次に、本発明の実施の形態を、実施例を用いて説明する。尚、以下では、図柄の変動表示の終了に伴い当り図柄が停止表示されると、遊技者に所定量の遊技利益(例えば、賞球)を付与可能な当り遊技を実行可能なパチンコ遊技機に、本発明を適用した例を説明する。
図1乃至図3に示すように、実施例1のパチンコ遊技機1は、遊技機枠50と、遊技機枠50内に取り付けられた遊技盤2とを備えており、遊技盤2は遊技機枠50から着脱自在に構成されている。図3は、遊技盤2を遊技機枠50から取り外した状態のものを示す。遊技機枠50は、装飾面を有する前面枠51と、遊技盤2等を取り付ける本体枠52と、パチンコ遊技機1をホールの島設備に取り付けるための外枠53と、を有して構成されており、前面枠51、本体枠52及び外枠53は、一側端側で軸支され夫々開閉可能に構成されている。
また、前面枠51には、遊技者の操作量(回転角度)に応じた発射強度で遊技球を発射させるための発射ハンドル60、遊技球を貯留し貯留した遊技球を発射装置側に供給可能な打球供給皿(上皿)61、及び打球供給皿61に収容しきれない遊技球を貯留する余剰球受皿(下皿)62が設けられている。また前面枠51には、遊技の進行に伴って実行される遊技演出の実行中などに、遊技者が操作可能な第1演出ボタン63a、第2演出ボタン63b(これら2個の演出ボタンを総称して単に「演出ボタン63」ともいう)が設けられている。複数の演出ボタンは、遊技演出の種類に応じて使用する演出ボタンを使い分けることができる。
また前面枠51には、装飾用の枠ランプ66及びスピーカ67が設けられている。尚、演出ボタン63の構成は本実施例1の態様に限らず、遊技者からの入力を検知できるものであればたり、遊技者が直接ボタン部に接触して入力を行う入力検知手段(例えば、出没式、タッチセンサ式等)であってもよいし、遊技者の身体の一部が近接したことを検知して入力を行う非接触式の入力検知手段(光電式等)であってもよい。
遊技盤2には、発射ハンドル60の操作により発射された遊技球が流下する遊技領域3が、レール部材4で囲まれて形成されている。また、遊技盤2には、装飾用の盤面ランプ5が設けられている。遊技領域3には、遊技球を誘導する複数の遊技釘16が突設されている。また、レール部材4の先端には球戻り防止片6が設けられており、一旦遊技領域へ誘導された遊技球が発射装置側へ戻るのを防止することができる。
また遊技領域3の中央付近には、液晶表示装置からなる画像表示装置7が設けられている。画像表示装置7の表示画面7aには、演出図柄8L、8C、8R(単に「演出図柄8」ともいう)が表示される演出図柄表示領域7b(「演出図柄表示部」ともいう)が設けられており、当該演出図柄8L、8C、8Rは、後述の第1特別図柄の変動表示及び第2特別図柄の変動表示に同期して変動表示を行う。演出図柄表示領域7bは、例えば「左」「中」「右」の3つの図柄表示エリアからなり、左の図柄表示エリアには左演出図柄8Lが表示され、中の図柄表示エリアには中演出図柄8Cが表示され、右の図柄表示エリアには右演出図柄8Rが表示される。
また、演出図柄8L、8C、8Rはそれぞれ、例えば「1」〜「9」までの数字をあらわした複数の図柄(識別情報)からなる。演出図柄表示領域7bに停止表示される左、中、右の演出図柄によって、後述(図4参照)の第1特別図柄表示器41a(「第1特別図柄表示部」ともいう)に表示される第1特別図柄の変動表示の結果、及び第2特別図柄表示器41b(「第2特別図柄表示部」ともいう)に表示される第2特別図柄の変動表示の結果(つまり、特別図柄当否判定(単に「当否判定」ともいう)の結果)を、遊技者が認識し易いように表示する。尚、第1特別図柄、第2特別図柄、演出図柄のいずれかを指して単に「図柄」や「識別情報」ということもある。
例えば、特別図柄当否判定の結果が大当りとなった場合には、「777」などの3桁同一のゾロ目(「大当り演出図柄」ともいう)や「135」などの予め設定したチャンス図柄や「3★3」などの専用図柄(「特殊図柄」ともいう)で演出図柄を停止表示することが可能である。また、外れとなった場合には「637」や「373」などの3つの図柄のうち少なくとも1つの図柄が異なるバラケ目図柄(「外れ演出図柄」ともいう)で演出図柄を停止表示することが可能である。
これにより、遊技者は停止表示した演出図柄を見ることで、遊技の進行状況を容易に把握することが可能となる。つまり遊技者は、一般的には特別図柄当否判定の結果を第1特別図柄表示器41aや第2特別図柄表示器41bに表示される特別図柄を見て直接的に把握するのではなく、演出図柄表示領域7bに表示される演出図柄を見て把握する。そして、本実施例1では、後述の2R大当り及び7R大当り以外の大当りについては、演出図柄8L、8C、8Rを停止表示(確定表示)する際の図柄確定演出を、例えば、表示画面7a(演出図柄表示領域7b)の略中央で演出図柄8L、8C、8Rを停止表示する等、遊技者が大当りの発生を容易に認識できる態様(第1演出態様)で行うこととし、2R大当り及び7R大当りについては、例えば、表示画面7aの隅で演出図柄8L、8C、8Rを小さく停止表示したり停止表示時間を短くしたりする等して、大当りの発生を認識するのが困難な態様(第2演出態様)で行うこととしている。尚、左・中・右の図柄表示エリアの位置は夫々区別して設ける必要はなく、左・中・右の演出図柄の表示エリアをそれぞれ図柄表示エリア(演出図柄表示領域7b)の全体としてもよい。また、演出図柄の変動表示の態様としては、例えば上下、左右、斜め方向等にスクロール表示する態様がある。
画像表示装置7の表示画面7a上では、前述のような演出図柄を用いた遊技演出(演出図柄遊技演出)を表示するほか、大当り遊技に伴って実行される大当り遊技演出や、客待ち用のデモ演出などが表示される。尚、演出図柄遊技演出や大当り遊技演出やデモ演出では、数字等の演出図柄のほか、背景画像やキャラクタ画像などの演出図柄以外の演出画像も表示される。
また画像表示装置7の表示画面7aには、後述の第1特図保留の記憶数に応じて第1演出保留9aを表示する第1演出保留表示領域9c(第1演出保留表示部)と、後述の第2特図保留の記憶数に応じて第2演出保留9bを表示する第2演出保留表示領域9d(第2演出保留表示部)とがある。第1演出保留又は第2演出保留の表示態様(表示数)により、後述の第1特図保留表示器43a(図4参照)にて表示される第1特図保留の記憶数及び第2特図保留表示器43bにて表示される第2特図保留の記憶数を、遊技者にわかりやすく示すことができる。
遊技領域3の中央付近であって画像表示装置7の前方には、演出図柄表示領域7bを取り囲むように、センター装飾体10が設けられている。センター装飾体10の下部には、遊技球が転動可能な遊技球転動面を有するステージ部11が設けられている。またセンター装飾体10の左部には、中空状のワープ部12が設けられている。ワープ部12にはワープ入口とワープ出口とが設けられており、遊技領域3を流下する遊技球をワープ入口から受け入れ、当該遊技球をワープ出口から排出しステージ部11へと誘導する。ステージ部11の転動面に誘導された遊技球は、ステージ部11に誘導されない遊技球と比して高い可能性で、後述の第1始動口20に入球可能とされている。さらにセンター装飾体10の上部には、LED等の電飾部材(盤面ランプ5)を有し遊技状態に応じて点灯可能であって、文字や図形等を象った装飾部材13が配されている。
また、センター装飾体10の上部であって、装飾部材13の後方には、遊技演出に伴って動作可能な可動装飾部材14が設けられている。図3では、可動装飾部材14の一部分のみが視認可能となっているが、例えば、比較的当りの可能性の高い遊技演出の実行に伴って、可動装飾部材が下方に落下し、当該可動装飾部材が表示画面7aの前面を覆い、その大部分が視認可能となる。これにより、遊技者は当りへの期待感を高めることとなる。遊技領域3における画像表示装置7の下方には、遊技球の入球し易さが変化しない非可変式の第1始動口20を備える固定入賞装置19が設けられている。第1始動口20への遊技球の入球に基づいて、特別図柄当否判定用乱数等が取得され、予め定められた所定条件が成立すると第1特別図柄に係る当否判定(第1特別図柄当否判定)が実行されると共に第1特別図柄が変動表示され、当否判定の結果に基づいて停止表示される。
遊技領域3における画像表示装置7の右下方には、遊技球の入球し易さが変化する可変式の第2始動口21を備える可変入賞装置22(「可変式始動口」ともいう)が設けられている。第2始動口21への遊技球の入球に基づいて、特別図柄当否判定用乱数等が取得され、予め定められた所定条件が成立すると第2特別図柄の当否判定(第2特別図柄当否判定)が実行されると共に第2特別図柄が変動表示され、当否判定の結果に基づいて停止表示される。可変入賞装置22は、可動部材(羽根部材)23を備え、可動部材23の作動によって第2始動口21を開閉するものである。
この開閉動作によって、第2始動口21は、第1の態様(閉状態)から当該第1の態様よりも遊技球の入球可能性が高い第2の態様(開状態)へと変化可能である。可動部材23は、第2始動口ソレノイド24(図5参照)により駆動される。本実施例1では、第2始動口21は、可動部材23が開状態にあるときだけ遊技球が入球可能とされ、可動部材23が閉状態にあるときには遊技球が入球不能となっている。尚、第2始動口21は、可動部材23が閉状態にあるときは開状態にあるときよりも遊技球が入球困難となるものであれば、可動部材23が閉状態にあるときに完全に入球不能となるものでなくてもよい。
また、遊技領域3における画像表示装置7の右方には、第1大入賞口30を備えた第1大入賞装置31(「第1可変入球口」ともいう)が設けられ、遊技領域3における第1始動口20の右方には、第2大入賞口35を備えた第2大入賞装置36(「第2可変入球口」ともいう)が設けられている。本実施例1では、第2大入賞装置36(第2大入賞口35)の上方に第1大入賞装置31(第1大入賞口30)が配置されている。また、第1大入賞装置31は、羽根型の開閉部材32を備え、開閉部材32の作動により第1大入賞口30を開閉するものである。開閉部材32は、第1大入賞口ソレノイド33(図5参照)により駆動される。第1大入賞口30は、開閉部材32が開状態にあるときだけ遊技球が入球可能となる。すなわち、第1可変入球口31は、開閉部材32の開閉動作により、遊技球が入球不能な入球不能状態(閉状態)と遊技球が入球可能な入球可能状態(開状態)とに変化可能である。
また、第2大入賞装置36は、板型の開閉部材37を備え、開閉部材37の作動により第2大入賞口35を開閉するものである。開閉部材37は、第2大入賞口ソレノイド38(図5参照)により駆動される。第2大入賞口35は、開閉部材37が開状態にあるときだけ遊技球が入球可能となる。すなわち、第2可変入球口36は、開閉部材37の開閉動作により、遊技球が入球不能な入球不能状態(閉状態)と遊技球が入球可能な入球可能状態(開状態)とに変化可能である。また、第2大入賞装置36は、第2大入賞口35に入球した遊技球が通過可能な特定領域39及び非特定領域49と、第2大入賞口35に入球した遊技球を特定領域39又は非特定領域49に誘導する(振り分ける)ための可動片150を含んで構成されている。
可動片150は、可動片ソレノイド151(図5参照)により駆動されるもので、可動片150は、第2大入賞口35の開放、換言すると開閉部材37の開放動作の開始を契機として、その動作が開始される。可動片ソレノイド151がOFFのとき、すなわち可動片150が動作していないときは(非動作状態)、第2大入賞口35に入球した遊技球は非特定領域49に誘導されて、特定領域39を通過することが不可能となる(例えば、図42に示す態様)。一方、可動片ソレノイド151がONのとき、すなわち可動片150が動作しているときは(動作状態)、可動片150が図42に示す態様から回転軸150aを軸に回転する。そして、第2大入賞口35に入球した遊技球は特定領域39に誘導されて、特定領域39を通過することが可能となる。本パチンコ遊技機1では、第2大入賞口35に入球した遊技球の少なくとも1個が特定領域39を通過したことが検知されることに基づいて、後述の高確率状態を発生させている。つまり特定領域39は、確変作動口となっている。このような特定領域39は、第1大入賞装置31には設けられていない。第2大入賞口35の開放(開閉部材37の開放動作)と可動片150の動作についての詳細は後述する。尚、高確率状態は、特別遊技とは別に遊技者に付与される遊技上の特典の一つである。
遊技領域3におけるセンター装飾体10の右側領域には、遊技球が通過可能なゲート28(遊技球通過口)が設けられている。ゲート28への遊技球の通過に基づいて、普通図柄当否判定用乱数等が取得され、予め定められた所定条件が成立すると、第2始動口21を開状態とするか否かを判定する普通図柄当否判定が実行されると共に普通図柄が変動表示され、普通図柄当否判定の結果に基づいて停止表示される。当り普通図柄が停止表示すると第2始動口21を開状態となる。さらに、遊技領域3の下部には、複数の一般入球口27が設けられている。このように各種入球口等が配されている遊技領域3を、左右方向の中央より左側の左遊技領域(第1遊技領域)3Aと、右側の右遊技領域(第2遊技領域)3Bと、に分けることができる。左遊技領域3Aを遊技球が流下するように遊技球を発射する打方を、左打ちといい、右遊技領域3Bを遊技球が流下するように遊技球を発射する打方を、右打ちという。本パチンコ遊技機1では、遊技開始の際は左打ちにて第1始動口20への入球を狙う。一方、第1始動口20への入球に基づく当否判定において当りとなり遊技状態が変化した際には、右打ちにてゲート28、第2始動口21、第1大入賞口30、及び第2大入賞口35への入球を狙うこととなる。そして、第1始動口、第2始動口、第1大入賞口、第2大入賞口、及び一般入球口に遊技球が入球した場合には、夫々の入球口において予め定められた数の遊技球(「賞球」ともいう)が払い出される。
また、図3及び図4に示すように、遊技盤2の右下部には主表示器40が配置されている。主表示器40には、第1特別図柄を変動表示及び停止表示する第1特別図柄表示器41a(第1特別図柄表示部)、第2特別図柄を変動表示及び停止表示する第2特別図柄表示器41b(第2特別図柄表示部)、及び、普通図柄を変動表示及び停止表示する普通図柄表示器42(普通図柄表示部)が含まれている。また主表示器40には、第1特別図柄に係る当否判定情報(第1特図保留)の記憶数を表示する第1特図保留表示器43a、第2特別図柄に係る当否判定情報(第2特図保留)の記憶数を表示する第2特図保留表示器43b、及び、普通図柄表示器42の作動保留(普図保留)の記憶数を表示する普図保留表示器44が含まれている。
また主表示器40には、第1特別図柄当否判定又は第2特別図柄当否判定の結果が当りになったことを示す当り表示器48、第1特別図柄当否判定又は第2特別図柄当否判定の結果が当りになった場合に、実行される当り遊技のラウンド数を示すラウンド表示器45、確率変動機能が作動することを示す遊技状態表示器46、及び、遊技球の発射方向、すなわち右打ちすべき状態か左打ちすべき状態かを示す発射方向表示器47が含まれている。これら主表示器40に含まれる各種表示器は後述の主制御部によって表示制御される。第1特別図柄の変動表示は、第1始動口20への遊技球の入球を契機として行われる。第2特別図柄の変動表示は、第2始動口21への遊技球の入球を契機として行われる。尚以下の説明では、第1特別図柄及び第2特別図柄を総称して特別図柄ということがある。また、第1特別図柄表示器41a及び第2特別図柄表示器41bを総称して特別図柄表示部41ということがある。また、第1特図保留表示器43a及び第2特図保留表示器43bを総称して特図保留表示部43ということがある。
特別図柄表示部41では、特別図柄(識別情報)を所定時間変動表示した後停止表示し、停止表示された特別図柄(停止図柄)によって第1始動口20又は第2始動口21への入球に基づく抽選(特別図柄当否判定、大当り抽選)の結果を報知する。停止表示される特別図柄は、特別図柄当否判定によって複数種類の特別図柄の中から選択された一つの特別図柄である。停止図柄が予め定めた特定特別図柄(特定識別情報)である場合(すなわち、大当り図柄や小当り図柄である場合)には、停止表示された特定特別図柄の種類に応じた開放パターンにて第1大入賞口30又は第2大入賞口35を開放させる特別遊技(大当り遊技)が行われる。尚、特別遊技における大入賞口(第1大入賞口30及び第2大入賞口35)の開放パターンについては後述する。
具体的に、図4に示すとおり、第1特別図柄表示器41aは、「i〜p」で示す8個のLEDで構成されており、第1特別図柄当否判定の結果に応じた特別図柄を表示する。例えば、第1特別図柄当否判定の結果が、第1大当り(15R大当り)となった場合には、「ijn」の3個のLEDを点灯し残りを消灯する(15R第1大当り図柄)。また、第2大当り(12R大当り)となった場合には、「ijk」の3個のLEDを点灯し残りを消灯する(12R第2大当り図柄)。また、第3大当り(12R大当り)となった場合には、「ijl」の3個のLEDを点灯し残りを消灯する(12R第3大当り図柄)。また、第4大当り(7R大当り)となった場合には、「jnop」の4個のLEDを点灯し残りを消灯する(7R第4大当り図柄)。また、第5大当り(7R大当り)となった場合には、「mnop」の4個のLEDを点灯し残りを消灯する(7R第5大当り図柄)。また、外れとなった場合には、「lo」の2個のLEDを点灯し残りを消灯する(外れ図柄)。一方、第2特別図柄表示器41bは、「a〜h」で示す8個のLEDで構成されており、第2特別図柄当否判定の結果に応じた特別図柄を表示する。例えば、第2特別図柄当否判定の結果が、第6大当り(15R大当り)となった場合には、「abd」の3個のLEDを点灯し残りを消灯する(15R第6大当り図柄)。また、第7大当り(2R大当り)となった場合には、「cdeh」の4個のLEDを点灯し残りを消灯する(2R第7大当り図柄)。また、第8大当り(2R大当り)となった場合には、「cdgh」の3個のLEDを点灯し残りを消灯する(2R第8大当り図柄)。また、外れとなった場合には、「eh」の2個のLEDを点灯し残りを消灯する(外れ図柄)。特別図柄が停止表示される前には所定の変動時間にわたって特別図柄の変動表示がなされるが、その変動表示の態様は、例えば予め定められた順序で、左から右へ光が繰り返し流れるように各LEDが点灯する態様とすることができる。
本パチンコ遊技機1では、第1始動口20又は第2始動口21への遊技球の入球があると、その入球に基づいて特別図柄当否判定用乱数等の各種情報(「取得情報」ともいう)を取得し、取得した各種情報は、主制御部のRAMに形成される特図保留記憶部85に一旦記憶される。詳細には、第1始動口20への入球であれば第1特図保留として第1特図保留記憶部85aに記憶され、第2始動口21への入球であれば第2特図保留として第2特図保留記憶部85bに記憶される。各々の特図保留記憶部85に記憶可能な特図保留の数には上限が設定されており、本実施例1における上限値はそれぞれ4個となっている。これら第1特図保留記憶部85a及び第2特図保留記憶部85bを、夫々「第1取得情報記憶手段」及び「第2取得情報記憶手段」ともいい、総じて「取得情報記憶手段」ともいう。
特図保留記憶部85に記憶された特図保留は、その特図保留に基づく特別図柄の変動表示が可能となったときに消化される。特図保留の消化とは、その特図保留に対応する特別図柄当否判定用乱数等を判定して、その判定結果を示すための特別図柄の変動表示を実行することをいう。従って、本パチンコ遊技機1では、第1始動口20又は第2始動口21への遊技球の入球に基づく特別図柄の変動表示がその入球時にすぐに実行できない場合、すなわち特別図柄の変動表示の実行中や特別遊技の実行中である場合であっても、所定個数を上限として、その入球に対する特別図柄当否判定の権利を留保することができるようになっている。
そしてこのような特図保留の数は、第1特図保留表示器43a及び第2特図保留表示器43bに表示される。具体的には第1特図保留表示器43aは、「uv」の2個のLEDで構成されており、第1特図保留の数に応じてLEDを表示制御することにより、第1特図保留の数を表示するものである。例えば、保留数が0の場合は「u□v□」(例えば、□:消灯、●:赤点灯、▲:緑点灯とする)というように両LEDを消灯する表示態様とし、保留数が1の場合は「u□v●」というようにuのLEDを消灯vのLEDを赤色で点灯させる表示態様とすることができる。また、保留数が2の場合は「u●v□」というようにuのLEDを赤色で点灯させvのLEDを消灯する表示態様とすることができる。また、保留数が3の場合は「u●v●」というように両方のLEDを赤色で点灯させる表示態様とすることができる。
また、保留数が4(上限数)の場合は「u▲v▲」というように両方のLEDを緑色で点灯させ表示態様とすることができる。また、第2特図保留表示器43bは、「wx」の2個のLEDで構成されており、第2特図保留の数に応じてLEDを表示制御することにより、第2特図保留の数を表示するものである。例えば、保留数が0の場合は「w□x□」(例えば、□:消灯、●:赤点灯、▲:緑点灯とする)というように両LEDを消灯する表示態様とし、保留数1〜4についても第1特図保留表示器43aと同様に定められている。
普通図柄の変動表示は、ゲート28への遊技球の通過を契機として行われる。普通図柄表示器42では、普通図柄を所定時間変動表示した後、停止表示し、停止表示された普通図柄(停止図柄)によって、ゲート28への遊技球の通過に基づく普通図柄当否判定の結果を報知する。停止表示される普通図柄は、普通図柄当否判定によって複数種類の普通図柄の中から選択された一つの普通図柄である。停止表示された普通図柄が予め定めた特定普通図柄(当り普通図柄)である場合には、現在の遊技状態に応じた開放パターンにて第2始動口21を開放させる補助遊技が行われる。尚、第2始動口21の開放パターンについては後述する。
具体的には図4に示す通り、普通図柄表示器42は、「st」の2個のLEDから構成されており、その点灯態様によって普通図柄当否判定の結果に応じた普通図柄を表示するものである。例えば、判定結果が当りである場合には、「s■t■」(例えば、■:点灯、□:消灯とする)というように両LEDが点灯した当り普通図柄を停止表示する。また判定結果が外れである場合には、「s□t■」というように「t」のLEDのみが点灯した態様の外れ普通図柄を表示する。尚、外れ普通図柄は、特定普通図柄ではない。普通図柄が停止表示される前には予め定められた所定の変動時間にわたって普通図柄の変動表示が実行されるが、その変動表示の態様は、例えば両LEDが交互に点灯・消滅を繰り返す態様である。
本パチンコ遊技機1では、ゲート28への遊技球の通過があると、その通過に基づいて普通図柄当否判定用乱数等の各種情報(「取得情報」ともいう)を取得し、取得した各種情報は主制御部のRAMに形成される普図保留記憶部86に普図保留として一旦記憶される。普図保留記憶部86に記憶可能な普図保留の数には上限が設定されており、本実施例1における上限値は4個となっている。
普図保留記憶部86に記憶された普図保留は、その普図保留に基づく普通図柄の変動表示が可能となったときに消化される。普図保留の消化とは、その普図保留に対応する普通図柄当否判定用乱数を判定して、その判定結果を示すための普通図柄の変動表示を実行することをいう。従って本パチンコ遊技機1では、ゲート28への遊技球の通過に基づく普通図柄の変動表示がその通過時にすぐ実行できない場合、すなわち普通図柄の変動表示の実行中や補助遊技の実行中である場合であっても、所定個数を上限として、その通過に対する普通図柄当否判定の権利を留保することができるようになっている。そしてこのような普図保留の数は、普図保留表示器44に表示される。具体的には普図保留表示器44は、「qr」の2個のLEDで構成されており、普図保留の数に応じてLEDを点灯させることにより普図保留の数を表示するものである。例えば、保留数が0の場合は「q□r□」(例えば、□:消灯、●:赤点灯、▲:緑点灯とする)というように両LEDを消灯する表示態様とし、保留数が1の場合は「q□r●」というようにqのLEDを消灯しrのLEDを赤色で点灯させる表示態様とすることができる。また、保留数2〜4についても第1特図保留表示器43aと同様に定められている。
次に図2及び図5に基づいて、本パチンコ遊技機1における電気的な構成を説明する。本実施例1のパチンコ遊技機1は、特別図柄当否判定や普通図柄当否判定や遊技状態の移行などの遊技利益に関する制御を行う主制御基板80(「主制御部」ともいい、「遊技制御部」ともいう)、遊技の進行に伴って実行する演出に関する制御を行うサブ制御基板90(「サブ制御部」ともいい、「演出制御部」ともいう)、遊技球の払い出しに関する制御を行う払出制御基板110(「払出制御部」ともいう)、画像表示装置7に表示される演出図柄8、演出表示器102に表示される図柄、演出第1特図保留表示器103a、及び演出第2特図保留表示器103b等の表示制御を行う画像制御基板100(画像制御部)等を備えている。また、図2に示すように、パチンコ遊技機1の後面側(裏面側)の略中央部には主制御基板80を収納した主制御基板収納ケースが設けられ、この主制御基板ケースの上方には、音声制御基板106、ランプ制御基板107及び画像制御基板100を収納した画像制御基板等収納ケースが設けられ、その画像制御基板等収納ケース上にはサブ制御基板90を収納したサブ制御基板収納ケースが設けられている。また、主制御基板ケースの下方左側には、払出制御基板を収納する払出制御基板ケースが設けられ、その右側には、電源基板109を収納する電源基板ケースが設けられている。
主制御基板80には、プログラムに従ってパチンコ遊技機1の遊技の進行を制御する遊技制御用ワンチップマイコン(以下「遊技制御用マイコン」)81が実装されている。遊技制御用マイコン81には、遊技の進行を制御するためのプログラム等を記憶したROM、ワークメモリとして使用されるRAM、ROMに記憶されたプログラムを実行するCPUが含まれている。遊技制御用マイコン81は、入出力回路87(I/Oポート部)を介して他の基板等とデータ(情報)の送受信を行う。入出力回路87は、遊技制御用マイコン81に内蔵されていてもよい。また、ROMは外付けであってもよい。遊技制御用マイコン81のRAMには、上述した特図保留記憶部85(第1特図保留記憶部85a及び第2特図保留記憶部85b)と普図保留記憶部86とが設けられている。
主制御基板80には、中継基板88を介して各種センサやソレノイドが接続されている。そのため、主制御基板80には各センサから信号が入力され、各ソレノイドには主制御基板80から信号が出力される。具体的にはセンサ類としては、第1始動口センサ20a、第2始動口センサ21a、ゲートセンサ28a、第1大入賞口センサ30a、第2大入賞口センサ35a、特定領域センサ39a、非特定領域センサ49a及び一般入球口センサ27aが接続されている。これら各種センサを「検知手段」ともいう。
第1始動口センサ20aは、第1始動口20内に設けられて第1始動口20に入球した遊技球を検知するものである。第2始動口センサ21aは、第2始動口21内に設けられて第2始動口21に入球した遊技球を検知するものである。ゲートセンサ28aは、ゲート28内に設けられてゲート28を通過した遊技球を検知するものである。第1大入賞口センサ30aは、第1大入賞口30内に設けられて第1大入賞口30に入球した遊技球を検知するものである。第2大入賞口センサ35aは、第2大入賞口35内に設けられて第2大入賞口35に入球した遊技球を検知するものである。特定領域センサ39aは、第2大入賞口35内の特定領域39に設けられており、第2大入賞口35に入球した遊技球のうち特定領域39を通過した遊技球を検知するものである。非特定領域センサ49aは、第2大入賞口35内の非特定領域49に設けられており、第2大入賞口35に入球した遊技球のうち非特定領域49を通過した遊技球を検知するものである。一般入球口センサ27aは、各一般入球口27内にそれぞれ設けられて一般入球口27に入球した遊技球を検知するものである。
またソレノイド類としては、第2始動口ソレノイド24、第1大入賞口ソレノイド33、第2大入賞口ソレノイド38及び可動片ソレノイド151が接続されている。これら各種ソレノイドを「駆動手段」ともいう。第2始動口ソレノイド24は、可変入賞装置22の可動部材23を駆動するためのもので、第1大入賞口ソレノイド33は、第1大入賞装置31の開閉部材32を駆動するためのものである。また、第2大入賞口ソレノイド38は、第2大入賞装置36の開閉部材37を駆動するためのもので、可動片ソレノイド151は、第2大入賞装置36の可動片150を駆動するものである。さらに主制御基板80には、第1特別図柄表示器41a、第2特別図柄表示器41b、普通図柄表示器42、第1特図保留表示器43a、第2特図保留表示器43b、普図保留表示器44、ラウンド表示器45、遊技状態表示器46、発射方向表示器47、及び当り表示器48が接続されている。すなわち、これらの主表示器40の表示制御は、遊技制御用マイコン81によりなされる。
また主制御基板80は、払出制御基板110に各種コマンドを送信するとともに、払い出し監視のために払出制御基板110から信号を受信する。払出制御基板110には、賞球や貸球を払い出す払出装置120、及びカードユニット135(パチンコ遊技機1に隣接して設置され、挿入されたプリペイドカード(遊技価値記憶媒体)等に記憶されている情報に基づいて球貸しを可能にするもの)が接続されているとともに、発射制御基板111(「発射制御部」ともいう)を介して発射装置112が接続されている。発射装置112には、発射ハンドル60(図1参照)が含まれる。
払出制御基板110は、プログラムに従ってパチンコ遊技機1の遊技球の払い出しを制御する払出制御用ワンチップマイコン116(「払出制御用マイコン」ともいう)が実装されている。払出制御用マイコン116には、遊技球の払い出しを制御するためのプログラム等を記憶したROM、ワークメモリとして使用されるRAM、ROMに記憶されたプログラムを実行するCPUが含まれている。払出制御用マイコン116は、入出力回路117を介し、遊技制御用マイコン81からの信号や、パチンコ遊技機1に接続されたカードユニット135からの信号に基づいて、払出装置120の払出モータ121を駆動して賞球の払い出しを行ったり、貸球の払い出しを行ったりする。払い出される遊技球は、その計数のため払出センサ122、123により検知される。尚遊技者による発射装置112のハンドル60(図1参照)の操作があった場合には、タッチセンサ114が発射ハンドル60への遊技者の接触を検知し、発射ボリューム115が発射ハンドル60の回転量を検知する。そして、発射ボリューム115の検知信号の大きさに応じた強さで遊技球が発射されるよう発射モータ113が駆動制御されることとなる。
また主制御基板80は、サブ制御基板90に対し各種コマンドを送信する。主制御基板80とサブ制御基板90との接続は、主制御基板80からサブ制御基板90への信号の送信のみが可能な単方向通信接続となっている。すなわち、主制御基板80とサブ制御基板90との間には、通信方向規制手段としての図示しない単方向性回路(例えばダイオードを用いた回路)が介在している。
また図5に示すように、サブ制御基板90には、プログラムに従ってパチンコ遊技機1の演出を制御する演出制御用ワンチップマイコン91(「演出制御用マイコン」)が実装されている。演出制御用マイコン91には、遊技の進行に伴って遊技演出を制御するためのプログラム等を記憶したROM、ワークメモリとして使用されるRAM、ROMに記憶されたプログラムを実行するCPUが含まれている。演出制御用マイコン91は、入出力回路95を介して他の基板等とデータの送受信を行う。入出力回路95は、演出制御用マイコン91に内蔵されていてもよい。また、ROMは外付けであってもよい。
サブ制御基板90には、画像制御基板100、音声制御基板106、ランプ制御基板107が接続されている。サブ制御基板90の演出制御用マイコン91は、主制御基板80から受信したコマンドに基づいて、画像制御基板100の画像制御用ワンチップマイコン101(「画像制御用マイコン」)のCPUに、画像表示装置7、演出表示器102、演出第1特図保留表示器103a、及び演出第2保留表示器103bの表示制御を行わせる。画像制御基板100のRAMは、画像データを展開するためのメモリである。画像制御基板100のROMには、画像表示装置7に表示される静止画データや動画データ、具体的にはキャラクタ、アイテム、図形、文字、数字及び記号等(演出図柄、保留図柄等を含む)や背景画像等の画像データが格納されている。画像制御基板100のCPUは、演出制御用マイコン91からの指令に基づいてROMから画像データを読み出す。そして、読み出した画像データに基づいて表示制御を実行する。
演出表示器102は、2個のLEDからなり、演出図柄8の変動表示及び停止表示にあわせて変動表示及び停止表示を行い、2個のLEDの点灯・消灯、又は色の組合せにより、演出図柄8の表示結果(特別図柄当否判定の結果)を示す表示態様で停止表示する。また、演出第1特図保留表示器103a、及び演出第2保留表示器103bも同様に2個のLEDからなる。そして、2個のLEDの点灯・消灯、又は色の組合せにより、演出第1特図保留表示器103aは第1演出保留表示領域9cに表示される保留個数及び第1特図保留表示器43aで表示される保留個数と同じ保留個数を示す表示態様で表示制御される。また、演出第2特図保留表示器103bは第2演出保留表示領域9dに表示される保留個数及び第2特図保留表示器43bで表示される保留個数と同じ保留個数を示す表示態様で表示制御される。これは、キャラクタ図柄を表示画面7a(演出図柄表示部)の略全体に表示したり、可動装飾部材14を動作させて表示画面7aの演出図柄表示領域7b(演出図柄表示部)の略全体を被覆したりすることで、演出図柄、第1演出保留表示部、又は第2演出保留表示部の一部又は全部が視認できない状態になることがあるため、この様な表示器が設けられている。尚、画像制御基板100の画像制御用ワンチップマイコン101に換えて、又は加えてVDP(Video Display Processor)を設けてもよい。
また演出制御用マイコン91は、主制御基板80から受信したコマンドに基づいて、音声制御基板106を介してスピーカ67から音声、楽曲、効果音等を出力する。スピーカ67から出力する音声等の音響データは、サブ制御基板90のROMに格納されている。尚、音声制御基板106にCPUを実装してもよく、その場合、そのCPUに音声制御を実行させてもよい。さらにこの場合、音声制御基板106にROMを実装してもよく、そのROMに音響データを格納してもよい。また、スピーカ67を画像制御基板100に接続し、画像制御基板100のCPUに音声制御を実行させてもよい。さらにこの場合、画像制御基板100のROMに音響データを格納してもよい。
また演出制御用マイコン91は、主制御基板80から受信したコマンドに基づいて、枠ランプ66や盤面ランプ5等のランプの発光態様を決める発光パターンデータ(点灯/消灯や発光色等を決めるデータ、ランプデータともいう)を、ROMに格納されているデータから決定し、ランプ制御基板107を介して枠ランプ66や盤面ランプ5等のランプ(LED)の点灯制御を行う。また、盤面ランプ5として、後述する第1発光部及び第2発光部を有している。そして、演出制御用マイコン91は、この第1発光部及び第2発光部を含む盤面ランプ5や枠ランプ66等を所定態様で発光制御し、特典の実行可能性を報知する演出を行う。尚、実行可能性として、高い可能性、中程度の可能性、低い可能性等の抽象的な(おおよその)可能性を示してもよいし、0%、0%より大きく100%より小さい所定の確率、100%等の確率を示してもよい。また、特典としては、大当りや高確率状態(特定領域の通過)を挙げることができる。
さらに演出制御用マイコン91は、主制御基板80から受信したコマンドに基づいて、ランプ制御基板107に中継基板108を介して接続された可動装飾部材14を動作させる。尚、可動装飾部材14は、図1では一部分のみ視認可能となっているが、センター装飾体10に設けられた可動式のいわゆるギミックのことである。演出制御用マイコン91は、可動装飾部材14を所定の動作態様で動作させるための動作パターンデータ(「駆動データ」ともいう)を、サブ制御基板90のROMに格納されているデータから決定し、決定した動作パターンデータに基づいて可動装飾部材14の動作を制御する。尚、ランプ制御基板107にCPUを実装してもよく、その場合、そのCPUにランプの点灯制御や可動装飾部材14の動作制御を実行させてもよい。さらにこの場合、ランプ制御基板107にROMを実装してもよく、そのROMに発光パターンや動作パターンに関するデータを格納してもよい。
またサブ制御基板90には、第1演出ボタン63a又は第2演出ボタン63b(図1参照)が操作(押す、回転、引く等)されたことを検知する第1演出ボタン検知スイッチ63c及び第2演出ボタン検知スイッチ63dが接続されている。従って、第1演出ボタン63a又は第2演出ボタン63bに対して遊技者が所定の入力操作を行うと、対応する演出ボタン検知スイッチらサブ制御基板90に対して信号が出力される。
次に、本実施例1のパチンコ遊技機1における当否判定に係る制御について説明する。特別図柄当否判定の結果として「大当り」と「外れ」がある。「大当り」のときには、特別図柄表示部41に「大当り図柄」が停止表示され、「外れ」のときには、特別図柄表示部41に「外れ図柄」が停止表示される。大当りと判定されると、停止表示された特別図柄の種類に応じた開放パターンにて、第1大入賞口30又は第2大入賞口35を開放する「特別遊技」が実行される。大当りとなって実行される特別遊技を「大当り遊技」という。
大当りには複数の種別がある。図6に示すように大当りの種別としては、「15R(ラウンド)第1大当り」、「12R第2大当り」、「12R第3大当り」、「7R第4大当り」、「7R第5大当り」、「15R第6大当り」、「2R第7大当り」及び「2R第8大当り」の計8種類がある。「15R第1大当り」及び「15R第6大当り」は、大入賞口(第1大入賞口30又は第2大入賞口35)の開放回数(ラウンド数)が15回の大当りで、「12R第2大当り」及び「12R第3大当り」、大入賞口(第1大入賞口30又は第2大入賞口35)の開放回数(ラウンド数)が12回の大当りで、「7R第4大当り」及び「7R第5大当り」は、大入賞口(第1大入賞口30又は第2大入賞口35)の開放回数(ラウンド数)が7回の大当りで、「2R第7大当り」及び「2R第8大当り」は、大入賞口(第1大入賞口30又は第2大入賞口35)の開放回数(ラウンド数)が2回の大当りである。これらの各大当りでは、1ラウンド目と2ラウンド目で第1大入賞口30を閉鎖したまま第2大入賞口35(上大入賞口)だけを開放させ、3ラウンド目以降は、奇数ラウンドで第1大入賞口30(下大入賞口)、偶数ラウンドで第2大入賞口35(上大入賞口)をそれぞれ開放させるものとしている。つまり、3ラウンド目以降は、第1大入賞口30(下大入賞口)と第2大入賞口35(上大入賞口)とが交互に開放するものとなっている(図6に示す大入賞口開放パターンの開放順序の欄を参照)。尚、各ラウンド間には所定のインターバル時間(閉鎖時間)が設定されるものとなっており、本実施例1では、1ラウンド目と2ラウンド目の間のインターバル時間と、2ラウンド目と3ラウンド目の間のインターバル時間をそれぞれ2000ms(2秒)とし、その他の各ラウンド間のインターバル時間を200ms(0.2秒)としている。
ここで、大当り遊技中の大入賞口開放パターンについて説明する。まず、3ラウンド目以降の奇数ラウンドでは、第1大入賞口30をラウンド開始から25000ms(25秒)が経過するまで開放させ、25000ms(25秒)の経過により閉鎖させて、ラウンドを終了させる。つまり、第1大入賞口30の開放を1ラウンドにつき1回行う。この開放パターンで開放する第1大入賞口30には、右打ちを行うことで、遊技球を容易に入球させることが可能となる。尚、奇数ラウンドでは、第2大入賞口35は閉鎖した状態(入球不能状態、遊技球受入不能状態)に保たれる。一方、3ラウンド目以降の偶数ラウンドでは、第2大入賞口35をラウンド開始から15000ms(15秒)が経過するまで開放させた後、1000ms(1秒)の閉鎖をそれぞれの開放の間に挟みつつ、1000ms(1秒)の開放2回と、3000ms(3秒)の開放1回と、1000ms(1秒)の開放2回を、それぞれ順次行い、その後、ラウンドを終了させる。つまり、第2大入賞口35の開放を1ラウンドにつき複数回(ここでは6回)行う。この開放パターンで開放する第2大入賞口35には、右打ちを行うことで、最初の15000ms(15秒)の開放時には遊技球を容易に入球させることが可能で、その他の開放時には入球する場合と入球しない場合とが起こり得る。尚、偶数ラウンドでは、第1大入賞口30は閉鎖した状態(入球不能状態、遊技球受入不能状態)に保たれる。
また、2ラウンド目では、第2大入賞口35を開放させるが、当該開放の開始(最初の開放開始)を契機に可動片150を動作させるものとしている。そして、前述の8種類の大当りのうち、「15R第1大当り」、「15R第6大当り」、「12R第2大当り」、「7R第4大当り」及び「2R第7大当り」については、特定領域39への遊技球の通過が容易(可能)な態様で第2大入賞口35を開放させる大当り(以下「V通過予定大当り」ともいう)となっている。一方、「12R第3大当り」、「7R第5大当り」及び「2R第8大当り」については、特定領域39への遊技球の通過が困難(不可能)な態様で第2大入賞口35を開放させる大当り(以下「V未通過予定大当り」ともいう)となっている。
2ラウンド目における第2大入賞口35の開放態様と可動片150の動作態様について説明すると、「V通過予定大当り」では、2ラウンド目の第2大入賞口35の開閉動作の態様(開放パターン)を、前述した3ラウンド目以降の偶数ラウンドと同じ態様としている。そして、第2大入賞口35をラウンド開始から15000ms(15秒)が経過するまで開放させる際の当該開放(1回目の開放)を契機として、可動片150の動作制御を開始させる。具体的には、第2大入賞口35の1回目の開放開始(つまり、ラウンド開始)から80msが経過した時点で80msだけ動作状態(可動片ソレノイド151をON)とした後に非動作状態(可動片ソレノイド151をOFF)とし、その後2880ms(約2.9秒)が経過した時点で、再度、動作状態(可動片ソレノイド151をON)とし、この状態を最大25960ms(約26秒)が経過するまで維持する(図52を参照)。このため、「V通過予定大当り」では、2ラウンド目の開始から3040ms(約3秒)が経過したところで可動片150が継続的に動作状態となるので、2ラウンド目の開始から15000ms(15秒)のうち後の11960ms(約12秒)の間は、第2大入賞口35に入球した遊技球が特定領域39を通過することが可能となる。また、15000ms(15秒)の開放が終了した後も、1000ms(1秒)の閉鎖を挟みつつ、1000ms(1秒)の開放2回と、3000ms(3秒)の開放1回と、1000ms(1秒)の開放2回を、それぞれ順次行うので、その開放の際に第2大入賞口35に入球した遊技球も特定領域39を通過することが可能となる。これにより、「V通過予定大当り」は、大当り遊技終了後の遊技状態が後述の高確率状態となる可能性が高い大当りとなる。尚、このような開放パターンで開放する第2大入賞口35には、右打ちを行うことで、最初の15000ms(15秒)の開放時には遊技球を容易に入球させることが可能で、その他の開放時には入球する場合と入球しない場合とが起こり得る。
一方、「V未通過予定大当り」では、2ラウンド目の開始から可動片150を「V通過予定大当り」と同じ態様で動作制御し、第2大入賞口35を2ラウンド目の開始から100ms(0.1秒)だけ開放させ(一瞬開閉)、その後閉鎖させて、当該ラウンドを終了させる(図51を参照)。このため、「V未通過予定大当り」では、2ラウンド目に遊技球が第2大入賞口35に入球する可能性は極めて低いもの(実質的に不可能)となり、遊技球が特定領域39を通過する可能性も極めて低いもの(実質的に不可能)となる。これにより、「V未通過予定大当り」は、大当り遊技終了後の遊技状態が後述の高確率状態となる可能性が低い(無い)大当り、換言すると、後述の通常状態(低確率状態)となる可能性が高い大当りとなる。このように、本実施例1では、大当り遊技の2ラウンド目を、特定領域39への遊技球の通過有無に基づいて大当り遊技終了後の遊技状態を高確率状態とするか否かを決定する「特典決定遊技」としている。
また、1ラウンド目においても第2大入賞口35を開放させるが、大当りの種類によって第2大入賞口35の開放パターンを異ならせている。すなわち、「15R第1大当り」及び「15R第6大当り」の1ラウンド目は、第2大入賞口35を複数回開放させるものとなっており、その開閉動作の態様は、前述した3ラウンド目以降の偶数ラウンドと同様としている。このため、「15R第1大当り」及び「15R第6大当り」の1ラウンド目では、右打ちを行うことで第2大入賞口35に遊技球を容易に入球させることが可能となる。また、「12R第2大当り」、「7R第4大当り」及び「2R第7大当り」(V通過予定大当り)の1ラウンド目は、前述した「V未通過予定大当り」(12R第3大当り、7R第5大当り及び2R第8大当り)の2ラウンド目と同じ態様で第2大入賞口35を開放させる。すなわち、第2大入賞口35をラウンド開始から100ms(0.1秒)だけ開放させ、その後閉鎖させ、ラウンドを終了させる。よって、「12R第2大当り」、「7R第4大当り」及び「2R第7大当り」(V通過予定大当り)の1ラウンド目では、遊技球が第2大入賞口35に入球する可能性は極めて低いもの(実質的に不可能)となる。
また、「12R第3大当り」、「7R第5大当り」及び「2R第8大当り」の1ラウンド目は、前述した「12R第2大当り」、「7R第4大当り」及び「2R第7大当り」の1ラウンド目と2ラウンド目とを繋げた態様で、第2大入賞口35を複数回開放させるもとなっている(図49を参照)。つまり、「V未通過予定大当り」である「12R第3大当り」、「7R第5大当り」及び「2R第8大当り」の1ラウンド目の第2大入賞口35の開放パターンは、「V通過予定大当り」である「12R第2大当り」、「7R第4大当り」及び「2R第7大当り」の1ラウンド目と2ラウンド目とを、この間のインターバル時間(ここでは2000ms)を含めて組み合わせた態様となっている。具体的には、第2大入賞口35をラウンド開始から100ms(0.1秒)だけ開放させた後、2000msの閉鎖を経て15000ms(15秒)開放させ、その後、1000ms(1秒)の閉鎖をそれぞれの開放の間に挟みつつ、1000ms(1秒)の開放2回と、3000ms(3秒)の開放1回と、1000ms(1秒)の開放2回を、それぞれ順次行う。このため、「12R第3大当り」、「7R第5大当り」及び「2R第8大当り」の1ラウンド目は、見かけ上、「12R第2大当り」、「7R第4大当り」及び「2R第7大当り」の1〜2ラウンドまでが行われた場合(2ラウンド目終了)と同様となる(図49を参照)。これにより、遊技者にとっては、ラウンド数が同じ「V通過予定大当り」と「V未通過予定大当り」(例えば、「7R第4大当り」と「7R第5大当り」)の区別がつきにくくなる。そして、本実施例1では第2大入賞口35に入球した遊技球を特定領域39に誘導するか否かの振り分けを行うための可動片150(振分部材)を2ラウンド目だけで動作させ、他のラウンドでは動作させないものとしている。このことから、遊技者にとっては、ラウンド数が「12」「7」「2」の大当りが発生した場合、それに係る大当り遊技での1ラウンド目からの第2大入賞口35の開閉動作に注目したとしても、大当り遊技終了後の遊技状態が後述の高確率状態となるか否か(特定領域39への遊技球の通過有無)の判別は困難となる。
尚、第1特別図柄(特図1)の当否判定における各大当りの振分確率は、15R第1大当りが35%、12R第2大当りが5%、12R第3大当りが30%、7R第4大当りが10%、7R第5大当りが20%となっており、V通過予定大当りとV未通過予定大当りに分けると、V通過予定大当りが50%、V未通過予定大当りが50%となっている。これに対して、第2特別図柄(特図2)の当否判定における各大当りの振分確率は、15R第1大当りが60%、2R第7大当りが20%、2R第8大当りが20%となっており、V通過予定大当りとV未通過予定大当りに分けると、V通過予定大当りが80%、V未通過予定大当りが20%となっている。すなわち、後述の開放延長機能の作動(高ベース状態の発生)により入球容易となった第2始動口21への入球に基づく第2特別図柄の当否判定により大当りとなった場合には、第1始動口20への入球に基づく第1特別図柄の当否判定によって大当りになった場合に比べ、15R大当りとなる可能性が高く、V通過予定大当りとなる可能性も高くなる。このように本パチンコ遊技機1では、第1始動口20に遊技球が入球して行われる当否判定(第1特別図柄の大当り抽選)において大当りとなるよりも、第2始動口21に遊技球が入球して行われる当否判定(第2特別図柄の大当り抽選)において大当りとなる方が、遊技者にとって有利となる可能性が高くなるように設定されている。すなわち、遊技者は、第2始動口21への入球を期待して遊技を行う。特に第2始動口21への入球頻度が高まる開放延長機能の作動中においては顕著である。
ここで本パチンコ遊技機1では、大当りか外れかの判定は「特別図柄当否判定用乱数(「当否判定用情報」ともいう)」に基づいて行われ、大当りとなった場合の大当りの種別の判定は「大当り種別決定用乱数(「図柄決定用乱数」、「図柄決定用情報」ともいう)」に基づいて行われる。図7(A)に示すように、特別図柄当否判定用乱数は「0〜629」までの範囲で値をとり、大当り種別決定用乱数は「0〜99」までの範囲で値をとる。また、第1始動口20又は第2始動口21への入球に基づいて取得される乱数(取得情報)には、特別図柄当否判定用乱数及び大当り種別決定用乱数の他に「変動パターン乱数(「変動パターン情報」ともいう)」がある。
変動パターン乱数は、変動時間を含む変動パターンを決めるための乱数である。変動パターン乱数は「0〜198」までの範囲で値をとる。また、ゲート28の通過に基づいて取得される乱数には、図7(B)に示す普通図柄当否判定用乱数がある。普通図柄当否判定用乱数は、第2始動口21を開放させる補助遊技を行うか否かの判定(普通図柄抽選)のための乱数である。普通図柄乱数は「0〜240」までの範囲で値をとる。
次に、本実施例1のパチンコ遊技機1の遊技状態に関して説明する。パチンコ遊技機1は、特別図柄及び普通図柄に対する確率変動機能、変動時間短縮機能、及び、開放延長機能の各機能が作動状態又は非作動状態となる組合せにより、複数の遊技状態を有している。特別図柄(第1特別図柄及び第2特別図柄)について確率変動機能が作動している状態を「高確率状態」といい、作動していない状態を「通常状態(「低確率状態」ともいう)」という。高確率状態では、特別図柄当否判定において大当りと判定される確率が通常状態よりも高くなっている。すなわち、通常状態では通常状態用の大当り判定テーブルを用いて当否判定を行うものの、高確率状態では、大当りと判定される特別図柄当否判定用乱数の値が多い高確率状態用の大当り判定テーブルを用いて、当否判定を行う(図8(A)参照)。つまり、特別図柄の確率変動機能が作動すると、作動していないときに比して、特別図柄の変動表示の結果が大当りとなる(停止図柄が大当り図柄となる)確率が高くなる。
また、特別図柄(第1特別図柄及び第2特別図柄)について変動時間短縮機能が作動している状態を「時短状態」といい、作動していない状態を「非時短状態」という。時短状態では、特別図柄の変動時間(変動表示の開始時から確定表示時までの時間)の平均値が、非時短状態における特別図柄の変動時間の平均値よりも短くなっている。すなわち、時短状態においては、変動時間の短い変動パターンが選択されることが非時短状態よりも多くなるように定められた変動パターンテーブルを用いて、変動パターンの判定を行う(図9参照)。その結果、時短状態では、特図保留の消化のペースが速くなり、始動口への有効な入球(特図保留として記憶され得る入球)が発生しやすくなる。そのため、スムーズな遊技の進行のもとで大当りを狙うことができる。
特別図柄(第1特別図柄及び第2特別図柄)についての確率変動機能と変動時間短縮機能とは同時に作動することもあるし、片方のみが作動することもある。そして、普通図柄についての確率変動機能及び変動時間短縮機能は、特別図柄の変動時間短縮機能に同期して作動するようになっている。すなわち、普通図柄の確率変動機能及び変動時間短縮機能は、特別図柄の時短状態において作動し、非時短状態において作動しない。よって、時短状態では、普通図柄当否判定における当り確率が非時短状態よりも高くなっている。すなわち、当りと判定される普通図柄乱数(当り乱数)の値が非時短状態で用いる普通図柄当り判定テーブルよりも多い普通図柄当り判定テーブルを用いて、普通図柄当否判定(普通図柄の判定)を行う(図8(C)参照)。つまり、普通図柄表示器42の確率変動機能が作動すると、作動していないときに比して、普通図柄の変動表示の結果が当りとなる(停止図柄が普通当り図柄となる)確率が高くなる。
また時短状態では、普通図柄の変動時間が非時短状態よりも短くなっている。本実施例1では、普通図柄の変動時間は非時短状態では30秒であるが、時短状態では1秒である(図8(D)参照)。さらに時短状態では、補助遊技における第2始動口21の開放時間が、非時短状態よりも長くなっている。すなわち、可変入賞装置22の開放時間延長機能が作動している。加えて時短状態では、補助遊技における第2始動口21の開放回数が非時短状態よりも多くなっている。すなわち、可変入賞装置22の開放回数増加機能が作動している。具体的に、非時短状態において普通図柄当否判定の結果が当りになると、可変入賞装置22の開閉部材37が0.2秒の開放動作を1回行い、その期間第2始動口が開状態となる。また時短状態において普通図柄当否判定の結果が当りになると、可変入賞装置22の開閉部材37が2.0秒の開放動作を3回行うものとされる。
普通図柄についての確率変動機能及び変動時間短縮機能、並びに、可変入賞装置22の開放時間延長機能及び開放回数増加機能が作動している状況下では、これらの機能が作動していない場合に比して、第2始動口21が頻繁に開放され、第2始動口21へ遊技球の入球頻度が高くなる(「高頻度状態」ともいう)。その結果、発射球数に対する賞球数の割合であるベースが高くなる。従って、これらの機能が作動している状態を「高ベース状態」といい、作動していない状態を「低ベース状態」という。高ベース状態では、手持ちの遊技球を大きく減らすことなく大当りを狙うことができる。
高ベース状態(高頻度状態)は、上記の全ての機能が作動するものでなくてもよい。すなわち、普通図柄についての確率変動機能及び変動時間短縮機能、並びに、可変入賞装置22の開放時間延長機能及び開放回数増加機能のうち少なくとも一つの機能の作動によって、その機能が作動していないときよりも第2始動口が開放され易く(入球頻度が高く)なっていればよい。また、高ベース状態は、特別図柄の時短状態に付随せずに独立して制御されるようにしてもよい。この様な高ベース状態を発生する機能を「高ベース発生機能」ということもできる。
本実施例1のパチンコ遊技機1では、15R第1大当り、12R第2大当り、7R第4大当り、15R第6大当り、2R第7大当りの何れかになった場合の特別遊技後の遊技状態は、その特別遊技中に特定領域39への遊技球の通過がなされていれば、特別図柄の高確率状態且つ特別図柄の時短状態且つ高ベース状態となる(図6参照)。この遊技状態を特に、「高確高ベース状態」という。高確高ベース状態は、予め定められた回数の特別図柄の変動表示が実行されるか、又は、大当りとなって大当り遊技が実行されることにより終了する。尚、特定領域39への遊技球の通過がなされていなければ、特別図柄の通常状態且つ特別図柄の時短状態且つ高ベース状態となる。
また、12R第3大当りになった場合と2R第8大当りになった場合の特別遊技後の遊技状態は、その特別遊技中に遊技球が特定領域39を通過することは極めて困難であるので、特別図柄の通常状態になるとともに、特別図柄の時短状態且つ高ベース状態となる(図6参照)。この遊技状態を特に、「低確高ベース状態」という。低確高ベース状態は、所定回数(例えば100回)の特別図柄の変動表示が実行されるか、大当りに当選してその大当り遊技が実行されることにより終了する。可能性は限りなく低いが、仮に遊技球が特定領域39を通過した場合には「高確高ベース状態」となる。
また、7R第5大当りになった場合の特別遊技後の遊技状態は、その特別遊技中に遊技球が特定領域39を通過することは極めて困難であるので、特別図柄の通常状態になるとともに、特別図柄の非時短状態且つ低ベース状態となる(図6参照)。この遊技状態を特に、「低確低ベース状態」という。尚、可能性は限りなく低いが、仮に遊技球が特定領域39を通過した場合には「高確高ベース状態」となる。
また、本実施例1では、12R第2大当りの発生により遊技状態が「高確高ベース状態」になった場合と、12R第3大当りの発生により遊技状態が「低確高ベース状態」になった場合とにおいて、特別遊技(大当り遊技)の終了後、確率変動機能が作動しているか否か、すなわち高確率状態なのか通常状態(低確率状態)なのかを認識するのが遊技者にとって困難となるようにしている。このように、高確率状態なのか通常状態(低確率状態)なのかを認識するのが困難な状態を「確率非報知状態」という。同様に、2R第7大当りの発生により遊技状態が「高確高ベース状態」になった場合と、2R第8大当りの発生により遊技状態が「低確高ベース状態」になった場合とにおいても、特別遊技(大当り遊技)終了後の状態を「確率非報知状態」としている。この「確率非報知状態」では、遊技進行に応じて行われる演出等のパチンコ遊技機1の外観(見かけ)を通じて高確率状態か否かを認識することが、遊技者にとって困難(不可能)とされる。この「確率非報知状態」は、例えば、「低確高ベース状態」の終了条件である所定回数(例えば100回)の特別図柄の変動表示が行われるまで発生させることが可能である。これに対して、15R第1大当り、7R第4大当り及び15R第6大当りの何れかの発生により遊技状態が「高確高ベース状態」になった場合、この高確高ベース状態は、高確率状態であることが遊技者にとって明らかな状態となり、遊技者にとってはいわゆる「確変遊技状態」となる。
尚、本実施例1のパチンコ遊技機1では、遊技状態として「低確低ベース状態」、「低確高ベース状態」、「高確高ベース状態」の3つの遊技状態を設定可能としているが、これに加え、特別図柄の高確率状態且つ特別図柄の非時短状態且つ低ベース状態、すなわち「高確低ベース状態」を設定可能としてもよい。
高確高ベース状態や低確高ベース状態といった高ベース状態では、右打ちにより右遊技領域3Bへ遊技球を進入させた方が有利に遊技を進行できる。また高ベース状態では、低ベース状態と比べて第2始動口21が開放されやすくなっており、第1始動口20への入球よりも第2始動口21への入球の方が容易となっているからである。そのため、普通図柄当否判定の契機となるゲート28へ遊技球を通過させつつ、第2始動口21へ遊技球を入球させるべく右打ちを行う。これにより左打ちをするよりも、多数の始動入球(特別図柄当否判定の機会)を得ることができる。この状態のとき、発射方向表示器47が所定の態様で点灯制御され、右遊技領域へ発射すべきことを報知する。
これに対して、低ベース状態(例えば低確低ベース状態)では、左打ちにより左遊技領域3Aへ遊技球を進入させた方が有利に遊技を進行できる。低ベース状態では、高ベース状態と比べて第2始動口21が開放されにくくなっており、第2始動口21への入球よりも第1始動口20への入球の方が容易となっているからである。そのため、第1始動口20へ遊技球を入球させるべく左打ちを行う。これにより右打ちするよりも、多数の始動入球(特別図柄当否判定の機会)を得ることができる。この状態のとき、発射方向表示器47が所定の態様で点灯制御(表示制御)され、左遊技領域へ発射すべきことを報知する。
具体的には発射方向表示器47は、「yz」の2個のLEDで構成されており、遊技状態に応じてLEDを点灯させることにより発射方向を示すものである。例えば、低ベース状態では、「y□z□」(例えば、□:消灯、■:点灯とする)というように両LEDを消灯する表示態様として左遊技領域へ発射すべきことを報知することができる。また、高ベース状態では、「y■z■」(例えば、□:消灯、■:点灯とする)というように両LEDを点灯する表示態様として右遊技領域へ発射すべきことを報知することができる。
[主制御メイン処理]
次に、図10〜図38に基づいて遊技制御用マイコン81の動作(主制御部による制御処理)について説明する。尚、遊技制御用マイコン81の動作説明にて登場するカウンタ、フラグ、ステータス、バッファ等は、主制御基板80のRAMに設けられている。主制御基板80に備えられた遊技制御用マイコン81は、パチンコ遊技機1の電源がオンされると、主制御基板80のROMから図10に示した主制御メイン処理のプログラムを読み出して実行する。同図に示すように、主制御メイン処理では、まず初期設定を行う(S101)。初期設定では例えば、スタックの設定、定数設定、割り込み時間の設定、主制御基板80のCPUの設定、SIO、PIO、CTC(割り込み時間用コントローラ)の設定や、各種のフラグ、ステータス及びカウンタのリセット等を行う。フラグの初期値は「0」つまり「OFF」であり、ステータスの初期値は「1」であり、カウンタの初期値は「0」である。尚、初期設定(S101)は、電源投入後に一度だけ実行され、それ以降は実行されない。尚、実施例及び図面において、普通図柄を「普図」、特別図柄を「特図」、第1特別図柄を「特図1」「第1特図」、第2特別図柄を「特図2」「第2特図」ということがある。
初期設定(S101)に次いで、割り込みを禁止し(S102)、普通図柄・特別図柄主要乱数更新処理(S103)を実行する。この普通図柄・特別図柄主要乱数更新処理(S103)では、図7に示した種々の乱数カウンタの値を1加算する更新を行う。各乱数カウンタの値は上限値に至ると「0」に戻って再び加算される。尚各乱数カウンタの初期値は「0」以外の値であってもよく、ランダムに変更されるものであってもよい。更新された乱数カウンタ値は主制御基板80のRAMの所定の更新値記憶領域(図示せず)に逐次記憶される。
普通図柄・特別図柄主要乱数更新処理(S103)が終了すると、割り込みを許可する(S104)。割り込み許可中は、割り込み処理(S105)の実行が可能となる。この割り込み処理(S105)は、例えば4ms周期で主制御基板80のCPUに繰り返し入力される割り込みパルスに基づいて実行される。そして、割り込み処理(S105)が終了してから、次に割り込み処理(S105)が開始されるまでの間に、普通図柄・特別図柄主要乱数更新処理(S103)による各種カウンタ値の更新処理が繰り返し実行される。尚、割り込み禁止状態のときにCPUに割り込みパルスが入力された場合は、割り込み処理(S105)はすぐには開始されず、割り込み許可(S104)がされてから開始される。
[割り込み処理]
次に、割り込み処理(S105)について説明する。図11に示すように、割り込み処理(S105)では、まず出力処理(S201)を実行する。出力処理(S201)では、以下に説明する各処理において主制御基板80のRAMに設けられた出力バッファにセットされたコマンド(制御信号)等を、サブ制御基板90や払出制御基板110等に出力する。ここで出力するコマンド等には、遊技状態、特別図柄当否判定の結果、大当り種別としての図柄、変動パターン等に関する情報等が挙げられる。尚コマンドは、例えば2バイトの情報からなる。上位1バイトは、コマンドの種類に関する情報であり、下位1バイトはコマンドの内容に関する情報である。
出力処理(S201)に次いで行われる入力処理(S202)では、主にパチンコ遊技機1に取り付けられている各種センサ(第1始動口センサ20a、第2始動口センサ21a、第1大入賞口センサ30a、第2大入賞口センサ35a、一般入球口センサ27a等(図5参照))が検知した検知信号を読み込み、賞球情報としてRAMの出力バッファに記憶する。また、下皿62の満杯を検知する下皿満杯検知センサからの検知信号も取り込み、下皿満杯データとしてRAMの出力バッファに記憶する。
次に行われる普通図柄・特別図柄主要乱数更新処理(S203)は、図10の主制御メイン処理で行う普通図柄・特別図柄主要乱数更新処理(S103)と同じである。即ち、図7に示した各種乱数カウンタ値(普通図柄乱数カウンタ値も含む)の更新処理は、タイマ割り込み処理(S105)の実行期間と、それ以外の期間(割り込み処理(S105)の終了後、次の割り込み処理(S105)が開始されるまでの期間)との両方で行われている。
普通図柄・特別図柄主要乱数更新処理(S203)に次いで、後述する始動口センサ検知処理(S204)、普図動作処理(S205)、特図動作処理(S206)、特定領域センサ検知処理(S207)、始動入球時処理(S208)、及び電源断監視処理(S209)を実行する。その後、本発明に深く関連しないその他の処理(S210)を実行して、割り込み処理(S105)を終了する。そして、次に主制御基板80のCPUに割り込みパルスが入力されるまでは主制御メイン処理のS102〜S104の処理が繰り返し実行され(図10参照)、割り込みパルスが入力されると(約4ms後)、再び割り込み処理(S105)が実行される。再び実行された割り込み処理(S105)の出力処理(S201)においては、前回の割り込み処理(S105)にてRAMの出力バッファにセットされたコマンド等が出力される。
[始動口センサ検知処理]
図12に示すように、始動口センサ検知処理(S204)ではまず、ゲート28に遊技球が通過したか否か、即ち、ゲートセンサ28aによって遊技球が検知されたか否かを判定する(S301)。ゲート28を遊技球が通過していれば(S301でYES)、普通図柄保留球数(普図保留の数、具体的にはRAMに設けた普図保留の数をカウントするカウンタの値)が4以上であるか否か判定し(S302)、遊技球がゲート28を通過していなければ(S301でNO)、S305に進む。
普通図柄保留球数が4以上であれば(S302でYES)、S305に進む。一方、普通図柄保留球数が4以上でなければ(S302でNO)、普通図柄保留球数に「1」を加算し(S303)、普通図柄乱数取得処理(S304)を行う。普通図柄乱数取得処理(S304)では、RAMの更新値記憶領域(図示せず)に記憶されている普通図柄当否判定用乱数カウンタの値(ラベル−TRND−H、図7(B))を取得し、その取得乱数値(取得情報)を、主制御基板80のRAMに設けられた普図保留記憶部のうち現在の普通図柄保留球数に応じたアドレス空間に格納する。
S305では、第2始動口21に遊技球が入球したか否か、即ち、第2始動口センサ21aによって遊技球が検知されたか否かを判定する(S305)。第2始動口21に遊技球が入球していない場合(S305でNO)にはS309に進むが、第2始動口21に遊技球が入球した場合には(S305でYES)、特図2保留球数(第2特図保留の数、具体的には主制御部80のRAMに設けた第2特図保留の数をカウントするカウンタの数値)が4個(上限数)に達しているか否か判定する(S306)。そして、特図2保留球数が4個に達している場合(S306でYES)には、S309に進むが、特図2保留球数が4個未満である場合には(S306でNO)、特図2保留球数に1を加算する(S307)。
続いて特図2関係乱数取得処理(S308)を行う。特図2関係乱数取得処理(S308)では、RAMの更新値記憶領域(図示せず)に記憶されている特別図柄当否判定用乱数カウンタの値(ラベル−TRND−A)、大当り種別決定用乱数カウンタの値(ラベル−TRND−AS)及び変動パターン乱数カウンタの値(ラベル−TRND−T1)を取得し(つまり図7(A)に示す乱数の値を取得し)、それら取得乱数値(取得情報)を第2特図保留記憶部85bのうち現在の特図2保留球数に応じたアドレス空間に格納する。
続いて始動口センサ検知処理(S204)では、第1始動口20に遊技球が入球したか否か、即ち、第1始動口センサ20aによって遊技球が検知されたか否かを判定する(S309)。第1始動口20に遊技球が入球していない場合(S309でNO)には処理を終えるが、第1始動口20に遊技球が入球した場合には(S309でYES)、特図1保留球数(第1特図保留の数、具体的には主制御部80のRAMに設けた第1特図保留の数をカウントするカウンタの数値)が4個(上限数)に達しているか否か判定する(S310)。そして、特図1保留球数が4個に達している場合(S310でYES)には、処理を終えるが、特図1保留球数が4個未満である場合には(S310でNO)、特図1保留球数に「1」を加算する(S311)。
続いて特図1関係乱数取得処理(S312)を行う。特図1関係乱数取得処理(S312)では、特図2関係乱数取得処理(S308)と同様に、RAMの更新値記憶領域(図示せず)に記憶されている特別図柄当否判定用カウンタの値(ラベル−TRND−A)、大当り種別決定用乱数カウンタの値(ラベル−TRND−AS)及び変動パターン乱数カウンタの値(ラベル−TRND−T1)を取得し(つまり図7(A)に示す乱数値を取得し)、それら取得乱数値を第1特図保留記憶部85aのうち現在の特図1保留球数に応じたアドレス空間に格納する。
[普図動作処理]
遊技制御用マイコン81は、始動口センサ検知処理(S204)に次いで、図13に示す普図動作処理(S205)を行う。普図動作処理(S205)では、普通図柄表示器42及び可変入賞装置22に関する処理を4つの段階に分け、それらの各段階に「普図動作ステータス1、2、3、4」を割り当てている。そして、「普図動作ステータス」が「1」である場合には(S401でYES)、普通図柄待機処理(S402)を行い、「普図動作ステータス」が「2」である場合には(S401でNO、S403でYES)、普通図柄変動中処理(S404)を行い、「普図動作ステータス」が「3」である場合には(S401、S403で共にNO、S405でYES)、普通図柄確定処理(S406)を行い、「普図動作ステータス」が「4」である場合には(S401、S403、S405の全てがNO)、普通電動役物処理(S407)を行う。尚普図動作ステータスは、初期設定では「1」である。
[普通図柄待機処理]
図14に示すように、普通図柄待機処理(S402)ではまず、普通図柄の保留球数が「0」であるか否かを判定し(S501)、「0」であれば(S501でYES)この処理を終える。一方「0」でなければ(S501でNO)、後述の普通図柄当否判定処理を行う(S502)。また、普通図柄当否判定処理(S502)に次いで、普通図柄変動パターン選択処理を行う(S503)。普通図柄変動パターン選択処理では、図8(D)に示す普通図柄変動パターン選択テーブルを参照して、遊技状態が時短状態であれば、普通図柄の変動時間が1秒の普通図柄変動パターンを選択する。一方、遊技状態が非時短状態であれば、普通図柄の変動時間が30秒の普通図柄変動パターンを選択する。また普通図柄変動パターン選択処理に次いで後述の普通図柄乱数シフト処理(S504)を行う。また、普通図柄乱数シフト処理(S504)に次いで、普通図柄変動開始処理を行い(S505)、処理を終える。普通図柄変動開始処理では、S503で選択した普通図柄変動パターンにて普通図柄の変動表示を開始するとともに、普通動作ステータスを「2」にセットする。また普通図柄変動開始処理では、サブ制御基板90に普通図柄の変動開始を知らせるため、普通図柄変動開始コマンドをセットする。
[普通図柄当否判定処理]
図15に示すように、普通図柄当否判定処理(S502)ではまず、普図保留記憶部に格納されている普通図柄当否判定用乱数カウンタの値(ラベル−TRND−H)を読み出す(S601)。次いで、時短フラグがONか否か(すなわち遊技状態が時短状態であるか否か)を判定する(S602)。S602で、時短フラグがONである、すなわち時短状態であると判定された場合(S602でYES)、図8(C)に示す普通図柄当り判定テーブルのうち時短状態用のテーブル(当り判定値が「0」〜「239」)に基づく高確率普図当否判定により、当りか否かを判定し(S604)、S605の処理に移行する。すなわち、読み出した普通図柄当否判定用乱数カウンタの値(ラベル−TRND−H)が当り判定値の何れかと一致するか否かを判定する。一方、S602で、時短フラグがONでない、すなわち、非時短状態であると判定された場合(S602でNO)、図8(C)に示す普通図柄当り判定テーブルのうち非時短状態用のテーブル(当り判定値が「0」、「1」)に基づく低確率普図当否判定により、当りか否かを判定し(S603)、S605の処理に移行する。そして、S605で、普図当否判定(S603、S604)の結果が、当り(普図当り)か否かを判定し(S605)、外れと判定された場合(S605でNO)、停止表示する外れ普通図柄(普図外れ図柄)を決定し(S606)、処理を終える。一方、S605で当り(普図当り)と判定された場合(S605でYES)、停止表示する当り普通図柄(普図当り図柄)を決定し(S607)、普図当りフラグをONにして(S608)、処理を終える。
[普通図柄乱数シフト処理]
普通図柄変動パターン選択処理(S503)に次いで普通図柄乱数シフト処理(S504)を実行する。図16に示すように、普通図柄乱数シフト処理(S504)ではまず、普通図柄保留球数を1ディクリメントする(S701)。次いで、普図保留記憶部における各普図保留の格納場所を、現在の位置から読み出される側に一つシフトする(S702)。そして、普図保留記憶部における最上位の保留記憶の格納場所であるアドレス空間を空(「0」)にして、即ち普図保留の4個目に対応するRAM領域を0クリアして(S703)、処理を終える。このようにして、普図保留が保留順に消化されるようにしている。
[普通図柄変動中処理]
図17に示すように、普通図柄変動中処理(S404)ではまず、普通図柄の変動時間が経過したか否か判定し(S801)、経過していなければ(S801でNO)処理を終える。一方、経過していれば(S801でYES)、普通図柄変動停止コマンドをセットする(S802)とともに、普図動作ステータスを「3」にセットする(S803)。そして、普通図柄の変動表示を、普通図柄当否判定用乱数の判定結果に応じた表示結果(当り普通図柄又は外れ普通図柄)で停止させる等のその他の処理を行ってから(S804)、この処理を終える。
[普通図柄確定処理]
図18に示すように、普通図柄確定処理(S406)ではまず、普図当りフラグがONであるか否かを判定する(S901)。普図当りフラグがONでなければ(S901でNO)、普図動作ステータスを「1」にセットして(S905)、この処理を終える。一方、普図当りフラグがONであれば(S901でYES)、続いて時短フラグがONであるか否か、すなわち時短状態中か否かを判定する(S902)。そして時短状態中であれば(S902でYES)、可変入賞装置22(第2始動口21)の開放パターンとして時短状態中の開放パターンをセットする(S903)。時短状態中の開放パターンとは、前述の通り、2.0秒の開放を3回繰り返す開放パターンである。従って、第2始動口21の開放回数をカウントする第2始動口開放カウンタに「3」をセットする。
これに対して、非時短状態中であれば(S902でNO)、可変入賞装置22(第2始動口21)の開放パターンとして非時短状態中の開放パターンをセットする(S906)。非時短状態中の開放パターンとは、前述の通り、0.2秒の開放を1回行う開放パターンである。従って、第2始動口開放カウンタに「1」をセットする。そして、開放パターンのセット(S903、S906)に続いて、普図動作ステータスを「4」にセットし(S904)、この処理を終える。
[普通電動役物処理]
図19に示すように、普通電動役物処理(S407)ではまず、普図当り終了フラグがONであるか否かを判定する(S1001)。普図当り終了フラグは、当りとなって実行された補助遊技において、第2始動口21の開放が終了したことを示すフラグである。
普図当り終了フラグがONでなければ(S1001でNO)、第2始動口21の開放中か否かを判定する(S1002)。開放中でなければ(S1002でNO)、第2始動口21を開放させる時期(タイミング)に至ったか否かを判定し(S1003)、至っていなければ(S1003でNO)処理を終え、至っていれば第2始動口21を開放させ(S1004)、処理を終える。一方、第2始動口21の開放中であれば(S1002でYES)、第2始動口21を閉鎖させる時期(タイミング)に至ったか否か(すなわち第2始動口21を開放してから予め定められた開放時間が経過したか否か)を判定し(S1005)、至っていなければ(S1005でNO)処理を終え、至っていれば(S1005でYES)第2始動口21を閉状態(閉鎖)とする(S1006)。
そして第2始動口21の閉鎖処理(S1006)に次いで、第2始動口開放カウンタの値を1ディクリメントし(S1007)、第2始動口開放カウンタの値が「0」であるか否か判定する(S1008)。「0」でなければ(S1008でNO)、再び第2始動口21を開放させるためにそのまま処理を終える。一方「0」であれば(S1008でYES)、補助遊技を終了させる普図当り終了処理を行う(S1009)とともに、普図当り終了フラグをセットして(S1010)処理を終える。尚、第2始動口開放カウンタは、時短状態中であれば第2始動口21の開放(可動部材23の開放動作)が3回なされると「0」になり、非時短状態中であれば第2始動口21の開放が1回なされると「0」になる。
これに対してS1001において普図当り終了フラグがONであれば(S1001でYES)、S903又はS906にてセットされた回数の第2始動口21の開放動作は終了しているので、普図当り終了フラグをOFFするとともに(S1011)、普図当りフラグをOFFし(S1012)、普図動作ステータスを「1」にセットして(S1013)処理を終える。これにより、次回の割り込み処理において、普図動作処理(図13)として再び普通図柄待機処理(S402)が実行されることになる。
[特図動作処理]
図11に示すように遊技制御用マイコン81は、普図動作処理(S205)に次いで特図動作処理(S206)を行う。特図動作処理(S206)では、図20に示すように、特別図柄表示器41及び大入賞装置(第1大入賞装置31及び第2大入賞装置36)に関する処理を5つの段階に分け、それらの各段階に「特図動作ステータス1、2、3、4」を割り当てている。そして、「特図動作ステータス」が「1」である場合には(S1101でYES)、特別図柄待機処理(S1102)を行い、「特図動作ステータス」が「2」である場合には(S1101でNO、S1103でYES)、特別図柄変動中処理(S1104)を行い、「特図動作ステータス」が「3」である場合には(S1101、S1103で共にNO、S1105でYES)、特別図柄確定処理(S1106)を行い、「特図動作ステータス」が「4」である場合には(S1101、S1103、S1105で共にNO)、大当り遊技としての特別電動役物処理(S1107)を行う。尚、特図動作ステータスは、初期設定では「1」である。
[特別図柄待機処理]
図21に示すように、特別図柄待機処理(S1102)ではまず、第2始動口21の保留球数(即ち特図2保留球数)が「0」であるか否かを判定する(S1201)。特図2保留球数が「0」である場合(S1201でYES)、即ち、第2始動口21への入球に起因して取得した乱数カウンタ値の記憶がない場合には、第1始動口20の保留球数(即ち特図1保留球数)が「0」であるか否かを判定する(S1206)。そして、特図1保留球数も「0」である場合(S1206でYES)、即ち、第1始動口20への入球に起因して取得した乱数カウンタ値の記憶もない場合には、画像表示装置7の表示画面7aを待機画面とする処理中(客待ち用のデモ画面の実行中)であるか否かを判定し(S1211)、そうであれば(S1211でYES)処理を終え、そうでなければ(S1211でNO)待機画面を表示するために待機画面設定処理を実行する(S1212)。
S1201において特図2保留球数が「0」でない場合(S1201でNO)、即ち、第2始動口21への入球に起因して取得した乱数カウンタ値の記憶が1つ以上ある場合には、後述の特図2当否判定処理(S1202)、特図2変動パターン選択処理(S1203)、特図2乱数シフト処理(S1204)、特図2変動開始処理(S1205)をこの順に行う。また、特図2保留球数が「0」であるが特図1保留球数が「0」でない場合(S1201でYES、S1206でNO)、即ち、第2始動口21に係る乱数カウンタ値の記憶はないが、第1始動口20への入球に起因して取得した乱数カウンタ値の記憶が1つ以上ある場合には、後述の特図1当否判定処理(S1207)、特図1変動パターン選択処理(S1208)、特図1乱数シフト処理(S1209)、特図1変動開始処理(S1210)をこの順に行う。このように本実施例1では、第1特図保留に基づく第1特別図柄の変動表示は、第2特図保留が「0」の場合(S1201でYESの場合)に限って行われる。すなわち第2特図保留の消化(第2特別図柄の変動表示)は、第1特図保留の消化(第1特別図柄の変動表示)に優先して実行される。そして本実施例1では、第2特図保留に基づく当否判定の方が、第1特図保留に基づく当否判定よりも、遊技者にとって利益の大きい大当りになりやすくなっている(図8(B))。
[特図2当否判定処理]
図22に示すように、特図2当否判定処理(S1202)ではまず、判定値として、RAMの第2特図保留記憶部85bの最下位の領域(即ち第2特図保留の1個目に対応するRAM領域)に記憶されている(最も古い記憶の)特別図柄当否判定用乱数カウンタの値(ラベル−TRND−A)を読み出す(S1301)。次いで、確変フラグがONか否か、すなわち高確率状態であるか否かを判定する(S1302)。そして、高確率状態でなければ(S1302でNO)、すなわち通常状態であれば、大当り判定テーブル(図8(A))のうち通常状態用の大当り判定テーブル(大当り判定値が「3」及び「397」)に基づいて当否判定を行う(S1303)。一方、高確率状態であれば(S1302でYES)、大当り判定テーブル(図8(A))のうち高確率状態用の大当り判定テーブルに基づいて当否判定を行う(S1304)。高確率状態用の大当り判定テーブルでは、大当り判定値は、「3」、「53」、「113」、「173」、「227」、「281」、「337」、「397」、「449」、「503」とされている。
大当り判定(S1303、S1304)の結果が「大当り」と判定された場合(S1305でYES)、大当り種別決定用乱数カウンタの値(ラベル−TRND−AS)を読み出して、図8(B)に示す大当り種別判定テーブルに基づいて大当り種別を判定し(S1307)、当該大当り種別決定用乱数の値に基づいて大当り図柄を決定し(S1308)、大当りフラグをONにして(S1309)、処理を終える。一方、大当り判定(S1303、S1304)の結果が「大当り」でないと判定された場合(S1305でNO)、外れ図柄を決定し(S1306)、処理を終える。尚、第1特別図柄に係る当否判定の場合は、第1特別図柄用の大当り種別判定テーブルを用いて大当り種別を判定し、第2特別図柄に係る当否判定の場合は、第2特別図柄用の大当り種別判定テーブルを用いて大当り種別を判定する。
ここで、ラウンド表示器45は、2R用ランプ、7R用ランプ、12R用ランプ、及び、15R用ランプの4個のLEDで構成されている。そして、例えば2R第7大当り又は2R第8大当りとなると、対応する大当り図柄が確定表示するタイミングで、2R用ランプが点灯表示される。具体的には、「2R▲7R△12R△15R△」(例えば、▲:点灯、△:消灯とする)の様な表示態様となる。また、7R第4大当り又は7R第5大当りとなると、対応する大当り図柄が確定表示するタイミングで、7R用ランプが点灯表示される。具体的には、「2R△7R▲12R△15R△」の様な表示態様となる。また、12R第2大当り又は12R第3大当りとなると、対応する大当り図柄が確定表示するタイミングで、12R用ランプが点灯表示される。具体的には、「2R△7R△12R▲15R△」の様な表示態様となる。また、15R第1大当り又は15R第4大当りとなると、対応する大当り図柄が確定表示するタイミングで、15R用ランプが点灯表示される。具体的には、「2R△7R△12R△15R▲」の様な表示態様となる。
[特図2変動パターン選択処理]
特別図柄待機処理(図21)では、特図2当否判定処理(S1202)に次いで、特図2変動パターン選択処理を行う(S1203)。図23及び図24に示すように、特図2変動パターン選択処理(S1203)ではまず、遊技状態が時短状態か否か(時短フラグがONか否か)を判定する(S1401)。S1401で、時短状態でないと判定した場合(S1401でNO)、すなわち非時短状態であれば、次いで、大当りフラグがONか否かを判定する(S1402)。S1402で、大当りフラグがONであると判定した場合(S1402でYES)、非時短状態大当り用テーブル(図9に示す変動パターンテーブルのうち非時短状態且つ大当りに該当する部分)を参照して、変動パターン乱数カウンタ値(ラベル−TRND−T1)に基づいて変動パターンを選択する(S1403)。本実施例では、変動パターンP1乃至P3の何れかが選択される。尚、本実施例では、変動パターンが決まれば変動時間も決まるものとされている。次いで、S1404の処理に移行する。
一方、S1402で、大当りフラグがONでないと判定した場合(S1402でNO)、次いで第2特別図柄の保留数が「1」又は「2」の何れかであるかを判定する(S1405)。ここでいう保留数とは、本処理により変動パターンを決定している情報も含めた記憶数であるので、保留記憶の数は、「1〜4」の何れかの値とされる。そして、S1405で、保留数が「1」又は「2」の何れかであると判定した場合(S1405でYES)、第1保留数外れ用テーブル(図9に示す変動パターンテーブルのうち非時短状態且つ外れ且つ保留球数「1、2」に該当する部分)を参照して、変動パターン乱数カウンタ値(ラベル−TRND−T1)に基づいて変動パターンを選択する(S1406)。本実施例では、変動パターンP4乃至P7の何れかが選択される。一方、S1405で、保留数が「1」又は「2」の何れでもない、すなわち「3」又は「4」の何れかであると判定した場合(S1405でNO)、第2保留数外れ用テーブル(図9に示す変動パターンテーブルのうち非時短状態且つ外れ且つ保留球数「3、4」に該当する部分)を参照して、変動パターン乱数カウンタ値(ラベル−TRND−T1)に基づいて変動パターンを選択する(S1407)。本実施例では、変動パターンP8乃至P11の何れかが選択される。また、第1保留数外れ用テーブルは、第2保留数外れ用テーブルよりも、比較的長時間の変動時間の変動パターンを選択する可能性が高く設定されている。また、選択可能な最も短時間の変動時間(12000ms)も、第2保留数外れ用テーブルのもの(4000ms)よりも長い時間とされている。
また、S1401で、時短状態であると判定した場合(S1401でYES)、大当りフラグがONかどうかを判定する(S1408)。S1408で、大当りフラグがONであると判定した場合(S1408でYES)、時短状態大当り用テーブル(図9に示す変動パターンテーブルのうち時短状態且つ大当りに該当する部分)を参照して、変動パターン乱数カウンタ値(ラベル−TRND−T1)に基づいて変動パターンを選択する(S1409)。本実施例では、変動パターンP12乃至P14の何れかが選択される。
一方、S1408で、大当りフラグがONでないと判定した場合(S1408でNO)、次いで保留数が「1」かどうかを判定する(S1410)。ここでいう保留数も前述と同様であり、保留数は「1」〜「4」の何れかの値とされている。S1410で、保留数が「1」であると判定した場合(S1410でYES)、第3保留数外れ用テーブル(図9に示す変動パターンテーブルのうち時短状態且つ外れ且つ保留球数「1」に該当する部分)を参照して、変動パターン乱数カウンタ値(ラベル−TRND−T1)に基づいて変動パターンを選択する(S1411)。本実施例では、変動パターンP15乃至P18の何れかが選択される。また、S1410で、保留数が「1」でない、すなわち、保留数が「2乃至4」の何れかであると判定した場合(S1410でNO)、第4保留数外れ用テーブル(図9に示す変動パターンテーブルのうち時短状態且つ外れ且つ保留球数「2〜4」に該当する部分)を参照して、変動パターン乱数カウンタ値(ラベル−TRND−T1)に基づいて変動パターンを選択する(S1411)。本実施例では、変動パターンP19乃至P22の何れかが選択される。ここで、時短状態で且つ外れの場合に選択される変動パターンは、非時短状態で且つ外れの場合に選択される変動パターンと比較して、短い変動パターンが選択される可能性が高くされている。これは、時短状態において変動時間の短い変動パターンがより多く選択されようにすることで、特図保留の消化スピードを早める(時短中の遊技を迅速に進行させる)ためである。
前述のようにして変動パターンの選択を行った後は、図23に示すその他の処理を行い(S1404)、処理を終える。尚、その他の処理(S1404)では、選択した変動パターンに応じた変動パターン指定コマンドをRAMの出力バッファにセットする等の処理を行う。また、この処理でセットされた変動パターン指定コマンドは、後述の変動開始コマンドに含められて、出力処理(S201)によりサブ制御部90に送信される。
[特図2乱数シフト処理]
図25に示すように、特図2乱数シフト処理(S1204)ではまず、特図2保留球数を1ディクリメントする(S1501)。次いで、第2特図保留記憶部85bにおける各種カウンタ値の格納場所を、1つ下位側(例えば第2特図保留記憶部85bがアドレス「0000」〜「0003」に対応するアドレス空間からなる場合、アドレス「0000」側)にシフトする(S1502)。そして、第2特図保留記憶部85bの最上位のアドレス空間に「0」をセットして、即ち、(上限数まで記憶されていた場合)第2特図保留の4個目に対応するRAM領域を0クリアして(S1503)、この処理を終える。
特図2乱数シフト処理(S1204)を実行した後は、図21の特図2変動開始処理(S1205)を実行する。特図2変動開始処理(S1205)では、特図動作ステータスを「2」にセットすると共に、変動開始コマンドをRAMの出力バッファにセットして、第2特別図柄の変動表示を開始する。図21の特別図柄待機処理(S1102)において、特図2保留球数が「0」であり、且つ、特図1保留球数が「0」でない場合(S1201でYES、S1206でNO)には、特図1当否判定処理(S1207)、特図1変動パターン選択処理(S1208)、特図1乱数シフト処理(S1209)、特図1変動開始処理(S1210)をこの順に行う。
[特図1当否判定処理]
図26に示すように、特図1当否判定処理(S1207)では、図22に示した特図2当否判定処理(S1202)と同様の流れで処理(S1601〜S1609)を行う。従って、本処理の詳細な説明は省略する。但し、本処理は特図1に関する処理であるので、S1601では、RAMの第1特図保留記憶部85aの最下位の領域(即ち第1特図保留の1個目に対応するRAM領域)に記憶されている特別図柄当否判定用乱数カウンタ値(ラベル−TRND−A)を読み出して処理を行う。
[特図1変動パターン選択処理]
図27及び図28に示すように、特図1変動パターン選択処理(S1208)では、図23及び図24に示した特図2変動パターン選択処理(S1403)と同様の流れで処理(S1701〜S1712)を行う。従って本処理の詳細な説明は割愛する。
[特図1乱数シフト処理]
図29に示すように、特図1乱数シフト処理(S1209)ではまず、特図1保留球数を1ディクリメントする(S1801)。次いで、第1特図保留記憶部85aにおける各種カウンタ値の格納場所を、1つ下位側にシフトする(S2002)。そして、第1特図保留記憶部85aの最上位のアドレス空間に「0」をセットして、即ち、(上限数まで記憶されていた場合)第1特図保留の4個目に対応するRAM領域を0クリアして(S1803)、この処理を終える。
特図1乱数シフト処理(S1209)を実行した後は、図21の特図1変動開始処理(S1210)を実行する。特図1変動開始処理(S1210)では、特図動作ステータスを「2」にセットすると共に、変動開始コマンドをRAMの出力バッファにセットして、第1特別図柄の変動表示を開始する。
[特別図柄変動中処理]
図30に示すように、特別図柄変動中処理(S1104)ではまず、特別図柄の変動時間(図21のS1203又はS1208で選択された変動パターンに応じて決まる変動時間、図9参照)が経過したか否かを判定する(S1901)。変動時間が経過していないと判定した場合(S1901でNO)、処理を終える。これにより特別図柄の変動表示が継続される。
一方、変動時間が経過したと判定した場合(S1901でYES)、変動停止コマンドをセットする(S1902)。そして、確変フラグがONか否か判定し(S1903)、ONであれば(S1903でYES)、確変カウンタを1減算し(S1904)、確変カウンタの値が「0」か否かを判定する(S1905)。S1905で確変カウンタが「0」であると判定した場合、確変フラグをOFFし、S1907の処理に移行する。一方、確変フラグがONでないと判定した場合(S1903でNO)、及び確変カウンタが「0」でないと判定した場合(S1905でNO)、S1907の処理に移行する。
そしてS1907では、時短フラグがONか否かを判定し(S1907)、時短フラグがONであると判定した場合(S1907でYES)、時短状態中に実行した特別図柄の変動表示回数をカウントする時短カウンタの値を1減算し(S1908)、時短カウンタの値が「0」か否かを判定し(S1909)、「0」であれば(S1909でYES)、時短フラグをOFFにし(S1910)、S1911の処理に進む。また、時短フラグがONでないと判定した場合(S1907でNO)、及び時短カウンタの値が「0」でないと判定した場合(S1909でNO)、S1911の処理に進む。
S1911では、特図動作ステータスを「3」にセットする(S1911)。そして、特別図柄の変動表示を、特別図柄当否判定乱数及び大当り種別決定用乱数の判定結果に応じた結果で停止させる等のその他の処理を行い(S1912)、この処理を終える。
[特別図柄確定処理]
図31に示すように、特別図柄確定処理(S1106)ではまず、大当りフラグがONであるか否かを判定する(S2001)。大当りフラグがONであれば(S2001でYES)、続いて大当りの種別が15R大当り(15R第1大当り、又は15R第6大当り)か否かを判定する(S2002)。S2002で、大当りの種別が15R大当りであると判定した場合(S2002でYES)、大当り遊技中に実行するラウンドの回数をカウントするラウンドカウンタの値に「15」をセットし(S2003)、S2009の処理に移行する。
S2002で、大当りの種別が15R大当りでないと判定した場合(S2002でNO)、次いで大当りの種別が12R大当り(12R第2大当り又は12R第3大当り)かどうかを判定する(S2004)。S2004で、12R大当りであると判定した場合(S2004でYES)、ラウンドカウンタの値に「12」をセットし(S2005)、S2009の処理に移行する。一方、S2004で、大当り種別が12R大当りでないと判定した場合(S2004でNO)、次いで大当り種別が7R大当り(7R第4大当り又は7R第5大当り)かどうかを判定する(S2006)。S2006で、7R大当りであると判定した場合(S2006でYES)、ラウンドカウンタの値に「7」をセットし(S2007)、S2009の処理に移行する。S2006で、7R大当りでないと判定した場合(S2006でNO)、大当り種別は2R大当り(2R第7大当り又は2R第8大当り)であるため、ラウンドカウンタの値に「2」をセットし(S2008)、S2009の処理に移行する。
S2009では、大当りの種類に応じた大入賞口開放パターンをセットし(S2009)、S2010の処理に移行する。ここで、大入賞口の開放パターンは、大当りの種別に応じて定められており(図6参照)、本実施例では、特定のラウンドにおいて開閉動作する大入賞口を固定化している。具体的に、何れの大当りにおいても、1ラウンド目及び2ラウンド目は第2大入賞口35を開閉し、(3ラウンド以上の大当りであれば)3ラウンド目は第1大入賞口30を開閉するものとしている。一方で、異なる大当りにおいて、1ラウンド目は同じ第2大入賞口35を開閉させるものの、その開閉パターン(開放パターン)は異なる場合がある。
すなわち、本実施例では、大当りの種別毎に、大入賞口の開放パターンが定められている。具体的には、15R第1大当りであれば、15R第1大当り用の開放パターンをセットし、15R第1大当り遊技の実行中に当該15R第1大当り用の開放パターンを実行するものとされる。また、12R第2大当りであれば12R第2大当り用の開放パターンをセットし、12R第3大当りであれば12R第3大当り用の開放パターンをセットし、7R第4大当りであれば7R第4大当り用の開放パターンをセットし、7R第5大当りであれば7R第5大当り用の開放パターンをセットし、15R第6大当りであれば15R第6大当り用の開放パターンをセットし、2R第7大当りであれば2R第7大当り用の開放パターンをセットし、2R第8大当りであれば2R第8大当り用の開放パターンをセットする。そして、夫々の大当り遊技において対応する大当り用開放パターンを実行するものとされる。
S2010では、大当り遊技を開始するべく、大当りのオープニングコマンドをセットする(S2010)。オープニングコマンドは、大当りの種別によって定められており、15R第1大当り用オープニングコマンド、12R第2大当り用オープニングコマンド等、各大当りに対応して夫々設けられている。そして、セットされたオープニングコマンドによって、その後、対応するオープニング期間が実行される。具体的に、図48に示す通り、7R第4大当り、又は、7R第5大当りの場合には、オープニング期間として1900msの期間が設定され、その他の大当りの場合には、オープニング期間として8000msの期間が設定される。そして、主制御部80は、セットしたオープニングコマンドを、出力処理(S201)により、所定のタイミングでサブ制御部90に対して送信し、当該オープニングコマンドを受信したサブ制御部90では、オープニング期間に対応した所定の遊技演出を行うものとされる。また、S2011では、大当り遊技のオープニング期間を開始し(S2011)、特図動作ステータスを「4」にセットする(S2012)。また、S2001において大当りフラグがONでないと判定された場合(S2001でNO)、特図動作ステータスを「1」にセットし(S2013)、処理を終える。
[特別電動役物処理(大当り遊技)]
図32に示すように、特別電動役物処理(S1108)ではまず、確変フラグがONか否かを判定し(S2101)、確変フラグがONであると判定した場合(S2101でYES)、確変フラグをOFFし(S2102)、次いで、時短フラグがONか否かを判定する(S2103)。S2103で、時短フラグがONであると判定した場合(S2103でYES)、時短フラグをOFFし(S2104)、S2105の処理に移行する。尚、S2101でNOと判定された場合、確変フラグをOFFにすることなくS2103の処理に移行し、S2103でNOと判定された場合、時短フラグをOFFにすることなくS2105の処理に移行する。つまり、大当り遊技の実行中は、低確率状態且つ非時短状態に制御される。本実施例1では非時短状態中は常に低ベース状態であるので、大当り遊技の実行中は低ベース状態に制御されることにもなる。
次に、大当り終了フラグがONであるか否かを判定する(S2105)。大当り終了フラグは、大当り遊技において大入賞装置(第1大入賞装置31及び第2大入賞装置36)の開放処理が全て終了(大当り遊技が終了)したことを示すフラグである。大当り終了フラグがONでないと判定した場合(S2105でNO)、次いでラウンドの開始時期かどうかを判定する(S2106)。これは、前述した大当り種別毎に設定した大入賞口開放パターンに基づいて判定する。例えば、1ラウンド目の開始前であれば、オープニング期間が終了して1ラウンド目の最初の開放処理を実行するタイミングであるかどうかによって判定する。また、既に1ラウンド目を開始した後であれば、前のラウンドが終了し、且つ、所定のインターバル期間(2000ms又は200ms)が終了したかどうかによって判定する。尚、ラウンドを、単に「R」ともいい、「ラウンド遊技」ともいう。
S2106で、ラウンド開始時期であると判定した場合(S2106でYES)、対応するラウンドのラウンド開始コマンドをセットし(S2107)、大入賞口開放処理を行う(S2108)。これにより、大入賞口が開放状態となり所定のラウンドが開始することとなる。尚、S2107では、1ラウンド目の開始であれば「1R開始コマンド」、2ラウンド目の開始であれば「2R開始コマンド」のように、開始するラウンドを特定可能なラウンド開始コマンドがセットされる。セットされたラウンド開始コマンドは、S201の出力処理により、サブ制御部90に送信される。また、S2108の大入賞口開放処理では、実行される大当りの種別に応じて定められた大入賞口開放パターンであって、開始されるラウンドに定められた開放パターンが開始される。
次いで、S2109で、開始するラウンドがVラウンド(2ラウンド目)かどうか、すなわち、開始するのが、内部に特定領域39を有する第2大入賞口35(「Vアタッカー」ともいう)を開放するラウンドであって、可動片150を動作させる(特定領域39を遊技球が通過可能な状態とする)ラウンドであるかどうかを判定する(S2109)。本実施例では、2ラウンド目が可動片150を動作させるVラウンドに設定されている。また、内部に特定領域39を有する第2大入賞口35を開放するラウンドであって、可動片150を動作させるラウンド(Vラウンド)を、「特定ラウンド」又は「特定ラウンド遊技」ともいう。また、内部に特定領域39を有する第2大入賞口35を開放するラウンドであって、可動片150を動作させないラウンドを、「非特定ラウンド」又は「非特定ラウンド遊技」ともいう。また、内部に特定領域や可動片を有していない第1大入賞口30を開放するラウンドを、「通常ラウンド」又は「通常ラウンド遊技」ともいう。
S2109で、開始するラウンドがVラウンド(2ラウンド目)でない、すなわち1ラウンド目又は3ラウンド目以降であると判定した場合(S2109でNO)、処理を終える。一方、S2109で、開始するラウンドがVラウンド(2ラウンド目)であると判定した場合(S2109でYES)、予め定められた特定領域有効パターンに基づいて特定領域の有効期間を設定する(S2110)と共に、予め定められた特定領域開閉動作パターンに基づいて特定領域の開閉動作を開始し(S2111)、処理を終える。
ここで、特定領域有効パターンは、図50のタイミングチャートにおいて、『特定領域通過の扱い』のタイミングチャートに示す通りであり、図50に示す所定のタイミングで、有効又は無効に切り替えられる。また、特定領域開閉動作パターンは、同じく図50のタイミングチャートにおいて、『特定領域』のタイミングチャートに示す通りであり、図50に示す所定のタイミングで、可動片150を動作させて開放(特定領域39を通過可能な状態)又は閉鎖(特定領域39を通過不能な状態)に切り替えられる。
尚、特定領域開閉動作パターンは、Vラウンドの開始(最初の開放時)を契機に開始し、Vラウンドが終了し、且つVラウンド終了後に設定されるインターバル期間(2000ms)が終了したタイミングで終了する(図50乃至52を参照)。また、詳細は後述するが、本実施例の特定領域開閉動作パターンは、1パターンのみ設定されており、80msの閉鎖期間から開始し、その後80msの開放期間を設定し、その後も所定のパターンで開放期間又は閉鎖期間が設定されている。また、特定領域開閉動作パターンは、1パターンのみ設定されるものの、特定領域開閉動作パターンの終了タイミングは大当り遊技(実行されるVラウンド)によってことなるため、実行期間の違いから結果的に、異なる特定領域開閉動作パターンとなる。具体的には、図51に示す特定領域開閉動作パターンと図52示す特定領域開閉動作パターンとは異なるものとなっている。
S2106で、ラウンド開始時期でないと判定した場合(S2106でNO)、S2112の処理に移行する。ここで、ラウンド開始時期でないと判定する場合として、例えば、1ラウンド開始前のオープニング期間実行中や、ラウンド実行中や、ラウンド終了後のインターバル期間中や、後述する大入賞口閉鎖処理中を挙げることができる。S2112では、大入賞口開閉動作中かどうか、すなわち、S2108で開始した所定の開放パターンの実行中(ラウンド中)であるかどうかを判定する(S2112)。S2112で、大入賞口開閉動作の実行中(ラウンド中)であると判定した場合(S2112でYES)、次いで、実行中のラウンドのラウンド終了条件が成立したかどうかを判定する(S2113)。
ここで、本実施例のラウンド終了条件として、(1)実行中のラウンドに定められたラウンド実行時間(例えば、29s)を経過したこと(又は、実行中のラウンドに定められた開放パターンを終了したこと)(2)実行中のラウンドにおいて、当該実行中のラウンドに定められた規定数(例えば、10球)の遊技球が入球したこと、の2個の条件が定められている。そして、何れか一方の条件が成立すると、当該先に成立した条件に基づいてラウンド終了条件が成立となる。S2113で、ラウンド終了条件が成立していないと判定した場合(S2113でNO)、処理を終える。
一方、S2113で、ラウンド終了条件が成立したと判定した場合(S2113でYES)、対応するラウンドのラウンド終了コマンドをセットし(S2114)、S2115の処理に移行する。尚、S2114では、1ラウンド目の終了であれば「1R終了コマンド」、2ラウンド目の終了であれば「2R終了コマンド」のように、終了するラウンドを特定可能なラウンド終了コマンドがセットされる。セットされたラウンド終了コマンドは、S201の出力処理により、サブ制御部90に送信される。
また、S2112で大入賞口開閉動作中でないと判定した場合(S2112でNO)も、S2115の処理に移行する。S2115では、後述する大入賞口閉鎖処理を行い(S2115)、次いで、大入賞口閉鎖処理が終了したかどうかを判定する(S2116)。ここで、大入賞口閉鎖処理では、主に、インターバル期間設定処理、チャンスラウンド(1ラウンド目及び2ラウンド目)における入排出数一致判定処理、及び不一致と判定された場合のリトライ処理、エラー報知処理等が実行され、これらの処理が終了すると、大入賞口閉鎖処理が終了したと判定される。また、大入賞口閉鎖処理の実行中は閉鎖処理フラグがONにされており、大入賞口閉鎖処理が終了(完了する)すると、この閉鎖処理フラグがOFFにされる。従って、大入賞口閉鎖処理が終了したかどうかの判定は、閉鎖処理フラグがONかOFFかによって判定される。ここで、大入賞口閉鎖処理において実行可能とされるインターバル期間設定処理、入排出数一致判定処理、リトライ処理、及び、エラー報知処理の夫々を個別に「確認処理」ともいい、これらの処理を総じて確認処理ともいう。
S2116で、大入賞口閉鎖処理が終了していない(閉鎖処理フラグがON)と判定した場合(S2116でNO)、処理を終える。一方、S2116で、大入賞口閉鎖処理が終了した(閉鎖処理フラグがOFF)と判定した場合(S2116でYES)、ラウンドカウンタの値を1ディクリメントし(S2117)、ラウンドカウンタの値が「0」であるかどうかを判定する(S2118)。S2118で、ラウンドカウンタの値が「0」でないと判定した場合(S2118でNO)、処理を終える。一方、ラウンドカウンタの値が「0」であると判定した場合(S2118でYES)、大当り遊技を終了させる大当り終了処理として、大当りのエンディングコマンドをセットすると共に(S2119)、大当りのエンディング期間を開始し(S2120)、大当り終了フラグをONにし(S2121)、処理を終える。尚、ラウンドカウンタの値は、実行する大当りにおける全てのラウンドを終了すると「0」になる。
ここで、S2119における大当り終了処理では、エンディングコマンドをセットする処理が行われるところ、セットされるエンディングコマンドは、複数のエンディングコマンドから、大当りとなった際の遊技状態、大当りの種別情報、及び、特定領域通過未通過(特定領域非通過)情報(VフラグがONかOFFか)に基づいて、何れかのエンディングコマンドを選択し、セットするものとされる。何れのエンディングコマンドがセットされるかによって、実行される(設定される)エンディング期間が異なるものとなっている。
具体的に、図48に示す通り、遊技状態が低確率時短なし(低確低ベース状態)の場合において、大当り種別が15R第1大当り又は15R第6大当りで、且つ、VフラグがONであれば、すなわち、大当り遊技後が高確率状態(高確高ベース状態)となる場合には、17000msのエンディング期間(第1エンディング期間)を実行するエンディングコマンドを設定する。一方、大当り種別が15R第1大当り又は15R第6大当りで、且つ、VフラグがOFFであれば、すなわち、大当り遊技後が低確率状態(低確高ベース状態)となる場合には、8000msのエンディング期間(第2エンディング期間)を実行するエンディングコマンドを設定する。
これは、15R第1大当り又は15R第6大当りの場合、特定領域通過すると、エンディング期間において、高確率状態であることを遊技者に示す演出が実行され、特定領域未通過(非特定領域を通過)の場合には、エンディング期間において、時短状態となることを示す(低確率状態であることを遊技者に示す、又は、高確率状態であることを遊技者に示さない)演出が実行されることによるものである。また、本実施例では、高確率状態であることを遊技者に示す演出は比較的長時間の演出とされ、低確率状態であることを遊技者に示す(高確率状態であることを遊技者に示さない)演出は比較的短時間の演出とされていることによるものである。この様に、本実施例では、Vラウンドにおける特定領域通過結果(VフラグがONかOFFか)に応じて、異なる長さのエンディング期間を実行する必要があるため、特定領域通過結果に応じて異なる長さのエンディング期間を設定可能としている。これにより、エンディングコマンドを受信したサブ制御部は、エンディング期間に応じた(大当り遊技後の遊技状態に応じた)エンディング演出を実行することが可能となる。
また、遊技状態が低確率時短なし(低確低ベース状態)の場合において、大当り種別が12R第2大当り又は12R第3大当りの場合には、VフラグがONであってもOFFであっても、共通の8000msのエンディング期間(第3エンディング期間)を実行するエンディングコマンドを設定するものとしている。これは、大当り種別が12R第2大当り又は12R第3大当りの場合には、当該大当り遊技終了後を、特別図柄当否判定確率(大当り確率)が高確率か低確率かを遊技者が認識困難な態様とする確率非報知状態(単に「非報知モード」ともいう)とすることによるものである。すなわち、これらの大当りに係るエンディング期間に実行するエンディング演出では、特定領域を通過しても、通過しなくとも、その後非報知モードに突入することを示す演出を行うため、特定領域通過結果によって、設定するエンディング期間を変更しないものとされている。ここで、第1エンディング期間と第3エンディング期間を同じ長さの期間に設定してもよいし、第2エンディング期間と第3エンディング期間を同じ長さの期間に設定してもよい。
また、遊技状態が低確率時短なし(低確低ベース状態)の場合において、大当り種別が7R第4大当り又は7R第5大当りで、且つ、VフラグがONであれば、すなわち、大当り遊技後が高確率状態(高確高ベース状態)となる場合には、17000msのエンディング期間(第1エンディング期間)を実行するエンディングコマンドを設定する。一方、大当り種別が7R第5大当りで、且つ、VフラグがOFFであれば、すなわち、大当り遊技後が低確率状態(低確低ベース状態)となる場合には、5000msのエンディング期間(第4エンディング期間)を実行するエンディングコマンドを設定する。この第4エンディング期間は、第1乃至第3エンディング期間よりも短い期間とされている。低確低ベース状態は、大当り遊技後に設定される遊技状態のなかで最も不利な遊技状態であるため、その様な遊技状態への移行を長時間報知する時間を設けると、遊技者の遊技意欲を減退させる虞がある。このため、短期間のエンディング期間を設定し、迅速に遊技を進行するものとしている。また、大当り種別が7R第5大当りで、且つ、VフラグがOFFであれば、大当り遊技後が低確率状態(低確高ベース状態)となるので、8000msのエンディング期間(第2エンディング期間)を実行するエンディングコマンドを設定する。
また、遊技状態が低確率時短あり(低確高ベース状態)又は高確率時短あり(高確高ベース状態)の場合においては、大当りの種別によってエンディング期間(8000ms、6000ms、3900ms)が定められており(図48参照)、特定領域通過情報(VフラグのON・OFF)によって、セットされるエンディングコマンド(実行されるエンディング期間)は変化しないものとされている。また、15R第6大当り、2R第7大当り、及び、2R第8大当りにおいて、設定されるエンディング期間が異なるのは、例えば、以下のようにすることが可能であるからである。
例えば、15R第6大当りは、エンディング期間において、高確率状態が継続することを示す演出を行うため、8000msに設定されている。尚、17000msに設定しないのは、第2特別図柄による大当りは、既に高確率状態に突入した後の2回目以降の大当りである可能性が非常に高いため、所謂連荘中の遊技進行を迅速にするため、適度な時間設定としている。また、2R第8大当りは、「V未通過予定大当り(「V非通過予定大当り」ともいう)」とされており、高確率状態はこの大当りを契機に終了するものとされている。そのため、前述と同様にこの様な不利な期間への突入を報知する期間は短期間である方が好ましいため、最も短い期間(3900ms)としている。また、2R第7大当りは、「V通過予定大当り」とされており、2R第8大当りと同じラウンド数であるため、エンディング期間において、一旦、2R第8大当りと共通する演出(例えば、敗北演出)を実行し、その後、実は高確率状態となることを示す演出(例えば、昇格演出、復活演出)を行うことが可能である。このため、2R第8大当りよりも長いエンディング期間(6000ms)に設定されているのである。また、時短中は特定領域通過情報に基づいてエンディング期間を変化させない理由の一つとして、以下の理由を挙げることが可能である。すなわち、時短中の大当りは、2回目以降の大当り(所謂連荘)であるため、遊技者が遊技に慣れ、「V通過予定大当り」又は「V未通過予定大当り」の予定通り遊技が進行する可能性が非常に高いため、エンディング期間を特定領域通過情報に基づいて変化させないものすることが挙げられる。
また、S2105において、大当り終了フラグがONであると判定した場合(S2105でYES)、大当り遊技における最終ラウンドが終了しているので、大当りのエンディング演出の実行時間が経過したかどうかを判定し(S2122)、エンディング時間が経過していないと判定した場合(S2122でNO)、処理を終える。一方、エンディング時間が経過したと判定した場合(S2122でYES)、大当り終了フラグをOFFにし(S2123)、後述する遊技状態設定処理(S2124)を行う。次いで、大当りフラグをOFFにし(S2125)、特図動作ステータスを「1」にセットし(S2126)、処理を終える。これにより、次回の割り込み処理において、特図動作処理(図20)として再び特別図柄待機処理(S1102)が実行されることになる。
ここで、特定領域有効期間設定処理(S2110)では、Vラウンド、すなわち、2ラウンド目における第2大入賞口35の開放開始後の所定期間を、特定領域センサ39aによる遊技球の検知を有効(特典付与)と判定する期間(「有効期間」や「第1期間」ともいう)に設定する。そして、有効期間以外の期間は、特定領域センサ39aによる遊技球の検知を無効(特典非付与)と判定する期間(「無効期間」や「第2期間」ともいう)に設定している。また、特定領域39の有効期間は、Vラウンドにおける第2大入賞口35(Vアタッカー)の開放パターンの実行態様と、第2大入賞口35(Vアタッカー)内の特定領域39の開放パターン(可動片の開閉動作パターン)の実行態様と、に基づいて定められている。
具体的に、特定領域の通過が有効とされる期間、すなわち、遊技球が特定領域を通過することで大当り遊技終了後の遊技状態が高確率状態となる期間(特典が付与される期間)は、図51乃至図52に示す通りである。図51は、2R第8大当り、7R第5大当り、及び、12R第3大当りの2ラウンド目、すなわちVラウンド(第2大入賞口35を開放)のタイミングチャートである。この2R第8大当り、7R第5大当り、及び、12R第3大当りは、大当り遊技中に遊技球が特定領域39を通過することが予定されていない「V未通過予定大当り」とされている。従って、Vラウンドにおける大入賞口の開放パターン(Vアタッカーの開放パターン)として、開放時間の短いショート開放の開放パターンが選択される。
そして、これに伴って、特定領域開閉パターンが実行され、且つ特定領域有効期間設定処理が実行される。まず、Vアタッカーが開放することでVラウンド(2ラウンド目)が開始すると共に、特定領域開閉動作パターンが開始される。図51に示す通り、特定領域開閉動作パターンは、閉鎖状態から開始する。閉鎖状態で80ms経過した後に開放状態に変化し(可動片150が動作して、図47の(a)から(b)に変化)、開放状態で80ms経過した後(全体で160ms経過した後)に、閉鎖状態に変化する。一方、このショート開放の開放パターンは、Vアタッカーを、100ms開放しただけで閉鎖して、Vラウンド(2ラウンド目)を終了する。そして、2000msのインターバル期間を設定する。特定領域開閉動作パターンは、このVラウンドのインターバル期間(2000ms)の終了を契機に終了するものとされている。本実施例では、図51に示す通り、80msの開放を終了した後、1940msの閉鎖状態を経て、特定領域開閉動作パターンを終了するものとされる。これにより、その後に有している最大25960msの開放動作を実行することなく、特定領域開閉動作パターンを終了するものとされる(図50参照)。
一方、特定領域の有効期間は、Vラウンド開始後であって、最初に特定領域が開放状態となったタイミングで、開始される。すなわち、Vラウンド開始後であって、特定領域が開放状態となる前(可動片が動作を開始する前)の閉鎖状態の80msは無効期間とされている。そして、以後、特定領域開閉動作パターンの実行中において、特定領域が開放状態とされる期間は、有効期間に設定される。但し、リトライ動作中は無効期間とされる。また、これに加えて、特定領域が開放状態から閉鎖状態に切り替わるとき、閉鎖状態となってから1000msの期間(この期間を「エクストラ期間」ともいう)は有効期間のまま維持される。これは、可動片150を閉動作させる際において、特定領域39を閉鎖する寸前に特定領域39に入球し、当該入球した遊技球が実際に特定領域センサ39aによって検知されるのは、特定領域を閉鎖状態とした後になる可能性があるからである。このため、本実施例では、開放状態から閉鎖状態に切り替わる場合には、特定領域開閉動作パターンの実行中であっても、終了後であっても、閉鎖状態となってから一定期間余分に有効期間としている。図51では、1000msの有効期間(エクストラ期間)が経過した後は、(リトライ動作の実行期間を除いて)特定領域が開放状態となる期間がないため、その後も無効期間とされる。
次に、図52を用いて、15R第1大当り、12R第2大当り、7R第4大当り、15R第6大当り、及び、2R第7大当りの2ラウンド目、すなわちVラウンド(第2大入賞口35を開放)のタイミングチャートを用いて、特定領域有効期間設定処理を説明する。この15R第1大当り、12R第2大当り、7R第4大当り、15R第6大当り、及び、2R第7大当りは、大当り遊技中に遊技球が特定領域39を通過することが予定される「V通過予定大当り」とされている。従って、Vラウンドにおける大入賞口の開放パターン(Vアタッカーの開放パターン)として、開放時間の長いロング開放の開放パターンが選択される。
そして、これに伴って、特定領域開閉パターンが実行され、且つ特定領域有効期間設定処理が実行される。前述と同様に、Vアタッカー(第2大入賞口35)が開放することでVラウンド(2ラウンド目)が開始すると共に、特定領域開閉動作パターンが開始される。図52のロング開放の開放パターンは、ショート開放と異なり、Vアタッカーを、15000ms開放して、閉鎖状態とするものの、その後も開閉を繰り返して開放パターンが継続する。そして、前述した15R第1大当り等のVラウンド(2ラウンド目)に設定されるロング開放の開放パターンを全て実行するか、若しくは、VラウンドにおいてVラウンド(2ラウンド目)に定められている規定数(本実施例では10球)の遊技球が入球するか、の何れかの終了条件が成立したときに、Vラウンド(2ラウンド)は終了するものとされる。一方、特定領域開閉動作パターンは、1回目の開放状態(80ms)の経過後、880msの間(すなわち、大当り遊技開始後、1040ms)の間に、規定数の遊技球が入球しない限り、2回目の開放状態(最大25960ms)が実行される。尚、遊技球の発射速度は、600msにつき1球であるため、1040msの間に10球の遊技球を入球させるのは実質的に不可能である。
これにより、特定領域有効期間設定処理では、特定領域39の最初の開放状態(80ms)が終了した後に、エクストラ期間として、1000ms有効期間のまま維持した後、無効状態とされる。そして、当該無効状態を1880ms経た後に、特定領域39が2回目の開放状態となるのに合わせて、有効期間に設定される。そして、図52に示す通り、特定領域開閉動作パターンは、Vラウンドが終了し、当該Vラウンドに係るインターバル期間(2000ms)が終了したことを契機に終了するものとされる。特定領域開閉動作パターンは、終了と同時に閉鎖状態とされるため、特定領域有効期間設定処理では、この閉鎖状態となってから1000msのエクストラ期間を有効期間として設け、その後無効期間に切り替えるものとしている。
ここで、特定領域センサ39aによって遊技球が検知され、VフラグがONになったタイミング(すなわち有効期間に特定領域センサ39aで遊技球を検知したタイミング)で、遊技状態表示器46を所定の表示態様とし、大当り遊技終了後の遊技状態が高確率状態となることを報知する。具体的には、遊技状態表示器46は「a1a2a3」の3個のLEDで構成されている。そして、本実施例1では、通常状態(低確率状態)においては、「a1□a2□a3□」(例えば、□:消灯、■:点灯)の表示態様とされる。また、大当り遊技中の特定領域センサ39aによって遊技球が検知され、VフラグがONになったタイミングで、「a1■a2■a3■」の表示態様とされる。そして、大当り遊技が終了し、遊技状態が高確率状態に設定されると「a1□a2□a3□」の表示態様とされる。また、遊技状態表示器46の点灯制御タイミングはこのようなタイミングに限定されず、大当り遊技中は、遊技球が特定領域を通過しても「a1□a2□a3□」の表示態様のままとし、大当り遊技終了後の高確率状態へ移行するタイミングで「a1■a2■a3■」とし、高確率状態から低確率状態に移行するタイミングで「a1□a2□a3□」の表示態様としてもよい。
すなわち、後述の特定領域センサ検知処理(図36)では、V有効期間中のV通過(特定領域39への遊技球の通過)の検知時のみVフラグをONし、V有効期間外(V無効期間中)のV通過検知時にはVフラグをONしないこととしている。尚、VフラグがONである場合には、確変フラグがONされる、すなわち大当り遊技後の遊技状態が高確率状態に設定される(後述の遊技状態設定処理(図35))。このようにすることで、不正行為によるV通過に基づいてVフラグがONされることのないように、すなわち不正に高確率状態に設定されることのないようにしている。
[大入賞口閉鎖処理]
次に、図33を用いて大入賞口閉鎖処理(「確認処理」ともいう)について説明する。大入賞口閉鎖処理(S2115)は、特別電動役物処理(大当り遊技)において、各ラウンドの終了時に行う処理である。大入賞口閉鎖処理(S2115)ではまず、閉鎖処理フラグがONかどうかを判定し(S2701)、閉鎖処理フラグがONでないと判定した場合(S2701でNO)、閉鎖処理フラグをONにし(S2702)、インターバル期間を開始し(S2703)、S2704の処理に移行する。これにより、閉鎖処理の実行中であることを示す閉鎖処理フラグをONにすると共に、ラウンド後に設定されるインターバル期間(2000ms又は200ms)の計測を開始する。また、インターバル期間は、終了するラウンドに応じて設定される。
具体的に、終了するラウンドが1ラウンド目又は2ラウンド目である場合は、インターバル期間として2000msを設定し、終了するラウンドが3ラウンド目以降であれば、インターバル期間として、200msを設定する。また、大入賞口閉鎖処理が終了する際に、閉鎖処理フラグはOFFにされる。一方、S2701で閉鎖処理フラグがONである、すなわち、大入賞口閉鎖処理の実行中であると判定した場合(S2701でYES)、そのままS2704の処理に移行する。
S2704では、インターバル期間が終了したかどうかを判定し(S2704)、インターバル期間が終了していない、すなわち、インターバル期間の計測中であると判定した場合(S2704でNO)、処理を終える。一方、インターバル期間が終了したと判定した場合(S2704でYES)、次いで、終了したのが、1ラウンド目かどうかを判定する(S2705)。終了したのが1ラウンド目であると判定した場合(S2705でYES)、後述する入排出数一致判定処理を実行し(S2708)、処理を終える。一方、S2705で、終了したのが1ラウンド目でないと判定した場合(S2705でNO)、次いで、終了したのが2ラウンド目、すなわちVラウンドかどうかを判定する(S2706)。S2706で、終了したのが2ラウンド目であると判定した場合(S2706でYES)、特定領域開閉動作を終了し(S2707)、S2708の処理に移行する。
これにより、Vラウンドにおける特定領域39の開閉動作(可動片150の開閉動作)が終了することとなる。すなわち、Vラウンドの開始と共に開始される特定領域開閉動作は、Vラウンド終了後のVラウンドに係るインターバル期間の終了を契機として終了するものとされる。一方、S2706で、終了したのが2ラウンド目でない、すなわち、終了したのは3ラウンド目以降のラウンドであると判定した場合(S2706でNO)、閉鎖処理フラグをOFFにし(S2709)、処理を終える。つまり、3ラウンド目以降は、ラウンド終了後に設定されるインターバル期間(200ms)さえ終了すれば、そのまま閉鎖処理フラグをOFFにして、大入賞口閉鎖処理を終えることとなる。すなわち、3ラウンド目以降の大入賞口閉鎖処理では、入排出数一致判定処理や特定領域開閉動作終了処理は実行されないものとされている。
S2708では、ラウンド中に大入賞口(第2大入賞口35)に入球した遊技球の数と、その入球した遊技球が大入賞口から排出された数と、が一致するかどうかを判定する入排出数一致判定処理を行い(S2708)、処理を終える。また、この入排出数一致判定処理(S2708)は、Vラウンドより前に実行されるラウンドであって、Vラウンドと同じVアタッカー(第2大入賞口35)を開放するラウンド(非特定ラウンド)である1ラウンド目と、Vラウンド(特定ラウンド)である2ラウンド目と、に行われる処理であり、その後のラウンド(3ラウンド目以降のラウンド)では、たとえVアタッカーを開放するラウンドであっても行われない。Vラウンドでは、Vアタッカー内の特定領域39を開閉するための可動片を動作させるため、可動片に遊技球が噛む等して、アタッカー内に遊技球が詰まってしまう虞がある。そのため、入球数と排出数とを管理して、球詰りがないかを確認するのである。また、所謂釣り糸ゴトといった不正行為により、特定領域を通過させた場合には、入球数と排出数とが一致しないため、不正行為を発見し、不測の損害が発生するのを未然に防止することも可能となる。
また、1ラウンド目に入排出数一致判定処理を実行するのは、大当り遊技において最初に実行されるVラウンドの実行前に、球詰りがないかどうかを確認するために行うのである。この1ラウンドの終了時に入球数と排出数とが一致していれば、球詰りのないことを確認した状態で、2ラウンド目のVラウンドを開始することが可能となる。また、仮に1ラウンドの終了時に入球数と排出数とが一致していなければ、後述するリトライ処理(「可動部材動作処理」ともいう)やエラー報知を行うことにより、Vラウンドの開始前に球詰りを解消させることも可能となる。この様に、1ラウンド目と2ラウンド目とにおいて、入排出数一致判定処理を行うことで、Vラウンドを正常に実行することが可能となる。また、大当り遊技において最後に実行されるVラウンドより後のラウンド、すなわち、3ラウンド目以降(Vラウンド終了後)のラウンドでは、入排出数一致判定処理を行わないものとし、また、インターバル期間も短い期間(200ms)に設定し、迅速に大当り遊技を実行することが可能となる。
[入排出数一致判定処理]
次に、図34を用いて入排出数一致判定処理(S2708)について説明する。入排出数一致判定処理(S2708)ではまず、所定のラウンドにおいて、大入賞口(第2大入賞口35)に入球した遊技球の数(入球数)と排出した遊技球の数(排出数)とが一致するかどうかを判定する(S2801)。この入排出数一致判定処理(「一致判定処理」ともいう)は、1ラウンド目及び2ラウンド目の大入賞口閉鎖処理でのみ行われる。そして、1ラウンド目及び2ラウンド目は、何れも第2大入賞口35を所定の開放パターンで開閉するものとされる。このため、該当するラウンド中(1ラウンド又は2ラウンド)において、第2大入賞口35に入球した数と、第2大入賞口35(第2大入賞装置36)から排出した数と、が一致するかどうかを判定するものである。
図47は、第2大入賞装置36を示す模式図である。第2大入賞口35に入球した遊技球は、第2大入賞装置内の所定の遊技球誘導通路を通って、全て第2大入賞口センサ35a(「入球検知手段」や「入球検知センサ」ともいう)を通過する。すなわち、この第2大入賞口センサ35aが第2大入賞口35への遊技球の入球を検知するためのセンサであり、第2大入賞口センサ35aでの検知に基づいて第2大入賞口35への入球数を計数することが可能となる。尚、遊技球が第2大入賞口センサ35aで検知されると、主制御部80のRAMに設けられる入球数計数手段(図示しない)で入球数が計数・記憶される。
また、第2大入賞口センサ35aで検知された(を通過した)遊技球は、その後、所定の遊技球誘導通路を通って、必ず特定領域センサ39a又は非特定領域検知センサ49aの何れか一方を通過する。すなわち、この特定領域センサ39a(「第2排出検知手段」や「第2排出検知センサ」ともいう)及び非特定領域検知センサ49a(「第1排出検知手段」や「第1排出検知センサ」ともいう)が、第2大入賞口35からの遊技球の排出を検知するためのセンサであり、特定領域センサ39a及び非特定領域検知センサ49aの検知に基づいて第2大入賞口35からの排出数を計数することが可能となる。尚、遊技球が特定領域センサ39a又は非特定領域検知センサ49aで検知されると、主制御部80のRAMに設けられる排出数計数手段(図示しない)で排出数が計数・記憶される。また、第2大入賞口に入球した遊技球が排出されるのを検知する特定領域センサ39a及び非特定領域検知センサ49aを総じて「排出検知手段」や「排出検知センサ」ともいう。
尚、本実施例では、入球数計数手段と排出数計数手段とを設け、入球数と排出数とを別途計数する態様としたが、この様な態様に限らない。入排出数計数手段を設け、入球や排出がある毎に計数値を増減する態様としてもよい。この様な態様において初期値を「0」とし、計数値が「1」の場合には入球数が排出数よりも1多いことを示し、「−1」の場合には排出数が入球数よりも1多いことを示し、「0」の場合には入球数と排出数とが一致しているものとすることが可能である。
また、第2大入賞口35の内部には可動片150(「可動部材」ともいう)が設けられており、この可動片150が閉鎖状態にある場合には、第2大入賞口センサ35aを通過した遊技球は非特定領域側に誘導されて、非特定領域センサ49aを通過して第2大入賞装置外に排出されることとなる(図47(a)を参照)。一方、可動片150が開放状態にある場合には、第2大入賞口センサ35aを通過した遊技球は特定領域側に誘導されて、特定領域センサ39aを通過して第2大入賞装置外に排出されることとなる(図47(b)を参照)。
そして、S2801では、前述した入球数計数手段の計数値と、排出数計数手段の計数値とを比較して、計数値が一致しているかどうかで、ラウンド中の入球数と排出数とが一致するかどうかを判定するものとされる。次いで、S2802で、入球数と排出数とが一致すると判定した場合(S2802でYES)、エラー報知の実行中かどうかを判定する(S2803)。S2803で、エラー報知の実行中でないと判定した場合(S2803でNO)、閉鎖処理フラグをOFFにし(S2804)、処理を終える。すなわち、入排出数が一致しており、エラー報知の実行中でなければ、対応するラウンドの大入賞口閉鎖処理を終えることとなる。
一方、エラー報知の実行中であると判定した場合(S2803でYES)、エラー報知を終了し(S2805)、閉鎖処理フラグをOFFにし(S2804)、処理を終える。これは、後述するエラー報知(S2809)の実行中に再度一致判定を行い、一致すると判定した場合には、実行中のエラー報知を途中終了させてから閉鎖処理フラグをOFFにするものとされる。これにより、異常が解消したにも関わらず、無駄に長期間エラー報知を継続するのを防止することが可能となる。
S2802で、入球数と排出数とが一致しないと判定した場合(S2802でNO)、次いで、リトライ動作の実行時期かどうかを判定する(S2806)。本実施例では、図50に示すVラウンドの基準タイミングチャートの通り、入排出数の一致判定は、Vラウンドの終了タイミングに応じて、t1(ラウンド開始から2100ms)〜t2(ラウンド開始から29000ms)の範囲の何れかのタイミングで実行されることとなる。そして、一致判定で不一致と判定されると、一致判定の実行タイミングから更に1500ms経過後に200msのリトライ動作を実行する。そして、リトライ動作が終了して1000ms経過後に、10000msのエラー報知を実行し、その後エラー報知を終了すると共に、大入賞口閉鎖処理を終了(完了)させ、次ラウンドに移行するものとしている。
S2806で、リトライ動作の実行時期(開始時期)でないと判定した場合(S2806でNO)、次いでエラー報知の実行時期(開始時期)かどうかを判定する(S2808)。S2808で、エラー報知の実行時期でないと判定した場合(S2808でNO)、エラー報知の終了時期かどうかを判定する(S2810)。S2810で、エラー報知の終了時期でないと判定した場合(S2810でNO)、そのまま処理を終える。例えば、これが、前述した不一致と判定された後であって、リトライ動作開始前の期間(1000ms+500msの期間)である場合には、再度、入排出数一致判定処理を実行すると、再度入排出数の一致判定が行われ、このとき一致と判定されれば、S2803の処理に移行し、再度不一致と判定されれば、再度リトライ動作の実行時期かどうかの判定を行う。以下同様である。
この様に、入排出数一致判定処理は、所定の割り込み周期で繰り返し実行されるため、チャンスラウンド(1ラウンド及び2ラウンド)のインターバル期間終了時に1回目の入排出数一致判定が実行され、リトライ動作が実行されるまでの期間に、当該1回目の判定を含めて複数回の入排出数一致判定が実行される。そして、2回目以降の入排出数一致判定で一致と判定すると、その後の処理(リトライ動作やエラー報知)は実行せず、閉鎖処理フラグをOFFにして、処理を終える。また、インターバル期間の終了時は、特定領域開閉パターンの終了時と一致するものであり、特定領域開閉パターンを終了する際の状態が開放状態であった場合には、特定領域開閉パターンを終了させ閉鎖状態としてから1000msのエクストラ期間を設けている。
前述の通り、エクストラ期間は特定領域39の通過が有効なものとして取り扱われるものである。すなわち、1回目の入排出数一致判定を行った後に、このエクストラ期間が設定される場合があるため(例えば、図52に示す態様)、1回目の入排出数一致判定で不一致と判定され、エクストラ期間に特定領域センサ39aで遊技球が検知される様な場合には、本来正常な遊技であるにも関わらず、入排出数一致判定で不一致と判定されることとなる。この様な場合でも、本実施例では、リトライ動作の実行前に複数回の入排出数一致判定を実行可能であるので、リトライ動作実行前の2回目以降の入排出数一致判定において一致と判定し、リトライ動作やエラー報知を行うことなく、大入賞口閉鎖処理を終了させることが可能となる。また、本実施例では、エクストラ期間の1000msの間にも複数回の入排出数一致判定が実行されるため、エクストラ期間に遊技球が特定領域又は非特定領域を通過する場合に、より確実に無駄な処理(リトライ動作やエラー報知)を行うことなく、迅速に大入賞口閉鎖処理を終了させることが可能となる。
また、本実施例では、割り込み周期の関係上、エクストラ期間終了後であって、リトライ動作開始前の期間(500ms)にも、入排出数一致判定が実行されるので、エクストラ期間に検知された遊技球を確実に反映した状態で、リトライ動作やエラー報知を行う前に、確実に入排出数一致判定処理を実行することが可能となる。また、このエクストラ期間やその後の500msの期間の入排出数一致判定においても不一致と判定された場合には、球詰り等が発生している可能性があるため、可動片を所定のパターンで動作させるリトライ動作を実行する。このリトライ動作パターンは、特定領域開閉動作パターンとは異なるパターンとすることが好適である。そして、本実施例では、割り込み周期の関係上、リトライ動作終了後、エラー報知実行前の期間(1000ms)の期間にも複数回の入排出数一致判定を実行可能であるので、リトライ動作によって球詰り等が解消した場合には、エラー報知前の入排出数一致判定により一致と判定され、エラー報知を行うことなく、大入賞口閉鎖処理を完了させることが可能となる。また、エラー報知の実行中にも複数回の入排出数一致判定を実行可能であるので、一致と判定されたタイミングでエラー報知を終了させ、大入賞口閉鎖処理を完了させることが可能となる。これにより、無用なエラー処理を実行せず、遊技者に不安感を与えない遊技制御を提供することが可能となる。またこれにより、遊技興趣が低下するのを防止することが可能となる。
また、本実施例では、エラー報知の実行期間を経過しても入排出数一致判定で一致と判定されない場合には、所定のエラー報知期間(本実施例では、10000ms)の終了をもって、大入賞口閉鎖処理の完了とし、次ラウンドへの移行を可能としている。遊技店側は、10000msのエラー報知の間に、遊技機の確認及び何らかの対応をし、正常な遊技を継続できるように対処することが可能となる。また、球詰り等は存在せず、ノイズ等の発生により、入排出数一致判定で不一致と判定される場合もあるので、この様な場合には、無用に遊技を停止させず、時間経過によりエラー解除し、迅速に遊技を再開することが可能となる。
S2806で、リトライ動作の実行時期(開始時期)であると判定した場合(S2806でYES)、リトライ動作を実行し(S2807)、処理を終える。また、S2808で、エラー報知の実行時期であると判定した場合(S2808でYES)、エラー報知を実行し(S2809)、処理を終える。また、エラー報知の終了時期であると判定した場合(S2810でYES)、エラー報知を終了し(S2811)、閉鎖処理フラグをOFFにし(S2812)、処理を終える。この閉鎖処理フラグをOFFにすることで、大入賞口閉鎖処理が完了したことを示すことが可能となる。
[遊技状態設定処理]
図35に示すように、遊技状態設定処理(S2121)ではまず、VフラグがONであるかどうかを判定する(S2201)。Vフラグは、後述の特定領域センサ検知処理(図36)においてONにするフラグである。S2201で、VフラグがONであると判定した場合(S2201でYES)、確変フラグをONすると共に(S2202)、確変カウンタに「10000」をセットし(S2203)、VフラグをOFFにし(S2204)、時短フラグをONにし(S2205)、時短カウンタに「10000」をセットし(S2206)、処理を終える。すなわち、本実施例のパチンコ遊技機1では、この遊技状態設定処理においてVフラグがONになっているか否かに基づいて、大当り遊技後の遊技状態を高確率状態に設定するか否かを決めている。
ここで、VフラグがONの場合に、確変カウンタにセットする回数は、高確率における特別図柄当否判定を実行可能な回数である。この「10000」回という値は、高確率状態における大当り確率、遊技店の1日の営業時間及び当該営業時間内に実行可能な特別図柄当否判定回数を考慮すると、実質的には次回の大当りが発生するまで、又は営業時間が終了するまで、高確率状態を保証しているのと同じことである。従って、VフラグがONとなり、高確率状態に設定された場合には、次回の大当りが発生するまで高確率状態が保証されるといってもよい(実質的に同義である)。また、確変フラグがONの場合には、時短カウンタにも同様に「10000」回が設定されるため、この高確率状態が設定されている間、時短状態(開放延長状態)も共に設定されるといってよい。尚、本実施例の様に、確変カウンタ及び時短カウンタに「10000」回の値を設定して、実質的に次回まで高確高ベース状態を設定するようにしてもよいし、VフラグがONの場合には、カウンタに値をセットすることなく、実際に次回大当りが発生するまで高確高ベース状態を設定する様な制御を採用してもよい。
一方、S2201で、VフラグがOFFであると判定した場合(S2201でNO)、確変フラグをONにすることなく、終了するのが7R第5大当りかどうかを判定する(S2207)。S2207で、終了したのが7R第5大当りでない、すなわち、図6に示す他の大当り(15R第1大当り、12R第2大当り、12R第3大当り、7R第4大当り、15R第6大当り、2R第7大当り、又は、2R第8大当りの何れか)であると判定した場合(S2207でNO)、時短フラグをONにし(S2208)、時短カウンタに「100」をセットし(S2209)、処理を終える。これにより、今回の大当り遊技後の遊技状態が低確率状態且つ時短状態且つ高ベース状態(すなわち低確高ベース状態)になる。この低確高ベース状態は、特別図柄の変動表示が100回行われること(特別図柄当否判定が100回行われること)、及び次の大当りが発生すること、の何れかの条件の成立により終了する。また、この時短カウンタ及び確変カウンタは、第1特別図柄の変動表示回数と第2特別図柄の変動表示回数とを合算した回数を計数するものである。このように、15R第1大当り等の「V通過予定大当り」であっても、遊技球の発射がない等の何らかの事情でVラウンド中の特定領域通過がなかった場合には、高確率状態に設定されることなく、時短状態(低確高ベース状態)となる。
また、S2207で、終了したのが7R第5大当りであると判定した場合(S2207でYES)、確変フラグをONにすることなく、また、時短フラグをONにすることなく、処理を終える。すなわち、7R第5大当りの場合であって、VフラグがOFF(特定領域未通過(「特定領域非通過」ともいう))の場合には、当該大当り遊技後の遊技状態が、低確率状態且つ低ベース状態(低確低ベース状態)に設定される。
[特定領域センサ検知処理]
図11に示すように遊技制御用マイコン81は、特図動作処理(S206)に次いで特定領域センサ検知処理(S207)を行う。特定領域センサ検知処理(S207)では図36に示すように、まず、特定領域センサ39aによる遊技球の検知があったか否かを判定する(S2401)。S2401で、特定領域センサ39aによる検知がないと判定された場合(S2401でNO)、処理を終了する。S2401で、特定領域センサ39aによる検知があると判定された場合(S2401でYES)、特定領域有効期間であるかどうかを判定する(S2402)。特定領域有効期間は、前述の特別電動役物処理(図32)における特定領域有効期間設定処理(S2110)にて設定される期間である。特定領域有効期間は、大当り遊技における2ラウンド目(Vラウンド)に設定される。
また、S2402で、特定領域(特定領域センサ)が有効期間中であると判定した場合(S2402でYES)、VフラグをONにすると共に(S2403)、特定領域通過コマンドをセットし(S2404)、処理を終える。主制御基板80のCPUは、出力処理(S201)により、所定のタイミングでこの特定領域通過コマンドをサブ制御基板90に送信し、サブ制御基板90は受信した特定領域通過コマンドに基づいて、演出図柄表示領域等で所定の遊技演出を実行する。
また、S2402で、特定領域(特定領域センサ)が有効期間中でない(無効期間である)と判定した場合(S2402でNO)、VフラグをONにすることなく、無効期間通過コマンドをセットし(S2405)、処理を終える。無効期間に特定領域の通過があった場合には、主制御部が制御可能な表示器等で所定のエラー表示を行ってもよい。また、主制御基板80のCPUは、出力処理(S201)により、所定のタイミングでこの無効期間通過コマンドをサブ制御基板90に送信し、サブ制御基板90は受信した無効期間通過コマンドに基づいて、画像表示装置7や枠ランプ66や盤面ランプ5やスピーカ67等を用いて所定のエラー報知を行ってもよい。
[始動入球時処理]
図11に示すように遊技制御用マイコン81は、特定領域センサ検知処理(S207)に次いで始動入球時処理(S208)を行う。図37に示すように、始動入球時処理(S208)ではまず、主制御基板80のRAMに記憶されている特図1保留球数、特図2保留球数及び普通図柄保留球数を読み出す(S2501)。次いで、特図2保留球数が「1」増加したか否かを判定する(S2502)。S2502で、特図2保留球数が「1」増加したと判定した場合(S2502でYES)、S2503の処理に移行する。これは、第2始動口に遊技球が入球したことに基づいて、始動口センサ検知処理(S204)におけるS307で特図2保留球数に「1」を加算した場合が該当する。
一方、特図2保留球数が増加していないと判定した場合(S2502でNO)、S2506の処理に移行する。S2503では、直前の始動口センサ検知処理(S204)における特図2関係乱数取得処理(S308)で取得して第2特図保留記憶部に記憶した最新の取得乱数値(取得情報)を読み出す(S2503)。次いで、S2504で、読み出した第2特別図柄に係る取得乱数値を判定する(S2504)。具体的に、始動口への入球時に取得した特別図柄当否判定用乱数カウンタの値(特別図柄当否判定用乱数値)が、現在の遊技状態(低確率状態か、高確率状態か)に応じて、大当りか、外れかを判定する。また、判定結果(事前判定結果)が大当りである場合には、大当りの種別を判定する。これは、特図2保留についての当否判定(大当りか否かの判定)を、後述の特図2当否判定処理(S1202)における当否判定(S1303,S1309)に先立って行う事前判定(所謂「保留先読み」)に相当するものである。
尚、事前判定は、大当り判定テーブル(図8(A)を参照)、すなわち、高確率状態であれば高確率状態用の大当り判定テーブル、通常状態(低確率状態)であれば通常状態用の大当り判定テーブル、に基づいて、大当り判定値と一致するか否かを判定することが可能である。また、他の事前判定態様として、変動パターン情報を判定可能な変動パターン情報判定テーブルとして、通常状態用(低確率状態用)の変動パターン情報判定テーブルと、高確率状態用(高確率状態用)の変動パターン情報判定テーブルと、を有するものとする。そして、事前判定においては、取得乱数値(特別図柄当否判定用乱数カウンタの値等)と、遊技状態に応じた変動パターン情報判定テーブルと、に基づいて、所定の変動パターン情報を選択するものとすることが可能である。そして、この選択した変動パターン情報から、大当りかどうかや、大当り種別や、大当り信頼度の高い遊技演出が実行されるかどうか等を識別可能とすることができる。
次いでS2505では、S2501で読み出した第2特別図柄に係る保留球数データと、S2504で事前判定した情報(事前判定情報)と、を少なくとも含む遊技情報を、特図2始動入球コマンドとして生成し、主制御基板80のRAMに設けられた、サブ制御基板90へのコマンド送信用の出力バッファにセットする(S2505)。尚、特図2始動入球コマンドとして、S2503で読み出した特図2取得乱数の値の一部又は全部を、そのままサブ制御基板に送信するようにしてもよいし、特図2取得乱数の値はそのまま送信せず、特図2取得乱数の値に基づいて取得した遊技情報(例えば、前述の変動パターン情報等)を送信するようにしてもよい。
また、主制御部80から送信した特図2始動入球コマンドをサブ制御部90で解析することで、大当りに係る情報であるかどうか、第2特別図柄の保留球数はいくつか、大当り種別は何れか等を、サブ制御部90が識別できるものとされている。また、本実施例1では、これに加えて、特図2始動入球コマンドを解析することで、取得した特図2取得乱数が高確率状態で判定した場合に大当りとなるかどうか、及び低確率状態で判定した場合に大当りとなるかどうか、を特定可能とされている。これにより、サブ制御部90は、受信した特図2始動入球コマンドを保留(演出保留情報)として記憶し、特定のタイミングで当該演出保留情報を事前判定し、低確率状態で当否判定した場合に大当りと判定される演出保留情報が記憶されているかどうかを判定することが可能となる。
尚、不正防止の観点から、S2503で読み出した取得乱数値のうち特別図柄当否判定用乱数値を、そのままサブ制御部に送信することはせず、その他の大当り種別決定用乱数カウンタの値(大当り種別決定用乱数値)と変動パターン乱数カウンタの値(変動パターン乱数値)を示す情報と、事前判定の結果を示す情報とを含むコマンドデータを特図2始動入球コマンドとして生成し、セットすることが可能である。
次いでS2506では、前述の特図2に係る処理と同様に、特図1保留球数が「1」増加したか否かを判定する(S2506)。S2506で、特図1保留球数が「1」増加したと判定した場合(S2506でYES)、S2507の処理に移行する。これは、第1始動口に遊技球が入球したことに基づいて、始動口センサ検知処理(S204)におけるS311で特図1保留球数に「1」を加算した場合が該当する。一方、S2506で、特図1保留球数が増加していないと判定した場合(S2506でNO)、そのまま処理を終える。
S2507では、時短フラグがONであるか否かを判定し(S2507)、時短フラグがONである、すなわち高ベース状態であると判定した場合(S2507でYES)、そのまま処理を終える。一方、S2507で、時短フラグがOFFである、すなわち低ベース状態であると判定した場合(S2507でNO)、S2508以降の事前判定に係る処理に進む。ここで、時短フラグがONである場合、すなわち現在の遊技状態が高ベース状態である場合、第2始動口21への入球頻度が高まる開放延長機能が作動しており、特図2の当否判定(図8(B)を参照)が行われやすい状態となっている。また、本実施例1では、後述するように特図2保留の消化(第2特別図柄の変動表示)を特図1保留の消化(第1特別図柄の変動表示)に優先して実行するもの(所謂特図2優先変動機)としている。このような構成において、例えば特図1の事前判定を行い、その結果を予告等の演出により遊技者に報知し、その事前判定の結果が大当りであることが明示された場合、遊技者は、特図2保留消化の優先を利用して、任意のタイミングで特図2保留を意図的に無くして(「0」にして)、事前判定の結果が示された特図1に係る大当りを意図的に発生させるといった技術介入が可能となる。このような大当りの発生タイミングを遊技者が調整できることは、遊技の公平性の観点から好ましくない。このため、現在の遊技状態が低ベース状態でなく高ベース状態である場合(S2507でYES)、S2508以降の特図1の事前判定に係る処理を行わず、本処理を終えることとしている。
S2508〜S2510の処理は、前述したS316〜S318と同様の処理を特図1について行うものである。すなわち、始動口センサ検知処理(S204)における特図1関係乱数取得処理(S312)で取得して第1特図保留記憶部に記憶した最新の取得乱数値(取得情報)を読み出し(S2508)、読み出した取得乱数値について事前判定を行い(S2509)、S2501で読み出した第1特別図柄に係る保留球数データと、S2509で事前判定した情報(事前判定情報)と、を少なくとも含む遊技情報を、特図1始動入球コマンドとして生成し、主制御基板80のRAMに設けられた、サブ制御基板90へのコマンド送信用の出力バッファにセットする(S2510)。尚、S2509の事前判定(保留先読み)は、後述の特図1当否判定処理(S1207)における当否判定(S1603,S1609)に先立って行うものである。
[電源断監視処理]
図11に示すように遊技制御用マイコン81は、保留球数処理(S208)に次いで電源断監視処理(S209)を行う。電源断監視処理(S209)では図38に示すように、まず、電源断信号の入力の有無を判定し(S2601)、入力がなければ(S2601でNO)、処理を終了する。一方、電源断信号の入力があれば(S2601でYES)、現在の遊技機の状態(確変かどうか、当り遊技中かどうか、保留球数はいくつか、確変・時短の残り変動回数はいくつか等)に関するデータをRAMに記憶するとともに(S2602)、電源断フラグをONし(S2603)、その後は割り込み処理(図11)に戻ることなくループ処理をする。
[サブ制御メイン処理]
次に、図39〜図44に基づいて、演出制御用マイコン91の動作(サブ制御部90による制御処理)に
ついて説明する。尚、演出制御用マイコン91の動作説明にて登場するカウンタ、フラグ、ステータス、バッファ、タイマ等は、サブ制御基板90(サブ制御部)のRAMに設けられている。サブ制御基板90に備えられた演出制御用マイコン91は、パチンコ遊技機1の電源がオンされると、サブ制御基板90のROMから図39に示すサブ制御メイン処理のプログラムを読み出して実行する。同図に示すように、サブ制御メイン処理では、まず、CPU初期化処理を行う(S4001)。CPU初期化処理(S4001)では、スタックの設定、定数設定、CPU92の設定、SIO、PIO、CTC(割り込み時間用コントローラ)等の設定や各種のフラグ、ステータス及びカウンタのリセット等を行う。
続いて、S4002で、電源断信号がONでかつサブ制御基板90のRAMの内容が正常であるか否かを判定する(S4002)。そして、この判定結果がNOであれば(S4002でNO)、サブ制御基板90のRAMの初期化をし(S4003)、S4004に進む。一方、判定結果がYESであれば(S4002でYES)、サブ制御基板90のRAMを初期化することなくS4004に進む。すなわち、電源断信号がONでない場合、又は電源断信号がONであってもRAMの内容が正常でない場合には(S4002でNO)、サブ制御基板90のRAMを初期化するが、停電などで電源断信号がONとなったがRAMの内容が正常に保たれている場合には(S4002でYES)、RAMを初期化しない。RAMを初期化すれば、各種のフラグ、ステータス及びカウンタの値はリセットされる。尚、このS4001〜S4003は、電源投入後に(電源投入に際して)一度だけ実行され、それ以降は実行されない。また、本実施例1では、演出制御用マイコン91においても、図11に示す遊技制御用マイコン81による電源断監視処理(S209)と同様の処理を行うこととしており、停電などで電源断信号がONになると、そのときの演出制御に係るデータがサブ制御基板90のRAMに記憶されるものとなっている。つまり、停電などの電源断発生時における演出制御に係るデータがバックアップされるものとなっている。このため、停電等の電源断から復帰した後の電源投入時(電断復帰時)に、サブ制御基板90のRAMの初期化(S4003)が行われない限り、演出制御用マイコン91による演出制御の状態は電源断発生前の状態に復帰する。
S4004では、割り込みを禁止する。次いで、乱数シード更新処理を実行する(S4005)。乱数シード更新処理(S4005)では、種々の演出決定用乱数カウンタの値を更新する。更新された乱数カウンタ値は、サブ制御基板90のRAMの所定の更新値記憶領域(図示せず)に逐次記憶される。演出決定用乱数には、実行する演出図柄遊技演出の態様(変動演出パターン)を決定する変動演出決定用乱数や、予告演出を決定する予告演出決定用乱数、演出図柄を決定する演出図柄決定用乱数等がある。乱数の更新方法は、前述の主制御基板80が行う乱数更新処理と同様の方法をとることができる。尚、乱数の更新に際して、乱数値を1ずつ加算するのではなく、2ずつ加算するなどしてもよい。演出決定用乱数は、予め定められたタイミングで取得される。このタイミングとしては、例えば主制御基板80から始動入球があった旨を通知する制御信号(始動入球コマンド)が送信されてきたときや、主制御基板80から変動開始を通知する制御信号(変動開始コマンド)が送信されてきたときや、後述の変動演出パターンを決定するときなどとすることができる。取得した演出決定用乱数の格納場所は、サブ制御基板90のRAMの所定の乱数カウンタ値記憶領域(図示せず)である。
乱数シード更新処理(S4005)が終了すると、コマンド送信処理を実行する(S4006)。コマンド送信処理では、サブ制御基板90のRAM内の出力バッファ(「サブ出力バッファ」ともいう)に格納されている各種のコマンド(制御信号)を、画像制御基板100、音声制御基板106およびランプ制御基板107のうち、対応するコマンド送信先となる制御基板に送信する。コマンドを受信した各制御基板(各制御部)は、受信したコマンドに従い各種の演出装置(画像表示装置7、スピーカ67、盤面ランプ5、枠ランプ66及び可動装飾部材14等)を用いて各種の演出(演出図柄遊技演出や、大当り遊技に係る特別遊技演出等)を実行する。演出制御用マイコン91は続いて、割り込みを許可する(S4007)。以降、S4004〜S4007をループさせる。割り込み許可中においては、受信割り込み処理(S4008)、2msタイマ割り込み処理(S4009)、及び10msタイマ割り込み処理(S4010)の実行が可能となる。これらの制御処理を実行することで、画像表示装置7の表示画面7a(演出図柄表示領域7b)上で実行される演出図柄等の表示制御や、各種ランプの点灯制御や、可動装飾部材の動作制御や、スピーカからの音声出力制御等を行うことが可能となる。
[受信割り込み処理]
受信割り込み処理(S4008)では、図40に示すように、ストローブ信号(STB信号)がONか否か、すなわち主制御基板80から送られたストローブ信号が演出制御用マイコン91の外部INT入力部に入力されたか否かを判定する(S4101)。そして、S4101で、ストローブ信号がONでないと判定した場合(S4101でNO)、処理を終える。一方、S4101で、ストローブ信号がONであると判定した場合(S4101でYES)、主制御基板80から送信されてきた各種のコマンドをサブ制御基板90のRAMに格納し(S4102)、処理を終える。この受信割り込み処理(S4008)は、他の割り込み処理(S4009、S4010)に優先して実行される処理である。
[2msタイマ割り込み処理]
2msタイマ割り込み処理(S4009)は、サブ制御基板90に2msec周期の割り込みパルスが入力する度に実行する処理である。図41に示すように、2msタイマ割り込み処理(S4009)では、まず、演出ボタン検知スイッチ63c、63dからの検知信号に基づいてスイッチデータ(エッジデータ及びレベルデータ)を作成する入力処理を行う(S4201)。次いで、枠ランプ66や盤面ランプ5等のランプを発光させるためのランプデータを出力するランプデータ出力処理(S4202)と、可動装飾部材14(電気的駆動源)を駆動するための駆動データを出力する駆動データ出力処理(S4203)とを行う。尚、ランプデータおよび駆動データは、後述の10msタイマ割り込み処理で作成される。そして、ウォッチドッグタイマのリセット処理を行うウォッチドッグタイマ処理を行う(S4204)。
[10msタイマ割り込み処理]
10msタイマ割り込み処理(S4010)は、サブ制御基板90に10msec周期の割り込みパルスが入力する度に実行する処理である。図42に示すように、10msタイマ割り込み処理(S4010)では、まず、後述する受信コマンド解析処理(S4302)を行う。次いで、2msタイマ割り込み処理で作成したスイッチデータを10msタイマ割り込み処理用のスイッチデータとしてサブ制御基板90のRAMに格納するスイッチ状態取得処理を行い(S4303)、当該スイッチ状態取得処理にて格納したスイッチデータに基づいて表示画面7aの表示内容等を設定するスイッチ処理を行う(S4304)。その後、ランプデータ(盤面ランプ5や枠ランプ66の点灯を制御するデータ)を作成したり、演出決定用乱数を更新したりするなどのその他の処理を実行する(S4305)。
[受信コマンド解析処理]
図43に示すように、受信コマンド解析処理(S4302)では、まず、主制御基板80から始動入球コマンドを受信したか否かを判定し(S4395)、始動入球コマンドを受信していないと判定した場合(S4395でNO)、S4401の処理に移行し、始動入球コマンドを受信したと判定した場合(S4395でYES)、演出保留情報記憶処理(S4400)を行い、S4401の処理に移行する。演出保留情報記憶処理(S4400)は、S4395で受信した始動入球コマンド(特図1始動入球コマンド又は特図2始動入球コマンド)に含まれる各種情報(事前判定結果、大当り種別決定用乱数値、変動パターン乱数値、変動パターン情報等の遊技情報)を、特別図柄の種類(第1特別図柄、第2特別図柄)及び始動入球コマンドの送受信時(コマンド生成時)の特図保留球数に応じて、シフトメモリ形式でサブ制御基板90のRAMの所定の演出保留情報記憶領域に記憶する。例えば、受信した始動入球コマンドが特図1の保留球数「4」に対応する特図1始動入球コマンドである場合、その特図1始動入球コマンドに含まれる事前判定結果や当り種別等の情報を、特図1演出保留情報記憶領域のうち保留数4に対応する領域に、特図1演出保留情報として記憶する。こうして記憶される演出保留情報は、後述する変動演出や予告演出、演出モード等の各種演出の実行に用いられる。サブ制御基板90における演出保留情報記憶領域の記憶内容(演出保留情報)は、前述の主制御基板(主制御部)80における特図保留記憶部(第1特図保留記憶部、第2特図保留記憶部)の記憶内容(取得情報)と一致するものである。このことから、サブ制御基板90の演出保留情報記憶領域も「取得情報記憶手段」といえる。このサブ制御基板(サブ制御部)において取得情報に基づく判定(当否判定、実行する遊技演出の判定等)を行う手段を「判定実行手段」ともいう。
次に、S4401では、主制御基板80から変動開始コマンドを受信したか否かを判定し(S4401)、変動開始コマンドを受信したと判定した場合(S4401でYES)、後述する変動演出開始処理(S4402)を行って、S4403の処理に移行し、変動開始コマンドを受信していないと判定した場合(S4401でNO)、変動演出開始処理を行うことなく、S4406の処理に移行する。S4403では、主制御基板80から変動停止コマンドを受信したか否かを判定し(S4403)、変動停止コマンドを受信したと判定した場合(S4403でYES)、演出図柄を停止表示して変動演出を終了させる変動演出終了処理を行う(S4404)。変動演出終了処理(S4404)では、演出図柄8を停止表示して変動演出を終了させるための変動演出終了コマンドをサブ出力バッファにセットする。セットした変動演出終了コマンドがコマンド送信処理(S4006)により画像制御基板100に送信されると、画像制御用マイコン101は、画像表示装置7の表示画面7a上で変動表示していた演出図柄8を停止表示して、変動演出(演出図柄遊技演出)を終了させる。一方、S4403で、変動停止コマンドを受信していないと判定した場合(S4403でNO)、変動演出終了処理を行うことなく、S4405の処理に移行する。尚、変動演出とは、特別図柄の変動表示に合わせて行われる種々の演出を指す。
続いて、S4405では、主制御基板80から大当り遊技関連コマンドを受信したか否かを判定する(S4408)。ここで、大当り遊技関連コマンドとは、大当り遊技の実行にあたり主制御基板80から送信されるコマンドのことであり、具体的には、大当り遊技の開始(大当りの発生)に際して送信されるオープニングコマンド(S2010を参照)、ラウンドの開始に際して送信されるラウンド開始コマンド(S2107を参照)、ラウンドの終了に際して送信されるラウンド終了コマンド(S2114を参照)、大当り遊技の終了に際して送信されるエンディングコマンド(S2119を参照)等が該当する。S4405では、これらの大当り遊技関連コマンドの何れかを受信したか否かを判定し、受信していなければ(S4405でNO)、S4407の処理に移行し、受信していれば(S4405でYES)、当該受信したコマンドの種類に応じた演出(大当り遊技関連演出)の実行に係る処理を行う(S4406)。
例えば、受信したコマンドがオープニングコマンドであれば、当該コマンドに基づき特定される大当りの種別に応じたオープニング演出を指定するオープニング演出コマンドをサブ出力バッファにセットし、ラウンド開始コマンドであれば、当該コマンドに基づき特定されるラウンドに応じたラウンド演出を指定するラウンド演出コマンドをサブ出力バッファにセットする。また、特定領域通過コマンドであれば、当該コマンドに基づき特定領域通過演出コマンドをサブ出力バッファにセットする。これにより、後述する特典報知部において、特定領域通過演出(第2特典獲得演出)を実行する。また、エンディングコマンドであれば、当該コマンドに基づき特定される大当りの種別に応じたエンディング演出を指定するエンディング演出コマンドをサブ出力バッファにセットする。これらのセットした大当りに係る各種の演出コマンドがコマンド送信処理(S4006)により画像制御基板100に送信されると、画像制御用マイコン101は、大当り遊技の進行状況に合わせて、オープニング演出やラウンド演出等の大当り遊技に関連する演出を画像表示装置7の表示画面7a上で実行する。
最後にS4407の処理を行い、本処理を終える。S4407では、その他の処理として、前述した各種コマンドを除いた他の受信コマンド(例えば、普通図柄変動開始コマンドや普通図柄変動停止コマンド)に基づく処理を行う(S4407)。
[変動演出開始処理]
次に、受信コマンド解析処理(S4302)にて実行される変動演出開始処理(S4402)について説明する。図44に示すように、変動演出開始処理(S4402)ではまず、変動演出決定用乱数や予告演出決定用乱数、演出図柄決定用乱数、特別演出決定用乱数等の各種演出決定用乱数を取得する演出決定用乱数取得処理(S4551)を行う。本実施例では、主制御部80から変動開始コマンドを受信したタイミングでS4501の処理を行い、夫々の乱数から所定の値(取得情報)を取得する。この取得した値(取得情報)に基づいて、実行する演出図柄遊技演出(変動演出)の態様や予告演出の態様(予告演出の有無を含む)、停止表示する演出図柄等を決定する。
次いで、S4552では、受信した変動開始コマンドを解析する(S4552)。変動開始コマンドには、第1特別図柄または第2特別図柄の変動パターン選択処理で選択された変動パターンを指定する変動パターン指定コマンド(変動パターンを指定する情報)が含まれている。そして、変動パターン指定コマンドには、図9に示す変動パターン情報(P1乃至P22)や、現在の遊技状態を指定する遊技状態情報や、第1特別図柄当否判定または第2特別図柄当否判定の判定結果や、大当り種別を指定する図柄情報等が含まれている(図8を参照)。また、変動パターン指定コマンドには、第1特別図柄に対応するものと第2特別図柄に対応するものとが存在することから、変動パターン指定コマンドを解析することで、今回開始する演出図柄遊技演出(演出図柄の変動表示)が特図1に係るものなのか特図2に係るものなのかを判別することが可能となる。尚、変動パターン情報や遊技状態情報や図柄情報等は、これ以降に実行する変動演出開始処理以外の他の処理においても利用可能である。
次いで、S4553では、演出制御用マイコン91が現在のモードステータスを参照する(S4553)。モードステータスは、実行する演出モードを決めるためのものである。モードステータスは「1」〜「5」までの何れかの値とされ、各値は演出モードA〜Eに対して割り当てられている。具体的には、モードステータス「1」が演出モードAに対応し、モードステータス「2」が演出モードBに対応し、モードステータス「3」が演出モードCに対応し、モードステータス「4」が演出モードDに対応し、モードステータス「5」が演出モードEに対応する。現在のモードステータスを参照することで、現在の演出モードを特定することが可能である。
ここで演出モードとは、画像表示装置7における演出の態様であり、演出モードが異なると、予告演出やリーチ演出等の遊技演出の演出態様の一部又は全部が異なるものとされる。具体的に、演出図柄8の表示態様(例えば、図柄デザイン、数字デザインなど)が異なったり、登場するキャラクタ、アイテム、背景画像が異なったりする等、画像表示装置7に表示される画像が演出モードによって異なるものとされる。また、演出図柄遊技演出も演出モードに応じた態様で実行されるものとすることができ、複数の遊技演出(予告演出やリーチ演出等)を設ける場合に、演出モードによって異なる遊技演出を実行可能とすることができる。本実施例では、演出モードA,Bは低確低ベース状態に制御されているときに実行され、演出モードCは高確高ベース状態に制御されているときに実行され、演出モードD,Eは低確高ベース状態および高確高ベース状態の何れかに制御されているときに実行される。従って、演出モードがA〜Cの何れかである場合、遊技者は演出モードを確認することで、現在の遊技状態が低確低ベース状態であるのか高確高ベース状態(確変遊技状態)であるのかを把握することができる。一方、演出モードがDまたはEである場合、遊技者は演出モードを確認しても、現在の遊技状態が低確高ベース状態(時短状態)であるのか高確高ベース状態(確変遊技状態)であるのかを把握することは困難である。その意味において演出モードD,Eは、確率非報知モードといえる。
次いで、S4554では、画像表示装置7、盤面ランプ5、可動装飾部材14等を用いて行うものであって、サブ制御部90が主体となって制御する変動演出のパターン(変動演出パターン、演出図柄遊技演出)を決定するための変動演出パターン決定テーブル(図示を省略)、予告演出決定テーブル(図示を省略)をセットする(S4504)。具体的には、S4553で参照したモードステータス(現在の演出モード)と主制御部80から受信した変動パターン指定コマンドに基づいて、使用する変動演出パターン決定テーブル、予告演出決定テーブルをセットする。
すなわち、複数の変動演出パターン決定テーブル、及び、複数の予告演出決定テーブルを備えており、それらから遊技状態(演出モード)等に基づいて、所定の変動演出パターン決定テーブル及び予告演出決定テーブルをセットする。例えば、受信した変動パターン指定コマンドが指定する変動パターン情報が「P1(変動パターンP1)」(図9を参照)であった場合、変動演出パターン決定テーブルとして、現在の演出モードに対応した大当り時変動演出パターン決定テーブル及び予告演出決定テーブルがセットされる。変動演出パターン決定テーブルは、主に、演出図柄遊技演出の実行態様(演出図柄の変動態様等)を決定するためのもので、演出モード(モードステータス)に対応する複数の変動演出パターン決定テーブル(図示せず)がサブ制御基板90のROMに予め格納されている。S4554では、それらの変動演出パターン決定テーブルの中から、S4553で参照したモードステータス(現在の演出モード)に対応するテーブルが選択されてセットされる。
次いで、S4555では、S4551において取得した変動演出決定用乱数およびS4554においてセットした変動演出パターン決定テーブルに基づいて、指定された変動パターンに適合した変動演出パターンを選択し、これを設定する(S4555)。変動演出パターンとしては、演出図柄表示領域7bで表示される演出図柄8の変動態様(演出図柄遊技演出の実行態様)が設定される。これにより、演出図柄遊技演出において、リーチ演出を実行する場合(リーチ有演出図柄遊技演出)や、特定のキャラクタを用いて行うキャラクタ演出を実行する場合(キャラクタ演出図柄遊技演出)、リーチ演出やキャラクタ演出を実行しない場合(リーチ無演出図柄遊技演出)等が決定される。
尚、リーチ演出とは、例えば、特別図柄当否判定の結果が大当りであることを示す場合の演出図柄8の表示態様として、3個の演出図柄8L、8C、8Rがすべて同一(ゾロ目)となる態様(大当り態様、特定態様)を設けている場合において、3個の演出図柄8L、8C、8Rのうちの2個が大当り態様を構成する図柄(同じ演出図柄)で停止表示(仮停止表示)され、残り1個が変動表示(スクロール表示)を続けている状態で、当該残り1個の演出図柄が大当り態様を完成させる図柄(3個の同じ演出図柄)で停止表示されるか否かを示す演出のことをいう。この際、演出図柄の変動表示に伴って所定のキャラクタを用いて遊技演出を実行し、演出図柄が大当り態様で停止表示されるかどうかを、当該所定のキャラクタが所定の目的を達成するかどうかの演出で示すことも可能である。このような遊技演出(後述するリーチ演出やキャラクタ演出)を、ストーリー演出(特定の遊技演出)や目的演出(特定の遊技演出)ということもできる。これにより、遊技者の大当りへの期待感を高め、遊技興趣を高めることが可能となる。
また、S4555では、S4551において取得した演出図柄決定用乱数および図示しない停止図柄決定テーブルに基づいて、停止表示する演出図柄8(「停止演出図柄」ともいう)を決定し、これを設定する。演出図柄遊技演出の結果として停止表示される演出図柄8は、特別図柄当否判定の結果が外れであって、リーチ有り外れの場合は「787」等の3個の演出図柄8L、8C、8Rのうち1個の演出図柄が他の演出図柄と異なるバラケ目とされる(リーチ外れ図柄)。また、リーチ無し外れのときは「635」や[559]等のように、3個の演出図柄8L、8C、8Rのうち少なくとも1個の演出図柄が他の演出図柄が異なるバラケ目とされたり、3個の演出図柄8L、8C、8Rの全てが他の演出図柄と異なるバラケ目とされたりする。
一方、特別図柄当否判定の結果が大当りであって、16R第1大当り及び16R第6大当りの何れかの場合は「777」のゾロ目とされ、6R第2〜第5大当り及び16R第11大当りの何れかの場合は「777」以外の奇数図柄のゾロ目または「666」等の偶数図柄のゾロ目とされ、RUBに相当する大当りの場合は「3★3」等のRUB専用出目(専用図柄)とされる。また、2R大当りの場合は、外れのときと同じ態様(バラケ目)で3個の演出図柄8L、8C、8Rを停止表示するものとしている。但し、2R大当りについては、「135」等の予め定めたチャンス目を停止表示してもよい。尚、前述の演出図柄8の停止表示態様は一例であり、大当りとなったときに停止演出図柄として何を停止表示するかは適宜変更可能である。
本実施例のパチンコ遊技機1には、演出図柄8の変動態様(変動演出パターン、演出図柄遊技演出)として、リーチA、リーチB、リーチC、スーパーリーチ(「SPリーチ」ともいう)A、スーパーリーチB、スーパーリーチC、キャラクタ演出等が設定されており、S4555で、変動演出パターン決定テーブルに基づいて、これらのうち何れの演出を行うか、又はこれらの演出を行わない(これを「ノーマル変動」ともいう)かが決定される。そして、リーチ有演出図柄遊技演出が実行される場合には、変動パターン指定コマンド及び変動演出パターン決定テーブルに基づいて、何れかのリーチ演出が設定される。
ここで、演出図柄遊技演出として、スーパーリーチ演出が実行される場合には、ノーマルリーチ演出が実行される場合と比較して、大当りとなる可能性が高くなるように設定されている。すなわち、スーパーリーチ演出はリーチ(ノーマルリーチ)演出と比較して大当り信頼度(大当りとなる可能性)の高い遊技演出であるといえる。尚、リーチ演出は、主として、変動時間が30000ms以上の変動パターン(図9を参照)を指定する変動パターン指定コマンドを受信した場合に設定(実行)され得る。また、変動時間が30000ms未満の変動パターンは、リーチ演出やキャラクタ演出やストーリー演出を行わないノーマル変動(ノーマル演出)という。このノーマル演出はリーチ演出等と比較して、大当りとなる可能性が低い遊技演出とされる。
また、S4556では、予告演出設定処理を行う。この予告演出決定処理では、変動演出パターン(演出図柄遊技演出)に伴って実行される予告演出を決定する。また、この実行される予告演出(特別演出を含む)を含めて演出図柄遊技演出ともいう。この予告演出は、実行中の演出図柄遊技演出の結果が大当り態様で停止表示する可能性を、演出図柄の変動表示の開始後であって、演出図柄が停止表示(確定停止表示)する前(演出図柄の変動表示中)に示す演出(事前報知演出)である。S4556では、S4551において取得した予告演出決定用乱数や特別演出決定用乱数、及び、S4554においてセットした予告演出決定テーブル等に基づいて、指定された変動パターン及び決定された変動演出パターンに適合した予告演出を選択し、選択した(決定した)予告演出を実行するコマンドをセットする(S4556)。
本実施例1では、表示態様(実行態様)が異なる複数の予告演出を有しており、これらに対応する予告演出決定用乱数として、複数の予告演出決定用乱数を有している。具体的に、キャラクタ予告決定用乱数、会話予告決定用乱数、ステップアップ予告決定用乱数、ランプ予告決定用乱数等を有しており、これらの予告演出決定用乱数の取得値と各予告演出決定テーブルとを用いて、実行する予告演出を決定する。また、各予告演出決定用乱数として、変動演出開始処理(S4402)における演出決定用乱数取得処理(S4551)において、所定の値が取得される。
次に、S4558では、S4555及びS4556において設定した変動演出パターン及び予告演出(特別演出を含む)に基づいて、演出図柄遊技演出等を開始するための変動演出開始コマンドをサブ制御基板90のRAM内の出力バッファにセットし(S4558)、変動演出開始処理を終了する。S4558でセットされた変動演出開始コマンドが、コマンド送信処理(S4006)により画像制御基板100に送信されると、画像制御用マイコン101は、変動演出開始コマンドに基づき特定される変動演出パターン、すなわちS4555で設定された変動演出パターンに対応する所定の画像データを画像制御基板100のROMから読み出して、該読み出した画像データによる変動演出等を画像表示装置7の表示画面7a上で実行する。また、演出表示器102での2個のLEDによる変動表示(点滅表示)も実行する。
また、予告演出として、ランプ予告決定用乱数を用いて決定する演出であって、後述する特典報知部を所定態様で点灯させるランプ予告を備えている。このランプ予告は、第1始動口20の直下に設けた特典報知領域の裏面に設けた発光部を、所定の色や点灯パターン(発光態様)で点灯制御することで、実行中の演出図柄(特別図柄)の変動表示の結果が大当りとなる可能性や、保留(記憶)されている保留情報に大当り情報が記憶されている可能性を報知するものである。
また、このランプ予告は、低ベース状態において遊技者が常に遊技球の入球を狙う、第1始動口の直下に位置する特典報知部で実行される。そのため、遊技球を発射している状態では、特典報知部(特典報知領域)の周辺には、常に多数の遊技球が流下している。また、本実施例の特典報知部は、その前面(特典報知部上)を、遊技球が通過可能な構成としている。すなわち、遊技球が通過可能な経路を発光させ、その発光態様によって、特典の付与可能性(大当りの実行可能性)を報知している。従って、特典報知部上を、あまりに多数の遊技球が流下すると、多数の遊技球が通過することによって、当該特典報知部に対する遊技者の注目を集める反面、当該遊技球が、特典報知部で実行する演出の視認性を阻害してしまう虞がある。また、視認性の悪さから、遊技者が、実行した発光態様を、異なる発光態様と勘違いし、遊技結果が遊技者の考える結果と異なる結果となり、遊技興趣を低下させる虞もある。このような事態の発生を防止するため、本実施例では特典報知部(特典報知領域)周辺を後述するような特殊な構成としている。これにより、特典報知部周辺を落下する遊技球を増加しつつ、特典報知部上を通過する遊技球の数を減少させ、特典報知部上を流下する遊技球の数を適正な数に制限している。
[特典報知部]
本実施例の特典報知部は、図45乃至50に示す構成とされている。図45は、遊技盤2に対して、特典報知部材160(「第1ユニット」ともいう)を取り付けた図を示している。尚、本図では、センター装飾体10や第1大入賞装置31等の部品を取り外した図を示している。図45に示す通り、特典報知部203(特典報知領域)は、遊技盤2に設けられた始動口20の下方(始動口20とアウト口17との間)に設けられている。また、本実施例では、特典報知部203(特典報知領域)を、始動口20から左右下方に傾斜してのびる庇部材200の下方の領域であって、特典報知部203の裏面に設けた発光部によって所定態様に発光(表示)される領域としている。すなわち、図45に示す第1ユニット上であって、点線の内側に示す庇部材200(第1庇部200a及び第2庇部200b)の下方の領域である。また、図46(b)に斜線で示す領域である。
図45等に示すように、特典報知部203(特典報知領域)には、大当り(第1特典)が発生するかどうかを報知する第1特典報知部201(第1特典報知領域)と、大当り遊技終了後の遊技状態が高確率状態(第2特典)に設定されるか(遊技球が特定領域を通過したか)どうかを報知する第2特典報知部202(第2特典報知領域)と、を有している。第1特典報知部201には、透光性の拡散レンズ201aを有しており、当該拡散レンズ201a(図45に示す斜線部)の裏面側に配置された第1発光部(第1特典用発光部)が所定態様で発光することで、高い演出効果を発揮する。また、第2特典報知部202には、透光性部材上に特定領域通過を示す「V」の文字が表示されており、この「V」の文字部の裏面側に配置された第2発光部が所定態様で発光することで、高い演出効果を発揮する。
また、第2大入賞口35に入球した遊技球は、第2大入賞口35内に設けられた第2大入賞口センサ35aを通過した後、第2大入賞口内通路181を通って、特定領域39及び非特定領域49の何れかに振り分けられる。そして、図45に破線で示すように、この特定領域39及び特定領域39を遊技球が通過したことを検知する特定領域センサ39aの少なくとも一部は、特典報知部203の裏面側に位置するように(特典報知領域内に)配置されている。より具体的には、特定領域39及び特定領域センサ39aの少なくとも一部は、第2特典報知部202の裏面側に位置するように(第2特典報知領域内に)配置されている。
これにより、第2大入賞口35内に入球した遊技球が特定領域センサ39aを通過するタイミングで、通過した時に合わせて第2特典報知部202(の第2発光部)を所定態様で発光させる(点灯させる)ことで、遊技者に遊技球が特定領域を通過したこと(第2特典の獲得が確定したこと)を報知することが可能となる。また、このように、特定領域センサ39aの前面側に第2特典報知部202を設け、通過時に当該第2特典報知部202を発光することで、遊技球が特定領域39を通過したことを、遊技者が直接視認できる可能性を高めることが可能となる。これにより、自身が発射した遊技球が特定領域39を通過したことにより、第2特典(高確率状態、確変遊技)を獲得したことを認識でき、遊技興趣を高めることが可能となる。
また、この第2特典報知部202、並びに、特定領域39及び特定領域センサ39aを、庇部材200(第2庇部)の下方の特典報知領域に配置したことにより、遊技領域3上を流下する遊技球が、これら、第2特典報知部202、特定領域39、及び、特定領域センサ39aの前方を流下する量を制限できる。またこれにより、第2大入賞口35内に入球した遊技球が、特定領域39及び特定領域センサ39aを通過するのを、遊技者が視認しやすくすることが可能となる。またこれにより、遊技領域3上を流下する遊技球と、特定領域39及び特定領域センサ39aを通過する遊技球と、が重なり合って、遊技者が、特定領域39及び特定領域センサ39aを通過する遊技球を見逃してしまうといった事態が発生するのを極力防止することが可能となる。
一方で、非特定領域49及び非特定領域センサ49aは、特典報知領域202の外側の領域(特典報知領域外領域)の裏面側に位置するように配置されている。この特典報知領域外領域は、(特典報知領域と比べて)前述した庇部材200によって、遊技球の通過が規制(制限)されていないため、多数の遊技球が非特定領域49及び非特定領域センサ49aの前方の領域を通過(流下)することとなる。これにより、第2大入賞口35内に入球した遊技球が非特定領域49を通過する場合において、遊技領域3上を流下する遊技球と、非特定領域49及び非特定領域センサ49aを通過する遊技球と、が重なり合って、遊技者が非特定領域49及び非特定領域センサ49aを通過する遊技球を視認しにくくすることが可能となる。またこれにより、遊技者は、遊技球が非特定領域49及び非特定領域センサ49aを通過するのを視認できなかった場合には、大当り遊技が終了し、当該大当り遊技終了後の遊技が開始されるまで(遊技モードが表示されるまで)、第2特典(高確率状態、確変遊技)の実行に対して期待感を維持することが可能となる。
尚、特定領域センサ39a及び非特定領域センサ49aの前方の遊技領域3は、透光性(より好ましくは「透明」)の材料で形成されており、遊技機の前面側から遊技領域3を通して、特定領域センサ39a及び非特定領域センサ49a(の少なくとも一部)を遊技者が視認可能となっている。また、本実施例では、第2大入賞口35に入球した遊技球が通過する第2大入賞口内通路の少なくとも一部も、遊技機の前面側から遊技領域3を通して遊技者が視認可能となっている。従って、遊技者は、第2大入賞口35に入球した遊技球を注視することで、第2大入賞口35に入球した遊技球が、特定領域39又は非特定領域49の何れを通過するかを視認することが可能となる。
[特典報知部材]
次に、図46及び図47を用いて遊技盤2に取り付けられる特典報知部材160について説明する。特典報知部材160は、板状のベース部206(ベース板)と、当該ベース部206の前面側に設けた庇部材200(「規制部」や「流下規制部」ともいう)と、を備えて構成されている。また、このベース部200及び庇部材200を、ネジ等によって予め組付けてユニット化し、遊技機を組立てる際には、このユニット化した状態で、ベース部200に設けられた4か所の取付穴207を介して、遊技盤2の前面側から当該遊技盤2に組付けられる。尚、このユニット化された特典報知部材160を、「第1ユニット」ともいう。
また、庇部材200は、中央部に形成された球受口(第1始動口20)と、当該球受口から左右下方に向けて形成された第1庇部200a及び第2庇部200bと、で形成されている。また、図46(a)に示す通り、庇部材200は、遊技領域3の前方側に突出するように形成されており、上流(上方)から流下してきた遊技球の流下方向を、第1庇部200a及び第2庇部200bで規制し、庇部材200の直下(すなわち、特典報知領域上)に流下する遊技球を制限している(減少させている)。
また、低ベース状態では、遊技者は、大当り遊技の発生を目的として、演出図柄(特別図柄)を変動表示させるため、演出図柄の変動表示(特別図柄当否判定)の契機となる第1始動口20を狙って遊技を行う。従って、遊技者は、第1始動口20の周辺に注目して遊技を行い、多数の遊技球が第1始動口20周辺を流下することとなる。そして、第1始動口20に向けて発射された遊技球は、第1始動口20に入球するものもあれば、入球しないものもある。第1始動口20に入球しなかった遊技球は、当該第1始動口20の左右の庇部(第1庇部200a及び第2庇部200b)の上面に形成された第1流下路205a又は第2流下路205bに誘導されて、特典報知部203の周囲を流下する。図46等に示すように、この第1流下路205a及び第2流下路205bは、特典報知部203の周囲を遊技球が斜め下方に流下するように、傾斜上に形成されている。そして、第1流下路205a及び第2流下路205bに誘導されて流下する遊技球は、特典報知部203の周囲を流下して(一部は、特典報知部203上を流下して)、アウト口17に入球する(アウト口17から排出される)。
尚、特典報知部203上は、遊技球が通過可能な遊技領域3として構成されているため、第1流下路205a又は第2流下路205bに誘導されて下方に流下した遊技球の一部が、障害釘等に当たって方向を変え、特典報知部203上を通過する場合もあるし、第1始動口20に向かわず、他の方向から流下してきた遊技球が(第1流下路205a又は第2流下路205bに接触することなく)特典報知部203上を通過する場合もある。しかしながら、庇部材200の存在により、始動口20の直下に設けた特典報知部203の前面を通過する遊技球の数を確実に低減することを可能にし、特典報知部203の演出態様の視認性を確実に向上させている。また、壁を設ける等によって、遊技球が特典報知部203上を全く通過しないようにしたものと比較して、遊技球が通過可能な構成とし、実際に一部の遊技球が通過するように構成しているため、遊技者が特典報知部203上を注目する(特典報知部203近辺に視線を集める)可能性を高めている。これにより、特典報知部203で実行する演出を、遊技者が見逃す可能性を低減することが可能となる。
また、図46(a)に示すように、特典報知部203(特典報知領域)には、第1特典(大当り、大当り遊技)の実行可能性を示す第1特典報知部201と、第2特典(高確率状態)の実行可能性(特定領域を通過したかどうか)を示す第2特典報知部202と、を備えている。第1特典報知部201は、演出の実行頻度が第2特典報知部よりも高いため、第2特典報知部202よりも大型に構成されている。また、前述した通り、第1特典報知部201は、第1発光部187(第1特典用発光部)の発光態様を見せるだけであるため、裏面側の視認性は必要なく、有色の拡散レンズ201aで構成されている(もちろん、一部透明部があってもよい)。一方、第2特典報知部202は、第2発光部188(第2特典用発光部)の発光態様を見せると共に、第2特典報知部202の裏面に配置された特定領域39及び特定領域センサ39aを遊技球が通過する態様を見せるため、透過性(透明)の素材(樹脂)で構成されている。
また、図46(b)に示すように、特典報知部203(特典報知領域)は、斜線で示される庇部材200の下方領域とされ、この特典報知部203の裏面側の所定位置に、特典報知基板186に実装された第1発光部187及び第2発光部188が設けられている。
また、第1発光部187は、第2発光部188より多い数とされている。具体的に、第1発光部187は、6個(複数)の発光部で構成され、第2発光部188は1個(単数)の発光部で構成されている。第2発光部188は、第2特典報知部202の裏面側において、特定領域39(特定領域センサ39a)の一部と重なる位置に設けられている。
そして、その発光態様を見せると共に、実際に遊技球が特定領域39(特定領域センサ39a)を通過したかどうかを遊技者に見せる構成とされている。従って、第2発光部を多数の発光部で構成すると、特定領域39(特定領域センサ39a)の視認性を阻害してしまうこととなる。これにより、第2発光部188を単数(少数)の発光部で構成しているのである。一方、第1特典報知部201は、その裏面側の視認性を確保する必要がなく、遊技者が発光態様の変化に気づきやすいように、比較的(第2特典報知部よりも)広い範囲に(多数の)発光部を設置している。また、本実施例では、第2発光部188(第2LED)は単数で構成されているため、第1発光部187(第1LED)と異なる発光部を用いており、第2発光部188は第1発光部187よりも輝度の高い発光部(LED)を用いている。また、第1発光部と第2発光部とを、異なる色とし、遊技者が区別しやすいようにしてもよい。
また、図47は、遊技盤2(第2ユニット)に対して、特典報知部材160(第1ユニット)と、特典報知基板186や第2大入賞装置36を備える第3ユニット180と、を組付けた際の、特典報知部材160と特典報知基板186との位置関係を示す図である。図47に示す通り、特典報知基板186は特典報知部203の裏側に位置するように設けられ、当該特典報知基板186に設けられる(実装される)第1発光部187及び第2発光部188は、全て特典報知部203(特典報知領域)の裏側に位置するように設けられている。尚、特典報知基板186には、第1発光部187及び第2発光部188の他に、第1発光部187及び第2発光部188を適切に発光制御するための電子部品189、190(ICや抵抗等)が実装されている。
また、図48は、第1ユニット160、第3ユニット180等を組付ける(取付ける)前の状態の遊技盤2(第2ユニット170)を示すものである。図48に示す第2ユニット170には、センター装飾体10を組付けるためのセンター装飾体取付穴171と、第1ユニット160を取付けるための特典報知部材取付穴173と、第3ユニットの第2大入賞装置36を取付けるための第2大入賞装置取付穴172と、ゲート28を取付けるためのゲート取付穴174と、が形成されている。また、第1ユニット160の4箇所の取付穴207を、第2ユニット170の4箇所の取付穴175に夫々あわせ、前面側からビスにより固定する。
また、図49は、第2大入賞装置36、第2大入賞口内通路181、可動片150、v、非特定領域49(非特定領域センサ49a)、第1始動口20、第1始動口内通路182、第2始動口センサ21a、特典報知基板186、及び、発光部184(LED)を実装した他の装飾基板183(その他装飾ランプ、遊技球通路、フレーム等を含む)を備えてユニット化した第3ユニット180を示す図である。
図49に示すように、特典報知基板186は、第2発光部188が設けられた側の端部に、切欠部195(凹部)と、突部196と、が形成されている。そして、この切欠部195に第2大入賞口内通路181(特定領域センサ49aに通じる通路)の一部が位置するように設けられている。また、突部196には第2特典の獲得を示す第2発光部188が設けられており、この突部196(第2発光部188)が、特定領域センサ39a(特定領域39)の一部と重なり合う位置に設けられている。突部196は、特定領域センサ39a(特定領域39)の一部と重なるように設けられ、特定領域センサ39a(特定領域39)の他の部分は突部196と重ならないように設けられる。これにより、遊技者が、特定領域39(特定領域センサ39a)を通過する遊技球を、遊技領域3の前方側から遊技球の通過を視認することが可能となる。また、特定領域センサ39a(特定領域39)の一部と重なり合う位置に第2発光部196を設け、特定領域センサ39a(特定領域39)の通過と略同時に第2発光部196を発光させることで、遊技者に、特定領域39(特定領域センサ39a)を実際に遊技球が通過するタイミングを報知し、当該態様を見せることも可能となる。
図50は、第1ユニット160と、第2ユニット170と、第3ユニット180と、の分解斜視図を示す。第1始動口20及び特典報知部203を少なくとも含んで構成される第1ユニット160は、遊技盤2を少なくとも含んで構成される第2ユニットに対して、前面側(遊技領域3側)から取付けされる。また、第3ユニット180は、第2ユニット対して、後面側から、開閉部材37が第2大入賞装置取付穴172に位置し、特典報知基板186が特典報知部203の裏面に位置するように、取付けされる。
以上説明したとおりの構成とし、始動口20と、始動口20の直下に、始動口20への入球に基づく特別図柄当否判定の結果を報知する特典報知部203と、を設けた遊技機であって、始動口20に入球しなかった遊技球が、特典報知部203上を流下するのを制限する(低減させる)庇部材200を設けた。これにより、特典報知部203の周囲(左右)に多数の遊技球を流下させつつ、特典報知部203上を流下する遊技球は低減したことにより、特典報知部203に対する遊技者の注目を集めつつ、且つ、特典報知部203の視認性を向上した。またこれにより、趣向性の高い演出を遊技者に効果的に見せることが可能となる。
[第2ユニット及び第3ユニットの取付構造]
次に、図50、図53乃至図57等に基づいて、実施例3の遊技機について説明する。実施例3の遊技機は、第2大入賞装置36(第3ユニット180)の遊技盤2(第2ユニット170、遊技盤部材222)への取付構造に特徴を有しており、本取付構造は、実施例1及び2の遊技機と組合せて採用することが可能である。図50に示すように、第2ユニット170は、遊技盤2の前面側(遊技領域が形成される側)の所定位置(右下部)に、図55及び図56に示す表部材221(「ベース部材」ともいう)を取付けて構成している。つまり、第2ユニット170は、遊技盤2及び表部材221を含んで構成されている。また、第2ユニット170を、「遊技盤部材222」ともいう。
図53には、第2ユニット170(遊技盤部材222)を構成する遊技盤2を示す。遊技盤2には、第1ユニット160を取付けるための特典報知部材取付穴173、第2大入賞装置36を取付けるための第2大入賞装置取付穴172(「第1開口部」ともいう)、可変入賞装置22を取付けるための可変入賞装置取付穴227、表部材221をネジ止めする(固定する)ための表部材取付穴226等が形成されている。また、図53に示すように、第2大入賞装置36を取付けるための第2大入賞装置取付穴172は、遊技盤2を表裏方向に貫通する貫通孔として形成されており、その下端が左右に切りかかれており、この左右の切欠部を第2凹部231、231という。また、第2凹部231は、貫通状に形成されている。詳しくは後述するが、この第2凹部231の遊技盤表面側を、表部材221の第2凹部カバー部236でカバーして、嵌合部を形成している。この嵌合部を、箱部側軸支部247を嵌合するための軸支部嵌合凹部241という。
図54は、遊技盤2の裏面側の一部(第2大入賞装置取付穴172周辺)を拡大して示す一部拡大図である。図54に示すように、遊技盤2の裏面側には、第3ユニット180(裏側部材)を嵌合し、固定するための第1凹部230、第2凹部231、及び、第3凹部232等が形成されている。もちろん、図示しない他の凹部や凸部も形成されており、これらの凹部や凸部に対して、第3ユニット180(裏側部材)の所定部分を嵌合したり、配線を通したり、遊技球通路として用いたりしている。
次に、図55及び図56を用いて、遊技盤2の表面に取付けられて遊技盤部材222を構成する表部材221(「ベース部材」ともいう)について説明する。表部材221は、遊技領域3の右下部に設けられている。また、表部材221は、遊技盤2に略垂直方向に伸びる遊技球通路240と、遊技盤2の表面に平行に設けられる薄板状のベース部235(「薄板部」ともいう)とを有している。本実施例では、ベース部235は、厚さ約3mmの透明樹脂製薄板で形成されており、表部材221は、一体成型により形成されている。
また、ベース部235の所定位置には、表部材の表裏に貫通する長方形状の第2大入賞口用貫通孔237(「第2開口部」ともいう)と、四角切欠き状の可変入賞装置用貫通孔238(可変入賞装置用切欠部)と、が形成されている。第2大入賞口用貫通孔237は、遊技盤2の裏面側から取付けられた第2大入賞装置36の開閉部材37が開状態となった際に、遊技球が第2大入賞装置36内(第2大入賞口内通路25)に入球するための入口となる。すなわち、第2大入賞口用貫通孔237は、第2大入賞口35となる。また、可変入賞装置用貫通孔238は、遊技盤2の裏面側から取付けられた可変入賞装置22の可動部材23が開状態となった際に、遊技球が可変入賞装置22内に入球するための入口となる。すなわち、可変入賞装置用貫通孔238は、第2始動口21となる。
また、図56は、表部材221を裏面側(遊技盤と接する面側)から見た斜視図である。図56に示すように、長方形状の第2大入賞口用貫通孔237の下端左右両側には、第2大入賞口用貫通孔237から左右に伸びる小型の凹み部が形成されている。この凹み部は、第2凹部カバー部236という。表部材221(ベース部材)を、遊技盤2の表面に取付けた状態において、第2大入賞装置取付穴172(第1開口部)と第2大入賞口用貫通孔237(第2開口部)とが重なり、図50等に示す開口部172、237となる。尚、第2大入賞装置取付穴172(第2凹部231を除く)の貫通孔形状と、第2大入賞口用貫通孔237の貫通孔形状と、は略同じ形状とされている。
また、表部材221を、遊技盤2の表面に取付けた状態において、表部材221の第2凹部カバー部236は、遊技盤2の第2凹部231と重なる位置とされる。すなわち、遊技盤2に形成された貫通状の第2凹部231の前面側(遊技盤2の表面側)を、第2凹部カバー部236で覆うことで、軸支部嵌合凹部241(第2嵌合部)を形成する(図48及び図50等を参照)。
また、表部材221を、遊技盤2の表面に取付けた状態において、第2大入賞口35(第2大入賞口用貫通孔237)の周縁は、薄板状(約3mm)のベース部235が位置し、このベース部235の前面領域(第2凹部カバー部236の前面を含む)は、遊技球が流下(通過)可能な遊技領域とされる。尚、表部材221には、複数個所の取付穴239が設けられており、当該取付穴239を、遊技盤2の表部材取付穴226に重ねてネジ止めすることで、表部材221を遊技盤2に固定する。
次に、図50に示すように、表部材221及び遊技盤2を含んで構成される遊技盤部材222(第2ユニット170)に対して、遊技盤部材222の裏面側から取付け(嵌合固定)される第3ユニット180(裏側部材)は、次のような構成とされている。図57に示すように、第3ユニット180(裏側部材)は、第2大入賞装置36を含んで構成されており、当該第2大入賞装置36を構成する部材等が遊技盤2側に突出して形成されている。ここで、第2大入賞装置36を構成する部材には、第2大入賞口35から入球した遊技球を誘導する第2大入賞口内通路25(「特定遊技球通路」ともいう)を内部に有する箱部245(第2大入賞装置36の外形の一部を形成する部分)や、第2大入賞口35を開閉する開閉部材37の回動軸を軸支(保持)する箱部側軸支部247を含む。
この第3ユニット180を、遊技盤部材222(第2ユニット170)の裏面側から取付ける場合、遊技盤2の裏面側に形成される凹状の第1凹部230には、第3ユニット180(裏側部材)の第2大入賞装置36の箱部245が嵌合する。また、遊技盤2裏面側の第1凹部230形成面から更に凹状に形成される軸支部嵌合凹部241には、第3ユニット180の第2大入賞装置36の箱部側軸支部247(単に「軸支部」ともいう)が嵌合する。このように、第3ユニット180の第2大入賞装置36の異なる部分を、遊技盤2の裏面側に複数段(階段状)に形成された、深さの異なる第1凹部230及び第2凹部231に嵌合し、固定した。
また、第1凹部230は遊技盤2で構成し、軸支部嵌合凹部241は第2凹部231及び第2凹部カバー部236で構成した。すなわち、同じ第2大入賞装置36の異なる部分を嵌合する第1凹部230と、軸支部嵌合凹部241とを、異なる部材(少なくとも一部が異なる部材)で構成した。
これにより、第2大入賞装置36(第3ユニット180)を、遊技盤部材222の特定位置に確実に位置合わせし、固定することが可能となる。また、第2大入賞装置36は、開閉動作する開閉部材37を備えているため、第2大入賞装置36と、遊技盤部材222側の開口部(第2大入賞口35)と、の位置が特定位置からズレて設置されると、開閉部材37が引っかかってしまい、大当り遊技の際に開口部(第2大入賞口35)が開状態とならない虞がある。このような事態が発生すると、遊技者に多大な不利益を与える可能性がある。しかしながら、本実施例の構成とすることで、第2大入賞装置36(第3ユニット180)を、遊技盤部材222の特定位置に確実に位置合わせして固定することが可能となり、このような事態の発生を極力防止することが可能となる。
また、遊技盤部材222裏面側の複数の嵌合凹部(第1凹部230、軸支部嵌合凹部241)に嵌合する対象を、第2大入賞装置36の外形形状を構成する箱部245、及び、第2大入賞口35を開閉する開閉部材37の回動軸246を軸支する箱部側軸支部247、としたことで、開閉部材37と開口部(第2大入賞口35)を形成する貫通孔とが干渉して、大当り遊技の際に開口部(第2大入賞口35)が開状態とならない事態の発生を極力防止することが可能となる。また、これらの構成によって、遊技盤部材222(第2ユニット)に第3ユニット180を組み付けた状態(遊技機を構成した状態)において、振動や衝突によって、第3ユニット180(第2大入賞装置36)が、遊技盤部材222の特定位置からズレるのを防止することが可能となる。
また、開閉部材222を含む第2大入賞装置36を、遊技盤部材222の裏側から取付け、開閉部材37の回動軸246を軸支する箱部側軸支部247を、軸支部嵌合凹部241内に嵌合固定した。これにより、第2大入賞口35を開閉する開閉部材37の軸支部247を、遊技盤部材222の表面から遊技領域側に突出させることなく構成している。また、第2大入賞口35を開閉する開閉部材37を、遊技盤部材222の表面から遊技領域側に突出させることなく構成している。これにより、開閉部材37及び開閉部材37の回動軸246を軸支する軸支部247の前面側を遊技球が通過可能な遊技領域とし、遊技領域を狭めることなく、遊技球の流下態様を多様化することが可能となる。
また、本実施例では、開閉部材37は、遊技盤部材222(表部材221)の表面と略面一となるように設けられている。少なくとも、開閉部材37は、遊技盤部材222(表部材221)の表面から、遊技領域側に突出しないように設けられる。尚、開閉部材37の回動軸246は、開閉部材37の下側両端に形成される開閉部材側軸支部248と、第2大入賞口35となる開口部の下側両端に形成される箱部側軸支部247と、によって両端を軸支されている。
そして、開閉部材37は、遊技盤部材222(表部材221)の表面と略面一に立設して第2大入賞口35を閉鎖する閉状態から、その下端を軸にして、前方に(遊技領域側に)回動(傾動)することで、第2大入賞口35を開放する開状態に動作可能とされる。また、遊技盤部材222の裏面側の第3凹部232には、可変入球装置22の外形形状の一部を形成する図示しない箱部が嵌合する。
[他の態様]
また、前述した実施例では、特別図柄の当否判定の結果として大当りと外れを設けていたが、これに加え「小当り」を設けてもよい。但し、小当りに係る特別遊技(小当り遊技)で大入賞口を開放させる場合の開放時間は大当りのような長時間(例えば30秒)ではなく、短時間(例えば1.8秒)となる。このような小当りを設けた場合、例えば、大入賞口を0.9秒で2回開放させる当りとして「2R大当り」と共に設けて、「小当り」と「2R大当り」との区別(判別)を困難とし、2R大当りを前述の「V通過予定大当り(確変大当り)」とすることで、所謂「潜伏確変」の遊技性を得ることが可能となる。また、第2大入賞口35を開放する小当り遊技を行う場合において、当該小当り遊技中は可動片150を動作させない。すなわち、小当り遊技中に、遊技球が特定領域39を通過することはなく、当該小当りの発生に基づいて高確率状態が付与されることはないものとされる。
また、前述した実施例では、特定領域39の有効期間を、特定領域開閉動作パターンの実行中であって、特定領域が開放状態となっている期間と、開放状態から閉鎖状態となってから1000msの期間と、に設定するものとしたが、この様な態様に限らない。例えば、特定領域開閉動作パターンの実行中は、全て有効期間に設定してもよいし、特定領域開閉動作パターンの実行中であって、最初に開放状態となった時以降の期間を全て有効期間に設定してもよいし、これらに加えて、特定領域開閉動作パターンの終了後の所定期間を有効期間に設定してもよい。
前述した実施例では、大当り遊技中(特別遊技中)に遊技球が特定領域を通過したことに基づいて高確率状態を発生させるという遊技上の特典を遊技者に付与するものを例示したが、本発明でいう特典は高確率状態の発生に限られるものではない。例えば、始動口への遊技球の入球頻度を高くする高ベース状態や、識別情報の変動時間を通常より短くする変動時間短縮状態(時短状態)等、遊技者に何らかの利益を付与するものであれば、その特典の内容(種類)は問わない。また、遊技球が特定領域を通過したことに基づいて、一の特典を付与するものであっても複数の特典を付与するものであってもよい。また、確率設定手段を備えていない(高確率状態のない)タイプのパチンコ遊技機であって、内部に特定領域を有し、遊技球が入球可能な入球可能状態と遊技球が入球不能な入球不能状態とに変化可能な大入賞口を備え、大入賞口は、始動口への入球に基づく当否判定の結果が小当りとなると所定時間入球可能状態とされ、この入球可能状態となった大入賞口に遊技球が入球し、特定領域を遊技球が通過すると、大当りとなり大当り遊技が実行され、所定の特典が付与されるパチンコ遊技機にも適用される。このパチンコ遊技機は所謂1種2種混合機と呼ばれ、始動口への入球に基づく当否判定の結果が大当りになると、特定領域への通過を要せず、大当り遊技が実行される。本発明はこれらあらゆるタイプの遊技機に適用することが可能である。
また、前述した実施例では、第2特図保留を第1特図保留に優先して消化する制御処理、所謂特図2優先の制御処理としたが、これに限らず、第1特図保留を第2特図保留に優先して消化する制御処理、所謂特図1優先の制御処理としてもよい。また、第1特図保留の消化と第2特図保留の消化とに優先順位を設定せず、第1特図保留及び第2特図保留のうち、最も古く記憶されたものから順に消化する制御処置、所謂入球順(記憶順)消化の制御処理としてもよい。
前述した遊技機において、遊技球が入球可能な始動口と、第1態様と第1態様よりも遊技球の入球可能性が高い第2の態様とに変化可能な可変式始動口と、のうち少なくとも一方を設け、始動口又は可変式始動口への遊技球の入球に基づいて識別情報を変動表示する識別情報表示手段を設けてもよい。また、遊技球が入球可能な入球可能状態と遊技球が入球不能な入球不能状態とに変化可能な可変入球口と、始動口への入球に基づいて第1当否判定を実行する第1当否判定手段と、可変式始動口への入球に基づいて第2当否判定を実行する第2当否判定手段と、第1当否判定又は第2当否判定の結果が当りになると可変入球口を入球可能状態とする特別遊技を実行可能な特別遊技実行手段と、を備えるものとしてもよい。また、可変式始動口への遊技球の入球頻度が所定の頻度の第1遊技状態と、第1遊技状態よりも可変式始動口への遊技球の入球頻度が高い第2遊技状態とに設定する遊技状態設定手段とを備えるものとしてもよい。ここで、「所定の頻度」には0を含むものとする。
[その他]
(1)
従来、パチンコ遊技機等の遊技機において、始動口への遊技球の入球に基づいて当否判定を実行し、当該当否判定の結果に基づいて識別情報を変動表示し、その識別情報が特定態様で停止表示すると、遊技者に所定の利益を付与可能な特別遊技を行うものが知られている。この種の遊技機には、始動口への入球に基づいて当否判定を行ってから、当該当否判定の結果を示す態様で識別情報を停止表示するまでの間に、識別情報が特定態様で停止表示する可能性を示す予告演出を所定の表示部で行う遊技機が知られている。
従来の遊技機(特開2002−239096号公報)では、遊技領域の中央部に設けられた液晶表示部の上方、及び、遊技領域の左右両端部に、可動部材を設け、この可動部材の動作態様によって、当否判定の結果が大当りとなる可能性を示すものとしている。すなわち、この可動部材が予告演出表示部とされる。特許文献1の予告演出表示部は、遊技球が流下しない隔離領域に設けられているため、その前方を遊技球が通過する虞がなく、遊技球によって予告演出の視認性が阻害される可能性はない。しかしながら、予告演出表示部が、遊技球の流下領域と異なる領域に設けられているため、遊技球の流れをみる遊技者は、予告演出表示部の表示態様の変化に注意を払わず、変化に気付かないおそれもある。このような場合、予告演出表示部で趣向性の高い演出を実行しても、遊技興趣の向上に至らない場合がある。
本発明は、前述した事情に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、予告演出を実行する表示部を、遊技者が認識し易くし、その演出態様により、遊技興趣を向上させることにある。
また、前述した実施例の他の態様として、参考発明1−1の遊技機は、
遊技球が入球可能な始動口と、
遊技球が入球可能な入球可能状態と、遊技球が入球不能な入球不能状態と、に変化可能な可変入球口と、
前記始動口への入球に基づいて当否判定を実行する当否判定手段と、
前記当否判定の結果に基づいて識別情報を変動表示する識別情報表示手段と、
前記可変入球口を入球可能状態とする特別遊技を実行する特別遊技実行手段と、を備え、
前記当否判定の結果が特定結果となると、前記識別情報を特定態様で停止表示して前記特別遊技を実行可能な遊技機であって、
前記始動口の下方に設けられ、所定の演出態様を実行する報知演出部と、
前記報知演出部と前記始動口との間に設けられ、前記始動口に向かって流下する遊技球が、前記報知演出部の前を流下し難くする庇部と、を備え、
前記報知演出部は、複数の演出態様を有し、実行する演出態様によって前記特別遊技の実行可能性を示す
ことを特徴とするものである。
このような遊技機によれば、当否判定にかかる始動口と、始動口の下方に設けられ特別遊技の実行可能性を報知する報知演出部と、始動口と報知演出部との間に設けられる庇部と、を備えている。そして、この庇部によって、始動口に向かって流下する遊技球が始動口の下方に設けられた報知演出部の前を通過する可能性を低減している。これにより、報知演出部を、遊技者が注視する始動口の下方に配置すると共に、始動口に向かって流下する遊技球が報知演出部の前を多数流下して報知演出部の演出態様が視認しがたくなるといった事態を防止することが可能となる。尚、「庇部」は、報知演出部の前(前方)を、遊技球が流下(通過)し難くするものであるから、流下する遊技球の一部が報知演出部の前(前方)を通過可能な構成とする。
また、参考発明1−2の遊技機は、参考発明1−1の遊技機において、
前記報知演出部の下方に設けられ、遊技領域に設けられた入球口に入球することなく、当該遊技領域の下方まで流下した遊技球を遊技領域外に排出するアウト口を備え、
前記庇部は、前記始動口に入球しなかった遊技球を、下方の前記アウト口に向かって誘導する傾斜状の誘導部を備えることを特徴とするものである。
このような遊技機によれば、始動口の下方に設けられた報知演出部の下方には、遊技球を排出するアウト口を設けている。また、庇部は、始動口に入球しなかった遊技球が、報知演出部の前方を流下し難くし、且つ、報知演出部の下方に設けたアウト口に誘導する傾斜状の誘導部を備えて構成されている。これにより、庇部の誘導部によって、報知演出部の前(前方)は遊技球の流下を低減しつつ、報知演出部の周囲(左右下方等)には遊技球を多数流下させる。またこれにより、報知演出部の近傍を注視させ、報知演出部の演出態様の変化に遊技者が気づき易くすることが可能となる。
また、参考発明1−3の遊技機は、参考発明1−1又は参考発明1−2の遊技機において、
前記報知演出部は、発光素子を有する回路基板を有して構成され、前記発光素子の発光態様によって、前記特別遊技の実行可能性を示すことを特徴とするものである。
このような遊技機によれば、報知演出部は、発光素子(例えば、LED)の発光態様によって、特別遊技の実行可能性を示すものとする。これにより、報知演出部の前を遊技球が流下するのを低減することで、発光素子の発光態様の視認性が、遊技球によって阻害されるのを極力防止することが可能となる。これにより、報知演出部の演出の実行を気づき易くし、遊技者に特別遊技の実行可能性をより確実に報知することが可能となる。
また、参考発明1−4の遊技機は、参考発明1−1乃至参考発明1−3の遊技機において、
前記報知演出部は、遊技球が流下可能な遊技領域が形成される遊技盤面よりも前方に動作可能な可動部材を含んで構成され、
前記可動部材の動作態様によって、前記特別遊技の実行可能性を示すことを特徴とするものである。
このような遊技機によれば、報知演出部は、可動部材を有して構成され、当該可動部材の動作態様によって、特別遊技の実行可能性を示すものとする。また、可動部材は、遊技盤面の前方方向に動作するものとしている。尚、「遊技盤面よりも前方に動作」とは、遊技盤面から遊技領域側に突出する態様で動作することをいう。これにより、可動部材は、遊技盤面の遊技領域側に突き出るように動作可能であるので、その動作態様を遊技者が視認し易く、且つ、インパクトのある動作態様とすることが可能となる。
一方で、可動部材と遊技球とが衝突し、可動部材が破損してしまう可能性もある。そこで、本構成を採用することで、報知演出部を遊技者に目立たせると共に、庇部により、可動部材を備える報知演出部の前を遊技球が流下する可能性を低減して、破損等の発生を極力防止することを可能としている。¥
また、参考発明1−5の遊技機は、参考発明1−1乃至参考発明1−4の遊技機において、
前記始動口への入球に基づいて第2当否判定(事前判定)を実行する第2当否判定手段(事前判定手段)を備え、
前記第2当否判定手段は、前記当否判定手段が当否判定を実行する前であって、前記始動口への入球に際して第2当否判定を実行し、
前記当否判定手段は、前記識別情報の変動表示の開始に際して当否判定を実行するものであって、
前記報知演出部は、前記始動口への入球に際して、当該入球に対応する前記第2当否判定の結果に基づいて、前記特別遊技の実行可能性を示すことを特徴とするものである。
このような遊技機によれば、始動口への入球に基づいて、当否判定手段が当否判定を実行する前に、第2当否判定を実行する第2当否判定手段を備える。そして始動口に遊技球が入球したタイミングで、第2当否判定が実行され、且つ、報知演出部において、当該第2当否判定の結果に基づいて特別遊技の実行可能性を示すものとする。これにより、始動口への入球時の第2当否判定の結果を、当該始動口の直下に設けられる報知演出部において示すことが可能となり、遊技者は、視線を大きく移動させることなく、第2当否判定の結果を容易に認識することが可能となる。尚、第2当否判定手段を「事前判定手段」ともいい、第2当否判定を「事前判定」ともいうことができる。
(2)
また、参考発明2−1の遊技機は、
遊技球が入球可能な始動口と、
遊技球が入球可能な入球可能状態と、遊技球が入球不能な入球不能状態と、に変化可能な可変入球口と、
前記始動口への入球に基づいて当否判定を実行する当否判定手段と、
前記当否判定の結果に基づいて識別情報を変動表示する識別情報表示手段と、
前記可変入球口を入球可能状態とする特別遊技を実行する特別遊技実行手段と、を備え、
前記当否判定の結果が特定結果となると、前記識別情報を特定態様で停止表示して前記特別遊技を実行可能な遊技機であって、
遊技球が通過可能な遊技球通過部と、
所定の演出態様を実行する報知演出部と、
前記報知演出部の上方に、前記報知演出部に向かって流下する遊技球が、前記報知演出部の前を流下する可能性を低減する庇部と、
前記遊技球通過部を遊技球が通過することに基づいて所定の特典を付与する特典付与手段と、を備え、
前記報知演出部は、実行する演出態様によって遊技球が前記遊技球通過部を通過したかどうかを示す
ことを特徴とするものである。
このような遊技機によれば、遊技球が通過可能な遊技球通過部と、特別遊技の実行可能性を報知する報知演出部と、報知演出の上方に設けられる庇部と、を備えている。そして、この庇部によって、報知演出部に向かって流下する遊技球が報知演出部の前(前方)を通過する可能性を低減している。これにより、報知演出部に向かって流下する遊技球が報知演出部の前を多数流下して報知演出部の演出態様が視認し難くなるといった事態を防止することが可能となる。またこれにより、遊技球が遊技球通過部を通過したかどうか、すなわち、特典が付与されるかどうかを、遊技者により確実に認識させることが可能となる。
また、参考発明2−2発明の遊技機は、参考発明2−1の遊技機において、
前記庇部は、前記報知演出部及び前記遊技球通過部の上方に設けられ、前記報知演出部及び前記遊技球通過部に向かって流下する遊技球が、前記報知演出部及び前記遊技球通過部の前を流下する可能性を低減することを特徴とするものである。
このような遊技機によれば、庇部は、報知演出部及び遊技球通過部の両方の上方に設けられている。そしてこの庇部によって、報知演出部に向かって流下する遊技球及び遊技球通過部に向かって流下する遊技球が、報知演出部及び遊技球通過部の前を通過する可能性を低減している。これにより、報知演出部に向かって流下する遊技球が報知演出部の前を多数流下して報知演出部の演出態様が視認し難くなるといった事態を防止すると共に、遊技球通過部に向かって流下する遊技球が遊技球通過部の前を多数流下して遊技球が遊技球通過部を通過したのを視認し難くなるといった事態を防止することが可能となる。またこれにより、報知演出部の演出態様、及び、遊技球通過部の通過態様の一方又は両方を視認することで、遊技球通過部を通過したかどうか、すなわち、特典が付与されるかどうかを、遊技者により確実に認識させることが可能となる。
また、参考発明2−3の遊技機は、参考発明2−1又は参考発明2−2の遊技機において、
前記報知演出部は、発光素子を有する回路基板と、前記回路基板の発光素子設置面を被覆するカバー部材と、を有して構成され、
前記カバー部材は遊技領域が形成される遊技盤面に設けられ、前記回路基板は前記カバー部材の後方に設けられ、
前記カバー部材の前方を遊技球が通過可能であることを特徴とするものである。
このような遊技機によれば、報知演出部は、所定の発光態様で発光する発光素子を設けた回路基板と、当該回路基板の発光素子設置面を被覆する(すなわち、回路基板の前方に配置される)カバー部材と、を有して構成されている。そして、カバー部材の前方の遊技領域を遊技球が通過可能とされている。すなわち、報知演出部の前方は遊技領域とされており、遊技球が通過可能な構成とされている。これにより、報知演出部に対する遊技者の注目を集めることが可能となる。一方で、流下する遊技球が、報知演出部の前(前方)を通過する可能性を低減しているので、報知演出部の演出態様が視認し難くなるといった事態を防止することを可能としている。
また、参考発明2−4の遊技機は、参考発明2−1乃至参考発明2−3の遊技機において、
前記遊技球通過部は、遊技領域が形成される遊技盤面の後方に設けられ、
前記遊技球通過部の前方を遊技球が通過可能であることを特徴とするものである。
このような遊技機によれば、遊技球通過部は遊技領域を形成した遊技盤面の後方に設け、遊技球通過部の前方を遊技球が通過可能となるように構成した。すなわち、遊技球通過部の前方は遊技領域とされており、遊技球が通過可能な構成とされている。これにより、遊技球通過部に対する遊技者の注目を集めることが可能となる。一方で、流下する遊技球が、報知演出部又は/及び遊技球通過部の前(前方)を通過する可能性を低減しているので、報知演出部の演出態様、又は/及び、遊技球通過部の通過態様が視認し難くなるといった事態を防止することを可能としている。
(3)
従来、パチンコ遊技機等の遊技機において、始動口への遊技球の入球に基づいて識別情報を変動表示し、その識別情報が特定態様で停止表示すると、遊技者に所定の利益を付与可能な特別遊技を行うものが知られている。この種の遊技機には、特別遊技等の遊技上の特典が付与される可能性を、識別情報が所定態様で停止表示する前に予告する予告演出を行うものがある。また、基板に設けた発光部(LED等)を、所定態様で点灯制御することで、趣向性の高い予告演出を実現する遊技機が知られている。
従来の遊技機(例えば、特開2017−70811号公報)では、発光部を設けた基板を、遊技機の所定の部材に対して、露出状態で取り付けるか、又は、箱形状の樹脂部材等で基板の略全体を覆う構造となっていた。前者の構造であると、遊技部品の運搬時に、基板や基板に実装される電子部品(LEDやIC等)を損傷する虞があった。また、後者の構造であると、基板や電子部品が損傷する可能性は低減できるが、コストが高くなったり、組み付け作業が煩雑となったり、遊技者から見た発光部の明るさが低下したりといった問題があった。
本参考発明は、前述した事情に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、簡易な構成で基板を保護し、且つ、当該基板に設けられた発光部の明るさが低減するのを極力防止することにある。
また、参考発明3−1発明の遊技機は、
所定条件が成立することに基づいて遊技者に特典を付与可能な遊技機であって、
発光部が設けられた基板と、
前記発光部が設けられた面の、一部を覆い他部を覆わない形状に形成された特定部材と、
前記発光部を発光制御する発光制御部と、を備え、
前記発光制御部が前記発光部を所定態様で発光することで、前記特典の付与可能性を報知することを特徴とするものである。
このような遊技機によれば、発光部が設けられた基板と、当該基板の発光部が設けられた面の一部を被覆する形状に形成された特定部材と、基板に設けられた発光部を発光制御する発光制御部と、を備えている。そして、発光部を所定態様で発光することで、特典の付与可能性を報知するものとしている。これにより、基板の発光部設置面を特定部材によって保護すると共に、当該発光部によって趣向性の高い演出を実行することを可能とする。
また、参考発明3−2の遊技機は、参考発明3−1の遊技機において、
前記基板に設けられた前記発光部のうち、少なくとも1個の前記発光部は、前記基板上の前記特定部材によって覆われない位置に設けられ、
少なくとも前記特定部材によって覆われない位置に設けられた前記発光部を所定態様で発光することで、前記特典の付与可能性を報知することを特徴とするものである。
このような遊技機によれば、基板上の少なくとも1個の発光部を特定部材によって覆われない位置に設け、当該発光部によって特典の付与可能性を報知するものとする。これにより、特定部材によって基板を適切に保護すると共に、当該特定部材によって発光を遮られない発光部を備えるので、発光部の発光をより効果的に見せることが可能となる。またこれにより、遊技者が視認する発光部の明るさが特定部材によって低減してしまうのを極力防止することが可能となる。
また、参考発明3−3の遊技機は、参考発明3−1又は参考発明3−2の遊技機において、
前記基板に設けられた前記発光部のうち、少なくとも1個の前記発光部は、前記基板上の前記特定部材によって覆われる位置に設けられ、
少なくとも前記特定部材によって覆われる位置に設けられた前記発光部を所定態様で発光することで、前記特典の付与可能性を報知することを特徴とするものである。
このような遊技機によれば、基板上の少なくとも1個の発光部を特定部材によって覆われる位置に設け、当該発光部によって特典の付与可能性を報知するものとする。これにより、特典付与可能性を報知する発光部の少なくとも1個をより確実に保護することができる。またこれにより、損傷しやすい発光部をより確実に保護することも可能とする。また、特定部材によって覆われない位置と覆われる位置との両方に設けた場合において、特典付与の可能性に応じて等、発光を、より明るく見せない場合、あまり明るく見せたくない(見せる必要がない)場合、暗めに見せたい場合によって、発光させる発光部を使い分けることも可能となる。
例えば、特定部材によって覆われる位置に設けられた発光部を発光する(覆われない位置の発光部を発光しない)ことで低い特典付与可能性を報知し、特定部材によって覆われない位置に設けられた発光部を発光する(覆われる位置の発光部は発光しても発光しなくともよい)ことで高い特典付与可能性を報知してもよい。
また、参考発明3−4の遊技機は、参考発明3−1乃至参考発明3−3の遊技機において、
前記基板の前記発光部が設けられた面には、前記発光部の他に、熱を発する電子部品が設けられ、
前記基板に設けられた前記電子部品のうち、少なくとも1個の前記電子部品は、前記基板上の前記特定部材によって覆われない位置に設けられることを特徴とするものである。
このような遊技機によれば、基板上には、発光部以外の所定量の発熱をする電子部品が設けられており、当該電子部品のうち、少なくとも1個の電子部品を特定部材によって覆われない位置に設けるものとする。これにより、電子部品が発する熱を発散しやすくし、特定部材によって電子部品が発する熱が籠ってしまい、基板や電子部品に異常が生じるといった事態を極力防止することが可能となる。また、全ての電子部品を、基板上の特定部材によって覆われない位置に設けてもよいし、電子部品としてICが設けられている場合には、基板上の全てのICを特定部材によって覆われない位置に設けてもよい。
また、参考発明3−5の遊技機は、参考発明3−1乃至参考発明3−4の遊技機において、
前記特典として、第1特典と、前記第1特典と特典内容が異なる第2特典と、を有し、
前記基板に設けられた前記発光部として、前記第1特典の付与可能性を報知する第1発光部と、前記第2特典の付与可能性を報知する第2発光部と、を有し、
前記第2発光部の数は前記第1発光部の数より少なく、且つ、前記第2発光部は全て前記基板上の前記特定部材によって覆われない位置に設けられることを特徴とするものである。
このような遊技機によれば、特典として、少なくとも第1特典と第2特典とを有し、発光部として、少なくとも第1特典の付与可能性を報知する第1発光部と、第2特典の付与可能性を報知する第2発光部とを有している。そして、第2発光部の数は第1発光部の数よりも少なくされており、当該第2発光部を全て特定部材に覆われない位置に設けるものとしている。これにより、基板上に、第1特典用の第1発光部と第2特典用の第2発光部とを設けた場合、数の少ない方の第2特典用の発光部を、全て特定部材に覆われない位置に設けたので、少数であっても明るい発光で効果的に演出を行うことが可能となる。また、これにより、小型の基板で、設けられる発光部の数が少ない場合であっても、基板(発光部等を含む)を効果的に保護すると共に、効果的な演出を行うことが可能となる。
(4)
また、他の遊技機として、
前記第1発光部は、前記基板上の前記特定部材によって覆われない位置に設けられた発光部と、前記基板上の前記特定部材によって覆われる位置に設けられた発光部と、を含む複数の発光部で構成されようにしてもよい。また、前記基板は角部を有し、少なくとも1個の角部を前記特定部材によって覆うようにしてもよい。また、記特定部材は、枠部と、前記枠部で囲んで形成される穴部と、を有し、前記基板上の前記特定部材によって覆われない位置に設けられた前記発光部の少なくとも一部は、前記穴部に位置するように設けられるようにしてもよい。
また、前記電子部品の少なくとも一部は、前記穴部に位置するように設けられるようにしてもよい。また、前記基板に配置される最も大型の電子部品は、前記穴部に位置するように設けられるようにしてもよい。
また、更に他の構成として、記遊技機を構成する遊技盤部材は、
少なくとも、遊技領域が形成される遊技盤を含んで構成される第1ユニットと、
前記遊技盤の前面側から取り付けられ、入球口を含んで構成される第2ユニットと、
前記遊技盤の後面側から取り付けられ、前記入球口に入球した遊技球を検知する検知手段、前記入球口に入球した遊技球が排出される排出通路、前記基板、及び前記特定部材を含んで構成される第3ユニットと、を備え、
前記第3ユニットは、前記特定部材及び前記基板上の前記特定部材によって覆われない部分が、外部に露出しており、
前記遊技盤部材は、少なくとも、前記第1ユニット、前記第2ユニット、及び、前記第3ユニットを組合せて構成されるようにしてもよい。
(5)
また、参考発明4−1の遊技機は、
表面側に遊技球が流下する遊技領域が形成されると共に、裏面側に遊技部品嵌合部が形成される遊技盤部材と、
所定条件の成立に基づいて識別情報を変動表示する識別情報表示手段と、
遊技球が入球可能な入球可能状態と、遊技球が入球不能な入球不能状態と、に変化可能な可変入球口を有する可変入球装置と、
前記識別情報の変動表示の結果が特定結果となると前記可変入球口を入球可能状態とする特別遊技を実行する特別遊技実行手段と、を備えた遊技機であって、
前記可変入球装置は、
前記可変入球口が形成され、内部に前記可変入球口から入球した遊技球が通る遊技球通路を有する箱部と、前記可変入球口を入球可能状態とする開状態又は前記可変入球口を入球不能状態とする閉状態に回動可能な開閉部材と、前記箱部に設けられ、前記開閉部材を回動する回動軸を軸支する軸支部と、を有して構成され、
前記遊技盤部材の前記遊技部品嵌合部には、貫通状の開口部と、前記箱部が嵌合する第1嵌合部と、前記軸支部が嵌合する第2嵌合部と、が形成され、
前記可変入球装置は、前記遊技盤部材の裏面側から、前記箱部を前記第1嵌合部に嵌合すると共に、前記軸支部を前記第2嵌合部に嵌合することで、前記遊技部品嵌合部に設置されるものであって、
前記可変入球口を入球不能状態とする場合、前記開閉部材で前記開口部を閉じることで前記箱部内部への遊技球の入球を不能とし、
前記可変入球口を入球可能状態とする場合、前記開閉部材を前記遊技領域側へ回動して前記開口部を開放することで、前記開口部から前記箱部内部への遊技球の入球を可能とする
ことを特徴とするものである。
このような遊技機によると、表面側に遊技領域が形成され裏面側に所定の遊技部品を嵌合する遊技部品嵌合部が形成された遊技盤部材と、可変入球口を有する可変入球装置と、を備えており、可変入球装置は、可変入球口が形成され遊技球通路を有する箱部と、可変入球口を開閉する開閉部材と、開閉部材の回動軸を軸支する軸支部と、を有している。そして、可変入球装置の箱部及び軸支部を、遊技盤部材の裏面側から遊技部品嵌合部(第1嵌合部及び第2嵌合部)に嵌合して設置する。また、可変入球口を入球不能状態とすると、遊技盤部材に形成された開口部を開閉部材で閉じることで、箱部内の遊技球通路への遊技球の進入することを防止す。また、可変入球口を入球可能状態とすると、開閉部材が、遊技領域側に回動動作することで、遊技盤部材に形成された開口部を開放し、遊技領域を流下する遊技球を、開口部を介して箱部内の遊技球通路に受け入れ可能となる。
これにより、可変入球装置を遊技盤部材の裏面側に設置し、可変入球装置の部材が常時遊技領域側(遊技盤部材よりも前方)に突出するといった構成を極力排除し、遊技盤部材の表側領域において、遊技球の流下態様を円滑且つ多様化することが可能となる。またこれにより、遊技盤部材の表面側における遊技部品(遊技釘等)の設置スペースを確保したり、自由なデザインスペースを確保したりすることが可能となる。また、遊技盤部材の裏面側において、可変入球装置を構成する箱部及び軸支部の少なくとも2箇所を、遊技盤部材の裏面側に形成した第1嵌合部及び第2嵌合部に夫々嵌合して固定設置したことにより、可変入球装置の位置決め及び取付け作業を容易に、且つ、確実に行うことを可能とした。これにより、可変入球装置の組付け不具合等により、可変入球口が入球可能状態とならないといった事態の発生を極力防止することが可能となる。
また、参考発明4−2の遊技機は、参考発明4−1の遊技機において、
前記可変入球装置の前記箱部及び前記軸支部を前記遊技盤部材の裏面側から、前記遊技盤部材の裏面側に形成された前記第1嵌合部及び前記第2嵌合部に嵌合設置することで、前記軸支部及び前記箱部を前記遊技盤部材の表面側に突出させないことを特徴とするものである。
このような遊技機によれば、可変入球装置の箱部及び軸支部を、遊技盤部材の裏面側から第1嵌合部及び第2嵌合部に嵌合設置し、当該嵌合した箱部及び軸支部を遊技盤部材の表面側に突出させない構造としている。これにより、可変入球装置を遊技盤部材の裏面側に設置し、可変入球装置の開閉部材を軸支する軸支部や、遊技球通路が形成される箱部が常時遊技領域側(遊技盤部材よりも前方)に突出するといった構成を極力排除し、遊技盤部材の表側領域において、遊技球の流下態様を円滑且つ多様化することが可能となる。
また、参考発明4−3の遊技機は、参考発明4−1又は参考発明4−2の遊技機において、
前記遊技盤部材は、
表面側に前記遊技領域を流下する遊技球の流下方向を変化させる遊技釘が設置されると共に、貫通状の第1開口部が形成された遊技盤と、
前記遊技盤の表面側に固定されると共に、貫通状の第2開口部が形成されたベース部材と、で構成され、
前記第1開口部と前記第2開口部とを合せて、前記開口部を構成することを特徴とするものである。
このような遊技機によれば、遊技盤部材は、表面側に遊技釘が設置されると共に第1開口部が形成された遊技盤と、遊技盤の表面側に固定されると共に第2開口部が形成されたベース部材と、で構成されている。そして、遊技盤の第1開口部とベース部材の第2開口部とを合わせて、遊技盤部材の開口部を構成している。これにより、遊技盤の表面側であって、可変入球装置の取付部(遊技部品嵌合部)の前面側にベース部材を固定し、可変入球装置を遊技盤裏面側に固定することで、遊技盤部材の表面側への突出を極力排除することが可能となる。
また、参考発明4−4の遊技機は、参考発明4−3の遊技機において、
前記第1開口部の周縁の所定位置に遊技盤側嵌合部を設け、前記第2開口部の周縁の所定位置にベース部材側嵌合部を設け、
前記遊技盤側嵌合部と前記ベース部材側嵌合部とで、前記軸支部を嵌合する前記第2嵌合部を形成することを特徴とするものである。
このような遊技機によれば、第1開口部周縁に遊技盤側嵌合部を設け、第2開口部周縁にベース部材側嵌合部を設け、この遊技盤側嵌合部及びベース部材側嵌合部で、可変入球装置の軸支部を嵌合する第2嵌合部を形成している。これにより、遊技盤、ベース部材、及び、可変入球装置のを関連させて固定設置することで、遊技盤、ベース部材、及び、可変入球装置の夫々の位置決めを確実に行うことが可能となる。
また、参考発明4−5の遊技機は、参考発明4−4の遊技機において、
前記第1嵌合部は、前記遊技盤に形成し、前記ベース部材に形成しないことを特徴とするものである。
このような遊技機によれば、第1嵌合部は、遊技盤部材を構成するベース部材には形成せず、遊技盤に形成する。これにより、可変入球装置の一部(箱部)を、ベース部材と無関係に遊技盤で位置決めすることで、遊技盤、ベース部材、及び、可変入球装置の夫々の位置決めをより確実に行うことが可能となる。
以上説明した構成によれば、可変入球装置の周囲の遊技領域を確保して遊技演出の多様化を図り、遊技興趣の向上を図ることが可能となる。