JP2019026856A - 水分散型粘着剤組成物および粘着シート - Google Patents
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Abstract
【解決手段】アクリル系ポリマー(A)とアクリル系ポリマー(B)とを含む水分散型粘着剤組成物が提供される。上記アクリル系ポリマー(B)のTgは0℃以上であり、Mwは0.3×104より大きく5×104以下である。上記アクリル系ポリマー(A)のMwは、上記アクリル系ポリマー(B)のMwよりも高い。
【選択図】なし
Description
なお、以下の図面において、同じ作用を奏する部材・部位には同じ符号を付して説明することがあり、重複する説明は省略または簡略化することがある。また、図面に記載の実施形態は、本発明を明瞭に説明するために模式化されており、製品として実際に提供される本発明の粘着シートのサイズや縮尺を必ずしも正確に表したものではない。
2−エチルヘキシルアクリレート −70℃
n−ブチルアクリレート −55℃
メチルメタクリレート 105℃
n−ブチルメタクリレート 20℃
t−ブチルメタクリレート 107℃
シクロヘキシルアクリレート 15℃
シクロヘキシルメタクリレート 66℃
イソボルニルアクリレート 94℃
イソボルニルメタクリレート 180℃
アクリル酸 106℃
メタクリル酸 228℃
上記文献にも記載されていない場合には、溶液重合により合成したホモポリマーをシート状に成形し、粘弾性試験機を用いて周波数1Hzのせん断歪みを与えながら、温度領域−70℃〜150℃、5℃/分の昇温速度でせん断モードにより粘弾性を測定し、せん断損失弾性率G”のピークトップ温度に相当する温度(G”カーブが極大となる温度)を該ホモポリマーのTgとすることができる。
SP値=(ΣΔei/ΣΔvi)1/2 (2);
に従ってSP値が計算される。ΔeiおよびΔviの値は、例えば、日本接着学会誌、Vol.22、No.10(1986)p.566から得ることができる。なお、本明細書中においてSP値を表す数値の単位は、特に断りのない限り「(cal/cm3)1/2」である。
ここに開示される粘着剤組成物は、モノマー原料(A)の重合物であるアクリル系ポリマー(A)を含む。以下、アクリル系ポリマー(A)を「ポリマー(A)」と略記することがある。
上記ポリマー(A)は、典型的には、アルキル(メタ)アクリレートを主モノマーとして含み、該主モノマーと共重合性を有する副モノマーをさらに含み得るモノマー原料(A)の重合物である。ここで主モノマーとは、上記モノマー原料(A)におけるモノマー組成の50重量%超を占める成分をいう。
CH2=C(R1)COOR2 (1)
ここで、上記式(1)中のR1は水素原子またはメチル基である。また、R2は炭素原子数1〜20のアルキル基である。以下、このような炭素原子数の範囲を「C1−20」と表すことがある。粘着剤の貯蔵弾性率等の観点から、R2がC1−14(例えばC2−14)のアルキル基であるアルキル(メタ)アクリレートを好ましく使用し得る。例えば、R2がC4−12のアルキル基であるアルキル(メタ)アクリレートを主モノマーとして含むモノマー原料(A)が好ましい。R1が水素原子であってR2がC4−10のアルキル基であるアルキル(メタ)アクリレート(以下、単にC4−10アルキルアクリレートともいう。)がより好ましい。
ポリマー(A)に架橋基点となり得る官能基を導入し、あるいは粘着力の向上に寄与し得る副モノマーとして、カルボキシル基含有モノマー、水酸基(OH基)含有モノマー、アミド基含有モノマー、イミド基含有モノマー、アミノ基含有モノマー、エポキシ基含有モノマー、ケト基含有モノマー、アルコキシシリル基含有モノマー等の官能基含有モノマーが挙げられる。
次に、アクリル系ポリマー(B)についてより詳しく説明する。ここに開示される技術におけるアクリル系ポリマー(B)は、モノマー原料(B)の重合物であって、Mwが0.3×104より大きく5×104以下という比較的低分子量のポリマーである。以下、アクリル系ポリマー(B)を「ポリマー(B)」と略記することがある。ポリマー(B)のMwは、ポリマー(A)と同様に、GPC測定に基づく標準ポリスチレン基準の重量平均分子量(Mw)として求めることができる。より具体的には、後述する実施例に記載の方法に従ってMwを測定することができる。
好ましい一態様において、モノマー原料(B)は、ホモポリマーのTgが0℃未満のモノマーを実質的に含まない組成であり得る。例えば、モノマー原料(B)の実質的に全部が、ホモポリマーのTgが0℃以上のモノマーであってもよい。また、好ましい他の一態様において、モノマー原料(B)は、ポリマー(B)のTgが0℃以上となる限度で、ホモポリマーのTgが0℃未満のモノマーを含んでいてもよい。
ポリマー(B)のTgの上限は特に限定されず、例えば200℃以下であり得る。好ましい一態様において、ポリマー(B)のTgは、180℃以下とすることができ、150℃以下とすることが好ましく、120℃以下とすることがより好ましい。ポリマー(B)のTgが低くなると、粗面接着性が向上する傾向にある。
なお、本明細書中において粗面接着性とは、表面に微細な凹凸を有する被着体に対する接着性をいい、特に、主として気泡に起因する微細な凹凸を表面に有するプラスチック発泡体(例えば、軟質ウレタンフォーム等のような弾性発泡体)に対する接着性をいう。
このような(メタ)アクリレートがモノマー原料(B)に占める割合は、典型的には60重量%以上であり、70重量%以上であることが好ましく、80重量%以上であることがより好ましい。好ましい一態様において、モノマー原料(B)の例えば90重量%以上が(メタ)アクリレートであってもよく、モノマー原料(B)の実質的に全部が(メタ)アクリレートであってもよい。
なお、本明細書において「モノマー組成の実質的に全部」とは、モノマー組成の98重量%以上(典型的には99重量%以上)を占めることをいう。
上記連鎖移動剤の使用量は、例えば、n−ラウリルメルカプタンやtert−ラウリルメルカプタン等のアルキルメルカプタンから選択される連鎖移動剤に対して好ましく適用され得る。
ここに開示される粘着剤組成物は、ポリマー(A)とポリマー(B)とを組み合わせて含むことによって特徴づけられる。特に限定するものではないが、通常、モノマー原料(A)とモノマー原料(B)とは、それぞれ独立に重合されることが好ましい。ここに開示される粘着剤組成物は、それぞれ独立に製造(合成)されたポリマー(A)とポリマー(B)とを用意し、それらを混合して得られたものであり得る。例えば、ポリマー(A)を含む水性エマルションと、ポリマー(B)を含む水性エマルションとを用意し、これらを混合することを含む方法により、ここに開示される粘着剤組成物は好適に製造され得る。
この明細書によると、ここに開示されるいずれかの水分散型粘着剤組成物から形成された粘着剤層を備える粘着シートが提供される。かかる粘着剤層を基材(支持体)の片面または両面に有する形態の基材付き粘着シートであってもよく、上記粘着剤層が剥離ライナー(剥離面を備える基材としても把握され得る。)に保持された形態等の基材レスの粘着シートであってもよい。ここでいう粘着シートの概念には、粘着テープ、粘着ラベル、粘着フィルム等と称されるものが包含され得る。なお、上記粘着剤層は典型的には連続的に形成されるが、かかる形態に限定されるものではなく、例えば点状、ストライプ状等の規則的あるいはランダムなパターンに形成された粘着剤層であってもよい。また、本発明により提供される粘着シートは、ロール状であってもよく、枚葉状であってもよい。あるいは、さらに種々の形状に加工された形態の粘着シートであってもよい。
なお、ここでいう不織布は、主として粘着テープその他の粘着シートの分野において使用される粘着シート用不織布を指す概念であって、典型的には一般的な抄紙機を用いて作製されるような不織布(いわゆる「紙」と称されることもある。)をいう。また、ここでいう樹脂フィルムとは、典型的には非多孔質の樹脂シートであって、例えば不織布とは区別される(すなわち、不織布を含まない)概念である。上記樹脂フィルムは、無延伸フィルム、一軸延伸フィルム、二軸延伸フィルムのいずれであってもよい。また、該基材の粘着剤層が設けられる面には、下塗り剤の塗付、コロナ放電処理、プラズマ処理等の表面処理が施されていてもよい。
基材の厚さは特に限定されず、目的に応じて適宜選択できるが、一般的には10μm〜500μmであり、好ましくは10μm〜200μmである。耐反撥性の観点から、例えば厚さ10μm〜50μmの基材を好ましく採用することができる。
粘着剤のゲル分率は、重さW1の測定サンプルをテトラフルオロエチレン樹脂製多孔質シートに包んで室温で1週間酢酸エチルに浸漬した後、その測定サンプルを乾燥させて酢酸エチル不溶解分の重さW2を計測し、W1およびW2を次式:ゲル分率[%]=W2/W1×100;に代入することにより求められる。上記テトラフルオロエチレン樹脂製多孔質シートとしては、日東電工社製の商品名「ニトフロン(登録商標)NTF1122」(平均孔径0.2μm、気孔率75%、厚さ85μm)またはその相当品を使用することが望ましい。
アクリル系ポリマーの水性エマルションを130℃で2時間乾燥させて得られたサンプルを、室温にてTHFに7日間浸漬してTHF可溶分を溶出させた。その後、THF不溶分を濾過によって除去し、得られた濾液を必要に応じて濃縮または希釈して、THF可溶分を0.1〜0.3重量%程度の濃度で含むTHF溶液を調製した。そのTHF溶液につき下記の条件にてGPC測定を行って、標準ポリスチレン基準の重量平均分子量(Mw)を求めた。
〔GPC条件〕
装置:TOSOH製 HLC−8320GPC
カラム:TSKgel GMH−H(S)、2本連結
カラム温度:40℃
流量:0.5mL/分
23℃の環境下において、両面粘着シートの一方の粘着面に厚さ25μmのポリエチレンテレフタレート(PET)フィルムを貼り付けて裏打ちし、幅20mm、長さ100mmのサイズにカットして試料片を作製した。その試料片の他方の粘着面を被着体としてのステンレス鋼板(SUS304BA板)に、2kgのローラを1往復させて圧着した。これを23℃に30分間放置した後、JIS Z 0237(2004)に準じて、23℃、50%RHの測定環境下、引張試験機を使用して、引張速度300mm/分の条件で、ステンレス鋼板に対する180°引き剥がし粘着力(対SUS剥離強度)(N/20mm)を測定した。
被着体としてポリプロピレン板を用いた他は上記対SUS剥離強度の測定と同様にして、ポリプロピレン板に対する180°引き剥がし粘着力(対PP剥離強度)(N/20mm)を測定した。
JIS Z 0237(2004)に準拠して保持力試験を行った。すなわち、23℃の環境下において、両面粘着シートの一方の粘着面に厚さ25μmのPETフィルムを貼り付けて裏打ちし、幅10mmにカットして試料片を作製した。その試料片の他方の粘着面を、被着体としてのフェノール樹脂板に、幅10mm、長さ20mmの接着面積にて貼り付けた。これを40℃の環境下に30分間放置した後、フェノール樹脂板を垂下し、試料片の自由端(下端)に500gの荷重を付与した。上記荷重が付与された状態で40℃の環境下に1時間放置した。1時間後に試料片が落下していた場合には、保持力試験の結果を「落下」と表示した。それ以外の場合には、保持力試験の結果を「保持」と表示するとともに、最初の貼り付け位置からの試料片のズレ距離(mm)を測定し、その値をカッコ内に示した。
被着体として、厚さ10mmの軟質ウレタンフォーム(株式会社イノアックコーポレーション製、商品名「ECS」(灰色))を幅30mm、長さ100mmのサイズにカットしたものを用意した。
23℃の環境下において、両面粘着シートの一方の粘着面に厚さ25μmのPETフィルムを貼り付けて裏打ちし、幅20mm、長さ100mmのサイズにカットして試料片を作製した。この試料片の他方の粘着面を上記被着体に、厚さ1mmのスペーサーを介して、ラミネータを用いて0.2m/分の速度で圧着した。これを23℃に30分間保持した後、JIS Z 0237(2004)に準拠し、引張試験機を用いて、23℃、50%RHの測定環境にて引張速度300mm/分の条件で180°引き剥がし粘着力(粗面接着力)測定した。測定長さは少なくとも10mm以上とした。
23℃の環境下において、両面粘着シートの一方の粘着面を、厚さ10mmの軟質ウレタンフォーム(株式会社イノアックコーポレーションの商品名「ECS」(灰色))に、1kgのローラを一往復させて圧着した。これを23℃に1日間保持した後、幅10mm、長さ50mmのサイズにカットして試料片を作製した。
図7に示すように、この試料片50の他方の粘着面の長手方向の一端50Aから10mmまでの部分(すなわち、幅10mm、長さ10mmの接着面積)を、厚さ2mmのABS板52の一方の面52Aにおける外縁部に、2kgのローラを一往復させて圧着した。このとき、試料片50の一端50Aから10mmの位置をABS板52の外周端に合わせ、試料片50の残りの部分がABS板52から外方向に垂直に延びるように試料片50を配置した。次いで、図8に示すように、試料片50の残りの部分(幅10mm、長さ40mm)をABS板52の端から他方の面52Bに折り返して貼り合わせた。なお、図8において、符号502は粘着シートを、符号504は該粘着シートの一方の粘着面に圧着されたウレタンフォームを示している。これを23℃、50%RHの環境下に24時間放置した後、試料片50の一端50Aの浮き距離を測定した。なお、試料片50が面52Aから完全に剥離した場合には、評価結果を「剥離」と表示した。
両面粘着シートを幅10mm、長さ90mmのサイズにカットした。幅10mm、長さ90mm、厚さ0.3mmのアルミニウム板の表面をトルエンで洗浄し、上記両面粘着シートの一方の粘着面を上記アルミニウム板の表面に貼り合わせて、粘着剤層がアルミニウム板で裏打ちされた試料片を作製した。この試料片を23℃で1日間静置した後、図9(a)に示すように、試料片8のアルミニウム板85側を内側として、直径40mmの円柱状のガラス管9の外周に試料片8の長手方向を10秒間沿わせて反らせた。次いで、試料片8の粘着剤層82から剥離ライナー84を剥がし、図9(b)に示すように、あらかじめ洗浄したアクリル板(被着体)86の表面に、ラミネーターを用いて貼付圧力0.25MPa、貼付速度0.3m/minの条件で圧着した。23℃で24時間経過後、図9(b)に仮想線で示すように、試料片8の両端が被着体86の表面から浮き上がった高さh1,h2を測定し、両端の平均値を試料片8の浮き高さとして算出した。
〔実施例1〕
(アクリル系ポリマーA1の合成)
冷却管、窒素導入管、温度計および攪拌装置を備えた反応容器にイオン交換水30部を入れ、窒素ガスを導入しながら室温にて1時間以上攪拌した。次いで、系を60℃に昇温し、この反応容器に2,2’−アゾビス[N−(2−カルボキシエチル)−2−メチルプロピオンアミジン]ハイドレート(重合開始剤)(和光純薬工業株式会社、商品名「VA−057」)0.1部を投入し、系を60℃に保ちつつ、ここにモノマーエマルションを4時間かけて徐々に滴下した。モノマーエマルションとしては、n−ブチルアクリレート(BA)70部、2−エチルヘキシルアクリレート(2EHA)30部、アクリル酸(AA)3部、3−メタクリロイルオキシプロピルトリメトキシシラン(信越化学工業株式会社、商品名「KBM−503」)0.03部、n−ラウリルメルカプタン(連鎖移動剤)0.05部およびポリオキシエチレンラウリル硫酸ナトリウム(花王株式会社、商品名「ラテムルE118B」)2部をイオン交換水40部に添加して乳化したものを使用した。モノマーエマルションの滴下終了後、得られた反応混合物をさらに2時間60℃に保持した。系を常温まで冷却した後、10%アンモニウム水の添加によりpH7.5に調整して、アクリル系ポリマーA1の水性エマルション(A1e)を得た。
このアクリル系ポリマーA1は、モノマー組成から算出されるTgが−56℃であり、SP値が10.20であり、GPC測定に基づくMwは70×104であった。
冷却管、窒素導入管、温度計および攪拌機を備えた反応容器にイオン交換水40部を入れ、窒素ガスを導入しながら室温にて1時間以上攪拌した。次いで、系を60℃に昇温し、この反応容器に2,2’−アゾビス[N−(2−カルボキシエチル)−2−メチルプロピオンアミジン]水和物(重合開始剤)(和光純薬工業株式会社製、商品名「VA−057」)0.1部を投入し、系を60℃に保ちつつ、ここにモノマーエマルションを4時間かけて徐々に滴下した。モノマーエマルションとしては、シクロヘキシルアクリレート(CHA)95部、AA5部、tert−ラウリルメルカプタン(連鎖移動剤)8部およびポリオキシエチレンラウリル硫酸ナトリウム(乳化剤)(花王株式会社、商品名「ラテムルE118B」)2部をイオン交換水40部に添加して乳化したものを使用した。モノマーエマルションの滴下終了後、得られた反応混合物をさらに2時間60℃に保持した。系を常温まで冷却した後、10%アンモニウム水の添加によりpH7.5に調整して、アクリル系ポリマーB1の水性エマルション(B1e)を得た。
このアクリル系ポリマーB1は、モノマー組成から算出されるTgが18℃であり、SP値が10.78であり、GPC測定に基づくMwは0.49×104であった。
水性エマルションA1eの固形分100部に対して、水性エマルションB1eを固形分で30部加えて混合した。次いで、この混合物に含まれるアクリル系ポリマーA1とアクリル系ポリマーB1との合計量100部に対して、架橋剤としてn−デシルトリメトキシシラン(東レ・ダウコーニング社、商品名「Z−6210」)0.1部を配合した。さらに、増粘剤(東亞合成株式会社のポリアクリル酸、商品名「アロンB−500」)および10%アンモニウム水を用いて粘度を調節して、本例に係る水分散型粘着剤組成物を得た。
上記で得られた粘着剤組成物を、両面がシリコーン系剥離剤で処理された剥離ライナー(カイト化学工業株式会社製、商品名「SLB−80WD(V2)」)に、乾燥後の厚さが60μmとなるように塗付し、乾燥させて粘着剤層を形成した。この粘着剤層付き剥離ライナーを2枚用意し、それらの粘着剤層を不織布基材(大福製紙株式会社、商品名「SP−14K」)の両面にそれぞれ貼り合わせて、本例に係る両面粘着シートを作製した。
上記粘着剤層から採取した粘着剤を測定サンプルとして、上述した方法によりゲル分率を測定した。テトラフルオロエチレン樹脂製多孔質シートとしては、日東電工社製の商品名「ニトフロン(登録商標)NTF1122」を使用した。測定の結果、上記測定サンプルのゲル分率は28.8%であった。
アクリル系ポリマーB1の合成において、CHAに代えてシクロヘキシルメタクリレート(CHMA)を使用し、重合条件(重合温度、連鎖移動剤量、開始剤量および乳化剤量)を表1に示すとおりとして、アクリル系ポリマーB2の水性エマルション(B2e)を得た。この水性エマルションB2eを用いた他は実施例1と同様にして、本例に係る水分散型粘着剤組成物を得た。すなわち、水性エマルションA1eの固形分100部に対して、水性エマルションB2eを固形分で30部を加えて混合した。次いで、アクリル系ポリマーA1とアクリル系ポリマーB2との合計量100部に対して、n−デシルトリメトキシシラン(東レ・ダウコーニング社、商品名「Z−6210」)0.1部を配合した。さらに、増粘剤(東亞合成株式会社のポリアクリル酸、商品名「アロンB−500」)および10%アンモニウム水を用いて粘度を調節して、本例に係る水分散型粘着剤組成物を得た。この粘着剤組成物を用いた他は実施例1と同様にして両面粘着シートを作製した。実施例1と同様にして測定したゲル分率は30.9%であった。
アクリル系ポリマーB1の合成において、CHAに代えてイソボルニルアクリレート(IBXA)を使用し、重合温度、連鎖移動剤量、開始剤量および乳化剤量をそれぞれ表1に示すとおりとして、アクリル系ポリマーB3の水性エマルション(B3e)を得た。この水性エマルションB3eを用いた他は実施例1と同様にして粘着剤組成物を調製し、両面粘着シートを作製した。実施例1と同様にして測定したゲル分率は31.5%であった。
アクリル系ポリマーB1の合成において、CHAに代えてイソボルニルメタクリレート(IBXMA)を使用し、重合条件を表1に示すとおりとして、アクリル系ポリマーB4の水性エマルション(B4e)を得た。この水性エマルションB4eを用いた他は実施例1と同様にして粘着剤組成物を調製し、両面粘着シートを作製した。実施例1と同様にして測定したゲル分率は31.5%であった。
アクリル系ポリマーB1の合成において、CHAに代えてtert−ブチルメタクリレート(t−BMA)を使用し、重合条件を表1に示すとおりとして、アクリル系ポリマーB5の水性エマルション(B5e)を得た。この水性エマルションB5eを用いた他は実施例1と同様にして粘着剤組成物を調製し、両面粘着シートを作製した。
アクリル系ポリマーB1の合成において、CHAに代えてメチルメタクリレート(MMA)を使用し、重合温度、連鎖移動剤量、開始剤量および乳化剤量をそれぞれ表1に示すとおりとして、アクリル系ポリマーB6の水性エマルション(B6e)を得た。この水性エマルションB6eを用いた他は実施例1と同様にして粘着剤組成物を調製し、両面粘着シートを作製した。
水性エマルションB1eを使用しない点を除いては実施例1と同様にして粘着剤組成物を調製した。すなわち、水性エマルションA1eの固形分100部に対してn−デシルトリメトキシシラン(東レ・ダウコーニング社、商品名「Z−6210」)0.1部を配合し、さらに増粘剤(東亞合成株式会社のポリアクリル酸、商品名「アロンB−500」)および10%アンモニウム水を用いて粘度を調節した。この粘着剤組成物を用いた他は実施例1と同様にして両面粘着シートを作製した。実施例1と同様にして測定したゲル分率は40.7%であった。
アクリル系ポリマーB1の合成において、CHAに代えてn−ブチルアクリレート(BA)を使用し、重合条件を表1に示すとおりとして、アクリル系ポリマーB7の水性エマルション(B7e)を得た。この水性エマルションB7eを用いた他は実施例1と同様にして粘着剤組成物を調製し、両面粘着シートを作製した。
〔比較例3〕
アクリル系ポリマーB2の合成において、重合条件を表2に示すとおりとして、アクリル系ポリマーB8の水性エマルション(B8e)を得た。この水性エマルションB8eを用いた他は実施例1と同様にして粘着剤組成物を調製し、両面粘着シートを作製した。
アクリル系ポリマーB2の合成において、重合条件を表2に示すとおりとして、アクリル系ポリマーB9〜13の水性エマルション(B9e〜B13e)を得た。これらの水性エマルションB9e〜B13eをそれぞれ使用した他は実施例1と同様にして、実施例7〜11に係る粘着剤組成物を調製し、両面粘着シートを作製した。
アクリル系ポリマーB3の合成において、重合条件を表2に示すとおりとして、アクリル系ポリマーB14の水性エマルション(B14e)を得た。この水性エマルションB14eを使用した他は実施例1と同様にして粘着剤組成物を調製し、両面粘着シートを作製した。
アクリル系ポリマーB3の合成において、モノマーエマルションに含まれるモノマーの組成をIBXA100部に変更し(すなわち、AAを使用せず)、重合条件を表3に示すとおりとして、アクリル系ポリマーB15の水性エマルション(B15e)を得た。この水性エマルションB15eを用いた他は実施例1と同様にして粘着剤組成物を調製し、両面粘着シートを作製した。
アクリル系ポリマーB3の合成において、モノマーエマルションに含まれるモノマーの組成をIBXA97部およびAA3部に変更し、重合条件を表3に示すとおりとして、アクリル系ポリマーB16の水性エマルション(B16e)を得た。この水性エマルションB16eを用いた他は実施例1と同様にして粘着剤組成物を調製し、両面粘着シートを作製した。
アクリル系ポリマーB3の合成において、モノマーエマルションに含まれるモノマーの組成をIBXA93部およびAA7部に変更し、重合条件を表3に示すとおりとして、アクリル系ポリマーB17の水性エマルション(B17e)を得た。この水性エマルションB17eを用いた他は実施例1と同様にして粘着剤組成物を調製し、両面粘着シートを作製した。
アクリル系ポリマーB3の合成において、モノマーエマルションに含まれるモノマーの組成をIBXA90部およびAA10部に変更し、重合条件を表3に示すとおりとして、アクリル系ポリマーB18の水性エマルション(B18e)を得た。この水性エマルションB18eを用いた他は実施例1と同様にして粘着剤組成物を調製し、両面粘着シートを作製した。
実施例1において、水性エマルションB1eに代えて粘着付与樹脂エマルションを使用した。具体的には、水性エマルションA1eの固形分100部に対して、軟化点150℃のロジンフェノール系樹脂の水性エマルション(荒川化学株式会社、商品名「タマノルE−200NT」)を固形分で30部配合した。その他の点は実施例1と同様にして粘着剤組成物を調製し、両面粘着シートを作製した。
10 基材
21,22 粘着剤層
31,32 剥離ライナー
50 試料片
50A 一端
502 粘着シート
504 ウレタンフォーム
52 ABS板
52A 一方の表面
52B 他方の表面
8 試料片
82 粘着剤層(粘着シート)
84 剥離ライナー
85 アルミニウム板
86 アクリル板
9 ガラス管
アクリル系ポリマーB1の合成において、CHAに代えてtert−ブチルメタクリレート(t−BMA)を使用し、重合条件を表1に示すとおりとして、アクリル系ポリマーB5の水性エマルション(B5e)を得た。この水性エマルションB5eを用いた他は実施例1と同様にして粘着剤組成物を調製し、両面粘着シートを作製した。
アクリル系ポリマーB1の合成において、CHAに代えてメチルメタクリレート(MMA)を使用し、重合温度、連鎖移動剤量、開始剤量および乳化剤量をそれぞれ表1に示すとおりとして、アクリル系ポリマーB6の水性エマルション(B6e)を得た。この水性エマルションB6eを用いた他は実施例1と同様にして粘着剤組成物を調製し、両面粘着シートを作製した。
アクリル系ポリマーB3の合成において、モノマーエマルションに含まれるモノマーの組成をIBXA100部に変更し(すなわち、AAを使用せず)、重合条件を表3に示すとおりとして、アクリル系ポリマーB15の水性エマルション(B15e)を得た。この水性エマルションB15eを用いた他は実施例1と同様にして粘着剤組成物を調製し、両面粘着シートを作製した。
Claims (11)
- モノマー原料(A)の重合物であるアクリル系ポリマー(A)と、
モノマー原料(B)の重合物であるアクリル系ポリマー(B)と、
を含み、
前記アクリル系ポリマー(B)のガラス転移温度は0℃以上であり、
前記アクリル系ポリマー(B)の重量平均分子量は0.3×104より大きく5×104以下であり、
前記アクリル系ポリマー(A)の重量平均分子量は前記アクリル系ポリマー(B)の重量平均分子量よりも高い、水分散型粘着剤組成物。 - 前記モノマー原料(B)は、環状構造を有する(メタ)アクリレートを含む、請求項1に記載の水分散型粘着剤組成物。
- 前記モノマー原料(B)は、カルボキシル基含有モノマーを20重量%以下の割合で含む、請求項1または2に記載の水分散型粘着剤組成物。
- 前記アクリル系ポリマー(A)100重量部に対して前記アクリル系ポリマー(B)5〜50重量部を含む、請求項1から3のいずれか一項に記載の水分散型粘着剤組成物。
- 前記アクリル系ポリマー(B)の重量平均分子量は2×104未満である、請求項1から4のいずれか一項に記載の水分散型粘着剤組成物。
- 前記アクリル系ポリマー(B)のガラス転移温度は50℃以上120℃以下である、請求項1から5のいずれか一項に記載の水分散型粘着剤組成物。
- 前記モノマー原料(A)は、アルキル基の炭素原子数が4〜12であるアルキル(メタ)アクリレートを50重量%超の割合で含む、請求項1から6のいずれか一項に記載の水分散型粘着剤組成物。
- 前記モノマー原料(A)は、カルボキシル基含有モノマーを10重量%以下の割合で含む、請求項1から7のいずれか一項に記載の水分散型粘着剤組成物。
- 前記アクリル系ポリマー(A)のガラス転移温度は−20℃以下である、請求項1から8のいずれか一項に記載の水分散型粘着剤組成物。
- 前記アクリル系ポリマー(A)のSP値をSPAとし、前記アクリル系ポリマー(B)のSP値をSPBとしたとき、SPAとSPBとの差(SPA−SPB)として定義される溶解度差ΔSPが−2.0(cal/cm3)1/2より大きく2.0(cal/cm3)1/2未満である、請求項1から9のいずれか一項に記載の水分散型粘着剤組成物。
- 請求項1から10のいずれか一項に記載の水分散型粘着剤組成物を用いて形成された粘着剤層を有する、粘着シート。
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