JP2019027344A - ランキンサイクル装置の起動方法及びランキンサイクル装置 - Google Patents

ランキンサイクル装置の起動方法及びランキンサイクル装置 Download PDF

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Abstract

【課題】ランキンサイクル装置の起動時の信頼性を確保する。【解決手段】循環経路135において、ポンプ115と、蒸発器111と、膨張機構112aと、凝縮器113と、がこの順に現れる。流量調整装置120は、凝縮器113において作動流体と熱交換される冷却媒体の凝縮器113への流量を調整する。有限期間において、流量がゼロよりも大きい状態を維持する。有限期間よりも後に、流量の時間微分を、正でありかつ有限期間に比べて大きい値にする。【選択図】図1

Description

本開示は、ランキンサイクル装置の起動方法及びランキンサイクル装置に関する。
特許文献1には、ランキンサイクル装置の起動方法が開示されている。
図7は、特許文献1のランキンサイクル装置の概略構成図である。図7に示すように、特許文献1のランキンサイクル装置1は、流体経路50を備えている。流体経路50は、ランキンサイクルを構成している。
流体経路50では、ポンプ7、蒸発器4、膨張機5及び凝縮器6が、複数の配管によって、この順で環状に接続されている。蒸発器4の出口と膨張機5の入口の間には、作動流体の温度を特定するための温度センサ10が設けられている。
流体経路50は、バイパス経路70を有している。バイパス経路70は、膨張機5をバイパスしている。バイパス経路70の上流端は、流体経路50における蒸発器4の出口と膨張機5の入口との間の部分に接続されている。バイパス経路70の下流端は、流体経路50における膨張機5の出口と凝縮器6の入口との間の部分に接続されている。バイパス経路70には、バイパス弁9が設けられている。
膨張機5には、発電機8が連結されている。ポンプ7には、電動機11が連結されている。膨張機5は、発電機8を駆動する。電動機11は、ポンプ7を駆動する。
ランキンサイクル装置は、以下のように動作する。ポンプ7は、作動流体を圧送し、循環させる。蒸発器4は、加熱源からの熱を用いて作動流体を加熱する。これにより、作動流体が気体、具体的には過熱蒸気の状態となる。膨張機5には、過熱蒸気の作動流体が流入する。流入した作動流体は、膨張機5内で断熱膨張する。これにより、膨張機5に駆動力が生じ、膨張機5が動作する。凝縮器6は、冷却水、冷却空気等を用いて、膨張機5から吐出された作動流体を冷却する。これにより、作動流体は、凝縮して、液体状態となる。液体の作動流体は、ポンプ7に吸い込まれる。
制御装置2は、コンバータ20を有している。コンバータ20は、3相配線23を介して発電機8に接続されている。コンバータ20は、発電機8を介して膨張機5に制動トルク又は駆動トルクを与えることができる。これにより、膨張機5が作動流体を膨張させることを禁止したり、膨張機5が作動流体を膨張させることを許可したりすることができる。その他、制御装置2は、駆動回路21と、電力変換器22とを有している。駆動回路21は、3相配線29によって電動機11に接続されている。電力変換器22は、直流配線24によってコンバータ20と接続されている。電力変換器22は、電力系統3に接続可能である。
制御装置2がコンバータ20を用いて発電機8に直流電流を流すことにより、膨張機5に制動力を働かせることができる。制御装置2は、このようにして、膨張機5が作動流体を膨張させることを禁止することができる。
また、制御装置2がコンバータ20を用いて発電機8の端子間電圧をゼロにすることにより、膨張機5が作動流体を膨張させることを許可することができる。このようにして作動流体の膨張禁止を解除すると、膨張機5の入口における作動流体の圧力と膨張機5の出口における作動流体の圧力との差に基づいて、膨張機5を動作させることができる。
ランキンサイクル装置1の起動時には、温度センサ10の検出温度が閾値温度まで増加しポンプ7の回転数がゼロから増加し始めてからも暫くの間は、膨張機5の回転数をゼロに維持する。これにより、温度が低く液体を多く含む作動流体が膨張機5に流入することを防止している。
ポンプ7の回転数が所定回転数まで増加した後のタイミングにおいて、バイパス弁9の開度を小さくする。その後、制御装置2がコンバータ20を用いて発電機8の端子間電圧をゼロにする。これにより、膨張機5が作動流体を膨張させることが許可される。そして、膨張機5の入口における作動流体の圧力と膨張機5の出口における作動流体の圧力との差に基づいて、膨張機5の回転数がゼロから増加し始める。その後、コンバータ20を用いた発電機8の回転数の調整により、膨張機5の回転数は徐々に増加し、所定の回転数に到達する。
特開2017−002882号公報
しかしながら、本発明者らの検討によれば、特許文献1の技術には、ランキンサイクル装置の起動時の信頼性を確保する観点から、改善の余地がある。
本開示は、
ランキンサイクル装置の起動方法であって、
前記ランキンサイクル装置は、ポンプと、蒸発器と、膨張機構と、凝縮器と、流量調整装置と、を含み、
前記ランキンサイクル装置では、作動流体が流れる循環経路が構成され、
前記循環経路において、前記ポンプと、前記蒸発器と、前記膨張機構と、前記凝縮器と、がこの順に現れ、
前記流量調整装置は、前記凝縮器において前記作動流体と熱交換される冷却媒体の前記凝縮器への流量を調整するものであり、
有限期間において、前記流量がゼロよりも大きい状態を維持し、
前記有限期間よりも後に、前記流量の時間微分を、正でありかつ前記有限期間に比べて大きい値にする、起動方法を提供する。
本開示に係る技術によれば、ランキンサイクル装置の起動時の信頼性を確保することができる。
実施の形態1に係るランキンサイクル装置の概略構成図 実施の形態1の膨張機の概略構成図 実施の形態1の起動制御運転のフローチャート 実施の形態1の起動制御運転のタイムチャート 実施の形態2の起動制御運転のタイムチャート 変形例の起動制御運転のタイムチャート 従来のランキンサイクル装置の概略構成図 冷却媒体の凝縮器への流量を大きくした場合のモリエル線図 冷却媒体の凝縮器への流量を抑えた場合のモリエル線図
(本発明者らによる知見)
ランキンサイクル装置では、ポンプに液体状態の作動流体が流入する場合には、ポンプは安定して動作する。一方、ポンプに気液二相状態の作動流体が流入する場合には、作動流体の流量を確保できない。また、この場合には、ポンプでキャビテーションが生じることもある。ランキンサイクル装置の信頼性を確保する観点から、ポンプに気液二相状態の作動流体が流入することは避けることが望ましい。
意外なことに、凝縮器における作動流体の冷却量を大きくすると、ポンプに気液二相状態の作動流体が流入することがある。これは、凝縮器における作動流体の冷却により、ポンプの入口の作動流体の圧力が低下するためである。圧力低下が原因でポンプに気液二相状態の作動流体が流入する現象は、ランキンサイクル装置の起動運転の際に発生することがある。この現象は、具体的には、他の条件にもよるが、蒸発器における作動流体の加熱量が低いとき等に発生し易い。ここで、「加熱量が低いとき」は、加熱量がゼロであるときを含む意の表現である。
本発明者らは、凝縮器において作動流体と熱交換される冷却媒体の凝縮器への流量を調整することによって作動流体の冷却量を調整することを考えた。本発明者らは、具体的には、起動運転において上記流量が抑えられた有限期間を設定することを考えた。そのような有限期間を設定することにより、ポンプに気液二相状態の作動流体が流入するリスクを低減させることができる。
図8及び図9に、起動運転の際のモリエル線図を示す。具体的には、図8は、冷却媒体の凝縮器への流量を大きくした場合のモリエル線図である。図9は、同流量を抑えた場合のモリエル線図である。図8及び図9の横軸は、エンタルピーhを指す。縦軸は、圧力Pを指す。図8の点A1及び図9の点A2は、ポンプの入口における作動流体の状態を表す。図8の点B1及び図9の点B2は、ポンプの出口の作動流体の状態を表す。
図8では、点A1は、飽和液線と飽和気線に挟まれた気液二相の領域内にある。このことは、ポンプの入口における作動流体が気液二相状態にあることを意味する。一方、図9では、点A2は、飽和液線よりも左の領域にある。このことは、ポンプの入口における作動流体が液体状態にあることを意味する。図8及び図9から理解されるように、冷却媒体の凝縮器への流量を抑えると、ポンプの入口における作動流体の圧力が過度に低下することを防止でき、同作動流体の状態を液体状態にできる。
本開示に係る技術は、このような検討により見出されたものである。
本開示の第1態様は、
ランキンサイクル装置の起動方法であって、
前記ランキンサイクル装置は、ポンプと、蒸発器と、膨張機構と、凝縮器と、流量調整装置と、を含み、
前記ランキンサイクル装置では、作動流体が流れる循環経路が構成され、
前記循環経路において、前記ポンプと、前記蒸発器と、前記膨張機構と、前記凝縮器と、がこの順に現れ、
前記流量調整装置は、前記凝縮器において前記作動流体と熱交換される冷却媒体の前記凝縮器への流量を調整するものであり、
有限期間において、前記流量がゼロよりも大きい状態を維持し、
前記有限期間よりも後に、前記流量の時間微分を、正でありかつ前記有限期間に比べて大きい値にする、起動方法を提供する。
第1態様では、冷却媒体の凝縮器への流量の時間微分が相対的に小さい有限期間が設定される。このようにして設定された有限期間は、流量が抑えられた期間である。このため、この有限期間では、凝縮器における作動流体の冷却量が抑制され、ポンプの入口における作動流体の過度な圧力低下が防止される。そのような有限期間を過度な圧力低下が発生し易い期間と重なるように設定することにより、圧力低下が原因でポンプに気液二相状態の作動流体が流入するリスクを低減させることができる。以上の理由で、第1態様によれば、ランキンサイクル装置の起動時の信頼性を確保することができる。
本開示の第2態様は、第1態様に加え、
前記有限期間よりも後かつ前記蒸発器における作動流体の加熱開始後に、前記流量の時間微分を、正でありかつ前記有限期間に比べて大きい値にする、起動方法を提供する。
蒸発器における作動流体の加熱開始後は、凝縮器における作動流体の冷却が原因でポンプに気液二相状態の作動流体が流入するリスクが低下していく。このため、蒸発器における作動流体の加熱開始後は、冷却媒体の流量の時間微分を大きくするタイミングとして適している。
本開示の第3態様は、第1態様又は第2態様に加え、
前記有限期間は、前記流量の時間微分がゼロである期間を含む、起動方法を提供する。
ポンプには、凝縮器で冷却された作動流体が流入する。このため、ポンプ入口の作動流体の状態は、凝縮器における冷却媒体の流量に影響される。この流量の時間微分がゼロである期間においては、ポンプ入口の作動流体の状態の変化が抑制され易く、ポンプを安定して制御し易い。第3態様の有限期間は、そのような期間を含んでいる。このため、第3態様は、ランキンサイクル装置の起動時の信頼性を確保するのに適している。
本開示の第4態様は、第1態様〜第3態様のいずれか1つに加え、
前記有限期間における前記流量の時間微分は、常にゼロ以上である、起動方法を提供する。
蒸発器における作動流体の加熱が開始されると、ランキンサイクルにおける作動流体の温度が全体として上昇していく。ランキンサイクル装置の信頼性確保の観点からは、この温度上昇が過度に速くなることを防止することが望ましい。この点、第4態様の有限期間における冷却媒体の流量の時間微分は、常にゼロ以上である。このようにすれば、上記のような過度に速い温度上昇が発生し難い。この効果は、蒸発器における作動流体の加熱量の時間微分が大きい場合に特に好適に発揮され得る。以上の理由で、第4態様は、ランキンサイクル装置の起動時の信頼性を確保するのに適している。
本開示の第5態様は、第1態様〜第4態様のいずれか1つに加え、
前記有限期間における前記流量は、前記ランキンサイクル装置の定格運転時に比べて小さい、起動方法を提供する。
本開示の第6態様は、第5態様に加え、
前記有限期間における前記流量は、前記ランキンサイクル装置の定格運転時の5〜80%である、起動方法を提供する。
第5態様及び第6態様は、有限期間においてポンプに気液二相状態の作動流体が流入するリスクを低減させる観点から有利である。
本開示の第7態様は、第1態様〜第6態様のいずれか1つに加え、
前記ランキンサイクル装置は、膨張機と、第1温度センサと、第2温度センサと、バイパス弁と、を含み、
前記膨張機は、前記膨張機構と、回転軸と、容器と、を有し、
前記膨張機構は、前記回転軸に接続されており、
前記容器は、前記膨張機構を収納しており、
前記ランキンサイクル装置では、前記作動流体が流れるバイパス経路が構成され、
前記循環経路において、前記ポンプと、前記蒸発器と、分岐点と、前記膨張機構と、合流点と、前記凝縮器と、がこの順に現れ、
前記バイパス経路は、前記膨張機を迂回しつつ前記分岐点と前記合流点を接続しており、
前記バイパス経路において、前記バイパス弁が現れ、
前記第1温度センサは、前記循環経路における前記凝縮器の出口と前記ポンプの入口の間の部分に存する前記作動流体の温度を検出し、
前記第2温度センサは、前記循環経路における前記蒸発器の出口と前記膨張機構の間の部分に存する前記作動流体の温度を検出し、
前記蒸発器における前記作動流体の加熱が開始されてから前記第1温度センサの検出温度である第1検出温度が第1閾値温度に達するまでの第1期間において、前記回転軸の回転である軸回転を連続的に強制停止し、
前記第1検出温度が前記第1閾値温度に達してから前記第2温度センサの検出温度である第2検出温度が第2閾値温度に達するまでの第2期間において、前記軸回転の強制停止と前記軸回転の許可とのセットを少なくとも一回実行し、
前記第2期間よりも後に、前記流量を、前記第1期間及び前記第2期間に比べて大きい値まで上昇させる、起動方法を提供する。
第7態様では、第2期間よりも後に、冷却媒体の流量を、第1期間及び第2期間に比べて大きい値まで上昇させる。このため、第1期間及び第2期間において、冷却量を抑え、凝縮器から外部への放熱量を抑えることができる。このため、これらの期間において、ポンプ及びその周辺における潤滑油の温度を上昇させ易くなり、該潤滑油の粘度を下げ易くなり、該潤滑油が流れる際の粘性による流動抵抗を下げ易くなる。
典型的には、ランキンサイクル装置の運転が開始される時点において、膨張機の容器内上部に気体状態の作動流体が存在する。容器内下部に液体状態の作動流体が存在する。第7態様の第2期間では、膨張機の軸回転の強制停止と許可とのセットを少なくとも一回実行する。軸回転を強制停止する期間が存在することにより、膨張機の容器から気体状態の作動流体が流出することを許容しつつ、これに続いて液体状態の作動流体が流出することを防止し易くなる。具体的には、気体状態の作動流体の流出後に、液体状態の作動流体が膨張機の膨張機構まで吸い上げられて容器外部に流出する事態を回避し易くなる。従って、液体の作動流体に溶け込んだ潤滑油が容器外部に流出し難くなる。また、上述の理由で、第7態様の第2期間では、ポンプ及びその周辺における潤滑油は、流動抵抗が下がった状態にある。その潤滑油を、軸回転を許可する期間において、作動流体と共に膨張機の容器へと圧送することができる。
このような理由で、第7態様によれば、膨張機の容器からの潤滑油の流出を抑制しつつ、容器への潤滑油の流入を促進させることができる。これにより、容器が保持する潤滑油を増加させることができる。従って、第7態様は、膨張機における潤滑油不足を解消するのに適している。
本開示の第8態様は、第7態様に加え、
前記第2期間において、第1時間幅にわたる前記軸回転の強制停止と第2時間幅にわたる前記軸回転の許可との前記セットを少なくとも一回実行し、
前記第1時間幅は、前記第2時間幅よりも長い、起動方法を提供する。
本開示の第9態様は、第7態様に加え、
前記第2期間において、第1時間幅にわたる前記軸回転の強制停止と第2時間幅にわたる前記軸回転の許可との前記セットを少なくとも一回実行し、
前記第1時間幅は、前記第2時間幅よりも短い、起動方法を提供する。
ランキンサイクル装置の仕様及び使用環境等にもよるが、容器内部における気体状態の作動流体が減少している場合には、第8態様に従ってランキンサイクル装置を制御すれば、容器内の潤滑油が増加し易い傾向にある。一方、容器内部における気体状態の作動流体が多い場合には、第9態様に従ってランキンサイクル装置を制御すれば、容器内の潤滑油が増加し易い傾向にある。第8態様が有利な場合としては、ランキンサイクル装置の運転停止後に暫く時間をおいてからランキンサイクル装置を再起動させる場合が挙げられる。一方、第9態様が有利な場合としては、ランキンサイクル装置の運転停止時後にあまり時間をおかずにランキンサイクル装置を再起動させる場合が挙げられる。
具体的には、第8態様の第2期間では、軸回転が許可される時間幅が比較的短い。この短さにより、気体状態の作動流体の流出後に、液体状態の作動流体が膨張機構まで吸い上げられて容器外部に流出する事態を回避し易くなる。従って、液体の作動流体に溶け込んだ潤滑油が容器外部に流出し難くなる。また、膨張機の軸回転が許可されているときには、膨張機の容器内へと潤滑油が入り込む。入り込んだ潤滑油は、容器内の構造物に付着する。付着した潤滑油は、重力により容器下部へと移動する。その後、潤滑油は、液体状態の作動流体と共に保持される。第8態様の第2期間では、膨張機の軸回転が強制停止される時間幅が比較的長い。この長さにより、構造物に付着した潤滑油が気体状態の作動流体と共に容器外部に流出する事態を回避し易くなり、上記のようにして液体状態の作動流体と共に保持される潤滑油の量を確保し易くなる。第8態様によれば、以上のようにして、容器内の潤滑油を増加させることができる。
一方、容器内部における気体状態の作動流体が多い場合には、容器内の気体状態の作動流体が液体状態に戻ることを防止することが、容器内の潤滑油を増加させるのに有利である。これを考慮し、第9態様の第2期間では、軸回転が許可される時間幅を比較的長くしている。このようにすることが容器内の潤滑油を増加させるのに有利である理由は、以下のように説明される。膨張機の軸回転が許可されているときには、容器の熱の容器外への放熱と、蒸発器で加熱された高温の作動流体の容器内部への流入とが、容器内部の作動流体の温度に影響を与える。第9態様の第2期間では、軸回転が許可される時間幅が比較的長い。このため、高温の作動流体の流入が膨張機の容器内の作動流体の温度に及ぼす影響が大きい。このため、容器内の作動流体の温度を確保し易い。このため、容器内の作動流体が液体状態に戻ることを防止し易い。容器内部における気体状態の作動流体が多い場合に軸回転が許可される時間幅を長くすると、比較的長時間にわたり、気体状態の作動流体を容器外部に流出させつつ、容器内部に潤滑油を流入させることができる。このため、液体状態の作動流体に溶け込んだ潤滑油が容器外部に流出する事態を回避しつつ、容器内部に多くの潤滑油を流入させることができる。第9態様によれば、以上のようにして、容器内の潤滑油を増加させることができる。
本開示の第10態様は、第7態様〜第9態様のいずれか1つに加え、
前記第2期間において、前記セットを複数回実行する、起動方法を提供する。
第10態様によれば、膨張機の容器からの潤滑油の流出を好適に抑制しつつ、容器への潤滑油の流入を好適に促進させることができる。
本開示の第11態様は、第7態様〜第10態様のいずれか1つに加え、
前記膨張機は、発電機を含み、
前記発電機は、前記回転軸に接続されており、
前記第2期間において、前記軸回転の強制停止を、前記発電機に直流電流を流すことによって実行し、
前記第2期間において、前記バイパス弁の開度を80%〜100%に維持し、
前記第2期間よりも後に、前記ポンプの回転数を、前記第2期間に比べて大きい値まで上昇させる、起動方法を提供する。
第11態様の第2期間では、バイパス弁の開度が比較的大きく、ポンプの回転数が比較的低い。これにより、第2期間において、膨張機構のトルクが過度に大きくなることが防止される。このようにすれば、直流電流の印加では膨張機構の強制停止が出来ないという事態を回避することができる。
本開示の第12態様は、第7態様〜第11態様のいずれか1つに加え、
前記第1期間及び前記第2期間において前記第1検出温度が上昇し、
前記第2期間よりも後に、前記第1検出温度が低下する期間が現れる、起動方法を提供する。
第12態様の第2期間においては、ポンプ及びその周辺における潤滑油の流動抵抗が下がった状態になり易い。
本開示の第13態様は、第1態様〜第12態様のいずれか1つに加え、
前記流量調整装置は、前記流量を調整するための専用装置である、起動方法を提供する。
第13態様の凝縮器用の流量調整装置は専用装置である。このため、第13態様によれば、凝縮器以外の機器に影響を及ぼすことなく凝縮器への冷却媒体の流量を調整することができる。
本開示の第14態様は、
ポンプと、蒸発器と、膨張機構と、凝縮器と、流量調整装置と、制御装置と、を含み、
作動流体が流れる循環経路が構成され、
前記循環経路において、前記ポンプと、前記蒸発器と、前記膨張機構と、前記凝縮器と、がこの順に現れ、
前記流量調整装置は、前記凝縮器において前記作動流体と熱交換される冷却媒体の前記凝縮器への流量を調整するものであり、
前記制御装置は、有限期間において、前記流量がゼロよりも大きい状態を維持し、
前記制御装置は、前記有限期間よりも後に、前記流量の時間微分を、正でありかつ前記有限期間に比べて大きい値にする、ランキンサイクル装置を提供する。
第14態様によれば、第1態様と同様の効果を得ることができる。
ランキンサイクル装置の起動方法に関する技術は、ランキンサイクル装置に適用できる。ランキンサイクル装置に関する技術は、ランキンサイクル装置の起動方法に適用できる。
以下、本開示の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。本開示は、以下の実施の形態に限定されない。
(実施の形態1)
図1は、実施の形態1におけるランキンサイクル装置200の構成図である。
ランキンサイクル装置200は、ポンプ115と、蒸発器111と、膨張機構112aと(図2参照)、凝縮器113と、を含んでいる。膨張機構112aは、膨張機112の構成要素である。ランキンサイクル装置200は、第1温度センサ119と、第2温度センサ118と、を含んでいる。ランキンサイクル装置200は、分岐点136と、合流点137と、を含んでいる。ランキンサイクル装置200は、流量調整装置120を含んでいる。ランキンサイクル装置200は、バイパス弁117を含んでいる。ランキンサイクル装置200は、電動機121と、電動機122と、を含んでいる。ランキンサイクル装置200は、制御装置150を含んでいる。
ランキンサイクル装置200は、ランキンサイクル経路130を備えている。以下では、ランキンサイクル経路130を、流体経路130と称することがある。流体経路130は、作動流体が流れる回路である。流体経路130は、ランキンサイクルを構成している。流体経路130は、循環経路135と、バイパス経路140と、を有している。つまり、ランキンサイクル装置200では、作動流体が流れる循環経路135及びバイパス経路140が構成されている。
循環経路135において、ポンプ115と、蒸発器111と、膨張機112(の膨張機構112a)と、凝縮器113と、がこの順に現れる。具体的には、循環経路135において、ポンプ115と、蒸発器111と、分岐点136と、膨張機構112aと、合流点137と、凝縮器113と、がこの順に現れる。本実施の形態では、ポンプ115、蒸発器111、膨張機112及び凝縮器113は、複数の配管によってこの順番で環状に接続されている。
バイパス経路140は、膨張機112を迂回しつつ分岐点136と合流点137を接続している。バイパス経路140において、バイパス弁117が現れる。
ランキンサイクル装置200は、流体経路130において、公知の再生器等を含んでいてもよい。
蒸発器111は、熱源(図示省略)で生成された熱エネルギーを吸収する熱交換器である。蒸発器111は、例えばフィンチューブ熱交換器であり、熱源ガスの経路に位置するように配置されている。熱源ガスとランキンサイクル装置200の作動流体とが蒸発器111において熱交換する。これにより、作動流体が加熱され、蒸発する。この加熱には、例えば、工場、焼却炉等の施設から排出された廃熱エネルギーを利用することができる。
図2に示すように、ランキンサイクル装置200は、膨張機112を含んでいる。膨張機112は、膨張機構112aと、回転軸112bと、容器112cと、を有している。本実施の形態では、膨張機112は、発電機116も有している。
膨張機構112aは、回転軸112bに接続されている。本実施の形態では、発電機116も、回転軸112bに接続されている。容器112cは、膨張機構112aを収納している。本実施の形態では、容器112cは、回転軸112b及び発電機116も収納している。
膨張機構112aは、作動流体を膨張させる。膨張機構112aにより、作動流体の膨張エネルギーが回転動力に変換される。この回転動力は、回転軸112bにより発電機116に伝達される。発電機116は、この回転動力を用いて駆動し、発電する。
容器112cは、吸入口112dと、吐出口112eと、を有している。吸入口112dは、膨張前の作動流体を吸入する。吐出口112eは、膨張後の作動流体を吐出する。
具体的には、作動流体は、吸入口112dから容器112cの内部に吸入される。次に、作動流体は、発電機116に近づいていく。発電機116には、空間的な隙間がある。作動流体は、その隙間を通過する。次に、作動流体は、膨張機構112aに到達する。作動流体は、膨張機構112aにおいて膨張する。その後、作動流体は、吐出口112eから吐出される。
容器112c内には、潤滑油の供給機構112fも収納されている。吸入口112dからは、作動流体と共に、潤滑油が吸引される。吸引された潤滑油の一部が、容器112c内の流動中に、容器112c内の構造物に付着する。付着した潤滑油は、吐出口112eまで到達せずに、容器112c内に留まり、重力により容器112cの下部に溜まる。下部に溜まった潤滑油は、供給機構112fにより吸い上げられる。吸い上げられた潤滑油は、潤滑が必要となる箇所へ供給される。例えば、吸い上げられた潤滑油は、膨張機構112aに供給される。また例えば、吸い上げられた潤滑油は、回転軸112bを支える軸受部に供給される。
膨張機112は、例えば、容積型又はターボ型の膨張機である。容積型の膨張機として、スクロール膨張機、ロータリ膨張機、スクリュー膨張機、往復膨張機等が挙げられる。ターボ型の膨張機は、いわゆる膨張タービンである。
膨張機112として、容積型の膨張機が推奨される。一般に、容積型の膨張機は、ターボ型の膨張機よりも広範囲の回転数で高い膨張機効率を発揮する。例えば、高効率を維持したまま、定格回転数の半分以下の回転数で容積型の膨張機を運転することも可能である。つまり、高効率を維持したまま、発電量を定格発電量の半分以下に低下させることができる。容積型の膨張機はこのような特性を持っているので、容積型の膨張機を使用すれば蒸発器111での熱源ガスの状態変化に伴う発電量の変化に柔軟に対応することができる。
凝縮器113は、膨張機112から吐出された高温の作動流体を、作動流体の温度より低い温度の空気、水等の他の冷却媒体により冷却する。凝縮器113として、フィンチューブ熱交換器、プレート式熱交換器、二重管式熱交換器等の公知の熱交換器を使用できる。
凝縮器113の種類は、冷却する媒体の種類に応じて適切に選択される。冷却する媒体が水等の液体のとき、プレート式熱交換器又は二重管式熱交換器を凝縮器113に好適に使用できる。冷却する媒体が空気等の気体のとき、フィンチューブ熱交換器を凝縮器113に好適に使用できる。
ポンプ115は、電動式のポンプである。ポンプ115は、液体の作動流体を循環させることができる。具体的に、ポンプ115は、凝縮器113から流出した作動流体を吸い込み、加圧する。これにより、加圧された作動流体が蒸発器111に供給される。ポンプ115として、一般的な容積型又はターボ型のポンプを使用できる。容積型のポンプとして、ピストンポンプ、ギヤポンプ、ベーンポンプ、ロータリポンプ等が挙げられる。ターボ型のポンプとして、遠心ポンプ、斜流ポンプ、軸流ポンプ等が挙げられる。
ポンプ115は、膨張機112とは連結されていない。つまり、ポンプ115の回転軸と膨張機112の回転軸112bとは切り離されている。このため、ポンプ115は、膨張機112から独立して動作できる。
電動機121は、ポンプ115に連結されている。電動機121は、ポンプ115を駆動する。
電動機121は、例えば、永久磁石同期電動機である。
発電機116は、例えば、永久磁石同期発電機である。
バイパス弁117は、開度を変更可能な弁である。バイパス弁117の開度を変更することによって、膨張機112をバイパスする作動流体の流量を調節できる。ただし、バイパス弁117として電磁式の開閉弁を用いてもよい。
なお、本明細書では、「開度」とは、バイパス弁117を全開にしたときに作動流体が通る通路の断面積を100%としたときの、作動流体が通る通路の断面積を百分率で表したものである。
第2温度センサ118は、循環経路135における蒸発器111の出口と膨張機構112aの間の部分に存する作動流体の温度Teを検出する。具体的には、第2温度センサ118は、循環経路135における蒸発器111の出口と膨張機112の入口の間の部分に存する作動流体の温度Teを検出する。本実施の形態の第2温度センサ118は、作動流体に接触することによって温度Teを直接的に検出するものである。ただし、第2温度センサ118は、循環経路135を形成する壁の温度を検出することによって温度Teを間接的に検出するものであってもよい。壁は、典型的には配管によって構成される。なお、「循環経路135における蒸発器111の出口と膨張機112の入口の間の部分」は、蒸発器111の出口及び膨張機112の入口を含む。
第2温度センサ118の位置は、第2温度センサ118が温度Teの特定に利用可能な検出値を得ることができる位置であれば、特に限定されない。第2温度センサ118は、蒸発器111の出口と膨張機112の入口の間の上記部分におけるいずれかの箇所に設けられうる。また、第2温度センサ118は、該部分を形成する壁のいずれかの箇所に設けられうる。膨張機112の配線と第2温度センサ118の配線とを近づけてこれらの配線を取り扱い易くする観点からは、第2温度センサ118を膨張機112の入口に設けることができる。
第2温度センサ118は、温度Teの検出信号を制御装置150に送信する。以下では、第2温度センサ118を用いて特定された温度Teを、第2検出温度と称することがある。
第1温度センサ119は、循環経路135における凝縮器113の出口とポンプ115の入口の間の部分に存する作動流体の温度Tpを検出する。本実施の形態の第1温度センサ119は、作動流体に接触することによって温度Tpを直接的に検出するものである。ただし、第1温度センサ119は、循環経路135を形成する壁の温度を検出することによって温度Tpを間接的に検出するものであってもよい。壁は、典型的には配管によって構成される。なお、「循環経路135における凝縮器113の出口とポンプ115の入口の間の部分」は、凝縮器113の出口及びポンプ115の入口を含む。
第1温度センサ119の位置は、第1温度センサ119が温度Tpの特定に利用可能な検出値を得ることができる位置であれば、特に限定されない。第1温度センサ119は、凝縮器113の出口とポンプ115の入口の間の上記部分におけるいずれかの箇所に設けられうる。また、第1温度センサ119は、該部分を形成する壁のいずれかの箇所に設けられうる。
第1温度センサ119は、温度Tpの検出信号を制御装置150に送信する。以下では、第1温度センサ119を用いて特定された温度Tpを、第1検出温度Tpと称することがある。
流量調整装置120は、凝縮器113において作動流体と熱交換される冷却媒体の凝縮器113への流量を調整するものである。流量調整装置120は、この流量の調整を通じて、凝縮器113での作動流体の冷却量を調整することができる。流量調整装置120の制御は、制御装置150が担う。流量調整装置120として、例えばプロペラファン、液体ポンプ等が挙げられる。
流量調整装置120の種類は、作動流体を冷却する冷却媒体の種類に応じて選択される。作動流体を冷却する冷却媒体が空気等の気体のときには、プロペラファンを流量調整装置120として好適に使用できる。作動流体を冷却する冷却媒体が水等の液体のときには、液体ポンプを流量調整装置120として好適に使用できる。
ランキンサイクル装置200の作動流体として、有機作動流体を好適に使用できる。有機作動流体として、ハロゲン化炭化水素、炭化水素、アルコール等が挙げられる。ハロゲン化炭化水素として、R−123、R−245fa、R−1233zd、R−365mfc等が挙げられる。炭化水素として、プロパン、ブタン、ペンタン、イソペンタン等のアルカンが挙げられる。アルコールとして、エタノール等が挙げられる。これらの有機作動流体は、単独で使用してもよいし、2種類以上の混合物を使用してもよい。
ランキンサイクル装置200の潤滑油として、ポリオールエステル(POE)系オイル、ポリアルキレングリコール(PAG)系オイル、鉱油等が挙げられる。潤滑油は、作動流体と共に流体経路130内を循環する。潤滑油は、膨張機112及びポンプ115の機構部及び軸受部等、摺動が生じ潤滑が必要な箇所に供給される。潤滑油は、作動流体と共に流体経路130内を循環する。このため、本実施の形態では、潤滑油として、作動流体との相互溶解性の良いものを使用している。なお、機構部は、回転運動又は直線運動等の運動によりその機能を発揮する部品を指す。
また、本実施の形態では、高温においても一定の粘度が維持される高粘度の潤滑油を使用している。これにより、温度が高温になる膨張機112内部においても好適な潤滑効果が得られる。従って、このような潤滑油によれば、ポンプ115及び膨張機112両方の機構部を好適に潤滑することが可能となる。
流体経路130における膨張機112付近の温度は比較的高い。このため、高粘度の潤滑油を使用する場合であっても、潤滑油の粘度は、膨張機112付近では機構部の潤滑に適した粘度となり易い。一方、流体経路130におけるポンプ115付近の温度は比較的低い。このため、高粘度の潤滑油を使用する場合、潤滑油の粘度は、ポンプ115付近では、膨張機112付近に比べると、高い粘度となり易い。しかしながら、後述の説明により明らかになるように、本実施の形態によれば、ポンプ115及びその周辺に潤滑油が偏在し、膨張機112で潤滑油が不足するという問題を緩和又は解消することができる。
ランキンサイクル装置200の動作の概要は以下の通りである。
ポンプ115は、作動流体を圧送し、循環させる。
蒸発器111は、熱源からの熱を用いて作動流体を加熱する。これにより、作動流体が気体、具体的には過熱蒸気の状態となる。
膨張機112には、過熱蒸気の作動流体が流入する。流入した作動流体は、膨張機112内の膨張機構112aで断熱膨張する。これにより、膨張機構112aに駆動力が生じ、膨張機構112aが動作する。つまり、膨張機構112aによって、膨張エネルギーが機械エネルギーへと変換される。
膨張機構112aの動作に伴い、発電機116が動作し、発電する。つまり、発電機116によって、機械エネルギーが電気エネルギーへと変換される。要するに、膨張機構112a及び発電機116によって、膨張エネルギーが電気エネルギーへと変換される。
凝縮器113は、冷却空気、冷却水等の冷却媒体を用いて、膨張機112から吐出された作動流体を冷却する。これにより、作動流体が凝縮して液体の状態となる。液体の作動流体は、ポンプ115に吸い込まれる。
制御装置150は、ランキンサイクル装置200の構成要素を制御する。制御装置150は、コンバータと、ポンプ駆動回路と、冷却用駆動回路と、バイパス弁駆動回路とを有している。
コンバータは、配線151を介して発電機116に接続されている。具体的には、配線151は、3相配線である。
ポンプ駆動回路は、配線152を介して電動機121に接続されている。具体的には、配線152は、3相配線である。
冷却用駆動回路は、配線153を介して電動機122に接続されている。具体的には、配線153は、3相配線である。
バイパス弁駆動回路は、配線154を介してバイパス弁117に接続されている。具体的には、配線154は、直流配線である。
制御装置150は、第1温度センサ119の第1検出温度Tpを、信号として取得する。制御装置150は、第2温度センサ118の第2検出温度Teを、信号として取得する。制御装置150は、これらの信号を用いて、ランキンサイクル装置200の構成要素を制御する。
制御装置150は、コンバータを用いて発電機116を制御する。これにより、膨張機構112aが作動流体を膨張させることを禁止したり、膨張機構112aが作動流体を膨張させることを許可したりすることができる。
コンバータにより、発電機116の回転数を目標回転数に追従させる制御を行うことができる。目標回転数をゼロにすることにより、膨張機構112aを強制停止することができる。コンバータによる発電機116の制御を通じて、膨張機構112aの膨張動作を許可することもできる。以下では、膨張機構112aを強制停止させ膨張機112の回転軸112bの回転を禁止する様を、膨張機112の軸回転を強制停止させると称することがある。また、膨張機構112aの膨張動作を許可して膨張機112の回転軸112bの回転を許可する様を、膨張機112の軸回転を許可すると称することがある。
定性的には、制御装置150は、コンバータを用いて発電機116に直流電流を流すことにより、膨張機構112aを強制停止することができる。膨張機112の回転軸112bに発電機116が接続されているので、発電機116に電流を流すと、膨張機構112aに制動力が働く。こうすると、膨張機112の入口と出口との間に圧力差が生じても膨張機構112aは動かない。つまり、膨張機構112aの回転数はゼロとなる。
また、制御装置150は、コンバータを用いて発電機116の端子間電圧をゼロにすることにより、膨張機構112aが動作することを許可することができる。このようにして膨張機構112aの強制停止を解除すると、膨張機112の入口と膨張機112の出口における作動流体の圧力差に基づいて、膨張機構112aを動作させることができる。
制御装置150は、ポンプ駆動回路を用いて電動機121を制御する。この制御により、ポンプ115を駆動することができる。具体的には、ポンプ駆動回路から電動機121に電力を供給しつつ、ポンプ駆動回路により電動機121の回転数を制御する。これにより、ポンプ115の回転数が制御される。
制御装置150は、冷却用駆動回路を用いて電動機122を制御する。この制御により、流量調整装置120を駆動することができる。具体的には、冷却用駆動回路から電動機122に電力を供給しつつ、冷却用駆動回路により電動機122の回転数を制御する。これにより、流量調整装置120の回転数が制御される。
制御装置150は、バイパス弁駆動回路を用いてバイパス弁117を制御する。具体的には、バイパス弁駆動回路からバイパス弁117に電力を供給しつつ、バイパス弁駆動回路によりバイパス弁117の開度を制御する。
ランキンサイクル装置200の起動制御運転は、ランキンサイクル装置200の運転を開始する指令が外部から制御装置150に入力されたときに開始される。この指令は、本実施の形態では信号である。
以下、図3及び図4を用いて、本実施の形態における起動制御運転の制御シーケンスを説明する。なお、図4の上から1段目のグラフは、蒸発器111での作動流体の加熱量、具体的には蒸発器111において作動流体に与えられる単位時間当たりの熱量、の時間変化を模式的に示している。2段目のグラフは、バイパス弁117の開度の時間変化を模式的に示している。3段目のグラフは、ポンプ115の回転数Npの時間変化を模式的に示している。4段目のグラフは、膨張機構112aの回転数Neの時間変化を模式的に示している。5段目のグラフは、第2温度センサ118の第2検出温度Teの時間変化を模式的に示している。6段目のグラフは、第1温度センサ119の第1検出温度Tpの時間変化を模式的に示している。7段目のグラフは、流量調整装置120から凝縮器113への冷却媒体の流量Qcの時間変化を模式的に示している。具体的には、流量Qcは、単位時間当たりに流量調整装置120から凝縮器113に移動する冷却媒体の量を指す。
ステップS100は、バイパス弁117を開くステップである。一例では、バイパス弁117の開度をゼロから80%以上100%以下まで増加させる。ステップS100において、バイパス弁117の開度を100%すなわち全開にしてもよい。また、バイパス弁117を一気に開いてもよく、バイパス弁117の開度を徐々に増加させてもよい。この例では、ステップS220までは、バイパス弁117の開度は80%以上100%以下の範囲に維持される。ステップS100は、ランキンサイクル装置200の運転開始の指令が外部から制御装置150に入力されたタイミングで開始される。
ステップS110は、凝縮器113における作動流体の冷却を開始するステップである。具体的には、ステップS110は、流量調整装置120から凝縮器113への冷却媒体の供給が開始されるステップである。図4に示す例では、流量調整装置120から凝縮器113への冷却媒体の流量Qcが所定の流量に達した後、流量Qcを一定の値に維持する。ただし、冷却媒体の流量Qcを徐々に増加させてもよい。流量Qcは、例えば複数段階に分けて増加させることができる。本実施の形態では、ステップS200までは、第1検出温度Tpを閾値温度Tp1以上に上昇させるのに適した値に流量Qcを設定する。図3に示すように、本実施の形態では、ステップS200までは、流量Qcは、流量Qc1以下に維持される。本実施の形態では、ステップS110は、バイパス弁117の開度が80%以上100%以下の範囲まで増加したタイミングで開始される。
ステップS120は、膨張機構112aの強制停止を開始するステップである。膨張機構112aが強制停止されると、膨張機構112aの回転数Neは、強制的にゼロに維持される。ステップS120は、凝縮器113の冷却が開始されたタイミングで開始される。
ステップS130は、ポンプ115の運転を開始するステップである。ステップS130は、膨張機構112aの強制停止が開始されたタイミングで開始される。
ステップS140は、蒸発器111における作動流体の加熱を開始するステップである。作動流体の加熱が進むと、蒸発器111の出口から、気化した作動流体が流出されるようになる。ステップS140は、ポンプ115の運転が開始された後に開始される。
ステップS150は、第1検出温度Tpが第1閾値温度Tp1以上であるか否かを判断するステップである。ステップS150において、温度TpがTp1以上であると判断されると、ステップS160に進む。温度TpがTp1未満であると判断されると、ステップS150が繰り返される。
第1閾値温度Tp1は、潤滑油の粘度が低く、潤滑油の流動状態が良いと判断できる温度に設定されている。一例では、第1閾値温度Tp1は、40℃以上60℃以下である。
膨張機構112aを構成する部品同士の間には、隙間が存在する。膨張機構112aの回転数Neがゼロに維持されている場合であっても、ポンプ115が動作していると、膨張機112の入口と出口で圧力差が生じ、上記隙間を通じた作動流体及び潤滑油の微小流れが発生する。この微小流れは、作動流体及び潤滑油を、容器112c内へ流入させ、また、容器112c外に流出させる。ただし、膨張機構112aの回転数Neがゼロに維持されている場合には、積極的に作動流体及び潤滑油が容器112cに流入したり容器112cから流出したりするわけではない。この微小流れのみにより容器112c内の潤滑油を十分に増やすことは難しい。このため、本実施の形態では、容器112c内の潤滑油を増やすために、ステップS160及びステップS170のセットを少なくとも一回実行する。具体的には、本実施の形態では、このセットを複数回繰り返す。
ステップS160は、膨張機構112aの強制停止をΔtr秒解除するステップである。具体的には、コンバータを用いて発電機116の端子間電圧をゼロにし、膨張機構112aの強制停止を解除する。膨張機構112aの強制停止が解除されると、膨張機112の入口と出口の間の作動流体の圧力差に基づいて、無負荷状態で膨張機構112aが回転する。この回転時には、入口と出口の圧力差に基づいて、吸入口112dを通して潤滑油を多く含んだ作動流体が吸入される。また、この回転時には、容器112c上部で滞留していた作動流体が、吐出口112eを通して容器112c外部へと吐出される。
ステップS180は、第2検出温度Teが第2閾値温度Te1以上であるか否かを判断するステップである。ステップS180において、温度TeがTe1以上であると判断されると、ステップS190に進む。ステップS180において、温度TeがTe1未満であると判断されると、ステップS170に進む。
ステップS170は、膨張機構112aをΔts秒強制停止するステップである。具体的には、コンバータを用いて発電機116に直流電流を流し、膨張機構112aを強制停止させる。ステップS170が終了すると、ステップS160に進む。
本実施の形態では、ステップS170を行うとき、具体的にはステップS160及びステップS170を行うときに、ポンプ回転数Npを予め定められた回転数Np1以下に維持する。また、このときに、バイパス弁117の開度Ovを予め定められた開度Ov1以上に維持する。このようにすれば、膨張機112の入口と出口の圧力差が過度に大きくなり、膨張機構112aの回転トルクが過度に高くなることが防止できる。これにより、膨張機構112aを強制停止させようとするときに、直流電流の印加では膨張機構112aの強制停止できないという事態を回避することができる。
回転数Np1は、例えば、ランキンサイクル装置200の定格運転時の回転数の10%〜50%である。回転数Np1は、具体的には、600rpm〜1800rpmにすることができる。開度Ov1は、例えば、80%〜100%である。
ステップS160及びステップS170は、第2検出温度Teが第2閾値温度Te1以上であると判断されるまで交互に繰り返される。本実施の形態では、強制停止の解除時間Δtrを強制停止時間Δtsよりも短くしている。これにより、容器112cから液体状態の作動流体が流出し、液体状態の作動流体に溶け込んだ潤滑油が流出し、容器内112cからの潤滑油の流出が流入を上回るという事態を回避している。一例では、強制停止解除時間Δtrは10〜30秒である。一例では、強制停止時間Δtsは120〜300秒である。一例では、強制停止解除時間Δtrと強制停止時間Δtsとの比率は、1:10〜1:30である。
ステップS190は、膨張機構112aの強制停止を解除するステップである。ステップS190は、第2検出温度Teが第2閾値温度Te1以上になった後に実施される。第2閾値温度Te1は、容器112c内の作動流体の昇温が進み、容器112c内で液化した作動流体の量を減少できたと判断できる温度に設定されている。一例では、第2閾値温度Te1は100℃以上150℃以下である。
ステップS200は、冷却媒体の流量Qcを予め定められた流量Qc2まで増加させるステップである。ステップS200は、膨張機構112aの強制停止が解除されたタイミングで開始される。
ところで、膨張機構112aの強制停止解除直後には、回転数制御が不安定になり易い。これを考慮し、本実施の形態では、図4に示すように、強制停止解除後に、冷却媒体の流量Qcを流量Qc2に維持する期間を設けている。これにより、流量Qcの変化によるサイクルの変化を抑えることができる。これにより、膨張機構112aが安定して動作し易くなる。
ステップS210は、ポンプ115の回転数Npを予め定められた回転数Np2まで増加させるステップである。本実施の形態では、ステップS210は、冷却媒体の流量Qcが流量Qc2まで増加されたタイミングで開始される。ただし、ステップS200の開始時点とステップS210の開始時点は同じであってもよい。
ステップS220は、バイパス弁117の開度Ovを小さくするステップである。バイパス弁117の開度Ovを小さくすることによって、膨張機112の入口における作動流体の圧力と膨張機112の出口における作動流体の圧力との差は増加する。圧力差の増加により、膨張機構112aの動作が促進され、膨張機構112aの始動が容易になる。一例では、ステップS220において、バイパス弁117の開度Ovを60%〜80%まで減少させる。
ステップS230は、膨張機構112aの回転数Neが閾値回転数Ne2以上であるか否かを判断するステップである。ステップS230において、回転数Neが閾値回転数Ne2以上であると判断されると、ステップS240に進む。ステップS230において、回転数Neが閾値回転数Ne2未満であると判断されると、ステップS220に進む。
ステップS190による膨張機構112aの強制停止の解除と、ステップS220によるバイパス弁117の開度減少とにより、膨張機構112aの回転数がゼロから増加する。やがて、膨張機構112aの回転数Neが、膨張機構112aの回転数制御が可能な回転数に達する。ステップS230の回転数Ne2は、回転数制御が可能な回転数以上の回転数に設定されている。このため、ステップS230は、膨張機構112aの回転数制御が可能な回転数に達したか否かを判断するステップであると言える。そして、そのような回転数に達した場合には、ステップS240へと移行する。
ステップS240は、ポンプ115の回転数Npを増加させるステップである。
ステップS250は、バイパス弁117の開度Ovを小さくするステップである。一例では、ステップS250において、バイパス弁117の開度Ovを0%〜60%まで減少させる。
ステップS260は、膨張機構112aの回転数Neを、制御装置150による回転数制御により増加させるステップである。
ステップS270は、冷却媒体の流量Qcを増加させるステップである。
ステップS280は、第2検出温度Teが予め定められた第3閾値温度Te3以上であるか否かを判断するステップである。ステップS280において、温度TeがTe3以上であると判断されると、ステップS290に進む。ステップS280において、温度TeがTe3未満であると判断されると、ステップS240に進む。一例では、第3閾値温度Te3は150℃以上180℃以下である。
ステップS290は、ポンプ115の回転数Npを調整するステップである。
ステップS300は、膨張機構112aの回転数Neを調整するステップである。
ステップS310は、冷却媒体の流量Qcを調整するステップである。
本実施の形態では、ステップS280の第3閾値温度Te3は、ランキンサイクル装置200の通常運転時における温度Teの目標値と同じである。ステップS290からS310では、第2検出温度Teを第3閾値温度Te3に維持しつつ、ポンプ115の回転数Np、膨張機構112aの回転数Ne及び冷却媒体の流量Qcを、それぞれの目標値に調整する。本実施の形態では、これらの目標値は、回転数Np、回転数Ne及び流量Qcの通常運転時の目標値と同じである。図4のタイムチャートでは、温度Teが第3閾値温度Te3でありかつ回転数Np、回転数Ne及び流量Qcが目標値に達したときに、ステップS320に進むこととしている。
ステップS320の通常運転では、ポンプ115の回転数Np、膨張機構112aの回転数Ne及び冷却媒体の流量Qcを制御する。膨張機構112a及びポンプ115の回転数制御には公知の制御を行うことができる。本実施の形態では、通常運転において、ポンプ115の回転数Np、膨張機構112aの回転数Ne及び流量Qcが起動制御運転終了時の値に維持されている。しかし、通常運転に移行した後は、蒸発器111の加熱状態、凝縮器113の冷却状態の変化によって、個々の値を再度調整しても良い。ここで、起動制御運転は、通常運転に移行する前の運転を指す。起動制御運転は、図3及び図4に示す期間A1〜F1までにおいて実行される運転である。
図3及び図4における期間A1は、ステップS100からステップS140までの期間に対応する期間である。
期間B1は、蒸発器111の加熱開始後の期間である。また、期間B1は、温度Tpが第1閾値温度Tp1以上まで上昇したと判断されるまでの期間である。期間B1は、ステップS150に対応する。
期間C1は、温度Tpが第1閾値温度Tp1以上まで上昇したと判断された後の期間である。また、期間C1は、温度Teが第2閾値温度Te1以上まで上昇したと判断され膨張機構112aの強制停止が解除されるまでの期間である。期間C1は、ステップS160からステップS190までの期間に対応する。
期間D1は、膨張機構112aの強制停止が解除された後の期間である。また、期間D1は、膨張機構112aの回転数Neが回転数Ne2以上まで増加したと判断されるまでの期間である。期間D1は、ステップS200からステップS230までの期間に対応する。
期間E1は、回転数Neが回転数Ne2以上まで増加したと判断された後の期間である。また、期間E1は、温度Teが第3閾値温度Te3以上まで上昇したと判断されるまでの期間である。また、期間E1は、温度Teが第3閾値温度Te3まで昇温するように、ポンプ115の回転数Np、バイパス弁117の開度Ov、膨張機構112aの回転数Ne及び冷却媒体の流量Qcを調整する期間である。期間E1は、ステップS240からステップS280までの期間に対応する。
期間F1は、温度Teが第3閾値温度Te3以上まで増加したと判断された後の期間である。期間F1は、温度Teを第3閾値温度Te3に維持しつつ、回転数Np、回転数Ne及び流量Qcをそれぞれの目標値に調整する期間である。期間F1は、ステップS290からステップS310までの期間に期間に対応する。
以上のように、本実施の形態では、蒸発器111における作動流体の加熱が開始されてから第1温度センサ119の検出温度である第1検出温度Tpが第1閾値温度Tp1に達するまでの第1期間において、回転軸112bの回転である軸回転を連続的に強制停止する。第1検出温度Tpが第1閾値温度Tp1に達してから第2温度センサ118の検出温度である第2検出温度Teが第2閾値温度Te1に達するまでの第2期間において、軸回転の強制停止と軸回転の許可とのセットを少なくとも一回実行する。そして、第2期間よりも後に、流量Qcを、第1期間及び第2期間に比べて大きい値まで上昇させる。このように、本実施の形態では、第2期間よりも後に、冷却媒体の流量Qcを、第1期間及び第2期間に比べて大きい値まで上昇させる。このため、第1期間及び第2期間において、冷却媒体の流量Qcを抑え、凝縮器113から外部への放熱量を抑えることができる。このため、これらの期間において、ポンプ115及びその周辺における潤滑油の温度を上昇させ易くなり、該潤滑油の粘度を下げ易くなり、該潤滑油が流れる際の粘性による流動抵抗を下げ易くなる。典型的には、ランキンサイクル装置200の運転が開始される時点において、膨張機112の容器112c内上部に気体状態の作動流体が存在する。容器112c内下部に液体状態の作動流体が存在する。本実施の形態の第2期間では、膨張機112の軸回転の強制停止と許可とのセットを少なくとも一回実行する。軸回転を強制停止する期間が存在することにより、膨張機112の容器112cから気体状態の作動流体が流出することを許容しつつ、これに続いて液体状態の作動流体が流出することを防止し易くなる。具体的には、気体状態の作動流体の流出後に、液体状態の作動流体が膨張機112の膨張機構112aまで吸い上げられて容器112c外部に流出する事態を回避し易くなる。従って、液体の作動流体に溶け込んだ潤滑油が容器112c外部に流出し難くなる。また、上述の理由で、本実施の形態の第2期間では、ポンプ115及びその周辺における潤滑油は、流動抵抗が下がった状態にある。その潤滑油を、軸回転を許可する期間において、作動流体と共に膨張機112の容器112cへと圧送することができる。このような理由で、本実施の形態によれば、膨張機112の容器112cからの潤滑油の流出を抑制しつつ、容器112cへの潤滑油の流入を促進させることができる。これにより、容器112cが保持する潤滑油を増加させることができる。従って、本実施の形態は、膨張機112における潤滑油不足を解消するのに適している。なお、本実施の形態の第1期間は、図3のステップS140が実行されてから、ステップS150でYESと判断されるまでの期間に対応する。また、第2期間は、ステップS150でYESと判断されてから、ステップS180でYESと判断されるまでの期間に対応する。
また、本実施の形態では、第1期間及び第2期間における流量Qcは、ランキンサイクル装置の定格運転時に比べて小さい。このため、本実施の形態の第2期間においては、ポンプ115及びその周辺における潤滑油の流動抵抗が下がった状態となり易い。なお、定格運転は、ランキンサイクル装置から取り出されるエネルギーを、ランキンサイクル装置の運転状態毎に定められた目標値に追従させる運転である。定格運転は、上述の起動制御運転ともランキンサイクル装置を停止させるための運転とも区別される。本実施の形態では、目標値は、少なくとも蒸発器111における作動流体の加熱状態及び凝縮器112における作動流体の冷却状態に依存して設定される。目標値は、例えば、検出温度Te及び検出温度Tpに依存する数式又はテーブルに従って設定される。本実施の形態では、目標値は、ランキンサイクル装置の安全性を損なわない範囲でエネルギーを最大限取り出せるように設定される。上述の説明から理解されるように、本実施の形態では、エネルギーは、電力として取り出される。本実施の形態では、図3及び図4の通常運転が、定格運転に対応する。
また、本実施の形態では、第2期間において、第1時間幅にわたる軸回転の強制停止と、第2時間幅にわたる軸回転の許可とのセットを少なくとも一回実行する。第1時間幅は、第2時間幅よりも長い。本実施の形態の第2期間では、軸回転が許可される時間幅が比較的短い。この短さにより、気体状態の作動流体の流出後に、液体状態の作動流体が膨張機構112aまで吸い上げられて容器112c外部に流出する事態を回避し易くなる。従って、液体の作動流体に溶け込んだ潤滑油が容器112c外部に流出し難くなる。また、膨張機112の軸回転が許可されているときには、膨張機112の容器112c内へと潤滑油が入り込む。入り込んだ潤滑油は、容器112c内の構造物に付着する。付着した潤滑油は、重力により容器112c下部へと移動する。その後、潤滑油は、液体状態の作動流体と共に保持される。本実施の形態の第2期間では、膨張機112の軸回転が強制停止される時間幅が比較的長い。この長さにより、構造物に付着した潤滑油が気体状態の作動流体と共に容器112c外部に流出する事態を回避し易くなり、上記のようにして液体状態の作動流体と共に保持される潤滑油の量を確保し易くなる。本実施の形態によれば、以上のようにして、容器112c内の潤滑油を増加させることができる。なお、第1時間幅を第2時間幅よりも長くすることによる上記効果は、容器112c内部における気体状態の作動流体が減少している場合に、好適に発揮され易い。例えば、上記効果は、ランキンサイクル装置200の運転停止後に暫く時間をおいてからランキンサイクル装置200を再起動させる場合に、好適に発揮され易い。
具体的には、本実施の形態では、第2期間において、上記セットを複数回実行する。このようにすれば、膨張機112の容器112cからの潤滑油の流出を好適に抑制しつつ、容器112cへの潤滑油の流入を好適に促進させることができる。
また、本実施の形態では、ランキンサイクル装置200は、発電機116を含む。発電機116は、回転軸112bに接続されている。第2期間において、軸回転の強制停止を、発電機116に直流電流を流すことによって実行する。第2期間において、バイパス弁117の開度を80%〜100%に維持する。第2期間よりも後に、ポンプ115の回転数を、第2期間に比べて大きい値まで上昇させる。本実施の形態の第2期間では、バイパス弁117の開度が比較的大きく、ポンプ115の回転数が比較的低い。これにより、第2期間において、膨張機構112aのトルクが過度に大きくなることが防止される。このようにすれば、直流電流の印加では膨張機構112aの強制停止ができないという事態を回避することができる。
また、本実施の形態では、第1期間及び第2期間において第1検出温度が上昇する。そして、第2期間よりも後に、第1検出温度が低下する期間が現れる。このようにすると、第2期間において、ポンプ115及びその周辺における潤滑油の流動抵抗が下がった状態になり易い。
図4等から理解されるように、本実施の形態では、有限期間において、冷却媒体の凝縮器113への流量Qcがゼロよりも大きい状態を維持する。そして、有限期間よりも後に、流量Qcの時間微分を、正でありかつ有限期間に比べて大きい値にする。このように、本実施の形態では、流量Qcの時間微分が相対的に小さい有限期間が設定される。このようにして設定された有限期間は、流量Qcが抑えられた期間である。このため、この有限期間では、凝縮器113における作動流体の冷却量が抑制され、ポンプ115の入口における作動流体の過度な圧力低下が防止される。そのような有限期間を過度な圧力低下が発生し易い期間と重なるように設定することにより、圧力低下が原因でポンプに気液二相状態の作動流体が流入するリスクを低減させることができる。以上の理由で、本実施の形態によれば、ランキンサイクル装置の起動時の信頼性を確保することができる。
図4の例では、期間B1及び期間C1を含む流量Qcが一定である期間が「有限期間」に該当する。ただし、期間D1の一部である流量Qcが一定である期間を「有限期間」と捉えることもできる。
本実施の形態では、有限期間は、流量Qcの時間微分がゼロである期間を含む。つまり、有限期間は、流量Qcが一定である期間を含む。ポンプ115には、凝縮器113で冷却された作動流体が流入する。このため、ポンプ115入口の作動流体の状態は、凝縮器113における冷却媒体の流量Qcに影響される。流量Qcの時間微分がゼロである期間においては、ポンプ115入口の作動流体の状態の変化が抑制され易く、ポンプ115を安定して制御し易い。本実施の形態の有限期間は、そのような期間を含んでいる。このため、本実施の形態は、ランキンサイクル装置の起動時の信頼性を確保するのに適している。
本実施の形態では、有限期間における流量Qcの時間微分は、常にゼロ以上である。つまり、有限期間は、流量Qcが減少する期間を含まない。蒸発器111における作動流体の加熱が開始されると、ランキンサイクルにおける作動流体の温度が全体として上昇していく。ランキンサイクル装置の信頼性確保の観点からは、この温度上昇が過度に速くなることを防止することが望ましい。この点、本実施の形態の有限期間における流量Qcの時間微分は、常にゼロ以上である。このようにすれば、上記のような過度に速い温度上昇が発生し難い。この効果は、蒸発器111における作動流体の加熱量の時間微分が大きい場合に特に好適に発揮され得る。以上の理由で、本実施の形態は、ランキンサイクル装置の起動時の信頼性を確保するのに適している。
有限期間は、流量Qcの時間微分が負の値である期間を含んでいてもよい。
本実施の形態では、有限期間よりも後かつ蒸発器111における作動流体の加熱開始後に、流量Qcの時間微分を、正でありかつ有限期間に比べて大きい値にする。蒸発器111における作動流体の加熱開始後は、凝縮器113における作動流体の冷却が原因でポンプ115に気液二相状態の作動流体が流入するリスクが低下していく。このため、蒸発器111における作動流体の加熱開始後は、冷却媒体の流量Qcの時間微分を大きくするタイミングとして適している。
本実施の形態では、有限期間における流量Qcは、ランキンサイクル装置の定格運転時に比べて小さい。具体的には、有限期間における流量Qcは、ランキンサイクル装置の定格運転時の5〜80%である。これらの特徴は、有限期間においてポンプ115に気液二相状態の作動流体が流入するリスクを低減させる観点から有利である。なお、有限期間における流量Qcは、ランキンサイクル装置の定格運転時の5〜60%であってもよく、ランキンサイクル装置の定格運転時の5〜40%であってもよい。
本実施の形態では、有限期間において、循環経路135のうち凝縮器113の出口とポンプ115の入口の間の部分における作動流体を過冷却状態に維持する。有限期間における同作動流体の過冷却度は、例えば3〜20Kに制御することができる。
本実施の形態では、流量調整装置120は、流量Qcを調整するための専用装置である。このため、凝縮器113以外の機器に影響を及ぼすことなく流量Qcを調整することができる。
(実施の形態2)
次に、実施の形態2について説明する。図5に、実施の形態2の起動制御運転のタイムチャートを示す。実施の形態2と実施の形態1との相違は、期間C1における膨張機112の制御である。実施の形態2では、実施の形態1と共通する部分については、説明を省略する。
実施の形態2では、期間C1において、強制停止時間Δtsを強制停止の解除時間Δtrよりも短くして、膨張機構112aの強制停止及びその解除を繰り返す。一例では、強制停止時間Δtsは30〜60秒である。一例では、強制停止の解除時間Δtrは60〜120秒とする。一例では、強制停止解除時間Δtrと強制停止時間Δtsとの比率は、2:1〜4:1である。
このように、本実施の形態では、第2期間において、第1時間幅にわたる軸回転の強制停止と、第2時間幅にわたる軸回転の許可とのセットを少なくとも一回(具体的には複数回)実行する。第1時間幅は、第2時間幅よりも短い。ここで、上述のとおり、第2期間は、第1検出温度Tpが第1閾値温度Tp1に達してから第2温度センサ118の検出温度である第2検出温度Teが第2閾値温度Te1に達するまでの期間である。容器112c内部における気体状態の作動流体が多い場合には、容器112c内の気体状態の作動流体が液体状態に戻ることを防止することが、容器112c内の潤滑油を増加させるのに有利である。これを考慮し、本実施の形態の第2期間では、軸回転が許可される時間幅を比較的長くしている。このようにすることが容器112c内の潤滑油を増加させるのに有利である理由は、以下のように説明される。膨張機112の軸回転が許可されているときには、容器112cの熱の容器112c外への放熱と、蒸発器111で加熱された高温の作動流体の容器112c内部への流入とが、容器112c内部の作動流体の温度に影響を与える。本実施の形態の第2期間では、軸回転が許可される時間幅が比較的長い。このため、高温の作動流体の流入が膨張機112の容器112c内の作動流体の温度に及ぼす影響が大きい。このため、容器112c内の作動流体の温度を確保し易い。このため、容器112c内の作動流体が液体状態に戻ることを防止し易い。容器112c内部における気体状態の作動流体が多い場合に軸回転が許可される時間幅を長くすると、比較的長時間にわたり、気体状態の作動流体を容器112c外部に流出させつつ、容器112c内部に潤滑油を流入させることができる。このため、液体状態の作動流体に溶け込んだ潤滑油が容器112c外部に流出する事態を回避しつつ、容器112c内部に多くの潤滑油を流入させることができる。本実施の形態によれば、以上のようにして、容器112c内の潤滑油を増加させることができる。なお、第1時間幅を第2時間幅よりも短くすることによる上記効果は、例えば、ランキンサイクル装置200の運転停止後にあまり時間をおかずにランキンサイクル装置200を再起動させる場合に、好適に発揮され易い。
図4及び5から理解されるように、実施の形態1及び2では、蒸発器111における作動流体の加熱が開始される前に、凝縮器113における作動流体の冷却が開始される。ただし、図6に示すように、蒸発器111における作動流体の加熱が開始された後に、凝縮器113における作動流体の冷却が開始されてもよい。
(実施の形態3)
実施の形態1及び2では、期間C1において、膨張機構112aの強制停止とその解除とを一定周期で繰り返す。これに対し、実施の形態3では、第2温度センサ118の第2検出温度Teに基づいて、膨張機構112aの強制停止とその解除とを繰り返す。具体的には、第2検出温度Teが基準温度Tbに到達した時点からΔtr秒間にわたり膨張機構112aの強制停止を解除し、その後膨張機構112aの強制停止を再開する。第2検出温度TeがTb+ΔTに到達した時点からΔtr秒間にわたり膨張機構112aの強制停止を解除し、その後膨張機構112aの強制停止を再開する。第2検出温度TeがTb+2×ΔTに到達した時点からΔtr秒間にわたり膨張機構112aの強制停止を解除し、その後膨張機構112aの強制停止を再開する。第2検出温度TeがTb+3×ΔTに到達した時点からΔtr秒間にわたり膨張機構112aの強制停止を解除し、その後膨張機構112aの強制停止を再開する。・・・第2検出温度TeがTb+N×ΔTに到達した時点からΔtr秒間にわたり膨張機構112aの強制停止を解除し、その後膨張機構112aの強制停止を再開する。ここで、Nは、自然数である。このような強制停止の解除と再開を、第2検出温度Teが第2閾値温度Te1に達するまで繰り返す。ΔTは、例えば10〜20℃である。Δtrは、例えば10〜120秒である。
このように、実施の形態3では、第2期間において、基準温度Tbに所定幅ΔTの整数倍を足し合わせた温度に第2検出温度Teが一致したときから第2時間幅Δtrにわたる軸回転の解除を実行し、その後、軸回転の強制停止を再開する。このようにしても、容器112c内の潤滑油を増加させることができる。
本開示に係る技術は、ランキンサイクル装置の起動時に好適に利用され得る。本開示にかかるランキンサイクル装置の起動方法は、作動流体によって熱を回収し、回収した熱を利用する熱回収システムに適用できる。また、この起動方法は、CHPシステム等のコジェネレーションシステムにも適用できる。
111 蒸発器
112 膨張機
112a 膨張機構
112b 回転軸
112c 容器
112d 吸入口
112e 吐出口
112f 供給機構
113 凝縮器
115 ポンプ
116 発電機
117 バイパス弁
118 第2温度センサ
119 第1温度センサ
120 流量調整装置
121 電動機
122 電動機
130 流体経路
135 循環経路
136 分岐点
137 合流点
140 バイパス経路
150 制御装置
151 配線
152 配線
153 配線
154 配線
200 ランキンサイクル装置

Claims (14)

  1. ランキンサイクル装置の起動方法であって、
    前記ランキンサイクル装置は、ポンプと、蒸発器と、膨張機構と、凝縮器と、流量調整装置と、を含み、
    前記ランキンサイクル装置では、作動流体が流れる循環経路が構成され、
    前記循環経路において、前記ポンプと、前記蒸発器と、前記膨張機構と、前記凝縮器と、がこの順に現れ、
    前記流量調整装置は、前記凝縮器において前記作動流体と熱交換される冷却媒体の前記凝縮器への流量を調整するものであり、
    有限期間において、前記流量がゼロよりも大きい状態を維持し、
    前記有限期間よりも後に、前記流量の時間微分を、正でありかつ前記有限期間に比べて大きい値にする、起動方法。
  2. 前記有限期間よりも後かつ前記蒸発器における作動流体の加熱開始後に、前記流量の時間微分を、正でありかつ前記有限期間に比べて大きい値にする、請求項1に記載の起動方法。
  3. 前記有限期間は、前記流量の時間微分がゼロである期間を含む、請求項1又は2に記載の起動方法。
  4. 前記有限期間における前記流量の時間微分は、常にゼロ以上である、請求項1〜3のいずれか一項に記載の起動方法。
  5. 前記有限期間における前記流量は、前記ランキンサイクル装置の定格運転時に比べて小さい、請求項1〜4のいずれか一項に記載の起動方法。
  6. 前記有限期間における前記流量は、前記ランキンサイクル装置の定格運転時の5〜80%である、請求項5に記載の起動方法。
  7. 前記ランキンサイクル装置は、膨張機と、第1温度センサと、第2温度センサと、バイパス弁と、を含み、
    前記膨張機は、前記膨張機構と、回転軸と、容器と、を有し、
    前記膨張機構は、前記回転軸に接続されており、
    前記容器は、前記膨張機構を収納しており、
    前記ランキンサイクル装置では、前記作動流体が流れるバイパス経路が構成され、
    前記循環経路において、前記ポンプと、前記蒸発器と、分岐点と、前記膨張機構と、合流点と、前記凝縮器と、がこの順に現れ、
    前記バイパス経路は、前記膨張機を迂回しつつ前記分岐点と前記合流点を接続しており、
    前記バイパス経路において、前記バイパス弁が現れ、
    前記第1温度センサは、前記循環経路における前記凝縮器の出口と前記ポンプの入口の間の部分に存する前記作動流体の温度を検出し、
    前記第2温度センサは、前記循環経路における前記蒸発器の出口と前記膨張機構の間の部分に存する前記作動流体の温度を検出し、
    前記蒸発器における前記作動流体の加熱が開始されてから前記第1温度センサの検出温度である第1検出温度が第1閾値温度に達するまでの第1期間において、前記回転軸の回転である軸回転を連続的に強制停止し、
    前記第1検出温度が前記第1閾値温度に達してから前記第2温度センサの検出温度である第2検出温度が第2閾値温度に達するまでの第2期間において、前記軸回転の強制停止と前記軸回転の許可とのセットを少なくとも一回実行し、
    前記第2期間よりも後に、前記流量を、前記第1期間及び前記第2期間に比べて大きい値まで上昇させる、請求項1〜6のいずれか一項に記載の起動方法。
  8. 前記第2期間において、第1時間幅にわたる前記軸回転の強制停止と第2時間幅にわたる前記軸回転の許可との前記セットを少なくとも一回実行し、
    前記第1時間幅は、前記第2時間幅よりも長い、請求項7に記載の起動方法。
  9. 前記第2期間において、第1時間幅にわたる前記軸回転の強制停止と第2時間幅にわたる前記軸回転の許可との前記セットを少なくとも一回実行し、
    前記第1時間幅は、前記第2時間幅よりも短い、請求項7に記載の起動方法。
  10. 前記第2期間において、前記セットを複数回実行する、請求項7〜9のいずれか一項に記載の起動方法。
  11. 前記膨張機は、発電機を含み、
    前記発電機は、前記回転軸に接続されており、
    前記第2期間において、前記軸回転の強制停止を、前記発電機に直流電流を流すことによって実行し、
    前記第2期間において、前記バイパス弁の開度を80%〜100%に維持し、
    前記第2期間よりも後に、前記ポンプの回転数を、前記第2期間に比べて大きい値まで上昇させる、請求項7〜10のいずれか一項に記載の起動方法。
  12. 前記第1期間及び前記第2期間において前記第1検出温度が上昇し、
    前記第2期間よりも後に、前記第1検出温度が低下する期間が現れる、請求項7〜11のいずれか一項に記載の起動方法。
  13. 前記流量調整装置は、前記流量を調整するための専用装置である、請求項1〜12のいずれか一項に記載の起動方法。
  14. ポンプと、蒸発器と、膨張機構と、凝縮器と、流量調整装置と、制御装置と、を含み、
    作動流体が流れる循環経路が構成され、
    前記循環経路において、前記ポンプと、前記蒸発器と、前記膨張機構と、前記凝縮器と、がこの順に現れ、
    前記流量調整装置は、前記凝縮器において前記作動流体と熱交換される冷却媒体の前記凝縮器への流量を調整するものであり、
    前記制御装置は、有限期間において、前記流量がゼロよりも大きい状態を維持し、
    前記制御装置は、前記有限期間よりも後に、前記流量の時間微分を、正でありかつ前記有限期間に比べて大きい値にする、ランキンサイクル装置。
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