以下、図面を参照しながら、本発明の各実施形態を詳細に説明する。
図1に、本発明の実施形態であるスロットマシン10の外観斜視図を示す。スロットマシン10の筐体は、各種装置を収容する本体部12と、本体部12の前面側(遊技者側)に開閉可能に設けられた前面扉14とによって構成されている。この前面扉14のほぼ中央部には、フロントパネル20が設けられ、図2に示すように、その略中央には表示窓21が形成されている。本体部12の内部には3個のリール40L,40C及び40Rが回転自在に設けられ、表示窓21から各リールの図柄を視認できるようになっている。
リール40L,40C及び40Rは、各回転軸が水平方向の同一直線上に並ぶように設置されている。各リールの形状はリング状になっており、その外周面には均等に区分された20個の図柄領域に、各々1つずつ図柄が印刷された帯状のリールテープが貼り付けられている。そして、リール40L,40C及び40Rが停止しているときに表示窓21から、各リールに印刷された20個の図柄のうち各リールの回転方向に沿って連続する3つの図柄が視認可能となっている。これにより、表示窓21には3[図柄]×3[リール]=合計9つの図柄が停止表示される。ここで、リール40L,40C及び40Rが停止しているときに停止表示される連続する3つの図柄のうち、最も上側の図柄が停止表示される位置(停止表示位置ともいう)を上段U、中央の図柄が停止表示される位置を中段M、最も下側の図柄が停止表示される位置を下段Dという。
3つのリールが停止したときに何らかの役が入賞したか否かは、上述した9つの図柄のうち、所定の停止表示位置に停止表示された図柄の組合せ(以下、「図柄組合せ」という。)によって判断され、これらの停止表示位置を結ぶ線(右下がりライン)を入賞ラインという。本実施形態では、規定数が「3」であり、3枚のメダルが賭けられた(3枚のメダルがベットされた)状態で遊技が行われると、左リール40Lの上段U、中リール40Cの中段M及び右リール40Rの下段D(入賞ラインL)に停止表示された図柄組合せによって入賞したか否かが判断される。
なお、以下では、単に「図柄組合せが停止表示された」または「図柄組合せが揃った」と記載されている場合は、その図柄組合せが入賞ライン上に停止表示された(すなわち、役が入賞した)ことを意味する。また、入賞ラインとなっている停止表示位置のことを、「入賞停止位置」ともいう。また、入賞ラインLとは別に、左リール40L、中リール40Cおよび右リール40Rの上段Uを結ぶ線を上段ライン、左リール40L、中リール40Cおよび右リール40Rの中段Mを結ぶ線を中段ライン、左リール40L、中リール40Cおよび右リール40Rの下段Dを結ぶ線を下段ラインという。さらに、左リール40Lの下段D、中リール40Cの中段Mおよび右リール40Rの上段Uを結ぶ線を右上がりラインという。
フロントパネル20には、表示窓21の他に遊技に関する各種情報を遊技者へ知らせるための各種ランプおよび表示器が設けられている。まず、表示窓21の左側には後述するART中に点灯するARTランプARTLP(ATランプATLPともいう。)が設けられている。ARTランプARTLPの発光源は、フロントパネル20の背面に設けられた2つのLED29a,29b(後述する)であり、これらLEDの光が図1中、破線で示す透光領域を透過することによって発光する。
表示窓21の下側には、クレジット数表示器27(以下、「クレジット枚数表示器27」、「貯留枚数表示器27」ともいう。)、および、獲得枚数表示器28(以下、「払出枚数表示器28」ともいう。)が設けられている。クレジット数表示器27は、2桁の8セグメント表示器からなり、スロットマシン10にクレジット(以下、「貯留」ともいう。)されている(より具体的には、後述する記憶したデータを書き換え可能な不揮発性メモリ(RWM:リードライトメモリ)に記憶されている)メダルの枚数(上限は50枚)を表示する。ここで、8セグメント表示器は、図3に示すように、セグメントa〜gおよびセグメントDPからなる表示器である。クレジット数表示器27の下位桁のセグメントDPは、後述する有利区間ランプ(以下、「有利区間LED」、「有利区間表示器」、「区間表示器」ともいう。)として使用される。なお、セグメントa~gを7セグメント表示部、セグメントDPをドットセグメント表示部ともいう。なお、クレジット数表示器27の代わりに、獲得枚数表示器28の下位桁のセグメントDPを有利区間ランプとして使用してもよい。
スロットマシン10で遊技を行うためにベットするメダルは、遊技媒体の一種である。遊技媒体は、メダルに限らず、遊技球(いわゆるパチンコ球)であってもよいし、磁気カード、非接触式ICカードまたはICチップを内蔵したコインなどの記録媒体に記録された価値を示す情報であってもよい。ちなみに、記録媒体は、スロットマシン10に直接投入することができるようになっていてもよいし、スロットマシン10以外の外部装置に投入することができ、そこに記録された価値を示す情報が外部装置を介して、スロットマシン10に投入することができるようになっていてもよい。スロットマシン10は、規定数のメダルがベットされると1回の遊技が可能となる。本実施形態における規定数は3枚である。
獲得枚数表示器28は、2桁の8セグメント表示器からなり、遊技の結果(入賞した役)に応じて遊技者へ払い出される(遊技者が獲得する)メダルの枚数を表示する。もちろん、セグメントDPを何かしらの用途に使用する場合は、セグメントa〜gおよびセグメントDPからなる8セグメント表示器を採用する必要があるが、セグメントDPを使用しない場合には、セグメントa〜gのみからなる7セグメント表示器を採用してもよい。また、8セグメント表示器、7セグメント表示器の総称として「セグメント表示器」ともいう。
フロントパネル20の下側には、スロットマシン10の全幅に亘って概略水平に形成され、遊技者方向に突出した操作パネル部30が設けられている。操作パネル部30の前面右側には、本体部12に対して前面扉14を施錠または開錠するドアキー31が設けられている。本実施形態では、ドアキー31に台鍵(図示略)を差し込み、時計回りに回す(前面扉14に向かって右に回転させる)と前面扉14が開錠され、反時計回りに回す(前面扉14に向かって左に回転させる)と異常状態(以下、「エラー状態」ともいう。)の解除(リセット)を行うことができる。
操作パネル部30の上面右側には、スロットマシン10へメダルを投入するためのメダル投入口32が設けられている。また、スロットマシン10の内部には、投入されたメダルを選別する為のセレクタ80(後述する)が設けられ、セレクタ80内のメダルセンサ(投入センサ)が、メダル投入口32から投入されたメダルを検出すると、後述する主制御手段100へメダル検出信号を出力する。主制御手段100は、入力されたメダル検出信号に基づいて、投入されたメダル枚数のカウントや、メダル投入時の不正行為などの異常の検出(以下、「エラーの検出」ともいう。)を行っている。
操作パネル部30の上面左側には、クレジットされているメダルをスロットマシン10にベットする(換言すると、賭数を設定する)ためのベットスイッチ34,35が設けられている。1−ベットスイッチ34は、1回操作されるごとにクレジットされているメダルのうち1枚だけを遊技の賭けの対象としてベットする。最大ベットスイッチ35は、クレジットされているメダルのうち、現在の遊技においてベットすることができる最大枚数(規定数)までのメダルを、遊技の賭けの対象としてベットする。また、規定数のメダルがベットされている状態でメダル投入口32にメダルが投入されると、その投入されたメダルはクレジット(RWMに記憶)される。なお、規定数のメダルがベットされ、かつ、クレジット(RWMに記憶)された枚数が上限(50枚)に達した状態でメダル投入口32にメダルが投入されたときは、そのメダルは後述するメダル払出口60から受け皿61に戻される。
メダル投入口32と、最大ベットスイッチ35との間には、遊技者がスロットマシン10へ情報を入力するための選択スイッチ38および決定スイッチ39が設けられている。選択スイッチ38は、上下左右の方向を指定する上スイッチ、下スイッチ、左スイッチおよび右スイッチの4つのスイッチで構成されており、決定スイッチ39を囲むように配置されている。そして、操作されたスイッチに対応して、上方向、下方向、左方向または右方向のいずれかが指定される。決定スイッチ39は、光が透過する部材で形成され、その内部にはLEDなどの光源が設けられており、決定スイッチ39の操作が無効になっているときはスイッチ内部の光源が消灯し、有効になっているときは点滅(点灯でもよい)するようになっている。また、決定スイッチ39の上面(操作面)は半球状に盛り上がっており、遊技者が操作しやすい形状になっている。なお、図1においては、選択スイッチ38と、決定スイッチ39とを一体的に配置しているが、選択スイッチ38と、決定スイッチ39とに分けて、個別に配置してもよい。
操作パネル部30の正面左側には、リールを回転させるためのスタートスイッチ36が傾動可能に設けられている。スタートスイッチ36は、遊技者がスロットマシン10に規定数のメダルがベットされると操作が有効となる。ただし、後述する再遊技役に対応する図柄組合せが入賞ライン上に揃った(再遊技役が入賞した)ときは、次の遊技(再遊技)において、再遊技役(「リプレイ役」ともいう。)が入賞した遊技でベットされていたメダルの枚数と同数分、自動的にベットされ、次の遊技(再遊技)を行うためのスタートスイッチ36の操作が有効となる。なお、この状態(自動的にベットされた状態)でメダル投入口32へメダルが投入された場合、そのメダルを受け皿61に返却するようにしてもよいし、上限(50枚)に達するまでクレジットするようにしてもよい。
スタートスイッチ36の操作が有効になった状態で、遊技者がスタートスイッチ36を傾動操作すると、3つのリール40L,40C及び40Rが回転を開始する。これにより、リール40L,40C及び40Rの各外周面に印刷された図柄は、原則として、表示窓21内を上から下へと変動(スクロール)表示されるが、フリーズ演出中は、図柄が下から上へと変動表示される場合がある。フリーズ演出は、遊技の進行が遅延している状態において実行される演出であり、特に、スタートスイッチが操作された直後に遊技の進行を遅延させる場合は、リール40L,40C,40Rを適宜回転させることで、遊技の興趣を向上させるフリーズ演出(以下、「リール演出」ともいう。)を実行することができる。リール演出としては、例えば、通常の回転方向(上から下)とは逆方向(下から上)にリールを回転させたり、リールを所定の図柄数分だけ上から下または下から上に回転させて特定の図柄組合せを停止表示したり、複数のリールのうち所定のリールを停止させたまま、他のリールを回転させたり、リールの回転速度を変化させたり、遊技者の操作に応じてリールの動作を変化させたりしてもよい。
操作パネル部30の正面中央部には、リールの回転を停止させるためのストップスイッチが設けられている。すなわち、リール40L,40C及び40Rに対応してストップスイッチ37L,37C及び37Rが設けられており、遊技者によって操作されたストップスイッチに対応するリールに対して停止制御を行う。ここで、ストップスイッチ37L、37C及び37Rは、いわゆる自照式の押しボタンスイッチであり、押しボタンの部分が発光するとともに、その発光色が変化し得る構造になっている。例えば、ストップスイッチの操作が無効(受け付けられない状態)になっているときは、そのストップスイッチの押しボタン部分が赤い発光色となり、操作が有効(受け付け可能な状態)になっているときは青い発光色となる。ストップスイッチ37L、37C及び37Rは、リール40L、40C及び40Rの回転速度が所定の定常回転速度(例えば80回転/分。単に「定速」ともいう。)に達したことを条件として、遊技者の操作が有効となる。なお、遊技者のストップスイッチに対する操作が無効になっている間は、ストップスイッチを赤く発光させる代わりに、消灯するようにしてもよい。
また、遊技中に左ストップスイッチ37Lが押動操作されると、当該遊技において左リール40Lの停止制御が行われて回転が停止し、中ストップスイッチ37Cが押動操作されると、中リール40Cの停止制御が行われて回転が停止し、右ストップスイッチ37Rが押動操作されると、右リール40Rの停止制御が行われて回転が停止する。なお、以下では、ストップスイッチを操作することを「停止操作」といい、全リールが回転を開始してから最初の停止操作を第1停止操作、2番目の停止操作を第2停止操作、最後の停止操作を第3停止操作という。リール40L、40C及び40Rが停止するときは、各リールの外周面に設定された20個の図柄領域のうち表示窓21に停止表示された連続する3つの図柄領域の各中心位置が、上段U、中段Mおよび下段Dの各中央位置に一致するように停止する。ここで、図柄領域の中心位置と、停止表示位置の中央位置とが一致する位置を定位置という。
操作パネル部30の左側には、清算スイッチ33が設けられており、受付期間内に操作されると、ベットされているメダル及びクレジットされていたメダルがすべて払い戻され(返却され)、クレジット数表示器27の表示も「0」になる。ここで、「清算」の文言は「精算」と表記してもよい。上述した受付期間は、例えば、全てのリールが停止してから(メダルが払い出される場合は、メダルの払い出しが終了してから)、規定数のメダルがベットされてスタートスイッチ36の操作がなされたときまでの間とする。
上述した清算スイッチ33は、1回操作すると、ベットされたメダルとクレジットされていた全てのメダルが一度に払い戻されるようになっている。これに限らず、例えば、ベットされているメダルおよびクレジットされているメダルがあるときに清算スイッチ33が操作された場合は、ベットされていたメダルのみを払い戻し、この状態(メダルがベットされていない状態)で、再度、清算スイッチ33が操作された場合に、クレジットされているメダルを全て払い出すようにしてもよい。また、ある遊技で再遊技役が入賞し、次の遊技で再遊技を行うことが可能な状態になったときに、清算スイッチ33が操作された場合は、クレジットされているメダルのみを払い戻し、再遊技はそのまま実行可能な状態にするとよい。
操作パネル部30の下側には、スロットマシン10の機種名やモチーフとして採用されたキャラクタなどが描かれた下部パネル50が配設されている。下部パネル50の左側には左サイドランプ52Lが、右側には右サイドランプ52Rが設けられている。サイドランプ52L,52Rは、遊技待機中(以下、「非遊技中」ともいう。)や遊技の結果に応じて所定のパターンに従って点滅(または点灯)する装飾用のランプである。下部パネル50の下方略中央には、遊技者に対してメダルを払い出すためのメダル払出口60が設けられている。
例えば、リール40L、40C及び40Rが停止したときに、入賞ラインL上に停止表示された図柄組合せが入賞役(「小役」ともいう。)に対応していた場合、その入賞役に対応した枚数のメダルがクレジット(RWMに記憶)されるか、または後述するホッパー83(具体的にはホッパーモータ46)が作動して、ホッパー83に貯留されているメダルのうち、入賞した入賞役に対応する枚数のメダルが実際に払い出される。また、メダルがクレジットされている状態で清算スイッチ33が操作されると、クレジットされていたメダルが実際に払い出される。そして、メダル払出口60から払い出されたメダルは受け皿61に貯留される。メダル払出口60の右側および左側には、各々、スロットマシン10内部に収納されたスピーカ64R,64L(後述する)から発せられた音を外部へ通すための透音孔62R,62Lが設けられている。
フロントパネル20の上部には、液晶ディスプレイパネルから構成される画像表示装置70が設けられている。なお、画像表示装置70は、液晶ディスプレイパネルに限らず、画像情報や文字情報を遊技者が遊技中や非遊技中に視認し得る装置であれば、その他あらゆる表示装置を用いることが可能である。この画像表示装置70は、総遊技回数(総ゲーム数ともいう)やボーナス役の総当選回数等を表示するための遊技履歴用の画像(いわゆる遊技履歴画面)や、パスワードの入力後からの遊技回数(ゲーム数ともいう)やボーナス役の当選回数等を含んだ二次元コードを表示するための二次元コード用の画像(いわゆる二次元コード画面)や、遊技待機中に表示されるデモ用の画像(いわゆるデモ画面。遊技待機画面ともいう。)、役抽選の結果やストップスイッチの操作態様(操作タイミングまたは操作順序など)を報知するための演出画像(いわゆる演出画面)、スロットマシンの遊技の進行(メダルをベット→スタートスイッチ36の操作→リールの回転→ストップスイッチ37L,37C,37Rの操作→全リールの回転停止)に応じた演出画像(いわゆる演出画面)等を表示することができる。
画像表示装置70の上方には、リール40L,40C,40Rが停止し、何らかの役が入賞した場合や、メダルが払い出されやすい状態(例えば、ボーナス遊技中やART中のように、遊技者にとって有利な状態)になっている場合などに応じて、所定のパターンで点滅(または点灯)する演出用ランプ72が設けられている。演出用ランプ72の左側には、左装飾ランプ72Lが、右側には右装飾ランプ72Rが設けられている。装飾ランプ72L,72Rは、サイドランプ52L,52Rと同様、遊技待機中や遊技結果に応じて所定のパターンに従って点滅(または点灯)する装飾用のランプである。
<スロットマシンの内部構造の説明>
次に、図2を参照して、スロットマシン10の内部構造について説明する。なお、図2において、図1に示した各部と同じものについては同一の符号を付し、その詳細な説明を省略する。図2は前面扉14を開けた状態を示しており、前面扉14の裏側(筐体内部側)と、本体部12の内側とを図示している。
図2において、前面扉14の上方、図1に示した画像表示装置70の裏側には、スロットマシン10で行われる遊技の演出の実行を制御する副制御手段200がケースに収容された状態で取り付けられている。副制御手段200は、後述するように、副制御基板と画像制御基板とによって構成される。これら各制御基板には、プリント基板上に実装されたCPUやその他IC等の電子部品を含む回路が構成されている。図2中、表示窓21の右側には、複数のLEDが設けられており、そのうちLED29a,29bは、図1に示したARTランプARTLPの発光源になっている。
表示窓21の下側には、前述したセレクタ80が設けられており、図1に示したメダル投入口32へ投入されたメダルの中から正規のメダルを選別する。例えば、投入されたメダルの外形寸法や材質などが所定の規格に合わなかった場合は、そのメダルを図1のメダル払出口60に連接する返却通路81aへと導き、受け皿61へ排出する。一方、投入されたメダルの外形寸法や材質などが所定の規格に適合していた場合は、そのメダルを後述するホッパー83のメダル貯留部83a(メダルを貯留する容器)へ送るための受入通路81bへ導く。
また、セレクタ80は、第1投入センサ48a、第2投入センサ48bおよびメダル通路センサ49を備えており、これらのセンサによって受入通路81bへ導かれるメダルの検出や、メダルの投入に関する異常を検出している。例えば、第1投入センサ48aおよび第2投入センサ48bによってメダルが検出される時間差や検出される順序などに基づいて、投入されたメダルに関する異常を判断している。また、メダル通路センサ49が所定時間以上、メダルを検出し続けた場合は、セレクタ80内でメダル詰まりが発生したと判断している。前面扉14の下側には、図1に示した透音孔62R,62Lの位置に、各々スピーカ64R,64Lが取り付けられている。
次に本体部12の内部において、正面右上には、前面扉14の開閉を検出するドアスイッチ44が取り付けられている。ここで、図2ではドアスイッチ44が本体部12側に設けられているが、前面扉14側に設けてもよい。本体部12の内部、背板上方には、遊技の制御を行う主制御手段100を収容した主制御基板ケース102が取り付けられている。
ドアスイッチ44の下側には、外部集中端子基板86が設置されている。外部集中端子基板86は、スロットマシン10で行われている遊技に関する情報を含んだ信号を、外部の各種機器(いわゆるホールコンピュータや、遊技場に設置された遊技履歴表示装置など)に対して出力するための中継基板である。本体部12内の略中央には、リール40L,40C,40Rを内包するリールユニットが設置されている。リール40L,40C,40Rの内側には、各々対応するリールを回転させるためのステッピングモータ42L,42C,42Rと、対応するリールの基準位置(後述する)を検出するための回胴センサ43L,43C,43Rが設けられている。
本体部12内の下方には、図2中、左側から順に、電源ユニット82、ホッパー83およびメダル補助収容庫84が配設されている。電源ユニット82は、入力されたAC100Vを複数種類の直流電圧に変換し、スロットマシン10が備える各種装置に供給する。また、電源ユニット82の正面パネル面において、上方左側には、スロットマシン10の電源をオン/オフするためのロッカースイッチである電源スイッチ82aが設けられている。また、電源スイッチ82aの右側には、いわゆる設定値の変更を可能にするためのキースイッチ82bが設けられている。電源スイッチ82aの下側には、押しボタン式の設定/リセットスイッチ82cが設けられている。この設定/リセットスイッチ82cは、後述する各種異常(一部の異常は除く)が検知されたことによって遊技の進行(制御処理)が強制的に停止された場合に、再び遊技の進行(制御処理)を開始させる際に操作されるものである。
なお、図1に示したドアキー31において台鍵を反時計回りに回した場合も、設定/リセットスイッチ82cを操作した場合と同様の作用を呈する。また、キースイッチ82bおよび設定/リセットスイッチ82cは、本体部12内に設けられた電源ユニット82に取り付けられているが、前面扉14の裏側に取り付けてもよい。このように、キースイッチ82bおよび設定/リセットスイッチ82cは、本体部12および前面扉14からなる筐体の内部に設けられているため、前面扉14が閉じられた状態では操作が困難になっている。また、「操作が困難」とは、例えば、前面扉14が閉められた状態では、針金や棒状の部材等を使った不正行為によって操作しなければならない、または、前面扉14が開いていることを不正行為によってドアスイッチ44が検出できない状態にした上で、前面扉14を開けて操作しなければならない、といった意味合いも含んでいる。
ホッパー83は、遊技の結果、小役が入賞したとき、または、クレジットしていたメダルを遊技者へ返却するときに、メダルを払い出す装置である。ホッパー83のメダル貯留部83aは、約700枚のメダルを貯留することができるが、許容量以上のメダルが蓄積されるとメダル貯留部83aからメダルが溢れ、メダル補助収容庫84内に収容される。メダル補助収容庫84は、図2に示すように上面に開口Kを有する箱状の部材であり、図2に示すように、メダル補助収容庫84の奥側の垂直壁面には、開口Kの近くに2つ、底面の近くに1つ、計3つの丸穴84aが穿設されている。そして、メダル補助収容庫84を、本体部12内の所定位置に置いたときに、本体部12に取り付けられている2本の棒状電極85aと、1本の棒状電極85bとが、各々対応する丸穴84aを通して、メダル補助収容庫84内に貫入される。
これにより、メダル補助収容庫84内にメダルが蓄積されていって、メダルが棒状電極85aの位置まで蓄積されると、メダル自身の導電性によって棒状電極85aと85bとの間が電気的に導通する。主制御手段100は、この導通を検知することで、貯留されているメダルが上限に達したことを検知している。なお、図2に示した棒状電極は、開口Kの近くに2本、底面の近くに1本の計3本になっているが、これに限らず、開口Kの近くに1本、底面の近くに1本の計2本であってもよいし、開口Kの近くに2本、底面の近くに2本の計4本であってもよい。
[図柄および図柄配列の説明]
次に、図4を参照して、リール40L、40C及び40Rの各外周面に貼り付けられるリールテープに印刷された図柄の配列について説明する。リール40L、40C及び40Rの各外周面には、図4(a)に示すように20個の図柄が印刷されている。なお、図4(a)に示す矢印は、遊技中(ただしフリーズ演出中を除く)にリール40L、40C及び40Rが回転しているときに、各リール上の図柄が表示窓21内でスクロールする方向を示している。
リール上の各図柄は、リールテープの長手方向において、20等分に区画された各図柄領域に1つの図柄が印刷されている。また、各図柄領域に表示される図柄の種類には、図4(b)に示すように、“BAR”の文字をあしらった「バー」図柄と、数字の7を青色および赤色で表した「青7」図柄および「赤7」図柄と、青色のプラムをモチーフとした「リプレイ」図柄と、黄色のベルをモチーフとした「ベル」図柄と、緑色のスイカをモチーフとした「スイカ」図柄と、赤いサクランボをモチーフとした「チェリー」図柄と、樹木をモチーフにした「ブランク」図柄と、円形の図柄の上半分の部分を示す「上半円」図柄と、同じく円形の図柄の下半分の部分を示す「下半円」図柄と、がある。「上半円」図柄と「下半円」図柄とは、両者を合わせて1つの円形の図柄として認識することもできるため、これら2つの図柄を合わせて二連図柄ともいう。
また、リール40L、40C及び40Rの各々に貼り付けられるリールテープの各図柄領域には、図4(a)に示すように「0」〜「19」の図柄番号が予め定められており、各図柄番号に対応する図柄の種別コードが、主制御手段100のROMに記憶されている。各リールの図柄番号および対応する種別コードは、スロットマシン10が、各リールについて、表示窓21の各停止表示位置(上段U、中段M、下段D)に表示された図柄を認識する場合などに参照される。図4(a)に示す各リールテープは、図柄番号「5」と「6」の間を切り離して展開した状態を示しており、各リールテープをリール40L、40C及び40Rの外周面に貼り付けたときは、図柄番号「5」と「6」の図柄が連続することになる。
[図柄組合せと条件装置との対応の説明]
次に、上述した図柄配列の各リールが停止したときに、入賞ライン上に表示された図柄組合せと、条件装置との対応について図5〜図7を参照して説明する。図5〜図7に示す図柄組合せは、それらの図柄組合せが入賞ライン上に揃うと、遊技者に対して特典が付与されるものを図示している。遊技者に対して付与される特典には、再遊技、入賞(メダルの払い出し)およびボーナス遊技の3種類があり、これらの特典に対して予め定められた図柄組合せが対応付けられている。ここで、図5に示す図柄組合せは再遊技を付与可能な再遊技役(リプレイ役)の図柄組合せに対応し、図6〜図7(a)に示す図柄組合せは入賞を付与可能な小役の図柄組合せに対応し、図7(b)に示す図柄組合せはボーナス遊技として1BB遊技(後述する)を付与可能なボーナス役の図柄組合せに対応している。ここで、1BB遊技を付与可能なボーナス役を1BB役という。
上述した特典のうち、再遊技は、対応する図柄組合せが入賞ライン上に揃うと、次の遊技に限ってメダルを投入することなく再び遊技(再遊技)を行うことができる特典である。入賞は、対応する図柄組合せが入賞ライン上に揃うと、その図柄組合せに応じた枚数のメダルが遊技者に払い出される特典である。1BB遊技は、対応する図柄組合せが入賞ライン上に揃うと、次の遊技から所定の終了条件が成立するまで、遊技者に有利なRB遊技(第一種特別役物)が繰り返し行われる特典である。すなわち、第一種特別役物に係る役物連続作動装置が作動する。以下では、1BB遊技以外の遊技を通常遊技という。
1BB遊技中に実行されるRB遊技は、極めて高確率で小役が入賞する遊技であり、RB遊技中に8回を超えない回数のうち予め定められた回数の入賞、またはRB遊技が開始してから12回の遊技を超えない遊技回数のうち予め定められた遊技回数が行われると終了する。RB遊技が終了すると、1BB遊技の終了条件が成立していなければ、そのまま次の遊技からRB遊技が開始される。なお、RB遊技中に1BB遊技の終了条件が成立した場合は、RB遊技の途中であってもそのRB遊技および1BB遊技は終了する。
なお、以下では図柄組合せを表す場合、左リール、中リール、右リールの順に各リールにおける図柄の名称を記し、カギ括弧で括ることとする。例えば図6に示す入賞01に対応する図柄組合せは「リプレイ−ベル−スイカ」と記す。
図5〜図7に示す図柄組合せには、各々条件装置が対応付けられている。条件装置は、対応付けられた図柄組合せを入賞ライン上に揃えるために必要な条件とされている装置であり、条件装置が作動すると、その条件装置に対応する図柄組合せを入賞ライン上に揃えることが可能となる。どの条件装置が作動するかは、後述する役抽選によって定められる。再遊技役に係る条件装置は、図5に示すように「再遊技01」〜「再遊技11」の11個あり、各条件装置に対して1つまたは複数の図柄組合せが対応している。
小役に係る条件装置は、図6〜図7(a)に示すように「入賞01」〜「入賞23」の23個あり、再遊技役と同様に、各条件装置に対して1つまたは複数の図柄組合せが対応している。ここで、入賞20〜23に対応する図柄組合せが揃ったときは、10枚のメダルが払い出され、入賞01または19に対応する図柄組合せが揃ったときは、9枚のメダルが払い出され、入賞10〜12に対応する図柄組合せが揃ったときは、4枚のメダルが払い出され、入賞13または14に対応する図柄組合せが揃ったときは、2枚のメダルが払い出され、入賞02〜09、15〜18に対応する図柄組合せが揃ったときは、1枚のメダルが払い出される。
ボーナス役に係る条件装置は、図7(b)に示すように「1BB」の1つのみであり、1BBに対応する図柄組合せが揃うと、次の遊技から1BB遊技が開始される。1BB遊技中は、RB遊技が連続して実行され、1BB遊技中に払い出されたメダル枚数が290枚を越えると1BB遊技が終了する。なお、1BB遊技の終了条件は、これに限られないが、1BB遊技中に払い出されたメダル枚数が300を超えることは、遊技者の射幸心をそそるおそれがあり望ましくない。
[制御手段の説明]
次に、図8に示す機能ブロック図を参照して、スロットマシン10の制御を行う制御手段について説明する。スロットマシン10の制御手段は、遊技の進行を制御する主制御手段100と、演出の実行を制御する副制御手段200とによって構成されている。主制御手段100は、遊技者の操作に応じて遊技を進行させる制御を行い、副制御手段200は、主制御手段100から送信された情報に基づいて遊技の進行に伴って実行される演出や各種情報の報知(表示等)を制御する。なお、主制御手段100と副制御手段200との間でやりとりされる情報の送信は、主制御手段100から副制御手段200への一方向に限られており、副制御手段200から主制御手段100に対して何らかの情報が直接送信されることはない。
≪主制御手段の説明≫
<主制御手段およびその周辺のハードウェア構成>
主制御手段100は、CPU、ROM(リード・オンリー・メモリ。記憶手段ともいう。)、RWM(リード・ライト・メモリ。記憶手段ともいう。)、乱数生成手段(乱数回路)およびタイマカウント手段(タイマ回路)、入力ポートおよび出力ポート(以下、まとめて「I/Oポート」ともいう。)が1つのチップ内に構成されたものである。主制御手段100の機能を実現するための回路は、上述したチップを含め、一枚の主制御基板上に構成され、主制御基板は図2に示した主制御基板ケース102に収容されている。
上述したCPUは、演算を行うためのアキュムレータ(Aレジスタ)と、複数の汎用レジスタ(Bレジスタ、Cレジスタ、Dレジスタ、Eレジスタ、Hレジスタ、LレジスタおよびQレジスタ)と、フラグレジスタとを備えている。これらのレジスタはいずれも1バイト(8ビット)で構成されている。また、汎用レジスタのうち、BおよびCレジスタ、DおよびEレジスタ、HおよびLレジスタは、それぞれペアで用いて16ビット(2バイト)のレジスタとして使用することができる。なお、2つの汎用レジスタをペアで使用する場合は、各レジスタを表す2つのアルファベットをまとめて表記する。たとえば、HレジスタとLレジスタをペアで使用する場合は、HLレジスタと表記する。
また、フラグレジスタは各ビットがCPUによる演算結果に関する状態を示すフラグになっているものであるが、本実施形態のフラグレジスタには、キャリーフラグ、ゼロフラグおよび第2ゼロフラグが含まれている。ここで、キャリーフラグは、演算(加算)を行ったときに桁上がりが生じた場合、および演算(減算)を行ったときに桁下がりが生じた場合に「1」となるフラグである。ゼロフラグは、演算結果が「0」になったときに「1」となるフラグである。第2ゼロフラグは、ゼロフラグが「1」になったとき、および、LD命令を行ったときに「0」がセットされときに「1」となるフラグである。
主制御手段100のI/Oポートは、操作手段300、図1に示した各種ランプ(有利区間ランプ等)および表示器、ステッピングモータ42L,42C,42R、回胴センサ43L,43C,43R、ドアスイッチ44、投入センサ48a,48b、メダル通路センサ49および外部集中端子基板86等の各部構成に対する信号を出力し、各部構成からの信号を入力する。
ステッピングモータ42L,42C,42Rは、主制御手段100から出力される励磁信号にしたがって、対応するリール40L,40C,40Rを回転または停止させる。回胴センサ43L,43C,43Rは、リール40L,40C,40Rに各々対応して設けられており、対応するリールの基準位置に設けられたインデックス(被検出部材)を検出すると、その検出信号を主制御手段100に対して出力する。これにより主制御手段100は、当該インデックスの検出位置を基準としてステッピングモータのステップ数をカウントし、そのカウント値に基づいて、リールの回転位置(ひいては表示窓21に表示されている図柄)を判断することができる。
本実施形態ではステッピングモータの駆動制御をタイマ割込処理で行っているため、ステッピングモータのステップ数をタイマ割込処理の実行回数に基づいてカウントしてもよい。例えば、本実施形態では、ステッピングモータが定速で回転しているときには、タイマ割込処理を1回実行するごとにステッピングモータを1ステップだけ回動させている。したがって、上述した基準位置を検出するごとにタイマ割込処理の実行回数のカウント値をクリアした場合、ステッピングモータが定速で回転しているときは、タイマ割込処理の実行回数が基準位置からのステップ数と同じ値になる。
ホッパーモータ46は、ホッパー83(図2参照)に設けられ、メダル貯留部83a内のメダルを主制御手段100から出力される駆動信号にしたがってメダル払出口60から排出させる。払出センサ47a,47bは、ホッパーモータ46が駆動することによって払い出されるメダルを検出し、その検出信号を主制御手段100へ出力する。ブロッカ45は、セレクタ80(図2参照)内に設置され、主制御手段100からのオン/オフ信号にしたがってメダル流路の形成または解除する。ここで、ブロッカ45がオンのときはメダル流路が形成され、メダル投入口32から投入されたメダルは、受入通路81bを経てホッパー83のメダル貯留部83aに貯留される。一方、ブロッカ45がオフのときはメダル流路が形成されず、メダル投入口32から投入されたメダルは、返却入通路81bを経てメダル払出口60から排出される。ドアスイッチ44は前面扉14の開閉を検出し、その検出信号を主制御手段100へ出力する。
外部集中端子基板86は、スロットマシン10が現在行われている遊技に関する情報を外部の遊技情報表示装置や、いわゆるホールコンピュータなどの外部装置に対して主制御手段100から出力される各種信号を中継する。ここで、外部集中端子基板86から出力される信号には、スタートスイッチ36の操作に基づいて遊技に賭けられた(ベットされた)ベット数と同数のパルス信号が出力されるメダル投入信号、小役が入賞したことに基づいて払い出されたメダルの枚数と同数のパルス信号が出力されるメダル払出信号、1BB遊技中にオン状態となるBB信号、後述する有利区間中にオン状態となる有利区間信号等がある。有利区間信号に代えて、ART中にオン状態となるART中信号としてもよい。
外部集中端子基板86は、出力する信号ごとにリレー回路を設け、これらリレー回路を開閉することで対応する信号のオン/オフ状態を切り替えているが、リレー回路の代わりに例えばフォトカプラを用いてもよい。
操作手段300は、図1に示したスロットマシン10の前面扉に設けられた各種スイッチの他に、図2に示した電源スイッチ82a、キースイッチ82bおよび設定/リセットスイッチ82cを含む。電源スイッチ82aはスロットマシン10内の各装置に供給する電力をオン/オフするスイッチである。キースイッチ82bは鍵穴を有し、当該鍵穴に挿入した設定変更用の鍵(設定キー)を回動することでオンまたはオフとなるスイッチである。設定/リセットスイッチ82cはエラーが検出されたときにそのエラーを解除(リセット)したり、設定変更中において設定値を変更したりする際に操作される押しボタン式のスイッチである。ここで、電源スイッチ82aをオフ状態とした後、キースイッチ82bの鍵穴に挿入した設定変更用の鍵(設定キー)を回動させ、オン状態にした状況下で、電源スイッチ82aをオン状態とすると、設定変更中となる。
<主制御手段の機能ブロック>
主制御手段100は、当選役決定手段110と、リール制御手段115と、抽選状態制御手段120と、遊技区間制御手段125と、フリーズ制御手段130と、報知遊技制御手段135と、入賞判定手段145と、異常検出手段150と、LED表示制御手段155と、制御コマンド送信手段160と、外部信号送信手段165と、を含んでいる。以下に説明する各手段の機能は、主制御手段100が備えるCPUが、ROMに記憶された制御プログラム(制御処理)を実行することで実現される。
(当選役決定手段の説明)
当選役決定手段110は、主制御手段100に含まれる乱数生成手段が発生する乱数(数値範囲:0〜65535)と、主制御手段100のROMに記憶されている抽選テーブルとに基づく抽選(役抽選)によって当選役を決定する。決定された当選役を、「当選役決定手段に基づく抽選結果」や、「役抽選の結果」ともいう。当選役の種類としては、ボーナス役、再遊技役および入賞役(小役)があり、各当選役の当選確率は、上述した抽選テーブルにおいて予め定められている。
また、本実施形態では、出玉率(メダルの払い出されやすさ)を変えられるように、「設定値」(数値範囲は1〜6)を指定することで、特定の当選役に関する当選確率を最大6段階で変化させることが可能になっている。ここで、設定値の値が大きい程、出玉率が高くなるように当選確率が定められている。具体的には、図9〜図11に示す表の「設定差」欄において、○印が付与されている当選役の当選確率が、設定値の値が大きい程、高くなるように設定されている(必ずしも6段階のすべてで変化させているわけではない)。設定値の指定は、図2に示した電源スイッチ82a、キースイッチ82bおよび設定/リセットスイッチ82cに対してスロットマシンのユーザが所定の操作を行うことで可能となるが、いずれにせよ、通常は前面扉14を開けた状態でなければ設定値を変更することができないようになっている。
さらに、本実施形態では、設定値毎に「非RT」、「RT1」、「RT2」、「RT3」、「RT4」、「BB中」という6つの抽選状態があり、当選役決定手段110は、各抽選状態に対応する抽選テーブルを用いて役抽選を行う。抽選状態に応じて、抽選対象となる当選役の一部が異なり、また、再遊技役の合成当選確率が異なっている。
図9〜図11に、当選役の種類(換言すると、役抽選の抽選対象)および各当選役が決定されたときに作動する条件装置の種類を示す。ここで、図9はボーナス役の当選役、図10は再遊技役の当選役、図11は入賞役(小役)の当選役を示している。
図9において、Cは役物当選番号、Bは演出グループ番号(後述する)を示している。役物当選番号は、当選役に決定されたボーナス役の種類を示す番号である。本実施形態ではボーナス役は1BB役のみであり、1BB役に対して役物当選番号1が対応付けられている。また、ボーナス役が当選役に決められていないときは、役物当選番号は0になっている。これにより、1BB役が当選役に決定されると、役物当選番号が0から1へ更新され、条件装置1BBが作動する。そして、条件装置1BBが作動すると、図7(b)に示した図柄組合せ「青7−青7−青7」を揃えることができる状態となる。
図9の「重複」欄において○印で示すように、1BB役は他の当選役と共に当選役に決定される。1BB役と共に当選役に決定され得る役には、後述する再遊技−E(作動する条件装置:再遊技03)、再遊技−F(作動する条件装置:再遊技03および再遊技07)、または、入賞−H(作動する条件装置:入賞15)がある。すなわち、1BB役を含む当選役には、1BB+再遊技−E2(名称:1BB−A)、1BB+再遊技−F(名称:1BB−B)、1BB+入賞−H(名称:1BB−C)の3種類が存在している。なお、1BB役が単独で当選する当選役を設けてもよい。
1BB役と共に他の役が当選役に決定されたときは、役物当選番号と共に、当選役に決定された当選役の演出グループ番号が主制御手段100から副制御手段200へ送信される。例えば、1BB役と再遊技−Eとが当選役に決定された場合は、役物当選番号1と演出グループ番号5とが副制御手段200へ送信される(図9の「B」欄参照)。
1BB役を含む当選役は、上述した抽選状態のうち、「非RT」、「RT1」、「RT2」、「RT3」において抽選対象となり、「RT4」および「BB中」においては抽選対象外となっている(図9の「抽選対象の有無」欄参照)。また、1BB−Aの当選確率は、前述した設定値に応じて異なる(設定差がある)が、1BB−Bおよび1BB−Cの当選確率は、いずれの設定値においても同じである(設定差が無い)。すなわち、図9の「設定差」欄において、1BB−Aについては「○」が記され、1BB−Bおよび1BB−Cについては「×」が記されている。
条件装置1BBが作動したときは、条件装置1BBに対応する図柄組合せ「青7−青7−青7」が揃うまで、次のゲーム以降も条件装置1BBが作動し続ける。この状態を「内部中」または「ボーナス役の持越中」という。これに対して、再遊技役および小役の条件装置が作動した場合は、少なくとも次の遊技が開始されるまでに作動状態が終了する。したがって、1BB役と共に再遊技役または小役が当選役に決定された場合、条件装置1BBは入賞するまで次の遊技以降も作動し続けるが、再遊技役または小役の条件装置は、次の遊技が開始されるまでに作動状態が終了する。
再遊技役は、図10に示すように、再遊技−A1〜A6、再遊技−B1〜B3、再遊技−C〜Hの15種類が設けられている。役抽選で再遊技−A1〜A6の何れかが決定されると、再遊技01、04を含む複数の条件装置が作動し、再遊技−B1〜B3の何れかが当選役に決定されると、再遊技01、02を含む複数の条件装置が作動する。再遊技−Cが当選役に決定されたときは再遊技01、再遊技−Dが当選役に決定されたときは再遊技02の条件装置が単独で作動する。再遊技−Eは単独で当選役に決定されたときは再遊技03の条件装置が単独で作動し、1BB役と共に当選役に決定されたときは再遊技03および1BBの条件装置が作動する。
再遊技−Fが当選役に決定されたときは再遊技03、07および1BBの条件装置が作動し、再遊技−Gが当選役に決定されたときは再遊技02、05、06、10の条件装置が作動する。そして、再遊技−Hが当選役に決定されたときは再遊技02、05〜10が作動する(図10の「作動する条件装置」欄参照)。
また、図10の「抽選対象の有無」欄において○印で示すように、再遊技−A1〜A6は、抽選状態がRT1のときだけ抽選対象となり、再遊技−B1〜B3、−Gおよび−Hは、抽選状態がRT2のときだけ抽選対象となる。再遊技−Cは抽選状態が非RTおよびRT4のときに抽選対象となり、再遊技−Dは抽選状態がRT2〜RT4のときに抽選対象となる。さらに、再遊技−Eは抽選状態が非RT〜RT4のときに抽選対象となり、再遊技−Fは抽選状態が非RT〜RT3のときに抽選対象となる。なお、再遊技−Eは、抽選状態が非RT〜RT3においては1BBと共に当選役に決定され得るが、RT4においては1BBと共に当選役に決定されることはない。
また、図10の「重複」欄において○印で示すように、再遊技−Eおよび再遊技−F以外の再遊技役は1BB役と共に当選役に決定されることはない。さらに、同図「設定差」欄において○印で示すように、再遊技−Eと1BB役とが共に当選役に決定され得る場合、および再遊技−Dが当選役に決定され得る場合のみ設定差が設けられており、それ以外の再遊技役には設定差が設けられていない。
なお、前述した各抽選状態において、非RTにおける再遊技役(再遊技−C,E,F)の合成当選確率は、約1/7.3と、遊技状態の中で最も低く設定されている。RT1における再遊技役(再遊技−A1〜A6,E,F)の合成当選確率は、非RTと同じ、またはほぼ同程度(ただし非RTよりも低くはない)の合成当選確率に設定されている。RT2における再遊技役(再遊技−B1〜B3,D,E,F)の合成当選確率は、他の抽選状態に比べて最も高く設定されており、役抽選の結果がハズレとなる確率が極めて低く(0であってもよい)設定されており、ほぼ毎ゲーム、何らかの役が当選している状態になる。
また、RT4における再遊技役(再遊技−C,D,E)の合成当選確率は、RT4に滞在しているときの期待値が1未満となる(すなわち、投入したメダル枚数よりも払い出されるメダル枚数が少なくなる)ように設定されている。加えて、当選したボーナス役を比較的早く入賞できるように、ハズレとなる確率が小役の合成当選確率よりも高く設定されている。そして、全置数(65536)から全小役、1BB役およびハズレに対する置数を引いた残りが再遊技役に対する置数となる。RT3における再遊技役(再遊技−D,E,F)の合成当選確率は、非RTおよびRT1と、RT2との間の合成当選確率となるように適宜設定されているが、非RTと同じ、またはほぼ同程度に設定されていてもよい。
小役は、図11に示すように、入賞−A1〜A6、入賞−B1〜B3、入賞−C〜Pの23種類が設けられている。役抽選で入賞−A1〜A6、入賞−B1〜B3、入賞−Lおよび入賞−Mの何れかが当選役に決定されると、入賞01を含む複数の条件装置が作動するようになっている。入賞−Eが当選役に決定されたときは、入賞10〜12の条件装置が作動し、入賞−Gが当選役に決定されたときは、入賞13および14の条件装置が作動し、入賞−Hが当選役に決定されたときは、入賞15および1BBの条件装置が作動する。また、入賞−Nが当選役に決定されたときは、入賞21および23の条件装置が作動し、入賞−Oが当選役に決定されたときは、入賞20および22の条件装置が作動し、入賞−Pが当選役に決定されたときは、入賞20および21の条件装置が作動する。
さらに、入賞−Cが当選役に決定されたときは入賞01、入賞−Dが当選役に決定されたときは入賞10、入賞−Fが当選役に決定されたときは入賞14、入賞−Iが当選役に決定されたときは入賞16、入賞−Jが当選役に決定されたときは入賞17、入賞−Kが当選役に決定されたときは入賞18が、各々の単独で作動する(図11の「作動する条件装置」欄参照)。
また、図11の「抽選対象の有無」欄において○印で示すように、入賞−A1〜A6、B1〜B3、C〜Lは、抽選状態が非RT〜RT4のときに抽選対象となる。なお、入賞−Hは、抽選状態が非RT〜RT3においては1BBと共に当選役に決定され得るが、RT4においては1BBと共に当選役に決定されることはない。これに対して、入賞−M〜Pは抽選状態が1BB遊技中のみ抽選対象となる。また、図11の「重複」欄において○印で示すように、入賞−H以外の入賞役は1BB役と共に当選役に決定されることはない
さらに、同図「設定差」欄において○印で示すように、入賞−C、O、Pについては設定差が設けられているが、それ以外の入賞役には設定差が設けられていない。また、入賞−A1,A3,A5の各当選確率は互いに同じ値になっており、入賞−A2,A4,A6の各当選確率も互いに同じ値になっているが、入賞−A1,A3,A5と、入賞−A2,A4,A6とでは、当選確率は異なるように設定されている。もちろん、全て同じ値になるようにしてもよい。このようにしているのは、ある押し順で遊技していれば、その他の押し順で遊技しているときよりも得をするといったことがないようにするためである。
なお、再遊技役および小役について、複数の条件装置が作動する当選役が決定された場合、どの条件装置に対応する図柄組合せについて引込制御を行うかは、ストップスイッチの押し順に応じて異なっている(詳しくは後述する)。また、役抽選によって入賞役または再遊技役が当選役に決定されたときは、決定された当選役に対応する演出グループ番号(図10および図11における「B」欄参照。)が、主制御手段100から副制御手段200へ送信される。これにより、副制御手段200は、受信した演出グループ番号(換言すると、当選役の種類)に応じた演出を実行する。
(リール制御手段の説明)
リール制御手段115は、リール40L,40C,40Rを回転/停止させるステッピングモータ42L,42C,42Rを駆動制御する。具体的には、遊技者によってスタートスイッチ36が操作されたことに基づいてリール40L,40C,40Rの回転を開始し、リール40L,40C,40Rの回転速度が前述した定速に達した後は、定速を維持する。そして、ストップスイッチ37L,37C,37Rのいずれかが操作されると、操作されたストップスイッチに対応するリール(より正確にはステッピングモータ)について停止制御を行う。
リール制御手段115は、ストップスイッチが操作されてから対応するリールの回転を190ミリ秒以内に停止させる。これにより、本実施形態のように各リールに20図柄が設けられたリールを、定速(80回転/分)の状態から190ミリ秒以内にリールの回転を停止させる場合は、80(回転)/60(秒)×0.19(秒)×20(図柄)=約5.067図柄分が回動するまでにリールを停止させる。ただし、リール制御手段115は、ストップスイッチが操作されたときに入賞ラインに係る停止表示位置(以下、「入賞停止位置」という。)を通過中の図柄は、その入賞停止位置に停止させないようにステッピングモータを制御する。
したがって、停止操作されたときに、入賞停止位置を通過している図柄の1つ上流側に位置する図柄から、4つ上流側に位置する図柄までのうち、いずれかの図柄を入賞停止位置に停止させることができる。ここで、「停止操作されたときに、入賞停止位置を通過している図柄の1つ上流側に位置する図柄から、4つ上流側に位置する図柄まで」の範囲を「停止制御範囲」ともいう。
リール制御手段115は、当選役決定手段110によっていずれかの当選番号が決定されると、その当選番号に対応する当選役の図柄組合せが入賞ラインLに停止するようにリールの回転を停止させる(いわゆる引込制御を行う)。ただし、当選役の図柄組合せ構成する図柄が停止制御範囲内に無かったときは、当選役以外の役が入賞しないようにリールを停止させる(いわゆる蹴飛ばし制御を行う)。
例えば、図5に示した再遊技01の図柄組合せ(6種類)については、図4に示した各リールの図柄配列と、上述した停止制御範囲の関係上、6つのうちいずれか1つの図柄組合せを必ず入賞ライン上に揃えることができる(いわゆる「取りこぼし」が無い)。これに対して、例えば、図6に示した入賞02の図柄合せ(2種類)の場合、中リールについて、停止制御範囲に「BAR」図柄が存在しないタイミングで停止操作が行われた場合、引込制御によって「BAR」図柄を入賞ライン上に停止させることができず、入賞02に対応する図柄組合せを揃えることができない(すなわち、取りこぼす)。
また、前述したように、当選役決定手段110によって、複数の条件装置が作動する当選役が決定された場合、リール制御手段115は、ストップスイッチの押し順に応じて引込制御を行う図柄組合せを異ならせる。例えば、再遊技−A1〜A6のいずれかが当選役に決定された場合、特定の押し順で停止操作されたときは再遊技04の図柄組合せが揃うような引込制御を行うが、それ以外の押し順で停止操作がされたときは、再遊技01の図柄組合せが揃うような引込制御を行う。ここで、特定の押し順は、再遊技−A1が決定されたときは左→中→右、再遊技−A2が決定されたときは左→右→中、再遊技−A3が決定されたときは中→左→右、再遊技−A4が決定されたときは中→右→左、再遊技−A5が決定されたときは右→左→中、再遊技−A6が決定されたときは右→中→左、となる。
また、再遊技−B1〜B3のいずれかが当選役に決定された場合、リール制御手段115は、特定のストップスイッチが第1停止操作されると、再遊技02の図柄組合せを引込制御し、特定のストップスイッチ以外が第1停止操作されると再遊技01の図柄組合せを引込制御する。ここで、上述した「特定のストップスイッチ」は、再遊技−B1が決定されたときは左ストップスイッチ37L、再遊技−B2が決定されたときは中ストップスイッチ37C、再遊技−B3が決定されたときは右ストップスイッチ37R、となる。
また、再遊技−Gが当選役に決定された場合、リール制御手段115は、左ストップスイッチ37Lが第1停止操作されると、再遊技06の図柄組合せについて引込制御を行い、遊技者が表示窓21の中段ラインに「赤7」図柄を揃えることができる状態にする(図5、再遊技06の2番目の図柄組合せ参照)。また、中ストップスイッチ37Cが第1停止操作されると、再遊技02の図柄組合せについて引込制御を行う。右ストップスイッチ37Rが第1停止操作されると、再遊技05の図柄組合せについて引込制御を行い、遊技者が中リール40Cおよび右リール40Rの中段Mに「赤7」図柄を停止させることができる状態にする(図5、再遊技05の1番目の図柄組合せ参照)。
また、再遊技−Hが当選役に決定された場合、リール制御手段115は、左ストップスイッチ37Lが第1停止操作されると、再遊技05の図柄組合せについて引込制御を行い、遊技者が中リール40Cおよび右リール40Rの中段Mに「赤7」図柄を停止させることができる状態にする。また、中ストップスイッチ37Cが第1停止操作されると、再遊技02の図柄組合せについて引込制御を行う。右ストップスイッチ37Rが第1停止操作されると、再遊技06の図柄組合せについて引込制御を行い、遊技者が表示窓21の中段ラインに「赤7」図柄を揃えることができる状態にする。
また、再遊技−C,Dが当選役に決定された場合は、各々、作動した条件装置の図柄組合せについて引込制御を行う。再遊技−Eは、単独で当選役に決定される場合と、1BB役と共に当選役に決定された場合とがあるが、いずれの場合も再遊技03の図柄組合せについて引込制御を行う。再遊技−Fが1BB役と共に当選役に決定された場合も、再遊技07の図柄組合せを優先的に引込制御するが、遊技者によるストップスイッチの操作タイミングによって再遊技07の図柄組合せを入賞ラインLに揃えられない場合は、再遊技03の図柄組合せについて引込制御を行う。なお、再遊技07の図柄組合せを優先的に引込制御するが、遊技者によるストップスイッチの操作タイミングによって再遊技07の図柄組合せを入賞ラインLに揃えられない場合は、再遊技03の図柄組合せについて引込制御を行うようにしてもよい。
また、役抽選で入賞−A1〜A6の何れかが決定された場合は、特定の押し順でストップスイッチが操作された場合に限って、入賞01に対応する図柄組合せについて引込制御を行う。この「特定の押し順」は、入賞−A1およびA2は左→中→右および左→右→中(すなわち、左ストップスイッチ27Lを第1停止操作)、入賞−A3およびA4は中→左→右および中→右→左(すなわち、中ストップスイッチ27Cを第1停止操作)、入賞−A5およびA6は、右→左→中および右→中→左(すなわち、右ストップスイッチ27Rを第1停止操作)、となっている。
これに対して、特定の押し順でストップスイッチが操作されなかった場合は、入賞01以外の条件装置に対応した図柄組合せが揃うようなリールの停止制御を行うが、遊技者の操作タイミングによっては、図7(c)に示したパターン01およびパターン02のいずれかの図柄組合せ(RT移行こぼし目)が停止表示され得る。ただし、抽選状態がRT4になっているときに入賞−A1〜A6のいずれかが決定された場合は、押し順に関係なく入賞01の図柄組合せが揃うリールの停止制御を行う。これは、前述したように、RT4においてはハズレとなる確率が小役の合成当選確率よりも高く設定されているため、RT4に滞在しているときであっても、特定の押し順でストップスイッチが操作された場合に限って、入賞01に対応する図柄組合せについて引込制御を行うようにしていると、極端にメダルが払い出されない状態(遊技者に不利な状態)となってしまうからである。
ここで、複数の条件装置が作動しているときに、作動中の条件装置に対応する図柄組合せのうち、ストップスイッチ37L,37C,37Rの押し順に応じて引込制御の対象となる図柄組合せが異なる当選役を「押し順役」という。図68〜図70に示した各当選役の場合、再遊技−A1〜A6,再遊技−B1〜B3,再遊技−G,再遊技−H、および、入賞−A1〜A6,入賞−B1〜B3が押し順役となる。また、特に再遊技役に関する押し順役を「押し順リプレイ」、小役に関する押し順役を「押し順ベル」という。
さらに、押し順役が当選した遊技において、有利な遊技結果が得られる押し順を「正解押し順」といい、そうではない押し順を「不正解押し順」という。ここで、正解押し順とは、小役においてはメダル払出枚数が最も多い図柄組合せが揃うこととなる押し順をいい、再遊技役においては再遊技役の当選確率がより高い抽選状態へ移行(昇格)する図柄組合せが揃うこととなる押し順や、より低い抽選状態へ移行(転落)する図柄組合せが揃ってしまうのを回避できる押し順のことをいう。
役抽選で入賞−B1〜B3の何れかが決定されると、入賞01を含む複数の条件装置が作動するが(図11の「作動する条件装置」欄参照)、特定の押し順でストップスイッチが操作された場合に限って、入賞01に対応する図柄組合せについて引込制御を行う。この「特定の押し順」は、入賞−B1は左→中→右、左→右→中、中→左→右および中→右→左(すなわち、左ストップスイッチ27Lまたは中ストップスイッチ27Cを第1停止操作)となる。入賞−B2は中→左→右、中→右→左、右→左→中および右→中→左(すなわち、中ストップスイッチ27Cまたは右ストップスイッチ27Rを第1停止操作)となる。入賞−B3は左→中→右、左→右→中、右→左→中および右→中→左(すなわち、左ストップスイッチ27Lまたは右ストップスイッチ27Rを第1停止操作)となる。
これに対して、特定の押し順でストップスイッチが操作されなかった場合は、入賞01以外の条件装置に対応した図柄組合せが必ず揃うようなリールの停止制御を行う。
役抽選で入賞−Cが決定された場合は、押し順に関わらず入賞01の図柄組合せが揃うリールの停止制御を行う。役抽選で入賞−D〜Lのいずれかが決定された場合は、作動した条件装置の図柄組合せが揃うリールの停止制御を行う。入賞−M〜Pは、1BB遊技中に限って、いずれかが当選する小役であり、入賞−M〜Pのいずれかに当選したときは、それにより作動した条件装置のうち、10枚役(入賞20〜23)の図柄組合せが必ず揃うリールの停止制御を行う。
(抽選状態制御手段の説明)
図8に戻り、抽選状態制御手段120は、前述した抽選状態(非RT〜RT4および1BB遊技中)の移行を制御する。具体的には図12に示すように、抽選状態の初期状態は非RT(RT0)であり、例えば主制御手段100のRWMが初期化された場合、抽選状態はRT0となる(矢印A参照)。RT0において役抽選で入賞−A1〜A6のいずれかが当選したときに、パターン01または02の図柄組合せが停止表示されると、RT1へ移行する(矢印B参照)。RT1において役抽選で再遊技−A1〜A6のいずれかが当選したときに、再遊技01の図柄組合せが停止表示されると、非RTへ移行する(矢印D参照)。また、RT1において役抽選で再遊技−A1〜A6のいずれかが当選したときに、再遊技04の図柄組合せが停止表示されると、RT2へ移行する(矢印C参照)。
また、RT2において役抽選で再遊技−B1〜B3のいずれかが当選したときに、再遊技01の図柄組合せが停止表示されると、非RTへ移行する(矢印D参照)。また、RT2において役抽選で入賞−A1〜A6のいずれかが当選したときに、パターン01または02の図柄組合せが停止表示されると、RT1へ移行する(矢印B参照)。
上述した非RT、RT1、RT2および、後述するRT3において、役抽選で1BB役に当選すると、RT4へ移行する(矢印E参照)。そして、RT4において1BB役が入賞すると、1BB遊技となり(矢印F参照)、1BB遊技中にメダルの払出枚数が295枚を超えると、1BB遊技の終了条件が満たされて、RT3へ移行する(矢印G参照)。したがって、1BB遊技中は入賞−M〜Pのいずれかが必ず当選して10枚役が入賞するため、1BB遊技中のゲーム数は30ゲームとなる。RT3では、役抽選で入賞−A1〜A6のいずれかが当選したときに、パターン01または02の図柄組合せが停止表示されると、RT1へ移行する(矢印B参照)。
(遊技区間制御手段の説明)
図8に戻り、遊技区間制御手段125は、通常区間から有利区間への移行および有利区間における性能の変更(移行)を行う。ここで、「通常区間」とは、ストップスイッチの操作態様によって有利・不利が発生する役抽選の結果が決定された(押し順役が当選した)遊技において、ストップスイッチの有利な操作態様を把握可能な情報(例えば、当選番号や入賞・再遊技当選番号)を副制御手段200へ送信することを禁止する遊技区間であり、かつ、ストップスイッチの有利な操作態様の報知を禁止する遊技区間をいう。また、役抽選により決定される役(当選番号)の当選確率が設定値に関わらず同一である予め定められた役に基づいて、後述する有利区間(または後述する「待機区間」)に移行するか否かを決定することができる遊技区間である。
「有利区間」とは、ストップスイッチの操作態様によって有利・不利が発生する役抽選の結果が決定された遊技において、ストップスイッチの有利な操作態様を把握可能な情報(例えば、役抽選の結果を表す当選番号や入賞・再遊技当選番号)を副制御手段200へ送信することが可能な遊技区間であり、かつ、ストップスイッチの有利な操作態様を報知可能な区間をいう。
有利区間へ移行した場合、遊技区間制御手段125は、予め定められた終了条件が満たされると通常区間へ移行するが、この終了条件が満たされたとしても、入賞−A1〜A6およびB1〜B3のいずれかが決定されたときに少なくとも1回は入賞01の図柄組合せが揃う押し順が報知されなければ、通常区間へ移行させることはない。ただし例外として、有利区間の終了条件の一つとして有利区間における遊技が予め定められた遊技回数(本実施形態では1500ゲーム)に達した場合は、有利区間において、たとえ一度も入賞01の図柄組合せが揃う押し順が報知されていなくても「通常区間」に移行する。これは、有利区間中に1500ゲームも行い、一度も押し順の報知がなされなかった遊技者が、1回だけ押し順を報知されても、遊技の興趣が向上するとはいえないためである。
例えば、有利区間へ移行し、さらに有利区間においてART中という状態へ移行し、ART中の状態で50ゲームが行われると通常区間へ移行する仕様であった場合でも、有利区間中に入賞01の図柄組合せが揃う押し順を少なくとも1回は報知しないうちは、ART中に移行してから50ゲームが行われていても通常区間へ移行させないようにする。この場合、ART中の状態をそのまま継続させてよいし、ART中から有利区間内の他の状態(例えば、ガセ前兆)へ移行させてもよい。これは、有利区間へ移行したにも関わらず、何の恩恵もなく、再び通常区間へ移行させてしまっては、遊技者の遊技意欲を低下させてしまう恐れがあるからである。従来は、ART遊技が開始しても、遊技者の運が悪ければ(押し順が報知されるはずの当選役に当選しなければ)、一度も押し順を報知することなく、ART遊技が終了してしまうこともあり、遊技者の遊技意欲は低下する一方であった。
ただし、有利区間中に1BB役が当選役に決定され、かつ、1BB遊技が開始または終了している場合は、有利区間中に押し順が一度も報知されなくても通常区間へ移行させることができる。例えば、ART中の途中で、1BB役が当選役に決定されて(ART中の残り遊技回数のカウントが中断し)、1BB遊技が終了し(ART中の残り遊技回数のカウントが再開し)たときは、有利区間中に1回も入賞01の図柄組合せが揃う押し順を報知していなかったとしても、ART中の残り遊技回数の遊技を行ったときに、ART中の状態(有利区間)を終了させてもよい。これは、ボーナス遊技によって遊技者には恩恵が与えられているので、このような場合にまで、少なくとも1回は押し順を報知されなければならないとするのは、逆に遊技の興趣を低下させるおそれがあるからである。
なお、「通常区間」から「有利区間」に移行する権利を有しているものの、未だ「有利区間」に移行していないときの遊技区間として、「待機区間」を設けてもよい。待機区間は、ボーナス役(本実施形態では1BB役のように、条件装置が作動している状態(または当選情報)が次の遊技以降にも持ち越される役)が当選し、かつ、「通常区間」から「有利区間」に移行する抽選(区間移行抽選)に当選した場合に限り移行可能な遊技区間である。また、「待機区間」において、予め定められた条件(例えば、当選していたボーナス役に対応する図柄組合せが停止表示されること)を満たした場合に、「待機区間」が終了して次の遊技から「有利区間」が開始される。
待機区間は、通常区間と同様に、ストップスイッチの操作態様によって有利・不利が発生する役抽選の結果が決定された遊技において、ストップスイッチの有利な操作態様を把握可能な情報(例えば、当選番号や入賞・再遊技当選番号)を副制御手段200へ送信することを禁止する遊技区間であり、かつ、ストップスイッチの有利な操作態様の報知を禁止する遊技区間でもある。
近年、設定値により高確(ART中に移行しやすい状態)やART中に移行する確率が異なるスロットマシンが急増しているが、遊技場に設置されたスロットマシンの大半が低い設定値に設定されており、なかなか高確やART中に移行しないといった苦情が挙がっていた。また、一部のスロットマシンでは、高い設定値に設定されていると、稀にではあるが1回のART中に1万枚以上のメダルが払い出されていることがあり、射幸心を煽っているとの声が挙がっていた。
そこで、高確やART中に移行する確率を設定値によって偏りにくくするため、高確やART中に移行するための条件となる役抽選により決定される役(当選番号)の当選確率は設定値によって同一となるように定めることとするとともに、決定された役に対応する高確やART中に移行するための移行抽選の当選確率も設定値によって同一となるように定めることとした。また、高確やART中等のATに関する特別な状態に滞在している状況が多くなり過ぎ、一連の遊技によって過度にメダルが払い出されることを防止するため、高確やART中等のATに関する特別な状態に滞在できる遊技回数に限度を定めることとした。
これらを踏まえ、高確やART中等のATに関する特別な状態とその他の状態を区分するため、本実施形態における遊技区間として「通常区間」、「有利区間」及び「待機区間」を備えている。
また、従来のスロットマシンは、ストップスイッチの押し順(および/または操作タイミング)を報知可能なAT遊技を開始するか否かを決定する抽選(以下、「AT抽選」ともいう)に当選しても、AT抽選に当選した遊技の次の遊技から所定回数の遊技が行われたことを契機として、AT抽選に当選したことを報知するものが大半であった。なぜなら、AT抽選に当選した遊技で報知すると、遊技者のAT遊技への期待感を長期間に亘って煽ることができないと考えていたからである。
このため、遊技者の中には、AT抽選に当選しているのにもかかわらず、そのことに気が付かずに(AT抽選に当選したことを報知する前に)遊技を止めてしまう者がいた。特に、初心者にその傾向が見られた。その一方で、端から自身の力でAT抽選に当選させる気がなく、所定回数の遊技だけを行うことで既にAT抽選に当選しているスロットマシンを見つけ出して遊技を行う者もいる。このような状況において、AT抽選に当選したときに遊技を行っていた者(AT抽選に当選させた者)がAT遊技を行わず、AT抽選の当選に何等寄与していない第三者がAT遊技を行うのは不条理ではないかという声があった。
このような声に応えるため、ストップスイッチの押し順(および/または操作タイミング)を報知可能な有利区間へ移行するか否かを決定する移行抽選に当選したことに気付かずに、その後の遊技を止めてしまう虞を少なくすることができるスロットマシンを提供する必要があった。そこで、本実施形態では、区間移行抽選に当選したときは、清算スイッチ33の操作が有効になる前に、有利区間ランプを点灯させるようにしている。ただし、次の遊技から有利区間ではなく、待機区間に移行させる場合は除く。
一般に、大半の遊技者は遊技をやめる際に、クレジットにメダルが残っていないか確認をする。そして、クレジットにメダルが残っていたときは、清算スイッチ33を操作することになる。したがって、遊技者が清算スイッチ33を操作する(遊技をやめる)前に、有利区間ランプを点灯させて、区間移行抽選に当選したことを報知することにより、誤って(区間移行抽選に当選していることに気が付かず)遊技をやめてしまうことを抑止できる。
また、本実施形態は、クレジット数表示器27の未使用セグメント(セグメントDP)を有利区間ランプとして利用するようにしている。これにより、遊技者がクレジットにメダルが残っていないか確認する際に、同時に区間移行抽選に当選しているか否かを確認できるようになっている。さらに、クレジット数表示器27の未使用セグメントを利用することで、別途LEDを設ける必要がなく、コストが増えることもない。
なお、有利区間ランプとして、獲得枚数表示器28の8セグメント表示器におけるセグメントDPを使用してもよい。この場合、獲得枚数表示器28をクレジット数表示器27と横並び、または上下に並べて設けることが好ましい。これにより、遊技者がクレジットにメダルが残っていないか確認する際に、同時に区間移行抽選に当選しているか否かを確認できるようになるからである。さらに、獲得枚数表示器28を決定スイッチ39の近傍に設け、通常区間から有利区間へ移行することを決定した際は、決定スイッチ39の操作が有効になる前に有利区間ランプを点灯させることが好ましい。これにより、例えば1遊技の終了後(メダルの払い出しがない場合はすべてのリールの停止後であり、メダルの払い出しがある場合は払い出し後)や非遊技中に決定スイッチ39が操作されると、遊技履歴画面や二次元コード画面を画像表示装置70に表示するスロットマシン10では、遊技者が有利区間ランプの点灯を見落としにくくなる。
具体的には、1遊技の終了後や非遊技中に決定スイッチ39が操作されると、メニュー画面を画像表示装置70に表示する。そして、メニュー画面が表示されている状況下では、選択スイッチ38の操作により、遊技履歴画面、パスワード入力するためのパスワード入力画面、二次元コード画面のうち、次にどの画面を表示するか選択可能となっている。すなわち、遊技者は、遊技を終えるときに、遊技履歴を確認するため、または携帯端末に備わっている二次元コードリーダーを起動させ、二次元コードを取得するため、決定スイッチ39を操作することになる。
そして、獲得枚数表示器28を決定スイッチ39の近傍に設けていることにより、決定スイッチ39を操作する際に、その視界には獲得枚数表示器28が入っているため、有利区間ランプが点灯していれば、点灯に気づかないことは稀であると言える。すなわち、次の遊技から有利区間に移行することに気付かず遊技を終えてしまうことを抑制することができる。もちろん、クレジット数表示器27のセグメントDPを、有利区間ランプとして使用する場合も、クレジット数表示器27は決定スイッチ39の近傍に設け、通常区間から有利区間へ移行することが決定した際は、決定スイッチ39の操作が有効になる前に有利区間ランプを点灯させることが好ましい。
なお、前述した待機区間は、本来は「有利区間」に移行すべきであるが、「有利区間」に移行させてしまうと不都合な事象が発生してしまう可能性があるため、「有利区間」へ移行させることを猶予されている遊技区間といえる。したがって、待機区間に滞在しているときは、有利区間ランプを点灯させなくてもよい。ここで、不都合な事象とは、有利区間ランプを点灯させることで、当選番号が意図しないタイミングで判別できてしまう(ボーナス役が当選しているか否かを最終的に報知する連続演出の実行中に、有利区間ランプが点灯することでボーナス役に当選していることが判別できてしまい、実行中の連続演出が無駄になってしまう)ことなどである。また、不都合な事象が発生する可能性がなければ、「待機区間」に移行させることなく、「有利区間」に移行させてもよい。本実施形態では、再遊技‐Fが1BBと共に当選役として決定された場合に、区間移行抽選に当選したときは、「待機区間」に移行させるようにしている。このときに、「待機区間」に移行させないと、再遊技03が揃ったときに、有利区間ランプが点灯すれば、1BBに当選したと判別できてしまうからである。
遊技区間制御手段125は、遊技区間の移行や有利区間内の性能の変更(移行)を制御する。遊技区間の種類(通常区間または有利区間)および有利区間の性能は、遊技状態番号に基づいて管理している。すなわち、図13に示すように、通常区間には遊技状態番号0が対応付けられ、有利区間には性能に応じて遊技状態番号1〜6が対応付けられている。有利区間の性能には「ガセ前兆」(遊技状態番号1)、「ART前兆」(遊技状態番号2)、「ART準備」(遊技状態番号3)、「ART中」(遊技状態番号4)、「復活」(遊技状態番号5)、および、「エンディング状態」(遊技状態番号6)がある。
遊技区間の初期状態は通常区間(遊技状態番号0)であり、通常区間において、役抽選で入賞D〜Lのいずれかに当選すると、区間移行抽選(ART抽選)が行われる。この区間移行抽選は、遊技区間の移行先を決定するための抽選であり、通常区間を維持(ハズレ)、ガセ前兆(遊技状態番号1)、またはART前兆(遊技状態番号2)のいずれかが決定される。各移行先が選択される確率は適宜定めればよいが、例えば、ハズレ、ガセ前兆、ART前兆の順に当選確率を高く設定してもよい。そして、区間移行抽選でガセ前兆への移行が決定された場合はガセ前兆に移行し(図13の矢印ア参照)、ART前兆への移行が決定された場合(ART抽選に当選)はART前兆に移行する(図13の矢印イ参照)。
ここで、ガセ前兆およびART前兆に滞在中に、役抽選で入賞−B1〜B3のいずれかが当選すると、入賞01の図柄組合せが揃うこととなる押し順を報知する(指示番号等を表示する)。
ガセ前兆において、所定ゲーム数(ここでは9ゲームとする)が行われると、通常区間へ移行する(図13の矢印ウ参照)。ただし、ガセ前兆に滞在しているときに、入賞−B1〜B3が当選せず、9枚役(入賞01)が入賞する押し順(9枚役の正解押し順)を一度も報知していなかった場合は、ガセ前兆に滞在し続ける。そして、入賞−B1〜B3が当選して、9枚役の正解押し順が報知されると通常区間へ移行して、次の遊技から通常区間で遊技が行われる。
なお、ガセ前兆は、所定ゲーム数が行われると、次のゲームから転落抽選を行い、その転落抽選に当選すると、通常区間へ移行するものであってもよく、その場合も、入賞−B1〜B3が当選せず、正解押し順が一度も報知されていなければ、転落抽選に当選していても、ガセ前兆に滞在し続け、正解押し順が報知されると通常区間へ移行する。このように、ガセ前兆において通常区間へ移行する条件(所定ゲーム数の消化や転落抽選に当選等)を満たしているにも関わらず、9枚役の正解押し順が一度も報知されていないために、有利区間(この場合、ガセ前兆)に留まっている状態を「ナビ待ち」または「指示待ち」という。
また、ガセ前兆において、役抽選で再遊技−A1〜A6、B1〜B6、C、E〜H、および、入賞−A1〜A6、B1〜B6、D〜Lのいずれかが当選すると、性能移行抽選の一種である昇格抽選を行い、この昇格抽選に当選するとART前兆へ移行する(図13の矢印エ参照)。ここで、昇格抽選の当選確率を、当選役の種類に応じて異ならせてもよい。また、ガセ前兆に滞在しているときにRT3へ移行したときや、RT3に滞在している状態でガセ前兆へ移行したときは、ART準備(遊技状態番号3)へ移行する(図13の矢印カ参照)。また、ART前兆において、所定ゲーム数が行われるとART準備へ移行する(図13の矢印オ参照)。
ART準備において、役抽選で再遊技−A1〜A6のいずれかに当選したときや、RT2に滞在している状態で、ガセ前兆またはART前兆からART準備へ移行したときは、ART中(遊技状態番号4)へ移行する(図13の矢印キ参照)。なお、ART準備およびART中において、役抽選で入賞−A1〜A6およびB1〜B3のいずれかが当選したときは、入賞01の図柄組合せが揃うこととなる押し順(9枚役の正解押し順)を報知する。また、ART中の滞在中に行われる遊技をART遊技といい、ART遊技は、基本的に50ゲームを1セットとして実行される。
ART遊技中に、役抽選で図9〜図11に示した各種当選役のうち、設定差の無い当選役が当選したときは、性能移行抽選の一種であるARTストック抽選または上乗せ抽選を行う。そして、ARTストック抽選に当選したときは、主制御手段100のRWM内の所定記憶領域に記憶されているARTストックの数を1つ加算する。ここで、ARTストックは、1セットのART遊技を行うことができる権利ということができ、1セットのART遊技が終了するときに、記憶されているARTストックの数が1以上であれば、ARTストックの値を1つ減算して、引き続きもう1セットのART遊技を行うことができる。このように、ART遊技が引き続き行われることを、「連チャン」という。
また、上乗せ抽選は、1セット中の残りのゲーム数に加算する上乗せゲーム数を決定するための抽選である。上乗せ抽選は、抽選によって上乗せするゲーム数の値を直接的に決定してもよいし、予め定められた上乗せゲーム数のうち、いずれかを抽選で選択してもよい。また、抽選結果として上乗せゲーム数の値が0の場合があってもよく、上乗せゲーム数が0に決定された場合は、ハズレとして残りのARTゲーム数に上乗せゲーム数を加算しなくてもよい。なお、上乗せゲーム数が0に決定されたときも、上乗せゲーム数が0以外に決定されたときと同様、残りのゲーム数に加算する処理を行うようにしてもよい。このようにすることで、決定された上乗せゲーム数が0か否かを判断して、0だっだ場合は加算する処理を回避する、といった処理を行わなくて済むため、処理負荷を軽減することができる。
ART中において、残りのARTゲーム数が所定値になると、副制御手段200はバトル演出を行う。このバトル演出は、例えば画像表示装置70に表示された二人のキャラクタが対戦し、バトル演出の最後に一方のキャラクタが勝利(他方のキャラクタが敗北)した場合はART遊技の連チャンが確定していることを意味し、他方のキャラクタが勝利(一方のキャラクタが敗北)した場合は、ART遊技は連チャンせず、通常区間へ移行する可能性があることを意味する。バトル演出の実行期間は、残りARTゲーム数が所定値(ただし2以上)になってからART遊技の最終ゲームまでの複数のゲームに亘って行ってもよいし、ART遊技の最後の遊技が開始してから終了するまでの1ゲームで行うようにしてもよい。
ART遊技の連チャンが確定している場合(ARTストックの数が1以上である場合)でも、バトル演出の最後に一方のキャラクタが敗北するバトル演出を行い、その次の遊技で一方のキャラクタが逆転勝利するという復活演出を行う場合がある。復活演出を行うか否かは、主制御手段100によって抽選(復活演出抽選)で決定される。復活演出抽選の結果は副制御手段200にも送信され、復活演出を行うことが決定された場合は、副制御手段200によって復活演出が実行される(詳しくは後述する)。
ART中において、残りのARTゲーム数が0になったときに、ARTストックの数が0だった場合、または、ARTストックの数は1以上あるが、復活演出抽選に当選した場合は、復活(遊技状態番号5)へ移行する(図13の矢印ク参照)。なお、残りのARTゲーム数が0になったときに、ARTストックの数が1以上あり、かつ、復活演出抽選に当選しなかった場合は、そのままART中に滞在し、引き続き次の1セットのART遊技を開始する。なお、復活演出抽選は、残りのARTゲーム数が0になったときに行ってもよいし、バトル演出を開始するとき(残りのARTゲーム数が所定値になったとき)に行ってもよい。
復活の滞在期間は1ゲームであり、このときに副制御手段200によって復活演出が行われる(ただし、復活演出を行うことが決定されている場合に限る)。また、復活においては、役抽選で入賞−A1〜A6およびB1〜B3のいずれかが当選したときに、入賞01の図柄組合せが揃うこととなる押し順を報知する。そして、復活において1ゲームが行われたときに、ARTストック数が1以上ある場合は、再びART中へ移行する(図13の矢印ケ参照)。このとき、復活演出の内容は、一方のキャラクタの逆転勝利となる。
これに対して、ARTストック数が0だった場合は通常区間(遊技状態番号0)へ移行し(図13の矢印コ参照)、このときは、例えば、ART準備またはART中に移行してから現在に至るまでに獲得したメダルの枚数(払い出されたメダルの枚数から賭けられたメダルの枚数を減算した枚数)などを表したART終了画面の表示が、画像表示装置70において行われる。ただし、有利区間に移行してから通常区間に移行するまでに、入賞−A1〜A6および入賞−B1〜B3が当選せず、9枚役の正解押し順が一度も報知されていなかった場合は、復活に滞在し続ける。そして、入賞−B1〜B3が当選し、9枚役の正解押し順が報知されると、通常区間へ移行して次の遊技から通常区間で遊技が行われる。
すなわち、復活においても、通常区間へ移行する条件(ARTゲーム数の消化かつストック無し)を満たしているにも関わらず、有利区間へ移行してから9枚役の正解押し順が一度も報知されていない場合は、ガセ前兆と同様に、ナビ待ちの状態となる。以下、ガセ前兆でナビ待ちの状態を「ガセ前兆(ナビ待ち)」と表記し、復活中でナビ待ちの状態を「復活(ナビ待ち)」と表記する。なお、復活において、ARTゲーム数の消化かつストックが無かった場合は、復活(ナビ待ち)状態とならずに、再びガセ前兆(遊技状態番号1)へ移行するようにしてもよい。
上述したガセ前兆、ART前兆、ART準備、ART中、および復活のいずれかに滞在しているときに、通常区間から有利区間へ移行してから1450ゲームが行われると、次の遊技からエンディング状態(遊技状態番号6)へ移行する(図13の矢印サ参照)。このエンディング状態では、エンディング演出が実行される。このエンディング演出では、画像表示装置70の画面左上に、有利区間に滞在することができる残りゲーム数が表示される。表示された残りゲーム数は、1ゲームが行われる毎に1ずつ減っていく。
また、エンディング状態においては、役抽選で入賞−A1〜A6およびB1〜B3のいずれかが当選したときに、9枚役の正解押し順を報知する。そして、エンディング状態において、有利区間へ移行してから行われたゲーム数が1500ゲームになると、画像表示装置70にエンディング画面(現在に至るまでに獲得したメダルの枚数(払い出されたメダルの枚数から賭けられたメダルの枚数を減算した枚数)などを表した終了画面)を表示してから通常区間(遊技状態番号0)へ移行する(図13の矢印シ参照)。そして、通常区間における演出を開始する。
上述した有利区間中の各遊技状態番号(換言すると「性能」)において、ART中は役抽選で入賞−A1〜A6およびB1〜B3のいずれかが当選したときに、入賞01の図柄組合せが揃うこととなる押し順を報知している。これは、本実施形態においては、ART中により多くのメダルが払い出されるようにして、ART中が遊技者に最も有利な状態と位置付けているためである。
また、ART準備においても、役抽選で入賞−A1〜A6およびB1〜B3のいずれかが当選したときに、9枚役の正解押し順を報知している。ART準備は、ART中へ移行することが確定しており(換言すると、ART中やエンディング状態以外の移行先が存在しない)、ART準備も実質的にART中の一部ということができるにも関わらず、メダルの払出枚数をART中よりも少なくしてしまうのは遊技者に酷であるという考えによるものである。
さらに、エンディング状態においても、役抽選で入賞−A1〜A6およびB1〜B3のいずれかが当選したときに、入賞01の図柄組合せが揃うこととなる押し順を報知している。エンディング状態は、基本的にはART中に移行した後、ARTストック抽選や上乗せ抽選に当選し続けた結果、有利区間へ移行してから1450ゲームとなったときに移行するものであり、実質的にART中の一部ということができる。また、ガセ前兆に移行した後、入賞−B1〜B3が当選しなかったため、エンディング状態に移行することもあり、その場合は、遊技者の興趣が低下しないようエンディング状態ではできるだけメダルが払い出される機会を増やそうという考えによるものでもある。
なお、復活においても、役抽選で入賞−A1〜A6およびB1〜B3のいずれかが当選したときに、9枚役の正解押し順を報知している。復活も、実質的にART中の一部であるからである。
これに対して、ガセ前兆およびART前兆においては、役抽選で入賞−B1〜B3のいずれかが当選したときだけ、9枚役の正解押し順を報知している。これは、上述したように、本実施形態においては、ART中(実質的にART中の一部であるものも含む)により多くのメダルが払い出されるようにしており、ガセ前兆(ART抽選に当選したわけではない)では多くのメダルが払い出されることは好ましくないと考えている(ガセ前兆でも多くのメダルが払い出されるようにしてしまうと、販売するための基準を満たすためにART抽選に当選する確率を低くしなければならないためである)。しかし、ガセ前兆も有利区間であるため、ならば少なくとも一度は押し順が報知されるべきだろうという考えの下、押し順を報知することにしている。
しかしながら、入賞−A1〜A6が当選したときに、9枚役の正解押し順を報知してしまうと、押し順を報知しない通常区間(ガセ前兆と同様、ART抽選に当選したわけではない)と比べ、滞在中のメダルの払出枚数に大きな差が生じてしまう虞があった。そこで、ガセ前兆においては、役抽選で入賞−B1〜B3のいずれかが当選したときだけ、9枚役の正解押し順を報知するようにし、通常区間と比べ、滞在中のメダルの払出枚数に大きな差が生じないようにした。
入賞−B1〜B3はストップスイッチの全押し順(6通り)のうち4通り(入賞−A1〜A6は2通り)が9枚役の正解押し順に設定されている。したがって、押し順が報知されなくても2/3(入賞−A1〜A6は1/3)の確率で9枚役が入賞することから、押し順報知の有無によるメダルの払出枚数の差を少なくすることができる(入賞−A1〜A6は押し順報知の有無によるメダルの払出枚数の差が大きくなる)。ART前兆は、ART準備と同じくART中へ移行することが確定しており、実質的にART中の一部ということができる。しかしながら、ART前兆において、入賞−A1〜A6およびB1〜B3のいずれかが当選したときに、9枚役の正解押し順を報知してしまうと、ガセ前兆のとき比べて、押し順が報知される機会が極端に多くなる。このため、画像表示装置70において、ガセ前兆とART前兆が判別できないような演出を行っていたとしても、遊技者がいずれであるか判別できてしまう虞があるため、入賞−A1〜A6のいずれかが当選したときは、押し順の報知を行わないようにしている。
前述したように本実施形態では、通常区間からガセ前兆へ移行した後、そのガセ前兆から通常区間へ移行させるには、その間に少なくとも一度は入賞−B1〜B3のいずれかが当選したときに9枚役の正解押し順を報知していることを必要としている。しかし、通常区間からART前兆へ移行した後、ART準備およびART中を経由して移行した復活から通常区間へ移行させるには、その間に一度も入賞−B1〜B3が当選していなくても、ART準備またはART中に入賞−A1〜A6のいずれかが当選し、9枚役の正解押し順を報知していればよいものとしている。これは、入賞−A1〜A6のいずれかに当選する確率よりも、入賞−B1〜B3のいずれかに当選する確率の方が低いため、有利区間から通常区間へ移行するときは、必ず有利区間中に入賞−B1〜B3のいずれかが当選したときに押し順を報知していることを必要とするとしてしまうと、なかなか有利区間から通常区間へ移行させることができなくなってしまう虞があるからである。
また、ガセ前兆、ガセ前兆(ナビ待ち)、ART前兆や復活(ナビ待ち)においては、入賞−A1〜A6のいずれかが当選したときに、9枚役の正解押し順の報知が行われないため、仮にRT2に滞在していても、すぐにRT1へ移行することになる。
なお、本実施形態では、入賞−A1〜A6が当選したときに払い出されるメダルの最大枚数と、入賞−B1〜B3が当選したときに払い出されるメダルの最大枚数とは、同じ9枚となっているが、両者のメダル払出枚数に違い設ける場合は、ART抽選に当選したわけではない状態では多くのメダルが払い出されることは好ましくないと考えるのならば、入賞−B1〜B3(すなわち、正解押し順の確率が高い当選役)が当選したときに払い出されるメダルの最大枚数を増やす方が望ましい。
そして、有利区間中において、入賞−B1〜B3のいずれかが決定されたときに少なくとも1回は最大枚数の図柄組合せが揃う押し順が報知されなければ、通常区間へ移行させることがないようにすることが望ましい。なかなか有利区間から通常区間へ移行させることができなくなってしまうことを問題視するのならば、入賞−A1〜A6が当選したときに払い出されるメダルの最大枚数を増やす方が望ましい。有利区間中において、入賞−A1〜A6のいずれかが決定されたときに少なくとも1回は最大枚数の図柄組合せが揃う押し順が報知されなければ、通常区間へ移行させることがないようにすることが望ましい。
また、通常区間、ガセ前兆、ART前兆、ART準備、ART中および復活において、1BB役に当選したときは、1BB役が入賞するまで他の遊技状態へ移行するための処理が中断し、現在滞在している遊技状態番号が維持されるものとする。1BB遊技が終了するまで、滞在している遊技状態番号が維持されるものとしてもよい。作動状態フラグおよび役物当選番号によって、遊技中の状態を把握することができるので、専用の遊技状態番号を設けなくてもよいからである。例えば、ガセ前兆、ART前兆、またはART中において、ボーナス役が当選したとき(役物当選番号が1であるとき)は、専用の遊技状態番号に移行させなくとも、各ゲーム数の減算、昇格抽選、転落抽選、ARTストック抽選、上乗せ抽選を行わないようにすることができるからである。
なお、遊技状態番号1〜6の何れかの状態にいることは、有利区間ランプを視認することによって可能である。したがって、翌朝、有利区間中の状態から遊技場の営業を開始させたくない場合には、スタッフが有利区間ランプを確認し、設定値を変更するための操作をすればよい。
なお、従来のスロットマシンには有利区間ランプに相当するようなランプが備えられていなかったため、現在の状態が遊技者にとって有利な状態なのか否か(例えば、ART前兆であるか否か)をスタッフが判別できず、同じ設定値を翌日も使いたい場合であっても、すべてのスロットマシンのRWMを初期化することによって、翌朝、有利な状態から開始されることを防止していた。これに対して、本実施形態は、有利区間ランプを備えることで、同じ設定値(設定値データ)を翌日も使いたい場合において、有利区間ランプが消灯している場合は設定値を変更するための操作を行う必要がないことが分かるため、スタッフの作業の手間を省くことができる。本実施形態では、通常区間で遊技している遊技数が特定の遊技数(例えば1000ゲーム)に達したことに基づいて有利区間へ移行とするような機能(所謂、従来の天井機能)を設けていないため、通常区間において、どの遊技数から遊技を始めても遊技者にとって有利度が変わることはない。
また、図11の「性能移行抽選」欄において「○」で示すように、入賞−A1〜A6およびB1〜B3は、非RTおよびRT1〜RT4のときに当選する可能性があり、当選確率に設定差が設けられていないため、これらの役が、有利区間に滞在しているときに当選役に決定されたときは、主制御手段100において性能移行抽選が行われるようにしている(RT4中は除く)。なお、区間移行抽選も行うようにしてもよいし、性能移行抽選を行わず、区間移行抽選のみを行うようにしてもよい。これに対して、入賞−Cも非RTおよびRT1〜RT4のときに当選する可能性があるが、当選確率に設定差が設けられているため、図11の「区間移行抽選」および「性能移行抽選」欄において「×」で示すように、入賞−Cが当選した場合は区間移行抽選および性能移行抽選を行わない。
また、入賞−D〜Lは、役抽選の当選確率に設定差が設けられていないため、通常区間に滞在しているときに入賞−D〜Lの何れかが当選した場合、主制御手段100は区間移行抽選を行い、有利区間に滞在しているときは性能移行抽選を行うようにしている。なお、性能移行抽選を行わず、区間移行抽選のみを行うようにしてもよいし、区間移行抽選を行わず、性能移行抽選のみを行うようにしてもよい。また、有利区間に滞在しているときに入賞−M,Nが当選した場合は、役抽選の当選確率に設定差が設けられていないため、主制御手段100において性能移行抽選が行われるようにしてもよい。
(フリーズ制御手段の説明)
図8において、フリーズ制御手段130は、有利区間中に行われた遊技が1500ゲームに到達したことによって有利区間の終了条件が成立し、次の遊技から通常区間となる場合に、遊技の進行を遅延させるフリーズ制御を実行する。ただし、有利区間中に実行されたゲーム数が1500ゲームに達したときにボーナス遊技中であり、かつ、ボーナス遊技の終了条件が満たされていないときは、その時点で遊技の進行を遅延させるフリーズ制御を実行せず、ボーナス遊技は継続して行われる。このように、有利区間中に実行されたゲーム数が1500ゲームに達したときにボーナス遊技中であった場合は、有利区間中に行われた遊技が1500ゲームに到達した時点ではフリーズ制御を実行せず、ボーナス遊技が終了したときにフリーズ制御を実行する。
従来のスロットマシンは、ART遊技に対して制限が設けられていなかったため、1回のART中に何万枚ものメダルが払出されることも、少なからずあり、射幸性が高すぎるのではないという意見があった。そこで、本実施形態では、有利区間における遊技回数の上限を1500ゲームとすることで、射幸性が高くなりすぎないようにしている。また、フリーズ制御手段130は、有利区間で1500ゲームの遊技を行ったときにフリーズを行うようにしている。これにより、このフリーズ中に、有利区間中の総遊技回数や総獲得枚数等(特に、ART中(ART準備、復活、エンディング状態を含んでも、含まなくてもよい)の総遊技回数や総獲得枚数、ARTの総セット数など)の表示することが可能となる。
ただし、有利区間であるボーナス遊技中に1500ゲーム目に達したときは、フリーズ制御手段130は、フリーズ制御を行わないようにしている。したがって、上述した有利区間中の総遊技回数や総獲得枚数等を表示することはない。これは、ボーナス遊技の途中にフリーズ制御を行ってしまうと、ボーナス遊技中の爽快感を削いでしまう可能性があるからである。また、ボーナス遊技が終了したときにフリーズ制御を行うようにしている。これにより、このフリーズ中に、ボーナス遊技中の総遊技回数や総獲得枚数を表示することが可能となる。
なお、有利区間であるボーナス遊技中に1500ゲーム目に達したときは、ボーナス遊技が終了したときのフリーズ中に、有利区間中の総遊技回数や総獲得枚数等(特に、ART中(ART準備、復活、エンディング状態を含んでも、含まなくてもよい)の総遊技回数や総獲得枚数、ATの総セット数)を表示してもよい。さらに、有利区間中の総遊技回数や総獲得枚数等に、1500ゲーム目に到達後の通常区間中のボーナス遊技の総遊技回数や総獲得枚数を加算して表示してもよい。
(報知遊技制御手段の説明)
報知遊技制御手段135は、前述した有利区間に移行した場合(有利区間中のとき)には、当選役に応じて報知する押し順を決定し、報知することが可能となる。押し順の報知は、指示番号という数値を図1に示した獲得枚数表示器28に表示することによって行われる。具体的には、指示番号1は左→中→右(順押し)の押し順(押し順1)に対応し、指示番号2は左→右→中(ハサミ押し)の押し順(押し順2)に対応し、指示番号3は中→左→右(順中押し)の押し順(押し順3)に対応し、指示番号4は中→右→左(逆中押し)の押し順(押し順4)に対応し、指示番号5は右→左→中(逆ハサミ押し)の押し順(押し順5)に対応し、指示番号6は右→中→左(逆押し)の押し順(押し順6)に対応し、指示番号7は左→中または右→中または右の残りの押し順(押し順7)に対応し、指示番号8は中→左または右→左または右の残りの押し順(押し順8)に対応し、指示番号9は右→中または左→中または左の残りの押し順(押し順9)に対応している。また、報知遊技制御手段135によって押し順を報知しない場合には、特定の押し順を表さない指示番号0が定められている。
獲得枚数表示器28に指示番号を表示するときは、獲得枚数表示器28の十の位(以下、「上位桁」ともいう)の8セグメント表示器に「=」を表示し、一の位(以下、「下位桁」ともいう)の8セグメント表示器に指示番号を表示する。本実施形態では、獲得枚数表示器28を、メダルの払出枚数の表示と、エラーコードの表示(後述する)と、指示番号の表示とに兼用しているため、指示番号を表示する際には、メダルの払出枚数およびエラーコードを表示するときには表示されない「=」を表示することで、表示されている情報の種類を遊技者が判断できるようにしている。なお、獲得枚数表示器28の上位桁は、無表示としてもよい。
なお、指示番号の表示態様として、指示番号0のときは「=0」を表示するようにしているが、無表示としてもよい。また、指示番号の表示態様としては、獲得枚数表示器28の上位桁に指示番号を表示し、下位桁は無表示としてもよい。ここで、無表示の態様としては、8セグメント表示器の全セグメント消灯させることなどが考えられる。また、無表示の代わりに「=」を表示してもよい。さらに、指示番号を獲得枚数表示器28の上位桁に表示し、現に操作すべきストップスイッチを示す番号(例えば、左ストップスイッチ37は1番(「1」)、中ストップスイッチ37Cは2番(「2」)、右ストップスイッチ37は3番(「3」))を下位桁に順次表示するようにしてもよい。
図14を参照して、有利区間における各遊技状態(遊技状態番号)において、正解押し順が報知されることとなる押し順役の種類について説明する。ART準備(遊技状態番号3)およびART中(遊技状態番号4)は、有利区間の中では1BB遊技と並んで有利な状態であり、正解押し順が報知される押し順役は、入賞−A1〜A6、入賞−B1〜B3、再遊技−A1〜A6、再遊技−B1〜B3となる。
また、入賞−A1〜A6および入賞−B1〜B3が当選したときに報知される正解押し順は、入賞01(9枚役)の図柄組合せが揃う押し順となる。正解押し順の報知態様は、入賞−A1〜A6の何れかが当選した場合、第1停止操作を行うべきストップスイッチの種類(左、中、右のいずれか1つ)を示すものである。また、前述したように、入賞−B1〜B3は、入賞01の図柄組合せが揃うこととなる押し順(第1停止操作を行うべきストップスイッチの種類)が各々2通りあるが、このうち正解押し順として報知される第1停止操作を行うべきストップスイッチの種類は一方のみである。これは、入賞−B1〜B3が当選したときも、正解押し順の報知態様を入賞−A1〜A6と同様にすることで、どちらの小役が当選したのか遊技者が判別できないようにするためである。
なお、入賞−B1〜B3が当選したときに、2通りある正解押し順のうちどちらを報知するのかについては、入賞・再遊技当選番号に応じて予め定めておいてもよいし、抽選によって決めてもよい。ただし、抽選によって報知する押し順を決定する場合は、2通りある正解押し順から一方を選択する確率は均等であることが望ましい。もちろん、2通りある正解押し順を遊技者にすべて報知するようにしてもよい。また、再遊技−B1〜B3、入賞−A1〜A6および入賞−B1〜B3が当選したときに、押し順7〜押し順9のいずれかではなく、押し順1〜押し順6のいずれかで報知してもよい。いずれを報知するのかについては、入賞・再遊技当選番号に応じて予め定めておいてもよいし、抽選によって決めてもよい。正解押し順の報知態様を再遊技−A1〜A6と同様にすることで、どの役が当選したのか遊技者が判別できないようにするためである。
また、RT1に滞在しているときに再遊技−A1〜A6が当選したときは、再遊技04の図柄組合せが揃う押し順が正解押し順として報知され、これにより、再遊技04の図柄組合せが揃ったときは、抽選状態がRT2へ移行(昇格)する。RT2に滞在しているときに再遊技−B1〜B3が当選したときは、再遊技02の図柄組合せが揃う押し順が正解押し順として報知される。これにより、正解押し順に従ってストップスイッチ37L,37C,37Rが操作された場合は、再遊技01の図柄組合せが揃わずに、再遊技02の図柄組合せが揃い、抽選状態がRT2のまま維持(転落回避)される。
復活(遊技状態番号5)およびエンディング状態(遊技状態番号6)においても、入賞−A1〜A6、入賞−B1〜B3、再遊技−A1〜A6および再遊技−B1〜B3のいずれかが当選すると、ART準備およびART中と同様に正解押し順が報知される。本実施形態のスロットマシンでは、遊技者の射幸心を著しく煽らないようにするため、想定以上にARTスクトック数が蓄積されてART遊技がどんなに連チャンしたとしても、有利区間において1500ゲームが行われると、強制的に通常区間へ移行するようになっている。そこで、ART遊技が連チャンしているときに、有利区間へ移行してから行われたゲーム数が1450ゲームに達すると、エンディング状態へ移行して、エンディング演出を開始することで、有利区間が終了する(有利区間から通常区間へ移行する)時期が近づいていることを知らせている。したがって、この場合、ART遊技が継続しているときにエンディング状態へ移行したのであるから、正解押し順の報知についてもART中と同様であるべきである。なお、エンディング演出には、有利区間へ移行してから1500ゲームに達するまでART遊技が連チャンしたことに対して、遊技者の満足度や達成感を高める目的もある。
また、可能性としては低いが、有利区間へ移行してから1450ゲームが行われても、一度も9枚役の図柄組合せが揃う押し順が報知されなかった場合も、エンディング状態へ移行する。この場合、有利区間へ移行してしてから一度も9枚役の図柄組合せが揃う押し順が報知されることなく、通常区間へ移行してしまうのは、遊技者にとって酷である。したがって、せめて1451〜1500ゲームまでの50ゲームの間は、ART中と同様に遊技者に有利な状態の遊技を提供する、という救済的な意味合いも有する。
図14に戻り、ガセ前兆、ガセ前兆(ナビ待ち)(遊技状態番号1)、ART前兆(遊技状態番号2)および復活(ナビ待ち)(遊技状態番号5)では、前述したように、正解押し順が報知される押し順役が入賞−B1〜B3のみとなる。なお、入賞−B1〜B3が当選したときの正解押し順の報知態様は、ART準備、ART中およびエンディング状態において入賞−B1〜B3が当選したときと同様である。
また、復活(ナビ待ち)の状態では、ART遊技の終了条件を満たしている(ARTゲーム数を消化し、ARTのストックもない)ため、画像表示表示70などにおいて、ART遊技が終了して(ART終了画面の表示が終了して)通常区間と同様の演出が行われている(ただし有利区間LEDは点灯し続けている)。したがって、この状態で通常の復活と同様の押し順報知を行ってしまうと、遊技者に違和感を与える虞がある、という観点からも入賞−B1〜B3が当選したときに限って正解押し順の報知を行うようにしている。
なお、復活(ナビ待ち)において、設定差の無い特定の当選役が当選したときにARTストック抽選を行い、当選したときには再びART遊技を開始してもよい(ART中に移行してもよい)。このとき、ARTストックの当選確率は、ART遊技を所定のARTゲーム数の間、行ったのであるから(ART遊技の終了条件を満たしているのであるから)、その後もART遊技中と同等の条件でARTストック抽選を行うのは妥当ではないという観点から、ART遊技中に行うARTストック抽選よりも当選確率を低くしてもよい。一方、復活(ナビ待ち)になるということは、それまで9枚役の正解押し順が一度も報知されなかったということであるから、遊技者に対する救済措置の観点から、ARTストックの当選確率を、ART遊技中に行うARTストック抽選と同等またはそれよりも高くしてもよい。
(入賞判定手段の説明)
図8に戻り、入賞判定手段140は、リール40L,40C,40Rがすべて停止すると、入賞ライン上に停止表示された図柄組合せが、図9〜図11に示した図柄組合せのいずれかに対応するか否かを判定する。これにより、1BB役が入賞したと判定された場合は、次の遊技から1BB遊技が開始され、再遊技役が入賞したと判定された場合は、次の遊技で再遊技が行われ、小役が入賞した場合は、入賞した小役に対応する枚数のメダルが払い出される。ここで、メダルの払い出しは、クレジット枚数の上限値(例えば50枚)に達するまでは、入賞した小役に対応するメダル枚数を現在のクレジット枚数に加算し、クレジット枚数の上限(例えば50枚)に達した後は、図1に示したメダル払出口60からメダルを排出するようにしてもよい。
(異常検出手段の説明)
異常検出手段145は、非遊技中および遊技中にスロットマシン10で発生し得る異常な状態や遊技の進行の障害となる事態を検出し、検出した異常または障害(以下、まとめて「エラー」ともいう。)に対応するエラーコードを、獲得枚数表示器28に表示する。異常検出手段145が検出するエラーの種類には、電断復帰エラー、エンプティエラーおよびドア開放エラーがある。
電断復帰エラー(エラーコード:E1)は、スロットマシン10の電源をON(以下、「オン」または「投入」ともいう。)したときに、主制御手段100のRWMの内容が正常でない(例えば、電源遮断時のRWMの内容と、電源投入時のRWMの内容とが一致しない(パリティチェックエラー))ときに検出されるエラーである。出荷後、初めて電源をONしたときにも検出されるエラーである。エンプティエラー(エラーコード:CA)は、ホッパー83のメダル貯留部83aに貯留されているメダルが無くなったときに検出されるエラーである。ドア開放エラー(エラーコード:Cd)は、スロットマシン10の前面扉14が開放されているときに検出されるエラーである。これらのエラーが検出されると、検出されたエラーに対応するエラーコードが後述するLED表示制御手段150によって獲得枚数表示器28に表示される。
上述したエラーのうち、電源復帰エラーは、スロットマシン10の電源投入時に検出され得るエラーであり、エンプティエラーおよびドア開放エラーは、非遊技中(エンプティエラーは除く)および遊技中に検出され得るエラーである。また、各エラーが検出されると、主制御手段スロットマシン10は、遊技の進行が不可能な状態(以下、「遊技不可能状態」ともいう。)となるが、遊技不可能状態から遊技の進行を再開する方法(復帰する方法)は、エラーの種類に応じて異なっている。
まず、エンプティエラーまたはドア開放エラーが発生したことによって遊技不可能状態になった場合は、エラー要因が解消され、リセット/設定スイッチ82c(図2参照)を操作することによって遊技の制御処理が再開することができる。このように、エンプティエラーおよびドア開放エラーはリセット/設定スイッチ82cの操作によって遊技の制御処理を再開(復帰)させることができるため、復帰可能エラーと称する。復帰可能エラーは、ドアキー31において台鍵を反時計回りに回した場合も、遊技の制御処理が再開することができる。また、ドア開放エラーは、ドアが閉じられたことに基づいて、リセット/設定スイッチ82cの操作や台鍵を反時計回りに回すことを要することなくエラーを解除可能としてもよい。
これに対して、電源投入直後に検出され得る電断復帰エラーが発生した場合は、一旦スロットマシン10の電源をオフにして、キースイッチ82bの鍵穴に挿入した設定変更用の鍵(設定キー)を回動させオンにした状態で、電源の再投入を行う必要がある。これにより、設定変更中の状態となり、このときRWMの所定の記憶領域がクリアされる。このように、電断復帰エラーは遊技の制御処理を再開(復帰)させることができないため、復帰不可能エラーと称する。復帰不可能エラーが発生した時は、復帰時にRWMの所定記憶領域がクリアされ、クリアされた記憶領域に記憶されていた遊技に関する情報は維持されないため、初期状態から遊技が行われることになる。
(LED表示制御手段の説明)
LED表示制御手段150は、主制御手段100のROMに記憶されたLEDセグメントテーブルに基づいて、クレジット数表示器27および獲得枚数表示器28の表示制御を行う。LEDセグメントテーブルは、数字、アルファベット、記号などを8セグメント表示器に表示するために、各セグメントa〜g(図3参照)のいずれを点灯させるのかを示すデータであり、換言すると、予め8セグメント表示器の表示態様を定めているデータともいえる。
また、LED表示制御手段150は、有効区間ランプ(クレジット数表示器27の下位桁におけるセグメントDP)の点灯制御も行っている。なお、図2に示したLED29a,29b(ARTランプARTLPの光源)の点灯制御は、副制御手段200が行っている。
(制御コマンド送信手段の説明)
制御コマンド送信手段155は、主制御手段100の各部で決定された遊技に関する各種情報を副制御手段200へ送信する。主制御手段100と副制御手段200との間でやり取りされる情報は、主制御手段100から副制御手段200への一方向に限られており、副制御手段200から主制御手段100に対して何らかの情報が直接送信されることはない。主制御手段100から副制御手段200へ送信される情報は、シリアル通信によって制御コマンドによって送信される。
制御コマンドは、送信する情報の種別を示す第1制御コマンド(1バイト)と、送信する情報の内容を示す第2制御コマンド(1バイト)とで構成されている。なお、シリアル通信に限らず、パラレル通信(例えば16本のハーネス)によって制御コマンドを送信してもよい。
主制御手段100から副制御手段200へ送信される制御コマンドによって送信される情報のうち、主要なものとしては、設定値に関するもの、遊技状態に関するもの、投入されたメダルの枚数に関するもの、役抽選の結果に関するもの、遊技区間や有利区間に関するもの(有利区間における遊技回数など)、各種スイッチ操作に関するもの、リールの停止制御に関するもの、遊技の結果に関するもの、発生したエラーの種類を示すもの等がある。
遊技状態に関する情報としては、図12に示した各抽選状態(非RT、RT1〜RT4、1BB遊技)を示す情報および図13に示した各遊技状態番号などがある。また、役抽選の結果に関するものとしては、役物当選番号および演出グループ番号などがある。また、各種スイッチ操作に関するものとしては、清算スイッチ33、スタートスイッチ36およびストップスイッチ37L,37C,37Rのいずれかが操作されたことを示す情報などがある。リールの停止制御に関するものとしては、停止表示させる図柄およびいわゆる滑りコマ数を示す情報などがある。遊技の結果に関するものとしては、停止表示させた図柄や払い出すメダル枚数を示す情報などがある。
エラーの種類を示すコマンドとしては、前述した異常検出手段145によって検出される、電断復帰エラー、エンプティエラーおよびドア開放エラーなどがある。これにより、副制御手段200がエラーの種類を示すコマンドを受信すると、受信したコマンドによって示されるエラーの種類に応じた画像表示や音声を発生する。例えば、副制御手段200がドア開放エラーが発生したことを示すコマンドを受信した場合、画像表示装置70に「扉が開いています」というメッセージを表示する。
また、副制御手段200は、前面扉14が開いているときに、キースイッチ82b(図2参照)がオンにされると、管理者モードへ移行する。この管理者モードは、遊技場のスタッフによってスロットマシン10に関する各種設定が可能となるモードであり、例えば、演出中に発生する演出音の音量調整、遊技待機画面を表示しているときの装飾ランプ74L,74Rの発光色の選択、サイドランプ52L,52Rの点滅パターンのテスト、遊技者に対して遊技に関する各種情報を表示するか否かの選択が可能となる。
(外部信号送信手段の説明)
外部信号送信手段160は、主制御手段100において所定周期(2.235ミリ秒毎)で実行されるタイマ割込処理(後述する)により外部集中端子基板86を介して、前述したメダル投入信号、メダル払出信号、BB信号、および、有利区間信号等を外部へ出力する。本実施形態では、1BB役が入賞するとBB信号がオンになり、1BB遊技が終了するとBB信号がオフになる(レベル出力)。また、有利区間が開始されると、有利区間信号がオンになり、有利区間が終了するとオフ状態となる(レベル出力)。なお、有利区間のうち予め定められた性能(例えば、ART中(遊技状態番号4)など)に移行したときに、有利区間信号がオンになり、通常区間に移行したときに有利区間信号をオフにしてもよい。また、上述した各種信号の出力処理(外部信号出力処理)は、図15に示すタイマ割込処理のステップS520で実行される。
≪副制御手段の説明≫
<副制御手段およびその周辺のハードウェア構成>
副制御手段200は、副制御基板202と、画像制御基板204とを含んで構成されている。副制御基板202は、CPU、ROMおよびRWM等で構成され、主制御手段100から送信された制御コマンドに基づいて、実行する演出を制御する。画像制御基板204は、CPU、ROM、RAMおよびVDP(Video Display Processor)で構成され、副制御基板202から送信されたサブ制御コマンドに基づいて、画像表示装置70、スピーカ64L,64Rおよび演出用ランプ72などの演出手段を駆動する。なお、LED29a,29b(ARTランプARTLPの光源)などの一部の演出手段の駆動を副制御基板202が担ってもよい。
<副制御基板の機能ブロック>
副制御基板202は、主制御手段100から送信された制御コマンドに基づいて演出または報知の内容を決定し、決定した演出または報知を実行するためのサブ制御コマンドを生成する演出制御手段210と、主制御手段100から送信された制御コマンドを受信する制御コマンド受信手段220と、演出制御手段210によって生成されたサブ制御コマンドを画像制御基板204へ送信するサブ制御コマンド送受信手段230とを含んで構成されている。
(演出制御手段の説明)
演出制御手段210は、遊技に応じた演出を制御する手段であって、演出抽選手段212および演出状態制御手段214を含んで構成されている。ここで、遊技に応じた演出とは、設定値、抽選状態、遊技状態番号(遊技区間の種類および有利区間の性能を表す情報)、役抽選や遊技状態番号(遊技区間の種類および有利区間の性能)の移行抽選の結果などに応じた演出をいう。また、選択スイッチ38および決定スイッチ39からの信号に応じて遊技履歴に関する情報や、図5〜図7(b)に示した各条件装置に対応する図柄組み合わせ(以下、「配当組合せ」や「配当表」ともいう。)などを、画像表示装置70に表示する。
演出制御手段210は、主制御手段100から受信した制御コマンドと、現在の演出状態とに応じた演出を抽選によって決定する演出抽選手段212と、主制御手段100から送信された制御コマンドに基づいて演出状態の移行制御を行う演出状態制御手段214とを有している。ここで、演出状態制御手段214によって制御される演出状態は、主制御手段100における遊技状態番号0〜6に対応する演出状態(ただし、必ずしも1対1で対応していなくてよい。)を設け、遊技区間制御手段125と同様の移行制御を行ってもよい。
(制御コマンド受信手段の説明)
制御コマンド受信手段220は、主制御手段100からシリアル通信で送信された制御コマンドを受信し、受信した制御コマンドをパラレルデータに変換して、受信した順に副制御手段200が有するコマンドバッファ(例えばRWMの記憶領域の一部)に蓄積していく。これにより、演出制御手段210は、コマンドバッファに蓄積されている制御コマンドのうち、最先に蓄積された制御コマンドに基づく処理を順次行っていく。
(サブ制御コマンド送信受手段の説明)
サブ制御コマンド送受信手段230は、演出制御手段210によって生成されたサブ制御コマンドを、所定周期(例えば1ミリ秒)ごとにシリアル通信によって画像制御基板204に送信する。また、サブ制御コマンド送受信手段230は、後述するサブ制御コマンド送受信手段240から送信されたコマンドを受信する。
<画像制御基板の機能ブロック>
画像制御基板204は、サブ制御コマンド送受信手段240と、画像/サウンド出力手段240とを含み、副制御基板202から送信されたサブ制御コマンドに基づいて画像表示装置70、スピーカ64L,64Rおよび各種ランプ(ARTランプ29a,29b、サイドランプ52L,52R、演出用ランプ72、装飾ランプ74L,74R)を駆動制御し、演出制御手段210によって決定された演出を実行する。
(サブ制御コマンド送受信手段の説明)
サブ制御コマンド送受信手段240は、サブ制御コマンド送受信手段230からシリアル通信で送信されたサブ制御コマンドを受信し、受信したサブ制御コマンドをパラレルデータに変換して、受信した順に、サブコマンドバッファに蓄積していく。また、サブ制御コマンド送受信手段240は、画像制御基板204が正常に作動しているか否かを示すコマンドや、サブ制御コマンド送受信手段230から送信されたコマンドを正常に受信できたか否かを示すコマンドを、サブ制御コマンド送受信手段230に送信する。これにより、副制御基板202は、画像御基板204で発生した異常を検知することができ、画像御基板204がサブ制御コマンドの受信に失敗した場合は、そのサブ制御コマンドを再送することができる。
(画像/サウンド出力手段の説明)
画像/サウンド出力手段250は、画像制御基板204で生成された演出用の画像信号および音声信号を、画像表示装置70とスピーカ64L,64Rへ出力する。これにより、画像表示装置70には演出画像が表示され、スピーカ64L,64Rから音声が発生する。一方、画像表示装置70やスピーカ64L、64Rからは、正常に作動可能な状態であるか否かを示す正常作動信号が画像制御基板204(または副制御基板202)に対して出力される。正常作動信号が受信できない場合には、画像/音声信号を送ることなく保持してもよいし、遊技の進行に伴い破棄するようにしてもよい。
[制御手段による処理の説明]
≪主制御手段における制御処理の説明≫
以下、図15および図16に示すフローチャートを参照して、主制御手段100が実行する遊技制御の処理内容について説明する。
<遊技進行メイン処理の説明>
まず、図15に示すフローチャート参照して、スロットマシン10で実行される遊技の進行の制御を行うための遊技進行メイン処理の内容について説明する。まず、主制御手段100は、遊技開始処理を行う(ステップS10)。この遊技開始処理では、遊技待機(いわゆるデモ画面を表示する状態)になるまでの時間の設定や、副制御手段200に対して、現在の設定値、遊技状況(次の遊技が再遊技や1BB遊技中であるか否か)、現在の抽選状態、現在の遊技状態番号などの情報の送信が行われる。
次に主制御手段100は、遊技を行うためのメダルが投入されているか否かを判断する(ステップS12)。投入されたメダルがなかった場合は、判断結果がNOとなって、キースイッチ82bのオン/オフ状態に応じて現在の設定値を確認可能とする遊技メダル投入待機時表示処理を行う(ステップS14)。この遊技メダル投入待機表示処理では、キースイッチ82bがオフからオンに変化したことが検出されると、設定値の表示を開始することを示す設定値表示開始コマンドを副制御手段200へ送信するとともに、設定確認モードへ移行して、現在の設定値を獲得枚数表示器28の下位桁に表示する(上位桁は、消灯してもよいし、下位桁に設定値を表示していることを示す表示を行ってもよい)。また、設定値を表示しているときに、キースイッチ82bがオンからオフに変化したことが検出されると、現在の設定値の表示を終了して(設定値を表示する前の表示内容に戻してもよいし、消灯してもよいし、「0」を表示してもよい)、設定値の表示を終了することを示す設定値表示終了コマンドを副制御手段200へ送信する。
ステップS12の判断結果がYESになった(メダルが投入されていた)場合、または、ステップS14の処理を終えると、主制御手段100は、メダルの投入に伴う処理(遊技メダル管理処理)を行う(ステップS16)。この処理としては、例えば、清算スイッチ33が操作された場合の清算処理、メダル投入口32に投入されたメダルの検出処理などが含まれる。次に主制御手段100は、スタートスイッチ36の操作が受付可能状態になり、かつ、スタートスイッチ36が操作されたか否かを判断する(ステップS18)。ここで、スタートスイッチ36の操作は、規定数のメダルが投入された場合または前回の遊技で再遊技役が入賞した場合に受付可能状態になる。スタートスイッチ36が操作されていない場合はステップS18の判断結果がNOとなって、ステップS12の処理に戻る。
ステップS18の判断処理で、スタートスイッチ36が操作された(YES)と判断したときは、セレクタ80のブロッカをオフにして、メダル投入口32からのメダル投入を無効にする(ステップS20)。そして、現在の抽選状態に応じた役抽選テーブルに基づいて役抽選処理を行う(ステップS22)。次いで、役抽選で決定された当選番号や、現在の遊技状態番号に応じて、図13に示した遊技区間の移行制御等を行うための各種抽選(区間移行抽選、昇格抽選、転落抽選、ART抽選、ARTストック抽選、上乗せ抽選、復活演出抽選など)を行う遊技区間抽選処理を行う(ステップS24)。
次に、役抽選によって押し順役(押し順によって、払い出されるメダルの枚数が異なったり、有利な状態が維持/非維持で異なったりしない役は除く)が当選した(換言すると「当選役に決定された」)ときは、現在の遊技状態番号に応じて押し順を報知するための指示番号を獲得枚数表示器28に表示するための指示表示処理を行う(ステップS26)。そして、現在の遊技状態番号および、現在の遊技状態における遊技に関する情報(例えば、有利区間で行われたゲーム数やART中のゲーム数)などの遊技区間関連情報を副制御手段200へ送信する(ステップS28)。
次に主制御手段100は、役抽選で決定された入賞・再遊技当選番号に応じて副制御手段200で実行される演出を指示するための演出グループ番号を生成するマスク処理を行う(ステップS30)。そして、役抽選の結果に応じた役物当選番号およびマスク処理によって生成された演出グループ番号などの情報を含む役抽選関連情報を副制御手段200へ送信する(ステップS32)。次に主制御手段100は、リール40L,40C,40Rの回転を開始する前に行うリール回転開始準備処理を行った後(ステップS34)、リール停止管理処理を行う(ステップS36)。このリール停止管理処理では、リール40L,40C,40Rの回転を開始し、ストップスイッチ37L,37C,37Rが操作されると、操作されたストップスイッチに対応するリールについて停止制御を行う。
ここで、リールの停止制御は、入賞・再遊技当選番号および役物当選番号に基づいて行われる。また、ストップスイッチが操作される毎に、操作されたストップスイッチを示す情報や、操作されたストップスイッチに対応するリールの停止したことを副制御手段200へ送信する。
次に、全てのリールが停止すると、主制御手段100は、図5〜図7(b)に示した図柄組合せ(配当組合せ)のいずれかに一致するか否かを判断する表示判定処理を行い、表示判定処理の結果に基づいて、表示された図柄組合せに関する情報を副制御手段200へ送信する(ステップS38)。入賞ライン上に停止表示された図柄組合せが、小役の図柄組合せのいずれかに一致していた場合は、入賞した小役に対応するメダル払出枚数をRWMの所定記憶領域に記憶する。そして、クレジットへの加算処理またはホッパーモータ46を駆動して、メダルを払い出すための払出処理を行う(ステップS40)。また、クレジットへの加算またはメダルの払い出し開始時と、クレジットへの加算または払い出し終了時に、そのことを示す情報を副制御手段200に対して送信する。
そして、現在の抽選状態に応じて、入賞した役の種類、1BB役が当選したか否か、1BB役が入賞したか否か、1BB遊技が終了したか否かなどに基づいて、抽選状態の移行処理(図12参照)を行う(ステップS42)。また、現在の遊技状態番号に応じて、1BB役の入賞の有無、1BB遊技の終了の有無、遊技状態番号の移行に関連する各種抽選結果などに基づいて、遊技状態番号の移行処理(図13参照)を行う(ステップS44)。次に主制御手段100は、外部集中端子基板86を介して外部へ出力する各種信号のオン/オフ制御や、副制御手段200に対して遊技が終了したことを示す情報の送信制御などの処理を含む遊技終了チェック処理を行う(ステップS46)。
以上の処理によって1回の遊技が終了すると、主制御手段100は、再びステップS10の遊技開始処理に戻って次の遊技のための処理を行う。
<タイマ割込処理の説明>
次に、図16を参照して、主制御手段100において所定の周期ごとに実行されるタイマ割込処理の内容について説明する。このタイマ割込処理は、約2.235ミリ秒の周期で繰り返し実行され、各種8セグメント表示器およびLEDの表示制御処理、図8に示した操作手段300の各スイッチに対する操作の検出処理、副制御手段200に対する制御コマンドの送信処理、外部集中端子基板86に対する外部信号の出力処理、ステッピングモータ42L,42C,42Rの駆動制御処理(各種制御信号の生成および出力、乱数の値やタイマとして用いる各種カウンタ値の更新など)等の各種処理を行っている。
主制御手段100は、自己が備えるタイマカウント手段(タイマ回路)から割込要求信号(発生周期:約2.235ミリ秒)が出力されるごとに、図16に示すタイマ割込処理を開始する。ここで、タイマ割込処理が実行されると、図15の遊技進行メイン処理等において、実行していた処理の戻り番地等がスタック領域に記憶される。これにより、タイマ割込処理が終了した後に、スタック領域に記憶された戻り番地に基づいて、遊技進行メイン処理などで実行していた処理の続きから処理を開始することが可能となる。
図16のタイマ割込処理が開始されると、まず、主制御手段100は、これから実行するタイマ割込処理の初期処理を行う(ステップS500)。例えば、CPUの各レジスタにセットされていたデータをRWMのスタック領域に格納し、これから行うタイマ割込処理中に、新たなタイマ割込処理が開始されないように、割込禁止フラグをオンにする。
次に主制御手段100は、電源断検知信号に基づいて電源断(電源電圧が所定値よりも下回ったこと)が検知されたか否かを判断する(ステップS502)。この電源断検知信号は、主制御手段100が備えている電源監視回路(図示略)から出力されるものとする。電源断が検知された場合は、ステップ502の判断結果がYESとなり、電断時に行う電源断処理を行う(ステップS504)。この電源断処理では、SPレジスタ(スタックとするRWMの記憶領域のアドレスを格納しているレジスタ)の値をRWMの所定アドレス(例えば前述したスタックポインタ一時記憶領域)に記憶し、電源断処理を行ったことを示す電源断処理済みフラグをセットし、RWMの所定アドレス範囲のチェックサムを算出して、その結果に基づいた値(2の補数)をRWMの所定の記憶領域に記憶する。また、RWMへのアクセスを禁止し、外部から入力されるリセット信号の待機状態となる。
これに対して、ステップS502の判断処理で電源断が検出されなかった場合は、判断結果がNOとなり、クレジット数表示器27や獲得枚数表示器28などの表示制御を行うLED表示処理を実行する(ステップS506)。次に主制御手段100は、所定時間を計時するために汎用的に利用されるタイマの計数値を更新するタイマ計測処理を行う(ステップS508)。このタイマ計測処理では、例えば、RWMの所定記憶領域に保存された遊技待機(いわゆるデモ画面を表示する状態)になるまでの時間、最小遊技時間(4.1秒間)や、各種センサが検出している時間を減算する。最小遊技時間は、規定数のメダルが賭けられた状況でスタートスイッチ36が操作された後にセットされる時間であって、時間値として「1835」がRWMに記憶される。そして、このRWMの記憶領域に「0」が記憶されるまで、次の遊技を開始するためのスタートスイッチ36の操作があったとしても、リールを回転開始するための回転開始制御が実行されないようになっている。
また、各種センサの検出時間としては、メダル投入口32から投入されたメダルがセレクタ内で滞留(メダル詰まり)したか否かを判断するためのメダル通過時間を計測するためのタイマ値やメダルがホッパー内で滞留したか否かを判断するためのメダル通過時間等がある。また、クレジット数が上限(50枚)に達しているときに小役が入賞した場合には、小役に対応した払出し数をホッパーから払い出すが、このときメダルが払い出されていないか否かを判断するためのメダル未払い時間等がある。
次に主制御手段100は、入力ポートに入力された外部からの各種信号を読み込んでRWMの所定アドレスに各々保存する入力ポート読み込み処理を行い(ステップS510)、リール40L,40C,40Rの回転を制御するために、ステッピングモータ42L,42C,42Rの各々について、リール駆動管理処理を行う(ステップS512)。そして、全てのステッピングモータについてリール駆動管理処理を行うと(ステップS514,YES)、主制御手段100は、RWMに記憶されているデータ等に基づいて、各種表示器の表示データや、各ステッピングモータ42L,42C,42Rに対する制御信号、ブロッカ駆動信号、ホッパーモータ駆動信号などを、出力ポートから出力するポート出力処理を実行する(ステップS516)。
次に主制御手段100は、RWM内に設定されているリングバッファ領域に保存されている制御コマンドのうち、最先に保存された制御コマンドを副制御手段200へ送信する(ステップS518)。そして、外部集中端子基板86を介して外部へ出力する各種信号を出力する外部信号出力処理を行った後(ステップS520)、ステップS500の初期処理によってRWMの所定アドレス(スタック領域)に格納していた各種レジスタの値等を元に戻す復帰処理を行って(ステップS522)、図16のタイマ割込処理を終了する。
≪副制御手段における制御処理の説明≫
(メニュー画面の説明)
副制御手段200は、演出の制御に関する処理の他にも、遊技者に対して遊技に関する各種情報を提供したり、遊技者が演出の内容をカスタマイズできるようにしている。これらの情報提供や演出に関するカスタマイズは、図17に示すメニュー画面を介して行われる。この図に示すメニュー画面MPは、表示中の画面のタイトルが表示されるタイトル表示領域TDと、遊技者に提供する情報などが表示される情報表示領域INFと、表示中の画面において操作可能なボタン(具体的には選択スイッチ38および決定スイッチ39)およびその機能が表示されるスイッチ機能表示領域SFとで構成されている。
図17(a)に示すように、画像表示装置70にメニュー画面MPを表示しているときは、タイトル表示領域TDに「メニュー画面」というタイトルが表示される。また、情報表示領域INFには、遊技者が選択スイッチ38および決定スイッチ39を操作することで選択することができる複数の選択項目SIと、選択された選択項目SIの機能に関する説明文が表示される説明欄EXとが表示される。また、スイッチ機能表示領域SFには、選択スイッチ38の上下左右スイッチを操作することで選択項目SIの選択が可能であること、および、決定スイッチ39を操作することで、選択した選択項目SIの機能が実行されることが表示される。
例えば、図17(b)に示すように、図1に示した選択スイッチ38および決定スイッチ39を模式的に表したアイコンのうち、選択スイッチ38に対応する部分を白抜きで表示したアイコンA1の横に「で選択」という文言を表示することで、選択項目SIの選択は、選択スイッチ38を操作することで行うことができることを示している。また、表示したアイコンのうち決定スイッチ39に対応する部分を白抜きで表示したアイコンA2の横に「で決定」という文言を表示することで、遊技者が選択した選択項目SIの機能を実行するには決定スイッチ39を操作すればよいことを示している。
図17(a)において、情報表示領域INFに表示されている選択項目SIのうち、白抜きで示されているものが選択されており、ハッチングで示されているものは選択されていない状態を示している。ここで、図中、白抜きで表す位置を「選択位置」ともいう。メニュー画面が表示されたときの選択位置の初期位置INIは、選択項目SIの中央列の一番上の位置になっており、このときに初期位値INIにある選択項目SIは、「パスワード入力」になっている。この状態で、遊技者が選択スイッチ38の上下スイッチを操作すると、操作されたスイッチに応じて選択項目SIが上下方向にスクロールする。ここで、図17(a)には、「パスワード入力」の選択項目SIが表示されている列には、それ以外に「マイカウンター」、「二次元コード表示」および「配当表」の選択項目SIしか図示されていないが、これらに加えて、「データクリア」および「キャラクターカスタム」という選択項目SIも存在している。なお、本実施形態ではメニュー画面の初期状態として、初期位値INIを「パスワード入力」の選択項目SIにしていたが、その代わりに、いずれの選択項目SIも選択されていない状態をメニュー画面の初期状態としてもよい。
そして、選択スイッチ38の上下スイッチを操作することで、選択位置(図中、白抜きの位置)は動かないまま、「パスワード入力」、「マイカウンター」、「二次元コード表示」、「配当表」、「データクリア」および「キャラクターカスタム」という7つの選択項目SIが、上下方向へ循環的にスクロールしていく。具体的には、図17(a)の状態で選択スイッチ38の下スイッチが1回操作されると、一番下に位置する「配当表」の選択項目SIが表示されなくなり、「パスワード入力」、「マイカウンター」および「二次元コード表示」の選択項目SIが1つずつ下の表示位置にシフトする。そして、選択位置には「キャラクターカスタム」の選択項目SIが表示される。
また、図17(a)の状態で、選択スイッチ38の上スイッチが3回操作されると、一番下の表示位置にあった「配当表」の選択項目SIが選択位置までシフトし、「配当表」の選択項目SIの下側には、上から順に「データクリア」、「キャラクターカスタム」、「パスワード入力」の選択項目SIが表示されることになる(図17(c)参照)。
次に、図17(a)の状態で、選択スイッチ38の左スイッチが操作されると、選択位置が「会員登録」の選択項目SIへ移動する。以後、選択スイッチ38の上スイッチまたは下スイッチが操作されるごとに、選択位置が「音量設定」または「会員登録」の選択項目SIの表示位置に、交互に移動する。さらに、選択位置が「音量設定」および「会員登録」のいずれかの表示位置にあるときに、選択スイッチ38の右スイッチが操作されると、選択位置が初期位値INIに戻り、左スイッチが操作されると、選択位置が「終了」の選択項目SIへ移動する。
また、図17(a)の状態で、選択スイッチ38の右スイッチが操作されると、選択位置が「終了」の選択項目SIへ移動する。そして、選択位置が「終了」の選択項目SIの表示位置にあるときに、選択スイッチ38の左スイッチが操作されると、選択位置が初期位値INIに戻り、右スイッチが操作されると、選択位置が「会員登録」の選択項目SIへ移動する。
(メニュー画面における選択項目の説明)
上述した各種選択項目SIのいずれかが選択されているときに決定スイッチ39が操作されると、選択されていた選択項目SIの機能が実行される。例えば、「パスワード入力」が選択されていた場合は、画像表示装置70に表示されていたメニュー画面が、パスワードを入力する画面に切り替わり、パスワードの入力が可能な状態となる。入力するパスワードは、遊技者の情報端末からインターネットを介してアクセス可能な所定のサーバから発行され、アクセスした情報端末に表示されたものである。このパスワードには、遊技者が実行した総遊技回数や、遊技者が情報端末でカスタマイズした演出内容(例えば押し順ナビの音声)等の情報が含まれている。
「マイカウンター」が選択されているときに決定スイッチ39が操作されると、画像表示装置70に二次元コードが表示される。この二次元コードを遊技者の情報端末で読み取って所定のサイトにアクセスすると、パスワードを入力してから現時点までの遊技履歴が、情報端末の画面に表示される。「二次元コード表示」が選択されているときに決定スイッチ39が操作されると、パスワードを入力して遊技を行っていた場合、現時点までに行われた遊技に関する遊技履歴の情報を含んだ二次元コードが、画像表示装置70に表示されるものである。この二次元コードを遊技者の情報端末で読み取って、インターネットを介して所定のサイトにアクセスすると、二次元コードに含まれていた遊技履歴の情報が、アクセスしたサイトのサーバに保存されるとともに、遊技履歴が情報端末の画面に表示される。
「配当表」が選択されているときに決定スイッチ39が操作されると、画像表示装置70に表示されていたメニュー画面が、ボーナス役、小役、再遊技役の図柄組合せ(すなわち、図5〜図7(b)に示した各図柄組合せ)と各図柄組合せ対応する特典とを表示する配当表の画面に切り替わる。なお、図柄組合せの数が多いため、1つの画面に表示しきれない場合は、複数の画面に亘って表示するようにしてもよい。なお、複数の画面に亘って表示する場合は、選択スイッチ38の操作により、各画面が切り替えれるようにすることが好ましい。また、「配当表」において、いわゆる「チャンス目」や「リーチ目」等の図柄組合せや、図7(c)に示したパターンAおよびパターンBの図柄組合せ等を表示してもよい。
「データクリア」が選択されているときに決定スイッチ39が操作されると、パスワードを入力した後に行った遊技に関する遊技履歴の情報(副制御手段200のRWMに記憶されている)が消去される。「キャラクタカスタム」が選択されているときに決定スイッチ39が操作されると、画像表示装置70に二次元コードが表示され、その二次元コードを遊技者の情報端末で読み取って、インターネットを介して所定のサイトにアクセスすると、情報端末の画面に演出をカスタマイズするためのカスタマイズ画面が表示される。遊技者が表示されたカスタマイズ画面で演出を所望する内容にカスタマイズすると、その内容が反映されたパスワードが情報端末の画面にされ、そのパスワードをスロットマシン10に入力すると、遊技中に、遊技者によってカスタマイズされた演出が実行されることになる。なお、「キャラクタカスタム」が選択されているときに決定スイッチ39が操作されると、画像表示装置70にカスタマイズ画面が表示され、遊技者が表示されたカスタマイズ画面で演出を所望する内容にカスタマイズすると、遊技中に、遊技者によってカスタマイズされた演出が実行されることになるようにしてもよい。
「会員登録」が選択されているときに決定スイッチ39が操作されると、画像表示装置70に、インターネット上の所定のサーバのURLを含む二次元コード(ただし遊技履歴などの情報は含まない)が表示される。表示された二次元コードを遊技者の情報端末で読み取って、インターネットを介して所定のサイトにアクセスすると、情報端末の画面に会員登録するための画面が表示される。会員登録後は、アクセスした情報端末に新規のパスワードが送信される。「音量設定」が選択されているときに決定スイッチ39が操作されると、画像表示装置70に、スロットマシン10から出力される演出音のボリュームを、遊技者が調整可能とするための画面が表示される。そして、「終了」が選択されているときに決定スイッチ39が操作されると、画像表示装置70の画面がメニュー画面から遊技待機画面に切り替わる。
(制御処理に関する説明)
次に、副制御手段200が、演出の制御や上述したメニュー画面等に関する制御を行うために実行するプログラム開始処理について、図18および図19に示すフローチャートを参照して説明する。
先ず、副制御手段200は、主制御手段100から受信した制御コマンドをコマンドバッファから読み出し、読み出した制御コマンドに基づく処理(メインループ処理)を行う(ステップSs10)。メインループ処理の内容としては、例えば主制御手段100から送信された抽選状態、遊技状態番号および演出グループ番号などの情報に基づいて演出の内容を決定したり、前述した設定値表示開始コマンドに基づいて、後述する管理者モードへの移行処理を行ったりする。
次に副制御手段200は、最初にステップSs10の処理を開始してから16ミリ秒が経過したか否かを判断する(ステップSs12)。そして、16ミリ秒が経過していなければ、ステップSs12の判断結果がNOとなり、再びステップSs10へ移行してコマンドバッファに蓄積されている制御コマンドを読み出し、当該制御コマンドに基づくメインループ処理を行う。このように、16ミリ秒が経過するまでステップSs10のメインループ処理を繰り返し行い、16ミリ秒が経過すると、ステップSs12の判断結果がYESとなって、ステップSs10のメインループ処理で、発生したエラーの種類を示す制御コマンドを受信したか否か(すなわち、エラー中であるか否か)を判断する(ステップSs14)。
そして、エラー中であった場合は、ステップSs14の判断結果がYESとなり、副制御手段200が備えているRWMの所定記憶領域に記憶されているSTの値を0に更新し(ステップSs16)、16ミリ秒の計時を新たに開始してステップSs10に戻る。なお、前述した様に本実施形態では、前面扉14が開放されている状態をエラーとして扱っている。このため、主制御手段100が前面扉14の開放を検出すると、副制御手段200へドア開放エラーが発生したことを示す制御コマンドを送信しているが、前面扉14の開閉状態を副制御手段200が監視して、副制御手段200が前面扉14の開放を検出するようにしてもよい。副制御手段200で監視することで、主制御手段100でその分の制御プログラムを用意する必要がなくなるというメリットがある。ちなみに、副制御制御200で監視する場合は、前面扉14が開放していても、遊技の進行が停止するものではないため、前面扉14の開放はエラーとは呼ばない。エラーでなくとも、前面扉14が開放されていることは好ましくないため、画像表示装置70等により、前面扉14が開放していることを報知してもよいし、エラーでないのだから、前面扉14が開放していても報知しなくてもよい。
ここで、副制御手段200は、図17に示したメニュー画面を介して行われる各種情報の表示状態を、前述したSTの値によって管理している。具体的には、STの値が「0」のときは、「情報表示禁止」(各種情報を画像表示装置70に表示してはいけない状態(決定スイッチ39が操作されても、メニュー画面を表示してはいけない状態))、「1」のときは「情報表示準備中」(画像表示装置70に各種情報を表示する準備をしている状態(但し、決定スイッチ39が操作されても、メニュー画面は表示しない状態))、「2」のときは「情報表示可能」(画像表示装置70に各種情報を表示することができる状態(決定スイッチ39が操作されれば、原則、メニュー画面を表示することができる状態))、「3」のときは「情報画面表示中」(画像表示装置70にメニュー画面を含む各種情報を表示している状態)という状態を表している。
ステップSs14の判断処理において、エラー中でなかった場合は判断結果がNOとなり、副制御手段200は、ウェイトタイマが計時を行っているか否かを判断する(ステップSs18)。このウェイトタイマは、メニュー画面が表示可能な状態(ST=2)になったとき等に、計時時間がセットされて、計時が開始されるタイマである。
ステップSs18の判断処理において、ウェイトタイマが計時中であった場合は判断結果がYESとなって、副制御手段200は、ウェイトタイマにセットされている値から1を減算し(ステップSs20)、ステップSs10の処理に戻る。これにより、ウェイトタイマの計時時間は、T×16ミリ秒(Tは計時開始時にウェイトタイマにセットされた値)となる。
ステップSs18の判断処理において、ウェイトタイマが計時中でなかった場合は判断結果がNOとなり、副制御手段200は、STの値が0(情報表示禁止)または1(情報表示準備中)であるか否かを判断する(ステップSs22)。STの値が0または1であるときは、判断結果がYESとなり、副制御手段200は、スロットマシン10がメニュー画面を表示することができる状態になっているか否かを判断する(ステップSs24)。ここで、「メニュー画面を表示することができる状態」の一例としては、メダルが払い出されることなく遊技が終了したとき(再遊技役が入賞して遊技が終了したときなど)、および、小役が入賞してメダルの払い出しが完了したときである。なお、メダルがベットされているときは、「メニュー画面を表示することができる状態」にはならないようにしてもよいし、ベットされているときでも「メニュー画面を表示することができる状態」であるとしてもよい。また、再遊技役が入賞したときは、次の再遊技が終了するまで「メニュー画面が表示可能な状態」にはならないようにしてもよい。他にも、メニュー画面の表示を終了したときも、「メニュー画面を表示することができる状態」の一例である。メニュー画面を表示することができる状態になったときはステップSs24の判断結果がYESとなる。例えば画像表示装置70に遊技待機画面を表示しているときは、上述したメニュー画面を表示することができる状態になっているため、ステップSs24の判断結果がYESとなる。
ステップSs24の判断結果がYESになると、副制御手段200はSTの値を2(情報表示可能)に更新し(ステップSs26)、ウェイトタイマに187(十進法)の値をセットして(ステップSs28)、ステップSs10の処理に戻る。これにより、ウェイトタイマは2.992秒(約3秒)の計時を開始する。これに対して、ステップSs22またはSs24の判断結果がNOとなったとき、副制御手段200は、副制御手段200は、STの値が2(情報表示可能)であるか否かを判断する(ステップSs30)。
STの値が2であった場合は、ステップSs30の判断結果がYESとなり、副制御手段200は、決定スイッチ39が遊技者によって操作されたか否かを判断する(ステップSs32)。例えば、副制御手段200へ入力されている決定スイッチ39のオン信号の立ち上がりを検出すると、ステップSs32の判断結果がYESとなる。ステップSs32の判断結果がNOになった場合は、ステップSs10の処理へ戻り、ステップSs32の判断結果がYESになった場合は、画像表示装置70に、図17(a)に示したメニュー画面を表示するとともに、メニュー画面が表示されたことを遊技者に報知するための音声(例えば、「メニュー画面だよ」など)やBGMを発生させる(ステップSs34)。なお、メニュー画面のみを表示し、音声やBGMは発生しないようにしてもよい。
具体的には、図8に示した副制御基板202のサブ制御コマンド送受信手段230から、画像制御基板230のサブ制御コマンド送受信手段240に対して、画像表示装置70に表示すべき画面の種類(ここではメニュー画面)および表示すべき画面内における選択位置にある選択項目SIを示すサブ制御コマンドが送信される。なお、表示すべき画面の種類および選択位置の情報は、1つのサブ制御コマンドにまとめて送信してもよいし、個別のサブ制御コマンドで送信してもよい。これにより画像制御基板230は、受信したサブ制御コマンドに従って、画像表示装置70にメニュー画面を表示する。そして、画像表示装置70にメニュー画面を表示すると、次に、STの値を3(情報表示中)に更新して(ステップSs36)、ステップSs10の処理へ戻る。
ステップSs30の判断処理において、STの値が2でなかった場合は、判断結果がNOとなり、副制御手段200は、STの値が3(情報表示中)であるか否かを判断する(ステップSs38)。STの値が3でなかった場合は、ステップSs38の判断結果がNOとなり、ステップSs10の処理へ戻る。これに対してSTの値が3であった場合は、ステップSs38の判断結果がYESとなって、図19のステップSs40の判断処理へ進む。
(情報表示中に決定スイッチが操作されたときの処理)
ステップSs40の判断処理において、副制御手段200は、決定スイッチ39が遊技者によって操作されたか否かを判断する。ステップSs40の判断結果がYESになった場合、副制御手段200は、画像表示装置70に図17に示したメニュー画面を表示しているか否かを判断する(ステップSs42)。メニュー画面を表示していた場合は、ステップSs42の判断結果がYESとなり、副制御手段200は、メニュー画面内における現在の選択位置(換言すると、図17(a)のメニュー画面において白抜きで示される選択項目SIの種類)が「終了」の選択項目SIの位置であるか否かを判断する(ステップSs44)。
選択位置が「終了」の位置になかった場合は、ステップSs44の判断結果がNOとなって、副制御手段200は、選択位置となっている選択項目SIに対応する画面を画像表示装置70に表示する(ステップSs46)。例えば、選択位置が「マイカウンター」または「二次元コード表示」の選択項目SIの位置にあった場合は、各選択項目SIに適した二次元コードを表示し、「配当表」の選択項目SIの位置だった場合は、配当表の画面を表示する。次いで、副制御手段200は、メニュー画面における現在の選択位置(選択位置にある選択項目SI)をRWMに記憶し(ステップSs48)、図18のステップSs10の処理へ移行する。なお、現在の選択位置をレジスタ等に記憶しておき、メニュー画面から別の画面へ切り替わるときに、それをRWMに記憶するのではなく、常にRWMに記憶しておくようにしてもよい。この場合は、選択スイッチ38が操作されるごとに、RWMに記憶されている選択位置が変更されることになるため、別の画面に切り替わるときには、そのときの選択位置を保持しておけばよいことになる。
ステップSs44の判断処理において、選択位置が「終了」の選択項目SIの位置だった場合、判断結果がYESとなって、副制御手段200は、画像表示装置70におけるメニュー画面の表示を終了させる(ステップSs50)。具体的には、図8に示した副制御基板202のサブ制御コマンド送受信手段230から、画像制御基板230のサブ制御コマンド送受信手段240に対して、メニュー画面の表示を終了する旨のサブ制御コマンドをを送信する。これにより画像制御基板230は、受信したサブ制御コマンドに従って、画像表示装置70に表示していたメニュー画面を遊技待機画面に切り替える。そして、副制御手段200は、STの値を1(情報表示準備中)に更新し(ステップSs52)、図18のステップSs10の処理へ移行する。なお。このとき、RWMに記憶している現在の選択位置をクリアする(初期の選択位置(「パスワード入力」)を記憶する)。
ステップSs40の判断結果がYES(決定スイッチ39が操作された)となったときに、画像表示装置70にメニュー画面が表示されていなかった場合(ステップSs42,NO)、副制御手段200は、画像表示装置70に配当表の画面を表示しているか否かを判断する(ステップSs54)。配当表の画面を表示していなかったときは、ステップSs54の判断結果がNOとなって、副制御手段200は、画像表示装置70に表示されている画面の表示終了条件を満たしているか否かを判断する(ステップSs56)。例えば、表示中の画面内に複数の選択項目SIが含まれており、そのうち、メニュー画面に戻る旨の選択項目SIが選択されている状態で決定スイッチ39が操作された場合は、ステップSs56の判断結果がYESとなる。若しくは、表示中の画面の表示終了条件が配当表の画面の表示終了条件と同じく決定スイッチ39の操作である場合は、ステップSs56の判断結果がYESとなる。
ステップSs56の判断処理において、画面の表示終了条件を満たしていなかったときは判断結果がNOとなって、副制御手段200は、表示画面に応じた処理を行う(ステップSs58)。具体的には、表示中の画面において、選択されている選択項目SIの機能を果たすための処理を行う。例えば、表示中の画面(二次元コード表示の画面)内において、二次元コードの表示を行ってもよいかを問う複数の選択項目SI(YES、NO)があり、そのうちのYESの選択項目SIが選択されていた場合、副制御手段200は、パスワードの入力後に行われた遊技履歴に関する情報を含む二次元コードを生成して、画像表示装置70に表示する。そして、ステップSs58の処理を行うと、副制御手段200は、図18のステップSs10の処理に戻る。
ステップSs54の判断処理で、画像表示装置70に配当表の画面が表示されていた場合、または、ステップSs56の判断処理で、表示中の画面の表示終了条件が満たされた場合は、各々の判断結果がYESとなり、副制御手段200は、表示中の画面の表示を終了させる(ステップSs60)。そして、画像表示装置70に図17に示したメニュー画面を再び表示する(ステップSs62)。このとき、副制御手段200は、ステップSs48の処理でRWMに記憶していた選択位置を読み出し、読み出した選択位置にある選択項目SIを示すサブ制御コマンドが送信される。これにより、メニュー画面から他の画面に移動したときの選択位置が再現される。
次に副制御手段200は、ウェイトタイマに62(十進法)の値をセットする(ステップSs64)。これにより、ウェイトタイマは0.992秒(約1秒)の計時を開始することとなる。そして、ステップSs64の処理を行うと、副制御手段200は、ステップSs10の処理に戻る。
(情報表示中に選択スイッチが操作されたときの処理)
前述したステップSs40の判断処理において、決定スイッチ39が操作されていなかった場合は判断結果がNOとなり、副制御手段200は、選択スイッチ38を構成する上下左右スイッチのいずれかが操作されたか否かを判断する(ステップSs66)。いずれかのスイッチが操作された場合は、ステップSs66の判断結果がYESとなって、副制御手段200は、操作されたスイッチが有効であるか否かを判断する(ステップSs68)。
ここで、選択スイッチ38の上下左右スイッチのうち、いずれのスイッチが有効であるかは、画像表示装置70に表示されている画面の種類に応じて予め定められている。例えば、メニュー画面が表示されていた場合は、選択スイッチ38の上下左右スイッチは全て有効に設定されている。また、後述するように、配当表が表示されていた場合は、選択スイッチ38の左右スイッチは有効に設定されているが、上下スイッチは無効に設定されている。
ステップSs68の判断処理において、操作された選択スイッチ38が有効であった場合は判断結果がYESとなり、表示されている画面において、操作されたスイッチに応じた表示処理を行う(ステップSs70)。例えば、画像表示装置70にメニュー画面が表示されていた場合は、操作されたスイッチの方向に応じて画面内の選択位置(選択位置にある選択項目SI)を移動させる。具体的には、図8に示した副制御基板202のサブ制御コマンド送受信手段230から、画像制御基板230のサブ制御コマンド送受信手段240に対して、表示すべき画面内における選択位置にある選択項目SIを示すサブ制御コマンドが送信される。
これにより画像制御基板230は、例えば、画像表示装置70に表示している画面内において、受信したサブ制御コマンドによって示される位置の選択項目SIを白抜きで表示し、それまで白抜きで選択項目SIをハッチングの状態で表示する(図17参照)。具体的には、各選択項目SIの表示を操作されたスイッチに応じて上下方向にスクロールさせる。
そして、ステップSs70の処理を行うと、副制御手段200は、図18のステップSs10の処理へ戻る。また、ステップSs66の判断処理において、選択スイッチ38が操作されていなかった場合、または、ステップSs68の判断処理において、操作された選択スイッチ38が無効だった場合は、直ちに図18のステップSs10の処理へ移行する。なお、前述したステップSs46と、ステップSs60およびSs62の処理は、表示切替手段に相当する。
上述したプログラム開始処理において、例えば画像表示装置70に、図17(a)に示す状態でメニュー画面が表示されているときに、遊技者が選択スイッチ38の上スイッチまたは下スイッチが操作されると、図19のステップSs66およびSs68の判断結果が共にYESとなり、ステップSs70の処理によって、メニュー画面に表示された選択項目SIの中央列において、各選択項目SIの表示が操作されたスイッチに応じて上または下方向にスクロールする。そして、「配当表」の選択項目SIが選択位置まで移動したときに(図17(c)参照)、決定スイッチ39が操作されると、図19のステップSs40およびSs42の判断結果が共にYESとなり、ステップSs44の判断結果がNOとなって、ステップSs46の処理により、画像表示装置70に、図20に示す配当表の画面が表示される。
図20(a)に示すように、配当表の画面DSは、タイトル表示領域TDに「配当表」の文字が表示され、情報表示領域INFには、遊技者に各特典が付与される図柄組合せ(図5〜図7に示した図柄組合せ)が表示される。ここで、図20(a)には、図7(b)に示した1BB(青7−青7−青7)の図柄組合せ、および、図7(a)に示した入賞22(ベル−ベル−ベル)、入賞20および入賞23(スイカ−ベル−スイカ/リプレイ)、入賞21(スイカ−バー/上半円/赤7/青7−ベル)、入賞01(リプレイ−ベル−スイカ)、入賞19(上半円−ANY−ANY)の図柄組合せと入賞時の払出枚数を示している。
また、本実施形態では、表示すべき図柄組合せの数の多さから、配当表の画面を3画面に分けて表示することで、図柄組合せの表示サイズをできるだけ大きくしている。これは、画面内に表示する図柄組合せのサイズを小さくすれば、1つの画面内に全ての図柄組合せを表示することも可能であるが、そのようにした場合、遊技者が表示された図柄組合せを識別しにくくなってしまうためである。図20(a)の配当表の画面DSでは、情報表示領域INFの右下隅に「1/3」という数字(図20(a)の矢印ア参照)を表示することによって、3つの画面のうち1番目の画面が表示されていることを表している。また、2番目の画面を表示しているときは「2/3」と表示され、3番目の画面を表示しているときは「3/3」と表示される。
図20(a)に示す配当表の画面DSにおいては、選択スイッチ38の右スイッチまたは左スイッチを操作することによって、画面(ページ)の切り替えが可能になっている。また、決定スイッチ39が操作されたときは、配当表の画面DSの表示を終了し、メニュー画面MPを表示するようになっている。このことを遊技者に示すため、スイッチ機能表示領域SFにおいて、選択スイッチ38および決定スイッチ39を模式的に表したアイコンのうち、選択スイッチ38の左および右スイッチに対応する部分を白抜きで表示したアイコンA1を表示し、その横に「でページ切り替え」という文言を表示している。また、表示したアイコンのうち決定スイッチ39に対応する部分を白抜きで表示したアイコンA2の横に「でメニュー画面へ」という文言を表示している。
このように、複数のスイッチによって構成された選択スイッチ38のうち、有効になっているスイッチを表示することで、遊技者は、無効になっているスイッチの操作を回避することができるため、遊技者利便性を向上させることができる。ここで、選択スイッチ38は入力手段および選択手段に相当し、情報表示領域INFは遊技情報表示手段に相当し、スイッチ機能表示領域SFは操作情報表示手段に相当する。
これにより、配当表の画面DSが表示されているときに、遊技者が選択スイッチ38の左右スイッチを操作すると、図19のフローチャートにおいて、ステップSs40,NO→Ss66,YES→Ss68,YESとなり、ステップSs70の処理により、配当表の画面が切り替わる。ここで、選択スイッチ38の右スイッチが操作された場合は、配当表の画面が1/3→2/3→3/3→1/3→……と切り替わり、左スイッチが操作された場合は、配当表の画面が1/3→3/3→2/3→1/3→……と切り替わるものとする。したがって、例えばスイッチ機能表示領域SFに表示されたアイコンA1のうち、右スイッチに対応する箇所に「+」の記号を表示し、左スイッチに対応する箇所に「−」の記号を表示するようにしてもよいし、右スイッチと左スイッチの表示色を異ならせてもよい。右スイッチが操作された場合も左スイッチが操作された場合も、切り替わる順番を同じにしてもよい。
なお、図20に示した例では、選択スイッチ38のうち、有効化されているのは左右スイッチのみであるが、上下スイッチも有効にしてもよい。この場合、上スイッチが操作された場合は、右スイッチが操作されたときと同じ動作になるようにし、下スイッチが操作された場合は、左スイッチが操作されたときと同じ動作になるようにしてもよい。また、このようにした場合であっても、スイッチ機能表示領域SF内のアイコンA1の表示は、図20(a)に示すように、切り替わる順番が分かりやすいよう左右スイッチのみ白抜き(換言すると、有効であることを示す表示態様)にしてもよいし、誤認を与えないために選択スイッチ38の全てのスイッチを白抜きで表示するようにしてもよい。
また、選択スイッチ38の上下左右スイッチのいずれが操作されても同じ動作となるようにしてもよい。例えば、上下左右スイッチのいずれが操作されても、操作される毎に配当表の画面が、1/3→2/3→3/3→1/3→……と切り替わっていくようにしてもよい。また、これと逆に、左スイッチが操作されたときは1番目の画面が表示され、上スイッチが操作されたときは2番目の画面が表示され、右スイッチ操作されたときは3番目の画面が表示される、というように、各スイッチに表示する画面を対応付けてもよい。この場合、例えば、スイッチ機能表示領域SFに表示しているアイコンA1において、左スイッチに対応する箇所に「1」という数字を、中スイッチに対応する箇所に「2」という数字を、右スイッチに対応する箇所に「3」という数字を各々表示することで、各スイッチに対応付けられた画面の番号を表示するようにしてもよい。
また、配当表の画面DSが表示されているときに、遊技者が決定スイッチ39を操作すると、図19のフローチャートにおいて、ステップSs40,YES→Ss42,NO→Ss54,YESとなり、ステップSs60およびSs62の処理により、画像表示装置70の表示が、配当表の画面DSからメニュー画面MPに切り替わる。このとき、前述した様に、ステップSs62の処理において、メニュー画面MPを表示する際に、配当表の画面DSに移行する直前のメニュー画面MPにおける選択位置が読み出されて、再現される。したがって、図21(a)に示すように、配当表の画面DSからメニュー画面MPに戻ったときは、メニュー画面MPにおける選択位置は、選択項目SIの中央列に位置し、かつ、選択位置に表示されている選択項目SIは「配当表」になっている。
ここで、本実施形態では、配当表の画面DSが表示されているときに決定スイッチ39が操作されると、メニュー画面MPの表示に戻るように構成されている。このため、例えばメニュー画面MPにおいて、「配当表」の選択項目SIを選択した状態で、遊技者が誤って決定スイッチ39を立て続けに2回操作してしまった場合、配当表の内容を十分に確認できないまま、再びメニュー画面MPに戻ってしまうことになる。特に、スロットマシン10においては、図1に示すように、決定スイッチ39を取り囲むようにして選択スイッチ38が設けられているため、遊技者は、決定スイッチ39を操作してから選択スイッチ38を操作したつもりでも、2回立て続けに決定スイッチ39を操作してしまうことが十分に起こり得る。また、選択スイッチ38および決定スイッチ39の配置が図1に示すようになっていなくても、双方のスイッチの配置が接近している場合は同様のことが起こり得る。
しかしながら、再び表示されたメニュー画面MPにおける選択位置は、初期の選択項目である「パスワード入力」の選択項目SIに戻ることなく「配当表」の選択項目SIを維持している。したがって、改めて配当表の画面を表示させようとする場合、選択スイッチ38を操作して「配当表」の選択項目SIを選択し直す必要がないため、操作に関する利便性を向上させることができる。
これに対して、例えば、配当表の画面を表示しているときにスロットマシン10の電源が遮断されてしまった場合は、図21(b)に示すように、再び電源を投入した後にメニュー画面MPを表示させると、選択位置が初期位値INI(「パスワード入力」の選択項目SI)に戻っている。これは、副制御手段200のRWMが揮発性メモリであり、電源の遮断によって、図19のステップSs48の処理によってRWMに記憶された選択位置に関する情報が消失することを利用しているためである。ただし、仮に副制御手段200のRWMが不揮発性メモリであったとしても、スロットマシン10の電源が遮断されたときに、そのRWMに記憶していた選択位置に関する情報を消去する処理を行うようにしてもよい。なお、副制御手段200のRWMの一部領域にはバックアップ電源が接続されており、その領域に記憶しておけば電源が遮断されてしまった場合でも数日間は消失しない。しかし、選択位置に関する情報は、その領域にはあえて記憶しないようにしている。
このように、スロットマシン10の電源が遮断された後にメニュー画面を表示した際に、選択位置を初期位値INI(「パスワード入力」の選択項目SI)に戻すことで、次の様な利点がある。例えば、遊技場のスタッフによって設定値が変更されたときに、副制御手段200のRWMに記憶されていた遊技情報(遊技区間、抽選状態、遊技履歴などの情報)とともに、メニュー画面の選択位置に関する情報も一緒に消去されてしまうものとする。この場合、営業時間が終わって遊技場のスタッフが設定値を変更すると、その後、翌営業日に遊技者がメニュー画面を表示したときは、選択位置は初期位値INI(「パスワード入力」の選択項目SI)になっている。これに対して、上述したように、電源の遮断から復帰したときにメニュー画面内の選択位置が保持される仕様にすると、遊技場の営業開始後、最初にメニュー画面を表示したときの選択位置の場所によって、設定値の変更が行われたか否かが察知されてしまう虞がある。
また、例えば、メニュー画面において「終了」の選択項目が選択位置になっているときに、営業時間が終了して電源が遮断され、その選択位置に関する情報が保存されるとする。この場合、翌日、別の遊技者がメニュー画面を表示させるときに、誤って決定スイッチ39を立て続けに2回操作してしまったとすると、最初の操作でメニュー画面が表示され(図18のステップSs32(YES)→Ss34)、このとき選択位置が「終了」の選択項目SIの位置になっていることから、次の操作で遊技待機画面に切り替わることになる(図19のステップSs40(YES)→Ss42(YES)→Ss44(YES)→Ss50)。このとき、遊技者に、決定スイッチ39を立て続けに2回操作したという認識がなかった場合、メニュー画面から直ちに遊技待機画面に移行するため、不具合が生じたのではないかという誤解を遊技者に与えてしまう虞がある。
したがって、遊技場の営業時間が終了してから、翌日の営業開始までにメニュー画面の選択位置が初期位値INI(「パスワード入力」の選択項目SI)になっていることが望ましい。本実施形態では、スロットマシン10の電源が遮断されると、その後メニュー画面を表示したときの選択位置が初期位値INI(「パスワード入力」の選択項目SI)になるため、遊技場のスタッフが、営業終了後に一々手作業で選択位置を初期位値INI(「パスワード入力」の選択項目SI)に戻す必要がなく、遊技場のスタッフの作業負担を軽減できる。
もちろん、上述した効果は得られないものの、電源が遮断されたときに、副制御手段200のRWMに記憶されたメニュー画面における選択位置の位置情報を、例えばバックアップ電源が接続されている領域に保存しておき、電源復帰後、決定スイッチ39が操作されてメニュー画面を表示する際に、保存していた位置情報に基づいて、電源が遮断される前に記憶していた選択位置を再現するようにしてもよい。
本実施形態のスロットマシン10の電源が投入されると、図22の(a)に示すように、画像表示装置70には遊技待機画面が表示される。このとき、決定スイッチ39の内部に設けられた光源が点滅しており(選択スイッチ38とは異なり、内部に光源を設けている)、これにより、遊技者に対して、決定スイッチ39の操作が有効であることが示される。この状態で遊技者が決定スイッチ39を操作すると、図22の(b)に示すように、画像表示装置70にメニュー画面が表示され、このときの選択位置は初期位値INI(「パスワード入力」の選択項目SI)になっている。そして、遊技者が選択スイッチ38を操作して、図22の(c)に示すように「配当表」の選択項目SIを選択位置まで移動させた後、決定スイッチ39を操作すると、図22の(d)に示すように、画像表示装置70に配当表の画面が表示される。
そして、配当表の画面が表示されているときに決定スイッチ39が操作されると、図19のステップSs40(YES)→Ss42(NO)→Ss54(YES)となり、ステップSs60およびSs62の処理により、画像表示装置70の表示が配当表の画面からメニュー画面に切り替わる(図22(d)→図22(c))。このとき、前述したように、メニュー画面内の選択位置には「配当表」の選択項目SIが表示されている。そして、ステップSs64の処理でウェイトタイマに約1秒間を計時するための値がセットされて、図18のステップSs10の処理へ戻り、その後、図18のステップSs18およびSs20の処理により、約1秒間が計時される。したがって、画像表示装置70に表示されていた配当表の画面がメニュー画面に切り替わっても、約1秒間は選択スイッチ38および決定スイッチ39の操作が無効化される。
ここで、前述した様に、配当表の画面からメニュー画面に戻ったときに、選択位置には「配当表」の選択項目SIが表示されている。このため、配当表の画面が表示されているときに決定スイッチ39が2回操作されると、メニュー画面が表示された後に再び配当表の画面に戻ってしまうことになる。しかしながら、配当表の画面からメニュー画面に戻ったときに、1秒間は決定スイッチ39の操作が無効化されるため、例えば、配当表が画像表示装置70に表示されているときに、遊技者がメニュー画面に戻るべく決定スイッチ39を操作する際に、誤って立て続けに2回操作してしまった場合でも、2回目の操作が無効となり、メニュー画面から再び配当表の画面が表示されてしまうのを回避することができる。
なお、図19のステップSs64の処理を省略して、選択スイッチ38の操作を無効化しないようにしてもよい。この場合、メニュー画面(選択画面)を表示した直後であっても、決定スイッチ39が操作されたときは、決定スイッチ39によって決定された選択項目に対応する画面(被選択画面)が表示される。換言すると、遊技者は被選択画面への切り替えを直ちに行うことができる。このように、決定スイッチ39が操作されたときに、一律無効にするのではなく、必要なときのみ無効にするようにしてもよい。
配当表の画面(図22(d))からメニュー画面(図22(c))に戻り、遊技者がメニュー画面を終了すべく、選択スイッチ38を操作して選択位置を「終了」の選択項目SIへ移動させて(図22(e))決定スイッチ39を操作すると、図19のステップSs40(YES)→Ss42(YES)→Ss44(YES)となり、ステップSs50の処理により、画像表示装置70の表示がメニュー画面から遊技待機画面に切り替わる(図22(f))。そして、ステップSs52の処理でSTの値が1に更新され、図18のステップSs10へ戻る。
そして、16ミリ秒が経過するとステップSs12の判断結果がYESとなり、エラー中でなければ、ステップSs14の判断結果がNOとなって、ウェイトタイマは計時していないため、ステップSs18の判断結果もNOとなる。また、ステップSs52の処理によりSTの値が1になっており、かつ、画像表示装置70には遊技待機画面が表示されているから(メニュー画面を表示することができる状態であるから)、ステップSs22およびSs24の判断結果は共にYESとなる。これにより、ステップSs26の処理によりSTの値が2に更新され、ステップSs28の処理でウェイトタイマに約3秒間を計時するための値がセットされて、ステップSs10の処理へ戻る。
そして、再び16ミリ秒が経過するとステップSs12の判断結果がYESとなり、エラー中でなければ、ステップSs14の判断結果がNOとなって、ステップSs18の判断処理が行われる。ここで、ステップSs28でウェイトタイマに約3秒間の計時時間がセットされたため、ステップSs18の判断結果がYESとなり、以下、16ミリ秒が経過する毎にステップSs20の処理が行われて、約3秒間が計時される。また、この間、決定スイッチ39の操作は無効化される。
ウェイトタイマにより、約3秒間が計時されると、ステップSs18の判断結果がNOとなり、ステップSs26の処理によってSTの値が2に更新されていることから、ステップSs18(NO)→Ss22(NO)→Ss30(YES)となる。このとき、決定スイッチ39が操作されていれば、ステップSs32の判断結果がYESとなって、ステップSs34の処理によりメニュー画面が画像表示装置70に表示される。
以上の処理により、メニュー画面において、「終了」の選択項目SIが選択されている状態で決定スイッチ39が操作されると、画像表示装置70の表示が遊技待機画面に切り替わった後、決定スイッチ39の操作が約3秒間無効化される。ここで、遊技待機画面に切り替わった後、決定スイッチ39の操作を直ちに有効にした場合、例えばメニュー画面を終了させるために、「終了」の選択項目SIが選択されている状態(図22(e)参照)で遊技者が決定スイッチ39を操作するときに、誤って決定スイッチ39を2回連続して操作してしまうと、メニュー画面から遊技待機画面に切り替わった後、直ちにメニュー画面へ戻ってしまうことになる。しかも、メニュー画面が再び表示されたときは、選択位置は初期位値INI(「パスワード入力」の選択項目SI)になることになるため、メニュー画面を終了するには、選択スイッチ38を操作して選択位置を「終了」の選択項目SIの位置まで移動させてから決定スイッチ39を操作しなくてはならない。
これに対して、本実施形態では、メニュー画面を終了させるときに、遊技者が決定スイッチ39を操作するときに、誤って決定スイッチ39を2回連続して操作してしまった場合でも、2回目の操作(遊技待機画面が表示されているときの操作)が無効になるため、メニュー画面から遊技待機画面に切り替わった後、直ちにメニュー画面の表示に戻ってしまうのを避けることができる。
なお、図18および図19に示したプログラム開始処理では、仮にウェイトタイマによって約3秒間の計時を行わない構成にした場合(例えば、ステップSs18とSs20の処理を省略)でも、メニュー画面から遊技待機画面に切り替わってから約32ミリ秒間は決定スイッチ39の操作が無効化される。具体的には、図19のステップSs50でメニュー画面の表示を終了して遊技待機画面を表示した後、ステップSs10へ戻り、約16ミリ秒が経過するとステップSs26でSTの値が2に更新される。そして、再びステップSs10へ戻り、再び約16ミリ秒が経過すると、ステップSs22(NO)→Ss30(YES)→Ss32(YES)の処理を経て、ステップSs34の処理により画像表示装置70にメニュー画面が表示される。
ただし、遊技待機画面へ移行した後の無効期間が約32ミリ秒間しかない場合、決定スイッチ39が立て続けて2回操作されたときに、遊技待機画面から再びメニュー画面が表示されてしまう可能性もある(2回目の操作が1回目の操作から32ミリ秒後である可能性は十分あり得る)。そこで、本実施形態では、無効化されている期間を延ばすために、ウェイトタイマの処理を行うことで、約3秒間の無効化期間を設けている。
次に図23を参照して、前面扉14の開閉状態に応じた決定スイッチ39の有効化/無効化制御について説明する。まず、図23(a)に示すように、1回の遊技が終了して情報の表示が可能な状態(ステップSs24(YES))になってから所定時間(約3秒間)が経過すると、決定スイッチ39の内部の光源が点滅して、遊技者に決定スイッチ39の操作が有効になっていることを報知する。このときに遊技者が決定スイッチ39を操作すると、図23(b)に示すように、画像表示装置70にメニュー画面が表示され(ステップSs32(YES)→Ss34)、このときメニュー画面が表示されたことを示す音声やBGMが発生する。また、メニュー画面の表示中は、操作が有効な間であれば決定スイッチ39の内部の光源が点滅し続ける。なお、操作が無効なときでも点滅し続けるようにしてもよい。これは、メニュー画面の表示中における操作が無効な時間は、長くても1秒に過ぎないからである。
メニュー画面が表示されているとき(図23(b)参照)や、1回の遊技が終了して情報の表示が可能な状態になったとき(図23(a)参照)に、前面扉14が開放されると、主制御手段100から副制御手段200へドア開放エラーが発生したことを示す制御コマンドが送信される。これにより副制御手段200は、図23(c)に示すように、画像表示装置70に「扉が開いています」というメッセージを表示するとともに、決定スイッチ39を無効化して決定スイッチ39の内部の光源を消灯させる。無効化していれば、点滅し続けるようにしてもよい。なお、副制御手段200により前面扉14が開放しているか監視している場合であっても、前面扉14が開放しているときは、決定スイッチ39を無効化していることが好ましい(この場合は、遊技の進行は停止していないため、遊技の進行の妨げになるならば、画像表示装置70に「扉が開いています」というメッセージを表示せず、演出等の実行(演出画面の表示だけでなく、遊技待機画面やメニュー画面の表示を含む)を継続していてもよいが、スピーカからの「扉が開いています」という音声の出力は少なくとも1回は行うことが好ましい(扉が開いていることを一切報知しないとなると、不正行為を助長することになるため、最低限遠くにいるスタッフであっても気づくことができる音声による報知は行うことが好ましい))。
さらに、前面扉14が開いているときにキースイッチ82bがオンにされると、管理者モードへ移行して、図23(d)に示すように、画像表示装置70に管理者モード用のメニュー画面(システムメニュー)を表示し、決定スイッチ39を有効化して内部の光源を点滅させる。すなわち、管理者モードへ移行したときは、前面扉14が開いている状態でも決定スイッチ39の操作が有効になる。
画像表示装置70に表示されたシステムメニューには、「音量調整モード」、「遊技待機ランプ色選択モード」、「サイドランプテストモード」および「遊技データ表示設定モード」という4つの選択項目が表示されている。そして、選択スイッチ38の上下スイッチの操作に応じて選択位置を上下方向に移動させて、所望する選択項目の位置で決定スイッチ39を操作すると、その選択項目に対応するモードの画面へ移行する。このとき、決定スイッチ39が操作されてメニュー画面を表示するときと異なり、副制御手段200は音声やBGMを発生させない。
なお、音量調整モードへ移行したときは、演出中に発生する演出音の音量調整が可能となり、遊技待機ランプ色選択モードへ移行したときは、遊技待機画面を表示しているときの装飾ランプ74L,74Rの発光色を選択することができる。また、サイドランプテストモードへ移行したときは、サイドランプ52L,52Rの点滅パターンのテストが開始され、遊技データ表示設定モードへ移行したときは、遊技者に対して遊技に関する各種情報を表示するか否かの選択が可能となる。
また、管理者モードに移行しているときにキースイッチ82bがオフにされると、再び「扉が開いています」というメッセージが画像表示装置70に表示され(副制御手段200により前面扉14が開放しているか監視している場合であれば表示しなくてもよい)、決定スイッチ39が無効化される(図23(c)参照)。
ここで、例えば前面扉14を開けても決定スイッチ39の操作が有効のままになっていたとすると、遊技待機画面の表示中において、遊技場のスタッフがメダル貯留部にメダルを補充するために前面扉14を開いている状態で、意図せず(本人も気付かず)決定スイッチ39に触れてしまったときにも、メニュー画面の表示とともに音声やBGMが発生する虞がある。この場合、遊技場のスタッフの認識としては、突然、音声やBGMが発生したこととなるため、遊技場のスタッフを驚かせてしまったり、不快感を与えてしまう虞がある。なお、音声やBGMは、前述したスピーカ64R,64Lだけでなく、図2に示すスピーカ76R,76Lからも出力されるようになっているため、遊技場のスタッフの耳元で大きな音が鳴ることになり、不快感を与えてしまう虞がある。
これに対して、本実施形態では、前面扉14を開けたときに決定スイッチ39の操作を無効化するため、前面扉14を開けた状態で意図せず決定スイッチ39を操作してしまった場合でも、音声やBGMが発生することがないため(メニュー画面を表示することができないため)、遊技場のスタッフに上述した不快感等を与える虞がない(遊技場のスタッフは、安心して作業を行うことができる)。
また、本実施形態では、前面扉14が開いているときにキースイッチ82bがオンにされると管理者モードへ移行していたが、キースイッチ82bがオフになっているときでも、スロットマシン10に設けられた所定のスイッチに対して、特定の操作を行うことで、管理者モードの一部を実行可能にしてもよい。例えば、前面扉14が開いているときに右ストップスイッチ27Rを所定時間オンにすると、管理者モードの「遊技データ表示設定モード」に限って移行できるようにしてもよい。その他、副制御手段に接続され、筐体の内部に設けられた(副制御手段の近辺に設けられた)押しボタン式のスイッチであってもよく、誤って操作がなされないよう当該押しボタン式のスイッチを覆う開閉式のカバーがあることが好ましい。
[のめり込みの対策]
次に、図24および図25を参照して、本実施形態に適用可能な、のめり込み対策を施したスロットマシンについて説明する。なお、以下で用いる「画像」という文言も、限定した場合を除き、静止画像および動画像を含むものである。
遊技機では、従来からのめり込み対策(自身の資力を超えて遊技を行う遊技者を減らすための策)として、遊技待機中に注意喚起を行っている。しかし、遊技待機中に画像表示装置70に表示されるデモ画面を見ている遊技者の大半は、現にのめり込んでいる遊技者ではなく、これから遊技を始めようとしている遊技者であるため、のめり込み対策として期待されている効果を発揮することができず、自身の資力を超えて遊技を行う遊技者が減ることはなかった。
のめり込みは、遊技者が冷静な判断ができなくなった結果として生じると考えられる。冷静な判断ができなくなる可能性が高いタイミングとしては、以下のタイミングが挙げられる。
(1)AT遊技(本実施形態では、ART中を経て復活やエンディング状態)が終了するタイミング
AT遊技中は、多くの遊技メダルが付与されるため、遊技者の気が大きくなり、冷静な判断ができなくなる可能性が高いといえる。また、AT遊技が潜伏しているのではないか(AT抽選に当選しているのではないか)という期待を持ってしまい易く、冷静な判断ができなくなる可能性が高いといえる。さらに、AT遊技の終了時には、AT遊技中に付与された遊技メダルの総数などが画像表示装置70に表示される。その際、これまでに使った金額に対応する遊技メダルの数よりもAT遊技中に付与された遊技メダルの数が少なければ、取り返そう(AT抽選に当選させよう)という気持ちに陥り易く、冷静は判断ができなくなる可能性が高いといえる。
(2)ボーナス遊技(本実施形態では、1BB遊技)が終了するタイミング
ボーナス遊技中は、多くの遊技メダルが付与されるため、遊技者の気が大きくなり、冷静な判断ができなくなる可能性が高いといえる。また、ボーナス役に当選した回数が多ければ、高設定(たとえば、設定値が5以上)ではないかという期待を持ってしまい易く、冷静な判断ができなくなる可能性が高いといえる。さらに、ボーナス遊技の終了時には、ボーナス遊技中に付与された遊技メダルの総数などが画像表示装置70に表示される。その際、これまでに使った金額に対応する遊技メダルの数よりもボーナス遊技中に付与された遊技メダルの数が少なければ、取り返そう(ボーナス役に当選させよう)という気持ちに陥り易く、冷静は判断ができなくなる可能性が高いといえる。
そこで、前述した各実施形態に適用するのめり込み対策として、AT遊技やボーナス遊技といった多くの遊技メダルが付与され得る特別遊技が終了するタイミングにおいて、注意喚起を行うようにした。
図24は、特別遊技の終了時において、画像表示装置70で表示される終了画面と注意喚起を行うための画像(以下、「注意喚起画像」と称する)の一例である。終了画面ENDは、少なくとも特別遊技中に付与された遊技メダルの総枚数(TOTAL XXX枚)と背景(図24においては3人のキャラクタを含む)とを示す画像である。なお、特別遊技中に付与された遊技メダルの総枚数(TOTAL XXX枚)を示す画像を、背景を示す画像(以下、「背景画像」と称する)と別個の画像として用意してもよい。また、注意喚起画像ATNは、「のめり込みに注意しましょう。パチスロは適度に楽しむ遊びです。」というメッセージが明記された画像である。
次に図25を参照し、特別遊技の終了時において、画像表示装置70に表示する注意喚起画像ATNの大きさについて説明する。注意喚起画像ATNは、小さすぎると遊技者が認識できず、のめり込み対策として期待されている効果を発揮できない。他方、大きすぎると他の画像を視認する際の妨げになる可能性がある。換言すると、遊技者に不快感を与える可能性がある。そこで、注意喚起画像ATNを表示する画像表示装置70が7インチ未満であれば(換言すると、小型の画像表示装置であれば)、注意喚起画像ATNの大きさを縦が10.00mm、横が64.12mmとしている。また、注意喚起画像ATNを表示する画像表示装置70が7インチ以上であれば(換言すると、大型の画像表示装置であれば)、注意喚起画像ATNの大きさを縦が30.00mm、横が192.37mmとしている。
[変形例]
上述したスロットマシン10に対しては、以下の構成を採用してもよい。
(1)図17に示したメニュー画面では、選択されている選択項目(選択位置の表示)を白抜きで表し、選択されていない選択項目をハッチングで表しているが、選択されている状態を示す態様はこれに限られない。例えば、選択されている選択項目の文字色と背景色とを入れ替えることによって選択されていることを表してもよい。また、文字色のみを別の色に変える、文字を点滅させる、選択項目の表示サイズを大きくする、などの方法によって選択されていることを表してもよい。
(2)メダルが投入されたことで、メニュー画面の表示できない状態にしてもよい。また、メダルの投入後、所定時間だけメニュー画面を表示できない状態にして、所定時間の経過後はメニュー画面を表示できる状態にしてもよい。また、メニュー画面表示中にメダルが投入されたときに演出画面に切り替えるようにしてもよいし、スタートスイッチ36が操作されたときに演出画面に切り替えるようにしてもよい。
(3)画像表示装置70に表示された画面(図17および図20参照)において、選択スイッチ38のアイコンA1によって示される有効なスイッチの種類は、表示されている画面に対応付けられていた(画像制御基板230は、表示する画面の種類を示すサブ制御コマンドを受信するだけで、画像表示装置70にその画面とともにそのときに有効なスイッチ(アイコンA1)を表示している)が、表示する画面の種類と、有効なスイッチの種類とを、個別に変更できるようにしてもよい。この場合、副制御基板202から画像制御基板204に対して、表示する画面の種類を示すサブ制御コマンドに加えて、その画面における有効なスイッチを示すサブ制御コマンドを送信するようにする。これにより、画像制御基板204は、サブ制御コマンドによって示された画面を表示するときに、その画面内のアイコンA1の表示を、有効なスイッチを示すサブコマンドに従って表示する。
このように構成した場合、例えば、図17に示したメニュー画面において、選択位置が「パスワード入力」の選択項目SIの位置にあるとき、副制御基板202は、選択スイッチ38の上下左右スイッチが有効である旨のサブ制御コマンドを画像制御基板204へ送信する。これにより、画像制御基板204は、メニュー画面内のアイコンA1の表示のうち、選択スイッチ38の上下左右スイッチに対応する位置を白抜きで表示する。また、選択位置が「会員登録」の選択項目SIの位置にあるとき、副制御基板202は、選択スイッチ38の下スイッチおよび右スイッチが有効である旨のサブ制御コマンドを画像制御基板204へ送信する。これにより、画像制御基板204は、メニュー画面内のアイコンA1の表示のうち、選択スイッチ38の下スイッチおよび右スイッチに対応する位置を白抜きで表示する。
(4)図17(b)および図20(b)に示したアイコンA1およびA2において、有効なスイッチを白抜き(点灯)で表示していたが、点滅によって有効であることを表してもよい。
(5)図17に示したメニュー画面および図20に示した配当表の画面では、画像表示装置70の画面内に情報表示領域INFおよびスイッチ機能表示領域SFを設けているが、画面内にスイッチ機能表示領域SFを設ける代わりに、選択スイッチ38および決定スイッチ39の有効/無効状態を示す表示装置(以下、「スイッチ機能表示装置」という)を別途、設けてもよい。この場合、スイッチ機能表示装置は、画像表示装置70とは別の演出手段として設けられている既存の表示装置であることが望ましい。
(6)遊技に関する情報を表示する遊技情報表示手段と、
複数の操作部によって構成された入力手段と、
前記複数の操作部のうち、有効化された操作部に対する操作に応じて前記遊技情報表示手段に表示された情報を切り替えるための表示切替手段と、
前記複数の操作部のうち、有効化された操作部を表示する操作情報表示手段と、
を備えるようにしてもよい。
また、前記操作情報表示手段は、少なくとも前記入力手段とは個別に設けられていてもよい。
従来のスロットマシンの中には、例えば特開2012−135540号公報に記載されているスロットマシンのように、筐体に設けられた演出スイッチを長押し(2秒以上の操作)すると、筐体上部の液晶表示装置に配当表(入賞時に入賞ラインに揃う図柄組合せ)を表示するものがある。また、特開2009−195431号公報に記載されているスロットマシンは、十字キーとエンターキーとを有するメニューキーを備え、遊技者の会員IDなどの情報を含んだパスワードを、メニューキーを使用してスロットマシンに入力することができる。これにより、パスワードの入力後の遊技履歴を記憶して、その遊技履歴の情報を、パスワードを入力した遊技者に提供することができるようになっている。
ところで、特開2012−135540号公報のスロットマシンのように配当表を液晶表示装置に表示する場合、入賞に係る図柄組合せの数が多いと、1つの画面に全ての図柄組合せを収めるには、表示する図柄組合せのサイズを小さくする必要が生じる。しかしながら、図柄組合せの表示サイズをあまり小さくしてしまうと、遊技者が図柄組合せを認識しづらくなってしまうため、1つの画面に収めることができる図柄組合せの数は自ずと限られてくる。
このため、入賞に係る図柄組合せの数が多い場合は、配当表を複数の画面(ページ)に分けて表示するようにして、各画面に表示する図柄組合せのサイズをできるだけ大きくし、特開2009−195431号公報のスロットマシンが備えている十字キーによって表示する配当表の画面を切り替えるようにすることが考えられる。
しかしながら、十字キーには操作方向が4方向あるため、遊技者は、どの方向に操作すれば配当表の画面を切り替えられるのかが分からず、実際に各方向に操作して画面の切り替わりを確認する必要がある。このため、配当表の画面表示に関する操作が分かりにくく、利用者に煩わしさを与えていた。
そこで、所望する情報を得るための操作を分かり易くすることができるようにするために、上述した(6)の構成を採用することが考えられる。
このような構成にした場合、遊技者が、遊技情報表示手段に表示された遊技に関する情報を切り替える際に、入力手段を構成する複数の操作部のうち、いずれの操作部が有効であるかが操作情報表示手段に表示される。このため、遊技者は所望する情報を得るために入力手段の操作部を操作する際に、有効になっている操作部を容易に認識でき、無効化されている操作部を操作してしまうことによる煩わしさを与える虞を少なくすることができる。また、操作情報表示手段が入力手段とは個別に設けた場合は、従来からスロットマシンが備えている既存の入力手段を、そのまま流用することができる。
(7)遊技に関する情報を表示する遊技情報表示手段と、
複数の操作部によって構成された入力手段と、
前記複数の操作部のうち、いずれの操作部が操作されても、前記遊技情報表示手段に表示された情報を切り替える表示切替手段と、
を備えるようにしてもよい。
従来のスロットマシンの中には、例えば2012−135540号公報に記載されているスロットマシンのように、筐体に設けられた演出スイッチを長押し(2秒以上の操作)すると、筐体上部の液晶表示装置に配当表(入賞時に入賞ラインに揃う図柄組合せ)を表示するものがある。また、特開2009−195431号公報に記載されているスロットマシンは、十字キーとエンターキーとを有するメニューキーを備え、遊技者の会員IDなどの情報を含んだパスワードを、メニューキーを使用してスロットマシンに入力することができる。これにより、特開2009−195431号公報のスロットマシンは、パスワードの入力後の遊技履歴を記憶して、その遊技履歴の情報を、パスワードを入力した遊技者に提供することができるようになっている。
ところで、2012−135540号公報のスロットマシンのように配当表を液晶表示装置に表示する場合、入賞に係る図柄組合せの数が多いと、1つの画面に全ての図柄組合せを収めるには、表示する図柄組合せのサイズを小さくする必要が生じる。しかしながら、図柄組合せの表示サイズをあまり小さくしてしまうと、遊技者が図柄組合せを認識しづらくなってしまうため、1つの画面に収めることができる図柄組合せの数は自ずと限られてくる。
このため、入賞に係る図柄組合せの数が多い場合は、配当表を複数の画面(ページ)に分けて表示するようにして、各画面に表示する図柄組合せのサイズをできるだけ大きくし、特開2009−195431号公報のスロットマシンが備えている十字キーによって表示する配当表の画面を切り替えるようにすることが考えられる。
一般に、十字キーは複数の方向(例えば上下左右の4方向)に操作可能であり、スロットマシンにおいて、十字キーがいずれの方向に操作されたのかが識別可能になっている。そこで、例えば十字キーが特定の方向に操作された場合のみ、配当表の画面を切り替えるようにすると、十字キーにおいて、画面が切り替わる操作方向と、切り替わらない操作方向とが混在することになる。したがって、遊技者は、意識して画面が切り替わる方向へ十字キーを操作しなくてはならないため、画面の切り替えに関する操作性が良いとはいえない。
そこで、所望する情報を得るために行う操作の操作性を向上させることができるようにするために、上述した(7)の構成を採用することが考えられる。
このような構成にした場合、入力手段を構成する複数の操作部のいずれを操作しても、遊技情報表示手段に表示された情報が切り替わる。したがって、遊技者は意識して特定の操作部を操作する必要がないため、操作性を向上させることができる。
(8)複数の選択肢を含む選択画面を表示する表示手段と、
前記選択画面内の選択肢のうちいずれか1つを選択する選択手段と、
外部からの操作に応じて前記表示手段に表示された選択画面から前記選択手段によって選択された選択肢に対応する情報を表示した被選択画面へ切り替える表示切替手段と、
を備え、
前記表示切替手段は、
外部からの操作に応じて前記表示手段の表示を被選択画面から選択画面に切り替えるときに、該被選択画面に対応する選択肢が選択された状態の選択画面を表示するようにしてもよい。
従来のスロットマシンの中には、例えば特開2009−195431号公報に記載されているスロットマシンのように、十字キーとエンターキーとを備え、複数のメニューを含むメニュー画面が画像表示装置に表示されているときに十字キーを操作すると、メニュー画面内のカーソルが、十字キーの操作に応じて移動するようになっている。そして、カーソルを所望するメニューの位置まで移動させた状態でエンターキーを操作すると、カーソルの位置のメニュー(遊技者によって選択されたメニュー)に対応する画面に切り替わる。また、選択されたメニューに対応する画面が表示されているときにエンターキーが操作されると、再びメニュー画面の表示に切り替わる。
特開2009−195431号公報のスロットマシンにおいて、選択されたメニューに対応する画面(以下、この項において「選択画面」という)からメニュー画面に戻ったときに、例えば、メニュー画面内のカーソルの位置が初期位置(メニュー画面が表示されたときに十字キーが操作される前のカーソルの位置)に戻っていたとする。この場合、選択画面からメニュー画面に戻った後、再び選択画面を表示させるには、改めて十字キーを操作してカーソルを所望するメニューの位置まで移動させる必要がある。
このため、メニュー画面において、カーソルを所望するメニューの位置に移動させた状態で、遊技者が意図せずエンターキーを2回操作してしまうと、メニュー画面から選択画面に切り替わった直後に再びメニュー画面が表示されてしまうことになる。このとき、メニュー画面に表示されるカーソルの位置は初期位置に戻っているため、改めて選択画面を表示する場合、遊技者は再び十字キーを操作して、カーソルを所望するメニューの位置へ移動させなければならなかった。
そこで、遊技者が意図せず本来とは異なる操作をしてしまったために所望する情報が得られなかった場合に、再び所望する情報を得るための操作が煩雑になるのを避けることができるようにするために、上述した(8)の構成を採用することが考えられる。
このような構成にした場合、表示手段に選択画面が表示されているときに外部から操作されると被選択画面に切り替わり、被選択画面が表示されているときに外部から操作されると選択画面に切り替わる。そして、被選択画面から選択画面に切り替わったときは、当該選択画面において、上述した被選択画面に対応する選択肢が選択された状態になっている。これにより、遊技者が意図しない操作によって、選択画面から被選択画面に切り替わり、再び選択画面に戻ってしまった場合、当該選択画面において改めて上述した選択画面に対応する選択肢を選び直す必要が無いため、本来所望していた画面を表示させるための操作が煩雑になるのを避けることができる。
(9)複数の選択肢を含む選択画面を表示する表示手段と、
前記選択画面内の選択肢のうちいずれか1つを選択する選択手段と、
外部からの操作に応じて前記表示手段に表示された選択画面から前記選択手段によって選択された選択肢に対応する情報を表示した被選択画面へ切り替える表示切替手段と、
を備え、
前記表示切替手段は、
外部からの操作に応じて前記表示手段の表示を被選択画面から選択画面に切り替えるときに、該被選択画面に対応する選択肢が選択された状態の選択画面を表示し、
前記表示手段は、
電源の遮断後に最初に選択画面を表示するときは、前記複数の選択肢に関する選択状態が初期化された状態で表示するようにしてもよい。
なお、「複数の選択肢に関する選択状態が初期化された状態」の一例としては、いずれの選択肢も選択されていない状態、または、予め定められている選択肢が選択されている状態などがある。
従来のスロットマシンの中には、例えば特開2009−195431号公報に記載されているスロットマシンのように、十字キーとエンターキーとを備え、複数のメニューを含むメニュー画面が画像表示装置に表示されているときに十字キーを操作すると、メニュー画面内のカーソルが、十字キーの操作に応じて移動するようになっている。そして、カーソルを所望するメニューの位置まで移動させた状態でエンターキーを操作すると、カーソルの位置のメニュー(遊技者によって選択されたメニュー)に対応する画面に切り替わる。また、選択されたメニューに対応する画面が表示されているときにエンターキーが操作されると、再びメニュー画面の表示に切り替わる。
上述した特開2009−195431号公報のスロットマシンにおいて、選択されたメニューに対応する画面(以下、この項において「選択画面」という)からメニュー画面に戻ったときに、例えば、メニュー画面内のカーソルの位置が初期位置(メニュー画面が表示されたときに十字キーが操作される前のカーソルの位置)に戻っていたとする。この場合、選択画面からメニュー画面に戻った後、再び選択画面を表示させるには、改めて十字キーを操作してカーソルを所望するメニューの位置まで移動させる必要がある。
このため、メニュー画面において、カーソルを所望するメニューの位置に移動させた状態で、遊技者が意図せずエンターキーを2回操作してしまうと、メニュー画面から選択画面に切り替わった直後に再びメニュー画面が表示されてしまうことになる。このとき、メニュー画面に表示されるカーソルの位置は初期位置に戻っているため、改めて選択画面を表示する場合、遊技者は再び十字キーを操作して、カーソルを所望するメニューの位置へ移動させなければならなかった。
そこで、遊技者が意図せず本来とは異なる操作をしてしまったために所望する情報が得られなかった場合に、再び所望する情報を得るための操作が煩雑になるのを避けることができるようにするために、上述した(9)の構成を採用することが考えられる。
このような構成にした場合、表示手段に選択画面が表示されているときに外部から操作されると被選択画面に切り替わり、被選択画面が表示されているときに外部から操作されると選択画面に切り替わる。そして、被選択画面から選択画面に切り替わったときは、当該選択画面において、上述した被選択画面に対応する選択肢が選択された状態になっている。これにより、遊技者が意図しない操作によって、選択画面から被選択画面に切り替わり、再び選択画面に戻ってしまった場合、当該選択画面において改めて上述した選択画面に対応する選択肢を選び直す必要が無いため、本来所望していた画面を表示させるための操作が煩雑になるのを避けることができる。
また、スロットマシンの電源の遮断後に最初に選択画面が表示されたときは、選択肢の選択状態が初期化されているので、遊技場のスタッフが、営業終了後に一々手作業で選択状態を初期化する必要がなく、遊技場のスタッフの作業負担を軽減することができる。
(10)複数の選択肢を含む選択画面を表示する表示手段と、
前記複数の選択肢のうちいずれか1つの選択肢を選択するための選択手段と、
前記選択手段の近傍に設置され、選択肢を決定する決定手段と、
前記決定手段によって決定された選択肢に対応する情報を表示した被選択画面へ切り替える表示切替手段と、
を備え、
前記表示切替手段は、
前記表示手段に被選択画面が表示されているときに前記決定手段が操作されると、該被選択画面に対応する選択肢が選択された状態の選択画面に表示を切り替えるようにしてもよい。
なお、「近傍」とは、決定手段を操作するときに、同時に選択手段も操作し得る程度に接近している位置関係をいう。
従来のスロットマシンの中には、例えば特開2009−195431号公報に記載されているスロットマシンのように、十字キーとエンターキーとを備え、複数のメニューを含むメニュー画面が画像表示装置に表示されているときに十字キーを操作すると、メニュー画面内のカーソルが、十字キーの操作に応じて移動するようになっている。そして、カーソルを所望するメニューの位置まで移動させた状態でエンターキーを操作すると、カーソルの位置のメニュー(遊技者によって選択されたメニュー)に対応する画面に切り替わる。また、選択されたメニューに対応する画面が表示されているときにエンターキーが操作されると、再びメニュー画面の表示に切り替わる。
上述した特開2009−195431号公報のスロットマシンにおいて、選択されたメニューに対応する画面(以下、この項において「選択画面」という)からメニュー画面に戻ったときに、例えば、メニュー画面内のカーソルの位置が初期位置(メニュー画面が表示されたときに十字キーが操作される前のカーソルの位置)に戻っていたとする。この場合、選択画面からメニュー画面に戻った後、再び選択画面を表示させるには、改めて十字キーを操作してカーソルを所望するメニューの位置まで移動させる必要がある。
このため、メニュー画面において、カーソルを所望するメニューの位置に移動させた状態で、遊技者が意図せずエンターキーを2回操作してしまうと、メニュー画面から選択画面に切り替わった直後に再びメニュー画面が表示されてしまうことになる。このとき、メニュー画面に表示されるカーソルの位置は初期位置に戻っているため、改めて選択画面を表示する場合、遊技者は再び十字キーを操作して、カーソルを所望するメニューの位置へ移動させなければならなかった。
そこで、遊技者が意図せず本来とは異なる操作をしてしまったために所望する情報が得られなかった場合に、再び所望する情報を得るための操作が煩雑になるのを避けることができるようにするために、上述した(10)の構成を採用することが考えられる。
このような構成にした場合、表示手段に選択画面が表示されているときに決定手段が操作されると、決定された選択肢に対応する被選択画面に切り替わり、被選択画面が表示されているときに決定手段が操作されると選択画面に切り替わる。そして、被選択画面から選択画面に切り替わったときは、当該選択画面において、上述した被選択画面に対応する選択肢が選択された状態になっている。これにより、例えば選択画面で所望する選択肢を選択し、決定手段を操作して被選択画面を表示させた場合において、当該被選択画面において選択手段を操作したつもりが、近傍の決定手段を操作してしまうと、再び選択画面に戻ってしまうことになる。しかしながら、このときの選択画面では、上述した被選択画面に対応する選択肢が選択された状態になっており、改めて選択肢を選び直す必要が無いため、本来所望していた画面を表示させるための操作が煩雑になるのを避けることができる。
(11)開閉可能な前面扉を有する筐体と、
音声を出力可能な音声出力手段と、
複数の選択肢を含む選択画面を表示する表示手段と、
前記複数の選択肢のうちいずれか1つの選択肢を選択する選択手段と、
選択肢を決定する決定手段と、を備え、
前記前面扉が閉じている所定の状況下で前記決定手段が操作されると、前記表示手段に前記選択画面を表示するとともに前記音声出力手段から音声を出力し、前記前面扉が開かれると、前記決定手段の操作を無効化するようにしてもよい。
このとき、前記前面扉が開かれたことにより前記決定手段の操作が無効化されているときに、前記筐体内部に設けられた所定の操作手段が操作されると、前記決定手段の操作を有効にするようにしてもよく、加えて、前記筐体内部に設けられた所定の操作手段が、誤作動防止手段を備えるようにしてもよい。
なお、「誤作動防止手段」としては、例えば「所定の操作手段」がキースイッチである場合は、「誤作動防止手段」は当該キースイッチをオン/オフすることができるキー(鍵)となる。また、「所定の操作手段」が押しボタン式のスイッチである場合は、当該押しボタン式のスイッチを覆う開閉式のカバーなどが該当する。
従来のスロットマシンの中には、例えば特開2016−010546号公報に記載されているスロットマシンのように、電源スイッチがオンにされたときにスロットマシンの前面扉が開けられた状態で設定キースイッチがオンになっていると設定変更モードへ移行し、いわゆる設定値の変更が可能になるものがある。また、特開2016−010546号公報のスロットマシンは、既に電源スイッチがオンになっているときに筐体の前面扉が開けられた状態で設定キースイッチがオンにされると、設定確認モードへ移行し、設定されている設定値を確認することができるようになっている。さらに、特開2016−010546号公報のスロットマシンは、設定変更モードまたは設定確認モードへ移行すると、画像表示装置にシステムメニューを表示し、十字キーおよびプッシュボタンの操作に応じて、スロットマシンのスピーカから出力可能な音量の設定や、筐体に設けられたランプ(枠ランプ)を遊技待機中に駆動するときの点滅パターンの選択や、枠ランプをテストする際の点灯パターンの選択などが可能となる。
また、特開2009−195431号公報に記載されているスロットマシンは、全てのリールが停止している状態でメニューキーが操作されると、画像表示装置に複数のメニューを含んだメニュー画面を表示し、遊技者によるメニューキーの操作に応じて、メニュー画面で選択されたメニューに対応する処理を行っている。
上述した特開2016−010546号公報のスロットマシンにおいて、前面扉が開いた状態でもプッシュボタンの操作が有効であることが記載されているが、例えば遊技場のスタッフなどが、前面扉が開いた状態で行う作業には、例えば遊技メダルの補充作業のように、プッシュボタンを操作する必要がない作業もある。ここで、特開2009−195431号公報のスロットマシンにおけるメニュー画面の表示を特開2016−010546号公報のスロットマシンにおいても可能とし、メニュー画面を表示する際に、例えばメニュー画面の表示と共にスピーカから音声やBGM(以下、この項において「表示音」という。)を出力するように構成したとする。
このとき、遊技場のスタッフなどが前面扉を開けて作業をしているときに、そのスタッフが誤ってプッシュボタンに触れてしまったり、遊技者がメニュー画面を表示させようとして勝手にプッシュボタンを操作してしまうと、遊技場のスタッフは予期せず表示音を聴くこととなり(プッシュボタンの操作が有効であるため、メニュー画面を表示することになるため(設定キースイッチがオフのときに限る))、スタッフを驚かせてしまったり、鬱陶しさを与えてしまったりする虞がある。
そこで、遊技場のスタッフがスロットマシンの前面扉を開けた状態で作業する際に、安心して作業を行うことができるようにするために、上述した(11)の構成を採用することが考えられる。
このような構成にした場合、前面扉が開かれると決定手段の操作が無効化されるため、例えば、遊技場のスタッフが前面扉を開けた状態で作業を行っているときに、何らかの要因で予期せず決定手段が操作されてしまった場合でも、選択画面を表示する際に発生する音声が出力されないため(選択画像も表示されないため)、遊技場のスタッフを驚かせたり、鬱陶しさを与えてしまったりすることなく、安心して作業を行うことができる。
また、前記決定手段の操作が無効化されているときに、前記筐体内部に設けられた所定の操作手段が操作されると、前記決定手段の操作を有効に前面扉が開かれた状態であっても、前記筐体内部に設けられた所定の操作手段が操作されると、前記決定手段の操作を有効にした場合は、筐体内部の所定の操作手段を操作すると、決定手段の操作が有効となるため、前面扉を開けた状態で決定スイッチの操作を必要とする作業(例えば、特開2016−010546号公報のシステムメニューに関する操作など)を行うことが可能となる。
さらに、誤作動防止手段を備えた場合は、所定の操作手段が誤作動防止手段を備えているので、遊技場のスタッフなどが所定の操作手段を意図せず操作してしまうのを防止することできる。
(12)複数の選択肢を含む選択画面を表示する表示手段と、
前記複数の選択肢のうちいずれか1つの選択肢を選択する選択手段と、
選択肢を決定する決定手段と、を備え、
前記表示手段に選択画面が表示されておらず、かつ、所定の表示可能条件を満たしているときに、前記決定手段が操作されると前記表示手段に前記選択画面を表示し、
前記選択画面において、前記決定手段によって決定された選択肢が特定の選択肢であった場合、前記選択画面の表示を終了し、
前記所定の表示可能条件を満たしていても、前記選択画面の表示を終了してから所定時間が経過するまでは、前記決定手段が操作されても前記表示手段に前記選択画面を表示しないようにしてもよい。
なお、「所定の表示可能条件」の一例としては、いずれの役にも入賞せずに遊技が終了したときや、小役が入賞してメダルの払い出しが完了したとき、などがある。
従来のスロットマシンの中には、例えば特開2009−195431号公報に記載されているスロットマシンのように、全てのリールが停止している状態でメニューキーが操作されると、画像表示装置に複数のメニューを含んだメニュー画面を表示させ、当該メニュー画面で選択されたメニューに対応する処理を行うものがある。このメニュー画面の中には「終了」というメニューが含まれており、「終了」を選択してメニューキーのエンターキーを押すと、メニュー画面が終了してデモンストレーション画面が表示される。
上述した特開2009−195431号公報のスロットマシンにおいて、表示中のメニュー画面において「終了」を選択した状態でエンターキーを2回操作してしまうと、一旦はデモンストレーション画面が表示されるが、全てのリールが停止している状態なので再びメニュー画面が表示されることになる。このとき、再び表示されたメニュー画面において、初期状態として「終了」以外のメニューが選択されていたり、いずれのメニューも選択されていない状態であったりした場合、メニュー画面を終了させるには、再度「終了」を選択してエンターキーを押すというように、同じ操作をもう一度繰り返さなければならず、操作が煩雑になっていた。
そこで、遊技者が意図せず本来とは異なる操作をしてしまった場合に、改めて操作をやり直す手間を軽減し得るようにするために、上述した(12)の構成を採用することが考えられる。
このような構成にした場合、選択画面の表示が終了した後は、選択画面を表示することができる所定の表示可能条件を満たしていても、所定時間が経過するまでは、決定手段の操作が無効化される。このため、選択画面を終了させるために決定手段を操作する際に、遊技者が誤って2回続けて決定手段を操作してしまった場合、最初の操作で選択画面の表示が終了するが、2回目の操作は無効になるため、再び選択画面が表示されてしまうのを防ぐことができる。よって、改めて選択画面を終了するための操作を行う必要が無いため、遊技者の手間を軽減することができる。
(13)複数の選択肢を含む選択画面を表示する表示手段と、
前記複数の選択肢のうちいずれか1つの選択肢を選択する選択手段と、
選択肢を決定する決定手段と、を備え、
前記表示手段に選択画面が表示されておらず、かつ、所定の表示可能条件を満たしているときに、前記決定手段が操作されると前記表示手段に前記選択画面を表示し、
前記選択画面において、前記決定手段によって決定された選択肢が特定の選択肢であった場合、前記選択画面の表示を終了し、
前記所定の表示可能条件を満たしていても、前記選択画面の表示を終了してから所定時間が経過するまでは、前記決定手段が操作されても前記表示手段に前記選択画面を表示せず、
前記決定手段が操作され、前記表示手段に前記選択画面を表示した直後であっても、前記決定手段が操作されたときは、前記決定手段によって決定された選択肢に対応する被選択画面に切り替えるようにしてもよい。
なお、「所定の表示可能条件」の一例としては、いずれの役にも入賞せずに遊技が終了したときや、小役が入賞してメダルの払い出しが完了したとき、などがある。
従来のスロットマシンの中には、例えば特開2009−195431号公報に記載されているスロットマシンのように、全てのリールが停止している状態でメニューキーが操作されると、画像表示装置に複数のメニューを含んだメニュー画面を表示させ、当該メニュー画面で選択されたメニューに対応する処理を行うものがある。このメニュー画面の中には「終了」というメニューが含まれており、「終了」を選択してメニューキーのエンターキーを押すと、メニュー画面が終了してデモンストレーション画面が表示される。
上述した特開2009−195431号公報のスロットマシンにおいて、表示中のメニュー画面において「終了」を選択した状態でエンターキーを2回操作してしまうと、一旦はデモンストレーション画面が表示されるが、全てのリールが停止している状態なので再びメニュー画面が表示されることになる。このとき、再び表示されたメニュー画面において、初期状態として「終了」以外のメニューが選択されていたり、いずれのメニューも選択されていない状態であったりした場合、メニュー画面を終了させるには、再度「終了」を選択してエンターキーを押すというように、同じ操作をもう一度繰り返さなければならず、操作が煩雑になっていた。
そこで、遊技者が意図せず本来とは異なる操作をしてしまった場合に、改めて操作をやり直す手間を軽減し得るようにするために、上述した(13)の構成を採用することが考えられる。
このような構成にした場合、選択画面の表示が終了した後は、選択画面を表示することができる所定の表示可能条件を満たしていても、所定時間が経過するまでは、決定手段の操作が無効化される。このため、選択画面を終了させるために決定手段を操作する際に、遊技者が誤って2回続けて決定手段を操作してしまった場合、最初の操作で選択画面の表示が終了するが、2回目の操作は無効になるため、再び選択画面が表示されてしまうのを防ぐことができる。よって、改めて選択画面を終了するための操作を行う必要が無いため、遊技者の手間を軽減することができる。
また、選択画面を表示した直後であっても、決定手段が操作されたときは、決定手段によって決定された選択肢に対応する被選択画面を表示する。換言すると、遊技者は被選択画面への切り替えを直ちに行うことができる。すなわち、決定手段を操作したときに、一律無効にするのではなく、必要なときのみ無効にするようにする。
なお、本実施形態と、上述した各変形例やのめり込み対策を適宜組み合わせることは可能である。さらに、本発明は、明細書および図面に記載した構成に限定されるものではなく、それらを上位概念化した態様も含む。