JP2019038029A - 熱間鍛造装置および熱間鍛造方法 - Google Patents

熱間鍛造装置および熱間鍛造方法 Download PDF

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康彦 小林
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Abstract

【課題】被鍛造材料における非鍛造領域の変形を抑制する。【解決手段】加熱された被鍛造材料110の鍛造領域Pを加圧して鍛造を行う上金型120および固定金型130と、被鍛造材料110における上金型120と固定金型130とによる加圧が行われていない非鍛造領域Qを冷却する冷却装置140および冷却装置150と、を有する熱間鍛造装置100である。冷却装置140および冷却装置150は、それぞれ被鍛造材料110の非鍛造領域Qと接触することにより、被鍛造材料110の非鍛造領域Qを冷却する。【選択図】図2

Description

本発明は、熱間鍛造装置および熱間鍛造方法に関する。
金属材料を加熱して柔らかい状態にした上で、金型によって圧力をかけて金属材料を加工する熱間鍛造において、金属材料を部分的に冷却しながら鍛造する方法が知られている。
特許文献1(特開2011−140043号公報)には、被加工材(金属材料)の圧下面に対応する側面の圧下開始前温度と圧下終了後温度の温度差範囲が、25〜300℃となる様に冷却しながら上記被加工材を圧下することが記載されている。
また、特許文献2(特開2009−12059号公報)には、円柱状の被鍛造物を下金敷と上金敷との間に配置して鍛造し、ディスク状鍛造物を得る製造方法が記載されている。
特開2011−140043号公報 特開2009−12059号公報
熱間鍛造の中で、特に鍛造材料の全体を金型で拘束しないで鍛造を行う方法が自由鍛造と呼ばれている。上記自由鍛造では、加圧していない非鍛造領域において、鍛造領域の近傍が鍛造領域の変形の影響を受けて変形することが懸念される。この非鍛造領域の変形を抑制することが難しいため、目標の鍛造形状が得られないこと、ならびに非鍛造領域の意図しない変形に起因して金属材料(鍛造材料)の特性が変化することが課題である。
上記特許文献1(特開2011−140043号公報)には、鍛造材料の鍛造領域における変形を部分ごとに制御する方法が記載されている。しかしながら、上記特許文献1に記載された鍛造領域の変形制御方法では、冷却するのが鍛造領域であるため、非鍛造領域の変形を抑制することができない。
本発明の目的は、被鍛造材料における非鍛造領域の変形を抑制することができる技術を提供することにある。
本発明の前記の目的と新規な特徴は、本明細書の記述および添付図面から明らかになるであろう。
本願において開示される実施の形態のうち、代表的なものの概要を簡単に説明すれば、次のとおりである。
一実施の形態における熱間鍛造装置は、加熱された被鍛造材料の第1領域を加圧して鍛造を行う金型と、上記被鍛造材料の上記金型による加圧が行われていない第2領域を冷却する冷却部と、を有する。
また、一実施の形態における熱間鍛造方法は、(a)加熱された被鍛造材料の第1領域を金型によって加圧して鍛造を行う工程、(b)上記被鍛造材料の上記金型による加圧が行われていない第2領域を冷却する工程、を有する。
本願において開示される発明のうち、代表的なものによって得られる効果を簡単に説明すれば以下のとおりである。
被鍛造材料の非鍛造領域を冷却することにより、非鍛造領域の変形を抑制することができる。
本発明の実施の形態1の熱間鍛造装置を用いた鍛造における加圧前の構造の一例を示す部分側面図である。 図1に示す熱間鍛造装置を用いた鍛造における加圧後の構造の一例を示す部分側面図である。 図1に示す熱間鍛造装置の冷却部における冷却機構の一例を示す概念図である。 比較例の熱間鍛造装置を用いた鍛造における加圧前の構造を示す部分側面図である。 図4の熱間鍛造装置を用いた鍛造における加圧後の構造を示す部分側面図である。 本発明の実施の形態2の熱間鍛造装置を用いた鍛造における加圧前の構造の一例を示す部分側面図である。 図6に示す熱間鍛造装置を用いた鍛造における加圧後の構造の一例を示す部分側面図である。 本発明の実施の形態3の熱間鍛造装置を用いた鍛造における加圧前の構造の一例を示す斜視図である。 図8に示す熱間鍛造装置の加圧前の構造の一例を示す平面図である。 図9のA−A線に沿って切断した熱間鍛造装置の構造を示す断面図である。 本発明の実施の形態3の熱間鍛造方法に対して有限要素シミュレーションで相当塑性ひずみを評価した位置を一部断面にして示す斜視図である。 図11のシミュレーションから評価した相当塑性ひずみの大きさを示すグラフ図である。 本発明の実施の形態4の熱間鍛造装置を用いた鍛造における加圧前の構造の一例を示す斜視図である。 図13に示す熱間鍛造装置の加圧前の構造の一例を示す平面図である。 図14のA−A線に沿って切断した熱間鍛造装置の構造を示す断面図である。 本発明の実施の形態5の熱間鍛造装置を用いた鍛造における加圧前の構造の一例を示す斜視図である。 図16に示す熱間鍛造装置の加圧前の構造の一例を示す平面図である。 図17のA−A線に沿って切断した熱間鍛造装置の構造を示す断面図である。 本発明の実施の形態6の熱間鍛造装置を用いた鍛造における加圧前の構造の一例を示す斜視図である。 本発明の実施の形態7の熱間鍛造装置を用いた鍛造における加圧時の構造の一例を示す部分側面図である。 図20に示す熱間鍛造装置を用いた鍛造における送り動作後の構造の一例を示す部分側面図である。
(実施の形態1)
図1は本発明の実施の形態1の熱間鍛造装置を用いた鍛造における加圧前の構造の一例を示す部分側面図、図2は図1に示す熱間鍛造装置を用いた鍛造における加圧後の構造の一例を示す部分側面図、図3は図1に示す熱間鍛造装置の冷却部における冷却機構の一例を示す概念図である。
図1に示す本実施の形態1による熱間鍛造装置100は、加熱された被加工材(金属材料)である被鍛造材料110の鍛造領域(第1領域)Pを加圧する金型である上金型120と、上金型120と対向する位置に配置された下金型である固定金型130と、を備えている。すなわち、可動する金型である上金型120と、下金型である固定金型130とは、一対であり、上金型120と固定金型130とにより、対向する2つの方向から被鍛造材料110を加圧して変形させ、これにより鍛造を行う。
さらに、熱間鍛造装置100では、上金型120および固定金型130のそれぞれの近傍に設けられた冷却部である上側の冷却装置140および下側の冷却装置150と、冷却装置150を支える保持冶具160と、を備えている。これら冷却装置140および冷却装置150は、被鍛造材料110の鍛造領域Pに隣接する非鍛造領域(第2領域)Qを冷却するものである。
つまり、本実施の形態1の熱間鍛造装置100は、加熱された被鍛造材料110の第1領域である鍛造領域Pを加圧して鍛造を行う上金型120および固定金型130と、被鍛造材料110の上金型120と固定金型130とによる加圧が行われていない第2領域である非鍛造領域Qを冷却する冷却装置140および冷却装置150と、を有している。
なお、上金型120は、図示しないプレス機による加圧力を受けて成形を狙う(鍛造を行う)被鍛造材料110の鍛造領域Pのみを加圧する。
そして、熱間鍛造装置100では、図1に示すように、上金型120に隣接して上側の冷却装置140が配置され、さらに、固定金型130に隣接して下側の冷却装置150が配置されている。言い換えると、上金型120の隣(横)に上側の冷却装置140が配置され、一方、固定金型130の隣(横)に下側の冷却装置150が配置されている。
そして、本実施の形態1の熱間鍛造装置100において、冷却装置140および冷却装置150は、成形を狙わない非鍛造領域Qに対し、非鍛造領域Qの表面と接触させることで非鍛造領域Qを冷却する。冷却装置140および冷却装置150としては、例えば、ステンレス鋼、炭素鋼などでも使用することできるが、金、銀、銅もしくはそれらの合金というような熱伝導率の高い金属を主材料として使用するのが望ましい。中でも銅やアルミニウムなどの熱伝導率の高い金属を主材料として使用するのが望ましい。これらの合金については、融点がおおよそ1000℃を超えること、安価で入手もし易く、加工も容易なことから特に望ましい。
冷却装置140および冷却装置150は、これらの冷却装置の内部に被鍛造材料110からの熱伝達による温度上昇を抑制する水冷式の冷却機構150a(図3参照)などを備えている。これにより、被鍛造材料110からの熱伝達に起因した、冷却装置140および冷却装置150の温度上昇による非鍛造領域Qの冷却効率の低下を抑制することができる。
また、冷却装置140や冷却装置150の熱容量が大きく、量産工程などで作業間隔が短い場合、冷却装置が空気との熱伝達では十分に冷却されず、非鍛造領域Qの冷却が十分にできない可能性がある。そのため、作業間隔を長く取ることが必要になるが、作業間隔を長くすることで生産効率は低下するため、生産効率を向上させる点でも冷却装置の内部に冷却機構150aなどを備えた方が望ましい。
なお、非鍛造領域Qの表面を冷却できる機構であれば、冷却装置140および冷却装置150に使用する材料や装置内部の冷却機構150aなどは、必ずしも上記内容に限定されるものではない。
ここで、図3に示す冷却機構150aは、一例として、水冷式のものを示している。すなわち、冷却機構150aは、冷却手段150dによって冷却された水などの冷却液(冷却媒体)150cを、循環水路150bで循環させることで冷却機構150aに接触する部材を冷却するものである。
上記冷却装置140および冷却装置150は、被鍛造材料110との接触面で熱を伝達する。そこで、接触面の熱伝達率を向上させるために、熱伝達率の高いグリースやペーストなどの物質を接触面に使用するほうが望ましい。
なお、鍛造領域Pを冷却してしまうと被鍛造材料110の鍛造領域Pにおける表面が割れるなどの懸念があるため、冷却部分は非鍛造領域Qに限定する。
また、被鍛造材料110の材質によっては、非鍛造領域Qのみを急激に冷却した場合に、熱応力に起因した割れなどが生じる可能性があるため、非鍛造領域Qの表面における冷却速度を制御可能な制御機構を持たせた冷却装置140および冷却装置150としてもよい。具体的には、非鍛造領域Qの表面温度を測定し、温度が急激に上昇したら冷却装置140や冷却装置150を接触させる制御を行う。また、非鍛造領域Qの表面の温度が下がり始めたら冷却装置140や冷却装置150を非鍛造領域Qから離脱させる。このように非鍛造領域Qの冷却速度を制御可能な機能を備えた冷却装置140や冷却装置150を用いてもよい。また、図3に示すような水冷式の冷却機構150aの場合には、冷却液150cの流れを止めるなどして冷却の度合いを制御してもよい。
次に、図2に示す構造について説明する。図2は、金型がプレス機による加圧力を受けて被鍛造材料110の鍛造領域Pを加圧した後の構造を示している。
図2に示す保持冶具160は弾性体などを備えた冶具である。冷却装置150が固定されている場合、固定された冷却装置150によって被鍛造材料110の非鍛造領域Qは変形する可能性がある。すなわち、被鍛造材料110が荷重によって沈み込んだ際に、被鍛造材料110の下方に配置された冷却装置150が硬質であると、被鍛造材料110が冷却装置150に食い込んでしまう。したがって、この現象を防ぐために、保持冶具160は、冷却装置150が非鍛造領域Qを変形させないように冷却装置150を可動的にする冶具である。つまり、被鍛造材料110に対して上方から荷重が付与された際に、冷却装置150を下方に可動させる(逃がす)ための治具である。
本実施の形態1では、保持冶具160として弾性体を使用した場合を例示した。ただし、その他の方法として、冷却装置150が上下運動できるような機械式の機構を使用してもよい。
なお、冷却装置140および冷却装置150の接触により、被鍛造材料110の非鍛造領域Qは冷却され、鍛造領域Pと非鍛造領域Qとで温度差が生じる。この温度差によって、被鍛造材料110の変形抵抗が部分的に変わり、非鍛造領域Qの変形抵抗は大きくなる。
非鍛造領域Qの変形抵抗値の増加は、図2に示すように、変形を抑制したい非鍛造領域Qの変形を制御する効果がある。なお、被鍛造材料110の鍛造領域Pと非鍛造領域Qとの温度差は必ずしも材料の内部中心までなくてもよく、表面の一部が冷却されているだけでもよい。
また、冷却装置140および冷却装置150による非鍛造領域Qの冷却は、図1の加圧前の状態、図2の加圧後の状態、図1と図2の間の加圧中の状態の少なくとも何れか1つの状態でもよい。例えば、加圧前に冷却装置140および冷却装置150で非鍛造領域Qを冷却した後に冷却装置140または冷却装置150の少なくとも一方を取り去ってから加圧してもよい。しかし、作業時間が長い工程、例えば、加圧と被鍛造材料の送りとを間欠的に繰り返す逐次鍛造工程の場合、作業時間の増加に伴って鍛造領域も空気放冷より冷却されてしまい、これによる鍛造荷重の増加なども課題になる。そのため、このような場合は非鍛造領域Qの冷却と鍛造領域Pの加圧とを同時に行う方が望ましい。すなわち、鍛造領域Pの加圧と非鍛造領域Qの冷却とを同時に行うことで、鍛造工程の効率化を図ることができる。
なお、本実施の形態1では、非鍛造領域Qの表面を冷却する機構の一例として、非鍛造領域Qと冷却装置140および冷却装置150とを直接接触させることで冷却する方法を示したが、必ずしもこの方法に限定しない。例えば、後述する実施の形態3および実施の形態4に示すように、冷却媒体を吹き付けることで非鍛造領域Qの表面を冷却するなどの機構を用いてもよい。
ここで、図4は、本発明者が比較検討を行った比較例の熱間鍛造装置200を用いた鍛造における加圧前の構造を示す部分側面図、図5は図4の熱間鍛造装置を用いた鍛造における加圧後の構造を示す部分側面図である。具体的には、図4および図5は、図1に示すような冷却装置140および冷却装置150を使用せずに加圧した例であり、図4は加圧前の状態、図5は加圧後の状態を示している。
図4に示すように、非鍛造領域Qを冷却しない場合、鍛造領域Pと非鍛造領域Qとの間で変形抵抗は同程度のため、図5に示すように、鍛造領域Pの変形が、変形を狙わない非鍛造領域Qまで大きく影響し、非鍛造領域Qが意図せずに変形してしまう。このような非鍛造領域Qの変形を制御することは難しく、製品形状に対する歩留まりの低下や、意図しない変形に起因した金属材料の機械的特性の変化を誘発する。
そこで、本実施の形態1のように被鍛造材料110の非鍛造領域Qを冷却することで変形抵抗を増加させる方法は、このような非鍛造領域Qにおける意図しない変形の制御に効果がある。すなわち、鍛造領域Pに隣接する非鍛造領域Qの表面を冷却することにより、鍛造領域Pと非鍛造領域Qとで温度差を付け、これにより、非鍛造領域Qの変形抵抗を相対的に増加させて非鍛造領域Qの変形を抑制することができる。言い換えると、変形させたい領域も冷却してしまうと、鍛造荷重の増加や被鍛造材料110において変形時の割れが発生する懸念があるが、本実施の形態1のように、被鍛造材料110において冷却する部分を限定することで、変形抑制を狙う領域のみ変形を抑制することができる。
なお、本発明で用いる被鍛造材料110においては、熱間鍛造温度に加熱を行うときに非鍛造領域Qとなる部分に対して、例えば、体積の大きな金属材料で覆うように加熱したり、被鍛造材料110よりも熱伝導率が小さい別の金属や断熱材などで覆っておき、非鍛造領域Qの表面の温度を予め低くしておいてもよい。一体物の被鍛造材料110中で、鍛造領域Pを選択的に熱間鍛造温度に加熱しておけば、上述した冷却機構の冷却能力を効率よく高めることができる。
本実施の形態1で用いられる被鍛造材料110は、角柱状の材料が主であるが、例えば円柱状の材料などであってもよい。
(実施の形態2)
図6は本発明の実施の形態2の熱間鍛造装置を用いた鍛造における加圧前の構造の一例を示す部分側面図、図7は図6に示す熱間鍛造装置を用いた鍛造における加圧後の構造の一例を示す部分側面図である。
図6に示すように、本実施の形態2による熱間鍛造装置300は、加熱された板状の被鍛造材料110と、被鍛造材料110の鍛造領域Pを加圧するための上金型120と、上金型120と対向位置に配置された固定金型130と、を備えている。また、熱間鍛造装置300は、被鍛造材料110の非鍛造領域Qを冷却するために上金型120および固定金型130のそれぞれの近傍に設けられた冷却装置140および冷却装置150と、冷却装置140に接触するように設けられた冷却用金属170と、冷却装置150に接触するように設けられた冷却用金属180と、を備えている。さらに、熱間鍛造装置300は、冷却用金属180が被鍛造材料110の非鍛造領域Qを変形させないようにするための保持冶具160を備えている。
本実施の形態2では、実施の形態1と同様に上金型120は、プレス機(図示せず)による加圧力を受けて成形を狙う被鍛造材料110の鍛造領域Pのみを加圧する。
そして、冷却用金属170および冷却用金属180は、非鍛造領域Qの表面形状に合わせて加工された冷却用金属であり、冷却装置140および150と連結させて使用する。すなわち、冷却装置140に、被鍛造材料110の非鍛造領域Qと接触する接触面170aを備え、かつ接触面170aの形状が被鍛造材料110の非鍛造領域Qの表面110aの形状と一致する冷却用金属(金属部材)170が装着されている。
一方、同様に、冷却装置150に、被鍛造材料110の非鍛造領域Qと接触する接触面180aを備え、かつ接触面180aの形状が被鍛造材料110の非鍛造領域Qの表面110aの形状と一致する冷却用金属(金属部材)180が装着されている。
つまり、冷却用金属170および冷却用金属180は、非鍛造領域Qから得た熱を冷却装置140および冷却装置150に熱伝達させることで、非鍛造領域Qを冷却する金属である。
図6、図7に示すように、非鍛造領域Qは、前段の鍛造工程などで狙いの表面形状に成形されている場合がある。予め特定の表面形状に成形された非鍛造領域Qを効率よく冷却するためには、実施の形態1の冷却装置140および冷却装置150のそれぞれの表面(接触面170a、180a)の形状を、非鍛造領域Qの表面110aの形状に合わせて作り直すほうがよい。しかしながら、鍛造プロセスごとに冷却装置全体を作り直すのは製造効率が悪い。
そこで、本実施の形態2のように、別途非鍛造領域Qの表面110aの形状に合わせた冷却用金属170および冷却用金属180を用いることで、異なる非鍛造領域Qの表面形状であっても冷却装置140および冷却装置150の全体を作り直す必要がなくなる。これにより、冷却用金属170および冷却用金属180のみの作成によって効率よく非鍛造領域Qの表面110aを冷却することが可能になる。
冷却用金属170および冷却用金属180と非鍛造領域Qの接触面170a、180aには熱伝達率の高いグリースやペーストなどの物質を介在させるのが望ましい。同様に、冷却装置140および冷却装置150と、冷却用金属170および冷却用金属180の接触界面にも熱伝達率の高い物質を介在させるのが望ましい。
また、冷却用金属170および冷却用金属180は、非鍛造領域Qの表面110aを効率よく冷却させるために熱伝導率の高い金属、例えば、銅やアルミニウム銅合金などを使用することが望ましい。ただし、上記材料に必ずしも限定せず、非鍛造領域Qの冷却速度などによって冷却用金属170および冷却用金属180の材質は適宜選定する。
ただし、上述のように、冷却用金属170や冷却用金属180を用いることなく冷却装置140や冷却装置150の表面の形状を、被鍛造材料110の非鍛造領域Qの表面110aの形状に合わせた形としてもよく、これにより、特定の表面形状に成形された非鍛造領域Qを効率よく冷却することができる。
以上、本実施の形態2の熱間鍛造装置300においても、鍛造領域Pに隣接する非鍛造領域Qの表面を冷却することにより、鍛造領域Pと非鍛造領域Qとで温度差を付け、これにより、非鍛造領域Qの変形抵抗を相対的に増加させて非鍛造領域Qの変形を抑制することができる。
(実施の形態3)
図8は本発明の実施の形態3の熱間鍛造装置を用いた鍛造における加圧前の構造の一例を示す斜視図、図9は図8に示す熱間鍛造装置の加圧前の構造の一例を示す平面図、図10は図9のA−A線に沿って切断した熱間鍛造装置の構造を示す断面図である。
ここで、円盤状の被鍛造材料を熱間鍛造する技術として,いわゆる回転鍛造が知られている(例えば、特開2009−12059号公報参照)。
上述の回転鍛造とは、「円柱状の被鍛造材料を下金敷と上金敷との間に配置して鍛造し、ディスク状鍛造物を得るための製造方法である。具体的には、上記被鍛造材料の上面に、上記下金敷の中心軸を通り、この中心軸に直交する半径方向に延びる複数の押圧面を有する上記上金敷を配置し、上記被鍛造材料と上記上金敷とを、上記中心軸を中心として相対的に間欠回転させながら、上記上金敷を上記中心軸の軸線方向に往復直線運動して上記被鍛造材料を押圧し、鍛造を行う」方法である(特開2009−12059号公報参照)。
本実施の形態3では、実施の形態1の鍛造を回転鍛造に適用した例を示す。
図8〜図10に示すように、本実施の形態3による熱間鍛造装置400は、加熱された円盤状の被鍛造材料410と、被鍛造材料410の鍛造領域Pを加圧するための上金型420、421、422、423と、上金型420、421、422、423のそれぞれと対向する位置に配置された固定金型430、431、432、433と、を備えている。さらに、熱間鍛造装置400は、被鍛造材料410の非鍛造領域Qを冷却するための冷却装置440および冷却装置450と、冷却装置450が非鍛造領域Qを変形させないための弾性体などからなる保持冶具460と、を備えている。
詳細には、熱間鍛造装置400では、被鍛造材料410は円盤状であるとともに、上金型420、421、422、423のそれぞれによって加圧される円形の主面410aと、その反対側の裏面410bとを有している。そして、上金型420、421、422、423および固定金型430、431、432、433は、図10に示すように、主面410aと裏面410bのそれぞれの周縁部に沿った鍛造領域(第1領域)Pを加圧するように所望の間隔で複数設けられている。さらに、冷却部である冷却装置440および冷却装置450は、それぞれ被鍛造材料410の鍛造領域Pの内側に位置する非鍛造領域(第2領域)Qを冷却する。
したがって、本実施の形態3の回転鍛造では、上金型420、421、422、423によって被鍛造材料410を加圧し、加圧後に上金型420、421、422、423と、円盤状の被鍛造材料410とを中心軸を中心として相対的に間欠回転させることを想定している。つまり、上金型420、421、422、423およびこれらに対応する固定金型430、431、432、433による加圧動作と、上金型420、421、422、423および固定金型430、431、432、433、もしくは被鍛造材料410のうちの何れか一方の送り動作と、を間欠的に行う。これにより、熱間鍛造装置400では、上述の送り動作として、上金型420、421、422、423および固定金型430、431、432、433、もしくは被鍛造材料410のうちの何れか一方を、円盤状の被鍛造材料410の中心に対して回転させて間欠的に送る(移動させる)。すなわち、上述の送り動作としては、上金型420、421、422、423および固定金型430、431、432、433を回転移動させてもよいし、被鍛造材料410を回転移動させてもよい。
上述のように、本実施の形態3の回転鍛造では、鍛造領域Pが円盤状の被鍛造材料410の外周部(周縁部)全体に相当し、非鍛造領域Qが鍛造領域Pの内側に位置する内周部に相当する。すなわち、本実施の形態3の回転鍛造では、図10に示すように、鍛造領域Pは、円盤状の被鍛造材料410の円形の主面410aにおける周縁部の領域であり、一方、非鍛造領域Qは、被鍛造材料410の主面410aにおける上記周縁部の内側に位置する領域である。
そのため、非鍛造領域Qである被鍛造材料410の内周部の表面(主面410a)を冷却装置440で冷却し、かつ被鍛造材料410の内周部の裏面410bを冷却装置450で冷却する。
なお、回転鍛造における被鍛造材料410と、上金型420、421、422、423および固定金型430、431、432、433との相対的な間欠回転の方法は限定しない。
次に、本実施の形態3の効果に関し、有限要素シミュレーションを用いて行った検証について説明する。図11は本発明の実施の形態3の熱間鍛造方法に対して有限要素シミュレーションで相当塑性ひずみを評価した位置を一部断面にして示す斜視図、図12は図11のシミュレーションから評価した相当塑性ひずみの大きさを示すグラフ図である。
本実施の形態3の有限要素シミュレーションでは、図10と同様に、円盤状の被鍛造材料410の上下面に金型を所定の間隔で4つずつ配置したモデルとし、被鍛造材料410の上面側に配置した金型の上下移動によって被鍛造材料410の鍛造領域Pの加圧を再現した。円盤状の被鍛造材料410と、上下面に配置した金型とを中心軸に対して相対的に間欠回転させながら、上記金型で被鍛造材料410を間欠加圧する回転鍛造とした。
本実施の形態3は、被鍛造材料410における非鍛造領域Qの内周部の表面と、冷却装置440および冷却装置450とを接触させることで非鍛造領域Qを選択的に冷却するものである。そして、冷却装置440および冷却装置450には、実施の形態1と同様に冷却装置本体の温度上昇を抑制する冷却機構が設けられている。このような非鍛造領域Qの冷却状態を再現するために、非鍛造領域Qの表面における雰囲気との熱伝達係数を鍛造領域Pのそれより高く設定した。さらに、冷却装置440および冷却装置450は、各冷却装置の内部に設けられた冷却機構により温度上昇しない、という仮定で計算した。
解析結果より、非鍛造領域Qは温度低下により変形抵抗値が大きくなることを確認した。さらに、非鍛造領域Qのみを選択的に冷却することで、鍛造領域Pにおいて割れが懸念される温度まで温度低下が生じないことを確認した。
上記解析結果より、非鍛造領域Qの変形量をその大きさを表す相当塑性ひずみで評価した。
図11は、図8に示す熱間鍛造装置400を図9のA−A線で切断した図であり、相当塑性ひずみは、非鍛造領域Qにおける点Oで評価した。
図12は、上記解析結果から評価した図11の点Oにおける相当塑性ひずみの評価量を示している。比較のため、非鍛造領域Qである内周部を冷却しない条件での解析を行い、非鍛造領域Qを冷却しない条件での点Oにおける相当塑性ひずみを1として、実施の形態3による非鍛造領域Qを冷却した場合の相当塑性ひずみを評価した。その結果、非鍛造領域Qの冷却なしの場合を1としたときに、非鍛造領域Qの冷却ありの場合が0.1となり、非鍛造領域Qの相当塑性ひずみを90%抑制する結果を得た。これは、非鍛造領域Qにおいて表面を積極的に冷却することにより、非鍛造領域Qの意図しない変形を抑制できることを示している。
以上、本実施の形態3の熱間鍛造装置400においても、鍛造領域Pに隣接する非鍛造領域Qの表面を冷却することにより、鍛造領域Pと非鍛造領域Qとで温度差を付け、これにより、非鍛造領域Qの変形抵抗を相対的に増加させて非鍛造領域Qの変形を抑制することができる。
(実施の形態4)
図13は本発明の実施の形態4の熱間鍛造装置を用いた鍛造における加圧前の構造の一例を示す斜視図、図14は図13の熱間鍛造装置の加圧前の構造の一例を示す平面図、図15は図14のA−A線に沿って切断した熱間鍛造装置の構造を示す断面図である。図13は、本実施の形態4による熱間鍛造装置および熱間鍛造方法の概要を示している。そして、本実施の形態4は、実施の形態3と同様に回転鍛造に適用した例であり、非鍛造領域Qの冷却方法として冷却媒体を吹き付ける冷却装置を使用した例である。
図13〜図15に示すように、本実施の形態4による熱間鍛造装置500は、加熱された円盤状の被鍛造材料410と、被鍛造材料410の鍛造領域Pを加圧するための上金型420、上金型421、上金型422、上金型423と、を備えている。さらに、熱間鍛造装置500は、上金型420、上金型421、上金型422、上金型423と対向する位置にそれぞれ配置された固定金型430、固定金型431、固定金型432、固定金型433と、被鍛造材料410の非鍛造領域Qを冷却するための冷却装置540および冷却装置550と、を備えている。
本実施の形態4の回転鍛造では、実施の形態3と同様に、図15に示すように、鍛造領域Pが、円盤状の被鍛造材料410の外周部(周縁部)全体の領域に相当し、一方、非鍛造領域Qが鍛造領域Pの内側の領域である内周部に相当する。そのため、熱間鍛造装置500では、非鍛造領域Qである被鍛造材料410の内周部の領域の表面を冷却装置540および冷却装置550で冷却する。
そして、本実施の形態4では、冷却装置540および冷却装置550は、被鍛造材料410の非鍛造領域Qである内周部に冷却媒体Lを吹き付けることで、被鍛造材料410の非鍛造領域Qを冷却する装置である。すなわち、熱間鍛造装置500の冷却装置540および冷却装置550のそれぞれは、被鍛造材料410の非鍛造領域Qに冷却媒体Lを吹き付ける機構を有している。これにより、熱間鍛造装置500では、被鍛造材料410の非鍛造領域Qに冷却媒体Lを吹き付けて非鍛造領域Qを冷却することができる。なお、冷却装置540には、図15に示すように、冷却媒体Lを収納するタンク540aが連通しており、このタンク540aから冷却装置540に対して冷却媒体Lが供給される。なお、冷却装置550に対しても図示はしていないが同様のタンクが連通しており、このタンクから冷却装置550に対して冷却媒体Lが供給される。
ここで、冷却媒体Lには、例えば、空気、ガス、水、ポリマー、油またはこれらの冷却媒体を混合したものを使用する。これらのうち、好ましい冷却媒体Lは、ガス、水、ポリマーの何れか、もしくは上記ガス、上記水、上記ポリマーの何れかを混合した媒体である。なお、ガスを用いる場合は、水素などの可燃性ガスは避けるべきである。
また、例えば、冷却効果の大きなヘリウムなども適用可能であるが、窒素ガスやアルゴンガスの方が経済的である。最も好ましくは空気である。空気はアルゴンガスよりも冷却効果が大きく、空気を吹き付けることで空冷を超える冷却速度で非鍛造領域Qを冷却することができる。また、冷却媒体Lとして、例えば油を使用する場合、油は液体、気体、固体のいずれでもよい。
例えば、液体の油であれば、被鍛造材料410の温度によっては非鍛造領域Qで蒸発せずに、鍛造領域Pに流れてしまう場合が想定される。これにより、鍛造領域Pの温度も低下させてしまい、温度が低下した鍛造領域Pを加圧することで被鍛造材料410において割れが生じる懸念がある。そのため、冷却媒体Lの蒸発速度や被鍛造材料410の表面の温度をモニタリングするための装置を使用したほうがよい場合もある。なお、水などの液体を用いる場合は、上記空気と混合させて噴霧により非鍛造領域Qを冷却することが望ましい。
また、鍛造領域Pを加圧するための上金型420、421、422、423と同一側に配置された冷却装置540を固定した場合、金型の押し込み量と回転角度(送り量)によって決定される回転鍛造のパスによっては、冷却装置540と被鍛造材料410とが接触する懸念がある。このようなパスの回転鍛造とする場合、上金型420、421、422、423の上下運動と連動する形で冷却装置540を移動させる機構T(図15参照)を設けた方がよく、これにより、冷却装置540と被鍛造材料410の接触を防ぐことができる。なお、冷却装置540は、金型とは別個に独立して動くことが可能な機構を備えていてもよい。
以上、本実施の形態4の熱間鍛造装置500においても、鍛造領域Pに隣接する非鍛造領域Qの表面を冷却することにより、鍛造領域Pと非鍛造領域Qとで温度差を付け、これにより、非鍛造領域Qの変形抵抗を相対的に増加させて非鍛造領域Qの変形を抑制することができる。
(実施の形態5)
図16は本発明の実施の形態5の熱間鍛造装置を用いた鍛造における加圧前の構造の一例を示す斜視図、図17は図16の熱間鍛造装置の加圧前の構造の一例を示す平面図、図18は図17のA−A線に沿って切断した熱間鍛造装置の構造を示す断面図である。
本実施の形態5は、実施の形態4を元に、変形を抑制したい非鍛造領域Qである内周部のみ効率よく冷却媒体Lを吹き付けることを狙った例である。
図16〜図18に示すように、本実施の形態5による熱間鍛造装置600は、加熱された円盤状の被鍛造材料410と、被鍛造材料410の鍛造領域Pを加圧するための上金型420、421、422、423と、上金型420、421、422、423のそれぞれと対向する位置に配置された固定金型430、431、432、433と、を備えている。さらに、熱間鍛造装置600は、図18に示すように、被鍛造材料410の非鍛造領域Qを冷却するための冷却装置540および冷却装置550と、冷却媒体Lが鍛造領域Pに飛散することを防止する飛散防止筒610および飛散防止筒620と、を備えている。飛散防止筒610および飛散防止筒620のそれぞれは、鍛造領域Pと非鍛造領域Qとの間(境界部)に設けられ、かつ冷却媒体Lの流れを遮る遮断部材である。そして、被鍛造材料410の表面側に円筒形の飛散防止筒610が設けられ、一方、被鍛造材料410の裏面側に飛散防止筒620が設けられている。したがって、飛散防止筒610および飛散防止筒620が設けられたことで、冷却媒体Lが鍛造領域Pに飛散したり、流入したりすることを防止できる。
本実施の形態5の熱間鍛造装置600においても、実施の形態3や実施の形態4と同様の鍛造方法によって、被鍛造材料410の非鍛造領域Qである内周部を冷却しながら、被鍛造材料410の鍛造領域Pである外周部を鍛造する。
なお、飛散防止筒610および飛散防止筒620は、冷却媒体Lの吹き付けを非鍛造領域Qである被鍛造材料410の内周部に限定する飛散防止用の筒状の遮断部材である。そして、固定金型430、431、432、433と同一側(裏面側)に配置された飛散防止筒620は、その下部に保持冶具630を装着することにより、重力による飛散防止筒620の落下を防ぐことができる。
また、本実施の形態5の熱間鍛造装置600においても、鍛造領域Pに隣接する非鍛造領域Qの表面を冷却することにより、鍛造領域Pと非鍛造領域Qとで温度差を付け、これにより、非鍛造領域Qの変形抵抗を相対的に増加させて非鍛造領域Qの変形を抑制することができる。
(実施の形態6)
図19は本発明の実施の形態6の熱間鍛造装置を用いた鍛造における加圧前の構造の一例を示す斜視図である。
上述の実施の形態5における熱間鍛造装置600の場合、冷却媒体Lの材料の種類や被鍛造材料410の非鍛造領域Qにおける表面温度によっては、非鍛造領域Qの上面側に吹き付けた冷却媒体Lが、蒸発せずに非鍛造領域Qに残存することがある。非鍛造領域Qの下面側に吹き付けた冷却媒体Lは、蒸発せずとも重力により非鍛造領域Qの下面側から離脱する。これにより、被鍛造材料410においてはその非鍛造領域Qの上下面で冷却状態が異なる。そして、冷却状態が異なると、非鍛造領域Qの変形抵抗が上下面で異なるため、望ましくない。
そこで、本実施の形態6は、上述のように冷却媒体Lが非鍛造領域Qの上面側に残存した場合を想定し、実施の形態5の熱間鍛造装置600を元に、上面側に残存する冷却媒体Lを除去しながら回転鍛造を行う例を示している。
図19に示すように、本実施の形態6の熱間鍛造装置700では、非鍛造領域Q(図18参照)の上面側に残存する冷却媒体Lを除去するための、ノズル710と、冷却媒体Lの吸引装置720と、を備えている。
吸引装置720は、上面側の非鍛造領域Qにおいて、蒸発せずに残った冷却媒体Lを除去する装置である。ノズル710は蒸発せずに残った冷却媒体Lを吸引して吸引装置720に送るノズル部材である。
熱間鍛造装置700では、上記ノズル710と吸引装置720とを備えた機構を有することにより、非鍛造領域Qにおける上面側と下面側の冷却媒体Lの量を同程度とし、非鍛造領域Qの上下面で同じような冷却状態とすることが可能である。これにより、被鍛造材料410の非鍛造領域Qの上下面において、被鍛造材料410の変形が均一となるように抑制することができる。
なお、本実施の形態6の熱間鍛造装置700においても、実施の形態3や実施の形態4と同様の鍛造方法によって、被鍛造材料410の非鍛造領域Qである内周部を冷却しながら、被鍛造材料410の鍛造領域Pである外周部を鍛造する。
そして、熱間鍛造装置700においても、鍛造領域Pに隣接する非鍛造領域Qの表面を冷却することにより、鍛造領域Pと非鍛造領域Qとで温度差を付け、これにより、非鍛造領域Qの変形抵抗を相対的に増加させて非鍛造領域Qの変形を抑制することができる。
以上、本発明は上記した実施の形態に限定されるものではなく、様々な変形例が含まれる。例えば、上記した実施の形態は本発明を分かりやすく説明するために詳細に説明したものであり、必ずしも説明した全ての構成を備えるものに限定されるものではない。また、ある実施の形態の構成の一部を他の実施の形態の構成に置き換えることが可能であり、また、ある実施の形態の構成に他の実施の形態の構成を加えることも可能である。さらに、各実施の形態の構成の一部について、他の構成の追加・削除・置換をすることが可能である。
例えば、上記実施の形態3、4、5および6では、回転鍛造の例を示したが、必ずしもこのプロセスに限定しない。例えば、角柱状(板状)の被鍛造材料410を、対向する二方向から加圧し、被鍛造材料410の延在方向(一軸方向)に沿って送る、逐次鍛造(被鍛造材料410を断続的に送りながら鍛造する方法)としても構わない。
(実施の形態7)
図20は本発明の実施の形態7の熱間鍛造装置を用いた鍛造における加圧時の構造の一例を示す部分側面図、図21は図20に示す熱間鍛造装置を用いた鍛造における送り動作後の構造の一例を示す部分側面図である。
本実施の形態7では、対向する2つの方向からの加圧と、金型もしくは被鍛造材料110の少なくとも一方の送り動作とを間欠的に行う鍛造方法のうち、一軸方向(例えば、被鍛造材料110の延在方向)に沿って被鍛造材料110を送る鍛造方法の場合を説明する。
本実施の形態7の熱間鍛造装置800は、図1の熱間鍛造装置100を基本構造としており、この熱間鍛造装置100に、冷却装置140を上下動させるための冷却装置移動機構870を付加したものである。
熱間鍛造装置800における上金型120および固定金型130による間欠的な加圧と、被鍛造材料110の間欠的な送りとを繰り返す動作を以下に説明する。
まず、図20に示すように、上金型120と固定金型130とによって被鍛造材料110の鍛造領域Pを加圧して鍛造を行う。
上記最初の鍛造領域Pを加圧して鍛造した後、上金型120を上方向(Z方向)に移動させ、さらに上部側の冷却装置140を冷却装置移動機構870によって同じく上方向(Z方向)に移動させる。
冷却装置140の移動後、被鍛造材料110を上方向に移動させ、固定金型130および下部側の冷却装置150から離脱させる。
被鍛造材料110を離脱させた後、被鍛造材料110を図20中、左方向(矢印Rの方向、被鍛造材料110の延在方向(X方向))に移動させる。
被鍛造材料110を移動させた後、上部側の冷却装置140を、冷却装置移動機構870を用いて下方向(Z方向と反対の方向)に移動させ、図21に示すように、冷却装置140を被鍛造材料110の非鍛造領域Qに接触させる。
冷却装置140を被鍛造材料110に接触させた後、上金型120と固定金型130とによって被鍛造材料110の次の鍛造領域Pを加圧して鍛造を行う。
以上のように、上金型120および固定金型130による間欠的な加圧と、被鍛造材料110の間欠的な送りとを繰り返して鍛造処理を実施する。
なお、本実施の形態7の熱間鍛造装置800においても、鍛造領域Pに隣接する非鍛造領域Qの表面を冷却することにより、鍛造領域Pと非鍛造領域Qとで温度差を付け、これにより、非鍛造領域Qの変形抵抗を相対的に増加させて非鍛造領域Qの変形を抑制することができる。
100、200、300、400、500、600、700、800 熱間鍛造装置
110、410 被鍛造材料
110a 表面
410a 主面
410b 裏面
120、420、421、422、423 上金型(金型)
130、430、431、432、433 固定金型(金型)
140、150、440、450、540、550 冷却装置(冷却部)
150a 冷却機構
150b 循環水路
150c 冷却液
150d 冷却手段
160、460、630 保持冶具
170、180 冷却用金属(金属部材)
170a、180a 接触面
540a タンク
610、620 飛散防止筒(遮断部材)
710 ノズル
720 吸引装置
870 冷却装置移動機構
P 鍛造領域(第1領域)
Q 非鍛造領域(第2領域)

Claims (15)

  1. 加熱された被鍛造材料の第1領域を加圧して鍛造を行う金型と、
    前記被鍛造材料の前記金型による加圧が行われていない第2領域を冷却する冷却部と、
    を有する、熱間鍛造装置。
  2. 請求項1に記載の熱間鍛造装置において、
    前記冷却部は、前記被鍛造材料と接触することにより、前記被鍛造材料の前記第2領域の冷却を行う、熱間鍛造装置。
  3. 請求項2に記載の熱間鍛造装置において、
    前記冷却部に、前記被鍛造材料の前記第2領域と接触する接触面を備え、かつ前記接触面の形状が前記被鍛造材料の前記第2領域の表面の形状と一致する金属部材が装着されている、熱間鍛造装置。
  4. 請求項1に記載の熱間鍛造装置において、
    前記冷却部は、銅または銅合金によって形成されている、熱間鍛造装置。
  5. 請求項1に記載の熱間鍛造装置において、
    前記冷却部は、前記被鍛造材料の前記第2領域に冷却媒体を吹き付ける機構を有している、熱間鍛造装置。
  6. 請求項5に記載の熱間鍛造装置において、
    前記冷却媒体は、ガス、水、ポリマーの何れか、もしくは前記ガス、前記水、前記ポリマーの何れかを混合した媒体である、熱間鍛造装置。
  7. 請求項6に記載の熱間鍛造装置において、
    前記第1領域と前記第2領域との間に、前記冷却媒体の流れを遮る遮断部材が設けられている、熱間鍛造装置。
  8. 請求項1に記載の熱間鍛造装置において、
    前記被鍛造材料は、円盤状であり、かつ前記金型によって一部が加圧される円形の主面とその反対側の裏面とを有し、
    前記金型は、前記主面と前記裏面のそれぞれの周縁部に沿った前記第1領域を加圧するように所望の間隔で複数設けられ、
    前記冷却部は、前記被鍛造材料の前記第1領域の内側に位置する前記第2領域を冷却する、熱間鍛造装置。
  9. (a)加熱された被鍛造材料の第1領域を金型によって加圧して鍛造を行う工程、
    (b)前記被鍛造材料の前記金型による加圧が行われていない第2領域を冷却する工程、
    を有する、熱間鍛造方法。
  10. 請求項9に記載の熱間鍛造方法において、
    前記金型による加圧動作と、前記金型もしくは前記被鍛造材料の少なくとも何れか一方の送り動作と、を間欠的に行う、熱間鍛造方法。
  11. 請求項10に記載の熱間鍛造方法において、
    前記被鍛造材料は、円盤状であり、
    前記送り動作として、前記金型もしくは前記被鍛造材料の少なくとも何れか一方を、前記被鍛造材料の中心に対して回転させて間欠的に送る、熱間鍛造方法。
  12. 請求項9に記載の熱間鍛造方法において、
    前記被鍛造材料は、円盤状または円柱状の材料である、熱間鍛造方法。
  13. 請求項9に記載の熱間鍛造方法において、
    前記被鍛造材料の前記第2領域と、前記金型に隣接して設けられた冷却部と、を接触させることで前記第2領域を冷却する、熱間鍛造方法。
  14. 請求項9に記載の熱間鍛造方法において、
    前記被鍛造材料の前記第2領域に冷却媒体を吹き付けて前記第2領域を冷却する、熱間鍛造方法。
  15. 請求項9に記載の熱間鍛造方法において、
    前記第1領域は、円盤状の前記被鍛造材料の円形の主面における周縁部であり、
    前記第2領域は、前記被鍛造材料の前記主面における前記周縁部の内側に位置する領域である、熱間鍛造方法。
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