JP2019034847A - 自動ワインダ、及び自動ワインダ製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】複数の形式の自動ワインダを容易に構成できるようにする。【解決手段】自動ワインダ1は、メインフレーム2と、給糸交換部3と、糸巻取部5と、糸継部8と、を備える。給糸交換部3は、メインフレーム2の下部に配置され、複数の形式の給糸交換装置20,30,40のうちの何れかが選択的に取り付けられて構成される。糸巻取部5は、メインフレーム2の上部に配置され、複数の形式の糸巻取装置50,60のうちの何れかが選択的に取り付けられて構成される。糸継部8は、メインフレーム2の上下中途部に配置され、給糸交換部3から糸巻取部5へ供給される糸を繋ぎ合わせる。【選択図】図2
Description
本発明は、自動ワインダ、及び自動ワインダ製造方法に関する。
従来から、紡績された糸を巻き返してパッケージを形成する自動ワインダが知られている。特許文献1は、この種の自動ワインダを開示する。この特許文献1の繊維機械は、複数の紡績現場(ユニット)により構成されている。各紡績現場は、1つのケンス給繊装置と、1つの紡績ユニットと、1つの巻上げユニットと、から構成されており、紡績ユニット及び/又は巻上げユニットはモジュール式に構成されており、かつ交換可能である。この特許文献1では、繊維機械を上記の構成とすることにより、紡績現場の機械構成部分の故障に基づく或いは紡績現場の組換えに基づく稼動停止時間を最小限に抑えることができる、としている。
しかし、上記特許文献1の構成では、例えば巻上げユニットだけについて見ても、巻取りの形式の異なるものや、給糸の形式の異なるものなど、一部の構成が異なる様々な形式のものが想定される。繊維機械工場等において、それらの各形式の巻上げユニットを、故障や組換えの度に、ユニットごと取り外したり、取り付けたりするのは、依然として労力やコストが掛かるという点で、改善の余地があった。
本発明は以上の事情に鑑みてされたものであり、その目的は、複数の形式の自動ワインダを容易に構成できるようにすることにある。
本発明の解決しようとする課題は以上の如くであり、次にこの課題を解決するための手段とその効果を説明する。
本発明の第1の観点によれば、以下の構成の自動ワインダが提供される。即ち、この自動ワインダは、メインフレームと、給糸交換部と、糸巻取部と、糸継部と、を備える。前記給糸交換部は、前記メインフレームの下部に配置され、複数の形式の給糸交換装置のうちの何れかが選択的に取り付けられて構成される。前記糸巻取部は、前記メインフレームの上部に配置され、複数の形式の糸巻取装置のうちの何れかが選択的に取り付けられて構成される。前記糸継部は、前記メインフレームの上下方向中間部に配置され、前記給糸交換部から前記糸巻取部へ供給される糸を繋ぎ合わせる。
これにより、給糸交換部に取り付けられる給糸交換装置を適宜選択するとともに、糸巻取部に取り付けられる糸巻取装置を適宜選択することにより、各部をモジュール的に取り扱って容易に複数の形式の巻取ユニットを構成することができる。また、複数の巻取ユニットを備える自動ワインダにおける混流生産、バッチ生産が容易となる。また、この自動ワインダを備える繊維機械設備の全体としての装置点数の軽減、省人化、及びそれによるコストダウンが可能となる。
前記の自動ワインダにおいては、以下の構成とすることが好ましい。即ち、前記給糸交換装置は、マガジン式のボビン供給装置、及び搬送トレイ式のボビン供給装置である。前記糸巻取装置は、綾振ドラム式の糸巻取装置、及びアームトラバース式の糸巻取装置である。
これにより、給糸交換装置及び糸巻取装置の組合せを異ならせることにより、4つの形式の巻取ユニットを容易に構成することができる。
前記の自動ワインダにおいては、以下の構成とすることが好ましい。即ち、前記給糸交換装置は、マガジン式のボビン供給装置、搬送トレイ式のボビン供給装置、及びコーン形状のパッケージを支持するパッケージ供給装置である。前記糸巻取装置は、綾振ドラム式の糸巻取装置、及びアームトラバース式の糸巻取装置である。
これにより、給糸交換装置及び糸巻取装置の組合せを異ならせることにより、6つの形式の巻取ユニットを容易に構成することができる。
前記の自動ワインダにおいては、以下の構成とすることが好ましい。即ち、前記糸継部には、複数の形式の糸継メカニズムのうちの何れかが選択的に取り付けられる。前記給糸交換装置は、マガジン式のボビン供給装置、及び搬送トレイ式のボビン供給装置である。前記糸巻取装置は、綾振ドラム式の糸巻取装置、及びアームトラバース式の糸巻取装置である。前記糸継メカニズムは、サクションマウス式の糸継メカニズム、及び糸貯留部を備える糸貯留式の糸継メカニズムである。
これにより、給糸交換装置、糸巻取装置、及び糸継メカニズムの組合せを異ならせることにより、6つ以上の形式の巻取ユニットを容易に構成することができる。
前記の自動ワインダにおいては、前記糸継部に前記糸貯留式の糸継メカニズムを取り付けたとき、前記糸巻取部に取り付ける前記糸巻取装置として、前記綾振ドラム式の糸巻取装置、及び前記アームトラバース式の糸巻取装置の何れをも選択可能であることが好ましい。
これにより、給糸交換装置、糸巻取装置、及び糸継メカニズムの組合せを異ならせることにより、8つの形式の巻取ユニットを容易に構成することができる。
前記の自動ワインダにおいては、前記給糸交換部、前記糸巻取部、又は糸継部のうちの少なくとも何れかに対して、糸の巻取作業に際して必要となる付加的なモジュール部材が着脱可能に設けられることが好ましい。
これにより、給糸交換部、糸巻取部、及び糸継部の組合せだけではなく、付加的なモジュールの組合せも相まって、多様な形式の巻取ユニットを容易に構成することができる。
前記の自動ワインダにおいては、前記モジュール部材は、スプライサ、糸張力付与部材、ワキシング、糸監視装置、及び糸速センサのうちの少なくとも何れかであることが好ましい。
これにより、巻取ユニットの用途に応じて、好適なモジュール部材を取り付けることにより、自動ワインダの構成を適宜に変更することができる。
本発明の第2の観点によれば、以下の構成の自動ワインダが提供される。即ち、この自動ワインダは、メインフレームと、給糸交換部と、糸巻取部と、糸継部と、を備える。前記給糸交換部は、前記メインフレームの下部に着脱可能に設けられる。前記糸巻取部は、前記メインフレームの、前記給糸交換部が設けられる位置よりも上方の位置に着脱可能に取り付けられる。前記糸継部は、前記メインフレームの、前記給糸交換部が設けられる位置よりも上方であり、かつ、前記糸巻取部が取り付けられる位置よりも下方である位置に、着脱可能に取り付けられる。
これにより、給糸交換部、糸巻取部、及び糸継部のそれぞれを、モジュールとして取り付けたり取り外したりすることが可能となり、複数の巻取ユニットを備える自動ワインダにおける混流生産、バッチ生産が容易となる。また、この自動ワインダを備える繊維機械設備の全体としての装置点数の軽減、省人化、及びそれによるコストダウンが可能となる。また、給糸交換部、糸巻取部、及び糸継部を、個別に着脱できるので、メンテナンスや検査等の作業をモジュールごとに行うことが可能となり、作業効率が向上する。
前記の自動ワインダにおいては、前記メインフレームに対する前記糸巻取部の取付位置の高さを変更可能であることが好ましい。
ここで、例えば糸継部として、糸貯留装置を含む形式のものを採用するか、或いは糸貯留装置を含まない形式のものを採用するかによって、自動ワインダの中間部に配置される糸継部の上下方向の寸法が変化する。この点、本構成によれば、糸継部の高さの変化に対応して、糸巻取部の取付位置を変更することができ、多様な編成の巻取ユニットを実現することができる。
前記の自動ワインダにおいては、以下の構成とすることが好ましい。即ち、前記糸巻取部を制御する巻取コントローラは前記糸継部に設けられる。また、前記巻取コントローラを制御するとともに、前記糸継部及び前記給糸交換部も含めて統括的に制御するユニットコントローラが前記糸継部に設けられる。
これにより、ユニットコントローラを中心にして、それよりも上方又は下方に配置される糸巻取部や給糸交換部の制御が行われるので、これらの間の制御信号の流れがシンプルで合理的なものとなる。
本発明の第3の観点によれば、以下の自動ワインダ製造方法が提供される。即ち、この自動ワインダ製造方法は、メインフレーム配置工程と、第1工程と、第2工程と、第3工程と、を含む。前記メインフレーム配置工程では、メインフレームを設置場所に配置する。前記第1工程では、複数の形式のものより選択される着脱可能な給糸交換部、複数の形式のものより選択される着脱可能な糸巻取部、及び着脱可能な糸継部のうち何れかを、前記メインフレームの上部、上下方向中間部、及び下部のうち何れかの場所に設ける。前記第2工程では、前記給糸交換部、前記糸巻取部、及び前記糸継部のうち、前記第1工程で設けられなかった何れかを、前記メインフレームの上部、上下方向中間部、及び下部のうち、前記第1工程で配置されなかった何れかの場所に設ける。前記第3工程では、前記給糸交換部、前記糸巻取部、及び前記糸継部のうち、前記第1工程及び前記第2工程の何れにおいても設けられなかった何れかを、前記メインフレームの上部、上下方向中間部、及び下部のうち、前記第1工程及び前記第2工程の何れにおいても配置されなかった場所に設ける。
これにより、給糸交換部、糸巻取部、及び糸継部のそれぞれを、モジュール化してメインフレームに組み付けることができ、容易に自動ワインダを製造できる。自動ワインダ全体を組み立てる前に、モジュール単位の組立てが完了した段階で、検査を行うことも可能となる。また、各部は着脱可能に構成されているので、その後にメンテナンスや検査等が必要になったときにおいても、各部ごとに行うことができ、作業効率が向上する。
次に、図面を参照して本発明の実施の形態を説明する。図1は、本発明の一実施形態に係る自動ワインダ1に備えられるメインフレーム2の構成を示す斜視図である。
自動ワインダ1は、メインフレーム2と、当該メインフレーム2に取り付けられることで並べて配置される複数の巻取ユニット4,4,・・・と、不図示の機台制御部と、を主として備えて構成される。巻取ユニット4,4,・・・は、正面視で左右方向に並べて配置されている。それぞれの巻取ユニット4は、その給糸交換部3にセットされたボビン6又はパッケージ7から糸を解舒して巻き取ることによりパッケージ9を形成する。
機台制御部は、メインフレーム2の、複数の巻取ユニット4,4,・・・が並べられた方向の一端に配置される。機台制御部は、各巻取ユニット4に備えられるユニットコントローラ90と通信することにより、巻取ユニット4,4,・・・を統括的に制御する。オペレータは、機台制御部に適宜の指示を入力することにより、複数の巻取ユニット4を一括して管理することができる。
次に、メインフレーム2の構成について、図1を参照してより具体的に説明する。メインフレーム2は、自動ワインダ1の骨格をなすものである。メインフレーム2は、側板部11と、底板部12と、ブロアダクト13と、支持軸14と、受け板15と、を主として備えている。
側板部11は、板状の部材であり、その厚み方向を左右水平方向に向けて、左右1対で設けられる。この左右の側板部11は、複数の巻取ユニット4,4,・・・を並べて配置するのに必要な間隔だけ空けて、対向するように配置される。底板部12は、左側の側板部11の下端部と、右側の側板部11の下端部と、を水平に繋ぐように設けられる、板状の部材である。底板部12は、左右方向に長い水平な板状に形成されている。
ブロアダクト13は、不図示のファンの回転により発生した吸引流を巻取ユニット4のそれぞれに分配して発生させるためのものであり、左右の側板部11の間に架け渡される。ブロアダクト13の前面側には、各巻取ユニット4に対応するように、開口13aが形成されている。各開口13aは、各巻取ユニット4の構成のうち吸引流を発生させる対象の部材と、配管等を介して接続される。
ブロアダクト13の上方には、当該ブロアダクト13の上面に対して平行に配置される受け板15が設けられる。受け板15は、左右方向に長い水平な板状に形成され、左右の側板部11の間に架け渡される。受け板15は、ブロアダクト13の上面に対して、上下方向に少し間隔を空けて、当該ブロアダクト13の上面と対面するように設けられる。
ブロアダクト13の前端面の下方の位置には、断面が円形の長い軸状の支持軸14が設けられる。支持軸14は、左右の側板部11の間に、その軸線を左右方向に向けて、水平に架け渡される。
次に、巻取ユニット4の構成について、図2を参照してより具体的に説明する。図2は、自動ワインダ1の巻取ユニット4の構成の一例を模式的に示す側面図である。
図2に示すように、巻取ユニット4は、メインフレーム2の下部に配置される給糸交換部3と、メインフレーム2の上部に配置される糸巻取部5と、メインフレーム2の上下方向中間部に配置される糸継部8と、の3つのモジュールを組み合わせて構成される。
給糸交換部3は、パッケージ9に巻き返すための糸を供給する給糸ボビン(ボビン6又はパッケージ7)を交換可能にセットする部分である。給糸交換部3は、メインフレーム2の底板部12に載置されるようにして、メインフレーム2の下部に取り付けられる。給糸交換部3は、複数の形式の給糸交換装置のうちの何れかを選択的に取り付けることにより構成される。具体的には、本実施形態の給糸交換部3には、マガジン式のボビン供給装置20、トレイ式のボビン供給装置30、及びパッケージ供給装置40の中から、何れか1つを取り付けることが可能である。
糸巻取部5は、給糸交換部3から供給される糸を芯管(紙管)に巻き取ってパッケージ9を形成する部分である。糸巻取部5は、その背面側の底面がメインフレーム2の受け板15に載置されるようにして、メインフレーム2の上部に取り付けられる。別の言い方をすれば、糸巻取部5は、その背面側で、受け板15によって下方から支持される。糸巻取部5は、複数の形式の糸巻取装置のうちの何れかを選択的に取り付けることにより構成される。具体的には、本実施形態の糸巻取部5には、綾振ドラム式の糸巻取装置50、及びアームトラバース式の糸巻取装置60のうちの何れか1つを取り付けることが可能である。
糸継部8は、給糸交換部3から糸巻取部5へ供給される糸を繋ぎ合わせる部分である。糸継部8は、メインフレーム2の支持軸14に支持されるようにして、かつ、その背面がブロアダクト13の前端面に接触するようにして、メインフレーム2の前面側に取り付けられる。これにより、糸継部8は、メインフレーム2の上下方向中間部、より具体的には、給糸交換部3が設けられる位置よりも上方であり、かつ、糸巻取部5が取り付けられる位置よりも下方である位置に取り付けられる。糸継部8は、複数の形式の糸継メカニズムのうちの何れかを選択的に取り付けることにより構成される。具体的には、本実施形態の糸継部8には、サクションマウス式の糸継メカニズム70、及び糸貯留式の糸継メカニズム80のうちの何れか1つを取り付けることが可能である。
給糸交換部3、糸巻取部5、及び糸継部8に取り付けられる各装置は、何れも、モジュールとして、メインフレーム2に対して着脱可能に設けられている。
図2は、給糸交換部3にマガジン式のボビン供給装置20を、糸巻取部5に綾振ドラム式の糸巻取装置50を、糸継部8にサクションマウス式の糸継メカニズム70を、それぞれ取り付けた場合の構成を模式的に示している。以下、これらの3つのモジュールの組合せで巻取ユニット4を構成した場合を例に挙げて、巻取ユニット4の構成をより詳細に説明する。
マガジン式のボビン供給装置20は、ボビンセット部21と、マガジン式のボビン供給機構22と、解舒補助装置29と、を主として備えている。
ボビンセット部21は、糸を解舒するための給糸ボビン6を、立てた姿勢で、所定の位置で保持することが可能に構成されている。
マガジン式のボビン供給機構22は、オペレータが給糸ボビン6を手動で供給するための円柱状のマガジンカン23を備える。マガジンカン23には、複数のポケット部が円周状に並ぶように形成されており、オペレータがこのポケット部に給糸ボビン6を差し入れることで、給糸ボビン6をストックできるようになっている。マガジンカン23の下には、マガジンカン23から落下してきた給糸ボビン6を斜め下方に更に落下させ、ボビンセット部21まで案内する給糸ボビン案内部24が設けられている。
ボビンセット部21に既にセットされている給糸ボビン6から糸が全て解舒されて、空の給糸ボビンが図略の排出機構によって排出されると、ボビン供給機構22にストックされた給糸ボビン6が、給糸ボビン案内部24に落下する。これにより、新しい給糸ボビン6がボビンセット部21にセットされる。
解舒補助装置29は、給糸ボビン6から解舒される糸が振り回されて給糸ボビン6上部に形成されるバルーンに対し、可動部材を接触させ、当該バルーンの大きさを適切に制御することによって糸の解舒を補助する。
ボビン供給機構22及び解舒補助装置29は、支持体28を介してボビンセット部21の底部に支持されている。ボビンセット部21の底部が底板部12の上に載置された状態で、ボビンセット部21(ひいてはマガジン式のボビン供給装置20)がメインフレーム2に取り付けられる。
綾振ドラム式の糸巻取装置50は、巻取ボビン51と、クレードル52と、綾振ドラム53と、糸巻取フレーム54と、を主として備えている。
巻取ボビン51は、給糸交換部3から供給された糸をその外周に巻き付けてパッケージ9を形成するものである。クレードル52は、巻取ボビン51を保持可能に構成される。綾振ドラム53は、糸をトラバース(綾振り)させるとともに巻取ボビン51を回転させるためのものである。
クレードル52は、綾振ドラム53に対し近接又は離間する方向に揺動可能に構成されており、これによって、パッケージ9が綾振ドラム53に対して接触又は離間される。綾振ドラム53の外周面には螺旋状の綾振溝が形成されており、糸はこの綾振溝によって一定の幅でトラバースされながら巻取ボビン51に巻き取られる。これにより、一定の巻幅を有するパッケージ9を形成することができる。
糸巻取フレーム54は、概ね直方体状の部材である。糸巻取フレーム54の左右一側には、クレードル52及び綾振ドラム53が配置され、糸巻取フレーム54は、これらの部材を片持ち支持している。また、糸巻取フレーム54には、綾振ドラム53の駆動モータが配置されている。糸巻取フレーム54の背面側の底部には、水平な底板55が設けられている。この底板55が、受け板15の上面に載置された状態で、糸巻取フレーム54(ひいては糸巻取部5)がメインフレーム2に取り付けられる。糸巻取フレーム54は、隣接する巻取ユニット4の糸巻取部5との間を仕切るように、配置される。なお、底板55は、糸巻取フレーム54と一体として構成することもできる。
サクションマウス式の糸継メカニズム70は、糸監視装置71と、スプライサ72と、下糸案内パイプ73と、上糸案内パイプ74と、テンション付与装置75と、糸継フレーム76と、ステー77と、を主として備えている。
糸継フレーム76は、縦方向に細長い概ね直方体状の部材である。糸継フレーム76の左右一側には、糸監視装置71と、スプライサ72と、下糸案内パイプ73と、上糸案内パイプ74と、テンション付与装置75と、が配置され、糸継フレーム76はこれらの部材を片持ち支持している。糸継フレーム76は、上記の各部を支持した状態で、メインフレーム2の上下方向中間部に取り付けられる。糸継フレーム76は、隣接する巻取ユニット4の糸継部8との間を仕切るように、糸巻取フレーム54と左右方向で位置を合わせて配置される。糸巻取フレーム54と糸継フレーム76とは直接的には接続されておらず、互いの間に(上下方向に)空間が形成されている。
糸継フレーム76をメインフレーム2に取り付ける構成について具体的に説明する。糸継フレーム76の背面から後方に向かってステー77が突出しており、このステー77が支持軸14に引っ掛けられる。そして、糸継フレーム76の背面をブロアダクト13の前端面に接触させるようにして、糸継フレーム76がメインフレーム2に取り付けられる。この際、糸継部8及び給糸交換部3の吸引流を発生させる対象の部材と、ブロアダクト13の開口13aと、が配管等を介して接続される。
なお、後に詳しく説明するように、糸継フレーム76の内部には、巻取ユニット4の各部を制御するための制御部であるユニットコントローラ90等が配置されている。
糸監視装置71は、糸の太さを監視することにより、糸に生じるスラブ等の欠陥(以下、糸欠陥と称することがある。)を検出するように構成されている。また、糸監視装置71の近傍には、当該糸監視装置71が糸欠陥を検出したときに直ちに糸を切断するためのカッタが配置されている。
スプライサ72は、糸監視装置71が糸欠陥を検出してカッタで糸を切断する糸切断時、給糸ボビン6から解舒中の糸の糸切れ時、又は給糸ボビン6の交換時等に、給糸交換部3側の糸と、糸巻取部5側の糸とを繋ぎ合わせる(糸継ぎする)ものである。本実施形態のスプライサ72は、図略のコンプレッサからの圧縮空気が供給されることにより糸の撚り合わせ等が行われて糸継ぎされる形式のものである。
スプライサ72の下側及び上側には、給糸交換部3側の下糸を吸引捕捉して案内する下糸案内パイプ73と、糸巻取部5側の上糸を吸引捕捉して案内する上糸案内パイプ74と、が設けられている。下糸案内パイプ73の先端には吸引口が形成され、上糸案内パイプ74の先端にはサクションマウスが備えられている。下糸案内パイプ73及び上糸案内パイプ74は、配管等を介して、ブロアダクト13の開口13aに接続されている。これにより、吸引口及びサクションマウスに吸引流を発生させることができるようになっている。
この構成で、給糸ボビン6の交換時等においては、下糸案内パイプ73の吸引口が下方へ回動して下糸を吸引捕捉し、その後、上方へ回動することでスプライサ72まで下糸を案内する。また、これとほぼ同時に、上糸案内パイプ74のサクションマウスが、逆転駆動されるパッケージ9から解舒される上糸を吸引捕捉し、その後、下方へ回動することでスプライサ72まで上糸を案内する。そして、スプライサ72において下糸と上糸の糸継ぎが行われる。
以上の構成で、図2に示す巻取ユニット4は、給糸交換部3にセットされた給糸ボビン6から糸を解舒して巻取ボビン51に巻き取って、所定長のパッケージ9を形成することができる。
以下では、自動ワインダ1の制御系の構成について説明する。各巻取ユニット4は、コンピュータで構成された、ユニットコントローラ90及び巻取コントローラ91を備えている。このユニットコントローラ90及び巻取コントローラ91は、CPU、ROM、RAM等のハードウェアと、ROM及び/又はRAMに記憶された制御プログラム等のソフトウェアと、から構成されている。そして、ハードウェアとソフトウェアとが協働することにより、巻取コントローラ91が糸巻取部5の巻取動作を制御する。また、巻取コントローラ91よりも上位の制御部であるユニットコントローラ90が、巻取コントローラ91を制御するとともに、糸継部8及び給糸交換部3も含めて巻取ユニット4全体を統括的に制御する。ユニットコントローラ90は、上記の機台制御部と通信可能に構成されている。
図2に示すように、ユニットコントローラ90及び巻取コントローラ91は、糸継フレーム76の背面側の内部に配置されている。この構成により、糸継フレーム76の背面をブロアダクト13の前端面から離して、支持軸14を支点にして回動させると、図3に示すように、ユニットコントローラ90及び巻取コントローラ91にアクセスするための面を露出させることができる。これにより、ユニットコントローラ90又は巻取コントローラ91を糸継フレーム76から取り出してメンテナンスや付替え等を行うことが可能となっている。なお、糸継フレーム76を、支持軸14を支点にして回動させる際には、糸巻取装置50が干渉しないように、当該糸巻取装置50の底板55の後端を支点として、糸巻取装置50を上方に回動させておく。また、糸継フレーム76と給糸交換部3の間にクリアランスを設けておき、糸継フレーム76の移動をこのクリアランスの範囲内で制限するためのストッパを設けておく。こうすることで、糸継フレーム76(糸継メカニズム70)を糸巻取装置50と給糸交換部3に干渉させることなく前方(手前)に倒すことが可能になる。更に、上記ストッパにより、糸継フレーム76を倒した状態で停止させることができる。なお、図3は、巻取ユニット4に備えられるユニットコントローラ90及び巻取コントローラ91をメンテナンスしたり、付け替えたりする際に行われる作業を模式的に示している。上記クリアランスが十分に確保できない場合は、給糸交換部3を取り外してから糸継フレーム76を倒しても良い。
巻取コントローラ91は、糸巻取装置50から延びるハーネスの先端に設けられるコネクタ98を、当該巻取コントローラ91のコネクタ99と接続することにより、糸巻取装置50の各部と電気的に接続される。また、巻取コントローラ91とユニットコントローラ90とは、コネクタを介して電気的に接続される。
ユニットコントローラ90は、糸継メカニズム70から延びるハーネスの先端に設けられるコネクタを、当該ユニットコントローラ90のコネクタと接続することにより、糸継メカニズム70の各部と電気的に接続される。また、ユニットコントローラ90は、マガジン式のボビン供給装置20から延びるハーネスの先端に設けられるコネクタを、当該ユニットコントローラ90のコネクタと接続することにより、マガジン式のボビン供給装置20の各部と電気的に接続される。
以上のような構成の巻取ユニット4において、給糸交換部3に取り付けられたマガジン式のボビン供給装置20は、用途に応じて、搬送トレイ式のボビン供給装置30、又はパッケージ供給装置40に付け替えることが可能である。図4には、給糸交換部3に搬送トレイ式のボビン供給装置30を取り付けた場合の構成を模式的に示している。図5には、給糸交換部3にパッケージ供給装置40を取り付けた場合の構成を模式的に示している。
また、糸巻取部5に取り付けられた綾振ドラム式の糸巻取装置50は、用途に応じて、アームトラバース式の糸巻取装置60に付け替えることが可能である。図4には、糸巻取部5にアームトラバース式の糸巻取装置60を取り付けた場合の構成を模式的に示している。
図2に示す状態から、図4に示す状態に変更したい場合には、オペレータは、例えば以下のような手順で作業を行う。即ち、オペレータは、マガジン式のボビン供給装置20から延びるハーネスの先端に設けられるコネクタを、ユニットコントローラ90のコネクタから取り外す。そして、マガジン式のボビン供給装置20を底板部12から持ち上げて、他の場所へ移動し、代わりに搬送トレイ式のボビン供給装置30を底板部12の上に載せて据え付ける。そして、搬送トレイ式のボビン供給装置30から延びるハーネスの先端に設けられるコネクタを、ユニットコントローラ90のコネクタに接続する。
また、オペレータは、綾振ドラム式の糸巻取装置50から延びるハーネスの先端に設けられるコネクタ98を、巻取コントローラ91のコネクタ99から取り外す。そして、綾振ドラム式の糸巻取装置50の底板55を受け板15から取り外して、糸巻取装置50ごと他の場所へ移動する。また、糸継フレーム76から綾振ドラム式用の巻取コントローラ91を取り出し、代わりにアームトラバース式用のコントローラ93を配置する(図4を参照)。この際、コントローラ93とユニットコントローラ90とをコネクタで接続する。そして、このコントローラ93と、アームトラバース式の糸巻取装置60と、をコネクタで電気的に接続するとともに、このアームトラバース式の糸巻取装置60を受け板15の上に載せて取り付ける。
同様の方法により、2種類の糸巻取部5と、3種類の給糸交換部3と、の組合せにより、少なくとも6種類の形式の巻取ユニット4を容易に組み立てることができる。
また、本実施形態では、複数の巻取ユニット4,4,・・・を組み付けるのに使用するメインフレームを、上述のメインフレーム2に代えて図6に示すメインフレーム200とすることにより、糸継部8に糸貯留式の糸継メカニズム80を取り付けることも可能である。メインフレーム200は、ブロアダクト13が取り付けられる位置(高さ)等がメインフレーム2とは異なっている。図6には、糸継部8に糸貯留式の糸継メカニズム80を取り付けた場合の構成を模式的に示している。
以下では、各モジュールの構成について、簡単に説明する。
図4に示す搬送トレイ式のボビン供給装置30は、ボビンセット部31と、糸解舒補助装置39と、支持体38と、を主として備えている。ボビンセット部31は、糸を解舒するための給糸ボビン6を、立てた姿勢で、所定の位置で保持することが可能に構成されている。糸解舒補助装置39は、給糸ボビン6の上部に形成されるバルーンに対し、可動部材を接触させ、当該バルーンの大きさを適切に制御することによって糸の解舒を補助する。支持体38は、糸解舒補助装置39をボビンセット部31の上方の位置に支持する。ボビンセット部31の底部が底板部12の上に載置された状態で、ボビンセット部31(ひいては搬送トレイ式のボビン供給装置30)がメインフレーム2に取り付けられる。
図5に示すパッケージ供給装置40は、パッケージセット部41と、回動アーム42と、支持体48と、を主として備えている。パッケージセット部41は、軸状の部材であり、糸を解舒するためのコーン形状の給糸パッケージ(パッケージ7)を差してセットすることが可能である。回動アーム42は、長い板状の部材であり、両端部にパッケージセット部41を備えている。回動アーム42の中央部44は、支持体48によって回転可能に支持されている。回動アーム42が中央部44を支点として回動することにより、糸を解舒するパッケージ7を、両端部のパッケージセット部41にセットされたパッケージ7の何れかに切り換えることが可能である。支持体48の底部を底板部12の上に載置することで、パッケージ供給装置40がメインフレーム2に据え付けられる。
図4及び図6に示すアームトラバース式の糸巻取装置60は、巻取ボビン61と、不図示の巻取ボビン回転駆動源と、クレードル62と、接触ローラ63と、糸巻取フレーム64と、トラバースアーム67と、トラバース駆動モータ66と、を主として備えている。クレードル62は、巻取ボビン61を回転可能に支持している。クレードル62、巻取ボビン回転駆動源、及びトラバース駆動モータ66等を含む糸巻取装置60のその他の構成は、糸巻取フレーム64の左右一側に配置され、糸巻取フレーム64によって片持ち支持されている。トラバースアーム67は、トラバース駆動モータ66によって往復旋回駆動される。接触ローラ63は、巻取ボビン61の周面に接触して回転可能である。
トラバースアーム67は、トラバース駆動モータ66のロータが正逆回転を繰り返すことにより、往復旋回運動を行う。これにより、当該トラバースアーム67の先端に引っ掛けられている糸は、トラバースされつつ、接触ローラ63を介して、回転駆動する巻取ボビン61に巻き取られる。これにより、パッケージ7を巻き返したパッケージ9を形成することができる。糸巻取フレーム64の背面側の底部には、水平な底板65が設けられている。この底板65が、受け板15の上面に載置されて固定されることで、糸巻取装置60がメインフレーム2に取り付けられる。
図6に示す糸貯留式の糸継メカニズム80は、給糸交換部3から供給された糸を糸貯留部(アキュムレータ)81でいったん貯留した後、糸巻取部5で芯管(紙管)に巻き取ってパッケージ9を形成するものである。糸貯留部81は、糸を巻き付けることが可能な糸貯留ローラ82を備える。その他の構成として、糸継メカニズム80は、スプライサ83と、糸監視装置84と、糸案内部材85と、糸継フレーム86と、を主として備えている。
給糸交換部3から供給される糸が糸貯留ローラ82に巻かれて一時的に貯留されることにより、糸に適切な張力が付与された状態で芯管(紙管)に巻き取られる。糸監視装置84で糸欠陥が検出された場合等においては、糸が直ちにカッタで切断されて分断される。そして、給糸交換部3側の下糸は、不図示の下糸吹上部によって吹き上げられて、スプライサ83まで案内される。糸巻取部5側の上糸は、糸案内部材85によって案内されて引き出され、糸貯留ローラ82から引っ張り出される。そして、スプライサ83で糸継ぎがされることにより、糸が再び繋がり、糸の巻取りが再開される。
糸継フレーム86の左右一側には、糸貯留部81と、スプライサ83と、糸監視装置84と、糸案内部材85と、が配置されており、糸継フレーム86は、これらの部材を片持ち支持している。糸継フレーム86は、隣接する巻取ユニット4の糸継部8との間を仕切るように、糸巻取部5の巻取フレーム(図6の例では糸巻取フレーム64)と左右方向で位置を合わせて配置される。巻取フレームと糸継フレーム86とは、直接的には接続されておらず、互いの間に空間が形成されている。別の言い方をすれば、巻取フレームと糸継フレーム86とは、上下方向に間隔を空けて配置されている。糸継フレーム86は、その背面から突出したステー87が支持軸14に引っ掛けられるとともに、糸継フレーム86の背面をブロアダクト13の前端面に接触させるようにして、糸継部8に取り付けられる。糸継フレーム86の背面側の内部には、糸貯留式の糸継メカニズム用のユニットコントローラ94が配置されている。
図6に示すように、糸継部8に糸貯留式の糸継メカニズム80を取り付ける場合、糸継メカニズム70を取り付ける場合と比較して、糸継部8の上下方向の寸法が大きくなる。これは、糸を貯留する糸貯留ローラ82について上下方向のスペースが必要になるためである。そこで、本実施形態では、糸貯留式の糸継メカニズム80もモジュール的に取り扱えるようにするために、糸継部8に糸貯留式の糸継メカニズム80を適用する場合には、専用のメインフレーム200を骨組みとして用いることとしている。これにより、上述の2種類の糸巻取部5、及び上述の3種類の給糸交換部3と組み合わせることにより、12種類の形式の巻取ユニット4を容易に構成することができる。
以上に説明したように、本実施形態の自動ワインダ1は、メインフレーム2と、給糸交換部3と、糸巻取部5と、糸継部8と、を備える。給糸交換部3は、メインフレーム2の下部に配置され、複数の形式の給糸交換装置20,30,40のうちの何れかが選択的に取り付けられて構成される。糸巻取部5は、メインフレーム2の上部に配置され、複数の形式の糸巻取装置50,60のうちの何れかが選択的に取り付けられて構成される。糸継部8は、メインフレーム2の上下方向中間部に配置され、給糸交換部3から糸巻取部5へ供給される糸を繋ぎ合わせる。
これにより、給糸交換部3に取り付けられる給糸交換装置20,30,40を適宜選択するとともに、糸巻取部5に取り付けられる糸巻取装置50,60を適宜選択することにより、各部をモジュール的に取り扱って容易に複数の形式の巻取ユニット4を構成することができる。また、複数の巻取ユニット4,4,・・・を備える自動ワインダ1における混流生産、バッチ生産が容易となる。また、この自動ワインダ1を備える繊維機械設備の全体としての装置点数の軽減、省人化、及びそれによるコストダウンが可能となる。
また、本実施形態の自動ワインダ1においては、前記給糸交換装置は、マガジン式のボビン供給装置20、及び搬送トレイ式のボビン供給装置30である。前記糸巻取装置は、綾振ドラム式の糸巻取装置50、及びアームトラバース式の糸巻取装置60である。
これにより、給糸交換装置20,30及び糸巻取装置50,60の組合せを異ならせることにより、4つの形式の巻取ユニット4を容易に構成することができる。
また、本実施形態の自動ワインダ1においては、前記給糸交換装置は、マガジン式のボビン供給装置20、搬送トレイ式のボビン供給装置30、及びコーン形状のパッケージ7を支持するパッケージ供給装置40である。前記糸巻取装置は、綾振ドラム式の糸巻取装置50、及びアームトラバース式の糸巻取装置60である。
これにより、給糸交換装置20,30,40及び糸巻取装置50,60の組合せを異ならせることにより、6つの形式の巻取ユニット4を容易に構成することができる。
また、本実施形態の自動ワインダ1においては、糸継部8には、複数の形式の糸継メカニズム70,80のうちの何れかが選択的に取り付けられる。前記給糸交換装置は、マガジン式のボビン供給装置20、及び搬送トレイ式のボビン供給装置30である。前記糸巻取装置は、綾振ドラム式の糸巻取装置50、及びアームトラバース式の糸巻取装置60である。前記糸継メカニズムは、サクションマウス式の糸継メカニズム70、及び糸貯留部81を備える糸貯留式の糸継メカニズム80である。
これにより、給糸交換装置20,30、糸巻取装置50,60、及び糸継メカニズム70,80の組合せを異ならせることにより、6つ以上の形式の巻取ユニット4を容易に構成することができる。
また、本実施形態の自動ワインダ1においては、糸継部8に糸貯留式の糸継メカニズム80を取り付けたとき、糸巻取部5に取り付ける前記糸巻取装置として、綾振ドラム式の糸巻取装置50、及びアームトラバース式の糸巻取装置60の何れをも選択可能である。
これにより、給糸交換装置20,30、糸巻取装置50,60、及び糸継メカニズム70,80の組合せを異ならせることにより、8つの形式の巻取ユニット4を容易に構成することができる。
また、本実施形態の自動ワインダ1は、メインフレーム2と、給糸交換部3と、糸巻取部5と、糸継部8と、を備える。給糸交換部3は、メインフレーム2の下部に着脱可能に設けられる。糸巻取部5は、メインフレーム2の、給糸交換部3が設けられる位置よりも上方の位置に着脱可能に取り付けられる。糸継部8は、メインフレーム2の、給糸交換部3が設けられる位置よりも上方であり、かつ、糸巻取部5が取り付けられる位置よりも下方である位置に、着脱可能に取り付けられる。
これにより、給糸交換部3、糸巻取部5、及び糸継部8のそれぞれを、モジュールとして取り付けたり取り外したりすることが可能となり、複数の巻取ユニット4,4,・・・を備える自動ワインダ1における混流生産、バッチ生産が容易となる。また、この自動ワインダ1を備える繊維機械設備の全体としての装置点数の軽減、省人化、及びそれによるコストダウンが可能となる。また、給糸交換部3、糸巻取部5、及び糸継部8を、個別に着脱できるので、メンテナンスや検査等の作業をモジュールごとに行うことが可能となり、作業効率が向上する。具体的には、例えばモジュール単位で用意した糸巻取部5や糸継部8や給糸交換部3を、不図示の検査用の巻取コントローラや、検査用のユニットコントローラに一時的に繋いで、動作確認を行うことができる。
また、本実施形態の自動ワインダ1においては、糸巻取部5を制御する巻取コントローラ91(93)は糸継部8に設けられる。また、巻取コントローラ91(93)を制御するとともに、糸継部8及び給糸交換部3も含めて統括的に制御するユニットコントローラ90が糸継部8に設けられる。
これにより、ユニットコントローラ90を中心にして、それよりも上方又は下方に配置される糸巻取部5や給糸交換部3の制御が行われるので、これらの間の制御信号の流れがシンプルで合理的なものとなる。
また、本実施形態の自動ワインダ1においては、糸巻取部5と、糸継部8と、はメインフレーム2を介して間接的に接続される。
これにより、糸の巻取りに伴って大きな振動が発生し得る糸巻取部5を、糸継部8と直接的には接続しないので、糸巻取部5の振動が糸継部8に備えられるユニットコントローラ90や巻取コントローラ91に伝わるのを抑制することができる。これにより、振動や衝撃に弱い制御部を保護することができる。
また、本実施形態では、以下の方法によって自動ワインダ1が製造される。即ち、この自動ワインダ製造方法は、メインフレーム配置工程と、第1工程と、第2工程と、第3工程と、を含む。メインフレーム配置工程では、メインフレーム2を繊維機械工場等の設置場所に配置する。第1工程では、当該メインフレーム2の下部に、複数の形式のものより選択される着脱可能な給糸交換部3を設ける。第2工程では、メインフレーム2の上部に、複数の形式のものより選択される着脱可能な糸巻取部5を取り付ける。第3工程では、メインフレーム2の上下方向中間部に、着脱可能な糸継部8を取り付ける。ただし、給糸交換部3、糸巻取部5、糸継部8を取り付ける順番は適宜変更することができる。
これにより、給糸交換部3、糸巻取部5、及び糸継部8のそれぞれを、モジュール化してメインフレーム2に組み付けることができ、容易に自動ワインダ1を製造できる。また、自動ワインダ1全体を製造する前に、モジュール単位で検査を行うことも可能となる。具体的には、例えばモジュール単位で用意した糸巻取部5を、不図示の検査用の巻取コントローラに一時的に繋いで、動作確認を行うことができる。また、各部は着脱可能に構成されているので、その後にメンテナンスや検査等が必要になったときにおいても、各部ごとに行うことができ、作業効率が向上する。
次に、上記実施形態の変形例を説明する。なお、本変形例の説明においては、前述の実施形態と同一又は類似の部材には図面に同一の符号を付し、説明を省略する場合がある。
上記の実施形態では、スプライサ72、テンション付与装置(糸張力付与部材)75、及び糸監視装置71は、糸継メカニズム70に予め組み付けられた状態で、巻取ユニット4の糸継部8に取り付けられるものとした。同様に、スプライサ83及び糸監視装置84は、糸継メカニズム80に予め組み付けられた状態で、巻取ユニット4の糸継部8に取り付けられるものとした。
この点、本変形例では、スプライサ72,83、テンション付与装置75、及び糸監視装置71,84を付加的なモジュール部材として取り扱い、糸継メカニズム70,80に対して適宜に着脱可能な構成としている。
本変形例で、付加的なモジュール部材は、上記のスプライサ72,83、テンション付与装置75、及び糸監視装置71,84に限るものではなく、これに加えて、ワキシング或いは糸速センサ等も付加的なモジュール部材としてもよい。即ち、糸の巻取作業に際して必要となる様々な部材を付加的なモジュール部材に含めることができる。
また、これらの付加的なモジュール部材は、糸継部8だけではなく、給糸交換部3或いは糸巻取部5に対して着脱する構成としてもよい。
これにより、付加的なモジュール部材を様々に組み合わせて巻取ユニット4に取り付けることができ、多様な形式の自動ワインダ1を容易に構成することができる。
以上に説明したように、本変形例の自動ワインダ1においては、給糸交換部3、糸巻取部5、又は糸継部8のうちの少なくとも何れかに対して、糸の巻取作業に際して必要となる付加的なモジュール部材が着脱可能に設けられる。
これにより、給糸交換部3、糸巻取部5、及び糸継部8の組合せだけではなく、付加的なモジュールの組合せも相まって、多様な形式の巻取ユニット4を容易に構成することができる。
また、本変形例の自動ワインダ1においては、前記の付加的なモジュール部材は、スプライサ72,83、テンション付与装置(糸張力付与部材)75、ワキシング、糸監視装置71,84、及び糸速センサのうちの少なくとも何れかである。
これにより、巻取ユニット4の用途に応じて、好適な付加的なモジュール部材を取り付けることにより、自動ワインダ1の構成を適宜に変更することができる。
以上に本発明の好適な実施の形態を説明したが、上記の構成は例えば以下のように変更することができる。
上記の実施形態では、メインフレーム2とは高さの異なる、専用のメインフレーム200を用いることにより、糸継メカニズム80を他のモジュールと組合せ可能な構成としたが、これに限定されるものではない。例えば上記に代えて、受け板15と、ブロアダクト13の上面と、の間の間隔Lを適宜広げることにより、メインフレーム2に糸継メカニズム80を適用できるようにしてもよい。これにより、糸継部8に糸継メカニズム70を適用する場合も、糸継メカニズム80を適用する場合も、共通のメインフレーム2を骨組みとして用いることが可能となり、プラットフォーム化をより促進することができる。また、本発明においてメインフレーム2とは、給糸交換部3、糸巻取部5、糸継部8等のモジュールを組み合わせるための基台となる部材であり、各モジュールを着脱できる構成を有しておればよく、その構成は限定されない。
上記のように、メインフレーム2に対する糸巻取部5の取付位置の高さを変更可能とした場合、以下のような利点がある。即ち、糸継部8として、糸貯留部(糸貯留装置)81を含む形式のものを採用するか、或いは糸貯留部81を含まない形式のものを採用するかによって、自動ワインダ1の中間部に配置される糸継部8の上下方向の寸法が変化する。この点、本構成によれば、糸継部8の高さの変化に対応して、糸巻取部5の取付位置を変更することができ、多様な編成の巻取ユニット4を共通のプラットフォームで実現することができる。
1 自動ワインダ
2 メインフレーム
3 給糸交換部
5 糸巻取部
8 糸継部
20 マガジン式の給糸交換装置
50 綾振ドラム式の糸巻取装置
70 サクションマウス式の糸継メカニズム
2 メインフレーム
3 給糸交換部
5 糸巻取部
8 糸継部
20 マガジン式の給糸交換装置
50 綾振ドラム式の糸巻取装置
70 サクションマウス式の糸継メカニズム
Claims (11)
- メインフレームと、
前記メインフレームの下部に配置され、複数の形式の給糸交換装置のうちの何れかが選択的に取り付けられて構成される給糸交換部と、
前記メインフレームの上部に配置され、複数の形式の糸巻取装置のうちの何れかが選択的に取り付けられて構成される糸巻取部と、
前記メインフレームの上下方向中間部に配置され、前記給糸交換部から前記糸巻取部へ供給される糸を繋ぎ合わせる糸継部と、
を備えることを特徴とする自動ワインダ。 - 請求項1に記載の自動ワインダであって、
複数の形式の前記給糸交換装置は、マガジン式のボビン供給装置、及び搬送トレイ式のボビン供給装置であり、
複数の形式の前記糸巻取装置は、綾振ドラム式の糸巻取装置、及びアームトラバース式の糸巻取装置であることを特徴とする自動ワインダ。 - 請求項1に記載の自動ワインダであって、
複数の形式の前記給糸交換装置は、マガジン式のボビン供給装置、搬送トレイ式のボビン供給装置、及びコーン形状のパッケージを支持するパッケージ供給装置であり、
複数の形式の前記糸巻取装置は、綾振ドラム式の糸巻取装置、及びアームトラバース式の糸巻取装置であることを特徴とする自動ワインダ。 - 請求項1に記載の自動ワインダであって、
前記糸継部には、複数の形式の糸継メカニズムのうちの何れかが選択的に取り付けられ、
複数の形式の前記給糸交換装置は、マガジン式のボビン供給装置、及び搬送トレイ式のボビン供給装置であり、
複数の形式の前記糸巻取装置は、綾振ドラム式の糸巻取装置、及びアームトラバース式の糸巻取装置であり、
複数の形式の前記糸継メカニズムは、サクションマウス式の糸継メカニズム、及び糸貯留部を備える糸貯留式の糸継メカニズムであることを特徴とする自動ワインダ。 - 請求項4に記載の自動ワインダであって、
前記糸継部に前記糸貯留式の糸継メカニズムを取り付けたとき、前記糸巻取部に取り付ける前記糸巻取装置として、前記綾振ドラム式の糸巻取装置、及び前記アームトラバース式の糸巻取装置の何れをも選択可能であることを特徴とする自動ワインダ。 - 請求項1から4までの何れか一項に記載の自動ワインダであって、前記給糸交換部、前記糸巻取部、又は糸継部のうちの少なくとも何れかに対して、糸の巻取作業に際して必要となる付加的なモジュール部材が着脱可能に設けられることを特徴とする自動ワインダ。
- 請求項6に記載の自動ワインダであって、
前記モジュール部材は、スプライサ、糸張力付与部材、ワキシング、糸監視装置、及び糸速センサのうちの少なくとも何れかであることを特徴とする自動ワインダ。 - メインフレームと、
前記メインフレームの下部に着脱可能に設けられる給糸交換部と、
前記メインフレームの、前記給糸交換部が設けられる位置よりも上方の位置に着脱可能に取り付けられる糸巻取部と、
前記メインフレームの、前記給糸交換部が設けられる位置よりも上方であり、かつ、前記糸巻取部が取り付けられる位置よりも下方である位置に、着脱可能に取り付けられる糸継部と、
を備えることを特徴とする自動ワインダ。 - 請求項8に記載の自動ワインダであって、
前記メインフレームに対する前記糸巻取部の取付位置の高さを変更可能であることを特徴とする自動ワインダ。 - 請求項8又は9に記載の自動ワインダであって、
前記糸巻取部を制御する巻取コントローラは前記糸継部に設けられ、
前記巻取コントローラを制御するとともに、前記糸継部及び前記給糸交換部も含めて統括的に制御するユニットコントローラが前記糸継部に設けられることを特徴とする自動ワインダ。 - メインフレームを設置場所に配置するメインフレーム配置工程と、
複数の形式のものより選択される着脱可能な給糸交換部、複数の形式のものより選択される着脱可能な糸巻取部、及び着脱可能な糸継部のうち何れかを、前記メインフレームの上部、上下方向中間部、及び下部のうち何れかの場所に設ける第1工程と、
前記給糸交換部、前記糸巻取部、及び前記糸継部のうち、前記第1工程で設けられなかった何れかを、前記メインフレームの上部、上下方向中間部、及び下部のうち、前記第1工程で配置されなかった何れかの場所に設ける第2工程と、
前記給糸交換部、前記糸巻取部、及び前記糸継部のうち、前記第1工程及び前記第2工程の何れにおいても設けられなかった何れかを、前記メインフレームの上部、上下方向中間部、及び下部のうち、前記第1工程及び前記第2工程の何れにおいても配置されなかった場所に設ける第3工程と、
を含むことを特徴とする自動ワインダ製造方法。
Priority Applications (4)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2017158975A JP2019034847A (ja) | 2017-08-22 | 2017-08-22 | 自動ワインダ、及び自動ワインダ製造方法 |
CN201880050161.8A CN111032548B (zh) | 2017-08-22 | 2018-08-15 | 自动络纱机、自动络纱机所具备的纱线卷取模块、接头模块、供纱更换模块以及自动络纱机制造方法 |
PCT/JP2018/030378 WO2019039367A1 (ja) | 2017-08-22 | 2018-08-15 | 自動ワインダ、自動ワインダが備える糸巻取モジュール、糸継モジュール、給糸交換モジュール、及び自動ワインダ製造方法 |
EP18848557.7A EP3674238B1 (en) | 2017-08-22 | 2018-08-15 | Automatic winder and automatic winder manufacturing method |
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