JP2019022228A - 画像処理装置、撮像装置およびプログラム - Google Patents
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Abstract
【課題】カラー画像の信号変換において、彩度や色相を変化させることなく、好適な色再現性を実現すること。【解決手段】撮像素子から出力されるカラー画像の信号を取得する取得部と、カラー画像の信号を輝度信号に変換する信号変換部と、カラー画像の注目画素の彩度が第1彩度よりも高い第2彩度の場合、第1彩度の第1輝度よりも低い第2輝度に輝度信号を調整する輝度調整部と、を備える。【選択図】図1
Description
本発明は、画像処理装置、撮像装置およびプログラムに関する。
従来より、電子カメラなどにより撮影した画像から、モニタやプリンタなどに出力する画像を作成する様々な方法が考えられている。例えば、標準のsRGBモニタ用の画像を作成する場合に、電子カメラなどのセンサRGBをそのまま出力用の色空間(sRGBの他に、例えば、adobeRGBなど)へ3×3の色変換マトリクスを用いて変換すると、出力用の色空間では再現できない高彩度部において、マイナス値やオーバーフロー値が発生してしまう。さらに、これらの値を0値や表示最大値でクリップすると、突然階調が変化するいわゆる階調段差が目立ってしまう場合がある。そこで、特許文献1の発明では、マイナス領域やオーバーフロー領域ではマトリクス変換前の値を使用し、それ以外の領域ではマトリクス変換後の値を使用するように、出力に応じてマトリクス変換前の値とマトリクス変換後の値を重み付け平均するという処理を行うことで階調段差を低減する技術が開示されている。
しかし、特許文献1の発明では、上述したように、マトリクス変換前の色空間における値と、マトリクス変換後の出力用の色空間における値とを重み付け平均している。ここで、マトリクス変換前の色空間における値と、マトリクス変換後の出力用の色空間における値は隔たりが大きく、これらの値を平均処理している部分では、彩度や色相が変化してしまうという問題があった。
本発明は、上記問題に鑑みてなされたものであり、カラー画像の信号変換において、彩度や色相を変化させることなく、好適な色再現性を実現することを目的とする。
本発明の一例である画像処理装置は、撮像素子から出力されるカラー画像の信号を取得する取得部と、前記カラー画像の信号を輝度信号に変換する信号変換部と、前記カラー画像の注目画素の彩度が第1彩度よりも高い第2彩度の場合、前記第1彩度の第1輝度よりも低い第2輝度に前記輝度信号を調整する輝度調整部と、を備える。
また、前記信号変換部は、前記カラー画像の信号を輝度信号および色差信号に変換し、前記輝度調整部は、色差平面を色相別に少なくとも3つの色領域に分割するとともに、各色領域にそれぞれ異なる係数を対応付けし、前記カラー画像の注目画素の色差信号を色差平面に写像し、前記色差信号が属する色領域の係数を用いて調整量を求める。
また、前記輝度調整部は、前記色差信号の値を前記輝度信号の値で規格化して前記調整量を求める。
また、前記輝度調整部は、規格化した前記色差信号に基づく色差平面を色相別に少なくとも3つの色領域に分割するとともに、各色領域にそれぞれ異なる係数を対応付けし、前記カラー画像の注目画素の色差信号を色差平面に写像し、前記色差信号が属する色領域の係数を用いて前記調整量を求める。
本発明の一例である撮像装置は、カラー画像を撮像する撮像部と、上記の画像処理装置とを備える。
本発明の一例であるプログラムは、撮像素子から出力されるカラー画像の信号を取得する処理と、前記カラー画像の信号を輝度信号に変換する処理と、前記カラー画像の注目画素の彩度および色相に応じて、前記注目画素の輝度信号を調整する処理と、をそれぞれコンピュータに実行させ、前記輝度信号を調整する処理では、前記注目画素の彩度が高いほど、輝度が下がるように前記輝度信号の調整量を求める処理を行う。
本発明によれば、カラー画像の信号変換において、彩度や色相を変化させることなく、好適な色再現性を実現することができる。
<第1実施形態の説明>
図1は、画像処理装置、撮像装置の一例である第1実施形態の電子カメラの構成例を示す図である。
図1は、画像処理装置、撮像装置の一例である第1実施形態の電子カメラの構成例を示す図である。
電子カメラ11は、撮影光学系12と、撮像部13と、画像処理エンジン14と、第1メモリ15と、第2メモリ16と、記録I/F17と、表示部18と、操作部19とを備えている。ここで、撮像部13、第1メモリ15、第2メモリ16、記録I/F17、表示部18および操作部19は、それぞれ画像処理エンジン14と接続されている。
撮像部13は、撮影光学系12によって結像された被写体の像を撮像(撮影)するモジュールである。例えば、撮像部13は、光電変換を行う撮像素子と、撮像素子の出力にアナログ信号処理やA/D変換処理などを施す信号処理回路とを含んでいる。ここで、撮像素子の画素には、例えば公知のベイヤ配列に従ってRGBのカラーフィルタが配置されており、カラーフィルタでの色分解によって各色に対応する画像信号を出力する。これにより、撮像部13は、撮影時にカラーの画像を取得できる。なお、撮像部13で撮影された画像のデータは、画像処理エンジン14に入力される。
画像処理エンジン14は、電子カメラ11の動作を統括的に制御するプロセッサであって、画像のデータに対して、色補間、階調変換、ホワイトバランス補正、輪郭強調、ノイズ除去などの画像処理を施す。また、画像処理エンジン14は、プログラムの実行により、信号変換部21、輝度調整部22として機能する(信号変換部21、輝度調整部22の動作については後述する)。
第1メモリ15は、各画像のデータを一時的に記憶するメモリであって、例えば揮発性の記憶媒体であるSDRAMで構成される。また、第2メモリ16は、画像処理エンジン14で実行するプログラムや、このプログラムで使用される各種データを記憶するメモリであって、例えばフラッシュメモリ等の不揮発性メモリで構成される。
記録I/F17は、不揮発性の記憶媒体20を接続するためのコネクタを有している。そして、記録I/F17は、コネクタに接続された記憶媒体20に対して画像のデータの書き込み/読み込みを実行する。上記の記憶媒体20は、例えば、ハードディスクや、半導体メモリを内蔵したメモリカードである。なお、図1では記憶媒体20の一例としてメモリカードを図示する。
表示部18は、各種画像を表示する表示装置である。表示部18は、例えば、撮像部13の出力による画像のライブビュー表示や、記憶媒体20からの出力による再生表示を行う。また、操作部19は、ユーザの各種操作(例えば被写体の撮影指示や、輝度調整の設定変更の指示など)を受け付けるスイッチを含む。
次に、図2の流れ図を参照しつつ、第1実施形態の電子カメラの動作例を説明する。第1実施形態では、カラー画像の輝度を調整する例を説明する。なお、図2の処理は、静止画像の撮像時に画像処理エンジン14がプログラムを実行することで開始される。
ステップ#101:画像処理エンジン14は、ユーザの撮影指示に応じて、記録用の静止画像を撮像部13に撮像させる。これにより、画像処理エンジン14は、処理対象のカラー画像を撮像部13から取得する。なお、#101の段階でのカラー画像は色補間前のRAW画像であって、各画素の信号値はRGBのいずれかの成分に対応する。
ステップ#102:画像処理エンジン14は、取得したカラー画像に対して、それぞれ公知のホワイトバランス調整および色補間(ベイヤ補間)を行う。なお、#102の色補間により、カラー画像の各画素でRGB全成分が揃う。
ステップ#103:画像処理エンジン14は、カラー画像のうち、輝度調整を行う注目画素を指定する。ここで、画像処理エンジン14は、カラー画像の全画素を順次注目画素として指定する。また、画像処理エンジン14は、注目画素を変更するときには、画像の左上隅を起点として1行ずつ左から右に注目画素を順番に指定するものとする。
ステップ#104:画像処理エンジン14は、注目画素の画素値に対して、標準のsRGBガンマの階調変換曲線G1(1/2.2乗相当)による第1の階調変換処理を施す。なお、第1の階調変換処理で適用される階調変換曲線G1を図3に示す。図3の横軸は、階調変換前の入力画素値(撮像素子の出力)であり、図3の縦軸は、階調変換後の出力画素値である。
ステップ#105:信号変換部21は、注目画素の色空間をRGBからYCbCrへ変換する。なお、#105の処理では、撮像素子の色空間(センサRGB)のままG1で階調変換を施した後のRGB信号値から輝度信号Yを生成している。そのため、上記の処理では、センサRGBからsRGBへのマトリックス変換で生じるような高彩度部での階調段差の発生はない。
例えば、#105での信号変換部21は、以下の式(1)〜式(3)により注目画素のRGBの信号値からYCbCrの信号値を求めればよい。
Y = 0.299*R+0.587*G+0.114*B …(1)
Cb=-0.194*R-0.709*G+0.903*B …(2)
Cr= 0.872*R-0.809*G-0.063*B …(3)
上記の式(1)では、便宜的にYはITU−R BT.601で定義されている係数で変換される。また、上記の式(2)、式(3)でのCb,Crは、色票を用いて最適化された係数が適用されている。
Y = 0.299*R+0.587*G+0.114*B …(1)
Cb=-0.194*R-0.709*G+0.903*B …(2)
Cr= 0.872*R-0.809*G-0.063*B …(3)
上記の式(1)では、便宜的にYはITU−R BT.601で定義されている係数で変換される。また、上記の式(2)、式(3)でのCb,Crは、色票を用いて最適化された係数が適用されている。
ところで、輝度信号Yは、センサRGBから作成されるため、本来の表示系のsRGBで作成されるべき輝度とは異なることになる。そして、その乖離は高彩度部ほど大きくなる。特に、青やマゼンダなどの色領域においては輝度が上がりすぎてしまうことがある。また、輝度が上がることにより色飽和が発生する頻度が上がってしまうという問題がある。そこで、後述するステップ#107において、色相、彩度に応じた輝度信号Yの補正を行う。
ステップ#106:輝度調整部22は、注目画素の色差信号(Cb,Cr)の比に基づいて色相を複数の色領域に分割し、分割した色領域ごとに色差信号(Cb,Cr)の値に応じて、輝度調整に用いるゲインを決定する。#106での輝度調整部22は、注目画素の色差信号(Cb,Cr)をCbCr色差平面に写像し、色差平面において注目画素の対応座標が属する色領域からゲインを決定する。
(色領域について)
ここで、輝度調整部22は、色差平面を色相別に6つの色領域に分割し、各色領域にそれぞれゲインを決定するための係数を予め対応付けする。例えば、輝度調整部22は、CbCrの色差平面の原点(Cb,Cr=0)を基準として、上記の色差平面を回転方向に6つの色領域に分割する。
ここで、輝度調整部22は、色差平面を色相別に6つの色領域に分割し、各色領域にそれぞれゲインを決定するための係数を予め対応付けする。例えば、輝度調整部22は、CbCrの色差平面の原点(Cb,Cr=0)を基準として、上記の色差平面を回転方向に6つの色領域に分割する。
図4は、色差平面の分割例を示す図である。図4では、色差平面の原点を通過する3本の直線によって、赤−黄の色領域(hue=0)、黄−緑の色領域(hue=1)、緑−シアンの色領域(hue=2)、シアン−青の色領域(hue=3)、青−マゼンダの色領域(hue=4)、マゼンダ−赤の色領域(hue=5)で、色差平面が6分割されている。なお、図4の6角形の範囲は、CbCrが取り得る最大の彩度の軌跡を示している。
YCbCrの色空間において、赤(R)、黄(Y)、緑(G)、シアン(C)、青(B)、マゼンダ(M)の頂点の座標はそれぞれ以下の値となる。
R(1,0,0): (y:0.29891; cb:-0.16874; cr: 0.50000)
Y(1,1,0): (y:0.88552; cb:-0.50000; cr: 0.08131)
G(0,1,0): (y:0.58661; cb:-0.33126; cr:-0.41869)
C(0,1,1): (y:0.70109; cb: 0.16874; cr:-0.50000)
B(0,0,1): (y:0.11448; cb: 0.50000; cr:-0.08131)
M(1,0,1): (y:0.41339; cb: 0.33126; cr: 0.41869)
また、図4に示したCbCrの色差平面を分割する3本の直線(直線R−C,直線Y−B,直線G−M)の傾きkは、それぞれ以下の値となる。
k(R-C)=-2.96314
k(Y-B)=-0.16262
k(G-M)= 1.26393
なお、#106での輝度調整部22は、上記の直線で色差平面を区画する条件式を用いて、色差平面に写像された注目画素の座標がhue=0〜5のいずれの色領域に属するかを判定すればよい。なお、上記のように、色差平面の原点を通過する直線で色差平面を複数の色領域に分割した場合、注目画素の属する色領域を判定するときの演算量は小さくなる。
R(1,0,0): (y:0.29891; cb:-0.16874; cr: 0.50000)
Y(1,1,0): (y:0.88552; cb:-0.50000; cr: 0.08131)
G(0,1,0): (y:0.58661; cb:-0.33126; cr:-0.41869)
C(0,1,1): (y:0.70109; cb: 0.16874; cr:-0.50000)
B(0,0,1): (y:0.11448; cb: 0.50000; cr:-0.08131)
M(1,0,1): (y:0.41339; cb: 0.33126; cr: 0.41869)
また、図4に示したCbCrの色差平面を分割する3本の直線(直線R−C,直線Y−B,直線G−M)の傾きkは、それぞれ以下の値となる。
k(R-C)=-2.96314
k(Y-B)=-0.16262
k(G-M)= 1.26393
なお、#106での輝度調整部22は、上記の直線で色差平面を区画する条件式を用いて、色差平面に写像された注目画素の座標がhue=0〜5のいずれの色領域に属するかを判定すればよい。なお、上記のように、色差平面の原点を通過する直線で色差平面を複数の色領域に分割した場合、注目画素の属する色領域を判定するときの演算量は小さくなる。
(輝度調整のゲインについて)
輝度調整部22は、上述したhueの値(hue=0〜5)と、色差信号(Cb,Cr)の値とに基づいて、ゲインを決定する。ゲインは以下の式(4)により求められる。
gain=1.0-(KgainCb[hue]*Cb+KgainCr[hue]*Cr) …(4)
上記の式(4)での「KgainCb[hue]」は、注目画素の属する色領域hueを指定することでKgainCbの係数値を返す配列であり、「KgainCr[hue]」は、注目画素の属する色領域hueを指定することでKgainCrの係数値を返す配列である。なお、KgainCbおよびKgainCrの係数は、ゲインが色相の境界で不連続にならないように、境界のゲインが互いに一致するように設定される。また、その値は、様々な色見本に対して、目標の輝度に近づくように設定される。目標の色ごとの輝度は1種類とは限らず、「正確な色調」、「好ましい色調」、「派手な色調」など、複数の色調ごとにこれらの係数を複数種類用意しても良い。
輝度調整部22は、上述したhueの値(hue=0〜5)と、色差信号(Cb,Cr)の値とに基づいて、ゲインを決定する。ゲインは以下の式(4)により求められる。
gain=1.0-(KgainCb[hue]*Cb+KgainCr[hue]*Cr) …(4)
上記の式(4)での「KgainCb[hue]」は、注目画素の属する色領域hueを指定することでKgainCbの係数値を返す配列であり、「KgainCr[hue]」は、注目画素の属する色領域hueを指定することでKgainCrの係数値を返す配列である。なお、KgainCbおよびKgainCrの係数は、ゲインが色相の境界で不連続にならないように、境界のゲインが互いに一致するように設定される。また、その値は、様々な色見本に対して、目標の輝度に近づくように設定される。目標の色ごとの輝度は1種類とは限らず、「正確な色調」、「好ましい色調」、「派手な色調」など、複数の色調ごとにこれらの係数を複数種類用意しても良い。
上述した方法で求めたゲインの一例を示す。なお、以下の各ゲインは、図4に示した6角形の各頂点におけるゲインの一例である。
赤(R):0.9
黄(Y):1.0
緑(G):0.9
シアン(C):0.5
青(B):0.5
マゼンダ(M):0.7
なお、図4において、原点近傍は無彩色の領域であり、この部分については輝度の問題は発生しない。そして、この部分について、上述した式(4)によりゲインを求めると、ゲインは常に略1.0となり、後述する輝度調整により輝度は変化しない。また、上述の例では、各ゲインはすべて1.0以下である例を示したが、1.0を越えるゲインを用いても良い。このようなゲインは、後述する輝度調整により輝度が上がるゲインである。
赤(R):0.9
黄(Y):1.0
緑(G):0.9
シアン(C):0.5
青(B):0.5
マゼンダ(M):0.7
なお、図4において、原点近傍は無彩色の領域であり、この部分については輝度の問題は発生しない。そして、この部分について、上述した式(4)によりゲインを求めると、ゲインは常に略1.0となり、後述する輝度調整により輝度は変化しない。また、上述の例では、各ゲインはすべて1.0以下である例を示したが、1.0を越えるゲインを用いても良い。このようなゲインは、後述する輝度調整により輝度が上がるゲインである。
ステップ#107:輝度調整部22は、#106で決定されたゲインを用いて、以下の式(5)により注目画素の輝度信号を調整する。
Y= gain*Y …(5)
ステップ#108:画像処理エンジン14は、注目画素の輝度調整後の輝度信号Yに対して、階調変換曲線G2による第2の階調変換処理を施す。なお、第2の階調変換処理で適用される階調変換曲線G2を図5に示す。図5の横軸は、階調変換前の入力画素値であり、図5の縦軸は、階調変換後の出力画素値である。この階調変換曲線G2は、低輝度部分および高輝度部分での階調変化を小さくするS字状のカーブである。第2の階調変換処理では、画像のコントラスト強調や、低輝度部分の階調を圧縮する黒締めが行われる。
Y= gain*Y …(5)
ステップ#108:画像処理エンジン14は、注目画素の輝度調整後の輝度信号Yに対して、階調変換曲線G2による第2の階調変換処理を施す。なお、第2の階調変換処理で適用される階調変換曲線G2を図5に示す。図5の横軸は、階調変換前の入力画素値であり、図5の縦軸は、階調変換後の出力画素値である。この階調変換曲線G2は、低輝度部分および高輝度部分での階調変化を小さくするS字状のカーブである。第2の階調変換処理では、画像のコントラスト強調や、低輝度部分の階調を圧縮する黒締めが行われる。
ステップ#109:画像処理エンジン14は、カラー画像の全画素の処理が終了したか否かを判定する。上記要件を満たす場合(YES側)には#110に処理が移行する。一方、上記要件を満たさない場合(NO側)には#103に戻って、画像処理エンジン14は上記の動作を繰り返す。
ステップ#110:画像処理エンジン14は、必要に応じて輪廓強調処理やノイズ除去処理、JPEG圧縮処理などをカラー画像に施した後、記録I/F17を介してカラー画像のデータを記憶媒体20に記録する。以上で、図2の流れ図の説明を終了する。
第1実施形態の電子カメラは、撮像素子から出力されるカラー画像の信号を取得し、取得したカラー画像の信号を輝度信号および色差信号に変換するとともに、カラー画像の注目画素の彩度または色相に応じて、注目画素の輝度信号を調整する。
これにより、第1実施形態では、高彩度部における階調段差の発生を抑えることができる。したがって、カラー画像の信号変換において、彩度や色相を変化させることなく、好適な色再現性を実現することができる。
また、第1実施形態では、輝度信号を調整することにより、従来のようにマイナス領域やオーバーフロー領域を回避するために露出を下げることなく、好適な階調を有した色再現性を実現することができる。
<第2実施形態の説明>
第2実施形態は、上記の第1実施形態の変形例である。第2実施形態の電子カメラの構成は第1実施形態と共通するので、同一符号を付して重複説明は省略する。また、第2実施形態の動作例については、第1実施形態の説明および図2を前提として、第1実施形態と相違する部分のみを説明し、第1実施形態との重複説明は省略する。
第2実施形態は、上記の第1実施形態の変形例である。第2実施形態の電子カメラの構成は第1実施形態と共通するので、同一符号を付して重複説明は省略する。また、第2実施形態の動作例については、第1実施形態の説明および図2を前提として、第1実施形態と相違する部分のみを説明し、第1実施形態との重複説明は省略する。
第2実施形態では、注目画素のCb,CrをYで規格化して彩度の調整を行う例を説明する。これは、暗部において色差信号(Cb,Cr)の値が小さくなることにより、第1実施形態で説明した輝度調整に用いるゲインによる輝度の補正量が小さくなる場合にも対応するためである。
第1実施形態の図2の#105に代えて、注目画素のRGBの信号値からYCbCrの信号値を求めた後に、色差信号(Cb,Cr)をそれぞれ輝度信号Yで規格化する。そして、第1実施形態の図2の#106で説明した図4に代えて、後述する図6および式(6)を用いてゲインを決定する。
図6は、色差平面の分割例を示す別の図である。図4と異なり、図6の横軸はCb/Yであり、図6の縦軸はCr/Yである。また、図6は、図4に示したCbCrの色差平面を分割する3本の直線(直線R−C,直線Y−B,直線G−M)と同様に、図6に示す三角形を6つの領域に分割したものである。
図6に基づいて求めたhueの値(hue=0〜5)と、輝度信号Yで規格化した色差信号(Cb,Cr)の値とに基づいて、ゲインを決定する。ゲインは以下の式(6)により求められる。
gain=1.0-(KgainCby[hue]*Cb/Y+KgainCry[hue]*Cr/Y) …(6)
上記の式(6)での「KgainCby[hue]」は、注目画素の属する色領域hueを指定することでKgainCbyの係数値を返す配列であり、「KgainCry[hue]」は、注目画素の属する色領域hueを指定することでKgainCryの係数値を返す配列である。なお、KgainCbyおよびKgainCryの係数は、ゲインが色相の境界で不連続にならないように、境界のゲインが互いに一致するように設定される。また、その値は、様々な色見本に対して、目標の輝度に近づくように設定される。目標の色ごとの輝度は1種類とは限らず、「正確な色調」、「好ましい色調」、「派手な色調」など、複数の色調ごとにこれらの係数を複数種類用意しても良い。
gain=1.0-(KgainCby[hue]*Cb/Y+KgainCry[hue]*Cr/Y) …(6)
上記の式(6)での「KgainCby[hue]」は、注目画素の属する色領域hueを指定することでKgainCbyの係数値を返す配列であり、「KgainCry[hue]」は、注目画素の属する色領域hueを指定することでKgainCryの係数値を返す配列である。なお、KgainCbyおよびKgainCryの係数は、ゲインが色相の境界で不連続にならないように、境界のゲインが互いに一致するように設定される。また、その値は、様々な色見本に対して、目標の輝度に近づくように設定される。目標の色ごとの輝度は1種類とは限らず、「正確な色調」、「好ましい色調」、「派手な色調」など、複数の色調ごとにこれらの係数を複数種類用意しても良い。
上述した方法で求めたゲインの一例を示す。なお、以下の各ゲインは、図6に示した三角形の3つの頂点、および、上述した3本の直線と三角形の各辺との交点におけるゲインの一例である。
赤(R):0.9
黄(Y):1.0
緑(G):0.9
シアン(C):0.9
青(B):0.7
マゼンダ(M):0.8
なお、図6においても、無彩色の領域について、上述した式(6)によりゲインを求めると、ゲインは常に略1.0となり、後述する輝度調整により輝度は変化しない。
赤(R):0.9
黄(Y):1.0
緑(G):0.9
シアン(C):0.9
青(B):0.7
マゼンダ(M):0.8
なお、図6においても、無彩色の領域について、上述した式(6)によりゲインを求めると、ゲインは常に略1.0となり、後述する輝度調整により輝度は変化しない。
以降、第1実施形態の図2の#107から#110と同様の処理を行う。
第2実施形態の場合には、上記の第1実施形態の作用効果に加えて、以下の効果を得ることができる。一般に、画像の暗部(低輝度部分)ではCbCrの値が小さく、輝度の調整における補正量が小さくなってしまう場合が多い。しかし、第2実施形態の場合にはCbCrをYで規格化することで、輝度によらず好適な色再現性を実現することができる。
<第3実施形態の説明>
図7は、第3実施形態での画像処理装置の構成例を示す図である。第3実施形態での画像処理装置は、入力画像に対して輝度調整処理を施すプログラムがインストールされたコンピュータである。
図7は、第3実施形態での画像処理装置の構成例を示す図である。第3実施形態での画像処理装置は、入力画像に対して輝度調整処理を施すプログラムがインストールされたコンピュータである。
図7に示すコンピュータ31は、データ読込部32、記憶装置33、CPU34、メモリ35および入出力I/F36、バス37を有している。データ読込部32、記憶装置33、CPU34、メモリ35および入出力I/F36は、バス37を介して相互に接続されている。さらに、コンピュータ31には、入出力I/F36を介して、入力デバイス38(キーボード、ポインティングデバイスなど)とモニタ39とがそれぞれ接続されている。なお、入出力I/F36は、入力デバイス38からの各種入力を受け付けるとともに、モニタ39に対して表示用のデータを出力する。
データ読込部32は、処理対象のカラー画像(色補間前のRAW画像)のデータや、プログラムを外部から読み込むときに用いられる。データ読込部32は、例えば、着脱可能な記憶媒体からデータを取得する読込デバイス(光ディスク、磁気ディスク、光磁気ディスクの読込装置など)や、公知の通信規格に準拠して外部の装置と通信を行う通信デバイス(USBインターフェース、LANモジュール、無線LANモジュールなど)である。
記憶装置33は、例えば、ハードディスクや、不揮発性の半導体メモリなどの記憶媒体である。この記憶装置33には、上記のプログラムや、プログラムの実行に必要となる各種データが記憶されている。なお、記憶装置33には、データ読込部32から読み込んだ画像のデータなどを記憶しておくこともできる。
CPU34は、コンピュータ31の各部を統括的に制御するプロセッサである。このCPU34は、プログラムの実行によって、第1実施形態または第2実施形態の画像処理エンジン14、信号変換部21、輝度調整部22として機能する。
メモリ35は、プログラムでの各種演算結果を一時的に記憶する。このメモリ35は、例えば揮発性のSDRAMである。
ここで、第3実施形態での画像処理装置では、CPU34が、データ読込部32または記憶装置33から処理対象のカラー画像を取得する。そして、CPU34は、第1実施形態または第2実施形態の#102〜#109の処理を実行する。かかる第3実施形態においても、第1実施形態および第2実施形態とほぼ同様の効果を得ることができる。
<実施形態の補足事項>
(補足1):上記実施形態では、画像のYCbCrデータを用いて被写体抽出を行う例を説明した。しかし、本発明はYCbCr色空間に限定されず、他の色空間(L*a*b*など)の場合にも適用できる。
(補足1):上記実施形態では、画像のYCbCrデータを用いて被写体抽出を行う例を説明した。しかし、本発明はYCbCr色空間に限定されず、他の色空間(L*a*b*など)の場合にも適用できる。
(補足2):上記実施形態では色差平面を6つの色領域に分割する例を説明したが、本発明において色差平面の分割数は適宜変更してもよい。例えば、RGBの座標を色領域の境界として、色差平面を3つの色領域で分割するようにしてもよい。
(補足3):上記実施形態では、画像処理装置の各機能をプログラムによってソフトウェア的に実現する例を説明した。しかし、本発明の画像処理装置は、信号変換部21、輝度調整部22の各機能を、例えばASIC(Application Specific Integrated Circuit)を用いてハードウェア的に実現するものであってもよい。
以上の詳細な説明により、実施形態の特徴点および利点は明らかになるであろう。これは、特許請求の範囲が、その精神および権利範囲を逸脱しない範囲で前述のような実施形態の特徴点および利点にまで及ぶことを意図する。また、当該技術分野において通常の知識を有する者であれば、あらゆる改良および変更に容易に想到できるはずであり、発明性を有する実施形態の範囲を前述したものに限定する意図はなく、実施形態に開示された範囲に含まれる適当な改良物および均等物によることも可能である。
11…電子カメラ、12…撮影光学系、13…撮像部、14…画像処理エンジン、15…第1メモリ、16…第2メモリ、17…記録I/F、18…表示部、19…操作部、20…記憶媒体、21…信号変換部、22…輝度調整部、31…コンピュータ、32…データ読込部、33…記憶装置、34…CPU、35…メモリ、36…入出力I/F、37…バス、38…入力デバイス、39…モニタ
Claims (6)
- 撮像素子から出力されるカラー画像の信号を取得する取得部と、
前記カラー画像の信号を輝度信号に変換する信号変換部と、
前記カラー画像の注目画素の彩度が第1彩度よりも高い第2彩度の場合、前記第1彩度の第1輝度よりも低い第2輝度に前記輝度信号を調整する輝度調整部と、
を備える画像処理装置。 - 請求項1に記載の画像処理装置において、
前記信号変換部は、前記カラー画像の信号を輝度信号および色差信号に変換し、
前記輝度調整部は、色差平面を色相別に少なくとも3つの色領域に分割するとともに、各色領域にそれぞれ異なる係数を対応付けし、前記カラー画像の注目画素の色差信号を色差平面に写像し、前記色差信号が属する色領域の係数を用いて調整量を求める画像処理装置。 - 請求項2に記載の画像処理装置において、
前記輝度調整部は、前記色差信号の値を前記輝度信号の値で規格化して前記調整量を求める画像処理装置。 - 請求項3に記載の画像処理装置において、
前記輝度調整部は、規格化した前記色差信号に基づく色差平面を色相別に少なくとも3つの色領域に分割するとともに、各色領域にそれぞれ異なる係数を対応付けし、前記カラー画像の注目画素の色差信号を色差平面に写像し、前記色差信号が属する色領域の係数を用いて前記調整量を求める画像処理装置。 - カラー画像を撮像する撮像部と、
請求項1から請求項4の何れか1項に記載の画像処理装置と
を備える撮像装置。 - 撮像素子から出力されるカラー画像の信号を取得する処理と、
前記カラー画像の信号を輝度信号に変換する処理と、
前記カラー画像の注目画素の彩度および色相に応じて、前記注目画素の輝度信号を調整する処理と、をそれぞれコンピュータに実行させ、
前記輝度信号を調整する処理では、前記注目画素の彩度が高いほど、輝度が下がるように前記輝度信号の調整量を求める処理を行うプログラム。
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