JP2019033060A - フィラー含有フィルム - Google Patents
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Abstract
Description
フィラー近傍の樹脂層の表面が、隣接するフィラー間の中央部における樹脂層の接平面に対して傾斜若しくは起伏を有し、
該傾斜では、フィラーの周りの樹脂層の表面が前記接平面に対して欠けており、
該起伏では、フィラー直上の樹脂層の樹脂量が、該フィラー直上の樹脂層の表面が前記接平面にあるとしたときに比して少なく、
フィラーの粒子径のCV値が20%以下であり、
次式で算出されるフィラーの面積占有率
面積占有率(%)=[平面視におけるフィラーの個数密度]×[フィラー1個の平面視面積の平均]×100
が0.3%以上であるフィラー含有フィルムを提供する。
フィラー分散層を形成する工程が、粒子径のCV値が20%以下であるフィラーを樹脂層表面に保持させる工程と、
樹脂層表面に保持させたフィラーを該樹脂層に押し込む工程を有し、
フィラーを樹脂層表面に保持させる工程では、樹脂層表面でフィラーが分散した状態とし、かつ該樹脂層表面において次式で算出されるフィラーの面積占有率
面積占有率(%)=[平面視におけるフィラーの個数密度]×[フィラー1個の平面視面積の平均]×100
を0.3%以上とし、
フィラーを樹脂層に押し込む工程では、フィラー近傍の樹脂層の表面が、隣接するフィラー間の中央部における樹脂層の接平面に対して傾斜または起伏を有し、該傾斜ではフィラーの周りの樹脂層の表面が前記接平面に対して欠け、該起伏ではフィラー直上の樹脂層の樹脂量が、該フィラー直上の樹脂層の表面が前記接平面にあるとしたときに比して少なくなるように、フィラーを押し込むときの樹脂層の粘度、押込速度又は温度を調整するフィラー含有フィルムの製造方法を提供する。
図1Aは、本発明の一実施例のフィラー含有フィルム10Aの粒子配置を説明する平面図であり、図1BはそのX−X断面図である。このフィラー含有フィルム10Aは、異方性導電フィルムとして使用されるもので、フィラー1として導電粒子を絶縁性の樹脂層2に分散させたものである。
本発明におけるフィラーの分散状態には、フィラー1がランダムに分散している状態も規則的な配置に分散している状態も含まれる。どちらの場合においても、フィルム厚方向の位置が揃っていることが、フィラー含有フィルムの被着体とする物品にフィラー含有フィルムを熱圧着するときのフィラーの不用な流動を抑える点で好ましく、特にフィラー含有フィルムを異方性導電フィルムとする場合には、電子部品の端子における捕捉安定性の点から好ましい。ここで、フィルム厚方向のフィラー1の位置が揃っているとは、フィルム厚方向の単一の深さに揃っていることに限定されず、樹脂層2の表裏の界面又はその近傍のそれぞれに導電粒子が存在している態様を含む。
フィラーの配列の態様としては、フィラーが所定間隔で直線状に並んだ粒子列を所定の間隔で並列させてもよい。また、フィラーの抜けがフィルムの所定の方向に規則的に存在する態様であってもよい。
面積占有率(%)=[平面視におけるフィラーの個数密度]×[フィラー1個の平面視面積の平均]×100
本発明においてフィラー1は、フィラー含有フィルムの用途に応じて、公知の無機系フィラー(金属、金属酸化物、金属窒化物など)、有機系フィラー(樹脂粒子、ゴム粒子など)、有機系材料と無機系材料が混在したフィラー(例えば、コアが樹脂材料で形成され、表面が金属メッキされている粒子(金属被覆樹脂粒子)、導電粒子の表面に絶縁性微粒子を付着させたもの、導電粒子の表面を絶縁処理したもの等)から、硬さ、光学的性能などの用途に求められる性能に応じて適宜選択される。例えば、光学フィルムや艶消しフィルムでは、シリカフィラー、酸化チタンフィラー、スチレンフィラー、アクリルフィラー、メラミンフィラーや種々のチタン酸塩等を使用することができる。コンデンサー用フィルムでは、酸化チタン、チタン酸マグネシウム、チタン酸亜鉛、チタン酸ビスマス、酸化ランタン、チタン酸カルシウム、チタン酸ストロンチウム、チタン酸バリウム、チタン酸ジルコン酸バリウム、チタン酸ジルコン酸鉛及びこれらの混合物等を使用することができる。接着フィルムではポリマー系のゴム粒子、シリコーンゴム粒子等を含有させることができる。異方性導電フィルムでは導電粒子を含有させる。導電粒子としては、ニッケル、コバルト、銀、銅、金、パラジウムなどの金属粒子、ハンダなどの合金粒子、金属被覆樹脂粒子、表面に絶縁性微粒子が付着している金属被覆樹脂粒子などが挙げられる。2種以上を併用することもできる。中でも、金属被覆樹脂粒子が、接続された後に樹脂粒子が反発することで端子との接触が維持され易くなり、導通性能が安定する点から好ましい。また、導電粒子の表面には公知の技術によって、導通特性に支障を来さない絶縁処理が施されていてもよい。上述の用途別に挙げたフィラーは、当該用途に限定されるものではなく、必要に応じて他の用途のフィラー含有フィルムが含有してもよい。また、各用途のフィラー含有フィルムでは、必要に応じて2種以上のフィラーを併用することができる。
(樹脂の粘度)
本発明において樹脂層2の最低溶融粘度は、特に制限はなく、フィラー含有フィルムの用途や、フィラー含有フィルムの製造方法等に応じて適宜定めることができる。例えば、上述の傾斜2b又は起伏2cを形成できる限り、フィラー含有フィルムの製造方法によっては1000Pa・s程度とすることもできる。一方、フィラー含有フィルムの製造方法として、フィラーを樹脂層の表面に所定の配置で保持させ、そのフィラーを樹脂層に押し込む方法を行うとき、樹脂層がフィルム成形を可能とする点から樹脂の最低溶融粘度を1100Pa・s以上とすることが好ましい。
本発明のフィラー含有フィルムでは、樹脂層2の層厚Laとフィラーの粒子径Dとの比(La/D)が0.6〜10が好ましい。ここで、フィラーの粒子径Dは、その平均粒子径を意味する。樹脂層2の層厚Laが大き過ぎるとフィラー含有フィルムの物品への圧着時にフィラーが位置ズレしやすくなる。そのため、フィラー含有フィルムを光学フィルムとした場合には、光学特性にばらつきが生じる。また、フィラー含有フィルムを異方性導電フィルムとした場合には、電子部品と異方性導電導接続した端子における導電粒子の捕捉性が低下する。この傾向はLa/Dが10を超えると顕著である。そこでLa/Dは8以下がより好ましく、6以下が更により好ましい。反対に樹脂層2の層厚Laが小さすぎてLa/Dが0.6未満となると、フィラー1を樹脂層2によって所定の粒子分散状態あるいは所定の配列に維持することが困難となる。特に、フィラー含有フィルムが異方性導電フィルムの場合に接続する端子が高密度COGのときには、絶縁性樹脂層2の層厚Laと導電粒子径Dとの比(La/D)は、好ましくは0.6〜3、より好ましくは0.8〜2である。一方、フィラー含有フィルムが異方性導電フィルムである場合に、接続する電子部品のバンプレイアウトなどによりショート発生のリスクが低いと考えられるときには、比(La/D)の下限に関し、0.25以上としてもよい。
本発明において樹脂層2は、熱可塑性樹脂組成物、高粘度粘着性樹脂組成物、硬化性樹脂組成物から形成することができる。樹脂層2を構成する樹脂組成物は、フィラー含有フィルムの用途に応じて適宜選択され、また、樹脂層2を絶縁性とするか否かもフィラー含有フィルムの用途に応じて決定される。
本発明のフィラー含有フィルムでは、樹脂層2の厚さ方向におけるフィラー1の位置は前述のように、フィラー1が樹脂層2から露出していてもよく、露出することなく、樹脂層2内に埋め込まれていても良いが、隣接するフィラー間の中央部における接平面2pからのフィラーの最深部の距離(以下、埋込量という)Lbと、フィラーの粒子径Dとの比(Lb/D)(以下、埋込率という)が60%以上105%以下であることが好ましい。
埋込率(Lb/D)60%以上105%以下のフィラー1のより具体的な埋込態様としては、まず、図1Bに示したフィラー含有フィルム10Aのように、フィラー1が樹脂層2から露出するように埋込率60%以上100%未満で埋め込まれた態様をあげることができる。このフィラー含有フィルム10Aは、樹脂層2の表面のうち該樹脂層2から露出しているフィラー1と接している部分及びその近傍が、隣接するフィラー間の中央部の樹脂層の表面2aにおける接平面2pに対して凹んだ傾斜2bを有し、この凹みはフィラーの外形に概ね沿った稜線を形成している。
次に、本発明のフィラー含有フィルムのうち、埋込率(Lb/D)100%の態様としては、図2に示すフィラー含有フィルム10Bのように、フィラー1の周りに図1Bに示したフィラー含有フィルム10Aと同様のフィラーの外形に概ね沿った稜線を形成する傾斜2bを有し、樹脂層2から露出しているフィラー1の露出径Lcがフィラーの粒子径Dよりも小さいもの、図3Aに示すフィラー含有フィルム10Cのように、フィラー1の露出部分の周りの傾斜2bがフィラー1近傍で急激に現れ、フィラー1の露出径Lcとフィラーの粒子径Dとが略等しいもの、図4に示すフィラー含有フィルム10Dのように、樹脂層2の表面に浅い起伏2cがあり、フィラー1がその頂部1aの1点で樹脂層2から露出しているものをあげることができる。
本発明のフィラー含有フィルムのうち、埋込率100%を超える場合、図5に示すフィラー含有フィルム10Eのようにフィラー1が露出し、その露出部分の周りの樹脂層2に接平面2pに対する傾斜2bがあるもの、または図6に示すフィラー含有フィルム10Fのようにフィラー1の直上の樹脂層2の表面に接平面2pに対する起伏2cがあるものをあげることができる。
(第2の樹脂層)
本発明のフィラー含有フィルムは、図9に示すフィラー含有フィルム10Hのように、フィラー分散層3の樹脂層2の傾斜2bが形成されている面に、該樹脂層2よりも好ましくは最低溶融粘度が低い第2の樹脂層4を積層してもよい。第2の樹脂層および後述する第3の樹脂層はフィラー分散層に分散しているフィラー1を含有しない層になる。また図10に示すフィラー含有フィルム10Iのように、フィラー分散層3の樹脂層2の傾斜2bが形成されていない面に、該樹脂層2よりも最低溶融粘度が低い第2の樹脂層4を積層してもよい。傾斜2bに代えて起伏2cが形成されている場合も同様である。
本発明のフィラー含有フィルムでは、第2の樹脂層4と樹脂層2を挟んで反対側に第3の樹脂層が設けられていてもよい。第3の樹脂層も、フィラー含有フィルムの用途に応じて絶縁性又は導電性とすることができる。例えば、フィラー含有フィルムを、絶縁性の第3の樹脂層を有する異方性導電フィルムとした場合に、該第3の樹脂層をタック層として機能させることができる。フィラー含有フィルムを異方性導電フィルムとする場合、第3の樹脂層は、第2の樹脂層と同様に、電子部品の電極やバンプによって形成される空間を充填させるために設けてもよい。
フィラー含有フィルムの用途によっては、フィラー分散層を積層してもよく、積層したフィラー分散層間に、第2の樹脂層のようにフィラーを含有していない層を介在させてもよく、更に最外層に第2の樹脂層や第3の樹脂層を設けてもよい。
本発明のフィラー含有フィルムの製造方法は、フィラーが樹脂層に分散しているフィラー分散層を形成する工程を有する。このフィラー分散層を形成する工程は、フィラーを樹脂層表面に、特定の面積占有率で保持させる工程と、樹脂層に保持させたフィラーを該樹脂層に押し込む工程を有する。
本発明のフィラー含有フィルムは、従前のフィラー含有フィルムと同様に物品に貼り合わせて使用することができ、フィラー含有フィルムを貼り合わせることができれば物品に特に制限はない。フィラー含有フィルムの用途に応じた種々の物品に圧着により、好ましくは熱圧着により貼着することができる。この貼り合わせ時には光照射を利用してもよく、熱と光を併用してもよい。例えば、フィラー含有フィルムの樹脂層が、該フィラー含有フィルムを貼り合わせる物品に対して十分な粘着性を有する場合、フィラー含有フィルムの樹脂層を物品に軽く押し付けることによりフィラー含有フィルムが一つの物品の表面に貼着したフィルム貼着体を得ることができる。この場合に、物品の表面は平面に限られず、凹凸があってもよく、全体として屈曲していてもよい。物品がフィルム状又は平板状である場合には、圧着ローラーを用いてフィラー含有フィルムを物品に貼り合わせてもよい。これにより、フィラー含有フィルムのフィラーと物品を直接的に接合させることもできる。
(1)異方性導電フィルムの製造
表1に示した配合で、絶縁性樹脂層及び第2の絶縁性樹脂層を形成する樹脂組成物をそれぞれ調製した。
28000個/mm2×(1.5×1.5×3.14×10-6)×100
=19.8%である。
各実施例1〜11及び比較例1〜2の異方性導電フィルムを、導電粒子を通る切断線で切断し、その断面を金属顕微鏡で観察した。また、導電粒子が異方性導電フィルムの表面に露出しているか、導電粒子が異方性導電フィルムのフィルム表面近傍にある実施例4〜11、比較例2について、そのフィルム表面を金属顕微鏡で観察した。図11Aに実施例4の上面写真、図11Bに実施例8の上面写真を示す。
(1)で作製した実施例及び比較例の異方性導電フィルムに対し、以下のようにして(a)初期導通抵抗、(b)導通信頼性、(c)粒子捕捉性を測定ないし評価した。結果を表2に示す。
各実施例及び比較例の異方性導電フィルムを、接続に十分な面積で截断し、導通特性の評価用ICとガラス基板との間に挟み、加熱加圧(180℃、60MPa、5秒)して各評価用接続物を得、得られた評価用接続物の導通抵抗を4端子法で測定した。初期導通抵抗は、実用上B評価以上であれば好ましく、A評価であればより好ましい。C評価であっても、2Ω以下であれば実用上問題はない。
外形 1.8×20.0mm
厚み 0.5mm
バンプ仕様 サイズ30×85μm、バンプ間距離50μm、バンプ高さ15μm
ガラス材質 コーニング社製1737F
外形 30×50mm
厚み 0.5mm
電極 ITO配線
A 0.3Ω未満
B 0.3Ω超1Ω未満
C 1Ω以上
(a)で作製した評価用接続物を、温度85℃、湿度85%RHの恒温槽に500時間おいた後の導通抵抗を、初期導通抵抗と同様に測定した。導通信頼性は、実用上B評価以上であれば好ましく、A評価であれば更により好ましい。C評価であっても、6Ω以下であれば実用上問題はない。
A 2.5Ω以下
B 2.5Ω超5Ω未満
C 5Ω以上
粒子捕捉性の評価用ICを使用し、この評価用ICと、端子パターンが対応するガラス基板(ITO配線)とを、アライメントを6μmずらして加熱加圧(180℃、60MPa、5秒)し、評価用ICのバンプと基板の端子とが重なる6μm×66.6μmの領域の100個について導電粒子の捕捉数を計測し、最低捕捉数を求め、次の基準で評価した。実用上、B評価以上であることが好ましい。
外形 1.6×29.8mm
厚み 0.3mm
バンプ仕様 サイズ12×66.6μm、バンプピッチ22μm(L/S=12μm/10μm)、バンプ高さ12μm
A 5個以上
B 3個以上5個未満
C 3個未満
(異方性導電フィルムの作製)
COG接続に使用する異方性導電フィルムについて、絶縁性樹脂層の樹脂組成がフィルム形成能と導通特性に及ぼす影響を調べるために、表3に示す配合で絶縁性樹脂層と第2の絶縁性樹脂層を形成する樹脂組成物を調製した。この場合、絶縁性樹脂組成物の調製条件により樹脂組成物の最低溶融粘度を調整した。得られた樹脂組成物を使用して、実施例1と同様にして絶縁性樹脂層を形成し、その絶縁性樹脂層に導電粒子を押し込むことにより導電粒子分散層の単層からなる異方性導電フィルムを作製し、さらにその絶縁性樹脂層の導電粒子を押し込んだ側に第2の絶縁性樹脂層を積層して表4に示す異方性導電フィルムを作製した。この場合、導電粒子の配置は実施例1と同じものである。また、導電粒子の押し込み条件を適宜調整することにより、導電粒子は表4に示す埋込状態となった。
(a)初期導通抵抗及び導通信頼性
実施例1と同様にして初期導通抵抗と導通信頼性をそれぞれ3段階に評価した。この場合の評価基準も実施例1と同様である。結果を表4に示す。
実施例1と同様にして粒子捕捉性を評価した。
その結果、実験例1〜3のいずれもB判定以上であった。
実施例1と同様にしてショート発生率を評価した。
その結果、実験例1〜3のいずれも50ppm未満であり実用上問題がないことを確認した。
(異方性導電フィルムの作製)
FOG接続に使用する異方性導電フィルムについて、絶縁性樹脂層の樹脂組成がフィルム形成能と導通特性に及ぼす影響を調べるために、表5に示す配合で絶縁性樹脂層と第2の絶縁性樹脂層を形成する樹脂組成物を調製した。この場合、導電粒子の配置は個数密度15000個/mm2の6方格子配列とし、その格子軸の一つを異方性導電フィルムの長手方向に対して15°傾斜させた。また、絶縁性樹脂組成物の調製条件により樹脂組成物の最低溶融粘度を調整した。得られた樹脂組成物を使用して、実施例1と同様にして絶縁性樹脂層を形成し、その絶縁性樹脂層に導電粒子を押し込むことにより導電粒子分散層の単層からなる異方性導電フィルムを作製し、さらにその絶縁性樹脂層の導電粒子を押し込んだ側に第2の絶縁性樹脂層を積層して表6に示す異方性導電フィルムを作製した。この場合、導電粒子の押し込み条件を適宜調整することにより、導電粒子は表6に示す埋込状態となった。
(a)初期導通抵抗及び導通信頼性
次のようにして(i)初期導通抵抗と(ii)導通信頼性を評価した。結果を表6に示す。
各実験例で得た異方性導電フィルムを接続に十分な面積で裁断し、導通特性の評価用FPCとノンアルカリガラス基板との間に挟み、熱圧着ツールのツール幅1.5mmで加熱加圧(180℃、4.5MPa、5秒)し、各評価用接続物を得た。得られた評価用接続物の導通抵抗を4端子法で測定し、その測定値を次の基準で評価した。
端子ピッチ 20μm
端子幅/端子間スペース 8.5μm/11.5μm
ポリイミドフィルム厚(PI)/銅箔厚(Cu)=38/8、Sn plating
電極 ITO配線
厚み 0.7mm
OK:2.0Ω未満
NG:2.0Ω以上
(i)で作製した評価用接続物を、温度85℃、湿度85%RHの恒温槽に500時間置き、その後の導通抵抗を初期導通抵抗と同様に測定し、その測定値を次の基準で評価した。
OK:5.0Ω未満
NG:5.0Ω以上
(i)で作製した評価用接続物の端子100個について導電粒子の捕捉数を計測し、最低捕捉数を求めた。最低捕捉数が10個以上であれば、実用上問題はない。
実験例5〜7のいずれも最低捕捉数が10個以上であった。
(i)で作製した評価用接続物のショート数を計測し、計測されたショート数と評価用接続物のギャップ数からショート発生率を求めた。実験例5〜7のいずれもショート発生率は50ppm未満であり実用上問題がないことを確認した。
1a フィラーの頂部
2 樹脂層、絶縁性樹脂層
2a 樹脂層の表面
2b 傾斜
2c 起伏
2f 平坦な表面部分
2p 接平面
2q 突出部分
3 フィラー分散層、導電粒子分散層
4 第2の樹脂層、第2の絶縁性樹脂層
10A、10B、10C、10D、10E、10F、10G、10H、10I フィラー含有フィルム、実施例の異方性導電フィルム
20 端子
A 格子軸
D 導電粒子径、フィラーの粒子径
La 樹脂層の層厚
Lb 埋込量(隣接する導電粒子間の中央部における接平面からの導電粒子の最深部の
距離)
Lc 露出径
Ld 傾斜の最大径
Le 傾斜の最大深さ
Lf 起伏の最大深さ
θ 端子の長手方向と導電粒子の配列の格子軸とのなす角度
Claims (23)
- フィラーが樹脂層に分散しているフィラー分散層を有するフィラー含有フィルムであって、
フィラー近傍の樹脂層の表面が、隣接するフィラー間の中央部における樹脂層の接平面に対して傾斜または起伏を有し、
該傾斜では、フィラーの周りの樹脂層の表面が前記接平面に対して欠けており、
該起伏では、フィラー直上の樹脂層の樹脂量が、該フィラー直上の樹脂層の表面が前記接平面にあるとしたときに比して少なく、
フィラーの粒子径のCV値が20%以下であり、
次式で算出されるフィラーの面積占有率
面積占有率(%)=[平面視におけるフィラーの個数密度]×[フィラー1個の平面視面積の平均]×100
が0.3%以上であるフィラー含有フィルム。 - 前記接平面からのフィラーの最深部の距離Lbと、フィラーの粒子径Dとの比(Lb/D)が60%以上105%以下である請求項1記載のフィラー含有フィルム。
- フィラーが樹脂層から露出している請求項1又は2記載のフィラー含有フィルム。
- フィラーが樹脂層から露出することなく樹脂層内に埋まっている請求項1又は2記載のフィラー含有フィルム。
- 前記傾斜または起伏の前記接平面からの深さLeとフィラーの粒子径Dとの比(Le/D)が50%未満である請求項1〜4のいずれかに記載のフィラー含有フィルム。
- 前記傾斜または起伏の最大径Ldとフィラーの粒子径Dとの比(Ld/D)が100%以上である請求項1〜5のいずれかに記載のフィラー含有フィルム。
- 樹脂層の層厚Laとフィラーの粒子径Dとの比(La/D)が0.6〜10である請求項1〜6のいずれかに記載のフィラー含有フィルム。
- フィラーが互いに非接触で配置されている請求項1〜7のいずれかに記載のフィラー含有フィルム。
- 最近接フィラー間距離がフィラーの粒子径の0.5倍以上である請求項1〜8のいずれかに記載のフィラー含有フィルム。
- フィラー分散層の樹脂層の傾斜または起伏が形成されている表面と反対側の表面に、第2の樹脂層が積層されている請求項1〜9のいずれかに記載のフィラー含有フィルム。
- フィラー分散層の樹脂層の傾斜または起伏が形成されている表面に、第2の樹脂層が積層されている請求項1〜9のいずれかに記載のフィラー含有フィルム。
- 第2の樹脂層の最低溶融粘度がフィラー分散層の樹脂層の最低溶融粘度よりも低い請求項10又は11に記載のフィラー含有フィルム。
- フィラーが導電粒子であり、フィラー分散層の樹脂層が絶縁性樹脂層であり、異方性導電フィルムとして使用される請求項1〜12のいずれかに記載のフィラー含有フィルム。
- 請求項1〜13のいずれかに記載のフィラー含有フィルムが物品に貼着されているフィルム貼着体。
- 請求項1〜13のいずれかに記載のフィラー含有フィルムを介して第1物品と第2物品が接続されている接続構造体。
- 請求項13に記載のフィラー含有フィルムを介して第1電子部品と第2電子部品が異方性導電接続されている請求項15記載の接続構造体。
- 請求項1〜13のいずれかに記載のフィラー含有フィルムを介して第1物品と第2物品を圧着する接続構造体の製造方法。
- 第1物品、第2物品をそれぞれ第1電子部品、第2電子部品とし、請求項13記載のフィラー含有フィルムを介して第1電子部品と第2電子部品を熱圧着することにより第1電子部品と第2電子部品が異方性導電接続された接続構造体を製造する請求項17記載の接続構造体の製造方法。
- フィラーが樹脂層に分散しているフィラー分散層を形成する工程を有するフィラー含有フィルムの製造方法であって、
フィラー分散層を形成する工程が、粒子径のCV値が20%以下であるフィラーを樹脂層表面に保持させる工程と、
樹脂層表面に保持させたフィラーを該樹脂層に押し込む工程を有し、
フィラーを樹脂層表面に保持させる工程では、樹脂層表面でフィラーが分散した状態とし、かつ該樹脂層表面において、次式で算出されるフィラーの面積占有率
面積占有率(%)=[平面視におけるフィラーの個数密度]×[フィラー1個の平面視面積の平均]×100
を0.3%以上とし、
フィラーを樹脂層に押し込む工程では、フィラー近傍の樹脂層の表面が、隣接するフィラー間の中央部における樹脂層の接平面に対して傾斜または起伏を有し、該傾斜ではフィラーの周りの樹脂層の表面が前記接平面に対して欠け、該起伏ではフィラー直上の樹脂層の樹脂量が、該フィラー直上の樹脂層の表面が前記接平面にあるとしたときに比して少なくなるように、フィラーを押し込むときの樹脂層の粘度、押込速度又は温度を調整するフィラー含有フィルムの製造方法。 - フィラーを樹脂層に押し込む工程において、前記接平面からのフィラーの最深部の距離Lbと、フィラーの粒子径Dとの割合(Lb/D)が60%以上105%以下となるように押し込み時の押圧力、樹脂層の粘度、押込速度、又は温度を調整する請求項19記載のフィラー含有フィルムの製造方法。
- フィラーを樹脂層表面に保持させる工程において、樹脂層の表面にフィラーを所定の配列で保持させ、
フィラーを樹脂層に押し込む工程において、フィラーを平板又はローラーで樹脂層に押し込む請求項19又は20記載のフィラー含有フィルムの製造方法。 - フィラーを樹脂層表面に保持させる工程において、転写型にフィラーを充填し、そのフィラーを樹脂層に転写することにより樹脂層の表面にフィラーを所定の配置で保持させる請求項19〜21のいずれかに記載のフィラー含有フィルムの製造方法。
- フィラーとして導電粒子を使用し、フィラー分散層の樹脂層として絶縁性樹脂層を使用し、フィラー含有フィルムとして異方性導電フィルムを製造する請求項19〜22のいずれかに記載のフィラー含有フィルムの製造方法。
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