JP2019021146A - 高齢者の低栄養又はフレイルの予測方法 - Google Patents

高齢者の低栄養又はフレイルの予測方法 Download PDF

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Abstract

【課題】一般高齢者における低栄養又はフレイルの予測方法並びにその予測に使用できるツール、デバイス及びプログラムを提供する。
【解決手段】本発明は、高齢者の、栄養関連認識、食事状況、身体活動状況、及び食関連クオリティ・オブ・ライフ(QOL)に関する質問項目への回答をスコアリングし、合計スコアに基づいて前記高齢者が低栄養又はフレイルとなるリスクを判定することを含む。
【選択図】なし

Description

本発明は、高齢者の低栄養又はフレイルの予測方法に関する。
現在、多くの先進国は高齢社会を迎えている。加齢に伴う高齢者の心身機能や生活機能の低下を防ぎ、要介護状態となるリスクを低下させ、健康寿命を延ばすことは益々重要な課題となっている。
高齢者の低栄養(低栄養状態)は、免疫能を低下させ、感染症などの様々な疾患の発症リスクを上昇させると共に、筋肉量減少を招き、日常生活活動度(ADL)を低下させ、転倒リスクも増大させる。その結果、疾患や怪我を経て寝たきり状態となるリスクが増大し、またクオリティ・オブ・ライフ(QOL; 生活の質)の低下や生命予後の悪化も生じやすくなる。そこで近年、低栄養状態にある高齢者をスクリーニングし、早期介入により栄養状態を改善する栄養ケアが重要視されている。
高齢者の低栄養リスクを評価する簡易アセスメントツールとして簡易栄養状態評価表(Mini Nutritional Assessment; MNA(R))がよく知られている(非特許文献1)。MNA(R)によるスクリーニング対象となる高齢者は、通常、生活機能の低下した在宅要介護高齢者、施設入所高齢者、及び入院患者であり、評価時現在の栄養状態の把握のために使用されている。一方、MNA(R)は、心身機能や生活機能の低下が顕在化していない元気な高齢者が抱える低栄養リスクを評価するには感度が低いという欠点がある。
高齢者の低栄養は、実際には、生活機能の低下が顕在化する前から生じていることが多く、生活機能が低下するにつれより深刻な状態になる。また低栄養は、自立した生活を送ることが困難な要介護状態の前段階としてのフレイル(虚弱)と密接な関係にある。低栄養及びフレイルの予防目的では、低栄養ではない高齢者において将来低栄養となるリスクの高い状態を見つけ出し、改善に向けた対応を早期の段階で取っていくことがより効果的と考えられる。そのようなリスク予測方法は、より簡易に行うことができるものであることが望まれる。
しかし、一般高齢者において将来の低栄養及びフレイルを予測する評価方法は確立していない。
特許文献1は、老年症候群の危険性の判定方法を開示している。しかし特許文献1の方法では、握力の測定、片足立ち時間や歩行時間の計測など、検査担当者などの立会いの下、機器で測定しなければならない項目があり、簡易な方法とはいえない。
特許文献2は、高齢者等の被験者の生活状態を判定するシステムを開示している。特許文献2のシステムは、機能低下や活力低下へとつながる高齢者の漸次的な生活変化を判定することを目的としたものである。しかし特許文献2は、高齢者の将来の低栄養やフレイルを予測する方法については開示していない。
特許文献3は、対象者の体力測定値、同年齢のその平均値及び自立限界値から対象者の自立度を評価し、対象者への生活指導と運動プログラムを提示することに基づく、高齢者の日常生活・運動支援システムを開示している。しかし特許文献3は、一般高齢者を対象とした将来の低栄養やフレイルを予測する方法については開示していない。
特開2005−228305号公報 特開2006−106813号公報 特開2006−31433号公報
Vellas B., et al., J. Nutr. Health Aging., (2006) 10(6), p.456-465
本発明は、一般高齢者における低栄養又はフレイルの予測方法を提供することを課題とする。
高齢者の摂食行動は、認知機能、咀嚼機能、歩行機能といった心身機能のレベルと密接に関連する。さらに、高齢者の食行動は、同居家族の有無や地域の食環境など環境的要因によっても大きく影響を受ける。
本発明者らは、高齢者の低栄養を改善するためには栄養学的なカウンセリングのみでは不十分であり、心身機能や食環境の現状を踏まえた総合的アプローチが必要になると考えた。本発明者らは、上記課題を解決するため鋭意検討を重ねた結果、心身機能及び食環境など高齢者の食行動に影響する様々な要因も含めた質問項目によるスクリーニングが、一般高齢者における将来の低栄養やフレイルのリスクの予測につながることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は以下を包含する。
[1]高齢者の、栄養関連認識、食事状況、身体活動状況、及び食関連クオリティ・オブ・ライフ(QOL)に関する質問項目への回答をスコアリングし、合計スコアに基づいて前記高齢者が低栄養又はフレイルとなるリスクを判定することを含む、高齢者の低栄養又はフレイルの予測方法。
[2]前記質問項目が、
1)健康のためによいといわれている食品を取り入れているか、
2)栄養や食事について関心を持っているか、
3)健康や栄養のことに関して、家族や親戚、友人、近所の人などと話をするか、
4)規則的な生活を心がけているか、
5)よく体を動かし、食事の量とのバランスをとるようにしているか、
6)主食を食べる量が少なくなってきているか、
7)主菜を食べる量が少なくなってきているか、
8)食べる意欲が少なくなってきたと感じるか、
9)日常的に身体を動かさなくなってきたか、
10)昨年と比べて、外出する機会が減っているか、
11)この6か月間に、以前に比べて体の筋肉や脂肪が落ちてきたと思うか、
12)毎日の食事はおいしいと思うか、及び
13)毎日の食事が楽しいか、
の13項目である、上記[1]に記載の方法。
[3]高齢者が低栄養又はフレイルとなるリスクを判定するためのデバイスであって、栄養関連認識、食事状況、身体活動状況、及び食関連クオリティ・オブ・ライフ(QOL)に関する質問項目を表示部に表示する質問表示処理手段と、質問項目への回答を入力する回答入力手段と、質問項目への回答をスコアリングし、合計スコアを算出するスコア演算手段と、合計スコアに基づき前記リスクを判定するリスク判定手段と、リスク判定結果を前記表示部に表示する判定結果表示処理手段とを有する、デバイス。
[4]前記質問項目が、
1)健康のためによいといわれている食品を取り入れているか、
2)栄養や食事について関心を持っているか、
3)健康や栄養のことに関して、家族や親戚、友人、近所の人などと話をするか、
4)規則的な生活を心がけているか、
5)よく体を動かし、食事の量とのバランスをとるようにしているか、
6)主食を食べる量が少なくなってきているか、
7)主菜を食べる量が少なくなってきているか、
8)食べる意欲が少なくなってきたと感じるか、
9)日常的に身体を動かさなくなってきたか、
10)昨年と比べて、外出する機会が減っているか、
11)この6か月間に、以前に比べて体の筋肉や脂肪が落ちてきたと思うか、
12)毎日の食事はおいしいと思うか、及び
13)毎日の食事が楽しいか、
の13項目である、上記[3]に記載のデバイス。
[5]リスク判定結果を印刷する印刷部をさらに有する、上記[3]又は[4]に記載のデバイス。
[6]印刷部が、リスク判定結果とともに低栄養又はフレイルの予防のためのアドバイスを含む情報を印刷する、上記[5]に記載のデバイス。
[7]高齢者の、栄養関連認識、食事状況、身体活動状況、及び食関連クオリティ・オブ・ライフ(QOL)に関する質問項目への回答をスコアリングし、合計スコアを算出する工程と、合計スコアに基づいて前記高齢者が低栄養又はフレイルとなるリスクを判定する工程と、得られたリスク判定結果を出力する工程とを、コンピュータに実行させるためのプログラム。
[8]前記質問項目が、
1)健康のためによいといわれている食品を取り入れているか、
2)栄養や食事について関心を持っているか、
3)健康や栄養のことに関して、家族や親戚、友人、近所の人などと話をするか、
4)規則的な生活を心がけているか、
5)よく体を動かし、食事の量とのバランスをとるようにしているか、
6)主食を食べる量が少なくなってきているか、
7)主菜を食べる量が少なくなってきているか、
8)食べる意欲が少なくなってきたと感じるか、
9)日常的に身体を動かさなくなってきたか、
10)昨年と比べて、外出する機会が減っているか、
11)この6か月間に、以前に比べて体の筋肉や脂肪が落ちてきたと思うか、
12)毎日の食事はおいしいと思うか、及び
13)毎日の食事が楽しいか、
の13項目である、[7]に記載のプログラム。
[9]リスク判定結果とともに、低栄養又はフレイルの予防のためのアドバイスを出力する、[7]又は[8]に記載のプログラム。
[10]栄養関連認識、食事状況、身体活動状況、及び食関連クオリティ・オブ・ライフ(QOL)に関する質問項目の表示を含む、高齢者が低栄養又はフレイルとなるリスクを判定するための問診ツール。
[11]前記質問項目が、
1)健康のためによいといわれている食品を取り入れているか、
2)栄養や食事について関心を持っているか、
3)健康や栄養のことに関して、家族や親戚、友人、近所の人などと話をするか、
4)規則的な生活を心がけているか、
5)よく体を動かし、食事の量とのバランスをとるようにしているか、
6)主食を食べる量が少なくなってきているか、
7)主菜を食べる量が少なくなってきているか、
8)食べる意欲が少なくなってきたと感じるか、
9)日常的に身体を動かさなくなってきたか、
10)昨年と比べて、外出する機会が減っているか、
11)この6か月間に、以前に比べて体の筋肉や脂肪が落ちてきたと思うか、
12)毎日の食事はおいしいと思うか、及び
13)毎日の食事が楽しいか、
の13項目である、[10]に記載の問診ツール。
[12]上記[1]又は[2]に記載の方法により得られた、高齢者が低栄養又はフレイルとなるリスクの判定結果の表示と、低栄養又はフレイルの予防のためのアドバイスの表示とを含む、低栄養又はフレイル予防のためのアドバイスツール。
本発明によれば、一般高齢者の将来低栄養及びフレイルとなるリスクを簡易な方法で判定することができる。
図1は、調査対象コホート(草津町、鳩山町)で得られた、本発明の指標に基づく得点分布を示す図である。Aが草津町、Bが鳩山町のデータである。 図2は、一年後のMNA(R)-SFによる「低栄養又は低栄養のおそれあり(At risk)」の判定(A)又は一年後のCL15による「フレイル」(4点以上)の判定(B)を外的基準とした場合のROC曲線を示す図である。 図3は、二年後のMNA(R)-SFによる「低栄養又は低栄養のおそれあり(At risk)」の判定(A)又は二年後のCL15による「フレイル」(4点以上)の判定(B)を外的基準とした場合のROC曲線を示す図である。
以下、本発明を詳細に説明する。
肥満は、心臓病、脳卒中、糖尿病などの生活習慣病を引き起こす原因の1つと考えられ、その治療・予防法は大きな注目を集めている。一方、特に先進国では、低栄養は予防・治療対象として肥満ほど重視されていない。しかしながら、低栄養は、免疫機能や運動機能などの心身機能の低下をもたらし、重大な疾患を招く恐れもあることから、改善が求められる重要な問題である。特に高齢者において低栄養は、肺炎などの感染症への罹患や、筋力低下による転倒などを起こしやすく、しばしば寝たきり状態や身体の急激な衰弱につながる。しかも高齢者の場合、消化機能の低下、食欲や意欲の減退、味覚機能や咀嚼力の低下などに伴う偏食のような加齢の影響により、毎日食事を摂っていても、低栄養に陥りやすい状況にある。なお低栄養とは、健康な身体を維持する上で必要なエネルギー源(脂質や糖質)及びタンパク質などの栄養素が不足している身体状態を指す。典型的な低栄養はタンパク質・エネルギー低栄養(Protein energy malnutrition; PEM)である。心身機能や生活機能の急激な低下を防ぎ、自立度の高い生活を維持する上で、低栄養の予測や予防は非常に重要である。
低栄養は、フレイルと密接な関係にある。フレイル(frailty; 虚弱)とは、加齢による心身機能の低下により外的ストレスに対する脆弱性が高まった状態を指す。フレイルの状態にある高齢者は、生活機能を維持していても、体重減少、身体活動性の低下などを示し、疾患や怪我などの外的ストレスを契機として機能障害や要介護状態などの負の健康アウトカムに陥りやすい状態にある。多くの高齢者はフレイルを経て、要介護状態に至ると考えられている。しかしフレイルの早期発見・早期介入により、心身機能を改善し、生活機能の維持を図ることができると考えられている。そのため高齢者にとって、低栄養の予防と共に、フレイルの予防も非常に重要である。
本発明は、低栄養又はフレイルの予測方法に関する。特に本発明は、高齢者の、栄養関連認識、食事状況、身体活動状況、及び食関連クオリティ・オブ・ライフ(QOL)に基づく、高齢者の低栄養やフレイルを予測する方法に関する。本発明は、高齢者の将来の低栄養やフレイルを予測する上で有用である。本発明の方法は、低栄養又はフレイルの予測指標を提供することができる。
本発明において高齢者とは、65歳以上の人を指す。本発明の適用対象の高齢者は、生活機能の低下が顕在化しておらず自立した生活を送っている高齢者であってもよいし、生活機能の低下した、要介護状態の高齢者(在宅要介護高齢者や施設入所高齢者など)や入院患者であってもよい。好ましい実施形態では、本発明の適用対象となる高齢者は、一般高齢者、すなわち、生活機能の低下が顕在化しておらず自立した生活を送っている高齢者も含む全ての高齢者である。本発明の適用対象の高齢者は、本発明の方法による低栄養又はフレイルの予測時には、低栄養若しくはフレイル、又はそれらのおそれありに未だ該当しない人であってもよい。
好ましい実施形態では、本発明は、高齢者の、栄養関連認識、食事状況、身体活動状況、及び食関連クオリティ・オブ・ライフ(QOL)に関する質問項目への回答をスコアリングし、合計スコアに基づいて前記高齢者が低栄養又はフレイルとなるリスクを判定することを含む、高齢者の低栄養又はフレイルの予測方法に関する。
「栄養関連認識」は、栄養関連信念とも称することができる。栄養関連認識に関する質問項目は、調査対象者である高齢者が自分自身の栄養摂取や食事について健康維持に前向き(有益/ポジティブ)な考え方を有しているかどうかを調べるためのものである。
「食事状況」に関する質問項目は、調査対象者である高齢者の食事状況が健康維持に前向き(有益/ポジティブ)な状況にあるかどうかを調べるためのものである。
「身体活動状況」に関する質問項目は、調査対象者である高齢者の身体活動が、健康維持に前向き(有益/ポジティブ)な状況にあるかどうかを調べるためのものである。
「食関連クオリティ・オブ・ライフ(QOL)」に関する質問項目は、調査対象者である高齢者が自分自身の食生活に満足感を感じているかどうかを調べるためのものである。
栄養関連認識、食事状況、身体活動状況、及び食関連クオリティ・オブ・ライフ(QOL)に関する質問項目への回答は、調査対象者である高齢者の自己評価であってよい。
栄養関連認識、食事状況、身体活動状況、及び食関連クオリティ・オブ・ライフ(QOL)に関する質問項目の例として、以下の13項目が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
1)健康のためによいといわれている食品を取り入れているか、
2)栄養や食事について関心を持っているか、
3)健康や栄養のことに関して、家族や親戚、友人、近所の人などと話をするか、
4)規則的な生活を心がけているか、
5)よく体を動かし、食事の量とのバランスをとるようにしているか、
6)主食を食べる量が少なくなってきているか、
7)主菜を食べる量が少なくなってきているか、
8)食べる意欲が少なくなってきたと感じるか、
9)日常的に身体を動かさなくなってきたか、
10)昨年と比べて、外出する機会が減っているか、
11)この6か月間に、以前に比べて体の筋肉や脂肪が落ちてきたと思うか、
12)毎日の食事はおいしいと思うか、及び
13)毎日の食事が楽しいか。
これらの質問項目の表現は、質問内容が変わらない限り、上記と多少異なっていてもよい。例えば、これらの質問項目は、丁寧語又は口語で表現されてもよい。これらの質問項目中の用語は、同義語又は類義語に置換されてもよい。項目6)において、例えば、「主食」の用語の代わりに主食の具体例(ご飯など)を記載してもよいし、「主食」の用語と共にその具体例を例示してもよい。項目7)において、例えば、「主菜」の用語の代わりに、主菜に含まれるタンパク源の具体例(肉、魚など)を記載してもよいし、「主菜」の用語と共にその具体例を例示してもよい。本発明において主菜とは、主たる栄養素としてタンパク質を含む料理又は食品を指す。これらの質問項目は、調査対象者である高齢者が理解できる、任意の言語で表現することができる。
本発明の一実施形態においては、高齢者個人の、栄養関連認識、食事状況、身体活動状況、及び食関連クオリティ・オブ・ライフ(QOL)に関する質問項目への回答を収集する。質問項目への回答は、任意の形式で示されたものを収集してもよい。質問項目への回答は、調査票などの問診ツールを用いて収集してもよい。問診ツールの回答欄に自由に記載されたものであってもよいし、問診ツールに提示された選択肢の中から選択されたものであってもよい。質問項目への回答は、問診ツールとは別の回答ツール(回答票など)に示されたものであってもよい。
各質問項目に対する回答を、健康維持に前向き(positive)な回答と、健康維持に後向き(negative)な回答に分類することが好ましい。例えば上記の13項目に関して、健康維持に前向き又は後向きな回答は以下のとおりである。
項目1)について、健康のためによいといわれている食品を取り入れている場合は前向きな回答、当該食品を取り入れていない場合は後向きな回答である。
項目2)について、栄養や食事について関心を持っている場合は前向きな回答、当該関心を持っていない場合は後向きな回答である。
項目3)について、健康や栄養のことに関して、家族や親戚、友人、近所の人などと話をする場合は前向きな回答、そのように話をしない場合は後向きな回答である。
項目4)について、規則的な生活を心がけている場合は前向きな回答、規則的な生活を心がけていない場合は後向きな回答である。
項目5)について、よく体を動かし、食事の量とのバランスをとるようにしている場合は前向きな回答、そのようにしていない場合は後向きな回答である。
項目6)について、主食を食べる量が少なくなってきている場合は後向きな回答、主食を食べる量が少なくなっていない場合は前向きな回答である。
項目7)について、主菜を食べる量が少なくなってきている場合は後向きな回答、主菜を食べる量が少なくなっていない場合は前向きな回答である。
項目8)について、食べる意欲が少なくなってきたと感じる場合は後向きな回答、そのように感じない場合は前向きな回答である。
項目9)について、日常的に身体を動かさなくなってきたと感じる場合は後向きな回答、そのように感じない場合は前向きな回答である。
項目10)について、昨年と比べて、外出する機会が減っている場合は後向きな回答、外出する機会が減っていない場合は前向きな回答である。
項目11)について、この6か月間に、以前に比べて体の筋肉や脂肪が落ちてきたと思う場合は後向きな回答、そのように思わない場合は前向きな回答である。
項目12)について、毎日の食事はおいしいと思う場合は前向きな回答、そのように思わない場合は後向きな回答である。
項目13)について、毎日の食事が楽しいと思う場合は前向きな回答、そのように思わない場合は後向きな回答である。
本発明の好ましい実施形態では、上記の各質問項目に対する健康維持に前向きな回答と健康維持に後向きな回答をそれぞれスコアリング(得点化)する。スコアリングの後、合計スコアを算出することが好ましい。例えば、健康維持に前向きな回答を0点、健康維持に後向きな回答を1点としてスコアリングし、全ての質問項目の合計スコアを算出してもよい。例えば、項目1)〜5)及び項目7)〜12)への回答が健康維持に前向きなものであり、項目6)及び項目13)への回答が健康維持に後向きなものである場合には、合計スコアは2点である。あるいは、健康維持に前向きな回答を「a」、健康維持に後向きな回答を「b」のように記号化し、それぞれの記号の合計数をスコアに置き換えてもよい。スコアリングの方法は、健康維持に前向き又は後向きな回答が示された質問項目の数に対応したスコアを算出できる限り、任意の方法であってよい。
このようにして質問項目への回答をスコアリングし、健康維持に後向きな回答が示された質問項目の数を示す合計スコアが閾値以上である場合、その調査対象者である高齢者が低栄養又はフレイルとなるリスクは高いと判定することができる。あるいは、健康維持に前向きな回答が示された質問項目の数を示す合計スコアが閾値以下である場合、その調査対象者である高齢者が低栄養又はフレイルとなるリスクは高いと判定してもよい。好ましい実施形態では、健康維持に後向きな回答が示された質問項目の数を示す合計スコアが所定の閾値以上である場合、高齢者が将来、例えば1年後又はそれ以降の時点で(例えば1年後又は2年後に)低栄養又はフレイルとなっているリスクは高い(陽性)と判定することができる。同様に、健康維持に後向きな回答が示された質問項目の数を示す合計スコアが所定の閾値未満である場合、高齢者が将来、例えば1年後又はそれ以降の時点で(例えば1年後又は2年後に)低栄養又はフレイルとなっているリスクは高くない(陰性)と判定することができる。なお本発明において「低栄養」は、MNA(R)-SFで「低栄養のおそれあり」と判定されるような状態も包含する。
高齢者が低栄養又はフレイルとなるリスクを判定する際の閾値は、用いる質問項目及びスコアリング方法によって変動し得る。その閾値は、上記の質問項目への全回答に基づく合計スコアを独立変数、外的基準となる低栄養又はフレイルの指標であるスコアを従属変数としてロジスティック回帰分析を行い、カットオフ・ポイントを導き出すことによって決定することができる。より具体的には、一般高齢者集団における調査で上記質問項目への回答を収集し、またその質問回答時から一定期間経過後(以下に限定されないが、例えば、6ヶ月後、1年後、又は2年後)の同一集団において低栄養又はフレイルの状態にあるかどうかを判定し、その指標であるスコアを取得し、そして、質問項目への全回答に基づく合計スコアを独立変数に用い、質問回答時から一定期間経過後の低栄養又はフレイルの指標であるスコアを従属変数に用いて、低栄養又はフレイル予測の感度(真陽性度)を縦軸、1-特異度(偽陽性度)を横軸としてROC曲線を作成し、AUC(Area under Curve; 曲線下面積)及びヨーデン指標(Youden index)を考慮してカットオフ・ポイントを決定することができる。健康維持に前向きな回答又は後向きな回答が示された質問項目の数を示す合計スコアをカットオフ・ポイント(閾値)と比較して、高齢者が低栄養又はフレイルとなるリスクを判定すればよい。このリスク判定について、オッズ比(Odds Ration; OR)を算出し、リスク判定結果と低栄養又はフレイルに関する健康アウトカムとの関連性の強さを評価してもよい。オッズ比は以下の式で算出できる。
オッズ比=(真陽性率/偽陰性率)/(偽陽性率/真陰性率)
真陽性率は陽性(高い低栄養又はフレイルリスクあり)と判定された対象者のうち低栄養又はフレイルとなった対象者の割合、偽陽性率は陽性と判定された対象者のうち低栄養又はフレイルとならなかった対象者の割合、偽陰性率は陰性(高い低栄養又はフレイルリスクなし)と判定された対象者のうち低栄養又はフレイルとなった対象者の割合、真陰性率は陰性(高い低栄養又はフレイルリスクなし)と判定された対象者のうち低栄養又はフレイルとならなかった対象者の割合である。低栄養やフレイルの他の指標(BMI、アルブミン値など)を用いて調整したオッズ比を算出してもよい。
上記の13項目に関して、各質問項目に対する健康維持に前向きな回答を0点、健康維持に後向きな回答を1点としてスコアリングし、13項目の回答の合計スコアを算出することができる。本発明では、その合計スコアが2点以上である場合、調査対象者の高齢者が1年後に低栄養又はフレイルとなっている(低栄養又はフレイルの状態にある)リスクが高い(陽性)と判定することができる。一方、その合計スコアが0点又は1点の場合、調査対象者の高齢者が1年後に低栄養又はフレイルとなっているリスクは高くない(陰性)と判定することができる。
対象者が低栄養又はフレイルとなっているかどうかの確認は、公知の低栄養の判定基準やフレイルの判定基準に基づいて行うことができる。本発明では、簡易栄養状態評価表ショート・フォーム(Mini Nutritional Assessment-short form; MNA(R)-SF)(ネスレ社)を用いて低栄養の判定を行うことができる。簡易栄養状態評価表ショート・フォームは、http://www.mna-elderly.com/forms/mini/mna_mini_japanese.pdf又はhttp://www.mna-elderly.com/から入手することができる。
MNA(R)-SFに基づく低栄養の判定(スクリーニング)は、以下の表1に従って算出されたスクリーニング値に基づいて行われる。
Figure 2019021146
表1に記載のとおり、MNA(R)-SFで12-14ポイントであれば栄養状態良好、8-11ポイントであれば低栄養のおそれあり、0-7ポイントであれば低栄養と判定される。MNA(R)-SFにより「低栄養」又は「低栄養のおそれあり」と判定された場合、対象者の栄養状態は良好ではないと考えられる。
本発明では、Friedらの虚弱指標(Fried L.P., et al., J. Gerontol. A. Biol. Sci. Med. Sci., (2001) 56(3): M146-M156)と密接に関連した質問項目を含む、新開らの虚弱指標15項目(介護予防チェックリスト(CL)15)(新開省二ら,「要介護状態化リスクのスクリーニングに関する研究:介護予防チェックリストの開発」日本公衆衛生雑誌 (2010) 57(5): 345-354)を用いて、フレイルの判定を行うことができる。
新開らの虚弱指標15項目(CL15)に基づくフレイル(虚弱)の判定は、以下の表2に従って行われる。
Figure 2019021146
表2ではフレイルに対するカットオフ・ポイントを3点/4点とすることができる。すなわち、表2に従って算出した合計スコアが4点以上である場合、対象者が「フレイル(虚弱)となっている」と判定することができる。
上記の方法により、高齢者の、栄養関連認識、食事状況、身体活動状況、及び食関連クオリティ・オブ・ライフ(QOL)に関する質問項目への回答に基づき、高齢者が低栄養又はフレイルとなるリスクを簡便に判定することができる。本発明に係る方法は、血液検査や運動機能測定などを必要とせず、自己評価のみでリスク判定を行うことができるため、より簡便に実施することができる。このため本発明に係る方法は、高齢者(特に、自立した生活を送っている高齢者を始めとする一般高齢者)に、低栄養又はフレイルとなるリスクを判定する機会をより多く提供することを可能にすることができる。
上記のようにして得られる、高齢者が低栄養又はフレイルとなるリスク、特に1年後又はそれ以降に低栄養又はフレイルとなっているリスクの判定結果は、調査対象者である高齢者に提示されることが好ましい。
リスク判定結果は、質問項目、当該高齢者の質問項目への回答、及び/又は合計スコアと共に提示されてもよく、リスク判定結果の説明とともに提示されてもよい。リスク判定結果は、低栄養又はフレイルの予防のためのアドバイスとともに提示されてもよい。そのようなアドバイスとしては、例えば、一日3食、主食・主菜の揃ったバランスの良い食事を心がける;食事が十分摂れない場合は、栄養補助食品など活用して食事の不足分を補う;食欲が出るように意識的に体を動かすよう心がける;などが挙げられるが、これらに限定されない。
高齢者に提示されるこれらの情報は、低栄養又はフレイル予防のためのアドバイスツールとして高齢者に提供されてもよい。本発明は、上記の方法による高齢者が低栄養又はフレイルとなるリスクの判定結果の表示と、低栄養又はフレイルの予防のためのアドバイスの表示とを含む、低栄養又はフレイル予防のためのアドバイスツールも提供する。アドバイスツールとしては、コンピュータ読み取り可能な記録媒体、コンピュータ読み取り可能なデータファイル、シート(アドバイスシート)等が挙げられるが、これらに限定されない。シートは、例えば、樹脂シート、紙シート、薄膜シート、無機又は有機ELシートなどの任意のシートであってよく、これらに限定されない。
本発明に係る高齢者の低栄養又はフレイルの予測方法においては、栄養関連認識、食事状況、身体活動状況、及び食関連クオリティ・オブ・ライフ(QOL)に関する質問項目の表示を含む、高齢者が低栄養又はフレイルとなるリスクを判定するための問診ツールを便利に使用することができる。質問項目の説明、それに対する回答及び回答に基づくリスク判定などの詳細は上述のとおりである。問診ツールとしては、コンピュータ読み取り可能な記録媒体、コンピュータ読み取り可能なデータファイル、シート(調査シート)等が挙げられるが、これらに限定されない。シートは、例えば、樹脂シート、紙シート、薄膜シート、無機又は有機ELシートなどの任意のシートであってよく、これらに限定されない。問診ツールは、医者又は他の医療関係者が診断のために使用するものに限定されず、本発明の方法により高齢者の低栄養又はフレイルを予測するために医療関係者、非医療関係者、高齢者自身又は高齢者の家族などの任意の者が高齢者への質問に用いるための任意のツールであってよい。本発明はこのような問診ツールも提供する。
本発明はまた、高齢者が低栄養又はフレイルとなるリスクを判定するためのデバイスを提供する。本発明のデバイスは、栄養関連認識、食事状況、身体活動状況、及び食関連クオリティ・オブ・ライフ(QOL)に関する質問項目を表示部に表示する質問表示処理手段と、質問項目への回答を入力する入力手段と、質問項目への回答をスコアリングし、合計スコアを算出するスコア演算手段と、合計スコアに基づき前記リスクを判定するリスク判定手段と、リスク判定結果を表示部に表示する判定結果表示処理手段とを有する。
栄養関連認識、食事状況、身体活動状況、及び食関連クオリティ・オブ・ライフ(QOL)に関する質問項目については、上述したとおりである。当該質問項目の例として、以下の13項目が挙げられる:
1)健康のためによいといわれている食品を取り入れているか、
2)栄養や食事について関心を持っているか、
3)健康や栄養のことに関して、家族や親戚、友人、近所の人などと話をするか、
4)規則的な生活を心がけているか、
5)よく体を動かし、食事の量とのバランスをとるようにしているか、
6)主食を食べる量が少なくなってきているか、
7)主菜を食べる量が少なくなってきているか、
8)食べる意欲が少なくなってきたと感じるか、
9)日常的に身体を動かさなくなってきたか、
10)昨年と比べて、外出する機会が減っているか、
11)この6か月間に、以前に比べて体の筋肉や脂肪が落ちてきたと思うか、
12)毎日の食事はおいしいと思うか、及び
13)毎日の食事が楽しいか。
上記デバイスは、演算処理部及び表示部を備える。上記デバイスはまた、ソフトウェア又はハードウェアキーボード、タッチペン、又はマウスのような入力部を備えることが好ましい。上記デバイスは、記憶部を備えることも好ましい。タッチパネル式であってもそうでなくてもよい表示部は、質問項目及びその回答の選択肢、質問項目への回答及びスコア、合計スコア、リスク判定結果、リスク判定結果の説明、及び/又は、低栄養若しくはフレイルの予防のためのアドバイスなどを表示することができる。入力部は、質問項目への回答、他の記載事項(氏名、年齢、身長、体重、記入日など)の記入又は選択、またアプリケーションの起動、設定、リスク判定開始画面の選択又は表示などを可能にすることができる。ハードディスクなどの記憶部は、質問項目、質問項目への選択肢及び回答、合計スコアに対応したリスク判定結果、リスク判定結果の説明、低栄養若しくはフレイルの予防のためのアドバイスなどの情報を格納することができる。記憶部はまた、本発明に係る高齢者の低栄養又はフレイルの予測方法をデバイスにおいて実現させるためのプログラムを格納することができる。演算処理部はそのようなプログラムをコンピュータにおいて実行することができる。
一実施形態では、本発明に係るデバイスは、栄養関連認識、食事状況、身体活動状況、及び食関連クオリティ・オブ・ライフ(QOL)に関する質問項目を表示部に表示する質問表示処理手段と、質問項目への回答を入力する回答入力手段と、質問項目への回答をスコアリングし、合計スコアを算出するスコア演算手段と、合計スコアに基づき前記リスクを判定するリスク判定手段と、リスク判定結果を表示部に表示する判定結果表示処理手段とを有するものであってよい。
上記の質問表示処理手段は、記憶部に格納された質問項目のデータを取得し、表示部に出力する表示処理を行う。表示部に表示された質問項目に対し、高齢者による回答が回答入力手段により入力される。回答入力手段は、入力部による操作を通じて質問項目への回答を入力し、その回答データは記憶部に格納される。入力された回答は表示部に質問項目と関連付けて表示されることが好ましい。スコア演算手段は、記憶部に格納された回答データに基づき、回答をスコアリングし、次いで合計スコアを算出する。一実施形態では、スコア演算手段は、回答のスコアリングのために、記憶部に格納された、各質問項目の回答とスコアとの対応関係を示すデータを参照して、入力された回答にスコアを付与する。スコア演算手段は、例えば、各質問項目に対する健康維持に前向きな回答又は健康維持に後向きな回答にそれぞれ対応付けられた異なるスコアを示すデータを参照し、各質問項目に対する回答にスコアを付与する。一実施形態では、スコア演算手段は、各質問項目に対する健康維持に前向きな回答に0点、健康維持に後向きな回答に1点のスコアを付与する。スコア演算手段は、回答のスコアリングによって得られた、全ての質問項目の回答にそれぞれ対応付けられたスコアを合算し、合計スコアを算出する。各質問項目の回答にそれぞれ対応付けられたスコア、及び算出された合計スコアは、記憶部に格納される。続いて、リスク判定手段が、記憶部に格納された合計スコアに基づき、高齢者が低栄養又はフレイルとなるリスクを判定する。リスク判定手段は、記憶部に格納されたリスク判定基準を示すデータを参照して、記憶部に格納された合計スコアを、リスク判定基準に基づく閾値と比較し、リスク判定結果を導き出す。例えば、各質問項目に対する健康維持に前向きな回答に0点、健康維持に後向きな回答に1点のスコアが付与され、閾値(カットオフ・ポイント)を1点/2点とし、2点以上であれば高齢者が低栄養又はフレイルとなるリスクが高いというリスク判定基準が用いられる場合には、リスク判定手段は、そのようなリスク判定基準を参照し、合計スコアを閾値(2点)と比較し、合計スコアが2点以上であれば低栄養又はフレイルとなるリスクが高いというリスク判定結果を導き出す。一実施形態では、例えば質問項目として上記の13項目が使用される場合、スコア演算手段は、各質問項目に対する健康維持に前向きな回答に0点、健康維持に後向きな回答に1点のスコアを付与し、13項目の合計スコアを算出し、リスク判定手段は、合計スコアが2点以上であれば、1年後に低栄養又はフレイルとなっているリスクが高いと判定するものであってよい。そのようにして得られたリスク判定結果は記憶部に格納されることが好ましい。得られたリスク判定結果を、判定結果表示処理手段が記憶部から取得して表示部に対して出力し、リスク判定結果が表示部に表示される。これらの質問表示処理手段、回答入力手段、スコア演算手段、リスク判定手段、及び判定結果表示処理手段、並びに後述の印刷処理手段等を実現するためのプログラムは、記憶部に格納され、演算処理部において実行される。
別の実施形態では、本発明に係るデバイスは、記憶部を有し、かつ外部記憶部と物理的に又はオンライン上で接続させてもよい。そのようなデバイスは、例えば、プログラムを格納した記憶部を有し、かつ、質問項目のデータを格納した外部記憶部と物理的に又はオンライン上で接続して使用することができる。外部記憶部は、以下に限定するものではないが、外部記憶媒体(USBメモリ、SDカード、外付けハードディスクドライブなど)、クラウドサーバ等であってよい。本発明に係るデバイスと接続して使用する外部記憶部は、上述の記憶部の少なくとも一部として機能しうる。
本発明に係るデバイスはまた、リスク判定結果を印刷する印刷部をさらに有していてもよい。得られたリスク判定結果のデータは、印刷部に出力され、判定結果シートやアドバイスシートとして印刷される。印刷部は、リスク判定結果とともに低栄養又はフレイルの予防のためのアドバイスを含む情報を印刷することができるものであってもよい。印刷部は、リスク判定結果とともに、質問項目、当該高齢者の質問項目への回答、合計スコア、及び/又はリスク判定結果の説明を含む情報を印刷することができるものであってもよい。本発明に係るデバイスは、リスク判定結果や、低栄養又はフレイルの予防のためのアドバイスなどを含む情報を印刷する印刷処理手段を有していてもよい。印刷処理手段は記憶部から取得したそれらの情報(データ)を印刷部に出力し、印刷処理を実行する。このような印刷部や印刷処理手段をさらに有するデバイスは、高齢者が低栄養又はフレイルとなるリスクの判定(予測)と判定結果シートやアドバイスシートの提供とを自動化した装置として使用できる。
本発明はまた、本発明の方法をコンピュータに実行させるためのプログラムも提供する。本発明に係るプログラムは、高齢者の、栄養関連認識、食事状況、身体活動状況、及び食関連クオリティ・オブ・ライフ(QOL)に関する質問項目への回答をスコアリングし、合計スコアを算出する工程と、合計スコアに基づいて前記高齢者が低栄養又はフレイルとなるリスクを判定する工程と、得られたリスク判定結果を出力する工程とを、コンピュータに実行させるためのものであってよく、そのためのアルゴリズムを含むものであってよい。リスク判定結果の出力は表示部への出力であってもよいし、外部記憶部や印刷部への出力であってもよい。本発明に係るプログラムはまた、リスク判定結果とともに、低栄養又はフレイルの予防のためのアドバイスを出力する工程についてもコンピュータに実行させるためのものであってよい。さらに、本発明に係るプログラムは、質問項目への回答のスコアリング工程に先立ち、上記質問項目を表示する工程、及び/又は入力された上記質問項目への回答のデータを読み込む工程についてもコンピュータに実行させるためのものであってもよい。本発明に係るプログラムは、質問表示処理手段、回答入力手段、スコア演算手段、リスク判定手段、及び判定結果表示処理手段を実現するためのものであってよい。本発明に係るプログラムは、高齢者が低栄養又はフレイルとなるリスクを判定するために用いることができる。本発明に係るプログラムは上述のデバイスにおいて使用することができる。本発明に係るプログラムはまた、クラウドサーバ上、又はオンライン上などで使用することもできる。本発明に係るプログラムによって実行すべき高齢者の低栄養又はフレイルの予測方法に関する詳細については、上述のとおりである。
以下、実施例を用いて本発明をさらに具体的に説明する。但し、本発明の技術的範囲はこれら実施例に限定されるものではない。
[実施例1]指標の作成
高齢者の低栄養及びフレイルの有効な指標を見出すため、まず高齢者の栄養状態に関連する4つの領域として、「医学問診/健康状態」、「身体活動/生活機能」、「認識」、及び「環境」を設定した。これらの領域について様々な候補質問項目を作成し、それらについて高齢者を対象に予備調査を行った。予備調査結果に基づいて候補質問項目及び尺度構成を検討及び修正し、次に、調査対象の高齢者を増やしてさらに調査を行うことにより再評価を行った。続いて、項目分析、探索的因子分析、及び確証的因子分析を行い、最終的に4因子13項目を質問項目として確定した(表3)。
Figure 2019021146
表3の13項目について、後向き(ネガティブ)な回答には1点、前向き(ポジティブ)な回答には0点を与えた。13項目の合計点(0〜13点)を算出し、それを低栄養及びフレイルの予測指標とした。点数が高いほど、低栄養及びフレイルに陥るリスクが高い状態にあることを示す。
このようにして作成した指標の信頼性は、内的整合法及びGood-Poor分析により確認した。
[実施例2]本発明の指標の予測的妥当性の評価
実施例1で作成した本発明の指標を用いたリスク判定と、その一年後又は二年後の追跡調査を行って、その指標の予測的妥当性を評価した。
一年後の健康状態についての本発明の指標の予測的妥当性を評価するため、群馬県草津町(日本)在住で2015年7月に高齢者健診を受診した65歳〜93歳の高齢者714名のうち2016年の同健診も受診した640名を調査対象者とした。
また二年後の健康状態についての本発明の指標の予測的妥当性を評価するため、埼玉県鳩山町(日本)在住で2014年9月にシニア健診を受診した65歳〜89歳の高齢者478名のうち2016年の同健診も受診した297名を調査対象者とした。
調査項目は、本発明の指標の13項目(表3)に加えて、基本属性(性別、年齢、独居か否か、既往歴)、低栄養に関する指標である簡易栄養状態評価表ショート・フォーム(Mini Nutritional Assessment-short form; MNA(R)-SF)、高次生活機能の指標である老研式活動能力指標(TMIG-IC)13項目、新開らの虚弱指標15項目(CL15)(2014年及び2016年鳩山町調査、2016年草津町調査で使用)、基本チェックリスト25項目(2015年草津町調査のみで使用)、精神的健康度の指標である老年期うつ病評価尺度(Geriatric Depression Scale 15; GDS-15)、認知機能の指標であるMMSE(Mini-Mental State Examination)、食品摂取状況の指標としての熊谷らの食品摂取多様性スコア(DVS)10項目、血液生化学的検査項目、身体機能の指標としての握力、通常歩行速度、開眼片足立時間、骨格筋量指数(SMI)を用いた。
調査対象者には、2回の健診の前に、本発明の指標の13項目(表3)、基本属性、MNA(R)-SF、TMIG-IC、CL15又は基本チェックリスト25項目のいずれか、GDS-15、DVSを含む調査票を事前に配布した。調査対象者には自記式で回答した調査票を健診当日に持参してもらい、それを回収して調査員が記入内容を確認した。また健診当日の会場で、MMSE、握力、通常歩行速度、開眼片足立時間、及び骨格筋量指数(SMI)の測定を行い、また血液生化学的検査のために採血を行った。
本発明の指標の予測の正確性を調べるため、初回調査から一年後又は二年後のMNA(R)-SFによる「低栄養又は低栄養のおそれあり(At risk)」(8点以上)又はCL15による「フレイル(虚弱)」(4点以上)の判定を外的基準として、本発明の指標についてROC分析により曲線下面積(Area under Curve; AUC)及びヨーデン指標(Youden index)を考慮してカットオフ・ポイントを決定した。
調査対象コホート(草津町、鳩山町)で得られた、本発明の指標に基づく得点分布を図1に示す。図1Aが草津町、図1Bが鳩山町のデータである。
草津町調査データにおいて、ROC分析に基づく一年後のMNA(R)-SFによる「低栄養又は低栄養のおそれあり」の判定を外的基準とした場合の本発明の指標のAUCは0.66(95%信頼区間(CI):0.61-0.72)、一年後のCL15による「フレイル(虚弱)」の判定を外的基準とした場合の本発明の指標のAUCは0.73(95%信頼区間:0.68-0.79)であった。図2にROC曲線を示す。ヨーデン指標(感度+特異度-1が最大値となるポイント)に基づき、一年後のMNA(R)-SFでの低栄養又は低栄養のおそれありとの判定、及び一年後のCL15でのフレイルの判定に対する本発明の指標のカットオフ・ポイントを1点/2点に決定した。低栄養の判定に関してカットオフ・ポイントを1点/2点とした場合の感度は61.0%、特異度は66.0%であった。フレイル(虚弱)の判定に関してカットオフ・ポイントを1点/2点とした場合の感度は60.4%、特異度は77.1%であった。本発明の指標が2点以上の場合、一年後にMNA(R)-SFで低栄養又は低栄養のおそれがあると判定される状態になるリスクが高く、また一年後にCL15でフレイル(虚弱)と判定される状態になるリスクが高いと判定することができる。
鳩山町調査データにおいて、ROC分析に基づく二年後のMNA(R)-SFによる「低栄養又は低栄養のおそれあり」の判定を外的基準とした場合の本発明の指標のAUCは0.62(95%信頼区間:0.55-0.70)、二年後のCL15による「フレイル」の判定を外的基準とした場合の本発明の指標のAUCは0.78(95%信頼区間:0.72-0.84)であった。図3にROC曲線を示す。ヨーデン指標に基づき、二年後でのMNA(R)-SFの「低栄養及び低栄養のおそれあり」との判定を外的基準とした場合の本発明の指標のカットオフ・ポイントを2点/3点、二年後のCL15での「フレイル」の判定を外的基準とした場合の本発明の指標のカットオフ・ポイントを3点/4点に決定した。低栄養の判定に関してカットオフ・ポイントを2点/3点とした場合の感度は72.7%、特異度は46.9%であった。フレイル(虚弱)の判定に関してカットオフ・ポイントを3点/4点とした場合の感度は86.3%、特異度は56.5%であった。本発明の指標が3点以上の場合、二年後にMNA(R)-SFで低栄養又は低栄養のおそれがあると判定される状態になるリスクが高く、また4点以上の場合、二年後にCL15でフレイル(虚弱)と判定される状態になるリスクが高いと判定することができる。
続いて、本発明の指標の予測的妥当性について検討した。本発明の指標による判定と、追跡期間中の負の健康アウトカム(adverse health outcomes; 栄養状態及び機能的健康度の悪化)との関連の強さを、二年後又は一年後のMNA(R)-SFによる「低栄養又は低栄養のおそれあり」との判定、又はCL15による「フレイル(4点以上)」の判定を従属変数に、本発明の指標による判定を独立変数に置いたロジスティックモデルを用いて調べた。その際、性別、年齢、併存疾患数(2つ以上)などを調整したオッズ比(Odds ratio; OR)も算出した。結果を表4に示す。
草津町において一年後の追跡調査に応答し、かつ解析に必要なデータに欠損のなかった437人のうち、MNA(R)-SFで「低栄養又は低栄養のおそれあり」、CL15で「フレイル」と判定された者はそれぞれ147人と91人であった。初回調査での本発明の指標が1点以下の高齢者群に対する、2点以上の高齢者群について一年後にMNA(R)-SFで「低栄養又は低栄養のおそれあり」と判定される事象の未調整オッズ比(95%信頼区間)は3.04(2.01-4.60)であった(モデル1)。性別、年齢、併存疾患数2つ以上の有無、BMI(20以上/20未満)、血清アルブミン値(4.0以上/4.0未満;単位はg/dL)について調整したオッズ比(95%信頼区間)は3.74 (2.22-6.29)であった(モデル3)。また、初回調査での本発明の指標が1点以下の高齢者群に対する、2点以上の高齢者群について一年後にCL15で「フレイル」と判定される事象の未調整オッズ比(95%信頼区間)は5.29(3.08-9.08)であった(モデル1)。性別、年齢、併存疾患数2つ以上の有無、BMI 20未満、血清アルブミン値4.0g/dL未満及び2015年の基本チェックリスト得点について調整したオッズ比(95%信頼区間)は2.32(1.26-4.31)であった(モデル4)。
鳩山町において二年後の追跡調査に応答し、かつ解析に必要なデータに欠損のなかった290人のうち、MNA(R)-SFで「低栄養又は低栄養のおそれあり」、CL15で「フレイル」の判定を受けた者はそれぞれ95人と62人であった。本発明の指標が2点以下の高齢者群に対する、3点以上の高齢者群について二年後にMNA(R)-SFで「低栄養又は低栄養のおそれあり」と判定される事象の未調整オッズ比(95%信頼区間)は2.36(1.38-4.01)であった(モデル1)。性別、年齢、併存疾患数2つ以上の有無、BMI(20以上/20未満)、血清アルブミン値(4.0以上/4.0未満)について調整したオッズ比(95%信頼区間)は3.03 (1.59-5.77)であった(モデル3)。また、初回調査での本発明の指標が3点以下の高齢者群に対する、4点以上の高齢者群について二年後にCL15で「フレイル」と判定される事象の未調整オッズ比(95%信頼区間)は9.14(4.64-18.0)であった(モデル1)。性別、年齢、併存疾患数2つ以上の有無、BMI(20以上/20未満)、血清アルブミン値(4.0以上/4.0未満)及び2014年のCL15得点について調整したオッズ比(95%信頼区間)は3.47(1.45-8.29)であった(モデル4)。
さらに、鳩山町調査データについて、二年後の本発明の指標、MNA(R)-SF、CL15を用いた判定結果と、性別、年齢、既知の栄養指標、食品摂取の多様性得点、高次生活機能の平均値や変化量との関連を調べた(表5)。
その結果、三つの指標はいずれも高次生活機能の低下と関連していた。MNA(R)-SFの判定結果と、低体重、低BMI及びそれら2年間の変化量との関連が強いことから、MNA(R)-SFは既に低栄養にある人を特定するのに有効であることが確認された。
本発明の指標は、低栄養の指標となる低体重、低BMI及びそれら2年間の変化量とは有意な関連を示さなかったが、食品摂取の多様性得点の低値やその2年間の変化量の低下と有意な関連を示した。このことは、本発明の指標が、MNA(R)-SFでは捉えられないごく軽度な低栄養や近い将来に低栄養となるリスクが高い高齢者を特定する上で有用であることを示していた。
一方、CL15の判定結果は、アルブミン低値との間に有意な関連を示した。アルブミンは栄養指標であるとともに、体内の炎症反応(low-grade inflammation)による影響も受ける。この結果は、フレイル(虚弱)に低栄養や炎症反応が複合して関与するという報告と一致した。
Figure 2019021146
Figure 2019021146
以上の結果から、本発明の指標に基づいて、近い将来、例えば二年後又は一年後に低栄養やフレイル(虚弱)となっているリスクを判定できることが示された。また、本発明の指標は、食品摂取の多様性得点の低値及び低下との関連が強く、MNA(R)-SFでは捉えられない一般高齢者のごく軽度な低栄養又は将来の低栄養リスクを評価するために有用であることが示された。
本発明は、高齢者が低栄養又はフレイルとなるリスクを判定し、その改善に向けた対応を早期に開始することにより低栄養又はフレイルの予防を促進するために、有効に用いることができる。

Claims (12)

  1. 高齢者の、栄養関連認識、食事状況、身体活動状況、及び食関連クオリティ・オブ・ライフ(QOL)に関する質問項目への回答をスコアリングし、合計スコアに基づいて前記高齢者が低栄養又はフレイルとなるリスクを判定することを含む、高齢者の低栄養又はフレイルの予測方法。
  2. 前記質問項目が、
    1)健康のためによいといわれている食品を取り入れているか、
    2)栄養や食事について関心を持っているか、
    3)健康や栄養のことに関して、家族や親戚、友人、近所の人などと話をするか、
    4)規則的な生活を心がけているか、
    5)よく体を動かし、食事の量とのバランスをとるようにしているか、
    6)主食を食べる量が少なくなってきているか、
    7)主菜を食べる量が少なくなってきているか、
    8)食べる意欲が少なくなってきたと感じるか、
    9)日常的に身体を動かさなくなってきたか、
    10)昨年と比べて、外出する機会が減っているか、
    11)この6か月間に、以前に比べて体の筋肉や脂肪が落ちてきたと思うか、
    12)毎日の食事はおいしいと思うか、及び
    13)毎日の食事が楽しいか、
    の13項目である、請求項1に記載の方法。
  3. 高齢者が低栄養又はフレイルとなるリスクを判定するためのデバイスであって、栄養関連認識、食事状況、身体活動状況、及び食関連クオリティ・オブ・ライフ(QOL)に関する質問項目を表示部に表示する質問表示処理手段と、質問項目への回答を入力する回答入力手段と、質問項目への回答をスコアリングし、合計スコアを算出するスコア演算手段と、合計スコアに基づき前記リスクを判定するリスク判定手段と、リスク判定結果を前記表示部に表示する判定結果表示処理手段とを有する、デバイス。
  4. 前記質問項目が、
    1)健康のためによいといわれている食品を取り入れているか、
    2)栄養や食事について関心を持っているか、
    3)健康や栄養のことに関して、家族や親戚、友人、近所の人などと話をするか、
    4)規則的な生活を心がけているか、
    5)よく体を動かし、食事の量とのバランスをとるようにしているか、
    6)主食を食べる量が少なくなってきているか、
    7)主菜を食べる量が少なくなってきているか、
    8)食べる意欲が少なくなってきたと感じるか、
    9)日常的に身体を動かさなくなってきたか、
    10)昨年と比べて、外出する機会が減っているか、
    11)この6か月間に、以前に比べて体の筋肉や脂肪が落ちてきたと思うか、
    12)毎日の食事はおいしいと思うか、及び
    13)毎日の食事が楽しいか、
    の13項目である、請求項3に記載のデバイス。
  5. リスク判定結果を印刷する印刷部をさらに有する、請求項3又は4に記載のデバイス。
  6. 印刷部が、リスク判定結果とともに低栄養又はフレイルの予防のためのアドバイスを含む情報を印刷する、請求項5に記載のデバイス。
  7. 高齢者の、栄養関連認識、食事状況、身体活動状況、及び食関連クオリティ・オブ・ライフ(QOL)に関する質問項目への回答をスコアリングし、合計スコアを算出する工程と、合計スコアに基づいて前記高齢者が低栄養又はフレイルとなるリスクを判定する工程と、得られたリスク判定結果を出力する工程とを、コンピュータに実行させるためのプログラム。
  8. 前記質問項目が、
    1)健康のためによいといわれている食品を取り入れているか、
    2)栄養や食事について関心を持っているか、
    3)健康や栄養のことに関して、家族や親戚、友人、近所の人などと話をするか、
    4)規則的な生活を心がけているか、
    5)よく体を動かし、食事の量とのバランスをとるようにしているか、
    6)主食を食べる量が少なくなってきているか、
    7)主菜を食べる量が少なくなってきているか、
    8)食べる意欲が少なくなってきたと感じるか、
    9)日常的に身体を動かさなくなってきたか、
    10)昨年と比べて、外出する機会が減っているか、
    11)この6か月間に、以前に比べて体の筋肉や脂肪が落ちてきたと思うか、
    12)毎日の食事はおいしいと思うか、及び
    13)毎日の食事が楽しいか、
    の13項目である、請求項7に記載のプログラム。
  9. リスク判定結果とともに、低栄養又はフレイルの予防のためのアドバイスを出力する、請求項7又は8に記載のプログラム。
  10. 栄養関連認識、食事状況、身体活動状況、及び食関連クオリティ・オブ・ライフ(QOL)に関する質問項目の表示を含む、高齢者が低栄養又はフレイルとなるリスクを判定するための問診ツール。
  11. 前記質問項目が、
    1)健康のためによいといわれている食品を取り入れているか、
    2)栄養や食事について関心を持っているか、
    3)健康や栄養のことに関して、家族や親戚、友人、近所の人などと話をするか、
    4)規則的な生活を心がけているか、
    5)よく体を動かし、食事の量とのバランスをとるようにしているか、
    6)主食を食べる量が少なくなってきているか、
    7)主菜を食べる量が少なくなってきているか、
    8)食べる意欲が少なくなってきたと感じるか、
    9)日常的に身体を動かさなくなってきたか、
    10)昨年と比べて、外出する機会が減っているか、
    11)この6か月間に、以前に比べて体の筋肉や脂肪が落ちてきたと思うか、
    12)毎日の食事はおいしいと思うか、及び
    13)毎日の食事が楽しいか、
    の13項目である、請求項10に記載の問診ツール。
  12. 請求項1又は2に記載の方法により得られた、高齢者が低栄養又はフレイルとなるリスクの判定結果の表示と、低栄養又はフレイルの予防のためのアドバイスの表示とを含む、低栄養又はフレイル予防のためのアドバイスツール。
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