JP2019023487A - 冷媒輸送ホース - Google Patents

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Abstract

【課題】耐久性及びバリア性の双方に優れ、適切な曲げ強度を有する冷媒輸送ホースを提供すること。【解決手段】冷媒及びオイルを含む流体を輸送するための多層構造の冷媒輸送ホースであって、前記冷媒及び前記オイルと直接接する層として、ポリオレフィン骨格にポリアミドブロックがグラフトされた構造を有するブロック共重合体(A)を少なくとも含む内側樹脂層と、前記内側樹脂層よりも外側に配置された、ポリアミド樹脂(B)を少なくとも含む外側樹脂層と、を有することを特徴とする、冷媒輸送ホース10。【選択図】図1

Description

本発明は、カーエアコン等の機器に用いられる冷媒輸送ホースに関する。
カーエアコン等の機器に用いられる冷媒輸送ホースは、一般に、内側から順に、ポリアミド樹脂組成物層(バリア層)、ゴム層、補強糸層及びゴム層が積層された構造を有する。ホースの耐衝撃性能を向上させるため、一般に、ポリアミド樹脂組成物層にはポリオレフィン系エラストマーが添加される。また、冷媒バリア性などを改善するため、フェノール系酸化防止剤や硫黄系酸化防止剤などを添加したホース用ポリアミド樹脂組成物が知られている。
特開平4−298344号公報
冷媒輸送ホース内において輸送される媒体には一般的に冷媒の他に潤滑油が含まれる。潤滑油には微量の水分が存在し、この水分自体や添加剤(特に潤滑油に含まれる極圧剤)の加水分解により発生した酸が原因でポリアミド樹脂組成物層が劣化する場合があるため、耐久性の向上が望まれている。また、冷媒輸送ホースの機能としてバリア性に優れることも求められるが、バリア性を向上させるためにナイロン比率を高めると、ホースの曲げ強度が上昇し、例えばフレキシブル成形を行う際に作業性が低下する場合がある。さらに、ナイロン比率を高めると曲率制限が生じることにより、狭い空間に配置することが必要な用途(例えば、エンジンルーム内のエアコンシステム)においてコンパクトに収納することが困難となる場合がある。
したがって、本発明の目的は、耐久性及びバリア性の双方に優れ、適切な曲げ強度を有する冷媒輸送ホースを提供することにある。
上記目的は、冷媒及びオイルを含む流体を輸送するための多層構造の冷媒輸送ホースであって、
前記冷媒及び前記オイルと直接接する層として、ポリオレフィン骨格にポリアミドブロックがグラフトされた構造を有するブロック共重合体(A)を少なくとも含む内側樹脂層と、
前記内側樹脂層よりも外側に配置された、ポリアミド樹脂(B)を少なくとも含む外側樹脂層と、を有することを特徴とする、冷媒輸送ホースにより達成される。
上記構成によれば、最内層を上記特定のブロック共重合体(A)を含む内側樹脂層とすることにより、ホース内を流れる流体に由来する酸とポリアミド樹脂との接触及びその加水分解を抑制することができるので、冷媒輸送ホースの耐久性を向上させることができる。また、ポリアミド樹脂を含む外側樹脂層を配置することにより優れたバリア性も確保することができる。さらに、上記2層構造とすることにより、ポリアミド樹脂の比率を単純に上げた場合と比較して曲げ強度の上昇を抑えることができ、適切な曲げ強度を有する冷媒輸送ホースを得ることができる。
本発明の冷媒輸送ホースの好ましい態様は以下のとおりである。
(1)ポリアミド樹脂(B)がナイロン6である。
(2)前記内側樹脂層が、ポリオレフィン系エラストマー(C)をさらに含有する。
(3)前記外側樹脂層が、ポリオレフィン系エラストマー(C)をさらに含有する。
(4)ブロック共重合体(A)が、規定される示差走査熱量測定(DSC)において二峰性の融解ピークを有し、低温側の融解ピーク温度が85℃以上であり、高温側の融解ピーク温度が200℃以上である。
本発明の冷媒輸送ホースはバリア性及び耐久性に優れ、適切な曲げ強度を有する。したがって、本発明の冷媒輸送ホースをカーエアコン等の機器に使用した場合には冷媒輸送機能を長期に亘って維持することが可能であり、狭い空間にホースを設置することが必要な場合であっても所望のとおりに屈曲させて設置することが可能である。
本発明の冷媒輸送ホースの一例を示す模式的な斜視図である。
以下、図面を参照して本発明を説明する。図1は、本発明の冷媒輸送ホースの実施の形態を示す概略斜視図である。本図は概略図であり実際の寸法比を示していない。図示のように、冷媒輸送ホース10は、内側から順に内側樹脂層12、外側樹脂層14、内側ゴム層16、第1補強糸層18、中間ゴム層20、第2補強糸層22、外側ゴム層24を有する。
内側樹脂層12は、ポリオレフィン骨格にポリアミドブロックがグラフトされた構造を有するブロック共重合体(A)を少なくとも含む。外側樹脂層14は、ポリアミド樹脂(B)を少なくとも含む。
<ブロック共重合体(A)>
ブロック共重合体(A)は、ポリオレフィンの骨格(主鎖)にポリアミドブロックがグラフト結合したポリマーである。ブロック共重合体(A)は、官能基を有するポリオレフィン系(共)重合体とその官能基と反応する機能性ポリアミドとを溶融状態で混合することにより得られる。ブロック共重合体(A)は、単純なポリアミド樹脂と比較して、酸と反応する箇所が少ないので、ブロック共重合体(A)を含む内側樹脂層12を最内層として使用することにより、ホース内を流れる冷媒及びオイルに由来する酸による加水分解が生じにくく、冷媒輸送ホースの耐久性を向上させることができる。また、単純なポリアミド樹脂と比較して柔軟性に優れることから適切な曲げ弾性を冷媒輸送ホースに付与することができる。ブロック共重合体(A)の骨格となるポリオレフィンは後述のポリオレフィン系エラストマー(C)で例示するポリオレフィンと同様のものでよく、ブロック共重合体(A)のポリアミドブロックは後述のポリアミド(B)で例示したポリアミドと同様のものでよい。特にポリアミド6グラフトポリオレフィンが好ましい。
ブロック共重合体(A)の含有量は、内側樹脂層12を形成する樹脂組成物に含まれるポリマー成分100質量部に対して、例えば、5質量部以上、好ましくは10質量部以上、より好ましくは20質量部以上、更に好ましくは30質量部以上、特に好ましくは40質量部以上、より更に好ましくは50質量部以上、最も好ましくは60質量部以上であり、上限は、例えば、100質量部であり、95質量部以下、90質量部以下、80質量部以下、または70質量部以下であってよい。
ブロック共重合体(A)は、ブロック共重合体が、示差走査熱量測定(DSC)において二峰性の融解ピークを有し、低温側の融解ピーク温度が85℃以上であり、高温側の融解ピーク温度が200℃以上であることが好ましい。低温側の融解ピークはポリオレフィン骨格に由来し、高温側の融解ピークはポリアミドブロックに由来する。これらの融解ピーク温度を満たすことにより、耐久性、特に耐油老化性及び耐乾熱老化性を更に向上させることができる。
ブロック共重合体(A)の低温側の融解ピーク温度は、好ましくは90℃以上、より好ましくは100℃以上であり、上限は高温側の融解ピークよりも低ければよく、200℃未満、好ましくは150℃以下である。低温側の融解ピークの好ましい範囲は90〜120℃、好ましくは95℃〜110℃、更に好ましくは100℃〜105℃である。
ブロック共重合体(A)の高温側の融解ピーク温度の上限は好ましくは300℃以下、より好ましくは250℃以下である。高温側の融解ピーク温度の好ましい範囲は200〜230℃、より好ましくは210〜220℃である。
<ポリアミド樹脂(B)>
外側樹脂層14にはポリアミド樹脂(B)が含まれる。ポリアミド樹脂(B)を外側樹脂層14に含めることにより、冷媒輸送ホース内を流れる冷媒及びオイルを含む流体との直接の接触を抑えることで、ポリアミド樹脂(B)の劣化を防止するとともにポリアミド樹脂(B)自体による優れたバリア性により冷媒輸送ホースに優れたバリア性を付与することができる。
ポリアミド樹脂(B)は、例えば、アミノ酸、ラクタムあるいはジアミンとジカルボン酸を主たる構成成分とするポリアミドである。これらの構成成分の具体例を挙げるとε−カプロラクタム、エナントラクタム、ω−ラウロラクタムなどのラクタム、ε−アミノカプロン酸、11−アミノウンデカン酸、12−アミノドデカン酸などのアミノ酸、テトラメチレンジアミン、ヘキサメチレンジアミン、ウンデカメチレンジアミン、ドデカメチレンジアミン、2,2,4−/2,4,4−トリメチルヘキサメチレンジアミン、5−メチルノナメチレンジアミン、m−キシリレンジアミン、p−キシリレンジアミン、1,3−ビスアミノメチルシクロヘキサン、1,4−ビスアミノメチルシクロヘキサン、ビス−p−アミノシクロヘキシルメタン、ビス−p−アミノシクロヘキシルプロパン、イソホロンジアミンなどのジアミン、アジピン酸、スベリン酸、アゼライン酸、ゼバシン酸、ドデカン2酸、1,4−シクロヘキサンジカルボン酸、1,3−シクロヘキサンジカルボン酸、テレフタル酸、イソフタル酸、ナフタレンジカルボン酸、ダイマー酸などのジカルボン酸がある。これらの構成成分は単独あるいは2種以上の混合物の形で重合に供され、得られるポリアミド樹脂はホモポリマー、コポリマーのいずれであっても良い。
特に本発明で有効に用いられるポリアミド樹脂(B)としては、ポリカプラミド(ナイロン6)、ポリヘキサメチレンアジパミド(ナイロン66)、ポリテトラメチレンアジパミド(ナイロン46)、ポリヘキサメチレンセバカミド(ナイロン610)、ポリウンデカンアミド(ナイロン11)、ポリドデカンアミド(ナイロン12)、ポリヘキサメチレンアジパミド/ヘキサメチレンテレフタルアミド共重合体(ナイロン66/6T)、ポリカプラミド/ポリヘキサメチレンアジパミド共重合体(ナイロン6/66)が挙げられ、これらは1種を単独で用いても良く、2種以上を混合して用いても良い。特に、ナイロン6が好ましい。
ポリアミドの重合度については特に制限はなく、1質量%濃度の硫酸溶液の25℃における相対粘度(以下、単に「相対粘度」と称す場合がある。)が1.5〜5.0の範囲内にあるものを任意に用いることができる。また、ポリアミド樹脂(B)は、その末端基がモノカルボン酸化合物および/またはジカルボン酸化合物あるいはモノアミン化合物および/またはジアミン化合物の1種以上を任意の段階でポリアミドに添加することにより末端基濃度が調節されていてもよい。
外側樹脂層14を形成する樹脂組成物に含まれるポリアミド樹脂(B)の含有量は、その樹脂組成物に含まれるポリマー成分100質量部に対して、例えば、5質量部以上、好ましくは10質量部以上、より好ましくは20質量部以上、更に好ましくは30質量部以上、特に好ましくは40質量部以上、特に好ましくは45質量部以上、より更に好ましくは50質量部以上、最も好ましくは60質量部以上であり、上限は、例えば、100質量部であり、95質量部以下、90質量部以下、80質量部以下、または70質量部以下であってよい。
<ポリオレフィン系エラストマー(C)>
バリア層12及び外側層14はそれぞれポリオレフィン系エラストマー(C)を更に含んでいてもよい。ポリオレフィン系エラストマー(C)を配合することにより、内側樹脂層12及び外側樹脂層14の柔軟性、耐久性を更に向上させることができる。
ポリオレフィン系エラストマー(C)としては、例えば、エチレン・ブテン共重合体、EPR(エチレン−プロピレン共重合体)、変性エチレン・ブテン共重合体、EEA(エチレン−エチルアクリレート共重合体)、変性EEA、変性EPR、変性EPDM(エチレン−プロピレン−ジエン三元共重合体)、アイオノマー、α−オレフィン共重合体、変性IR(イソプレンゴム)、変性SEBS(スチレン−エチレン−ブチレン−スチレン共重合体)、ハロゲン化イソブチレン−パラメチルスチレン共重合体、エチレン−アクリル酸変性体、エチレン−酢酸ビニル共重合体、及びその酸変性物、及びそれらを主成分とする混合物等が挙げられる。これらは1種を単独で用いても良く、2種以上を混合して用いても良い。
バリア層を形成する樹脂組成物とポリオレフィン系エラストマー(C)とを相溶状態、即ち、良好な分散状態とするために、エラストマーの少なくとも一部が無水マレイン酸等により酸変性されていることが好ましい。より好ましくはポリオレフィン系エラストマー(C)のうちの40〜100質量%が酸変性されており、特に好ましくは使用するポリオレフィン系エラストマー(C)の全てが酸変性されている。良好な分散形態を得るために用いるエラストマーの全体の平均の酸価(酸変性率)は0.8mg−CHONa/g以上であることが好ましく、その上限は特に限定されないが、好ましくは30mg−CHONa/g以下、より好ましくは15mg−CHONa/g以下である。
内側樹脂層12及び/又は外側樹脂層14においてポリオレフィン系エラストマーが含まれる場合、その含有量は、各々の樹脂層を形成する樹脂組成物に含まれるポリマー成分100質量部に対して、例えば、5質量部以上、好ましくは10質量部以上、より好ましくは20質量部以上、更に好ましくは30質量部以上であり、上限は、例えば、50質量部未満、または40質量部以下である。
内側樹脂層12は、ポリアミド樹脂を更に含んでいてもよい。そのポリアミド樹脂としては、上述したポリアミド樹脂(B)を使用することができる。内側樹脂層12のポリアミド樹脂の含有量は、内側樹脂層12を形成する樹脂組成物に含まれるポリマー成分100質量部に対して、0質量部以上50質量部未満であることが好ましい。内側樹脂層12がポリアミド樹脂を含む場合、その含有量は、内側樹脂層12を形成する樹脂組成物に含まれるポリマー成分100質量部に対して、例えば、5質量部以上、好ましくは10質量部以上、より好ましくは20質量部以上、更に好ましくは30質量部以上であり、上限は、例えば、50質量部未満、45質量部未満、または40質量部以下である。内側樹脂層12がポリアミド樹脂を含む場合、ポリアミド樹脂の含有量は、内側樹脂層12に含まれるブロック共重合体(A)の含有量よりも少ないことが好ましい。
外側樹脂層14は、ポリオレフィン骨格にポリアミドブロックがグラフトされた構造を有するブロック共重合体を更に含んでいてもよい。そのブロック共重合体としては、上述したブロック共重合体(A)を使用することができる。外側樹脂層14のそのブロック共重合体の含有量は、外側樹脂層14を形成する樹脂組成物に含まれるポリマー成分100質量部に対して、0質量部以上50質量部未満であることが好ましい。外側樹脂層14がそのようなブロック共重合体を含む場合、その含有量は、外側樹脂層12を形成する樹脂組成物に含まれるポリマー成分100質量部に対して、例えば、5質量部以上、好ましくは10質量部以上、より好ましくは20質量部以上、更に好ましくは30質量部以上であり、上限は、例えば、50質量部未満、または40質量部以下である。外側樹脂層14が上記ブロック共重合体を含む場合、そのブロック共重合体の含有量は、外側樹脂層14に含まれるポリアミド樹脂(B)の含有量よりも少ないことが好ましい。
内側樹脂層12の厚さは、例えば、50〜500μmである。外側樹脂層14の厚さは、例えば、50〜500μmである。上述したとおり、内側樹脂層12は最内層であり、使用時においてホース内を流れる冷媒及びオイルと接触する。
第1補強糸層18及び第2の補強糸層22は特に限定されず、通常用いられる補強糸を用いることが可能である。一般的には、ポリエステル、全芳香族ポリエステル、ナイロン、ビニロン、レーヨン、アラミド、ポリアリレート、ポリエチレンナフタレート及びこれらの混撚り糸が用いられ、これら補強糸をスパイラル状に巻き溶けて形成する。
ゴム層16、20、24を構成するゴムとしては、一般にブチルゴム(IIR)、塩素化ブチルゴム(C1−IIR)、塩素化ポリエチレン、クロロスルホン化ポリエチレン、臭素化ブチルゴム(Br−IIR)、イソブチレン−ブロモパラメチルスチレン共重合体、EPR(エチレン−プロピレン共重合体)、EPDM(エチレン−プロピレン−ジエン三元共重合体)、NBR(アクリロニトリルブタジエンゴム)、CR(クロロプレンゴム)、水素添加NBR、アクリルゴム、エチレンアクリルゴム(AEM)、これらのゴムの2種以上のブレンド物、或いは、これらのゴムを主成分とするポリマーとのブレンド物、好ましくはブチル系ゴム、EPDM系ゴムが用いられる。これらのゴムには、通常用いられる充填剤、加工助剤、老化防止剤、加硫剤、加硫促進剤等の配合処方を適用できる。
これらゴム層16、20、24に用いるゴム種は同種であっても、異種であってもよいが、中間ゴム層20には内側ゴム層16及び外側ゴム層24と接触性の良いゴムを用いることが好ましい。
内層ゴム層16の厚さは、柔軟性の面から0.5〜4mm程度とするのが好ましい。中間ゴム層20の厚さは0.1〜0.6mm程度、外側ゴム層24の厚さは0.5〜2mm程度とするのが好ましい。
図1は、本発明の冷媒輸送ホースの一例を示したものであり、本発明の冷媒輸送ホースは上記の内側樹脂層12及び外側樹脂層14を含んでいればよく、補強糸層やゴム層の数は適宜変更してよく、更なる別の層を有していてもよい。
本発明において好ましい冷媒輸送ホースの一例は、内側樹脂層12を形成する樹脂組成物におけるブロック共重合体(A)の含有量が、その樹脂組成物に含まれるポリマー成分100質量部に対して50質量部を超え、外側樹脂層14を形成する樹脂組成物におけるポリアミド樹脂(B)の含有量が、その樹脂組成物に含まれるポリマー成分100質量部に対して50質量部を超える。
本発明において好ましい冷媒輸送ホースの一例は、外側樹脂層14を形成する樹脂組成物におけるポリアミド樹脂(B)の含有量が、その樹脂組成物に含まれるポリマー成分100質量部に対して45質量部以上であり、内側樹脂層12を形成する樹脂組成物に含まれ得るポリアミド樹脂の含有量が、その樹脂組成物に含まれるポリマー成分100質量部に対して45質量部未満である。さらに、本発明において好ましい冷媒輸送ホースの一例は、内側樹脂層12を形成する樹脂組成物に含まれるブロック共重合体(A)の含有量が、その樹脂組成物に含まれるポリマー成分100質量部に対して5質量部以上であり、外側樹脂層14を形成する樹脂組成物に含まれ得る上述したブロック共重合体の含有量が、その樹脂組成物に含まれるポリマー成分100質量部に対して5質量部未満である。
<その他の成分>
バリア層に含まれる樹脂組成物は酸化防止剤を含んでいてもよい。酸化防止剤としては、セミヒンダードフェノール、レスヒンダードフェノール、ヒンダードフェノール、フェノールアクリレート、ビスフェノールなどの多様なフェノール系化合物や、チオエーテル化合物、メルカプトベンズイミダゾール化合物、ジチオカルバミン酸化合物、チオウレア化合物などの硫黄系酸化防止剤を使用することができる。酸化防止剤の添加量は、ポリマー成分100質量部に対して3.0質量部以下が好ましく、より好ましくは0.3質量部〜1質量部、特に好ましくは0.4質量部〜0.8質量部である。
また、バリア層に含まれる樹脂組成物は金属不活性化剤を含んでいてもよい。金属不活性化剤としては、ヒンダードフェノール構造を有するフェノール系化合物を使用することができる。金属不活性化剤の含有量は、ポリマー成分100質量部に対して通常0.01質量部〜1.5質量部、好ましくは0.05質量部〜1質量部、さらに好ましくは0.05質量部〜0.5質量部である。
さらに、バリア層に含まれる樹脂組成物は、他の添加剤、すなわち、滑剤、帯電防止剤、受酸剤、上述した(A)、(B)及び(C)以外の他の樹脂成分、着色剤、老化防止剤、結晶核剤、充填剤、補強材、耐熱剤、耐光剤、などを1種以上含んでいてもよい。
上記構成によれば、最内層として上記特定のブロック共重合体(A)を含む内側層とすることにより、ホース内を流れる流体に由来する酸とポリアミド樹脂との接触及びその加水分解を抑制することにより冷媒輸送ホースの劣化を抑制して耐久性を向上させることができる。また、ポリアミド樹脂を含む外側樹脂層を配置することにより優れたバリア性も確保することができる。さらに、上記2層構造とすることにより、ポリアミド樹脂の比率を単純に上げた場合と比較して曲げ強度の上昇が抑えることができ、適切な曲げ強度を有する冷媒輸送ホースを得ることができる。
(1)シートの作製
下記表1に示す材料を表に示した配合で東洋精機製作所製の二軸混練機を用いて溶融混練を行い、樹脂ペレットを得た。その後、東洋精機製作所製のTダイ成形機を用い、厚さ0.35mmの樹脂シートを得た。また、表1で示された樹脂組成物について表2に示した内側樹脂層と外側樹脂層の2層構造を有するように積層してサンプルを作製した。
(2)評価
(2−1)初期引張特性
0.35mmの樹脂シートを、引張試験用のダンベル片に打ち抜き、これについて引張速度100mm/minの速度で破断試験を行い、引張破断伸度、引張破断強度を測定し。
(2−2)150℃乾熱老化試験
0.35mmの樹脂シートを、引張試験用のダンベル片に打ち抜き、150℃に設定したオーブン内に静置し、168h熱処理を行ったサンプルについて、引張速度100mm/minの速度で破断試験を行い、引張破断伸度、引張破断強度を測定し、老化前の同試験項目を100%と定義し、劣化率として表した。
(2−3)150℃耐油老化試験
0.35mmの樹脂シートを、引張試験用のダンベル片に打ち抜き、水分量を2000ppmに調製したオイル(ダフニーハーメチックオイルSP−A2:出光興産株式会社製)を47g耐圧容器に入れ、ダンベル片を投入した。この耐圧容器を、−30℃に設定された冷凍オーブン内で30分間冷却した後、5分間真空引きを行った。常温に戻した耐圧容器を、150℃に設定したオーブンに投入し168h経過するまで、オーブン内に設置した。このサンプルを引張速度100mm/minの速度で破断試験を行い、引張破断伸度、引張破断強度を測定し、老化前の同試験項目を100%と定義し、劣化率として表した。
(2−4)曲げ強度
JIS−K7171に準拠した方法で試験を実施し、曲げ強度を求めた。
(2−5)インパルス試験
0〜140℃、0〜3.3MPa、20CPMの条件で、ホース内面にPAGオイルにて繰り返し加圧し、15万回繰り返し測定の中でのホース等の割れ、表面へのクラック発生を確認した。
(2−6)冷媒漏れ試験
長さ0.5mの冷媒輸送用ホースを用い、内部に液状の冷媒R−1234yfをホース面積1cmあたり0.6g封入し、さらに冷媒を封入しないホースを用意した。これらを80℃に設定したオーブン内に30分間放置した。その後24時間経過後、96時間経過後に冷媒封入したもの、封入していないホースの質量をそれぞれ計測した。さらに96時間経過後のホースは、質量に加え、長さを計測した。得られた値を用い、JRA2017、自動車空調装置(R−1234yf)用冷媒ホース8.9に記載された冷媒透過量試験に従い、冷媒漏れ量を算出した。冷媒透過量が1g/cm/年以下であるものを「○」、それ以上であるものを「×」とした。
(2−7)融解ピーク温度の測定
使用したブロック共重合体について、示差走査熱量計を用い、昇温速度10℃/min、常温から280℃まで昇温した後、10℃/minの速度で常温まで冷却、その後10℃/minの昇温速度で温度を制御した。融点は第二昇温プログラムで見られた融解熱量曲線の極小値を読み取った。
Figure 2019023487
Figure 2019023487
上記表1に記載された材料は下記の通りである。
「ブロック共重合体(LP81)」(東京材料社製アポリヤLP81、低温側融解ピーク69℃、高温側融解ピーク216℃、PA6グラフトポリオレフィン)
「ブロック共重合体(LP91)」(東京材料社製アポリヤLP91、低温側融解ピーク102℃、高温側融解ピーク216℃、PA6グラフトポリオレフィン)
「ナイロン6(1022B)」(宇部興産社製、中粘度ナイロン6)
「無水マレイン酸変性エラストマー」(三井化学社製タフマーMH7010、マレイン酸変性α‐オレフィンポリマー(エチレン−ブテン共重合体))
「無変性エラストマー」(三井化学社製タフマーTX610、エチレン−1−ブテン共重合体)
「銅害防止剤(CDA−10)」(ADEKA社製、N,N’−ビス[3−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオニル]ヒドラジン)
「フェノール系酸化防止剤(GA−80)」(住友化学製、SUMILIZER(登録商標)GA−80)
「イオウ系酸化防止剤(TP−D)」(住友化学製、SUMILIZER(登録商標)TP−D)
10 冷媒輸送ホース
12 内側樹脂層
14 外側樹脂層
16、20、24 ゴム層
18、22 補強糸層

Claims (5)

  1. 冷媒及びオイルを含む流体を輸送するための多層構造の冷媒輸送ホースであって、
    前記冷媒及び前記オイルと直接接する層として、ポリオレフィン骨格にポリアミドブロックがグラフトされた構造を有するブロック共重合体(A)を少なくとも含む内側樹脂層と、
    前記内側樹脂層よりも外側に配置された、ポリアミド樹脂(B)を少なくとも含む外側樹脂層と、を有することを特徴とする、冷媒輸送ホース。
  2. ポリアミド樹脂(B)がナイロン6である、請求項1に記載の冷媒輸送ホース。
  3. 前記内側樹脂層が、ポリオレフィン系エラストマー(C)をさらに含有する、請求項1または2に記載の冷媒輸送ホース。
  4. 前記外側樹脂層が、ポリオレフィン系エラストマー(C)をさらに含有する、請求項1〜3のいずれか1項に記載の冷媒輸送ホース。
  5. ブロック共重合体(A)が、示差走査熱量測定(DSC)において二峰性の融解ピークを有し、低温側の融解ピーク温度が85℃以上であり、高温側の融解ピーク温度が200℃以上である、請求項1〜4のいずれか1項に記載の冷媒輸送ホース。
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