JP2019034471A - インクジェット記録装置、インクジェット記録システム、及びインクジェット記録方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】バーコードの読取性に影響を及ぼすことなく、紙面予備吐出を行うことができ、効率的かつ適正にバーコードを記録することが可能な記録装置を提供する。
【解決手段】記録データの中にバーコードを記録するためのバーコードデータが含まれているか否かを判断し(S103)、バーコードデータが含まれている場合に、そのバーコードの中の最小の幅を有するバーが所定の幅以下であるか否かを判断する(S105)。最小の幅を有するバーが所定の幅以下であった場合には、バーコードにおける少なくともスペースにインクが吐出されることを禁止するように記録データを補正する(S106)。
【選択図】図3
【解決手段】記録データの中にバーコードを記録するためのバーコードデータが含まれているか否かを判断し(S103)、バーコードデータが含まれている場合に、そのバーコードの中の最小の幅を有するバーが所定の幅以下であるか否かを判断する(S105)。最小の幅を有するバーが所定の幅以下であった場合には、バーコードにおける少なくともスペースにインクが吐出されることを禁止するように記録データを補正する(S106)。
【選択図】図3
Description
本発明は、記録ヘッドから吐出させたインクによって記録媒体に画像を記録するインクジェット記録装置、インクジェット記録システム、及びインクジェット記録方法に関する。
インクジェット記録装置では、記録ヘッドの大気への暴露時間や、温度・湿度などの使用環境によって、記録ヘッドのノズル内のインクに増粘や固化が生じることがある。ノズル内のインクに増粘や固化が生じた場合、インクの吐出方向のよれ、吐出量不足、あるいはインクの不吐出など(以下、これらをまとめて吐出不良という)が発生する。
このような吐出不良は画像品質の低下を招くため、インクジェット記録装置では、予備吐出が行われている。予備吐出とは、画像を記録するためのインク吐出とは別に所定のタイミングでインクを吐出することにより、ノズル内に存在する増粘したインクを、吐出に適した新鮮なインクに置き換える処理である。
予備吐出には、記録ヘッドの吐出口を覆うキャップ部材など、所定の位置へと記録ヘッドを移動させてインクを吐出する方式と、記録媒体上にインクを吐出する、いわゆる紙面予備吐出とがある。紙面予備吐出は、記録動作を停止させることなく、予備吐出を行うことができるため、スループットを低下させることなく効率的にノズルの吐出性能を回復させることができる。
ところで、インクジェット記録装置は、通常の文書等の記録だけでなく、棚表示ラベルやバーコード、タグ等を記録する目的で用いられることも多い。棚表示ラベル、バーコード、及びタグ等は、読取装置によって読み取り可能とする必要があるため、記録には正確性が要求される。特にバーコードは、読取装置による正確な読み取りを実現するため、一定の規格や精度を満たすことが求められている。例えば、バーコードを構成するバーの幅とスペースの幅との比率は一定の規格範囲内に抑えられていることが必要である。
しかしながら、紙面予備吐出によって吐出されたインク滴がバーコードのバーの近傍に着弾した場合には、バーの直線性が阻害される可能性がある。また、インク滴がスペースに着弾した場合には、それがゴミとして認識されてしまう可能性もある。そこで、特許文献2には、画像の近傍では予備吐出によるドットの形成を行わないような制御を行う技術が開示されている。さらに、特許文献3には、予備吐出によるドットの形成予定位置が画像のエッジから一定距離内にあるときは、その予備吐出によるドットの形成予定位置をエッジから一定距離外に移動する制御を行う技術が開示されている。
特許文献2のように、画像の近傍での紙面予備吐を行わない場合、インクの増粘による記録品質の低下を防ぐためには、キャップに対して予備吐出を行う頻度を高める必要がある。このため、記録動作を中断する回数及び時間が増大し、生産性が低下するという問題が生じる。
また、特許文献3に開示の技術を用いてバーコードの記録を行った場合、バーから離れたスペース内にドットが形成されることとなるためバーコードの読取性が低下する。すなわち、スペース内にドットが形成されるとスペースの反射値が低下し、バーコードの読取性が低下するという問題が生じる。このため、特許文献3に開示の技術はバーコードの形成には適していない。
本発明は、バーコードの読取性に影響を及ぼすことなく、紙面予備吐出を行うことができ、効率的かつ適正にバーコードを記録することが可能な記録装置の提供を目的とする。
本発明は、記録媒体に対してインクを吐出可能な複数のノズルを有する記録ヘッドと、前記記録ヘッドからインクを吐出させるための記録データの中にバーコードを記録するためのバーコードデータが含まれているか否かを判断すると共に、前記バーコードデータが含まれている場合に、当該バーコードの中の最小の幅を有するバーが所定の幅以下であるか否かを判断する判断手段と、前記最小の幅を有するバーが前記所定の幅以下であった場合に前記バーコードにおける少なくともスペースにインクが吐出されることを禁止するように前記記録データを補正する補正手段と、を有することを特徴とする記録装置である。
本発明は、バーコードの読取性に影響を及ぼすことなく、紙面予備吐出を行うことができ、効率的かつ適正にバーコードを記録することが可能なインクジェット記録装置、及びインクジェット記録方法の提供することができる。
以下、本発明の実施形態を、図面を参照しつつ詳細に説明する。図1は本実施形態におけるインクジェット記録装置(以下、単に記録装置ともいう)の概略構成を示す図である。記録装置10には、ロールシートRSが搭載されている。このロールシートRSは複数のラベルを連続シートに仮付けしたラベルシートSを、ロール状に巻き付けたものとなっている。ロールシートRSから繰り出されたラベルシートSは、搬送機構26に設けられた搬送ベルト26aと共にA方向に一定の速度で搬送される。搬送ベルト26aは、一対のローラ26c、26dなどに掛け渡されており、搬送モータ26bによって周回移動する。連続シートに1に仮付けされた複数のラベルの先端部は不図示のセンサで検出され、検出された位置を基準としてラベルの搬送位置が検出される。
搬送ベルト26aとの対向位置には、インクカートリッジ28から供給されるインクを吐出可能なインクジェット記録ヘッド22が配置されている。搬送ベルト26aによって搬送されるラベルが記録ヘッド22の下部を通過する際、記録データに基いて、各記録ヘッド22のノズルからインクが吐出され、ラベルに画像が記録される。本実施形態では、ブラック、シアン、マゼンタ、イエローのインクを貯留したインクカートリッジから記録ヘッド22K,22C,22M,22Yにそれぞれインクが供給され、各記録ヘッドから吐出されたインクによってカラー画像を記録することができる。また、各記録ヘッド22は、ラベルの最大幅に対応した長さを有する長尺なラインヘッドとなっている。このラインヘッドには、インクを吐出可能な複数のノズルが形成されており、各ノズルの先端に形成される開口部(吐出口)が、ラベルの搬送方向(A方向)と交差する方向(本実施形態では直交する方向)に沿って配列されている。各ノズルには吐出口からインクを吐出するために、電気熱変換素子(ヒータ)や圧電素子などの吐出エネルギー発生素子が配備されている。電気熱変換素子を用いた場合には、その発熱によってノズル内のインクを発泡させ、その発泡エネルギーを利用して吐出口からインクを吐出させることができる。このように、本実施形態における記録装置は、長尺なラインヘッドを用いて連続的に搬送される記録媒体に記録を行う、いわゆるフルライン型の記録装置である。
記録ヘッド22の下方部には、それぞれの記録ヘッドの吐出口をキャッピング可能なキャッピング機構15が設けられている。記録ヘッド22とキャッピング機構15は、図1中の上下方向(B方向)、及び左右方向に相対移動可能である。キャッピング機構15は、記録ヘッド22のインクの吐出性能を良好に維持するための回復動作に用いられる。回復動作としては、キャッピング機構15のキャップにインクを吐出する予備吐出、記録ヘッド内のインクをノズルからキャップ内に吸引排出させる吸引回復、記録ヘッド内のインクを加圧してノズルからキャップ内にインクを排出させる加圧回復などがある。さらに、本実施形態では、記録ヘッドに設けられたノズルの吐出性能を維持するため、記録媒体(ここではラベル)にインクを吐出する紙面予備吐出を行う。
図2は本実施形態におけるインクジェット記録システムの概略構成を示すブロック図である。ここに示す記録システムは、ホストPC12と、これにケーブル14を介して接続された記録装置10とにより構成される。ホストPC12は、種々の指令あるいはデータなどの入力を行う操作部501を備えると共に、操作部501によって入力されたデータに基き記録データを生成するデータ生成部502などを備える。操作部501は、バーコードの種類、大きさ、及び方向などの情報も入力可能となっている。また、これらのバーコードの入力情報に従ってデータ生成部502が記録データを生成し、制御部503へと送信する。
本実施形態における記録データは、文字、イメージ、及びバーコード等の画像を記録するために記録ヘッドからインクを吐出させるための画像データと、前述の紙面予備吐出を行うための予備吐出データとを含み、2値のデータによって構成されている。この記録データは、各々のデータの属性を表す属性部と、データの内容、長さなどを表すデータ部などを有している。
一方、記録装置10は、記録ヘッド22及びインクカートリッジなどを有する記録手段507と、ロールシートRSからのラベルシートSの給送(繰り出し)及び搬送などを行う搬送手段509と、これらを制御する制御部(制御手段)503等を備える。制御部503は、ホストコンピュータ(ホストPC)12から転送された記録データの受信、記録動作、記録媒体搬送等の記録装置全体の制御を司るものである。具体的には、CPU、ROM、及びRAMなどを含み、ROMに格納された制御プログラムに従って、種々の演算、判断、比較、制御などの処理を実施するものであり、機能的には、データ解析部504、データ補正部505、及び記録制御部506等を備えている。
データ解析部504は、ホストPC12から送信された記録データを解析する部分であり、例えば、文字データ、イメージデータ、バーコードデータなどの画像データのうち、いずれのデータが記録データに含まれているかを判断する。また、データ補正部(補正手段)505は、データ解析部504の解析結果に基づいてホストPC12から転送された記録データに補正処理を行う。このデータ補正部505では、例えば、記録データの中にバーコードデータなどが含まれていた場合に、紙面予備吐出を行うための吐出データ(紙面予備吐出データ)の補正処理を行う。
記録制御部506は、データ補正部505で補正された記録データに基いて記録手段507、回復手段508、搬送手段509等を制御する。なお、回復手段508は、吐出口を覆うキャップ部材15、記録ヘッドとキャップ部材15との相対移動を行うモータ、及び記録ヘッドの吐出口からキャップ部材15へインクを吸引、排出させるための負圧を発生させるポンプを駆動するモータなどを備える。これらのモータが記録制御部506によって制御される。
上記のように、本実施形態におけるインクジェット記録装置は、文字、イメージ等の他に、バーコードを記録することが可能である。バーコードは、読取装置などによって正確に読み取られることが必要であり、そのために、一定の規格や精度を満たす必要がある。例えば、バーコードを構成するバー幅とスペース幅との比率は一定の規格範囲内に定められている必要がある。
バーコードは、バーとスペースを交互に並べて構成されており、読取装置では、光を照射した際のバーの光反射率とスペースの光反射率との差からバーとスペースとを判断し、その判断結果を予め用意された復号手順によって数値や文字に復号している。バーコードが安定して読み取れるかどうかの指標として、JIS−X−0520では、図6に示す6つの評価基準を用いてバーコード画像を評価し、この6つの項目で一番評価の低いものを総合評価として定めている。現在では、この評価項目を組込んだ評価装置によって、バーコード補正処理の条件を決定することも行われている。
なお、図6に示される評価項目は、以下のような値を表している。
Rminは、最低反射率であり、バー部分の最大反射率と最小反射率との比率を表している。
SCは、シンボルコントラストであり、バーコードの最大反射率と最小反射率の差の程度を表している。
ECminは、最小エッジコントラストであり、隣接するバーとスペースの反射率の差の最小値を表しており、バーコード内で最も反射率の差が小さい部分を示している。読取を正確に行う上では、この値が大きいほど好ましい。
Modは、モジュレーションであり、最小エッジコントラストとシンボルコントラストの比(Mod=ECmin/SC)を示しており、この値が大きいほど、バーコード内の濃度ムラが少なくなり、好ましい。
Defは、ディフェクトであり、各バー、スペース内の範囲者率のバラツキとシンボルコントラストの比を表している。
RanKは、デコーダビリティ(Dec)の等級を表している。デコーダビリティは、記録後のシンボルのバー及びスペースが設計値どおり適正なエレメント幅や太細比が確保されているかを評価するパラメータである。デコーダビリティが優れているものから順に4(A)、3(B)、2(C)、1(D)が設定されている。
SCは、シンボルコントラストであり、バーコードの最大反射率と最小反射率の差の程度を表している。
ECminは、最小エッジコントラストであり、隣接するバーとスペースの反射率の差の最小値を表しており、バーコード内で最も反射率の差が小さい部分を示している。読取を正確に行う上では、この値が大きいほど好ましい。
Modは、モジュレーションであり、最小エッジコントラストとシンボルコントラストの比(Mod=ECmin/SC)を示しており、この値が大きいほど、バーコード内の濃度ムラが少なくなり、好ましい。
Defは、ディフェクトであり、各バー、スペース内の範囲者率のバラツキとシンボルコントラストの比を表している。
RanKは、デコーダビリティ(Dec)の等級を表している。デコーダビリティは、記録後のシンボルのバー及びスペースが設計値どおり適正なエレメント幅や太細比が確保されているかを評価するパラメータである。デコーダビリティが優れているものから順に4(A)、3(B)、2(C)、1(D)が設定されている。
インクジェット記録装置10の吐出口から吐出されたインク滴は、記録媒体への着弾時に、円状の記録ドットを形成する。多少の着弾ずれや吐出量のばらつきがあっても隣接する記録ドットが十分重なり合うように、記録媒体上に形成される記録ドットの直径は、記録ヘッドの吐出口のピッチや画像の画素ピッチよりも多少大きいことが望ましい。但し、この場合には、紙面予備吐出によって形成されるドットも大きくなり、これが読取性能に影響を及ぼす可能性がある。例えば、紙面予備吐出によって吐出されたインク滴の着弾位置や最小バーの幅などによっては、バーの直線性が阻害されたり、スペースに着弾したインク滴がゴミとして認識されたりすることがある。この場合、バー幅とスペース幅との比率が規格値から外れる、あるいは規格値内に入ったとしても読み取り精度が低下するといった不都合が生じる可能性がある。
バーコードの読取性には、シンボル内のボイド(ゴミ)とバー境界の直線性も影響するため、単に、高精度、高精細な記録を実行しただけでは、読取性の向上に関して十分な効果が得られない。特に、バー幅が細いバーコードでは、スペース部分への紙面予備吐出がバーの直線性、またはスペースの反射率を低下させ、バーコードの読取性を表す指標であるディフェクトを低下させる可能性がある。すなわち、スペース内に紙面予備吐出によってドットが存在した場合、スペースの反射値が低下してディフェクトの低下が生じる可能性がある。また、スペースに形成されたドットによって反射値が大きく低下すれば、スペースをバーとみなす誤判定が生じる可能性もある。そして、このようなディフェクトの低下及び誤判定は、読取不可や読取エラーを発生する原因ともなる。このため、本実施形態では、以下のような記録動作を行う。
図3は、本実施形態の記録装置10による記録動作を示すフローチャートである。ホストPC12の操作部501によって記録指令が入力されると、データ生成部(データ生成手段)502より記録データが送信される。この記録データはケーブル14を介して記録装置の制御部503に受信される。記録データを受信すると(S101)、制御部503は、まず、データ解析部504において記録データの解析を行う。例えば、データ解析部504は、記録データに含まれる属性部に基き、記録データに含まれる画像の種類(文字データ、イメージデータ、バーコードデータ)の判断を行う(S103)。ここで、記録データの中にバーコードデータが含まれていない場合には、S107へと移行し、受信した記録データに従って記録動作を行う。この際、記録データの中には記録ヘッドの吐出性能の維持、回復を行うための紙面予備吐出データが含まれている場合があり、その場合には受信した記録データに従って、画像の記録、及び紙面予備吐出を行う。すなわち、バーコードデータが含まれていない記録データを受信した場合には、データ補正部505は記録データの補正を実行しない。従って、記録制御部506は受信したままの記録データに従って記録手段507の記録ヘッド22を駆動し、インク滴の吐出を行う。つまり、記録データに含まれている紙面予備吐出データに従って予備吐出が実行されることとなる。
一方、S103で記録データの中にバーコードデータが含まれていると判断された場合、記録装置10は、バーコードデータの解析を行う(S104)。具体的には、スペースを含めたバーコード領域の位置とサイズの取得、最小バーの幅(太さ)の取得などを行う。次いで、データ解析部504では、取得した最小バーの幅が、予め定めた規定値以下(所定の幅以下)であるか否かを判断する(S105)。この判断の基準となる規定値は、記録媒体に着弾したインク滴によって形成されるドットの直径に基づいて定められている。インク滴によって形成されるドットの直径は、記録装置による記録の解像度、記録媒体の種類、及び使用するインクの種類などによって求められる値であり、記録媒体に着弾する前のインク滴の直径とは異なる値である。すなわち、記録媒体上でのインクのにじみを含んだドットの直径(にじみ直径)を示している。本実施形態では、にじみ直径毎に、最小バーの幅と規定値を定めている。例えば、図7に示すように、40μm、70μm、110μmの3種類のにじみ直径に対して、それぞれ最小バーの幅(最小の幅)の規定値を、190μm、210μm、260μmに定めている。
ここで、最小バーの幅が規定値以下であると判断された場合、バーコード領域の中のスペースへの紙面予備吐出を禁止するような記録データの補正処理をデータ補正部505が実行する。補正処理としては、バーコード領域内のスペースに吐出することが予定されている紙面予備吐出データを削除または無効とするデータ補正処理を行う。
図7に示す例では、形成されるドットのにじみ直径が40μmとなる記録装置によって、最小バーの幅が190μm以下のバーコードを記録する場合には、バーコード領域のスペースに紙面予備吐出を行わないような記録データの補正処理が必要となる。また、形成されるドットのにじみ直径が70μmとなる記録装置によって、最小バーの幅が210μm以下のバーコードを記録する場合には、前述の記録データの補正処理が必要となる。さらに、形成されるドットのにじみ直径が110μmとなる記録装置によって、最小バーの幅が260μm以下のバーコードを記録する場合には、前述の記録データの補正処理が必要となる。図7では、記録データの補正処理が必要となる最小バー幅には○印を付し、補正処理を実行することが望ましい最小バー幅には△印を、補正処理が不要な最小バー幅には×印を付している。
以上のように、本実施形態では、バーコード領域のスペースに紙面予備吐出を行わないような記録データの補正処理が必要となるか否かを、記録すべきバーコードの最小バー幅に基づいて判断している。これは、バーコードの最小バー幅と読取装置との間に、次のような関係があるためである。すなわち、最小バー幅が狭いバーコードを読み取るためには、読取装置のアパーチャ径(読取領域の直径)が小さい読取装置を用いる必要がある。しかし、アパーチャ径が小さくなると、読取領域の面積に対してノイズである紙面予備吐出のドットが占める割合が大きくなり、バーコードの読取性の指標のうち、前述のディフェクトが低下する。そのため、最小バー幅によって定められる読取装置のアパーチャ径を判断することにより、紙面予備吐出によって形成されるドットが読取装置による読取性に影響を与えるか否かを判定している。
再び図3に戻り、S106で補正処理が行われた記録データに基いて記録動作が実行されると(S107)、バーコード領域におけるスペース部分には、全く紙面予備吐出が行われない。図4にその一例を示す。図4に示すように、バーコードBCを構成するバーコード領域BCAの中のスペースBC1には紙面予備吐出によるドットは全く形成されていない。紙面予備吐出によって形成されたドットdは、主に、バーコード領域BCAの外側の領域、すなわち、バーコード領域BCAよりラベル搬送方向Aにおける上流側または下流側の領域に形成されている。但し、本実施形態では、バーコード領域BCA内であっても、バーBC2の内方に着弾予定位置が定められている紙面予備吐出は実行される。つまり、バーコード領域BCA内にも紙面予備吐出によるドットdが形成される。このように、バーコードBCのバーBC2内に紙面予備吐出によってインク滴が着弾したとしても、バーBC2はその濃度が高まるように変化するだけであるため、読取性が低下することはない。また、バーコード領域BCAのスペースBC1以外の領域で予備吐出を行うことにより、記録ヘッド22の吐出性能の維持・回復も可能になる。
以上のように、本実施形態によれば、バー幅が細いバーコードであっても安定した読み取り性を確保できるバーコードを記録することが可能になる。
以上のように、本実施形態によれば、バー幅が細いバーコードであっても安定した読み取り性を確保できるバーコードを記録することが可能になる。
なお、本実施形態では、スペースBC1への紙面予備吐出を禁止する処理として、スペースに吐出することが予定されている紙面予備吐出データを削除または無効とする例を示したが、紙面予備吐出データを、スペースからその直前の領域へと移動させても良い。これによれば、予定した紙面予備吐出を実行することが可能になるため、記録ヘッドの吐出性能をより確実に維持・回復させることが可能になる。
(第2の実施形態)
次に本発明の第2の実施形態を図5に示すフローチャートに基づいて説明する。なお、この第2の実施形態においても第1の実施形態と同様に、図1および図2に示す構成を有する。
次に本発明の第2の実施形態を図5に示すフローチャートに基づいて説明する。なお、この第2の実施形態においても第1の実施形態と同様に、図1および図2に示す構成を有する。
コンピュータ装置12から記録データが送信されると、インクジェット記録装置10の制御部503がこれを受信する(S201)。制御部503では、受信した記録データをデータ解析部504が解析し(S202)、記録データの中にバーコードデータが含まれているか否かを判断する(S203)。記録データの中にバーコードデータが含まれていない場合には、S209へと移行して、受信した記録データに基き記録動作を実行する。この記録動作において記録データに紙面予備吐出データが含まれていた場合には、記録媒体としてのラベルに、画像を記録するためのインク吐出と共に、紙面予備吐出を実行する。
また、S203において記録データの中にバーコードデータが含まれていると判断された場合には、バーコードデータを解析し(S204)、バーコードエリアの位置と全体サイズを取得する。この後、バーコードの最小バー幅が規定値以下であるか否かを判断し、規定値を越えている場合には、S209へと移行して受信した記録データに基いて記録動作を行う。また、最小バー幅が規定値以下であると判断された場合には、バーコードの配置方向(バーの延在方向)が、記録ヘッドの吐出口の配列方向と一致する方向(コンベックス方向)であるか否かを判断する(S206)。ここで、バーコードの配置方向がコンベックス方向でないと判断した場合には、バーコード領域のスペースにおける紙面予備吐出を禁止する処理を行う。この処理は、第1の実施形態において説明した記録データの補正処理と同様の処理を実行することによって行う。
一方、S206においてバーコードの配置方向がコンベックス方向であると判断された場合には、紙面予備吐出がバーコードの中で所定の幅以上の幅を有するバーの中心位置にドットが形成されるように、紙面予備吐出データの補正処理を行う(S207)。その後、補正した記録データに基いて記録動作を実行する。
以上のように、この第2の実施形態によれば、バー幅が細いバーコードであっても、安定した読み取り性を確保できるバーコードを記録することが可能になる。さらに、コンベックス方向に配置されたバーコードについては、所定の幅以上のバーに紙面予備吐出を行いつつ記録動作を行うため、スループットを低下させることなく、読取性に優れたバーコードを記録することが可能になる。
(他の実施形態)
上記第1、第2の実施形態では、紙面予備吐出を禁止するか否かの判断処理、および禁止する場合に行う記録データの補正処理を、インクの色に係わりなく実施するものとしたが、上記の判断および補正処理をインクの色に応じて実施するようにしても良い。例えば、ブラック、シアンのような、読取装置によって読み取り可能な色のインクのみに上述の判断処理及び補正処理を実行するようにしても良い。
上記第1、第2の実施形態では、紙面予備吐出を禁止するか否かの判断処理、および禁止する場合に行う記録データの補正処理を、インクの色に係わりなく実施するものとしたが、上記の判断および補正処理をインクの色に応じて実施するようにしても良い。例えば、ブラック、シアンのような、読取装置によって読み取り可能な色のインクのみに上述の判断処理及び補正処理を実行するようにしても良い。
また、図1では、ラインヘッドを用いて記録媒体に連続的に記録を行うフルライン型の記録装置を例に採り説明したが、本発明は、記録媒体の搬送方向と交差する方向に記録ヘッドを移動させつつ記録を行う、所謂シリアル型の記録装置にも適用可能である。
10 記録装置
22 記録ヘッド
505 データ補正部(補正手段)
S 記録媒体
d ドット
BC バーコード
BC1 スペース
BC2 バー
BCA バーコード領域
22 記録ヘッド
505 データ補正部(補正手段)
S 記録媒体
d ドット
BC バーコード
BC1 スペース
BC2 バー
BCA バーコード領域
Claims (10)
- 記録媒体に対してインクを吐出可能な複数のノズルを有する記録ヘッドと、
前記記録ヘッドからインクを吐出させるための記録データの中にバーコードを記録するためのバーコードデータが含まれているか否かを判断すると共に、前記バーコードデータが含まれている場合に、当該バーコードの中の最小の幅を有するバーが所定の幅以下であるか否かを判断する判断手段と、
前記最小の幅を有するバーが前記所定の幅以下であった場合に前記バーコードにおける少なくともスペースにインクが吐出されることを禁止するように前記記録データを補正する補正手段と、
を有することを特徴とするインクジェット記録装置。 - 前記記録データは、前記ノズルの吐出性能を維持、回復させる予備吐出を前記記録媒体に行うための予備吐出データを含み、
前記補正手段は、前記最小の幅を有するバーが前記所定の幅以下であった場合に、前記予備吐出データを補正することを特徴とする請求項1に記載のインクジェット記録装置。 - 前記補正手段は、前記最小の幅を有するバーが前記所定の幅以下であった場合に、前記予備吐出データを削除あるいは無効とするように補正することを特徴とする請求項2に記載のインクジェット記録装置。
- 前記補正手段は、前記最小の幅を有するバーが前記所定の幅以下であった場合に、前記予備吐出が前記バーコードの外側の領域で行われるように前記予備吐出データを補正することを特徴とする請求項2に記載のインクジェット記録装置。
- 前記補正手段は、前記最小の幅を有するバーが前記所定の幅以下であった場合に、前記予備吐出が前記バーコードのバーの中で行われるように前記予備吐出データを補正することを特徴とする請求項2または4に記載のインクジェット記録装置。
- 前記判断手段は、前記バーコードにおけるバーの延在方向と前記記録ヘッドの前記ノズルに形成される吐出口の配列方向とが一致しているか否かを判断する判断手段と、
前記補正手段は、前記最小の幅を有するバーが前記所定の幅以下であり、かつ前記吐出口の配列方向が前記バーの延在方向と一致する場合に、前記予備吐出が前記バーコードの中で行われるように前記予備吐出データを補正することを特徴とする請求項2または4に記載のインクジェット記録装置。 - 前記補正手段は、バーコードの読取装置によって読み取り得る色を有するインクの予備吐出データのみを補正することを特徴とする請求項1ないし6のいずれか1項に記載のインクジェット記録装置。
- 記録媒体に対してインクを吐出可能な複数のノズルを有する記録ヘッドと、
記録ヘッドによってインクを吐出させるための記録データを生成するデータ生成手段と、
前記記録データの中にバーコードを記録するためのバーコードデータが含まれているか否かを判断すると共に、前記バーコードデータが含まれている場合に、当該バーコードの中の最小の幅を有するバーが所定の幅以下であるか否かを判断する判断手段と、
前記最小の幅を有するバーが前記所定の幅以下であった場合に前記バーコードにおける少なくともスペースにインクが吐出されることを禁止するように前記記録データを補正する補正手段と、
を有することを特徴とするインクジェット記録システム。 - 前記データ生成手段は、バーコードを記録するためのバーコードデータと、バーコード以外の画像を記録するための画像データと、前記ノズルの吐出性能を維持、回復させる予備吐出を前記記録媒体に行うための予備吐出データと、を含む記録データを生成することを特徴とする請求項8に記載のインクジェット記録システム。
- 記録媒体に対してインクを吐出可能な複数のノズルを有する記録ヘッドを用いて記録媒体への記録を行うインクジェット記録方法であって、
前記記録ヘッドからインクを吐出させるための記録データの中にバーコードを記録するためのバーコードデータが含まれているか否かを判断すると共に、前記バーコードデータが含まれている場合に、当該バーコードの中の最小の幅を有するバーが所定の幅以下であるか否かを判断する判断工程と、
前記最小の幅を有するバーが前記所定の幅以下であった場合に前記バーコードにおける少なくともスペースにインクが吐出されることを禁止するように前記記録データを補正する補正工程と、
を有することを特徴とするインクジェット記録方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2017157170A JP2019034471A (ja) | 2017-08-16 | 2017-08-16 | インクジェット記録装置、インクジェット記録システム、及びインクジェット記録方法 |
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JP2021049684A (ja) * | 2019-09-24 | 2021-04-01 | 富士ゼロックス株式会社 | 制御装置、画像形成システム、及びプログラム |
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