JP2019030227A - 農地暖房システム - Google Patents
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Abstract
【課題】 簡単に設置でき、雨水や散布水又は肥料を栽培地に的確に浸透させ、且つ、電力コストを軽減して栽培地を暖房することのできる農地暖房システムを提供する。【解決手段】 導電により発熱する構造の横線21及び縦線22をメッシュ状に形成して各横線21及び縦線22を絶縁体24で被覆した柔軟性メッシュ状の暖房シート2を、作物Aの栽培地Xに敷設又は埋設することにより、当該暖房シート2の横線21及び縦線2に発電装置3から接続手段4を介して導電すれば、栽培地Xをムラなく均一に暖房することができ、また、当該メッシュ状の間隙から雨水や散布水又は肥料を的確に栽培地Xの地中に浸透させることができる。【選択図】図1
Description
本発明は、作物の栽培地を暖房し、その栽培環境を改善するための農地暖房システムに関する。
近年、農業者の高齢化や後継者不在による農業人口の減少に伴い、将来、我が国における食糧自給率の低下等が危惧される中、農業者が生産した作物を自身で流通販売する等、農業法人となって六次産業化したり、農業生産物をブランド化したりすることによって農業者に付加価値を付与し、また、技術的側面からのアプローチによって作物の生産を効率化することにより、現状では衰退傾向にある農業を活性化させる気運が高まっている。
技術的側面からのアプローチとしては、従来、春先での作物の栽培又は寒冷地における作物の栽培の場において、作物の栽培地を暖房して地温を上昇させることにより、作物の栽培時期を早めたり、作物の収穫量を増大させたりして作物の生産を効率化し、また、作物の栽培地を広域化するべく北限又は標高といった栽培限界を広げる取組みが行われている。例えば、現状では、作物の栽培地(畝等)の地表面に、黒色若しくは透明のビニールシートを敷設し、栽培地の地中を保温することで地温を上昇させる等の取組みが主として行われている。しかしながら、当該ビニールシートは、栽培地の地温を上昇させる効果が弱く、作物の栽培時期を早めたり、作物の収穫量を増大させたりするには、その影響力は小さいとの問題があった。このような問題に鑑み、以下のような技術が提供されている。
例えば、農作物栽培用ハウスの土壌中に、ハウス両側縁間で約40cm〜100cmの間隔幅で複数並列した直径約10mm〜30mmの放熱パイプを40cm〜80cmの深さで埋設し、当該放熱パイプ中に40℃〜60℃程度の温水又は油等の熱媒体を流通させて土壌を発熱し、土壌を熱消毒したり、冬期での農作物の育成を促したり、育成期間の延長を図ったりする土壌発熱方法が提供されている(特許文献1)。
また、複数本のカーボン電線及び当該カーボン電線に接する給電配線と、これらをラミネート加工するフィルムとからなるカーボン繊維発熱シートであって、当該カーボン繊維発熱シートを地中に埋設することにより作物の育成を促進させるカーボン繊維発熱シートが提供されている(特許文献2)。
しかしながら、特許文献1に記載の発明は、地温を効率よく上昇させる効果を得ることは可能であるものの、作物を栽培する栽培地の地中深くに放熱パイプを埋設しなければならないため、初期の設置作業又は撤去作業の際には、栽培地を掘り起こす必要があり、作業期間が長期化したり、設置費用が増大したりする問題があった。また、埋設した地中の放熱パイプが経年劣化等により破損した際には、当該放熱パイプ中を流通させる油等の熱媒体が栽培地に漏洩してしまい、栽培地の土壌を汚染するおそれもあった。
また、特許文献2に記載の発明は、前記配線をラミネート加工したシート状であるため、作物の栽培地の地中に埋設又は地表面に敷設すると、そのままでは雨水や散布水又は肥料が当該シートによって遮られて作物の根元にまで浸透せず、これら散布の際には、カーボン繊維発熱シートを地中から掘り出したり、当該シートを開けて地表面を露出させたりしなければならないという問題があった。さらに、埋設等したラミネートフィルムの傾斜や撓みによっては雨水又は散布水の水捌けが悪化し、継続して水に触れることでラミネートフィルムの劣化を早めるおそれがあり、当該シートの交換頻度が増すことで、その交換作業やコスト負担が増大してしまうという問題もあった。
一方で、特許文献2で開示されているように、カーボン繊維発熱シートの電力源を太陽光発電とすれば、栽培地の暖房にかかる電力コストを軽減することも可能ではあるが、昨今、我が国の電力自由化後の太陽光発電の売電価格は、一般的に下落していく傾向にあり、一般住宅等の建築物に設置された既設の太陽光発電装置で発電された余剰電力を販売するよりも有効に使った方が有益であるとの意見もある。
そこで、本発明は、簡単に設置でき、雨水又は散布水及び肥料を栽培地に的確に浸透させ、且つ、設置から長期的に利用が可能であり、さらに、電力コストを軽減して栽培地を暖房することのできる農地暖房システムを提供することを課題とした。
上記課題を解決するために、本発明は次のように構成した。すなわち、本発明に係る農地暖房システムは、作物の栽培環境を改善するための農地暖房システムであって、導電により発熱する構造の横線及び縦線をメッシュ状に形成して各横線及び縦線を絶縁体で被覆し、作物を栽培する栽培地に敷設又は埋設する柔軟性メッシュ状の暖房シートと、当該暖房シートの電力源となる発電装置と、前記暖房シート及び発電装置を接続する接続手段とからなることを特徴としている。
また、農地暖房システムは、作物栽培環境を改善するための農地暖房システムであって、前記作物栽培環境を形成する栽培ハウスと、導電により発熱する構造の横線及び縦線をメッシュ状に形成して各横線及び縦線を絶縁体で被覆し、当該メッシュ状の間隙に係止可能なフック状の係止部を備えた吊設部材を介して前記栽培ハウスの内側面に吊設される柔軟性メッシュ状の暖房シートと、前記暖房シートの電力源となる発電装置と、前記暖房シート及び発電装置を接続する接続手段とからなることを特徴としている。
また、農地暖房システムは、好ましくは、前記暖房シートにおけるメッシュ状の間隙の内幅又は内径が、5mm〜15mmであることを特徴とする請求項1又は2のいずれかに記載の農地暖房システム。
また、農地暖房システムは、好ましくは、前記発電装置が、太陽光発電装置であることを特徴としている。
また、農地暖房システムは、好ましくは、太陽光発電装置が、建築物に既設されているものであることを特徴としている。
本発明に係る農地暖房システムによれば、導電により発熱する構造の横線及び縦線をメッシュ状に形成して各横線及び縦線を絶縁体で被覆した柔軟性メッシュ状の暖房シートを栽培地に敷設又は埋設し、当該横線及び縦線に導電することにより、当該栽培地の地温を上昇させてその栽培環境を改善し、春先での作物の栽培又は寒冷地における作物の栽培の場において、作物の栽培時期を早めたり、作物の収穫量を増大させたりすることができる。また、当該横線及び縦線を絶縁体で被覆したことにより、地中への漏電を防止することもできる。
また、前記暖房シートをメッシュ状に形成したことにより、栽培地に敷設又は埋設しても雨水や散布水又は肥料をメッシュ状の間隙から地中へと的確に浸透させることができる。そのため、水又は肥料を散布する際に、当該暖房シートを態々開ける必要がなく、当該暖房シートを設置した状態のままでも水又は肥料を散布することができる。
また、農地暖房システムによれば、前記暖房シートをメッシュ状に形成したことにより、メッシュ状の間隙に係止可能なフック状の係止部を備えた吊設部材を介して前記栽培ハウスの内側面に暖房シートを容易に吊設することができ、前記横線及び縦線に導電して暖房すれば、簡便に栽培ハウス内の室温を上昇させ、作物の栽培環境を改善することができる。
また、前記暖房シートは、ゴム等の絶縁体でその表面を被覆されて柔軟性のメッシュ状に形成されているため、上方向からの押圧又は横方向からの引張に対して優れた強度を有している。これにより、当該暖房シートは、栽培地に敷設又は埋設され、その上をトラクター等の農機具が通過等した場合であっても、当該柔軟性のメッシュ状がその衝撃を吸収するため、容易に破損等することはない。また、当該メッシュ状の間隙から雨水又は散布水が地中に浸透するため、水による劣化もない。これにより、当該暖房シートは、長期的に利用することが可能であり、破損等による交換作業やコスト負担等を軽減することができる。
また、農地暖房システムによれば、前記暖房シートにおけるメッシュ状の間隙の内幅又は内径を5mm〜15mmとしたことにより、一般的な化学肥料や油粕や骨粉等の有機肥料の粒径であれば、これら肥料が当該間隙を通過可能であり、また、前記横線及び縦線による発熱で栽培地の地温を均一に上昇させることもできる。すなわち、当該間隙の内幅又は内径が過度に広くなると、当該肥料を通過させることはできても横線及び縦線の間隔幅も広くなって栽培地の地温を均一に上昇させることができず、逆に、過度に狭くなると、栽培地の地温を均一に上昇させることはできても当該肥料を通過させることができず、地中に的確に肥料を浸透させることはできない。このように、当該間隙の内幅又は内径を5mm〜15mmとすることにより、肥料の通過及び均一な地温の上昇という効果を両立させることができる。
また、農地暖房システムによれば、前記発電装置を太陽光発電装置としたことにより、燃料を要する発電機を備える必要がなく、自然エネルギーを利用し、且つ、燃料の漏洩による土壌汚染等といった問題も生じ得ず、作物の栽培環境を改善することができる。また、自然エネルギーを利用することにより、農業のイメージ向上を図ることもできる。
また、農地暖房システムによれば、前記太陽光発電装置を一般住宅等の建築物に既設のものとしたことにより、当該建築物に既設の太陽光発電装置で発電した電力又は余剰電力を農地暖房に有効活用することができる。また、既設の太陽光発電装置を利用するため、農地暖房システムの初期設置コストを軽減することもできる。
以下、図面に基づいて本発明を具体的に説明する。まず、図1は、本発明に係る第一実施例の農地暖房システム1の構成を示す概略図である。当該農地暖房システム1は、基本的には、栽培地Xの地温を上昇させるため栽培地Xに敷設又は埋設される暖房シート2と、当該暖房シート2の電力源となる発電装置3と、暖房シート2及び発電装置3を接続する接続手段4と、作物Aの栽培環境を形成する栽培ハウス5とによって構成されている。なお、栽培する作物Aの種類、栽培する季節又は地域によっては、暖房シート2による暖房だけで栽培ハウス5を建設せず、露地で栽培すればよい場合もあるが、ここでは栽培ハウス5も含めて説明する。
前記暖房シート2は、本実施例では、作物Aを栽培する栽培地Xの地表面に敷設されている。当該暖房シート2は、図2に示すように、複数の横線21及び縦線22を交差させてメッシュ状のシートに形成するとともに、当該シートの対向する両端辺に夫々前記横線21又は縦線22よりも長く且つ導電性に優れた金属ワイヤーにより形成されたポート部23を設け、各横線21、縦線22及びポート部23を合成樹脂製、有機繊維製又はその他絶縁材料からなる絶縁体24で被覆して形成されている。
当該暖房シート2のメッシュ状の間隙は、夫々略正方形状に形成されており、図2の吹出し表示の拡大図に示すように、その内幅αは、基本的に、散布する化学肥料又は油粕や骨粉等の有機肥料の粒が通過できる5mm〜15mm程度の幅で形成されている。詳細には、当該間隙の内幅αは、略正方形状の縦幅、横幅又は対角幅の長さのいずれか最も短い一辺において、5mm〜15mmの幅で形成されていればよく、例えば、長方形であれば、当該間隙の縦幅及び対角幅が15mm以上であっても、最も短い一辺となる横幅が5mm〜15mmの内幅αで形成されていればよい。これは、前記の通り、当該肥料を間隙に通過させる目的のほか、当該間隙の縦幅、横幅及び対角幅の全ての内幅αが過度に広くなれば地温の上昇にムラが出るので、当該暖房シート2による栽培地Xの地温の上昇を均一にするためである。
なお、当該間隙の形状は、本実施例では略正方形状に形成したが、これに限られず、その他多角形、円形又は楕円形であってもよい。また、間隙の形状を円形にした場合は、その内径を5mm〜15mm程度に形成すればよく、楕円形状にした場合は、その短径を5〜15mm程度に形成すればよい。
このように形成された暖房シート2は、柔軟性のメッシュ状で上方向からの押圧又は横方向からの引張に対して優れた強度を有している。そのため、当該暖房シート2は、栽培地Xに敷設等して、その上で農業者やトラクター等の農機具で作業等した場合や栽培地Xに軽トラ等の運送手段を乗り入れした場合等であっても、当該柔軟性のメッシュ状がその衝撃を吸収するため容易には破損せず、長期的に利用することができ、その破損等による交換作業やコスト負担等を軽減することができる。また、暖房シート2は、間隙が複数形成されているため、軽量であって簡単に運搬又は設置することができ、また、巻くことにより簡単に運搬又は倉庫等に収納することもできる。
また、当該暖房シート2は、作物Aの栽培地X、例えば畝の面積に応じて、そのサイズを種々変更可能であり、横線21及び縦線22のメッシュ状の間隙を広くも挟くにも変更することが可能である。なお、図中では、栽培地Xに植えられた作物Aの左右両側に夫々暖房シート2を敷設したが、前記メッシュ状の一部で中央近傍の間隙を広くすることで、当該間隙から作物Aが生えるように暖房シートAを形成し、栽培地Xの左右全体に暖房シート2を敷設することもできる。
また、当該暖房シート2は、栽培地Xの地表面に敷設したが、当該栽培地Xの地中に埋設してもよい。このように、暖房シート2を地中に埋設した場合には、当該栽培地Xの地表面に雑草除けを目的として比較的軽いビニールシートを敷設することもできる。
前記横線21及び縦線22は、図3の拡大断面図に示すように、線状の芯材25の周りに導電性カーボンブラック又は黒鉛粉末等の導電性素粒子と液状シリコーンゴムとを混合した混合物26を設けて形成されている。また、その周りを絶縁体24で被覆し、当該横線21及び縦線22への導電による地中への漏電を防止している。このように形成された横線21及び縦線22は、導電により発熱して一定温度以上になると、混合物26内で導電性素粒子同士の間隔が広がって導電が低下し、それゆえ温度も低下する所謂PTC特性を有しており、過度な温度上昇を防止し、当該暖房シート2の温度を均一且つ一定に維持することができる。
ここで、発明者が行った前記暖房シート2の消費電力試験によれば、当該横線21及び縦線22は、例えば、横80cm×縦160cmの長方形に形成した暖房シート2において言えば、前記導電性に優れたポート部23を介して約520Wの電力で導電させると、即時的に温度が上昇し、5分後には約50℃にまで達し、その後、略同じ温度を維持した。また、発明者は、暖房シート2のメッシュ状の各交点をランダムに選択し、温度上昇の定点測定を行ったところ、各交点の温度は、導電開始から15分〜25分後において約47℃〜53℃を維持しており、各交点において、ムラなく均一且つ一定の温度を維持できることがわかった。
このように、当該暖房シート2の発熱構造は、過度な温度上昇を防止することによって電力消費を抑制し、且つ、即時的且つ均一に温度を上昇及び維持させることができる。なお、当該暖房シート2の発熱構造は、これに限られるものではなく、当該暖房シート2をメッシュ状に形成した上で発熱することができれば、どのような構造であってもよい。
発電装置3は、太陽光発電装置(太陽光パネル)であって、栽培地Xの近傍で前記栽培ハウス5の外側に設置されている。当該太陽光パネルの設置箇所は、栽培地Xの外側の地面、または、日光を遮らない程度の広さで栽培ハウス5の屋根部に設置される。このように、当該発電装置3として太陽光発電装置を用いることにより、自然エネルギーを利用し、且つ、燃料を要する発電機を利用した場合の燃料の漏洩による土壌汚染を防止することで、作物Aの栽培環境を改善することができ、また、前記燃料を要しないため電力の供給コストを軽減することもできる。また、自然エネルギーを利用することで農業のイメージ向上を図ったり、余剰電力を農業者の自宅に給電して有効活用したり、売電することもできる。なお、前記暖房シート2への電力供給のみを考慮すれば、その他発電機等の発電装置3を電力源として暖房シート2を発熱させてもよい。
接続手段4は、電気ケーブルであって、前記暖房シート2及び発電装置3を接続する。発電装置3で発電した電力は、当該接続手段3を介して暖房シート2に供給され、暖房シート2のポート部23を介して横線21及び縦線22に導電し、これら横線21及び縦線22を発熱させる。
このように構成した農地暖房システム1によれば、暖房シート2を畝等の栽培地Xの地表面に敷設し、または、栽培地Xの地中に埋設することにより、当該栽培地Xの地温を上昇させることができ、春先での作物Aの栽培又は寒冷地における作物Aの栽培の場において、作物Aの栽培時期を早めたり、作物の収穫量を増大させたりすることで、作物Aの生産の効率化を図ることができる。
また、前記暖房シート2を柔軟性のメッシュ状に形成したことにより、暖房シート2を栽培地Xの地表面に敷設又は地中に埋設したとしても、雨水や散布水又は肥料をメッシュ状の間隙から地中へと的確に浸透させることができる。そのため、水や肥料を散布する際に、当該暖房シート2を態々開ける必要がなく、暖房シート2を敷設又は埋設した状態のままで、簡便に水又は肥料を散布することができる。また、前記のように暖房シート2を地中に埋設して地表面には雑草除けを目的にビニールシートを敷設した場合であっても、水や肥料の散布の際には、比較的軽いビニールシートだけを開けばよく、態々暖房シート2を掘り起こす必要もないため、簡便に水又は肥料を散布することができる。
また、農地暖房システム1によれば、暖房シート2のメッシュ状の間隙から雨水又は散布水が地中に浸透するため、水捌けの悪化によって暖房シート上に水が溜まることがなく、長く水に触れることによる暖房シート2の劣化を抑制することができる。これにより、暖房シート2を長期的に利用することが可能であり、劣化による交換作業やコスト負担等を軽減することができる。
次に、第二実施例の農地暖房システム1について、図4を用いて具体的に説明する。当該実施例の農地暖房システム1は、基本的な構成は前記第一実施例と同じであるが、暖房シート2の設置箇所において相違するため、この点においてのみ説明する。
図4は、当該実施例の農地暖房システム1の構成を示す概略図である。本実施例において、柔軟性メッシュ状の暖房シート2は、吊設部材6を介して栽培ハウス5の内側面に吊設されている。具体的には、吊設部材6の一端には、フック状の係止部61が形成されており、当該係止部61を暖房シート2のメッシュ状の間隙に引っ掛けるとともに、吊設部材6の他端を、例えば、図示のように、栽培ハウス5の枠材等に固設させることにより、暖房シート2を栽培ハウス5の内側面に吊設する。
このように、暖房シート2をメッシュ状で形成したことにより、当該メッシュ状の間隙にフック状の係止部61を引っ掛けることができ、また、メッシュ状の軽量であるため、係止部61を備えた吊設部材6を介すれば容易に栽培ハウス5の内側面に吊設することができ、栽培ハウス5内の室温を前記のように均一に上昇させて作物Aの栽培環境を改善することができる。また、前記の通り、暖房シート2は柔軟性のメッシュ状で強度に優れるため、長期的に利用可能であり、破損等による交換作業やコスト負担を軽減することができる。
次に、第三実施例の農地暖房システム1について、図5を用いて具体的に説明する。当該実施例の農地暖房システム1は、基本的な構成は前記第一実施例と同じであるが、発電装置3としての太陽光発電装置の構成において相違している。そのため、暖房シート2及び接続手段3の説明はせず、発電装置3についてのみ説明する。
本実施例の発電装置3は、太陽光発電装置であって、一般住宅等の建築物7に既設されているものであって、通常、建築物7へと電力供給されるか、或いは、その一部を売電するために発電するものである。しかしながら、前記の通り、昨今、我が国の電力自由化後の太陽光発電の売電価格は、一般的に下落していく傾向にあり、一般住宅等の建築物に設置された既設の太陽光発電装置で発電された余剰電力を販売するよりも有効に使った方が有益となる場合がある。そこで、本実施例の農地暖房システム1では、当該既設の発電装置3から農地暖房システム1の暖房シート2に電力又は余剰電力を供給し、当該電力によって暖房シート2を発熱させて作物Aの栽培地Xの地温を上昇させる。そのため、当該農地暖房システム1は、一般住宅等の建築物7に既設の太陽光発電装置を利用することから、基本的な栽培地Xとしては、当該建築物7に併設された畑又は家庭菜園等で利用される。
なお、図示において、分電盤、パワーコンディショナ、蓄電池又は電力計器等の太陽光発電装置を設置した一般住宅等に併設される周知の機器等の説明及び図示は省略する。
このように、当該建築物7に既設の太陽光発電装置を利用したことにより、当該太陽光発電装置で発電した電力又は余剰電力を暖房シート2に供給し、当該電力を売電する以上に、栽培地Xの地温を上昇させるため有効活用することができる。また、建築物7に既設の太陽光発電装置を利用することから、改めて発電装置3を設置する必要がなく、農地暖房システム1の初期設置コストを軽減することもできる。
なお、第二実施例の農地暖房システム1でも、発電装置3を建築物7に既設の太陽光発電装置とすることもでき、前記と同様の効果を発揮することができる。
また、前記各実施例において、発電装置3を建築物7に既設の太陽光発電装置とするほか、隣接する複数の建築物7に既設の各太陽光発電装置から電力又は余剰電力を集め、複数の畑に夫々設置された暖房シート2に電力を供給してもよい。また、地域の農家が寄り合って、広がる田畑の一角に太陽光発電施設を建設し、当該施設で発電した電力を各農家の畑に夫々設置された暖房シート2に供給することで、本発明に係る農地暖房システム1を地域的な取組みとすることもできる。
本発明に係る農地暖房システム1は、水耕栽培の培地又はその栽培ハウス5の室温を均一に上昇させて栽培環境を改善すること等にも利用可能である。
利用可能である。
利用可能である。
1 農地暖房システム
2 暖房シート
21 横線
22 縦線
23 ポート部
24 絶縁体
25 芯材
26 混合物
3 発電装置
4 接続手段
5 栽培ハウス
6 吊設部材
61 係止部
7 建築物
A 作物
X 栽培地
α 内幅
2 暖房シート
21 横線
22 縦線
23 ポート部
24 絶縁体
25 芯材
26 混合物
3 発電装置
4 接続手段
5 栽培ハウス
6 吊設部材
61 係止部
7 建築物
A 作物
X 栽培地
α 内幅
Claims (5)
- 作物の栽培環境を改善するための農地暖房システムであって、
導電により発熱する構造の横線及び縦線をメッシュ状に形成して各横線及び縦線を絶縁体で被覆し、作物を栽培する栽培地に敷設又は埋設する柔軟性メッシュ状の暖房シートと、当該暖房シートの電力源となる発電装置と、前記暖房シート及び発電装置を接続する接続手段とからなることを特徴とする農地暖房システム。
- 作物栽培環境を改善するための農地暖房システムであって、
前記作物栽培環境を形成する栽培ハウスと、導電により発熱する構造の横線及び縦線をメッシュ状に形成して各横線及び縦線を絶縁体で被覆し、当該メッシュ状の間隙に係止可能なフック状の係止部を備えた吊設部材を介して前記栽培ハウスの内側面に吊設される柔軟性メッシュ状の暖房シートと、前記暖房シートの電力源となる発電装置と、前記暖房シート及び発電装置を接続する接続手段とからなることを特徴とする農地暖房システム。
- 前記暖房シートにおけるメッシュ状の間隙の内幅又は内径は、5mm〜15mmであることを特徴とする請求項1又は2のいずれかに記載の農地暖房システム。
- 前記発電装置は、太陽光発電装置であることを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の農地暖房システム。
- 前記太陽光発電装置は、建築物に既設されているものであることを特徴とする請求項4に記載の農地暖房システム。
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