JP2019035998A - 磁気センサおよびカードリーダ - Google Patents

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瀧田 幸彦
Yukihiko Takita
幸彦 瀧田
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Abstract

【課題】接点端子2aおよび異物を検出可能な磁気センサおよびカードリーダを提供すること。【解決手段】カードリーダ100は、カード挿入部50に配置された磁気センサ1を備える。磁気センサ1は、第1検出コイル20および第2検出コイル90と、第1検出コイル20の位置で互いに逆向きの磁界を発生させるとともに、第2検出コイル90の位置で異なる磁界を発生させる第1励磁コイル30および第2励磁コイル40を備える。第1励磁コイル30と第2励磁コイル40は、第1検出コイル20に対して対称で、且つ、第2検出コイル90に対して非対称な位置に配置されている。第1励磁コイル30と第2励磁コイル40の一方を接点端子2aの通過位置に対向させ、第1検出コイル20の出力に基づいて接点端子2aの有無を検出する。また、第2検出コイル90の出力に基づいて異物を検出する。【選択図】図1

Description

本発明は、ICチップを内蔵するカードにIC接点を接触させて通信を行うカードリーダおよびICカードのICチップを検出する磁気センサに関する。
カードリーダによって情報の読取りおよび情報の書込みの少なくとも一方が行われるカードとして、ICチップが搭載されたICカードが用いられる。ICチップが搭載されたカードの表面には、ICチップの接点端子が設けられている。特許文献1には、カード表面の接点端子の有無を検出する磁気センサ(入口センサ)を備えるカードリーダが開示されている。
特許文献1のカードリーダにおいて、ICチップの接点端子を検出する磁気センサ(入口センサ)は、カードと対向するコア端部およびカードとは反対側に突出するコア端部にそれぞれ巻かれた励磁コイルと、コア中央部に巻かれた検出コイルとを備える。カード側のコア端部に巻かれた励磁コイルと、カードとは反対側のコア端部に巻かれた励磁コイルは逆方向の磁界を発生させるように巻かれている。検出コイルの出力は、検出位置にICチップの接点端子が存在しないときは2つの励磁コイルの磁界が等しいため、出力なし(出力がゼロ)となる。一方、検出位置に接点端子が存在するときは、カード側の励磁コイルの磁界に過電流による損失が生じるため、過電流損失に応じた出力が得られ、出力ありとなる。よって、検出コイルの出力に基づき、ICチップの接点端子を検出することができる。
特開2003−337922号公報
ICチップが搭載されるカードには、カード基材としてプラスチックではなく金属を用いたものがある。カード基材が金属であるカード(メタルカード)は、カードに接点端子が設けられていなくてもカード基材に過電流が発生するため、励磁コイルの磁界に過電流による損失が生じる。つまり、特許文献1の磁気センサでは、メタルカードに対しては、接点端子がない場合も検出コイルの出力はゼロにならない。従って、特許文献1の磁気センサでは、カード基材が金属である場合に、ICチップの接点端子の有無を検出コイルの出力がゼロであるかゼロでないかに基づいて判別することはできない。
そこで、2つの励磁コイルが巻かれたコア端部をいずれもカードに対向させることで、カード基材が金属であることに起因する過電流損失の影響を排除して、カード基材が金属であっても検出コイルの出力がゼロになるように構成する。そして、一方のコア端部を接点端子が設けられる位置に対向させ、他方のコア端部を接点端子から外れた位置に対向させるように配置して、接点端子とカード基材の材質の違いによる過電流の差に応じた検出コイルの出力を得ることができる。このような構成の磁気センサは、カード基材が金属である場合も、検出コイルの出力に基づき、ICチップの接点端子を検出することができる。
しかしながら、このような磁気センサの構成は、検出コイルの出力から、カード基材が金属である場合の過電流損失の影響を排除するものであるため、カード以外の金属製の異
物が挿入された場合も同様に、検出コイルの出力から異物に起因する過電流損失の影響が排除される。従って、カード基材が金属であっても接点端子の有無を検出できるものの、金属製の異物の挿入を検出することができない。
以上の問題に鑑みて、本発明の課題は、カード基材が金属であっても金属でなくてもICチップの接点端子の有無を検出することが可能で、且つ、異物を検出可能な磁気センサおよびカードリーダを提供することにある。
上記課題を解決するために、本発明の磁気センサは、コア体と、前記コア体に巻き回される第1検出コイルと、前記コア体に巻き回され、前記第1検出コイルの位置で互いに逆向きの磁界を発生させる第1励磁コイルおよび第2励磁コイルと、前記コア体に巻き回され、前記第1検出コイルの一部を構成するコイル、もしくは、前記第1検出コイルとは別体のコイルである第2検出コイルと、を有し、前記第2検出コイルの位置では、前記第1励磁コイルの磁界と前記第2励磁コイルの磁界の強さの比が、前記第1検出コイルの位置での比とは異なっていることを特徴とする。
本発明では、第1検出コイルと、第1検出コイルの位置で互いに逆向きの磁界を発生させる第1励磁コイルおよび第2励磁コイルを備えている。従って、第1検出コイルからは、第1励磁コイルの磁界および第2励磁コイルの磁界の差に対応する出力が得られる。従って、第1励磁コイルおよび第2励磁コイルの一方をカードに搭載されるICチップの接点端子と対向させ、他方を接点端子から外れた位置でカードと対向させることにより、カード基材が金属などの導体であっても、第1検出コイルからは出力が出ないようにすることができる。また、接点端子を備えたカードに対しては、接点端子による過電流損失に基づく出力を得ることができる。従って、カード基材が金属などの導体であっても、接点端子の有無を検出できる。
更に、本発明では、第2検出コイルを備えており、第2検出コイルの位置では、第1励磁コイルの磁界と第2励磁コイルの磁界の強さの比が第1検出コイルの位置とは異なっている。従って、第1検出コイルの出力が過電流損失の影響を受けない場合でも、第2検出コイルからは、過電流損失に応じた出力が得られる。よって、ICチップの接点端子がない金属製のカードや、金属製の異物が挿入されたことを検出できる。つまり、本発明によれば、第1検出コイルによって接点端子の有無を検出することができ、且つ、第2検出コイルによって異物を検出することができる。
例えば、本発明において、前記第1検出コイルの位置では、前記第1励磁コイルの磁界と前記第2励磁コイルの磁界の強さが同一であり、前記第2検出コイルの位置では、前記第1励磁コイルの磁界と前記第2励磁コイルの磁界の強さが異なることが好ましい。このようにすると、第1検出コイルの出力の有無に基づいて接点端子の有無を検出できる。また、第2検出コイルの出力は異物が挿入された場合に過電流の影響で変化する。従って、第2検出コイルの出力に基づいて、異物を検出することができる。
本発明において、前記第1検出コイルは、第1コイル部分と第2コイル部分を直列に接続して構成され、前記第1コイル部分と前記第2コイル部分の一方が前記第2検出コイルとして用いられ、前記第1検出コイルの出力とは別に、前記第2検出コイルとして用いられるコイル部分の出力を取り出し可能である構成を採用することができる。例えば、第1検出コイルの一部の出力を取り出すことができる端子を設けておくことにより、第1検出コイルの一部を利用して異物の有無を検出できる。このような構成では、第1検出コイルとは別に第2検出コイルを設ける必要がないので、磁気センサを小型化できる。また、コイルの材料を節約することができる。
この場合に、前記第1コイル部分と前記第2コイル部分は、同一巻き数のコイルである構成を採用することができる。このようにすると、第1コイル部分と第2コイル部分のどちらを第2検出コイルとして用いた場合でも、同じ出力を得ることができる。
本発明において、前記第2検出コイルは、前記第1検出コイルとは別体であり、前記第1検出コイルと前記第1励磁コイルの間、または、前記第1検出コイルと前記第2励磁コイルの間に配置されている構成を採用することができる。このようにすると、第2検出コイルを第1検出コイルから離れた位置に設けることができるので、第2検出コイルの位置で、第1励磁コイルによる磁界と第2励磁コイルによる磁界の差を大きくすることができる。従って、異物が挿入された場合の第2検出コイルの出力を大きくすることができる。
本発明において、前記第1励磁コイルおよび前記第2励磁コイルは、一方がカードに搭載されるICチップの接点端子と対向するとき、他方が前記接点端子から外れた位置で前記カードと対向する位置に配置される。このようにすると、カード基材が金属などの導体であっても、第1検出コイルからは出力が出ないようにすることができる。また、接点端子を備えたカードに対しては、接点端子による過電流損失に基づく出力を得ることができる。従って、カード基材が金属などの導体であっても、接点端子の有無を検出できる。
本発明において、前記第1励磁コイルおよび第2励磁コイルは、互いに平行なコイル軸線回りに巻き回されていることが好ましい。このようにすると、第1励磁コイルと第2励磁コイルをカードに対して垂直に配置することができる。カードに対して垂直にコイルを配置すれば、カードに対するコイルの位置決めが容易である。従って、第1励磁コイルと第2励磁コイルの位置精度を高めることができ、磁気センサによる検出精度を高めることができる。また、カードに対して垂直にコイルを配置すれば、渦電流損失を大きくすることができる。従って、接点端子を備えたカードに対する検出コイルの出力を大きくすることができる。
本発明において、前記第1励磁コイルおよび第2励磁コイルは、前記コイル軸線と直交する方向から見て同一位置に配置されることが好ましい。このようにすると、第1励磁コイルと第2励磁コイルをカードに対して等距離の位置に配置し、且つ、第1励磁コイルと第2励磁コイルをカードに対して垂直に配置することができる。
次に、本発明のカードリーダは、上記の磁気センサと、カードを挿入可能なカード挿入路と、前記カード挿入路に接続されるカード搬送路と、前記カード搬送路の所定位置に取り込まれた前記カードの接点端子と接触して前記カードに搭載されたICチップと通信を行うIC接点ブロックと、を有し、前記磁気センサは、前記第1励磁コイルおよび前記第2励磁コイルが前記カード挿入路のカード通過方向と交差する方向に離間しており、前記第1励磁コイルは、前記カードが前記カード挿入路を通過するときに前記接点端子が通過する位置と対向し、前記第2励磁コイルは、前記カードが前記カード挿入路を通過するときに前記接点端子から外れた前記カードの部位が通過する位置と対向することを特徴とする。
本発明のカードリーダによれば、カード基材が金属などの導体であっても、第1励磁コイルの磁界および第2励磁コイルの磁界の差をとることによって、検出コイルの出力から、カード基材に起因する過電流損失の影響を排除することができる。従って、ICチップの接点端子が設けられていないカードに対しては、カード基材が金属などの導体であっても、検出コイルからは出力が出ないようにすることができる。また、接点端子を備えたカードに対しては、接点端子による過電流損失に基づく出力を得ることができる。従って、カード基材が金属などの導体であっても、接点端子の有無を検出することができる。よっ
て、カード挿入路に挿入されるカードがプラスチックカードであっても金属製のメタルカードであっても、当該カードにおけるICチップの接点端子の有無を検出できる。また、第2検出コイルの出力に基づき、接点端子の有無にかかわらず、カード挿入口にメタルカードが挿入されたことを検出できる。また、カード挿入口に金属製の異物が挿入されたことを検出できる。
本発明において、前記磁気センサは、前記カード挿入路に前記接点端子を持たないカードが挿入された状態、あるいは、前記カードが挿入されていない状態で、前記第1検出コイルの出力が予め設定した値となるように前記第1励磁コイルの通電量および前記第2励磁コイルの通電量が設定されていることが好ましい。このようにすると、磁気センサ自体の組立誤差や、カードリーダへの磁気センサの取付誤差などに起因する第1検出コイルの出力の変動を通電量の調整によって解消することができる。従って、接点端子なしのカードに対して第1検出コイルの出力がゼロとなるように調整すれば、第1検出コイルの出力の有り無しによって接点端子の有無を判別することができる。よって、接点端子の有無を精度良く検出することができる。
本発明によれば、第1励磁コイルおよび第2励磁コイルの一方をカードに搭載されるICチップの接点端子と対向させ、他方を接点端子から外れた位置でカードと対向させることにより、カード基材が金属などの導体であっても、第1検出コイルからは出力が出ないようにすることができる。また、接点端子を備えたカードに対しては、接点端子による過電流損失に基づく出力を得ることができる。従って、カード基材が金属などの導体であっても、接点端子の有無を検出できる。更に、第2検出コイルを備えており、第2検出コイルの位置では、第1励磁コイルの磁界および第2励磁コイルの磁界の比が第1検出コイルの位置とは異なっている。従って、第1検出コイルの出力からカード基材による過電流損失の影響が排除される場合でも、第2検出コイルからは、カード基材による過電流損失に応じた出力が得られる。よって、ICチップの接点端子がない金属製のカードや、金属製の異物が挿入されたことを検出できる。つまり、本発明によれば、第1検出コイルによって接点端子の有無を検出することができ、且つ、第2検出コイルによって異物を検出することができる。
本発明を適用した実施形態1の磁気センサおよびICカードの説明図である。 ICカードの接点端子を検出するための磁気センサの配置の説明図である。 磁気センサと対向する位置を通過する物体の構成と第1検出コイルおよび第2検出コイルの出力との対応関係を示すテーブルである。 本発明を適用した実施形態2の磁気センサおよびICカードの説明図である。 本発明を適用した磁気センサを搭載したカードリーダを側方から見た説明図である。 図5のカードリーダにおけるカード挿入部の側面図および正面図である。
以下、図面を参照しながら、本発明を適用した磁気センサおよびカードリーダの実施形態を説明する。
(実施形態1)
図1は、本発明を適用した実施形態1の磁気センサ1およびICカード2の説明図である。磁気センサ1は、コア体10と、コア体10に巻き回された第1検出コイル20および第2検出コイル90と、第1検出コイル20に対して互いに対称な位置でコア体10に巻き回された第1励磁コイル30および第2励磁コイル40を備える。図1において、X
方向およびY方向は互いに直交する方向である。本明細書では、X方向の一方側をX1、他方側をX2とする。また。Y方向の一方側をY1、他方側をY2とする。X方向およびY方向は、薄板状部材からなるコア体10の板厚方向に対して垂直な方向である。磁気センサ1は、コア体10のX方向の中央を基準としてY方向に対称に形成されている。
コア体10は、第1検出コイル20が巻き回されるコア中央部11と、第1励磁コイル30および第2検出コイル90が巻き回される第1コア端部12と、第2励磁コイル40が巻き回される第2コア端部13を備える。コア中央部11は略矩形であり、コア体10のX方向の中央に位置する。コア中央部11は、Y方向の両側の辺の中央部を切り欠いた形状である。すなわち、コア中央部11は、X方向に所定長さで延在するコイル巻回部111と、コイル巻回部111のX方向の一方側X1の端部に設けられるフランジ部112A、および、他方側X2の端部に設けられるフランジ部112Bを備える。フランジ部112A,112Bは、コイル巻回部111よりY方向の幅が大きい。コア中央部11において第1検出コイル20が巻かれる範囲は、フランジ部112A、112Bによって規制される。
コア体10は、コア中央部11からX方向の一方側X1および他方側X2へそれぞれ直線状に突出する第1腕部14および第2腕部15を備える。第1コア端部12および第2コア端部13は、第1腕部14および第2腕部15の先端から、それぞれ、Y方向の一方側Y1に向かって直線状に延びている。コア体10は、コア中央部11と、第1腕部14および第2腕部15と、第1コア端部12および第2コア端部13が一体に形成された薄板状部材である。コア体10において、第1腕部14および第2腕部15はX方向の長さが同一であり、第1コア端部12および第2コア端部13はY方向の長さが同一である。第1励磁コイル30は第1コア端部12の先端に巻き回されており、第2検出コイル90は第1励磁コイル30と検出コイル20との間で第1コア端部12に巻き回されている。また、第2励磁コイル40は、第2コア端部13の先端において、Y方向の位置が第1励磁コイル30と同一位置となるように巻き回されている。
このように、コア体10は、第1コア端部12および第2コア端部13が互いに平行に延びており、第1コア端部12および第2コア端部13は、コア中央部11に対して同じ側(Y方向の一方側Y1)に延びている。従って、磁気センサ1は、第1検出コイル20に対して第1励磁コイル30および第2励磁コイル40が同じ側(本形態では、Y方向の一方側Y1)に配置されている。第1検出コイル20は、X方向と平行なコイル軸線周りに巻き回されている。一方、第1励磁コイル30および第2励磁コイル40は、第1検出コイル20のコイル軸線と直交するコイル軸線周りに巻き回されている。すなわち、第1励磁コイル30および第2励磁コイル40のコイル軸線は互いに平行であり、Y方向と平行である。また、第1励磁コイル30および第2励磁コイル40は、コイル軸線と直交する方向(X方向)から見た場合に同一位置に配置されている。
磁気センサ1において、第1励磁コイル30と第2励磁コイル40は、第1コア端部12および第2コア端部13がカードと対向していない状態、あるいは、ICチップの接点端子2aがないカードと対向している状態では、第1検出コイル20の位置で、第1励磁コイル30の磁界φ1と第2励磁コイル40の磁界φ2が同一強さであり、且つ、逆方向の磁界となるようにコイル巻き数および通電量が設定されている。
(磁気センサによるICカード上の接点端子の検出)
図2は、ICカード2の接点端子2aを検出するための磁気センサ1の配置の説明図である。図2(a)は磁気センサ1が接点端子2aと対向する位置(図2(c)のA位置)にある状態を示し、図2(b)は磁気センサ1が接点端子2aから外れた位置(図2(c)のB位置)にある状態を示す。図2(c)はICカード2の平面図である。ICカード
2は、例えば、厚さが0.7〜0.8mm程度の矩形状のカードである。ICカード2は、用途に応じて各種のカード基材により形成される。カード基材には、プラスチック(例えば、塩化ビニール)、金属、紙などがある。カード2にはICチップ(図示省略)が搭載され、カード2の表面にはICチップとの通信用の接点端子2aが設けられる。図2(c)では、接点端子2aが2列に配置されている。また、ICカード2には、用途に応じて、磁気ストライプ(図示省略)が形成される。
図2(a)に示すように、接点端子2aの検出は、磁気センサ1とICカード2とをY方向に対向させて行う。Y方向はICカード2に対して垂直な方向である。ICカード2が図2(c)の矢印で示すカード通過方向F1に移動する際、磁気センサ1は、接点端子2aと対向するA位置、および、接点端子2aと対向しないB位置を経由する。磁気センサ1は、A位置とB位置で第1検出コイル20の出力が異なるように構成されている。
図2(a)に示すように、磁気センサ1は、ICカード2のカード幅方向であるX方向において、第1励磁コイル30と第2励磁コイル40の一方は、ICカード2に設けられた接点端子2aが通過する位置に配置される。また、第1励磁コイル30と第2励磁コイル40の他方は、接点端子2aの通過位置から外れた位置で、カード基材のみが通過する位置に配置される。例えば、本形態では、カード通過方向F1と直交する方向(X方向)に第1励磁コイル30と第2励磁コイル40が並んでいる。なお、第1励磁コイル30と第2励磁コイル40は、本形態のようにカード通過方向F1と直交する方向(X方向)に並んでいなくても良く、カード通過方向F1と交差する方向に並んで配置されていればよい。
磁気センサ1は、第1励磁コイル30と第2励磁コイル40がICカード2とY方向に対向するように配置される。第1励磁コイル30は、接点端子2aの通過位置とY方向に対向する位置に配置される。なお、第2励磁コイル40が接点端子2aの通過位置とY方向に対向し、第1励磁コイル30が接点端子2aの通過位置から外れた位置(カード基材のみが通過する位置)と対向するように磁気センサ1を配置してもよい。
図1に示すように、磁気センサ1は、第1コア端部12および第2コア端部13の先端をICカード2に向けて、第1コア端部12および第2コア端部13がICカード2に対して垂直となるように配置される。これにより、第1励磁コイル30および第2励磁コイル40のコイル軸線方向がICカード2に対して垂直となる。また、この状態では、第1励磁コイル30とICカード2との距離D1は、第2励磁コイル40とICカード2との距離D2と同一になる。この状態で、第1励磁コイル30および第2励磁コイル40に通電すると、第1検出コイル20の位置の磁界は、第1励磁コイル30の磁界φ1と、第2励磁コイル40の磁界φ2を合成した磁界となる。
図3は、磁気センサ1と対向する位置を通過する物体の構成と第1検出コイル20の出力および第2検出コイル90の出力との対応関係を示すテーブルである。図3において、「プラスチックカード」はカード基材がプラスチックである場合を示し、「メタルカード」はカード基材が金属である場合を示す。また、「接点あり」「接点なし」は、それぞれ、接点端子2aを備えている場合と、備えていない場合を示す。「カードなし」は、磁気センサ1と対向する位置にICカード2が存在しない場合を示す。磁気センサ1は、「カードなし」の状態において、第1励磁コイル30の磁界φ1と、第2励磁コイル40の磁界φ2が逆向きで且つ同一強さ(例えば、φ1=H、φ2=−H)となるように構成されている。従って、「カードなし」の状態では、第1検出コイル20の位置の磁界はφ1+φ2=0となるので、第1検出コイル20の出力は得られず、「出力なし」となる。
ICカードが接点端子2aを備えている場合は、磁気センサ1がA位置を通過するとき
、第1励磁コイル30の磁界φ1は、接点端子2aを構成する金属で発生する過電流の影響を受ける。例えば、「プラスチックカード」で「接点あり」の場合は、接点端子2aに起因する過電流損失をΔφとすると、第1検出コイル20の位置における第1励磁コイル30の磁界φ1は、φ1=H−Δφとなる。一方、第2励磁コイル40の磁界φ2には、過電流の影響はない。従って、第2励磁コイル40の磁界φ2は、φ2=−Hである。その結果、第1検出コイル20の位置の磁界(φ1+φ2)は、φ1+φ2=−Δφとなるので、第1検出コイル20からは、接点端子2aに起因する過電流損失Δφに応じた強さの出力が得られる。よって、「プラスチックカード」で「接点あり」の場合は、第1検出コイル20の出力は「出力あり」となる。
ICカード2が「メタルカード」で「接点あり」の場合は、第1励磁コイル30に対向する位置と第2励磁コイル40に対向する位置のいずれにおいても、金属のカード基材が存在し、カード基材に過電流が発生する。加えて、第1励磁コイル30に対向する位置では、接点端子2aにも過電流が発生する。従って、接点端子2aに起因する過電流損失をΔφ、カード基材に起因する過電流損失をΔφ1とすると、第1検出コイル20の位置における第1励磁コイル30の磁界φ1は、接点端子2aとカード基材の両方の影響を受けるので、φ1=H−Δφ−Δφ1となる。また、第2励磁コイル40の磁界φ2は、カード基材の影響のみを受けるので、φ2=−(H−Δφ1)となる。
つまり、本形態の磁気センサ1は、第1励磁コイル30の磁界φ1と第2励磁コイル40の磁界φ2が、いずれもカード基材で発生する過電流の影響を同じように受ける。そのため、第1検出コイル20の位置の磁界(φ1+φ2)は、カード基材に起因する過電流損失Δφ1が互いに打ち消し合ってその影響が排除される。よって、「メタルカード」「接点あり」の場合においても、第1検出コイル20の位置の磁界(φ1+φ2)は−Δφとなり、第1検出コイル20からは、接点端子2aに起因する過電流損失Δφに応じた強さの出力が得られる。つまり、磁気センサ1は、ICカード2のカード基材が金属であっても金属でなくても、「接点あり」のICカード2に対しては「出力あり」となる。
次に、ICカード2が接点端子2aを備えていない場合の磁気センサ1の出力を説明する。図2(b)は、磁気センサ1が接点端子2aから外れたB位置でICカード2と対向する状況を示す。ICカード2が接点端子2aを備えていない場合、この状況と同じ出力が得られる。図2(b)では、第1励磁コイル30と第2励磁コイル40は、両方ともカード基材と対向する。ここで、ICカード2が「プラスチックカード」である場合、第1励磁コイル30の磁界φ1と、第2励磁コイル40の磁界φ2は、いずれも「カードなし」の状態と同様に過電流の影響を受けない。従って、「プラスチックカード」「接点なし」の場合、第1検出コイル20の位置の磁界は、φ1+φ2=0となり、第1検出コイル20の出力は「出力なし」となる。
また、「メタルカード」「接点なし」の場合、第1励磁コイル30と第2励磁コイル40は、両方とも金属のカード基材と対向する。従って、第1検出コイル20の位置における第1励磁コイル30の磁界φ1は、φ1=H−Δφ1となる。また、第2励磁コイル40の磁界φ2は、φ2=−(H−Δφ1)となる。そして、第1検出コイル20の位置の磁界(φ1+φ2)は、カード基材に起因する過電流損失Δφ1が互いに打ち消し合ってその影響が排除されるので、φ1+φ2=0となる。よって、「メタルカード」「接点なし」の場合、第1検出コイル20の出力は「出力なし」となる。
(磁気センサによる異物の検出)
上記のように、第1検出コイル20の出力は、カード基材が金属である「メタルカード」の「接点なし」場合は「出力なし」となる。つまり、第1検出コイル20の出力では、金属製の異物が磁気センサ1と対向する位置を通過してもその存在を検出することができ
ない。そのため、磁気センサ1は、第2検出コイル90の出力に基づき、異物の検出を行う。
第2検出コイル90は、第1検出コイル20と異なる位置に配置されている。第1励磁コイル30と第2励磁コイル40は、第1検出コイル20に対して対称な位置に配置されているが、第2検出コイル90に対しては非対称な位置に配置されている。つまり、第2検出コイル90の位置では、第1励磁コイル30の磁界φ1´と第2励磁コイル40の磁界φ2´との比が、第1検出コイル20の位置での磁界φ1、φ2の比とは異なる。すなわち、第1検出コイル20の位置では、第1励磁コイル30の磁界φ1と第2励磁コイル40の磁界φ2は、逆向きで且つ同一の強さである。これに対し、第2検出コイル90の位置では、第1励磁コイル30の磁界φ1´と第2励磁コイル40の磁界φ2´は、逆向きで且つ強さが異なる。従って、第2検出コイル90の位置の磁界φ1´+φ2´はゼロにはならず、第2検出コイル90の位置に応じた強さとなる。
以下、磁気センサ1と対向する位置にカード等の物体がない場合の、第2検出コイル90の位置の磁界φ1´+φ2´の強さを「基準磁界H1」とする。第2検出コイル90の出力は、「プラスチックカード」で「接点なし」の場合、および、「カードなし」の場合には、いずれも金属などの過電流の発生源がないため、過電流損失はない。従って、第2検出コイル90からは、基準磁界H1に応じた出力(基準出力)が得られる。
「プラスチックカード」で「接点あり」の場合、磁界φ1´+φ2´は接点端子2aに起因する渦電流損失の影響を受けるため、第2検出コイル90の位置の磁界φ1´+φ2´は、基準磁界H1より小さくなる。従って、第2検出コイル90の出力は基準出力より小さくなる。
「メタルカード」で「接点なし」の場合は、第1励磁コイル30の磁界φ1´と第2励磁コイル40の磁界φ2´がいずれも金属製のカード基材で発生する過電流の影響を受ける。ここで、第1検出コイル20では、第1励磁コイル30の磁界φ1と第2励磁コイル40の磁界φ2が同一であったため、過電流損失Δφ1も同一である。従って、第1検出コイル20の位置の磁界φ1+φ2に対しては、カード基材の影響は相殺された。しかしながら、第2検出コイル90の位置では、第1励磁コイル30の磁界φ1´と第2励磁コイル40の磁界φ2´は強さが異なるので、過電流損失が異なり、相殺されない。そのため、第2検出コイル90の位置の磁界φ1´+φ2´は、基準磁界H1より小さくなる。従って、第2検出コイル90の出力は基準出力より小さくなる。
「メタルカード」で「接点あり」の場合、カード基材による過電流損失の影響は、「メタルカード」で「接点なし」の場合と同様に相殺されない。加えて、接点端子2aに起因する渦電流損失の影響を受ける。従って、第2検出コイル90の位置の磁界φ1´+φ2´は、基準磁界H1より小さくなる。従って、第2検出コイル90の出力は基準出力より小さくなる。
「金属異物」が磁気センサ1の位置を通過するとき、第1検出コイル20の位置では、第1励磁コイル30の磁界φ1と第2励磁コイル40の磁界φ2は、金属異物に応じた過電流損失Δφ2の影響を受けるが、第1検出コイル20の出力は「出力なし」となる。一方、第2検出コイル90の位置では、「メタルカード」の場合と同様に、第1励磁コイル30の磁界φ1´と第2励磁コイル40の磁界φ2´がいずれも金属異物で発生する過電流の影響を受ける。そして、第1励磁コイル30の磁界φ1´と第2励磁コイル40の磁界φ2´は強さが異なるため、過電流損失も異なり、相殺されない。そのため、第2検出コイル90の位置の磁界φ1´+φ2´は、基準磁界H1より小さくなる。従って、第2検出コイル90の出力は基準出力より小さい。
以上のように、第2検出コイル90の出力は、「カードなし」の場合の出力を「基準出力」とすると、金属異物に対しては、基準出力より小さい出力となる。従って、磁気センサ1は、金属異物の有無に応じて第2検出コイル90の出力が変化するので、第2検出コイル90の出力に基づいて金属異物の有無を検出することができる。
(実施形態2)
図4は、本発明を適用した実施形態2の磁気センサ1Aの説明図である。以下、実施形態1の磁気センサ1と異なる点のみ説明する。実施形態2の第1検出コイル20Aは、第1コイル部分21と、第2コイル部分22を直列に接続して構成される。第1コイル部分21と第2コイル部分22は同一巻き数のコイルであり、第1検出コイル20AのX方向の中心Pを基準として対称に形成されている。第1検出コイル20Aには、第1コイル部分21の出力をとるための端子23、24が第1コイル部分21の両端に設けられ、第2コイル部分22の出力をとるための端子25、26が第2コイル部分22の両端に設けられている。従って、端子23、26を用いて第1検出コイル20A全体の出力をとることができる。
実施形態2では、第1検出コイル20Aの一部を構成する第1コイル部分21、もしくは、第2コイル部分22のいずれか一方を実施形態1の第2検出コイル90と同様に、金属異物を検出するためのコイルとして用いることができる。第1コイル部分21(第2検出コイル)は、第1検出コイル20Aの中心Pから外れた位置に配置され、第1励磁コイル30と第2励磁コイル40は、第1コイル部分21に対して非対称な位置に配置されている。そのため、第1コイル部分21の位置では、第1励磁コイル30の磁界φ1´と第2励磁コイル40の磁界φ2´との比が、第1検出コイル20Aの位置(第1検出コイル20Aの中心P)での第1励磁コイル30の磁界φ1と第2励磁コイル40の磁界φ2の比とは異なっている。
第1コイル部分21(第2検出コイル)の位置での第1励磁コイル30の磁界φ1´と第2励磁コイル40の磁界φ2´の比が、第1検出コイル20Aの位置での第1励磁コイル30の磁界φ1と第2励磁コイル40の磁界φ2の比と異なっていれば、第1検出コイル20Aの位置で磁界φ1と磁界φ2が逆向きで且つ同一強さとなるように第1励磁コイル30および第2励磁コイル40の通電量を調整したとしても、第1コイル部分21(第2検出コイル)の位置の磁界φ1´+φ2´はゼロにはならない。従って、実施形態1と同様に、カードなしの場合に第1コイル部分21から所定の出力(基準出力)を得ることができる。そして、金属異物の有無に応じて、第1コイル部分21の出力が変化するように構成することができる。従って、第1コイル部分21を第2検出コイルとして用いて、第1コイル部分21の出力に基づき、金属異物の有無を検出することができる。
なお、第1コイル部分21でなく第2コイル部分22を第2検出コイルとして用いてもよい。実施形態2では、第1コイル部分21と第2コイル部分22が同一巻き数であるため、どちらを用いても同じ出力を得ることができる。また、第1コイル部分21と第2コイル部分22の巻き数は異なっていてもよい。第1励磁コイル30と第2励磁コイル40が非対称な配置となるようなコイルであれば、第2検出コイルとして用いることができる。
(磁気センサを搭載したカードリーダ)
図5は本発明を適用した磁気センサを搭載したカードリーダ100を側方から見た説明図である。実施形態1の磁気センサ1、および、実施形態2の磁気センサ1Aは、いずれも図5のカードリーダに搭載することができる。また、図6は図5のカードリーダ100におけるカード挿入部50の側面図および正面図であり、図6(a)は側面図であり、図
6(b)は正面図である。カードリーダ100は、ICカード2に記録されたデータの読取りおよびICカード2へのデータの書込みの少なくとも一方を行う装置であり、所定の上位装置に搭載されて使用される。
図5に示すように、カードリーダ100は、カードリーダ本体60と、カードリーダ本体60の前端に設けられるカード挿入部50を備える。カードリーダ本体60の内部には、カード挿入部50から挿入されたICカード2が搬送されるカード搬送路61が形成されている。カードリーダ本体60は、ICカード2の接点端子2aと接触してデータの通信を行うIC接点ブロック62を備える。また、カードリーダ本体60は、磁気ストライプを備えるICカード2から磁気データの読取りおよび書込みの少なくとも一方を行う磁気ヘッド63を備える。IC接点ブロック62および磁気ヘッド63は、カード搬送路61の所定位置に配置される。
カードリーダ本体60は、カード搬送路61においてICカード2の搬送位置を検出するセンサ(図示省略)と、カード搬送機構64を備える。カード搬送機構64は、搬送ローラ641と、モータ642と、モータ642の回転を搬送ローラ641に伝達する駆動力伝達機構643を備える。
図5、図6(a)に示すように、カード挿入部50は、カード挿入口51と、カード挿入口51からICカード2が挿入されるカード挿入路52を備える。カード挿入路52は、カードリーダ本体60のカード搬送路61と繋がっている。カード挿入口51は、装置幅方向に直線状に延在するスリット状のカード挿入路52を中心として、装置前方に向かうに従って開口高さが増大する形状である。
また、カード挿入部50は、カード挿入路52を開閉するシャッター53と、シャッター53に対してカード挿入口51側に配置されるプリヘッド54および磁気センサ1と、カード挿入口51へのICカード2の挿入を検知する挿入検知センサ(図示省略)を備える。プリヘッド54は、ICカード2が磁気ストライプを備えている場合に、磁気ストライプに記録される磁気データを検出する。磁気センサ1は、ICカード2にICチップが搭載されているか否かを判別するため、ICカード2の接点端子2aを検出する。
磁気センサ1は、カード挿入口51とプリヘッド54の間に配置され、カード挿入路52を間に挟んでプリヘッド54と反対側に配置されている。この配置は、ICカード2において、磁気ストライプはカードの一方の面に設けられ、ICチップの接点端子2aはカードの他方の面に設けられることを前提としている。
図6(b)に示すように、磁気センサ1は、カード挿入部50を装置正面側から見た場合にカード挿入路52の幅方向の一方側寄りの位置に配置される。この位置は、カード挿入路52にICカード2が正しい姿勢で挿入された場合に、磁気センサ1の第1励磁コイル30がICカード2の接点端子2aが通過する位置と対向し、第2励磁コイル40が接点端子2aから外れた位置と対向する位置である。なお、磁気センサ1の説明において述べたように、第1励磁コイル30と第2励磁コイル40の位置が逆であってもよい。ICカード2の正しい挿入姿勢は、図6(a)に示すように、接点端子2aが設けられた面を上側に向けるとともに、接点端子2aがICカード2の挿入方向前方側に位置する姿勢である。
カードリーダ100の制御部(図示省略)には、磁気センサ1およびプリヘッド54を含む各種のセンサの信号が入力される。制御部は、これらのセンサの信号に基づいてカードリーダ100の各部の制御を行う。カード挿入部50へICカード2が挿入される前は、シャッター53はカード挿入路52を閉鎖した状態となっている。カードリーダ100
の制御部は、挿入検知センサの出力によりカード挿入路52へのカード状の物体の挿入を検知すると、磁気センサ1の信号に基づいて接点端子2aの有無を判定する。また、プリヘッド54の信号に基づいて、磁気ストライプへの磁気データの記録の有無を判定する。そして、接点端子2aが検出されたと判定した場合には、正常なICカード2が正しい姿勢で挿入されたと判定して、シャッター駆動機構(図示省略)を駆動してシャッター53を開けて、ICカード2をカード搬送路61へ取り込む。そして、カード搬送路61においてICカード2を搬送し、IC接点ブロック62をICカード2の接点端子2aと接触させて、ICチップとのデータの通信を行う。また、ICカード2が磁気ストライプを備えている場合には、磁気ヘッド63により、磁気データの読取りや書込みを行う。
ここで、磁気センサ1の組立誤差、および、カードリーダ100への磁気センサ1の取付誤差などに起因して、図1に示す距離D1、D2が同一とならないような配置で磁気センサ1が取り付けられた場合には、磁気センサ1の第1検出コイル20の出力に誤差が生じ、図3に示すような対応関係が得られないおそれがある。そこで、第1励磁コイル30と第2励磁コイル40への通電量を調整することにより、第1検出コイル20の出力の誤差を低減させることができる。すなわち、カードリーダ100への磁気センサ1の取付後に、カードなし状態、あるいは接点端子2aを持たないカードを挿入した状態で第1検出コイル20からの出力が「出力なし」となるように、第1励磁コイル30と第2励磁コイル40への通電量を調整する。これにより、図3に示すような対応関係が得られるので、接点端子2aの有無を精度良く検出することができる。
なお、カードなし状態、あるいは接点端子2aを持たないカードを挿入した状態で第1検出コイル20からの出力が予め設定した出力となるように、第1励磁コイル30と第2励磁コイル40への通電量を調整することもできる。
(本形態の主な効果)
以上説明したように、実施形態1、2の磁気センサ1、1Aは、第1検出コイル20の位置で互いに逆向きの磁界を発生させる第1励磁コイル30および第2励磁コイル40を備えているため、第1検出コイル20からは、第1励磁コイル30の磁界および第2励磁コイル40の磁界の差に対応する出力が得られる。そして、第1励磁コイル30および第2励磁コイル40は、一方がICカード2に搭載されるICチップの接点端子2aと対向するとき、他方が接点端子2aから外れた位置でICカード2と対向する間隔で並んで配置されている。従って、カード基材が金属などの導体であっても、第1励磁コイル30の磁界および第2励磁コイル40の磁界の差をとることによって、第1検出コイル20の出力から、カード基材に起因する過電流損失の影響を排除することができる。従って、ICチップの接点端子2aが設けられていないカードに対しては、カード基材が金属などの導体であっても、第1検出コイル20からは出力が出ないようにすることができる。また、接点端子2aを備えたICカード2に対しては、接点端子2aによる過電流損失に基づく出力を得ることができる。従って、カード基材が金属などの導体であっても、接点端子2aの有無を検出できる。
実施形態1の磁気センサ1は、第2検出コイル90を備えており、第2検出コイル90の位置では、第1励磁コイル30の磁界φ1´と第2励磁コイル40の磁界φ2´の強さの比が第1検出コイル20の位置とは異なっている。このため、第1検出コイル20の位置で、第1励磁コイル30の磁界φ1と第2励磁コイル40の磁界φ2が同一である場合に、第2検出コイル90の位置では、第1励磁コイル30の磁界φ1´と第2励磁コイル40の磁界φ2´が異なっている。従って、第1検出コイル20の出力が金属による過電流の影響を受けない場合でも、第2検出コイル90では、金属の有無によって出力が変化する。よって、第2検出コイル90の出力により、ICチップの接点端子2aがない金属製のカードや、金属製の異物が挿入されたことを検出できる。つまり、本発明によれば、
第1検出コイル20によって接点端子2aの有無を検出することができ、且つ、第2検出コイル90によって異物を検出することができる。また、実施形態1では、第2検出コイル90が第1検出コイル20と別体であるため、第1検出コイル20から離れた位置に第2検出コイル90を設けることができ、磁気センサ1が異物等と対向していない場合の基準出力を大きくすることができる。従って、金属異物を精度良く検出することができる。
実施形態2の磁気センサ1Aは、第1検出コイル20Aが第1コイル部分21と第2コイル部分22を直列に接続して構成され、第1コイル部分21と第2コイル部分22の一方を第2検出コイルとして用いることができる。第1検出コイル20Aは、第1検出コイル20A全体の出力とは別に、第2検出コイルとして用いられる第1コイル部分21、あるいは第2コイル部分22の出力を取り出すことができる。従って、第1検出コイル20Aの一部を利用して異物の有無を検出できる。このような構成では、第1検出コイル20Aとは別に第2検出コイルを設ける必要がないので、磁気センサ1Aを小型化できる。また、コイルの材料を節約することができる。
実施形態1、2では、第1励磁コイル30が巻かれる第1コア端部12と、第2励磁コイル40が巻かれる第2コア端部13は、第1検出コイル20が巻かれるコア中央部11から同じ側(Y方向の一方側Y1)に平行に延びている。従って、第1励磁コイル30と第2励磁コイル40を第1検出コイル20に対して同じ側に配置し、第1励磁コイル30と第2励磁コイル40をカード通過方向と交差する方向に並べて配置して、ICカード2と対向させることができる。
また、実施形態1、2では、第1励磁コイル30と第2励磁コイル40を互いに平行なコイル軸線回りに巻き回しているので、第1励磁コイル30と第2励磁コイル40をICカード2に対して垂直に配置することができる。ICカード2に対して垂直に第1励磁コイル30および第2励磁コイル40を配置すれば、ICカード2に対する第1励磁コイル30および第2励磁コイル40の位置決めが容易である。従って、第1励磁コイル30と第2励磁コイル40の位置精度を高めることができ、磁気センサ1による検出精度を高めることができる。また、ICカード2に対して垂直に第1励磁コイル30および第2励磁コイル40を配置すれば、渦電流損失を大きくすることができる。従って、接点端子2aを備えたICカード2に対する検出コイルの出力を大きくすることができる。
更に、実施形態1、2では、第1励磁コイル30および第2励磁コイル40は、コイル軸線方向(Y方向)と直交する方向(X方向)から見て同一位置に配置される。これにより、第1励磁コイル30と第2励磁コイル40をICカード2に対して垂直にした状態で、ICカード2に対して等距離の位置に配置することができる。従って、接点端子2aがないICカードに対しては、第1検出コイル20の出力が出ないようにすることができる。よって、第1検出コイル20の出力の有り無しによって接点端子2aの有無を判別できるため、接点端子2aの検出が容易である。
本形態のカードリーダ100は、上記の磁気センサ1もしくは磁気センサ1Aを備えている。磁気センサ1、1Aは、ICカードが正しい姿勢でカードリーダ100のカード挿入路52を通過するときに、第1励磁コイル30は、ICカード2の接点端子2aが通過する位置と対向し、且つ、第2励磁コイル40は、ICカード2の接点端子2aから外れた部位が通過する位置と対向するように配置されている。従って、カード基材が金属などの導体であっても、第1励磁コイル30の磁界および第2励磁コイル40の磁界の差をとることによって、第1検出コイル20の出力から、カード基材に起因する過電流損失の影響を排除することができる。よって、カード挿入路に挿入されるカードがプラスチックカードであっても金属製のメタルカードであっても、当該カードにおけるICチップの接点端子の有無を検出できる。更に、金属異物のカード挿入路への挿入を検出することができ
る。
1、1A…磁気センサ、2…ICカード、2a…接点端子、10…コア体、11…コア中央部、12…第1コア端部、13…第2コア端部、14…第1腕部、15…第2腕部、20、20A…第1検出コイル、21…第1コイル部分、22…第2コイル部分、23、24、25、26…端子、30…第1励磁コイル、40…第2励磁コイル、50…カード挿入部、51…カード挿入口、52…カード挿入路、53…シャッター、54…プリヘッド、60…カードリーダ本体、61…カード搬送路、62…接点ブロック、63…磁気ヘッド、64…カード搬送機構、90…第2検出コイル、100…カードリーダ、111…コイル巻回部、112A、112B…フランジ部、641…搬送ローラ、642…モータ、643…駆動力伝達機構、D1、D2…距離、F1…カード通過方向、P…第1検出コイルの中心

Claims (10)

  1. コア体と、
    前記コア体に巻き回される第1検出コイルと、
    前記コア体に巻き回され、前記第1検出コイルの位置で互いに逆向きの磁界を発生させる第1励磁コイルおよび第2励磁コイルと、
    前記コア体に巻き回され、前記第1検出コイルの一部を構成するコイル、もしくは、前記第1検出コイルとは別体のコイルである第2検出コイルと、を有し、
    前記第2検出コイルの位置では、前記第1励磁コイルの磁界と前記第2励磁コイルの磁界の強さの比が、前記第1検出コイルの位置での比とは異なることを特徴とする磁気センサ。
  2. 前記第1検出コイルの位置では、前記第1励磁コイルの磁界と前記第2励磁コイルの磁界の強さが同一であり、
    前記第2検出コイルの位置では、前記第1励磁コイルの磁界と前記第2励磁コイルの磁界の強さが異なることを特徴とする請求項1に記載の磁気センサ。
  3. 前記第1検出コイルは、第1コイル部分と第2コイル部分を直列に接続して構成され、
    前記第1コイル部分と前記第2コイル部分の一方が前記第2検出コイルとして用いられ、
    前記第1検出コイルの出力とは別に、前記第2検出コイルとして用いられるコイル部分の出力を取り出す端子が設けられていることを特徴とする請求項1または2に記載の磁気センサ。
  4. 前記第1コイル部分と前記第2コイル部分は、同一巻き数のコイルであることを特徴とする請求項3に記載の磁気センサ。
  5. 前記第2検出コイルは、前記第1検出コイルとは別体であり、前記第1検出コイルと前記第1励磁コイルの間、または、前記第1検出コイルと前記第2励磁コイルの間に配置されていることを特徴とする請求項1または2に記載の磁気センサ。
  6. 前記第1励磁コイルおよび前記第2励磁コイルは、一方がカードに搭載されるICチップの接点端子と対向するとき、他方が前記接点端子から外れた位置で前記カードと対向する位置に配置されることを特徴とする請求項1から4の何れか一項に記載の磁気センサ。
  7. 前記第1励磁コイルおよび第2励磁コイルは、互いに平行なコイル軸線回りに巻き回されていることを特徴とする請求項1から6の何れか一項に記載の磁気センサ。
  8. 前記第1励磁コイルおよび第2励磁コイルは、前記コイル軸線と直交する方向から見て同一位置に配置されることを特徴とする請求項7に記載の磁気センサ。
  9. 請求項1から8の何れか一項に記載の磁気センサと、
    カードを挿入可能なカード挿入路と、
    前記カード挿入路に接続されるカード搬送路と、
    前記カード搬送路の所定位置に取り込まれた前記カードの接点端子と接触して前記カードに搭載されたICチップと通信を行うIC接点ブロックと、を有し、
    前記磁気センサは、
    前記第1励磁コイルおよび前記第2励磁コイルが前記カード挿入路のカード通過方向と交差する方向に離間しており、
    前記第1励磁コイルは、前記カードが前記カード挿入路を通過するときに前記接点端子
    が通過する位置と対向し、
    前記第2励磁コイルは、前記カードが前記カード挿入路を通過するときに前記接点端子から外れた前記カードの部位が通過する位置と対向することを特徴とするカードリーダ。
  10. 前記磁気センサは、前記カード挿入路に前記接点端子を持たないカードが挿入された状態、あるいは、前記カードが挿入されていない状態で、前記第1検出コイルの出力が予め設定した値となるように前記第1励磁コイルの通電量および前記第2励磁コイルの通電量が設定されていることを特徴とする請求項9に記載のカードリーダ。
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