JP2019033003A - 非水電解質二次電池 - Google Patents

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Abstract

【課題】過充電時の発熱の抑制と、電池抵抗値の抑制とが両立された電池を提供すること。【解決手段】非水系二次電池は、正極、および非水電解質を含む。正極は正極合材層を含み、正極合材層は粒子状のリン酸三リチウムを含み、非水電解質はジメチルカーボネートを含む。正極合材層に含まれるリン酸三リチウムの比表面積は1.3m2/g以上5.4m2/g以下であり、非水電解質に含まれるジメチルカーボネートの濃度が24質量%以上31質量%以下である。【選択図】図1

Description

本開示は、非水電解質二次電池に関する。
特開2014−103098号公報(特許文献1)には、非水電解質二次電池(以下、単に「電池」とも記す)が過充電状態(高電圧状態)になった際に生じる種々の問題を抑制するために、正極合材層にリン酸塩等の無機リン酸化合物を添加する技術が提案されている。特許文献1において、具体的なリン酸塩としてリン酸三リチウム(LiPO)が開示されている。粒子状のリン酸三リチウムは、電池が過充電状態になった際に、非水電解質の分解によって生じた酸(たとえば、フッ化水素)を当該粒子表面にて吸着するため、過充電時の発熱を抑制することが可能となる。
特開2014−103098号公報
過充電時の発熱の抑制と、電池抵抗値の抑制とが両立された電池の開発が望まれている。特許文献1において開示されている電池は、過充電時の発熱を抑制することは可能であるが、電池抵抗値を抑制できるかについては懸念がある。したがって、特許文献1において開示されている電池は、電池抵抗値の抑制において改善の余地がある。
本開示の目的は、過充電時の発熱の抑制と、電池抵抗値の抑制とが両立された電池を提供することにある。
以下、本開示の技術的構成および作用メカニズムが説明される。ただし本開示の作用メカニズムは推定を含んでいる。作用メカニズムの正否により、特許請求の範囲が限定されるべきではない。
本開示に係る非水電解質二次電池は、正極、負極、および非水電解質を含む非水電解質二次電池である。正極は正極合材層を含み、正極合材層は粒子状のリン酸三リチウム(LiPO)を含み、非水電解質はジメチルカーボネート(DMC)を含む。正極合材層に含まれるリン酸三リチウムの比表面積は1.3m/g以上5.4m/g以下であり、非水電解質に含まれるジメチルカーボネートの濃度は24質量%以上31質量%以下である。なお、本明細書中において「比表面積」とは、たとえば窒素ガスを用いたBET法等の従来公知技術によって測定された表面積を示す。
正極合材層がリン酸三リチウムを含むことにより、電池の過充電時において電池の発熱が抑制されるものと考えられる。本開示の新知見は、正極に含まれる粒子状のリン酸三リチウムの比表面積と、非水電解質中に含まれるジメチルカーボネートの濃度との組み合わせを適切に管理することにより、過充電時の発熱の抑制と、電池抵抗値の抑制とが両立された電池を得られるということにある。すなわち、正極合材層に含まれる粒子状のリン酸三リチウムの比表面積を1.3m/g以上5.4m/g以下としつつ、非水電解質に含まれるジメチルカーボネートの濃度を24質量%以上31質量%以下となるよう管理することにより、過充電時の発熱の抑制と、電池抵抗値の抑制とが両立された電池が提供されると期待される。
図1は、製造例1〜28に対する、過充電耐性の評価試験における発熱温度、および電池抵抗値測定試験における抵抗値を示す図である。 図2は、製造例1’〜28’に対する、過充電耐性の評価試験における発熱温度、および電池抵抗値測定試験における抵抗値を示す図である。
以下、本開示の実施形態(以下「本実施形態」と記される)が説明される。ただし、以下の説明は、本開示の発明の範囲を限定するものではない。
<非水電解質二次電池の構成>
本開示の非水電解質二次電池は、以下に説明する正極、負極および非水電解質を含む限り、従来公知の構成を備えることができる。従来公知の構成とは、たとえば正極と、負極と、正極と負極との間に配置されたセパレータとを有する電極群を備え、この電極群が非水電解質と共に電池ケースに配置される構成等をいう。電極群は、扁平に巻回した形態(巻回電極群)とすることができる。
<正極>
本実施形態に係る正極は正極合材層を含み、正極合材層は粒子状のリン酸三リチウムを含む。すなわち、正極は粒子状のリン酸三リチウムを含む正極合材層を含んでいる。加えて、正極合材層に含まれる粒子状のリン酸三リチウムの比表面積は1.3m/g以上5.4m/g以下である。正極に含まれる粒子状のリン酸三リチウムの比表面積が1.3m/g未満の場合や5.4m/gよりも大きい場合には、過充電時において発熱が抑制されない懸念があり、加えて電池抵抗値も抑制されない懸念がある。本実施形態における正極は、粒子状のリン酸三リチウムを含む正極合材層を含み、かつ、当該粒子状のリン酸三リチウムの比表面積が1.3m/g以上5.4m/g以下である限り、従来公知の構成を備えることができる。従来公知の構成とは、たとえば正極集電体と、正極集電体の主面上に形成された正極合材層とを含む構成である。正極集電体は、たとえばアルミニウム(Al)箔等であってもよい。正極集電体は、たとえば10〜30μmの厚さを有してもよい。
《正極合材層》
正極合材層は、粒子状のリン酸三リチウムを含む。正極合材層はリン酸三リチウムに加え、従来公知の構成として正極活物質、導電材、およびバインダを含む。正極合材層は、たとえば80〜98重量%の正極活物質、1〜15重量%以下の導電材、および1〜5重量%以下のバインダを含み、かつ、上記正極活物質100質量部に対して0.5〜10質量部のリン酸三リチウムを含んでもよいし、上記正極活物質100質量部に対して1〜8質量部のリン酸三リチウムを含んでもよいし、上記正極活物質100質量部に対して1.5〜6質量部のリン酸三リチウムを含んでもよい。正極合材層は、たとえば30〜200μmの厚さを有してもよい。正極合材層は、正極活物質、導電材、およびバインダに加えて後述する金属元素を含んでもよい。
(正極活物質、導電材およびバインダ)
正極活物質、導電材およびバインダは特に限定されるべきではない。正極活物質は、たとえばLiCoO、LiNiO、LiNi1/3Co1/3Mn1/3(NCM)、LiMnO、LiMn、LiFePO等であってもよい。導電材は、たとえばアセチレンブラック(AB)、ファーネスブラック、気相成長炭素繊維(VGCF)、黒鉛等であってもよい。バインダは、たとえばポリフッ化ビニリデン(PVdF)、スチレンブタジエンラバー(SBR)、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)等であってもよい。
(金属元素)
正極合材層は、一般的なリチウム電池と同様に、Si、Na、K、Cl、Fe、Cu、Zn、Pb、Ni、Co、およびCr等の金属元素を含んでもよい。これらの金属元素は、後述するペースト状の正極合材層を調製する際にリン酸三リチウムの粉末に含まれているものであり得る。これらの元素が正極合材層に含まれている場合であっても、過充電時の発熱は抑制されるものと考えられる。また、生産性の低下や反応抵抗の増加などのリン酸三リチウムの添加によって生じ得る問題の発生の抑制が期待される。
<負極>
負極は、負極合材層および負極集電体を含む。負極集電体は、たとえば、銅(Cu)箔等でよい。負極集電体は、たとえば、5〜20μm程度の厚さを有してもよい。負極合材層は、負極集電体の表面に形成されている。負極合材層は、たとえば10〜150μm程度の厚さを有してもよい。負極合材層は、負極活物質およびバインダ材等を含有する。負極合材層は、たとえば95〜99質量%の負極活物質、および1〜5質量%のバインダを含有する。
負極活物質およびバインダは特に限定されるべきではない。負極活物質は、たとえば黒鉛、易黒鉛化性炭素、難黒鉛化性炭素、珪素、酸化珪素、錫、酸化錫等であってもよい。バインダは、たとえば、カルボキシメチルセルロース(CMC)、スチレンブタジエンゴム(SBR)等であってもよい。
<非水電解質>
非水電解質は、非水溶媒および支持塩を含む。非水電解質は、非水溶媒として24質量%以上31質量%以下のジメチルカーボネート(DMC)を含む。非水電解質に含まれるジメチルカーボネートの含有量が24質量%未満の場合や31質量%よりも大きい場合には、過充電時において発熱が抑制されない懸念や、電池抵抗値が抑制されない懸念がある。本実施形態における非水電解質は、24質量%以上31質量%以下のDMCを含む限り、従来公知の構成を備えることができる。従来公知の構成とは、非水溶媒、支持塩、および添加剤を含む構成である。非水溶媒は、たとえば環状カーボネートと鎖状カーボネートとの混合物でよい。環状カーボネートと鎖状カーボネートとの混合比は、体積比で、たとえば環状カーボネート:鎖状カーボネート=1:9〜5:5でよい。環状カーボネートとしては、たとえばエチレンカーボネート(EC)、プロピレンカーボネート(PC)、ブチレンカーボネート(BC)等であってもよい。鎖状カーボネートは、たとえばエチルメチルカーボネート(EMC)、ジエチルカーボネート(DEC)等であってもよい。支持塩は、たとえばヘキサフルオロ燐酸リチウム(LiPF)、テトラフルオロ硼酸リチウム(LiBF)等のLi塩でよい。Li塩の濃度は、たとえば0.5〜2.0mоl/L程度でよい。非水電解質は、ビニレンカーボネート(VC)、シクロヘキシルベンゼン(CHB)等の添加剤を含んでいてもよい。
<セパレータ>
セパレータは、電気絶縁性の多孔質膜である。セパレータは、正極と負極とを電気的に隔離する。セパレータは、たとえば5〜30μmの厚さを有してもよい。セパレータは、たとえば多孔質ポリエチレン(PE)膜、多孔質ポリプロピレン(PP)膜等により構成され得る。セパレータは、多層構造を含んでもよい。たとえばセパレータは、多孔質PP膜、多孔質PE膜、および多孔質PP膜がこの順序で積層されることにより構成されていてもよい。セパレータは、その表面に耐熱層を含んでいてもよい。耐熱層は、耐熱材料を含む。耐熱材料としては、たとえばアルミナ等の金属酸化物粒子、ポリイミド等の高融点樹脂等が挙げられる。
<電池ケース>
電池ケースは、たとえば角形(扁平直方体)であってもよいし、円筒形であってもよいし、袋状であってもよい。たとえばアルミニウム(Al)、Al合金等の金属が電池ケースを構成する。ただし、電池ケースが所定の密閉性を有する限り、たとえば金属および樹脂の複合材が電池ケースを構成してもよい。金属および樹脂の複合材としては、たとえばアルミラミネートフィルム等が挙げられる。電池ケースは、外部端子、注液孔、ガス排出弁、電流遮断機構(CID)等を備えていてもよい。
<用途>
本開示に係る電池は、たとえばハイブリッド自動車(HV)、プラグインハイブリッド自動車(PHV)、電気自動車(EV)等の動力電源として用いられる。ただし、本開示に係る非水電解質二次電池の用途は、車載用途に限定されるべきではなく、あらゆる用途に適用可能である。
以下、非水電解液電池を具体的に作製した例について、製造例として説明される。なお、製造例7〜21および製造例13’〜21’が本開示の実施例に相当し、その他の製造例(製造例1〜6、製造例22〜28、製造例7’〜12’および製造例22’〜28’)が比較例に相当する。ただし以下の例は、本開示の範囲を限定するものではない。
<非水電解液二次電池の製造>
《製造例1》
1.正極の製造
以下の材料が準備された。
正極活物質:NCM
導電材:AB
バインダ:PVdF
添加剤:粒子状のLiPO(比表面積0.99m/g)
溶媒:N−メチル−ピロリドン(NMP)
正極集電箔:Al箔(厚さ15μm)
プラネタリミキサにより、NCM、LiPO、AB、PVdFおよびNMPが混合された。これにより、ペースト状の正極合材(以下、「正極合材ペースト」と記載する)が調製された。正極合材ペーストにおけるLiPO以外の固形分組成は、質量比で「NCM:AB:PVdF=93:4:3」とされた。LiPOの添加量は、NCM100質量部に対して3質量部とされた。正極合材層用ペーストが正極集電体の表面に塗布され、乾燥された。これにより正極合材層が形成された。以上より、正極が形成された。正極は圧延され、帯状に裁断された。
2.負極の製造
以下の材料が準備された。
負極活物質:粉末黒鉛
増粘材:CMC
バインダ:SBR
溶媒:水
負極集電箔:Cu箔(厚さ10μm)
攪拌装置の攪拌槽に、粉末黒鉛、CMC、SBRおよび水を投入し、攪拌することにより、ペースト状の負極合材(以下、「負極合材ペースト」と記載する)が調製された。負極合材ペーストにおいて固形分の配合は、質量比で「粉末黒鉛:CMC:SBR=98:1:1」とされた。負極合材層用ペーストが、負極集電体の表面に塗布され、乾燥された。これにより負極合材層が形成された。以上により、負極が形成された。負極は圧延され、帯状に裁断された。
3.非水系電解質の準備
以下の組成を有する電解液が準備された。非水電解質に含まれるDMCの濃度は21質量%とされた。
溶媒組成:[EC:DMC:EMC=[30]:21:[49](質量比)]
支持塩:LiPF(1.0mоl/L)
4.非水電解質二次電池の製造
帯状の正極、帯状の負極および帯状のセパレータ(PP/PE/PPの三層構造)がそれぞれ準備された。セパレータを挟んで、正極と負極とが対向するように、正極、セパレータ、負極、セパレータの順で積層され、さらに渦巻状に巻回された。これにより電極群が構成された。正極および負極に端子がそれぞれ接続された。電極群がアルミニウムからなる電池ケースに収納された。電池ケースに非水電解質が注入され、電池ケースが密閉された。以上より、非水電解質二次電池が製造された。電池は角形(奥行13.5mm×幅110mm×高さ91.5mm)であり、3.0〜4.1Vの電圧範囲で1.0Ahの容量を有するように設計されている。なお、製造例1にて製造された電池は、非水電解質に含まれるDMCの濃度が21質量%であり、正極に含まれる粒子状のLiPOの比表面積が0.99m/gとなる組み合わせになるよう管理されている。すなわち、非水電解質に含まれるDMCの濃度および正極に含まれる粒子状のLiPOの比表面積の組み合わせが、下記表1に示す組み合わせ例1に記載の組み合わせとなるよう管理されている。
《製造例2〜28》
非水電解質に含まれるDMCの濃度および正極に含まれるLiPOの比表面積の組み合わせが、下記表1に示す組み合わせ例2〜28に記載の組み合わせとなるよう管理されたことを除いては、製造例1と同様に電池が製造された。
《製造例7’〜28’》
非水電解質に含まれるDMCの濃度および正極に含まれるLiPOの比表面積の組み合わせが、下記表2に示す組み合わせ例7’〜28’に記載の組み合わせとなるよう管理されたことを除いては、製造例1と同様に電池が製造された。ここで、組み合わせ例7’〜28’に関しては、非水電解質に含まれるDMCの濃度は下記表1に示す組み合わせ例7〜28と同一の濃度であるが、正極に含まれるLiPOの比表面積は表1に示す組み合わせ例1〜21と同一の比表面積となっている。すなわち、下記表1に示す組み合わせ例7〜28に記載の非水電解質に含まれるDMCの濃度と組み合わせる、正極に含まれるLiPOの比表面積をずらしたものが、下記表2に示す組み合わせ例7’〜28’に該当する。なお、非水電解質に含まれるDMCの濃度および正極に含まれるLiPOの比表面積の組み合わせが、組み合わせ例1’〜6’ に記載の組み合わせとなるよう管理された電池の製造は行っていないため、製造例1’〜6’は存在しない。
<過充電耐性の評価試験>
製造された各電池に対して、20Cの定電流で5.1Vまで充電を行うことによって各電池を過充電状態とし、各電池の電池ケース外側中心部の温度を測定することによって、過充電時の電池温度を測定した、そして過充電時の電池温度と充電前の電池温度との差から、発熱温度を求めた。結果は表1および表2の「発熱温度」の欄に示されている。発熱温度が小さいほど、過充電時に電池温度の上昇が抑えられたことを示している。すなわち、発熱温度が小さいほど、電池の過充電において発熱が抑制されていることを示す。
<電池抵抗値測定試験>
製造された各電池をSOC20%の状態に調整した。次に、25℃の温度環境下で、各電池に対して125Aのレートで10秒間の定電流放電を行い、電圧降下を測定した。係る電圧降下量を放電電流値で除して、電池抵抗を求めた。結果は表1および表2の「抵抗値」の欄に示されている。
Figure 2019033003
Figure 2019033003
<結果>
非水電解質に含まれるDMCの濃度および正極に含まれる粒子状のLiPOの比表面積の組み合わせが、上記表1に示す組み合わせ例7〜21に記載の組み合わせとなるよう管理された製造例7〜21に係る電池は、過充電時の発熱の抑制と、電池抵抗値の抑制とが両立されていることが上記表1および図1に示されている。この結果から、粒子状のLiPOを含む正極合材層を含む正極と、DMCを含む非水電解質とを備える電池において、LiPOの比表面積が1.3m/g以上5.4m/g以下であり、非水電解質に含まれるDMCの濃度が24質量%以上31質量%以下となるように管理された場合、過充電時の発熱の抑制と、電池抵抗値の抑制とが両立された電池が得られることが示された。
非水電解質に含まれるDMCの濃度および正極に含まれる粒子状のLiPOの比表面積の組み合わせが、上記表1に示す組み合わせ例1〜6、組み合わせ例22〜28に記載の組み合わせとなるよう管理された製造例1〜6、製造例22〜28に係る電池は、過充電時の発熱の抑制および電池抵抗値の抑制において改善の余地があることが上記表1および図1に示されている。すなわち、粒子状のLiPOを含む正極合材層を含む正極と、DMCを含む非水電解質とを備える電池において、正極に含まれるLiPOの比表面積が1.3m/g以上5.4m/g以下ではなく、かつ、非水電解質に含まれるDMCの濃度が24質量%以上31質量%以下ではないように管理された場合は、過充電時の発熱の抑制および電池抵抗値の抑制において改善の余地があることが示された。
非水電解質に含まれるDMCの濃度および正極に含まれる粒子状のLiPOの比表面積の組み合わせが、上記表2に示す組み合わせ例7’〜12’に記載の組み合わせとなるよう管理された製造例7’〜12’に係る電池は、電池抵抗値は抑制されているものの、過充電時の発熱の抑制において改善の余地があることが上記表2および図2に示されている。この結果から、粒子状のLiPOを含む正極合材層を含む正極と、DMCを含む非水電解質とを備える電池において、DMCの濃度が24質量%以上31質量%以下であるが、LiPOの比表面積が1.3m/g以上5.4m/g以下ではない組み合わせとなるよう管理された場合は、電池抵抗値は抑制されているものの、過充電時の発熱の抑制において改善の余地があることが示された。なお、正極に含まれるLiPOの比表面積が1.3m/g以上5.4m/g以下であり、非水電解質に含まれるDMCの濃度が24質量%以上31質量%以下の組合わせとなるよう管理された製造例13’〜21’に係る電池は、過充電時の発熱の抑制と、電池抵抗値の抑制とが両立されていた。
非水電解質に含まれるDMCの濃度および正極に含まれる粒子状のLiPOの比表面積の組み合わせが、上記表2に示す組み合わせ例22’〜27’に記載の組み合わせとなるよう管理された製造例22’〜27’に係る電池においても、電池抵抗値は抑制されているものの、過充電時の発熱の抑制において改善の余地があることが上記表2および図2に示されている。この結果から、粒子状のLiPOを含む正極合材層を含む正極と、DMCを含む非水電解質とを備える電池において、LiPOの比表面積が1.3m/g以上5.4m/g以下であるが、DMCの濃度が24質量%以上31質量%以下ではない組み合わせとなるよう管理された場合においても、電池抵抗値は抑制されるものの、過充電時の発熱の抑制において改善の余地があることが示された。なお、正極に含まれるLiPOの比表面積が1.3m/g以上5.4m/g以下ではなく、かつ、非水電解質に含まれるDMCの濃度が24質量%以上31質量%以下ではないように管理された製造例28’に係る電池は、過充電時の発熱の抑制および電池抵抗値の抑制において改善の余地があるものであった。
以上の結果から、過充電時の発熱の抑制と、電池抵抗値の抑制とが両立された電池を得るためには、粒子状のLiPOを含む正極合材層を含む正極と、DMCを含む非水電解質とを備える電池において、正極合材層に含まれるLiPOの比表面積が1.3m/g以上5.4m/g以下であるという条件と、非水電解質に含まれるDMCの濃度が24質量%以上31質量%以下であるという条件の両条件を満たすよう管理される必要があることが示された。また、上記条件のうちいずれか一方が充足されていない電池は、電池抵抗値は抑制されているものの、過充電時の発熱の抑制において改善の余地がある傾向を示すことが示された。
上記の実施形態および実施例はすべての点で例示であって制限的なものではない。特許請求の範囲によって定められる技術的範囲は、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更を含む。

Claims (1)

  1. 正極、負極、および非水電解質を含む非水電解質二次電池であって、
    前記正極は正極合材層を含み、
    前記正極合材層は粒子状のリン酸三リチウムを含み、
    前記非水電解質はジメチルカーボネートを含み、
    前記正極合材層に含まれるリン酸三リチウムの比表面積は1.3m/g以上5.4m/g以下であり、
    前記非水電解質に含まれるジメチルカーボネートの濃度は24質量%以上31質量%以下である、
    非水電解質二次電池。
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