JP2019028738A - 画像処理装置、画像処理方法及びプログラム - Google Patents

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耕生 ▲高▼橋
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Abstract

【課題】画像形成装置から出力された画像のダイナミックレンジを拡大するための画像処理装置を提供する。【解決手段】画像処理装置1は、入力画像データに基づいて画像形成装置2が記録媒体上に形成する画像に、画像表示装置3が表示する画像を重畳するためのデータを生成する。画像処理装置1は、入力画像データを取得する第1取得手段と、入力画像データを階調圧縮することよって生成された圧縮画像データを取得する第2取得手段と、入力画像データと圧縮画像データとに基づいて、画像表示装置3へ出力する出力画像データを生成する生成手段104と、を有する。【選択図】図1

Description

本発明は、ハイダイナミックレンジを有する画像を生成するための画像処理技術に関する。
近年、デジタルカメラ等による撮像や、コンピュータグラフィックス(CG)によってモデリングした仮想オブジェクト等において、ハイダイナミックレンジを有する画像(以下、HDR画像と呼ぶ)を扱う機会が増えてきている。特許文献1には、プリンタによって形成されたプリント物にプロジェクタによって投影された画像を重畳することによってダイナミックレンジを拡大する技術が記載されている。特許文献1においては、入力信号をプリンタへ出力する信号(以下、プリンタ信号とも呼ぶ)とプロジェクタへ出力する信号(プロジェクタ信号とも呼ぶ)とへ変換している。この変換には、投影色とプリント色とを重ねた際の重畳再現色の算出結果に基づいて作成されたテーブルを用いている。
特開2010−103863号公報
特許文献1に記載された技術において、プロジェクタ信号は、プロジェクタによって投影された画像がプリンタによって出力された画像に重畳されることを前提にして生成されている。このため、入力信号からプロジェクタ信号と同時に生成されたプリンタ信号に基づいて形成された画像のダイナミックレンジを拡大することはできるが、それ以外の画像のダイナミックレンジを拡大することはできないという課題がある。
そこで、本発明は、画像形成装置から出力された画像のダイナミックレンジを拡大するための画像処理を提供することを目的とする。
上記課題を解決するために、本発明に係る画像処理装置は、入力画像データに基づいて画像形成装置が記録媒体上に形成する画像に、画像表示装置が表示する画像を重畳するためのデータを生成する画像処理装置であって、前記入力画像データを取得する取得手段と、前記入力画像データを階調圧縮することよって生成された圧縮画像データを取得する第2取得手段と、前記入力画像データと前記圧縮画像データとに基づいて、前記画像表示装置へ出力する出力画像データを生成する生成手段と、を有することを特徴とする。
本発明によれば、画像形成装置から出力された画像のダイナミックレンジを拡大することができる。
画像処理装置1の構成を示すブロック図 画像処理装置1における処理を示すフローチャート 重畳画像の観察環境を説明するための模式図 画像処理装置1の機能構成を示すブロック図 画像処理装置1における処理を示すフローチャート ユーザインターフェース画面の一例を示す図 画像処理装置1における機能構成を示すブロック図 画像処理装置1における処理を示すフローチャート ユーザインターフェース画面の一例を示す図
[実施例1]
本実施例では、カラーインク(有色記録材)を搭載したプリンタを用いて形成するプリント物とプロジェクタを用いて表示する画像(表示画像)とを重畳して1つの画像(重畳画像)を生成する。
<画像処理システムのハードウェア構成>
図1(a)は、画像処理システムのハードウェア構成の一例を示す図である。画像処理システムは、画像処理装置1、画像形成装置2、画像表示装置3を備える。画像処理装置1は、例えばコンピュータであり、CPU1401、ROM1402、RAM1403を備える。CPU1401は、RAM1403をワークメモリとして、ROM1402、HDD(ハードディスクドライブ)1412などに格納されたOS(オペレーティングシステム)や各種プログラムを実行する。また、CPU1401は、システムバス1408を介して各構成を制御する。尚、後述するフローチャートにおける処理は、ROM1402やHDD1412などに格納されたプログラムコードがRAM1403に展開され、CPU1401によって実行される。VC(ビデオカード)1404には、ディスプレイ5が接続される。汎用I/F(インターフェース)1405には、シリアルバス1409を介して、マウスやキーボードなどの入力装置1410や画像形成装置2、画像表示装置3が接続される。SATA(シリアルATA)I/F1406には、シリアルバス1411を介して、HDD1412や各種記録メディアの読み書きを行う汎用ドライブ1413が接続される。NIC(ネットワークインターフェースカード)1407は、外部装置との間で情報の入出力を行う。CPU1401は、HDD1412や汎用ドライブ1413にマウントされた各種記録メディアを各種データの格納場所として使用する。CPU1401は、プログラムによって提供されるUI(ユーザインターフェース)画面をディスプレイ5に表示し、入力装置1410を介して受け付けるユーザ指示などの入力を受信する。
<画像形成装置2の構成>
本実施例における画像形成装置2は、カラーインクを搭載したインクジェット方式のプリンタである。インクジェット方式のプリンタは、インクの吐出口を有する記録ヘッド(不図示)を記録媒体に対して相対的に移動させる。記録ヘッドが移動する際に、入力された画像データに基づいて配置が決定されたインクドットを記録媒体上に記録することによってプリント物を形成する。本実施例における記録媒体は普通紙であって、カラーインクはC(シアン)、M(マゼンタ)、Y(イエロー)、K(ブラック)の4色のインクである。尚、記録媒体は、マット紙や光沢紙等であってもよい。また、カラーインクは、上述したインクに加えてLc(ライトシアン)インク、Lm(ライトマゼンタ)インク等の低濃度インクを用いてもよいし、R(赤)インク、G(緑)インク、B(青)インクなどの特色インクを用いてもよい。
<画像表示装置3の構成>
本実施例における画像表示装置3は、投射光学部(不図示)を有するプロジェクタとする。投射光学部は、光源であるランプと、入力された画像データに基づいて液晶パネルを駆動させる液晶駆動装置と、投射レンズと、を備える。ランプからの光が光学系によってR(レッド)、G(グリーン)、B(ブルー)の光に分解されて、液晶パネルにそれぞれ導かれる。各液晶パネルに導かれ輝度変調された光は、投射レンズを介して、画像形成装置2により形成されたプリント物上に表示画像を投射する。
<重畳画像の観察環境>
図3に、上述した重畳画像を観察する環境の一例を示す。画像形成装置2によって形成されたプリント物21は観察者の正面に設置されているとし、画像表示装置3によって表示された表示画像31は、プリント物21の全体に重畳されているものとする。観察者10は表示画像31を光源として、プリント物21上で反射した光を視認している。
<画像処理装置1の機能構成>
画像処理装置1の機能構成について、図1(b)のブロック図を参照して説明する。画像処理装置1は、入力画像取得部102と、圧縮画像生成部103と、復元画像生成部104と、圧縮画像出力部105と、復元画像出力部106と、を有する。入力画像取得部102は、入力画像記憶部101から入力画像データを取得する。入力画像記憶部101は、HDD1412等などの記憶装置であり、予め上述した入力画像データを記憶している。圧縮画像生成部103は、取得された入力画像データの階調圧縮を行うことによって、圧縮画像データを生成する。圧縮画像データは、画像形成装置2が表現可能なダイナミックレンジとなるように入力画像データに対して行われた階調圧縮によって、入力画像データが有するHDR情報を失う。よって、このHDR情報を上述した2つの画像の重畳によって復元するために、復元画像生成部104は、入力画像データと圧縮画像データとに基づいて、復元画像データを生成する。復元画像データが表す復元画像と圧縮画像データが表す圧縮画像とを重畳することによって、入力画像データが有するHDRを再現することができる。圧縮画像出力部105は、圧縮画像データを画像形成装置2に出力する。復元画像出力部106は、復元画像データを画像表示装置3に出力する。
<画像処理装置1における処理のフロー>
図2は、画像処理装置1における処理のフローチャートである。以下、画像処理装置1における処理を図2を用いて詳細に説明する。まず、ステップS201において、入力画像取得部102は、入力画像記憶部101に記憶されている入力画像データを取得する。ここで、入力画像データは、ハイダイナミックレンジを有するHDR画像データである。HDR画像データは、16ビットで表される色信号値が各画素に記録されたカラー画像データである。色信号値は、色画像の各画素が有する3つの各チャンネルに記録されるR(レッド)値、G(グリーン)値、B(ブルー)値である。尚、本実施例における色信号値はsRGB空間上において定義されるRGB値とするが、AdobeRGB空間上で定義されるRGB値あるいはL空間上で定義されるL値といった他の形式であってもよい。本実施例では入力画像データの色信号値を16ビットで表すが、入力画像データがHDR画像データであれば、色信号値を表すためのビット数は10ビットや12ビットなどでもよい。
ステップS202において、圧縮画像生成部103は、ステップS201において取得された入力画像データの階調圧縮処理を行うことによって、圧縮画像データを生成する。ここで、圧縮画像データは、スタンダードダイナミックレンジ(以下、SDRと呼ぶ)を有するSDR画像データである。SDR画像データは、8ビットで表される色信号値が各画素に記録されたカラー画像である。色信号値については、HDR画像データと同様である。尚、圧縮画像データについても、色信号値を表すためのビット数は8ビットに限定されない。本ステップにおける処理の詳細は後述する。ステップS203において、圧縮画像出力部105は、圧縮画像データを画像形成装置2に出力する。ステップS204において、復元画像生成部104は、入力画像データと圧縮画像をデータとを用いて、復元画像データを生成する。本ステップにおける処理の詳細は後述する。ステップS205において、復元画像出力部106は、復元画像データを画像表示装置3に出力する。
<圧縮画像データの生成(ステップS202)>
ここでは、ステップS202における圧縮画像データの生成処理について詳細に説明する。まず、入力画像データの各画素に記録されたRGB値から、式(1)を用いて輝度値Linを算出する。
次に、算出された輝度値Linに基づいて、入力画像データに対して階調圧縮処理を施し、圧縮画像データを生成する。一般的に、プリンタなどの画像出力装置が表現できるダイナミックレンジが入力画像のダイナミックレンジに比べて小さい場合に、線形圧縮やクリッピングによる階調圧縮では好適な出力画像が得られない場合がある。そこで、本実施例においては、式(2)による非線形な階調圧縮処理を行う。
ここで、Loutは出力輝度値であり、Linは式(1)により算出された入力輝度値である。尚、式(3)による非線形な階調圧縮処理を行ってもよい。
ここで、Lmaxは入力画像データの最大輝度値である。
また、画像の全画素において、同一の階調変換を行うのではなく、例えば、式(4)に示されるRetinex処理と呼ばれる局所的な処理を行うことにより、画像の高周波成分の劣化を低減する方法を用いてもよい。
ここで、Lout(x,y)は出力輝度値であり、Lin(x,y)は入力輝度値である。また、Ll(x,y)は位置(x,y)における照明(明るさ)成分であり、ガウス関数g(x,y)と入力輝度値Lin(x,y)とのコンボリューションによって算出される。つまり、Ll(x,y)は、入力画像データの高周波成分をカットすることによって得られる、入力画像データの位置(領域)ごとの明るさを示す値である。尚、照明(明るさ)成分は、入力画像データに対してローパスフィルタを適用することによって算出してもよい。Aは予め決められた定数である。式(4)からわかるように、Retinex処理は、同一の入力画素値を入力した場合でも、出力画素値が入力画像の明るさに応じているため、必ずしも同一の出力画素値とはならない処理である。
尚、上述した処理は本ステップにおける階調圧縮処理を限定するものではなく、階調圧縮によってユーザが所望の結果を得られる方法であればどのような階調圧縮処理であってもよい。
以上の処理により、輝度値Loutを各画素に記録した圧縮画像データを生成する。尚、次のステップであるステップS203では、各画素にRGB値が記録された圧縮画像データを画像形成装置2へ出力するために、式(1)の逆変換により、輝度値LoutをRGB値に変換する。尚、RGB値をカラーインクの記録量CMYKに変換してから画像形成装置2へ圧縮画像データ(記録量データ)を出力してもよい。RGB値からCMYK値への変換は公知の色分解処理により行う。圧縮画像データは、画像形成装置2へ出力する出力画像データである。
<復元画像データの生成(ステップS204)>
ここでは、ステップS204における復元画像データの生成処理について詳細に説明する。入力画像データの画素値をHDR(x,y)とする。まず、撮像時の撮像系の階調特性であるガンマ(γ)値を用いて、式(5)によりHDR(x,y)に対するγ補正を行う。尚、HDR(x,y)は、R値、G値、B値それぞれに対応しており、式(5)によるγ補正はR値、G値、B値それぞれに対して行う。
ここで、HDRlinearはγ補正後の画素値(RGB値)である。また、HDRmaxは入力画像データの最大画素値であり、γは撮像時の撮像系のガンマ値である。尚、上述した撮像は、入力画像データを得るための撮像である。得られたHDRlinearは0〜1の値となるため、HDRlinearを用いて式(1)により輝度値を算出した後、入力画像データの最大画素値に対応する輝度値の絶対値を乗算することによって、輝度値Yinを算出する。尚、本実施例においては、入力画像データのR値、G値、B値それぞれに対してγ補正を行った後、輝度値を算出したが、入力画像データのR値、G値、B値を用いて式(1)により輝度値を算出した後、算出した輝度値に対してγ補正を行ってもよい。
次に、上述したγ補正によって得られた輝度値Yinを用いて、復元画像データの各画素に記録する輝度値Youtを算出する。圧縮画像を画像形成装置2によって印刷する場合、記録媒体上の圧縮画像の反射率Rout(x,y)は、圧縮画像データの画素に記録された輝度値Lout(x,y)とみなすことができる。そこで、本実施例では、式(5)によってγ補正された入力画像データの輝度値の絶対値Yin(x,y)と、圧縮画像の反射率Rout(x,y)と、を用いて、復元画像データの輝度値Yout(x,y)を式(6)により算出する。
上述したように、反射率Rout(x,y)には、圧縮画像データの輝度値Lout(x,y)を用いる。式(6)からわかるように、反射率Rout(x,y)の圧縮画像に、輝度値Yout(x,y)の復元画像を重畳させると、輝度値Yin(x,y)の入力画像が再現される。以上の処理により、輝度値Yout(x,y)を各画素に記録した復元画像データを生成する。尚、次のステップであるステップS205では、各画素にRGB値が記録された復元画像データを画像表示装置3へ出力するために、式(1)の逆変換により、輝度値YoutをRGB値に変換する。復元画像データは、画像表示装置3へ出力する出力画像データである。
<実施例1の効果>
上述したように、本実施例における画像処理装置は、入力画像データと入力画像データを階調圧縮して得られる圧縮画像データに基づいて、画像表示装置へ出力する出力画像データを生成する。これにより、画像形成装置から出力された画像のダイナミックレンジを拡大することができる。具体的には、画像形成装置によって形成された画像と画像表示装置によって表示された画像とを重畳する場合には、ハイダイナミックレンジを有する画像を生成することができる。さらに、画像形成装置によって形成された画像と画像表示装置によって表示された画像とを重畳しない場合であっても、画像形成装置によって好適な画像を形成することができる。
[実施例2]
実施例1においては、画像表示装置3以外の照明が無い環境において、画像形成装置2によって出力された圧縮画像と画像表示装置3によって出力された復元画像と重畳することを想定していた。これに対し、本実施例においては、例えば天井照明のように、他に照明がある環境で重畳画像を生成するための画像処理について説明する。尚、本実施例では、実施例1と相違する処理及び構成について主に説明する。図4は、本実施例における画像処理装置1の機能構成を示すブロック図である。照度計107は、重畳画像を観察する際の周囲の照明条件(照明光情報)を取得するための照度計である。照度計107は、画像処理装置1の汎用I/F(インターフェース)1405に、シリアルバス1409を介して接続されている。画像処理装置1が有する照明条件取得部108は、照度計107によって取得された照明条件を示す情報を取得する。尚、照明条件取得部108は、照度計から情報を直接取得するのではなく、予め外部の記憶装置に記憶させておいた情報を取得してもよい。
<画像処理装置1における処理のフロー>
図5は、画像処理装置1における処理のフローチャートである。以下、画像処理装置1における処理を図5を用いて詳細に説明する。尚、ステップS501からステップS503までは実施例1のステップS201からステップS203までと同一の処理であり、ステップS506は実施例1のステップS205と同一の処理であるため、説明を省略する。ステップS504において、照明条件取得部108は、照度計107から、重畳画像を生成する環境での照明条件を示す情報を取得する。ステップS505において、復元画像生成部104は、ステップS501において取得した入力画像データと、ステップS502において生成した圧縮画像データと、ステップS504において取得した情報と、を用いて、復元画像データを生成する。本ステップにおける処理の詳細を以下に示す。
<復元画像データの生成(ステップS505)>
ここでは、ステップS505における復元画像データの生成処理について詳細に説明する。実施例1においては、圧縮画像(プリンタの出力画像)を照明するのは、復元画像(プロジェクタの出力画像)のみであったが、本実施例においては、その他の照明として、天井照明が存在する場合について説明する。ここで、天井照明が存在する環境下での重畳画像の輝度I(x,y)は、式(7)により表される。
ここで、R(x,y)は圧縮画像の反射率であり、Yは照明の輝度であり、P(x,y)は復元画像の輝度である。重畳画像の輝度I(x,y)が、入力画像の輝度Yin(x,y)と一致する場合、復元画像の輝度P(x,y)は式(8)によって表される。
よって、式(8)により、輝度値P(x,y)を各画素に記録した復元画像データを生成する。
<UI画面>
ここで図6に、実施例2において入力画像データ及び照明条件を示す情報を取得するためのUI画面の一例を示す。領域601は、入力画像記憶部2に記憶されている入力画像データのファイル名を指定するための領域である。領域602は、画像形成装置2の機種を指定するための領域であり、領域603は、画像表示装置3の機種を指定するための領域である。領域604は、照度計107のセンサの機種を指定するための領域である。領域605は、外部の記憶装置に予め記憶させておいた照明光源のデータから照明光源データを指定するための領域である。領域601から領域603における指定及び領域604又は領域605の指定を行う情報が入力され、処理開始ボタン606が押下されると、上述したステップS501からステップS506の処理が実行される。終了ボタン607が押下されると処理を終了する。
<実施例2の効果>
上述したように、本実施例における画像処理装置は、入力画像データと入力画像データを階調圧縮して得られる圧縮画像データと照明光情報とに基づいて、画像表示装置へ出力する出力画像データを生成する。よって、天井照明などの照明がある環境において重畳画像を生成するため場合であっても、画像形成装置から出力された画像のダイナミックレンジを拡大することができる。
[実施例3]
上述した実施例においては、2つの画像を重畳しない場合であっても、画像形成装置によって好適な画像を形成するため、圧縮画像データと入力画像データとに基づいて、復元画像データを生成した。しかし、2つの画像を重畳された状態で画像が観察されるとわかっている場合は、テーブルなどを用いたより簡易な処理によって、重畳画像を生成するためのデータを生成することが好ましい。そこで本実施例では、上述した実施例の処理とテーブルを用いたより簡易な処理を切り替える例について説明する。尚、本実施例では、実施例1と相違する処理及び構成について主に説明する。図7は、本実施例における画像処理装置1の機能構成を示すブロック図である。選択情報取得部109は、ディスプレイ5に表示されたUI画面を介して、処理を選択するための選択情報を取得する。処理選択部110は、選択情報に基づいて、実行する処理を選択する。出力画像生成部111は、出力画像データを生成する。出力画像出力部112は、出力画像データを画像形成装置2と画像表示装置3とに出力する。
<画像処理装置1における処理のフロー>
図8は、画像処理装置1における処理のフローチャートである。以下、画像処理装置1における処理を図8を用いて詳細に説明する。まず、ステップS801において、入力画像取得部102及び選択情報取得部109は、入力画像データと選択情報とを取得する。入力画像データは上述した実施例における入力画像データと同様のものである。選択情報は、次のステップS802における処理の選択において用いる情報である。選択情報は、図9に示すUI画面を介してユーザによって入力された情報であり、プリント画像優先処理(以下、処理1と呼ぶ)又は重畳前提処理(以下、処理2と呼ぶ)のいずれかの処理を選択するための情報である。処理1は、画像形成装置2によって形成された画像と画像表示装置3によって表示された画像とを重畳しない場合であっても、画像形成装置2によって好適な画像を形成するための処理である。処理2は、画像形成装置2によって形成された画像と画像表示装置3によって表示された画像とを重畳することを前提とした簡易な処理である。次に、ステップS802において、処理選択部110は、選択情報が示す方の処理を選択する。選択情報が処理1を示す場合、ステップS803に移行し、選択情報が処理2を示す場合、ステップS807に移行する。
ステップS803からステップS506までは実施例1のステップS202からステップS205までと同一の処理であるため、説明を省略する。ステップS807において、出力画像生成部111は、画像形成装置2に出力する形成画像データと画像表示装置2に出力する表示画像データとを生成する。この生成には、入力画像データが有する色信号値と、形成画像データ及び表示画像データが有する色信号値と、が対応付けられたテーブルが用いられる。入力画像データの画素ごとにテーブルを参照し、入力画像データの色信号値に対応する色信号値を取得して、形成画像データの画素と表示画像データの画素とにそれぞれ記録する。このテーブルは、予め作成しておき、外部の記憶装置等に記憶させておいて用いる。このテーブルの作成方法は、色信号値が表す色の複数の組み合わせを画像形成装置2と画像表示装置3とを用いて重畳させ、重畳された色を測色することによって、複数の組み合わせと測色値とを対応付けさせる方法である。尚、測色を行うのではなく、色信号値が表す色の複数の組み合わせから重畳した場合の色を算出することによって、テーブルを作成してもよい。形成画像データは画像形成装置2へ出力する出力画像データであり、表示画像データは画像表示装置3へ出力する出力画像データである。ステップS808において、出力画像出力部112は、ステップS807において生成された出力画像データを画像形成装置2と画像表示装置3とに出力する。具体的には、出力画像出力部112は、形成画像データを画像形成装置2へ出力するし、表示画像データは画像表示装置3へ出力する。
<実施例3の効果>
上述したように、本実施例における画像処理装置は、選択情報に基づいて処理を選択し、選択した処理によって生成した出力画像データを画像出力装置に出力する。よって、2つの画像を重畳された状態で画像が観察されるとわかっている場合には簡易な処理によって、重畳画像を生成するためのデータを生成することができる。
[変形例]
上述した実施例においては、輝度値を用いて画像データを生成する方法について述べたが、実施例はこれに限定されるものではない。例えば、分光反射率、あるいは、三刺激値(XYZ値)等の色空間で処理しても良い。
また、上述した実施例においては、画像表示装置3としてプロジェクタの例を述べたが、画像表示装置3は上記の一例に限定されない。画像表示装置3は、自身の発光で画像を生成する自発光型の装置であれば良く、例えば、ディスプレイを用いても良い。この場合、重畳対象となるプリント物は、透明な記録媒体の上に画像を形成することによって得られたものとし、ディスプレイはプリント物の背面に設置する。この場合、図1(a)におけるディスプレイ5を画像表示装置3として用いてもよい。
上述した実施例においては、圧縮画像生成部103が入力画像データを階調圧縮することによって圧縮画像データを生成したが、予め生成しておいた圧縮画像データを外部記憶装置から取得してもよい。この場合、圧縮画像生成部103は、圧縮画像データを生成せずに、圧縮画像データを外部記憶装置から取得する。
実施例3においては、2つの処理から1つの処理を選択する例を示したが、処理の数は2つに限定されない。2つの処理を組み合わせた処理を選択肢としてもよいし、上述した処理とは異なる処理を選択肢としてもよい。
[その他の実施例]
本発明は、上述の実施例の1以上の機能を実現するプログラムを、ネットワーク又は記憶媒体を介してシステム又は装置に供給し、そのシステム又は装置のコンピュータにおける1つ以上のプロセッサーがプログラムを読出し実行する処理でも実現可能である。また、1以上の機能を実現する回路(例えば、ASIC)によっても実現可能である。
1 画像処理装置
102 入力画像取得部
104 復元画像生成部

Claims (17)

  1. 入力画像データに基づいて画像形成装置が記録媒体上に形成する画像に、画像表示装置が表示する画像を重畳するためのデータを生成する画像処理装置であって、
    前記入力画像データを取得する第1取得手段と、
    前記入力画像データを階調圧縮することよって生成された圧縮画像データを取得する第2取得手段と、
    前記入力画像データと前記圧縮画像データとに基づいて、前記画像表示装置へ出力する出力画像データを生成する生成手段と、
    を有することを特徴とする画像処理装置。
  2. 前記階調圧縮は、前記入力画像データが有する画素値に対して、前記入力画像データの画素ごとの明るさに応じた画素値を算出する圧縮処理であることを特徴とする請求項1に記載の画像処理装置。
  3. 前記明るさは、前記入力画像データの画素値とガウス関数とのコンボリューションによって算出されることを特徴とする請求項2に記載の画像処理装置。
  4. 前記明るさは、前記入力画像データに対してローパスフィルタを適用することによって算出されることを特徴とする請求項2に記載の画像処理装置。
  5. 前記入力画像データは、ハイダイナミックレンジを有する画像データであることを特徴とする請求項1乃至請求項4のいずれか一項に記載の画像処理装置。
  6. 前記圧縮画像データは、スタンダードダイナミックレンジを有する画像データであることを特徴とする請求項1乃至請求項5のいずれか一項に記載の画像処理装置。
  7. 前記画像形成装置は、プリンタであることを特徴とする請求項1乃至請求項6のいずれか一項に記載の画像処理装置。
  8. 前記画像表示装置は、プロジェクタであることを特徴とする請求項1乃至請求項7のいずれか一項に記載の画像処理装置。
  9. 前記画像表示装置は、ディスプレイであって、
    前記記録媒体は、透明な記録媒体であることを特徴とする請求項1乃至請求項7のいずれか一項に記載の画像処理装置。
  10. 画像形成装置によって記録媒体上に形成された画像と画像表示装置によって表示された画像とを重畳することによって1つの画像を生成する際の環境における、照明光の情報を取得する第3取得手段と、
    前記生成手段は、さらに前記前記照明光の情報に基づいて、前記出力画像データを生成することを特徴とする請求項1乃至請求項9のいずれか一項に記載の画像処理装置。
  11. 前記照明光の情報は、照明光の輝度であることを特徴とする請求項10に記載の画像処理装置。
  12. 圧縮画像データを前記画像形成装置に出力し、前記出力画像データを前記画像表示装置に出力する出力手段をさらに有することを特徴とする請求項1乃至請求項11のいずれか一項に記載の画像処理装置。
  13. 前記出力手段は、前記圧縮画像データを、前記画像形成装置が前記記録媒体上に画像を形成するための記録材の記録量を表す記録量データに変換してから出力することを特徴とする請求項12に記載の画像処理装置。
  14. 前記入力画像データに基づいて、前記圧縮画像データを生成する第2生成手段をさらに有し、
    前記第2取得手段は、前記第2生成手段によって生成された前記圧縮画像データを取得することを特徴とする請求項1乃至請求項13のいずれか一項に記載の画像処理装置。
  15. 入力画像データに基づいて画像形成装置が記録媒体上に形成する画像に、画像表示装置が表示する画像を重畳するためのデータを生成する画像処理装置であって、
    前記入力画像データを取得する第1取得手段と、
    実行する処理を選択するための選択情報を取得する第2取得手段と、
    前記選択情報に基づいて、複数の処理から実行する1つの処理を選択する選択手段と、
    前記選択手段による選択に基づいた処理によって画像表示装置へ出力する出力画像データを生成する生成手段と、を有し、
    前記複数の処理は、少なくとも第1処理と第2処理とを含み、
    前記第1処理は、前記入力画像データと、前記入力画像データを階調圧縮することによって生成された圧縮画像データと、に基づいて、前記出力画像データを生成する処理であって、
    前記第2処理は、前記入力画像データと、前記入力画像データが有する色信号値と前記出力画像データに記録するための色信号値とが対応付けられたテーブルと、に基づいて、前記出力画像データを生成する処理であることを特徴とする画像処理装置。
  16. コンピュータを請求項1乃至請求項15のいずれか一項に記載の画像処理装置の各手段として機能させるためのプログラム。
  17. 入力画像データに基づいて画像形成装置が記録媒体上に形成する画像に、画像表示装置が表示する画像を重畳するためのデータを生成する画像処理方法であって、
    前記入力画像データを取得する第1取得ステップと、
    前記入力画像データを階調圧縮することよって生成された圧縮画像データを取得する第2取得ステップと、
    前記入力画像データと前記圧縮画像データとに基づいて、前記画像表示装置へ出力する出力画像データを生成する生成ステップと、
    を有することを特徴とする画像処理方法。
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