JP2019038625A - ダブルデッキエレベーター装置及びその制御方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】急行ゾーンが設けられたダブルデッキエレベーターにおいて、利用者を迅速に避難させる。【解決手段】エレベーターの異常監視を行う監視装置5を備え、2つの乗りかごの位置を検出する乗りかご位置検出手段25と、2つの乗りかごのそれぞれの荷重を検出する乗りかご荷重検出手段13,14を備え、監視装置5には、乗りかご位置検出手段25及び乗りかご荷重検出手段13,14からの情報に基づいて利用者の救出運転を行う異常時救出運転制御手段23を備え、異常時救出運転制御手段23は、乗りかご位置検出手段25からの情報に基づき2つの乗りかごを階床に着床させる時間と非常停止階に着床させる時間を算出し、かつ乗りかご荷重検出手段13,14からの情報に基づき利用者の避難時間を算出し、算出結果に基づき2つの乗りかごを階床もしくは非常停止階へ移動させる。【選択図】図2
Description
本発明は、ダブルデッキエレベーター装置及びその制御方法に関する。
利用者の輸送能力を向上させるため、高層建築物にはダブルデッキエレベーターが設置されることがある。ダブルデッキエレベーターは上下に二つの乗りかごが連結されている。ダブルデッキエレベーターは、その構造上、下かごは奇数階(1、3、5階・・)、上かごは偶数階(2、4、6階・・)にしか停止できない。そのため、1階と2階はエスカレーターで繋がれており、奇数階へ向かう人は1階から乗車し、偶数階へ向かう人はエスカレーターを利用し2階から乗車するようになっている。
緊急時にエレベーターを走行させるのは不安全である。そのため、ダブルデッキエレベーターでは、地震や停電などの緊急時には、上下2つの乗りかご両方が着床できる位置まで運転し、利用者を避難させる。上下2つの乗りかご両方が着床できない位置では、まず、一方の乗りかごを最寄階に着床させ、利用者を避難させる。次に、他方の乗りかごを他の最寄階に着床させ、利用者を避難させる。このような技術が特許文献1に開示されている。
高層建築物に設置されたエレベーターには、上層階への移動時間短縮のため、エレベーターが途中階に停止しない急行ゾーンが設けられている。急行ゾーンがあるエレベーターでは、地震や停電等の異常が発生した場合、異常発生後速やかに最寄階に着床できるよう非常用着床出入口を所定の階毎に設けることが望ましい。ダブルデッキエレベーターにおいて、急行ゾーンに上下2つの乗りかご両方が着床できる非常用着床出入口が無く、非常停止階が1階床分のみの場合がある。この場合、片方の乗りかごを交互に非常停止階に着床させ、利用者を避難させる。
地震や停電等の異常発生時には、エレベーター内の利用者を迅速に避難させることが重要である。しかしながら、特許文献1では、急行ゾーンが設けられたダブルデッキエレベーターにおける非常停止階で利用者を避難させる方法については、一切考慮されていない。このため、特許文献1においては、急行ゾーンが設けられたダブルデッキエレベーターにおいて、避難時間を考慮した点ついて未だ改良の余地がある。
本発明の目的は、急行ゾーンが設けられたダブルデッキエレベーターにおいて、利用者を迅速に避難させることのできるダブルデッキエレベーター装置及びその制御方法を提供することにある。
上記目的を達成するために本発明の特徴とするところは、巻上機と、前記巻上機を制御する制御装置と、前記巻上機によって昇降路内を昇降する上下2つの乗りかごと、前記昇降路内の各階に設置され、前記2つの乗りかごが同時に着床する階床を有する階床ゾーンと、前記昇降路内の所定箇所に1階床分設置され、前記2つの乗りかごの何れかが着床する非常停止階を有する急行ゾーンと、地震等の異常を検知する異常検出手段と、前記異常検出手段の信号からエレベーターの異常監視を行う監視装置とを備えたダブルデッキエレベーター装置であって、
前記2つの乗りかごの位置を検出する乗りかご位置検出手段と、前記2つの乗りかごのそれぞれの荷重を検出する乗りかご荷重検出手段とを備え、前記監視装置には、前記乗りかご位置検出手段及び前記乗りかご荷重検出手段からの情報に基づいて利用者の救出運転を行う異常時救出運転制御手段を備え、前記異常時救出運転制御手段は、前記乗りかご位置検出手段からの情報に基づき前記2つの乗りかごを前記階床に着床させる時間と前記非常停止階に着床させる時間を算出し、かつ前記乗りかご荷重検出手段からの情報に基づき利用者の避難時間を算出し、算出結果に基づき前記2つの乗りかごを前記階床もしくは前記非常停止階へ移動させるようにしたことにある。
前記2つの乗りかごの位置を検出する乗りかご位置検出手段と、前記2つの乗りかごのそれぞれの荷重を検出する乗りかご荷重検出手段とを備え、前記監視装置には、前記乗りかご位置検出手段及び前記乗りかご荷重検出手段からの情報に基づいて利用者の救出運転を行う異常時救出運転制御手段を備え、前記異常時救出運転制御手段は、前記乗りかご位置検出手段からの情報に基づき前記2つの乗りかごを前記階床に着床させる時間と前記非常停止階に着床させる時間を算出し、かつ前記乗りかご荷重検出手段からの情報に基づき利用者の避難時間を算出し、算出結果に基づき前記2つの乗りかごを前記階床もしくは前記非常停止階へ移動させるようにしたことにある。
また、本発明の特徴とするところは、巻上機と、前記巻上機を制御する制御装置と、前記巻上機によって昇降路内を昇降する上下2つの乗りかごと、前記昇降路内の各階に設置され、前記2つの乗りかごが同時に着床する階床を有する階床ゾーンと、前記昇降路内の所定箇所に1階床分設置され、前記2つの乗りかごの何れかが着床する非常停止階を有する急行ゾーンと、地震等の異常を検知する異常検出手段とを備えたダブルデッキエレベーター装置の制御方法であって、前記異常検出手段からの信号に基づいて利用者の救出運転制御を行う異常時救出運転制御手段を備え、前記異常時救出運転制御手段は、前記2つの乗りかごの位置データを取り込む工程と、前記2つの乗りかごのそれぞれの荷重データを取り込む工程と、前記2つの乗りかごが階床に着床できる位置まで移動するのに要する運転時間を算出する工程と、前記2つの乗りかごの何れかを前記非常停止階に着床できる位置まで移動するのに要する運転時間を算出する工程と、検出した荷重から利用者の避難時間を算出する工程とを備え、前記2つの乗りかごを前記階床もしくは前記非常停止階へ移動させるようにしたことにある。
本発明によれば、急行ゾーンが設けられたダブルデッキエレベーターにおいて、利用者を迅速に避難させることのできるダブルデッキエレベーター装置及びその制御方法を提供することができる。
以下、本発明の実施例について添付の図面を用いて詳細に説明する。本発明は以下の実施例に限定されることなく、本発明の技術的な概念の中で種々の変形例や応用例もその範囲に含むものである。
図1は、本発明の一実施例に係るダブルデッキエレベーターの全体構成を示す概略図である。
ダブルデッキエレベーターは、建物内に設けられた昇降路1と、昇降路1の上部に設けられた機械室2と、機械室2内に設置された制御装置3および巻上機4を備えている。制御装置3はダブルデッキエレベーターの異常を監視する監視装置5に接続されている。
巻上機4にはこの巻上機4によって回転駆動されるメインシーブ6が連結されている。メインシーブ6とこのメインシーブ6に近接して配置された反らせシーブ7には、メインロープ8が掛けられている。メインロープ8の両端は昇降路1内に吊下げられ、メインロープ8の一端側に乗りかご9が連結され、メインロープ8の他端側に釣合い重り10が連結されている。
乗りかご9には、2つの乗りかご(上部乗りかご11、下部乗りかご12)を備えており、2つの乗りかご(上部乗りかご11、下部乗りかご12)には、乗りかご内の重量を検出する乗りかご荷重検出手段(上部乗りかご荷重検出手段13、下部乗りかご荷重検出手段14)が備えられている。
本実施例のダブルデッキエレベーターの昇降路1には、乗りかご9の2つの乗りかご(上部乗りかご11、下部乗りかご12)の両方が着床できる階床ゾーン15、16と、途中階を通過する急行ゾーン17が設けられている。そして、急行ゾーン17には上部乗りかご11もしくは下部乗りかご12のうち、1階床分のみ停止できる非常停止階17aを備えている。急行ゾーン17を挟むように上下に配置された階床ゾーン15、16には、各階に階床15a、16aが設置されている。
18は乗りかご9の現在位置と急行ゾーン17の非常停止階17aとの距離であり、19は乗りかご9の現在位置と乗りかご9の2つの乗りかご(上部乗りかご11、下部乗りかご12)の両方が着床できる階床15a、16aとの距離である。
次にダブルデッキエレベーターの運転を司る制御装置3と監視装置5について説明する。図2は本発明の一実施例に係る制御装置3と監視装置5の構成を示す図である。制御装置3には階床15a、16a、非常停止階17aの各階に設置されたドアゾーン検出手段21、及び乗りかご9のドアを開閉するドア開閉手段22が接続されている。利用者がエレベーターの呼び出しボタンを押すと、制御装置3は巻上機4を運転制御し、利用者が呼び出した階床15a、16aへ乗りかご9を移動させる。利用者が呼び出した階床15a、16aに到着したことをドアゾーン検出手段21が検出すると、制御装置3は巻上機4の運転を停止させ、ドア開閉手段22を制御して乗りかご9のドアを開放させる。そして、利用者が乗りかご9に乗り込み、目的の階を示すボタンを押すと、ドア開閉手段22を制御して乗りかご9のドアを閉じ、目的の階床15a、16aへ乗りかご9を移動させる。
また、制御装置3にはエレベーターの異常を監視する監視装置5が接続されている。監視装置5には地震等の異常時にエレベーターの利用者を救出するための運転制御を行う異常時救出運転制御手段23が備えられている。異常時救出運転制御手段23には、エレベーターの異常を検出する異常検出手段24と、乗りかご9の位置を検出する乗りかご位置検出手段25と、上部乗りかご11の荷重を検出する上部乗りかご荷重検出手段13と、下部乗りかご12の荷重を検出する下部乗りかご荷重検出手段14が接続されている。これら異常検出手段24、乗りかご位置検出手段25、上部乗りかご荷重検出手段13、下部乗りかご荷重検出手段14は制御装置3を介して異常時救出運転制御手段23と接続されている。
異常時救出運転制御手段23は、異常検出手段24、乗りかご位置検出手段25、上部乗りかご荷重検出手段13、下部乗りかご荷重検出手段14からの情報に基づいて、利用者の救出運転を行う。
異常時救出運転制御手段23は、異常検出手段24、乗りかご位置検出手段25、上部乗りかご荷重検出手段13、下部乗りかご荷重検出手段14からの情報に基づいて、利用者の救出運転を行う。
制御装置3には、救出運転を実行するのに必要な降車時間データ保持手段27と、着床階データ保持手段28が備えられている。これら降車時間データ保持手段27と着床階データ保持手段28とは、異常時救出運転制御手段23からの要求を受け、予め定められたデータを異常時救出運転制御手段23に送信する。
次に地震等の異常時に利用者を避難させるための救出運転を説明する。図3は本発明の一実施例に係る利用者を救出するための救出運転を行うフローチャートである。
地震等の救出運転が必要な異常を異常検出手段24が検出すると(異常を検出する工程 S1)、その信号が制御装置3を介して監視装置5に送信され、異常時救出運転制御手段23が起動する(異常時救出運転制御手段23を起動する工程 S2)。異常時救出運転制御手段23は、乗りかご位置検出手段25から現在の乗りかご9の位置データを取り込み(乗りかご9の位置データを取り込む工程 S3)、上下2つの乗りかご両方が着床できる着床階を着床階データ保持手段28から取り込む(予め定められた着床階データを取り込む工程 S4)。着床階データ保持手段28の構成について、図4を用いて説明する。着床階データ保持手段28には、階床15a、16aの位置及び非常停止階17aの位置が予め定められている。
図4は本発明の一実施例に係る上部,下部乗りかご停止階及び非常停止階の関係を示す図である。本実施例では高層建築物を40階建てとし、各階の間の高さを4mに設定している。上部乗りかご11は2階、4階、38階、40階に停止するようになっている。4階、38階、40階の偶数階を利用する利用者は、1階からエスカレーターに乗って2階に移動し、2階から上部乗りかご11に乗車する。下部乗りかご12は1階、3階、37階、39階に停止するようになっている。5階から36階までは急行ゾーン17となっており、この途中階には通常、上部乗りかご11及び下部乗りかご12は停止しないようになっている。
急行ゾーン17には、所定の階毎に非常停止階17aが備えられている。本実施例においては、4階から上方向に向かって8階毎の12階、20階、28階に非常停止階が備えられている。図4に示すデータを予め保持しておくことにより、異常時救出運転制御手段23は、例えば下部乗りかご12が停止する37階が地上から148mにあり、28階に設置された非常停止階が地上から112mの位置にあることを把握することができる。
また、異常時救出運転制御手段23は、上部乗りかご荷重検出手段13及び下部乗りかご荷重検出手段14からの乗りかごの荷重データを取り込む(乗りかご9の荷重データを取り込む工程 S5)。検出された荷重データは、乗車人数と降車時間を推定するのに用いられる。降車時間データ保持手段27の構成について、図5を用いて説明する。降車時間データ保持手段27には、荷重に応じて利用者の降車時間が予め定められている。
図5は本発明の一実施例に係る検出荷重から想定する乗車想定人数と降車時間の関係を示す図である。この図5を用いて、上部乗りかご11、下部乗りかご12のそれぞれの乗車人数と降車時間(避難時間)を判断してゆく。図5において、利用者の体重はそれぞれ異なるが、本実施例では一人当たり65kgと仮定している。また、上部乗りかご11及び下部乗りかご12のそれぞれの最大乗車人数を25人としている。上部乗りかご荷重検出手段13及び下部乗りかご荷重検出手段14による検出荷重が10kg未満の場合、上部乗りかご11、下部乗りかご12には、利用者がいないと判定する。また、検出荷重が10−325kgの場合、上部乗りかご11、下部乗りかご12には、最大5人の利用者が居ると判断する。そして、この時の降車時間を5秒と判断する。降車時間とは、上部乗りかご11、下部乗りかご12が階床に停止した状態において、ドアが開いて利用者が降車後、ドアが閉じるまでに要する時間をいう。同様に、検出荷重1305−1635kgの場合、上部乗りかご11、下部乗りかご12には、最大25人の利用者が居ると判断する。そして、この時の降車時間を17秒と判断する。このように図5に示す情報に基づいて、検出荷重から乗車想定人数を想定すると共に、降車時間を算出する(検出荷重から利用者の避難時間を算出する工程)。
図3に戻り、異常時救出運転制御手段23は利用者を避難させるために、乗りかご9の2つの乗りかご(上部乗りかご11、下部乗りかご12)両方が着床できる位置まで運転する際の運転時間(a)を計算する(2つの乗りかご9が階床に着床できる位置まで移動するのに要する運転時間を算出する工程 S6)。
運転時間(a)の計算は、[(|乗りかごの現在位置−上下の乗りかごが着床できる階床位置|)÷救出運転速度]より求める。すなわち、乗りかご位置検出手段25の情報と、図4に示す着床階データ保持手段28の情報を基に、異常時救出運転制御手段23が計算を行う。ここでの救出運転速度(2つの乗りかご9の速度)は予め定められており、本実施例では例えば300m/分に設定されている。本実施例の場合、乗りかご9の2つの乗りかご(上部乗りかご11、下部乗りかご12)の両方が着床できる階床ゾーン15、16は、急行ゾーン17を挟んで上下に位置している。乗りかご9が急行ゾーン17にある場合、上部乗りかご11及び下部乗りかご12の両方が着床できる階床位置は上下(階床ゾーン15、16)に位置することとなる。この場合、計算に用いられる「上下の乗りかごが着床できる階床位置」は、乗りかご9の現在位置から距離が短い方が適用される。
救出時間は運転時間の他、利用者が降車する降車時間を加算する必要がある。降車時間は上述したように検出した荷重に基づき、図5に示すデータより算出する。そして、乗りかご9の2つの乗りかご(上部乗りかご11、下部乗りかご12)両方が着床できる位置での救出時間(A)を算出する(救出時間を算出する工程 S7)。救出時間(A)は、[救出時間(A)=運転時間(a)+避難時間]により求められる。上部乗りかご11及び下部乗りかご12の避難時間については、検出される荷重に応じでそれぞれ算出されるが、救出時間(A)の計算に用いられる避難時間は上部乗りかご11及び下部乗りかご12の合算値ではなく、何れか時間が長い方が適用される。すなわち、上部乗りかご11、下部乗りかご12の両方が着床した状態では、ドアが同時に開き避難が行われるので、時間が長い方が避難時間となる。
次に、乗りかご9が急行ゾーン17に設けられた1階床分のみの非常停止階17aまで運転する際の運転時間(b)を計算する(2つの乗りかご9の何れかを非常停止階に着床できる位置まで移動するのに要する運転時間を算出する工程 S8)。
運転時間の計算は、[運転時間(b1)(b2)・・・(bn)=(|乗りかご9の現在位置−非常停止階の位置(1)(2)・・・(n)|)÷救出運転速度]より求める。非常停止階の位置は、急行ゾーン17の長さによるが、通常複数備えられている。そのため、運転時間(b1)(b2)・・・(bn)のように非常停止階の数だけ複数算出される。ここでの救出運転速度は予め定められており、本実施例では例えば300m/分に設定されている。そして、複数算出された運転時間(b1)(b2)・・・(bn)の中から、最小時間のものが選択し運転時間(b)とする(運転時間を選定する工程 S9)。
次に、上部乗りかご荷重検出手段13及び下部乗りかご荷重検出手段14の検出データから、上部乗りかご11内、下部乗りかご12内の利用者の有無を検出する(上部乗りかご11及び下部乗りかご12の利用者有無を検出する工程 S10)。S10では、図5に示すように、検出荷重が10kg未満のときは利用者無と判定される。
S10において、上部乗りかご11及び下部乗りかご12の両方に利用者が居る場合、急行ゾーン17の非常停止階17aでの救出時間(B1)を算出する(急行ゾーン17の非常停止階17aでの救出時間を算出する工程 S11)。
救出時間(B1)の計算は、[運転時間(b)+避難時間(上部かご)+避難時間(下部かご)+上かご,下かご入替え運転時間]より求める。
利用者の避難は上部乗りかご11と下部乗りかご12の片側ずつ行なうため、上部乗りかご11の避難時間と下部乗りかご12の避難時間それぞれを加算する。さらに、非常停止階17aに着床する乗りかご9を上部乗りかご11と下部乗りかご12とで入替える運転を必要とするため、上部乗りかご11と下部乗りかご12を入替える運転時間を加算する。本実施例では上部乗りかご11と下部乗りかご12を入替えるのに要する運転時間を例えば10秒に設定している。
次に乗りかご9の2つの乗りかご(上部乗りかご11、下部乗りかご12)両方が着床できる位置での救出時間(A)と、上部乗りかご11及び下部乗りかご12の両方に利用者が居る場合における急行ゾーン17の非常停止階17aでの救出時間(B1)とを比較する(救出時間を比較する工程 S12)。
救出時間(A)が短い場合には、2つの乗りかご(上部乗りかご11、下部乗りかご12)両方が着床できる位置に乗りかご9を移動させ、利用者を避難させる(上部乗りかご11、下部乗りかご12の利用者を同時に避難させる工程 S13)。
S12において、救出時間(B1)が短い場合には、急行ゾーン17の非常停止階17aに上部乗りかご11及び下部乗りかご12を交互に停止させ、利用者を避難させる(上部乗りかご11、下部乗りかご12の利用者を非常停止階17aに交互に停止させて避難させる工程 S14)。
一方、S10において、上部乗りかご11もしくは下部乗りかご12の何れか一方のみに利用者が居る場合、一方の乗りかごを非常停止階17aに停止させた場合の救出時間(B2)を算出する(一方の乗りかごを非常停止階17aに停止させた場合の救出時間を算出する工程 S15)。
救出時間(B2)の計算は、[救出時間(B2)=運転時間(b)+避難時間(上部かごのみもしくは下部かごのみ)]より求める。利用者は上部乗りかご11、下部乗りかご12の何れかに居るため、避難時間は上部乗りかご11、下部乗りかご12の何れか一方の時間のみである。また上部乗りかご11と下部乗りかご12を入替える運転および運転時間は不要となる。
次に乗りかご9の2つの乗りかご(上部乗りかご11、下部乗りかご12)両方が着床できる位置での救出時間(A)と、上部乗りかご11、もしくは下部乗りかご12の何れかに利用者が居る場合における急行ゾーン17の非常停止階17aでの救出時間(B2)とを比較する(救出時間を比較する工程 S16)。
救出時間(A)が短い場合には、2つの乗りかご(上部乗りかご11、下部乗りかご12)両方が着床できる位置に乗りかご9を移動させ、利用者を避難させる(上部乗りかご11、下部乗りかご12の利用者を同時に避難させる工程 S13)。
S16において、救出時間(B2)が短い場合には、利用者が乗車している上部乗りかご11、もしくは下部乗りかご12を急行ゾーンの非常停止階17aに停止させ、利用者を避難させる(上部乗りかご11、もしくは下部乗りかご12の利用者を非常停止階17aから避難させる工程 S17)。
図示はしていないが、S10において、上部乗りかご11、下部乗りかご12の両方に利用者が居ない場合には、乗りかご9を最下階へ移動させる。
本実施例においては、異常時救出運転制御手段23は監視装置5に設けているが、制御装置3に設けるようにしても良い。この場合、装置構成が簡単となり、コストを低減することができる。異常時救出運転制御手段23の設置位置は、ダブルデッキエレベーターの設置環境において適宜選択すれば良い。
また、異常時に最短で停止できる階床が例えば3階と4階と算出された場合、3階と4階を通過し、1階と2階へ急行させるようにしても良い。この場合、利用客は3階と4階に停止した状態よりも迅速に高層建築物の外に避難することができる。
以上説明したように本実施例によれば、地震等の異常によりダブルデッキエレベーターの2つの乗りかごが急行ゾーン内に停止した場合であっても、停止位置、2つの乗りかごの乗車人数から避難に要する時間を算出し、最短で避難できる位置へ乗りかごを移動するようにしているので、利用者を迅速に避難させることができる。
なお、本発明は、上述した実施例に限定するものではなく、様々な変形例が含まれる。上述した実施例は本発明を分かり易く説明するために詳細に説明したものであり、必ずしも説明した全ての構成を備えるものに限定するものではない。
1 昇降路
2 機械室
3 制御装置
4 巻上機
5 監視装置
6 メインシーブ
7 反らせシーブ
8 メインロープ
9 乗りかご
10 釣合い重り
11 上部乗りかご
12 下部乗りかご
13 上部乗りかご荷重検出手段
14 下部乗りかご荷重検出手段
15、16 階床ゾーン
15a、16a 階床
17 急行ゾーン
17a 非常停止階
21 ドアゾーン検出手段
22 ドア開閉手段
23 異常時救出運転制御手段
24 異常検出手段
25 乗りかご位置検出手段
2 機械室
3 制御装置
4 巻上機
5 監視装置
6 メインシーブ
7 反らせシーブ
8 メインロープ
9 乗りかご
10 釣合い重り
11 上部乗りかご
12 下部乗りかご
13 上部乗りかご荷重検出手段
14 下部乗りかご荷重検出手段
15、16 階床ゾーン
15a、16a 階床
17 急行ゾーン
17a 非常停止階
21 ドアゾーン検出手段
22 ドア開閉手段
23 異常時救出運転制御手段
24 異常検出手段
25 乗りかご位置検出手段
Claims (7)
- 巻上機と、前記巻上機を制御する制御装置と、前記巻上機によって昇降路内を昇降する上下2つの乗りかごと、前記昇降路内の各階に設置され、前記2つの乗りかごが同時に着床する階床を有する階床ゾーンと、前記昇降路内の所定箇所に1階床分設置され、前記2つの乗りかごの何れかが着床する非常停止階を有する急行ゾーンと、地震等の異常を検知する異常検出手段と、前記異常検出手段の信号からエレベーターの異常監視を行う監視装置とを備えたダブルデッキエレベーター装置であって、
前記2つの乗りかごの位置を検出する乗りかご位置検出手段と、前記2つの乗りかごのそれぞれの荷重を検出する乗りかご荷重検出手段とを備え、
前記監視装置には、前記乗りかご位置検出手段及び前記乗りかご荷重検出手段からの情報に基づいて利用者の救出運転を行う異常時救出運転制御手段を備え、
前記異常時救出運転制御手段は、前記乗りかご位置検出手段からの情報に基づき前記2つの乗りかごを前記階床に着床させる時間と前記非常停止階に着床させる時間を算出し、かつ前記乗りかご荷重検出手段からの情報に基づき利用者の避難時間を算出し、算出結果に基づき前記2つの乗りかごを前記階床もしくは前記非常停止階へ移動させるようにしたことを特徴とするダブルデッキエレベーター装置。 - 巻上機と、前記巻上機を制御する制御装置と、前記巻上機によって昇降路内を昇降する上下2つの乗りかごと、前記昇降路内の各階に設置され、前記2つの乗りかごが同時に着床する階床を有する階床ゾーンと、前記昇降路内の所定箇所に1階床分設置され、前記2つの乗りかごの何れかが着床する非常停止階を有する急行ゾーンと、地震等の異常を検知する異常検出手段とを備えたダブルデッキエレベーター装置であって、
前記2つの乗りかごの位置を検出する乗りかご位置検出手段と、前記2つの乗りかごのそれぞれの荷重を検出する乗りかご荷重検出手段とを備え、
前記制御装置には、前記乗りかご位置検出手段及び前記乗りかご荷重検出手段からの情報に基づいて利用者の救出運転を行う異常時救出運転制御手段を備え、
前記異常時救出運転制御手段は、前記乗りかご位置検出手段からの情報に基づき前記2つの乗りかごを前記階床に着床させる時間と前記非常停止階に着床させる時間を算出し、かつ前記乗りかご荷重検出手段からの情報に基づき利用者の避難時間を算出し、算出結果に基づき前記2つの乗りかごを前記階床もしくは前記非常停止階へ移動させるようにしたことを特徴とするダブルデッキエレベーター装置。 - 請求項1又は2において、
前記階床の位置及び前記非常停止階の位置を予め定めた着床階データ保持手段と、荷重に応じて利用者の降車時間を予め定めた降車時間データ保持手段とを備えたことを特徴とするダブルデッキエレベーター装置。 - 請求項3において、
前記異常時救出運転制御手段は、前記2つの乗りかごの位置、前記着床階データ保持手段及び前記2つの乗りかごの速度に基づいて前記階床の位置及び前記非常停止階の位置までに要する時間を算出することを特徴とするダブルデッキエレベーター装置。 - 請求項4において、
前記異常時救出運転制御手段は、前記乗りかご荷重検出手段の情報及び前記降車時間データ保持手段の情報に基づいて利用者の避難時間を算出することを特徴とするダブルデッキエレベーター装置。 - 請求項1又は2において、
前記非常停止階への着床は前記2つの乗りかごを交互に着床させ、前記非常停止階での救出時間には前記2つの乗りかごを交互に着床させる入れ替え時間を加算することを特徴とするダブルデッキエレベーター装置。 - 巻上機と、前記巻上機を制御する制御装置と、前記巻上機によって昇降路内を昇降する上下2つの乗りかごと、前記昇降路内の各階に設置され、前記2つの乗りかごが同時に着床する階床を有する階床ゾーンと、前記昇降路内の所定箇所に1階床分設置され、前記2つの乗りかごの何れかが着床する非常停止階を有する急行ゾーンと、地震等の異常を検知する異常検出手段とを備えたダブルデッキエレベーター装置の制御方法であって、
前記異常検出手段からの信号に基づいて利用者の救出運転制御を行う異常時救出運転制御手段を備え、
前記異常時救出運転制御手段は、前記2つの乗りかごの位置データを取り込む工程と、前記2つの乗りかごのそれぞれの荷重データを取り込む工程と、前記2つの乗りかごが階床に着床できる位置まで移動するのに要する運転時間を算出する工程と、前記2つの乗りかごの何れかを前記非常停止階に着床できる位置まで移動するのに要する運転時間を算出する工程と、検出した荷重から利用者の避難時間を算出する工程とを備え、
前記2つの乗りかごを前記階床もしくは前記非常停止階へ移動させるようにしたことを特徴とするダブルデッキエレベーター装置の制御方法。
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