JP2019032149A - 食品加熱装置 - Google Patents

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誠士 神原
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Abstract

【課題】過熱水蒸気の生成に際し、ヒータなどの熱源を用いることなく高効率に過熱水蒸気を生成すること、【解決手段】加熱対象物を収納する加熱室と、この加熱室に過熱水蒸気を供給する過熱水蒸気噴射手段3と、過熱水蒸気噴射手段3を制御する制御手段とを備えている。そして、過熱水蒸気噴射手段3は、一端3aに水分子が供給される水分子供給口31を形成し、他端3bに過熱水蒸気を噴出する水蒸気噴射口32を形成した筒状の本体30及び他端側で、プラズマを生成するための電磁波プラズマ生成手段5とからなる。制御手段は、半導体素子から構成される電磁波発振器MWの発振制御を、低温プラズマ生成パターンの発振と、熱プラズマ生成パターンの発振とに切り替えて行うようにしている。【選択図】図2

Description

本発明は、過熱水蒸気を用いた食品加熱装置に関し、特に、高い電熱効率で生成した過熱水蒸気を用いた省エネの食品加熱装置に関する。
近年、過熱水蒸気を利用して調理を行う加熱調理器が開発され、実用化されている。例えば、特許文献1に記載の加熱調理器では、タンクに貯水した水をヒータで加熱して沸騰した水蒸気を発生させ、この水蒸気をファンで加熱室に送出すると共に、水蒸気を過熱して過熱水蒸気を生成するための第2のヒータへも送出する。そして第2のヒータにより生成された過熱水蒸気も加熱室に送られ、この水蒸気と過熱水蒸気とを用いて加熱調理が行われる。
特開2009−92376号公報
特許文献1に記載の加熱調理器では、水蒸気を加熱室に送出するための大型のファン、タンクの水をヒータに供給するためのポンプ、2つのヒータを必要とするので、水蒸気により加熱を行う加熱調理器の小型化が困難である。また、ヒータを使用して過熱水蒸気を生成するため、気化熱によって熱が吸収されることで高い電熱効率が得られないという問題があった。さらに、食品を高温で加熱する際に発生する有機物・揮発物質の酸化による異臭を効果的に消臭することができないという問題もあった。
本発明は、かかる点に鑑みてなされたもので、その目的は、過熱水蒸気の生成に際し、ヒータなどの熱源を用いることなく高効率に過熱水蒸気を生成することを目的とする。
本発明の食品加熱装置は、
過熱対象食品を収納する加熱室と、
加熱室に過熱水蒸気を供給する過熱水蒸気噴射手段と、
過熱水蒸気噴射手段を制御する制御手段とを備え、
過熱水蒸気噴射手段は、一端に水分子供給器から水分子が供給される水分子供給口及び他端に過熱水蒸気を噴出する水蒸気噴射口を形成した筒状の本体と、他端側でプラズマを生成するための電磁波プラズマ生成手段とからなり、
前記制御手段は、半導体素子から構成される電磁波発振器の発振を、低温プラズマ生成パターンの発振と、熱プラズマ生成パターンの発振とに切り替えて制御するようにしている。
本発明の食品加熱装置によれば、過熱水蒸気噴射手段によって加熱室に供給噴射される過熱水蒸気は、飽和水蒸気が電磁波によって生成されるプラズマと接触することによって生成されるから従来の電熱効率の低い方式と異なり、高い電熱効率で過熱水蒸気を生成することができる。また、電磁波によって生成するプラズマを低温プラズマと熱プラズマとに切り替えることによって、低温プラズマを生成する際に、脱臭に効果的なOHラジカルを多く生成し、加熱室内の脱臭を行うことができる。
本発明の食品加熱装置の1実施形態を示す。 同食品加熱装置に使用する過熱水蒸気噴射手段を示す断面図である。 実施形態2の食品加熱装置に使用する過熱水蒸気噴射手段に用いられるプラズマ生成器の全体断面図である。 同加熱装置の過熱水蒸気噴射手段を示す断面図である。 プラズマ生成器の昇圧手段の等価回路である。 実施形態2の食品加熱装置に使用する移動手段を示し、(a)は天井面の平面図、(b)は同正面図である。
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。なお、以下の実施形態は、好ましい例示であって、本発明、その適用物、あるいはその用途の範囲を制限することを意図するものではない。
<実施形態1>食品加熱装置
本実施形態1は、本発明に係る食品加熱装置である。この食品加熱装置1は、図1に示すように周知の筐体形状であって、加熱対象物を収納する加熱室2と、この加熱室2に過熱水蒸気を供給する過熱水蒸気噴射手段3と、過熱水蒸気噴射手段3を制御する制御手段4とを備えている。そして、過熱水蒸気噴射手段3は、一端3aに水分子が供給される水分子供給口31を形成し、他端3bに過熱水蒸気を噴出する水蒸気噴射口32を形成した筒状の本体30及び他端3b側で、プラズマを生成するための電磁波プラズマ生成手段5とからなる。制御手段4は、半導体素子から構成される電磁波発振器MWの発振制御を、低温プラズマ生成パターンP1の発振と、熱プラズマ生成パターンP2の発振とに切り替えて行うようにしている。本明細書における水分子には、微少粒径の水滴(微少液滴)、ミスト、スチーム、飽和水蒸気が含まれる。また、本発明に係る食品加熱装置の前面には、調理選択等のパネルスイッチが配備されている。なお、図例では前面に配備される扉を省略している。
<過熱水蒸気噴射手段>
過熱水蒸気噴射手段3は、過熱水蒸気噴射手段3の水蒸気噴射口3aが加熱室2に臨むように加熱室2内の壁面に配設される。過熱水蒸気噴射手段3を配設する壁面及び配設数に関しては特に限定するものではないが、本実施形態においては、加熱室2の天井面1Aに1乃至3基配設(図例では1基)するようにしている。この他、好適な配設壁面としては、奥面1Bに1乃至3基配設することが好ましい。また、複数の過熱水蒸気噴射手段3を配設するときは、後述する電磁波発振器MW及び水分子供給器6からの電磁波及び水分子を、切替器(図示省略)を介して、使用する1又は複数の過熱水蒸気噴射手段3に供給するように構成する。
過熱水蒸気噴射手段3に供給される水分子を供給する水分子供給器6は、微少液滴やミストを生成し、水分子供給口31に、所定流量を所定圧力で供給する構造であっても構わないが、本実施形態においては、加熱水蒸気(スチーム)を生成し、水分子供給口31に、所定流量を所定圧力で供給するように構成されている。本体30は、中空形状であればその他の構造は特に限定するものではないが、本実施形態においては、水分子供給口31を備えた供給側本体30Aと、水蒸気噴射口32を備えた噴射側本体30Bとから構成し、両本体を連結する。連結には溶接等の接合手段の他、両本体30A、30Bの接合箇所の端部となる、本体30A側の端部内周面に雌ねじ、本体30Bの外周面に雄ねじを形成して螺合することもできる。
過熱水蒸気噴射手段3の本体30は、図2に示すように、周面の適所に電磁波の供給口33を形成する。そして、内部の中空構造の内径は、後述する筒状電極40、筒状電極40に形成されるチョーク部40b、筒状電極40に嵌着される筒状の絶縁体41a、41bの外径寸法に合わせて決定される。
過熱水蒸気噴射手段3の本体30の他端3b側で、プラズマを生成するための電磁波プラズマ生成手段5は、本体30の電磁波の供給口33、本体30の水蒸気噴射口32の内側角部32a、本体30の内部に配備される中空の筒状電極40から構成される。筒状電極40は、水分子供給口31と同軸で、その内部空間は、水分子供給口31に供給される水分子を水蒸気噴射口32まで送り出す流路を構成している。
本体30内部に配備される筒状電極40は、水分子供給口31側(本体30の一端3a側)において、薄肉の絶縁筒41aが嵌入され、その端面は本体30と短絡されている。電磁波の給電ポイントMから端面までの距離Lは供給する電磁波の波長λに対してλ/4の長さとする。絶縁筒41aは、給電ポイントMと対応する位置で、電磁波発振器MWから延設される同軸ケーブルの中心電極と接続するための孔部が開口されている。具体的には、給電ポイントMに同軸ケーブルと接続可能なコネクタ(SMCコネクタ等)を配設し、コネクタの電極を、孔部を介して筒状電極40と接続する。絶縁筒41aを本体30の内周面と筒状電極40の外周面との間に介在させることで、筒状電極40の位置決めと、給電ポイントMからの高周波の電気的な構造をリジットに決定する役割を担っている。
そして、筒状電極40は、水蒸気噴射口32の内側角部32a(接地電極を構成する。)との間に所定の隙間(ギャップG)が生じる位置まで端面40a(放電電極を構成する)が延設されている。また、筒状電極40の中央部にはチョーク部40bが形成され、電磁波発振器MWから供給される電磁波のインピーダンス整合を図っている。これにより、給電ポイントMで50Ω(同軸線路のインピーダンス)、水蒸気噴射口32近傍で10Ω程度となるインピーダンスの整合を図るようにしている。チョーク部40bと端面40aとの間には、本体30の内周面と筒状電極40との間隔を固定するための絶縁筒41bが嵌入され、筒状電極40の位置決め(内側角部32aに対する端面40aの撓み調整)と強度向上が図られるとともに、水分子供給口31から供給される水分子の逆流を防止している。また、図に示すように筒状電極40は、水分子供給口31側の筒状体40Aと、チョーク部40b及び放電電極を構成する端面40aを形成する筒状体40Bとの別部材構成として、組み込み時に、筒状体40Bを筒状体40Aに対して軸方向にスライドさせることでギャップGの寸法を調整するように構成することができる。ギャップGの大きさは、特に限定するものではないが、0.1mm〜2.0mm、好ましくは0.2mm〜1.0mm程度とすることが好ましい。
<電磁波発振器>
給電ポイントMと接続される電磁波発振器MWは、マグネトロンの利用が一般的であったが、近年半導体デバイスを利用した電磁波発振器が実用化されている。半導体デバイスとして一般的に使用される半導体材料は、シリコン(ケイ素(Si))である。シリコンを使った半導体デバイスは、酸化物SiOを還元、清留させて製造される高純度のシリコンにさらに加工を加えて作ったシリコンウェーハから製造される。このシリコンウェーハの製造方法は確立しており、大量生産が可能なことから半導体材料として汎用されている。また、炭化ケイ素(SiC)、窒化ガリウム(GaN)、酸化ガリウム(Ga)又はダイヤモンドを用いることで、エネルギ効率が70%以上を確保することができ、本実施形態で用いる電磁波発振器MWの半導体材料として利用するようにしている。
電磁波発振器MWは、給電ポイントMとの間に増幅器介在させ、発振する電磁波の出力を例えば500W〜2kWまで増幅するようにしている。なお、電磁波発振器MWの内部に増幅器(パワーアンプ)を内蔵するように構成しても構わない。
<制御手段>
制御手段4は、電磁波発振器MWから電磁波プラズマ生成手段5へ供給する電磁波(本実施形態においては、例えば、2.45GHzのマイクロ波を発振するようにしている。)の発振パターンを、低温プラズマ生成パターンP1の発振と、熱プラズマ生成パターンP2の発振とに切り替える。低温プラズマ生成パターンP1の発振をすることで、分解脱臭に効果的なOHラジカルの発生を高め、食品から発生するガスの分解、付着有機物の腐敗防止を図ることができる。また、熱プラズマ生成パターンP2の発振をすることで、生成された初期放電プラズマにマイクロ波が吸収され高温の熱プラズマに成長する。
より具体的に、低温プラズマ生成パターンP1は、マイクロ波の発振時間を100μsec以下、好ましくは、0.2〜0.8μsec、デューティ比10%以下のパルス発振とすることで、電子温度は高くガス温度の低い低温プラズマを維持することができる。熱プラズマ生成パターンP2は、連続波発振、又は発振時間10msec、デューティ比80〜90%とすることで、電子温度もガス温度も高温となる熱プラズマを発生維持することができる。この際、マイクロ波の出力はいずれも600〜1200W程度の間で適宜調整する。調整は発振するマイクロ波の進行波と反射波をモニタリングして制御手段4によって調整することができる。
上記構成において、食品を加熱調理する際は、制御手段4によって、電磁波発振器MWから熱プラズマ生成パターンP2の発振となるように制御するとともに、水分子供給器6から所定流量・所定圧力の水分子、例えばスチームを過熱水蒸気噴射手段3に供給する。供給されたスチームは、ギャップGで生成される熱プラズマと接触することで加熱され、短時間で200〜300℃の過熱水蒸気となり、水蒸気噴射口32から過熱水蒸気として加熱室2に供給される。これによって、食品を加熱調理することができる。この際、過熱水蒸気噴射手段3から加熱室2に噴射する過熱水蒸気は、適宜手段によって水分子供給器6に循環させて再利用するように構成することもできる。
そして、制御手段4は所定時間、熱プラズマ生成パターンP2の発振を行った後、つまり食品加熱調理が終了したとき、低温プラズマ生成パターンP1に切り替えて、ギャップGで低温プラズマを生成する。この際、水分子供給器6からスチーム等を供給することなくギャップGで低温プラズマを生成だけでもOHラジカルが発生され、加熱室2内の消臭、食品ガスの分解・付着有機物の腐敗防止を図ることができる。また、水分子供給器6からミストを供給することでさらに多量のOHラジカルを生成し、効果的に加熱室2内の消臭等を行うことが可能となる。
<実施形態2>
本実施形態2は、本発明に係る食品加熱装置である。この食品加熱装置1は、加熱対象物に瞬間的に焦げ目をつけるためのものである。実施形態1と同様に図1に示すように周知の筐体形状であって、過熱対象食品を収納する加熱室2と、加熱室2に過熱水蒸気を供給する過熱水蒸気噴射手段3と、過熱水蒸気噴射手段3を制御する制御手段4とを備え、過熱水蒸気噴射手段3は、一端に水分子供給器から水分子が供給される水分子供給口及び他端に過熱水蒸気を噴出する水蒸気噴射口を形成した筒状の本体と、他端側でプラズマを生成するための電磁波プラズマ生成手段5とからなり、前記加熱室2には、過熱水蒸気噴射手段3を水平方向及び鉛直方向に移動せしめる移動手段を備えるようにしている。さらに、本実施形態では、熱プラズマ生成パターンP2の発振のみ行う。高温および高出力の過熱水蒸気を加熱対象物に向けて照射することにより、加熱対象物に瞬間的に焦げ目をつけるためであり、本実施形態では、低温プラズマを生成する必要はない。
熱プラズマの制御パターンは、実施例1の場合と同様である。なお、加熱室2内の消臭、食品ガスの分解・付着有機物の腐敗防止を図る場合は、低温プラズマを生成し、OHラジカルを発生させてもよい。
<過熱水蒸気噴射手段>
上記実施例1と同様の噴射手段を用いてもよいが、本実施形態では図4に示す過熱水蒸気噴射手段を用いる。以下で、その構成について具体的に説明する。
<電磁波プラズマ生成手段>
電磁波プラズマ生成手段5は、電磁波発振器MWから発振される電磁波を昇圧する共振回路からなる昇圧手段150と放電ギャップ106を形成する放電電極155aおよび接地電極151aとから構成され、昇圧手段150により放電ギャップ106の電位差を高め放電を生じさせる。電磁波発振器MWは、電磁波用電源Pからの電圧の印加を受け電磁波を発振する。
電磁波プラズマ生成手段5は、電磁波発振器MWから発振される電磁波の供給を受ける入力部152と、入力された電磁波を昇圧する昇圧手段150と、放電ギャップ106を形成する放電電極155aおよび接地電極151aとを備え、昇圧手段150により放電ギャップ106の電位差を高め放電を生じさせるように構成されている。
放電電極155aは、入力部152から伸びる入力軸部153が挿通される有底の筒状部154から反入力部側に伸びる電極軸部155bの先端に形成されている。入力部152から伸びる入力軸部153は、筒状部154とは絶縁されている。具体的には、筒状部154内周面との間に筒状の絶縁体159が介在している。絶縁体159を介在させるが筒状部154の内周面と接触しないように構成することで筒状部154と入力軸部153は容量結合となり、後述する等価回路のC1を形成する。また、筒状部154および電極軸部155bとケーシング151の先端側ケーシング151Aの内周面との間も電気的に絶縁されている。本実施形態においては、筒状部154を覆うケーシング151Aの内周面との間によって、後述する等価回路のC2を形成し、電極軸部155bとケーシング151Aの内周面との間で等価回路のコンデンサC3を形成している。絶縁体159の種類によって異なる誘電率によって、共振周波数が調整される。なお、上述したC1は、入力軸部153を筒状部材154と電気的に接続することで省略することもできる。
ケーシング151の後端側ケーシング151Bは貫通孔を備え、この貫通孔に、一端に電磁波発振器MWからの電磁波の供給を受ける入力部152を形成し他端に入力部152から伸びる入力軸部153が突出する筒状の絶縁体159を配設するとともに、放電電極155a、筒状部154および電極軸部155bとこれらを覆う絶縁体159を内包したケーシング151Aが組み込まれている。入力部152、入力軸部153およびこれらを覆う絶縁体159のケーシング151Aの組み込み方法は特に限定するものではないが、本実施形態においては、絶縁体159の外周面およびケーシング151Bの貫通孔に対応する段差を設け、図例左側から挿通し、絶縁体を段差に係合させ、右側への抜け落ちを防止するとともに、左側からケーシング151Aを挿通して入力部152、入力軸部153およびこれらを覆う絶縁体159の左側への抜け落ちも防止する。ケーシング151Bに対するケーシング151Aの固定方法も特に限定するものではないが、本実施形態においては、貫通孔に刻設した雌ねじ部にケーシング151Aの外周面に刻設した雄ねじ部を螺合することによって固定する。螺合による固定後に溶接等の固定手段を用いてケーシング151Aをケーシング151Bに対して確実に固定することもでき、また、ねじ部を形成することなく溶接等の固定手段を用いて固定することもできる。
接地電極151aは、放電電極155aを覆う筒状のケーシング151Aの先端で形成され、この接地電極151aの内面と放電電極155aの外面との間で放電ギャップ106を形成する。
昇圧手段150は、図5に示す等価回路で構成されている。昇圧手段150は、電極軸部155bをコイルLとして、上述したコンデンサC1、C2およびC3との間の3か所で共振構造を形成し、供給される電磁波を昇圧するようにしている。特に、筒状部154の外周面と筒状部154を覆うケーシング151の内周面との間に形成されるコンデンサC3による第2共振領域によって、供給される電磁波を昇圧して、放電電極155aと接地電極151aとの間の電位差を数十kVまで高め放電を生じさせるようにしている。なお、入力軸部153と筒状部154を電気的に接続して容量結合としないことで等価回路のC1を形成しない構造とすることもできる。
一般に、共振領域、特に第2共振領域での共振周波数から外れた周波数の電磁波を供給しても、電磁波を昇圧して放電電極155aと接地電極151aとの間の電位差を高めることができない。共振領域で定まる共振周波数からどの程度外れた周波数を供給しても昇圧することができるかは、所謂Q値によって決定される。Q値とは、
Q=ω0/(ω1−ω2)で表される。
ここで、ω0:共振周波数、ω1およびω2(ω1>ω2):それぞれ周波数ω0のときのエネルギが1/2となる周波数である。したがって、ω1およびω2の値がω0に近いほど、共振のピークが鋭く、Q値が大きくなり、大きなエネルギを得ることができ一般的にはQ値が大きくなる設計をすることが望ましい。しかし、Q値が大きい場合、共振させるためには共振領域で定まる共振周波数からのズレを大きくとることはできない。本発明者等の実験によるときは、Q値が50程度のときに±30ヘルツ、より好ましくは±20Hzの範囲の周波数の電磁波であれば共振させて放電させることが可能である。
電磁波プラズマ生成手段5の放電ギャップ106で生成されるプラズマにより、過熱水蒸気が直接加熱対象食品に接触するよう、図4に示すように、ケーシング151を覆うようにノズルキャップ7を配設する。このノズルキャップ7の内周面とケーシング151との間には所定の隙間となる空間を設けるとともに、外部の圧縮空気発生器Aとノズルキャップ7に開口した圧縮空気導入口7bとを圧縮空気導入管70によって接続し、ノズルキャップ7の内周面とケーシング151との間の空間に圧縮空気を供給する。そして、ノズルキャップ7の先端に設けた噴出口7aを電磁波プラズマ生成手段5の放電ギャップ106近傍に位置させることで、放電ギャップ106で生成されたプラズマにより、過熱水蒸気として噴出口から加熱対象食品に向けて噴射される。圧縮空気発生器Aは制御装置4によって気圧流量が調整される。さらに、圧縮空気の流路には、水分子供給室Bが設けられる。水分子供給室Bから水分が供給され、過熱水蒸気として噴射されるのであるが、放電ギャップ106で生成される熱プラズマと接触することで水分が加熱され、短時間で過熱水蒸気となり、水蒸気噴射口から過熱水蒸気として加熱室2に供給される。
<移動手段>
次に移動手段について説明する。加熱室2の天井面1Aに、移動手段が設けられる。加熱対象食品の種類、大きさ又は形状に合わせて適宜過熱水蒸気を噴射し、加熱対象食品に瞬間的に焦げ目をつけることができるよう、後述する制御手段により自動的に位置合わせが行われる。加熱室2の天井面1Aに移動手段を設けることにより、X軸、Y軸、Z軸で形成される3次元空間上を自在に移動することができる。
具体的に移動手段は、加熱室2の天井面1Aに敷設されたレール部材R1、R2と、レール部材R1、R2に移動可能に配設されるとともに、過熱水蒸気噴射手段3を鉛直方向に移動可能に配設した昇降部材Gとから構成される。具体的には、レール部材R1、R2は、両端の固定レールR1と、両固定レール間に架設され、長手方向において自在に移動可能な移動レールR2とから構成される。さらに、移動レールR2には、鉛直方向に伸縮する昇降手段Gが設置され、この昇降手段Gに過熱水蒸気噴射手段が取り付けられている。本実施形態では、加熱室2の天井面1Aにレール部材R1、R2及び過熱水蒸気噴射手段3を鉛直方向に移動可能に配設した昇降部材Gとを設けることにより、X軸、Y軸上を移動することができるとともに、食品の種類、大きさ又は形状に合わせて、Z軸方向に移動することができる。昇降部材Gは、例えば、小型シリンダを用い、制御装置により調整可能に構成している。これによって、噴射口と加熱対象食品との隙間を調節することができ、食品に応じて好適に焦げ目をつけることが可能となる。
<電磁波発振器MWから発振される電磁波を制御するための制御手段>
電磁波発振器MWから電磁波プラズマ生成手段5へ供給する電磁波を制御する制御手段4は、実施形態1と同様であるため説明は省略する。
<移動手段を制御する制御手段>
本実施形態においては、移動手段を制御する制御手段が別途設けられる。制御手段は、食品の種類、大きさ又は形状に合わせて、第一に固定レールR1の動きを制御する。第二に、移動レールR2の動きを制御した後、鉛直方向に移動する過熱水蒸気噴射手段3の長さを制御する。なお、本実施形態では、過熱水蒸気噴射手段3の伸縮長は、5〜10センチ程度であり、食材の存置される位置に合わせて、過熱水蒸気噴射手段3により好適に加熱対象物に向けて水蒸気を噴射できるよう、レール部材、昇降部材の動き、及び円筒の上下方向移動が制御される。
本実施形態では、上述のとおり、電磁波発振器MWから発振される電磁波を制御するための制御手段4と、移動手段を制御する制御手段とを別々に設けた。しかしながら、1の制御手段が、他方の制御手段の機能を兼ねるように構成してもよい。
以上のように、本実施形態の加熱装置によれば、高温および高出力の過熱水蒸気を加熱対象物に向けて照射することにより、加熱対象物に瞬間的に焦げ目をつけることができる。すなわち、高温および高出力の過熱水蒸気を加熱対象物表面に対し照射することにより、加熱対象物表面を焦がすことができる。また、本発明による電磁波プラズマ生成手段を利用することにより、ヒータ等の熱源を要しないため、複数の電源、複数のシステム等を必要とせず、さらにプラズマ生成器の小型化を実現するので装置の低廉化を図ることができる。
以上説明したように、本発明は、過熱水蒸気を利用した加熱調理器の用途として、好適に用いることができる。
1 食品加熱装置
2 加熱室
3 過熱水蒸気噴射手段
30 本体
4 制御手段
5 電磁波プラズマ生成手段
6 水分子供給器
7 ノズルキャップ
P1 低温プラズマ生成パターン
P2 熱プラズマ生成パターン
MW 電磁波波発振器

Claims (3)

  1. 過熱対象食品を収納する加熱室と、
    加熱室に過熱水蒸気を供給する過熱水蒸気噴射手段と、
    過熱水蒸気噴射手段を制御する制御手段とを備え、
    過熱水蒸気噴射手段は、一端に水分子供給器から水分子が供給される水分子供給口及び他端に過熱水蒸気を噴出する水蒸気噴射口を形成した筒状の本体と、他端側でプラズマを生成するための電磁波プラズマ生成手段とからなり、
    前記制御手段は、半導体素子から構成される電磁波発振器の発振を、低温プラズマ生成パターンの発振と、熱プラズマ生成パターンの発振とに切り替えて制御する食品加熱装置。
  2. 過熱対象食品を収納する加熱室と、
    加熱室に過熱水蒸気を供給する過熱水蒸気噴射手段と、
    過熱水蒸気噴射手段を制御する制御手段とを備え、
    過熱水蒸気噴射手段は、一端に水分子供給器から水分子が供給される水分子供給口及び他端に過熱水蒸気を噴出する水蒸気噴射口を形成した筒状の本体と、他端側でプラズマを生成するための電磁波プラズマ生成手段とからなり、
    前記加熱室には、過熱水蒸気噴射手段を水平方向及び鉛直方向に移動せしめる移動手段を備えた食品加熱装置。
  3. 前記移動手段は、前記加熱室の天井面に敷設されたレール部材と、該レール部材に移動可能に配設されるとともに、過熱水蒸気噴射手段を鉛直方向に移動可能に配設した昇降部材とからなる請求項2に記載の食品加熱装置。
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