JP2019035759A - 分散空気浮上気泡による土壌の放射能除染プロセスおよびその気泡 - Google Patents

分散空気浮上気泡による土壌の放射能除染プロセスおよびその気泡 Download PDF

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Abstract

【課題】セシウム137Csなどの少なくとも一つの放射性核種により汚染された土壌を処理するためのプロセスを提供する。【解決手段】分散空気浮上気泡によって上記放射性核種を分離する工程を少なくとも一つ含むプロセスを実施する。また、そのようなプロセスを実施することにより得られる浮上気泡に関する。【選択図】図1

Description

本発明は、土壌の汚染除去、消毒、浄化、修復および/または除染の分野に関する。
実際、本発明は、分散空気カラム内で用いられる浮上気泡または浮遊気泡を利用する、新規な除染プロセス、特に土壌の放射能除染プロセス、特にはセシウム137Csで強く汚染された土壌の放射能除染プロセスを提供する。
また、本発明は、上記浮上気泡に関する。
公衆保健基準によると、“放射線防護の観点からその活性または濃度が無視できない一以上の放射性核種を含有する物質”は、放射性物質とみなされる。放射性物質によって汚染された土壌で見つかる可能性の最も高い放射性核種は、より正確には、以下の放射性核種である[非特許文献1]:
−トリチウムH;
−炭素14C;
−ストロンチウム90Srおよびその派生核種(90Y);
−セシウム137Csおよびその派生核種(137mBa);
−アメリシウム241Am;
−トリウム232族の放射性核種:232Th、228Ra、228Ac、228Th、224Ra、220Rn、216Po、212Pb、212Bi、208Tlおよび212Po;および
−ウラン238族の放射性核種ならびに特にはラジウム226Ra、222Rn、218Po、214Pb、214Bi、214Po、210Pb、210Biおよび210Po。
土壌は、物理的および化学的観点から複雑な系であり、鉱物および有機物の混合物である。母岩が物理的、次に化学的に分解された生成物において、2mmを超えるサイズを有する石や砂利を除いた2mm未満の画分は、鉱物分、主にケイ酸塩または炭酸塩が占めており、直径が小さくなるにつれて、砂、沈泥および通常100μm未満の直径を有する負に帯電した微粒子からなるいわゆる顆粒状またはコロイド状粘土に分類することができる。有機分は、動物、植物、菌類および有機微生物に由来し、これには“フレッシュ有機物”とよばれる全ての活性バイオマス、植物由来残骸(植物残渣、滲出液)、動物由来残骸(排泄物、死骸)、菌類および微生物由来残骸(死骸、滲出液);上記フレッシュ有機物の進化から発生した“過渡期有機物”とよばれる中間有機化合物;および上述有機物の進化により発生した安定有機化合物、腐植物または腐植土が含まれる。
放射性物質による土壌汚染は、それらの物質を伴う産業活動、医療活動または研究活動から生じ得る場合が最も多い。
しかし、残念なことに、上記汚染は、例えば不慮の流出や火災などの知られた事象または事故に起因して大量の汚染物質が環境中へ放出されることが制御不能となることから生じ得るものである。そのような事例には、チェルノブイリ事故、そして最近では福島での事故がある。
フランスでは、電離放射線の危険から住民を守るための規定が、公衆保健基準によって定められている。上記基準では、核活動により人間が受けることのできる最大被ばく限度を1mSv/年に設定している。放射能汚染された土壌が周辺住民に対して高線量を発生する可能性が生じた段階で、早急に土壌除染または修復技術またはプロセスを適用して、住民にとって許容可能な閾値まで放射能を戻すことが必要である。
産業での場合または事故での場合に関らず、放射能汚染された土壌を除染する前に、放射能汚染の種類およびその汚染の起源である線源を調査し、特徴付けをすることが必要である。この作業は、現場で測定したデータにより完成させた過去のデータ(実施活動)に基づく必要がある。土壌に存在する放射性核種を特定し、定量化し、その位置を特定しなければならない。
これらの作業以外に、現場で効果的に実施可能であると考えられる土壌修復技術またはプロセスの必要がある。
実際、大気中への放射能の排出が一度または連続して複数回起こると、空気中に分散した放射性核種の一部は、地表に堆積し、植物、土壌および建造物環境の表面汚染、さらには地表水の汚染を引き起こす。このように生じた放射性堆積物は、程度の差はあるが環境中に残留する。それらの堆積物は、堆積物を形成している放射性核種の表面活性(Bq/m)を測定するか、または土壌中での体積活性(Bq/kg、根を介して放射性核種が移動することによる植物の汚染リスクを評価することが可能である)を測定するか、または最後に、これら堆積物から放出されるガンマ線による周辺線量流速(μSv/h)を測定するかによって特徴付けることができる。
現在まで使用されている土壌除染技術は、オフサイト、オンサイトおよびインシトゥの三つの種類に分類することができる。これらの技術のほとんどは、一般に、処理する土壌の掘削を必要とする。
歴史的に、最初に使用された方法は、オフサイト置換除染法からなる。この方法では、汚染土壌を、汚染の厚さ全体ではぎ取る。除去された土壌は、他の場所で採取された安全な土壌と置き換えられる。この方法に伴う輸送費用に加えて、汚染土壌の精化または保管に関する費用は、置換される体積に比例し、この置換体積は、汚染地帯の面積および深さに直接依存する。汚染土壌は、移動された時点で産業廃棄物とみなされることは、留意するべきである。
(複数の)汚染物質が既知である場合、その汚染物質を溶解すると考えられる液体または加圧ガスを地中に注入する方法を用いることができる。この方法は、物理化学的汚染除去に相当する。そして、汚染土壌を、その場所で徐々に精化することができる。このことは、
−任意工程ではあるが、処理する土壌の抽出;
−浸透またはガス注入プロセス;
−可溶物質の回収およびその精化;
−土壌が掘削されていた場合、処理済み土壌を元の場所に戻す作業
を行う仮設精化産業設備とみなせる。
吸引抽出による除染方法は、砂状の土地に適しており安価であり、例えば、炭化水素などの揮発性および準揮発性汚染物質に適している。この方法では、真空ポンプで土地を減圧し、蒸気を触媒酸化、凍結凝縮または活性炭吸着により処理する。処理設備は、現場の範囲にわたって移動可能である。
いわゆる“ベント”法、または注入による抽出を適用する際、加圧空気、窒素または蒸気を注入する。この処理は、通気性の土地で、例えば塩素化溶媒などの揮発性溶媒に対して適している。窪みを形成することにより、吸引されて精化される蒸気を回収し、注入することが可能となる。技術効果を高めるために、上記土壌をさらに(マイクロ波により)加熱することが可能である。
電気的抽出法は、重金属および一部の有機イオンなどのイオン化した汚染物質に最も適している。特に水が存在することにより導電性が良好であれば、土地の性質は、それほど重要ではない。多孔質電極を埋め込み、土壌中に電流を発生させることにより、反対の電荷を有する電極に向かって移動性イオンが移動する。汚染物質の回収は、例えば、ポンプ汲み上げにより行うことができる。
土壌洗浄除染方法には、異なる代替方法がある。洗浄は、高圧、常圧、オンサイトまたはオフサイトで行うことができる。目的は、汚染物質が最も濃縮している最小粒子を分離すること(高圧水洗浄)、または、これらの汚染物質を水または酸などの液体溶液に捕捉することである。上記第1の場合、土壌を掘削する必要があり、回収した廃棄物をウェハーとして保管する。一方、上記第2の場合、土地が浸透性であれば抽出することなしに処理を行うことができる。例えば、銅、亜鉛、ヒ素、カドミウムおよび鉛などのほとんどの重金属は、酸溶液を用いて抽出することができるが、その溶液は、その後、化合物の一部を析出させるために中和され、次に、残留元素を分離するために沈降、ろ過および遠心分離させなければならない。しかしながら、高圧インシトゥ洗浄は、注入ノズルからの距離が増加するに従い水圧が急速に低下するため、依然、狭い地帯での適用に制限されている。有機性および毒性汚染物質のほとんどを溶解するために、アルカン、アルコールまたはケトンなどの他の溶媒を用いる技術もある。これらの技術は、安価であり、溶媒を注入し、その後に上記技術のうち一つにより抽出を行うことに基づいている。
1990年代以降、汚染除去プロセスは、一部の生体が有する、有毒元素をろ過してその体内に蓄積する能力、またはそれらの元素を食物として利用する能力に基づいた生物学的処理を伴って実施されている。それらのプロセスは、従来方式が有する費用の問題の一部を解決するように思われる。しかしながら、解決されるべき他の問題がある。特に、使用済み生体が通常通りに成長するためには、その現場で非常に厳密な条件が満たされなければならないが、使用済み生体の繁殖リスクは、解決されるべき問題である。最後に、実験室での試験では一般に確実な結果が得られているが、例えば、汚染物質濃度が局所的に非常に高い場合、または、土地が本来的に上記生体の成長を脅かす想定外の元素を含む場合は、現場での実施が不満足な結果となる可能性がある。
一部の細菌は、複雑な分子を分解することが可能であり、よって、そこから自身が生存するために必要なエネルギーを引き出すことが可能である。これらの細菌は、塩素化溶媒で汚染された土壌を処理するために長年使用されてきた。しかしながら、酸素供給、湿度および温度などのパラメーターを駆使することにより促進されると思われる、一部の汚染物質をインシトゥ生物学的に分解することによるこの微生物学的処理技術において、最初の物質よりも毒性の強いおよび/または移動性の高い分解物または代謝物が発生する可能性のあることが観察されている。微生物活性条件が好気性であるか嫌気性であるかに関らず、これらの代謝物は、同じではない。最も有害な代謝物の生成を制御するため、必要に応じてある生分解形式から他の生分解形式へ切り替えを行うことができる。現在、汚染物質の各種類の分解に適した種の選択に注目して研究が行われている。これらの研究は、研究所および環境産業により共同で行われている。細胞外酵素により汚染物質を攻撃する特徴を有する一部の菌株を用いた、3を超える数のベンゼン環を有する多環式芳香族炭化水素の一部の種類についての研究では、成果が得られ始めている。
さらに、多くの植物は、重金属、放射性核種、汚染有機化合物および他の好ましくない物質を、その細胞内に結合させることができる。実際、一部の植物は、これらの汚染物質をより毒性の低い物質、または非毒性の物質へ分解する酵素をつくる。また、それらは、結合および/または変態作用を担う菌根圏を伴うことができ、その産業的規模での実用に向けた研究が急速に拡大している。これらの物性により、植物は、土壌汚染除去の有望な候補となる。また、植物は、(i)そのサイズ、および特におよそ数メートルの深さの汚染層まで届くように土壌深くまで根を下ろす能力、ならびに(ii)捕捉できる汚染物質の種類に応じて選択される。実際には、汚染物質を隔離して、選択した植物の成長に影響を与えるパラメーターを正確に制御するために、土壌を掘削してビニールハウス中の不浸透性膜上に広げることもできる。しかしながら、これは、ファイトレメディエーションの主な利点の一つ、すなわち、低い実施費用を損なう。ファイトレメディエーションの一つの利点は、ファイトマイニングともよばれる、再利用可能な汚染物質の物価安定化が可能であることである。よって、灰中の金属を回収して治金に再利用する観点から、茎や葉に汚染物質を貯めるいわゆる高蓄積植物を収穫して焼却することができる。
チェルノブイリや福島で起きた事故のように、土壌が事故で放射能汚染された場合、近年の汚染の種同定および位置を記した研究、すなわち、粘土および腐植複合体が多少豊富な土壌、多少塩性のある土壌、および多少酸性または塩基性のある土壌の表面に1年前に起きた汚染を詳細に記した書誌的研究は、ほとんどない。しかしながら、福島周辺の水田では、通常、事故から1年後のセシウム137は、地表から5センチ以内に以下の二つの型で存在すると大まかに推測することができる。
−粒子表面での“物理吸着”型であり、通常、水により脱着可能で遊離Cs+カチオン形となるか、イオン交換によって粒子の縁に吸着され、塩を用いることにより脱着可能な型[非特許文献2];および
−結合型、すなわち疑似的に不可逆な形で湿潤粘土粒子の葉間スペース内に“捕捉”(強いイオン性相互作用)され、腐植物質または粘土−腐植ハイブリッド複合体内に複合化された型[非特許文献3]。
4〜50μmのサイズの最小粒子からなる画分は、Cs汚染の大部分(>96%)を含有する。実際、2011年末に、福島で採取した汚染土壌100gに対する水洗浄試験が日本で行われた。平均径が100μmを超える最粗大の粒子をろ過または沈殿させた後、微細粒子の濁ったコロイド状懸濁液を得て乾燥させたところ、当初のCs汚染の96%超を含有する土壌が4g得られた。
このことから、汚染土壌を直接抽出して、汚染のほとんどを含有する微細粒子を最小の体積または質量(当初重量の2〜15%)で得ることのできるプロセスの開発が必要である。福島で300kmの範囲内にある処理が必要な土壌の量は、およそ30×10であると考えられる。少なくとも100トン/hの湿潤土壌を処理することが可能なプロセスを開発することが必要である。前部で精密ろ過を不連続に行うことは、ろ塊がすぐに処理流速を制限してしまうため不適当であると思われる。土壌を沈降させる単なる沈降ボール容器もまた、沈降した微粒子を、吸引および多量の水を使用することにより回収することは容易ではないと思われる。
本発明者らの検討により、汚染土壌、特にセシウムにより汚染された土壌を処理/除染するプロセスの開発が可能となった。
実際、本発明者らは、分散空気カラム内に実装された浮上気泡または浮遊気泡を使用することにより、放射性核種で汚染された土壌を処理することが可能であることを示した。
空気浮上法は、イオン(イオン性浮上)または固体粒子(粒子浮上)の抽出を可能とする分離プロセスである。この方法は、特に、鉱石処理および紙の脱インキにおいて産業的規模で用いられ、処理流速は、時間当たり数百m(20m/min)である。重金属または油で汚染された土壌の処理に関して、いくつかの研究が発表されている。本発明者らは、空気浮上法を用いて、土壌中に存在する放射性核種汚染物質を除去することが可能であることを示した。
気泡による土壌浮上法は、土壌の放射能除染および特に土壌のセシウム除染の革新的プロセスである。この浮上技術の主要な利点は、土壌洗浄システムを直接に一体化することである。すなわち、土壌を様々な濃度で水中に懸濁する。この懸濁液に、捕集性および/または起泡性界面活性剤を少量加える。混合物に注入された空気泡は、汚染されたコロイドを含有する粒子を、サイズ親和および疎水性により“運搬”する。上記プロセスは、浮上カラム内で行われ、粒子状汚染物質は、泡沫濃縮物に回収され、その濃縮物は、その後溢流または吸引により容易に処理することができる。
本発明の浮上気泡は、多量の湿潤土壌を、毎時数百トンの産業的処理流速で処理することが可能である。二つのケースが可能である。
−土壌を掘削して、専用の浮上ユニット内で処理する;
−多量の掘削作業を制限するため、小沼または水田泥をポンプ汲み上げし、インシトゥで直接処理することが可能な可動式浮上ユニットを用いて処理を行い、
非浮上性土壌をリサイクルする。
興味深いことに、本発明による処理プロセスは、一般に、あらゆる放射性核種にも適用可能であり、特に、土壌中に捕捉され、湿潤粘土粒子(強イオン性相互作用)の葉間スペースに捕捉され、腐植物質内および/または粘土−腐植ハイブリッド複合体内に複合化された、あらゆる捕捉型放射性核種にも適用可能である。
よって、本発明は、少なくとも一つの放射性核種により汚染された土壌を処理するプロセスであって、上記放射性核種を分散空気浮上気泡により分離する工程を少なくとも一工程含むプロセスに関する。
“汚染された土壌を処理するプロセス”とは、本発明の範囲において、土壌中の放射性核種の量を減少させること、およびその土壌中の放射性核種を完全に除去することの両方を意味する。土壌中に存在する放射性核種の量を減少させることは、本発明のプロセスを実施した後の土壌中の少なくとも一つの放射性核種の負荷量が、その放射性核種の土壌中における初期負荷量、すなわち本発明のプロセスを実施する前の負荷量よりも低い土壌を製造することに本質がある。“負荷量が低い”とは、少なくとも50%未満、特には少なくとも70%未満、特には少なくとも90%未満、さらには少なくとも95%未満の負荷量を意味する。
放射性核種の負荷量は、表面活性(Bq/汚染または処理済土壌のm)の測定、土壌中の質量活性(Bq/汚染または処理済土壌のkg)の測定、または最後に汚染または処理済土壌から放出されるガンマ線による周辺線量流速(μSv/h)の測定により表すことができる。有利には、放射性核種の負荷量は、Bq/汚染または処理済土壌のkgで表される、土壌中の質量活性の測定によって特徴付けられる。
“分散空気浮上気泡によって”とは、少なくとも一つの放射性核種で汚染された土壌から得られた液体体積中に、数マイクロメートル〜数ミリメートルの範囲であり得る直径を有する空気泡を吹き込むことにプロセスの本質があることを意味する。
“汚染土壌”とは、自然界に存在しない放射性核種を少なくとも一つ含む土壌、またはその土壌中の通常量よりも多量に存在する放射性核種を少なくとも一つ含む土壌を意味する。この汚染は、その放射性核種を用いる産業活動、医療活動もしくは研究活動、または放射性降下物を伴う不慮の流出や火災などの、放射性核種を放出する事象または事故から生じ得る。本発明によるプロセスで処理される汚染土壌は、農地、耕作地、産業用地上に設けられた土壌または都市用地上に設けられた土壌であり得る。
上述したように、汚染土壌中の除去すべき放射性核種は、土壌中に捕捉され、湿潤粘土粒子の葉間スペースに捕捉され、腐植物質内および/または粘土−腐植ハイブリッド複合体内に複合化された、あらゆる捕捉型放射性核種であり得る。
有利には、上記放射性核種は、トリチウムH;炭素14C;ストロンチウム90Sr;イットリウム90Y;セシウム137Cs;バリウム137mBa;アメリシウム241Am;トリウム232族からの放射性核種およびウラン238族からの放射性核種からなる群から選ばれる。
特に、上記放射性核種は、H、14C、90Sr、90Y、137Cs、137mBa、241Am、232Th、228Ra、228Ac、228Th、224Ra、220Rn、216Po、212Pb、212Bi、208Tl、212Po、226Ra、222Rn、218Po、214Pb、214Bi、214Po、210Pb、210Biおよび210Poからなる群において選ばれる。
より詳細には、本発明のプロセスにより除去される汚染土壌中の放射性核種は、セシウム137Csである。
本発明による処理および除染プロセスは、被処理土壌を不連続に供給するバッチプロセス、または連続プロセスであり得る。
有利には、本発明によるプロセスは、以下に本質を有する工程を含む:
(a)上記土壌および少なくとも一つの捕集剤を含む懸濁液に空気泡を注入し、それにより気泡を形成する;
(b)上記気泡の少なくとも一部を、上記懸濁液の残部から分離する。
本発明によるプロセスは、当業者に公知であって、通常、浮上カラムまたは浮上セルなどの浮上プロセスに用いられるいずれのシステムにおいても実施することができる。定義によれば、浮上セルは、通気撹拌機を備える反応器であり、一方、浮上カラムは、空気注入器を有する。有利には、本発明によるプロセスは、1m〜8mの間の高さを有する浮上カラム(またはセル)で実施される。
よって、工程(a)で実装される上記懸濁液は、被処理土壌、少なくとも一つの捕集剤および水を含む。有利には、この懸濁液は、
−懸濁液の全重量に対して2〜40重量%、特に10〜30重量%の被処理土壌;
−懸濁液の全重量に対して0.005〜5重量%、特に0.01〜2重量%の少なくとも一つの捕集剤;および
−水
を含む。
この懸濁液は、浮上法の分野では“スラリー”としても知られている。
“捕集剤”とは、本発明の範囲において、少なくとも一つの炭化水素鎖、および極性頭部を有する界面活性剤を意味し、この極性頭部は、実際に、スラリー中に注入された空気泡の空気−水界面に位置する。捕集剤は、上記懸濁液の浮上性固体粒子と空気泡との間の付着を起こすことができる。より詳細には、捕集剤は、固体粒子をより疎水性にすることができ、水相よりも気相に対する親和性を強め、よって上記粒子が浮上性となる。また、捕集剤は、自身の間に浮上性固体粒子を凝集させることができる。
“浮上性固体粒子”とは、被処理土壌からの固体粒子であり、鉱物、有機物または有機鉱物としての性質を有し、その直径が、特にSysmex FPIA−3000などのFPIA装置で測定した場合に150μm未満、特に100μm未満、さらには50μm未満である粒子を意味する。そのような粒子は、除去すべき(複数の)放射性核種を捕捉する。よって、本発明によるプロセスで形成される空気泡は、そのような浮上性固体粒子によって取り囲まれる。
本発明の範囲において、利用される捕集剤は、起泡活性を有することができる。あるいは、捕集剤は、起泡活性を有さない。
本発明の範囲において、利用される捕集剤は、有利には脂肪酸、脂肪酸塩およびカチオン性界面活性剤から選ばれる。
脂肪酸は、RCOOHで表される式を有する“せっけん”または“脂肪酸せっけん”としても知られるアルキルカルボン酸であり、ここでRは、3〜50の炭素原子、特には5〜30の炭素原子を含む直鎖、環状または分岐アルキル鎖を表す。脂肪酸塩は、RCOOXで表される式を有する“せっけん塩”または“脂肪酸せっけん塩”としても知られるアルキルカルボン酸塩であり、ここでRは、3〜50の炭素原子、特には5〜30の炭素原子を含む直鎖、環状または分岐アルキル鎖を表し、Xは、金属、特にはカルシウム、ナトリウムおよびカリウムからなる群から選ばれる金属を表す。有利には、本発明によるプロセスの工程(a)で利用される懸濁液は、脂肪酸塩であり、特にはオレイン酸ナトリウムである。
“カチオン性界面活性剤”とは、少なくとも一つの炭化水素鎖、および極性頭部を有する界面活性剤であり、その界面活性剤の親水部が正に帯電したものを意味する。有利には、カチオン性界面活性剤は、特にはテトラフルオロボレートなどのホウ素誘導体またはF、Br、IもしくはClなどのハロゲン化物イオンから選ばれるアニオン性対イオンを伴う、少なくとも一つのC−C22脂肪族鎖を有する四級アンモニウムから選ばれる。使用可能なカチオン性界面活性剤としては、塩化テトラブチルアンモニウム、塩化テトラデシルアンモニウム、臭化テトラデシルトリメチルアンモニウム(TTAB)、脂肪族鎖を担持するハロゲン化アルキルピリジニウムおよびハロゲン化アルキルアンモニウムが挙げられる。より詳細には、本発明の範囲において使用することができるカチオン性界面活性剤は、TTABである。
本発明によるプロセスの範囲において利用される懸濁液は、単一の捕集剤、または単一種類に属する少なくとも二つの異なる捕集剤の混合物を含むことができる。換言すれば、上記少なくとも二つの捕集剤は、脂肪酸およびその塩から選ばれるか、カチオン性界面活性剤から選ばれる。あるいは、上記少なくとも二つの捕集剤は、異なる二種に属する捕集剤である。本発明によるプロセスの範囲において利用される懸濁液が少なくとも二つの異なる捕集剤の混合物を含む場合、捕集剤の重量換算の合計量は、懸濁液の全重量に対して0.005〜5重量%、特には0.01〜2重量%である。
本発明の範囲において、2〜40重量%、特には10〜30重量%の被処理土壌を含む懸濁液を調製するために用いられる水は、いずれの種類の水であってもよい。有利には、この水は、浸透水、蒸留水、海水、湧水、河川水、湖水、水田水、産業水、飲用水システムからの水、またはこれらの混合物からなる群から選ばれる。より詳細には、この水は、産業水または飲用水システムからの水である。なお、本発明によるプロセスの工程(a)で利用される懸濁液において、この水は、被処理土壌が含有することができる水と混合される。
本発明の範囲において利用される懸濁液は、捕集剤に加え、少なくとも一つの他の要素、特には少なくとも一つの他の界面活性剤を含むことができる。有利には、本発明は、すでに定義したような工程(a)で利用される懸濁液中に存在する捕集剤に、少なくとも一つの起泡性界面活性剤を添加することを考慮に入れる。本発明の特定の実施形態において、少なくとも一つの脂肪酸または脂肪酸塩型捕集剤に、少なくとも一つの起泡性界面活性剤を添加する。
本発明の範囲において利用される起泡性界面活性剤は、非イオン性(もしくは中性)または両性起泡性界面活性剤であってもよい。
“非イオン性(もしくは中性)界面活性剤”とは、その表面活性特性、特には親水性が、窒素もしくは酸素などのヘテロ原子を含有するアルコール、エーテル、エステルまたはアミドなどの非荷電官能基によってもたらされる化合物を意味する。これらの官能基は、親水的な寄与が小さいため、非イオン性表面活性化合物は、ほとんどの場合多官能性化合物である。特には、起泡性非イオン性界面活性剤は、アルキルポリグルコシド(APG)もしくはアルキルポリエーテルグルコシド(APEG)の族、またはエトキシ化アルコールの族において選ばれる。アルキルポリ(エーテル)グルコシドは、天然グルコースに由来し、好ましくは生分解性である。そのような界面活性剤の例として、SEPPIC Companyから市販されているOramix CG−110(商標)およびGOGNIS Companyから市販されているGlucopon 215(商標)の界面活性剤が挙げられる。
“両性界面活性剤”とは、置かれる媒体によって酸または塩基として振る舞う化合物を意味する。起泡性両性界面活性剤は、特には、SEPPICから市販されているAmonyl 675 SB(商標)などのスルホベタインまたはアルキルアミドプロピルヒドロキシスルホベタインの族、またはAkzo Nobelから市販されているココジメチルアミン酸化物であるAromox MCD−W(商標)などのアミン酸化物の族から選ばれる。
有利には、本発明によるプロセスの工程(a)の範囲において利用される懸濁液は、すでに定義したような捕集剤に加えて、ポリアルキルグルコシド、スルホベタイン、エトキシ化アルコールおよびアミン酸化物から選ばれる少なくとも一つの起泡性界面活性剤を含むことができる。
懸濁液が、捕集剤に加えて少なくとも一つの起泡性界面活性剤を含む場合、すでに定義したような、単一の起泡性界面活性剤または複数の異なる起泡性界面活性剤を含有することができる。本発明によるプロセスの工程(a)で利用される懸濁液において、(複数の)起泡性界面活性剤は、懸濁液の合計重量に対して0.005〜1重量%、特に0.01〜0.5重量%の合計量で存在する。
本発明によるプロセスの工程(a)において利用される懸濁液は、特には被処理土壌の性質、使用する(複数の)捕集剤、および必要に応じて用いられる(複数の)起泡性界面活性剤に応じて、異なる方法で調製することができる。
第1の実施形態において、少なくとも一つの放射性核種により汚染された土壌を掘削する。掘削した土壌を浮上カラム(またはセル)に導入し、それに先立って導入、同時に導入またはその後に導入される水と接触させて、懸濁液の合計重量に対して2〜40重量%、特には10〜30重量%の被処理土壌を含む上記懸濁液を得る。
第2の実施形態においては、汚染土壌をポンプで汲み上げる。本実施形態は、被処理土壌の水分が豊富である場合、とりわけ被処理土壌を集積させておいた水田または天然湖からの土壌を処理する場合に特に適している。被処理土壌は、特には、ポンプ汲上物の重量に対して20〜50%の土壌濃度で直接ポンプで汲み上げられ、その後、浮上カラム(またはセル)に導入され、それに先立って導入、同時に導入またはその後に導入される水と接触して、懸濁液の合計重量に対して2〜40重量%、特には10〜30重量%の被処理土壌を含む上記懸濁液を得る。
被処理土壌が掘削されるのか、ポンプで汲み上げられるのかに関らず、回収されるのは土壌の表層である。有利には、この表層は、表面から最初の15センチ、特に最初の10センチ、さらには最初の5センチを占める部分である。
さらに、処理する汚染土壌が掘削されるのか、ポンプで汲み上げられるのかに関らず、本発明による連続処理プロセスでは、被処理土壌懸濁液の導入流速は、浮上カラム(またはセル)の寸法に応じて1〜2000m/hの間である。
最後に、処理する汚染土壌が掘削されるのか、ポンプで汲み上げられるのかに関らず、土壌を前処理工程に供して、300μm超の直径を有する石、砂利および粒子などの鉱物および/または有機化合物を除去することができる。そのような前処理は、液体遠心分離または篩処理であってもよい。
本発明によるプロセスの工程(a)において利用される懸濁液が、すでに定義したように一つの捕集剤のみを含む場合、被処理土壌を水と混合した後でその捕集剤を懸濁液に導入することができ、あるいは、水を被処理土壌と混合する前にその捕集剤を水に加えることができる。被処理土壌を水と混合した後で捕集剤を懸濁液に導入する場合、この導入は、空気泡を注入するのに先立って、またはそれと同時に行うことができる。
本発明によるプロセスの工程(a)において利用される懸濁液が、少なくとも二つの捕集剤、または少なくとも一つの捕集剤および少なくとも一つの起泡性界面活性剤を含む場合、これらの異なる成分は、懸濁液中に同時に、種類別に、または順次に導入することができる。すでに考慮したように、これらの成分のそれぞれは、被処理土壌を水と混合した後で懸濁液に導入することができ、あるいは、水を被処理土壌と混合する前に水に加えることができる。被処理土壌を水と混合した後でこの成分を懸濁液に導入する場合、この導入は、空気泡を注入するのに先立って、またはそれと同時に行うことができる。また、第1成分を懸濁液に導入し、次に空気泡を懸濁液に注入し、この注入を停止して第2成分を導入し、次に再度空気泡を注入することを考慮することも可能である。
本発明の範囲において、工程(a)で注入する、または吹き込む空気泡の平均径は、有利には、100μm〜6mmの間、特に200μm〜4mmの間、さらには1〜2mmの間である。
通常、工程(a)で注入する空気泡の上昇速度は、5〜80cm.s−1の間、特に10〜50cm.s−1の間、さらには20cm.s−1程度、すなわち20cm.s−1±5cm.s−1である。
本発明によるプロセスの工程(a)において、浮上カラム(またはセル)の底部に配置されたタービン、またはベンチュリ効果注入ノズルによって機械的に分散された空気を導入することにより空気泡が形成される。
浮上カラム(またはセル)が1m〜8mの間の高さを有する場合、工程(a)で形成される気泡の高さは、30cm〜600cmの間、特に80cm〜400cmの間である。
本発明によるプロセスの工程(b)において、粒子が濃化し、よって放射性核種が濃化したカラム(またはセル)頂部の気泡を、吸引または溢流により、懸濁液の残部から分離する。よって、浮上カラムの頂部は、有利には、吸引または溢流による気泡回収システムを備えている。
実際、汚染土壌粒子は、5%未満の水、特には4%未満の水、さらには2%未満の水を含有する泡沫濃縮物として、浮上によりカラム頂部で回収される。このように回収された濃縮物は、痕跡量の(複数の)捕集剤および必要に応じて(複数の)起泡性界面活性剤を除去するために水洗することができ、または水洗しなくてもよく、放射性廃棄物型処置を目的として開放空気中で乾燥してもよく、または直接セメント中に処置してもよい。本発明によるプロセスの実施後に得られる質量濃縮係数は、少なくとも10であり、除染係数が10〜200に達することが可能となる。
(複数の)放射性核種を含まない上記懸濁液の残部は、再利用、特には自然条件に戻す前に回収し、必要に応じて水洗して痕跡量の(複数の)捕集剤および必要に応じて(複数の)起泡性界面活性剤を除去し、必要に応じて乾燥することができる。この目的のために、浮上カラム(またはセル)の底部は、その直径が有利には50μm超、特には50〜300μmの間である最粗大の非浮上性土壌(粒子)を除去して再利用するために、不連続または連続沈殿排管を備えている。
また、本発明は、下記を含む土壌懸濁液から本発明による上記プロセスを実施することにより得られる気泡に関する:
−懸濁液の全重量に対して2〜40重量%、特には10〜30重量%の被処理土壌;
−懸濁液の全重量に対して0.005〜5重量%、特には0.01〜2重量%の少なくとも一つの捕集剤;および
−水。
利用される懸濁液中に含有される要素、特には捕集剤に加えて少なくとも一つの起泡性界面活性剤が存在する可能性、ならびに気泡の特性および物性に関して上記した全てのことは、本発明による浮上気泡にも適用可能である。
本発明のさらなる特徴および利点は、例として本発明を限定することなく以下に記載される実施例を添付の図面と参照することにより、当業者にとってさらに明らかとなるであろう。
図1は、実験室規模のカラム浮上原理の概略図である。 図2は、試料A(図2Aおよび2B)、試料B(図2Cおよび2D)および試料C(図2Eおよび2F)の粒度分布図であり、数分布重み付け(図2A、2Cおよび2E)および表面分布重み付け(図2B、2Dおよび2F)を示す。 図3は、オレイン酸塩の添加が試料Aの粒度分布に与える効果(図3Cおよび3D)をオレイン酸塩無添加の試料A(図3Aおよび3B)に対して示す図であり、数分布重み付け(図3Aおよび3C)および表面分布重み付け(図3Bおよび3D)を示す。 図4は、試料Aからの土壌または試料Cからの土壌を20g/Lで含む懸濁液のゼータ電位を、TTAB濃度の関数として示す図である。
I.バッチセルにおける本発明のプロセス
汚染土壌の放射能除染を目的として、浮上させる土壌440gについて、特性の異なる土壌試料の浮上性を実験室規模で調べることを目的とする。
I.1.土壌試料
Camargue(水田土壌、以後、試料Aとする)、Marcoule(ローズマリー畑土壌、以後、試料Bとする)およびGrenoble(野菜畑土壌、以後、試料Cとする)から採取した三つの異なる土壌から試料を得る。試料AおよびBは、表層において採取し、一方、試料Cは、数センチメートルの厚さで採取する。
利用する試料は、必要に応じて2mmメッシュ開き目の櫛を用いて前篩処理を行った後で水中に懸濁させる。予め手で破砕する必要はない。
Lhomargy分散機を回転速度3000rpmで5分間用いることによって、150g/lの土壌懸濁液を調製することが可能である。
図1は、溢流による泡沫濃縮物の回収を伴う実験室での土壌処理で利用される浮上カラムの概略を示す。浮上の原理に応じて、捕集剤を添加し、処理する溶液または懸濁液(土壌を含む水)中に空気泡を吹き込む。
浮上に影響を与えると思われる懸濁液の物理化学的特性(サイズおよび表面電荷)を測定した(下記表1)。
調査用に選択した試料は、異なる有機物を有し、425℃で焼却して求めた値は約6%であり、飲用水システムからの水に懸濁した後に測定したpHは、約7.5である。
これらは、粒度において非常に異なる特性を有している:試料Cは、非浮上性粗大粒子(>180μm)の割合が最も低く、次いで試料Aおよび試料Bの順である。
いわゆる“浮上性”画分、すなわち180μm未満の粒子において、試料が非常に非均質であるため、平均サイズ(径)は、例として示される。180μmで前篩処理した各試料のサイズ分布(Sysmex FPIA−3000などのFPIA装置で測定)を図2に示す。
導電率が300μS/cmである液体媒体中で測定したゼータ電位に関し、粒子は、僅かに負の表面電荷を有している:試料Cが最もアニオン性が強く、次いで試料Bおよび試料Aの順である。
I.2.浮上試験
選定した手順で懸濁させた上記選択試料は、その特徴から推測的に浮上性を有している。
平均サイズおよび表面電荷を考慮すると、浮上させるために捕集剤を用いることが奨励される:従来の脱インキ捕集剤(オレイン酸カルシウム)または特定のカチオン性界面活性剤を用いて試験を行う。
Voith分散空気セルを用いて、20g/L懸濁液の体積22Lについて、バッチ式で室温にて浮上を行う。試験時間は変化させており、結果の項目に記載する。
浮上セルの底部に配置されたタービンにより空気を機械的に導入し、気泡を溢流によって除去する。
浮上開始前(試料EF=浮上入口)、処理終了時(試料PF=浮上“ペースト”、すなわち浮上処理を行ったもの)および気泡上(F)にて試料を採集する。
採取した試料は、出発試料を特徴付けるために用いたのと同じ測定(固形分、有機物、粒度、ゼータ電位)により特徴付けられる。被処理物に対して排除された分の量から、浮上収率を算出する。
使用する浮上表面活性添加剤は、下記から選ばれる:
−親水性/疎水性バランス(HLB)が18のアニオン性界面活性剤である、式C1733−COONaを有するオレイン酸ナトリウム;
−HLBが18の非イオン性界面活性剤である、式C1837−C(OCHCHOH(nは約100)を有するBrij S−100;
−非イオン性界面活性剤である、式H−(C10−O−C2x+1(ここで6<x<8および1<n<5)を有するGlucopon(登録商標);
−カチオン性界面活性剤である、式CH(CH13N(Br)(CHを有する臭化テトラデシルトリメチルアンモニウム(TTAB)。
I.3.結果
実施試験を、下記表2に示す。
実施試験において、オレイン酸ナトリウムを1%(20g/L土壌粒子懸濁液に対する質量パーセント)、Glucopon(登録商標)を60%溶液として1g、およびTTABを0.7%(20g/L土壌粒子懸濁液に対する質量パーセント)添加する。
最初の試験(浮上参照番号1)では、選択した起泡剤(Brij S−100)が、溢流によって除去される気泡を形成するためには不十分であることが示された。一方、水のCa2+イオンとともにオレイン酸カルシウムとして析出するオレイン酸ナトリウムを添加することにより形成される気泡は、粒子によって安定化され、素早く除去される。その後、系は、初期の状態に戻る。
形成される気泡の高さを増加させる目的で、有効な起泡剤であるGlucopon(登録商標)(アルキルポリグルコシド)を用いる:それにより、数センチメートルの高さの気泡が素早く形成され、溢流により除去することができる。しかしながら、この気泡は、水の画分量が非常に多く、十分な排液が素早く起こり、粒子の取込みが少ないようである。起泡剤(Glucopon(登録商標))および捕集剤(オレイン酸塩)の添加順序を逆にしてさらに試験(浮上参照番号2)を行っても、実質的な挙動変化はない。
よって、最初にオレイン酸塩、次にGlucopon(登録商標)を導入し、各物質の添加後にサンプリングすることにより以下の試験を行う。最初に注目される効果は、図3に示すように、オレイン酸塩の添加が粒子の凝集を決定することである。この傾向は、平均値を分析することによっても見られる(下記表3)。
この捕集効果により、粒子の3.8%が除去され、これらは気泡中に濃縮されたものである(当初懸濁液の14g/Lに対して、100g/L)。気泡の組成を分析することにより、有機物質が優先して除去されていたと思われる(有機物:当初懸濁液の8%に対して17%)。
この結果、系は、オレイン酸塩導入に対する反応性が非常に高いと思われる。しかしながら、形成される気泡は、素早く除去されてしまい、起泡剤Glucopon(登録商標)を導入せずにそれ以上物質を除去することは、もはや不可能である。
Glucopon(登録商標)を添加すると、十分に微小な気泡が形成され、オレイン酸塩の存在下で形成される粒子気泡のような粒子気泡が頂部をなす。よって、この効果により、気泡への取込みが次第に少なくなるまで(30g/Lから9g/Lへ変化する。これはおよそ当初の懸濁液濃度である)、さらなる量の物質が浮上する。この現象は、サイズ測定(下記表4)により特定されるように、Glucopon(登録商標)の粒子に対する分散効果によるものと考えられる。
最終収率、すなわち浮上により除去される粒子の量は、10.2%である。
気泡を採取した後、系がもはや起泡していない状態で、2回目のGlucopon(登録商標)を添加することにより、微小気泡を再び得ることが可能となる。その気泡は、非常に水分含有量が高く、粒子の取込みが少ないため、粒子は選択的に除去されず、水力共有により除去される。
また、Glucopon(登録商標)の分散効果を、オレイン酸塩を用いずに試験(浮上参照番号4)することにより調べた。この場合、粒子の除去は、水力共有のみによって説明される(気泡濃度g/L=当初懸濁液濃度)。
その結果、粒子の凝集、および粒子による気泡の安定化を伴う気泡中の粒子の濃縮には、オレイン酸塩の添加が必要であると結論付けられる。溶解性の非常に低いオレイン酸カルシウムは、起泡性を有していないことを忘れてはならない。さらに、これらの安定化された気泡は、すぐに消耗してしまうため、オレイン酸塩を起泡性界面活性剤と組み合わせることは有利であろう。
また、オレイン酸塩およびGlucopon(登録商標)の添加を、土壌試料B(浮上参照番号5)を用いて試験し、捕集剤の凝集および起泡効果を再度観察したが、この種類の土壌では処理効率は低下するようである(下記表5)。
実際、粒子の除去量は、土壌試料Bでの方が多いが、気泡濃度を比較することにより分かるように、このことは、主に、水力共有およびより多くの水が失われることによるものである。したがって、被処理土壌の性質が浮上処理収率に大きく影響すると思われる。
土壌試料Bについて、オレイン酸塩その後Glucopon(登録商標)を添加することにより形成された気泡が消耗した後に、2回目のオレイン酸塩を添加することの効果を調べるためにさらに試験を行った(浮上参照番号6)。2回目のオレイン酸塩を添加することにより、非常に濃縮された粒子を含む気泡を再び形成することが可能になり、その気泡が素早く除去されることが観察された。このことは、浮上性物質が懸濁液中に残存していることを示していると思われる。よって、粒子を含む気泡の全てを素早く除去することが可能なように、オレイン酸塩の比率を最適化することが必要である。
オレイン酸塩+Glucopon(登録商標)を用い、当初懸濁液の180μmろ過を行わない浮上試験(浮上参照番号7)を行ったところ、粒度、ならびに受容物および気泡の濃度は、同様の結果となった。ろ過を行わなかった試料の浮上は、収率が低下した。これは、非浮上性粗大粒子の画分が大幅に多く存在したことによると思われる。
同一化学(オレイン酸塩およびGlucopon(登録商標))について、同一濃度(浮上参照番号8)を用いて、または最初の添加に続いて添加を行い物質の投与量を増やして添加(浮上参照番号9)することにより、土壌試料Cに対して試験を行った。1回目の物質の添加の結果を、前述の試験の同じ状況と比較すれば、土壌試料Cは、より濃縮された気泡(オレイン酸塩+Glucopon(登録商標))を与えるが、土壌試料Aと同様の収率となることが分かる(下記表6)。
同一試料において、同量のオレイン酸塩およびGlucopon(登録商標)を添加することにより、より多くの粒子を除去することが可能である(抽出収率17%)。
しかし、物質の添加量を増加させることにより(1回目の添加=投与量x、2回目の添加=投与量2x、および3回目の添加=投与量3x)、さらに濃縮された気泡を得ることが可能になり、粒子の最終除去率として30%を達成することが可能になる。
これらの結果は、(方法の項目で記述される方法により懸濁化された)土壌の浮上性画分が非常に多く、効果的な処理のためには化学の最適化が必要であることを示している。
浮上化学を変更し、土壌試料BおよびCについてカチオン性界面活性剤(TTAB)を用いることにより、さらに試験を行った(浮上参照番号10および11)。
添加する投与量は、凝集−凝結を得るために必要な濃度を特定することにより決定した。このことは、目視による観察と併せてゼータ電位を測定することにより行った。
試料Cの粒子は、試料Aの粒子よりも負に帯電していると思われるため、より低いTTAB濃度で中和が観察される(図4)。さらに、目視により観察すると、その後に沈殿を伴う凝集が、表面電荷の中和よりかなり前に観察される。よって、TTAB濃度を約0.1g/L(すなわち土壌に対して0.7質量%)に設定することを決定した。
土壌試料Cを用いた最初の試験の結果、存在する粒子の83%が除去され、一方、土壌試料Aでは約70%が除去される(下記表7)。
ゼータ電位測定は、非浮上性粒子は、カチオン性界面活性剤と相互作用しなかった粒子であり、一方、気泡中においては、TTABにより中和された表面電荷を有する粒子が再び見られることを示していると思われる(下記表8)。
両土壌間の挙動の違いは、土壌試料Cでは界面活性剤の効果がサイズにおいても明らかに見られるが、一方、土壌試料Aは、電荷がより少ないにしても、凝集効果が非常に小さくしか見られない(分散図を比較することで効果を見ることができるが)ことを考慮することによって説明できるであろう。
土壌試料の関数として、および実施処理の関数としての粒度の算術平均径を、下記表9にまとめる。
I.4.汚染土壌についての結果
塩化セシウムで汚染された三つの土壌試料A、BおよびC(浮上参照番号12、13および14)について、同一化学を使用した。
結果を、下記表10にまとめる。繰り返すが、土壌の性質は、粒子除去率(4〜67%の間)において重要な役割を有している。セシウム抽出収率として70%(試料A)から99%(試料C)が測定された。
I.5.結論
示した例により、汚染土壌中に存在するコロイドの様々な画分を除去することが可能であることを確認できた。この操作の収率は、試料の前処理に依存するが、とりわけ、浮上に用いられる化学に依存する。すなわち、脂肪酸せっけん(オレイン酸Ca2+)型捕集剤またはカチオン性界面活性剤(TTAB)を用いた結果、粒子除去率は、4〜80%の範囲となった。
一方、浮上により、有機コロイド物の選択的除去が可能となり、その結果、腐植酸−セシウム複合体の選択的除去が可能となる。
また、実施した試験は、処理する土壌の物理化学的特徴を十分に調査する必要性を示すものであり、これにより、最終浮上収率に対する土壌の性質の重要性が示される。
上記浮上法は、高い処理能力(数百m/h)を有し、可動式設備を用いて行われる可能性のある連続処理として大きな現実的可能性を有している。適切な化学配合(捕集剤のみ、または捕集剤+起泡剤)の開発は、未だ重要な要素であり、土壌の特性およびセシウム分布に応じて各土壌について最適化し得る。
II.連続実験的規模での本発明によるプロセス
II.1.バックアースおよび目的
汚染土壌の除染を目的とした土壌試料の浮上性に関して良好な結果が得られたことに続いて、連続プロセスを用いた実験的規模での実現可能性を試験した。また、実験的設備での試験の際に、捕集剤および浮上プロセスのパラメーター(ガス流速、気泡高さ)が処理収率に及ぼす影響を試験することにした。
II.2.物質および方法
A.原料物質の特徴付け
試験用土壌は、実験室で予め調査した試料のうちの一つ(試料C)と同様の組成を得るため、Grenoble地方の園芸家から購入した。
実施例Iの方法、すなわち、穏やかな機械的撹拌により、40g/Lの濃度で土壌を懸濁させた。浮上に影響を与えると思われる懸濁液の物理化学的特性(サイズおよび表面電荷)は、それぞれ画像解析(sysmex FPIA−3000 Malvern)および流動電位測定(SPZ、Mutek)により決定した。
B.実験室での浮上法
実施例Iの調査と比較するため、および捕集剤の適切な割合を選択するために、実験室で前試験を行った。試料を調製し、それらを特徴付け、浮上処理を行うために実施した方法は、前述の調査で記載した方法である。すなわち、Lhomargy装置を用いて懸濁液を調製(3000rpmで5分間、146g/L)し、2mmおよび180μmで篩処理し、Voith分散空気セルで、20g/L懸濁液の体積22Lについてバッチ式で室温にて浮上処理を行った。
C.実験
懸濁化:ステンレス製単体ローターを有する混合装置であるHelicoスラリー装置は、可能な限り最高の均質性で物質を確実に回転させる。懸濁化は、有効性試験の際に約570gdry/Lで行い、下記試験(質量濃度約70%)の際は、約2.2kgdry/Lまで上昇させることが可能であった。
前篩分(HeliPoire):スラリー装置の後、分離格子(6mmの穴)を含み、格子前部に汚染物質が格子を塞ぐのを防止する目的でローターが配置された排水ボール型粗大篩分装置により、最粗大の汚染物質を除去する第1工程を行う。
HD液体遠心分離機:浮上可能な程度を超える密度およびサイズを有する粒子を除去するため、懸濁液を液体遠心分離機に入れ、遠心加速度を発生させる渦流の効果により両相を分離する。
篩分:液体遠心分離機の後、懸濁液を、微細スクラブ工程を行う容器に通し、円筒かごの細穴より大きいサイズの粒子を分離する。上記細穴は、ローターとともに篩を構成する。ローターの目的は、細穴を覆う可能性のある被膜の形成を防止することである。これは、篩表面近傍で回転する羽根を用いることにより達成される。試験では、350μmの細穴を有する篩を選択した。
浮上:次に、懸濁液を、Venturiによる空気注入(ペーストを外部に再循環させる)を用いて、直列の二つの浮上セルに供給する。各セルにつき二つの注入器が、二つの高さに設置されている。気泡の吸引は、真空圧力中で、“気泡破壊”パンに接続された吸引ユニットの高さを設定することにより行われる。供給流速:1.4m/h、40gdry/L 懸濁液。試験の過程で変更可能なその他のパラメーター(空気含有量および気泡高さ)は、結果の項目で記載する。
浮上の入口(試料EF=浮上入口)、出口(試料PF=浮上“ペースト”、すなわち浮上処理を行ったもの)および気泡上(F)にて試料を採集する。
採取した試料は、出発試料を特徴付けるために用いたのと同じ測定(固形分、有機物、粒度、ゼータ電位)により特徴付けられる。
使用した浮上添加剤は、オレイン酸ナトリウムおよびTTABである。
II.3.結果
A.原料物質の特徴付け
懸濁液の特性を、下記表11にまとめる。
実験的設備での試験用に入手した土壌は、有機物含有量がより高い(この土壌が農業で利用されていることと一致している)こと以外は、実験室で予め浮上させたものと非常に近い特性を有している。
飲用水システムからの水に懸濁させた後のpHは、約8である。
浮上性画分について、平均サイズ(径)は、例として示すものであり、180μmで前篩処理した各試料についてFPIA装置でサイズ分布を測定して調べたように、試料は、非常に非均質である。
調査した試料は、得られた情報および実験室での事前調査によると、試料が浮上性となるような特性を有している。
実施例Iの結果、土壌の平均粒度およびその表面電荷を考慮して、従来の脱インキ捕集剤(オレイン酸カルシウム)およびカチオン性界面活性剤を用いて試験を行う。
凝集−凝結を得るために必要な界面活性剤の濃度を特定するために、ゼータ電位を、目視による観察と併せて測定した。実際、前述の調査の際には目視による観察で、その後に沈殿を伴う凝集が、表面電荷の中和よりかなり前に観察されることが特定された。よって、非選択的な捕集および浮上効率の低下を防ぐために、粒子−界面活性剤相互作用が起きるが過度な凝集が発生しない界面活性剤の濃度を決定することが必要である。
この理由から、40g/L懸濁液のゼータ電位を、TTAB/基質質量比の関数として測定した。得られた曲線が試料Cについて得られたものと類似していることから、0.01g/gの界面活性剤の割合、すなわち、約0.3g/L(8.9×10−4M)を超えないものとすることが決定された。c.m.cの文献値は、3.5×10−3Mである。
B.実験室での浮上
系の挙動は、試料Cについて行った前述の調査の際に観察されたものとほとんど同一である。捕集剤を添加すると、気泡の安定化を可能とする凝集物の形成が生じる。そのような気泡は、非常に安定であり、非常に濃縮されている。除去率も同様である。すなわち、オレイン酸塩は、前述の試験での4%に対して5.6%の率を与える。TTABは、(界面活性剤/土壌比がわずかに今回よりも高い条件で行われた)前述の試験での83%に対して62.5%の除去率という結果になる。
よって、用いる捕集剤の種類および濃度、ならびにプロセスの実施時間により粒子除去率を調節することが可能である(上記試験では5〜60%の間)。
C.実験
試験の初日は、土壌浮上処理の技術的実現可能性を本実験的施設で実証することができた。この最初の試験において、原料物質の損失を制限し、過度の希釈を制限するために、細穴篩に通すことに代えて、250×250μmの篩による篩処理を選択した。
この際、オレイン酸塩(NaOl)効果も試験した。
この初日に得られたデータに応じて、二回目のシリーズでは(i)懸濁濃度を増加させる、(ii)350μm細穴篩を用いる、(iii)浮上の際に吸引ユニットを最大高さに設定することを決定した。
操作二日目(3月14日)、カチオン性界面活性剤TTABを試験した。
両試験で注目すべき要素を下記表12に示す。
浮上前にスクラブ工程を行うことにより、実験室で180μm篩処理を行って測定された除去率(すなわち21%、表11参照)と同様の除去率(僅かに低いが)となることが分かる。
上記浮上処理において、空気率は、350%に設定し、その一方、吸引ユニットの高さは、全気泡の厚さに応じて調整した。(浮上供給容器に添加した)オレイン酸ナトリウムは、水のCa2+イオンとともにオレイン酸カルシウムとして析出し、粒子を捕集し、粒子は、気泡を安定化する。
上記粒子の表面電荷は、オレイン酸塩の存在によっては大きく影響されず、粒子が有する値は、オレイン酸塩の添加前後および浮上処理の前後で、原料物質の特徴付けの際に測定された値(−18mV)と同一である。しかしながら、気泡に対して行われた測定は、僅かにより高いゼータ電位値(−23mV)を与えるため、よりアニオン性の高い粒子がより選択的に捕集されたと思われる。このことは、オレイン酸塩がより負に帯電しているため、粒子/オレイン酸カルシウム凝集物と一致する。
実験室での試験(実施例I)で特定された、オレイン酸塩によって誘発される粒子の凝集は、上記実験的試験では、それほどは見られない。すなわち、気泡中の平均粒度は、入口または出口での粒子の値と大きくは異ならない。しかしながら、サイズ分布分析により、僅かな凝集効果が示される。
それを踏まえ、オレイン酸塩を用いた試験の際に、(入口、出口および気泡の)流れを再循環させ、気泡の一部を排出した。オレイン酸塩がすぐに希釈されたと考えることが可能である。この仮定は、連続試験により確認することができるであろう。
浮上操作収率に関し、除去率は、6〜20%の範囲である。この試験は、気泡の熟成を可能とするシステムの必要性を特定した。実際、吸引を停止し、機能停止したと考えられる気泡を手で取ることにより、高濃度、すなわち第1セルの気泡において118g/L、第2セルの気泡において88g/Lの濃度を測定することが可能であった。
この結論を確認するため、供給物の一部(〜200L)を取り出し、浮上カラムのセルでの浮上処理に連続的に使用した。これは、セル設計に加え、カラム断面全体における高さ調節可能な吸引システムにより区別される。この違いにより、83g/Lの気泡を得ることが可能となった。
試験で得られた他の興味深い結論は、気泡において有機物が濃化していることであり、このことは、粘土−腐植複合体が選択的に除去されることとも一致する。このことは、上述の実験室での調査(実施例I)の際にすでに観察されており、浮上処理は、有機コロイド物、およびその結果として存在し得る腐植酸−Cs複合体の選択的除去を可能とすることができる、という結論がなされていた。
D.TTABを用いた浮上
このカチオン性界面活性剤を、複数の浮上供給ポンプの一つであり、数秒間の界面活性剤/土壌接触時間を決定するポンプの前に、定量ポンプで添加した。
ポンプにおけるせん断、および空気注入の際の激しい乱流領域により、界面活性剤が確実に混合され、土壌粒子上に吸着する。当初システム(吸引ユニットの最大高さ;空気率350%;濃度0.1g/L)では、生じる気泡が高すぎた。この欠点を解決するため、空気率を低下させ、界面活性剤濃度も低下させた。
TTABの存在下で形成された気泡は、オレイン酸塩の存在下で形成された気泡とは非常に異なっている。すなわち、非常に微小で、水分量が多く、排液が極端に遅い泡からなるようである。この場合、界面活性剤による安定化効果に対して、気泡の排液を遅くし、その水分量を増加させるというその傾向を強く向上させることによる粒子からの安定化が加えられると思われる。
試験を行った濃度範囲(0.1および0.05g/L)において、界面活性剤は、粒子の表面電荷を、中和に達しない程度に僅かに低下させることにより粒子と相互作用する。中和に達してしまうと、本プロセスの選択性が失われる。
界面活性剤の濃度を低下させることによる、入口でのゼータ電位値に対する効果は、何も見られない(しかしながら、ゼータ電位は、各粒子の電荷状態を平均した包括的なパラメーターであることを忘れてはならない)。しかし、捕集された粒子は、より負に帯電する傾向があり、すなわち、ゼータ電位値が当初の電荷(−18mV)に近づくことを観察することができる。
このようにゼータ電位の絶対値の変化は小さいにも関わらず、サイズ測定から推測できるように、凝集に対する効果は強い。実際、平均(表面重み付け)径が15〜20μm(TTAB前)から50〜60μm(TTAB後)に変化しているため、界面活性剤の添加により粒子の凝集が誘発されることが観察される。界面活性剤の濃度が低下すると、サイズの減少(35〜40μm)が誘発される。いずれの場合も、浮上して気泡中に存在する粒子は、より小さいサイズを有する。
除去率について得られた結果を、下記表13にまとめる。
再度、空気率および捕集剤濃度を変化させることにより、除去率を2%まで下げて変化させることが可能である。
オレイン酸塩ですでに観察されたように、気泡における有機物の濃化が得られたため、上記浮上処理は、有機コロイド物を選択的に除去するようである。
II.4.結論
この調査により、土壌量を約250kgとした実験的規模での連続土壌浮上処理を実証することが可能となった。
スクラブおよび浮上処理に、大規模な変更なしに既存の設備を用いることが可能となり、得られる結果は、実験室で予め得られたものと非常に近い結果である。
この処理は、土壌中に存在するコロイドの様々な画分を除去することが可能であり、主に有機コロイド物を除去することが可能であることが確認された。
この操作の収率は、(i)捕集剤の種類および濃度、(ii)プロセスのパラメーター(空気率、吸引ユニットの高さ、・・・)を変更することにより調整することができる。
実施した試験において、除去率は、2〜20%の範囲であった。
また、上記試験は、気泡の熟成を調節するために適したシステムの必要性を特定した。このことは、他の考慮点を踏まえ、土壌浮上セルとして最も適した設計は、断面全体において吸引がされ、気泡の厚さが変更可能なセルカラムであろうということを示している。
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Claims (22)

  1. 少なくとも一つの放射性核種により汚染された土壌を処理するためのプロセスであって、分散空気浮上気泡によって前記放射性核種を分離する工程を少なくとも一つ含むプロセス。
  2. 前記放射性核種がトリチウムH;炭素14C;ストロンチウム90Sr;イットリウム90Y;セシウム137Cs;バリウム137mBa;アメリシウム241Am;トリウム232族からの放射性核種およびウラン238族からの放射性核種からなる群から選ばれることを特徴とする、請求項1に記載のプロセス。
  3. 前記放射性核種がセシウム137Csであることを特徴とする、請求項1または2に記載のプロセス。
  4. 前記プロセスが浮上カラムまたは浮上セル中で実施されることを特徴とする、請求項1〜3のいずれかに記載のプロセス。
  5. 前記プロセスが下記の工程を含むことを特徴とする、請求項1〜4のいずれかに記載のプロセス:
    (a)前記土壌および少なくとも一つの捕集剤を含む懸濁液に空気泡を注入し、それにより気泡を形成する;
    (b)前記気泡の少なくとも一部を、前記懸濁液の残部から分離する。
  6. 前記懸濁液が、
    −懸濁液の全重量に対して2〜40重量%、特に10〜30重量%の被処理土壌;
    −懸濁液の全重量に対して0.005〜5重量%、特に0.01〜2重量%の少なくとも一つの捕集剤;および
    −水
    を含むことを特徴とする、請求項5に記載のプロセス。
  7. 前記懸濁液が、懸濁液の全重量に対して10〜30重量%の被処理土壌を含むことを特徴とする、請求項5または6に記載のプロセス。
  8. 前記懸濁液が、少なくとも一つの捕集剤を、懸濁液の全重量に対して0.01〜2重量%の量で含むことを特徴とする、請求項5〜7のいずれかに記載のプロセス。
  9. 前記捕集剤が脂肪酸、脂肪酸塩およびカチオン性界面活性剤から選ばれることを特徴とする、請求項5〜8のいずれかに記載のプロセス。
  10. 前記捕集剤がオレイン酸ナトリウムであることを特徴とする、請求項5〜9のいずれかに記載のプロセス。
  11. 前記捕集剤が臭化テトラデシルトリメチルアンモニウム(TTAB)であることを特徴とする、請求項5〜9のいずれかに記載のプロセス。
  12. 前記懸濁液が、前記捕集剤に加えて、少なくとも一つの起泡性界面活性剤を含むことを特徴とする、請求項6〜11のいずれかに記載のプロセス。
  13. 前記起泡性界面活性剤がポリアルキルグルコシド、スルホベタイン、エトキシ化アルコールおよびアミン酸化物から選ばれることを特徴とする、請求項12に記載のプロセス。
  14. 前記少なくとも一つの放射性核種により汚染された土壌が掘削される、またはポンプで汲み上げられることを特徴とする、請求項1〜13のいずれかに記載のプロセス。
  15. 前記少なくとも一つの放射性核種により汚染された土壌を前処理工程に供して、300μm超の直径を有する鉱物または有機成分を土壌から除去することを特徴とする、請求項1〜14のいずれかに記載のプロセス。
  16. 1m〜8mの間の高さを有する浮上カラム(またはセル)において、工程(a)で形成される気泡の高さが30cm〜600cmの間であることを特徴とする、請求項1〜15のいずれかに記載のプロセス。
  17. 1m〜8mの間の高さを有する浮上カラム(またはセル)において、工程(a)で形成される気泡の高さが80cm〜400cmの間であることを特徴とする、請求項1〜16のいずれかに記載のプロセス。
  18. 工程(b)において、カラム(またはセル)頂部の放射性核種が濃化した気泡を、吸引または溢流により、懸濁液の残部から分離することを特徴とする、請求項1〜17のいずれかに記載のプロセス。
  19. 下記を含む土壌懸濁液から請求項1〜18のいずれかに記載のプロセスを実施することにより得られる浮上気泡:
    −懸濁液の全重量に対して2〜40重量%の被処理土壌;
    −懸濁液の全重量に対して0.005〜5重量%の、請求項9〜11のいずれかで定義されるような少なくとも一つの捕集剤;および
    −水。
  20. 前記懸濁液が、懸濁液の全重量に対して10〜30重量%の被処理土壌を含むことを特徴とする、請求項19に記載の浮上気泡。
  21. 前記懸濁液が、請求項9〜11のいずれかで定義されるような少なくとも一つの捕集剤を、懸濁液の全重量に対して0.01〜2重量%の量で含むことを特徴とする、請求項19または20に記載の浮上気泡。
  22. 前記懸濁液が、前記捕集剤に加えて、請求項12または13で定義されるような少なくとも一つの起泡性界面活性剤を含むことを特徴とする、請求項19〜21のいずれかに記載の浮上気泡。
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