JP2019028307A - 画像形成装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】DC帯電方式を採用した構成において、像担持体の表面へのトナーの融着の発生を抑制することのできる画像形成装置を提供する。
【解決手段】画像形成装置は、像担持体と、帯電部材と、帯電電源と、現像手段と、クリーニング部材と、画像形成期間以外の非画像形成期間に、像担持体を所定時間にわたり回転させる第1の動作と、帯電部材と像担持体との間に画像形成期間とは逆向きの電界を生成しながら像担持体を回動させる第2の動作と、を実行させる制御手段と、を有し、制御手段が、第1の動作が実行される前の最後の画像形成期間の後、かつ、第1の動作が実行される前に、第2の動作を実行させる構成とされる。
【選択図】図7

Description

本発明は、電子写真方式や静電記録方式を用いた複写機、プリンタ、ファクシミリ装置などの画像形成装置に関するものである。
従来、例えば電子写真方式を用いた画像形成装置では、像担持体としての感光ドラムからトナー(転写残トナーなど)を除去する方式として、安価でクリーニング性能も高いことなどから、「ブレードクリーニング方式」が広く採用されている。ブレードクリーニング方式では、ウレタンゴムなどの弾性材料で形成された板状の部材であるクリーニングブレードを感光ドラムの表面に当接させて、回転する感光ドラムの表面からクリーニングブレードによってトナーを掻き取って除去する。
しかし、ブレードクリーニング方式を採用した場合、クリーニングブレードと感光ドラムとの間で摩擦熱が発生する。そのため、トナーがクリーニングブレードと感光ドラムとの当接部で溶融して感光ドラムの表面に融着してしまう、「トナー融着」と呼ばれる現象が発生することがある。感光ドラムの表面におけるトナー融着が発生した箇所には画像を構成するトナーが載らなくなるため、「白抜け画像」と呼ばれる画像不良が発生してしまう。近年は、省エネの観点などから、トナーとして従来よりも低い温度で定着させることが可能なトナー(「低温定着トナー」)が使用されるようになってきている。低温定着トナーを用いる場合には、感光ドラムの表面へのトナー融着はより顕著に発生する。
そこで、非画像形成期間に所定時間にわたり感光ドラムを回転させる「空回転動作」を行い、感光ドラムの表面をクリーニングブレードで摺擦することで、トナー融着を起こしたトナーを感光ドラムの表面から除去する方法がある(特許文献1)。
一方、感光ドラムを帯電させる方式として、感光ドラムに接触させた帯電部材に電圧を印加する「接触帯電方式」がある。また、接触帯電方式には、帯電部材に直流電圧と交流電圧とを重畳した振動電圧を印加する「AC帯電方式」と、帯電部材に直流電圧のみを印加する「DC帯電方式」とがある。DC帯電方式は、AC電源が不要であり、装置の低コスト化、小型化に有利である。
特開2003−122195号公報
しかしながら、DC帯電方式を採用した場合、AC帯電方式におけるAC電圧による電気的又は機械的な振動の効果が得られないことなどから、帯電部材にトナーが付着しやすいという傾向がある。そして、帯電部材に付着したトナーは、帯電部材と感光ドラムとの間で生じる放電の影響を受けることで、感光ドラムの表面に固着することがある。
そのため、上述の空回転動作において帯電部材に直流電圧を印加した場合には、帯電部材に付着したトナーが感光ドラムの表面の表面に固着して、その固着したトナーがかえってトナー融着の核となることがあることがわかった。
したがって、本発明の目的は、DC帯電方式を採用した構成において、像担持体の表面へのトナーの融着の発生を抑制することのできる画像形成装置を提供することである。
上記目的は本発明に係る画像形成装置にて達成される。要約すれば、本発明は、トナー像を担持する回転可能な像担持体と、前記像担持体に接触し前記像担持体を帯電させる帯電部材と、前記帯電部材に直流電圧を印加する帯電電源と、前記像担持体にトナーを供給する現像手段と、前記像担持体に接触し前記像担持体からトナーを除去するクリーニング部材と、画像形成期間以外の非画像形成期間に、前記像担持体を所定時間にわたり回転させる第1の動作と、前記帯電部材と前記像担持体との間に画像形成期間とは逆向きの電界を生成しながら前記像担持体を回動させる第2の動作と、を実行させる制御手段と、を有し、前記制御手段は、前記第1の動作が実行される前の最後の画像形成期間の後、かつ、前記第1の動作が実行される前に、前記第2の動作を実行させることを特徴とする画像形成装置である。
本発明によれば、DC帯電方式を採用した構成において、像担持体の表面へのトナーの融着の発生を抑制することができる。
画像形成装置の概略断面図である。 画像形成部の概略断面図である。 画像形成装置の要部の制御態様を示す概略ブロック図である。 トナー融着の発生メカニズムを説明するための模式図である。 清掃モードを説明するためのタイミングチャート図である。 清掃モード及び空回転モードを説明するためのタイミングチャート図である。 清掃モード及び空回転モードの手順の概略を示すフローチャート図である。 清掃モード及び空回転モードの手順の概略を示すフローチャート図である。 清掃モード及び空回転モードの手順の概略を示すフローチャート図である。 感光ドラムの層構成を説明するための模式的な断面図である。 ユニバーサル硬さ値(HU)及び弾性変形率の測定方法を説明するためのグラフ図である。
以下、本発明に係る画像形成装置を図面に則して更に詳しく説明する。
[実施例1]
1.画像形成装置の全体的な構成及び動作
図1は、本実施例の画像形成装置100の概略断面図である。本実施例の画像形成装置100は、電子写真方式を用いてフルカラー画像の形成が可能な、中間転写方式を採用したタンデム型のレーザービームプリンタである。画像形成装置100は、その装置本体110と通信可能に接続された画像読取装置やパーソナルコンピュータなどの外部機器からの画像情報に応じて、最大A3サイズの転写材(記録用紙、OHPシートなど)Sに画像を形成して出力することができる。
画像形成装置100は、複数の画像形成部として、それぞれイエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、ブラック(K)の各色の画像を形成する第1、第2、第3、第4の画像形成部(ステーション)PY、PM、PC、PKを有する。各色用に設けられた同一又は対応する機能あるいは構成を有する要素については、各色用の要素であることを示す符号の末尾のY、M、C、Kを省略して総括的に説明することがある。図2は、代表して1つの画像形成部Pを示す概略断面図である。本実施例では、画像形成部Pは、後述する感光ドラム1、帯電ローラ2、現像装置4、1次転写ローラ92、ドラムクリーニング装置7などを有して構成される。
画像形成装置100は、トナー像を担持する回転可能な像担持体としての、ドラム型(円筒形)の電子写真感光体(感光体)である感光ドラム1を有する。本実施例では、感光ドラム1は、導電性支持体上に有機物質の感光層を有する有機光導電体(OPC)感光体ドラムである。本実施例では、感光ドラム1は、外径が30mmであり、中心支軸を中心に200mm/secのプロセススピード(周速度)で、図中矢印R1方向(反時計回り)に、駆動手段としてのドラム駆動モータM1(図3)によって回転駆動される。
回転する感光ドラム1の表面は、帯電手段としてローラ型の帯電部材(接触帯電部材)である帯電ローラ2によって、所定の極性(本実施例では負極性)の所定の電位に一様に帯電させられる。本実施例では、画像形成装置100は、帯電方式として、接触帯電方式、特に、DC帯電方式を採用している。帯電工程時に、帯電ローラ2には、帯電電源(高圧電源回路)E1(図3)から、所定の極性(本実施例では負極性)の直流電圧である帯電電圧(帯電バイアス)が印加される。本実施例では、帯電ローラ2は、長手方向(回転軸線方向)の長さが320mm、外径が14mmであり、芯金(支持部材)の外周に基層(弾性層)が設けられ、この基層の上に表面層が塗布されて構成されている。本実施例では、芯金として直径6mmのステンレス丸棒を用い、表面層としてフッ素樹脂にカーボンが分散された材料を用いた。また、本実施例では、帯電ローラ2の電気抵抗は10Ω〜10Ωである。帯電ローラ2は、芯金の長手方向(回転軸線方向)の両端部が、それぞれ軸受け部材により回転可能に保持されると共に、付勢手段としての押圧ばねによって感光ドラム1に向けて付勢されて、感光ドラム1の表面に対して所定の押圧力で圧接させられている。そして、帯電ローラ2は、感光ドラム1の回転に伴って従動して回転する。なお、帯電ローラ2は回転駆動されてもよい。帯電ローラ2には、芯金を介して電圧が印加される。本実施例では、帯電ローラ2には、帯電電圧として−1300Vの直流電圧が印加される。これにより、感光ドラム1の表面の帯電ローラ2によって帯電処理された部分の電位である暗部電位Vdは−700Vとなる。
帯電処理された感光ドラム1の表面は、露光手段としての露光装置3によって走査露光され、感光ドラム1上に静電像(静電潜像)が形成される。本実施例では、露光装置3は、半導体レーザを用いたレーザビームスキャナである。レーザビームスキャナは、結像露光光学系、走査露光系などを有して構成される。露光装置3は、画像読取装置やパーソナルコンピュータなどの外部機器から画像形成装置100に送られた画像信号(カラー原稿画像情報が色分解されて生成された画像情報の時系列電気デジタル画素信号)に対応して変調されたレーザ光Lを出力する。そして、露光装置3は、回転する感光ドラム1の帯電処理面を、レーザ走査露光(イメージ部露光)する。これにより、感光ドラム1上のレーザ光Lが照射された部分の電位の絶対値が低下することで、感光ドラム1上に画像情報に対応した静電像が形成される。本実施例では、感光ドラム1の表面の帯電処理された後に露光された部分の電位である露光部電位Vlは−150Vとなる。本実施例では、露光装置3は、感光ドラム1の長手方向(回転軸線方向)の305mmの範囲を露光して静電像を形成することができる。
感光ドラム1上に形成された静電像は、現像手段としての現像装置4によってトナーが供給されて現像(可視化)され、感光ドラム1上にトナー像が形成される。本実施例では、現像装置4は、現像剤として主にトナー(非磁性樹脂トナー粒子)とキャリア(磁性キャリア粒子)との混合物である2成分現像剤を用いる2成分接触現像装置(2成分磁気ブラシ現像装置)である。現像装置4は、現像剤46を収容する現像容器(現像器本体)40を有する。現像容器40には、現像剤担持体としての非磁性材料で形成された中空円筒状の現像スリーブ41が設けられている。現像スリーブ41の内部(中空部)には、磁界発生手段としてのマグネットローラが現像容器40に対して固定されて配置されている。また、現像容器40には、現像剤規制部材としての規制ブレード42が設けられている。また、現像容器40内の底部側には、攪拌部材としての攪拌スクリュー43、44が配置されている。
現像スリーブ41は、その外周面の一部を現像容器40の外部に露出させて、現像容器40に回転可能に取り付けられている。現像スリーブ41は、図中矢印R3で示すように、その表面が感光ドラム1との対向部で感光ドラム1の表面の移動方向とは逆方向に移動する方向に回転駆動される。本実施例では、現像スリーブ41は、現像駆動モータM2(図3)によって回転駆動される。現像スリーブ41には、所定間隙を有して規制ブレード42が対向させられており、現像スリーブ41の回転に伴い現像スリーブ41上に現像剤の薄層が形成される。本実施例では、現像スリーブ41は、その長手方向(回転軸線方向)の310mmの範囲に現像剤がコートされる。現像スリーブ41は、感光ドラム1との最近接距離(S−Dgap)を350μmに保って、感光ドラム1に対向して配置されている。現像スリーブ41上の現像剤の薄層は、感光ドラム1との対向部において感光ドラム1の表面に接触して感光ドラム1の表面を摺擦する。また、現像工程時に、現像スリーブ41には、現像電源(高圧電源回路)E2(図3)から所定の極性(本実施例では負極性)の直流電圧である現像電圧(現像バイアス)が印加される。本実施例では、現像スリーブ41には、現像電圧として−600Vの直流電圧(Vdc)が印加される。なお、現像電圧としては、直流電圧(直流成分)と交流電圧(交流成分)とが重畳された振動電圧を用いてもよい。つまり、現像電源E2は、少なくとも直流成分を含む現像電圧を現像スリーブ41に印加する電源であればよい。現像電圧による電界によって、現像スリーブ41上の現像剤から、感光ドラム1上の静電像に対応して感光ドラム1の表面に選択的にトナーが付着することで、静電像がトナー像として現像される。本実施例では、感光ドラム1上の一様に帯電処理された後に露光されることで電位の絶対値が低下した露光部に、感光ドラム1の帯電極性と同極性(本実施例では負極性)に帯電したトナーが付着する(反転現像)。このように、本実施例では、現像時のトナーの帯電極性であるトナーの正規の帯電極性は負極性である。
感光ドラム1との対向部を通過した現像スリーブ41上の現像剤は現像容器40内に戻される。現像器4内に配置された攪拌スクリュー43、44は、現像容器40内の現像剤と、補給されたトナーと、を攪拌しながら搬送して、トナーに所定の帯電電荷を与える。本実施例では、攪拌スクリュー43、44は、現像駆動モータM2からの駆動力が分割されて伝達されることで、現像スリーブ41の回転と同期して回転する。攪拌スクリュー43、44は、それぞれ長手方向において反対方向に現像剤46を搬送し、現像剤46を現像容器40内で循環させる。現像容器40の攪拌スクリュー44による現像剤46の搬送方向の上流側壁面には、現像剤46の透磁率変化を検出して現像剤46中のトナー濃度を検知する濃度センサー45が設けられている。攪拌スクリュー44による現像剤46の搬送方向において濃度センサー45より下流側に、トナー補給開口47が設けられている。濃度センサー45の検知結果に応じて、現像剤46中のトナー濃度を略一定に維持するように、適宜、現像装置4に接続されたトナー補給ユニット5の補給スクリュー51が回転させられる。これにより、トナー補給ユニット5から、トナー補給開口47を介して、現像装置4内にトナーが補給される。本実施例では、トナーとして、平均粒径5.5μmのネガ帯電トナーを用い、キャリアとして、飽和磁化が205emu/cm、平均粒径35μmの磁性キャリアを用いた。また、本実施例では、トナーとキャリアとを、重量比1:10で混合したものを現像剤として用いた。
各感光ドラム1Y、1M、1C、1Kと対向するように、中間転写ユニット9が配置されている。中間転写ユニット9は、中間転写体としての無端状のベルトで構成された中間転写ベルト91を有する。中間転写ベルト91は、複数の張架ローラとしてのテンションローラ94、駆動ローラ95及び2次転写対向ローラ96に掛け渡され、所定の張力で張架されている。中間転写ベルト91は、駆動ローラ95が駆動手段としてのベルト駆動モータM3(図3)によって回転駆動されることで、図中矢印R2方向(時計回り)に回転(周回移動)する。中間転写ベルト91の内周面側には、各感光ドラム1Y、1M、1C、1Kに対応して、1次転写手段としてのローラ型の1次転写部材である1次転写ローラ92が配置されている。1次転写ローラ92は、中間転写ベルト91を介して感光ドラム1に向けて押圧され、感光ドラム1と中間転写ベルト91とが接触する1次転写部dを形成する。本実施例では、1次転写ローラ92としては、芯金(支持部材)の外周に導電性スポンジで形成された弾性層が形成されたローラを用いた。本実施例では、1次転写ローラ92の電気抵抗は10Ω以下である。また、本実施例では、1次転写ローラ92は、外径が16mm、長手方向(回転軸線方向)の長さが315mmである。上述のように感光ドラム1上に形成されたトナー像は、1次転写部dにおいて、1次転写ローラ92の作用により、被転写体である中間転写ベルト91上に1次転写される。1次転写工程時に、1次転写ローラ92には、1次転写電源(高圧電源回路)E3から、トナーの正規の帯電極性とは逆極性(本実施例では正極性)の直流電圧である1次転写電圧(1次転写バイアスが印加される。本実施例では、各画像形成部PY、PM、PC、PKで独立して1次転写電圧を印加可能とするため、各1次転写ローラ92にそれぞれ独立した1次転写電圧電源E3が接続されている。例えば、フルカラー画像の形成時には、各感光ドラム1Y、1M、1C、1K上に形成された各色のトナー像は、中間転写ベルト91上に重ね合わされるようにして順次1次転写される。本実施例では、感光ドラム1上の露光部(露光部電位Vl:−150V)に付着したトナーに対する転写効率を考慮し、1次転写電圧は、1色目〜4色目まですべて+500Vの直流電圧とした。
中間転写ベルト91の外周面側において、2次転写対向ローラ96と対向する位置には、2次転写手段としてのローラ型の2次転写部材である2次転写ローラ10が配置されている。2次転写ローラ10は、中間転写ベルト91を介して2次転写対向ローラ96に向けて押圧され、中間転写ベルト91と2次転写ローラ10とが接触する2次転写部T2を形成する。上述のように中間転写ベルト91上に形成されたトナー像は、2次転写部T2において、2次転写ローラ10の作用により、中間転写ベルト91と2次転写ローラ10とに挟持されて搬送される転写材S上に2次転写される。2次転写工程時に、2次転写ローラ10には、2次転写電源E4から、トナーの正規の帯電極性とは逆極性(本実施例では正極性)の直流電圧である2次転写電圧(2次転写バイアス)が印加される。
転写材Sは、転写材給送装置(図示せず)によって1枚ずつ送り出されて、レジストローラ対12まで搬送される。そして、この転写材Sが、レジストローラ対12によって中間転写ベルト91上のトナー像とタイミングが合わされて2次転写部T2へと供給される。また、トナー像が転写された転写材Sは、定着手段としての定着装置13へと搬送され、定着装置13において熱及び圧力によってトナー像が定着(溶融固着)された後に、画像形成装置100の装置本体110の外部に排出(出力)される。
一方、1次転写部dで中間転写ベルト91にトナー像が転写された後の感光ドラム1の表面は、電荷の少なくとも一部を除去(除電)する除電手段としての、光照射手段である前露光装置8によって光(除電光)が照射される。本実施例では、感光ドラム1の表面電位は、前露光装置8によって光が照射されることにより、略0Vに一様に除電される。本実施例では、前露光装置8は、感光ドラム1の回転軸線方向と略平行に配列された複数個のLED素子を有する。そして、前露光装置8は、このLED素子から感光ドラム1の表面に光を照射することで、感光ドラム1の表面を除電する。前露光装置8のLED素子は、除電電源E5に接続されており、除電電源E5から電流が供給されることによって所定の光量で発光する。
また、1次転写部dで中間転写ベルト91に転写されずに感光ドラム1上に残留したトナー(1次転写残トナー)は、感光体クリーニング手段としてのドラムクリーニング装置7によって感光ドラム1上から除去されて回収される。ドラムクリーニング装置7は、感光ドラム1に当接するクリーニング部材としてのクリーニングブレード7aと、クリーニングブレード7aが取り付けられたクリーニング容器7bと、を有する。ドラムクリーニング装置7は、回転する感光ドラム1の表面から、クリーニングブレード7aによって1次転写残トナーを掻き取って、クリーニング容器7b内に収容する。クリーニングブレード7aは、感光ドラム1の長手方向と略平行に配置される長手方向と、該長手方向と略直交する短手方向とにそれぞれ所定の長さを有し、所定の厚さを有する板状(ブレード状)の部材である。クリーニングブレード7aは、短手方向の一方の端部である自由端部が感光ドラム1の回転方向の上流側を向くカウンター方向となるように、該自由端部のエッジ部で感光ドラム1の表面に当接する。本実施例では、クリーニングブレード7aは、ウレタンゴム系の材料で形成され、長手方向の長さは322mmである。
また、中間転写ベルト91の外周面側において、駆動ローラ95と対向する位置には、中間転写体クリーニング手段としてのベルトクリーニング装置11が配置されている。2次転写部T2で転写材Sに転写されずに中間転写ベルト91上に残留したトナー(2次転写残トナー)は、ベルトクリーニング装置11によって中間転写ベルト91上から除去されて回収される。ベルトクリーニング装置11は、ドラムクリーニング装置7と同様に、クリーニングブレード11aによって、回転する中間転写ベルト91の表面から2次転写残トナーを掻き取って、クリーニング容器11b内に収容する。
本実施例では、各画像形成部Pにおいて、感光ドラム1、帯電ローラ2、ドラムクリーニング装置7は、一体的に画像形成装置100の装置本体110に対して着脱可能なカートリッジ(ドラムカートリッジ)を構成している。また、本実施例では、各画像形成部Pにおいて、現像装置4は、単独で画像形成装置100の装置本体110に対して着脱可能とされている。本実施例では、各画像形成部Pは、中間転写ベルト91の表面の移動方向において隣接する画像形成部P間の間隔(ピッチ)が102mmとなるように直列に配置されている。
ここで、感光ドラム1の回転方向(表面の移動方向)における帯電ローラ2による帯電処理が行われる位置が帯電位置aである。本実施例では、帯電ローラ2は、感光ドラム1の回転方向における帯電ローラ2と感光ドラム1との接触部の上流側及び下流側に形成される帯電ローラ2と感光ドラム1との間の微小な間隙の少なくとも一方で生じる放電によって感光ドラム1を帯電処理する。ただし、簡単のため、帯電ローラ2と感光ドラム1との接触部が帯電位置aであると擬制して考えてもよい。また、感光ドラム1の回転方向における露光装置3による露光が行われる位置が露光位置bである。また、感光ドラム1の回転方向における現像スリーブ41から感光ドラム1へのトナーの供給が行われる位置(本実施例では現像スリーブ41と感光ドラム1との対向部)が現像位置cである。また、感光ドラム1の回転方向における感光ドラム1から中間転写ベルト91へのトナー像の転写が行われる位置(本実施例では感光ドラム1と中間転写ベルト91との接触部)が一次転写位置(一次転写部)dである。また、感光ドラム1の回転方向における前露光装置8により光が照射される位置が除電位置eである。また、感光ドラム1の回転方向におけるクリーニングブレード7aと感光ドラム1との当接部がクリーニング位置fである。本実施例では、上記各位置は、感光ドラム1の回転方向に沿って、帯電位置a、露光位置b、現像位置c、一次転写位置d、除電位置e、クリーニング位置fの順番で配置されている。
2.制御態様
図3は、本実施例における画像形成装置100の要部の制御態様を示す概略ブロック図である。本実施例では、画像形成装置100の装置本体110に設けられた制御手段としての制御部200によって、画像形成装置100の各部の動作が統括して制御される。制御部200は、演算制御部であるCPU201と、記憶部であるROM、RAMを有して構成されるメモリ202と、を有する。CPU201は、メモリ202に記憶されたプログラムやデータに従って画像形成装置100の各部の動作を制御する。例えば、制御部200は、各種モータM1、M2、M3のON/OFF、各種電源E1、E2、E5のON/OFFや出力値などを制御して、画像形成、あるいは後述の空回転モードや帯電ローラ2の清掃モードを実行させる。
また、本実施例では、画像形成装置100は、感光ドラム1の使用量と相関する指標値を計数する計数手段として、画像形成枚数を計数(カウント)する枚数カウンター300を有する。制御部200のCPU201は、トナー像を定着された転写材Sが機外に排出されるごとに、その転写材Sの枚数を記憶部である枚数カウンター300に積算して記憶させる。特に、本実施例では、枚数カウンター300は、空回転間枚数Nをカウントする。つまり、制御部200は、枚数カウンター300によってカウントされている空回転間枚数Nに基づいて、後述する空回転モードを実行させる。空回転間枚数Nは、この空回転モードが実行されるごとに初期値(本実施例では0)にリセットされるカウント値である。なお、枚数カウンター300は、所定のサイズの転写材Sの枚数に換算してから回転間枚数Nをカウントするようになっていてよい。
ここで、画像形成装置100は、一の開始指示により単一又は複数の転写材Sに画像を形成して出力する一連の動作であるジョブ(プリントジョブ、印刷動作)を実行する。ジョブは、一般に、画像形成工程、前回転工程、複数の転写材Sに画像を形成する場合の紙間工程、及び後回転工程を有する。画像形成工程は、実際に転写材Sに形成して出力する画像の静電像の形成、トナー像の形成、トナー像の1次転写や2次転写を行う期間であり、画像形成期間(画像形成時)とはこの期間のことをいう。より詳細には、これら静電像の形成、トナー像の形成、トナー像の1次転写や2次転写の各工程を行う位置で、画像形成期間のタイミングは異なる。前回転工程は、開始指示が入力されてから実際に画像を形成し始めるまでの、画像形成工程の前の準備動作を行う期間である。紙間工程は、複数の転写材Sに対して画像形成工程を連続して行う際(連続画像形成)の転写材Sと転写材Sとの間に対応する期間である。後回転工程は、画像形成工程の後の整理動作(準備動作)を行う期間である。非画像形成期間(非画像形成時)とは、画像形成期間以外の期間であって、上記前回転工程、紙間工程、後回転工程、更には画像形成装置100の電源投入時又はスリープ状態からの復帰時の準備動作である前多回転工程時などが含まれる。つまり、紙間工程は、単数又は複数の転写材Sに画像を形成して出力する一連の動作における画像間に対応する非画像形成期間である。また、後回転工程は、単数又は複数の転写材Sに画像を形成して出力する一連の動作における最後の画像の後に対応する非画像形成期間である。
3.トナー融着の発生メカニズム
次に、感光ドラム1の表面へのトナー融着について説明する。本発明者の検討によれば、感光ドラム1の表面へのトナー融着の発生メカニズムは、以下のようなものであると考えられる。図4は、このトナー融着の発生メカニズムを説明するための模式図である。図4(a)、(b)、(e)は、それぞれクリーニングブレード7aと感光ドラム1との当接部(当接ニップ)の近傍を示している。また、図4(c)、(d)は、帯電ローラ2と感光ドラム1との当接部(当接ニップ)の近傍を示している。
図4(a)に示すように、クリーニングブレード1の先端は、感光ドラム1との摩擦力によって感光ドラム1の表面の移動方向の下流側に引っ張られている。クリーニングブレード7aの変形によって形成された楔形の空間にクリーニングブレード7aによって掻き取られたトナーが滞留している。
ここで、帯電ローラ2からの放電などの要因で、クリーニングブレード7aに対する感光ドラム1の摩擦係数が増大し、クリーニングブレード7aと感光ドラム1の間の摩擦力が増大すると、クリーニングブレード7aがびびり振動を起こすことがある。そして、クリーニングブレード7aがびびり振動を起こすと、図4(b)に示すように、トナーがクリーニングブレード7aをすり抜けることがある。このように、トナーがクリーニングブレード1をすり抜けると、図4(c)に示すように、帯電ローラ2にトナーが付着することがある。
また、図4(d)に示すように、帯電ローラ2に付着したトナーは、帯電ローラ2と感光ドラム1との当接部での圧力や、該当接部の近傍での放電を受けると、感光ドラム1の表面に固着することがある。この感光ドラム1の表面に固着したトナーが、トナー融着の核となる。そして、図4(e)に示すように、クリーニングブレード7aと感光ドラム1との当接部における摩擦熱によって変形したトナーが、上記トナー融着の核に付着していくことで、感光ドラム1の表面へのトナー融着が発生してしまうことがある。感光ドラム1の表面におけるトナー融着が発生した箇所には画像を構成するトナーが載らなくなるため、「白抜け画像」と呼ばれる画像不良が発生することとなる。
したがって、帯電ローラ2にトナーが付着している状態で帯電ローラ2から感光ドラム1に放電することは、トナー融着の核の生成機会を増やすこととなる。
本実施例では、画像形成装置100は、DC帯電方式を採用しているため、画像形成期間では、帯電ローラ2の表面電位は感光ドラム1の表面電位に対して常に負極性側(トナーの正規の帯電極性と同極性側)となる。そのため、1次転写後に感光ドラム1の表面に残留した正極性に帯電したトナーが帯電ローラ2の表面に付着しやすい。また、クリーニングブレード7aと感光ドラム1との当接部における摩擦熱が高くなりやすく、びびり振動が発生しやすい高温高湿環境下では、特にトナー融着が発生しやすくなる。
4.トナー融着と印字率との関係
表1は、トナー融着と、画像形成工程で形成する画像の印字率(画像比率)との関係を調べた結果を示している。この実験では、30℃、80%RH(相対湿度)の環境下で、表1に示す印字率の画像を連続的にA4サイズの転写材Sに所定枚数印刷するごとに、感光ドラム1の表面を観察して、トナー融着の発生の有無を確認した。表1において「○」はトナー融着が発生しなかったことを示し、「×」はトナー融着が発生したことを示している。なお、印字率とは、画像形成可能領域の全体の面積に対する画像の面積の比率である。
Figure 2019028307
表1から、トナー融着と印字率とには関係があり、印字率が高いほどトナー融着が早期に発生していることがわかる。印字率20%の場合は、20,000枚の時点でトナー融着が発生したが、印字率0%(所謂ベタ白)では300,000枚までトナー融着は発生しなかった。これは印字率が増大するのに伴い、帯電ローラ2へのトナーの付着量が増大し、上述のトナー融着の核が発生しやすくなるためであると考えられる。
5.本実施例における空回転モード
本実施例では、画像形成装置100は、所定のタイミングで非画像形成期間に感光ドラム1を所定時間にわたり回転させる空回転モード(第1の動作)を実行する。本実施例では、画像形成装置100は、所定のタイミングとして所定の画像形成枚数(空回転間枚数N)ごとに、非画像形成期間として後回転工程で、空回転モードを実行する。空回転モードを実行することで、感光ドラム1の表面をクリーニングブレード7aで摺擦して、感光ドラム1の表面のトナー融着を起こしたトナー(ここでは「融着トナー」ともいう。)を、白抜け画像として顕在化する前に除去する。
本実施例では、空回転モードは、画像形成工程における印字率0%の画像を形成する場合のプロセス条件と実質的に同じプロセス条件で、感光ドラム1を30秒間回転させる。ここで、このプロセス条件(動作設定)は、少なくとも帯電電圧の条件、露光装置3による露光の条件、現像電圧の条件、現像スリーブ41の回転/停止状態を含む。なお、空回転モードで感光ドラム1を回転させる時間(ここでは「空回転時間」ともいう。)は、少なくとも感光ドラム1が複数回転する時間以上とする。この空回転時間は、典型的には感光ドラム1が10〜100回転する時間程度とすることが、ダウンタイム(画像の出力ができない時間)を必要以上に長くすることなく十分な効果を得る上で好適である。また、本実施例では、空回転モードにおける感光ドラム1の周速度は、画像形成工程における感光ドラム1の周速度と実質的に同じである。ただし、空回転モードにおける感光ドラム1の周速度は、例えば画像形成工程における感光ドラム1の周速度より速くするなど、画像形成工程における感光ドラム1の周速度と異ならせてもよい。また、本実施例では、空回転モードは、空回転間枚数Nが所定の閾値としての500枚以上になったジョブの後回転工程において、後回転工程のその他の動作とは別に実行する。
空回転モードにおけるプロセス条件を、画像形成工程における印字率0%の画像を形成する場合のプロセス条件と実質的に同じプロセス条件とするのは、次の理由による。つまり、空回転モードにおいて、帯電ローラ2にトナーが付着することを抑制しつつ、クリーニングブレード7aと感光ドラム1との当接部に少量のかぶりトナーを研磨剤として供給して、融着トナーの除去効果を高めるためである。換言すれば、空回転モードでは、感光ドラム1の帯電電位(暗部電位)と現像スリーブ41の電位(現像電圧の直流成分)との電位差であるバックコントラストVbackを、画像形成工程におけるVbackと略同一とする。なお、かぶりトナーは、現像位置cで、感光ドラム1上の非画像部(空回転モードでは画像形成可能領域の略全域)に付着する、帯電電荷量が相対的に低いトナーなどからなる少量のトナーである。
6.本実施例における帯電ローラの清掃モード
上述のように、本実施例では、DC帯電方式が採用されているため、帯電ローラ2にトナーが付着しやすい。また、本実施例では、上述のように、空回転モードでは、画像形成工程と実質的に同一の条件の帯電電圧が帯電ローラ2に印加される。一方、前述のように、帯電ローラ2にトナーが付着している状態で帯電ローラから感光ドラム1に放電することは、トナー融着の核の生成機会を増やすことになる。
そこで、本実施例では、画像形成装置100は、空回転モードを実行する直前に帯電ローラ2の清掃モード(第2の動作)を実行する。これにより、帯電ローラ2の表面に付着したトナーが低減されるか又はトナーが付着していない状態で、空回転モードを実行することができる。そのため、空回転モード中にトナー融着の核が生成されることを抑制することができる。
本実施例では、清掃モードでは、帯電ローラ2の表面電位を感光ドラム1の表面電位に対して正極性側(トナーの正規の帯電極性とは逆極性側)にしながら、感光ドラム1を所定時間にわたり回転させる。これにより、帯電ローラ2の表面に付着した正極性に帯電したトナーを、帯電ローラ2の表面から感光ドラム1の表面に転移させる。つまり、清掃モードでは、帯電ローラ2と感光ドラム1との間に形成される電界の方向を、画像形成期間とは逆方向とする。画像形成期間には、帯電ローラ2と感光ドラム1との間に、正規の帯電極性とは逆極性に帯電したトナーを感光ドラム1側から帯電ローラ2側に向けて付勢する方向の電界が生成される。一方、清掃モードでは、帯電ローラ2と感光ドラム1との間に、正規の帯電極性とは逆極性に帯電したトナーを帯電ローラ2側から感光ドラム1側に向けて付勢する方向の電界が生成される。
図5は、本実施例における清掃モードにおける帯電ローラ2の表面電位と感光ドラム1の表面電位との関係、帯電電源E1及び除電電源E5のON/OFF状態を示すタイミングチャート図である。本実施例では、帯電電源E1と除電電源E5のON/OFFのタイミングを制御して、図5の斜線部で示す帯電ローラ2の清掃用の電位差を帯電ローラ2の表面と感光ドラム1の表面との間に生じさせる。
まず、感光ドラム1の表面を画像形成期間と同じ−700Vに帯電させるために、除電電源E5をONとして前露光装置8を作動させつつ、帯電電源E1をONとして帯電ローラ2に−1300Vの直流電圧を印加する。次に、帯電電源E1と除電電源E3とを、帯電ローラ2が3回転する時間(≒660msec)だけOFFにした後、再びONとする。より詳細には、除電電源E5をOFFとして前露光装置8による光の照射を停止した際に除電位置eを通過した感光ドラム1上の位置が帯電位置aに到達するタイミングに合わせて、帯電電源E3をOFFとして帯電ローラ2への電圧の印加を停止する。また、除電電源E5を再びONとして前露光装置8による光の照射を開始した際に除電位置eを通過した感光ドラム1上の位置が帯電位置aに到達するタイミングに合わせて、帯電電源E3を再びONとして帯電ローラ2への電圧の印加を開始する。なお、清掃モードで帯電ローラ2の清掃用の電界を生成する時間は、少なくとも帯電ローラ2が複数回転する時間以上とすることが好ましい。この時間は、典型的には帯電ローラ2が2〜10回転する時間程度とすることが、ダウンタイムを必要以上に長くすることなく十分な効果を得る上で好適である。
これにより、除電電源E3をOFFとしている間に除電位置eを通過した感光ドラム1の表面電位は、除電されずに−700Vに維持される。また、この表面電位が−700Vに維持された領域が帯電位置aを通過している間(帯電ローラ2が3回転する時間)は、帯電ローラ2の表面電位は0Vとされる。そのため、この帯電ローラ2が3回転する時間の間は、帯電ローラ2の表面電位が感光ドラム1の表面電位に対して正極性側になる(図5の斜線部)。
このように、本実施例では、帯電ローラ2に画像形成期間とは逆極性の電圧を印加する電源を設けることなく、清掃モードにおいて帯電ローラ2と感光ドラム1との間に画像形成期間とは逆方向の電界を生成することができる。そのため、装置の低コスト化、小型化に有利である。
ここで、清掃モードの実行中は、現像スリーブ41の駆動は停止することが好ましい。また、清掃モードの実行中は、現像スリーブ41と帯電ローラ2との間に画像形成期間と同様の電位差(本実施例では100V)を維持することが望ましい。これにより、清掃モードの実行中における現像位置cでの感光ドラム1へのトナーの付着を抑制することができる。
なお、清掃モードにおいて帯電ローラ2の表面電位を感光ドラム1の表面電位に対して正極性側にする方法は、本実施例の方法に限定されるものではない。帯電ローラ2に画像形成期間とは逆極性の直流電圧を印加する電源が設けられている場合には、清掃モードにおいて帯電ローラ2に正極性の直流電圧を印加してもよい。この場合、帯電ローラ2に正極性の電圧を印加する際に帯電位置aを通過する感光ドラム1の表面は、前露光装置8によって除電しても除電しなくてもよい。また、清掃モードの実行中の帯電ローラ2の表面と感光ドラム1の表面との間の電位差を、本実施例よりも大きくしてもよい。例えば、本実施例と同様の方法で帯電ローラ2の清掃用の電位差を生成する場合には、はじめに感光ドラム1を帯電させる際に、帯電ローラ2に画像形成時よりも絶対値が大きい直流電圧を印加して帯電電位の絶対値を本実施例よりも大きくすればよい。また、上記帯電ローラ2に正極性の電圧を印加する方法による場合には、前露光装置8による除電の有無、除電の程度、正極性の電圧の絶対値を任意に設定すればよい。
また、清掃モードにおいて、帯電ローラ2と感光ドラム1との間に画像形成期間とは逆方向の電界を生成した後で、帯電ローラ2と感光ドラム1との間に画像形成期間と同方向の電界を生成しながら感光ドラム1を所定時間にわたり回転させてもよい。これにより、帯電ローラ2と感光ドラム1との間に画像形成期間とは逆方向の電界を生成することで帯電ローラ2に付着することのある正規の帯電極性に帯電したトナーを、帯電ローラ2から感光ドラム1に転移させることができる。
7.後回転工程の制御フロー
図6は、本実施例における後回転工程での清掃モード及び空回転モードの実行タイミングの一例を示すタイミングチャート図である。図6に示すように、本実施例では、ジョブの最後の画像形成工程が終了すると、清掃モードが実行され、その後空回転モードが実行され、画像形成装置100の動作が停止される。本実施例では、ダウンタイムを低減するために、この一連の動作の間、感光ドラム1の駆動は停止されない。ただし、こられ一連の動作の間に感光ドラム1を停止させてもよい。例えば、画像形成工程、清掃モード、空回転モードの各動作を、この順番で、それぞれの動作の間に感光ドラム1の駆動を停止して個別に実行してもよい。
図7は、本実施例における後回転工程での清掃モード及び空回転モードの制御の手順の概略を示すフローチャート図である。
なお、本実施例では、簡単のため、全ての画像形成部Pで同期して空回転モード(及び清掃モード)が実行されるものとする。ただし、画像形成部Pごとに選択的に駆動(感光ドラム1の回転、現像スリーブ41の回転など)できる場合などには、空回転間枚数Nを画像形成部Pごとにカウントし、画像形成部Pごとに空回転モード(及び清掃モード)の実行の有無を決定してもよい。例えば、画像形成に使用しない画像形成部Pでは感光ドラム1から中間転写ベルト91が離間され、その画像形成部Pの駆動が停止される構成とされることがある。このような構成の場合には、画像形成部Pごとに空回転モード(及び清掃モード)の実行の有無を決定すればよい。
制御部200は、ジョブが投入されると、前回転動作を実行させた後に(S101)、画像形成を開始させる(S102)。制御部200は、ジョブの実行中に、画像を形成するごとに、枚数カウンター300による空回転間枚数Nの積算を行うと共に、空回転間枚数Nが500枚を超えたか否かを判断する(S103)。
制御部200は、S103で空回転間枚数Nが500枚以上である(「Yes」)と判断した場合は、画像形成を継続し、ジョブの最後の画像の形成が終了した後に(S105)、清掃モードを実行させる(S106)。そして、制御部200は、清掃モードが終了した後に、空回転モードを実行させる(S107)。その後、制御部200は、枚数カウンター300による空回転間枚数Nを初期値(本実施例では0)にリセットし(S108)、後回転工程のその他の動作を実行させて(S109)、画像形成装置100の動作を停止させる。
制御部200は、S103で空回転間枚数Nが500枚以上ではない(「No」)と判断した場合は、画像形成を継続し、ジョブの最後の画像の形成が終了した後に(S104)、清掃モード及び空回転モード以外の後回転工程の動作を実行させる(S109)。その後、制御部200は、画像形成装置100の動作を停止させる。
このように、本実施例では、画像形成装置100は、次の第1の動作と第2の動作とを実行させる制御手段としての制御部200を有する。第1の動作は、画像形成期間以外の非画像形成期間に、感光ドラム1を所定時間にわたり回転させる動作(空回転モード)である。また、第2の動作は、画像形成期間以外の非画像形成期間に、帯電ローラ2と感光ドラム1との間に画像形成期間とは逆向きの電界を生成しながら感光ドラムを回動させる動作(清掃モード)である。清掃モードでは、感光ドラム1が回動すると共に帯電ローラ2が回転する。そして、本実施例では、制御部200は、空回転モードが実行される前の最後の画像形成期間の後、かつ、空回転モードが実行される前に、すなわち、空回転モードが実行される直前に、清掃モードを実行させる。本実施例では、空回転モードの実行中に、帯電ローラ2に直流電圧が印加される。特に、本実施例では、空回転モードの実行中に、帯電ローラ2に直流電圧が印加され、現像スリーブ41に現像電圧が印加される。そして、本実施例では、空回転モードの実行中に帯電ローラ2に印加される直流電圧及び現像スリーブ41に印加される現像電圧のそれぞれの設定は、画像形成期間のそれぞれの設定と同一である。また、本実施例では、清掃モードにおいて、帯電処理後に前露光装置8により光が照射されずに帯電位置aに到達した感光ドラム1の領域が帯電位置aを通過する間、帯電ローラ2に対する直流電圧の印加が停止されることで、上記逆向きの電界が生成される。
以上説明したように、本実施例によれば、DC帯電方式を採用した構成において、感光ドラム1の表面へのトナー融着の発生を抑制することができる。特に、トナーとして低温定着トナー(例えば結着樹脂のガラス転移温度が40℃以上70℃以下のトナーなど)を用いる場合に本実施例の効果は顕著となる。
[実施例2]
次に、本発明の他の実施例について説明する。本実施例の画像形成装置の基本的な構成及び動作は、実施例1の画像形成装置のものと同じである。したがって、本実施例の画像形成装置において、実施例1の画像形成装置のものと同一又は対応する機能あるいは構成を有する要素については、実施例1と同一の符号を付して詳しい説明は省略する。
本実施例では、画像形成装置100は、少なくとも温度を含む環境に関する情報に応じて、空回転モードの実行の有無を切り替える。
図1、図3を参照して、本実施例では、画像形成装置100は、画像形成装置100の内部又は外部の少なくとも一方の温度又は湿度の少なくとも一方を検知する環境検知手段として、装置本体110の内部の雰囲気温度を検知する温度センサー14を有する。これにより、制御部200は、装置本体100の内部の雰囲気温度をモニタリングできるようになっている。
そして、本実施例では、制御部200は、感光ドラム1の表面へのトナー融着の発生しやすい高温環境下においてのみ、空回転モードを実行させる。具体的には、制御部200は、装置本体110の内部の雰囲気温度が所定の閾値としての28℃以上の場合に、空回転モードを実施例1と同様の頻度で実行させ、その空回転モードを実行する直前に清掃モードを実行させる。一方、制御部200は、装置本体110の内部の雰囲気温度が28℃未満の場合には、空回転モードを実行させない。
図8は、本実施例における後回転工程での清掃モード及び空回転モードの制御の手順の概略を示すフローチャート図である。図8において、実施例1における図7に示すフローチャートと同じ手順については、図7と同じステップ番号を付して、詳しい説明は省略する。
本実施例では、制御部200は、S103で空回転間枚数Nが500枚以上である(「Yes」)と判断した場合は、ジョブの画像形成が終了した後に(S105)、温度センサー14により検知された雰囲気温度Tが28℃以上か否かを判断する(S110)。そして、制御部200は、S110で雰囲気温度Tが28℃以上である(「Yes」)と判断した場合は、実施例1と同様に清掃モード及び空回転モードの実行を含むS106〜S109の手順を実行させる。一方、制御部200は、S110で雰囲気温度Tが28℃以上ではない(「No」)と判断した場合は、清掃モード及び空回転モード以外の後回転工程の動作を実行させた後に(S109)、画像形成装置100の動作を停止させる。
なお、本実施例では、温度に応じて空回転モードの実行の有無を切り替えたが、温度と相対湿度とから算出される絶対水分量に応じて空回転モードの実行の有無を切り替えてもよい。その場合、絶対水分量の検知結果が所定の閾値以上(高温高湿環境)の場合に、空回転モードを実行し、その空回転モードを実行する直前に清掃モードを実行するようにすればよい。そして、絶対水分量の検知結果が該所定の閾値未満(低温低湿環境)の場合には、空回転モードを実行しないようにすればよい。
また、本実施例では、環境に応じて空回転モードの実行の有無を切り替えたが、環境に応じて空回転モードの実行頻度を変更してもよい。例えば、温度に応じて空回転モードの実行頻度を変更する場合、低温環境よりも高温環境の方が、空回転モードの実行頻度が多くなるようにする。このとき、空回転モードの実行頻度は、温度に応じて複数段階に変更することができる。具体的には、例えば、図7のS103の判断で用いる空回転間枚数Nの閾値を、低温環境よりも高温環境において小さい値とする。上記同様、絶対水分量に応じて空回転モードの実行頻度を変更してもよく、その場合低温低湿環境よりも高温高湿環境の方が、空回転モードの実行頻度が多くなるようにする。このとき、空回転モードの実行頻度は、絶対水分量に応じて複数段階に変更することができる。
また、環境に応じて空回転時間を変更してもよい。例えば、温度に応じて空回転時間を変更する場合、低温環境よりも高温環境の方が、空回転時間が長くなるようにする。上記同様、絶対水分量に応じて空回転時間を変更してもよく、その場合低温低湿環境よりも高温高湿環境の方が、空回転時間が長くなるようにする。このとき、上記同様、空回転時間は、温度や絶対水分量に応じて複数段階に変更することができる。
このように、制御部200は、少なくとも温度を含む環境に関する情報に応じて、空回転モードの実行の有無、空回転モードの実行頻度、空回転モードの実行時間のうち少なくとも1つを変更することができる。
以上説明したように、本実施例によれば、環境に応じて空回転モードを効果的に実行することで、ダウンタイムを低減しつつ、感光ドラム1の表面へのトナー融着の発生を抑制することができる。
[実施例3]
次に、本発明の他の実施例について説明する。本実施例の画像形成装置の基本的な構成及び動作は、実施例1の画像形成装置のものと同じである。したがって、本実施例の画像形成装置において、実施例1の画像形成装置のものと同一又は対応する機能あるいは構成を有する要素については、実施例1と同一の符号を付して詳しい説明は省略する。
本実施例では、画像形成工程で形成した画像のトナー量に関する情報に応じて、空回転モードの実行の有無を切り替える。
図3を参照して、本実施例では、画像形成装置100は、画像形成工程で形成した画像のトナー量と相関する指標値を計数する計数手段として、画像形成工程で形成した画像の印字率を計数(カウント)する印字率カウンター15を有する。制御部200のCPU201は、画像形成部PY、PM、PC、PKごとに、形成した画像の印字率を算出し、記憶部である印字率カウンター15に積算して記憶させる。また、CPU201は、A4サイズの転写材Sに100枚印刷ごとに、直近の100枚の平均印字率を算出して、記憶部である印字率カウンター15に更新して記憶させる。
そして、本実施例では、制御部200は、感光ドラム1の表面へのトナー融着の発生しやすい平均印字率が高い場合にのみ、空回転モードを実行させる。具体的には、制御部200は、平均印字率が所定の閾値としての10%以上の場合に、空回転モードを実施例1と同様の頻度で実行させ、その空回転モードを実行する直前に清掃モードを実行させる。一方、制御部200は、平均印字率が10%未満の場合には、空回転モードを実行させない。
図9は、本実施例における後回転工程での清掃モード及び空回転モードの制御の手順の概略を示すフローチャート図である。図9において、実施例1における図7に示すフローチャートと同じ手順については、図7と同じステップ番号を付して、詳しい説明は省略する。
なお、本実施例では、簡単のため、いずれかの画像形成部Pに関して平均印字率が閾値以上であると判断された場合には、全ての画像形成部Pで同期して空回転モード(及び清掃モード)が実行されるものとする。ただし、前述のように画像形成部Pごとに選択的に駆動(感光ドラム1の回転、現像スリーブ41の回転など)できる場合などには、画像形成部Pごとの平均印字率に応じて、画像形成部Pごとに空回転モード(及び清掃モード)の実行の有無を決定してもよい。
本実施例では、制御部200は、S103で空回転間枚数Nが500枚以上である(「Yes」)と判断した場合は、ジョブの画像形成が終了した後に(S105)、平均印字率Xが10%以上か否かを判断する(S111)。そして、制御部200は、S111で平均印字率Xが10%以上である(「Yes」)と判断した場合は、実施例1と同様に清掃モード及び空回転モードの実行を含むS106〜S109の手順を実行させる。一方、制御部200は、S111で平均印字率Xが10%以上ではない(「No」)と判断した場合は、清掃モード及び空回転モード以外の後回転工程の動作を実行させた後に(S109)、画像形成装置100の動作を停止させる。
なお、本実施例では、画像形成工程で形成した画像のトナー量に応じて空回転モードの実行の有無を切り替えたが、画像形成工程で形成した画像のトナー量に応じて、空回転モードの実行頻度や空回転時間を変更してもよい。例えば、平均印字率が相対的に低い場合よりも、平均印字率が相対的に高い場合の方が、空回転モードの実行頻度が多く又は空回転時間が長くなるようにすればよい。このとき、空回転モードの実行頻度や空回転時間は、画像形成工程で形成した画像のトナー量に応じて複数段階に変更することができる。
また、本実施例と実施例2とを組み合わせて、環境と画像形成工程で形成した画像のトナー量の両方に応じて、空回転モードの実行の有無、空回転モードの実行頻度、あるいは空回転時間を変更してもよい。
このように、制御部200は、形成した画像のトナー量に関する情報に応じて、空回転モードの実行の有無、空回転モードの実行頻度、空回転モードの実行時間のうち少なくとも1つを変更することができる。
以上説明したように、本実施例によれば、画像形成工程で形成した画像の条件に応じて空回転モードを効果的に実行することで、ダウンタイムを低減しつつ、感光ドラム1の表面へのトナー融着の発生を抑制することができる。
[実施例4]
次に、本発明の他の実施例について説明する。本実施例の画像形成装置の基本的な構成及び動作は、実施例1の画像形成装置のものと同じである。したがって、本実施例の画像形成装置において、実施例1の画像形成装置のものと同一又は対応する機能あるいは構成を有する要素については、実施例1と同一の符号を付して詳しい説明は省略する。
近年、感光ドラム1の長寿命化を図るために、感光ドラム1の表面層(感光ドラム1の最表面に位置する層(最外層))の高硬度化が行われている。例えば、感光ドラム1の表面層として、結着樹脂として硬化性の樹脂を用いて形成される保護層が設けられることがある(特許第4596843号公報など)。
このように、感光ドラム1の表面層が高硬度化されると、感光ドラム1の寿命は延びる。しかし、感光ドラム1の表面が削れにくくなることで、感光ドラム1の表面に付着した放電生成物が除去されにくくなり、クリーニングブレード7aと感光ドラム1との間の摩擦力が増大しやすい。そして、実施例1で説明したようなメカニズムにより、感光ドラム1の表面へのトナー融着が発生しやすくなることがある。そのため、感光ドラム1の表面層が高硬度化された構成では、適宜、空回転モードを実行することで、感光ドラム1の表面の融着トナーを除去することが重要となる。
図10は、本実施例の感光ドラム1の層構成を示す模式的な断面図である。本実施例では、感光ドラム1は、実施例1と同様、光導電性物質(電荷発生物質や電荷輸送物質)として有機材料を用いた、負帯電性のドラム状の有機感光体(OPC)である。この感光ドラム1は、支持体(導電性支持体)1aの上に、電荷発生層1b、電荷輸送層1c、保護層1dがこの順番で下から設けられた積層構造を有する。また、支持体1aと電荷発生層1bとの間に、バリア機能や接着機能を有する中間層(下引き層)や、更に干渉縞防止などのための導電層が設けられていてもよい。本実施例では、保護層1dは、結着樹脂として硬化性フェノール樹脂を用いて形成されている。なお、感光ドラム1の表面層の結着樹脂は、本実施例のものに限定されず、利用可能な任意の硬化性樹脂を用いることができる。例えば、炭素−炭素二重結合を有するモノマーを熱又は光のエネルギーを用いて硬化させて得られる硬化膜を感光ドラム1の表面層とする技術が知られている。また、本実施例では、感光ドラム1の表面層は保護層とされているが、この保護層は導電性粒子を含有していてもよい。また、感光ドラム1の表面層は、保護層としての機能の他、電荷輸送物質を含有した電荷輸送層(より下層の電荷輸送層とは別の電荷輸送層であっても、実質的に単一の電荷輸送層であってもよい。)の機能を有していてもよい。
本実施例では、感光ドラム1は、その表面の25℃/50%RH環境下におけるユニバーサル硬さ値(HU)が150N/mm以上、220N/mm以下、弾性変形率が40%以上、65%以下である。これにより、感光ドラム1とクリーニングブレード7aとの摩擦による感光ドラム1の表面の削れが抑制され、感光ドラム1の長寿命化が図られている。なお、感光ドラム1の表面のユニバーサル硬さ値(HU)、弾性変形率は、材料及び製造条件の組合せにより調整することができる。
ユニバーサル硬さ値(HU)が大きすぎると、また、弾性変形率が小さすぎると、感光ドラム1の表面の弾性力が不足する。そのため、感光ドラム1と帯電ローラ2やクリーニングブレード7aなどの当接部材との間に挟まれた紙粉やトナーが感光ドラム1の表面を擦ることによって、感光ドラム1の表面に傷が発生しやすくなり、それに伴って摩耗も発生しやすくなる。また、ユニバーサル硬さ値(HU)が大きすぎると、たとえ弾性変形率が高くても、弾性変形量は小さくなってしまう。そのため、感光ドラム1の表面の局部に大きな圧力がかかり、感光ドラム1の表面に深い傷が発生しやすくなる。また、ユニバーサル硬さ値(HU)が上記範囲にあっても弾性変形率が大きすぎると、塑性変形量も大きくなってしまう。そのため、感光ドラム1と帯電ローラ2やクリーニングブレード7aなどの当接部材との間に挟まれた紙粉やトナーが感光ドラム1の表面を擦ることによって、感光ドラム1の表面に細かい傷が発生しやすくなり、また、摩耗も発生しやすくなる。また、ユニバーサル硬さ値(HU)が上記範囲にあっても弾性変形率が小さすぎると、塑性変形量が相対的に大きくなってしまう。そのため、感光ドラム1の表面に細かい傷が発生しやすくなり、また、摩耗も発生しやすくなる。これは、弾性変形率が小さすぎるだけでなくユニバーサル硬さ値(HU)も小さすぎる場合、特に顕著になる。
ここで、感光ドラム1の表面のユニバーサル硬さ値(HU)及び弾性変形率は、25℃/50%RH環境下、微小硬さ測定装置フィシャースコープH100V(Fischer社製)を用いて測定した値である。このフィシャースコープH100Vは、測定対象(感光ドラム1の表面)に圧子を当接し、この圧子に連続的に荷重をかけ、荷重下での押し込み深さを直読することにより連続的硬さが求められる装置である。圧子として対面角136°のビッカース四角錐ダイヤモンド圧子を用い、また、圧子に連続的にかける荷重の最終(最終荷重)は6mNとし、圧子に最終荷重6mNをかけた状態を保持する時間(保持時間)は0.1秒とした。また、測定点は273点とした。
フィシャースコープH100V(Fischer社製)の出力チャートの概略を図11に示す。図11中、縦軸は圧子にかけた荷重F(mN)を、横軸は圧子の押し込み深さh(μm)を示す。図11は、圧子にかける荷重を段階的に増加させて最終的に荷重が最大(6mN)になった(A→B)後、段階的に荷重を減少させた(B→C)ときの結果を示している。
ユニバーサル硬さ値(HU)は、圧子に最終荷重6mNをかけたときの該圧子の押し込み深さから下記式により求めることができる。なお、下記式中、HUはユニバーサル硬さ(HU)を意味し、Ffは最終荷重を意味し、Sfは最終荷重をかけたときの圧子の押し込まれた部分の表面積を意味し、hfは最終荷重をかけたときの圧子の押し込み深さを意味する。
Figure 2019028307
また、弾性変形率は、圧子が測定対象(電子写真感光体の表面)に対して行った仕事量(エネルギー)、すなわち、圧子の測定対象(電子写真感光体の表面)に対する荷重の増減によるエネルギーの変化より求めることができる。具体的には、弾性変形仕事量Weを全仕事量Wtで除した値(We/Wt)が弾性変形率(百分率[%]で表すものとする。)である。なお、全仕事量Wtは図11中のA−B−D−Aで囲まれる領域の面積であり、弾性変形仕事量Weは図11中のC−B−D−Cで囲まれる領域の面積である。
このように感光ドラム1の表面層が高硬度化された構成においても、実施例1〜3と同様にして、空回転モード、及びその空回転モードの直前の清掃モードを実行することで、感光ドラム1の表面へのトナー融着を抑制することができる。
[その他]
以上、本発明を具体的な実施例に即して説明したが、本発明は上述の実施例に限定されるものではない。
例えば、上述の実施例では、画像形成装置は、中間転写方式の画像形成装置であったが、本発明は、直接転写方式の画像形成装置にも適用できる。直接転写方式の画像形成装置は、上述の実施例における中間転写体に代えて、例えば無端状のベルトで構成された転写ベルトとされる記録材担持体を有する。そして、斯界にて周知のように、直接転写方式の画像形成装置では、上述の実施例における中間転写体上へのトナー像の形成と同様に、記録材担持体に担持されて搬送される記録材上にトナー像が形成される。
また、感光体はドラム状のもの(感光ドラム)に限定されるものではなく、無端ベルト状のもの(感光体ベルト)であってもよい。また、中間転写体や記録材担持体は無端ベルト状のものに限定されるものではなく、例えば枠体にフィルムを張設して形成したドラム状のものなどであってもよい。また、静電記録方式の画像形成装置であれば、像担持体はドラム状や無端ベルト状の静電記録誘電体であってよい。
また、帯電部材は、典型的には回転可能な回転体であるが、ローラに限定されるものではなく、例えば複数の張架ローラに張架された無端状のベルトなどであってもよい。
また、本発明はクリーニング部材がブレード状の部材である場合に特に好適に作用するものであるが、クリーニング部材はブレード状の部材に限定されるものではない。例えば、ブロック状(パッド状)やシート状の部材など、当該部材と像担持体との摩擦により像担持体の表面に融着したトナーを、空回転モードにおいて当該部材によって除去できるものであれば、上記実施例と同様の効果が期待できる。
1 感光ドラム
7 ドラムクリーニング装置
71 クリーニングブレード
91 中間転写ベルト
100 画像形成装置
200 制御部

Claims (9)

  1. トナー像を担持する回転可能な像担持体と、
    前記像担持体に接触し前記像担持体を帯電させる帯電部材と、
    前記帯電部材に直流電圧を印加する帯電電源と、
    前記像担持体にトナーを供給する現像手段と、
    前記像担持体に接触し前記像担持体からトナーを除去するクリーニング部材と、
    画像形成期間以外の非画像形成期間に、前記像担持体を所定時間にわたり回転させる第1の動作と、前記帯電部材と前記像担持体との間に画像形成期間とは逆向きの電界を生成しながら前記像担持体を回動させる第2の動作と、を実行させる制御手段と、
    を有し、
    前記制御手段は、前記第1の動作が実行される前の最後の画像形成期間の後、かつ、前記第1の動作が実行される前に、前記第2の動作を実行させることを特徴とする画像形成装置。
  2. 前記第1の動作の実行中に、前記帯電部材に直流電圧が印加されることを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
  3. 前記現像手段に設けられ前記像担持体に対向して配置される回転可能な現像剤担持体と、少なくとも直流成分を含む現像電圧を前記現像剤担持体に印加する現像電源と、を有し、
    前記第1の動作の実行中に、前記帯電部材に直流電圧が印加され、前記現像剤担持体に前記現像電圧が印加されることを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
  4. 前記第1の動作の実行中に前記帯電部材に印加される直流電圧及び前記第1の動作の実行中に前記現像剤担持体に印加される前記現像電圧のそれぞれの設定は、画像形成期間に前記帯電部材に印加される直流電圧及び画像形成期間に前記現像剤担持体に印加される前記現像電圧のそれぞれの設定と同一であることを特徴とする請求項3に記載の画像形成装置。
  5. 前記像担持体から被転写体にトナー像を転写させる転写手段と、前記像担持体の回転方向における前記転写が行われる転写位置よりも下流かつ前記像担持体の回転方向における前記帯電が行われる帯電位置よりも上流で前記像担持体に光を照射する照射手段と、を有し、
    前記第2の動作において、前記帯電部材により帯電させられた後に前記照射手段により光が照射されずに前記帯電位置に到達した前記像担持体の領域が前記帯電位置を通過する間、前記帯電部材に対する直流電圧の印加が停止されることで、前記逆向きの電界が生成されることを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項に記載の画像形成装置。
  6. 前記制御手段は、少なくとも温度を含む環境に関する情報に応じて、前記第1の動作の実行の有無、前記第1の動作の実行頻度、前記第1の動作の実行時間のうち少なくとも1つを変更することを特徴とする請求項1乃至5のいずれか1項に記載の画像形成装置。
  7. 前記制御手段は、形成した画像のトナー量に関する情報に応じて、前記第1の動作の実行の有無、前記第1の動作の実行頻度、前記第1の動作の実行時間のうち少なくとも1つを変更することを特徴とする請求項1乃至6のいずれか1項に記載の画像形成装置。
  8. 前記帯電部材はローラであり、前記第2の動作では前記像担持体が回動すると共に前記帯電部材が回転することを特徴とする請求項1乃至7のいずれか1項に記載の画像形成装置。
  9. 前記像担持体は感光体であり、前記感光体は、その表面のユニバーサル硬さ値(HU)が150N/mm以上、220N/mm以下、弾性変形率が40%以上、65%以下であることを特徴とする請求項1乃至8のいずれか1項に記載の画像形成装置。
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