JP2019020186A - 加速度計、健全性検査装置及び方法 - Google Patents

加速度計、健全性検査装置及び方法 Download PDF

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喜彦 田口
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智章 樋ヶ
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Abstract

【課題】核燃料体の輸送容器への加速度計の設置方向にかかわらず、健全性判断に適した計測軸の加速度データによって、精度の良い健全性判断を行うことができる健全性検査方法および装置等を提供する。【解決手段】核燃料体の輸送中に核燃料体の輸送容器に発生した加速度を時系列的に記録した三次元の加速度データと、輸送容器への設置方向を示す設置方向データとを受信するステップと、加速度データの座標系が所望の座標系と一致しない場合には、加速度データと設置方向データから、所望の座標系で表された加速度データを求めるステップと、所望の座標系で表された加速度データを解析して、輸送後の核燃料体の健全性を判定するステップとを含む。【選択図】図1

Description

本発明は、核燃料体の健全性検査に関し、特に、核燃料体の輸送容器に取り付ける加速度計、加速度データを利用した健全性検査装置、および健全性検査方法等に関する。
原子炉で使用される核燃料体は、核燃料加工施設で製造され出荷検査を行った後に、輸送容器に収容されてトレーラや貨車などの車両や、船舶などの輸送手段により、原子力発電所まで輸送される。輸送中に核燃料体の健全性に影響がある振動が発生したか否かを監視するために、核燃料の輸送容器に加速度計(インパルスメモライザ、IM計)を取り付けて、輸送開始から完了までの間に輸送容器にかかった加速度を時系列に沿って記録することが行われている。図2および図3に代表的な輸送状態を示す。
図2(a)は輸送船11による海上輸送の状態である。核燃料体22は、円筒及び角形状から構成される海上輸送用の輸送容器21’の中心部に収納され、周囲には緩衝材が設置される。核燃料体22の軸方向が、輸送容器21’の軸方向と一致するように収納される。図2(b)に示すように、輸送容器21’の外胴には、IM計20’が、輸送容器21’の中心軸方向と一致するように、輸送容器21’の角形状の水平部分に取り付けられる。IM計20’が取り付けられた輸送容器21’は、軸方向が水平(重力方向に対して垂直)となるように輸送船11に固定される。
図3(a)はトレーラ10による陸上輸送の状態である。海上輸送の場合と同様に、核燃料体22は、円筒形状の陸上輸送用の輸送容器21”の中心部に軸方向が一致するように収納され、周囲には緩衝材が設置される。陸上輸送の場合には、外胴に対するIM計20”の取り付け位置が異なり、図3(b)に示すように、円筒部の外胴の中心から傾斜した位置に取り付けることが一般的である。IM計20”が取り付けられた輸送容器21”は、軸方向が水平(重力方向に対して垂直)となるようにトレーラ10の荷台に固定される。トレーラ10は、トラクタに連結されて輸送される。
IM計20’、20”は、輸送中に輸送容器21’、21”にかかる加速度を検知し、三次元の加速度データとして記録する。記録された加速度データは、輸送後に解析され、核燃料体の健全性が判断される。特許文献1および2には、代表的な健全性確認方法が開示されている。
図2(b)および図3(b)で示したように、海上輸送と陸上輸送とでは、輸送容器21’、21”に対するIM計20’、20”の取り付け位置が異なるが、健全性判断の際には、いずれの場合でも重力方向と平行な軸(z’軸)を計測軸の1つとする三次元データであることが望ましい。このため、海上輸送用のIM計20’(水平取付用IM計)と陸上輸送用のIM計20”(傾斜取付用IM計)の2種類のIM計を用意し、輸送行程にしたがって、輸送行程ごとに専用のIM計を取り付ける、もしくは、交換する必要があった。例えば、核燃料加工施設から港までの陸上輸送では陸上輸送用のIM計20”を陸上輸送用の輸送容器21”に取り付けて輸送中の加速度を記録する。続いて、陸上輸送された核燃料体22を海上輸送用の輸送容器21’に積み換えて、輸送容器21’を輸送船11に積載し、原子力発電所の最寄の港まで輸送する際には、海上輸送用のIM計20’で加速度の記録を行う必要があった。
このため、IM位置の取付位置によらず、所望の座標系で表された加速度データを利用して精度の良い健全性判断を行うことが可能なIM計や健全性判断装置・方法が望まれていた。
特開2002−323590号公報 特開平7−280991号公報
本発明に係る健全性検査方法等の一態様は、核燃料体の輸送中に前記核燃料体の輸送容器に発生した加速度を時系列に沿って記録した三次元の加速度データと、前記輸送容器への設置方向を示す設置方向データとを受信するステップと、加速度データの座標系が所望の座標系と一致しない場合には、加速度データと設置方向データから、所望の座標系で表された加速度データを求めるステップと、所望の座標系で表された加速度データを解析して、輸送後の核燃料体の健全性を判定するステップとを含む健全性検査方法、各ステップを実行する手段を備えた健全性検査装置、およびコンピュータに各ステップを実行するためのプログラムを格納した記録媒体である。加速度データとともにIM計の設置方向データを取得し、設置方向データから計測した加速度データの座標系が健全性判断処理に適した所望の座標系と一致するか否かを判断し、所望の座標系と異なる場合には所望の座標系に変換した加速度データに基づいて健全性判断を行うことにより、IM位置の取付位置によらず、精度の良い健全性判断を行うことができる。
ここで、健全性判断処理に適した所望の座標系の座標軸は、重力方向と平行な軸を含むことが望ましく、このために設置方向データとして、重力の方向を加速度センサの計測軸で表したデータ(重力を、三次元の加速度データで表したデータ)を含むことが望ましい。また、健全性検査の対象である核燃料体は軸方向が一致するように輸送容器に格納されていることから、健全性判断処理に適した所望の座標系には、輸送容器の軸と平行な座標軸を含むことが望ましく、設置方向データとして、輸送容器の軸方向を加速度データの計測軸の座標系で示したデータを含むことが望ましい。
また、本発明に係る加速度計の態様は、核燃料体の輸送容器に取り付けて、前記核燃料体の輸送中に輸送容器に発生する加速度を計測する加速度計であって、三次元の加速度を計測する加速度センサと、計測した加速度データの座標系が所望の座標系と一致しない場合には、所望の座標系で表された加速度データを求める変換手段と、核燃料体の輸送中に、所望の座標系で表された加速度データを時系列に沿って記録する記憶手段とを備える。加速度データを提供する加速度計自身が、加速度データの座標系が所望の座標系と一致するか否かを判断し、一致しない場合には所望の座標系に変換したデータを記録することより、加速度データを受け取る健全性検査装置は加速度計の設置方向を考慮することなく精度の良い健全性判断を行うことが可能となる。
上述した加速度計において、加速度データの座標系の変換手段を設ける代わりに、加速度センサの計測軸の方向を変更する変更手段を設け、加速度センサで計測する座標系を健全性判断処理に適した所望の座標系にあわせる(加速度センサの計測軸の1つが、所望の方向となるように設定する)ことにより、座標系の変換が不要となり、加速度センサから健全性判断処理に適した所望の座標系で表された加速度データを直に取得し、当該加速度データに基づいた精度のよい健全性検査が可能となる。
さらに、本発明に係る加速度計の別の態様は、核燃料体の輸送容器に取り付けて、前記核燃料体の輸送中に輸送容器に発生する加速度を計測して時系列に沿って記録する加速度計であって、筐体と、筐体内部に配置され、三次元の加速度を計測する加速度センサとを備え、筐体が、輸送容器との取り付け部分と加速度センサとの間に配置された断熱手段と、筐体内部の温度を調節する温度調節手段とを備える。輸送容器からの熱伝導の抑制、加速度計内部で発生した熱の放熱、高い気密性、加速度計内外の気温差の調整などにより、加速度計内部の電子部品の劣化や計測精度の低下を防止することができる。
さらに、加速度計内に温度センサを設置し、加速度と温度の同時測定を行う。あるいは、温度計測を検査装置とは独立した温度計測装置を用いて、予め設定した輸送容器近傍の測定位置に対して、核燃料輸送時の主要な時点の温度データを取得する。取得した温度データを記録し、その履歴を解析することにより、加速度計内の電子部品の寿命予測を行うことができる。高温条件での使用履歴データは、予め設定したコンデンサ等の部品寿命期間に対するフィードバックに使用するものとし、高温条件での使用履歴に応じた部品寿命期間の管理を行うことができる。
輸送容器の座標系と加速度計の座標系の関係を示す説明図である。 海上輸送状態を示す説明図である。 陸上輸送状態を示す説明図である 加速度計の概略構成図である。 加速度計のブロック図である。 健全性検査装置のブロック図である 健全性検査方法のフローチャートである。 座標系の変換の説明図である。 健全性の判定方法の説明図である。 健全性検査方法のフローチャートである。 加速度センサ組立体の概略構成図である。 健全性検査方法のフローチャートである。 加速度センサ組立体の概略構成図である。 加速度計および加速度センサ組立体の概略構成図である。 核燃料体の輸送工程の説明図である。 IM計の品質管理(寿命判定)に関する説明図である。
本願発明に係る加速度計(IM計)20の概略構成の一例を図4に示す。IM計20の筐体は、金属材で構成された上蓋31、側板32、および輸送容器の表面に取り付けられる底板33を備え、それぞれが着脱可能な結合部材により結合されている。上蓋31と側板32との間にオーリング36が、側板32と底板33との間にはガスケット34が、さらに底板33の上には金属材より熱伝導率の低い非金属材料の熱絶縁素材(アクリル樹脂など)で構成される断熱部材46が配置されている。
このような構成により、高い気密性を提供するとともに、核燃料体で発生した熱が輸送容器に取り付けられた加速度計や他の部品などに伝導することを抑制する断熱性能を提供している。また、上蓋31、側板32、および底板33のそれぞれを結合する結合部材を解除することによって、容易に分離可能となっている。
さらに、筐体内部は電源44を設置する部屋とその他のセンサ45及び電子基板40等の部品を設置する部屋が中壁38によって分かれている。各輸送に供する前後や電源44として使用される電池容量が低下した場合など、このような分割された筐体構造により底板33を開放することで容易に電池を交換することができ、本発明に係る加速度計(IM計)は陸上輸送にも海上輸送にも共通して供することができる。また、メンテナンス作業時に、筐体内部の加速度センサ45や電子基板40を交換する場合は上蓋31を開放して筐体内部の部品の交換作業も容易に行うことが可能である。
上蓋31と側板32の一部とには温度調節手段である放熱フィン37が、側板32には別の温度調節手段であるベントフィルタ35がそれぞれ配置され、加速度計内部に収納された電子部品などにより発生した熱や輸送容器から伝わる熱を効率よく筐体外に逃がすことができる。さらに、加速度計内部の加速度センサなどの電子部品を交換する前後に、予めベントフィルタ35により筐体内外の気圧や気温差を小さくすることにより、気密性のある筐体を開放したときに混入する湿分を含んだ空気に起因する結露を防止することができる。
このように高い気密性能、断熱性能、放熱性能、温度調整機能などにより、内部に格納される電子部品等の劣化・故障・誤動作を防ぎ、精度の高い計測が可能となる。
IM計20の内部には、三次元の加速度および重力の計測が可能な加速度センサ45、筐体内部の温度を計測する温度センサ43、計測した加速度や温度のデータをタイムスタンプとともに記録し、時系列的な加速度データおよび温度データを記録するメモリ42、センサ43、45やメモリ42の動作を制御する電子回路が構成された電子基板40、および電源44が収納されている。電子基板40上には、加速度データや温度データを処理するためのプロセッサや、電源電圧を安定化するためのコンデンサ41が搭載されている。
電源44の上方には、部屋を分ける中壁38をはさんで温度センサ43が配置され、さらにその上方にはメモリ42と電子基板40の順で配置されている。筐体内部の主要な発熱源である電子基板40が位置する領域の周辺の側板32には放熱フィンが配置され、電子基板40で発生した熱を効率よく放熱することができる。
次に、電子基板40に構成された電子回路と、電子基板40外の電子部品等との電気的な接続について、図5のブロック図を参照しながら説明する。加速度センサ45は互いに垂直な3つの計測軸X、Y、Zについて各方向の加速度を計測する。加速度センサ45および温度センサ43は電子基板40内の増幅回路51に接続され、加速度センサ45および温度センサ43から出力されたアナログ信号が増幅される。増幅回路51はアナログ/デジタル(A/D)変換回路52に接続され、計測された加速度や温度がデジタルデータに変換される。A/D変換回路52は、プロセッサ53に接続され、デジタル信号に変換された加速度データや温度データのデータ処理が行われる。
プロセッサ53は、A/D変換回路52のほかに、メモリ42、タイマ55、インターフェイス54にも接続されている。加速度データや温度データは、タイマ55からの時間データと関連付けされてメモリ42に保存され、計測開始からの時系列的な加速度データおよび温度データがメモリ42内に格納される。インターフェイス54は、有線、無線、赤外線などで健全性検査装置60と通信することができ、メモリ42内に格納された加速度データおよび温度データを健全性検査装置60に送信することができる。
また、電子基板40上に配置された増幅回路51、A/D変換回路52、プロセッサ53、インターフェイス54、タイマ55などを作動させるために必要な電源を供給するために、電子基板40上には電源44に接続された電源回路57が搭載されている。電源回路57は、電源44からの直流電圧の電圧変換を行うDC/DCレギュレータ56を備え、DC/DCレギュレータ56の両端には電圧安定化のためにコンデンサ41が並列に接続されている。また、DC/DCレギュレータ56の出力側にはリプル低減のためのコイルが接続されている。
次に、図6を参照しながら、健全性検査装置60の構成を説明する。健全性検査装置60はコンピュータと同様な構成を有している。すなわち、キーボード66やIM計20などの入力手段からのデータを受け取り、またモニタ65などの出力手段にデータを送るインターフェイス64と、インターフェイス64、メモリ61およびタイマ63が接続されたプロセッサ62とを有する。
図7に健全性検査装置60の動作を表したフローチャートを示す。健全性検査装置60は輸送容器21に取り付けられたIM計20から、輸送中に輸送容器21に発生した加速度データを時間データ(タイムスタンプ)とともに記録した時系列的な加速度データを受信してメモリ61に格納する。あわせてIM計20の設置方向(すなわち加速度センサ45の計測軸の向き)を表す設置方向データを受信する(ステップ71)。設置方向データは、例えば、輸送前後の輸送容器が静止している状態でかかっている重力加速度を加速度センサ45の座標系で表した三次元の加速度データである。また、重力を表すデータと合わせて、輸送容器21の軸方向(すなわち、核燃料体22の軸方向)を加速度センサ45の座標系で表したデータを受信してもよい。このように設置方向データは1つでも複数であってもよい。また、輸送容器21の軸方向を表すデータように加速度センサなどで自動的に計測することが困難な設置方向データは、予めIM計20のメモリ42内に格納したものを必要に応じて健全性検査装置60が受信してもよいし、健全性検査の実施時にオペレータがキーボード66から入力することによって健全性検査装置60が受信してもよい。
次に、健全性検査装置60のプロセッサ62は、設置方向データから、加速度データの座標系(加速度センサ45の計測軸)が、健全性判断処理に適した所望の座標系と一致しているかを判定する(ステップ72)。例えば、健全性判断では核燃料体22に対してどの方向に加速度がかかったかが判断要素となるため、計測軸の1つが核燃料体22の軸と一致していることが望ましい。核燃料体22は輸送容器21の軸と一致するように収納されることから、受信した輸送容器の軸方向を表す設置方向データに基づいて、計測軸の1つが輸送容器21の軸と一致しているかを判定してもよい。また、輸送容器21は、その軸が重力の方向と垂直となる状態で輸送されることから、受信した重力の方向を表す設置方向データに基づいて、計測軸の1つが重力方向と平行な軸であるか否かを判定してもよい。
加速度データの座標系が、健全性判断処理に適した所望の座標系と一致しない場合には、メモリ61から加速度データを読み出して、加速度データの座標系から所望の座標系で表される加速度データを算出する(ステップ73)。例えば、図1に示すように、IM計20が輸送容器21に対して角度θだけ傾斜した状態で設置されている場合、IM計20のx方向の計測軸と輸送容器21の軸(x’)は一致しているが、計測軸のz軸が重力方向の軸(z’)から角度θだけずれている。このため、図8に示すように、IM計20から受信した加速度データ(X、Y、Z)をyz平面で角度θだけ回転させて、所望の座標系で表された加速度データ(X、Y’、Z’)に変換する。変換した加速度データ(X、Y’、Z’)はメモリ61に記録する。このとき、変換前の加速度データと別に保存してもよいし、上書きしてもよい。なお、加速度データの座標系が、健全性判断処理に適した所望の座標系と一致する場合には、受信した加速度データ自体が、所望の座標系で表された加速度データであるため、角度変換は行わない。
最後に、所望の座標系で表された加速度データを解析して、輸送後の核燃料体22の健全性を判定する(ステップ74)。図9に判定方法のいくつかの例を示す。図9(a)は、受信した加速度データ(生データ)を、横軸に時間を、縦軸に加速度をとって示した図である。加速度データは三次元のデータであるが、説明を簡単にするため、1つの軸方向の加速度を例にとって判定方法の例を示す。
図9(b)は生データを解析して、輸送開始から輸送完了までの時間をいくつかの期間に分けて期間毎の最大加速度を示した図である。この判定方法では、所定の閾値を越える最大加速度がある場合には(あるいは、所定の閾値を越える最大加速度が所定期間数以上ある場合には)、核燃料体22に損傷が発生している可能性があるため、不合格とする。
図9(c)は、加速度データを、加速度の方向と大きさ毎にその発生回数を示した図であり、横軸の中央0が加速度がゼロのデータの発生回数である。小さな加速度は発生回数が比較的多くても核燃料体22に損傷を発生させる可能性は小さいが、大きな加速度は発生回数が少なくても核燃料体22に重大な影響を与える可能性が高い。このため、加速度の大きさが大きくなるにしたがって発生回数が小さくても不合格とする。
図9(d)は、図9(a)の波形をフーリエ変換(FFT)解析して、周波数とスペクトル密度(g/Hz)との関係を示したものである。スペクトル密度は、振動エネルギーの大きさを示すことから、スペクトル密度は輸送中に核燃料体22に与えられた振動エネルギーを示す。所定以上の周波数では、核燃料体22の部品と共振して損傷が発生する可能性があるため、所定周波数以上の領域で所定以上のスペクトル密度がある場合には、不合格とする方法である。
以上のように、加速度データとともに設置方向データを取得し、計測した加速度データの座標系が所望の座標系と異なる場合には加速度データを所望の座標系に変換したデータに基づいて健全性判断を行うことにより、IM位置の取付位置によらず、精度の良い健全性判断を行うことが可能となる。
ところで、上述した例では、健全性検査装置60上で、加速度データの計測軸の変換を行ったが、IM計20自身に計測軸の変更機能を持たせてもよい。図10は、IM計20上で数値処理により角度変換を行う健全性検査方法のフローチャートである。
IM計20は、輸送開始とともに計測を開始すると、加速度センサ45により加速度を計測して(ステップ111)、タイマ55から取得した時間データ(タイムスタンプ)と三次元の加速度データと関連付けしてメモリ42に保存する(ステップ112)。
次に、IM計20のプロセッサ53は、加速度データの座標系(計測軸)が、健全性判断処理に適した所望の座標系と一致しているかを判定する(ステップ113)。この判断は図7のステップ72と同様に、重力方向を表すデータや輸送容器の軸方向を表すデータなどの設置方向データに基づいて判定を行う。IM計20の設置方向が0度、45度のように種類が限られる場合には、IM計20の筐体にスイッチを設け、オペレータがスイッチの切り替え、スイッチからの信号によって設置方向データを与えてもよい。
加速度データの座標系が、健全性判断処理に適した所望の座標系と一致しない場合には、プロセッサ53が加速度データの座標系の座標系を角度変換し、所望の座標系で表される加速度データを求める(ステップ114)。算出された所望の座標系で表された加速度データを、変換前のデータのタイムスタンプと関連付けして、メモリ42に保存する(ステップ115)。このとき、ステップ112でメモリ42に保存された変換前の加速度データと別に保存してもよいし、上書きしてもよい。加速度データの座標系が、健全性判断処理に適した所望の座標系と一致する場合には、計測した加速度データ自体が、所望の座標系で表された加速度データであるため、座標系の変換は行わない。
ステップ111〜115までのステップを輸送完了まで繰り返し実行する(ステップ116)。輸送完了後に、メモリ42に記録された、所望の座標系で表された時系列的な三次元の加速度データを、インターフェイス54を介して健全性検査装置60に送信する(ステップ117)。送信された加速度データは、健全性判断処理に適した所望の座標系で表された加速度データであるため、健全性検査装置60では座標系の一致判断(図7のステップ72)や座標系の変換(同図のステップ73)を行う必要がない。健全性検査装置60は、受信した加速度データを解析して、輸送後の核燃料体22の健全性を判定する(ステップ118)。健全性の判定方法は、図7のステップ74と同様である。
以上の方法によれば、加速度データを提供するIM計20自体が、必要に応じて角度変換を行って、健全性検査に適した所望の座標系の加速度データを記録するため、健全性検査装置60側ではIM計20の設置方向を考慮せずに精度の良い健全性判断を行うことが可能となる。
上述した例では、加速度センサ45が計測した加速度をプロセッサ53による数値処理を行って所望の座標系で表された加速度データを求めたが、加速度センサ45の計測軸を変更する変更手段を設置して、IM計20の設置方向にかかわらず健全性検査に適した所望の座標系の加速度を直に計測できるようにしてもよい。このような変更手段を備えた加速度センサ組立体の例を図11を参照しながら説明する。
図11(a)は、加速度センサ組立体45’の回転軸81と平行な方向からみた概略構成図、図11(b)は、図11(a)のA−A’面の断面を回転軸81軸方向からみた概略構成図、図11(c)は図11(b)の加速度センサ組立体45’を、回転軸81を中心に45度回転させたときの概略構成図である。
加速度センサ組立体45’は、図4で示したような、三次元の加速度の計測が可能な加速度センサ45と、加速度センサ45の計測軸の変更手段81〜84とを備える。変更手段は、基部84と、加速度センサ45を搭載する回転機構83と、回転機構83の回転軸81と、回転機構83の固定手段82とを備える。IM計20の全体構成は、図4、図5などで示した加速度センサ45を、図11に示した加速度センサ組立体45’に置き換えた構成となる。加速度センサ組立体45’は、IM計20に着脱可能に設置される。
回転機構83は、加速度センサ45を搭載し、回転軸81を軸として回転させることにより、加速度センサ45の設置方向を変更して計測軸を変更する。回転軸81はIM計20の筐体の側板32を貫通し、筐体を開放することなく、筐体外部から軸を回転させることができる。回転機構83を保持する基部84はIM計20の筐体の中壁38に取り付けられている。IM計20の中壁38および基部84を貫通するボルト82により、回転機構83が回転しないように固定することができる。本例では固定手段82にボルトを用いているが、回転機構83の回転を防止することができる機能を有する他の構成としてもよい。また、本例ではIM計20の気密性を保つために、回転軸81がIM計20の側板32を貫通して筐体外から回転軸81を回転させることができる構成となっているが、かかる構成を採用せずに、筐体の上蓋81を開放して回転軸81を回転せる構成としてもよい。回転軸81を側板32から取り外すことなく、加速度センサ組立体45’の交換ができるため、交換作業が容易になる。
次に、図11に示した変更手段を備えた加速度センサ組立体45’による健全性検査方法のフローチャートを図12に示す。はじめに、加速度センサ組立体45’を備えたIM計20を輸送容器21に取り付ける(ステップ91)。取付後、輸送の前に、加速度センサの座標系が所望の座標系と一致しているかを、図7のステップ72と同様な方法で判定する(ステップ92)。
加速度センサ45の計測軸が所望の計測軸と一致しない場合には、変更手段81〜84により加速度センサ45の計測軸を変更する(ステップ93)。すなわち、ボルト82をはずしてから回転軸81を回転させ、回転機構83を回転して搭載された加速度センサ45の計測軸が健全性判断処理に適した所望の方向となるように、加速度センサ45の設置方向を変更する。その後、ボルト82を装着して、輸送中に回転機構83が回転しないように固定する。図11(c)には一例として45度回転した加速度センサ組立体45’の状態を示すが、輸送容器21への取付状態に応じて任意の傾斜角度に設定することが可能である。
加速度センサ45の設置方向を調整は、オペレータが行ってもよいし、回転機構83に回転制御装置を設け、加速度センサ45で検知した重力の方向と計測軸の方向が平行となるように、IM計20自身が自動的に変更するように構成してもよい。なお、加速度センサ45の計測軸が所望の計測軸と一致する場合には、加速度センサ45の設置方向の変更は行わない。
その後、核燃料体22の輸送中に、IM計20によって三次元の加速度データをタイムスタンプとともにメモリ42に記録する(ステップ94)。輸送後に記録した加速度データを健全性検査装置60に送信し(ステップ95)、図7のステップ74と同様な方法により、輸送後の核燃料体22の健全性を判定する(ステップ96)。
以上の方法により、IM計20の輸送容器21への設置方向によらず、設置後に加速度センサ45の計測軸を所望の方向に設定することが可能となる。その結果、加速度センサ45から、健全性検査に適した所望の座標系の加速度データを直に取得することが可能となり、健全性検査に際して角度変換などのデータ処理を行う必要がなく、高速で精度の高い健全性検査を行うことが可能となる。
図13に計測軸の変更手段を備えた加速度センサ組立体45”の別の例を示す。加速度センサ組立体45”は、それぞれが図4の加速度センサ45と同一構成の2つの加速度センサ45−1、45−2と、変更手段84−1、84−2、85を備える。加速度センサ45−1、45−2はそれぞれ、変更手段の2つの基部84−1、84−2の上に取り付けられている。変更手段は、さらに加速度センサ45−1または加速度センサ45−2から出力される加速度信号を選択するスイッチ86を備えた信号選択手段85を備える。IM計20の全体構成は、図4、図5などで示した加速度センサ45を、図13に示した加速度センサ組立体45”に置き換えた構成である。加速度センサ組立体45”は、IM計20に着脱可能に設置される。
2つの基部84−1、84−2はIM計20の筐体の中壁38に取り付けられ、中壁38に対して異なる角度の上面を有する。このため、IM計20を輸送容器21に取り付けると輸送容器21に対して加速度センサ45−1、45−2は異なる設置方向で設置されることになる。基部84−1の上面は中壁38に対して平行であり、基部84−2の上面は中壁38に対して傾斜した(例えば45度)角度を有する。このため、図2で示した海上輸送の場合は、加速度センサ45−1の計測軸が重力の方向や輸送容器21の軸方向と一致する。他方、基部84−2の上面の傾斜角度を陸上輸送用の輸送容器の取付角度にあわせることにより、加速度センサ45−2の計測軸を陸上輸送の場合の重力の方向や輸送容器21の軸方向と一致するように設定することができる。
加速度センサ45−1、45−2のそれぞれから出力される加速度信号は、信号選択手段85に入力される。信号選択手段85は、スイッチ86により一方の入力信号を選択して加速度センサ45の出力信号87として出力され、図5で示したIM計20内の電子基板40の増幅回路51に電気的に接続される。
次に、加速度センサ組立体45” による健全性検査方法について説明する。健全性検査方法は、ステップ93を除き、図12と同様なフローで行うことができる。このため、以下ではステップ93との違いについて詳細に説明する。ステップ92により、加速度センサ45の計測軸が所望の計測軸と一致しないことが判定された場合には、信号選択手段85による切り替えにより加速度センサ45の計測軸を変更する。図13に示すように、初期状態では信号選択手段85は加速度センサ45−1からの加速度信号を出力信号87として出力するように設定されているが、陸上輸送の場合には、加速度センサの計測軸が、所望する方向(例えば、重力と平行な方向)と一致しない。このため、スイッチ86を切り替えて加速度センサ45−2からの加速度信号を出力信号87として出力することにより、加速度の計測軸を変更し、計測軸の1つが健全性検査に適した所望の方向(例えば、重力と平行な方向や輸送容器21の軸方向など)を向くように変更する。
スイッチ86は、IM計20の設置方向を示すオペレータからの指示を受信して切り替えるようにしてもよいし、加速度センサ45−1、45−2の少なくとも一方が重力センサを備える場合には、検知した重力の方向と計測軸の方向が平行となるように、スイッチ53を自動的に切り替えるようにしてもよい。また、図13では加速度センサおよび基部が2つずつ設置されているが、必要とされるIM計20の設置方向数に応じて、より多くの加速度センサおよび基部の組を設けてもよい。
以上の方法により、IM計20を輸送容器21へ取り付ける設置方向にかかわらず、設置後に加速度センサ組立体45”の計測軸を所望の方向に設定することが可能となる。その結果、加速度センサ組立体45”から、健全性検査に適した所望の座標系の加速度データを直に取得することが可能となり、健全性検査に際して角度変換などのデータ処理を行う必要がなく精度の高い健全性検査を行うことが可能となる。また、加速度センサ組立体45”は、加速度センサの設置方向の設置方向を電気的な手段で変更するため、輸送中の振動や衝撃に強く、機械的な信頼性の高い加速度計を提供することができる。
さらに別の計測軸の変更手段を備えた加速度センサ組立体45'''の例を図14に示す。図14(a)は、加速度センサ組立体45'''を備えるIM計20の概略構成図、図14(b)は図14(a)のB−B’面の断面図、図14(c)および(d)は、加速度センサ組立体45'''の概略構成図である。
図14(a)に示すIM計20'''は、側板32に透明の窓106を有すること、および、側板32の内表面、外表面、またはその双方に吸湿材108(シリカゲルなど)が設けられていることを除き、図4に示すIM計20と同様な構成を有する。IM計20'''は基部102に取り付けられて、輸送容器102にボルトなどの固定手段107により固定される。
加速度センサ組立体45'''は、図4で示した三次元の加速度が可能な加速度センサ45と同一構成の加速度センサ45と、計測軸の変更手段103〜105を備える。変更手段は、筐体の中壁38に着脱可能なように取り付けられ、基体103と、その内部に配置されたアクチュエータ105を有する。基体103の蓋体104の上には、加速度センサ45が取り付けられている。蓋体104は、一端が固定され、他端が自由端となっており、アクチュエータ105により押圧されると、図14(d)に示すように一端を軸として回転して他端が上昇する。これにより、加速度センサ45の計測軸の方向が変更される。
次に、加速度センサ組立体45’’’ による健全性検査方法について説明する。健全性検査方法は、ステップ93を除き、図12と同様なフローで行うことができる。このため、以下ではステップ93との違いについて詳細に説明する。ステップ92により、加速度センサ45の計測軸が所望の計測軸と一致しないことが判定された場合には、変更手段103〜105により加速度センサ45の計測軸を変更する。すなわち、アクチュエータ105を伸ばして基体103の蓋体104を移動させて、加速度センサ45の計測軸の少なくともひとつが、健全性検査に適した所望の方向(例えば、重力と平行な方向や、輸送容器21の軸方向)を向くように、加速度センサ45の設置方向を変更する。
加速度センサ45の設置方向を変更は、IM計20の筐体の上蓋31を解放してオペレータが行ってもよいし、アクチュエータ105に自動制御装置を設けて、加速度センサ45が検知した重力の方向と計測軸の方向が平行となるように、自動的に調整するようにしてもよい。アクチュエータ105や加速度センサ45の状態は、筐体に設けられた窓106を通して確認することができる。
以上の方法により、IM計20を輸送容器21に取り付ける設置方向にかかわらず、設置後に加速度センサ組立体45’’’の計測軸を所望の方向に設定することが可能となる。その結果、加速度センサ組立体45’’’から、健全性検査に適した所望の座標系の加速度データを直に取得することが可能となり、健全性検査に際して角度変換などのデータ処理を行う必要がなく、高速で精度の高い健全性検査を行うことが可能となる。
さらには、1度の核燃料体の輸送プロジェクト(核燃料加工施設から原子力発電所までの輸送)において、輸送容器に取り付ける設置方向が異なる複数の輸送行程に分かれている場合であっても、前の輸送行程(輸送行程1、例えば核燃料加工施設から港への陸上輸送)から次の行程(輸送行程2、原子力発電所の最寄の港まで海上輸送用)で使用される輸送容器にIM計を付け替えることにより、1種類のIM計を複数の輸送行程に続けて使用する輸送方法を適用することが可能となる。
図15に輸送行程のフローチャートの例を示す。輸送行程1が完了すると(ステップ131)、輸送行程1による核燃料体の損傷などを確認するために、図7、10、12などで示したような核燃料体の健全性検査が行われる(ステップ132)。次に、輸送行程1で使用した輸送容器からIM計を取り外して(ステップ133)、IM計の底板を開放して電源である電池を交換する(ステップ134)。その後、次の輸送行程(輸送行程2)で使用する輸送容器に核燃料体を積み替えて、電池交換したIM計を取付ける(ステップ135)。IM計の加速度の記録を開始して、輸送行程2の輸送中における加速度の記録を行う(ステップ136)。輸送行程2の輸送完了後にも健全性検査を行い、必要に応じて輸送行程3、健全性検査、輸送行程4、健全性検査、・・・といった工程を繰り返す。以上で説明したように、IM計を共用化した核燃料体の輸送方法を適用することにより、1度の核燃料体の輸送プロジェクトで必要なIM計の調達台数が減り、調達コストを削減することが可能となる。
IM計20を共用化した核燃料体の輸送方法では、1度の核燃料体の輸送プロジェクトにおける1台のIM計の使用期間が従来に比べて長くなる場合があり、これに対応した健全性検査装置60の品質管理を行うため、IM計の使用時には新規製作時からの経過期間と核燃料体の輸送での使用履歴を管理するものとし、定期的あるいは核燃料体の輸送に先立つ機材準備の時点で、IM計のメンテナンス作業(品質管理)を実施することが望ましい。
使用履歴情報の管理(IM計の品質管理)は、図16のフローチャートに示すように、IM計の新規製作(ステップ121)後、新規製作したIM計の初期情報を登録するステップ122(S1:新規製作品の初期登録ステップ)、IM計の定期検査・使用前検査・メンテナンス(ステップ123)や核燃料体の輸送(ステップ124)を行うごとにIM計に対する使用履歴の情報を登録するステップ125(S2:データ更新ステップ)、IM計全体あるいはその構成部品の寿命、交換の要否を判断するステップ126(S3:寿命判定ステップ)、寿命期間に達したと判定された部品を交換するステップ127(S4:部品交換ステップ)、交換部品に対する初期登録ステップ128(S1’:交換部品に対する初期登録ステップ)を含む。
これらのステップで登録、更新される使用履歴の情報は、例えばコンピュータ(IM計とは独立した入力装置と記憶装置を有する使用履歴情報の管理システム)を使用して、IM計の使用履歴データベースを構築し、複数台あるIM計の情報を一括で管理する。個々のIM計に対しては、新規製作時点にIM計(組立品)の個番、製作時期、使用履歴の管理対象とすべき構成部品の形式、型番等の情報を新規登録する。核燃料体の輸送に適用したIM計に対しては、使用履歴の情報を入力する。これにより、輸送への適用回数に応じて、使用履歴のデータが蓄積される。
寿命判定ステップ126において、例えば電子基板40のコンデンサ41に配置されたアルミ電解コンデンサ等の部品が、部品寿命期間を経過している場合、もしくは、次回の輸送の途中で部品寿命期間を経過することが予想される場合には、当該部品を含む電子基板40の全体または着脱可能な電子基板40の一部(特にコンデンサを含む電源基板回路を含むもの)をIM計20から取り外し、新品のコンデンサを含む電子基板に交換する。
また、IM計20の加速度センサ45と温度センサ43により、加速度と温度の同時測定を行う。あるいは、温度計測を健全性検査装置60とは独立した温度計測装置を用いて、予め設定した輸送容器近傍の測定位置に対して、核燃料輸送時の主要な時点の温度データを取得する。取得した高温条件での使用履歴データは、予め設定したコンデンサ等の部品寿命期間に対するフィードバックに使用するものとし、高温条件での使用履歴に応じた部品寿命期間の管理を行ってもよい。
IM計20の故障による健全性検査装置60の品質の低下を防止するために、製造時の初期の故障とその後の偶発的な故障に対しては、その影響を可能な限り排除できるように、定期的あるいは核燃料体の輸送に先立つ機材準備の時点でのメンテナンス時の検査を実施する。さらに、経年的あるいは使用に応じた劣化による故障に対しては、劣化による故障発生率の上昇が発現する前の時点で部品寿命期間を管理する。例えば、加速度計内の温度を時系列に沿って記録した温度データの履歴を解析して、少なくとも高い温度条件ほど劣化による故障発生率の高まる可能性がある電子部品等については、温度データの時間積分値を指標として、電子部品等の劣化の程度を評価し、予め部品仕様あるいは性能確認試験データに基づいて設定した判定基準値との比較を行うことにより、前記電子部品の寿命期間を予測することが可能である。
以上、本願発明にかかる加速度計、健全性検査装置及び方法等に関する説明を行ったが、当業者であれば、実施態様にあわせて加速度計や健全性検査装置の構成、健全性検査方法の手順などを適宜変更することができることは、容易に想到できよう。
10 トレーラ
11 輸送船
20、20’、20”、20’’’ 加速度計(IM計)
21、21’、21” 輸送容器
22 核燃料体(燃料集合体)
31 筐体(上蓋)
32 筐体(側板)
33 筐体(底板)
34 ガスケット(シール・熱絶縁材)
35 ベントフィルタ
36 オーリング(シール・熱絶縁材)
37 放熱フィン
38 筐体(中壁)
40 電子基板
41 コンデンサ
42 メモリ
43 温度センサ
44 電源
45 加速度センサ
45’、45”、45’’’ 加速度センサ組立体
46 断熱部材
51 増幅回路
52 A/D変換回路
53 プロセッサ
54 インターフェイス
55 タイマ
56 DC/DCレギュレータ
57 電源回路
60 健全性検査装置
61 メモリ
62 プロセッサ
63 タイマ
64 インターフェイス
65 モニタ
66 キーボード
81 変更手段(回転軸)
82 変更手段(固定手段)
83 変更手段(回転機構)
84 変更手段(基部)
85 変更手段(信号選択手段)
86 スイッチ
87 出力信号
102 基部
103 変更手段(基体)
104 変更手段(蓋体)
105 変更手段(アクチュエータ)
106 窓
107 固定手段
108 吸湿材

Claims (11)

  1. 核燃料体の輸送中に前記核燃料体の輸送容器に発生した加速度を時系列に沿って記録した三次元の加速度データと、前記輸送容器への設置方向を表す設置方向データとを受信する受信手段と、
    加速度データの座標系が所望の座標系と一致しない場合には、加速度データと設置方向データから、所望の座標系で表された加速度データを求める変換手段と、
    所望の座標系で表された加速度データを解析して、輸送後の核燃料体の健全性を判定する判定手段と、
    を備える、健全性検査装置。
  2. 設置方向データが、加速度データの座標系によって重力を表すデータを含み、
    所望の座標系が、重力の方向と平行な座標軸を含む、
    請求項1に記載の健全性検査装置。
  3. 設置方向データが、加速度データの座標系によって輸送容器の軸方向を表すデータを含み、
    所望の座標系が、輸送容器の軸と平行な座標軸を含む、
    請求項1または2に記載の健全性検査装置。
  4. 核燃料体の輸送中に前記核燃料体の輸送容器に発生した加速度を時系列に沿って記録した三次元の加速度データと、前記輸送容器への設置方向を表す設置方向データと受信するステップと、
    プロセッサにより、加速度データの座標系が所望の座標系と一致するか否かを判定し、一致しない場合には、加速度データと設置方向データから、所望の座標系で表された加速度データを求めるステップと、
    プロセッサにより、所望の座標系で表された加速度データを解析して、輸送後の核燃料体の健全性を判定するステップと、
    を含む、健全性検査方法。
  5. コンピュータに、請求項4に記載された各ステップを実行させるためのプログラムを記録した、コンピュータ読み取り可能な記録媒体。
  6. 核燃料体の輸送容器に取り付けて、前記核燃料体の輸送中に輸送容器に発生する加速度を計測する加速度計であって、
    三次元の加速度を計測する加速度センサと、
    計測した加速度データの座標系が所望の座標系と一致しない場合には、所望の座標系で表された加速度データを求める変換手段と、
    核燃料体の輸送中に、所望の座標系で表された加速度データを時系列に沿って記録する記憶手段と、
    を備える、加速度計。
  7. 請求項6に記載された加速度計を用いて、輸送後の核燃料体の健全性を判定する方法であって、
    加速度計を、核燃料体の輸送容器に取り付けるステップと、
    核燃料体の輸送中に、所望の座標系で表された加速度データを時系列に沿って記録するステップと、
    記録された加速度データを解析して、輸送後の核燃料体の健全性を判定するステップと、
    を含む、健全性検査方法。
  8. 核燃料体の輸送容器に取り付けて、前記核燃料体の輸送中に輸送容器に発生する加速度を計測する加速度計であって、
    三次元の加速度を計測する加速度センサと、
    加速度の計測軸の方向を変更する変更手段と、
    核燃料体の輸送中に、加速度センサで計測された加速度データを時系列に沿って記録する記憶手段と、
    を備える、加速度計。
  9. 請求項8に記載された加速度計を用いて、輸送後の核燃料体の健全性を判定する方法であって、
    加速度計を、核燃料体の輸送容器に取り付けるステップと、
    変更手段により、加速度センサの計測軸の1つが所望の方向となるように、加速度計を設定するステップと、
    核燃料体の輸送中に、加速度センサで計測された加速度データを時系列に沿って記録するステップと、
    記録された加速度データを解析して、輸送後の核燃料体の健全性を判定するステップと、
    を含む、健全性検査方法。
  10. 核燃料体の輸送容器に取り付けて、前記核燃料体の輸送中に輸送容器に発生する加速度を計測して、時系列に沿って記録する加速度計であって、
    筐体と、
    筐体内部に配置され、三次元の加速度を計測する加速度センサと、
    を備え、
    前記筐体が、
    輸送容器との取り付け部分と加速度センサとの間に配置された断熱手段と、
    筐体内部の温度を調節する温度調節手段と、
    を備える、
    加速度計。
  11. 核燃料体の輸送容器に取り付けられた加速度計内に配置された電子部品の寿命期間を予測して、加速度計の品質を管理する方法であって、
    加速度計内の温度を時系列に沿って記録した温度データを受信するステップと、
    プロセッサにより、温度データの履歴を記録するステップと、
    プロセッサにより、温度データの履歴を解析して、前記電子部品の寿命期間を予測するステップと、
    を含む、加速度計の品質管理方法。
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