JP2019030251A - 魚礁ブロック - Google Patents
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Abstract
【課題】特に多様な海洋生物による豊かな魚礁を構築可能な魚礁ブロックを提供する。
【解決手段】魚礁ブロック1は、円柱状の本体部10と、本体部10の下端外周に周設されている基礎部20と、を備え、本体部10が本体枠11とその内部の本体充填材12を有し、基礎部20が基礎枠21とその内部に充填されている基礎充填材22を有し、本体枠11と基礎枠21が金網型枠であることを特徴とする。
【選択図】図1
【解決手段】魚礁ブロック1は、円柱状の本体部10と、本体部10の下端外周に周設されている基礎部20と、を備え、本体部10が本体枠11とその内部の本体充填材12を有し、基礎部20が基礎枠21とその内部に充填されている基礎充填材22を有し、本体枠11と基礎枠21が金網型枠であることを特徴とする。
【選択図】図1
Description
本発明は魚礁ブロックに関し、特に多様な海洋生物による豊かな魚礁を構築可能な魚礁ブロックに関する。
魚礁ブロックは、海底に複数配置することで魚礁を構築するためのブロックである。
コンブなどの藻類は、魚類の餌料になるほか、魚類が卵を産み付ける産卵場としての役割や、海流の流れを緩和して遊泳力の弱い稚魚などを守る休憩場の役割、外敵から身を守る逃避場の役割などを提供する。
フジツボ類やカンザシゴカイ類などの一次付着生物は様々な種類の魚類の餌料となる。また、一次付着生物はエビやカニなどの二次付着生物の棲み場にもなり、これらが混在することで魚類の餌場を提供する。
魚礁ブロックの表面にこれら藻類や付着生物を付着させることで、魚類の繁殖を促す魚礁を構築することができる。
魚礁ブロックに関する従来技術として、特許文献1〜3には、型枠で製作するコンクリート製の魚礁ブロックが開示されている。これらの魚礁ブロックは、型枠内へコンクリートを打設し、養生した後に脱型して製作し、これを海中に吊り下ろして海底に配置する。
コンブなどの藻類は、魚類の餌料になるほか、魚類が卵を産み付ける産卵場としての役割や、海流の流れを緩和して遊泳力の弱い稚魚などを守る休憩場の役割、外敵から身を守る逃避場の役割などを提供する。
フジツボ類やカンザシゴカイ類などの一次付着生物は様々な種類の魚類の餌料となる。また、一次付着生物はエビやカニなどの二次付着生物の棲み場にもなり、これらが混在することで魚類の餌場を提供する。
魚礁ブロックの表面にこれら藻類や付着生物を付着させることで、魚類の繁殖を促す魚礁を構築することができる。
魚礁ブロックに関する従来技術として、特許文献1〜3には、型枠で製作するコンクリート製の魚礁ブロックが開示されている。これらの魚礁ブロックは、型枠内へコンクリートを打設し、養生した後に脱型して製作し、これを海中に吊り下ろして海底に配置する。
従来技術には次のような欠点があった。
<1>表面が平滑なコンクリート面のみからなるため環境の変化に乏しく、繁殖する海洋生物の種類が極めて限定される。よって、多様な生態系を実現することができない。
<2>平面の組合せによる箱型形状からなるため、海流の影響を受けやすく、転倒・滑動しやすい。
<3>コンクリートの脱型作業が必要であるため、施工効率が悪く施工コストが嵩む。
<1>表面が平滑なコンクリート面のみからなるため環境の変化に乏しく、繁殖する海洋生物の種類が極めて限定される。よって、多様な生態系を実現することができない。
<2>平面の組合せによる箱型形状からなるため、海流の影響を受けやすく、転倒・滑動しやすい。
<3>コンクリートの脱型作業が必要であるため、施工効率が悪く施工コストが嵩む。
以上の課題を解決する本発明の魚礁ブロックは、円柱状の本体部と、本体部の下端外周に周設されている基礎部と、を備え、本体部が本体枠とその内部の本体充填材を有し、基礎部が基礎枠とその内部に充填されている基礎充填材を有し、本体枠と基礎枠が金網型枠であることを特徴とする。
本構成によれば、多様な海洋生物が繁殖可能な豊かな魚礁を構築することができる。
本構成によれば、多様な海洋生物が繁殖可能な豊かな魚礁を構築することができる。
本発明の魚礁ブロックは、本体充填材と基礎充填材がコンクリートであり、これらが本体枠の網目を介して一体化していてもよい。
本構成によれば、安定した形状のコンクリートの一体構造体を容易に製作することができる。
本構成によれば、安定した形状のコンクリートの一体構造体を容易に製作することができる。
本発明の魚礁ブロックは、本体枠と基礎枠の少なくとも一方が、無端帯状の菱形金網からなる型枠材と、これを内側から形状保持する複数の形状保持材を有していてもよい。
本構成によれば、折り畳むことができるので、施工効率がよく、搬送コストが安い。
本構成によれば、折り畳むことができるので、施工効率がよく、搬送コストが安い。
本発明の魚礁ブロックは、形状保持材が円環状の線材からなっていてもよい。
本構成によれば、簡易な構造で型枠材を形状保持できる。
本構成によれば、簡易な構造で型枠材を形状保持できる。
本発明の魚礁ブロックは、本体孔または基礎孔の少なくとも一方を有していてもよい。
本構成によれば、孔内に魚類やカニなどの甲殻類の棲み場を提供できる。
本構成によれば、孔内に魚類やカニなどの甲殻類の棲み場を提供できる。
本発明の魚礁ブロックは、本体管または基礎管の少なくとも一方を有していてもよい。
本構成によれば、管内に魚類や甲殻類が落ち着いて留まりやすい。
本構成によれば、管内に魚類や甲殻類が落ち着いて留まりやすい。
本発明の魚礁ブロックは、本体充填材の上方または基礎充填材の上方の少なくとも一方に定着空間を有していてもよい。
本構成によれば、魚礁ブロックの上部に、水中生物の棲み場を確保できる。
本構成によれば、魚礁ブロックの上部に、水中生物の棲み場を確保できる。
本発明の魚礁ブロックは、本体充填材と基礎充填材が水中コンクリートであってもよい。
本構成によれば、海中で打設できるため施工効率が非常に高い。
本構成によれば、海中で打設できるため施工効率が非常に高い。
本発明の魚礁ブロックは、以上の構成を備えるため次の効果のうち少なくとも一つを備える。
<1>金網とコンクリートの組合せと、凹凸に富んだ複雑な表面形状によって、多様な海洋生物が繁殖可能な豊かな魚礁を構築することができる。
<2>金網が藻類の生長に必要な鉄イオンを溶出することで、藻類の繁殖を促すことができる。
<3>円柱の組合せによる渦流効果により、栄養源に富んだ水域を形成することができる。
<4>円柱の組合せであるため、海流の影響を受けにくく、転倒・滑動しにくい。
<5>側面視凸形状の安定した一体構造物を、型枠の脱型を必要とせず容易に製作することができる。
<1>金網とコンクリートの組合せと、凹凸に富んだ複雑な表面形状によって、多様な海洋生物が繁殖可能な豊かな魚礁を構築することができる。
<2>金網が藻類の生長に必要な鉄イオンを溶出することで、藻類の繁殖を促すことができる。
<3>円柱の組合せによる渦流効果により、栄養源に富んだ水域を形成することができる。
<4>円柱の組合せであるため、海流の影響を受けにくく、転倒・滑動しにくい。
<5>側面視凸形状の安定した一体構造物を、型枠の脱型を必要とせず容易に製作することができる。
以下、図面を参照しながら本発明の魚礁ブロックについて詳細に説明する。
[魚礁ブロック]
<1>全体の構成(図1)。
本発明の魚礁ブロック1は、魚礁を構成するためのブロックである。
魚礁ブロック1は、円柱状の本体部10と、本体部10の下端外周に周設されている基礎部20と、を備える二重管状の構造を呈する。
<1>全体の構成(図1)。
本発明の魚礁ブロック1は、魚礁を構成するためのブロックである。
魚礁ブロック1は、円柱状の本体部10と、本体部10の下端外周に周設されている基礎部20と、を備える二重管状の構造を呈する。
<2>本体部。
本体部10は、藻類や付着生物を付着し繁殖させるための部分である。
本体部10は、円筒状の本体枠11と、本体枠11の内部に充填されている本体充填材12と、を有する円柱形状を呈する。
本例では、本体充填材12としてコンクリートを採用する。ただし、これに限られず、モルタル、玉石、砕石、貝殻、鋼鉄スラグ、またはこれらの組合せであってもよい。
本例では、本体枠11の周面を貫通し、本体充填材12内に至る複数の本体孔13と、本体孔13内から本体枠11の外側に突出する複数の本体管14を更に備える。
本体部10は、藻類や付着生物を付着し繁殖させるための部分である。
本体部10は、円筒状の本体枠11と、本体枠11の内部に充填されている本体充填材12と、を有する円柱形状を呈する。
本例では、本体充填材12としてコンクリートを採用する。ただし、これに限られず、モルタル、玉石、砕石、貝殻、鋼鉄スラグ、またはこれらの組合せであってもよい。
本例では、本体枠11の周面を貫通し、本体充填材12内に至る複数の本体孔13と、本体孔13内から本体枠11の外側に突出する複数の本体管14を更に備える。
<2.1>本体枠。
本体枠11は、本体部10の周面を構成する円筒状の金網捨て型枠である。
本例では、本体枠11として円筒状に組んだメタルラス(エキスパンドメタル)を採用する。なお、本体枠11の素材はこれに限られず、亀甲金網などであってもよい。要は本体充填材12の漏れを防げる程度の網目を有する金網構造であればよい。
なお、本体枠11に菱形金網を用いる例については実施例2で後述する。
本体枠11は、本体部10の周面を構成する円筒状の金網捨て型枠である。
本例では、本体枠11として円筒状に組んだメタルラス(エキスパンドメタル)を採用する。なお、本体枠11の素材はこれに限られず、亀甲金網などであってもよい。要は本体充填材12の漏れを防げる程度の網目を有する金網構造であればよい。
なお、本体枠11に菱形金網を用いる例については実施例2で後述する。
<2.1.1>本体枠の表面の構造(図2)。
本発明の魚礁ブロック1は、本体枠11が金網からなるため、打設時に本体枠11の網目から滲出した本体充填材12が、本体枠11の表面を部分的に被覆した形状で硬化する。この凹凸のある表面形状によって、大きな表面積を確保し、藻類の種の付着率を高めることができる。
また、本体枠11の内、本体充填材12から露出している部分や本体充填材12の天端より上の部分は、海水に晒されることによって、鉄粒子が鉄イオンとして僅かずつ海中に溶け出してゆく。鉄イオンは、藻類の生長を促すため、本体枠11の露出部には藻類が繁殖しやすい。
一方、本体充填材12の滲出硬化部には、不整形な表面形状を好むフジツボなどの付着生物が繁殖しやすい。
本発明の魚礁ブロック1は、以上のような複雑な表面構造によって、種類の異なる藻類と付着生物を混在して定着させ、これを餌料とする多様な魚類を集めることができる。
本発明の魚礁ブロック1は、本体枠11が金網からなるため、打設時に本体枠11の網目から滲出した本体充填材12が、本体枠11の表面を部分的に被覆した形状で硬化する。この凹凸のある表面形状によって、大きな表面積を確保し、藻類の種の付着率を高めることができる。
また、本体枠11の内、本体充填材12から露出している部分や本体充填材12の天端より上の部分は、海水に晒されることによって、鉄粒子が鉄イオンとして僅かずつ海中に溶け出してゆく。鉄イオンは、藻類の生長を促すため、本体枠11の露出部には藻類が繁殖しやすい。
一方、本体充填材12の滲出硬化部には、不整形な表面形状を好むフジツボなどの付着生物が繁殖しやすい。
本発明の魚礁ブロック1は、以上のような複雑な表面構造によって、種類の異なる藻類と付着生物を混在して定着させ、これを餌料とする多様な魚類を集めることができる。
<2.2>本体孔。
本体孔13は、魚類やカニなどの甲殻類の棲み場としての機能を有する孔である。
本体孔13は、本体枠11の表面から本体充填材12内へ穿設する。
本例では、本体孔13が本体充填材12と本体枠11の両側を貫通し、孔内に本体管14が配置する。
なお、本体孔13は本体充填材12を貫通させず、本体充填材12内までの深さとしてもよい。
本体孔13は、魚類やカニなどの甲殻類の棲み場としての機能を有する孔である。
本体孔13は、本体枠11の表面から本体充填材12内へ穿設する。
本例では、本体孔13が本体充填材12と本体枠11の両側を貫通し、孔内に本体管14が配置する。
なお、本体孔13は本体充填材12を貫通させず、本体充填材12内までの深さとしてもよい。
<2.3>本体管。
本体管14は、本体孔13の抜き型枠としての機能を有する管体である。
本体管14は、本体枠11より外側に突出させる。これによって、管内に暗所を形成し、魚類や甲殻類が落ち着いて留まりやすい環境を確保することができる。
本例では、本体管14として、円形鋼管を採用する。
なお、本体管14の断面形状は円形に限られず、例えば角形鋼管などを採用してもよい。
本体管14は、本体孔13の抜き型枠としての機能を有する管体である。
本体管14は、本体枠11より外側に突出させる。これによって、管内に暗所を形成し、魚類や甲殻類が落ち着いて留まりやすい環境を確保することができる。
本例では、本体管14として、円形鋼管を採用する。
なお、本体管14の断面形状は円形に限られず、例えば角形鋼管などを採用してもよい。
<3>基礎部。
基礎部20は、藻類や付着生物を付着し繁殖させるとともに、魚礁ブロック1の設置の安定を図るための部分である。
基礎部20は、円筒状の基礎枠21と、本体枠11と基礎枠21の間に充填されている基礎充填材22と、を有し、本体部10の下端部の全周を覆う。
基礎部20は、本例では、基礎枠21の周面を貫通し、基礎充填材22内に至る複数の基礎孔23と、基礎孔23内から基礎枠21の外側に突出する複数の基礎管24を更に備える。
基礎部20の各部の構造は、本体部10の各部と概ね共通するため、ここでは説明を省略する。
基礎部20は、藻類や付着生物を付着し繁殖させるとともに、魚礁ブロック1の設置の安定を図るための部分である。
基礎部20は、円筒状の基礎枠21と、本体枠11と基礎枠21の間に充填されている基礎充填材22と、を有し、本体部10の下端部の全周を覆う。
基礎部20は、本例では、基礎枠21の周面を貫通し、基礎充填材22内に至る複数の基礎孔23と、基礎孔23内から基礎枠21の外側に突出する複数の基礎管24を更に備える。
基礎部20の各部の構造は、本体部10の各部と概ね共通するため、ここでは説明を省略する。
<4>定着空間。
本発明の魚礁ブロック1は、本体充填材12の天端を本体枠11の上端より低くして、本体枠11内に海中生物を定着させる定着空間Sを形成してもよい。
同様に、基礎枠21内における基礎充填材22の天端より上部に定着空間Sを形成してもよい。
定着空間Sは、周囲を本体枠11及び基礎枠21に囲まれており、海流による影響を受けにくいため、魚類、藻類、付着生物、甲殻類などの水中生物の棲み場や休憩場としての機能を有する。
本発明の魚礁ブロック1は、本体充填材12の天端を本体枠11の上端より低くして、本体枠11内に海中生物を定着させる定着空間Sを形成してもよい。
同様に、基礎枠21内における基礎充填材22の天端より上部に定着空間Sを形成してもよい。
定着空間Sは、周囲を本体枠11及び基礎枠21に囲まれており、海流による影響を受けにくいため、魚類、藻類、付着生物、甲殻類などの水中生物の棲み場や休憩場としての機能を有する。
<5>魚礁ブロックの製作方法。
本発明の魚礁ブロック1は、以下の手順で製作することができる。
なお、ここでは魚礁ブロック1を陸上で製作する場合について説明する。製作後の魚礁ブロック1は、設置場所まで台船で搬送し、海底に吊り下ろして配置する。
(1)型枠用合板を地面に敷設し、型枠合板上に基礎枠21を立設し、基礎枠21内に基礎枠21と同軸に本体枠11を配置する。なお、本体枠11及び基礎枠21の表面には、予め本体管14や基礎管24を貫入するための孔を空けておく。
(2)本体枠11及び基礎枠21の孔に本体管14と基礎管24を貫入する。
(3)本体枠11内に本体充填材12を打設する。同様に基礎枠21内に基礎充填材22を打設する。この際、コンクリートを一体化させるため、基礎充填材22は、本体充填材12の硬化前、できれば本体充填材12と同時に打設するのが望ましい。
(4)本体充填材12及び基礎充填材22を養生・硬化させることで、魚礁ブロック1が完成する。
なお、本手順は一例にすぎず、手順は施工の便宜に応じて適宜変更することができる。また、魚礁ブロック1を海中で製作する例については、実施例3で説明する。
本発明の魚礁ブロック1は、以下の手順で製作することができる。
なお、ここでは魚礁ブロック1を陸上で製作する場合について説明する。製作後の魚礁ブロック1は、設置場所まで台船で搬送し、海底に吊り下ろして配置する。
(1)型枠用合板を地面に敷設し、型枠合板上に基礎枠21を立設し、基礎枠21内に基礎枠21と同軸に本体枠11を配置する。なお、本体枠11及び基礎枠21の表面には、予め本体管14や基礎管24を貫入するための孔を空けておく。
(2)本体枠11及び基礎枠21の孔に本体管14と基礎管24を貫入する。
(3)本体枠11内に本体充填材12を打設する。同様に基礎枠21内に基礎充填材22を打設する。この際、コンクリートを一体化させるため、基礎充填材22は、本体充填材12の硬化前、できれば本体充填材12と同時に打設するのが望ましい。
(4)本体充填材12及び基礎充填材22を養生・硬化させることで、魚礁ブロック1が完成する。
なお、本手順は一例にすぎず、手順は施工の便宜に応じて適宜変更することができる。また、魚礁ブロック1を海中で製作する例については、実施例3で説明する。
<5.1>本体充填材と基礎充填材の一体性。
本発明の魚礁ブロック1は、本体枠11が金網からなるため、本体充填材12と基礎充填材22が本体枠11の網目を介して一体化して硬化する。
このため、側面視凸型の安定した形状を呈する一体構造の魚礁ブロック1を、型枠の脱型作業なしで容易に製作することができる。
本発明の魚礁ブロック1は、本体枠11が金網からなるため、本体充填材12と基礎充填材22が本体枠11の網目を介して一体化して硬化する。
このため、側面視凸型の安定した形状を呈する一体構造の魚礁ブロック1を、型枠の脱型作業なしで容易に製作することができる。
<6>魚礁ブロックの渦流機能(図3)。
本発明の魚礁ブロック1は、円柱の二重管構造を呈するため、側方から流れる海流Fがその表面に沿って弧状に流れる。
複数の魚礁ブロック1で魚礁を構成すると、複数の魚礁ブロック1の間でこれらの弧状の海流Fが互いに衝突して混ざり合うことで、渦状の乱流が生じる。
乱流によって海底付近の海水が上下に攪拌されると、下層の栄養塩が表層に巻き上げられて、植物プランクトンの増殖を促す。植物プランクトンの増殖は、食物連鎖に従って、動物プランクトンや魚類の繁殖を促す。
本発明の魚礁ブロック1は、以上の機能によって栄養源に富んだ水域を形成することができる。
本発明の魚礁ブロック1は、円柱の二重管構造を呈するため、側方から流れる海流Fがその表面に沿って弧状に流れる。
複数の魚礁ブロック1で魚礁を構成すると、複数の魚礁ブロック1の間でこれらの弧状の海流Fが互いに衝突して混ざり合うことで、渦状の乱流が生じる。
乱流によって海底付近の海水が上下に攪拌されると、下層の栄養塩が表層に巻き上げられて、植物プランクトンの増殖を促す。植物プランクトンの増殖は、食物連鎖に従って、動物プランクトンや魚類の繁殖を促す。
本発明の魚礁ブロック1は、以上の機能によって栄養源に富んだ水域を形成することができる。
[本体枠と基礎枠に菱形金網を用いる例]
本例では、本体枠11及び基礎枠21を、円筒形の菱形金網からなる型枠材11a、21aと、型枠材11a、21aを内部から展開して形状保持する形状保持材11b、21bと、からなる、折り畳み自在な型枠で構成する(図4)。
なお、本体枠11、基礎枠21とも構成は同じなので、本体枠11についてのみ説明する。
型枠材11aは、複数の列線を無端帯状に連結した菱形金網からなる。無端帯状とは、菱形金網の展開方向の両辺を接続したベルト状の形状を意味する。
各列線は、端部をナックル加工して相互の抜け出しを防止する。
型枠材11aは列線の連結体であり、単独では筒体の形状保持性を持たない為、重ね合わせて畳んだ状態で搬送することができる。このため、搬送が容易で、保管スペースを取らない(図5)。
形状保持材11bは、型枠材11aを円筒状に形状保持するための部材である。
本例では、形状保持材11bとして、剛性を備えた複数の円環状の線材を採用する。これは、細径の鋼線を円環状に曲げ、両端を溶接して形成する。
形状保持材11bの外径は、展開した型枠材11aの内径より若干大きく構成する。
型枠材11aは菱形金網であり円周方向に伸びるため、形状保持材11bを型枠材11aの内部に押し込むと、形状保持材11bの外側が型枠材11aを内側から外向きに均等に押圧し、型枠材11aを円筒状に形状保持する。
なお、形状保持材11bは、円環状の線材に限られず、型枠材11aの内部から押圧可能であれば、例えば円筒円環状のベルト材などであってもよい。
本例の場合、実施例1の効果に加えて次のような効果を更に奏する。
(1)組立が容易で施工効率がよい。
(2)折り畳むことができるので、搬送が容易で搬送コストが安い。
(3)折り畳み時の嵩が小さいので場所を取らず保管が容易である。
(4)菱形金網とコンクリートの付着がよいため、両者が強固に連結することで、高い構造強度を発揮できる。
本例では、本体枠11及び基礎枠21を、円筒形の菱形金網からなる型枠材11a、21aと、型枠材11a、21aを内部から展開して形状保持する形状保持材11b、21bと、からなる、折り畳み自在な型枠で構成する(図4)。
なお、本体枠11、基礎枠21とも構成は同じなので、本体枠11についてのみ説明する。
型枠材11aは、複数の列線を無端帯状に連結した菱形金網からなる。無端帯状とは、菱形金網の展開方向の両辺を接続したベルト状の形状を意味する。
各列線は、端部をナックル加工して相互の抜け出しを防止する。
型枠材11aは列線の連結体であり、単独では筒体の形状保持性を持たない為、重ね合わせて畳んだ状態で搬送することができる。このため、搬送が容易で、保管スペースを取らない(図5)。
形状保持材11bは、型枠材11aを円筒状に形状保持するための部材である。
本例では、形状保持材11bとして、剛性を備えた複数の円環状の線材を採用する。これは、細径の鋼線を円環状に曲げ、両端を溶接して形成する。
形状保持材11bの外径は、展開した型枠材11aの内径より若干大きく構成する。
型枠材11aは菱形金網であり円周方向に伸びるため、形状保持材11bを型枠材11aの内部に押し込むと、形状保持材11bの外側が型枠材11aを内側から外向きに均等に押圧し、型枠材11aを円筒状に形状保持する。
なお、形状保持材11bは、円環状の線材に限られず、型枠材11aの内部から押圧可能であれば、例えば円筒円環状のベルト材などであってもよい。
本例の場合、実施例1の効果に加えて次のような効果を更に奏する。
(1)組立が容易で施工効率がよい。
(2)折り畳むことができるので、搬送が容易で搬送コストが安い。
(3)折り畳み時の嵩が小さいので場所を取らず保管が容易である。
(4)菱形金網とコンクリートの付着がよいため、両者が強固に連結することで、高い構造強度を発揮できる。
[水中コンクリートを用いる例]
本例では、本体充填材12及び基礎充填材22を水中コンクリートとして、本体枠11及び基礎枠21内への打設を水中で行う。
水中コンクリートは、水中における材料の分離を減らすため、セルロース、アクリルなどの増粘剤を用いて粘性を高くしたコンクリートである。
従来技術では、陸上で魚礁ブロックを製作してから台船で輸送し、海底に吊り込む作業が必要であった。
本例の場合、本体枠11と基礎枠21のみを海底に配列し、水中でコンクリートを打設できるため、陸上における養生期間を削減でき、また、軽量の搬送で済むため、施工効率が非常に高い。
本例では、本体充填材12及び基礎充填材22を水中コンクリートとして、本体枠11及び基礎枠21内への打設を水中で行う。
水中コンクリートは、水中における材料の分離を減らすため、セルロース、アクリルなどの増粘剤を用いて粘性を高くしたコンクリートである。
従来技術では、陸上で魚礁ブロックを製作してから台船で輸送し、海底に吊り込む作業が必要であった。
本例の場合、本体枠11と基礎枠21のみを海底に配列し、水中でコンクリートを打設できるため、陸上における養生期間を削減でき、また、軽量の搬送で済むため、施工効率が非常に高い。
1 魚礁ブロック
10 本体部
11 本体枠
11a 型枠材
11b 形状保持材
12 本体充填材
13 本体孔
14 本体管
20 基礎部
21 基礎枠
22 基礎充填材
23 基礎孔
24 基礎管
F 海流
S 定着空間
10 本体部
11 本体枠
11a 型枠材
11b 形状保持材
12 本体充填材
13 本体孔
14 本体管
20 基礎部
21 基礎枠
22 基礎充填材
23 基礎孔
24 基礎管
F 海流
S 定着空間
Claims (8)
- 魚礁ブロックであって、
円柱状の本体部と、前記本体部の下端外周に周設されている基礎部と、を備え、
前記本体部は、円筒状の本体枠と、前記本体枠の内部に充填されている本体充填材と、を有し、
前記基礎部は、円筒状の基礎枠と、前記本体枠と前記基礎枠の間に充填されている基礎充填材と、を有し、
前記本体枠及び前記基礎枠は、金網型枠であることを特徴とする、
魚礁ブロック。 - 前記本体充填材及び前記基礎充填材がコンクリートであり、前記本体充填材と前記基礎充填材とが、前記本体枠の網目を介して一体化していることを特徴とする、請求項1に記載の魚礁ブロック。
- 前記本体枠、又は前記基礎枠の少なくとも一方が、複数の列線を無端帯状に連結した菱形金網からなる型枠材と、前記型枠材を内部から押圧して形状保持する複数の形状保持材を有することを特徴とする、請求項1又は2に記載の魚礁ブロック。
- 前記形状保持材が、円環状の線材からなることを特徴とする、請求項3に記載の魚礁ブロック。
- 前記本体枠の表面から前記本体充填材内に至る本体孔、及び前記基礎枠の表面から前記基礎充填材内に至る基礎孔、の少なくとも一方を有することを特徴とする、請求項1乃至4のいずれか一項に記載の魚礁ブロック。
- 前記本体孔内から外方に突出した本体管、及び前記基礎孔内から外方に突出した基礎管、の少なくとも一方を有することを特徴とする、請求項5に記載の魚礁ブロック。
- 前記本体枠内における前記本体充填材の上方、及び前記基礎枠内における前記基礎充填材の上方、の少なくとも一方に、定着空間を有することを特徴とする、請求項1乃至6のいずれか一項に記載の魚礁ブロック。
- 前記本体充填材および前記基礎充填材が水中コンクリートであることを特徴とする、請求項2に記載の魚礁ブロック。
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JP2017153143A JP2019030251A (ja) | 2017-08-08 | 2017-08-08 | 魚礁ブロック |
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KR102039903B1 (ko) * | 2019-04-23 | 2019-11-04 | 홍종현 | 인공 수중암초 |
JP2020110050A (ja) * | 2019-01-08 | 2020-07-27 | スミリーフ株式会社 | 海洋生物増殖用構造体及び海洋生物増殖用構造体の製造方法 |
-
2017
- 2017-08-08 JP JP2017153143A patent/JP2019030251A/ja active Pending
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