JP2019023931A - 車載更新装置、更新システム及び更新処理プログラム - Google Patents

車載更新装置、更新システム及び更新処理プログラム Download PDF

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Abstract

【課題】複数の通信線に接続された車載通信装置の更新処理を効率よく行うことができる車載更新装置、更新システム及び更新処理プログラムを提供する。【解決手段】通信線2a、2bに接続されたECU10に対して、通信線2a,2bを利用してゲートウェイ30が更新用のリプロデータを送信することによって、ECU10の更新処理を行う。リプロツール50は、リプロデータの分割データを記憶しており、ゲートウェイ30へ分割データを送信する。リプロツール50は、リプロデータを複数に分割した分割データに対して、これらを復元するための順序情報を付してゲートウェイ30へ送信する。ゲートウェイ30は、通信線2a,2b毎の通信状態を判定し、判定した通信状態に応じて、リプロデータを複数に分割した分割データを、複数の通信線2a,2bに適宜に分配し、複数の分割データを複数の通信線2a,2bを介してECU10へ送信する。【選択図】図1

Description

本発明は、車載通信装置に対して更新用のプログラム又はデータを送信することによって、この車載通信装置の更新処理を行う車載更新装置、更新システム及び更新処理プログラムに関する。
従来、車両には複数のECU(Electronic Control Unit)などの車載通信装置が搭載され、複数のECUがCAN(Controller Area Network)バスなどの通信線を介して接続されて相互に情報の送受信を行うことが可能とされている。各ECUは、フラッシュメモリ又はEEPROM(Electrically Erasable Programmable Read Only Memory)等の記憶部に記憶されたプログラムをCPU(Central Processing Unit)などの処理装置が読み出して実行することにより、車両の制御などの種々の処理を行っている。ECUの記憶部に記憶されたプログラム又はデータは、例えば機能追加、不具合の修正又はバージョンアップ等の必要が生じた際には、新たなプログラム又はデータに書き換える更新処理を行う必要がある。この場合、更新処理の対象となるECUに対して、通信線を介して更新用のプログラム又はデータを送信することが行われている。
特許文献1においては、書換装置と複数の書換対象ECUとが同一のネットワークバスで接続された構成を持ち、書換装置は予め定められた特定のIDを使用して全ての書換対象ECUに対して同時にデータを送信し、書換対象ECUは個体識別データを使用してそれぞれ異なったIDを生成し、生成したIDを使用して書換装置へデータを送信するプログラム書換方法が提案されている。
特開2014−194688号公報
近年、車両において重要な機能を担うECUについて、このECUを複数の通信線に接続し、車両の信頼性を向上させることが試みられている。例えば2つの通信線に接続されたECUは、いずれか一方の通信線が何らかの要因で通信不可能な状態となった場合であっても、他方の通信線を介して通信を行うことが可能であるため、このECUが担う機能が利用不可能となることを防止できる。
このような複数の通信線に接続されたECUについて、プログラム又はデータの更新処理をどのように行うかについて、これまで検討されていなかった。
本発明は、斯かる事情に鑑みてなされたものであって、その目的とするところは、複数の通信線に接続された車載通信装置の更新処理を効率よく行うことができる車載更新装置、更新システム及び更新処理プログラムを提供することにある。
本発明に係る車載更新装置は、少なくとも2つの通信線を介して車載通信装置との通信を行い、該車載通信装置の記憶部に記憶されたプログラム又はデータを更新する処理を行う車載更新装置であって、前記車載通信装置へ送信する更新用のプログラム又はデータを分割した複数の更新用分割データを記憶する記憶部と、前記記憶部に記憶された複数の更新用分割データを、前記少なくとも2つの通信線を介して前記車載通信装置へ分配送信する処理を行う送信処理部とを備える。
また、本発明に係る車載更新装置は、前記送信処理部が、通信線毎の通信負荷に応じて、前記少なくとも2つの通信線に前記複数の更新用分割データを分配する。
また、本発明に係る車載更新装置は、前記更新用分割データを記憶した記憶装置との間で通信を行う通信部と、前記通信部を介して前記記憶装置から受信した前記更新用分割データを、前記記憶部に記憶する処理を行う記憶処理部とを更に備える。
また、本発明に係る更新システムは、プログラム又はデータを記憶する第1記憶部を有する車載通信装置と、少なくとも2つの通信線を介して前記車載通信装置との通信を行い、前記車載通信装置の前記第1記憶部に記憶されたプログラム又はデータを更新する処理を行う車載更新装置とを備える更新システムであって、前記車載更新装置は、前記車載通信装置へ送信する更新用のプログラム又はデータを分割した複数の更新用分割データを記憶する記憶部と、前記記憶部に記憶された複数の更新用分割データを、前記少なくとも2つの通信線を介して前記車載通信装置へ分配送信する処理を行う送信処理部とを有する。
また、本発明に係る更新システムは、前記更新用分割データを記憶した記憶装置を更に備え、前記車載更新装置は、前記更新用分割データを記憶した記憶装置との間で通信を行う通信部と、前記通信部を介して前記記憶装置から受信した前記更新用分割データを、前記記憶部に記憶する処理を行う記憶処理部とを更に有する。
また、本発明に係る更新システムは、前記記憶装置が、前記更新用分割データに順序情報を付して前記車載更新装置へ送信し、前記車載更新装置の前記記憶処理部は、前記順序情報が付された前記更新用分割データを前記記憶部に記憶する。
また、本発明に係る更新システムは、前記車載通信装置が、前記少なくとも2つの通信線を介して前記車載更新装置から受信した前記更新用分割データを一時的に記憶する第2記憶部と、前記第2記憶部に記憶された前記更新用分割データに付された前記順序情報に基づいて、前記第2記憶部に記憶された前記更新用分割データを用いて、前記第1記憶部に記憶されたプログラム又はデータを更新する処理を行う更新処理部とを有する。
また、本発明に係る更新処理プログラムは、少なくとも2つの通信線を介して車載通信装置との通信を行い、該車載通信装置の記憶部に記憶されたプログラム又はデータを更新する処理を行う車載更新装置を、前記車載通信装置へ送信する更新用のプログラム又はデータを分割した複数の更新用分割データを記憶部に記憶する処理を行う記憶処理部と、前記記憶部に記憶された複数の更新用分割データを、前記少なくとも2つの通信線を介して前記車載通信装置へ分配送信する処理を行う送信処理部として動作させる。
本発明においては、少なくとも2つの通信線に接続された車載通信装置に対して、この2つの通信線に接続された車載更新装置が更新用のプログラム又はデータを送信することによって、車載通信装置の更新処理を行う。車載更新装置は、更新用のプログラム又はデータを複数に分割したものを更新用分割データとして記憶部に記憶する。車載更新装置は、通信線毎の通信状態を判定し、判定した通信状態に応じて複数の更新用分割データを複数の通信線へ適宜に分配し、複数の更新用分割データを複数の通信線を介して車載通信装置へ送信する。これにより車載更新装置は、複数の通信線を有効活用して、車載通信装置への複数の更新用分割データの送信を効率よく高速に行うことが可能となる。
また本発明において車載更新装置は、更新対象となる車載通信装置が接続された複数の通信線について、通信線毎の通信負荷を判定する。車載更新装置は、例えば低負荷の通信線に対して優先的に更新用分割データを分配するなど、判定した通信負荷に応じた更新用分割データの分配を行うことができる。これにより車載更新装置は、複数の通信線を効率よく利用することができる。
また本発明においては、車載更新装置とは異なる記憶装置が、更新用分割データを記憶しておく。更新処理を行う際には、記憶装置から車載更新装置へ更新用分割データが送信され、この更新用分割データが車載更新装置から車載通信装置へ与えられる。これにより車載更新装置は、更新用分割データを記憶しておく必要がなく、記憶装置から与えられた更新用分割データを一時的に記憶しておけばよい。なお車載更新装置及び記憶装置は、有線又は無線のいずれの通信を行ってもよく、有線通信の場合に記憶装置は通信ケーブルなどを介して車載更新装置に着脱可能な構成であってよい。
また本発明において記憶装置は、更新のためのプログラム又はデータを分割した更新用分割データに対して、これを復元するための順序情報を付して車載更新装置へ送信する。車載更新装置は、記憶装置から更新用分割データを受信した場合、順序情報と共に更新用分割データを記憶部に記憶しておく。また車載更新装置は、順序情報が付された更新用分割データを車載通信装置に対して送信する。これにより、複数の通信線を介して更新用分割データを受信した車載通信装置は、更新用分割データの順序と受信順序とが異なる場合であっても、複数の更新用分割データから元のプログラム又はデータを復元することができる。
また本発明において車載通信装置は、自身の処理に用いるプログラム又はデータを記憶した第1記憶部とは別に、複数の通信線を介して車載更新装置から受信した更新用分割データを一時的に記憶する第2記憶部を有する。車載通信装置は、更新用分割データに付された順序情報に基づき、第2記憶部に記憶された更新用分割データを用いて、第1記憶部に記憶されたプログラム又はデータを更新する処理を行う。これにより、複数の通信線を介して順不同に受信される更新用分割データを用いて、プログラム又はデータの更新処理を確実に行うことができる。
本発明による場合は、車載更新装置が通信線毎の通信状態に応じて複数の更新用分割データを複数の通信線へ適宜に分配し、更新対象の車載通信装置へ更新用分割データを送信する構成とすることにより、複数の通信線を有効活用して更新用分割データの送信を効率よく高速に行うことができるため、複数の通信線に接続された車載通信装置の更新処理を効率よく行うことができる。
本実施の形態に係る更新システムの構成例を示す模式図である。 ECUの構成を示すブロック図である。 ゲートウェイの構成を示すブロック図である。 リプロツールの構成を示すブロック図である。 リプロツールによるリプロデータの送信を説明するための模式図である。 リプロツールが行うリプロデータの送信処理の手順を示すフローチャートである。 ゲートウェイが行うリプロデータの受信処理の手順を示すフローチャートである。 ゲートウェイが行うリプロデータの送信処理の手順を示すフローチャートである。 ECUが行うリプロデータの受信処理の手順を示すフローチャートである。 ECUが行うアプリケーションプログラムの更新処理の手順を示すフローチャートである。 変形例に係る更新システムの構成例を示す模式図である。
<システム構成>
図1は、本実施の形態に係る更新システムの構成例を示す模式図である。本実施の形態に係る更新システムは、車両1に搭載された複数のECU3a〜3d,10が、通信線2a〜2c及びゲートウェイ30を介して相互に通信を行うことが可能な通信システムにおいて、各ECU3a〜3d,10が記憶しているプログラム又はデータの更新をゲートウェイ30が行う構成である。図示の例では、車両1には4つのECU3a〜3dと、1つのECU10とが備えられている。ECU3aは通信線2aに接続され、ECU3bは通信線2bに接続され、ECU3c及び3dは通信線2cに接続されている。各ECU3a〜3dは、自身が接続されている1つの通信線2a〜2cに対する情報の送受信を行うことができる。これに対してECU10は、通信線2a及び2bの2つに接続されており、両方の通信線2a及び2bに対する情報の送受信を行うことができる。例えばECU10は、ECU3aとの通信を行う際には通信線2aを使用し、ECU3bとの通信を行う際には通信線2bを使用することができる。
ECU3a〜3d,10が接続された通信線2a〜2cは、ゲートウェイ30にそれぞれ接続されている。ゲートウェイ30は、通信線2a〜2c間の通信を中継する装置である。ゲートウェイ30は、3つの通信線2a〜2cのいずれかにて受信した情報を、他の通信線2a〜2cから送信することにより通信を中継する。これにより例えばECU3aは、通信線2a、ゲートウェイ30及び通信線2bを介してECU3bとの通信を行うことが可能となる。
またゲートウェイ30は、車両1の適所に配されたOBD(On-Board Diagnostics)コネクタ5に通信線6を介して接続されている。OBDコネクタ5は、車両1の自己診断機能による種々の情報を外部の装置が取得するためのコネクタである。本実施の形態のおいては、例えば車両1のディーラ又は整備工場等に備えられたリプログラミングツール(以下、リプロツールという)50を、車両1のOBDコネクタ5に専用の通信ケーブルを介して接続することにより、ゲートウェイ30及びリプロツール50の間で通信を行うことができる。リプロツール50は、ECU3a〜3d,10の更新用のプログラム又はデータをゲートウェイ30へ与え、ゲートウェイ30は与えられた更新用のプログラム又はデータを対象のECU3a〜3d,10へ送信し、これを受信したECU3a〜3d,10にて更新が行われる。
図2は、ECU10の構成を示すブロック図である。本実施の形態に係るECU10は、処理部11、2つの通信部12a,12b、フラッシュメモリ13及びRAM(Random Access Memory)14等を備えて構成されている。処理部11は、CPUなどの演算処理装置を用いて構成されている。処理部11は、フラッシュメモリ13に記憶されたアプリケーションプログラム(図中ではアプリケーションと記載している)13bを読み出して実行することにより、車両1の制御処理及び種々の演算処理等を行う。また処理部11は、フラッシュメモリ13に記憶されたブートローダプログラム(図中ではブートローダと記載している)13aを読み出して実行することにより、ECU10の初期設定処理及びアプリケーションプログラム13bの更新処理等を行う。処理部11には、ブートローダプログラム13aを実行することによって、アプリケーションプログラム13bの更新処理を行う更新処理部11aがソフトウェア的な機能ブロックとして実現される。
本実施の形態に係るECU10は2つの通信部12a,12bを有しており、2つの通信線2a,2bを介して他のECU3a〜3dとの通信を行うことができる。通信部12aは、通信線2aに接続されており、通信線2aを介した通信を行う。通信部12bは、通信線2bに接続されており、通信線2bを介した通信を行う。通信部12a,12bは、処理部11から与えられた送信用の情報を電気信号に変換して通信線2a,2bへ出力することにより情報送信を行うと共に、通信線2a,2bの信号をサンプリングして取得することにより情報受信を行い、受信した情報を処理部11へ与える。処理部11は、情報送信を行う場合、いずれの通信部12a,12bにて送信を行うかを適宜に判断すればよい。
なお本実施の形態においては、ECU3a〜3d,10及びゲートウェイ30は、通信線2a〜2cを介して例えばCANの通信プロトコルに従った通信を行う。この場合、通信線2a〜2cはいわゆるCANバスであり、通信部12a,12bはCANコントローラを用いて構成することができる。
フラッシュメモリ13は、データ書き換え可能な不揮発性のメモリ素子であり、ブートローダプログラム13a及びアプリケーションプログラム13b等のプログラムを記憶している。また図示は省略するが、これらのプログラムの実行に必要なデータがフラッシュメモリ13に記憶されている。処理部11は、フラッシュメモリ13からこれらのプログラムを読み出して実行することにより、種々の処理を行うことができる。また処理部11は、フラッシュメモリ13に対するデータの消去及び書き込みを行うことができる。
RAM14は、例えばSRAM(Static Random Access Memory)又はDRAM(Dynamic Random Access Memory)等のメモリ素子を用いて構成されている。処理部11は、RAM14に対してデータの読み出し及び書き込みを行うことができる。例えばRAM14は、処理部11が行う演算処理の過程で生成された情報を一時的に記憶する。また例えばRAM14は、通信部12a,12bが受信した情報を一時的に記憶する。
図3は、ゲートウェイ30の構成を示すブロック図である。本実施の形態に係るゲートウェイ30は、処理部31、通信部32a〜32c、フラッシュメモリ33、RAM34及びOBD通信部35等を備えて構成されている。処理部31は、CPUなどの演算処理装置を用いて構成されている。処理部31は、フラッシュメモリ33に記憶されたアプリケーションプログラム33bを読み出して実行することにより、通信線2a〜2c間の通信を中継する処理及びECU3a〜3d,10のアプリケーションプログラム13bを更新する処理等を行う。処理部31には、アプリケーションプログラム33bを実行することによって、通信の中継に係る処理を行う中継処理部31a及びECU3a〜3d,10の更新に係る処理を行う更新処理部31bがソフトウェア的な機能ブロックとして実現される。また処理部31は、フラッシュメモリ33に記憶されたブートローダプログラム33aを読み出して実行することにより、ゲートウェイ30の初期設定処理及び自身のアプリケーションプログラム33bの更新処理等を行う。
ゲートウェイ30は3つの通信部32a〜32cを有しており、通信部32a〜32cは例えばCANコントローラを用いて構成されている。通信部32aは、通信線2aに接続されており、通信線2aを介した通信を行う。通信部32bは、通信線2bに接続されており、通信線2bを介した通信を行う。通信部32cは、通信線2cに接続されており、通信線2cを介した通信を行う。通信部32a〜32cは、処理部31から与えられた送信用の情報を電気信号に変換して通信線2a〜2cへ出力することにより情報送信を行うと共に、通信線2a〜2cの信号をサンプリングして取得することにより情報受信を行い、受信した情報を処理部31へ与える。処理部31の中継処理部31aは、いずれかの通信部32a〜32cにて情報を受信した場合に、この情報を他の通信部32a〜32cから送信することによって、通信を中継する。
フラッシュメモリ33は、データ書き換え可能な不揮発性のメモリ素子であり、ブートローダプログラム33a及びアプリケーションプログラム33b等のプログラムを記憶している。また図示は省略するが、これらのプログラムの実行に必要なデータがフラッシュメモリ33に記憶されている。処理部31は、フラッシュメモリ33からこれらのプログラムを読み出して実行することにより、種々の処理を行うことができる。また処理部31は、フラッシュメモリ33に対するデータの消去及び書き込みを行うことができる。
RAM34は、例えばSRAM又はDRAM等のメモリ素子を用いて構成されている。処理部31は、RAM34に対してデータの読み出し及び書き込みを行うことができる。例えばRAM34は、処理部31が行う演算処理の過程で生成された情報を一時的に記憶する。また例えばRAM34は、通信部32a〜32cが受信した情報を一時的に記憶する。また例えばRAM34は、OBDコネクタ5を介してリプロツール50から受信した情報を一時的に記憶する。
OBD通信部35は、通信線6を介してOBDコネクタ5に接続されている。OBD通信部35は、OBDコネクタ5に接続されたリプロツール50との間で通信を行う。なおOBDコネクタ5を介したゲートウェイ30のOBD通信部35とリプロツール50との通信は、CANの通信プロトコルに従うものであってもよく、これ以外の通信プロトコルに従うものであってもよい。OBD通信部35は、処理部31から与えられた送信用の情報を電気信号に変換して通信線6へ出力することにより情報送信を行うと共に、通信線6の信号をサンプリングして取得することにより情報受信を行い、受信した情報を処理部31へ与える。
図4は、リプロツール50の構成を示すブロック図である。本実施の形態に係るリプロツール50は、例えば車両1のディーラ又は整備工場等に備えられた可搬型の装置であり、車両1のECU3a〜3d,10のアプリケーションプログラム13b,33bを更新する(リプログラミングする)ための装置である。作業者は、車両1の整備又は点検等の際、サーバ装置などから更新用のデータをリプロツール50にダウンロードして記憶させ、リプロツール50を専用の通信ケーブルを介して車両1のOBDコネクタ5に接続する。リプロツール50とゲートウェイ30との間で例えば認証処理などの所定の処理を行った後、リプロツール50はダウンロードした更新用のデータをゲートウェイ30へ送信し、ECU3a〜3d,10のアプリケーションプログラム13b,33bの更新を開始する。
リプロツール50は、処理部51、記憶部52及びOBD通信部53等を備えて構成されている。処理部51は、CPUなどの演算処理装置を用いて構成されている。処理部51は、記憶部52又は図示しないROM(Read Only Memory)等に記憶されたプログラムを読み出して実行することにより、ECU3a〜3d,10の更新に係る種々の処理を行う。処理部51には、プログラムの実行によって、ECU3a〜3d,10の更新処理を行う更新処理部51aがソフトウェア的な機能ブロックとして実現される。
記憶部52は、フラッシュメモリ又はEEPROM等の不揮発性のメモリ素子を用いて構成されていてもよく、SRAM又はDRAM等の揮発性のメモリ素子を用いて構成されていてもよく、ハードディスクなどの磁気記憶装置を用いて構成されていてもよい。記憶部52は、ECU3a〜3d,10の更新に用いられるリプログラミングデータ(以下、リプロデータという)52aが記憶されている。本実施の形態に係る更新処理は、例えばECU10のフラッシュメモリ13に記憶されたアプリケーションプログラム13bの一部又は全部を、新たなアプリケーションプログラムにて置き換える(上書きする)処理である。リプロツール50の記憶部52にダウンロードされて記憶されるリプロデータ52aは、置き換えられる新たなアプリケーションプログラムそのものである。
OBD通信部53は、車両1のOBDコネクタ5に接続される通信ケーブルを有している。なおこの通信ケーブルは、OBD通信部53に着脱可能な構成であってもよく、OBD通信部53に固定された構成であってもよい。OBD通信部53は、車両1のOBDコネクタ5に通信ケーブルを介して接続された状態において、車両1のゲートウェイ30との間で通信を行う。OBD通信部53は、処理部51から与えられた送信用の情報を電気信号に変換して通信ケーブルへ出力することにより情報送信を行うと共に、通信ケーブル上の信号をサンプリングして取得することにより情報受信を行い、受信した情報を処理部51へ与える。
<更新処理>
車両1のECU10の更新処理を行う場合、例えばディーラ又は整備工場等の作業者は、リプロツール50の記憶部52に所望のリプロデータ52aを記憶する作業を行う。リプロデータ52aは、例えば無線又は有線の通信によりサーバ装置などからリプロツール50へダウンロードされるものであってもよく、また例えばメモリカード又は光ディスク等の記録媒体を介してリプロツール50に取得されるものであってもよい。リプロデータ52aを記憶部52に記憶した後、作業者は、リプロツール50の通信ケーブルを車両1のOBDコネクタ5に接続する。これによりリプロツール50と車両1のゲートウェイ30との間で認証処理が行われ、認証処理に成功した場合にリプロツール50とゲートウェイ30との通信が可能となり、更新処理を行うことが可能な状態となる。
例えば作業者がリプロツール50に対して更新処理の開始操作を行った場合に、リプロツール50による更新処理が開始される。リプロツール50の更新処理部51aは、更新処理を行う要求をOBD通信部53から車両1のゲートウェイ30へ送信する。この要求に対してゲートウェイ30からの更新処理を許可する旨の応答をOBD通信部53にて受信した場合、リプロツール50の更新処理部51aは、更新処理を開始する。更新処理部51aは、記憶部52に記憶されたリプロデータ52aを読み出して、OBD通信部53からゲートウェイ30へ送信する。
図5は、リプロツール50によるリプロデータ52aの送信を説明するための模式図である。上述のように更新処理ではECU10のフラッシュメモリ13に記憶されたアプリケーションプログラム13bが新たなアプリケーションプログラムに置き換えられるため、リプロツール50はこの置き換えるアプリケーションプログラムをゲートウェイ30へ送信する必要がある。リプロツール50の記憶部52に記憶されるリプロデータ52aは、置き換えられるアプリケーションプログラムを所定長(例えば数バイトから数十バイト程度)のデータに分割したものを集めたデータ群である。図5においてはアプリケーションプログラムをN個に分割し、リプロデータ1〜Nとして図示してある。なお本実施の形態においては、アプリケーションプログラムが予め分割されたものをリプロツール50の記憶部52に記憶する構成とするが、これに限るものではなく、リプロツール50がアプリケーションプログラムを分割する処理を行ってもよい。
リプロツール50の更新処理部51aは、記憶部52から分割されたリプロデータ(以下、分割データという)を順に読み出してOBD通信部53へ与えることにより、分割データをゲートウェイ30へ順に送信する。このときに更新処理部51aは、分割データに対して順序情報を付与する。付与された順序情報は、例えばヘッダ又はフッタ等に格納されて、分割データと共にリプロツール50からゲートウェイ30へ送信される。なおリプロツール50は、分割データの送信に先立って、更新用のアプリケーションプログラムが何個に分割されて送信されるか、即ち図5においてNの値をゲートウェイ30へ通知してもよい。
図6は、リプロツール50が行うリプロデータ52aの送信処理の手順を示すフローチャートである。リプロツール50の更新処理部51aは、OBD通信部53からゲートウェイ30へ更新処理を行う要求を送信する(ステップS1)。更新処理部51aは、この要求に対してゲートウェイ30から与えられる応答が更新処理を許可するものであるか否かを判定する(ステップS2)。更新処理を許可しない旨の応答である場合(S2:NO)、更新処理部51aは、更新処理を終了する。
更新処理を行う許可がゲートウェイ30から与えられた場合(S2:YES)、更新処理部51aは、記憶部52から分割データの1つを読み出す(ステップS3)。更新処理部51aは、読み出した分割データに順序情報を付与する(ステップS4)。更新処理部51aは、順序情報と共に分割データをOBD通信部53へ与えることにより、分割データをゲートウェイ30へ送信する(ステップS5)。更新処理部51aは、記憶部52に記憶したリプロデータ52aの全ての分割データの送信を終了したか否かを判定する(ステップS6)。全ての分割データの送信を終了していない場合(S6:NO)、更新処理部51aは、ステップS3へ処理を戻し、次の分割データの送信を行う。全ての分割データの送信を終了した場合(S6:YES)、更新処理部51aは、更新処理を終了する。
OBDコネクタ5を介してリプロツール50から更新処理の要求を与えられたゲートウェイ30は、例えば車両1のイグニッションスイッチの状態又は各種のセンサの検知結果等に基づいて、更新処理を許可するか否かを判定し、判定結果を応答としてリプロツール50へ送信する。ゲートウェイ30は、例えば車両1が走行していると判定される場合に更新処理を許可せず、走行していないと判定される場合に更新処理を許可する構成とすることができる。
更新処理を許可する応答がゲートウェイ30からリプロツール50へ送信された場合、上述のようにリプロツール50はリプロデータ52aの分割データの送信を開始する。ゲートウェイ30の更新処理部31bは、リプロツール50から送信される分割データをOBD通信部35にて受信し、受信した分割データをRAM34に記憶する。
またゲートウェイ30の更新処理部31bは、更新処理の対象が複数の通信線2a,2bに接続されたECU10である場合、リプロツール50からの分割データの受信処理と並行して、各通信線2a,2bの通信状態を判定する処理を行う。本実施の形態において更新処理部31bは、通信状態として各通信線2a,2bの負荷率を算出し、算出した負荷率に応じて更新処理に利用する通信線2a,2bの利用率を決定する。更新処理部31bは、所定時間内において通信線2a,2bが使用されていた(メッセージが送受信された)時間を調べ、所定時間に対する使用時間の割合を負荷率として算出する。
例えば更新処理部31bの算出結果が、通信線2aの負荷率が20%であり、通信線2bの負荷率が40%であったとする。また各通信線2a,2bの負荷率の上限が50%と設定されているものとする。この場合に更新処理部31bは、通信線2aの余裕度は50%−20%=30%であり、通信線2bの余裕度は50%−40%=10%であると判断する。これらの結果から更新処理部31bは、RAM14に蓄積された複数の分割データを、通信線2a:通信線2b=3:1の比率で分配して送信する。即ち更新処理部31bは、RAM14に4つの分割データが蓄積されている場合、このうちの3つを通信線2aから送信し、1つを通信線2bから送信する。
通信線2aの負荷率がX%であり、通信線2bの負荷率がY%であり、各通信線2a,2bの負荷率の上限がQ%に設定されている場合、更新処理部31bは、通信線2a:通信線2b=(Q−X):(Q−Y)の比率で分割データを分配する。また例えば、更新対象のECUが3つの通信線2a〜2cに接続されており、通信線2aの負荷率がX%であり、通信線2bの負荷率がY%であり、通信線2cの負荷率がZ%であり、各通信線2a〜2cの負荷率の上限がQ%に設定されている場合、更新処理部31bは、通信線2a:通信線2b:通信線2c=(Q−X):(Q−Y):(Q−Z)の比率で分割データを分配すればよい。更新対象のECUが4つ以上の通信線に接続されている場合も同様であるため、説明は省略する。
図7は、ゲートウェイ30が行うリプロデータ52aの受信処理の手順を示すフローチャートである。ゲートウェイ30の更新処理部31bは、リプロツール50から更新処理を行う要求をOBD通信部35にて受信したか否かを判定する(ステップS11)。更新処理の要求を受信していない場合(S11:NO)、更新処理部31bは、要求を受信するまで待機する。更新処理の要求を受信した場合(S11:YES)、更新処理部31bは、更新処理を許可する旨の応答を、OBD通信部35からリプロツール50へ送信する(ステップS12)。なお本フローチャートにおいては、更新処理を許可しない場合の処理手順を省略する。
その後、更新処理部31bは、OBD通信部35にてリプロツール50からリプロデータ52aの分割データを受信したか否かを判定する(ステップS13)。分割データを受信していない場合(S13:NO)、更新処理部31bは、分割データを受信するまで待機する。分割データを受信した場合(S13:YES)、更新処理部31bは、受信した分割データを(この分割データに付された順序情報と共に)RAM34に記憶する(ステップS14)。更新処理部31bは、リプロデータ52aの全ての分割データを受信したか否かを判定する(ステップS15)。全ての分割データを受信していない場合(S15:NO)、更新処理部31bは、ステップS13へ処理を戻し、分割データの受信を継続する。全ての分割データを受信した場合(S15:YES)、更新処理部31bは、受信処理を終了する。
図8は、ゲートウェイ30が行うリプロデータ52aの送信処理の手順を示すフローチャートであり、リプロツール50からの更新処理要求に対する許可応答を行った後、上述の受信処理と並行して行われる処理である。ゲートウェイ30の更新処理部31bは、更新対象のECU10が接続されている複数の通信線2a,2bについて所定時間中に通信が行われた時間を調べることにより、各通信線2a,2bの負荷率を算出する(ステップS21)。更新処理部31bは、予め定められた負荷率の上限を読み出す(ステップS22)。更新処理部31bは、ステップS21にて算出した負荷率とステップS22にて読み出した上限とに基づいて、各通信線2a,2bの余裕度を算出する(ステップS23)。更新処理部31bは、算出した各通信線2a,2bの余裕度に基づいて、複数の通信線2a,2bに対する分割データの分配比率を決定する(ステップS24)。
更新処理部31bは、RAM34に分割データが記憶されているか否かを判定する(ステップS25)。分割データが記憶されていない場合(S25:NO)、更新処理部31bは、リプロツール50から分割データを受信してRAM34に記憶するまで待機する。分割データが記憶されている場合(S25:YES)、更新処理部31bは、RAM34から1つの分割データを読み出す(ステップS26)。なおこのときに更新処理部31bは、分割データに付された順序情報を調べ、最も順序が早い分割データを読み出すことが好ましい。更新処理部31bは、ステップS24にて決定した分配比率に基づいて、複数の通信線2a,2bのうち、今回の分割データの送信先とする通信線2a,2bを1つ決定する(ステップS27)。更新処理部31bは、ステップS26にて読み出した分割データを、ステップS27にて決定した通信線2a,2bにて送信する(ステップS28)。
更新処理部31bは、ECU10へ送信すべきリプロデータ52aの全ての分割データを送信したか否かを判定する(ステップS29)。全ての分割データを送信していない場合(S29:NO)、更新処理部31bは、ステップS25へ処理を戻し、分割データの送信を継続して行う。全ての分割データを送信した場合(S29:YES)、更新処理部31bは、送信処理を終了する。
ゲートウェイ30により複数の通信線2a,2bを介して送信されたリプロデータ52aの分割データは、この通信線2a,2bに接続されたECU10にて受信される。分割データを受信したECU10は、受信した分割データをRAM14に記憶する。なお、ゲートウェイ30が順序情報に示される順序で分割データを送信した場合であっても、複数の通信線2a,2bを介して分割データを受信するECU10では、必ずしも順序情報に示される順序で分割データが受信されるとは限らない。
ECU10の更新処理部11aは、全ての分割データを受信した後でリプロデータ52aを復元し、フラッシュメモリ13に記憶されたアプリケーションプログラム13bを、リプロデータ52aとして与えられたアプリケーションプログラムに置き換える処理を行うことで更新処理を行うことができる。ただし更新処理部11aは、全ての分割データを受信し終える前であっても、受信済みの分割データを用いて部分的にアプリケーションプログラム13bの置き換えを行ってもよく、これにより更新処理を高速化することが可能である。
図9は、ECU10が行うリプロデータ52aの受信処理の手順を示すフローチャートである。ECU10の更新処理部11aは、通信部12a,12bのいずれかにてゲートウェイ30からのリプロデータ52aの分割データを受信したか否かを判定する(ステップS41)。いずれの通信部12a,12bも分割データを受信していない場合(S41:NO)、更新処理部11aは、分割データを受信するまで待機する。分割データを受信した場合(S41:YES)、更新処理部11aは、受信したデータをRAM14に記憶する(ステップS42)。更新処理部11aは、リプロデータ52aの全ての分割データを受信したか否かを判定する(ステップS43)。全ての分割データを受信していない場合(S43:NO)、更新処理部11aは、ステップS41へ処理を戻し、分割データの受信を継続する。全ての分割データを受信した場合(S43:YES)、更新処理部11aは、受信処理を終了する。
図10は、ECU10が行うアプリケーションプログラム13bの更新処理の手順を示すフローチャートである。なお本処理では、書き込み対象とする分割データの順序情報を記憶する変数nを用いるが、この変数は例えば処理部11内のレジスタなどを用いて実現され得る。ECU10の更新処理部11aは、まず変数nの値を1に初期化する(ステップS51)。次いで更新処理部11aは、n番目を示す順序情報が付された分割データがRAM14に記憶されているか否かを判定する(ステップS52)。n番目の分割データが記憶されていない場合(S52:NO)、更新処理部11aは、n番目の分割データがRAM14に記憶されるまで待機する。
n番目の分割データがRAM14に記憶されている場合(S52:YES)、更新処理部11aは、フラッシュメモリ13に記憶されたアプリケーションプログラム13bの一部を、RAM14に記憶されたn番目の分割データで置き換える処理を行う(ステップS53)。このときに更新処理部11aは、フラッシュメモリ13からアプリケーションプログラム13bの該当箇所を消去し、消去した個所にn番目の分割データを書き込むことで置き換えを行うことができる。ただし更新処理部11aは、最初にアプリケーションプログラム13bの全てを消去し、フラッシュメモリ13の空き領域にn番目の分割データを書き込んでもよい。
フラッシュメモリ13への分割データの書き込み完了後、更新処理部11aは、変数nの値に1を加算する(ステップS54)。更新処理部11aは、変数nの値が分割データの数Nを超えるか否かを判定する(ステップS55)。変数nの値が分割データの数Nを超えない場合(S55:NO)、更新処理部11aは、ステップS52へ処理を戻し、分割データの書き込みを継続して行う。変数nの値が分割データの数Nを超えた場合(S55:YES)、更新処理部11aは、更新処理を終了する。
<まとめ>
以上の構成の本実施の形態に係る更新システムは、2つの通信線2a、2bに接続されたECU10に対して、この2つの通信線2a,2bに接続されたゲートウェイ30が更新用のリプロデータ52aを送信することによって、ECU10の更新処理を行う。ゲートウェイ30は、リプロデータ52aを複数に分割した分割データをRAM34に記憶する。ゲートウェイ30は、通信線2a,2b毎の通信状態を判定し、判定した通信状態に応じて複数の分割データを複数の通信線2a,2bに適宜に分配し、複数の分割データを複数の通信線2a,2bを介してECU10へ送信する。これによりゲートウェイ30は、複数の通信線2a,2bを有効活用して、ECU10への複数の分割データの送信を効率よく高速に行うことが可能となる。
またゲートウェイ30は、更新対象となるECU10が接続された複数の通信線2a,2bについて、通信線毎の負荷率を算出する。ゲートウェイ30は、例えば低負荷の通信線2a,2bに対して優先的に分割データを分配するなど、判定した負荷率に応じた分割データの分配を行うことができる。これによりゲートウェイ30は、複数の通信線2a,2bを効率よく利用することができる。
また本実施の形態に係る更新システムは、ゲートウェイ30とは異なるリプロツール50が、リプロデータ52aの分割データを記憶部52に記憶しておく。更新処理を行う際には、リプロツール50からゲートウェイ30へリプロデータ52aの分割データが送信され、この分割データがゲートウェイ30からECU10へ与えられる。これによりゲートウェイ30は、リプロデータ52aを記憶しておく必要がなく、リプロツール50から与えられたリプロデータ52aの分割データをRAM34に一時的に記憶しておけばよい。
またリプロツール50は、リプロデータ52aを分割した分割データに対して、これらを復元するための順序情報を付してゲートウェイ30へ送信する。ゲートウェイ30は、リプロツール50から分割データを受信した場合、順序情報と共に分割データをRAM34に記憶しておく。またゲートウェイ30は、順序情報が付された分割データをECU10に対して送信する。これにより、複数の通信線2a,2bを介してリプロデータ52aの分割データを受信したECU10は、分割データの順序と受信順序とが異なる場合であっても、複数の分割データから元のリプロデータ52aを復元することができる。
またECU10は、自身の処理に用いるアプリケーションプログラム13bを記憶したフラッシュメモリ13とは別に、複数の通信線2a,2bを介してゲートウェイ30から受信したリプロデータ52aの分割データを一時的に記憶するRAM14を有する。ECU10は、分割データに付された順序情報に基づいて、RAM14に記憶された分割データを用いてフラッシュメモリ13に記憶されたアプリケーションプログラム13bを更新する処理を行う。これにより、複数の通信線2a,2bを介して順不同に受信される分割データを用いて、ECU10がアプリケーションプログラム13bの更新処理を確実に行うことができる。
なお本実施の形態においては、更新対象のECU10に対してゲートウェイ30がリプロデータ52aの分割データを送信する構成としたが、これに限るものではない。例えば他のECU3a〜3dがリプロデータ52aの分割データをECU10に対して送信する構成としてもよく、更には車両1に搭載されたカーナビゲーション装置などの他の装置が分割データをECU10に送信する構成としてもよい。また更新対象の装置をECU10としたが、これに限るものではなく、車両1に搭載されたECU10以外の種々の装置が更新処理の対象となり得る。またゲートウェイ30へリプロデータ52aの分割データを送信する装置をリプロツール50としたが、これに限るものではなく、例えばノートパソコン、スマートフォン又はタブレット型端末等のような汎用の可搬型装置を用いてもよく、車両1のディーラ又は整備工場等に設置された可搬型ではない据置型の装置であってもよい。
また本実施の形態においては、ECU10のフラッシュメモリ13に記憶されたアプリケーションプログラム13bを更新する構成としたが、これに限るものではない。例えばECU10のフラッシュメモリ13に記憶されたデータ、例えばECU10の動作に係る設定値などのデータを更新する構成としてもよく、アプリケーションプログラム13bとデータとを共に更新する構成であってもよい。またゲートウェイ30及びECU10の間で2本の通信線2a,2bを介した通信を行う構成としたが、これに限るものではなく、3本以上の通信線を介して通信を行う構成としてもよい。
またゲートウェイ30の更新処理部31bは、各通信線2a,2bの負荷率を算出し、この負荷率に基づいて分割データを複数の通信線2a,2bに分配する構成としたが、これに限るものではない。更新処理部31bは、例えば各通信線2a,2bに対して送信されるメッセージに付された優先度を調べ、優先度が高いメッセージが多く送信される通信線2a,2bに対する分割データの分配比率を低くするなど、負荷率以外の通信状態に基づいて分割データを分配する構成としてよい。
また本実施の形態においては、車両1に搭載された通信システムにて更新処理を行う構成としたが、これに限るものではなく、車載以外の通信システムにて更新処理を行う構成であってもよい。
また車両1のOBDコネクタ5に通信ケーブルを接続することによってゲートウェイ30とリプロツール50とが通信を行う構成としたが、これに限るものではない。リプロツール50と車両1との接続はOBD以外の規格によるものであってもよい。また更に、以下の変形例に示すように、ゲートウェイ30とリプロツール50とが有線接続されるのではなく、無線接続される構成であってもよい。
(変形例)
図11は、変形例に係る更新システムの構成例を示す模式図である。変形例に係る更新システムは、ゲートウェイ30が通信線6を介して無線通信装置105に接続されている。無線通信装置105は、例えば携帯電話通信網又は無線LAN(Local Area Network)等の無線ネットワークを介して、リプロツール150との間で無線通信を行うことができる。変形例に係るリプロツール150は、図4に示したリプロツール50と略同じ構成であるが、OBD通信部53に代えて無線通信部を備えており、無線ネットワークを介して車両1のゲートウェイ30との間で無線通信を行うことができる。これにより変形例に係る更新システムでは、リプロデータ52aの分割データをリプロツール50が無線通信により車両1の無線通信装置105へ送信し、無線通信装置105が受信した分割データをゲートウェイ30へ送信することができる。
なお変形例に係る更新システムでは、ゲートウェイ30が無線通信装置105を利用してリプロツール150との間で無線通信を行う構成としたが、無線通信の相手はリプロツール150に限らない。例えばゲートウェイ30は、リプロツール150を介すことなく、リプロデータ52aを配信するサーバ装置などと直接的に通信を行ってリプロデータ52aを取得してもよい。
1 車両
2a〜2c 通信線
3a〜3d ECU
5 OBDコネクタ
6 通信線
10 ECU(車載通信装置)
11 処理部
11a 更新処理部
12a,12b 通信部
13 フラッシュメモリ(記憶部、第1記憶部)
13a ブートローダプログラム
13b アプリケーションプログラム
14 RAM(第2記憶部)
30 ゲートウェイ(車載更新装置)
31 処理部
31a 中継処理部
31b 更新処理部(通信状態判定部、送信処理部、記憶処理部)
32a〜32c 通信部
33 フラッシュメモリ
33a ブートローダプログラム
33b アプリケーションプログラム
34 RAM(記憶部)
35 OBD通信部(通信部)
50 リプロツール(記憶装置)
51 処理部
51a 更新処理部
52 記憶部
52a リプロデータ
53 OBD通信部
105 無線通信装置
150 リプロツール

Claims (8)

  1. 少なくとも2つの通信線を介して車載通信装置との通信を行い、該車載通信装置の記憶部に記憶されたプログラム又はデータを更新する処理を行う車載更新装置であって、
    前記車載通信装置へ送信する更新用のプログラム又はデータを分割した複数の更新用分割データを記憶する記憶部と、
    前記記憶部に記憶された複数の更新用分割データを、前記少なくとも2つの通信線を介して前記車載通信装置へ分配送信する処理を行う送信処理部と
    を備えることを特徴とする車載更新装置。
  2. 前記送信処理部は、通信線毎の通信負荷に応じて、前記少なくとも2つの通信線に前記複数の更新用分割データを分配すること
    を特徴とする請求項1に記載の車載更新装置。
  3. 前記更新用分割データを記憶した記憶装置との間で通信を行う通信部と、
    前記通信部を介して前記記憶装置から受信した前記更新用分割データを、前記記憶部に記憶する処理を行う記憶処理部と
    を更に備えることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の車載更新装置。
  4. プログラム又はデータを記憶する第1記憶部を有する車載通信装置と、少なくとも2つの通信線を介して前記車載通信装置との通信を行い、前記車載通信装置の前記第1記憶部に記憶されたプログラム又はデータを更新する処理を行う車載更新装置とを備える更新システムであって、
    前記車載更新装置は、
    前記車載通信装置へ送信する更新用のプログラム又はデータを分割した複数の更新用分割データを記憶する記憶部と、
    前記記憶部に記憶された複数の更新用分割データを、前記少なくとも2つの通信線を介して前記車載通信装置へ分配送信する処理を行う送信処理部と
    を有することを特徴とする更新システム。
  5. 前記更新用分割データを記憶した記憶装置を更に備え、
    前記車載更新装置は、
    前記更新用分割データを記憶した記憶装置との間で通信を行う通信部と、
    前記通信部を介して前記記憶装置から受信した前記更新用分割データを、前記記憶部に記憶する処理を行う記憶処理部と
    を更に有すること
    を特徴とする請求項4に記載の更新システム。
  6. 前記記憶装置は、前記更新用分割データに順序情報を付して前記車載更新装置へ送信し、
    前記車載更新装置の前記記憶処理部は、前記順序情報が付された前記更新用分割データを前記記憶部に記憶すること
    を特徴とする請求項5に記載の更新システム。
  7. 前記車載通信装置は、
    前記少なくとも2つの通信線を介して前記車載更新装置から受信した前記更新用分割データを一時的に記憶する第2記憶部と、
    前記第2記憶部に記憶された前記更新用分割データに付された前記順序情報に基づいて、前記第2記憶部に記憶された前記更新用分割データを用いて、前記第1記憶部に記憶されたプログラム又はデータを更新する処理を行う更新処理部と
    を有することを特徴とする請求項6に記載の更新システム。
  8. 少なくとも2つの通信線を介して車載通信装置との通信を行い、該車載通信装置の記憶部に記憶されたプログラム又はデータを更新する処理を行う車載更新装置を、
    前記車載通信装置へ送信する更新用のプログラム又はデータを分割した複数の更新用分割データを記憶部に記憶する処理を行う記憶処理部と、
    前記記憶部に記憶された複数の更新用分割データを、前記少なくとも2つの通信線を介して前記車載通信装置へ分配送信する処理を行う送信処理部
    として動作させることを特徴とする更新処理プログラム。
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