JP2019025247A - 超音波撮像装置、および、画像処理装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】撮像時間が短く、サイドローブによるアーチファクトを低減した超音波画像を得る。
【解決手段】撮像領域に対して超音波を送信した後、撮像領域から戻った超音波を受信した信号を受け取って、撮像領域の画像を生成する。撮像領域に対する超音波の入射角度に応じた所定の方向について、画像の画素値分布を求め、画素値分布の高周波成分に含まれるノイズ成分を除去することによりサイドローブアーチファクトを除去する。
【選択図】図2
【解決手段】撮像領域に対して超音波を送信した後、撮像領域から戻った超音波を受信した信号を受け取って、撮像領域の画像を生成する。撮像領域に対する超音波の入射角度に応じた所定の方向について、画像の画素値分布を求め、画素値分布の高周波成分に含まれるノイズ成分を除去することによりサイドローブアーチファクトを除去する。
【選択図】図2
Description
本発明は、超音波を用いて被検体内の画像を撮像する超音波撮像技術に関する。
超音波撮像技術とは、一般的には20kHz以上の高周波の音波を用いて人体をはじめとする被検体の内部を非侵襲的に画像化する技術である。一つの例として、医用超音波診断装置について簡単に説明する。超音波探触子は、超音波を患者の体内に向けて送信し、患者体内から反射されるエコー信号を受信する。受信信号は、超音波探触子および超音波診断装置本体の一方またはその双方において信号処理を施された後、画像表示部に受け渡され、超音波画像が表示される。具体的には、例えば超音波診断装置本体に配置された送信ビームフォーマにおいて、所定の送信焦点に焦点を結ぶように遅延させた送信信号が生成され、送受信分離回路(T/R)を経た後に、超音波探触子の複数の素子に送られる。超音波探触子の複数の素子は、受け取った送信信号を超音波に変換することにより、所定の送信焦点に焦点を結ぶ集束した送信ビームを被検体に送信する。超音波探触子は、被検体体内からのエコー信号を受信し、受信信号を本体に伝達する。本体中で、受信信号は送受信分離回路を経て、受信ビームフォーマに受け渡され、受信ビームフォーマにおいて整相処理が施された後、画像処理部に伝達される。画像処理部では、各種フィルタ、スキャンコンバートなど様々な画像処理が実行され、超音波画像が生成される。最終的に画像表示部に超音波画像が表示される。
受信ビームフォーマは、超音波探触子を構成する複数素子の各受信信号(受信データ)に対して、受信焦点位置と素子の位置との関係に応じて凹面型に遅延量が分布する遅延時間を与えることにより、仮想的に空間のある一点(受信焦点)に焦点をあわせた後、受信信号データを加算する。この整相加算後データにより、撮像領域の受信焦点の位置の画素の値が生成される。この方法は、遅延加算方式による整相と呼ばれている。この遅延加算方式では、超音波診断装置の複数素子で受信された受信データと診断装置に蓄えられた固定の重みベクトルとを乗算し、重み付けしてから加算する場合もある。なお、遅延加算処理は、撮像領域に設定された受信走査線上の複数の受信焦点についてそれぞれ行われる。
集束する送信ビームを送信する撮像方法は、送信ビームが照射された撮像領域の範囲内に1本または数本の受信走査線を設定し、受信走査線上の複数の受信焦点に対して遅延加算後データが取得される。そのため、撮像領域の全体について遅延加算後データを得るためには、位置をずらしながら複数回送信ビームを送信する必要があり、撮像に時間がかかるという問題がある。
この問題に対し、超音波探触子の複数の素子から平面波の超音波を送信し、撮像領域全体に1回の送信で超音波を照射し、撮像領域全体に複数の受信走査線を設定して、それぞれの受信走査線上の受信焦点について遅延加算後データを得て画像を生成することにより、撮像時間を短縮する撮像方法がある。しかしながら、平面波の超音波を送信する撮像方法は、送信する超音波が焦点を結ばないためサイドローブが発生しやすく、サイドローブにより生じたエコー信号が、実際の被検体内の反射体(実像)の周辺にアーチファクトを生じさせる。この欠点を補うための技術として、平面波の送信角度を変えて複数回の送信を行い、それぞれの送信ごとに画像を生成し、生成した画像を加算することで、実像の信号強度を大きくし、アーチファクトに対するコントラストを高める手法が特許文献1に記載されている。
特許文献1の手法は、サイドローブによるアーチファクトに対する実像の画像上のコントラストを相対的に高めるものであるため、十分なコントラストを得るためには多くの超音波画像を加算する必要がある。そのため、複数の超音波画像を平面波の送信角度を変更しながら撮像する必要があり、撮像時間の低減効果が十分に得られないという課題があった。
本発明の目的は、撮像時間が短く、サイドローブによるアーチファクトを低減した超音波画像を得ることにある。
上記課題を解決するために、本発明の超音波撮像装置は、撮像領域に対して超音波を送信した後、撮像領域から戻った超音波を受信した信号を受け取って、撮像領域の画像を生成する画像生成部と、撮像領域に対する超音波の入射角度に応じた所定の方向について、画像の画素値分布を求め、画素値分布の高周波成分に含まれるノイズ成分を除去することによりサイドローブアーチファクトを除去する画像処理部とを有する。
本発明によれば、撮像時間が短く、サイドローブによるアーチファクトを低減した超音波画像を得ることができる。
以下、本発明の実施形態について図面を用いて説明する。
<<実施形態1>>
本実施形態では、送信した超音波10のサイドローブにより超音波画像にアーチファクト11が発生する方向が、超音波10の撮像領域への入射方向に依存することを利用して、サイドローブによるアーチファクトを除去する。すなわち、図1(a)〜(c)に示すように、超音波画像における撮像領域内の反射体12のサイドローブアーチファクトは、反射体12に入射する超音波10の波面に沿った方向に表れることに本実施形態では着目し、超音波画像の超音波の入射角度に応じた所定の方向について、画像の画素値分布を求め、画素値分布からノイズ成分を除去することによりサイドローブアーチファクトを除去する。より具体的には、超音波画像の画素値分布を少なくとも2方向について求め、高周波成分と低周波成分にそれぞれ分離し、超音波の入射方向に対応した所定方向の高周波成分に含まれるサイドローブによるノイズを除去することにより、サイドローブアーチファクト除去画像を生成する。
本実施形態では、送信した超音波10のサイドローブにより超音波画像にアーチファクト11が発生する方向が、超音波10の撮像領域への入射方向に依存することを利用して、サイドローブによるアーチファクトを除去する。すなわち、図1(a)〜(c)に示すように、超音波画像における撮像領域内の反射体12のサイドローブアーチファクトは、反射体12に入射する超音波10の波面に沿った方向に表れることに本実施形態では着目し、超音波画像の超音波の入射角度に応じた所定の方向について、画像の画素値分布を求め、画素値分布からノイズ成分を除去することによりサイドローブアーチファクトを除去する。より具体的には、超音波画像の画素値分布を少なくとも2方向について求め、高周波成分と低周波成分にそれぞれ分離し、超音波の入射方向に対応した所定方向の高周波成分に含まれるサイドローブによるノイズを除去することにより、サイドローブアーチファクト除去画像を生成する。
図2を用いて本実施形態の超音波画像撮像装置について説明する。
本実施形態の超音波画像撮像装置は、画像生成部3と、画像処理部21とを有し、画像処理部21は、成分抽出部4と、サイドローブノイズ除去部5と、サイドローブ除去画像生成部7とを少なくとも備えている。このとき、超音波画像撮像装置は、超音波探触子101等を必ずしも備えていなくてもよく、別の装置が被検体に超音波を送信し、そのエコー等を受信した受信信号を、その装置から受け取る構成であってもよい。ここでは図2のように、超音波画像撮像装置は、超音波探触子101、送信部2、および、送受信分離回路102を備える構成である場合について説明する。
撮像領域20に対して、超音波探触子101の複数の音響変換素子から超音波10を送信すると、撮像領域20からエコー等の超音波が超音波探触子101に戻って複数の音響変換素子によって受信される。画像生成部3は、音響変換素子の受信信号を受け取って、撮像領域20の画像を生成する。画像の生成方法としては、どのような方法を用いてもよい。例えば、撮像領域20に複数の受信走査線を設定し、受信走査線上の受信焦点に受信信号の焦点を合わせるように各受信信号をそれぞれ遅延させた後加算し、各受信走査線上の受信焦点の遅延加算後信号を画素値とする画素を、画像空間に配置することにより超音波画像を生成する方法を用いることができる。
成分抽出部4は、画像生成部3が生成した画像の少なくとも2方向について画素値分布を求め、2方向のそれぞれの画素値分布(信号)を構成する高周波成分と低周波成分を抽出する。2方向は、どのような方向であってもよいが、一例としては、画像の水平方向と垂直方向のように直交する2方向とする。撮像領域20の反射体13の周辺には、超音波の波面に沿う方向にサイドローブアーチファクトが生じているため、撮像領域20に対する超音波10の入射角度に応じて、上記2方向の画素値分布の一方、または両方には、超音波10のサイドローブによって生じたノイズが含まれている。例えば、図1(b)のように、撮像領域20の水平方向に平行な平面波の超音波10を送信した場合、画像の反射体12の実像13の水平方向に沿ってサイドローブアーチファクト11が生じる。よって、画像の垂直方向の画素値分布のノイズ(高周波成分の一部)を除去する必要がある。そこで、サイドローブノイズ除去部5は、撮像領域20に対する超音波10の入射角度に応じて、2方向の少なくとも一方を選択して、選択した方向の高周波成分に含まれるノイズ成分(以下、サイドローブノイズとも呼ぶ)を除去する。例えば、高周波成分に含まれる絶対値が所定値以下の成分をノイズ成分として除去する。
サイドローブ除去画像生成部7は、サイドローブノイズ除去部5が選択した方向の、ノイズ成分を除去した高周波成分を少なくとも用いて、撮像領域20のサイドローブアーチファクト除去画像を生成する。具体的には、サイドローブ除去画像生成部7は、サイドローブノイズ除去部5が選択した方向の、ノイズ成分を除去した高周波成分と低周波成分、および、サイドローブノイズ除去部5が選択しなかった方向の高周波成分と低周波成分、を用いて撮像領域のサイドローブアーチファクト除去画像を生成する。例えば、高周波成分と低周波成分を抽出した際の方法の逆の処理を行うことにより画像を再び生成する。これにより、ノイズ成分のみが画素値分布から除去され、他の成分は維持されるため、実像の画素値低減を抑制しながらサイドローブアーチファクト11を除去することができる。
このように、本実施形態の撮像方法によれば、撮像した超音波画像からサイドローブアーチファクトを除去することができるため、撮像時間が短く、かつ、サイドローブによるアーチファクトが低減された画像を得ることができる。
以下、実施形態2以降により、より具体的な実施形態について説明する。
<<実施形態2>>
図3は、実施形態2の超音波撮像装置の構成を示すブロック図である。図3において、実施形態1の装置と同じ構成には同じ符号を付している。
図3は、実施形態2の超音波撮像装置の構成を示すブロック図である。図3において、実施形態1の装置と同じ構成には同じ符号を付している。
図3のように、超音波診断装置は、所定の方向に沿って複数の超音波素子(超音波振動子)を配列した超音波探触子(以下、超音波素子アレイと呼ぶ)101と、超音波素子アレイ101を介して送受信する信号を分離する送受信分離回路102と、送受信分離回路102を介して送信信号を超音波素子アレイ101の各超音波素子に受け渡す送信部2とを有する。送信部2は、ここでは、平面波を所定の方向から撮像領域20に照射するよう、超音波素子ごとに遅延させた送信信号を生成する。
また、実施形態2の超音波撮像装置は、画像生成部3として、超音波素子アレイ101の各超音波素子が受信した信号の位相を、受信焦点の位置に応じて整相(遅延)させ、合成(加算)し、整相加算後信号を得る整相処理部103が配置されている。整相処理部103は、撮像領域20全体に複数の受信走査線を設定し、各受信走査線上の複数の受信焦点についてそれぞれ整相加算後信号を得て、整相加算後信号を、それぞれの受信焦点の位置に対応する画素の画素値とすることにより、超音波画像を生成する。これにより、一度の平面波の送信によって、1枚の超音波画像を得ることができる。この超音波画像は、一度の平面波の送信によって得た画像であるため、サイドローブによるアーチファクト等を含み、低解像度である。
また、実施形態2の超音波撮像装置は、成分抽出部4として、ウエーブレット変換により高周波成分および低周波成分を抽出する多重解像度解析部104を備え、さらに、サイドローブノイズ除去部5と、サイドローブ除去画像生成部7とを備えている。実施形態2では、サイドローブノイズ除去部5とサイドローブ除去画像生成部7は、図4のように、信号変換部105を構成している。また、サイドローブ除去画像生成部7は、ここではウエーブレット逆変換によりサイドローブを除去した画像を生成するため、逆変換部404と呼ぶ。
信号変換部105には、制御部108と画像表示部106が接続されている。また、制御部108と画像表示部106には、コンソール109が接続されている。コンソール109は、タッチパネル、キーボード、トラックボールなどによって構成され、ユーザの入力を受け付ける。制御部108は、コンソール109が受け付けたユーザの入力に基づいて、送信部2、整相処理部103および信号処理部105に撮像領域20への平面波である超音波の入射方向等を指示する。画像表示部106は、ディスプレイなどによって構成され、信号変換部105によって生成された画像などをユーザに対して表示する。
以下、多重解像度解析部104および信号変換部105の処理について説明する。
多重解像度解析部104は、整相処理部103が生成した超音波画像の2方向について、画素値分布(信号)を求め、それぞれ高周波成分と低周波成分を抽出する。ここでは、ウエーブレット変換により、複数の異なる周波数帯域を抽出する。抽出する2方向は、ここでは超音波画像の水平方向と垂直方向とする。
多重解像度解析部104の処理を、図5(a)を用いて具体的に説明する。多重解像度解析部104は、水平方向解析部41と垂直方向解析部42とを備えている。水平方向解析部41は、低域通過フィルタ201a、高域通過フィルタ201b、ダウンサンプリング部202aおよびダウンサンプリング部202bを含む。一方、垂直方向解析部42は、低域通過フィルタ203a、203cと、高域通過フィルタ203b、203dと、ダウンサンプリング部204a〜204dとを備えている。
多重解像度解析部104の水平方向解析部41は、整相処理部103が生成した超音波画像43の画素値をまず水平方向に並んだ画素について順次サンプリングして水平方向の画素値分布を示す水平方向信号43aを生成する。水平方向信号43aは、垂直方向の各位置(画素)についてそれぞれ生成する。そして、水平方向信号43aを、低域通過フィルタ201aを通過させることにより、所定の帯域以下の低周波成分を抽出した後、2:1ダウンサンプリング部202により、水平方向に隣り合う2画素分の信号値の平均等を求めて1画素分の信号値を生成する。これにより、水平方向は、超音波画像43の水平方向の画素値分布の低周波成分により構成され、垂直方向は、超音波画像43の画素値分布の全成分を含み、かつ、水平方向のサイズが超音波画像43の1/2で、垂直方向のサイズが超音波画像43と変わらない水平方向低周波画像44が生成される。
同様に、水平方向信号43aを高域通過フィルタ201bを通過させることにより、所定の帯域より高周波の成分を抽出した後、2:1ダウンサンプリング部202bにより、水平方向に隣り合う2画素分の信号値の平均値等を求めて1画素分の信号値を生成する。これにより、水平方向は、超音波画像43の水平方向の画素値分布の高周波成分により構成され、垂直方向は、超音波画像43の画素値分布の全成分を含み、かつ、水平方向のサイズが超音波画像43の1/2のサイズで、垂直方向のサイズは超音波画像43と変わらない水平方向高周波画像45が生成される。
つぎに、垂直方向解析部42は、水平方向低周波画像44の画素値を垂直方向に並んだ画素について順次サンプリングして垂直方向の画素値分布を示す垂直方向信号44aを生成する。垂直方向信号44aは、水平方向の各位置(画素)についてそれぞれ生成する。そして、垂直方向解析部42は、垂直方向信号44aを、低域通過フィルタ203aを通過させることにより、所定の帯域以下の低周波成分を抽出した後、2:1ダウンサンプリング部204aにより、垂直方向に隣り合う2画素分の信号値の平均等を求めて1画素分の信号値を生成する。これにより、水平方向は、超音波画像43の水平方向の画素値分布の低周波成分により構成され、垂直方向は、超音波画像43の垂直方向の画素値分布の低周波成分により構成され、かつ、水平方向および垂直方向のサイズが超音波画像43のいずれも1/2である「水平方向低周波成分・垂直方向低周波成分(以下LL成分と呼ぶ)画像46」が生成される。
同様に、垂直方向解析部42は、垂直方向信号44aを、高域通過フィルタ203bを通過させることにより、所定の帯域より大きい高周波成分を抽出した後、2:1ダウンサンプリング部204bにより、垂直方向に隣り合う2画素分の信号値の平均等を求めて1画素分の信号値を生成する。これにより、水平方向は、超音波画像43の水平方向の画素値分布の低周波成分により構成され、垂直方向は、超音波画像43の垂直方向の画素値分布の高周波成分により構成され、かつ、水平方向および垂直方向のサイズが超音波画像43のいずれも1/2である「水平方向低周波成分・垂直方向高周波成分(以下LH成分と呼ぶ)画像47が生成される。
さらに、垂直方向解析部42は、水平方向高周波画像45の画素値を垂直方向に並ぶ画素について順次サンプリングして垂直方向信号45aを生成する。そして、垂直方向解析部42は、垂直方向信号45aを、低域通過フィルタ203cを通過させることにより、所定の帯域以下の低周波成分を抽出した後、2:1ダウンサンプリング部204cにより、垂直方向に隣り合う2画素分の信号値の平均等を求めて1画素分の信号値を生成する。これにより、水平方向は、超音波画像43の水平方向の画素値分布の高周波成分により構成され、垂直方向は、超音波画像43の垂直方向の画素値分布の低周波成分により構成され、かつ、水平方向および垂直方向のサイズが超音波画像43のいずれも1/2である「水平方向高周波成分・垂直方向低周波成分(以下HL成分と呼ぶ)画像48」が生成される。
同様に、垂直方向解析部42は、垂直方向信号45aを、高域通過フィルタ203dを通過させることにより、所定の帯域より大きい高周波成分を抽出した後、2:1ダウンサンプリング部204dにより、垂直方向に隣り合う2画素分の信号値の平均等を求めて1画素分の信号値を生成する。これにより、水平方向は、超音波画像43の水平方向の画素値分布の高周波成分により構成され、垂直方向は、超音波画像43の垂直方向の画素値分布の高周波成分により構成され、かつ、水平方向および垂直方向のサイズが超音波画像43のいずれも1/2である「水平方向高周波成分・垂直方向高周波成分(以下HH成分と呼ぶ)画像47」が生成される。
得られたLL成分画像46、LH成分画像47、HL成分画像48、HH成分画像49を、高周波成分から低周波成分の順に並べると図5(b)のような解像度(周波数成分)解析画像205が得られる。
また、LL成分画像46について、さらに水平方向解析部、垂直方向解析部42によって上記と同様に処理して、LL成分画像50、LH成分画像51、HL成分画像52、HH成分画像53を得てもよい。さらにもう一度、LL成分画像50について処理して、LL成分画像54、LH成分画像55、HL成分画像56、HH成分画像57を得てもよい。得られた画像を、高周波成分と低周波成分の順に並べると、図6のような配置になる。これにより、超音波の画素値分布が、多段階に低周波成分と高周波成分とに分離された多重解像度解析画像205が得られる。
サイドローブノイズ除去部5は、多重解像度解析部104が生成した解像度解析画像46〜49のうち高周波成分を含む画像47〜49から、超音波の入射方向に応じて予め定めた1以上の画像を選択し、サイドローブノイズ成分を除去する。すなわち、サイドローブアーチファクトは超音波進行方向に直交する方向(超音波の波面に平行な方向)に沿って発生するため、サイドローブノイズ除去部5は、これを除去する。サイドローブノイズ除去部5は、超音波の入射方向を制御部108から受け取る。
例えば、超音波入射角が0度の場合(図1(b)参照)には、サイドローブアーチファクトが、超音波画像の水平方向に沿って発生すると推定されるため、サイドローブノイズ除去部5は、水平方向は低周波成分で垂直方向は高周波成分のLH成分画像47を選択する。そして、サイドローブノイズ除去部5は、強度がある閾値以下の画素についてその強度を0に置換する。これにより、絶対値が小さい高周波成分を0に置き換えることができるため、サイドローブノイズ成分を除去することができる。
同様に、例えば、超音波入射角の絶対値が0度より大きく90度より小さい値の場合(図1(a)、(c)参照)には、サイドローブアーチファクトが、水平方向から入射角と同じだけ傾きをもった方向に発生すると推定されるため、サイドローブノイズ除去部5は、水平方向および垂直方向ともに高周波成分であるHH成分画像49を選択する。そして、サイドローブノイズ除去部5は、強度がある閾値以下の画素についてその強度を0に置換する。これにより、絶対値が小さい高周波成分を0に置き換えることができるため、サイドローブノイズ成分を除去することができる。
なお、図6のように、多重の解像度でLH成分画像51、HL成分画像52、HH成分画像53等を求めている場合、サイドローブノイズ除去部5は、異なる解像度の対応する成分画像のノイズ成分も除去する。例えば、超音波入射角が0度の場合(図1(b)参照)には、サイドローブノイズ除去部5は、LH成分画像47のみならず、他の解像度のLH成分画像51等についてもサイドローブノイズ成分を除去する。他の超音波入射角の場合についても同様である。
逆変換部404は、サイドローブノイズ除去部5が選択してサイドローブノイズ成分を除去した高周波成分画像と、選択しなかった残りの成分画像とをウエーブレット逆変換し、元の画像と同じ解像度の画像を生成する。例えば、図7(a−1)のように、超音波の入射角が0度の場合に、多重解像度解析部104が抽出した低周波成分画像46および高周波成分画像47〜49からなる解像度解析画像401のうち、サイドローブノイズ除去部5が、LH成分画像47を選択して、ノイズ成分を除去することによりLH’成分画像47aを得て、LH成分画像47と置き換え、ノイズ除去後の解像度解析画像501を得る(図7(a−2))。逆変換部404は、ノイズ除去後の解像度解析画像501(LH’成分画像47aと、他の低周波および高周波成分画像46,48,49)をウエーブレット逆変換することにより、サイドローブアーチファクト除去画像502を生成する(図7(a−3))。
また、図7(b−1)のように、超音波の入射角の絶対値が0度より大きく90度より小さい値の場合、多重解像度解析部104が抽出した低周波成分画像46および高周波成分画像47〜49からなる解像度解析画像402のうち、サイドローブノイズ除去部5が、HH成分画像49を選択して、ノイズ成分を除去することによりHH’成分画像49aを得て、HH成分画像49と置き換え、ノイズ除去後の解像度解析画像503を得る(図7(b−2))。逆変換部404は、ノイズ除去後の解像度解析画像503(HH’成分画像49aと、他の低周波および高周波成分画像46〜48)をウエーブレット逆変換することにより、サイドローブアーチファクト除去画像504を生成する(図7(b−3))。
生成した画像は、画像表示部106に表示される。
以上のように、本実施形態によれば、撮像領域20への超音波の入射角に応じて、超音波画像のサイドローブアーチファクト成分を選択的に除去することが可能になる。
なお、多重解像度解析部104、信号変換部105および制御部108は、演算処理部である中央処理部(CPU)とメモリとを備えるコンピュータにより構成し、メモリ内のプログラムをCPUが実行することにより、これらの機能をソフトウエアにより実現することが可能である。また、多重解像度解析部104、信号変換部105および制御部108は、その一部または全部をハードウエアによって実現することも可能である。例えば、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)のようなカスタムICや、FPGA(Field-Programmable Gate Array)のようなプログラマブルICを用いて多重解像度解析部104、信号変換部105および制御部108の一部または全部を構成し、これらの機能を実現するように回路設計を行えばよい。
なお、本実施形態は受信した超音波信号を整相加算して得られた画像についてサイドローブアーチファクトを除去する処理について説明したが、整相処理部103が整相加算前のRF(高周波)信号(受信信号)に対して、多重解像度解析部104および信号変換部105の処理を適用することも可能である。
また、本実施形態では入射角が0度の場合と、0度より大きく90度より小さな任意の値の場合に、高周波成分画像47〜49のうちそれぞれ特定の一つについてサイドローブノイズ除去処理を施す例について説明したが、任意の入射角に対して適切なサイドローブノイズ除去を行うために、高周波成分画像47〜49の2以上に対してノイズ除去処理を施してもよい。
さらには、本実施形態では、サイドローブノイズ除去部5は、高周波成分画像47〜49の画素値のうち所定の閾値よりも小さい画素値をサイドローブノイズ成分と判定して0に置き換える構成について説明したが、閾値は、コンソール109を通じてユーザから受け付けてもよい。また、閾値は、人体の心臓や肝臓など撮像対象に応じてあらかじめ設定された値を用いてもよい。さらに、サイドローブノイズ成分を除去する方法としては、高周波成分画像47〜49等の閾値よりも小さい信号強度の画素値を0に置き換える方法に限られるものではなく、ノイズ成分を低減できる方法であればどのような処理方法を用いてもよい。
図5(a)の水平方向解析部41および垂直方向解析部42が画素値分布から高周波成分と低周波成分を抽出するフィルタの閾値についても、固定の閾値ではなく、ユーザから受け付けた値や、撮像対象に応じて予め設定された値を用いることも可能である。
<<実施形態3>>
実施形態3の超音波撮像装置について図8、図9を用いて説明する。
実施形態3の超音波撮像装置について図8、図9を用いて説明する。
実施形態1、2では、撮像領域20に送信する超音波が平面波の場合について説明したが、必ずしも平面波でなくてもよく、撮像領域20の内側または外側に位置する送信焦点で焦点を結ぶ球面波であってもよい。送信する超音波が球面波である場合、撮像領域20内の複数の領域ごとに、超音波の入射角が異なる。よって、実施形態3では、撮像領域20内の複数の領域ごとに超音波の入射角度を求める入射角算出部107をさらに有する。サイドローブノイズ除去部5は、入射角算出部107が算出した超音波の入射角に応じて、複数の領域ごとに、ノイズを除去する高周波成分を選択する。
以下、実施形態2と異なる構成について詳しく説明する。入射角算出部107は、超音波の送信条件に応じて撮像領域20内の所定の小領域ごとに超音波入射角を算出する。小領域は、撮像領域20全体を所定の十分小さい大きさに分割した領域である。図9は、ある小領域303における超音波の入射角305を示す図である。図9において、水平方向は、超音波素子アレイ101の超音波素子が並ぶ方向301に平行であり、垂直方向は、撮像領域20の深さ方向302である。十分に小さなある小領域303において、深さ方向302に対して、超音波の進行方向304がなす角を入射角305とする。入射角算出部107は、超音波の送信条件(送信焦点の位置等)を制御部108から受け取って、受け取った送信条件に応じて、小領域ごとに入射角305の値を算出する。入射角算出部107が算出した入射角305は、入射角算出部107が内蔵するメモリに、小領域の位置に対応させてテーブル等の形式で保存される。
サイドローブノイズ除去部5は、多重解像度解析部104が生成した解像度解析画像401のノイズを除去するために、高周波成分画像47〜49のいずれかを選択する際に、小領域303ごとに、その小領域303の超音波入射角305をテーブルから読み出して、入射角305に対応する高周波成分画像47〜49のいずれかまたは2以上を選択し、選択した高周波成分画像のその小領域に対応する領域について、ノイズ成分を除去する。
例えば、入射角が0度の小領域については、サイドローブアーチファクトが水平方向に沿って発生すると推定されるため、LH成分画像47を選択し、その小領域に対応する領域の画素に対して、サイドローブノイズの除去処理を行う。ノイズの除去処理は、実施形態2と同様に、LH成分画像47の小領域303に対応する領域内の画素の画素値がある閾値以下の画素ついてその画素値を0に置換することでサイドローブ成分を除去する。同様に、例えば入射角が0度より大きく90度より小さな小領域については、サイドローブ成分が水平から入射角と同じだけ傾きをもった方向に発生すると推定されるため、HH成分画像49を選択し、その小領域に対応する領域内の画素に対して、サイドローブノイズの除去処理を行う。
逆変換部404は、サイドローブ成分を除去した解像度解析画像501を逆変換することにより、サイドローブアーチファクトが除去された、元の超音波画像と同じ解像度の画像を生成する。
以上の構成により、撮像領域内の小領域に応じて発生するサイドローブアーチファクト成分を除去したサイドローブアーチファクト除去画像を生成することができる。
<<実施形態4>>
図10を用いて、実施形態4の超音波撮像装置について説明する。
図10を用いて、実施形態4の超音波撮像装置について説明する。
実施形態4では、撮像領域20に対する超音波の入射角度が異なる複数の送信を行い、入射角度が異なる送信ごとに、高周波成分と低周波成分を生成し、さらにサイドローブノイズを除去した後、対応する成分ごとに加算する画像加算部(以下、合成部と呼ぶ)607を有する。加算後の高周波成分と低周波成分を逆変換して、サイドローブアーチファクト除去画像を合成する。これにより、コントラストの高い画像を得ることができる。
図10を参照し、実施形態2から変更があるブロックのみ以下に説明し、実施形態2と同様の構成については説明を省略する。図10は、本実施形態における信号変換部105のブロック構成である。本実施形態の信号変換部105は、2つのサイドローブノイズ除去部605、606を備えている。2つのサイドローブノイズ除去部605,606は、異なる入射角度となるように撮像領域20に対して平面波の超音波を送信して、撮像領域20から得たエコー等の受信信号から生成される画像について、その画素値分布からサイドローブノイズを除去する。ここで、平面波の撮像領域20への入射角は、超音波素子アレイ101の超音波素子配列方向と波面がなす角(すなわち、深さ方向に対して超音波の進行方向がなす角)で定義される。
例えば、第1送信において、入射角0度で撮像領域20に対して平面波の超音波を超音波素子アレイ101から送信する(図1(b)参照)。エコー等を受信した超音波素子アレイ101の出力する受信信号は、整相処理部103により処理されて超音波画像が生成され、多重解像度解析部104において、図7(a−1)のように高周波成分画像47〜49と低周波成分画像46が抽出される。サイドローブノイズ除去部605は、実施形態2と同様の手法によりLH成分画像47を選択して、サイドローブノイズ成分を除去することによりLH’成分画像47aを得る(図7(a−2))。
つぎに、第2送信において、サイドローブノイズ除去部606は、入射角度が0度より大きく90度より小さな値の平面波の超音波を超音波素子アレイ101から送信する(図1(c)参照)。エコー等を受信した超音波素子アレイ101の出力する受信信号は、整相処理部103により処理されて超音波画像が生成され、多重解像度解析部104において、図7(b−1)のように高周波成分画像47〜49と低周波成分画像46が抽出される。サイドローブノイズ除去部606は、実施形態2と同様の手法によりHH成分画像49を選択して、サイドローブノイズ成分を除去することによりHH’成分画像49aを得る。これにより、解像度解析画像503が得られる(図7(b−2))。
図11は加算合成処理の流れを示した図である。図11のように、合成部607は、サイドローブノイズ除去部605およびサイドローブノイズ除去部606によりサイドローブノイズ成分が除去された解像度解析画像501および解像度解析画像503を、成分ごとに加算合成し、合成後の解像度解析画像703を得る。逆変換部404は、合成後の解像度解析画像703を逆変換し、元の超音波画像と同じ解像度で、サイドローブアーチファクトが除去された画像を生成する。
このように、サイドローブノイズ成分を除去した複数の解像度解析画像を加算合成した後、逆変換することにより、サイドローブアーチファクトを除去しながら画像における反射体12の実像13のコントラストを向上させる効果が得られる。
なお、本実施形態では、2つの異なる入射角度の超音波を送信して得た受信信号から生成した二つのノイズ除去後解像度解析画像501,503を合成する例について説明したが、3種類以上の超音波の入射角度に対応する三つ以上のノイズ除去後の解像度解析画像を合成した後、逆変換してもよい。
<<実施形態5>>
図12を用いて、実施形態5の超音波撮像装置について説明する。
図12を用いて、実施形態5の超音波撮像装置について説明する。
実施形態5では、撮像領域20に対する超音波の入射角度が異なる複数の送信を行い、入射角度が異なる送信ごとに、サイドローブアーチファクト除去画像を生成し、得られた複数の画像を加算する画像加算部(以下、合成部と呼ぶ)803を有する。超音波の入射角度が異なる複数のサイドローブアーチファクト除去画像を合成することでより、コントラストの高い画像を得るものである。
図12を参照し、実施形態4と異なる構成のみ以下に示す。図12は、本実施形態における信号変換部105のブロック図である。本実施形態の信号変換部105は、実施形態4と同様に2つのサイドローブノイズ除去部605,606を備えるが、実施形態4とは異なり、サイドローブノイズ除去部605、606と合成部803との間に、逆変換部801,802をそれぞれ配置している。逆変換部801は、サイドローブノイズ除去部605がノイズ成分を除去した解像度解析画像501を逆変換して、サイドローブアーチファクト除去画像511を生成する。逆変換部802は、サイドローブノイズ除去部606がノイズ成分を除去した解像度解析画像503を逆変換して、サイドローブアーチファクト除去画像513を生成する。合成部803は、逆変換部801,802が生成した画像511と画像513を合成する。
これにより、サイドローブアーチファクトを除去しながら画像における反射体12の実像13のコントラストを向上させた画像を得ることができる。
<<実施形態6>>
図13を用いて、実施形態6の超音波撮像装置について説明する。
図13を用いて、実施形態6の超音波撮像装置について説明する。
図13のように本実施形態の信号処理部105は、実施形態4の図10の信号処理部105と同様の構成であるが、本実施形態では、送信する超音波として球面波を用い、第1送信と第2送信とで、送信焦点の位置を異ならせる。
球面波を用いる場合、送信焦点の位置によって撮像領域の小領域ごとの入射角が異なるため、サイドローブノイズ除去部605,606は、小領域ごとに入射角算出部107から入射角を受け取り、受け取った入射角に応じた高周波成分画像47〜49の1以上を選択して、その小領域に対応する領域のノイズ除去処理を実施形態3と同様に行う。
合成部607は、ノイズ除去後の解像度解析画像501、503を対応する成分ごとに加算し、逆変換部404は、加算後の解像度解析画像を逆変換することにより、サイドローブアーチファクトが除去された画像を生成する。
以上の処理により、球面波を用いて、送信焦点の位置を異ならせて、複数回の送信を行って得た受信信号から、サイドローブを除去し、かつ、反射体の実像のコントラストを高めた画像を得ることができる。
なお、本実施形態では、サイドローブを除去した複数の解像度解析画像501,503を加算した後、逆変換する構成であったが、先に逆変換してから合成してもよい。
<<実施形態7>>
実施形態7では、実施形態4において複数の異なる入射角度で送信した平面波により生成した解像度解析画像401、402の高周波成分画像47〜49から、高周波成分画像47〜49におけるサイドローブノイズ成分の画素の範囲を推定する。そして、推定したサイドローブノイズ成分の画素の範囲内に含まれるノイズ成分を除去する。これにより、より適切にサイドローブ除去を行うものである。
実施形態7では、実施形態4において複数の異なる入射角度で送信した平面波により生成した解像度解析画像401、402の高周波成分画像47〜49から、高周波成分画像47〜49におけるサイドローブノイズ成分の画素の範囲を推定する。そして、推定したサイドローブノイズ成分の画素の範囲内に含まれるノイズ成分を除去する。これにより、より適切にサイドローブ除去を行うものである。
図14を参照し、本実施形態の信号変換部105について説明する。ただし、図14において、実施形態4の図10の信号変換部105と異なる構成のみ以下に説明する。図14は、本実施形態における信号変換部105のブロック構成である。本実施形態の信号変換部105は、解像度解析画像401および402を用いてサイドローブノイズ成分の画素の範囲を推定するサイドローブ推定部901を有する。
サイドローブ推定部901の処理の流れを図15に示す。推定に用いる解像度解析画像401は、実施形態4で述べたように、入射角0度の送信で得た受信信号から多重解像度解析部104が生成した高周波成分画像47〜49および低周波成分画像46からなる。入射角0度の場合、サイドローブアーチファクトは水平方向に沿って発生するため、サイドローブ推定部901はサイドローブノイズ除去部605と同様にLH成分画像47を選択する。一方、解像度解析画像402は、入射角0度より大きく90度より小さな送信で得た高周波成分画像47〜49および低周波成分画像46からなる。この場合、サイドローブ推定部901は、サイドローブノイズ除去部606と同様にHH成分画像49を選択する。
サイドローブ推定部901は、選択した二つの成分画像47と成分画像49の差分を求める。サイドローブノイズは、二つの成分画像47、49においてそれぞれ異なる領域(画素)に発生するため、成分画像47,49の差分をとることで、成分画像47,49に含まれる実像13が打ち消されるのに対し、サイドローブノイズの画素値は打ち消しあわず、差分画像1003として抽出される。すなわち、差分画像1003で値を持つ画素は、サイドローブノイズが発生する領域を示している。
サイドローブ推定部901は、差分画像1003をサイドローブノイズ除去部605およびサイドローブノイズ除去部606にそれぞれ通知する。サイドローブノイズ除去部605、606は、実施形態4と同様に高周波成分画像47〜49から所定の高周波成分画像47,49をそれぞれ選択し、差分画像1003が画素値を持つ画素の範囲、すなわち、サイドローブノイズが発生する領域に対応する高周波成分画像47,49の画素であって、かつ、画素値が閾値以下の画素値を0に置き換えることにより、ノイズを除去する。
合成部607、逆変換部404の処理は、実施形態4と同様の処理を行うことで、サイドローブアーチファクト除去画像を生成する。
このように、予めサイドローブノイズが発生する領域(画素)をサイドローブ推定部901が推定し、その領域(画素)内のノイズを除去することにより、画素値が閾値以下の画素値を0に置き換える実施形態4の構成よりも、サイドローブノイズだけを精度よく除去することができる。
なお、本発明は上述してきた各実施形態に限定されるものではなく、様々な変形例が含まれる。例えば、上記した実施形態は、本発明をわかりやすく説明するために詳細に説明したものであり、必ずしも説明したすべての構成を備える実施形態に限定されるものではない。また、ある実施形態の構成の一部を他の実施形態の構成と置き換えることが可能であり、また、ある実施形態の構成に他の構成を用いて追加、削除、置換することが可能である。
また、上記の各構成、機能、処理部、処理手段等は、それらの一部またはすべてを例えば集積回路で設計する等によりハードウェアで実現してもよい。また、上記の各構成、機能等は、プロセッサがそれぞれの機能を実現するプログラムを解釈し、実行することによりソフトウェアで実現してもよい。各機能を実現するプログラム、テーブル、ファイル等の情報は、メモリやハードディスク、SSD(Solid State Drive)等の記録装置、またはICカード、SDカード、DVD等の記録媒体に置くことができる。
101 超音波素子アレイ
102 送受信分離回路
103 整相処理部
104 多重解像度解析部
105 信号変換部
106 画像表示部
107 入射角算出部
108 制御部
109 コンソール
102 送受信分離回路
103 整相処理部
104 多重解像度解析部
105 信号変換部
106 画像表示部
107 入射角算出部
108 制御部
109 コンソール
Claims (11)
- 撮像領域に対して超音波を送信した後、前記撮像領域から戻った超音波を受信した信号を受け取って、前記撮像領域の画像を生成する画像生成部と、
前記撮像領域に対する前記超音波の入射角度に応じた所定の方向について、前記画像の画素値分布を求め、前記画素値分布の高周波成分に含まれるノイズ成分を除去することによりサイドローブアーチファクトを除去する画像処理部とを有することを特徴とする超音波撮像装置。 - 請求項1に記載の超音波撮像装置であって、
前記画像処理部は、
前記画像の少なくとも2方向について画素値分布を求め、前記方向毎に前記画素値分布の高周波成分と低周波成分を抽出する成分抽出部と、
前記撮像領域に対する前記超音波の入射角度に応じて、前記2方向の少なくとも一方を選択して、選択した方向の前記高周波成分に含まれるノイズ成分を除去するサイドローブノイズ除去部と、
前記サイドローブノイズ除去部が選択した方向の、前記ノイズ成分を除去した前記高周波成分を少なくとも用いて、前記撮像領域のサイドローブアーチファクト除去画像を生成するサイドローブ除去画像生成部と、
を有することを特徴とする超音波撮像装置。 - 請求項2に記載の超音波撮像装置であって、前記サイドローブ除去画像生成部は、前記サイドローブノイズ除去部が選択した方向の、前記ノイズ成分を除去した前記高周波成分と前記低周波成分、および、前記サイドローブノイズ除去部が選択しなかった方向の前記高周波成分と前記低周波成分、を用いて、前記撮像領域のサイドローブアーチファクト除去画像を生成することを特徴とする超音波撮像装置。
- 請求項1に記載の超音波撮像装置であって、前記画像処理部は、前記高周波成分に含まれる絶対値が所定値以下の成分をノイズ成分として除去することを特徴とする超音波撮像装置。
- 請求項2に記載の超音波撮像装置であって、前記撮像領域に対する前記超音波の前記入射角度が異なる複数の送信についてそれぞれ、前記画像生成部、前記成分抽出部、前記サイドローブノイズ除去部および前記サイドローブ除去画像生成部の処理により得られた前記サイドローブアーチファクト除去画像を加算する画像加算部をさらに有することを特徴とする超音波撮像装置。
- 請求項2に記載の超音波撮像装置であって、前記撮像領域に対する前記超音波の前記入射角度が異なる複数の送信についてそれぞれ、前記画像生成部、前記成分抽出部および前記サイドローブ低減部の処理によって得られた、ノイズ成分除去後の前記高周波成分と低周波成分を、対応する成分ごとに加算する加算部をさらに有し、
前記サイドローブ除去画像生成部は、前記加算部が加算した高周波成分と低周波成分を用いて前記サイドローブアーチファクト除去画像を生成することを特徴とする超音波撮像装置。 - 請求項2に記載の超音波撮像装置であって、前記撮像領域内の複数の小領域ごとに前記超音波の入射角度を求める入射角算出部をさらに有し、前記サイドローブノイズ除去部は、前記入射角算出部が算出した前記超音波の入射角に応じて、前記複数の小領域ごとに前記2方向の少なくとも一方を選択することを特徴とする超音波撮像装置。
- 請求項1に記載の超音波撮像装置であって、前記撮像領域に対して平面波の超音波を所定の入射角で送信した後、前記撮像領域からの超音波の受信する送受信部をさらに有することを特徴とする超音波撮像装置。
- 請求項7に記載の超音波撮像装置であって、前記撮像領域に対して非平面波の超音波を送信した後、前記撮像領域からの超音波の受信する送受信部をさらに有することを特徴とする超音波撮像装置。
- 請求項9に記載の超音波撮像装置であって、前記送受信部は、前記撮像領域に対して送信焦点の位置が異なる複数回の送信を行い、
前記複数の送信についてそれぞれ、前記画像生成部、前記成分抽出部、前記サイドローブノイズ除去部および前記サイドローブ除去画像生成部の処理により前記サイドローブアーチファクト除去画像を得た後、加算する画像加算部をさらに有することを特徴とする超音波撮像装置。 - 撮像領域の超音波画像を受け取って、前記撮像領域に対する超音波を照射した際の入射角度に応じた所定の方向について、前記画像の画素値分布を求め、前記画素値分布の高周波成分に含まれるノイズ成分を除去することによりサイドローブアーチファクトを除去することを特徴とする画像処理装置。
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