JP2019030845A - 有害物質で汚染された土壌を微生物によって原位置で浄化可能であるか否か判定する浄化判定方法 - Google Patents

有害物質で汚染された土壌を微生物によって原位置で浄化可能であるか否か判定する浄化判定方法 Download PDF

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Abstract

【課題】有害物質で汚染された土壌を微生物によって原位置で浄化可能であるか否か、迅速に判定する浄化判定方法を提供すること。【解決手段】有害物質で汚染された土壌を、前記土壌に存在する微生物によって原位置で浄化可能であるか否か判定する浄化判定方法であって、前記土壌の一部を試料とし、前記試料と、前記微生物を活性化させる活性化剤とを接触させ、前記試料と前記活性化剤とが接触する系内の温度を原位置の温度よりも高い温度に保持する工程(1)と、前記工程(1)の実施中に前記系内の前記有害物質の濃度を測定し、前記有害物質の濃度が所定の基準値以下になったか否かを判定する工程(2)と、を含む浄化判定方法。【選択図】なし

Description

本発明は、有害物質で汚染された土壌を微生物によって原位置で浄化可能であるか否か判定する浄化判定方法に関する。
有害物質によって汚染された土壌を浄化する浄化技術の一つとして、バイオレメディエーションがある。バイオレメディエーションは、汚染現場に存在する天然の微生物に栄養源を与え活性化させ、その微生物の活動によって有害物質を無害化する技術である。
通常、バイオレメディエーションを汚染現場に本施工する前には、バイオレメディエーションがその汚染現場に適用可能であるか否か判定する目的でラボ試験又は現地パイロット試験が行われる。ただし、バイオレメディエーションの適用可否を判定する試験は、かなりの時間を要する。例えば、シス−1,2−ジクロロエチレンの浄化可能性の判定には、ラボ試験において数か月を要する場合があり、現地パイロット試験においては更に長い期間を要する。
バイオレメディエーションの適用可否を判定する試験の迅速化を目的に、これまで各種の浄化判定方法が開発されてきた。例えば、特許文献1〜2の浄化判定方法が知られている。
特許文献1の浄化判定方法は、有機塩素化合物を除去した後にジクロロエチレンを添加した土壌を試験土とする浄化判定方法である。本浄化判定方法によれば、試験土が有機塩素化合物としてジクロロエチレンのみを含むので、ジクロロエチレンの浄化判定を短期間で行うことができるとされている。
特許文献2の浄化判定方法は、原位置から採取した土壌を試験土とし、ベンゼン環を有する化合物のみを炭素源として段階的に希釈培養し、ベンゼン分解微生物の濃度によって判定を行う浄化判定方法である。本浄化判定方法によれば、ベンゼンで汚染された土壌の原位置浄化の可否を迅速かつ正確に判定できるとされている。
ほかに、バイオレメディエーションの適用可否を適切に判定することを目的とした、特許文献3の浄化判定方法が知られている。特許文献3の浄化判定方法は、原位置から採取した土壌を試験土とし、原位置の環境に近い条件下で嫌気性微生物を半連続培養法で培養して行う浄化判定方法である。本浄化判定方法によれば、実際の地盤環境に即した適切な判定が可能になるとされている。
特開2006−26553号公報 特開2006−14705号公報 特開2009−25097号公報
特許文献1の浄化判定方法は、ジクロロエチレンの浄化に特化した浄化判定方法である。特許文献2の浄化判定方法は、ベンゼンの浄化に特化した浄化判定方法である。土壌を汚染している化学物質の種類は様々であるので、浄化対象を特定の化学物質に限定せずに迅速な判定が可能な浄化判定方法が求められている。
特許文献3の浄化判定方法は、実際の地盤環境に即した適切な判定を目的に、原位置の環境を再現して行うことに特徴がある。実際の地盤環境に即した適切な判定はもちろん重要なことではあるが、本施工の意思決定を速やかに行うために、浄化判定方法の迅速化が求められている。
本開示は、上記状況のもとになされた。
本開示は、有害物質で汚染された土壌を微生物によって原位置で浄化可能であるか否かを、迅速に判定する浄化判定方法を提供することを目的とし、これを解決することを課題とする。
前記課題を解決するための具体的手段には、以下の形態が含まれる。
[1] 有害物質で汚染された土壌を、前記土壌に存在する微生物によって原位置で浄化可能であるか否か判定する浄化判定方法であって、前記土壌の一部を試料とし、
前記試料と、前記微生物を活性化させる活性化剤とを接触させ、前記試料と前記活性化剤とが接触する系内の温度を原位置の温度よりも高い温度に保持する工程(1)と、
前記工程(1)の実施中に前記系内の前記有害物質の濃度を測定し、前記有害物質の濃度が所定の基準値以下になったか否かを判定する工程(2)と、を含む浄化判定方法。
[2] 前記有害物質が、テトラクロロエチレン、トリクロロエチレン、ジクロロエチレン及びクロロエチレンからなる群から選ばれる少なくとも1種の揮発性有機塩素化合物である、[1]に記載の浄化判定方法。
[3] 前記工程(1)において前記系内の温度を20℃〜35℃の範囲に保持する、[1]又は[2]に記載の浄化判定方法。
[4] 前記試料が、(A)原位置から採取した土壌、又は(B)原位置における遮水された区画内の土壌である、[1]〜[3]のいずれか1項に記載の浄化判定方法。
[5] 原位置から採取した土壌に含まれる微生物を集積培養して得た集積培養液を、前記系に添加する工程(3)を更に含む、[1]〜[4]のいずれか1項に記載の浄化判定方法。
[6] 前記工程(1)において前記試料に高濃度の前記活性化剤を接触させる、[1]〜[5]のいずれか1項に記載の浄化判定方法。
[7] 前記工程(2)において、少なくとも前記系内のジクロロエチレンの濃度を測定し、ジクロロエチレンの濃度が所定の基準値以下になったか否かを判定する、[2]〜[6]のいずれか1項に記載の浄化判定方法。
[8] 原位置から採取した土壌の地質分析を行い、前記土壌が所定の基準を満たすか否かを確認する工程(4)を更に含み、前記工程(4)において前記土壌が所定の基準を満たすことが確認された場合に前記工程(1)及び前記工程(2)を行う、[1]〜[7]のいずれか1項に記載の浄化判定方法。
本開示の浄化判定方法は、試料と活性化剤とが接触する系内の温度を原位置の温度よりも高い温度に保持することにより微生物の活動を高め、判定に要する期間を短縮する。
本開示の浄化判定方法は、さらに、系内への集積培養液の添加又は系内の活性化剤濃度の高濃度化により、判定に要する期間をより短縮する。
本開示によれば、有害物質で汚染された土壌を微生物によって原位置で浄化可能であるか否か、迅速に判定する浄化判定方法が提供される。
本開示の浄化判定方法の実施形態例であるバッチ試験を示す概略構成図である。 本開示の浄化判定方法の実施形態例であるカラム試験を示す概略構成図である。 本開示の浄化判定方法の実施形態例である現地パイロット試験を示す概略構成図である。 本開示の浄化判定方法の実施形態例である現地パイロット試験を示す概略構成図である。 浄化判定試験における温度の効果を示すグラフである。 浄化判定試験における集積培養液添加の効果を示すグラフである。 浄化判定試験における活性化剤濃度の効果を示すグラフである。
以下に、発明の実施形態について説明する。これらの説明及び実施例は実施形態を例示するものであり、実施形態の範囲を制限するものではない。
本開示において「〜」を用いて示された数値範囲は、「〜」の前後に記載される数値をそれぞれ最小値及び最大値として含む範囲を示す。
本開示において「工程」との語は、独立した工程だけでなく、他の工程と明確に区別できない場合であってもその工程の所期の目的が達成されれば、本用語に含まれる。
本開示において組成物中の各成分の量について言及する場合、組成物中に各成分に該当する物質が複数種存在する場合には、特に断らない限り、組成物中に存在する当該複数種の物質の合計量を意味する。
<浄化判定方法>
本開示の浄化判定方法は、有害物質で汚染された土壌を、該土壌に存在する微生物によって、原位置で浄化可能であるか否か判定する浄化判定方法である。
本開示において、有害物質で汚染された土壌の浄化には、有害物質の分解による無毒化、有害物質の還元による無毒化、有害物質の不溶化による無毒化などが含まれる。
本開示において、浄化対象となる有害物質としては、テトラクロロエチレン、トリクロロエチレン、ジクロロエチレン、クロロエチレン(塩化ビニル)、四塩化炭素、ジクロロメタン、トリクロロエタン、ジクロロエタン、ジクロロプロペン、クロロベンゼン、ベンゼン、トルエン、キシレン等の揮発性有機化合物;ガソリン、灯油、軽油、重油等の鉱油類:六価クロム及びその化合物、カドミウム及びその化合物、鉛及びその化合物、砒素及びその化合物、セレン及びその化合物等の重金属類;などが挙げられる。本開示の浄化判定方法は、これら有害物質のいずれにも適用可能である。
本開示の浄化判定方法は、有害物質で汚染された土壌の一部を試料とし、下記の工程(1)及び工程(2)を含む。
工程(1):試料と、微生物を活性化させる活性化剤とを接触させ、試料と活性化剤とが接触する系内の温度を原位置の温度よりも高い温度に保持する工程。
工程(2):工程(1)の実施中に系内の有害物質の濃度を測定し、有害物質の濃度が所定の基準値以下になったか否かを判定する工程。
本開示の浄化判定方法は、工程(1)において、試料と活性化剤とが接触する系内の温度を汚染現場の温度よりも高く保持することにより、試料に含まれる微生物の増殖速度を高め、また、微生物が試料に含まれる有害物質を無毒化する活性を高める。したがって、本開示の浄化判定方法によれば、土壌を微生物によって原位置で浄化可能であるか否か、迅速に判定することができる。
本開示の浄化判定方法は、工程(2)において、系内の有害物質濃度が所定の基準値以下になったか否かを判定し、これによって、有害物質で汚染された土壌をそこに存在する微生物により原位置で浄化可能であるか否か判定する。即ち、系内の有害物質濃度が所定の基準値以下になったことをもって、有害物質で汚染された土壌をそこに存在する微生物により原位置で浄化可能であると判定する。
本開示の浄化判定方法は、系内の有害物質濃度が所定の基準値以下になるのに要した日数に基づき、想定工事期間内で原位置浄化が可能であるか否か判定することもできる。
本開示の浄化判定方法は、さらに下記の工程(3)を含むことが好ましい。
工程(3):原位置から採取した土壌に含まれる微生物を集積培養して得た集積培養液を、試料と活性化剤とが接触する系に添加する工程。
工程(3)を行うことにより、試料と活性化剤とが接触する系内の微生物の濃度を高めることができ、その結果、微生物が有害物質を無毒化する反応を加速させることができる。したがって、工程(3)を含む浄化判定方法によれば、土壌を微生物によって原位置で浄化可能であるか否か、より迅速に判定することができる。
本開示の浄化判定方法は、さらに下記の工程(4)を含むことが好ましく、工程(4)において土壌が所定の基準を満たすことが確認された場合に工程(1)及び工程(2)を行うことが好ましい。
工程(4):原位置から採取した土壌の地質分析を行い、土壌が所定の基準を満たすか否かを確認する工程。
工程(4)を実施することにより、土質の観点からバイオレメディエーションに不適な汚染現場を除外し、本開示の浄化判定方法を有効に実施することができる。
以下、各工程を詳細に説明する。
[工程(1)]
工程(1)は、試料と、微生物を活性化させる活性化剤とを接触させ、試料と活性化剤とが接触する系内の温度を原位置の温度よりも高い温度に保持する工程である。
試料とは、原位置浄化の対象である、有害物質で汚染された土壌の一部である。具体的には、下記の試料(A)又は試料(B)である。
試料(A):原位置から採取した土壌。
試料(B):原位置における遮水された区画内の土壌。
試料(A)を用いる浄化判定方法としては、例えば、土壌をバイアル瓶に収容して行うバッチ試験、土壌をカラムに充填して行うカラム試験が挙げられる。試料(B)を用いる浄化判定方法としては、現地パイロット試験が挙げられる。バッチ試験、カラム試験及び現地パイロット試験の実施形態ついては、後で詳細に説明する。
試料(A)を用いる場合、原位置浄化の適用可否の判定を分かりやすくする目的で、浄化対象である有害物質を試料(A)に添加してスパイク試験としてもよい。
微生物を活性化させる活性化剤としては、炭素源、窒素源及び水素供与体の少なくとも1つとなる有機化合物;微量栄養素;pH調整剤;好気性菌の場合の酸素;等が挙げられる。1種類の活性化剤は、1種類の作用によって微生物を活性化させてもよく、2種類以上の作用によって微生物を活性化させてもよい。活性化剤は、1種類を単独で用いてもよいし、2種類以上を併用してもよい。
炭素源、窒素源及び水素供与体の少なくとも1つとなる有機化合物としては、例えば、グルコース、フルクトース、ガラクトース、ラクトース、マルトース、トレハロース等の糖;乳酸、ポリ乳酸、酢酸、クエン酸、プロピオン酸、ギ酸、酪酸等の脂肪酸;脂肪酸のナトリウム塩、カリウム塩、カルシウム塩;高級脂肪酸、アルコール、アミノ酸、フミン酸、植物油、酵母エキス、ペプトン、トリプトンなどが挙げられる。
微量栄養素としては、例えば、ビタミンB12、ビタミンB1、パントテン酸、ビオチン、コバルト(Co)、亜鉛(Zn)、鉄(Fe)、マグネシウム(Mg)、マンガン(Mn)、ニッケル(Ni)、銅(Cu)、モリブデン(Mo)、ホウ素(B)等が挙げられる。
pH調整剤としては、例えば、炭酸水素ナトリウム、炭酸ナトリウム、水酸化アンモニウム、炭酸アンモニウム、トリポリリン酸ナトリウム、リン酸水素二ナトリウム、リン酸三ナトリウム等が挙げられる。
活性化剤は、栄養源、エネルギー源、浄化剤、分解促進剤、水素徐放剤などの名称で市販されている市販品でもよい。市販品としては、商品名「EDC」、「EDC−E」、「EDC−M」、「HAR」(以上、エコサイクル社)、「アデカジオメイト」(ADEKA社)、「HRC」(リジェネシス社)、「アムテクリーン」(パナソニック環境エンジニアリング社)等が挙げられる。
活性化剤は、水に溶解又は分散させた液体組成物の形態にて試料と接触させることが好ましい。水としては、例えば、原位置から採取した地下水、水道水又は蒸留水が挙げられる。
活性化剤の濃度は、試料と活性化剤とが接触する系内における全有機体炭素(Total Organic Carbon;TOC)濃度として、例えば、50mg/L〜5000mg/Lである。
活性化剤がpH調整剤を含む場合、活性化剤に含まれるpH調整剤の濃度は、浄化対象である有害物質の浄化を担う微生物の増殖に適したpHを実現可能な濃度とする。
試料と活性化剤とが接触する系内の温度は、原位置の温度よりも高ければよい。系内の温度は、工程(1)の期間中、一定であってもよく、変動してもよい。
試料と活性化剤とが接触する系内の温度は、原位置の温度よりも5℃〜20℃高いことが好ましく、10℃〜15℃高いことがより好ましい。
本開示において原位置の温度とは、浄化対象である、有害物質で汚染された土壌の温度を指す。有害物質で汚染された土壌は、例えば、地面からの深さ5m〜20mの領域に存在する。日本国内であれば、原位置の温度は、およそ15℃〜17℃の範囲である。
浄化対象がテトラクロロエチレン(PCE)、トリクロロエチレン(TCE)、ジクロロエチレン(DCE)及びクロロエチレン(塩化ビニル、VC)からなる群から選ばれる少なくとも1種の揮発性有機塩素化合物である場合、これら揮発性有機塩素化合物を分解する微生物の活性を高める観点から、系内の温度を20℃〜35℃の範囲に保持することが好ましく、25℃〜35℃の範囲に保持することがより好ましく、25℃〜30℃の範囲に保持することが更に好ましい。
工程(1)においては、土壌に付着している有害物質を土壌から溶出させる溶出剤を、試料に接触させてもよい。溶出剤は、水に溶解又は分散させた液体組成物の形態にて試料と接触させることが好ましい。水としては、例えば、原位置から採取した地下水、水道水又は蒸留水が挙げられる。
溶出剤は、例えば、活性化剤を含む液体組成物に添加する形態にて用いられたり、活性化剤を含む液体組成物に先だって、溶出剤を含む液体組成物を試料に接触させる形態にて用いられたりする。
溶出剤としては、例えば、
ポリオキシエチレンアルキルエーテル、グリセリン脂肪酸エステル、プロピレングリコール脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、テトラオレイン酸ポリオキシエチレンソルビット、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレングリコール、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンアルキルエーテル、ポリエチレングリコール脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンヒマシ油、ポリグリセリン脂肪酸エステル、アルキルグリコシド等のノニオン性界面活性剤;
脂肪酸塩、ポリオキシアルキレンアルキルエーテル酢酸塩、アルキル硫酸塩、ポリオキシアルキレンアルキルエーテル硫酸塩、ポリオキシアルキレンアルキルアミドエーテル硫酸塩、モノグリセライド硫酸塩、オレフィンスルホン酸塩、アルカンスルホン酸塩、アシル化イセチオン酸塩、アシル化アミノ酸、アルキルリン酸塩、ポリオキシアルキレンアルキルエーテルリン酸塩等のアニオン性界面活性剤;
過酸化水素;
過炭酸塩、過硫酸塩、過硼酸塩、過酢酸塩、硫酸アルカリ金属塩過酸化水素付加物、硫酸アルカリ土類金属塩過酸化水素付加物、尿素過酸化水素付加物、メラニン過酸化水素付加物、アミノ酸過酸化水素付加物、過酸化アルカリ金属、過酸化アルカリ土類金属等の過酸化水素発生剤;
メタノール、エタノール、プロパノール、ブタノール、アセトン等の混和剤;
ステアロイル乳酸ナトリウム、ショ糖脂肪酸エステル等の乳化剤;が挙げられる。
これら溶出剤は、1種類を単独で用いてもよいし、2種類以上を併用してもよい。
[工程(2)]
工程(2)は、工程(1)の実施中に、試料と活性化剤とが接触する系内の有害物質の濃度を測定し、有害物質の濃度が所定の基準値以下になったか否かを判定する工程である。
有害物質濃度の測定方法は特に限定されず、公知の方法及び測定装置を適用してよい。例えば、ガスクロマトグラフ−質量分析計、ガスクロマトグラフ−水素炎イオン化形分析計等を用いて有害物質濃度を測定する。
工程(1)の実施中に行う濃度測定の回数は、1回でもよく、複数回でもよい。最初の濃度測定は、例えば、工程(1)の開始から5日目〜7日目に行う。工程(1)の実施中に濃度測定を複数回行う場合、濃度測定の時間間隔は特に限定されず、例えば、1日ごと、数日ごと、7日ごと、10日ごと等である。濃度測定の時間間隔は、一定であってもよく、変動してもよい。
浄化対象がPCE、TCE、DCE及びVCからなる群から選ばれる少なくとも1種の揮発性有機塩素化合物である場合、工程(2)においては、少なくとも系内のDCE濃度を測定し、DCE濃度が所定の基準値以下になったか否かを判定することが好ましい。より好ましくは、少なくとも系内のDCE濃度とVC濃度とを測定し、双方の濃度が所定の基準値以下になったか否かを判定することが好ましい。DCE濃度の基準値は、例えば、0.04mg/Lであり、VC濃度の基準値は、例えば、0.002mg/Lである。
[工程(3)]
工程(3)は、原位置から採取した土壌に含まれる微生物を集積培養して得た集積培養液を、試料と活性化剤とが接触する系に添加する工程である。
集積培養の方法は、常法が適用可能である。集積培養の培地としては、工程(1)において使用する活性化剤を、水(例えば、原位置から採取した地下水、水道水又は蒸留水)に溶解又は分散させて調製した液体培地が好ましい。集積培養の温度は、浄化対象である有害物質の浄化を担う微生物の増殖に適した温度とする。
集積培養液を、試料と活性化剤とが接触する系に添加する時期は、特に制限されない。例えば、工程(1)の開始時に集積培養液を系内に添加してもよく、工程(1)を通じて集積培養液を系内に添加してもよい。
集積培養液を工程(1)の開始時に系内に添加することは、微生物の初期濃度を高めて微生物が有害物質を無毒化する反応を速やかに開始させることができ、その結果、判定のさらなる迅速化が期待できる観点から、好ましい形態である。
以下、試料(A)を用いる場合と試料(B)を用いる場合とに分けて、図面を挙げながら工程(1)、工程(2)及び工程(3)をより詳細に説明する。なお、以下に説明する実施形態は本発明の一例であり、本発明はこれに限定されるものではない。
[試料(A)を用いる浄化判定方法]
試料(A)を用いる浄化判定方法としては、バッチ試験とカラム試験とが挙げられる。
図1は、試料(A)を用いて行うバッチ試験の一例を示す概略構成図である。本バッチ試験では、バイアル瓶10に、原位置から採取した土壌12と、水及び活性化剤を含有する液体組成物14とが収容されている。本バッチ試験においては、土壌12が試料(A)であり、バイアル瓶10内が、試料(A)と活性化剤とが接触する系内である。
液体組成物14において、活性化剤は、水に溶解又は分散した形態となっている。水としては、例えば、原位置から採取した地下水、水道水又は蒸留水が挙げられる。
本バッチ試験においては、例えば、原位置の温度よりも高温に設定した恒温槽内にバイアル瓶10を置くことにより、バイアル瓶10内の温度を原位置の温度よりも高い温度に保持する。このことにより工程(1)が実施される。本バッチ試験は、恒温槽内にバイアル瓶10を静置してもよく、恒温槽内においてバイアル瓶10を振盪してもよい。
本バッチ試験においては、浄化対象である有害物質の浄化を担う微生物が嫌気性微生物である場合は、バイアル瓶10を密栓することが好ましい。浄化対象である有害物質の浄化を担う微生物が好気性微生物である場合は、バイアル瓶10に空気の流通が可能な栓をすることが好ましい。
本バッチ試験においては、工程(1)において土壌12に高濃度の活性化剤を接触させる目的で、液体組成物14に溶解又は分散させる活性化剤の量を多めにしてもよい。これにより、工程(1)において、特に、工程(1)の初期において、土壌12に高濃度の活性化剤を接触させることができる。これにより、バイアル瓶10内での微生物の増殖を促進し、微生物が有害物質を無毒化する反応を速やかに開始させることができる。
活性化剤の濃度は、通常は、液体組成物14における活性化剤の初期TOC濃度として、10mg/L〜150mg/L程度である。
活性化剤について高濃度とは、上記の初期TOC濃度の1.1倍〜100倍程度であり、1.5倍〜10倍程度がより好ましい。
本バッチ試験においては、土壌12及び液体組成物14を収容したバイアル瓶10に集積培養液を添加してもよい。このことにより工程(3)が実施される。集積培養液の添加量は、集積培養液の微生物濃度にもよるが、例えば、バイアル瓶10内の全液量の0.01体積%〜10体積%となる量である。
本バッチ試験においては、工程(1)の実施中に、1回又は複数回、バイアル瓶10内の液体組成物14の一部を採取し、有害物質濃度を測定し、有害物質濃度が所定の基準値以下になったか否かを判定する。このことにより工程(2)が実施される。
図2は、試料(A)を用いて行うカラム試験の一例を示す概略構成図である。本カラム試験では、原位置から採取した土壌を円筒管(例えば、直径26mm×40cm)に充填し、これを土壌カラム20とする。本カラム試験においては、土壌カラム20内が、試料(A)と活性化剤とが接触する系内である。
土壌カラム20を作製する際においては、原位置の土層を破壊することなく土壌を採取し、土層を維持したまま土壌を円筒管に充填することも好ましい。
本カラム試験においては、活性化剤を水に溶解又は分散させた液体組成物26が土壌カラム20内にポンプ22によって上向流にて注入される。このことにより、土壌カラム20内において、試料(A)と活性化剤とが接触する。土壌カラム20内への液体組成物26の注入は、連続的でもよく、間欠的でもよい。
液体組成物26を調製する水としては、例えば、原位置から採取した地下水、水道水又は蒸留水が挙げられる。
本カラム試験においては、例えば、原位置の温度よりも高温に設定した恒温槽24内に土壌カラム20を設置すること;土壌カラム20に注入する液体組成物26の温度を原位置の温度よりも高温にすること;等により、土壌カラム20内の温度を原位置の温度よりも高い温度に保持する。このことにより工程(1)が実施される。
本カラム試験においては、工程(1)において試料(A)に高濃度の活性化剤を接触させる目的で、土壌カラム20に注入する液体組成物26における活性化剤濃度を高めにしてもよい。活性化剤濃度が高めである液体組成物26を、工程(1)の開始時に又は工程(1)を通じて土壌カラム20に注入することにより、試料(A)に高濃度の活性化剤を接触させることができる。これにより、土壌カラム20内での微生物の増殖を促進し、微生物が有害物質を無毒化する反応を速やかに開始させることができ、また、前記反応をより速めることができる。
活性化剤の濃度は、通常は、土壌カラム20に注入する液体組成物26における活性化剤のTOC濃度として、10mg/L〜150mg/L程度である。
活性化剤について高濃度とは、上記のTOC濃度の1.1倍〜100倍程度であり、1.5倍〜10倍程度がより好ましい。
本カラム試験においては、土壌カラム20に注入する液体組成物26に集積培養液を添加し、集積培養液を添加した液体組成物26を、工程(1)の開始時に又は工程(1)を通じて土壌カラム20に注入してもよい。このことにより工程(3)が実施される。集積培養液の添加量は、集積培養液の微生物濃度にもよるが、例えば、土壌カラム20に注入する液体組成物26の0.01体積%〜10体積%となる量である。
本カラム試験においては、工程(1)の実施中に、1回又は複数回、土壌カラム20からの流出液28の一部を採取し、有害物質濃度を測定し、有害物質濃度が所定の基準値以下になったか否かを判定する。このことにより工程(2)が実施される。
[試料(B)を用いる浄化判定方法]
図3A及び図3Bは、試料(B)を用いて行う現地パイロット試験の一例を示す概略構成図であり、図3Aが地面を示し、図3Bが土壌中を示す。
本現地パイロット試験においては、原位置において土壌の一部を遮水壁32で囲い区画化し、これを試験区画30とする。試験区画30内には、注水井戸34と観測井戸35とが配設されている。本現地パイロット試験においては、試験区画30内が、試料(B)と活性化剤とが接触する系内である。
試験区画30の大きさは、例えば、面積16m×深さ20mである。遮水壁32の代わりに、直径1.0m〜3.2m程度のケーシングチューブで土壌の一部を囲い区画化してもよい。
本現地パイロット試験では、活性化剤を水に溶解又は分散させた液体組成物36が注水井戸34に注入され、土壌へ拡散していく。このことにより、試験区画30内において、試料(B)と活性化剤とが接触する。土壌への液体組成物36の注入は、連続的でもよく、間欠的でもよい。
液体組成物36を調製する水としては、例えば、原位置から採取した地下水又は水道水が挙げられる。
本現地パイロット試験においては、例えば、土壌に注入する液体組成物36の温度を原位置の温度よりも高温にすること;試験区画30の土壌中にヒーター等を挿入して加温すること;等により、試験区画30内の温度を、本来の原位置の温度よりも高い温度に保持する。このことにより工程(1)が実施される。
本現地パイロット試験においては、工程(1)において試料(B)に高濃度の活性化剤を接触させる目的で、土壌に注入する液体組成物36における活性化剤濃度を高めにしてもよい。活性化剤濃度が高めである液体組成物36を、工程(1)の開始時に又は工程(1)を通じて土壌に注入することにより、試料(B)に高濃度の活性化剤を接触させることができる。これにより、試験区画30内での微生物の増殖を促進し、微生物が有害物質を無毒化する反応を速やかに開始させることができ、また、前記反応をより速めることができる。
活性化剤の濃度は、通常は、土壌に注入する液体組成物36における活性化剤のTOC濃度として、100mg/L〜2000mg/L程度である。
活性化剤について高濃度とは、上記のTOC濃度の1.1倍〜100倍程度であり、1.5倍〜10倍程度がより好ましい。
本現地パイロット試験においては、土壌に注入する液体組成物36に集積培養液を添加し、集積培養液を添加した液体組成物36を、工程(1)の開始時に又は工程(1)を通じて土壌に注入してもよい。このことにより工程(3)が実施される。集積培養液の添加量は、集積培養液の微生物濃度にもよるが、例えば、土壌に注入する液体組成物36の0.01体積%〜10体積%となる量である。
本現地パイロット試験においては、工程(1)の実施中に、1回又は複数回、観測井戸35から地下水38を少量採取し、有害物質濃度を測定し、有害物質濃度が所定の基準値以下になったか否かを判定する。このことにより工程(2)が実施される。
[工程(4)]
工程(4)は、原位置から採取した土壌の地質分析を行い、土壌が所定の基準を満たすか否かを確認する工程である。
本開示の浄化判定方法においては、工程(4)を実施し、土壌が所定の基準を満たすことが確認された場合に工程(1)及び工程(2)を行うことが好ましい。土壌が所定の基準を満たさない場合は、工程(1)及び工程(2)を行うまでもなく、バイオレメディエーションは不適であると判定してよい。
地質分析としては、例えば、各種有害物質の濃度の測定、総揮発性有機化合物(Total Volatile Organic Compounds;TVOC)の測定、pHの測定、酸化還元電位(Oxidation Reduction Potential;ORP)の測定、全有機体炭素(Total Organic Carbon;TOC)の測定、嫌気性微生物量の測定などが挙げられ、これらを1つ又は複数行う。測定方法は特に限定されず、公知の方法及び測定装置を適用してよい。
浄化対象が揮発性有機塩素化合物である場合は、土壌が下記の基準の少なくとも一つに該当することを確認して、工程(1)及び工程(2)を行うことが好ましい。
・pHが4.0〜11.0であること。
・ORPが+200mV以下であること。
・TVOCが100mg/L以下であること。
土壌が上記の基準のいずれにも該当しない場合には、揮発性有機塩素化合物を浄化対象としたバイオレメディエーションは不適であると判定してよい。
工程(4)を実施することにより、工程(1)及び工程(2)を実施するまでもなくバイオレメディエーションに不適な汚染現場を土質の観点から除外し、工程(1)及び工程(2)を有効に実施することができる。
以下、具体例を挙げて本発明を詳細に説明するが、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。
<実施例1>
浄化判定試験における温度の効果を明らかにする目的で、下記(1)〜(5)の手順で浄化判定試験を行った。
(1)市販の浄化剤(エコサイクル社製EDC)、炭酸水素ナトリウム及び硫化ナトリウム九水和物の混合物を、蒸留水に溶解及び分散させて、活性化剤を含有する液体組成物を調製した。
(2)100mL容バイアル瓶に、原位置から採取した土壌10gと地下水80mLとを入れ、テフロンコートブチルゴム及びアルミシールで密栓した。(「テフロン」は登録商標である。以下、同じ。)
(3)密栓したバイアル瓶に注射器で、cis−1,2−DCEと、活性化剤を含有する液体組成物とを注入し、全液量を100mLとした。cis−1,2−DCEの濃度は、10mg/Lとした。活性化剤の濃度は、TOC濃度として120mg/Lとした。
(4)15℃(原位置の地温)、20℃、25℃、30℃、35℃、40℃それぞれで静置培養した。
(5)培養開始から56日目まで7日ごとに、及び68日目、73日目に培養液を少量採取し、ガスクロマトグラフ−質量分析計(島津製作所社製GCMS−QP2020Plus)を用いてcis−1,2−DCE濃度を測定した。
図4に、cis−1,2−DCE濃度の経時変化を示したグラフを示す。cis−1,2−DCEが検出されなくなった日は、下記のとおりである。
・15℃:68日目
・20℃:35日目
・25℃:28日目
・30℃:21日目
・35℃:21日目
・40℃:培養期間中、cis−1,2−DCE濃度は、8mg/Lを下回らなかった。
温度20℃〜35℃での静置培養は、cis−1,2−DCEの分解に要する日数が、15℃での静置培養の約1/3〜1/2であった。
実施例1の結果に明らかなとおり、原位置の温度よりも高い温度に保持することにより、バイオレメディエーションの適用可否判定に要する日数を短縮できる。
<実施例2>
浄化判定試験における集積培養液添加の効果を明らかにする目的で、下記(1)〜(6)の手順で浄化判定試験を行った。
(1)市販の浄化剤(エコサイクル社製EDC)、炭酸水素ナトリウム及び硫化ナトリウム九水和物の混合物を、蒸留水に溶解及び分散させて、活性化剤を含有する液体組成物を調製した。
(2)原位置から採取した土壌及び地下水に、上記の混合物を添加し、温度30℃で50日間培養して、集積培養液を調製した。
(3)100mL容バイアル瓶に、原位置から採取した土壌10gと地下水80mLとを入れ、テフロンコートブチルゴム及びアルミシールで密栓した。
(4)密栓したバイアル瓶に注射器で、cis−1,2−DCEを注入し、さらに下記の組合せにて集積培養液と、活性化剤を含有する液体組成物とを注入し、全液量を100mLとした。cis−1,2−DCEの濃度は、0.27mg/Lとした。活性化剤の濃度は、TOC濃度として120mg/Lとした。集積培養液は、バイアル瓶内の全液量の4体積%を注入した。
・試験例1:集積培養液あり、活性化剤あり。
・対照例1:集積培養液なし、活性化剤あり。
・対照例2:集積培養液なし、活性化剤なし。
(5)17℃(原位置の地温)で静置培養した。
(6)培養開始から56日目まで7日ごとに培養液を少量採取し、ガスクロマトグラフ−質量分析計(島津製作所社製GCMS−QP2020Plus)を用いてcis−1,2−DCE濃度を測定した。
図5に、cis−1,2−DCE濃度の経時変化を示したグラフを示す。cis−1,2−DCEが検出されなくなった日は、下記のとおりである。
・試験例1:35日目
・対照例1:42日目
・対照例2:培養期間中、cis−1,2−DCE濃度は、0.18mg/Lを下回らなかった。
実施例2の結果に明らかなとおり、集積培養液を添加することにより、バイオレメディエーションの適用可否判定に要する日数を短縮できる。
<実施例3>
浄化判定試験における活性化剤濃度の効果を明らかにする目的で、下記(1)〜(5)の手順で浄化判定試験を行った。
(1)市販の浄化剤(エコサイクル社製EDC)、炭酸水素ナトリウム及び硫化ナトリウム九水和物の混合物を、蒸留水に溶解及び分散させて、活性化剤を含有する液体組成物を調製した。
(2)100mL容バイアル瓶に、原位置から採取した土壌10gと地下水80mLとを入れ、テフロンコートブチルゴム及びアルミシールで密栓した。
(3)密栓したバイアル瓶に注射器で、cis−1,2−DCEと、活性化剤を含有する液体組成物とを注入し、全液量を100mLとした。cis−1,2−DCEの濃度は、1.0mg/Lとした。活性化剤の濃度は、TOC濃度として120mg/L(標準量)又は200mg/L(高濃度)とした。
(4)30℃で静置培養した。なお、原位置の地温は、17℃であった。
(5)3日〜4日ごとに培養液を少量採取し、ガスクロマトグラフ−質量分析計(島津製作所社製GCMS−QP2020Plus)を用いてcis−1,2−DCE濃度を測定した。
図6に、cis−1,2−DCE濃度の経時変化を示したグラフを示す。cis−1,2−DCEが検出されなくなった日は、下記のとおりである。
・活性化剤の濃度200mg/L:22日目
・活性化剤の濃度120mg/L:29日目
・活性化剤なし:培養期間中、cis−1,2−DCE濃度は、0.8mg/Lを下回らなかった。
実施例3の結果に明らかなとおり、試料に接触させる活性化剤を高濃度にすることにより、バイオレメディエーションの適用可否判定に要する日数を短縮できる。
10 バイアル瓶、12 土壌、14 液体組成物、20 土壌カラム、22 ポンプ、24 恒温槽、26 液体組成物、28 流出液、30 試験区画、32 遮水壁、34 注水井戸、35 観測井戸、36 液体組成物、38 地下水

Claims (8)

  1. 有害物質で汚染された土壌を、前記土壌に存在する微生物によって原位置で浄化可能であるか否か判定する浄化判定方法であって、
    前記土壌の一部を試料とし、
    前記試料と、前記微生物を活性化させる活性化剤とを接触させ、前記試料と前記活性化剤とが接触する系内の温度を原位置の温度よりも高い温度に保持する工程(1)と、
    前記工程(1)の実施中に前記系内の前記有害物質の濃度を測定し、前記有害物質の濃度が所定の基準値以下になったか否かを判定する工程(2)と、
    を含む浄化判定方法。
  2. 前記有害物質が、テトラクロロエチレン、トリクロロエチレン、ジクロロエチレン及びクロロエチレンからなる群から選ばれる少なくとも1種の揮発性有機塩素化合物である、請求項1に記載の浄化判定方法。
  3. 前記工程(1)において前記系内の温度を20℃〜35℃の範囲に保持する、請求項1又は請求項2に記載の浄化判定方法。
  4. 前記試料が、
    (A)原位置から採取した土壌、又は
    (B)原位置における遮水された区画内の土壌
    である、請求項1〜請求項3のいずれか1項に記載の浄化判定方法。
  5. 原位置から採取した土壌に含まれる微生物を集積培養して得た集積培養液を、前記系に添加する工程(3)を更に含む、請求項1〜請求項4のいずれか1項に記載の浄化判定方法。
  6. 前記工程(1)において前記試料に高濃度の前記活性化剤を接触させる、請求項1〜請求項5のいずれか1項に記載の浄化判定方法。
  7. 前記工程(2)において、少なくとも前記系内のジクロロエチレンの濃度を測定し、ジクロロエチレンの濃度が所定の基準値以下になったか否かを判定する、請求項2〜請求項6のいずれか1項に記載の浄化判定方法。
  8. 原位置から採取した土壌の地質分析を行い、前記土壌が所定の基準を満たすか否かを確認する工程(4)を更に含み、
    前記工程(4)において前記土壌が所定の基準を満たすことが確認された場合に前記工程(1)及び前記工程(2)を行う、請求項1〜請求項7のいずれか1項に記載の浄化判定方法。
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