JP2019030182A - 空調装置用ブラシレスモータ - Google Patents

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Abstract

【課題】空調装置用ブラシレスモータの騒音を低減する。
【解決手段】空調装置用ブラシレスモータ12は、永久磁石100を保持した側壁部172と、円形状底面部174とを有するカップ形状をなし、ヨークとして機能する回転盤154を備える。円形状底面部174には、該円形状底面部174の周方向に沿う寸法が、該円形状底面部174の直径方向内方から外方に向かうに従って大きくなる略台形形状をなす通気開口186が複数個形成される。隣り合う通気開口186同士の間にはスポーク部188が形成されるとともに、該スポーク部188に折曲部190が設けられる。さらに、円形状底面部174の一部である内周側底壁192には、スポーク部188を分枝する分枝口194が形成される。
【選択図】図3

Description

本発明は、空調装置を構成するブロアファンを回転させるための空調装置用ブラシレスモータに関する。
車両用空調装置では、空調用ブロアモータユニット(空調装置)を構成するブロアファンが空調装置用ブラシレスモータの作用下に回転動作し、これにより送風が行われる。ここで、ブラシレスモータは、電磁コイルを含むステータと、ヨークとして機能し且つ側面部に永久磁石を保持したカップ形状の回転盤を含むロータとを有する。前記電磁コイルに通電がなされると、該電磁コイルと前記永久磁石との間に交番磁界が形成される。これに伴ってロータが回転することにより、回転盤の底面部に保持された回転軸、及び該回転軸に取り付けられたブロアファンが回転する。
前記回転盤の底面部には、必要に応じて孔部が貫通形成される。例えば、特許文献1には、ロータをステータに組み付ける際に治具を通すための貫通孔(参照符号は11b)を形成することが記載されている。なお、貫通孔は、組付作業が終了した後に閉塞される。
また、特許文献2には、底面部の外周端近傍に、内周側に向かうにつれて幅狭となる通風孔(参照符号は52)が形成されたロータが開示されている。この構成では、ロータが回転すると、通風孔を介して回転盤内部から外方に空気が排出されるか、又は空気が外方から回転盤内部に流入する。要するに、通風孔を介して空気が回転盤の内から外、又はその逆方向に流通することで冷却風が生じる。この冷却風により、モータ(特に、通電に伴って熱を帯びた電磁コイル)が冷却される。
特開2012−235665号公報 特開2004−120983号公報
特許文献2に記載されるように回転盤に通風孔を形成した場合、該通風孔を空気が通過するときに風切り音が発生する。また、回転盤の底面部の実面積が小さくなるので該底面部の剛性が小さくなることから、ロータの回転時に振動していわゆるびびり音が発生する。このように、従来公知の技術では騒音が発生し易い。従って、静粛なモータを得ることが困難である。
特許文献1に記載されるように貫通孔を閉塞すれば、風切り音が発生することはない。しかしながら、この場合、モータを冷却することが困難となる。
本発明は上記した問題を解決するためになされたもので、効率よく冷却することが可能であり、且つロータの騒音が低減されたために十分に静粛化された空調装置用ブラシレスモータを提供することを目的とする。
前記の目的を達成するために、本発明は、空調装置を構成するブロアファンを回転させるための空調装置用ブラシレスモータであって、
電磁コイルを含むステータと、
側壁部と底面部とで前記ステータを覆う有底カップ形状のヨークと、前記側壁部に設けられた永久磁石とを有するロータと、
を有し、
前記ヨークの底面部に、前記ブロアファンが設けられる回転軸を通す回転軸支持部が形成されるとともに、前記回転軸支持部よりも外周側に、前記ロータ内と前記ロータ外との間で大気を流通可能とするための複数個の通気開口と、隣り合う前記通気開口同士の間で前記底面部の直径方向に沿って放射状に延在するスポーク部とが形成され、且つ前記スポーク部と前記回転軸支持部との間に内周側底壁が介在し、
前記スポーク部の各々に、共振をミュートするための共振抑制部が形成され、
さらに、前記内周側底壁に、該内周側底壁を貫通して1個の前記スポーク部を分枝する分枝口と、前記分枝口によって前記スポーク部から分枝されたスポーク枝部とが形成されていることを特徴とする。
本発明においては、先ず、ヨークの底面部に通気開口を形成しているので、該通気開口を介して空気がロータ内とロータ外で流通可能となる。この流通する空気によって空調装置用ブラシレスモータが効率的に冷却される。
また、スポーク部に共振抑制部を設けるようにしている。すなわち、本発明者の鋭意検討によれば、上記した通気開口が形成された底面部において、振動モードの腹は、隣り合う通気開口同士の間に介在するスポーク部である。本発明では、スポーク部に設けた共振抑制部によって共振がミュートされるので、空調装置用ブラシレスモータとしての騒音が低減する。
さらに、分枝口を設けてスポーク部を分枝するようにしている(スポーク枝部が設けられるようにしている)。ヨークの側壁部で発生する回転力は、スポーク部及びスポーク枝部によって回転軸に確実に伝達されるので、ブロアファンが回転する。その一方で、分枝口が存在することにより、空気が通気開口を通過するときの風切り音や、ロータの振動によるびびり音が低減される。このような理由から、騒音レベルが低下して騒音が一層低減する。特に、スポーク部に比して幅広の分枝口を形成した場合、発音が緩和されるという利点が得られる。
共振抑制部は、例えば、スポーク部の一部がステータから離間する方向に突出した段部として設けることができる。この場合、段部の下方に若干のスペースが形成されるので、必要に応じ、当該スペースに渡り線等を収容することができる。なお、共振抑制部は、スポーク部の一部がステータに接近する方向に突出した段部であってもよい。
分枝口の形状は、特に限定されるものではないが、典型的な例としては、円形、三角形、又は涙滴形が挙げられる。このような形状の分枝口は、打抜パンチによる打抜加工によって容易に形成することができる。
分枝口は、内周側底壁の、回転軸を支持する軸受に対向する位置で開口していることが好ましい。この場合、ロータを組み立てる際、所定の治具ないし工具等を分枝口から挿入して軸受に当接させることができる。従って、ロータの組み立てが容易となる。
回転盤に保持された永久磁石が複数個の磁極を構成するとき、隣り合う永久磁石の磁極の周方向端面同士を、スポーク部の幅方向中心を間に挟んで対向させるとよい。この場合、永久磁石の電磁力に基づくスポーク部の直径方向に沿う収縮振動が、2個の永久磁石から1本のスポーク部に略均等に伝達される。このために振動ピークが低減するので、騒音が一層低減するからである。
本発明によれば、ロータを構成する回転盤(ヨーク)の底面部に、該底面部の周方向に沿う寸法が、該底面部の直径方向内方から外方に向かうに従って大きくなる略台形形状をなす通気開口を形成するとともに、隣り合う前記通気開口同士の間に介在するスポーク部に、共振抑制部を設けるようにしている。さらに、通気開口及びスポーク部の内周側に、スポーク部を分枝する分枝口を形成している。
振動モードの腹がスポーク部に位置するので、共振がミュートされ、回転盤から回転軸に振動が伝達されることが防止される。しかも、分枝口により、空気が通気開口を通過するときの風切り音や、ロータの振動(発音)によるびびり音が低減される。以上のような理由から、騒音が低減した空調装置用ブラシレスモータが得られる。
本発明の実施の形態に係るブラシレスモータを含む空調用ブロアモータユニットの概略全体斜視図である。 図1の空調用ブロアモータユニットの概略縦断面図である。 図3Aは、ブラシレスモータを構成するロータを、ケーシングを構成する下側半体側から視認したときの概略底面図であり、図3B及び図3Cは、ロータを構成する回転盤の円形状底面部に形成された分枝口を示す平面図である。 図3Aに示すロータのIV−IV線矢視断面図である。
以下、本発明に係る空調装置用ブラシレスモータにつき、それを備える空調用ブロアモータユニットとの関係で好適な実施の形態を挙げ、添付の図面を参照して詳細に説明する。なお、以降における「下」、「上」は、図1、図2及び図4における下方(Z1方向)及び上方(Z2方向)に対応する。また、各図面に付したX1方向同士は同一方向を表し、X2、Y1、Y2、Z1及びZ2方向同士についても同様である。さらに、空調装置用ブラシレスモータを単に「ブラシレスモータ」と表記する。
図1は、空調用ブロアモータユニット10の概略全体斜視図であり、図2は、その概略縦断面図である。この空調用ブロアモータユニット10は、本実施の形態に係るブラシレスモータ12と、該ブラシレスモータ12を制御する制御回路が設けられた回路基板14と、該回路基板14を支持する支持盤16と、これらブラシレスモータ12、回路基板14及び支持盤16を収容したケーシング18とを有する。ブラシレスモータ12の回転軸20には、図2に仮想線で示すブロアファン22が取り付けられる。
ケーシング18は、いずれも樹脂からなる下側半体24と上側半体26とが組み合わされて構成される。下側半体24は、上側半体26に臨む側が開口した中空体であり、一方、上側半体26は、下側半体24に臨む側が開口した中空体である。すなわち、下側半体24は底部を構成し、上側半体26は天井部を構成する。従って、ケーシング18も中空体として構成され、その中空内部は、上側半体26に形成された空気導入口28から導入された冷却風(空気)の流通路となる。なお、冷却風は、回転するブロアファン22によって発生する。
下側半体24には、該下側半体24を上側半体26に連結する連結ネジ30を通すための連結ネジ挿通孔32が複数個(例えば、3個)形成されており、図2にはその中の1個が示されている。勿論、連結ネジ挿通孔32は、冷却風の流通を妨げない位置に形成される。また、下側半体24には、その底壁部が上側半体26側に指向して折曲されることで、略逆V字形状をなす突部34が形成されている。この突部34は、冷却風を案内する案内部として機能する。
下側半体24の上側開口の外縁部近傍には、該外縁部に沿って周回する薄肉の第1嵌合部36(図2参照)が形成されている。一方、上側半体26の下側開口には、該外縁部に沿って周回する薄肉の第2嵌合部38が形成されており、下側半体24に上側半体26が組み付けられたときには、図2に示すように、第2嵌合部38が第1嵌合部36を覆う。すなわち、第1嵌合部36の外面と第2嵌合部38の内面とが互いに当接する。これにより、下側半体24と上側半体26とが互いに嵌合している。
上側半体26の、前記空気導入口28の近傍には、所定の部材、例えば、ブロアファン22を囲繞するいわゆるスクロール形状のファンケーシング(図示せず)に接続されるダクト44が立設される。また、上側半体26の周縁部には、空調用ブロアモータユニット10を前記ファンケーシングに連結するための複数個(例えば、3個)のステー部46が設けられている。
連結ネジ挿通孔32に対応する部位には、連結ネジ用孔48が設けられる。すなわち、連結ネジ挿通孔32に通された連結ネジ30は、連結ネジ用孔48に螺合される。これにより、下側半体24と上側半体26が連結されてケーシング18が構成される。
上側半体26を構成する円盤形状部位の中心部には、円環状突部50が上方に指向して突出形成される。該円環状突部50には、後述するロータ52よりもやや大径の回転軸挿通口54が形成される。この回転軸挿通口54からは、ブラシレスモータ12の回転軸20が露呈する。その一方で、ブラシレスモータ12を構成するステータ56及びロータ52、該ブラシレスモータ12を制御する回路基板14等は、支持盤16とともにケーシング18に収容されている。さらに、上側半体26の、下側半体24を臨む側の面(すなわち、内面)には、後述する支持ネジ60を螺合するための支持ネジ用孔62が形成される。
支持盤16は、薄肉の金属からなる。略円盤形状をなす支持盤16の約半分は、回路基板14に重畳する重畳部位である。重畳部位には、ヒートシンク部64が一体的に設けられる。なお、ヒートシンク部64は、複数個のフィン(図示せず)が立設されることで表面積が大となった放熱部である。すなわち、ヒートシンク部64により、支持盤16に伝達された回路基板14の熱の放散が促進される。
また、支持盤16の外縁には、所定角度で互いに離間した複数個(例えば、3個)のネジ台座部70が突出する。図2には、その中の1個が示されている。ネジ台座部70には支持ネジ挿通孔72が形成されており、該支持ネジ挿通孔72には、支持盤16を上側半体26に取り付けて位置決め固定するための支持ネジ60が通される。
さらに、支持盤16の中心には、金属からなる軸受保持部としての第1ベアリングホルダ74及び第2ベアリングホルダ76を保持する保持孔78が形成されるとともに、該保持孔78を中心として円弧形状に延在する通風孔80が複数個(本実施の形態では、3個)形成される。1個の通風孔80の近傍には、図示しない円筒状ネジ部が形成される。
保持孔78には、第1防振用ラバー部材90と第2防振用ラバー部材92とが組み合わされたラバー組立体94が嵌装される。また、保持孔78には、後述するステータ側端子部96が挿通される切欠部98が形成される。
さらに、図2に示すように、通風孔80は、ロータ52を構成して環状に配置された複数個の永久磁石100の略直下に位置する。換言すれば、通風孔80は、永久磁石100の配置に沿って円弧状に湾曲している。
以上のように構成される支持盤16は、例えば、アルミニウム合金からなる鋳造物として得ることができる。この支持盤16には、車体側に設けられたワイヤハーネス(図示せず)を挿入するためのカプラハウジング102が、通風孔80の近傍に設けられる前記円筒状ネジ部に保持ネジが螺合されることで支持される。該カプラハウジング102は樹脂からなり、絶縁性である。なお、前記ワイヤハーネスは、カプラハウジング102(図1参照)内に先端が突出した図示しない導通部材に電気的に接続される。
ここで、第1ベアリングホルダ74の大径な下端には第1ベアリング104(軸受)及び図示しないウェーブワッシャが挿入され、一方、第2ベアリングホルダ76に臨む側の上端は、下端に比して小径に設定されている。また、第2ベアリングホルダ76の大径な上端には第2ベアリング106(軸受)が圧入され、一方、第1ベアリングホルダ74に臨む側の下端は、前記上端に比して小径に設定されている。また、該第1ベアリングホルダ74に臨む側の下端には、第1ベアリングホルダ74が圧入される。
前記ラバー組立体94は、圧入結合される第1ベアリングホルダ74及び第2ベアリングホルダ76の下端と上端の直径がそれぞれ相違することで形成される段部によって支持盤16に挟着され、前記保持孔78に位置決めされる。その結果、軸受保持部としての第1ベアリングホルダ74及び第2ベアリングホルダ76が、ラバー組立体94を介して支持盤16に弾性保持される。
第1ベアリングホルダ74、第2ベアリングホルダ76には、第1ベアリング104、第2ベアリング106を介してブラシレスモータ12の回転軸20が回転自在に支持される。
回路基板14は支持盤16の約半分に重畳する略半円形状を呈し、略直線形状をなす部位が前記第1ベアリングホルダ74側を臨むように配置される。このため、回路基板14は、平面視で回転軸20ないし軸受保持部に重なる(覆う)ことはなく、囲繞することもない。
すなわち、軸受保持部及び回路基板14は、支持盤16により、互いが重畳しない位置に保持される。なお、回路基板14は、ブラシレスモータ12の制御に回転検出センサを必要としないセンサレス制御方式である。このため、回路基板14における回転軸20の近傍に、回転軸20の回転角度状態を検出するための回転検出センサを設ける必要がない。従って、軸受保持部と回路基板14を互いに離間させることが容易である。
回路基板14には、取付ネジ110が通される取付ネジ挿通孔112が形成される。取付ネジ挿通孔112の位置は、ヒートシンク部64(フィンの裏面)に形成された取付ネジ用孔114の位置に対応する。取付ネジ挿通孔112に取付ネジ110が通されるとともに、該取付ネジ110が取付ネジ用孔114に螺合されることにより、回路基板14が支持盤16に支持される。回路基板14は、支持盤16を介して間接的にケーシング18に支持されるが、ケーシング18に直接連結されてはいない。
回路基板14には、コンデンサや抵抗、スイッチング素子等の各種の電子部品120が設けられるとともに図示しない配線によって導電経路が形成され、これにより制御回路が構成されている。該制御回路は、回転軸20の回転速度を制御する等の制御を行う。
前記導通部材は、前記配線に電気的に接続される。前記制御回路への通電(給電)は、この導通部材を介してなされる。該導通部材は、回路基板14の上方(上面)にハンダ等で固着されて回路基板14から突出し、上述したように、突出した導通部材の先端側は前記カプラハウジング102内に収納されている。
ブラシレスモータ12を構成する電磁コイル122への通電は、導通用ユニット124を介してなされる。具体的には、導通用ユニット124は、絶縁性支持部材126と、該絶縁性支持部材126に設けられた導電線128を有する。
絶縁性支持部材126は、例えば、ポリブチレンテレフタレート(PBT)等の樹脂材料からなり、固定ネジ130を介して回路基板14に位置決め固定される。この絶縁性支持部材126には、基板側端子部132の一部が埋設されている。ここで、基板側端子部132は、U相用、V相用及びW相用の3個が設けられているが、図2中ではその中の1個のみが示されている。
基板側端子部132の両端部は絶縁性支持部材126から露呈し、一端部は二叉に分岐されるとともに回路基板14に形成された2個1組のスルーホールに差し込まれる。また、他端部には、前記導電線128の一端部が係止及び電着(ヒュージング)される。一方、この導電線128の他端は、ステータ56に設けられたステータ側端子部96の下方側の第1フック部140に係止及び電着される。この点については後述する。
ブラシレスモータ12は、回転軸20に保持されて該回転軸20と一体的に回転する前記ロータ52と、複数個の前記電磁コイル122を含み且つ第2ベアリングホルダ76の外周壁に位置決め固定されたステータ56とを有する。この中のステータ56は、周知のように円環形状をなす部材であり、第2ベアリングホルダ76が圧入されたヨーク部と、ヨーク部の外周から回転軸20の軸線と垂直な方向に放射状に突出するように形成されるティース部とを有する積層コア150(ステータコア)を有する。該積層コア150は、1組のインシュレータ152a、152b(絶縁材)で上下から挟持される。
ヨーク部は、該積層コア150の内周側で円環形状をなし、第2ベアリングホルダ76の外周壁に堅牢に位置決め固定される。一方、ティース部は、ロータ52を構成する回転盤154の内周壁に対向する。すなわち、この場合、ブラシレスモータ12は、ステータ56の外方にロータ52が位置する、いわゆるアウタロータ型である。
隣接するティース部同士は、所定間隔で互いに離間している。すなわち、互いの間にはクリアランスが形成されている。このクリアランスは、冷却風が通過する通路となる。
電磁コイル122は、ティース部に線材が巻回されることで構成される。電磁コイル122は、例えば、15個が設けられ、5個が1組としてU相用領域、V相用領域、W相用領域を構成する。
支持盤16を臨む積層コア150の下方のインシュレータ152aには、支持盤16及び回路基板14に指向して延在する端子埋設部156が設けられるとともに、該端子埋設部156にステータ側端子部96がそれぞれ埋入される。ステータ側端子部96の一部は、端子埋設部156から下側半体24に指向して突出するとともに、支持盤16に形成された切欠部98に挿通される。端子埋設部156、ステータ側端子部96及び切欠部98は、U相用、V相用及びW相用の3個設けられるが、図2中ではその中の1個のみが示されている。
ステータ側端子部96は、第1フック部140、第2フック部160を有する。上記したように第1フック部140には導電線128が電着され、第2フック部160には、U相用領域、V相用領域又はW相用領域を構成する電磁コイル122にそれぞれ設けられた掛止部170が係止及び電着される。これにより、いわゆるデルタ接続がなされる。
ロータ52は、図1及び図2に示す回転盤154(ヨーク)を有する。この回転盤154は、第1ベアリングホルダ74、第2ベアリングホルダ76に回転自在に挿入された回転軸20に支持される。該回転盤154は、側壁部172と円形状底面部174とを有する有底カップ形状をなし、円形状底面部174から略垂下するように形成された側壁部172の内面には、ステータ56のティース部と対向するように、永久磁石100が環状に保持されている。回転軸20とともに回転盤154が回転するときには、永久磁石100も回転盤154と一体的に回転する。
回転盤154の円形状底面部174は上方を臨み、且つ該円形状底面部174は、上側半体26の円環状突部50に形成された回転軸挿通口54から、回転軸20とともに露呈する。円環状突部50と円形状底面部174との間には、所定のクリアランスが形成される。なお、図2から諒解されるように、側壁部172は回転軸挿通口54に囲繞されており、空調用ブロアモータユニット10の外部には露呈しない。
さらに、円形状底面部174には、ブロアファン22が設けられる回転軸20を通すべく中心部に設けられた回転軸支持部180が円環状突部として設けられるとともに、ティース部(電磁コイル122)に臨む複数の通気開口186が形成される。該通気開口186の、円形状底面部174の周方向に沿う寸法は、該円形状底面部174の直径方向内方から外方に向かうに従って大きくなるように設定されている。このため、通気開口186は、短辺が回転軸挿通口54を臨み、長辺が円形状底面部174の外周縁部を臨む略台形形状をなす。
隣り合う通気開口186同士の間には、回転軸20を中心に放射状に並ぶスポーク部188が形成される。図1及び図3Aから諒解されるように、スポーク部188には、側壁部172から回転軸20に向かう途中で、ステータ56や回路基板14から離間する方向、換言すれば、上方に隆起(突出)した段部としての折曲部190(共振抑制部)が設けられている。各スポーク部188における折曲部190は、回転軸支持部180の軸芯と同心円を形成する仮想円C上に設けられている。換言すれば、各スポーク部188における折曲部190は、回転軸20、ないし回転軸支持部180の軸芯に対して同心円上に配置されている。なお、折曲部190は、各スポーク部188の半径方向中心よりも内周側に偏在(オフセット)する位置に設けられている。このため、スポーク部188の、折曲部190よりも外周側は、折曲部190よりも内周側に比して面剛性が低くなる。
図3Aに示すように、隣り合う永久磁石100の周方向端面同士は、スポーク部188の幅方向中心を間に挟んで対向する。換言すれば、永久磁石100は、スポーク部188の幅方向中心で分割されている。
スポーク部188及び通気開口186と、回転軸支持部180との間には、内周側底壁192が介在する。すなわち、スポーク部188同士は内周側底壁192で連なり、且つ回転軸支持部180は内周側底壁192から無蓋円筒状に形成されている。
内周側底壁192には、スポーク部188の延長線上に分枝口194が形成されている。このため、スポーク部188は分枝口194を境に2本のスポーク枝部196に分枝されている。複数のスポーク部188から個々に分枝されたスポーク枝部196は、分枝口194よりも内周側で互いに連なり、上記回転軸支持部180の基端部に接続している。
分枝口194は、内周側底壁192の、第2ベアリング106に対向する位置で開口している。従って、空調用ブロアモータユニット10又はブラシレスモータ12の平面視では、分枝口194の奥側に第2ベアリング106の外輪を視認することができる。
本実施の形態に係るブラシレスモータ12を含む空調用ブロアモータユニット10は、基本的には以上のように構成されるものであり、次にその作用効果について説明する。
空調用ブロアモータユニット10は、以下のようにして組み立てられる。すなわち、はじめに、3個の端子埋設部156の各々からステータ側端子部96の一部が露呈したインシュレータ152aと、インシュレータ152bとで積層コア150を覆った後、インシュレータ152a、152bを介してティース部に線材(巻線)を巻回することで電磁コイル122を形成する。これを繰り返し、5個の電磁コイル122からなるU相用領域を作製する。
次に、U相用領域から線材を引き出すようにして掛止部170を形成し、該掛止部170を、ステータ側端子部96の第2フック部160に掛止する。続いて、該第2フック部160に近接するティース部に対して順次線材(巻線)を巻回し、5個の電磁コイル122からなるV相用領域を設ける。以降は上記と同様にして、V相用領域の掛止部170、W相用領域の掛止部170を順次形成する。その後、3個の掛止部170の各々を、3個の第2フック部160の各々に個別に電着固定する。
さらに、積層コア150の内周側で円環形状をなすヨーク部の内孔に、第2ベアリングホルダ76を圧入する。その後、第2ベアリングホルダ76の小径な下端に第2防振用ラバー部材92を外嵌し、さらに、第2防振用ラバー部材92の比較的小径な部位(図2参照)に、支持盤16の保持孔78を嵌装する。これにより、第2ベアリングホルダ76が、第2防振用ラバー部材92を介して支持盤16の保持孔78に組み付けられる。
その後、第2ベアリングホルダ76の小径な下端に第1防振用ラバー部材90を外嵌する一方、該下端の内部に第1ベアリングホルダ74の小径な上端を圧入する。その結果、ラバー組立体94が構成されるとともに、第1ベアリングホルダ74がラバー組立体94及び第2ベアリングホルダ76を介して支持盤16の保持孔78に保持される。
以上とは別に、通気開口186、スポーク部188、折曲部190、分枝口194及びスポーク枝部196が予め形成された回転盤154の側壁部172の所定位置に永久磁石100を固着する一方で、回転軸20に第2ベアリング106を外嵌する。さらに、この第2ベアリング106が外嵌された回転軸20の上方から、永久磁石100が固着された回転盤154を圧入固定する。
この圧入により、分枝口194の下方に第2ベアリング106が位置する。すなわち、回転盤154の上方からの平面視で、分枝口194を通して第2ベアリング106を視認することができるロータ52が構成される。このようにして設けられたロータ52に対し、回転軸20を軸支するように設けられた回転バランス工具(図示せず)を使用することによって、適宜回転バランスの確認・調整が行われる。
次に、回転バランスの確認・調整が行われた回転軸20を、第2ベアリング106ごと、支持盤16に組み付けられた第2ベアリングホルダ76の大径な上端に挿入する。さらに、回転盤154の上方から分枝口194を挿通して、図示しない圧入用治具を第2ベアリング106の上方に当接させ、その後、該圧入用治具を介して第2ベアリング106を押圧する。これにより、第2ベアリング106が、第2ベアリング106の上方から回転軸20とともに第2ベアリングホルダ76に圧入される。このように、圧入用治具を分枝口194に通すことにより、第2ベアリング106及び回転軸20の第2ベアリングホルダ76への圧入作業が容易となる。
次に、支持盤16の下方からウェーブワッシャを介在するようにして第1ベアリング104を回転軸20に外嵌する。この際、第1ベアリング104は第1ベアリングホルダ74内に摺動自在に挿入される。以上により、第1ベアリング104及び第2ベアリング106に軸受与圧が付与される。
また、ロータ52(永久磁石100)がステータ56の外縁を囲繞するブラシレスモータ12が構成される。すなわち、回転盤154の側壁部172の内面に支持されてロータ52を構成する永久磁石100が、ステータ56の積層コア150に対向する。
その後、カプラ部を構成するカプラハウジング102を支持盤16に連結する。このように、カプラハウジング102は支持盤16に設けられ、回路基板14には設けられていない。このため、回路基板14における電子部品120の搭載スペースが十分な広さとして確保されるので、回路基板14にいわゆるデッドスペースが生じ難い。加えて、カプラハウジング102が平面視で回転軸20に重なることがない。
以上のようにして得られたブラシレスモータ12と支持盤16の組立体を、上側半体26に組み付ける。すなわち、支持ネジ60を、ネジ台座部70の支持ネジ挿通孔72に通し且つ支持ネジ用孔62に螺合することで、支持盤16を上側半体26に連結する。これと同時に、回転軸20と、回転盤154の円形状底面部174が上側半体26の回転軸挿通口54から露呈する。
以上とは別に、射出成形を行う等して3個の基板側端子部132の一部が埋入された絶縁性支持部材126を得る。その後、導電線128の一端を、基板側端子部132に係止して電着する。以上により、導通用ユニット124を構成する。
次に、固定ネジ通過孔に前記固定ネジ130を通し、該固定ネジ130を、絶縁性支持部材126に設けられた図示しないネジ穴に螺合する。これにより、導通用ユニット124が回路基板14に取り付けられて位置決め固定される。
次に、回路基板14を支持盤16に取り付ける。すなわち、回路基板14の取付ネジ挿通孔112に通した取付ネジ110を、ヒートシンク部64(フィンの裏面)、及びそれ以外の2箇所に形成された取付ネジ用孔114に螺合する。これにより、回路基板14が取付ネジ110を介して支持盤16に支持される。
次に、3個の導電線128を適宜折曲し、その一端を、3個のステータ側端子部96の各第2フック部160に係止して電着する。この電着により、回路基板14に実装された電子部品120と、電磁コイル122(U相用領域、V相用領域及びW相用領域)とが電気的に接続される。なお、回路基板14は支持盤16を介して上側半体26に間接的に支持され、上側半体26に直接連結されることはない。
次に、下側半体24に形成された連結ネジ挿通孔32に連結ネジ30を通し、さらに、該連結ネジ30を、上側半体26に形成された連結ネジ用孔48に螺合する。これにより、下側半体24と上側半体26とが連結される。また、この際、第1嵌合部36の外面を第2嵌合部38の内面が覆うことで、下側半体24が上側半体26に嵌合される。以上により、前記組立体(回路基板14、支持盤16及びブラシレスモータ12)を収容したケーシング18が構成される。
さらに、回転軸20にブロアファン22(図2参照)が取り付けられることで、空調用ブロアモータユニット10が得られるに至る。カプラハウジング102は、下側半体24から露出して該下側半体24に隣り合う位置となる。
上記したように回路基板14が平面視で回転軸20(ないし第1ベアリングホルダ74)に重ならないオフセット位置であるため、ケーシング18の上下方向(厚み方向)寸法が大きくなることを回避することができる。さらに、カプラハウジング102が下側半体24に隣り合うので、下側半体24の厚みの範囲内に収まる。このため、ケーシング18が厚み方向に大きくなることが回避される。従って、空調用ブロアモータユニット10の小型化を図ることが容易となる。
空調用ブロアモータユニット10は、車体に搭載されて車両用空調装置に組み込まれる。この際、複数個のステー部46の各々に固定ネジが通されるとともに、該固定ネジが所定の部材、例えば、ブロアファン22を囲繞するいわゆるスクロール形状のファンケーシング(図示せず)に螺合される。
この状態で、車体側のワイヤハーネスが前記カプラハウジング102内に挿入されて導通部材に電気的に接続される。車両用空調装置を運転する際には、ワイヤハーネスから導通部材を介して制御回路に通電がなされる。
この通電に伴い、該制御回路の制御下にコンデンサや抵抗、スイッチング素子等の各種の電子部品120を介して電磁コイル122にも通電がなされる。その結果、ステータ56に交番磁界が発生する。この交番磁界と、ロータ52を構成する永久磁石100による磁界との間で吸引・反発が連続的に起こることにより、回転盤154が回転する。これと一体的に、回転軸20及びブロアファン22が回転する。
制御回路に通電がなされることに伴い、電子部品120及び回路基板14が熱を帯びる。この熱は、支持盤16に伝達されて該支持盤16のヒートシンク部64に到達する。ヒートシンク部64が回路基板14に近接しているので、回路基板14の熱が速やかにヒートシンク部64に伝達される。
ブロアファン22が回転することに伴い、図示しない前記ファンケーシング内に該ブロアファン22の周囲(特に上方)の空気が巻き込まれて、遠心ファンであるブロアファン22の遠心方向に向かう気流、すなわち、空気流となる。この空気流の一部は、上側半体26のダクト44内に形成された空気導入口28からケーシング18の内部に導入され、該ケーシング18内の流通路を流通する冷却風となる。
ここで、下側半体24には、上側半体26に向かって凸となる突部34が設けられている。冷却風が突部34に接触した際には、該冷却風は、傾斜した上流側の側部に沿って流通する。その結果、冷却風の一部の進行方向が上側半体26側に変更される。このように、突部34は、冷却風の一部を上側半体26側に案内する案内部である。
上側半体26側に進行した冷却風の一部は、ヒートシンク部64に接触する。従って、ヒートシンク部64が速やかに冷却される。上記したように、回路基板14の熱がヒートシンク部64に速やかに伝達されるので、ヒートシンク部64を介しての回路基板14の熱の放散が効率よく進行する。このように、ケーシング18内に突部34(案内部)を設けて冷却風をヒートシンク部64に向けるようにしたことにより、回路基板14の熱を除去することが容易となる。
ヒートシンク部64が支持盤16の一部位として一体的に設けられているときには、支持盤16の全体を放熱部材として利用可能となることから、別部材であるヒートシンクを支持盤16に連結する場合に比して放熱面積を大きくすることができる。このため、空調用ブロアモータユニット10の小型化を図りながら、回路基板14を効率よく冷却することができる。
ヒートシンク部64に接触した冷却風は、上側半体26を構成する円環状突部50の内壁に案内されながら、回転盤154の側壁部172の外壁に沿って上昇する。この際に冷却風が側壁部172に接触するので、ロータ52が外方から冷却される。
冷却風の残部は、突部34を越えて下側半体24内の流通路を流通し、回路基板14やステータ56側に向かって上昇する。冷却風は、回路基板14等に接触した後に支持盤16の通風孔80を通過し、さらに、ステータ56の周方向に隣接するティース部同士の間の間隙を通過する。これにより、回路基板14や支持盤16、ブラシレスモータ12及びロータ52(特に永久磁石100)が冷却される。
冷却風は、上側半体26の回転軸挿通口54とブラシレスモータ12の回転盤154との間の間隙や、回転盤154に形成された通気開口186を介してケーシング18外に排出される。その後、ブロアファン22(遠心ファン)の空気流に還流される。
回転軸20が回転することに伴い、内孔に回転軸20が通されたステータ56が振動する。ここで、支持盤16が金属からなるために剛性が高いので、該支持盤16が共振を起こし難い。
さらに、支持盤16及び回路基板14は、ケーシング18の内壁に対して所定距離で離間している。このため、支持盤16及び回路基板14が振動ないし揺動した場合であっても、突部34やその他の内壁が支持盤16ないし回路基板14に干渉することが回避される。しかも、組立体(回路基板14、支持盤16及びブラシレスモータ12)は、ケーシング18に収容されている。このために組立体から放出される騒音がケーシング18の内壁に衝突するので、騒音がケーシング18の周囲に過度に放射される事態を防止することができる。以上のような理由から、静粛性が一層向上する。また、当接音が発生する懸念や、回路基板14に傷が発生する懸念が払拭されるとともに、耐久性が向上する。
さらに、本実施の形態では、回転盤154の円形状底面部174に略台形形状の通気開口186が形成されている。通気開口186の形状と、通気開口186が形成されている分だけ円形状底面部174の面積が小さくなることとが相俟って、ロータ52の、いわゆる鳴きが低減する。
また、円形状底面部174のスポーク部188には、段差となる折曲部190が、回転軸20と同心円上に設けられている。この折曲部190によって、永久磁石100の電磁力に基づく振動が吸収される。換言すれば、共振がミュートされる。このように、折曲部190は共振抑制部として機能し、側壁部172からの振動が回転軸20に伝達されることを防止している。
加えて、隣り合う永久磁石100の端面同士が、スポーク部188の幅方向中心を間に挟んで対向している。このため、永久磁石100の電磁力に基づくスポーク部188の直径方向に沿う収縮振動が、2個の永久磁石100からスポーク部188に略均等に伝達される。このため、振動ピークが低減して騒音が低減する。しかも、このようなロータ52は、側壁部172が上側半体26の円環状突部50に覆われるようにして、支持盤16とともにケーシング18に収容されている。このため、ロータ52の放射音が、円環状突部50の内面に衝突することで低減される。以上のような理由からも、静粛性が一層向上する。このことも、ブラシレスモータ12の静粛化に寄与する。
さらにまた、本実施の形態では、回転盤154に分枝口194を形成している。このため、側壁部172で発生する回転力を、スポーク枝部196を介して回転軸20に確実に伝達しながら、空気(冷却風)が通気開口186を通過するときの風切り音や、ロータ52の振動(発音)による鳴きやびびり音を低減することができる。
図3AのIV−IV線矢視断面図である図4には、上記した形状の回転盤154を用いたブラシレスモータ12の回転時における回転盤154の模式的な振幅分布を併せて示している。詳述すると、振動源である永久磁石100が配設されたロータ52の外周側と、回転軸20を支持する回転軸支持部180が突出した内周側底壁192側と、永久磁石100と回転軸支持部180との略中間に位置するスポーク部188とでは、振幅量にそれぞれ差異がある。すなわち、この場合、スポーク部188の、折曲部190よりも内周側では、加振状況下での振幅が小さくなる。
この理由としては、スポーク部188の幅寸L1が、ロータ52が回転することに伴って生起される振動の波長に対して十分に小さくなるように形成されていること、及び、折曲部190がスポーク部188の内端側に偏在されていることが挙げられる。すなわち、個々のスポーク部188が回転盤154のその他の部位よりも比較的低剛性な部位となっていることにより、永久磁石100を起点として生起される振動エネルギが、スポーク部188の、折曲部190よりも外周側において集中的に吸収(散逸)される。この場合、スポーク部188の、折曲部190よりも内周側、すなわち、回転軸20に近接する側では、振幅が小さくなる。
また、スポーク部188の各幅寸が上記したように十分に小さくなるように形成されているので、その結果として、スポーク部188による空気振動が抑制される。しかも、内周側底壁192には分枝口194を形成している。このため、内周側底壁192による空気振動も抑制される。このことは、ロータ52が回転することに伴う加振状況下でのロータ52及び回転軸20の振幅が低下して放射音(鳴き)が生じ難くなること、換言すれば、空調用ブロアモータユニット10の騒音レベル低下を達成できることを意味する。
結局、本実施の形態によれば、静粛性に優れる小型な空調用ブロアモータユニット10を構成することができる。
本発明は、上記した実施の形態に特に限定されるものではなく、本発明の主旨を逸脱しない範囲で種々の変更が可能である。
例えば、分枝口194は図3Aに示す円形状に限定されるものではなく、図3Bに示す三角形状であってもよいし、図3Cに示す涙滴形状であってもよい。三角形状や涙滴形状の場合、例えば、開口面積が小さな方をスポーク部188側、開口面積が大きな方を回転軸支持部180側とすることができるが、これと逆であっても差し支えはない。いずれの形状であっても、打抜パンチによる打抜加工によって分枝口194を容易に形成することができる。
10…空調用ブロアモータユニット 12…空調装置用ブラシレスモータ
14…回路基板 16…支持盤
18…ケーシング 20…回転軸
22…ブロアファン 28…空気導入口
44…ダクト 52…ロータ
56…ステータ 64…ヒートシンク部
74…第1ベアリングホルダ 76…第2ベアリングホルダ
80…通風孔 94…ラバー組立体
96…ステータ側端子部 100…永久磁石
102…カプラハウジング 104…第1ベアリング
106…第2ベアリング 120…電子部品
122…電磁コイル 124…導通用ユニット
126…絶縁性支持部材 128…導電線
132…基板側端子部 140…第1フック部
150…積層コア 152a、152b…インシュレータ
154…回転盤 156…端子埋設部
160…第2フック部 170…掛止部
172…側壁部 174…円形状底面部
180…回転軸支持部 186…通気開口
188…スポーク部 190…折曲部
192…内周側底壁 194…分枝口
196…スポーク枝部

Claims (5)

  1. 空調装置を構成するブロアファンを回転させるための空調装置用ブラシレスモータであって、
    電磁コイルを含むステータと、
    側壁部と底面部とで前記ステータを覆う有底カップ形状のヨークと、前記側壁部に設けられた永久磁石とを有するロータと、
    を有し、
    前記ヨークの底面部に、前記ブロアファンが設けられる回転軸を通す回転軸支持部が形成されるとともに、前記回転軸支持部よりも外周側に、前記ロータ内と前記ロータ外との間で大気を流通可能とするための複数個の通気開口と、隣り合う前記通気開口同士の間で前記底面部の直径方向に沿って放射状に延在するスポーク部とが形成され、且つ前記スポーク部と前記回転軸支持部との間に内周側底壁が介在し、
    前記スポーク部の各々に、共振をミュートするための共振抑制部が形成され、
    さらに、前記内周側底壁に、該内周側底壁を貫通して1個の前記スポーク部を分枝する分枝口と、前記分枝口によって前記スポーク部から分枝されたスポーク枝部とが形成されていることを特徴とする空調装置用ブラシレスモータ。
  2. 請求項1記載のモータにおいて、前記共振抑制部は、前記スポーク部の一部が前記ステータから離間する方向、又は前記ステータに接近する方向のいずれかに突出することで形成された段部であることを特徴とする空調装置用ブラシレスモータ。
  3. 請求項1又は2記載のモータにおいて、前記分枝口が円形、三角形、又は涙滴形をなすことを特徴とする空調装置用ブラシレスモータ。
  4. 請求項1〜3のいずれか1項に記載のモータにおいて、前記分枝口は、前記内周側底壁の、前記回転軸を支持する軸受に対向する位置で開口していることを特徴とする空調装置用ブラシレスモータ。
  5. 請求項1〜4のいずれか1項に記載のモータにおいて、前記永久磁石による磁極を複数個有し、隣り合う前記永久磁石の磁極の周方向端面同士は、前記スポーク部の幅方向中心を間に挟んで対向していることを特徴とする空調装置用ブラシレスモータ。
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