以下に、図面を参照して、本発明にかかる眠気検知装置、および眠気検知プログラムの実施の形態を詳細に説明する。
(実施の形態にかかる眠気検知方法の一実施例)
図1は、実施の形態にかかる眠気検知方法の一実施例を示す説明図である。図1において、眠気検知装置100は、対象者110に眠気が発生しているか否かを判定するコンピュータである。対象者110は、対象者110に眠気が発生しているか否かを判定する対象である。対象者110は、例えば、自動車の運転手である。対象者110は、例えば、電車や飛行機などの運転手であってもよい。対象者110は、例えば、授業中の学生であってもよい。
ヒューマンエラーに基づく比較的重大な交通事故の原因の一つに、自動車の運転手の眠気が挙げられる。このため、運転手に眠気が発生しているか否かを判定し、運転手に眠気が発生していると判定した場合、音や振動や匂いなどを用いて運転手の眠気の解消を図ることにより、交通事故を防止し、交通安全の確保を図るようにすることが望まれる。
ここで、運転中に、運転手に疲労が溜まり、または、単調な運転が続くと、運転に対する運転手の集中度が低下しやすくなり、やがて運転手の脳の覚醒度合いが低下してしまい、運転手に眠気が発生してしまう場合がある。この場合、運転手に眠気が発生し、運転手の身体活動が低調化するのに伴って、運転手の呼吸の周期が長くなる傾向がある。換言すれば、運転手の呼吸の周期は、運転手の眠気と相関する傾向がある。ただし、運転手に眠気が発生した場合でも、運転手は、眠気を堪えながら運転を続けることになる。このため、精神的なストレスにより運転手の呼吸の周期のばらつきが大きくなる傾向があり、運転手の呼吸の周期と、運転手の眠気との相関は分かりづらくなってしまう場合もある。
そこで、これらの傾向に基づいて、運転手の呼吸の周期が長くなり、かつ、運転手の呼吸の周期のばらつきが大きくなった場合に、運転手に眠気が発生していると判定し、交通事故を防止し、交通安全の確保を図るようにすることが考えられる。しかしながら、運転手に眠気が発生したか否かを精度よく判定することが難しい場合がある。
例えば、実際には運転手に眠気が発生していても、運転手の呼吸の周期のばらつきが比較的小さい場合があり、運転手に眠気が発生していると判定することができないことがある。具体的には、運転手が、あくびやため息、つばを飲み込むなどの覚醒努力を行った結果、覚醒努力の最中には、眠気が続いていても、運転手の呼吸の周期のばらつきが覚醒状態と同様になる場合があり、運転手に眠気が発生していると判定することが難しい。覚醒努力は、眠気に反して起きようとする葛藤状態である。覚醒状態は、起きている状態であり、眠気がないと判断される状態である。
また、運転手の呼吸のほか、運転手の心拍などの特徴量に基づいて、運転手に眠気が発生しているか否かを判定し、交通事故を防止し、交通安全の確保を図るようにすることが考えられる。しかしながら、運転手に心拍センサを装着させることになるため、運転手に眠気が発生しているか否かを判定する機構が複雑になりやすく、運転手の負担の増大化を招いてしまうことがある。また、金銭的なコストの増大化を招いてしまうことがある。
そこで、本実施の形態では、対象者110の1呼吸ごとの呼息または吸息に関する特徴量のばらつきを示す指標値に基づいて、対象者110に眠気が発生していることを検知する精度の向上を図ることができる眠気検知方法について説明する。
例えば、対象者110が覚醒努力を行った結果、覚醒努力の最中に、運転手の呼吸の周期のばらつきが覚醒状態と同様になっても、覚醒努力に起因して呼息または吸息に関する特徴量については変化する傾向がある。具体的には、対象者110はつばを飲み込む際には息を止めているため、呼息または吸息の時間については変化する傾向がある。また、具体的には、対象者110はつばを飲み込む際には息を止めているため、呼息または吸息の振幅についても変化する傾向がある。
これらの傾向を利用することにより、本実施の形態では、対象者110の1呼吸ごとの呼息または吸息に関する特徴量のばらつきを示す指標値に基づいて、対象者110に眠気が発生していることを検知する精度の向上を図ることができるようになる。
図1において、眠気検知装置100は、対象者110の呼吸の周期の情報に基づいて、対象者110の呼吸の周期が第1条件を満たすと判定された場合に、対象者110に眠気が発生していると判定する。第1条件は、呼吸の周期のばらつきが比較的大きいことを示す条件である。
図1の例では、眠気検知装置100は、時刻t1〜t2の間では、対象者110の呼吸の周期のばらつきが比較的小さいため、第1条件を満たさないと判定し、対象者110に眠気が発生していないと判定する。一方で、眠気検知装置100は、時刻t2〜t3の間では、対象者110の呼吸の周期のばらつきが比較的大きいため、第1条件を満たすと判定し、対象者110に眠気が発生していると判定する。
図1において、眠気検知装置100は、対象者110に眠気が発生していると判定された後に、第1条件を満たさなくなったと判定された場合に、対象者110の1呼吸ごとの呼息の時間のばらつきを示す指標値が第2条件を満たすか否かを判定する。呼息は、息を吐くことである。第2条件は、呼息の時間のばらつきが比較的大きいことを示す条件である。第2条件は、例えば、呼息の時間のばらつきを示す指標値が閾値以上であることである。呼息の時間のばらつきを示す指標値は、呼息の時間の分散や標準偏差である。呼息の時間のばらつきを示す指標値は、1呼吸のうちの呼息と吸息との時間の割合の分散や標準偏差であってもよい。吸息は、息を吸うことである。眠気検知装置100は、第2条件を満たすと判定された場合に対象者110に眠気が発生していると判定し、第2条件を満たさないと判定された場合に対象者110に眠気が発生していないと判定する。
図1の例では、眠気検知装置100は、時刻t2〜t3の間に対象者110に眠気が発生していると判定した後、時刻t3に第1条件を満たさなくなったと判定する。この場合、眠気検知装置100は、対象者110の1呼吸ごとの呼息の時間のばらつきを示す指標値が第2条件を満たすか否かを判定する。ここで、眠気検知装置100は、時刻t3〜t4の間では、対象者110の1呼吸ごとの呼息の時間のばらつきを示す指標値が第2条件を満たすと判定し、対象者110に眠気が発生していると判定する。一方で、眠気検知装置100は、時刻t4〜t5の間では、対象者110の1呼吸ごとの呼息の時間のばらつきを示す指標値が第2条件を満たさないと判定し、対象者110に眠気が発生していないと判定する。
これにより、眠気検知装置100は、対象者110に眠気が発生しているか否かを判定する呼吸に基づく指標値として、呼吸の周期のほか、呼息の時間などを用いることができ、対象者110に眠気が発生していることを検知する精度の向上を図ることができる。そして、眠気検知装置100は、対象者110に眠気が発生していれば、音や振動や匂いなどを用いて対象者110の眠気の解消を図ることにより、交通事故を防止し、交通安全の確保を図るようにすることができる。
眠気検知装置100は、例えば、対象者110が覚醒努力を行った結果、対象者110の呼吸の周期のばらつきが覚醒状態と同様になっても、覚醒努力に起因して変化した呼息の時間に基づいて、対象者110に眠気が発生しているか否かを判定することができる。このため、眠気検知装置100は、対象者110が覚醒努力を行っており、まだ対象者110の眠気が続いている場合に、対象者110に眠気が発生していないと誤って判定してしまうことを防止することができる。そして、眠気検知装置100は、まだ対象者110の眠気が続いているのに、音や振動や匂いなどを用いて対象者110の眠気の解消を図ることを停止してしまい、交通安全の確保を図ることができなくなってしまうことを防止することができる。
また、眠気検知装置100は、対象者110の眠気が続いている間は、対象者110に眠気が発生していると判定し続けることができる。このため、眠気検知装置100は、判定結果が誤って切り替わりやすく、判定結果が切り替わる頻度が大きくなってしまうことを防止することができる。そして、眠気検知装置100は、音や振動や匂いなどを用いて対象者110の眠気の解消を図ることを効率よく実行することができ、誤って対象者110の眠気の解消を図ることによる対象者110の負担の増大化を抑制することができる。
また、眠気検知装置100は、対象者110の呼吸のほかに、対象者110の心拍などの特徴量を用いなくてもよいため、対象者110に呼吸センサを装着させれば、心拍センサを装着させなくてもよくすることができる。このため、眠気検知装置100は、対象者110に眠気が発生しているか否かを判定する機構の複雑化を抑制し、対象者110の負担の増大化を抑制することができる。
ここでは、眠気検知装置100が呼吸の周期が第1条件を満たすか否かを判定する場合について説明したが、これに限らない。例えば、眠気検知装置100が呼吸の振幅が第1条件を満たすか否かを判定する場合があってもよい。また、例えば、眠気検知装置100が呼吸の周期および振幅が第1条件を満たすか否かを判定する場合があってもよい。
ここでは、第1条件が呼吸の周期のばらつきが比較的大きいことを示す条件である場合について説明したが、これに限らない。例えば、第1条件が呼吸の周期が閾値より大きいことを示す条件であってもよい。また、例えば、第1条件が呼吸の周期が閾値より大きく、かつ、呼吸の周期のばらつきが比較的大きいことを示す条件であってもよい。
ここでは、眠気検知装置100が呼息の時間のばらつきを示す指標値が第2条件を満たすか否かを判定する場合について説明したが、これに限らない。例えば、眠気検知装置100が呼息の振幅のばらつきを示す指標値が第2条件を満たすか否かを判定する場合があってもよい。また、例えば、眠気検知装置100が呼息の周期のばらつきを示す指標値が第2条件αを満たすか否かを判定し、呼息の振幅のばらつきを示す指標値が第2条件βを満たすか否かを判定する場合があってもよい。
また、例えば、眠気検知装置100が吸息の時間のばらつきを示す指標値が第3条件を満たすか否かを判定する場合があってもよい。また、例えば、眠気検知装置100が吸息の振幅のばらつきを示す指標値が第3条件を満たすか否かを判定する場合があってもよい。また、例えば、眠気検知装置100が吸息の周期のばらつきを示す指標値が第3条件αを満たすか否かを判定し、吸息の振幅のばらつきを示す指標値が第3条件βを満たすか否かを判定する場合があってもよい。
また、例えば、眠気検知装置100が呼息の時間のばらつきを示す指標値が第2条件を満たし、かつ、吸息の時間のばらつきを示す指標値が第3条件を満たすか否かを判定する場合があってもよい。また、例えば、眠気検知装置100が呼息の振幅のばらつきを示す指標値が第2条件を満たし、かつ、吸息の振幅のばらつきを示す指標値が第3条件を満たすか否かを判定する場合があってもよい。
ここでは、眠気検知装置100が、対象者110に眠気が発生しているか否かを判定する場合について説明したが、これに限らない。例えば、眠気検知装置100は、対象者110に眠気が発生しているか否かのほか、対象者110に眠気が発生している場合の対象者110の眠気の強さを判定してもよい。
また、呼吸の周期の逆数は、呼吸の周波数であるため、眠気検知装置100は、呼吸の周期の逆数である呼吸の周波数が第1条件を満たすか否かを判定することにより、呼吸の周期が第1条件を満たすか否かを判定することを実現してもよい。
(眠気検知システム200の一例)
次に、図2を用いて、図1に示した眠気検知装置100を適用した、眠気検知システム200の一例について説明する。
図2は、眠気検知システム200の一例を示す説明図である。図2において、眠気検知システム200は、対象者110と、センサ装置211と、眠気検知装置100とを含む。眠気検知システム200において、センサ装置211と眠気検知装置100とは、例えば、有線または無線によって接続される。
対象者110は、眠気を発生しているか否かを判定する対象である。対象者110は、例えば、自動車の運転手である。眠気検知システム200は、例えば、運転中の対象者110に眠気が発生しているか否かを判定し、交通事故を防止し、交通安全の確保を図るために用いられる。
センサ装置211は、対象者110の呼吸信号として、対象者110の呼吸の大きさを示す時系列データを取得し、眠気検知装置100に出力するコンピュータである。センサ装置211は、例えば、対象者110の呼吸に連動する対象者110の胸郭胸の拡縮220を、圧力センサを用いて検出し、圧力センサの検出値の時系列データを、呼吸信号として取得する。
センサ装置211は、対象者110に装着される。センサ装置211は、例えば、胸バンド式装置である。センサ装置211は、具体的には、対象者110が運転時に装着するシートベルト210に内蔵される。また、センサ装置211は、例えば、スマートフォンやウェアラブル端末などであってもよい。また、センサ装置211は、対象者110と非接触であってもよい。センサ装置211は、例えば、車内カメラであって、対象者110を撮影した画像を基に対象者110の呼吸信号を取得してもよい。
眠気検知装置100は、センサ装置211と通信可能であり、センサ装置211から呼吸信号を取得し、呼吸信号に基づいて対象者110に眠気が発生しているか否かを判定するコンピュータである。眠気検知装置100は、対象者110に眠気が発生していると判定した場合、音や振動や匂いなどを用いて対象者110の眠気の解消を図ることにより、交通事故を防止し、交通安全の確保を図る。眠気検知装置100は、自動車が自動運転機能を有していれば、対象者110に眠気が発生していると判定した場合、自動車に自動運転機能を起動させ、交通事故を防止し、交通安全の確保を図るようにしてもよい。
眠気検知装置100は、例えば、対象者110が運転する自動車内に存在する。眠気検知装置100は、具体的には、カーナビゲーション装置などの車載装置である。また、眠気検知装置100は、具体的には、対象者110が有するタブレット端末、スマートフォン、ウェアラブル端末などであってもよい。眠気検知装置100は、例えば、対象者110が運転する自動車外に存在していてもよい。眠気検知装置100は、具体的には、サーバ、PC(Personal Computer)、ノートPCなどであってもよい。
ここでは、眠気検知装置100とセンサ装置211とが別の装置である場合について説明したが、これに限らない。例えば、眠気検知装置100とセンサ装置211とが一体である場合があってもよい。
(眠気検知装置100のハードウェア構成例)
次に、図3を用いて、眠気検知装置100のハードウェア構成例について説明する。
図3は、眠気検知装置100のハードウェア構成例を示すブロック図である。図3において、眠気検知装置100は、CPU(Central Processing Unit)301と、メモリ302と、ネットワークI/F(Interface)303と、記録媒体I/F304と、記録媒体305と、警報器306と、センサI/F307とを有する。また、各構成部は、バス300によってそれぞれ接続される。
ここで、CPU301は、眠気検知装置100の全体の制御を司る。メモリ302は、例えば、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)およびフラッシュROMなどを有する。具体的には、例えば、フラッシュROMやROMが各種プログラムを記憶し、RAMがCPU301のワークエリアとして使用される。各種プログラムは、例えば、眠気検知プログラムを含む。メモリ302に記憶されるプログラムは、CPU301にロードされることで、コーディングされている処理をCPU301に実行させる。メモリ302は、例えば、図4に後述する解析情報テーブル400、図5に後述する呼吸情報テーブル500、および、図6に後述する呼息吸息情報テーブル600などを記憶してもよい。
ネットワークI/F303は、通信回線を通じてネットワーク310に接続され、ネットワーク310を介して他のコンピュータに接続される。他のコンピュータは、例えば、外部のサーバなどである。他のコンピュータは、例えば、自動車に設けられた制御装置であってもよい。そして、ネットワークI/F303は、ネットワーク310と内部のインターフェースを司り、他のコンピュータからのデータの入出力を制御する。ネットワークI/F303には、例えば、モデムやLAN(Local Area Network)アダプタなどを採用することができる。
記録媒体I/F304は、CPU301の制御にしたがって記録媒体305に対するデータのリード/ライトを制御する。記録媒体I/F304は、例えば、ディスクドライブ、SSD(Solid State Drive)、USB(Universal Serial Bus)ポートなどである。記録媒体305は、記録媒体I/F304の制御で書き込まれたデータを記憶する不揮発メモリである。記録媒体305は、眠気検知プログラムを記憶してもよい。記録媒体305は、例えば、ディスク、半導体メモリ、USBメモリなどである。記録媒体305は、眠気検知装置100から着脱可能であってもよい。
警報器306は、対象者110に眠気が発生している場合に、対象者110の眠気の解消を図る。警報器306は、例えば、対象者110に眠気が発生している場合に、音や振動や匂いなどを用いて対象者110の眠気の解消を図る。センサI/F307は、CPU301の制御にしたがってセンサ装置211に対するデータのリード/ライトを制御する。センサI/F307は、例えば、Wi−Fi(登録商標)やBluetooth(登録商標)に対応する通信回路である。
眠気検知装置100は、上述した構成部のほか、例えば、キーボード、マウス、ディスプレイ、プリンタ、スキャナ、マイク、スピーカーなどを有してもよい。また、眠気検知装置100は、記録媒体I/F304や記録媒体305を有していなくてもよい。眠気検知装置100は、ネットワークI/F303を有していなくてもよい。眠気検知装置100は、センサ装置211と一体であれば、センサI/F307を有していなくてもよい。また、ネットワークI/F303と、センサI/F307とは一体であってもよい。
(解析情報テーブル400の記憶内容)
次に、図4を用いて、解析情報テーブル400の記憶内容について説明する。解析情報テーブル400は、例えば、図3に示した眠気検知装置100のメモリ302や記録媒体305などの記憶領域により実現される。
図4は、解析情報テーブル400の記憶内容の一例を示す説明図である。図4に示すように、解析情報テーブル400は、呼息開始点と、吸息開始点とのフィールドを有する。解析情報テーブル400は、1呼吸ごとに各フィールドに情報を設定することにより、解析情報がレコードとして記憶される。
呼息開始点のフィールドには、呼息が始まった時点を示す呼息開始点が設定される。呼息開始点は、例えば、呼吸信号を微分した呼吸微分信号が正⇒負に変化する時点である。呼息開始点は、例えば、呼吸信号が閾値以下であり、かつ、呼吸信号を微分した呼吸微分信号が正⇒負に変化する時点であってもよい。
吸息開始点のフィールドには、吸息が始まった時点を示す吸息開始点が設定される。吸息開始点は、例えば、呼吸信号を微分した呼吸微分信号が負⇒正に変化する時点である。吸息開始点は、例えば、呼吸信号が閾値以上であり、かつ、呼吸信号を微分した呼吸微分信号が負⇒正に変化する時点であってもよい。
(呼吸情報テーブル500の記憶内容)
次に、図5を用いて、呼吸情報テーブル500の記憶内容について説明する。呼吸情報テーブル500は、例えば、図3に示した眠気検知装置100のメモリ302や記録媒体305などの記憶領域により実現される。
図5は、呼吸情報テーブル500の記憶内容の一例を示す説明図である。図5に示すように、呼吸情報テーブル500は、呼吸間隔と、呼吸周期と、呼吸周波数と、呼吸眠気値と、呼吸眠気閾値と、判定結果とのフィールドを有する。
呼吸情報テーブル500は、1呼吸ごとに各フィールドに情報を設定することにより、呼吸情報がレコードとして記憶される。呼吸情報テーブル500の各列は、各フィールドの情報を集めた配列として記憶される。
呼吸間隔のフィールドには、吸息開始点〜吸息開始点の間隔である呼吸間隔が設定される。呼吸周期のフィールドには、呼吸間隔をサンプリング周波数で除算した結果である呼吸周期が設定される。呼吸周波数のフィールドには、呼吸周期を逆数化した結果である呼吸周波数が設定される。
呼吸眠気値のフィールドには、呼吸の周期または振幅に基づく、対象者110に発生している眠気の大きさを示す指標値であって、対象者110に眠気が発生しているか否かを判定する際に用いられる呼吸眠気値が設定される。呼吸眠気値は、具体的には、所定時間分の呼吸周波数の平均値である。
呼吸眠気閾値のフィールドには、呼吸眠気値の平均値と、呼吸眠気値の標準偏差値とに基づく、対象者110に眠気が発生しているか否かを判定する際に用いられる呼吸眠気閾値が設定される。判定結果のフィールドには、呼吸眠気値と呼吸眠気閾値との比較により対象者110に眠気が発生しているか否かを判定した結果が設定される。
(呼息吸息情報テーブル600の記憶内容)
次に、図6を用いて、呼息吸息情報テーブル600の記憶内容について説明する。呼息吸息情報テーブル600は、例えば、図3に示した眠気検知装置100のメモリ302や記録媒体305などの記憶領域により実現される。
図6は、呼息吸息情報テーブル600の記憶内容の一例を示す説明図である。図6に示すように、呼息吸息情報テーブル600は、呼息間隔と、吸息間隔と、呼息時間と、吸息時間と、呼息パワーと、吸息パワーと、呼息振幅と、吸息振幅と、呼息吸息比率と、覚醒努力値と、覚醒努力閾値と、判定結果とのフィールドを有する。
呼息吸息情報テーブル600は、1呼吸ごとに各フィールドに情報を設定することにより、呼息吸息情報がレコードとして記憶される。呼息吸息情報テーブル600の各列は、各フィールドの情報を集めた配列として記憶される。
呼息間隔のフィールドには、呼息開始点〜吸息開始点の間隔である呼息間隔が設定される。吸息間隔のフィールドには、吸息開始点〜呼息開始点の間隔である吸息間隔が設定される。呼息時間のフィールドには、呼息間隔をサンプリング周波数で除算した結果である呼息時間が設定される。吸息時間のフィールドには、吸息間隔をサンプリング周波数で除算した結果である吸息時間が設定される。
呼息パワーのフィールドには、呼息開始点〜吸息開始点の積分値である呼息パワーが設定される。吸息パワーのフィールドには、吸息開始点〜呼息開始点の積分値である吸息パワーが設定される。呼息振幅のフィールドには、呼息パワーをサンプリング周波数で除算した結果である呼息振幅が設定される。吸息振幅のフィールドには、吸息パワーをサンプリング周波数で除算した結果である吸息振幅が設定される。呼息吸息比率のフィールドには、呼息時間と吸息時間との比率である呼息吸息比率が設定される。呼息吸息比率のフィールドには、呼息振幅と吸息振幅との比率が、呼息吸息比率として設定されてもよい。
覚醒努力値のフィールドには、呼息の周期または振幅、もしくは、吸息の周期または振幅に基づく、対象者110に発生している眠気の大きさを示す指標値であって、対象者110に眠気が発生しているか否かを判定する際に用いられる覚醒努力値が設定される。覚醒努力値は、例えば、呼息吸息比率の標準偏差である。
覚醒努力閾値のフィールドには、覚醒努力値の平均値と、覚醒努力値の標準偏差値とに基づく、対象者110に眠気が発生しているか否かを判定する際に用いられる覚醒努力閾値が設定される。判定結果のフィールドには、覚醒努力値と覚醒努力閾値との比較により対象者110に眠気が発生しているか否かを判定した結果が設定される。
(センサ装置211のハードウェア構成例)
センサ装置211のハードウェア構成例は、図3に示した眠気検知装置100のハードウェア構成例と同様の部分に加えて、センサ類を有する。センサ類は、対象者110の呼吸信号を取得する。センサ類は、例えば、圧力センサを含み、対象者110の呼吸に連動する対象者110の胸郭胸の拡縮を検出し、圧力センサの検出値の時系列データを呼吸信号として取得する。センサ類は、対象者110の心拍を取得する心拍センサを含んでもよい。
(眠気検知装置100の機能的構成例)
次に、図7を用いて、眠気検知装置100の機能的構成例について説明する。
図7は、眠気検知装置100の機能的構成例を示すブロック図である。眠気検知装置100は、記憶部700と、取得部701と、第1判定部702と、第2判定部703と、出力部704とを含む。
記憶部700は、例えば、図3に示したメモリ302や記録媒体305などの記憶領域によって実現される。取得部701〜出力部704は、制御部となる機能である。取得部701〜出力部704は、具体的には、例えば、図3に示したメモリ302や記録媒体305などの記憶領域に記憶されたプログラムをCPU301に実行させることにより、または、センサI/F307により、その機能を実現する。各機能部の処理結果は、例えば、図3に示したメモリ302や記録媒体305などの記憶領域に記憶される。
記憶部700は、呼吸信号を記憶する。記憶部700は、呼吸信号に基づく解析結果を記憶する。記憶部700は、例えば、図4に示した解析情報テーブル400、図5に示した呼吸情報テーブル500、および、図6に示した呼息吸息情報テーブル600などを記憶する。これにより、記憶部700は、呼吸信号、および呼吸信号に基づく解析結果などを、各機能部が参照可能にすることができる。
取得部701は、対象者110の呼吸信号を取得し、記憶部700に記憶する。取得部701は、例えば、対象者110の呼吸信号をセンサ装置211から受信し、記憶部700に記憶する。これにより、取得部701は、対象者110に眠気が発生しているか否かを判定する際に用いられる情報を取得し、第1判定部702や第2判定部703に参照可能にすることができる。
第1判定部702は、対象者110の呼吸の周期または振幅の情報に基づいて、対象者110の呼吸の周期または振幅が第1条件を満たすか否かを判定する。第1判定部702は、第1条件を満たすと判定された場合に、対象者110に眠気が発生していると判定し、第1条件を満たさないと判定された場合に、対象者110に眠気が発生していないと判定する。
第1判定部702は、例えば、所定長さの時間帯における、対象者110の呼吸の周期または振幅の統計値と、所定閾値との比較結果に基づいて、第1条件を満たすか否かを判定する。統計値は、例えば、平均値である。統計値は、分散、標準偏差、最大値、中央値、最頻値などであってもよい。統計値は、具体的には、呼吸眠気値になる。
所定長さは、例えば、眠気検知装置100の利用者によって設定される。所定長さは、具体的には、対象者110が数呼吸を行う際にかかる時間以上の長さであって、対象者110の呼吸の傾向が現れる長さであることが好ましい。所定長さの単位は、時間、分、秒などである。所定閾値は、例えば、眠気検知装置100の利用者によって設定される。所定閾値は、具体的には、呼吸眠気閾値である。
第1判定部702は、具体的には、所定長さの時間帯における、対象者110の呼吸の周期または振幅の平均値を、呼吸眠気値として算出する。第1判定部702は、呼吸眠気値が呼吸眠気閾値以上である場合、第1条件を満たすと判定する。一方で、第1判定部702は、呼吸眠気値が呼吸眠気閾値より小さい場合、第1条件を満たさないと判定する。
これにより、第1判定部702は、対象者110の呼吸の傾向が現れる長さの時間帯における、対象者110の呼吸の周期または振幅の統計値に基づいて、対象者110に眠気が発生していることを検知する精度の向上を図ることができる。
第1判定部702は、所定長さの時間帯における、対象者110の呼吸の周期または振幅のばらつきを示す指標値に基づいて、所定閾値を設定する。指標値は、例えば、呼吸眠気値の分散や標準偏差などである。所定長さは、例えば、眠気検知装置100の利用者によって設定される。所定長さは、具体的には、対象者110が数呼吸を行う際にかかる時間以上の長さであって、対象者110の呼吸の傾向が現れる長さであることが好ましい。所定長さの単位は、時間、分、秒などである。
第1判定部702は、具体的には、呼吸眠気閾値=呼吸眠気値の平均値A−重み係数K×呼吸眠気値の標準偏差値Bを算出する。重み係数Kは、眠気検知装置100の利用者によって設定される。これにより、第1判定部702は、所定閾値を人手で設定しなくてもよく、利用者の負担の低減化を図り、所定閾値を精度よく設定しやすくすることができる。第1判定部702は、例えば、図8に後述する呼吸眠気判定部によって実現される。
第2判定部703は、対象者110に眠気が発生していると判定された後に、第1条件を満たさなくなったと判定された場合に、対象者110の1呼吸ごとの呼息の時間または振幅のばらつきを示す指標値が第2条件を満たすか否かを判定する。第2判定部703は、第2条件を満たすと判定された場合に対象者110に眠気が発生していると判定し、第2条件を満たさないと判定された場合に対象者110に眠気が発生していないと判定する。指標値は、例えば、呼息の時間の標準偏差値や分散などである。指標値は、呼息の時間に対する吸息の時間の割合の標準偏差値や分散などであってもよい。指標値は、具体的には、覚醒努力値になる。これにより、第2判定部703は、対象者110に眠気が発生していることを検知する精度の向上を図ることができる。
第2判定部703は、例えば、所定長さの時間帯における、対象者110の1呼吸ごとの呼息の時間または振幅のばらつきを示す指標値と、所定閾値との比較結果に基づいて、第2条件を満たすか否かを判定する。所定長さは、例えば、眠気検知装置100の利用者によって設定される。所定長さは、具体的には、対象者110が数呼吸を行う際にかかる時間以上の長さであって、対象者110の呼吸の傾向が現れる長さであることが好ましい。所定長さの単位は、時間、分、秒などである。所定閾値は、具体的には、覚醒努力閾値である。これにより、第2判定部703は、対象者110の呼吸の傾向が指標値に反映されやすくすることができ、対象者110に眠気が発生していることを検知する精度の向上を図ることができる。
第2判定部703は、例えば、所定長さの時間帯における、対象者110の1呼吸ごとの呼息の時間または振幅のばらつきを示す指標値に基づいて、所定閾値を設定する。指標値は、例えば、覚醒努力値の分散や標準偏差などである。所定長さは、例えば、眠気検知装置100の利用者によって設定される。所定長さは、具体的には、対象者110が数呼吸を行う際にかかる時間以上の長さであって、対象者110の呼吸の傾向が現れる長さであることが好ましい。所定長さの単位は、時間、分、秒などである。
第2判定部703は、具体的には、覚醒努力閾値=覚醒努力値の平均値A−重み係数K×覚醒努力値の標準偏差値Bを算出する。重み係数Kは、眠気検知装置100の利用者によって設定される。これにより、第2判定部703は、所定閾値を人手で設定しなくてもよく、利用者の負担の低減化を図ることができ、所定閾値を精度よく設定しやすくすることができる。
第2判定部703は、対象者110に眠気が発生していると判定された後に、第1条件を満たさなくなったと判定されてから所定時間が経過するまでの間に、第2条件を満たすか否かを判定してもよい。これにより、第2判定部703は、所定時間が経過した後は、第2条件を基に眠気が発生しているか否かを判定せず、眠気が解消された後に、誤って眠気が発生していると判定することを抑制することができる。
第2判定部703は、対象者110に眠気が発生していると判定された後に、第1条件を満たさなくなったと判定された場合に、対象者110の1呼吸ごとの吸息の時間または振幅のばらつきを示す指標値が第3条件を満たすか否かを判定する。第2判定部703は、第3条件を満たすと判定された場合に対象者110に眠気が発生していると判定し、第3条件を満たさないと判定された場合に対象者110に眠気が発生していないと判定する。指標値は、例えば、吸息の時間の標準偏差値や分散などである。指標値は、吸息の時間に対する呼息の時間の割合の標準偏差値や分散などであってもよい。指標値は、具体的には、覚醒努力値になる。これにより、第2判定部703は、対象者110に眠気が発生していることを検知する精度の向上を図ることができる。
第2判定部703は、例えば、所定長さの時間帯における、対象者110の1呼吸ごとの吸息の時間または振幅のばらつきを示す指標値と、所定閾値との比較結果に基づいて、第3条件を満たすか否かを判定する。所定長さは、例えば、眠気検知装置100の利用者によって設定される。所定長さは、具体的には、対象者110が数呼吸を行う際にかかる時間以上の長さであって、対象者110の呼吸の傾向が現れる長さであることが好ましい。所定長さの単位は、時間、分、秒などである。所定閾値は、具体的には、覚醒努力閾値である。これにより、第2判定部703は、対象者110の呼吸の傾向が指標値に反映されやすくすることができ、対象者110に眠気が発生していることを検知する精度の向上を図ることができる。
第2判定部703は、例えば、所定長さの時間帯における、対象者110の1呼吸ごとの吸息の時間または振幅のばらつきを示す指標値に基づいて、所定閾値を設定する。指標値は、例えば、覚醒努力値の分散や標準偏差などである。所定長さは、例えば、眠気検知装置100の利用者によって設定される。所定長さは、具体的には、対象者110が数呼吸を行う際にかかる時間以上の長さであって、対象者110の呼吸の傾向が現れる長さであることが好ましい。所定長さの単位は、時間、分、秒などである。
第2判定部703は、具体的には、覚醒努力閾値=覚醒努力値の平均値A−重み係数K×覚醒努力値の標準偏差値Bを算出する。重み係数Kは、眠気検知装置100の利用者によって設定される。これにより、第2判定部703は、所定閾値を人手で設定しなくてもよく、利用者の負担の低減化を図ることができ、所定閾値を精度よく設定しやすくすることができる。
第2判定部703は、対象者110に眠気が発生していると判定された後に、第1条件を満たさなくなったと判定されてから所定時間が経過するまでの間に、第3条件を満たすか否かを判定する。これにより、第2判定部703は、所定時間が経過した後は、第3条件を基に眠気が発生しているか否かを判定せず、眠気が解消された後に、誤って眠気が発生していると判定することを抑制することができる。第2判定部703は、具体的には、図8に後述する覚醒努力判定部によって実現される。
出力部704は、第2判定部703の判定結果に応じて、警報器306に、音や振動や匂いなどを用いて対象者110の眠気の解消を図るように指示を出力する。出力部704は、各機能部の処理結果を出力してもよい。出力形式は、例えば、ディスプレイへの表示、プリンタへの印刷出力、ネットワークI/F303による外部装置への送信、または、メモリ302や記録媒体305などの記憶領域への記憶である。
(眠気検知装置100の機能的構成の具体例)
次に、図8を用いて、眠気検知装置100の機能的構成の具体例について説明する。
図8は、眠気検知装置100の機能的構成の具体例を示すブロック図である。眠気検知装置100は、第1判定処理部801と、第2判定処理部802とを含む。例えば、第1判定処理部801によって、図7に示した第1判定部702が実現される。例えば、第2判定処理部802によって、図7に示した第2判定部703が実現される。
第1判定処理部801は、呼吸周波数算出部803と、呼吸眠気値算出部804と、呼吸眠気閾値算出部805と、呼吸眠気判定部806とを含む。第1判定処理部801は、呼吸の周期または振幅に基づいて対象者110の眠気値を算出し、対象者110の眠気値に基づいて対象者110に眠気が発生しているか否かを判定する。
呼吸周波数算出部803は、センサ装置211から受信した呼吸信号800に基づいて、呼吸周波数を算出する。呼吸周波数算出部803は、例えば、センサ装置211から受信した呼吸信号800に基づいて、呼息開始点と吸息開始点とを算出する。呼吸周波数算出部803は、呼息開始点〜呼息開始点までの呼吸間隔を算出する。呼吸周波数算出部803は、吸息開始点〜吸息開始点までの呼吸間隔を算出してもよい。呼吸周波数算出部803は、算出した呼吸間隔をサンプリング周波数で除算し、呼吸周期を算出する。そして、呼吸周波数算出部803は、呼吸周期を逆数化し、呼吸周波数を算出する。
呼吸眠気値算出部804は、呼吸周波数に基づいて、所定時間の呼吸周波数の統計値を算出し、呼吸周波数の統計値を用いて呼吸眠気値を算出する。所定時間は、例えば、眠気検知装置100の利用者によって設定される。所定時間は、具体的には、対象者110が数呼吸を行う際にかかる時間より長い時間であって、対象者110の呼吸の傾向が現れる長さの時間であることが好ましい。所定時間の単位は、時間、分、秒などである。統計値は、例えば、平均値である。統計値は、分散、標準偏差、最大値、中央値、最頻値などであってもよい。
呼吸眠気閾値算出部805は、呼吸周波数に基づいて、所定時間内の呼吸周波数の統計値を算出し、呼吸周波数の統計値を用いて呼吸眠気閾値を算出する。所定時間は、例えば、眠気検知装置100の利用者によって設定される。所定時間は、具体的には、対象者110が数呼吸を行う際にかかる時間より長い時間であって、対象者110の呼吸の傾向が現れる長さの時間であることが好ましい。所定時間の単位は、時間、分、秒などである。統計値は、例えば、平均値である。統計値は、分散、標準偏差、最大値、中央値、最頻値などであってもよい。
呼吸眠気判定部806は、呼吸眠気値と呼吸眠気閾値とを比較し、呼吸眠気値が呼吸眠気閾値を下回っていた場合、対象者110に眠気が発生している「眠い」の状態であると判定する。呼吸眠気値が呼吸眠気閾値以上である場合、対象者110に眠気が発生していない「覚醒」の状態であると判定する。
第2判定処理部802は、呼息吸息比率算出部807と、覚醒努力値算出部808と、覚醒努力閾値算出部809と、覚醒努力判定要否決定部810と、覚醒努力判定部811とを含む。第2判定処理部802は、呼息の周期または振幅、もしくは、吸息の時間または振幅に基づいて対象者110の覚醒努力値を算出し、対象者110の覚醒努力値に基づいて対象者110に眠気が発生しているか否かを判定する。
呼息吸息比率算出部807は、呼吸信号800に基づいて、呼息吸息比率を算出する。呼息吸息比率算出部807は、例えば、センサ装置211から受信した呼吸信号800に基づいて、呼息開始点と吸息開始点とを算出する。呼息吸息比率算出部807は、呼息開始点〜吸息開始点の間隔である呼息間隔と、吸息開始点〜呼息開始点の間隔である吸息間隔とを算出する。呼息吸息比率算出部807は、呼息間隔をサンプリング周波数で除算し、呼息時間を算出し、吸息間隔をサンプリング周波数で除算し、吸息時間を算出する。呼息吸息比率算出部807は、呼息時間と吸息時間との比率を、呼息吸息比率として算出する。
また、呼息吸息比率算出部807は、例えば、呼息開始点〜吸息開始点の呼吸信号800の積分値を、呼息パワーとして算出し、吸息開始点〜呼息開始点の呼吸信号800の積分値を、吸息パワーとして算出してもよい。呼息吸息比率算出部807は、呼息パワーをサンプリング周波数で除算し、呼息振幅を算出し、吸息パワーをサンプリング周波数で除算し、吸息振幅を算出してもよい。呼息吸息比率算出部807は、呼息振幅と吸息振幅との比率を、呼息吸息比率として算出してもよい。
覚醒努力値算出部808は、呼息吸息比率に基づいて、所定時間の呼息吸息比率の統計値を用いて覚醒努力値を算出する。覚醒努力値は、例えば、呼息吸息比率の標準偏差である。所定時間は、例えば、眠気検知装置100の利用者によって設定される。所定時間は、具体的には、対象者110が数呼吸を行う際にかかる時間より長い時間であって、対象者110の呼吸の傾向が現れる長さの時間であることが好ましい。所定時間の単位は、時間、分、秒などである。統計値は、例えば、平均値である。統計値は、分散、標準偏差、最大値、中央値、最頻値などであってもよい。
覚醒努力閾値算出部809は、呼息吸息比率に基づいて、所定時間の呼息吸息比率の統計値を用いて覚醒努力閾値を算出する。覚醒努力閾値は、呼息吸息比率から得られた覚醒努力値の平均値と、呼息吸息比率から得られた覚醒努力値の標準偏差値とに基づいて算出される。所定時間は、例えば、眠気検知装置100の利用者によって設定される。所定時間は、具体的には、対象者110が数呼吸を行う際にかかる時間より長い時間であって、対象者110の呼吸の傾向が現れる長さの時間であることが好ましい。所定時間の単位は、時間、分、秒などである。統計値は、例えば、平均値である。統計値は、分散、標準偏差、最大値、中央値、最頻値などであってもよい。
覚醒努力判定要否決定部810は、過去t秒間に、呼吸眠気判定部806が「眠い」の状態であると判定している場合、覚醒努力値に基づいて対象者110に眠気が発生しているか否かを「判定要」であると決定する。一方で、覚醒努力判定要否決定部810は、過去t秒間に、呼吸眠気判定部806が「眠い」の状態であると判定していない場合、覚醒努力値に基づいて対象者110に眠気が発生しているか否かを「判定不要」であると判定する。t秒間は、例えば、眠気検知装置100の利用者によって設定される。覚醒努力判定要否決定部810は、t秒間ではなく、t時間、t分などを用いてもよい。
覚醒努力判定部811は、覚醒努力値と覚醒努力閾値とを比較し、覚醒努力値が覚醒努力閾値以上である場合、対象者110が「覚醒努力中」であると判定する。覚醒努力判定部811は、覚醒努力値と覚醒努力閾値とを比較し、覚醒努力値が覚醒努力閾値を下回っていた場合、対象者110が「覚醒努力中」ではないと判定する。覚醒努力判定部811は、覚醒努力判定要否決定部810が「判定要」と判定し、かつ、覚醒努力判定部811が「覚醒努力中」であると判定した場合、呼吸眠気判定部806の判定結果を「眠い」に補正する。
(眠気検知の流れ)
次に、図9および図10を用いて、眠気検知の流れについて説明する。
図9および図10は、眠気検知の流れを示す説明図である。図9において、眠気検知装置100は、受信した呼吸信号の極大値の間隔に基づいて、呼吸周期を算出する。呼吸信号は、例えば、図9のグラフ900の波形のようになる。図9のグラフ900の縦軸は、圧力を示す。図9のグラフ900の横軸は、時間を示す。眠気検知装置100は、算出した呼吸周期に基づいて呼吸眠気値を算出し、呼吸眠気閾値と比較することにより、対象者110に眠気が発生しているか否かを判定する。次に、図10の説明に移行する。
図10において、眠気検知装置100が、対象者110に眠気が発生していると判定した後、呼吸周期と、呼吸眠気閾値との比較では、対象者110に眠気が発生していないと判定した場合、呼吸信号に基づいて、呼息時間と吸息時間とを算出する。ここでは、呼吸信号は、例えば、図10のグラフ1000の波形のようになっている。図10のグラフ1000の縦軸は、圧力を示す。図10のグラフ1000の横軸は、時間を示す。図10の例では、呼吸パターン1と呼吸パターン2との呼吸信号を一例として示している。眠気検知装置100は、呼吸パターン1と呼吸パターン2とのように、呼吸周期が同様であっても、呼息時間と吸息時間との割合が異なる呼吸パターンを区別して、対象者110に眠気が発生しているか否かをさらに判定する。
眠気検知装置100は、例えば、呼吸パターン1のように、呼吸周期のばらつきが比較的小さく、かつ、呼息時間と吸息時間との割合のばらつきも比較的小さい場合、対象者110に眠気が発生していないと判定する。一方で、眠気検知装置100は、例えば、呼吸パターン2のように、呼吸周期のばらつきは比較的小さいが、呼息時間と吸息時間との割合のばらつきは比較的大きい場合、対象者110に眠気が発生していると判定する。
(眠気検知の実施例)
次に、図11〜図14を用いて、眠気検知の実施例について説明する。
図11〜図14は、眠気検知の実施例を示す説明図である。図11において、眠気検知装置100は、センサ装置211から受信した呼吸信号を微分し、呼吸微分信号を生成する。呼吸信号は、例えば、図11のグラフ1100の波形のようになる。図11のグラフ1100の縦軸は、圧力を示す。図11のグラフ1100の横軸は、時間を示す。呼吸微分信号は、例えば、図11のグラフ1110の波形のようになる。図11のグラフ1110の縦軸は、微分値を示す。図11のグラフ1110の横軸は、時間を示す。眠気検知装置100は、呼吸微分信号が正⇒負に変化する時点を、呼息開始点として算出する。一方で、眠気検知装置100は、呼吸微分信号が負⇒正に変化する時点を、吸息開始点として算出する。眠気検知装置100は、算出した呼息開始点を含む呼息開始点配列と、算出した吸息開始点を含む吸息開始点配列とを、解析情報テーブル400を用いて記憶する。
眠気検知装置100は、呼息開始点〜呼息開始点までの呼吸間隔を算出する。眠気検知装置100は、吸息開始点〜吸息開始点までの呼吸間隔を算出してもよい。眠気検知装置100は、算出した呼吸間隔を含む呼吸間隔配列を、呼吸情報テーブル500を用いて記憶する。眠気検知装置100は、算出した呼吸間隔をサンプリング周波数で除算し、呼吸周期を算出する。眠気検知装置100は、算出した呼吸周期を含む呼吸周期配列を、呼吸情報テーブル500を用いて記憶する。
ここで、眠気検知装置100は、呼吸信号が比較的細かく振動し、呼吸微分信号が正⇒負に変化する時点が連続して出現する場合、最初に出現した時点を、呼息開始点に設定してもよい。また、眠気検知装置100は、呼吸信号が閾値以上のうちは、呼吸微分信号が正⇒負に変化する時点が出現しても、呼息開始点に設定しないようにしてもよい。これにより、眠気検知装置100は、呼吸信号が下がりきっていないうちに、センサ装置211の検出誤差などによって、呼吸微分信号が正⇒負に変化する時点が出現した場合に、誤った呼息開始点を設定しないようにすることができる。
また、眠気検知装置100は、呼吸信号が比較的細かく振動し、呼吸微分信号が負⇒正に変化する時点が連続して出現する場合、最初に出現した時点を、吸息開始点に設定してもよい。また、眠気検知装置100は、呼吸信号が閾値以上のうちは、呼吸微分信号が負⇒正に変化する時点が出現しても、吸息開始点に設定しないようにしてもよい。これにより、眠気検知装置100は、呼吸信号が下がりきっていないうちに、センサ装置211の検出誤差などによって、呼吸微分信号が負⇒正に変化する時点が出現した場合に、誤った吸息開始点を設定しないようにすることができる。次に、図12の説明に移行する。
図12において、眠気検知装置100は、算出した呼吸周期を逆数化し、呼吸周波数を算出する。眠気検知装置100は、算出した呼吸周波数を含む呼吸周波数配列を、呼吸情報テーブル500を用いて記憶する。呼吸周波数は、図12のグラフ1200の波形のようになる。図12のグラフの縦軸は、呼吸周波数を示す。図12のグラフ1200の横軸は、時間を示す。次に、眠気検知装置100が呼吸周波数に基づいて一旦対象者110に眠気が発生していると判定した後、呼吸周波数に基づいて対象者110に眠気が発生していないと判定されたとして、図13の説明に移行する。
図13において、眠気検知装置100は、呼吸周波数に基づいて対象者110に眠気が発生していないと判定されたが、実際には対象者110に眠気が続いているのか否かを、呼息時間と吸息時間の割合に基づいて判定し、対象者110の眠気を精度よく検知する。
眠気検知装置100は、図11と同様に、センサ装置211から受信した呼吸信号を微分し、呼吸微分信号を生成する。眠気検知装置100は、呼吸微分信号が正⇒負に変化する時点を、呼息開始点として算出し、呼吸微分信号が負⇒正に変化する時点を、吸息開始点として算出し、解析情報テーブル400を用いて記憶している。
眠気検知装置100は、解析情報テーブル400を参照し、呼息開始点〜吸息開始点までの呼息間隔を算出する。眠気検知装置100は、算出した呼息間隔を含む呼息間隔配列を、呼息吸息情報テーブル600を用いて記憶する。眠気検知装置100は、吸息開始点〜呼息開始点までの吸息間隔を算出する。眠気検知装置100は、算出した吸息間隔を含む吸息間隔配列を、呼息吸息情報テーブル600を用いて記憶する。
眠気検知装置100は、算出した呼息間隔をサンプリング周波数で除算し、呼息時間を算出する。眠気検知装置100は、算出した呼息時間を含む呼息時間配列を、呼息吸息情報テーブル600を用いて記憶する。眠気検知装置100は、算出した吸息間隔をサンプリング周波数で除算し、吸息時間を算出する。眠気検知装置100は、算出した吸息時間を含む吸息時間配列を、呼息吸息情報テーブル600を用いて記憶する。
眠気検知装置100は、算出した呼息時間と吸息時間とをペアにして、呼息時間に対する吸息時間の割合を、呼息吸息比率として算出する。ここで、眠気検知装置100は、呼息時間配列と吸息時間配列との配列長の最小値を特定し、配列長が最小値よりも長い分のデータはペアにならないため、呼息吸息比率の算出に使用しない。眠気検知装置100は、算出した呼息吸息比率を含む呼息吸息比率配列を、呼息吸息情報テーブル600を用いて記憶する。
眠気検知装置100は、覚醒努力値として、呼息吸息比率の標準偏差を算出する。眠気検知装置100は、算出した覚醒努力値を含む覚醒努力値配列を、呼息吸息情報テーブル600を用いて記憶する。眠気検知装置100は、算出した覚醒努力値が覚醒努力閾値以上である場合、対象者110が「覚醒努力中」であり、対象者110が「眠い」の状態であると判定する。一方で、眠気検知装置100は、算出した覚醒努力値が覚醒努力閾値を下回っていた場合、対象者110が「覚醒努力中」ではないと判定する。眠気検知装置100は、判定結果を含む判定結果配列を、呼息吸息情報テーブル600を用いて記憶する。次に、図14の説明に移行し、判定結果の一例について説明する。
図14において、グラフ1400は、呼吸眠気値の時間変化を示す。グラフ1400の縦軸は、呼吸眠気値の大きさである。グラフ1400の横軸は、時間である。グラフ1400の線1401は、呼吸眠気値の時間変化である。グラフ1400の線1402は、呼吸眠気閾値である。グラフ1400の黒枠内では、呼吸眠気値が呼吸眠気閾値より大きくなっている。
グラフ1410は、実際に対象者110に発生している眠気の度合いである眠気正解値を示す。眠気正解値は、顔面表情からの眠気推定手法にしたがって、人がビデオなどに基づいて対象者110の眠気を評価したものである。眠気正解値は、例えば、発生していないことを示す「0」、発生していることを示す「1」、発生しており眠気が強いことを示す「2」によって表現される。グラフ1410の縦軸は、眠気正解値の大きさである。グラフ1410の横軸は、時間である。グラフ1410の線1411は、眠気正解値の時間変化である。グラフ1410の黒枠内では、対象者110に眠気が発生している。
グラフ1420は、グラフ1400の呼吸眠気値に基づいて対象者110に眠気が発生しているか否かを判定した結果を示す。グラフ1420の縦軸は、対象者110に眠気が発生しているか否かを判定した結果である。対象者110に眠気が発生しているか否かを判定した結果は、例えば、発生していないことを示す「0」、発生していることを示す「1」、発生しており眠気が強いことを示す「2」によって表現される。グラフ1420の横軸は、時間である。グラフ1420の線1421は、判定した結果の時間変化である。グラフ1420の黒枠内では、実際には対象者110に眠気が発生しているが、呼吸眠気値が呼吸眠気閾値より大きく、呼吸眠気値からは対象者110に眠気が発生していると判定することができていない。
グラフ1430は、覚醒努力値の時間変化を示す。グラフ1430の縦軸は、覚醒努力値の大きさである。グラフ1430の横軸は、時間である。グラフ1430の線1431は、覚醒努力値の時間変化である。グラフ1430の線1432は、覚醒努力閾値である。グラフ1430の黒枠内では、覚醒努力値が呼吸眠気閾値より大きくなっている。
グラフ1440は、グラフ1430の覚醒努力値に基づいて対象者110に眠気が発生しているか否かを判定した結果を示す。グラフ1440の縦軸は、対象者110に眠気が発生しているか否かを判定した結果である。対象者110に眠気が発生しているか否かを判定した結果は、例えば、発生していないことを示す「0」、発生していることを示す「1」、発生しており眠気が強いことを示す「2」によって表現される。グラフ1440の横軸は、時間である。グラフ1440の線1441は、判定した結果の時間変化である。グラフ1440の黒枠内では、対象者110に眠気が発生していると判定することができている。
これにより、眠気検知装置100は、対象者110に眠気が発生しているか否かを判定する呼吸に基づく指標値として、呼吸の周期のほか、呼息の時間などを用いることができ、対象者110に眠気が発生していることを検知する精度の向上を図ることができる。そして、眠気検知装置100は、対象者110に眠気が発生していれば、音や振動や匂いなどを用いて対象者110の眠気の解消を図ることにより、交通事故を防止し、交通安全の確保を図るようにすることができる。
(眠気検知処理手順の一例)
次に、図15を用いて、眠気検知処理手順の一例について説明する。
図15は、眠気検知処理手順の一例を示すフローチャートである。図15において、眠気検知装置100は、図16に後述する呼吸周波数算出処理を実行する(ステップS1501)。
次に、眠気検知装置100は、図17に後述する呼吸眠気判定処理を実行する(ステップS1502)。そして、眠気検知装置100は、判定結果が「眠い」であるか否かを判定する(ステップS1503)。ここで、判定結果が「眠い」である場合(ステップS1503:Yes)、眠気検知装置100は、判定結果として「眠い」を出力し(ステップS1504)、眠気検知処理を終了する。
一方で、判定結果が「覚醒」である場合(ステップS1503:No)、眠気検知装置100は、図20に後述する覚醒努力判定要否決定処理を実行する(ステップS1505)。次に、眠気検知装置100は、決定結果が「判定不要」であるか否かを判定する(ステップS1506)。ここで、決定結果が「判定不要」である場合(ステップS1506:Yes)、眠気検知装置100は、判定結果として「覚醒」を出力し(ステップS1507)、眠気検知処理を終了する。
一方で、決定結果が「判定要」である場合(ステップS1506:No)、眠気検知装置100は、図21および図22に後述する覚醒努力値算出処理を実行する(ステップS1508)。次に、眠気検知装置100は、図23に後述する覚醒努力閾値設定処理を実行する(ステップS1509)。
そして、眠気検知装置100は、覚醒努力値が覚醒努力閾値以上であるか否かを判定する(ステップS1510)。覚醒努力値が覚醒努力閾値以上である場合(ステップS1510:Yes)、眠気検知装置100は、判定結果として「眠い」を出力し(ステップS1511)、眠気検知処理を終了する。
一方で、覚醒努力値が覚醒努力閾値より小さい場合(ステップS1510:No)、眠気検知装置100は、判定結果として「覚醒」を出力し(ステップS1512)、眠気検知処理を終了する。
(呼吸周波数算出処理手順の一例)
次に、図16を用いて、呼吸周波数算出処理手順の一例について説明する。
図16は、呼吸周波数算出処理手順の一例を示すフローチャートである。図16において、眠気検知装置100は、呼吸信号に対して、呼吸周波数成分を抽出するバンドパスフィルタを適用する(ステップS1601)。バンドパスフィルタは、例えば、0.05〜0.8Hzの呼吸周波数成分を抽出するフィルタである。
次に、眠気検知装置100は、呼吸信号を微分し、呼吸微分信号を算出する(ステップS1602)。そして、眠気検知装置100は、呼吸微分信号が正→負に変化する点を吸息開始点として算出し、呼吸微分信号が負→正に変化する点を呼息開始点として算出する(ステップS1603)。
次に、眠気検知装置100は、吸息開始点〜吸息開始点の間隔を、呼吸間隔として算出する(ステップS1604)。そして、眠気検知装置100は、呼吸間隔をサンプリング周波数で除算し、呼吸周期を算出する(ステップS1605)。
次に、眠気検知装置100は、呼吸周期を逆数化し、呼吸周波数を算出する(ステップS1606)。そして、眠気検知装置100は、呼吸周波数算出処理を終了する。
(呼吸眠気判定処理手順の一例)
次に、図17を用いて、呼吸眠気判定処理手順の一例について説明する。
図17は、呼吸眠気判定処理手順の一例を示すフローチャートである。図17において、眠気検知装置100は、呼吸周波数配列に、x分以上の呼吸周波数が記憶されているか否かを判定する(ステップS1701)。ここで、x分以上の呼吸周波数が記憶されていない場合(ステップS1701:No)、眠気検知装置100は、判定結果に「覚醒」を設定し(ステップS1702)、呼吸眠気判定処理を終了する。
一方で、x分以上の呼吸周波数が記憶されている場合(ステップS1701:Yes)、眠気検知装置100は、図18に後述する呼吸眠気値算出処理を実行する(ステップS1703)。x分は、例えば、運転開始時に過緊張気味から平静化するまでの時間を考慮して10分である。次に、眠気検知装置100は、図19に後述する呼吸眠気閾値設定処理を実行する(ステップS1704)。
そして、眠気検知装置100は、呼吸眠気値が呼吸眠気閾値以下であるか否かを判定する(ステップS1705)。ここで、呼吸眠気値が呼吸眠気閾値以下ではない場合(ステップS1705:No)、眠気検知装置100は、判定結果に「覚醒」を設定し(ステップS1706)、呼吸眠気判定処理を終了する。
一方で、呼吸眠気値が呼吸眠気閾値以下である場合(ステップS1705:Yes)、眠気検知装置100は、判定結果に「眠い」を設定し(ステップS1707)、呼吸眠気判定処理を終了する。
(呼吸眠気値算出処理手順の一例)
次に、図18を用いて、呼吸眠気値算出処理手順の一例について説明する。
図18は、呼吸眠気値算出処理手順の一例を示すフローチャートである。図18において、眠気検知装置100は、過去の時間a分の呼吸周波数配列を取得する(ステップS1801)。時間aは、例えば、4分である。次に、眠気検知装置100は、過去の時間a分の呼吸周波数配列を平均化し、呼吸眠気値を算出する(ステップS1802)。そして、眠気検知装置100は、呼吸眠気値算出処理を終了する。
(呼吸眠気閾値設定処理手順の一例)
次に、図19を用いて、呼吸眠気閾値設定処理手順の一例について説明する。
図19は、呼吸眠気閾値設定処理手順の一例を示すフローチャートである。図19において、眠気検知装置100は、前回の走行時に対応する時間b分の呼吸情報があるか否かを判定する(ステップS1901)。時間bは、例えば、90分である。
ここで、時間b分の呼吸情報がある場合(ステップS1901:Yes)、眠気検知装置100は、時間b分の呼吸眠気値の平均値をAに設定し、時間b分の呼吸眠気値の標準偏差値をBに設定する(ステップS1902)。そして、眠気検知装置100は、ステップS1904の処理に移行する。
一方で、時間b分の呼吸情報がない場合(ステップS1901:No)、眠気検知装置100は、呼吸眠気値の平均値として0をAに設定し、呼吸眠気値の標準偏差値として0をBに設定する(ステップS1903)。そして、眠気検知装置100は、ステップS1904の処理に移行する。
ステップS1904では、眠気検知装置100は、過去の時間c分の呼吸情報があるか否かを判定する(ステップS1904)。時間cは、例えば、8分である。ここで、時間c分の呼吸情報がない場合(ステップS1904:No)、眠気検知装置100は、呼吸眠気閾値=A−重み係数K×Bを算出する(ステップS1905)。そして、眠気検知装置100は、呼吸眠気閾値設定処理を終了する。
一方で、時間c分の呼吸情報がある場合(ステップS1904:Yes)、眠気検知装置100は、時間c分の呼吸眠気値の平均値をCに設定する(ステップS1906)。次に、眠気検知装置100は、時間c分の呼吸眠気値の標準偏差値をDに設定する(ステップS1907)。そして、眠気検知装置100は、BとDとの最大値をEに設定する(ステップS1908)。
次に、眠気検知装置100は、呼吸眠気閾値=C+重み係数K×Eを算出する(ステップS1909)。そして、眠気検知装置100は、呼吸眠気閾値設定処理を終了する。
(覚醒努力判定要否決定処理手順の一例)
次に、図20を用いて、覚醒努力判定要否決定処理手順の一例について説明する。
図20は、覚醒努力判定要否決定処理手順の一例を示すフローチャートである。図20において、眠気検知装置100は、呼吸眠気判定処理によって、過去の時間d内に「眠い」と判定されたか否かを判定する(ステップS2001)。時間dは、集中力の持続時間を考慮し、例えば、10分である。
ここで、過去の時間d内に「眠い」と判定されている場合(ステップS2001:Yes)、眠気検知装置100は、「判定要」と決定し(ステップS2002)、覚醒努力判定要否決定処理を終了する。
一方で、過去の時間d内に「眠い」と判定されていない場合(ステップS2001:No)、眠気検知装置100は、「判定不要」と決定し(ステップS2003)、覚醒努力判定要否決定処理を終了する。
(覚醒努力値算出処理手順の一例)
次に、図21および図22を用いて、覚醒努力値算出処理手順の一例について説明する。
図21および図22は、覚醒努力値算出処理手順の一例を示すフローチャートである。図21において、眠気検知装置100は、呼吸信号を微分し、呼吸微分信号を算出する(ステップS2101)。
次に、眠気検知装置100は、呼吸微分信号が正→負に変化する点を吸息開始点として算出し、呼吸微分信号が負→正に変化する点を呼息開始点として算出する(ステップS2102)。そして、眠気検知装置100は、吸息開始点〜呼息開始点の間隔を、吸息間隔として算出する(ステップS2103)。
次に、眠気検知装置100は、呼息開始点〜吸息開始点の間隔を、呼息間隔として算出する(ステップS2104)。そして、眠気検知装置100は、吸息間隔と、呼息間隔とを、サンプリング周波数で除算し、吸息時間と、呼息時間とを算出する(ステップS2105)。
次に、眠気検知装置100は、吸息開始点〜呼息開始点の積分値を、吸息パワーとして算出する(ステップS2106)。そして、眠気検知装置100は、呼息開始点〜吸息開始点の積分値を、呼息パワーとして算出する(ステップS2107)。
次に、眠気検知装置100は、吸息パワーと、呼息パワーとを、サンプリング周波数で除算し、吸息振幅と、呼息振幅とを算出する(ステップS2108)。そして、眠気検知装置100は、ステップS2201の処理に移行する。
図22において、眠気検知装置100は、覚醒努力値の算出に、吸息時間と呼息時間とを用いるか否かを判定する(ステップS2201)。吸息時間と呼息時間とを用いる場合(ステップS2201:Yes)、眠気検知装置100は、過去の時間e分の呼息時間配列を取得する(ステップS2202)。時間eは、例えば、8分である。
次に、眠気検知装置100は、過去の時間e分の吸息時間配列を取得する(ステップS2203)。そして、眠気検知装置100は、呼息時間配列と吸息時間配列との配列長の最小値を算出する(ステップS2204)。
次に、眠気検知装置100は、呼息時間配列と吸息時間配列とから、配列長を算出した最小値よりも長くする部分にある要素を削除する(ステップS2205)。そして、眠気検知装置100は、呼息時間配列と吸息時間配列とに基づいて、呼息吸息比率配列を生成する(ステップS2206)。その後、眠気検知装置100は、ステップS2212の処理に移行する。
一方で、吸息時間と呼息時間とを用いない場合(ステップS2201:No)、眠気検知装置100は、過去の時間e分の呼息振幅配列を取得する(ステップS2207)。次に、眠気検知装置100は、過去の時間e分の吸息振幅配列を取得する(ステップS2208)。そして、眠気検知装置100は、呼息振幅配列と吸息振幅配列との配列長の最小値を算出する(ステップS2209)。
次に、眠気検知装置100は、呼息振幅配列と吸息振幅配列とから、配列長を算出した最小値よりも長くする部分にある要素を削除する(ステップS2210)。そして、眠気検知装置100は、呼息振幅配列と吸息振幅配列とに基づいて、呼息吸息比率配列を生成する(ステップS2211)。その後、眠気検知装置100は、ステップS2212の処理に移行する。
ステップS2212では、眠気検知装置100は、呼息吸息比率配列に基づいて、呼息吸息比率の標準偏差を、覚醒努力値として算出する(ステップS2212)。そして、眠気検知装置100は、覚醒努力値算出処理を終了する。
(覚醒努力閾値設定処理手順の一例)
次に、図23を用いて、覚醒努力閾値設定処理手順の一例について説明する。
図23は、覚醒努力閾値設定処理手順の一例を示すフローチャートである。図23において、眠気検知装置100は、過去の時間f分の呼息吸息情報があるか否かを判定する(ステップS2301)。時間fは、例えば、5分である。
ここで、過去の時間f分の呼息吸息情報がない場合(ステップS2301:No)、眠気検知装置100は、覚醒努力閾値=0を設定し(ステップS2302)、覚醒努力閾値設定処理を終了する。
一方で、過去の時間f分の呼息吸息情報がある場合(ステップS2301:Yes)、眠気検知装置100は、前回の走行時に対応する時間g分の呼息吸息情報があるか否かを判定する(ステップS2303)。時間gは、例えば、90分である。
ここで、時間g分の呼息吸息情報がある場合(ステップS2303:Yes)、眠気検知装置100は、時間g分の覚醒努力値の標準偏差値をCに設定し(ステップS2304)、ステップS2306の処理に移行する。
一方で、時間g分の呼息吸息情報がない場合(ステップS2303:No)、眠気検知装置100は、覚醒努力値の標準偏差値として0をCに設定する(ステップS2305)。そして、眠気検知装置100は、ステップS2306の処理に移行する。
ステップS2306では、眠気検知装置100は、過去の時間h分の覚醒努力値の平均値をAに設定する(ステップS2306)。次に、眠気検知装置100は、時間h分の覚醒努力値の標準偏差値をBに設定する(ステップS2307)。そして、眠気検知装置100は、BとCとの最大値をDに設定する(ステップS2308)。
次に、眠気検知装置100は、覚醒努力閾値=A+重み係数K×Dを算出する(ステップS2309)。そして、眠気検知装置100は、覚醒努力閾値設定処理を終了する。
以上説明したように、眠気検知装置100によれば、対象者110の呼吸の周期または振幅の情報に基づいて、対象者110の呼吸の周期または振幅が第1条件を満たすと判定された場合に、対象者110に眠気が発生していると判定することができる。また、眠気検知装置100によれば、眠気が発生していると判定された後に、第1条件を満たさなくなったと判定された場合に、対象者110の1呼吸ごとの呼息の時間または振幅のばらつきを示す指標値が第2条件を満たすか否かを判定することができる。また、眠気検知装置100によれば、第2条件を満たすと判定された場合に対象者110に眠気が発生していると判定し、第2条件を満たさないと判定された場合に対象者110に眠気が発生していないと判定することができる。これにより、眠気検知装置100は、対象者110に眠気が発生していることを検知する精度の向上を図ることができる。
眠気検知装置100によれば、眠気が発生していると判定された後に、第1条件を満たさなくなったと判定された場合に、対象者110の1呼吸ごとの吸息の時間または振幅のばらつきを示す指標値が第3条件を満たすか否かを判定することができる。また、眠気検知装置100によれば、第3条件を満たすと判定された場合に対象者110に眠気が発生していると判定し、第3条件を満たさないと判定された場合に対象者110に眠気が発生していないと判定することができる。これにより、眠気検知装置100は、対象者110に眠気が発生していることを検知する精度の向上を図ることができる。
眠気検知装置100によれば、眠気が発生していると判定された後に、対象者110の呼吸の周期または振幅が第1条件を満たさなくなったと判定されてから所定時間が経過するまでの間に、第2条件を満たすか否かを判定することができる。これにより、眠気検知装置100は、所定時間が経過した後は、第2条件を基に眠気が発生しているか否かを判定せず、眠気が解消された後に、誤って眠気が発生していると判定することを抑制することができる。
眠気検知装置100によれば、眠気が発生していると判定された後に、対象者110の呼吸の周期または振幅が第1条件を満たさなくなったと判定されてから所定時間が経過するまでの間に、第3条件を満たすか否かを判定することができる。これにより、眠気検知装置100は、所定時間が経過した後は、第3条件を基に眠気が発生しているか否かを判定せず、眠気が解消された後に、誤って眠気が発生していると判定することを抑制することができる。
眠気検知装置100によれば、第1長さの時間帯における、対象者110の1呼吸ごとの呼息の時間または振幅のばらつきを示す指標値と、所定閾値との比較結果に基づいて、第2条件を満たすか否かを判定することができる。これにより、眠気検知装置100は、対象者110の呼吸の傾向が現れる長さの時間帯における、対象者110の1呼吸ごとの呼息の時間または振幅のばらつきを示す指標値を用いることができる。このため、眠気検知装置100は、対象者110の呼吸の傾向が指標値に反映されやすくすることができ、対象者110に眠気が発生していることを検知する精度の向上を図ることができる。
眠気検知装置100によれば、第2長さの時間帯における、対象者110の1呼吸ごとの呼息の時間または振幅のばらつきを示す指標値に基づいて、所定閾値を設定することができる。これにより、眠気検知装置100は、対象者110の呼吸の傾向が現れる長さの時間帯における、対象者110の1呼吸ごとの呼息の時間または振幅のばらつきを示す指標値に基づいて、所定閾値を設定することができる。このため、眠気検知装置100は、所定閾値を人手で設定しなくてもよく、利用者の負担の低減化を図り、所定閾値を精度よく設定しやすくすることができる。
眠気検知装置100によれば、第1長さの時間帯における、対象者110の1呼吸ごとの吸息の時間または振幅のばらつきを示す指標値と、所定閾値との比較結果に基づいて、第3条件を満たすか否かを判定することができる。これにより、眠気検知装置100は、対象者110の呼吸の傾向が現れる長さの時間帯における、対象者110の1呼吸ごとの呼息の時間または振幅のばらつきを示す指標値を用いることができる。このため、眠気検知装置100は、対象者110の呼吸の傾向が指標値に反映されやすくすることができ、対象者110に眠気が発生していることを検知する精度の向上を図ることができる。
眠気検知装置100によれば、第2長さの時間帯における、対象者110の1呼吸ごとの吸息の時間または振幅のばらつきを示す指標値に基づいて、所定閾値を設定することができる。これにより、眠気検知装置100は、対象者110の呼吸の傾向が現れる長さの時間帯における、対象者110の1呼吸ごとの呼息の時間または振幅のばらつきを示す指標値に基づいて、所定閾値を設定することができる。このため、眠気検知装置100は、所定閾値を人手で設定しなくてもよく、利用者の負担の低減化を図り、所定閾値を精度よく設定しやすくすることができる。
眠気検知装置100によれば、指標値に、対象者110の1呼吸ごとの呼息の時間と吸息の時間との割合についての標準偏差を用いることができる。これにより、眠気検知装置100は、対象者110の呼吸の周期がばらついていても、対象者110の1呼吸ごとの呼息の時間や吸息の時間のばらつき度合いを、相対的に評価しやすくすることができる。このため、眠気検知装置100は、対象者110に眠気が発生していることを検知する精度の向上を図ることができる。
眠気検知装置100によれば、第3長さの時間帯における、対象者110の呼吸の周期または振幅の統計値と、所定閾値との比較結果に基づいて、第1条件を満たすか否かを判定することができる。これにより、眠気検知装置100は、対象者110の呼吸の傾向が現れる長さの時間帯における、対象者110の呼吸の周期または振幅の統計値に基づいて、対象者110に眠気が発生していることを検知する精度の向上を図ることができる。
眠気検知装置100によれば、第4長さの時間帯における、対象者110の呼吸の周期または振幅のばらつきを示す指標値に基づいて、所定閾値を設定することができる。これにより、眠気検知装置100は、所定閾値を人手で設定しなくてもよく、利用者の負担の低減化を図り、所定閾値を精度よく設定しやすくすることができる。
なお、本実施の形態で説明した眠気検知方法は、予め用意されたプログラムをパーソナル・コンピュータやワークステーション等のコンピュータで実行することにより実現することができる。本実施の形態で説明した眠気検知プログラムは、ハードディスク、フレキシブルディスク、CD−ROM、MO、DVD等のコンピュータで読み取り可能な記録媒体に記録され、コンピュータによって記録媒体から読み出されることによって実行される。また、本実施の形態で説明した眠気検知プログラムは、インターネット等のネットワークを介して配布してもよい。
上述した実施の形態に関し、さらに以下の付記を開示する。
(付記1)対象者の呼吸の周期または振幅の情報に基づいて、前記対象者の呼吸の周期または振幅が第1条件を満たすと判定された場合に、前記対象者に眠気が発生していると判定し、
前記対象者に眠気が発生していると判定された後に、前記対象者の呼吸の周期または振幅が前記第1条件を満たさなくなったと判定された場合に、前記対象者の1呼吸ごとの呼息の時間または振幅のばらつきを示す指標値が第2条件を満たすか否か、もしくは、前記対象者の1呼吸ごとの吸息の時間または振幅のばらつきを示す指標値が第3条件を満たすか否かを判定し、
前記第2条件または前記第3条件を満たすと判定された場合に前記対象者に眠気が発生していると判定し、前記第2条件または前記第3条件を満たさないと判定された場合に前記対象者に眠気が発生していないと判定する、
制御部を有することを特徴とする眠気検知装置。
(付記2)前記制御部は、
前記対象者に眠気が発生していると判定された後に、前記対象者の呼吸の周期または振幅が前記第1条件を満たさなくなったと判定されてから所定時間が経過するまでの間に、前記対象者の1呼吸ごとの呼息の時間または振幅のばらつきを示す指標値が第2条件を満たすか否か、もしくは、前記対象者の1呼吸ごとの吸息の時間または振幅のばらつきを示す指標値が第3条件を満たすか否かを判定する、ことを特徴とする付記1に記載の眠気検知装置。
(付記3)前記制御部は、
前記対象者に眠気が発生していると判定された後に、前記対象者の呼吸の周期または振幅が前記第1条件を満たさなくなったと判定された場合に、第1長さの時間帯における、前記対象者の1呼吸ごとの呼息の時間または振幅のばらつきを示す指標値と、所定閾値との比較結果に基づいて、前記第2条件を満たすか否かを判定する、ことを特徴とする付記1または2に記載の眠気検知装置。
(付記4)前記制御部は、
第2長さの時間帯における、前記対象者の1呼吸ごとの呼息の時間または振幅のばらつきを示す指標値に基づいて、前記所定閾値を設定する、ことを特徴とする付記3に記載の眠気検知装置。
(付記5)前記制御部は、
前記対象者に眠気が発生していると判定された後に、前記対象者の呼吸の周期または振幅が前記第1条件を満たさなくなったと判定された場合に、第1長さの時間帯における、前記対象者の1呼吸ごとの吸息の時間または振幅のばらつきを示す指標値と、所定閾値との比較結果に基づいて、前記第3条件を満たすか否かを判定する、ことを特徴とする付記1〜4のいずれか一つに記載の眠気検知装置。
(付記6)前記制御部は、
第2長さの時間帯における、前記対象者の1呼吸ごとの吸息の時間または振幅のばらつきを示す指標値に基づいて、前記所定閾値を設定する、ことを特徴とする付記5に記載の眠気検知装置。
(付記7)前記指標値は、前記対象者の1呼吸ごとの呼息の時間と吸息の時間との割合についての標準偏差である、ことを特徴とする付記1〜6のいずれか一つに記載の眠気検知装置。
(付記8)前記制御部は、
第3長さの時間帯における、前記対象者の呼吸の周期または振幅の統計値と、所定閾値との比較結果に基づいて、前記第1条件を満たすか否かを判定する、ことを特徴とする付記1〜7のいずれか一つに記載の眠気検知装置。
(付記9)前記制御部は、
第4長さの時間帯における、前記対象者の呼吸の周期または振幅のばらつきを示す指標値に基づいて、前記所定閾値を設定する、ことを特徴とする付記8に記載の眠気検知装置。
(付記10)コンピュータに、
対象者の呼吸の周期または振幅の情報に基づいて、前記対象者の呼吸の周期または振幅が第1条件を満たすと判定された場合に、前記対象者に眠気が発生していると判定し、
前記対象者に眠気が発生していると判定された後に、前記対象者の呼吸の周期または振幅が前記第1条件を満たさなくなったと判定された場合に、前記対象者の1呼吸ごとの呼息の時間または振幅のばらつきを示す指標値が第2条件を満たすか否か、もしくは、前記対象者の1呼吸ごとの吸息の時間または振幅のばらつきを示す指標値が第3条件を満たすか否かを判定し、
前記第2条件または前記第3条件を満たすと判定された場合に前記対象者に眠気が発生していると判定し、前記第2条件または前記第3条件を満たさないと判定された場合に前記対象者に眠気が発生していないと判定する、
処理を実行させることを特徴とする眠気検知プログラム。