JP2019038936A - 水溶性ポリシルセスキオキサン、その製造方法及び接着剤 - Google Patents

水溶性ポリシルセスキオキサン、その製造方法及び接着剤 Download PDF

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芳郎 金子
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Abstract

【課題】水に安定に溶解し、成膜性に優れ、種々の反応が可能な水溶性ポリシルセスキオキサン、その製造方法及び接着剤を提供する。【解決手段】水溶性ポリシルセスキオキサンは、メルカプト基及びアンモニウム基を有する。上記水溶性ポリシルセスキオキサンは、メルカプト基含有ユニットとアンモニウム基含有ユニットとの組成比が5:95〜25:75である、こととしてもよい。上記水溶性ポリシルセスキオキサンは、隣接して結合するシロキサン結合の数が2個であるSi原子と、隣接して結合するシロキサン結合の数が3個であるSi原子との比が、5:95〜30:70である、こととしてもよい。【選択図】図1

Description

本発明は、水溶性ポリシルセスキオキサン、その製造方法及び接着剤に関する。
シロキサン結合の繰り返しを有する化合物をシロキサン化合物という。三官能性のシロキサン構造単位から構成されるシロキサンは、単位構造中、1個のSi原子に対して平均1.5(ラテン語でsesqui)個の酸素を有するので、シルセスキオキサン(silsesquioxane;SQ)と言われる。SQは、三官能性有機アルコキシシランの加水分解及び縮合反応(ゾル−ゲル反応)により合成され、近年耐熱材料及びハードコート剤として期待されている。
SQには、ランダム型、かご型、ラダー(はしご)状等の様々な構造が知られている。研究の中心は不溶性のランダム型のポリSQ(PSQ)や可溶性のかご型SQであり、ラダー状PSQのような規則的な分子構造を持つ可溶性PSQの合成に関する研究例は非常に少ない。
かご型オリゴSQは、シロキサン結合により3次元に閉環した構造を有する。かご型オリゴSQはサイコロのような骨格構造をしており、頂点にケイ素原子を、辺にシロキサン結合を配した構造をとる。かご型オリゴSQは、POSS(polyhedral oligomeric silsesquioxane)とも略記される。ラダー状PSQはシロキサン結合からなる8員環が一次元方向に繋がった構造を有する化合物である。
SQは、結合エネルギーの高いSi−O−Si結合を骨格とするため、熱的、力学的及び化学的に安定である。有機置換基の存在により、様々な有機材料との相溶性や接着性に優れる。これまでに、種々の有機置換基を含有するSQが報告されている。例えば、非特許文献1では、有機置換基としてアンモニウム基を含有する水溶性ラダー状PSQ(PSQ−NHCl)とその調製方法とが開示されている。
一方、有機置換基としてのメルカプト基(チオール基とも言う)は、ラジカルカップリング反応、マイケル付加反応、エン−チオール反応、及びエポキシ基又はイソシアネート基との付加反応等の多彩な反応が可能である。メルカプト基を有する化合物は、様々な材料への接着、密着又はコーティングに有利である。さらに、メルカプト基は金属との結合形成も可能であり、メルカプト基含有化合物は金属表面のコーティング剤又は有害金属のトラップ剤等の多分野で応用されている。
以上の背景より、メルカプト基含有SQがこれまでに開発されており、例えば特許文献1には、全側鎖がメルカプト基であるポリオルガノSQが開示されている。また、非特許文献2及び非特許文献3では、それぞれメルカプト基を有するランダム型SQ及びPOSSが報告されている。
特開平10−130393号公報
Yoshiro Kaneko、外5名、「Hexagonal−Structured Polysiloxane Material Prepared by Sol−Gel Reaction of Aminoalkyltrialkoxysilane without Using Surfactants」、2004年、Chemistry of Materials、16、3417 福田猛、「シルセスキオキサン材料の最新技術と応用」、シーエムシー出版、2013年12月26日、234 Jifang Fu、外6名、「Poxy Nanocomposites Containing Mercaptopropyl Polyhedral Oligomeric Silsesquioxane:Morphology,Thermal Properties,and Toughening Mechanism」、2008年、Journal of Applied Polymer Science、109、340
PSQ−NHClは、成膜性に優れ、水に安定に溶解するという利点を有する。これに対し、特許文献1に開示されたポリオルガノSQは、全側鎖がメルカプト基であるため水に不溶である。非特許文献2で報告されたランダム型SQは、可溶性だが多くのシラノール基を有するため、シラノール基同士の縮合反応が起こり不溶化しやすく、長期安定性に乏しい。非特許文献3で報告されたPOSSはシラノール基がなく、可溶性であるが、結晶性の高いオリゴマーであるため成膜性に乏しい。このため、環境に優しい水に安定に溶解し、成膜性に優れ、種々の反応が可能な水溶性PSQが求められている。
本発明は、上記実情に鑑みてなされたものであり、水に安定に溶解し、成膜性に優れ、種々の反応が可能な水溶性PSQ、その製造方法及び接着剤を提供することを目的とする。
本発明の第1の観点に係る水溶性ポリシルセスキオキサンは、
メルカプト基及びアンモニウム基を有する。
この場合、上記本発明の第1の観点に係る水溶性ポリシルセスキオキサンは、
メルカプト基含有ユニットとアンモニウム基含有ユニットとの組成比が5:95〜25:75である、
こととしてもよい。
また、上記本発明の第1の観点に係る水溶性ポリシルセスキオキサンは、
隣接して結合するシロキサン結合の数が2個であるSi原子と、隣接して結合するシロキサン結合の数が3個であるSi原子との比が、
5:95〜30:70である、
こととしてもよい。
また、上記本発明の第1の観点に係る水溶性ポリシルセスキオキサンは、
ラダー構造を含む、
こととしてもよい。
また、上記本発明の第1の観点に係る水溶性ポリシルセスキオキサンは、
平均重合度が35〜60である、
こととしてもよい。
本発明の第2の観点に係る水溶性ポリシルセスキオキサンの製造方法は、
メルカプトアルキルトリアルコキシシランとアミノアルキルトリアルコキシシランとを、溶媒中で加水分解反応及び縮合反応させる反応ステップと、
前記溶媒を除去し、固体生成物を得る乾燥ステップと、
前記固体生成物を加熱する加熱ステップと、
を含む。
本発明の第3の観点に係る接着剤は、
上記本発明の第1の観点に係る水溶性ポリシルセスキオキサンを含む。
本発明に係る水溶性PSQは、水に安定に溶解し、成膜性に優れ、種々の反応が可能である。
本発明に係るPSQ(実施例A)の合成のための反応を示す図である。 実施例AのDO中でのH 核磁気共鳴(NMR)スペクトルを示す図である。 実施例Aを疎水化した疎水性PSQ(実施例A’)の合成のための反応を示す図である。 実施例A’のCDCl中でのH NMRスペクトルを示す図である。 実施例A’のCDCl中での29Si NMRスペクトルを示す図である。 実施例A’のゲル浸透クロマトグラフィー(GPC)の測定結果を示す図である。 本発明に係るPSQ(実施例B)のDO中でのH NMRスペクトルを示す図である。 実施例Bを疎水化した疎水性PSQ(実施例B’)のCDCl中でのH NMRスペクトルを示す図である。 実施例B’のCDCl中での29Si NMRスペクトルを示す図である。 実施例B’のGPCの測定結果を示す図である。 (a)、(b)及び(c)はそれぞれ実施例A、B及び市販の接着剤(比較例)の引張せん断試験の結果を示す図である。 (a)及び(b)は、実施例A及び比較例のそれぞれ示差走査熱量計(DSC)による測定結果を示す図である。
本発明に係る実施の形態について説明する。なお、本発明は下記の実施の形態によって限定されるものではない。
(実施の形態1)
本実施の形態に係るPSQについて説明する。当該PSQは、メルカプト基及びアンモニウム基を有する。当該PSQの一例としてPSQ−SH/NHClの化学構造が図1に示されている。図1のPSQ−SH/NHClにおけるRは、−OHであるか、あるいは−O−Siを含む基である。
上記PSQにおける組成比では、メルカプト基を含むメルカプト基含有ユニットに対して、アンモニウム基を含むアンモニウム基含有ユニットが多い。より詳細には、メルカプト基含有ユニットとアンモニウム基含有ユニットとの組成比は、5:95〜25:75である。好ましくは、メルカプト基含有ユニットとアンモニウム基含有ユニットとの組成比は、8:92、9:91、10:90、11:89、12:88、13:87、14:86、15:85、16:84、17:83、18:82、19:81又は20:80である。
メルカプト基含有ユニットとアンモニウム基含有ユニットとの組成比は、公知の構造解析法、例えばH NMRスペクトルを測定することで決定できる。
また、上記PSQの化学構造において、隣接して結合するシロキサン結合の数が2個であるSi原子、言い換えると2個のシロキサン結合に結合するSi原子(図1に示すPSQ−SH/NHClにおいてRとしての−OHと結合したSi原子)と、3個のシロキサン結合に結合するSi原子(図1に示すPSQ−SH/NHClにおいてRとしての−O−Siを含む基と結合したSi原子)との比が所定の値となってもよい。
好ましくは、隣接して結合するシロキサン結合の数が2個であるSi原子と、隣接して結合するシロキサン結合の数が3個であるSi原子との比は、5:95〜30:70であって、例えば、8:92、9:91、10:90、11:89、12:88、13:87、14:86、15:85、16:84、17:83、18:82、19:81、20:80、21:79、22:78、23:77、24:76、25:75、26:74又は27:73である。
隣接して結合するシロキサン結合の数が2個であるSi原子と、隣接して結合するシロキサン結合の数が3個であるSi原子との比は、PSQの29Si NMRスペクトルを測定することで決定することができる。この場合、29Si NMRスペクトルにおいて、隣接して結合するシロキサン結合の数が2個であるSi原子に対応するTピーク及び隣接して結合するシロキサン結合の数が3個であるSi原子に対応するTピークの積分比から上記の比を求めることができる。
ここで、29Si NMRの測定を行う際、29SiはHからの負の核オーバーハウザー効果の影響を受ける。このため、パルス繰り返し待ち時間を適切に設定しないと定量性が低下するだけでなくピークが検出されなくなるおそれがある。定量性を確保するには、数十〜数百秒の待ち時間を設定することになり、十分なS/N比を確保するには長時間の積算を必要とする。そこで、29Si NMRの測定に用いる溶媒に、水に不溶な公知の緩和試薬を添加することで積算効率を向上させることができる。
一方、本実施の形態に係るPSQは水溶性である。このため、緩和試薬を29Si NMRの測定に用いる溶媒に添加した場合、当該PSQの側鎖に疎水基を導入する必要がある。疎水基は公知の方法でPSQに導入できる。
上記PSQの平均重合度(DP)は、35〜60、好ましくは40〜55である。DPは、ポリマーのDPを求める公知の方法で決定できる。例えば、PSQのDPは、PSQの重量平均分子量(M)を繰り返しユニットの式量で除することで算出できる。
は、GPC、浸透圧法及び光散乱法等の公知の方法で決定できる。Mの決定にGPCを用いる場合、上記PSQは側鎖にイオン性置換基を有しているため、カラム内での吸着の影響により正確に分子量を測定できない。そこで、上述のようにPSQの側鎖を疎水基で修飾すればよい。
上記PSQのDPは、疎水基で修飾したPSQのDPと同等である。したがって、例えば、疎水基で修飾したPSQのMをGPCで決定し、疎水基で修飾したPSQのMを繰り返しユニットの式量で除することで求めたDPを、上記PSQのDPとすればよい。
上述のように2個のシロキサン結合に結合するSi原子に対して3個のシロキサン結合に結合するSi原子を比較的多く含み、かつ高いDPを有するため、水溶性の上記PSQは、ラダー構造を含む。
続いて、本実施の形態に係るPSQに好適な製造方法を例示する。PSQの製造方法は、反応ステップと、乾燥ステップと、加熱ステップと、を含む。反応ステップでは、メルカプトアルキルトリアルコキシシランとアミノアルキルトリアルコキシシランとを、溶媒中で加水分解反応及び縮合反応させる。
メルカプトアルキルトリアルコキシシランとしては、例えば3−メルカプトプロピルトリメトキシシラン(MPTMS)及び2−メルカプトエチルトリメトキシシラン等が挙げられる。
アミノアルキルトリアルコキシシランとしては、例えば、N−2−(アミノエチル)−3−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−2−(アミノエチル)−3−アミノプロピルトリエトキシシラン、3−アミノプロピルトリメトキシシラン(APTMS)、3−アミノプロピルトリエトキシシラン、N,N−ジメチル−3−(トリメトキシシリル)プロピルアミン、N,N−ジメチル−3−(トリエトキシシリル)プロピルアミン、N−メチル−3−(トリメトキシシリル)プロピルアミン、N−メチル−3−(トリエトキシシリル)プロピルアミン、3−トリエトキシシリル−N−(1,3−ジメチル−ブチリデン)プロピルアミン及びN−フェニル−3−アミノプロピルトリメトキシシラン等が挙げられる。
反応ステップで用いる溶媒は、メルカプトアルキルトリアルコキシシランとアミノアルキルトリアルコキシシランとの加水分解及び縮合反応を妨げない限り特に限定されない。例えば、該溶媒としては、水とアルコールとの酸性混合溶媒を用いることができる。混合溶媒のアルコールとしては、アルキル基が短いアルコール、例えばメタノール、エタノール及びプロパノールが挙げられる。アルコールとしてメタノールを用いる場合、水とメタノールの割合は体積比で1:15〜25、1:18〜22、好ましくは1:19である。例えば、酸性混合溶媒として、塩酸(HCl)を0.1〜1mol/L、0.2〜0.8mol/L、好ましくは0.5mol/Lの濃度で含む、水とメタノールとの混合溶媒が挙げられる。
メルカプトアルキルトリアルコキシシランとアミノアルキルトリアルコキシシランとの混合比は、例えばモル比で、10:90〜30:70、好ましくは15:85、20:80又は25:75である。上記HClを含む混合溶媒の量は、例えば、メルカプトアルキルトリアルコキシシランとアミノアルキルトリアルコキシシランの合計の物質量(mol)を1当量として、HClが2.0〜4.0当量、2.0〜3.0当量、好ましくは2.5当量になるようにすればよい。
反応ステップは、加水分解及び縮合反応(すなわちゾル−ゲル反応)が進行する条件で行われる。例えば、溶媒中で、メルカプトアルキルトリアルコキシシラン及びアミノアルキルトリアルコキシシランを、室温で所定時間、例えば1〜6時間、好ましくは1〜3時間、好適には2時間、撹拌すればよい。
乾燥ステップでは、溶媒を除去することで固体生成物を得る。乾燥ステップでは、溶媒の除去を促進するために、反応ステップで生成した生成物を含む溶液を適宜加熱してもよい。この場合、例えば、開放系で溶液が50〜60℃になるように加熱すればよい。
続いて、加熱ステップでは、固体生成物を加熱する。これにより、本実施の形態に係るPSQが得られる。加熱ステップでは、80〜150℃、好ましくは90〜120℃、好適には100℃で固体生成物が加熱されればよい。加熱時間は、適宜調整すればよいが、例えば100℃に加熱する場合は、2時間程度である。
以上詳細に説明したように、本実施の形態に係るPSQは、ラダー構造を含み、シラノール基が比較的少ないポリマーである。さらに水との親和性の高いアンモニウム基を含むため、水に安定に溶解し、成膜性に優れる。さらに、当該PSQはメルカプト基を含むため、種々の反応が可能である。
また、本実施の形態に係るPSQは水溶液の状態から水を蒸発させ固体生成物が析出した後でも再度水を加えると再溶解する。この再溶解する特性は、通常のシリカやSQのゾル溶液とは異なる性質である。
(実施の形態2)
次に、本実施の形態に係る接着剤について説明する。当該接着剤は、上記実施の形態1に係るPSQを含む。当該接着剤は、好ましくは乾燥固化型の接着剤である。当該接着剤は、例えば上記PSQの水溶液である。PSQの水溶液におけるPSQの濃度は、特に限定されず、例えば1〜60重量%、5〜50重量%、10〜40重量%、15〜30重量%又は20〜25重量%である。
当該接着剤は、上記PSQの他に、樹脂、可塑剤、防腐剤、充てん剤及び界面活性剤等、本技術分野で用いられる物質を適宜含んでもよい。
当該接着剤は、上記PSQを含む。当該PSQは、側鎖に、金属と反応可能なメルカプト基、ガラスと親和性のあるシラノール基及びアンモニウム基を有する。このため、当該接着剤は、金属(ステンレス)及びガラスの接着に好適に用いられる。さらに上記PSQを含む当該接着剤は、120℃程度の加熱においても軟化しないため、耐熱用途の接着にも適する。
本実施の形態に係る接着剤の使用にあたっては、当該接着剤を接着対象である被着体の表面に塗布等し、被着体の間に介在させればよい。次に、接着剤を乾燥させることで接着剤が固化し、被着体同士が接着する。好ましくは、効率的な乾燥のために、90〜150℃、95〜140℃、好ましくは120℃にて加熱乾燥してもよい。
以上詳細に説明したように、本実施の形態に係る接着剤は、水溶性で成膜性に優れ、金属と反応可能なメルカプト基、ガラスと親和性のあるシラノール基及びアンモニウム基を有し、120℃程度の加熱においても軟化しない上記PSQを含む。このため、当該接着剤は、金属(ステンレス)及びガラスに対して耐熱性を有する優れた接着剤である。また、当該接着剤に含まれるPSQは、水溶性かつ再溶解可能なため、保存安定性に優れる乾燥固化型の無機系接着剤として有用である。
また、本実施の形態に係る接着剤は、下記実施例5に示すように、接着後に被着体を高温下に置いても、接着が維持される。このことから当該接着剤は、高温下でも優れた接着特性を有する。
また、当該接着剤は、下記実施例6に示すように、接着後に水に暴露されると溶解し、接着面をきれいに剥がすことができる。このため、当該接着剤で接着した被着体を容易に分離することができ、さらに被着体の再利用も可能である。
以下の実施例により、本発明をさらに具体的に説明するが、本発明は実施例によって限定されるものではない。
(実施例1:PSQ−SH/NHClの合成)
図1に示す反応によって、PSQ−SH/NHClを合成した。100mLサンプル瓶中でMPTMS(0.4090g、2.0mmol)とAPTMS(1.4941g、8.0mmol)とを室温で2分撹拌し、当該サンプル瓶に濃HCl(12.0mol/L)を水/メタノール(1:19、v/v)混合溶媒で0.5mol/Lに希釈した溶液をMPTMS+APTMS(mol)に対して2.5当量(50.0mL、25.0mmol)加え、室温で2時間攪拌した。得られた溶液をディスポーザルトレー(AS ONE社製、フィラー入りポリプロピレン製、100mm×70mm×13mm)に移し、開放系で加熱(約50〜60℃)し溶媒を留去した。さらに100℃のオーブンで2時間加熱することで、生成物としてPSQ−SH/NHClを0.8747g得た。以下では、当該生成物として得たPSQ−SH/NHClを実施例Aとする。
実施例Aの構造をECX400 spectrometer(日本電子社製)を用いたH NMR測定により確認した。H NMR測定用のサンプルは、実施例Aを0.6mLのDO中に溶解させることで調製した。
(結果)
実施例Aはフィルム状で、収率は61%であった。実施例Aは、80℃の水に可溶であったが、80℃のジメチルスルホキシド(DMSO)、メタノール、N,N−ジメチルホルムアミド(DMF)、アセトン、クロロホルム及びヘキサンには不溶であった。
図2は、実施例AのDO中でのH NMRスペクトルを示す。S原子とN原子に隣接しているメチレン由来のプロトンピークc及びc’の積分比から、メルカプト基含有ユニットとアンモニウム基含有ユニットの組成比を算出したところ、16:84で、原料の仕込み比とほぼ同等であった。
(実施例2:疎水性PSQの合成)
実施例Aの構造を検討するために、ECX400 spectrometerを用いて29Si NMRを測定した。十分なS/N比を確保できるように積算効率を向上させるために、水に不溶(クロロホルムに可溶)な緩和試薬(トリス(2,4−ペンタンジオナト)クロム(III))を29Si NMRで用いる溶媒に添加した。一方、実施例Aは水溶性であることから、29Si NMRを測定するために実施例Aの側鎖に疎水基を導入する必要がある。
実施例Aの側鎖に疎水基を導入することで、GPCによって分子量をより精度よく測定ができる。そこで、29Si NMR及びGPCを測定するために、図3に示す反応によって、実施例Aの疎水化を行った。
実施例A(0.2872g、2.0mmolユニット)に水(6.0mL)を加え80℃で加熱撹拌することで実施例Aを溶解させ、室温まで冷却した。その後、4.0mLのDMFを加え室温で5分撹拌した。この溶液にトリエチルアミン(1.0221g、10.0mmol)を加え、次に素早くラウロイルクロリド(1.7859g、8.0mmol)を加え5分撹拌することで粘性のある白色溶液を得た。続いて中和するために、得られた溶液に1.0mol/LのHCl水溶液(12.0mL、12.0mmol)を加え5分撹拌し、析出した粘性のある白色固体を精製水で洗浄しながら濾過することで沈殿物を回収した。濾過にはオムニポアTMメンブレンフィルター(メルク社製、直径:47mm、孔径:0.2μm)を用いた。洗浄後、アセトンで洗浄しながら同様に濾過し、減圧乾燥することで白色粉末の生成物を得た(収量:0.4506g、収率77%)。生成物として得られた疎水性PSQの構造をH NMR測定、29Si NMR測定及びGPC測定により確認した。以下、得られた疎水性PSQを実施例A’とする。
実施例A’のH NMR測定用のサンプルは、実施例A’を0.6mLのCDCl中に溶解させることで調製した。
実施例A’の29Si NMR測定用のサンプルは、0.6mLのCDClに実施例A’を0.2300g及び緩和試薬(トリス(2,4−ペンタンジオナト)クロム(III))を0.0063g溶解させ、測定直前にテトラメチルシラン(TMS)を2〜3滴加え、パラフィルムで蓋をして十分に振り混ぜることで調製した。
GPC測定用のサンプルは、0.005gの実施例A’を、脱気した溶離液としてのクロロホルム(1.0mL)に溶解させることで調製した。GPC測定には、RI検出器としてHITACHI L−2490、ポンプとしてHITACHI L−2130、カラムとしてShodex KF−803L及びKF−805L、溶離液としてクロロホルムを使用し、40℃で流速を1.0mL/分とし、標準物質にポリスチレンを用いた。
(結果)
図4は、実施例A’のCDCl中でのH NMRスペクトルを示す。ピークd及びd’の積分比から疎水性PSQを構成するチオエステル基含有成分とアミド基含有成分の組成比が19:81であることがわかり、実施例Aの組成比とほぼ同様であることを確認した。
図5は、実施例A’のCDCl中での29Si NMRスペクトルを示す。シロキサン結合の形成を示すT及びTピークが観測された。T及びTピークの積分比から、T及びTそれぞれに対応するSiの比は、27:73であった。
図6は、実施例A’のGPC曲線を示す。実施例A’の分子量を算出したところ、Mが1.19×10、数平均分子量(M)が7.39×10、分子量分布(M/M)が1.61であった。Mと繰り返しユニットの式量(295.73g/mol=0.19×309.54g/mol+0.81×292.49g/mol)からDPを算出したところ40であった。
疎水化前の実施例Aのシロキサン骨格構造とDPも同様であると考えられる。比較的高いT構造と高いDPを有しながら水溶性であったことから、実施例Aの分子構造はランダム構造ではなく、ラダー構造の割合が高い構造体であることが示唆された。
(実施例3:MPTMSとAPTMSの仕込み比が異なるPSQ−SH/NHCl及び疎水性PSQの合成)
MPTMSとAPTMSとの仕込み比を10:90(MPTMSが0.2045gすなわち1.0mmol、APTMSが1.6808gすなわち9.0mmol)とすることを除いて、実施例Aと同様にPSQ−SH/NHClを合成した。得られた生成物は1.5592gであった。なお、MPTMSとAPTMSとの仕込み比を10:90で合成した当該PSQ−SH/NHClを以下では実施例Bとする。実施例Bの構造を実施例Aと同様に、H NMR測定を用いて確認した。
実施例B(0.2902g、2.0mmolユニット)を用いて、実施例A’と同様に実施例Bを疎水化した。生成物として得られた疎水性PSQを実施例B’とする。実施例B’の収量は0.5172gで、収率88%であった。実施例A’と同様に、実施例B’の構造をH NMR測定、29Si NMR測定及びGPC測定により確認した。
(結果)
実施例Bはフィルム状で、定量的に得られた。実施例Bは、実施例Aと同様に、80℃の水に可溶であった。
図7は、実施例BのDO中でのH NMRスペクトルを示す。S原子とN原子に隣接しているメチレン由来のプロトンピークc及びc’の積分比から、メルカプト基含有ユニットとアンモニウム基含有ユニットの組成比を算出したところ、8:92で、原料の仕込み比とほぼ同等であった。
図8は、実施例B’のCDCl中でのH NMRスペクトルを示す。ピークd及びd’の積分比から疎水性PSQを構成するチオエステル基含有成分とアミド基含有成分の組成比が10:90であることがわかり、実施例Bの組成比とほぼ同様であることを確認した。
図9は、実施例B’のCDCl中での29Si NMRスペクトルを示す。シロキサン結合の形成を示すT及びTピークが観測された。T及びTピークの積分比から、T及びTそれぞれに対応するSiの比は、8:92であった。
図10は、実施例B’におけるGPC曲線を示す。実施例B’のMは1.60×10、Mが7.79×10、M/Mが2.05であった。Mと繰り返しユニットの式量(294.20g/mol=0.10×309.54g/mol+0.90×292.49g/mol)からDP(M/繰り返しユニットの式量)を算出したところ、54であった。
以上の結果により、疎水化前の実施例Bのシロキサン骨格構造とDPも同様であると考えられる。比較的高いT構造と高いDPを有しながら水溶性であったことから、実施例Bの分子構造は、実施例Aと同様に、ラダー構造の割合が高い構造体であることが示唆された。
(実施例4:実施例A及び実施例Bの接着特性の評価)
0.1200gの実施例Aに精製水を0.4000g加え、80℃で加熱撹拌することで溶解させ、23重量%のPSQ−SH/NHCl水溶液を調製した。次にこの水溶液をステンレス板上の接着させる面(280mm)に0.1000g塗付し、ガラス板をはり合わせ、クリップで接着面を挟み固定した。続いて、接着させたサンプルを120℃のオーブンで30分加熱乾燥させることで固化し接着させた。その後、サンプルの両端にビニールテープをまきつけ、引張せん断試験を行うことで接着特性を評価した。引張せん断試験の試験機として、Little Senstar LSC−1/30(東京衡機試験機社製)を用いた。
なお、接着特性を比較するために、金属及びガラスにも用いられる多用途乾燥固化型接着剤であるScotch(商標)(スリーエムジャパン社製)を比較例として同様に試験した。比較例の成分は、合成樹脂38%(塩化ビニル樹脂、ウレタン樹脂)、有機溶剤62%(メチルエチルケトン、2−プロパノール)である。比較例1をステンレス板上の接着させる面(280mm)に0.1000g塗付し、ガラス板をはり合わせ、クリップで接着面を挟み固定した。その後ドラフト内で24時間自然乾燥させることで固化し接着させた。
(結果)
図11(a)〜(c)は、それぞれ実施例A、B及び比較例の引張せん断試験の結果を示す。実施例A、B及び比較例はいずれも接着面が剥がれず、装置でつかんだ箇所がずれた。このことから、実施例A、Bは、比較例と同様にステンレス及びガラスに対して非常に強い接着力を有することが示された。なお、比較として、メルカプト基を含まないPSQ−NHClを用いて同様の操作を行ったところ、まったく接着しなかった。
(実施例5:高温処理後の接着特性の評価)
ステンレス板とガラス板を、実施例4と同様に実施例Aの水溶液を用いて接着させた試験体1と、比較例を用いて接着させた試験体2とを120℃のオーブンで1時間加熱した直後に、ステンレス板とガラス板の両端を引っ張った。
さらに、DSC(DSC−60 Plus、島津製作所製)を用いて、実施例Aの固体サンプル及び比較例の有機溶剤を蒸発させた固体サンプルについて、加熱速度20℃/分で、−100℃から180℃の範囲で熱分析を行った。
(結果)
試験体2は簡単に剥がれたのに対して、試験体1は全く剥がれなかった。このことからPSQ−SH/NHClは、比較的高温での接着剤としての利用が可能であると考えられる。
図12(a)は、実施例AのDSCの結果を示す。実施例Aでは、ガラス転移点に由来するベースラインシフトが観測されなかった。一方、図12(b)に示すように、比較例では、27.6℃にガラス転移点由来のベースラインシフトが観測された。これらのことから、120℃のような高温では、有機高分子からなる比較例は軟化したのに対して、無機高分子の実施例Aは軟化しない。このことからPSQ−SH/NHClは高温下での優れた接着特性を有する。
(実施例6:剥離性の評価)
実施例Aは水に可溶であることから、実施例4と同様に実施例Aで接着させたステンレス板とガラス板を水に浸した後の剥離性を検討した。
(結果)
水に浸してから7分後に接着面がきれいに剥がれた。このことから、被着体の再利用が可能になると考えられる。
上述した実施の形態は、本発明を説明するためのものであり、本発明の範囲を限定するものではない。すなわち、本発明の範囲は、実施の形態ではなく、特許請求の範囲によって示される。そして、特許請求の範囲内及びそれと同等の発明の意義の範囲内で施される様々な変形が、本発明の範囲内とみなされる。
本発明は、水に安定に溶解するPSQ及び接着剤の製造に好適である。

Claims (7)

  1. メルカプト基及びアンモニウム基を有する、
    水溶性ポリシルセスキオキサン。
  2. メルカプト基含有ユニットとアンモニウム基含有ユニットとの組成比が5:95〜25:75である、
    請求項1に記載の水溶性ポリシルセスキオキサン。
  3. 隣接して結合するシロキサン結合の数が2個であるSi原子と、隣接して結合するシロキサン結合の数が3個であるSi原子との比が、
    5:95〜30:70である、
    請求項1又は2に記載の水溶性ポリシルセスキオキサン。
  4. ラダー構造を含む、
    請求項1から3のいずれか一項に記載の水溶性ポリシルセスキオキサン。
  5. 平均重合度が35〜60である、
    請求項1から4のいずれか一項に記載の水溶性ポリシルセスキオキサン。
  6. メルカプトアルキルトリアルコキシシランとアミノアルキルトリアルコキシシランとを、溶媒中で加水分解反応及び縮合反応させる反応ステップと、
    前記溶媒を除去し、固体生成物を得る乾燥ステップと、
    前記固体生成物を加熱する加熱ステップと、
    を含む、
    水溶性ポリシルセスキオキサンの製造方法。
  7. 請求項1から5のいずれか一項に記載の水溶性ポリシルセスキオキサンを含む、
    接着剤。
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JP2012514116A (ja) * 2008-12-31 2012-06-21 株式会社ブリヂストン 硬化ゴムへの金属の接着性と金属の接着保持性を向上させるアミノアルコキシ変性シルセスキオキサン接着剤
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