JP2019035480A - 電動ブレーキ装置 - Google Patents

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雅章 江口
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Abstract

【課題】電動ブレーキ装置の組み立て時にブーツに潤滑油が付着するのを防止することができ、かつ、ピストン部材の動作の信頼性に優れた電動ブレーキ装置を提供する。【解決手段】ハウジング部5Bの収容孔13の開口を囲む環状の合わせ面30に軸方向に突き合わせて固定された支持リング54と、支持リング54の内周に一端が連結され、ピストン部材15の収容孔13からの突出部分の外周に他端が連結された伸縮自在のブーツ50とを有し、ハウジング部5Bの合わせ面30には、合わせ面30を内径側部分と外径側部分とに区画する円環溝39が形成され、合わせ面30の円環溝39よりも外径側部分と合わせ面29との間が液状ガスケット45でシールされている電動ブレーキ装置。【選択図】図3

Description

この発明は、電動モータを駆動源とする電動ブレーキ装置に関する。
従来、車両用ブレーキ装置として、油圧を駆動源とする油圧ブレーキ装置が多く採用されてきたが、油圧ブレーキ装置は、ブレーキオイルを使用するので環境負荷が高く、またABS、スタビリティ・コントロール・システム、ブレーキアシスト等といった機能の更なる高機能化が難しい。そこで、ブレーキ装置の更なる高機能化と環境負荷の低減を実現する手段として、電動モータを駆動源とする電動ブレーキ装置が注目されている。
このような電動ブレーキ装置として、特許文献1の図21に示されるものが知られている。この電動ブレーキ装置は、ブレーキディスクを間に挟んで軸方向に対向して配置される一対のブレーキパッドと、ブレーキディスクの外周を跨ぐ形状とされたキャリパボディの一端部に一体に形成されたハウジング部と、ハウジング部に形成された収容孔に軸方向にしゅう動可能に挿入されたピストン部材と、電動モータから伝達する回転をピストン部材の軸方向移動に変換する直動機構とを有する。ハウジング部に形成された収容孔は、ブレーキパッドを介してブレーキディスクと軸方向に対向する位置に開口している。また、ピストン部材は、収容孔から一方の端部が突出し、他方の端部が収容孔内に収容された状態に設けられている。この電動ブレーキ装置は、直動機構によってピストン部材を軸方向移動させ、そのピストン部材でブレーキパッドをブレーキディスクに押し付けることで制動力を発生する。
この電動ブレーキ装置において、収容孔の内周とピストン部材の外周との間のしゅう動部分に異物が侵入すると、ピストン部材の軸方向移動が阻害される。そこで、特許文献1の電動ブレーキ装置においては、収容孔の内周とピストン部材の外周との間に異物が侵入するのを防止するため、収容孔の内周に一端が連結され、ピストン部材の外周に他端が連結された伸縮自在のブーツを設け、このブーツによって収容孔の内周とピストン部材の外周との間のしゅう動部分を外部からシールしている。ブーツの材質としては、一般に、耐候性、耐水性に優れたエチレンプロピレンゴム(EPDM)等のゴム弾性をもつ材料が用いられる。
特開2012−149747号公報
上述の電動ブレーキ装置の組み立て時において、伸縮自在のブーツを装着するに際しては、まず、ブーツの一端を収容孔の内周に取り付け、次に、ブーツの他端を弾性変形により拡径させ、その拡径したブーツに、ピストン部材と一体化した直動機構を挿入し、直動機構を収容孔に収容する。ここで、拡径したブーツに直動機構を挿入するときに、直動機構の潤滑に用いられる潤滑油がブーツに付着しやすい。
ところが、ブーツに潤滑油が付着すると、ブーツを構成する材質が潤滑油で膨潤して劣化するおそれがある。
そこで、本願の発明者は、電動ブレーキ装置の組み立て時にブーツに潤滑油が付着するのを防止するため、以下の構成の電動ブレーキ装置を社内で発案した。
ブレーキディスクと軸方向に対向して配置されるブレーキパッドと、
前記ブレーキパッドを介して前記ブレーキディスクと軸方向に対向する位置に開口する収容孔をもつハウジング部と、
一方の端部が前記収容孔から突出し、他方の端部が前記収容孔内に収容された状態に設けられたピストン部材と、
前記ピストン部材の前記収容孔からの突出部分の外周を囲む環状に形成され、前記ハウジング部の前記収容孔の開口を囲む環状の合わせ面に軸方向に突き合わせて固定された支持リングと、
電動モータから伝達する回転を前記ピストン部材の軸方向移動に変換する直動機構と、
前記支持リングの内周に一端が連結され、前記ピストン部材の前記収容孔からの突出部分の外周に他端が連結された伸縮自在のブーツとを有する電動ブレーキ装置。
このようにすると、ブーツの一端がハウジング部とは別体の支持リングに連結されているので、ブーツをハウジング部に装着するに際し、まず、ピストン部材と一体化した直動機構をハウジング部の収容孔に収容し、その後、ブーツの一端を連結した支持リングをハウジング部に固定するという組み立て手順を採用することができ、これにより、組み立て時にブーツに潤滑油が付着するのを防止することが可能となる。
ここで、発明者は、ハウジング部と支持リングの合わせ面間を通って外部から異物が侵入するのを防止するために、ハウジング部と支持リングの合わせ面間を液状ガスケットでシールしたところ、次のような問題があることが分かった。
すなわち、ハウジング部の支持リングに対する合わせ面と、支持リングのハウジング部に対する合わせ面のうちの一方または両方に液状ガスケットを塗布し、その合わせ面同士を突き合わせたときに、液状ガスケットが合わせ面間で径方向に広がり、径方向内方に広がった液状ガスケットが収容孔の内周とピストン部材の外周との間のしゅう動部分に達するおそれがある。収容孔の内周とピストン部材の外周との間のしゅう動部分に液状ガスケットが達すると、その液状ガスケットが異物となって、ピストン部材の軸方向移動が阻害される問題が生じる。
そこで、ピストン部材の軸方向移動が液状ガスケットで阻害されるのを防止する方法として、液状ガスケットの塗布量を少なくすることが考えられるが、液状ガスケットの塗布量を少なくすると、液状ガスケットが支持リングとハウジング部の合わせ面間で十分に広がらず、液状ガスケットの途切れ部分が生じるおそれがある。この場合、液状ガスケットの途切れ部分を通って、外部から直動機構に異物が侵入したり、直動機構に用いられる潤滑油が外部に漏れ出たりする問題が生じる。
この発明が解決しようとする課題は、電動ブレーキ装置の組み立て時にブーツに潤滑油が付着するのを防止することができ、かつ、ピストン部材の動作の信頼性に優れた電動ブレーキ装置を提供することである。
上記の課題を解決するため、この発明では、以下の構成の電動ブレーキ装置を提供する。
ブレーキディスクと軸方向に対向して配置されるブレーキパッドと、
前記ブレーキパッドを介して前記ブレーキディスクと軸方向に対向する位置に開口する収容孔をもつハウジング部と、
一方の端部が前記収容孔から突出し、他方の端部が前記収容孔内に収容された状態に設けられたピストン部材と、
前記ピストン部材の前記収容孔からの突出部分の外周を囲む環状に形成され、前記ハウジング部の前記収容孔の開口を囲む環状の合わせ面に軸方向に突き合わせて固定された支持リングと、
電動モータから伝達する回転を前記ピストン部材の軸方向移動に変換する直動機構と、
前記支持リングの内周に一端が連結され、前記ピストン部材の前記収容孔からの突出部分の外周に他端が連結された伸縮自在のブーツとを有し、
前記ハウジング部の前記合わせ面と、その合わせ面に突き合わせられる前記支持リングの合わせ面のうちの一方の合わせ面には、前記一方の合わせ面を内径側部分と外径側部分とに区画する円環溝が形成され、
前記一方の合わせ面の前記円環溝よりも外径側部分と、他方の合わせ面との間が液状ガスケットでシールされている、
電動ブレーキ装置。
このようにすると、ブーツの一端がハウジング部とは別体の支持リングに連結されているので、ブーツをハウジング部に装着するに際し、まず、ピストン部材と一体化した直動機構をハウジング部の収容孔に収容し、その後、ブーツの一端を連結した支持リングをハウジング部に固定するという組み立て手順を採用することができ、これにより、組み立て時にブーツに潤滑油が付着するのを防止することが可能となる。また、ハウジング部の合わせ面と支持リングの合わせ面のうちの一方の合わせ面に、合わせ面を内径側部分と外径側部分とに区画する円環溝が形成され、その円環溝よりも外径側に液状ガスケットが設けられているので、収容孔の内周とピストン部材の外周との間のしゅう動部分に液状ガスケットが達するのを防止することができ、ピストン部材の動作の信頼性を高めることが可能となっている。すなわち、ハウジング部の支持リングに対する合わせ面と、支持リングのハウジング部に対する合わせ面のうちの一方に液状ガスケットを塗布し、その合わせ面を他方の合わせ面に突き合わせたときに、液状ガスケットが合わせ面間で径方向に広がるが、液状ガスケットを一方の合わせ面の円環溝よりも外径側部分にのみ塗布することで、径方向内方に広がった液状ガスケットが円環溝で留めることができ、収容孔の内周とピストン部材の外周との間のしゅう動部分に液状ガスケットが達するのを防止することができる。
前記一方の合わせ面と前記他方の合わせ面が軸方向に離れるのを阻止するように前記ハウジング部と前記支持リングとを連結する機械的連結手段を更に設けると好ましい。
このようにすると、支持リングのハウジング部への固定強度を高めることができる。
前記機械的連結手段としては、前記ハウジング部と前記支持リングのうちの一方に設けられたねじ孔と、他方に設けられたボルト孔と、前記ボルト孔を通して前記ねじ孔にねじ込まれたボルトとで構成したものを採用することができる。
このようにすると、支持リングのハウジング部への固定強度を効果的に高めることができる。
また、前記機械的連結手段としては、前記ハウジング部と前記支持リングのうちの一方に形成された内周円筒面と、前記内周円筒面に嵌合するように前記ハウジング部と前記支持リングのうちの他方に形成された外周円筒面と、前記内周円筒面に形成された止め輪溝と前記外周円筒面に形成された止め輪溝との間に組み込まれたサークリップとで構成したものを採用することができる。
また、前記機械的連結手段としては、前記ハウジング部に形成されたばね係止部と、前記支持リングに形成されたばね係止部と、前記ハウジング部のばね係止部と前記支持リングのばね係止部とに両端部が係止され、前記ハウジング部と前記支持リングとを互いに引き寄せるばね部材とで構成したものを採用することができる。
前記円環溝に入り込む円環突起を前記他方の合わせ面に形成すると好ましい。
このようにすると、液状ガスケットが円環溝に入り込んだときに、その液状ガスケットが円環突起で受け止められるので、液状ガスケットを円環溝内に効果的に留めることが可能となる。
前記円環突起の径方向外側の面と前記円環溝の内面との間に径方向の隙間を設けると好ましい。
このようにすると、円環溝で留めることが可能な液状ガスケットの量が多くなり、十分な量の液状ガスケットを合わせ面に塗布することが可能となる。
前記円環突起の径方向内側の面と前記円環溝の内面とが径方向に接触しているか、または前記円環突起の径方向内側の面と前記円環溝の内面との間の径方向の最小離間距離が前記円環突起の径方向外側の面と前記円環溝の内面との間の径方向の最小離間距離よりも小さい構成を採用すると好ましい。
このようにすると、円環溝に入り込んだ液状ガスケットが、円環溝よりも内径側に流出するのを効果的に防止することができる。
前記円環溝の内面と前記他方の合わせ面との間で軸方向に圧縮して組み込まれたシールリングを更に設けると好ましい。
このようにすると、円環溝に入り込んだ液状ガスケットが円環溝よりも内径側に流出するのを、シールリングで防止することができる。
前記シールリングの径方向外側の面と前記円環溝の内面との間に径方向の隙間を設けると好ましい。
このようにすると、円環溝で留めることが可能な液状ガスケットの量が多くなり、十分な量の液状ガスケットを合わせ面に塗布することが可能となる。
前記円環溝は、外径側に向かって次第に狭小となる鋭角隙間を前記他方の合わせ面との間に形成する傾斜内面を有するものとすると好ましい。
このようにすると、円環溝よりも外径側部分から円環溝に入り込んだ液状ガスケットが、傾斜内面との粘着によって鋭角隙間に保持される。そのため、円環溝に入り込んだ液状ガスケットが、円環溝内を内径側に移動するのを防止することができる。
前記直動機構としては、前記電動モータから伝達する回転が入力される回転軸と、その回転軸の外周に転がり接触する複数の遊星ローラと、その複数の遊星ローラを自転可能かつ公転可能に保持するキャリヤと、前記ピストン部材の内周に設けられた螺旋突条と、その螺旋突条と係合するように前記各遊星ローラの外周に設けられた螺旋溝または円周溝とを有する遊星ローラ機構を採用することができる。
この発明の電動ブレーキ装置は、ブーツをハウジング部に装着するに際し、まず、ピストン部材と一体化した直動機構をハウジング部の収容孔に収容し、その後、ブーツの一端を連結した支持リングをハウジング部に固定するという組み立て手順を採用することができるので、組み立て時にブーツに潤滑油が付着するのを防止することが可能である。また、ハウジング部の合わせ面と支持リングの合わせ面のうちの一方の合わせ面に、合わせ面を内径側部分と外径側部分とに区画する円環溝が形成され、その円環溝よりも外径側に液状ガスケットが設けられているので、収容孔の内周とピストン部材の外周との間のしゅう動部分に液状ガスケットが達するのを防止することができ、ピストン部材の動作の信頼性が高い。
この発明に係る電動ブレーキ装置の実施の形態を示す縦断面図 図1の右側面図 図1の支持リングの近傍を拡大して示す断面図 図3のIV−IV線に沿った断面図 図3の支持リングとハウジング部の突き合わせ部分の近傍を拡大して示す断面図 ブーツの装着手順を示す分解断面図 図5に示す支持リングの合わせ面に円環突起を追加した変形例を示す断面図 図5に示す円環溝にシールリングを組み込んだ変形例を示す断面図 図7に示す円環溝と円環突起の関係を逆にした変形例を示す断面図 図3に示すボルトを無くし、液状ガスケットのみによって支持リングをハウジング部に固定した変形例を示す断面図 図10のXI−XI線に沿った断面図 図3に示す機械的連結手段の他の例を示す断面図 図12のXIII−XIII線に沿った断面図 図12の支持リングとハウジング部の突き合わせ部分の近傍を拡大して示す断面図 図3に示す機械的連結手段の更に他の例を示す断面図 図15のXVI−XVI線に沿った断面図 図15の支持リングとハウジング部の突き合わせ部分の近傍を拡大して示す断面図 図1に示す電動ブレーキ装置のピストン部材を収容するハウジング部を、キャリパボディとは別体に形成した変形例を示す縦断面図 図18の右側面図 図19のXX−XX線に沿った断面図
以下、この発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。図1および図2に示すように、電動ブレーキ装置は、電動モータ1と、電動モータ1の回転を減速して伝達する減速機構2と、減速機構2を介して電動モータ1から伝達される回転を直線運動に変換する直動機構3と、その直動機構3を収容し、ブレーキディスク4の外周を跨ぐ形状をもつキャリパボディ5と、ブレーキディスク4を間に挟んで軸方向に対向する一対のブレーキパッド6、7とを有する。
ブレーキディスク4は、図示しない車輪と一体に回転する円盤状の部材である。ブレーキパッド6、7のうち、一方のブレーキパッド6は、ブレーキディスク4の一方の軸方向側面と軸方向に対向して配置され、他方のブレーキパッド7は、ブレーキディスク4の反対側の軸方向側面と軸方向に対向して配置されている。キャリパボディ5は、一対のブレーキパッド6、7を間に挟んで軸方向に向き合うように配置された爪部5Aおよびハウジング部5Bと、爪部5Aとハウジング部5Bをブレーキディスク4の外径側で連結するブリッジ部5Cとからなる。
キャリパボディ5はキャリパベース8とでキャリパを形成する。キャリパベース8は図示省略されたナックルにボルトの締め付けにより固定されている。キャリパベース8は、ブレーキディスク4の外周部を跨ぐ一対のコの字状のガイド片9を両側部に有し、その一対のガイド片9間に上記キャリパボディ5が組み込まれている。キャリパボディ5は、キャリパベース8に対してブレーキディスク4の軸方向に移動自在に支持されている。また、一対のブレーキパッド6、7も一対のコの字状のガイド片9間に組み込まれて回り止めされ、かつ、ブレーキディスク4に向けて移動自在に支持されている。
キャリパボディ5の移動自在の支持に際し、一対のガイド片9のそれぞれにガイド孔10を形成し、一方、キャリパボディ5におけるハウジング部5Bの両側に軸支持片11を突設し、その軸支持片11に設けた軸支持孔43に軸端部が固定されたガイド軸12を上記ガイド孔10内にスライド自在に挿入している。
キャリパボディ5における上記爪部5Aは、ブレーキパッド6のブレーキディスク4に対する対向面とは反対側の面を軸方向に支持している。
一方、キャリパボディ5におけるハウジング部5Bは、ブレーキパッド7のブレーキディスク4に対する対向面とは反対側に配置されている。ハウジング部5Bは、ブレーキパッド7を介してブレーキディスク4と軸方向に対向する位置に開口する収容孔13を有する。収容孔13には、筒状のピストン部材15が挿入されている。ピストン部材15は、一方の端部が収容孔13から突出し、他方の端部が収容孔13内に収容された状態とされている。収容孔13の内周の円筒面は、ピストン部材15の外周の円筒面を軸方向にしゅう動可能に支持している。
直動機構3は、電動モータ1から減速機構2を介して伝達する回転をピストン部材15の軸方向移動に変換する機構である。ここでは直動機構3として、電動モータ1から伝達する回転が入力される回転軸14と、その回転軸14の外周に転がり接触する複数の遊星ローラ16と、その複数の遊星ローラ16を自転可能かつ公転可能に保持するキャリヤ17と、ピストン部材15の内周に設けられた螺旋突条25と、その螺旋突条25と係合するように各遊星ローラ16の外周に設けられた円周溝26とを有する遊星ローラ機構を採用している。
図4に示すように、回転軸14は、ピストン部材15の中心に配置されている。複数の遊星ローラ16は、回転軸14の外周とピストン部材15の内周との間に周方向に間隔をおいて配置されている。
図1、図3に示すように、キャリヤ17は、遊星ローラ16を間にして軸方向に対向する一対のディスク18、19と、そのディスク18、19同士を連結する連結部20と、各遊星ローラ16をラジアル軸受44を介して自転可能に支持するローラ軸21とを有する。各ディスク18、19は、回転軸14を貫通させる環状に形成され、その内周には回転軸14の外周に摺接する滑り軸受22がそれぞれ装着されている。ローラ軸21は、その両軸端近傍をディスク18、19に形成された径方向に長い長孔49で保持され、その長孔49の両端に当接する範囲において移動自在とされている。径方向に弾性変形可能な弾性リング24は、各ローラ軸21の軸端部を包み込むようにかけ渡され、これにより各ローラ軸21が内向きに付勢されて、各遊星ローラ16は回転軸14の外径面に押し付けられている。
回転軸14の遊星ローラ16に対する接触部分は円筒面とされている。回転軸14が回転したとき、各遊星ローラ16は、回転軸14からの摩擦伝動により各遊星ローラ16の中心に設けられたローラ軸21を中心に自転しながら回転軸14を中心にピストン部材15の内側を公転する。
ピストン部材15の内周には、螺旋突条25が設けられている。螺旋突条25は、円周方向に対して所定のリード角をもって斜めに延びる突条である。各遊星ローラ16の外周には、螺旋突条25に係合する複数の円周溝26が軸方向に間隔をおいて形成されている。ここでは、遊星ローラ16の外周にリード角が0度の円周溝26を設けているが、円周溝26の代わりに、螺旋突条25と異なるリード角をもつ螺旋溝を設けてもよい。
各遊星ローラ16とディスク19との間には、遊星ローラ16を自転可能に支持するスラスト軸受27が組み込まれている。また、スラスト軸受27とディスク19の間には、スラスト軸受27を介して遊星ローラ16を傾動可能に支持する調心座28が組み込まれている。
図1に示すように、ハウジング部5B内には、ピストン部材15から見てブレーキディスク4の側とは反対側に離れた位置に、円環状の軸受支持部材31が組み込まれている。軸受支持部材31の内周には、回転軸14を回転可能に支持するラジアル軸受32が組み込まれている。軸受支持部材31とキャリヤ17の間には、キャリヤ17と一体に公転する間座33と、間座33を介してキャリヤ17を公転可能に支持するスラスト軸受34とが組み込まれている。
軸受支持部材31は、収容孔13の内周に装着したストッパリング35で軸方向後方への移動が規制され、これにより、キャリヤ17も軸方向後方への移動が規制された状態となっている。また、キャリヤ17は、回転軸14の軸方向前端部に設けられた止め輪23で軸方向前方への移動も規制されている。これにより、キャリヤ17は、軸方向前方および後方のいずれの移動も規制され、キャリヤ17に保持された遊星ローラ16も軸方向移動が規制された状態となっている。ストッパリング35としては、多重巻き止め輪を用いることができる。
直動機構3を構成するピストン部材15のブレーキディスク4の側の開口端には、これを閉塞するシールカバー36が取り付けられている。シールカバー36は、ピストン部材15の内部に異物が侵入するのを防止する。直動機構3のピストン部材15のもう一方の開口端は開放されたままである。
図1および図2に示すように、減速機構2は、減速機構ハウジング37内に収容されている。減速機構ハウジング37は、ハウジング部5Bのブレーキディスク4の側と反対側の開口端部にねじ込まれるボルト38の締め付けによって固定され、その減速機構ハウジング37のキャリパボディ5の側と同一面で別の端部に電動モータ1が支持されている。
図2に示すように、減速機構2は、電動モータ1から回転が入力される入力ギヤ40と、直動機構3に回転を出力する出力ギヤ41と、入力ギヤ40と出力ギヤ41の間で回転を伝達する中間ギヤ42とを有する。図1に示すように、出力ギヤ41は回転軸14の外周とスプライン嵌合しており、出力ギヤ41から回転軸14に回転が入力されるようになっている。
図3に示すように、ハウジング部5Bのブレーキディスク4(図1参照)の側の端部には、ハウジング部5Bとは別体の支持リング54が取り付けられている。支持リング54は、ピストン部材15の収容孔13からの突出部分の外周を囲む環状に形成されている。支持リング54には、環状の合わせ面29が形成されている。合わせ面29は、ハウジング部5Bの収容孔13の開口を囲む環状の合わせ面30に軸方向に突き合わせて固定されている。合わせ面29,30は、いずれも軸方向に直交する平面である。
支持リング54には、収容孔13の内周とピストン部材15の外周との間のしゅう動部分への異物の侵入を防止するブーツ50の一端が連結されている。ブーツ50の他端は、ピストン部材15の収容孔13からの突出部分の外周に連結されている。ブーツ50は、蛇腹状に折りたたまれた軸方向に伸縮自在な筒状の部材である。ブーツ50の材質は、ゴム弾性をもつものが用いられ、例えば、耐候性、耐水性に優れたエチレンプロピレンゴム(EPDM)を用いることができる。
図5に示すように、ブーツ50と支持リング54の連結は、ブーツ50の一端に形成された径方向外向きの突起52を、支持リング54の内周に形成されたブーツ装着溝56に嵌め合わせることによって行なわれ、ブーツ50とピストン部材15の連結は、ブーツ50の他端に形成された径方向内向きの突起51を、ピストン部材15の外周に形成されたブーツ装着溝53に嵌め合わせることによって行なわれている。
支持リング54の内周には、ピストン部材15の外周に近接する案内面55が形成されている。案内面55は、収容孔13の内径より僅かに大きい内径をもつ円筒面である。案内面55は、合わせ面29の径方向内端から軸方向前方に延びるように配置されている。
ハウジング部5Bの合わせ面30には、合わせ面30を内径側部分と外径側部分とに区画する円環溝39が形成されている。そして、合わせ面30の円環溝39よりも外径側部分と、合わせ面29との間が液状ガスケット45でシールされている。液状ガスケット45は、塗布する前は流動性を有し、塗布した後は時間の経過により弾性または粘着性の膜となるシール材である。円環溝39は、外径側に向かって次第に狭小となる鋭角隙間を合わせ面29との間に形成する傾斜内面46を有する。
図3に示すように、ハウジング部5Bと支持リング54は機械的連結手段で互い連結され、これにより、合わせ面29と合わせ面30が軸方向に離れるのが阻止されるようになっている。機械的連結手段は、ここでは、ハウジング部5Bに設けられたねじ孔58と、支持リング54に設けられたボルト孔57と、ボルト孔57を通してねじ孔58にねじ込まれたボルト59である。
図4に示すように、ねじ孔58およびボルト59は、周方向に等間隔に複数設けられている。支持リング54のボルト孔57も、ねじ孔58およびボルト59に対応して、周方向に等間隔に複数設けられている。図3に示すように、この実施形態では、ボルト59の取り付け作業を容易とするため、ハウジング部5Bと支持リング54のうち、ハウジング部5Bの側にねじ孔58を設け、支持リング54の側にボルト孔57を設けているが、ボルト孔57とねじ孔58の関係を逆にし、ハウジング部5Bの側にボルト孔57を設け、支持リング54の側にねじ孔58を設けることも可能である。
図5に示すように、ハウジング部5Bにおける収容孔13のブレーキディスク4側の端部内周には環状のシール溝62が形成されている。シール溝62には、ピストン部材15の外周に弾性接触するシールリング63が組み込まれている。シールリング63は、収容孔13とピストン部材15のしゅう動面間をシールし、内部から外部への潤滑油の漏洩を防止している。
図3に示すように、ピストン部材15のブレーキディスク4側の端部開口を閉塞するシールカバー36には、ブレーキパッド7の背面に形成された係合凸部64に係合する係合凹部65が形成され、この係合凸部64と係合凹部65の係合によって、ピストン部材15が回り止めされている。
実施の形態で示す電動ブレーキ装置は上記の構成からなり、電動モータ1(図2参照)が回転すると、電動モータ1の回転が減速機構2を介して回転軸14に入力され、図3および図4に示す遊星ローラ16が自転しながら公転する。このとき、螺旋突条25と円周溝26の係合によってピストン部材15と遊星ローラ16が軸方向に相対移動可能だが、遊星ローラ16はキャリヤ17と共に軸方向の移動が規制されているので、遊星ローラ16は軸方向に移動せず、ピストン部材15が軸方向に移動する。このようにして、直動機構3は、電動モータ1から伝達される回転をピストン部材15の直線運動に変換し、そのピストン部材15と一体にブレーキパッド7(図1参照)を移動させることで、ブレーキパッド7をブレーキディスク4に押し付けて制動力を発生させる。
ブレーキディスク4の制動後、図1に示す電動モータ1を逆回転させると、回転軸14が逆方向に回転し、自転しつつ公転する遊星ローラ16の円周溝26と螺旋突条25の噛合によってピストン部材15が後退動し、制動力が解除される。
ここで制動力を発生させたり、制動力を解除したりするとき、ピストン部材15は収容孔13の内周に沿って軸方向にしゅう動する。そのため、外部から、収容孔13の内周とピストン部材15の外周との間のしゅう動部分に異物が侵入すると、ピストン部材15の円滑な移動が阻害され、電動ブレーキ装置の動作が不安定になるおそれがある。
そこで、ピストン部材15の円滑な移動を確保するため、実施の形態で示す電動ブレーキ装置においては、図3に示すように、支持リング54の内周に一端が連結され、ピストン部材15の外周に他端が連結された伸縮自在のブーツ50を設け、このブーツ50によって支持リング54とピストン部材15の間を外部からシールし、これにより、収容孔13の内周とピストン部材15の外周との間のしゅう動部分への異物の侵入を防止している。
また、ピストン部材15の円滑な移動を確保するため、実施の形態で示す電動ブレーキ装置においては、図3に示すように、ハウジング部5Bの支持リング54に対する合わせ面30と、支持リング54のハウジング部5Bに対する合わせ面29との間を液状ガスケット45でシールし、これにより、収容孔13の内周とピストン部材15の外周との間のしゅう動部分への異物の侵入を防止している。
ところで、電動ブレーキ装置の使用時に、直動機構3の潤滑に用いられる潤滑油がブーツ50に付着すると、ブーツ50を構成する材質が潤滑油で膨潤して劣化するおそれがある。そこで、実施の形態で示す電動ブレーキ装置においては、収容孔13の内周の支持リングの側の端部とピストン部材15の外周との間をシールリング63でシールし、これにより、直動機構3の潤滑に用いられる潤滑油が、収容孔13の内周とピストン部材15の外周の間を通ってブーツ50に付着するのを防止している。
また、電動ブレーキ装置の組み立て時においても、直動機構3の潤滑に用いられる潤滑油がブーツ50に付着すると、ブーツ50を構成する材質が潤滑油で膨潤して劣化するおそれがある。そこで、実施の形態で示す電動ブレーキ装置の組み立て時においては、電動ブレーキ装置の組み立て時にブーツ50に潤滑油が付着するのを防止するため、例えば、以下の手順でブーツ50を装着することができる。
図6に示すように、支持リング54のブーツ装着溝56にブーツ50の一端の突起52を嵌め込むことで、ハウジング部5Bから取り外された状態の支持リング54の内周にブーツ50の一端を連結する。一方、ハウジング部5Bにおいては、合わせ面30の円環溝39よりも外径側部分に液状ガスケット45を塗布し、ピストン部材15と一体化した直動機構3を収容孔13に挿入する。その後、支持リング54の合わせ面29をハウジング部5Bの合わせ面30に軸方向に突き合わせ、さらに支持リング54をハウジング部5Bにボルト59で締結することで、支持リング54をハウジング部5Bに固定する。最後に、ピストン部材15の外周のブーツ装着溝53にブーツ50の他端の突起51を嵌め込むことで、ピストン部材15の外周にブーツ50の他端を連結する。
上記のように、実施の形態で示す電動ブレーキ装置は、ブーツ50の一端がハウジング部5Bとは別体の支持リング54に連結されているので、ブーツ50をハウジング部5Bに装着するに際し、まず、ピストン部材15と一体化した直動機構3をハウジング部5Bの収容孔13に収容し、その後、ブーツ50の一端を連結した支持リング54をハウジング部5Bに固定するという組み立て手順を採用することができ、これにより、組み立て時にブーツ50に潤滑油が付着するのを防止することが可能となる。
また、ハウジング部5Bの合わせ面30に、合わせ面30を内径側部分と外径側部分とに区画する円環溝39が形成され、その円環溝39よりも外径側に液状ガスケット45が設けられているので、収容孔13の内周とピストン部材15の外周との間のしゅう動部分に液状ガスケット45が達するのを防止することができ、ピストン部材15の動作の信頼性を高めることが可能となっている。すなわち、ハウジング部5Bの支持リング54に対する合わせ面30に液状ガスケット45を塗布し、その合わせ面30を他方の合わせ面29に突き合わせたときに、液状ガスケット45が合わせ面29,30間で径方向に広がるが、液状ガスケット45を合わせ面30の円環溝39よりも外径側部分にのみ塗布することで、径方向内方に広がった液状ガスケット45が円環溝39で留めることができ、収容孔13の内周とピストン部材15の外周との間のしゅう動部分に液状ガスケット45が達するのを防止することができる。
また、図5に示すように、円環溝39として、外径側に向かって次第に狭小となる鋭角隙間を他方の合わせ面29との間に形成する傾斜内面46を有するものを採用しているので、円環溝39よりも外径側部分から円環溝39に入り込んだ液状ガスケット45が、傾斜内面46との粘着によって鋭角隙間に保持される。そのため、円環溝39に入り込んだ液状ガスケット45が、円環溝39内を内径側に移動するのを防止することが可能である。
また、図3に示すように、ハウジング部5Bと支持リング54とを連結する機械的連結手段(ここでは、ねじ孔58、ボルト孔57、ボルト59)を設けているので、支持リング54のハウジング部5Bへの固定強度を高めることが可能となっている。また、液状ガスケット45として、不乾性や半乾性のものを使用することも可能となっている。
上記実施形態では、ハウジング部5Bの合わせ面30と、支持リング54の合わせ面29のうち、ハウジング部5Bの合わせ面30に液状ガスケット45を塗布したものを例に挙げて説明したが、ハウジング部5Bの合わせ面30に代えて、支持リング54の合わせ面29に液状ガスケット45を塗布するようにしてもよい。この場合、円環溝39は支持リング54の合わせ面29に形成し、その合わせ面29の円環溝39よりも外径側部分に液状ガスケット45を塗布すればよい。
図7に示すように、ハウジング部5Bの合わせ面30に円環溝39を形成し、支持リング54の合わせ面29に、円環溝39に入り込む円環突起47を形成することができる。図7において、円環突起47の径方向外側の面と円環溝39の内面(ここでは傾斜内面46)は非接触の配置とされ、円環突起47の径方向外側の面と円環溝39の内面との間に、径方向の隙間が設けられている。また、円環突起47の径方向内側の面と円環溝39の内面は、径方向に接触しているか、または円環突起47の径方向内側の面と円環溝39の内面との間の径方向の最小離間距離が円環突起47の径方向外側の面と円環溝39の内面との間の径方向の最小離間距離よりも小さくなるように、円環突起47の径方向内側の面と円環溝39の内面は近接している。
図7に示す実施形態では、液状ガスケット45が円環溝39に入り込んだときに、その液状ガスケット45が円環突起47で受け止められるので、液状ガスケット45を円環溝39内に効果的に留めることが可能である。また、円環突起47の径方向外側の面と円環溝39の内面との間に径方向の隙間が存在するので、円環溝39で留めることが可能な液状ガスケット45の量が多く、十分な量の液状ガスケット45を合わせ面30に塗布することが可能である。円環突起47の径方向内側の面と円環溝39の内面は近接しているので、円環溝39に入り込んだ液状ガスケット45が、円環溝39よりも内径側に流出するのを効果的に防止することが可能である。
図7では、ハウジング部5Bの合わせ面30と、支持リング54の合わせ面29のうち、ハウジング部5Bの合わせ面30に円環溝39を形成し、支持リング54の合わせ面29に円環突起47を形成したが、図9に示すように、円環溝39と円環突起47の関係を逆にし、支持リング54の合わせ面29に円環溝39を形成し、ハウジング部5Bの合わせ面30に円環突起47を形成するようにしてもよい。
また、図8に示すように、円環溝39の内面と合わせ面29との間でシールリング48が軸方向に圧縮した状態となるように円環溝39にシールリング48を組み込むことができる。図8において、シールリング48の径方向外側の面と円環溝39の内面(ここでは傾斜内面46)は非接触との配置とされ、シールリング48の径方向外側の面と円環溝39の内面との間に、径方向の隙間が設けられている。シールリング48は、例えば、外力が加わっていない自然状態において断面正円形のOリングである。
図8に示す実施形態では、円環溝39に入り込んだ液状ガスケット45が円環溝39よりも内径側に流出するのを、シールリング48で防止することが可能である。また、シールリング48の径方向外側の面と円環溝39の内面との間に径方向の隙間が存在するので、円環溝39で留めることが可能な液状ガスケット45の量が多く、十分な量の液状ガスケット45を合わせ面30に塗布することが可能である。
上記実施形態では、ボルト59の締結により支持リング54をハウジング部5Bに固定したが、図10、図11に示すように、液状ガスケット45の接着で支持リング54をハウジング部5Bに固定することも可能である。図10、図11において、ハウジング部5Bと支持リング54は機械的連結手段(ボルト59等)で連結されておらず、液状ガスケット45の接着力のみによって連結されている。この場合、液状ガスケット45は接着性のものを採用する。このように、支持リング54を液状ガスケット45のみでハウジング部5Bに固定すると、支持リング54やハウジング部5Bの加工コストを低減することができるとともに、ボルト59が不要となるので、組み立て時の部品点数も削減することが可能となる。
図12〜図14に、ハウジング部5Bと支持リング54とを連結する機械的連結手段の他の例を示す。図12〜図14において、ハウジング部5Bと支持リング54とを連結する機械的連結手段は、ハウジング部5Bと支持リング54のうちの一方に形成された内周円筒面90と、内周円筒面90に嵌合するようにハウジング部5Bと支持リング54のうちの他方に形成された外周円筒面91と、内周円筒面90に形成された止め輪溝92と外周円筒面91に形成された止め輪溝93との間に組み込まれたサークリップ94とで構成されている。サークリップ94は、円周の一部が切り離されたC形状の金属製リングである(図13参照)。
図14に示すように、支持リング54の側の止め輪溝92とハウジング部5Bの側の止め輪溝93は、支持リング54の合わせ面29とハウジング部5Bの合わせ面30が突き合わさった状態において、径方向に対向する位置に形成されている。外周円筒面91に形成された止め輪溝93は、サークリップ94を弾性的に縮径させることで、サークリップ94の全体を外周円筒面91よりも内径側に収容可能な深さを有し、この止め輪溝93内にサークリップ94を収容した状態で内周円筒面90と外周円筒面91を嵌合することで、サークリップ94を止め輪溝94に係合させることが可能となっている。
図15〜図17に、ハウジング部5Bと支持リング54とを連結する機械的連結手段の他の例を示す。図15〜図17において、ハウジング部5Bと支持リング54とを連結する機械的連結手段は、ハウジング部5Bに形成されたばね係止部95と、支持リング54に形成されたばね係止部96と、ハウジング部5Bのばね係止部95と支持リング54のばね係止部96とに両端部が係止され、ハウジング部5Bと支持リング54とを互いに引き寄せるばね部材97とで構成されている。
図16、図17に示すように、支持リング54のばね係止部96は、支持リング54の外周に周方向に等間隔に形成された複数の凹部であり、ハウジング部5Bのばね係止部95は、ハウジング部5Bの外周に周方向に等間隔に形成された複数の凹部である。ハウジング部5Bのばね係止部95の周方向位置は、支持リング54のばね係止部96の周方向位置に対応している。
図17に示すように、ばね部材97の両端には、径方向内向きの折り曲げ片98が形成されている。各折り曲げ片98は、ばね係止部95,96に嵌め込まれている。ばね部材97は、各折り曲げ片98でばね係止部95,96の内面をそれぞれ軸方向に押圧することで、ハウジング部5Bの合わせ面30と支持リング54の合わせ面29とを互いに密着させる方向にハウジング部5Bと支持リング54を付勢している。
図1においては、ハウジング部5Bが、キャリパボディ5に一体化されたものを示したが、図18に示すように、ハウジング部5Bがキャリパボディ5に対して別体とし、その別体のハウジング部5Bをキャリパボディ5のブリッジ部5Cの端部に設けられたハウジング固定板5Dに着脱自在に取り付けるようにしてもよい。
ここで、キャリパボディ5と別体とされたハウジング部5Bは、収容筒部80の一端部に端板81を設けた構成とされ、上記収容筒部80内に直動機構3を収容してアセンブリしている。直動機構3は、軸受支持部材31の形状が図1に示す直動機構3の軸受支持部材31と多少相違するのみであるため、図1に示す直動機構3と同一の部品に同一の符号を付して説明を省略する。
図18に示す電動ブレーキ装置においては、端板81に中心孔82を設けると共に、ハウジング固定板5Dに衝合される収容筒部80の外側面の上記中心孔82との同軸上に円筒部83を形成し、その円筒部83をハウジング固定板5Dに形成された軸挿入孔84内に嵌合して、ハウジング部5Bを位置決めしている。
また、図19、図20に示すように、ハウジング部5Bの位置決め状態において、減速機構ハウジング37に設けられた底板37a、ハウジング固定板5Dおよび収容筒部80のそれぞれに複数のボルト挿入孔85を形成し、そのボルト挿入孔85に挿入されたボルト86を収容筒部80の開口端面に衝合された支持リング54のねじ孔87にねじ係合して、収容筒部80に支持リング54を締結し、その支持リング54とブーツ50でもって収容筒部80の端部開口を閉塞している。なお、減速機構ハウジング37に取り付けられたボルト38aは底板37aまでを締結している。
さらに、図18、図20に示すように、ハウジング固定板5Dの内側面に軸挿入孔84と同軸上に円形のシール溝88を設け、そのシール溝88にシールリング89を組み込んで、ハウジング固定板5Dと端板81の衝合面間をシールしている。
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
3 直動機構
4 ブレーキディスク
5B ハウジング部
7 ブレーキパッド
13 収容孔
14 回転軸
15 ピストン部材
16 遊星ローラ
17 キャリヤ
25 螺旋突条
26 円周溝
29 合わせ面
30 合わせ面
39 円環溝
45 液状ガスケット
46 傾斜内面
47 円環突起
48 シールリング
50 ブーツ
54 支持リング
57 ボルト孔
58 ねじ孔
59 ボルト
90 内周円筒面
91 外周円筒面
92 止め輪溝
93 止め輪溝
94 サークリップ
95 ばね係止部
96 ばね係止部
97 ばね部材

Claims (12)

  1. ブレーキディスク(4)と軸方向に対向して配置されるブレーキパッド(7)と、
    前記ブレーキパッド(7)を介して前記ブレーキディスク(4)と軸方向に対向する位置に開口する収容孔(13)をもつハウジング部(5B)と、
    一方の端部が前記収容孔(13)から突出し、他方の端部が前記収容孔(13)内に収容された状態に設けられたピストン部材(15)と、
    前記ピストン部材(15)の前記収容孔(13)からの突出部分の外周を囲む環状に形成され、前記ハウジング部(5B)の前記収容孔(13)の開口を囲む環状の合わせ面(30)に軸方向に突き合わせて固定された支持リング(54)と、
    電動モータ(1)から伝達する回転を前記ピストン部材(15)の軸方向移動に変換する直動機構(3)と、
    前記支持リング(54)の内周に一端が連結され、前記ピストン部材(15)の前記収容孔(13)からの突出部分の外周に他端が連結された伸縮自在のブーツ(50)とを有し、
    前記ハウジング部(5B)の前記合わせ面(30)と、その合わせ面(30)に突き合わせられる前記支持リング(54)の合わせ面(29)のうちの一方の合わせ面(30)には、前記一方の合わせ面(30)を内径側部分と外径側部分とに区画する円環溝(39)が形成され、
    前記一方の合わせ面(30)の前記円環溝(39)よりも外径側部分と、他方の合わせ面(29)との間が液状ガスケット(45)でシールされている、
    電動ブレーキ装置。
  2. 前記一方の合わせ面(30)と前記他方の合わせ面(29)が軸方向に離れるのを阻止するように前記ハウジング部(5B)と前記支持リング(54)とを連結する機械的連結手段を更に有する請求項1に記載の電動ブレーキ装置。
  3. 前記機械的連結手段は、前記ハウジング部(5B)と前記支持リング(54)のうちの一方に設けられたねじ孔(58)と、他方に設けられたボルト孔(57)と、前記ボルト孔(57)を通して前記ねじ孔(58)にねじ込まれたボルト(59)とで構成されている請求項2に記載の電動ブレーキ装置。
  4. 前記機械的連結手段は、前記ハウジング部(5B)と前記支持リング(54)のうちの一方に形成された内周円筒面(90)と、前記内周円筒面(90)に嵌合するように前記ハウジング部(5B)と前記支持リング(54)のうちの他方に形成された外周円筒面(91)と、前記内周円筒面(90)に形成された止め輪溝(92)と前記外周円筒面(91)に形成された止め輪溝(93)との間に組み込まれたサークリップ(94)とで構成されている請求項2に記載の電動ブレーキ装置。
  5. 前記機械的連結手段は、前記ハウジング部(5B)に形成されたばね係止部(95)と、前記支持リング(54)に形成されたばね係止部(96)と、前記ハウジング部(5B)のばね係止部(95)と前記支持リング(54)のばね係止部(96)とに両端部が係止され、前記ハウジング部(5B)と前記支持リング(54)とを互いに引き寄せるばね部材(97)とで構成されている請求項2に記載の電動ブレーキ装置。
  6. 前記円環溝(39)に入り込む円環突起(47)が前記他方の合わせ面(29)に形成されている請求項1から5のいずれかに記載の電動ブレーキ装置。
  7. 前記円環突起(47)の径方向外側の面と前記円環溝(39)の内面との間に径方向の隙間が設けられている請求項6に記載の電動ブレーキ装置。
  8. 前記円環突起(47)の径方向内側の面と前記円環溝(39)の内面とが径方向に接触しているか、または前記円環突起(47)の径方向内側の面と前記円環溝(39)の内面との間の径方向の最小離間距離が前記円環突起(47)の径方向外側の面と前記円環溝(39)の内面との間の径方向の最小離間距離よりも小さい請求項6または7に記載の電動ブレーキ装置。
  9. 前記円環溝(39)の内面と前記他方の合わせ面(29)との間で軸方向に圧縮して組み込まれたシールリング(48)を更に有する請求項1から5のいずれかに記載の電動ブレーキ装置。
  10. 前記シールリング(48)の径方向外側の面と前記円環溝(39)の内面との間に径方向の隙間が設けられている請求項9に記載の電動ブレーキ装置。
  11. 前記円環溝(39)は、外径側に向かって次第に狭小となる鋭角隙間を前記他方の合わせ面(29)との間に形成する傾斜内面(46)を有する請求項1から10のいずれかに記載の電動ブレーキ装置。
  12. 前記直動機構(3)は、前記電動モータ(1)から伝達する回転が入力される回転軸(14)と、その回転軸(14)の外周に転がり接触する複数の遊星ローラ(16)と、その複数の遊星ローラ(16)を自転可能かつ公転可能に保持し、軸方向移動を規制されたキャリヤ(17)と、前記ピストン部材(15)の内周に設けられた螺旋突条(25)と、その螺旋突条(25)と係合するように前記各遊星ローラ(16)の外周に設けられた螺旋溝または円周溝(26)とを有する遊星ローラ機構である請求項1から11のいずれかに記載の電動ブレーキ装置。
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