この発明は、ロール型シート状製品を保持するロールホルダーに関連するものであって、特に、容易に持ち運び、適所に簡便に設置可能なものとされたロールホルダーを製造、提供する分野は勿論のこと、その輸送、保管、組み立ておよび設置に必要となる設備、器具類を提供、販売する分野から、それら資材や機械装置、部品類に必要となる素材、例えば、木材、石材、各種繊維類、プラスチック、各種金属材料等を提供する分野、それらに組み込まれる電子部品やそれらを集積した制御関連機器の分野、各種計測器の分野、当該設備、器具を動かす動力機械の分野、そのエネルギーとなる電力やエネルギー源である電気、オイルの分野といった一般的に産業機械と総称されている分野、更には、それら設備、器具類を試験、研究したり、それらの展示、販売、輸出入に係わる分野、将又、それらの使用の結果やそれを造るための設備、器具類の運転に伴って発生するゴミ屑の回収、運搬等に係わる分野、それらゴミ屑を効率的に再利用するリサイクル分野などの外、現時点で想定できない新たな分野までと、関連しない技術分野はない程である。
(着目点)
一般的なロールホルダーは、例えば、図13に示すように、建築物室内の壁面適所に木ネジなどで完全に固着された状態に設置可能とされた背壁A0の左右端から左右腕壁A1,A1が夫々前方に突出するよう延伸されてなるホルダー本体Aかなり、該左右腕壁A1,A1間に、対象ロールペーパーRの筒状芯部分を水平状且つ回転自在に軸支可能な装着軸A2と、同装着軸A2に装着した対象ロールペーパーRの上がわを開閉自在に覆うよう、該ホルダー本体Aに基端B0が軸着された曲面板状体であって、その遊端縁B1に、引き出した対象ロールペーパーRの中途部分を裁断可能なカッター部B2が形成されてなる上蓋Bとを有するようにしたものであり、利用に際しては、該上蓋Bで対象ロールペーパーRの外周面を上方から下向きに抑え込み、同上蓋Bのカッター部B2を境に、対象ロールペーパーRの引き出した部分R0を引き上げるようにして裁断する構造のものが殆どであった。
こうした一般的なロールホルダーAは、例えば、トイレで使用されるトイレットペーパーRを保持するものは、トイレ室内の利用し易い高さの壁面適所に固着されるものとなっていて、設置場所から工具を使用すること無く、それ以外の場所へ移動および設置するのが困難なものとなっており、例えば、トイレットペーパーRをティッシュペーパーなどのように、リビングルームや病院の病室内などで利用しようとした場合には、対象ロールペーパーRの筒状軸心に紐や針金などを通して吊り下げたりして利用せざるを得ず、見栄えが悪いだけでなく、対象ロールペーパーRを引き出して裁断する際に、カッターが無いため、両手で掴んで引き千切るようにしなければ裁断できず、対象ロールペーパーRの破断端も見栄えが悪くなってしまうという欠点があった。
(従来の技術)
こうした状況を反映し、その打開策となるような提案も、これまでに散見されない訳ではない。
例えば、下記の特許文献1(1)に提案されているものに代表されるように、基台の上面に一方向に起伏自在で、かつ伸縮自在のポールが取付けられ、該ポール取付け位置の近くに設けられた球面軸受けによって支え棒が基台上面の全方向に旋回可能に配置され、ポールの起立状態で巻取りロール体を支持すると共に、支え棒の先端を巻取りロールの表面に接触させて切取端の剥離や垂れ下がりを防止し、ポールの上端近くには吊り下げ用フックまたはSカンの挿通孔が設けられ、基台の裏面に、磁石が固着されたことで金属製厨房台や家具類への設置を容易にし、また、不使用時には、ポールと支え棒とを同方向に倒すことによりホルダー全体を薄形に折り畳んで収納し易いものとした巻取りロール体のホルダーがある。
また、同特許文献1(2)に見られるような、ロールペーパーを、芯を横にして回転自在に保持するホルダー部材と、このホルダー部材を支持する支持部材とから形成され、この支持部材が、設置用のベース部と、このベース部から立ち上げる起立部とから形成され、この起立部に、上記のホルダー部材を設けた上、該ホルダー部材の左右上側部間には、持ち運び用の取っ手が掛け渡し状に設けられてなる卓上用ロールペーパーホルダーや、同特許文献1(3)に示されているような、厚紙などの板材に切り込みを入れたものであって、ロールペーパーの中空軸の両端に挿入してこれを保持するための先端部が相互に対向したL字形および逆L字形の一対の保持部と、埃よけを兼ね、下縁がペッパー切断部となり、頂辺に吊り仕上げ辺を備えた前面板と、同じく埃よけ用の背面板とより成り、各部片が、相互に相補形をなすと共に、夫々の頂辺が互いに接続した一体のものとしてなり、折り目から折り曲げられると、背面板、前面板、および左右L字形保持部が現れ、該前面板の左右間頂部に、吊下げ片が突起するものとされてなるロールペーパーホルダーなどが散見される。
しかし、前者特許文献1(1)に示されているような巻取りロール体のホルダーなどは、ロールペーパーから繰り出された端部がわを綺麗に切断するためのカッターを備えておらず、また、ロールペーパーを切断する際には、一方の手でロールペーパーの回転を止めたり、残そうとするがわのロールペーパーを確実に把持するなどして、切断する端部がわを他方の手で引き裂くように操作しなければならず、さらに、該ホルダーを持ち運ぶ際には、取っ手部分が無く、不便である上、適所に吊り下げて使用する場合には、ルックやSカン、その他の吊り金具類や吊り紐類を必須とするもので不便なものであったし、また、特許文献1(2)の卓上用ロールペーパーホルダーなどは、持ち運んで机上などに立てて利用するのに非常に便利なものであるが、例えば、病院のベッドや介護用のポータブルトイレなどのように、トイレットペーパーなどを据え置く場所を確保出来ない場合などには、取り付けるのが難しく、例えば、取っ手部分をフックなどに吊して設置する場合には、取っ手が硬質素材製のもののため、左右のバランスを保つのが難しく、左右何れか一方に傾いた状態に吊り下がり、ロールペーパーの引き出し操作がし難くなってしまうことが懸念されるものとであり、また、取っ手部分などを紐などで縛り着けた場合には、不用意に紐が解けてしまい、落下してしまう虞がある上、持ち運びの毎に紐を解かなければ取り外しできないなど利便性に欠けるものであり、そして、特許文献1(3)に代表するロールペーパーホルダーなども、所望の位置に吊り下げて利用する場合には、吊り下げ対象となる箇所にフックを取り付けたり、紐などで結び付けたりしなければならず、やはり実用性には欠けていた。
(1)特開2005−270254号公報 (2)実用新案登録第3157471号公報 (3)実公平2−23197号公報
(問題意識)
上述したとおり、従前までに提案のある各種ロールペーパーホルダー類は、何れも病院のベッドや介護用のポータブルトイレなどのように、トイレットペーパーなどを据え置く場所を確保出来ない場所などに簡易的に設置したり、利用者の移動に伴って簡便に設置場所を移動したりするのが難しく、対象ロールペーパーの必要となる場所毎に、ロールペーパー用のホルダーを個別に設置したり、予め各利用場所毎にフックなどを設けて置き、持ち運んだロールペーパー用のホルダーをフックなどに吊り下げて利用できるようにしたり、ロールペーパー用のホルダーの括り紐を設け、持ち運んだ先の適所に該括り紐で括り付けて吊り下げ、利用可能なものとするなどの工夫が必要になり、前述のように設置箇所毎にロールペーパー用のホルダーを個別に準備するのは経済的負担が大きく、ロールペーパーの管理が煩雑なものとなり、また、設置箇所毎にフックを設けるのも経済的負担が大きく、ロールペーパー用のホルダーに括り紐を設けるものは、紐が不用意に解けないように結ぶのに手間が掛かり、また、きつく縛った紐を解くのにも手間が掛かるなどといった利便性の面で大いに課題を残すものとなっており、運搬と移動および設置を容易にする構造について、更に改善された新たなロールペーパー用のホルダーの開発の可能性を痛感するに至ったものである。
(発明の目的)
そこで、この発明は、既存のロールペーパーホルダーの機能性を活かしつつ、複数の利用場所間を容易に搬送することができ、しかもフック金具類や吊り紐などを一切不要とし、簡便に吊り下げ設置可能となる新たなロールペーパー用のホルダー技術の開発はできないものかとの判断から、逸速くその開発、研究に着手し、長期に渡る試行錯誤と幾多の試作、実験とを繰り返してきた結果、今回、遂に新規な構造の可搬型ロールホルダーを実現化することに成功したものであり、以下では、図面に示すこの発明を代表する実施例と共に、その構成を詳述することとする。
(発明の構成)
図面に示すこの発明を代表する実施例からも明確に理解されるように、この発明の可搬型ロールホルダーは、基本的に次のような構成から成り立っている。
即ち、回転の軸心が水平方向に向けられた対象ロールペーパーの左右端に対峙可能な間隔を隔てて対峙する左右腕壁が、対象ロールペーパーの引き出し口となる前壁を除く天壁、背壁および底壁の少なくとも何れか一つを介して一体化されたホルダー本体を有し、該左右腕壁の互いに対峙する対峙側壁の中央付近間に、対象ロールペーパーの回転の軸心を着脱および回転自在に支持可能なロールペーパー用装着機構を有する回転支軸が設けられ、該ホルダー本体の上壁適所に対し、対象ロールペーパーを保持したホルダー本体を吊り下げ保持可能な強度を有する可塑性吊りハンドルの基端が一体化されてなるものとした構成を要旨とする可搬型ロールホルダーである。
この基本的な構成からなる可搬型ロールホルダーは、より具体的なものとして示すと、回転の軸心が水平方向に向けられた対象ロールペーパーの左右端に対峙可能な間隔を隔てて対峙する左右腕壁が、対象ロールペーパーの引き出し口となる前壁を除く天壁、背壁および底壁の少なくとも何れか一つを介して一体化されたホルダー本体を有し、該左右腕壁の互いに対峙する対峙側壁の中央付近間に、対象ロールペーパーの回転の軸心を着脱および回転自在に支持可能なロールペーパー用装着機構を有する回転支軸が設けられ、対象ロールペーパーが未装着の場合のホルダー本体の重心位置に対応する左右端、ないし、対象ロールペーパーが装着された場合のホルダー本体の重心位置に対応する左右端の前後間の適所に対応する該左右腕壁の各上壁に、棒状の左右独立型か、ループ状の左右一体型かの何れか一方とされた可塑性吊りハンドルの基端が、夫々植設状に一体化されてなるものとした構成からなる可搬型ロールホルダーとなる。
さらに具体的なものとして示すならば、回転の軸心が水平方向に向けられた対象ロールペーパーの左右端に対峙可能な間隔を隔てて対峙する左右腕壁が、対象ロールペーパーの引き出し口となる前壁を除く、天壁、背壁および底壁の少なくとも何れか一つを介して一体化されたホルダー本体を有し、該左右腕壁の互いに対峙する対峙側壁の中央付近に、先端を下向き方向に付勢する弾性付勢部が設けられるか、または、自重によって先端が下向きに付勢されるかの少なくとも何れか一方とするよう、基端が水平軸心回りに回動自在に軸着され、上方向の入力を受けて直立方向に姿勢変形自在とされたロールペーパー用装着機構を有し、且つ、先端が下向きに倒れないよう規制する水平規制部を有して水平姿勢に片持ち支持され左右で一対となる片支持軸が設けられ、対象ロールペーパーが未装着の場合のホルダー本体の重心位置に対応する左右端、ないし、対象ロールペーパーが装着された場合のホルダー本体の重心位置に対応する左右端の前後間の適所に対応する該左右腕壁の各上壁に、棒状の左右独立型か、ループ状の左右一体型かの何れか一方とされた可塑性吊りハンドルの基端が夫々植設状に一体化されてなるものとした構成からなる可搬型ロールホルダーとなる。
この基本的な構成からなる可搬型ロールホルダーは、その表現を変えて示すと、回転の軸心が水平方向に向けられた対象ロールペーパーの左右端に対峙可能な間隔を隔てて対峙する左右腕壁が、対象ロールペーパーの引き出し口となる前壁を除く、天壁、背壁および底壁の少なくとも何れか一つを介して一体化されたホルダー本体を有し、該左右腕壁の背後がわ上端間に対し、先端にカッター部が設けられた蓋状壁部の基端が、該蓋状壁部の先端を上下揺動自在とする基端軸装部を介して軸着され、該左右腕壁の互いに対峙する対峙側壁の中央付近に、先端を下向き方向に付勢する弾性付勢部が設けられるか、または、自重によって先端が下向きに付勢されるかの少なくとも何れか一方とするよう、基端が水平軸心回りに回動自在に軸着され、上方向の入力を受けて直立方向に姿勢変形自在とされたロールペーパー用装着機構を有し、且つ、先端が下向きに倒れないよう規制する水平規制部を有して水平姿勢に片持ち支持され左右で一対となる片支持軸が設けられ、対象ロールペーパーが未装着の場合のホルダー本体の重心位置に対応する左右端、ないし、対象ロールペーパーが装着された場合のホルダー本体の重心位置に対応する左右端の前後間の適所に対応する該左右腕壁の各上壁に、棒状の左右独立型か、ループ状の左右一体型かの何れか一方とされた可塑性吊りハンドルの基端が夫々植設状に一体化されてなるものとした構成からなる可搬型ロールホルダーとなる。
以上のとおり、この発明の可搬型ロールホルダーによれば、従前までのものとは違い、上記したとおりの固有の特徴ある構成から、可塑性吊りハンドルを把持して手に提げ、容易に運搬、移動することができる上、可塑性吊りハンドルを変形するよう操作し、所望の形状に塑性変形することによって、従前までであれば、所望の位置に設置するのに、載置するためのテーブル類を必要としたり、吊り下げ用のフック金具類や吊り紐などを要するものであったが、載置用のテーブルなどを必要とせず、また、吊り下げ用の別部品類も要さずに、収納家具の取っ手部分や、ベッドサイドの転落防止用フェンスの適所など、様々な箇所に簡便に吊り下げて利用することができるものとなり、特に、棒状の左右独立型の可塑性吊りハンドルの場合には、互いの先端がわを折り重ねるように折曲すると、手提げ用のハンドルとなり、該左右独立型の棒状可塑性吊りハンドルを、家具類の適所に巻き付けたり、鈎状に折曲して吊り下げたりすることが可能となり、また、ループ状の左右一体型の可塑性吊りハンドルの場合には、そのまま既存のフック状金具類に吊り下げたり、ループ形状のホルダー本体から最も離れたがわとなる範囲を下向きに折り曲げるなどして、家具のフレームなどに吊り下げて設置したりすることができるようになるという秀でた特徴が得られるものである。
加えて、可塑性吊りハンドルが、対象ロールペーパーが未装着の場合のホルダー本体の重心位置に対応する左右端、ないし、対象ロールペーパーが装着された場合のホルダー本体の重心位置に対応する左右端の前後間の適所に対応する該左右腕壁の各上壁に、植設状に一体化されてなるものとすることにより、対象ロールペーパーの装着、未装着に拘わらず、何れの状態にあっても、可塑性吊りハンドルを把持して手に提げると、ホルダー本体が大きく傾くことなく安定した姿勢のまま持ち運ぶことができ、しかも可塑性吊りハンドルを塑性変形させるなどして、適所に吊り下げ設置する場合にも、背壁の保持など考慮せずとも、正常姿勢を自動的に保持するものとなるから、特に、ロールペーパー用装着機構を有する左右一対となる片支持軸が設けられたものによれば、対象ロールペーパーの装着操作を片手で簡単に行うことができ、可塑性吊りハンドルによる吊り下げ保持のバランスの良さによって、対象ロールペーパーの回転、繰り出し操作も片手で簡便に行うことができるものになるという効果を奏する。
そして、蓋状壁部が、同蓋状壁部先端から庇状湾曲隔壁部を垂下し、該庇状湾曲隔壁部の下端縁から同左右幅のまま前方に屈曲され、鍔壁部を所定前後長分延伸された上、同鍔壁部先端縁から上方に向け同左右幅の立上壁部が立設され、該立上壁部の上端縁に、軟質合成樹脂製の鋸刃状の上向きカッター部を有すると共に、当該庇状湾曲隔壁部には、対象ロールペーパーの軸長に略相当する左右幅長の対象ロールペーパー用繰出し窓が開口されてなるものや、同様の形状の追加型カッターが装着されたものによれば、対象ロールペーパーの引き出し操作、および、裁断操作まで全て片手で行うことができるようになり、健常者は勿論のこと、怪我や身体に障害をもつ利用者にも簡単に利用できるものになるという利点が得られる。
さらに、庇状湾曲隔壁部、鍔壁部および上向きカッター部を有する蓋状壁部の、該庇状湾曲隔壁部ないし上向きカッター部の少なくとも一部適所に、可撓機構が設けられたもの、または、可撓機構が設けられた追加型カッターが装着されたものによれば、この発明の可搬型ロールホルダーを利用中に、不用意に上向きカッター部に強い力で接触してしまった場合にも、上向きカッター部が自動的に退避するから、利用者の安全性を格段に高めることができる上、蓋状壁部および追加型カッターの破損をより確実に防止することができるものになる。
また、蓋状壁部、または、追加型カッターが追加されたものの場合には追加型カッターの何れか一方の鍔壁部の天面形状が、左右方向概略U字形の水平樋状に湾曲され、手指挿入用凹部とされたものは、繰出し窓から繰り出した対象ロールペーパーの繰り出した中途適所部分(裁断目標箇所)を上向きカッター部に押し当てるように、繰り出し端部がわを引き下げるように操作して裁断すると、該繰出し窓から上向きカッター部に掛けて対象ロールペーパーの操り出し残端部が掛け渡し状に残ることとなり、次回使用する際には、
繰出し窓から上向きカッター部に掛けて掛け渡し状に残された対象ロールペーパーの操り出し残端部を、該手指挿入用凹部上に手指を挿入して、より簡単、確実に掴む事ができるものとなり、可搬型ロールホルダーの使い勝手を一段と高めたものとすることができる。
可塑性吊りハンドルが、人の手による入力によって容易に変形可能な可塑性金属線製の軸体に軟質合成樹脂製の皮膜層が被覆され、棒状の左右独立型とされたものの場合には、該軸体の先端に保護キャップが装着されてなるものとすることにより、可塑性吊りハンドルの構造を簡素化し、より軽量且つ経済的に製造可能とし、保護キャップが、軸体の端部が外部に露出するのを防止し、他物などへの接触の緩衝や引っ掛かりを防止し、より安全性に優れたものとすることができる。
上記したとおりの構成からなる、この発明の実施に際し、その最良もしくは望ましい形態について説明を加えることにする。
ホルダー本体は、この発明の可搬型ロールホルダーの本体となり、回転の軸心が水平方向に向けられた対象ロールペーパーの左右端に対峙可能な間隔を隔てて左右腕壁を対峙するよう保持可能とする機能を担い、該ホルダー本体の上壁適所に対して、対象ロールペーパーを保持したホルダー本体を吊り下げ保持可能な強度を有する可塑性吊りハンドルの基端が一体化されてなるものとしなければならず、左右腕壁が、対象ロールペーパーの引き出し口となる前壁を除く、天壁、背壁および底壁の少なくとも何れか一つを介して一体化されたものとすべきであり、該左右腕壁の背後がわ上端間に対して、先端にカッター部が設けられた蓋状壁部の基端が、該蓋状壁部の先端を上下揺動自在とする基端軸装部を介して軸着されたものとするのが良い。
左右腕壁は、ホルダー本体に対して対象ロールペーパーの回転の軸心を着脱および回転自在に支持可能とすると共に、同ホルダー本体に対して可塑性吊りハンドルを一体化可能とする機能を担うものであり、回転の軸心が水平方向に向けられた対象ロールペーパーの左右端に対峙可能な間隔を隔てて対峙するよう、互いに対峙する対峙側壁の中央付近間に、対象ロールペーパーの回転の軸心を着脱および回転自在に支持可能なロールペーパー用装着機構を有する回転支軸が設けられたものとし、上壁適所に対して、対象ロールペーパーを保持したホルダー本体を吊り下げ保持可能な強度を有する可塑性吊りハンドルの基端が一体化されてなるものとしなければならず、対象ロールペーパーの引き出し口となる前壁を除く、天壁、背壁および底壁の少なくとも何れか一つを介して一体化されたものとすべきであり、該左右腕壁の背後がわ上端間に対して、先端にカッター部が設けられた蓋状壁部の基端が、該蓋状壁部の先端を上下揺動自在とする基端軸装部を介して軸着されたものとするのが良い。
背壁は、回転の軸心が水平方向に向けられた対象ロールペーパーの左右端に対峙可能な間隔を隔てて対峙する左右腕壁を一体化し、ホルダー本体となるよう連結する機能を担っており、対象ロールペーパーを安全に保持可能とする充分な強度をもって左右腕壁を一体に連結可能なものとしなければならず、必要に応じて建築物の壁面などへの取付けネジ装着用となる複数の取付け孔が厚み方向に貫通するよう穿設されたものとすることが可能であり、壁板形状の外、連結棒や連結枠、連結柵などの様々な形状のものとすることが可能である。
回転支軸は、左右腕壁間に対して回転の軸心が水平方向に向けられた対象ロールペーパーを、回転自在且つ着脱自在に装着可能とする機能を担い、ロールペーパー用装着機構を有するものとしなければならず、例えば、左右腕壁の対峙側壁の中央付近に凹欠状の軸受け穴が設けられ、該左右一対の軸受け穴間に、水平軸心方向の中途部に弾性的に圧縮可能な圧縮バネが同心上に内蔵され、軸方向に向けて弾性的に延伸する伸縮軸が、左右間弾性突っ張り状、着脱自在に装着された回転支軸とされ、対象ロールペーパーの円筒空洞状の軸心に装着され、該対象ロールペーパーを、左右腕壁間に対して回転自在、着脱自在に装着可能なものとすることができる外、後述する実施例にも示すように、左右腕壁の互いに対峙する対峙側壁の中央付近に、先端を下向き方向に付勢する弾性付勢部が設けられるか、または、自重によって先端が下向きに付勢されるかの少なくとも何れか一方とするよう、基端が水平軸心回りに回動自在に軸着され、上方向の入力を受けて直立方向に姿勢変形自在とされたロールペーパー用装着機構を有し、且つ、先端が下向きに倒れないよう規制する水平規制部を有して水平姿勢に片持ち支持され左右で一対となる片支持軸が設けられたものとすることができる。
蓋状壁部は、ホルダー本体の左右腕壁間に、回転の軸心が水平方向に向けられた姿勢に回転自在に保持された対象ロールペーパーの上部を保護するよう覆い、対象ロールペーパーから繰り出した先端がわ操る出し部分の中途適所を、裁断可能なカッター部を所望位置に所望姿勢を維持するよう一体的に支持する機能を担うものであり、該左右腕壁の背後がわ上端間に対して、先端にカッター部が設けられた該蓋状壁部の基端が、同蓋状壁部の先端を上下揺動自在とする基端軸装部を介して軸着されたものとしなければならず、後述する実施例にも示しているとおり、蓋状壁部先端から庇状湾曲隔壁部を垂下し、該庇状湾曲隔壁部の下端縁から同左右幅のまま前方に屈曲され、鍔壁部を所定前後長分延伸された上、同鍔壁部先端縁から上方に向け同左右幅の立上壁部が立設され、該立上壁部の上端縁に、軟質合成樹脂製の鋸刃状の上向きカッター部を有すると共に、当該庇状湾曲隔壁部には、対象ロールペーパーの軸長に略相当する左右幅長の対象ロールペーパー用繰出し窓が開口されてなる物とするのが望ましく、また、蓋状壁部の天面に対し、該蓋状壁部の天面上に積層状に固着可能な接着層を介して着脱自在とされた追加型蓋状壁部を有し、該追加型蓋状壁部の先端から庇状湾曲隔壁部を垂下し、該庇状湾曲隔壁部の下端縁から同左右幅のまま前方に屈曲され、鍔壁部を所定前後長分延伸された上、同鍔壁部先端縁から上方に向け同左右幅の立上壁部が立設され、該立上壁部の上端縁に、軟質合成樹脂製の鋸刃状の上向きカッター部を有すると共に、当該庇状湾曲隔壁部には、対象ロールペーパーの軸長に略相当する左右幅長の対象ロールペーパー用繰出し窓が開口されてなる追加型カッターが、該追加型蓋状壁部の接着層を介して積層状に一体化されてなるものとすることが可能である。
追加型蓋状壁部の接着層は、ホルダー本体の蓋状壁部に対して追加型カッターを積層状に一体化可能とする機能を担うものであり、追加型カッターの追加型蓋状壁部の下面に片面を装着された両面粘着テープや、接着剤層に剥離紙を外装状に装着してなるものなどとするのが良く、また、追加型蓋状壁部の下面適所に対して後付け可能な、別部品として添付された両面粘着テープ部品や、チューブ入り接着剤などとすることが可能である。
そして、後述する実施例にも示してあるように、蓋状壁部は、同蓋状壁部先端から庇状湾曲隔壁部を垂下し、該庇状湾曲隔壁部の下端縁から同左右幅のまま前方に屈曲され、鍔壁部を所定前後長分延伸された上、同鍔壁部先端縁から上方に向け同左右幅の立上壁部が立設され、該立上壁部の上端縁に、軟質合成樹脂製の鋸刃状の上向きカッター部を有すると共に、当該庇状湾曲隔壁部ないし上向きカッター部の少なくとも一部適所に、上向きカッター部に、過大荷重が加わった場合に自動的に退避し、過大荷重が無くなると再び元の姿勢に復帰可能な可撓機構が設けられ、当該庇状湾曲隔壁部には、対象ロールペーパーの軸長に略相当する左右幅長の対象ロールペーパー用繰出し窓が開口されてなるものとすることができ、さらにまた、蓋状壁部の天面に対し、該蓋状壁部の天面上に積層状に固着可能な接着層を介して着脱自在とされた追加型蓋状壁部を有し、該追加型蓋状壁部の先端から庇状湾曲隔壁部を垂下し、該庇状湾曲隔壁部の下端縁から同左右幅のまま前方に屈曲され、鍔壁部を所定前後長分延伸された上、同鍔壁部先端縁から上方に向け同左右幅の立上壁部が立設され、該立上壁部の上端縁に、軟質合成樹脂製の鋸刃状の上向きカッター部を有すると共に、当該庇状湾曲隔壁部ないし上向きカッター部の少なくとも一部適所に、上向きカッター部に、過大荷重が加わった場合に自動的に退避し、過大荷重が無くなると再び元の姿勢に復帰可能な可撓機構が設けられ、当該庇状湾曲隔壁部には、対象ロールペーパーの軸長に略相当する左右幅長の対象ロールペーパー用繰出し窓が開口されてなる追加型カッターが、該追加型蓋状壁部の接着層を介して積層状に一体化されてなるものとすることができる。
加えて、後述する実施例にも示しているが、蓋状壁部、または、追加型カッターの何れか一方の、庇状湾曲隔壁部の下端縁と、上向きカッター部との間に設けられた鍔壁部の天面形状が、左右方向概略U字形の水平樋状に湾曲され、繰出し窓から上向きカッター部に掛けて残存される対象ロールペーパーの操り出し残端部の把持スペースの確保用となる手指挿入用凹部とされたものとしてなるものとするのが良い。
追加型カッターの庇状湾曲隔壁部は、蓋状壁部の天面上からそのまま前方に延伸し、蓋状壁部の先端を超えた辺りで下方に湾曲して下方所定位置、望ましくは対象ロールペーパー用の回転支軸(片支持軸)の高さ位置辺りまで垂れ下がり状となって蓋状壁部の天面上から前方にかけて庇状に覆い被さり、該回転支軸(片支持軸)に装着された対象ロールペーパーの残部端がわを隠す形状とされており、対象ロールペーパー残部端がわを上向きカッター部に臨ませるための繰出し窓が、該庇状湾曲隔壁部の湾曲部分よりやや下方位置、即ち、未使用の対象ロールペーパー断面円形の接線の中、上向きカッター部に及ぶこととなる接線を完全に含む位置に、横長形状のものとして形成、確保したものとしなければならず、例えば、トイレットペーパーを対象ロールペーパーとされたものの場合には、該繰出し窓の横巾寸法が、市販ロールペーパー巾(例えばJIS規格114mm±2)を安全に通せる巾のものとするのが良く、そして、縦寸法は、少なくともペーパー厚よりも大きければ良いとはいうものの、既設ロールホルダーに対し、最初に未使用の対象ロールペーパーをセットしてその端部を剥がし、当該繰出し窓から引き出す際の操作性を考慮して、できれば標準的な人の親指と人差し指とを重ねた外形寸法2cm前後のものとするのが望ましいと言え、さらに、後述する実施例にも示すように、蓋状壁部ないし上向きカッター部の左右幅を対象ロールペーパーの軸長より充分に大きく設定し、対象ロールペーパー用繰出し窓の左右幅を対象ロールペーパーの軸長と同じか、または僅かに長く設定されてなるものとするのが良いといえる。
そして、その繰出し窓に臨む該庇状湾曲隔壁部は、対象ロールペーパーの引き出し操作時の安全面からも、さらにはセット済対象ロールペーパーの残部端がわを引き出してゆき、上向きカッター部での切断操作に入るまでに引っ掛かり、破断してしまう不測の事態を回避するためにも、滑らかな加工を施したものとすべきであり、例えば、ロールペーパー用繰出し窓は、その開口上縁を水平状とし、同開口下縁を、左右端間中央で上下最大開口寸法とした概略円弧形状のものとしてなるものとすることができる
上向きカッター部は、繰出し窓を通して誘導、所望長に引き出した対象ロールペーパー繰り出し残端部がわを、望み通り円滑且つ確実に切り離す機能を担うもので、上記庇状湾曲隔壁部の垂れ下がり状となった下端縁前方所定位置に、当該庇状湾曲隔壁部下端縁に連続して一体的に形成し、そのままかやや狭めた巾で前方に略水平もしくはやや上向き水平状に屈曲して所定巾分延伸させた鍔壁部の先端縁から、上方に向けて屈曲され、立上壁部が立設され、その上端縁が上向きカッター部に形成されたものであり、該上向きカッター部の位置は、回転支軸(片支持軸)の高さ位置辺りと略同様の高さ位置かやや高めとなる位置に確保するようにすべきで、庇状湾曲隔壁部の垂れ下がり下端縁からその位置が決定されたものとするのが望ましい。
そして、上向きカッター部は、手で軽く触れても安全な程度の形状を呈するものであって、一般的な対象ロールペーパー用のカッター部と略同等の切断が可能なものとしなければならず、上向きカッター部が立上壁部の先端縁に一体化されたものとする外、別部品の刃物が装着されたものとすることもでき、それらは鋸刃型、直線状の刃型、曲面状の刃型など様々な形状のものとすることができ、充分な耐久性を確保できる素材製のもの、例えば金属製や合成樹脂製(例えば、シリコン樹脂製などの軟質合成樹脂製)などとすることができ、さらにまた、後述する実施例にも示してあるとおり、立上壁部の先端縁エッジ部分が上向きカッター部となるよう一体化成型、プレス成型または切削加工されるなどしてなるものとするのがよく、より具体的なものとして示すと、例えば、同繰出し窓が、その開口上縁を水平状とし、同開口下縁を、左右端間中央で上下最大開口寸法としたV字形状または円弧形状とすると共に、上向きカッター部のエッジ輪郭をV字形状または円弧形状のものとしてなるものとすることができる。
可撓機構は、上向きカッター部に、過大荷重が加わった場合に、同上向きカッター部を自動的に退避し、過大荷重が無くなると再び元の姿勢に復帰可能なものとする機能を担うものであり、セット済対象ロールペーパーの残部端がわを引き出し、上向きカッター部で切断操作可能とするに充分な強度をもって、同上向きカッター部を支持可能なものとし、且つ、それよりも過大な荷重や衝撃的な外力が加わった場合に、上向きカッター部を自動的に退避するよう動作するものとしなければならず、例えば、当該庇状湾曲隔壁部ないし上向きカッター部の少なくとも一箇所か、または、施蓋物と可撓刃物との間かの何れか一方に、バネやゴム、軟質合成樹脂などの各種弾性素材製や軟質素材製の可撓性部品類を介在させ、過大な荷重や衝撃的な外力が加わった場合に、上向きカッター部を自動的に退避するよう動作可能なものとすることができる外、後述する実施例にも示すように、庇状湾曲隔壁部の下端縁と、鍔壁部基端との間に、鍔壁部および上向きカッター部を複数の角度姿勢の中、適宜選択した何れか1つの角度姿勢に節度感をもって調節し、且つ過大な荷重が加わるまで選択調節角度姿勢のまま支持可能な姿勢チャンネル部を有してなるものとすることが可能であり、また、庇状湾曲隔壁部ないし上向きカッター部の少なくとも一箇所の左右端間にわたり連続する脆弱部を有するもの、より具体的には、庇状湾曲隔壁部ないし上向きカッター部の表面がわとなる少なくとも一箇所の左右端間にわたり、一直線状に連続する溝状薄肉脆弱部を有するもの、さらにまた、庇状湾曲隔壁部ないし上向きカッター部の裏面がわとなる少なくとも一箇所の左右端間にわたり、一直線状に連続する溝状薄肉脆弱部を有するもの、表現を変えて示すと、ロールペーパー用繰出し窓の左右外がわとなる庇状湾曲隔壁部を、応力集中脆弱部としたものなどとすることが可能である。
可塑性吊りハンドルは、この発明の可搬型ロールホルダーを運搬、移動および所望の吊り下げ対象に対して着脱自在に吊り下げ設置容易なものとする機能を担い、この発明の可搬型ロールホルダーの構成部品の中でも最も要となる部分であり、ホルダー本体の上壁適所に対して、対象ロールペーパーを保持したホルダー本体を吊り下げ保持可能な強度を有して一体化されたものとしなければならず、可塑性吊りハンドルの基端が、取付け金具類や、取付けバンド類などの装着用部品類を介して左右腕壁の各上壁に結合されたものとすることができる外、後述する実施例にも示すように、対象ロールペーパーが未装着の場合のホルダー本体の重心位置に対応する左右端、ないし、対象ロールペーパーが装着された場合のホルダー本体の重心位置に対応する左右端の前後間の適所に対応する該左右腕壁の各上壁に、棒状の左右独立型、および、ループ状の左右一体型の何れか一方とされたものとすべきであり、人の手による入力によって容易に変形可能な可塑性金属線製の軸体に軟質合成樹脂製の皮膜層が被覆され、棒状の左右独立型とされたものの場合には、該軸体の先端に保護キャップが装着されてなるものとするのがよく、該保護キャップは、フックや吊り環、吸盤、永久磁石などの吊り下げ機能を有する部品に置き換えることが可能である。
また、可塑性吊りハンドルは、例えば、塑性変形可能な銅製棒に合成樹脂製被膜層が被着されてなるものとしたり、アルミニウム合金製の蛇腹パイプからなるものとしたり、複数個の球状駒および凹面状駒が交互に接合されて棒状に連結され、各駒の中央を縦貫するよう内蔵されたバネやゴム紐、索条類などによって軸方向の牽引力が与えられ、隣接する駒同士間の摩擦力によって姿勢維持可能となるようにされた塑性状可撓体からなるものとしたりすることが可能である。
対象ロールペーパーは、ロール状に巻き取られたシート状、フィルム状、テープ状、薄膜状、箔状、チューブ状、連続する多数枚の袋状物など従前からの各種製品であって、この発明の可搬型ロールホルダーに回転自在に装着して、その端部がわを所望する長さ分だけ引き出して引き千切るよう切断し、各種用途に利用可能なものとすることができ、より具体的には、例えば、キッチンペーパー、アルミ箔、ロールウェス、ロール状樹脂袋、ロール状粘着テープなど、ロール紙に限定せず、ロール状に巻き取られたシート類であるということが可能であって、後述する実施例にも示すように、代表的にはトイレットペーパーを対象として略所定の形状のものに形成する一方、当該可搬型ロールホルダーは、それらの対象ロールペーパー類の形状および寸法に応じ、当該対象ロールペーパー類を装着・利用可能とするようにしたものとしなければならない。
以下では、図面に示すこの発明を代表する実施例と共に、その構造について詳述することとする。
図面は、この発明の可搬型ロールホルダーの技術的思想を具現化した代表的な幾つかの実施例を示すものである。
可搬型ロールホルダーを示す斜視図である。
可搬型ロールホルダーを示す斜視図である。
可搬型ロールホルダーを示す側面図である。
可搬型ロールホルダーを示す正面図である。
上向きカッター部を持たない可搬型ロールホルダーを示す側面図である。
上向きカッター部を持たない可搬型ロールホルダーを示す正面図である。
追加型カッターの装着状態を示す側面図である。
追加型カッターの装着状態を示す正面図である。
可撓機構を有する追加型カッターを断面化して示す側面図である。
可撓機構の動作を断面化して示す側面図である。
棒状左右独立型の可塑性吊りハンドルを示す斜視図である。
可搬型ロールホルダーの利用状態を示す斜視図である。
建築物壁面に設置される従来型のロールホルダーを示す斜視図である。
図1ないし図4に示す事例は、対象ロールペーパーRの左右端に対峙可能な間隔を隔てて対峙する左右腕壁3,3が、背壁4を介して一体化されたホルダー本体2を有し、該左右腕壁3,3の互いに対峙する対峙側壁30,30の中央付近間に、対象ロールペーパーRの回転の軸心を着脱および回転自在に支持可能なロールペーパー用装着機構60を有する回転支軸6が設けられ、該ホルダー本体2の上壁適所に対して、対象ロールペーパーRを保持したホルダー本体2を吊り下げ保持可能な強度を有する可塑性吊りハンドル8の基端が一体化されてなるものとした、この発明の可搬型ロールホルダーにおける代表的な一実施例を示すものである。
それら各図からも明確に把握できるとおり、この発明の可搬型ロールホルダー1は、回転の軸心が水平方向に向けられた対象ロールペーパーRの左右端に対峙可能な間隔を隔てて対峙する左右腕壁3,3が、背壁4を介して一体化されたホルダー本体2を有し、該左右腕壁3,3の背後がわ上端間に対して、蓋状壁部5の基端が、該蓋状壁部5の先端を上下揺動自在とする基端軸装部50を介して軸着されて、該蓋状壁部5は、同蓋状壁部5の先端から庇状湾曲隔壁部52を垂下し、該庇状湾曲隔壁部52の下端縁から同左右幅のまま前方に屈曲され、鍔壁部53を所定前後長分延伸された上、同鍔壁部53先端縁から上方に向け同左右幅の立上壁部54が立設され、該立上壁部54の上端縁に、軟質合成樹脂製の鋸刃状の上向きカッター部55を有すると共に、当該庇状湾曲隔壁部52には、対象ロールペーパーRの軸長に略相当する左右幅長の対象ロールペーパーR用繰出し窓56が開口されてなるものである。
該蓋状壁部5の庇状湾曲隔壁部52の下端縁と、上向きカッター部55との間に設けられた鍔壁部53の天面形状が、左右方向概略U字形の水平樋状に湾曲され、繰出し窓56から上向きカッター部55に掛けて残存される対象ロールペーパーRの操り出し残端部R0の把持スペースの確保用となる手指挿入用凹部53とされたものとしてある。
回転支軸6は、左右腕壁3,3の互いに対峙する対峙側壁30,30の中央付近に、左右一対の片支持軸6,6が、それら先端同士を、装着位置に配された場合の対象ロールペーパーRの中空円筒形軸内となる同一水平線上に対峙するよう、各片支持軸6,6の基端が設けられたものであって、ロールペーパー用装着機構60は、各片支持軸6,6の先端を下向き方向に付勢する弾性付勢部(図示せず)が設けられると共に、各片支持軸6,6の基端が、対峙側壁30,30の中央付近に対し、各片支持軸6,6の先端の上方回動の水平軸心回りに回動自在に軸着され、上方向の入力を受けて直立方向に姿勢変形自在とされたものとしてある、さらに、各片支持軸6,6の下側基端部付近には、対峙側壁30,30に係合可能な突起状となり、各片支持軸6,6の先端が下向きに倒れないよう規制するものとされた水平規制部61、61が設けられ、各片支持軸6,6が、対峙側壁30,30に対して水平姿勢に片持ち支持されたものとなっている。
そして、図3に示すように、ホルダー本体2の左右腕壁3,3の上壁であって、対象ロールペーパーRが未装着の場合のホルダー本体2の重心位置(同図3の背壁4寄りの破線矢印)に対応する左右端、ないし、対象ロールペーパーRが装着された場合のホルダー本体2の重心位置(同図3の片支持軸6下の破線矢印))に対応する左右端の前後間の適所(同図3の一点鎖線矢印に示す重心位置)に対応する位置には、銅線製や鉄線製の軸体80に軟質樹脂製の皮膜層81が被覆されてなる、門型(ループ状)の左右一体型とされ、右がわ基端から左がわ基端までの全長が、30cmないし40cm、より具体的には約36cmに設定された可塑性吊りハンドル8の基端が夫々植設状に一体化されてなるものとなっている。
(実施例1の作用・効果)
以上のとおりの構成からなるこの発明の可搬型ロールホルダー1は、図4に示してあるように、片手で可塑性吊りハンドル8を把持してホルダー本体2を空中に吊り下げるよう保持し、回転の軸心が水平(左右)方向に向けられた姿勢となるよう、対象ロールペーパーRを別の片手で把持し、ホルダー本体2の左右腕壁3,3間の下方から、同左右腕壁3,3間まで上方に向けて上昇させながら、同対象ロールペーパーRの軸心上の外周壁が、左右一対の片支持軸6,6の各先端がわを押し退けるようにして、同対象ロールペーパーRが装着される位置まで移動すると、該片支持軸6,6の各先端がわが、ロールペーパー用装着機構60の左右各弾性付勢部(図示せず)の弾性復元力によって同対象ロールペーパーRの円筒形空洞状の軸心内まで上昇され、左右の水平規制部61,61が、左右の片支持軸6,6を水平姿勢に支持するよう規制し、同対象ロールペーパーRが、水平姿勢且つ回転自在に支持されることとなる。
そして、図1ないし図3に示すとおり、左右の片支持軸6,6に回転自在に保持された対象ロールペーパーRから繰り出した端部R0は、同図3の二点矢印に示すように、蓋状壁部5の繰出し窓76から、上向きカッター部55上を超えて引き出し、使用する長さを引き出した上、切断目標箇所を、片手で該上向きカッター部55上に一致させ、同図3中の実線矢印および図4に示すように、対象ロールペーパーRの繰り出し端部R0がわの中途箇所を上向きカッター部55の左端か右端かの何れか一方がわから、左右何れか反対がわまで次第に引き裂くよう引き降ろし操作して簡単に切断することができ、図3に示すように、この裁断のときに、庇状湾曲隔壁部52が、対象ロールペーパーRの上部外周壁を下向きに抑え込む力が発生、対象ロールペーパーRが、勝手に回転して繰り出されてしまうのを確実に阻止するものとなり、対象ロールペーパーRの裁断後は、同対象ロールペーパーRの操り出し残端部R0は、繰出し窓76から、上向きカッター部55上まで残存することとなり、次回使用する場合には、該繰出し窓76から、上向きカッター部55上まで掛け渡されるように残存する操り出し残端部R0を把持して、繰り出しおよび裁断するよう操作することができるから、同対象ロールペーパーRの装着、および、繰り出し裁断までの全てを片手で行うことができる。
また、上向きカッター部55が、軟質合成樹脂製の鋸刃状のものとしてあるから、人や他物などが不用意に接触してしまった際にも、その柔軟性によって刃先が軟らかく変形して、被害の発生を未然に防止できる上、鋸刃状の形状としてあるから、軟質な素材であっても充分に対象ロールペーパーRを裁断できる耐久性を有するものとなる。
加えて、図3に示すように、可塑性吊りハンドル8の対象ロールペーパーRが未装着の場合のホルダー本体2の重心位置(同図3中の背壁4寄りの破線矢印)に対応する左右端、ないし、対象ロールペーパーRが装着された場合のホルダー本体2の重心位置(同図3中の片支持軸6下の破線矢印)に対応する左右端の前後間の適所(同図3中の一点鎖線矢印)に対応する該左右腕壁3,3の各上壁に、可塑性吊りハンドル8の各基端が夫々植設状に一体化されたものとしてあるから、該可塑性吊りハンドル8を利用した吊り下げ姿勢の安定性、および、対象ロールペーパーRの繰り出し、裁断操作性を高めることができ、例えば、片手に該可塑性吊りハンドル8を把持して、当該可搬型ロールホルダー1を手提げ保持したまま、もう片方の別の手で該対象ロールペーパーRを繰り出し、裁断操作することができるものとなり、さらに、図12に示すように、医療用のベッド9の転落防止用のフェンス90などの適所に該可塑性吊りハンドル8を巻き付け、簡便に吊り下げ設置して利用することが可能となる。
図5および図6に示される可搬型ロールホルダー1は、前記実施例1の図1ないし図4に示した可搬型ロールホルダー1の、可塑性吊りハンドル8は、そのままに、蓋状壁部5のみを従来型のものとされたものであり、こうした従来型の蓋状壁部5を有する可搬型ロールホルダー1は、図7および図8に示すように、追加型カッター7を既存の蓋状壁部5の天面上に、接着層70を介して積層状に固着されたものとすることが可能であり、該追加型カッター7は、該蓋状壁部の天面上に積層状に固着可能な接着層70を介して着脱自在とされた追加型蓋状壁部71を有し、該追加型蓋状壁部71の先端から庇状湾曲隔壁部72を垂下し、該庇状湾曲隔壁部72の下端縁から同左右幅のまま前方に屈曲され、鍔壁部73を所定前後長分延伸された上、同鍔壁部73先端縁から上方に向け同左右幅の立上壁部74が立設され、該立上壁部74の上端縁に、軟質合成樹脂製の鋸刃状の上向きカッター部75を有すると共に、当該庇状湾曲隔壁部72には、対象ロールペーパーRの軸長に略相当する左右幅長の対象ロールペーパーR用繰出し窓76が開口されており、該鍔壁部73の天面形状が、左右方向概略U字形の水平樋状に湾曲され、該繰出し窓76から該上向きカッター部75に掛けて残存される対象ロールペーパーRの操り出し残端部R0の把持スペースの確保用となる手指挿入用凹部73とされたものとしてある。
図9および図10に示すように、追加型カッター7は、庇状湾曲隔壁部72ないし上向きカッター部75の適所に、上向きカッター部75に、過大荷重が加わった場合に自動的に退避し、過大荷重が無くなると再び元の姿勢に復帰可能な可撓機構77が設けられたものとすることが可能であり、前記実施例1の図1ないし図4に示した、ホルダー本体2に始めから一体に設けられた蓋状壁部5の、庇状湾曲隔壁部52ないし上向きカッター部55の適所にも、同様の可撓機構77が設けられたものとすることができ、該可撓機構77は、例えば、庇状湾曲隔壁部72左右端に設けられた補強リブ間に、鍔壁部73ないし上向きカッター部75の退避部一体化部品(73,74,75)の基部が、上向きカッター部75を上下回動自在とするよう軸着され、該左右補強リブの対峙壁適所には、内向きの係合突起78,78が突設され、該退避部一体化部品(73,74,75)が、各係合突起78,78を弾性的に乗り越え、上方に回動されると、図9に示されるように、上向きカッター部75が使用状態の姿勢に維持され、対象ロールペーパーRを裁断するに充分な強度をもって支持するものとなり、図10の実線矢印のように、上向きカッター部75に下向きの過大荷重が加わった場合には、該退避部一体化部品(73,74,75)が、各係合突起78,78を弾性的に乗り越えて、上向きカッター部75が下向き姿勢に変化可能なものとなっている。
(実施例2の作用・効果)
この発明の可搬型ロールホルダー1は、図5および図6のとおり、従来型のホルダー本体2に対し、前述の実施例1の図1ないし図4にも示してあるように、重量バランスを考慮した位置に可塑性吊りハンドル8が設けられたものとされていることから、前述の実施例1の可搬型ロールホルダー1と同様に、バランス良く持ち運びできる上、適所に吊り下げて円滑に利用することができるものとなり、さらに、図7および図8の白抜き矢印に示すように、ホルダー本体2に設けられた従来型の蓋状壁部5の天面上に、接着層70を介して追加型カッター7が積層状に一体化されたものとすることにより、片手のみによる対象ロールペーパーRの繰り出しおよび裁断操作を簡便且つ確実に行うことができるものとなる。
加えて、図9および図10に示すように、撓機構77を有した蓋状壁部5や追加型カッター7は、何れも、上向きカッター部55(,75)に対象ロールペーパーRの裁断よりも過大な下向きの荷重が加わったときに、退避部一体化部品(73,74,75)が自動的に下向きに退避するから、不用意な接触による人や他物への被害を未然に防止することができると共に、簡単に元の形状に復帰させて、再度、利用を開始することができるといる。
図11に示す事例は、前記実施例1の図1ないし図4に示した可搬型ロールホルダー1の可塑性吊りハンドル8を、棒状の左右独立型の可塑性吊りハンドル8,8に置き換えられたものであり、可塑性吊りハンドル8,8は、可塑性および可撓性を有する銅線、鉄線などの金属線からなり、基端から先端まで20cmないし30cm、より具体的には、約25cmの長さに設定された軸体80に対して、軟質合成樹脂製の皮膜層81が被覆されると共に、該軸体80の先端には、合成樹脂製の球形保護キャップ82が装着されたものとしてある。
(実施例3の作用・効果)
この発明の可搬型ロールホルダー1は、図11に示すように、棒状の左右独立型の可塑性吊りハンドル8,8を有するから、同図11のように、左右の可塑性吊りハンドル8,8の先端がわを束ねるように折り曲げると、概略門型のハンドルとすることができる上、左右夫々の可塑性吊りハンドル8,8を、夫々別の家具などに跨ぐように吊り下げたり、夫々をフック状に折り曲げて引っ掛けて吊り下げたりすることができ、設置自由度をより一層高めたものとすることができ、また、各可塑性吊りハンドル8,8先端の保護キャップ82,82が、左右の可塑性吊りハンドル8,8の先端から、内部の軸体80が露出するのを防止して、劣化や破損を防止できると共に、人や他物に接触した際にも、衝撃を緩衝し、格段に安全性を高めたものとすることができる。
(結 び)
叙述の如く、この発明の可搬型ロールホルダーは、その新規な構成によって所期の目的を遍く達成可能とするものであり、しかも製造も容易で、従前からの搬送可能なロールペーパー用ホルダーに必要とされていた、設置用のテーブルや、吊り金具および吊り紐などを一切不要とすることができ、可塑性吊りハンドルを設けたから、自立型のものに比較して構造を大幅に簡素化し、それに伴い格段に軽量化して遙かに経済的なものとすることができる上、運搬および設置を一層、簡便に行えるものとなり、従前までは、必要箇所の夫々に個別に設置したり、ロールホルダーを苦労して持ち運び、設置しなければならなかったが、こうした煩わしさや、経済的負担などを解消するものとなり、各種ロールペーパー類の製造業界およびロールホルダーの製造業界はもとより、各種ロールペーパーやロールホルダーなどを販売するホームセンター業界やスパーマーケット業界およびドラッグストア業界などにおいても高く評価され、広範に渡って利用、普及していくものになると予想される。
1 可搬型ロールホルダー
2 ホルダー本体
3 左右腕壁
30 同 対峙側壁
4 背壁
5 蓋状壁部
50 同 基端軸装部
51 同 カッター部
52 同 庇状湾曲隔壁部
53 同 鍔壁部(手指挿入用凹部)
54 同 立上壁部
55 同 上向きカッター部
56 同 繰出し窓
6 片支持軸
60 同 ロールペーパー用装着機構
61 同 水平規制部
7 追加型カッター
70 同 接着層
71 同 追加型蓋状壁部
72 同 庇状湾曲隔壁部
73 同 鍔壁部(手指挿入用凹部)
74 同 立上壁部
75 同 上向きカッター部
76 同 繰出し窓
77 同 可撓機構
78 同 係合突起
8 可塑性吊りハンドル
80 同 軸体
81 同 皮膜層
82 同 保護キャップ
9 ベッド
90 同 転落防止のフェンス
R 対象ロールペーパー
R0 同 引き出した部分(操り出し残端部)
A ホルダー本体
A0 同 背壁
A1 同 左右腕壁
A2 同 装着軸
B 上蓋
B0 同 基端
B1 同 遊端縁
B2 同 カッター部
この発明は、ロール型シート状製品を保持するロールホルダーに関連するものであって、特に、容易に持ち運び、適所に簡便に設置可能なものとされたロールホルダーを製造、提供する分野は勿論のこと、その輸送、保管、組み立ておよび設置に必要となる設備、器具類を提供、販売する分野から、それら資材や機械装置、部品類に必要となる素材、例えば、木材、石材、各種繊維類、プラスチック、各種金属材料等を提供する分野、それらに組み込まれる電子部品やそれらを集積した制御関連機器の分野、各種計測器の分野、当該設備、器具を動かす動力機械の分野、そのエネルギーとなる電力やエネルギー源である電気、オイルの分野といった一般的に産業機械と総称されている分野、更には、それら設備、器具類を試験、研究したり、それらの展示、販売、輸出入に係わる分野、将又、それらの使用の結果やそれを造るための設備、器具類の運転に伴って発生するゴミ屑の回収、運搬等に係わる分野、それらゴミ屑を効率的に再利用するリサイクル分野などの外、現時点で想定できない新たな分野までと、関連しない技術分野はない程である。
(着目点)
一般的なロールホルダーは、例えば、図13に示すように、建築物室内の壁面適所に木ネジなどで完全に固着された状態に設置可能とされた背壁A0の左右端から左右腕壁A1,A1が夫々前方に突出するよう延伸されてなるホルダー本体Aかなり、該左右腕壁A1,A1間に、対象ロールペーパーRの筒状芯部分を水平状且つ回転自在に軸支可能な装着軸A2と、同装着軸A2に装着した対象ロールペーパーRの上がわを開閉自在に覆うよう、該ホルダー本体Aに基端B0が軸着された曲面板状体であって、その遊端縁B1に、引き出した対象ロールペーパーRの中途部分を裁断可能なカッター部B2が形成されてなる上蓋Bとを有するようにしたものであり、利用に際しては、該上蓋Bで対象ロールペーパーRの外周面を上方から下向きに抑え込み、同上蓋Bのカッター部B2を境に、対象ロールペーパーRの引き出した部分R0を引き上げるようにして裁断する構造のものが殆どであった。
こうした一般的なロールホルダーAは、例えば、トイレで使用されるトイレットペーパーRを保持するものは、トイレ室内の利用し易い高さの壁面適所に固着されるものとなっていて、設置場所から工具を使用すること無く、それ以外の場所へ移動および設置するのが困難なものとなっており、例えば、トイレットペーパーRをティッシュペーパーなどのように、リビングルームや病院の病室内などで利用しようとした場合には、対象ロールペーパーRの筒状軸心に紐や針金などを通して吊り下げたりして利用せざるを得ず、見栄えが悪いだけでなく、対象ロールペーパーRを引き出して裁断する際に、カッターが無いため、両手で掴んで引き千切るようにしなければ裁断できず、対象ロールペーパーRの破断端も見栄えが悪くなってしまうという欠点があった。
(従来の技術)
こうした状況を反映し、その打開策となるような提案も、これまでに散見されない訳ではない。
例えば、下記の特許文献1(1)に提案されているものに代表されるように、基台の上面に一方向に起伏自在で、かつ伸縮自在のポールが取付けられ、該ポール取付け位置の近くに設けられた球面軸受けによって支え棒が基台上面の全方向に旋回可能に配置され、ポールの起立状態で巻取りロール体を支持すると共に、支え棒の先端を巻取りロールの表面に接触させて切取端の剥離や垂れ下がりを防止し、ポールの上端近くには吊り下げ用フックまたはSカンの挿通孔が設けられ、基台の裏面に、磁石が固着されたことで金属製厨房台や家具類への設置を容易にし、また、不使用時には、ポールと支え棒とを同方向に倒すことによりホルダー全体を薄形に折り畳んで収納し易いものとした巻取りロール体のホルダーがある。
また、同特許文献1(2)に見られるような、ロールペーパーを、芯を横にして回転自在に保持するホルダー部材と、このホルダー部材を支持する支持部材とから形成され、この支持部材が、設置用のベース部と、このベース部から立ち上げる起立部とから形成され、この起立部に、上記のホルダー部材を設けた上、該ホルダー部材の左右上側部間には、持ち運び用の取っ手が掛け渡し状に設けられてなる卓上用ロールペーパーホルダーや、同特許文献1(3)に示されているような、厚紙などの板材に切り込みを入れたものであって、ロールペーパーの中空軸の両端に挿入してこれを保持するための先端部が相互に対向したL字形および逆L字形の一対の保持部と、埃よけを兼ね、下縁がペッパー切断部となり、頂辺に吊り仕上げ辺を備えた前面板と、同じく埃よけ用の背面板とより成り、各部片が、相互に相補形をなすと共に、夫々の頂辺が互いに接続した一体のものとしてなり、折り目から折り曲げられると、背面板、前面板、および左右L字形保持部が現れ、該前面板の左右間頂部に、吊下げ片が突起するものとされてなるロールペーパーホルダーなどが散見される。
しかし、前者特許文献1(1)に示されているような巻取りロール体のホルダーなどは、ロールペーパーから繰り出された端部がわを綺麗に切断するためのカッターを備えておらず、また、ロールペーパーを切断する際には、一方の手でロールペーパーの回転を止めたり、残そうとするがわのロールペーパーを確実に把持するなどして、切断する端部がわを他方の手で引き裂くように操作しなければならず、さらに、該ホルダーを持ち運ぶ際には、取っ手部分が無く、不便である上、適所に吊り下げて使用する場合には、ルックやSカン、その他の吊り金具類や吊り紐類を必須とするもので不便なものであったし、また、特許文献1(2)の卓上用ロールペーパーホルダーなどは、持ち運んで机上などに立てて利用するのに非常に便利なものであるが、例えば、病院のベッドや介護用のポータブルトイレなどのように、トイレットペーパーなどを据え置く場所を確保出来ない場合などには、取り付けるのが難しく、例えば、取っ手部分をフックなどに吊して設置する場合には、取っ手が硬質素材製のもののため、左右のバランスを保つのが難しく、左右何れか一方に傾いた状態に吊り下がり、ロールペーパーの引き出し操作がし難くなってしまうことが懸念されるものとであり、また、取っ手部分などを紐などで縛り着けた場合には、不用意に紐が解けてしまい、落下してしまう虞がある上、持ち運びの毎に紐を解かなければ取り外しできないなど利便性に欠けるものであり、そして、特許文献1(3)に代表するロールペーパーホルダーなども、所望の位置に吊り下げて利用する場合には、吊り下げ対象となる箇所にフックを取り付けたり、紐などで結び付けたりしなければならず、やはり実用性には欠けていた。
(1)特開2005−270254号公報 (2)実用新案登録第3157471号公報 (3)実公平2−23197号公報
(問題意識)
上述したとおり、従前までに提案のある各種ロールペーパーホルダー類は、何れも病院のベッドや介護用のポータブルトイレなどのように、トイレットペーパーなどを据え置く場所を確保出来ない場所などに簡易的に設置したり、利用者の移動に伴って簡便に設置場所を移動したりするのが難しく、対象ロールペーパーの必要となる場所毎に、ロールペーパー用のホルダーを個別に設置したり、予め各利用場所毎にフックなどを設けて置き、持ち運んだロールペーパー用のホルダーをフックなどに吊り下げて利用できるようにしたり、ロールペーパー用のホルダーの括り紐を設け、持ち運んだ先の適所に該括り紐で括り付けて吊り下げ、利用可能なものとするなどの工夫が必要になり、前述のように設置箇所毎にロールペーパー用のホルダーを個別に準備するのは経済的負担が大きく、ロールペーパーの管理が煩雑なものとなり、また、設置箇所毎にフックを設けるのも経済的負担が大きく、ロールペーパー用のホルダーに括り紐を設けるものは、紐が不用意に解けないように結ぶのに手間が掛かり、また、きつく縛った紐を解くのにも手間が掛かるなどといった利便性の面で大いに課題を残すものとなっており、運搬と移動および設置を容易にする構造について、更に改善された新たなロールペーパー用のホルダーの開発の可能性を痛感するに至ったものである。
(発明の目的)
そこで、この発明は、既存のロールペーパーホルダーの機能性を活かしつつ、複数の利用場所間を容易に搬送することができ、しかもフック金具類や吊り紐などを一切不要とし、簡便に吊り下げ設置可能となる新たなロールペーパー用のホルダー技術の開発はできないものかとの判断から、逸速くその開発、研究に着手し、長期に渡る試行錯誤と幾多の試作、実験とを繰り返してきた結果、今回、遂に新規な構造の可搬型ロールホルダーを実現化することに成功したものであり、以下では、図面に示すこの発明を代表する実施例と共に、その構成を詳述することとする。
(発明の構成)
図面に示すこの発明を代表する実施例からも明確に理解されるように、この発明の可搬型ロールホルダーは、基本的に次のような構成から成り立っている。
即ち、
回転の軸心が水平方向に向けられた対象ロールペーパーの左右端に対峙可能な間隔を隔てて対峙する左右腕壁が、対象ロールペーパーの引き出し口となる前壁を除く、天壁、背壁および底壁の少なくとも何れか一つを介して一体化されたホルダー本体を有し、該左右腕壁の背後がわ上端間に対し、先端にカッター部が設けられた蓋状壁部の基端が、該蓋状壁部の先端を上下揺動自在とする基端軸装部を介して軸着され、同蓋状壁部先端から庇状湾曲隔壁部を垂下し、該庇状湾曲隔壁部の下端縁から同左右幅のまま前方に屈曲され、鍔壁部を所定前後長分延伸された上、同鍔壁部先端縁から上方に向け同左右幅の立上壁部が立設され、該立上壁部の上端縁に、軟質合成樹脂製の鋸刃状の上向きカッター部を有すると共に、当該庇状湾曲隔壁部ないし上向きカッター部の少なくとも一部に、上向きカッター部に過大荷重が加わった場合に自動的に退避し、過大荷重が無くなると再び元の姿勢に復帰可能な可撓機構が設けられ、当該庇状湾曲隔壁部には、対象ロールペーパーの軸長に略相当する左右幅長の対象ロールペーパー用繰出し窓が開口され、該左右腕壁の互いに対峙する対峙側壁の中央付近に、先端を下向き方向に付勢する弾性付勢部が設けられるか、または、自重によって先端が下向きに付勢されるかの少なくとも何れか一方とするよう、基端が水平軸心回りに回動自在に軸着され、上方向の入力を受けて直立方向に姿勢変形自在とされたロールペーパー用装着機構を有し、且つ、先端が下向きに倒れないよう規制する水平規制部を有して水平姿勢に片持ち支持され左右で一対となる片支持軸が設けられ、対象ロールペーパーが未装着の場合のホルダー本体の重心位置に対応する左右端、ないし、対象ロールペーパーが装着された場合のホルダー本体の重心位置に対応する左右端の前後間に対応する該左右腕壁の各上壁に、棒状の左右独立型か、ループ状の左右一体型かの何れか一方とされた可塑性吊りハンドルの基端が夫々植設状に一体化されてなるものとした構成を要旨とする可搬型ロールホルダーである。
この基本的な構成からなる可搬型ロールホルダーは、その表現を変えて示すと、回転の軸心が水平方向に向けられた対象ロールペーパーの左右端に対峙可能な間隔を隔てて対峙する左右腕壁が、対象ロールペーパーの引き出し口となる前壁を除く、天壁、背壁および底壁の少なくとも何れか一つを介して一体化されたホルダー本体を有し、該左右腕壁の背後がわ上端間に対し、先端にカッター部が設けられた蓋状壁部の基端が、該蓋状壁部の先端を上下揺動自在とする基端軸装部を介して軸着され、該蓋状壁部が、同蓋状壁部の天面に対し、該蓋状壁部の天面上に積層状に固着可能な接着層を介して着脱自在とされた追加型蓋状壁部を有し、該追加型蓋状壁部の先端から庇状湾曲隔壁部を垂下し、該庇状湾曲隔壁部の下端縁から同左右幅のまま前方に屈曲され、鍔壁部を所定前後長分延伸された上、同鍔壁部先端縁から上方に向け同左右幅の立上壁部が立設され、該立上壁部の上端縁に、軟質合成樹脂製の鋸刃状の上向きカッター部を有すると共に、当該庇状湾曲隔壁部ないし上向きカッター部の少なくとも一部に、上向きカッター部に過大荷重が加わった場合に自動的に退避し、過大荷重が無くなると再び元の姿勢に復帰可能な可撓機構が設けられ、当該庇状湾曲隔壁部には、対象ロールペーパーの軸長に略相当する左右幅長の対象ロールペーパー用繰出し窓が開口されてなる追加型カッターが、該追加型蓋状壁部の接着層を介して積層状に一体化され、該左右腕壁の互いに対峙する対峙側壁の中央付近に、先端を下向き方向に付勢する弾性付勢部が設けられるか、または、自重によって先端が下向きに付勢されるかの少なくとも何れか一方とするよう、基端が水平軸心回りに回動自在に軸着され、上方向の入力を受けて直立方向に姿勢変形自在とされたロールペーパー用装着機構を有し、且つ、先端が下向きに倒れないよう規制する水平規制部を有して水平姿勢に片持ち支持され左右で一対となる片支持軸が設けられ、対象ロールペーパーが未装着の場合のホルダー本体の重心位置に対応する左右端、ないし、対象ロールペーパーが装着された場合のホルダー本体の重心位置に対応する左右端の前後間に対応する該左右腕壁の各上壁に、棒状の左右独立型か、ループ状の左右一体型かの何れか一方とされた可塑性吊りハンドルの基端が夫々植設状に一体化されてなるものとした構成からなる可搬型ロールホルダーとなる。
以上のとおり、この発明の可搬型ロールホルダーによれば、従前までのものとは違い、上記したとおりの固有の特徴ある構成から、可塑性吊りハンドルを把持して手に提げ、容易に運搬、移動することができる上、可塑性吊りハンドルを変形するよう操作し、所望の形状に塑性変形することによって、従前までであれば、所望の位置に設置するのに、載置するためのテーブル類を必要としたり、吊り下げ用のフック金具類や吊り紐などを要するものであったが、載置用のテーブルなどを必要とせず、また、吊り下げ用の別部品類も要さずに、収納家具の取っ手部分や、ベッドサイドの転落防止用フェンスの適所など、様々な箇所に簡便に吊り下げて利用することができるものとなり、特に、棒状の左右独立型の可塑性吊りハンドルの場合には、互いの先端がわを折り重ねるように折曲すると、手提げ用のハンドルとなり、該左右独立型の棒状可塑性吊りハンドルを、家具類の適所に巻き付けたり、鈎状に折曲して吊り下げたりすることが可能となり、また、ループ状の左右一体型の可塑性吊りハンドルの場合には、そのまま既存のフック状金具類に吊り下げたり、ループ形状のホルダー本体から最も離れたがわとなる範囲を下向きに折り曲げるなどして、家具のフレームなどに吊り下げて設置したりすることができるようになるという秀でた特徴が得られるものである。
加えて、可塑性吊りハンドルが、対象ロールペーパーが未装着の場合のホルダー本体の重心位置に対応する左右端、ないし、対象ロールペーパーが装着された場合のホルダー本体の重心位置に対応する左右端の前後間に対応する該左右腕壁の各上壁に、植設状に一体化されてなるものとすることにより、対象ロールペーパーの装着、未装着に拘わらず、何れの状態にあっても、可塑性吊りハンドルを把持して手に提げると、ホルダー本体が大きく傾くことなく安定した姿勢のまま持ち運ぶことができ、しかも可塑性吊りハンドルを塑性変形させるなどして、適所に吊り下げ設置する場合にも、背壁の保持など考慮せずとも、正常姿勢を自動的に保持するものとなるから、特に、ロールペーパー用装着機構を有する左右一対となる片支持軸が設けられたものによれば、対象ロールペーパーの装着操作を片手で簡単に行うことができ、可塑性吊りハンドルによる吊り下げ保持のバランスの良さによって、対象ロールペーパーの回転、繰り出し操作も片手で簡便に行うことができるものになるという効果を奏する。
そして、蓋状壁部が、同蓋状壁部先端から庇状湾曲隔壁部を垂下し、該庇状湾曲隔壁部の下端縁から同左右幅のまま前方に屈曲され、鍔壁部を所定前後長分延伸された上、同鍔壁部先端縁から上方に向け同左右幅の立上壁部が立設され、該立上壁部の上端縁に、軟質合成樹脂製の鋸刃状の上向きカッター部を有すると共に、当該庇状湾曲隔壁部には、対象ロールペーパーの軸長に略相当する左右幅長の対象ロールペーパー用繰出し窓が開口されてなるものや、同様の形状の追加型カッターが装着されたものによれば、対象ロールペーパーの引き出し操作、および、裁断操作まで全て片手で行うことができるようになり、健常者は勿論のこと、怪我や身体に障害をもつ利用者にも簡単に利用できるものになるという利点が得られる。
さらに、庇状湾曲隔壁部、鍔壁部および上向きカッター部を有する蓋状壁部の、該庇状湾曲隔壁部ないし上向きカッター部の少なくとも一部に、可撓機構が設けられたもの、または、可撓機構が設けられた追加型カッターが装着されたものによれば、この発明の可搬型ロールホルダーを利用中に、不用意に上向きカッター部に強い力で接触してしまった場合にも、上向きカッター部が自動的に退避するから、利用者の安全性を格段に高めることができる上、蓋状壁部および追加型カッターの破損をより確実に防止することができるものになる。
また、蓋状壁部、または、追加型カッターが追加されたものの場合には追加型カッターの何れか一方の鍔壁部の天面形状が、左右方向概略U字形の水平樋状に湾曲され、手指挿入用凹部とされたものは、繰出し窓から繰り出した対象ロールペーパーの繰り出した中途適所部分(裁断目標箇所)を上向きカッター部に押し当てるように、繰り出し端部がわを引き下げるように操作して裁断すると、該繰出し窓から上向きカッター部に掛けて対象ロールペーパーの操り出し残端部が掛け渡し状に残ることとなり、次回使用する際には、
繰出し窓から上向きカッター部に掛けて掛け渡し状に残された対象ロールペーパーの操り出し残端部を、該手指挿入用凹部上に手指を挿入して、より簡単、確実に掴む事ができるものとなり、可搬型ロールホルダーの使い勝手を一段と高めたものとすることができる。
可塑性吊りハンドルが、人の手による入力によって容易に変形可能な可塑性金属線製の軸体に軟質合成樹脂製の皮膜層が被覆され、棒状の左右独立型とされたものの場合には、該軸体の先端に保護キャップが装着されてなるものとすることにより、可塑性吊りハンドルの構造を簡素化し、より軽量且つ経済的に製造可能とし、保護キャップが、軸体の端部が外部に露出するのを防止し、他物などへの接触の緩衝や引っ掛かりを防止し、より安全性に優れたものとすることができる。
上記したとおりの構成からなる、この発明の実施に際し、その最良もしくは望ましい形態について説明を加えることにする。
ホルダー本体は、この発明の可搬型ロールホルダーの本体となり、回転の軸心が水平方向に向けられた対象ロールペーパーの左右端に対峙可能な間隔を隔てて左右腕壁を対峙するよう保持可能とする機能を担い、該ホルダー本体の上壁に対して、対象ロールペーパーを保持したホルダー本体を吊り下げ保持可能な強度を有する可塑性吊りハンドルの基端が一体化されてなるものとしなければならず、左右腕壁が、対象ロールペーパーの引き出し口となる前壁を除く、天壁、背壁および底壁の少なくとも何れか一つを介して一体化されたものとすべきであり、該左右腕壁の背後がわ上端間に対して、先端にカッター部が設けられた蓋状壁部の基端が、該蓋状壁部の先端を上下揺動自在とする基端軸装部を介して軸着されたものとするのが良い。
左右腕壁は、ホルダー本体に対して対象ロールペーパーの回転の軸心を着脱および回転自在に支持可能とすると共に、同ホルダー本体に対して可塑性吊りハンドルを一体化可能とする機能を担うものであり、回転の軸心が水平方向に向けられた対象ロールペーパーの左右端に対峙可能な間隔を隔てて対峙するよう、互いに対峙する対峙側壁の中央付近間に、対象ロールペーパーの回転の軸心を着脱および回転自在に支持可能なロールペーパー用装着機構を有する回転支軸が設けられたものとし、上壁に対して、対象ロールペーパーを保持したホルダー本体を吊り下げ保持可能な強度を有する可塑性吊りハンドルの基端が一体化されてなるものとしなければならず、対象ロールペーパーの引き出し口となる前壁を除く、天壁、背壁および底壁の少なくとも何れか一つを介して一体化されたものとすべきであり、該左右腕壁の背後がわ上端間に対して、先端にカッター部が設けられた蓋状壁部の基端が、該蓋状壁部の先端を上下揺動自在とする基端軸装部を介して軸着されたものとするのが良い。
背壁は、回転の軸心が水平方向に向けられた対象ロールペーパーの左右端に対峙可能な間隔を隔てて対峙する左右腕壁を一体化し、ホルダー本体となるよう連結する機能を担っており、対象ロールペーパーを安全に保持可能とする充分な強度をもって左右腕壁を一体に連結可能なものとしなければならず、必要に応じて建築物の壁面などへの取付けネジ装着用となる複数の取付け孔が厚み方向に貫通するよう穿設されたものとすることが可能であり、壁板形状の外、連結棒や連結枠、連結柵などの様々な形状のものとすることが可能である。
回転支軸は、左右腕壁間に対して回転の軸心が水平方向に向けられた対象ロールペーパーを、回転自在且つ着脱自在に装着可能とする機能を担い、ロールペーパー用装着機構を有するものとしなければならず、例えば、左右腕壁の対峙側壁の中央付近に凹欠状の軸受け穴が設けられ、該左右一対の軸受け穴間に、水平軸心方向の中途部に弾性的に圧縮可能な圧縮バネが同心上に内蔵され、軸方向に向けて弾性的に延伸する伸縮軸が、左右間弾性突っ張り状、着脱自在に装着された回転支軸とされ、対象ロールペーパーの円筒空洞状の軸心に装着され、該対象ロールペーパーを、左右腕壁間に対して回転自在、着脱自在に装着可能なものとすることができる外、後述する実施例にも示すように、左右腕壁の互いに対峙する対峙側壁の中央付近に、先端を下向き方向に付勢する弾性付勢部が設けられるか、または、自重によって先端が下向きに付勢されるかの少なくとも何れか一方とするよう、基端が水平軸心回りに回動自在に軸着され、上方向の入力を受けて直立方向に姿勢変形自在とされたロールペーパー用装着機構を有し、且つ、先端が下向きに倒れないよう規制する水平規制部を有して水平姿勢に片持ち支持され左右で一対となる片支持軸が設けられたものとすることができる。
蓋状壁部は、ホルダー本体の左右腕壁間に、回転の軸心が水平方向に向けられた姿勢に回転自在に保持された対象ロールペーパーの上部を保護するよう覆い、対象ロールペーパーから繰り出した先端がわ操る出し部分の中途適所を、裁断可能なカッター部を所望位置に所望姿勢を維持するよう一体的に支持する機能を担うものであり、該左右腕壁の背後がわ上端間に対して、先端にカッター部が設けられた該蓋状壁部の基端が、同蓋状壁部の先端を上下揺動自在とする基端軸装部を介して軸着されたものとしなければならず、後述する実施例にも示しているとおり、蓋状壁部先端から庇状湾曲隔壁部を垂下し、該庇状湾曲隔壁部の下端縁から同左右幅のまま前方に屈曲され、鍔壁部を所定前後長分延伸された上、同鍔壁部先端縁から上方に向け同左右幅の立上壁部が立設され、該立上壁部の上端縁に、軟質合成樹脂製の鋸刃状の上向きカッター部を有すると共に、当該庇状湾曲隔壁部には、対象ロールペーパーの軸長に略相当する左右幅長の対象ロールペーパー用繰出し窓が開口されてなる物とするのが望ましく、また、蓋状壁部の天面に対し、該蓋状壁部の天面上に積層状に固着可能な接着層を介して着脱自在とされた追加型蓋状壁部を有し、該追加型蓋状壁部の先端から庇状湾曲隔壁部を垂下し、該庇状湾曲隔壁部の下端縁から同左右幅のまま前方に屈曲され、鍔壁部を所定前後長分延伸された上、同鍔壁部先端縁から上方に向け同左右幅の立上壁部が立設され、該立上壁部の上端縁に、軟質合成樹脂製の鋸刃状の上向きカッター部を有すると共に、当該庇状湾曲隔壁部には、対象ロールペーパーの軸長に略相当する左右幅長の対象ロールペーパー用繰出し窓が開口されてなる追加型カッターが、該追加型蓋状壁部の接着層を介して積層状に一体化されてなるものとすることが可能である。
追加型蓋状壁部の接着層は、ホルダー本体の蓋状壁部に対して追加型カッターを積層状に一体化可能とする機能を担うものであり、追加型カッターの追加型蓋状壁部の下面に片面を装着された両面粘着テープや、接着剤層に剥離紙を外装状に装着してなるものなどとするのが良く、また、追加型蓋状壁部の下面に対して後付け可能な、別部品として添付された両面粘着テープ部品や、チューブ入り接着剤などとすることが可能である。
そして、後述する実施例にも示してあるように、蓋状壁部は、同蓋状壁部先端から庇状湾曲隔壁部を垂下し、該庇状湾曲隔壁部の下端縁から同左右幅のまま前方に屈曲され、鍔壁部を所定前後長分延伸された上、同鍔壁部先端縁から上方に向け同左右幅の立上壁部が立設され、該立上壁部の上端縁に、軟質合成樹脂製の鋸刃状の上向きカッター部を有すると共に、当該庇状湾曲隔壁部ないし上向きカッター部の少なくとも一部に、上向きカッター部に、過大荷重が加わった場合に自動的に退避し、過大荷重が無くなると再び元の姿勢に復帰可能な可撓機構が設けられ、当該庇状湾曲隔壁部には、対象ロールペーパーの軸長に略相当する左右幅長の対象ロールペーパー用繰出し窓が開口されてなるものとすることができ、さらにまた、蓋状壁部の天面に対し、該蓋状壁部の天面上に積層状に固着可能な接着層を介して着脱自在とされた追加型蓋状壁部を有し、該追加型蓋状壁部の先端から庇状湾曲隔壁部を垂下し、該庇状湾曲隔壁部の下端縁から同左右幅のまま前方に屈曲され、鍔壁部を所定前後長分延伸された上、同鍔壁部先端縁から上方に向け同左右幅の立上壁部が立設され、該立上壁部の上端縁に、軟質合成樹脂製の鋸刃状の上向きカッター部を有すると共に、当該庇状湾曲隔壁部ないし上向きカッター部の少なくとも一部に、上向きカッター部に、過大荷重が加わった場合に自動的に退避し、過大荷重が無くなると再び元の姿勢に復帰可能な可撓機構が設けられ、当該庇状湾曲隔壁部には、対象ロールペーパーの軸長に略相当する左右幅長の対象ロールペーパー用繰出し窓が開口されてなる追加型カッターが、該追加型蓋状壁部の接着層を介して積層状に一体化されてなるものとすることができる。
加えて、後述する実施例にも示しているが、蓋状壁部、または、追加型カッターの何れか一方の、庇状湾曲隔壁部の下端縁と、上向きカッター部との間に設けられた鍔壁部の天面形状が、左右方向概略U字形の水平樋状に湾曲され、繰出し窓から上向きカッター部に掛けて残存される対象ロールペーパーの操り出し残端部の把持スペースの確保用となる手指挿入用凹部とされたものとしてなるものとするのが良い。
追加型カッターの庇状湾曲隔壁部は、蓋状壁部の天面上からそのまま前方に延伸し、蓋状壁部の先端を超えた辺りで下方に湾曲して下方所定位置、望ましくは対象ロールペーパー用の回転支軸(片支持軸)の高さ位置辺りまで垂れ下がり状となって蓋状壁部の天面上から前方にかけて庇状に覆い被さり、該回転支軸(片支持軸)に装着された対象ロールペーパーの残部端がわを隠す形状とされており、対象ロールペーパー残部端がわを上向きカッター部に臨ませるための繰出し窓が、該庇状湾曲隔壁部の湾曲部分よりやや下方位置、即ち、未使用の対象ロールペーパー断面円形の接線の中、上向きカッター部に及ぶこととなる接線を完全に含む位置に、横長形状のものとして形成、確保したものとしなければならず、例えば、トイレットペーパーを対象ロールペーパーとされたものの場合には、該繰出し窓の横巾寸法が、市販ロールペーパー巾(例えばJIS規格114mm±2)を安全に通せる巾のものとするのが良く、そして、縦寸法は、少なくともペーパー厚よりも大きければ良いとはいうものの、既設ロールホルダーに対し、最初に未使用の対象ロールペーパーをセットしてその端部を剥がし、当該繰出し窓から引き出す際の操作性を考慮して、できれば標準的な人の親指と人差し指とを重ねた外形寸法2cm前後のものとするのが望ましいと言え、さらに、後述する実施例にも示すように、蓋状壁部ないし上向きカッター部の左右幅を対象ロールペーパーの軸長より充分に大きく設定し、対象ロールペーパー用繰出し窓の左右幅を対象ロールペーパーの軸長と同じか、または僅かに長く設定されてなるものとするのが良いといえる。
そして、その繰出し窓に臨む該庇状湾曲隔壁部は、対象ロールペーパーの引き出し操作時の安全面からも、さらにはセット済対象ロールペーパーの残部端がわを引き出してゆき、上向きカッター部での切断操作に入るまでに引っ掛かり、破断してしまう不測の事態を回避するためにも、滑らかな加工を施したものとすべきであり、例えば、ロールペーパー用繰出し窓は、その開口上縁を水平状とし、同開口下縁を、左右端間中央で上下最大開口寸法とした概略円弧形状のものとしてなるものとすることができる
上向きカッター部は、繰出し窓を通して誘導、所望長に引き出した対象ロールペーパー繰り出し残端部がわを、望み通り円滑且つ確実に切り離す機能を担うもので、上記庇状湾曲隔壁部の垂れ下がり状となった下端縁前方所定位置に、当該庇状湾曲隔壁部下端縁に連続して一体的に形成し、そのままかやや狭めた巾で前方に略水平もしくはやや上向き水平状に屈曲して所定巾分延伸させた鍔壁部の先端縁から、上方に向けて屈曲され、立上壁部が立設され、その上端縁が上向きカッター部に形成されたものであり、該上向きカッター部の位置は、回転支軸(片支持軸)の高さ位置辺りと略同様の高さ位置かやや高めとなる位置に確保するようにすべきで、庇状湾曲隔壁部の垂れ下がり下端縁からその位置が決定されたものとするのが望ましい。
そして、上向きカッター部は、手で軽く触れても安全な程度の形状を呈するものであって、一般的な対象ロールペーパー用のカッター部と略同等の切断が可能なものとしなければならず、上向きカッター部が立上壁部の先端縁に一体化されたものとする外、別部品の刃物が装着されたものとすることもでき、それらは鋸刃型、直線状の刃型、曲面状の刃型など様々な形状のものとすることができ、充分な耐久性を確保できる素材製のもの、例えば金属製や合成樹脂製(例えば、シリコン樹脂製などの軟質合成樹脂製)などとすることができ、さらにまた、後述する実施例にも示してあるとおり、立上壁部の先端縁エッジ部分が上向きカッター部となるよう一体化成型、プレス成型または切削加工されるなどしてなるものとするのがよく、より具体的なものとして示すと、例えば、同繰出し窓が、その開口上縁を水平状とし、同開口下縁を、左右端間中央で上下最大開口寸法としたV字形状または円弧形状とすると共に、上向きカッター部のエッジ輪郭をV字形状または円弧形状のものとしてなるものとすることができる。
可撓機構は、上向きカッター部に、過大荷重が加わった場合に、同上向きカッター部を自動的に退避し、過大荷重が無くなると再び元の姿勢に復帰可能なものとする機能を担うものであり、セット済対象ロールペーパーの残部端がわを引き出し、上向きカッター部で切断操作可能とするに充分な強度をもって、同上向きカッター部を支持可能なものとし、且つ、それよりも過大な荷重や衝撃的な外力が加わった場合に、上向きカッター部を自動的に退避するよう動作するものとしなければならず、例えば、当該庇状湾曲隔壁部ないし上向きカッター部の少なくとも一箇所か、または、施蓋物と可撓刃物との間かの何れか一方に、バネやゴム、軟質合成樹脂などの各種弾性素材製や軟質素材製の可撓性部品類を介在させ、過大な荷重や衝撃的な外力が加わった場合に、上向きカッター部を自動的に退避するよう動作可能なものとすることができる外、後述する実施例にも示すように、庇状湾曲隔壁部の下端縁と、鍔壁部基端との間に、鍔壁部および上向きカッター部を複数の角度姿勢の中、適宜選択した何れか1つの角度姿勢に節度感をもって調節し、且つ過大な荷重が加わるまで選択調節角度姿勢のまま支持可能な姿勢チャンネル部を有してなるものとすることが可能であり、また、庇状湾曲隔壁部ないし上向きカッター部の少なくとも一箇所の左右端間にわたり連続する脆弱部を有するもの、より具体的には、庇状湾曲隔壁部ないし上向きカッター部の表面がわとなる少なくとも一箇所の左右端間にわたり、一直線状に連続する溝状薄肉脆弱部を有するもの、さらにまた、庇状湾曲隔壁部ないし上向きカッター部の裏面がわとなる少なくとも一箇所の左右端間にわたり、一直線状に連続する溝状薄肉脆弱部を有するもの、表現を変えて示すと、ロールペーパー用繰出し窓の左右外がわとなる庇状湾曲隔壁部を、応力集中脆弱部としたものなどとすることが可能である。
可塑性吊りハンドルは、この発明の可搬型ロールホルダーを運搬、移動および所望の吊り下げ対象に対して着脱自在に吊り下げ設置容易なものとする機能を担い、この発明の可搬型ロールホルダーの構成部品の中でも最も要となる部分であり、ホルダー本体の上壁に対して、対象ロールペーパーを保持したホルダー本体を吊り下げ保持可能な強度を有して一体化されたものとしなければならず、可塑性吊りハンドルの基端が、取付け金具類や、取付けバンド類などの装着用部品類を介して左右腕壁の各上壁に結合されたものとすることができる外、後述する実施例にも示すように、対象ロールペーパーが未装着の場合のホルダー本体の重心位置に対応する左右端、ないし、対象ロールペーパーが装着された場合のホルダー本体の重心位置に対応する左右端の前後間に対応する該左右腕壁の各上壁に、棒状の左右独立型、および、ループ状の左右一体型の何れか一方とされたものとすべきであり、人の手による入力によって容易に変形可能な可塑性金属線製の軸体に軟質合成樹脂製の皮膜層が被覆され、棒状の左右独立型とされたものの場合には、該軸体の先端に保護キャップが装着されてなるものとするのがよく、該保護キャップは、フックや吊り環、吸盤、永久磁石などの吊り下げ機能を有する部品に置き換えることが可能である。
また、可塑性吊りハンドルは、例えば、塑性変形可能な銅製棒に合成樹脂製被膜層が被着されてなるものとしたり、アルミニウム合金製の蛇腹パイプからなるものとしたり、複数個の球状駒および凹面状駒が交互に接合されて棒状に連結され、各駒の中央を縦貫するよう内蔵されたバネやゴム紐、索条類などによって軸方向の牽引力が与えられ、隣接する駒同士間の摩擦力によって姿勢維持可能となるようにされた塑性状可撓体からなるものとしたりすることが可能である。
対象ロールペーパーは、ロール状に巻き取られたシート状、フィルム状、テープ状、薄膜状、箔状、チューブ状、連続する多数枚の袋状物など従前からの各種製品であって、この発明の可搬型ロールホルダーに回転自在に装着して、その端部がわを所望する長さ分だけ引き出して引き千切るよう切断し、各種用途に利用可能なものとすることができ、より具体的には、例えば、キッチンペーパー、アルミ箔、ロールウェス、ロール状樹脂袋、ロール状粘着テープなど、ロール紙に限定せず、ロール状に巻き取られたシート類であるということが可能であって、後述する実施例にも示すように、代表的にはトイレットペーパーを対象として略所定の形状のものに形成する一方、当該可搬型ロールホルダーは、それらの対象ロールペーパー類の形状および寸法に応じ、当該対象ロールペーパー類を装着・利用可能とするようにしたものとしなければならない。
以下では、図面に示すこの発明を代表する実施例と共に、その構造について詳述することとする。
図面は、この発明の可搬型ロールホルダーの技術的思想を具現化した代表的な幾つかの実施例を示すものである。
可搬型ロールホルダーを示す斜視図である。
可搬型ロールホルダーを示す斜視図である。
可搬型ロールホルダーを示す側面図である。
可搬型ロールホルダーを示す正面図である。
上向きカッター部を持たない可搬型ロールホルダーを示す側面図である。
上向きカッター部を持たない可搬型ロールホルダーを示す正面図である。
追加型カッターの装着状態を示す側面図である。
追加型カッターの装着状態を示す正面図である。
可撓機構を有する追加型カッターを断面化して示す側面図である。
可撓機構の動作を断面化して示す側面図である。
棒状左右独立型の可塑性吊りハンドルを示す斜視図である。
可搬型ロールホルダーの利用状態を示す斜視図である。
建築物壁面に設置される従来型のロールホルダーを示す斜視図である。
図1ないし図4に示す事例は、対象ロールペーパーRの左右端に対峙可能な間隔を隔てて対峙する左右腕壁3,3が、背壁4を介して一体化されたホルダー本体2を有し、該左右腕壁3,3の互いに対峙する対峙側壁30,30の中央付近間に、対象ロールペーパーRの回転の軸心を着脱および回転自在に支持可能なロールペーパー用装着機構60を有する回転支軸6が設けられ、該ホルダー本体2の上壁に対して、対象ロールペーパーRを保持したホルダー本体2を吊り下げ保持可能な強度を有する可塑性吊りハンドル8の基端が一体化されてなるものとした、この発明の可搬型ロールホルダーにおける代表的な一実施例を示すものである。
それら各図からも明確に把握できるとおり、この発明の可搬型ロールホルダー1は、回転の軸心が水平方向に向けられた対象ロールペーパーRの左右端に対峙可能な間隔を隔てて対峙する左右腕壁3,3が、背壁4を介して一体化されたホルダー本体2を有し、該左右腕壁3,3の背後がわ上端間に対して、蓋状壁部5の基端が、該蓋状壁部5の先端を上下揺動自在とする基端軸装部50を介して軸着されて、該蓋状壁部5は、同蓋状壁部5の先端から庇状湾曲隔壁部52を垂下し、該庇状湾曲隔壁部52の下端縁から同左右幅のまま前方に屈曲され、鍔壁部53を所定前後長分延伸された上、同鍔壁部53先端縁から上方に向け同左右幅の立上壁部54が立設され、該立上壁部54の上端縁に、軟質合成樹脂製の鋸刃状の上向きカッター部55を有すると共に、当該庇状湾曲隔壁部52には、対象ロールペーパーRの軸長に略相当する左右幅長の対象ロールペーパーR用繰出し窓56が開口されてなるものである。
該蓋状壁部5の庇状湾曲隔壁部52の下端縁と、上向きカッター部55との間に設けられた鍔壁部53の天面形状が、左右方向概略U字形の水平樋状に湾曲され、繰出し窓56から上向きカッター部55に掛けて残存される対象ロールペーパーRの操り出し残端部R0の把持スペースの確保用となる手指挿入用凹部53とされたものとしてある。
回転支軸6は、左右腕壁3,3の互いに対峙する対峙側壁30,30の中央付近に、左右一対の片支持軸6,6が、それら先端同士を、装着位置に配された場合の対象ロールペーパーRの中空円筒形軸内となる同一水平線上に対峙するよう、各片支持軸6,6の基端が設けられたものであって、ロールペーパー用装着機構60は、各片支持軸6,6の先端を下向き方向に付勢する弾性付勢部(図示せず)が設けられると共に、各片支持軸6,6の基端が、対峙側壁30,30の中央付近に対し、各片支持軸6,6の先端の上方回動の水平軸心回りに回動自在に軸着され、上方向の入力を受けて直立方向に姿勢変形自在とされたものとしてある、さらに、各片支持軸6,6の下側基端部付近には、対峙側壁30,30に係合可能な突起状となり、各片支持軸6,6の先端が下向きに倒れないよう規制するものとされた水平規制部61、61が設けられ、各片支持軸6,6が、対峙側壁30,30に対して水平姿勢に片持ち支持されたものとなっている。
そして、図3に示すように、ホルダー本体2の左右腕壁3,3の上壁であって、対象ロールペーパーRが未装着の場合のホルダー本体2の重心位置(同図3の背壁4寄りの破線矢印)に対応する左右端、ないし、対象ロールペーパーRが装着された場合のホルダー本体2の重心位置(同図3の片支持軸6下の破線矢印))に対応する左右端の前後間(同図3の一点鎖線矢印に示す重心位置)に対応する位置には、銅線製や鉄線製の軸体80に軟質樹脂製の皮膜層81が被覆されてなる、門型(ループ状)の左右一体型とされ、右がわ基端から左がわ基端までの全長が、30cmないし40cm、より具体的には約36cmに設定された可塑性吊りハンドル8の基端が夫々植設状に一体化されてなるものとなっている。
(実施例1の作用・効果)
以上のとおりの構成からなるこの発明の可搬型ロールホルダー1は、図4に示してあるように、片手で可塑性吊りハンドル8を把持してホルダー本体2を空中に吊り下げるよう保持し、回転の軸心が水平(左右)方向に向けられた姿勢となるよう、対象ロールペーパーRを別の片手で把持し、ホルダー本体2の左右腕壁3,3間の下方から、同左右腕壁3,3間まで上方に向けて上昇させながら、同対象ロールペーパーRの軸心上の外周壁が、左右一対の片支持軸6,6の各先端がわを押し退けるようにして、同対象ロールペーパーRが装着される位置まで移動すると、該片支持軸6,6の各先端がわが、ロールペーパー用装着機構60の左右各弾性付勢部(図示せず)の弾性復元力によって同対象ロールペーパーRの円筒形空洞状の軸心内まで上昇され、左右の水平規制部61,61が、左右の片支持軸6,6を水平姿勢に支持するよう規制し、同対象ロールペーパーRが、水平姿勢且つ回転自在に支持されることとなる。
そして、図1ないし図3に示すとおり、左右の片支持軸6,6に回転自在に保持された対象ロールペーパーRから繰り出した端部R0は、同図3の二点矢印に示すように、蓋状壁部5の繰出し窓76から、上向きカッター部55上を超えて引き出し、使用する長さを引き出した上、切断目標箇所を、片手で該上向きカッター部55上に一致させ、同図3中の実線矢印および図4に示すように、対象ロールペーパーRの繰り出し端部R0がわの中途箇所を上向きカッター部55の左端か右端かの何れか一方がわから、左右何れか反対がわまで次第に引き裂くよう引き降ろし操作して簡単に切断することができ、図3に示すように、この裁断のときに、庇状湾曲隔壁部52が、対象ロールペーパーRの上部外周壁を下向きに抑え込む力が発生、対象ロールペーパーRが、勝手に回転して繰り出されてしまうのを確実に阻止するものとなり、対象ロールペーパーRの裁断後は、同対象ロールペーパーRの操り出し残端部R0は、繰出し窓76から、上向きカッター部55上まで残存することとなり、次回使用する場合には、該繰出し窓76から、上向きカッター部55上まで掛け渡されるように残存する操り出し残端部R0を把持して、繰り出しおよび裁断するよう操作することができるから、同対象ロールペーパーRの装着、および、繰り出し裁断までの全てを片手で行うことができる。
また、上向きカッター部55が、軟質合成樹脂製の鋸刃状のものとしてあるから、人や他物などが不用意に接触してしまった際にも、その柔軟性によって刃先が軟らかく変形して、被害の発生を未然に防止できる上、鋸刃状の形状としてあるから、軟質な素材であっても充分に対象ロールペーパーRを裁断できる耐久性を有するものとなる。
加えて、図3に示すように、可塑性吊りハンドル8の対象ロールペーパーRが未装着の場合のホルダー本体2の重心位置(同図3中の背壁4寄りの破線矢印)に対応する左右端、ないし、対象ロールペーパーRが装着された場合のホルダー本体2の重心位置(同図3中の片支持軸6下の破線矢印)に対応する左右端の前後間(同図3中の一点鎖線矢印)に対応する該左右腕壁3,3の各上壁に、可塑性吊りハンドル8の各基端が夫々植設状に一体化されたものとしてあるから、該可塑性吊りハンドル8を利用した吊り下げ姿勢の安定性、および、対象ロールペーパーRの繰り出し、裁断操作性を高めることができ、例えば、片手に該可塑性吊りハンドル8を把持して、当該可搬型ロールホルダー1を手提げ保持したまま、もう片方の別の手で該対象ロールペーパーRを繰り出し、裁断操作することができるものとなり、さらに、図12に示すように、医療用のベッド9の転落防止用のフェンス90などの適所に該可塑性吊りハンドル8を巻き付け、簡便に吊り下げ設置して利用することが可能となる。
図5および図6に示される可搬型ロールホルダー1は、前記実施例1の図1ないし図4に示した可搬型ロールホルダー1の、可塑性吊りハンドル8は、そのままに、蓋状壁部5のみを従来型のものとされたものであり、こうした従来型の蓋状壁部5を有する可搬型ロールホルダー1は、図7および図8に示すように、追加型カッター7を既存の蓋状壁部5の天面上に、接着層70を介して積層状に固着されたものとすることが可能であり、該追加型カッター7は、該蓋状壁部の天面上に積層状に固着可能な接着層70を介して着脱自在とされた追加型蓋状壁部71を有し、該追加型蓋状壁部71の先端から庇状湾曲隔壁部72を垂下し、該庇状湾曲隔壁部72の下端縁から同左右幅のまま前方に屈曲され、鍔壁部73を所定前後長分延伸された上、同鍔壁部73先端縁から上方に向け同左右幅の立上壁部74が立設され、該立上壁部74の上端縁に、軟質合成樹脂製の鋸刃状の上向きカッター部75を有すると共に、当該庇状湾曲隔壁部72には、対象ロールペーパーRの軸長に略相当する左右幅長の対象ロールペーパーR用繰出し窓76が開口されており、該鍔壁部73の天面形状が、左右方向概略U字形の水平樋状に湾曲され、該繰出し窓76から該上向きカッター部75に掛けて残存される対象ロールペーパーRの操り出し残端部R0の把持スペースの確保用となる手指挿入用凹部73とされたものとしてある。
図9および図10に示すように、追加型カッター7は、庇状湾曲隔壁部72ないし上向きカッター部75に、上向きカッター部75に、過大荷重が加わった場合に自動的に退避し、過大荷重が無くなると再び元の姿勢に復帰可能な可撓機構77が設けられたものとすることが可能であり、前記実施例1の図1ないし図4に示した、ホルダー本体2に始めから一体に設けられた蓋状壁部5の、庇状湾曲隔壁部52ないし上向きカッター部55にも、同様の可撓機構77が設けられたものとすることができ、該可撓機構77は、例えば、庇状湾曲隔壁部72左右端に設けられた補強リブ間に、鍔壁部73ないし上向きカッター部75の退避部一体化部品(73,74,75)の基部が、上向きカッター部75を上下回動自在とするよう軸着され、該左右補強リブの対峙壁には、内向きの係合突起78,78が突設され、該退避部一体化部品(73,74,75)が、各係合突起78,78を弾性的に乗り越え、上方に回動されると、図9に示されるように、上向きカッター部75が使用状態の姿勢に維持され、対象ロールペーパーRを裁断するに充分な強度をもって支持するものとなり、図10の実線矢印のように、上向きカッター部75に下向きの過大荷重が加わった場合には、該退避部一体化部品(73,74,75)が、各係合突起78,78を弾性的に乗り越えて、上向きカッター部75が下向き姿勢に変化可能なものとなっている。
(実施例2の作用・効果)
この発明の可搬型ロールホルダー1は、図5および図6のとおり、従来型のホルダー本体2に対し、前述の実施例1の図1ないし図4にも示してあるように、重量バランスを考慮した位置に可塑性吊りハンドル8が設けられたものとされていることから、前述の実施例1の可搬型ロールホルダー1と同様に、バランス良く持ち運びできる上、適所に吊り下げて円滑に利用することができるものとなり、さらに、図7および図8の白抜き矢印に示すように、ホルダー本体2に設けられた従来型の蓋状壁部5の天面上に、接着層70を介して追加型カッター7が積層状に一体化されたものとすることにより、片手のみによる対象ロールペーパーRの繰り出しおよび裁断操作を簡便且つ確実に行うことができるものとなる。
加えて、図9および図10に示すように、撓機構77を有した蓋状壁部5や追加型カッター7は、何れも、上向きカッター部55(,75)に対象ロールペーパーRの裁断よりも過大な下向きの荷重が加わったときに、退避部一体化部品(73,74,75)が自動的に下向きに退避するから、不用意な接触による人や他物への被害を未然に防止することができると共に、簡単に元の形状に復帰させて、再度、利用を開始することができるといる。
図11に示す事例は、前記実施例1の図1ないし図4に示した可搬型ロールホルダー1の可塑性吊りハンドル8を、棒状の左右独立型の可塑性吊りハンドル8,8に置き換えられたものであり、可塑性吊りハンドル8,8は、可塑性および可撓性を有する銅線、鉄線などの金属線からなり、基端から先端まで20cmないし30cm、より具体的には、約25cmの長さに設定された軸体80に対して、軟質合成樹脂製の皮膜層81が被覆されると共に、該軸体80の先端には、合成樹脂製の球形保護キャップ82が装着されたものとしてある。
(実施例3の作用・効果)
この発明の可搬型ロールホルダー1は、図11に示すように、棒状の左右独立型の可塑性吊りハンドル8,8を有するから、同図11のように、左右の可塑性吊りハンドル8,8の先端がわを束ねるように折り曲げると、概略門型のハンドルとすることができる上、左右夫々の可塑性吊りハンドル8,8を、夫々別の家具などに跨ぐように吊り下げたり、夫々をフック状に折り曲げて引っ掛けて吊り下げたりすることができ、設置自由度をより一層高めたものとすることができ、また、各可塑性吊りハンドル8,8先端の保護キャップ82,82が、左右の可塑性吊りハンドル8,8の先端から、内部の軸体80が露出するのを防止して、劣化や破損を防止できると共に、人や他物に接触した際にも、衝撃を緩衝し、格段に安全性を高めたものとすることができる。
(結 び)
叙述の如く、この発明の可搬型ロールホルダーは、その新規な構成によって所期の目的を遍く達成可能とするものであり、しかも製造も容易で、従前からの搬送可能なロールペーパー用ホルダーに必要とされていた、設置用のテーブルや、吊り金具および吊り紐などを一切不要とすることができ、可塑性吊りハンドルを設けたから、自立型のものに比較して構造を大幅に簡素化し、それに伴い格段に軽量化して遙かに経済的なものとすることができる上、運搬および設置を一層、簡便に行えるものとなり、従前までは、必要箇所の夫々に個別に設置したり、ロールホルダーを苦労して持ち運び、設置しなければならなかったが、こうした煩わしさや、経済的負担などを解消するものとなり、各種ロールペーパー類の製造業界およびロールホルダーの製造業界はもとより、各種ロールペーパーやロールホルダーなどを販売するホームセンター業界やスパーマーケット業界およびドラッグストア業界などにおいても高く評価され、広範に渡って利用、普及していくものになると予想される。
1 可搬型ロールホルダー
2 ホルダー本体
3 左右腕壁
30 同 対峙側壁
4 背壁
5 蓋状壁部
50 同 基端軸装部
51 同 カッター部
52 同 庇状湾曲隔壁部
53 同 鍔壁部(手指挿入用凹部)
54 同 立上壁部
55 同 上向きカッター部
56 同 繰出し窓
6 片支持軸
60 同 ロールペーパー用装着機構
61 同 水平規制部
7 追加型カッター
70 同 接着層
71 同 追加型蓋状壁部
72 同 庇状湾曲隔壁部
73 同 鍔壁部(手指挿入用凹部)
74 同 立上壁部
75 同 上向きカッター部
76 同 繰出し窓
77 同 可撓機構
78 同 係合突起
8 可塑性吊りハンドル
80 同 軸体
81 同 皮膜層
82 同 保護キャップ
9 ベッド
90 同 転落防止のフェンス
R 対象ロールペーパー
R0 同 引き出した部分(操り出し残端部)
A ホルダー本体
A0 同 背壁
A1 同 左右腕壁
A2 同 装着軸
B 上蓋
B0 同 基端
B1 同 遊端縁
B2 同 カッター部