記切り替えプレートとの間、及び、該切り替えプレートと前記回転プレートとの間に潤滑油を介在させたセレクタブルワンウェイクラッチであって、
    前記操作軸部材は、前記アーム部材と接触して該操作軸部材の軸線方向の力を該アーム部材に作用させるための第1接触部と、前記第1接触部よりもアクチュエータ側であって前記アーム部材に対して該第1接触部と軸線方向反対側に位置し、前記アーム部材と接触して該操作軸部材の軸線方向の力を該アーム部材に作用させるための第2接触部とを有し、
    前記係合位置から前記非係合位置に向かって前記アーム部材を移動させるような第1付勢力を、前記第2接触部を介して前記アーム部材に付勢する第1弾性部材と、
    前記操作軸部材の軸線方向において前記第1付勢力とは反対向きであって該第1付勢力よりも小さな第2付勢力を、前記第1接触部を介して前記アーム部材に付勢する第2弾性部材とを備えており、
    前記第2弾性部材の弾性係数は、低温時よりも高温時のほうが大きいことを特徴とするセレクタブルワンウェイクラッチ。
  2. 前記第2弾性部材は、Ti−Ni系形状記憶合金で構成されていることを特徴とする請求項1に記載のセレクタブルワンウェイクラッチ。
  3. 前記第1弾性部材は、ばね鋼で構成されていることを特徴とする請求項1または2に記載のセレクタブルワンウェイクラッチ。
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