以下、図面に基づいて本発明の実施の形態を説明する。
以下の実施例では、異なる無線アクセス技術(RAT)を利用する複数の無線通信システムと同時通信可能なユーザ装置が開示される。後述される実施例を概略すると、同時通信が設定される無線通信システムのそれぞれが認識可能な同時通信に専用の能力情報が規定される。これにより、これらの無線通信システムの基地局は、他方の無線通信システムの異なるRATに従って規定される能力情報を理解することなく、他方の無線通信システムとの同時通信をユーザ装置に設定することが可能になる。また、このような異なるRATを利用する無線通信システム間の同時通信に専用の能力情報は、ユーザ装置のトータルの処理能力を考慮して規定されてもよい。
まず、図2を参照して、本発明の一実施例による無線通信システムを説明する。図2は、本発明の一実施例による無線通信システムを示す概略図である。
図2に示されるように、LTEシステム10及びNRシステム11は、それぞれLTE基地局201及びNR基地局202を有し、ユーザ装置100は、LTEシステム10とNRシステム11との双方と無線通信可能である。さらに、以下の実施例では、ユーザ装置100は、LTE基地局201とNR基地局202との双方と同時通信(MR−DC)できる。
例えば、MR−DCの設定前にユーザ装置100がまずLTE基地局201と通信するとき、LTE基地局201は、ユーザ装置100から能力情報を取得し、当該能力情報に基づきユーザ装置100がMR−DC機能をサポートしているか判断する。ユーザ装置100がMR−DC機能をサポートする場合、LTE基地局201は、ユーザ装置100との通信中にMR−DCを設定し、ユーザ装置100にNR基地局202とLTE基地局201との同時通信を実行させることができる。この場合、LTE基地局201が当該MR−DCを制御するマスタ基地局として機能し、NR基地局202が追加的に設定されたセカンダリセルを提供するセカンダリ基地局として機能する(LTE−NR DC)。MR−DCが設定されると、ユーザ装置100は、LTE基地局201により提供されるマスタセルとNR基地局202により提供されるセカンダリセルとを同時に利用して、無線信号を送信及び/又は受信することができる。
具体的には、ダウンリンク送信では、マスタ基地局として機能するLTE基地局201は、コアネットワーク(図示せず)から受信したユーザ装置100宛てのパケットシーケンスを、設定された分割比に従ってLTE基地局201からユーザ装置100に送信されるパケットシーケンスと、NR基地局202を介しユーザ装置100に送信されるパケットシーケンスとに分割する。それから、LTE基地局201は、前者のパケットシーケンスをユーザ装置100に送信すると共に、後者のパケットシーケンスをNR基地局202に転送する。転送されたパケットシーケンスを受信すると、NR基地局202は、受信したパケットシーケンスをユーザ装置100に送信する。そして、ユーザ装置100は、LTE基地局201から受信したパケットシーケンスとNR基地局202から受信したパケットシーケンスとを合成することによって、コアネットワークから送信されたパケットシーケンスを構成することができる。
他方、アップリンク送信では、ユーザ装置100は、送信対象のパケットシーケンスを設定された分割比に従ってLTE基地局201宛てのパケットシーケンスとNR基地局202宛てのパケットシーケンスとに分割する。それから、ユーザ装置100は、前者のパケットシーケンスをLTE基地局201に送信すると共に、後者のパケットシーケンスをNR基地局202に送信する。ユーザ装置100からパケットシーケンスを受信すると、NR基地局202は、受信したパケットシーケンスをLTE基地局201に転送する。NR基地局202から転送されたパケットシーケンスを受信すると、LTE基地局201は、ユーザ装置100から受信したパケットシーケンスとNR基地局202から転送されたパケットシーケンスとを合成することによって、ユーザ装置100から送信されたパケットシーケンスを構成することができる。
ここで、上述した分割比は、典型的には、ユーザ装置100から取得した能力情報に基づき、マスタ基地局として機能するLTE基地局201によって設定される。また、上記説明では、LTE基地局201がマスタ基地局として機能し、NR基地局202がセカンダリ基地局として機能したが、本発明はこれに限定されず、LTE基地局201がセカンダリ基地局として機能し、NR基地局202がマスタ基地局として機能してもよい(NR−LTE DC)。また、本発明は、LTE−NR DC及びNR−LTE DCに限定されるものでなく、相互に異なる無線アクセス技術(RAT)を利用する無線通信システム間の同時通信を含む連携通信に適用可能である。
次に、図3を参照して、本発明の一実施例によるユーザ装置を説明する。図3は、本発明の一実施例によるユーザ装置の機能構成を示すブロック図である。
図3に示されるように、ユーザ装置100は、送受信部110及び能力情報通知部120を有する。
送受信部110は、LTEシステム10のLTE基地局201及びNRシステム11のNR基地局202と無線信号を送受信する。具体的には、送受信部110は、LTE基地局201及びNR基地局202と各種ダウンリンク及び/又はアップリンク信号を送受信する。例えば、ダウンリンク信号はダウンリンクデータ信号とダウンリンク制御信号とを含み、アップリンク信号はアップリンクデータ信号とアップリンク制御信号とを含む。また、LTE基地局201又はNR基地局202によってユーザ装置100に対してMR−DC機能が設定された場合、送受信部110は、LTE基地局201により提供されるセルとNR基地局202により提供されるセルとを同時に利用して、LTE基地局201とNR基地局202との双方と無線信号を送受信する。
能力情報通知部120は、LTEシステム10及びNRシステム11との同時通信に用いられる帯域の組み合わせ毎の能力情報をLTE基地局201又はNR基地局202に通知する。例えば、LTE基地局201又はNR基地局202の一方との無線通信の確立時に、能力情報通知部120は、MR−DCが可能なLTEシステム10とNRシステム11との帯域の各組み合わせの能力情報を含む各種ユーザ能力を示す能力情報をLTE基地局201又はNR基地局202に通知する。
当該MR−DCに関する帯域の組み合わせ毎の能力情報については、例えば、LTE規格とNR規格との双方においてMR−DCに専用のUEの能力カテゴリが規定されてもよく、帯域の組み合わせ毎の能力情報は、MR−DCが可能なLTEシステム10及びNRシステム11の帯域の各組み合わせについて、各自の帯域における能力カテゴリを示すものであってもよい。具体的には、ユーザ装置100がLTEシステム10のLTEバンド1とNRシステム11のNRバンド1との組み合わせ1と、LTEシステム10のLTEバンド2とNRシステム11のNRバンド2との組み合わせ2によるMR−DCをサポートしている場合、能力情報通知部120は、組み合わせ1の能力情報として、MR−DCにおけるLTEバンド1のUEカテゴリとNRバンド1のUEカテゴリとを報告し、組み合わせ2の能力情報として、MR−DCにおけるLTEバンド2のUEカテゴリとNRバンド2のUEカテゴリとを報告してもよい。このように、ユーザ装置100が複数の帯域の組み合わせについてMR−DCをサポートする場合、複数の帯域の組み合わせ毎の能力情報がマスタ基地局200に送信される。
上述したように、本実施例では、LTEシステム10内の複数のLTE基地局201間のLTE−LTEデュアルコネクティビティに関する能力情報及びNRシステム11内の複数のNR基地局202間のNR−NRデュアルコネクティビティに関する能力情報とは独立に、LTEシステム10とNRシステム11との双方が認識可能なMR−DCの帯域の組み合わせ毎の能力情報が規定される。これにより、LTE基地局201及びNR基地局202は、他方の無線通信システム10,11における能力情報(UEカテゴリなど)を理解することなく、MR−DCに関する能力情報を認識することができる。
例えば、MR−DC機能をサポートするユーザ装置100がLTE基地局201と通信するとき、能力情報通知部120は、LTE規格で規定されているLTEシステム10内の通信(例えば、LTE−LTEデュアルコネクティビティなど)に関するユーザ装置100の各種ユーザ能力を示す能力情報と共に、LTE規格及びNR規格との双方で規定されたMR−DCに用いられる帯域の組み合わせ毎のユーザ装置100の各種ユーザ能力を示す帯域の組み合わせ毎の能力情報をLTE基地局201に通知する。LTE基地局201又はNR基地局202は、受信した帯域の組み合わせ毎の能力情報に基づきユーザ装置100に対してMR−DCを設定する。
また、一実施例では、帯域の組み合わせ毎の能力情報は、LTEシステム10とNRシステム11との間の同時通信における分割比を示すものであってもよい。具体的には、ユーザ装置100がLTEシステム10のLTEバンド1とNRシステム11のNRバンド1との組み合わせ1と、LTEシステム10のLTEバンド2とNRシステム11のNRバンド2との組み合わせ2によるMR−DCをサポートしている場合、能力情報通知部120は、組み合わせ1の能力情報として、MR−DCにおけるLTEバンド1とNRバンド1との間で分割されるアップリンク及び/又はダウンリンクデータの分割比を報告し、組み合わせ2の能力情報として、MR−DCにおけるLTEバンド2とNRバンド2との間で分割されるアップリンク及び/又はダウンリンクデータの分割比を報告してもよい。当該分割比を含む帯域の組み合わせ毎の能力情報を受信すると、マスタ基地局200は、受信した分割比に基づきアップリンク及び/又はダウンリンクデータの分割比を設定し、設定された分割比に従ってLTE基地局201及びNR基地局202とユーザ装置100とのMR−DCを実行する。
ここで、MR−DCに関する帯域の組み合わせ毎の能力情報は、LTEシステム10内の当該帯域におけるユーザ装置100の送受信能力とNRシステム11内の当該帯域におけるユーザ装置100の送受信能力との単純な和というよりも、ユーザ装置100のトータルの処理能力を考慮して規定されることが好ましい。例えば、LTEシステム10内におけるユーザ装置100のピークレートが1Gbpsであり、NRシステム11内におけるユーザ装置100のピークレートが2Gbpsであるとする。この場合、ユーザ装置100の処理能力を考慮して、MR−DCに関するLTEシステム10との通信におけるピークレートは1Gbpsより低く(例えば、500Mbps)、MR−DCに関するNRシステム11との通信におけるピークレートは2Gbpsより低く(例えば、1Gbps)なるよう規定されてもよい。
帯域の組み合わせ毎の能力情報は、いくつかのアプローチにより規定可能であると考えられる。一実施例では、帯域の組み合わせ毎の能力情報は、MR−DCの当該帯域の組み合わせにおけるLTEシステム10との個別の送信又は受信に関するLTE側能力情報と、MR−DCの当該帯域の組み合わせにおけるNRシステム11との個別の送信又は受信に関するNR側能力情報とを含むものであってもよい。例えば、MR−DCの当該帯域の組み合わせにおけるユーザ装置100のピークレートについて、LTE基地局201とユーザ装置100との間の送信又は受信における個別のピークレート(例えば、上述した具体例では、500Mbps)と、NR基地局202とユーザ装置100との間の送信又は受信における個別のピークレート(例えば、上述した具体例では、1Gbps)との双方が帯域の組み合わせ毎の能力情報として通知されてもよい。
具体的には、LTE基地局201とユーザ装置100との間の送信又は受信におけるピークレートとして、MR−DCの当該帯域の組み合わせにおけるLTEシステム10との送受信に関するパラメータ(例えば、LTE規格におけるMaximum number of DL−SCH transport block bits received within a TTI,Maximum number of UL−SCH transport block bits transmitted within a TTI,Maximum number of bits of a DL−SCH transport block received within a TTI,Maximum number of bits of a UL−SCH transport block transmitted within a TTI,Total number of soft channel bits(DL),total layer 2 buffer sizeなど)が通知され、NR基地局202とユーザ装置100との間の送信又は受信におけるピークレートとして、MR−DCの当該帯域の組み合わせにおけるNRシステム11との送受信に関するパラメータ(例えば、上述したLTE規格を準用して、Maximum number of DL−SCH transport block bits received within a TTI,Maximum number of UL−SCH transport block bits transmitted within a TTI,Maximum number of bits of a DL−SCH transport block received within a TTI,Maximum number of bits of a UL−SCH transport block transmitted within a TTI,Total number of soft channel bits(DL),total layer 2 buffer sizeなど)が通知されてもよい。
あるいは、他の実施例では、帯域の組み合わせ毎の能力情報は、MR−DCの当該帯域の組み合わせにおけるLTEシステム10及びNRシステム11とのトータルの送信又は受信を示すトータル能力情報を含むものであってもよい。例えば、MR−DCの当該帯域の組み合わせにおけるユーザ装置100のピークレートについて、LTE基地局201とユーザ装置100との間の送信又は受信と、NR基地局202とユーザ装置100との間の送信又は受信とのトータルの送信又は受信におけるピークレート(例えば、上述した具体例では、500Mbps+1Gbps=1.5Gbps)が帯域の組み合わせ毎の能力情報として通知されてもよい。
具体的には、MR−DCの当該帯域の組み合わせにおけるLTE基地局201及びNR基地局202とユーザ装置100との間のトータルの送信又は受信におけるピークレートとして、MR−DCの当該帯域の組み合わせにおけるLTEシステム10とNRシステム11とのトータルの送受信に関するパラメータ(例えば、上述したLTE規格を準用して、Maximum number of DL−SCH transport block bits received within a TTI,Maximum number of UL−SCH transport block bits transmitted within a TTI,Maximum number of bits of a DL−SCH transport block received within a TTI,Maximum number of bits of a UL−SCH transport block transmitted within a TTI,Total number of soft channel bits(DL),total layer 2 buffer sizeなど)が通知されてもよい。
上述した実施例では、ピークレートを用いたMR−DCに関する帯域の組み合わせ毎の能力情報を説明したが、本発明によるMR−DCに関する能力情報は、ピークレートに限定されず、例えば、MR−DCに用いられる帯域の各組み合わせにおけるMIMO(Multiple−Input Multiple−Output)レイヤ数、ROHC(Robust Header Compression)コンテクスト数又はCoMP(Coordinated Multiple Point) CSI(Channel State Information)プロセス数を含んでもよい。
また、上述したピークレートと同様に、例えば、MR−DCに用いられる帯域の各組み合わせについて、LTE基地局201とユーザ装置100との間の送信又は受信における個別のMIMOレイヤ数、ROHCコンテクスト数又はCoMP CSIプロセス数と、NR基地局202とユーザ装置100との間の送信又は受信における個別のMIMOレイヤ数、ROHCコンテクスト数又はCoMP CSIプロセス数との双方が、MR−DCにおけるユーザ装置100のMIMOレイヤ数、ROHCコンテクスト数又はCoMP CSIプロセス数の帯域の組み合わせ毎の能力情報として通知されてもよい。あるいは、MR−DCに用いられる帯域の各組み合わせについて、LTE基地局201とユーザ装置100との間の送信又は受信と、NR基地局202とユーザ装置100との間の送信又は受信とのトータルの送信又は受信におけるMIMOレイヤ数、ROHCコンテクスト数又はCoMP CSIプロセス数が、MR−DCにおけるユーザ装置100のMIMOレイヤ数、ROHCコンテクスト数又はCoMP CSIプロセス数の帯域の組み合わせ毎の能力情報として通知されてもよい。
次に、図4を参照して、本発明の一実施例による基地局を説明する。図4は、本発明の一実施例による基地局の機能構成を示すブロック図である。本実施例では、MR−DC機能をサポートするユーザ装置100と通信中のLTE基地局201が、マスタ基地局として機能し、NR基地局202とのMR−DCをユーザ装置100に対して設定する(LTE−NR DC)ことについて説明する。しかしながら、本発明はこれに限定されず、NR基地局202がマスタ基地局であるケース(NR−LTE DC)に同様に適用可能であることは当業者に容易に理解されるであろう。
図4に示されるように、LTE基地局201は、通信制御部210及び能力情報受信部220を有する。
通信制御部210は、ユーザ装置100及びNRシステム11におけるNR基地局202との通信を制御する。すなわち、通信制御部210は、ユーザ装置100との無線通信を制御すると共にNR基地局202との通信を制御する。また、MR−DCに関する帯域の組み合わせ毎の能力情報をユーザ装置100から受信すると、通信制御部210は、受信した帯域の組み合わせ毎の能力情報に基づきMR−DCをユーザ装置100に対して設定する。すなわち、ユーザ装置100から受信した能力情報に基づきユーザ装置100がMR−DC機能をサポートしていると判断すると、通信制御部210は、NR基地局202とのMR−DCをユーザ装置100に対して設定する。具体的には、通信制御部210は、受信した帯域の組み合わせ毎の能力情報に基づき、MR−DCが設定される帯域の組み合わせ及び/又はLTE基地局201とNR基地局202との間のデータ分割比を含むMR−DCの設定情報を決定し、NR基地局202に当該設定情報を通知する。
ダウンリンク送信では、通信制御部210は、決定したデータ分割比に従ってコアネットワークから受信したユーザ装置100宛てのパケットシーケンスを、LTE基地局201からユーザ装置100に送信するパケットシーケンスとNR基地局202を介しユーザ装置100に送信するパケットシーケンスとに分割し、前者のパケットシーケンスをユーザ装置100に送信すると共に、後者のパケットシーケンスをNR基地局202に転送する。他方、アップリンク送信では、通信制御部210は、決定したデータ分割比をユーザ装置100に通知し、当該データ分割比に従って分割送信するようユーザ装置100に指示する。通信制御部210は、当該データ分割比に従ってLTE基地局201に分割送信された一方のパケットシーケンスをユーザ装置100から受信すると共に、ユーザ装置100からNR基地局202に送信された他方のパケットシーケンスをNR基地局202から受信し、これらのパケットシーケンスを合成することによってユーザ装置100から送信されたパケットシーケンスを構成する。
能力情報受信部220は、ユーザ装置100から能力情報を受信する。具体的には、MR−DC設定前のユーザ装置100との無線通信の確立時に、能力情報受信部220は、MR−DCに用いられる帯域の組み合わせ毎の能力情報を含む各種ユーザ能力を示す能力情報をユーザ装置100から受信する。当該MR−DCに用いられる帯域の組み合わせ毎の能力情報については、例えば、LTE規格とNR規格との双方においてMR−DCに専用のUEカテゴリが規定されてもよい。すなわち、LTE−LTEデュアルコネクティビティに関する能力情報及びNR−NRデュアルコネクティビティに関する能力情報とは別に、LTEシステム10とNRシステム11との双方が認識可能なMR−DCに用いられる帯域の組み合わせ毎の能力情報が規定される。これにより、LTE基地局201及びNR基地局202は、他方の無線通信システム10,11における能力情報(UEカテゴリなど)を理解することなく、MR−DCに用いられる帯域の組み合わせ毎の能力情報を認識することができる。例えば、帯域の組み合わせ毎の能力情報は、LTEシステム10及びNRシステム11の各自の帯域における能力カテゴリを示すものであってもよい。また、帯域の組み合わせ毎の能力情報は、LTEシステム10とNRシステム11との間の同時通信における分割比を示すものであってもよい。
MR−DCに用いられる帯域の組み合わせ毎の能力情報は、いくつかのアプローチにより規定可能であるが、一実施例では、帯域の組み合わせ毎の能力情報は、MR−DCの当該帯域の組み合わせにおけるLTEシステム10との個別の送信又は受信に関するLTE側能力情報と、NRシステム11との個別の送信又は受信に関するNR側能力情報とを含むものであってもよい。この場合、能力情報受信部220は、MR−DCの当該帯域の組み合わせについて、LTE基地局201とユーザ装置100との間の送信又は受信における個別のピークレート、MIMOレイヤ数、ROHCコンテクスト数及びCoMP CSIプロセス数の1つ以上と、NR基地局202とユーザ装置100との間の送信又は受信における個別のピークレート、MIMOレイヤ数、ROHCコンテクスト数及びCoMP CSIプロセス数の1つ以上との双方を帯域の組み合わせ毎の能力情報として受信しうる。
他の実施例では、帯域の組み合わせ毎の能力情報は、MR−DCの当該帯域の組み合わせにおけるLTEシステム10及びNRシステム11とのトータルの送信又は受信に関するトータル能力情報を含むものであってもよい。この場合、能力情報受信部220は、MR−DCの当該帯域の組み合わせについて、LTE基地局201及びNR基地局202とユーザ装置100との間のトータルの送信又は受信におけるピークレート、MIMOレイヤ数、ROHCコンテクスト数及びCoMP CSIプロセス数の1つ以上を帯域の組み合わせ毎の能力情報として受信しうる。
次に、図5を参照して、本発明の一実施例によるMR−DC処理を説明する。図5は、本発明の一実施例によるデュアルコネクティビティ通信を示すシーケンス図である。本実施例では、MR−DC設定前にユーザ装置100と通信中のLTE基地局201が、マスタ基地局として機能し、NR基地局202とのMR−DCを設定する(LTE−NR DC)ことについて説明するが、本発明はこれに限定されず、NR基地局202がマスタ基地局であるケース(NR−LTE DC)に同様に適用可能であることは当業者に容易に理解されるであろう。
図5に示されるように、ステップS101において、ユーザ装置100は、LTE基地局201に能力情報を送信する。当該能力情報は、LTEシステム10とNRシステム11との間のMR−DCに用いられる帯域の組み合わせ毎の能力情報を含む。具体的には、当該帯域の組み合わせ毎の能力情報は、LTEシステム10及びNRシステム11の各自の帯域における能力カテゴリ及び/又はLTEシステム10とNRシステム11との間の同時通信における分割比を示すものであってもよい。
例えば、MR−DC機能をサポートするユーザ装置100は、図6に示されるようなLTEシステム10に対する能力情報(UE−EUTRA−Capability)及びNRシステム11に対する能力情報(UE−NR−Capability)と共に、図7に示されるようなMR−DC用の能力情報(UE−MR−DC−Capability)を送信してもよい。
図7に示されるように、MR−DC用の能力情報は、MR−DCが設定可能な帯域の各組み合わせについて、帯域の組み合わせ毎の能力情報(supportedBandCombMR−DC)を含んでもよく、帯域の組み合わせ毎の能力情報は、アップリンク及び/又はダウンリンクMR−DCに対するユーザ装置100の能力カテゴリを示すものであってもよい。当該能力カテゴリは、図示されるような当該帯域の組み合わせにおけるLTEシステム10に対する能力カテゴリ(ue−CatagoryDL−PartEUTRA、ue−CatagoryUL−PartEUTRA)と、NRシステム11に対する能力カテゴリ(ue−CatagoryDL−PartNR、ue−CatagoryUL−PartNR)とを含むものであってもよい。また、図8に示されるように、帯域の組み合わせ毎の能力情報は、アップリンク及び/又はダウンリンクMR−DCに対するユーザ装置100の分割比(maxSCH−TB−BitsUL、maxSCH−TB−BitsDL)を示すものであってもよい。
ステップS102において、LTE基地局201は、受信した能力情報に基づきユーザ装置100がMR−DC機能をサポートしていることを検出すると、NR基地局202をセカンダリ基地局とするMR−DCをユーザ装置100に対して設定する。
ステップS103において、LTE基地局201は、MR−DCの設定情報をNR基地局202に通知する。当該設定情報は、例えば、ユーザ装置100に関する情報、LTE基地局201とNR基地局202との間のデータ分割比を含んでもよい。
ステップS104において、ユーザ装置100、LTE基地局201及びNR基地局202の間でMR−DC通信が実行される。
上述した実施例は、LTE基地局201とNR基地局202とのMR−DCに関連して説明されたが、本発明は、これに限定されるものでなく、相互に異なる無線アクセス技術(RAT)を利用する無線通信システム間の同時通信を含む何れかの連携通信に適用可能である。
例えば、上述した実施例では、MR−DCにおけるLTEシステム10及びNRシステム11とのトータルの送信又は受信を示すトータル能力情報について説明したが、本発明は、ユーザ装置100によりサポートされる複数のRAT(例えば、NR、LTE、UMTS(Universal Mobile Telecommunications System)など)の種類及び/又は個数に依ることなく、ユーザ装置100のトータルの送信又は受信を示すトータルの送受信能力が規定されてもよく、同時通信(デュアルコネクティビティ)のためのRATの組み合わせに関係なく、ユーザ装置100のトータルの送受信能力を示す能力情報が、サービング基地局200に通知されてもよい。当該能力情報を受信すると、サービング基地局200は、ユーザ装置100のトータルの送受信能力をデュアルコネクティビティが設定されるRAT間で分割し、当該分割比に従ってマスタ基地局とセカンダリ基地局との間でアップリンクパケット及び/又はダウンリンクパケットを分割してもよい。例えば、NR、LTE及びUMTSの3つのRATをサポートするユーザ装置100が、トータルの送受信能力として1.5Gbpsのピークレートを示す能力情報をサービング基地局200に通知し、さらに、LTEとUMTSとのデュアルコネクティビティ(UMTS−LTE DC)と、NRとLTEとのデュアルコネクティビティ(LTE−NR DC)をサポートしているとする。この場合、サービング基地局200は、UMTS−LTE DCをユーザ装置100に設定する際、通知されたトータルの送受信能力の範囲内でLTEとUMTSとの間の分割比を設定してもよく、例えば、UMTS側に500Mbps及びLTE側に1Gbpsのピークレートを設定してもよい。同様に、サービング基地局200は、LTE−NR DCをユーザ装置100に設定する際、通知されたトータルの送受信能力の範囲内でNRとLTEとの間の分割比を設定してもよく、例えば、LTE側に500Mbps及びNR側に1Gbpsのピークレートを設定してもよい。
なお、上記実施の形態の説明に用いたブロック図は、機能単位のブロックを示している。これらの機能ブロック(構成部)は、ハードウェア及び/又はソフトウェアの任意の組み合わせによって実現される。また、各機能ブロックの実現手段は特に限定されない。すなわち、各機能ブロックは、物理的及び/又は論理的に結合した1つの装置により実現されてもよいし、物理的及び/又は論理的に分離した2つ以上の装置を直接的及び/又は間接的に(例えば、有線及び/又は無線)で接続し、これら複数の装置により実現されてもよい。
例えば、本発明の一実施の形態におけるユーザ装置100及び基地局201,202は、本発明の無線通信方法の処理を行うコンピュータとして機能してもよい。図9は、本発明の一実施例によるユーザ装置100及び基地局201,202のハードウェア構成を示すブロック図である。上述のユーザ装置100及び基地局201,202は、物理的には、プロセッサ1001、メモリ1002、ストレージ1003、通信装置1004、入力装置1005、出力装置1006、バス1007などを含むコンピュータ装置として構成されてもよい。
なお、以下の説明では、「装置」という文言は、回路、デバイス、ユニットなどに読み替えることができる。ユーザ装置100及び基地局201,202のハードウェア構成は、図に示した各装置を1つ又は複数含むように構成されてもよいし、一部の装置を含まずに構成されてもよい。
ユーザ装置100及び基地局201,202における各機能は、プロセッサ1001、メモリ1002などのハードウェア上に所定のソフトウェア(プログラム)を読み込ませることで、プロセッサ1001が演算を行い、通信装置1004による通信や、メモリ1002及びストレージ1003におけるデータの読み出し及び/又は書き込みを制御することで実現される。
プロセッサ1001は、例えば、オペレーティングシステムを動作させてコンピュータ全体を制御する。プロセッサ1001は、周辺装置とのインターフェース、制御装置、演算装置、レジスタなどを含む中央処理装置(CPU:Central Processing Unit)で構成されてもよい。例えば、上述の各構成要素は、プロセッサ1001で実現されてもよい。
また、プロセッサ1001は、プログラム(プログラムコード)、ソフトウェアモジュールやデータを、ストレージ1003及び/又は通信装置1004からメモリ1002に読み出し、これらに従って各種の処理を実行する。プログラムとしては、上述の実施の形態で説明した動作の少なくとも一部をコンピュータに実行させるプログラムが用いられる。例えば、ユーザ装置100及び基地局201,202の各構成要素による処理は、メモリ1002に格納され、プロセッサ1001で動作する制御プログラムによって実現されてもよく、他の機能ブロックについても同様に実現されてもよい。上述の各種処理は、1つのプロセッサ1001で実行される旨を説明してきたが、2以上のプロセッサ1001により同時又は逐次に実行されてもよい。プロセッサ1001は、1以上のチップで実装されてもよい。なお、プログラムは、電気通信回線を介してネットワークから送信されても良い。
メモリ1002は、コンピュータ読み取り可能な記録媒体であり、例えば、ROM(Read Only Memory)、EPROM(Erasable Programmable ROM)、EEPROM(Electrically Erasable Programmable ROM)、RAM(Random Access Memory)などの少なくとも1つで構成されてもよい。メモリ1002は、レジスタ、キャッシュ、メインメモリ(主記憶装置)などと呼ばれてもよい。メモリ1002は、本発明の一実施の形態に係る無線通信方法を実施するために実行可能なプログラム(プログラムコード)、ソフトウェアモジュールなどを保存することができる。
ストレージ1003は、コンピュータ読み取り可能な記録媒体であり、例えば、CD−ROM(Compact Disc ROM)などの光ディスク、ハードディスクドライブ、フレキシブルディスク、光磁気ディスク(例えば、コンパクトディスク、デジタル多用途ディスク、Blu−ray(登録商標)ディスク)、スマートカード、フラッシュメモリ(例えば、カード、スティック、キードライブ)、フロッピー(登録商標)ディスク、磁気ストリップなどの少なくとも1つで構成されてもよい。ストレージ1003は、補助記憶装置と呼ばれてもよい。上述の記憶媒体は、例えば、メモリ1002及び/又はストレージ1003を含むデータベース、サーバその他の適切な媒体であってもよい。
通信装置1004は、有線及び/又は無線ネットワークを介してコンピュータ間の通信を行うためのハードウェア(送受信デバイス)であり、例えばネットワークデバイス、ネットワークコントローラ、ネットワークカード、通信モジュールなどともいう。例えば、上述の送受信部110、能力情報通知部120、通信制御部210及び能力情報受信部220は、通信装置1004で実現されてもよい。
入力装置1005は、外部からの入力を受け付ける入力デバイス(例えば、キーボード、マウス、マイクロフォン、スイッチ、ボタン、センサなど)である。出力装置1006は、外部への出力を実施する出力デバイス(例えば、ディスプレイ、スピーカー、LEDランプなど)である。なお、入力装置1005及び出力装置1006は、一体となった構成(例えば、タッチパネル)であってもよい。
また、プロセッサ1001やメモリ1002などの各装置は、情報を通信するためのバス1007で接続される。バス1007は、単一のバスで構成されてもよいし、装置間で異なるバスで構成されてもよい。
また、ユーザ装置100及び基地局201,202は、マイクロプロセッサ、デジタル信号プロセッサ(DSP:Digital Signal Processor)、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)、PLD(Programmable Logic Device)、FPGA(Field Programmable Gate Array)などのハードウェアを含んで構成されてもよく、当該ハードウェアにより、各機能ブロックの一部又は全てが実現されてもよい。例えば、プロセッサ1001は、これらのハードウェアの少なくとも1つで実装されてもよい。
情報の通知は、本明細書で説明した態様/実施形態に限られず、他の方法で行われてもよい。例えば、情報の通知は、物理レイヤシグナリング(例えば、DCI(Downlink Control Information)、UCI(Uplink Control Information))、上位レイヤシグナリング(例えば、RRC(Radio Resource Control)シグナリング、MAC(Medium Access Control)シグナリング、報知情報(MIB(Master Information Block)、SIB(System Information Block)))、その他の信号又はこれらの組み合わせによって実施されてもよい。また、RRCシグナリングは、RRCメッセージと呼ばれてもよく、例えば、RRC接続セットアップ(RRC Connection Setup)メッセージ、RRC接続再構成(RRC Connection Reconfiguration)メッセージなどであってもよい。
本明細書で説明した各態様/実施例は、LTE(Long Term Evolution)、LTE−A(LTE-Advanced)、SUPER 3G、IMT−Advanced、4G、5G、FRA(Future Radio Access)、W−CDMA(登録商標)、GSM(登録商標)、CDMA2000、UMB(Ultra Mobile Broadband)、IEEE 802.11(Wi−Fi)、IEEE 802.16(WiMAX)、IEEE 802.20、UWB(Ultra-WideBand)、Bluetooth(登録商標)、その他の適切なシステムを利用するシステム及び/又はこれらに基づいて拡張された次世代システムに適用されてもよい。
本明細書で説明した各態様/実施例の処理手順、シーケンス、フローチャートなどは、矛盾の無い限り、順序を入れ替えてもよい。例えば、本明細書で説明した方法については、例示的な順序で様々なステップの要素を提示しており、提示した特定の順序に限定されない。
本明細書において基地局201,202によって行われるとした特定動作は、場合によってはその上位ノード(upper node)によって行われることもある。基地局を有する1つまたは複数のネットワークノード(network nodes)からなるネットワークにおいて、端末との通信のために行われる様々な動作は、基地局および/または基地局以外の他のネットワークノード(例えば、MMEまたはS-GWなどが考えられるが、これらに限られない)によって行われ得ることは明らかである。上記において基地局以外の他のネットワークノードが1つである場合を例示したが、複数の他のネットワークノードの組み合わせ(例えば、MMEおよびS-GW)であってもよい。
情報等は、上位レイヤ(または下位レイヤ)から下位レイヤ(または上位レイヤ)へ出力され得る。複数のネットワークノードを介して入出力されてもよい。
入出力された情報等は特定の場所(例えば、メモリ)に保存されてもよいし、管理テーブルで管理してもよい。入出力される情報等は、上書き、更新、または追記され得る。出力された情報等は削除されてもよい。入力された情報等は他の装置へ送信されてもよい。
判定は、1ビットで表される値(0か1か)によって行われてもよいし、真偽値(Boolean:trueまたはfalse)によって行われてもよいし、数値の比較(例えば、所定の値との比較)によって行われてもよい。
本明細書で説明した各態様/実施例は単独で用いてもよいし、組み合わせて用いてもよいし、実行に伴って切り替えて用いてもよい。また、所定の情報の通知(例えば、「Xであること」の通知)は、明示的に行うものに限られず、暗黙的(例えば、当該所定の情報の通知を行わない)ことによって行われてもよい。
以上、本発明について詳細に説明したが、当業者にとっては、本発明が本明細書中に説明した実施形態に限定されるものではないということは明らかである。本発明は、特許請求の範囲の記載により定まる本発明の趣旨及び範囲を逸脱することなく修正及び変更態様として実施することができる。したがって、本明細書の記載は、例示説明を目的とするものであり、本発明に対して何ら制限的な意味を有するものではない。
ソフトウェアは、ソフトウェア、ファームウェア、ミドルウェア、マイクロコード、ハードウェア記述言語と呼ばれるか、他の名称で呼ばれるかを問わず、命令、命令セット、コード、コードセグメント、プログラムコード、プログラム、サブプログラム、ソフトウェアモジュール、アプリケーション、ソフトウェアアプリケーション、ソフトウェアパッケージ、ルーチン、サブルーチン、オブジェクト、実行可能ファイル、実行スレッド、手順、機能などを意味するよう広く解釈されるべきである。
また、ソフトウェア、命令などは、伝送媒体を介して送受信されてもよい。例えば、ソフトウェアが、同軸ケーブル、光ファイバケーブル、ツイストペア及びデジタル加入者回線(DSL)などの有線技術及び/又は赤外線、無線及びマイクロ波などの無線技術を使用してウェブサイト、サーバ、又は他のリモートソースから送信される場合、これらの有線技術及び/又は無線技術は、伝送媒体の定義内に含まれる。
本明細書で説明した情報、信号などは、様々な異なる技術のいずれかを使用して表されてもよい。例えば、上記の説明全体に渡って言及され得るデータ、命令、コマンド、情報、信号、ビット、シンボル、チップなどは、電圧、電流、電磁波、磁界若しくは磁性粒子、光場若しくは光子、又はこれらの任意の組み合わせによって表されてもよい。
なお、本明細書で説明した用語及び/又は本明細書の理解に必要な用語については、同一の又は類似する意味を有する用語と置き換えてもよい。例えば、チャネル及び/又はシンボルは信号(シグナル)であってもよい。また、信号はメッセージであってもよい。また、コンポーネントキャリア(CC)は、キャリア周波数、セルなどと呼ばれてもよい。
本明細書で使用する「システム」および「ネットワーク」という用語は、互換的に使用される。
また、本明細書で説明した情報、パラメータなどは、絶対値で表されてもよいし、所定の値からの相対値で表されてもよいし、対応する別の情報で表されてもよい。例えば、無線リソースはインデックスで指示されるものであってもよい。
上述したパラメータに使用する名称はいかなる点においても限定的なものではない。さらに、これらのパラメータを使用する数式等は、本明細書で明示的に開示したものと異なる場合もある。様々なチャネル(例えば、PUCCH、PDCCHなど)及び情報要素(例えば、TPCなど)は、あらゆる好適な名称によって識別できるので、これらの様々なチャネル及び情報要素に割り当てている様々な名称は、いかなる点においても限定的なものではない。
基地局は、1つまたは複数(例えば、3つ)の(セクタとも呼ばれる)セルを収容することができる。基地局が複数のセルを収容する場合、基地局のカバレッジエリア全体は複数のより小さいエリアに区分でき、各々のより小さいエリアは、基地局サブシステム(例えば、屋内用の小型基地局RRH:Remote Radio Head)によって通信サービスを提供することもできる。「セル」または「セクタ」という用語は、このカバレッジにおいて通信サービスを行う基地局、および/または基地局サブシステムのカバレッジエリアの一部または全体を指す。さらに、「基地局」、「eNB」、「セル」、および「セクタ」という用語は、本明細書では互換的に使用され得る。基地局は、固定局(fixed station)、NodeB、eNodeB(eNB)、アクセスポイント(access point)、フェムトセル、スモールセルなどの用語で呼ばれる場合もある。
移動局は、当業者によって、加入者局、モバイルユニット、加入者ユニット、ワイヤレスユニット、リモートユニット、モバイルデバイス、ワイヤレスデバイス、ワイヤレス通信デバイス、リモートデバイス、モバイル加入者局、アクセス端末、モバイル端末、ワイヤレス端末、リモート端末、ハンドセット、ユーザエージェント、モバイルクライアント、クライアント、またはいくつかの他の適切な用語で呼ばれる場合もある。
本明細書で使用する「判断(determining)」、「決定(determining)」という用語は、多種多様な動作を包含する場合がある。「判断」、「決定」は、例えば、計算(calculating)、算出(computing)、処理(processing)、導出(deriving)、調査(investigating)、探索(looking up)(例えば、テーブル、データベースまたは別のデータ構造での探索)、確認(ascertaining)した事を「判断」「決定」したとみなす事などを含み得る。また、「判断」、「決定」は、受信(receiving)(例えば、情報を受信すること)、送信(transmitting)(例えば、情報を送信すること)、入力(input)、出力(output)、アクセス(accessing)(例えば、メモリ中のデータにアクセスすること)した事を「判断」「決定」したとみなす事などを含み得る。また、「判断」、「決定」は、解決(resolving)、選択(selecting)、選定(choosing)、確立(establishing)、比較(comparing)などした事を「判断」「決定」したとみなす事を含み得る。つまり、「判断」「決定」は、何らかの動作を「判断」「決定」したとみなす事を含み得る。
「接続された(connected)」、「結合された(coupled)」という用語、又はこれらのあらゆる変形は、2又はそれ以上の要素間の直接的又は間接的なあらゆる接続又は結合を意味し、互いに「接続」又は「結合」された2つの要素間に1又はそれ以上の中間要素が存在することを含むことができる。要素間の結合又は接続は、物理的なものであっても、論理的なものであっても、或いはこれらの組み合わせであってもよい。本明細書で使用する場合、2つの要素は、1又はそれ以上の電線、ケーブル及び/又はプリント電気接続を使用することにより、並びにいくつかの非限定的かつ非包括的な例として、無線周波数領域、マイクロ波領域及び光(可視及び不可視の両方)領域の波長を有する電磁エネルギーなどの電磁エネルギーを使用することにより、互いに「接続」又は「結合」されると考えることができる。
参照信号は、RS(Reference Signal)と略称することもでき、適用される標準によってパイロット(Pilot)と呼ばれてもよい。
本明細書で使用する「に基づいて」という記載は、別段に明記されていない限り、「のみに基づいて」を意味しない。言い換えれば、「に基づいて」という記載は、「のみに基づいて」と「に少なくとも基づいて」の両方を意味する。
本明細書で使用する「第1の」、「第2の」などの呼称を使用した要素へのいかなる参照も、それらの要素の量または順序を全般的に限定するものではない。これらの呼称は、2つ以上の要素間を区別する便利な方法として本明細書で使用され得る。したがって、第1および第2の要素への参照は、2つの要素のみがそこで採用され得ること、または何らかの形で第1の要素が第2の要素に先行しなければならないことを意味しない。
上記の各装置の構成における「手段」を、「部」、「回路」、「デバイス」等に置き換えてもよい。
「含む(including)」、「含んでいる(comprising)」、およびそれらの変形が、本明細書あるいは特許請求の範囲で使用されている限り、これら用語は、用語「備える」と同様に、包括的であることが意図される。さらに、本明細書あるいは特許請求の範囲において使用されている用語「または(or)」は、排他的論理和ではないことが意図される。
無線フレームは時間領域において1つまたは複数のフレームで構成されてもよい。時間領域において1つまたは複数の各フレームはサブフレームと呼ばれてもよい。サブフレームは更に時間領域において1つまたは複数のスロットで構成されてもよい。スロットはさらに時間領域において1つまたは複数のシンボル(OFDMシンボル、SC-FDMAシンボル等)で構成されてもよい。無線フレーム、サブフレーム、スロット、およびシンボルは、いずれも信号を伝送する際の時間単位を表す。無線フレーム、サブフレーム、スロット、およびシンボルは、それぞれに対応する別の呼び方であってもよい。例えば、LTEシステムでは、基地局が各移動局に無線リソース(各移動局において使用することが可能な周波数帯域幅や送信電力等)を割り当てるスケジューリングを行う。スケジューリングの最小時間単位をTTI(Transmission Time Interval)と呼んでもよい。例えば、1サブフレームをTTIと呼んでもよいし、複数の連続したサブフレームをTTIと呼んでもよいし、1スロットをTTIと呼んでもよい。リソースブロック(RB)は、時間領域および周波数領域のリソース割当単位であり、周波数領域では1つまたは複数個の連続した副搬送波(subcarrier)を含んでもよい。また、リソースブロックの時間領域では、1つまたは複数個のシンボルを含んでもよく、1スロット、1サブフレーム、または1TTIの長さであってもよい。1TTI、1サブフレームは、それぞれ1つまたは複数のリソースブロックで構成されてもよい。上述した無線フレームの構造は例示に過ぎず、無線フレームに含まれるサブフレームの数、サブフレームに含まれるスロットの数、スロットに含まれるシンボルおよびリソースブロックの数、および、リソースブロックに含まれるサブキャリアの数は様々に変更することができる。
以上、本発明の実施例について詳述したが、本発明は上述した特定の実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された本発明の要旨の範囲内において、種々の変形・変更が可能である。