以下、本発明の好適な実施の形態を図面に基づいて説明する。なお、遊技機の説明における前後左右とは、遊技中の遊技者から見た方向を指すものとする。
(第1実施形態)
〔遊技機全体図〕
図1は、遊技機を説明する図である。
遊技機10は島設備に固定される枠11に、ヒンジを介して開閉回動自在に取り付けられる開閉枠を備える。開閉枠は、前面枠12(本体枠)及びガラス枠15によって構成されている。
前面枠12には、遊技盤30(図2参照)が配設されるとともに、遊技盤30の前面を覆うカバーガラス14を有するガラス枠15が取り付けられる。カバーガラス14は、遊技盤30に形成される遊技領域32(図2参照)を視認可能とする遊技視認領域として機能する。
前面枠12及びガラス枠15は、それぞれ個別に開放することが可能となっている。例えば、ガラス枠15のみを開放することで、遊技盤30の遊技領域32にアクセスすることができる。また、前面枠12をガラス枠15が開放されていない状態で開放することで、遊技盤30の裏面側に配設された遊技制御装置(主基板)100(図3参照)等にアクセスすることができる。
ガラス枠15のカバーガラス14周囲の縁部分には、種々の枠構成部材が配設されている。
ガラス枠15の上部中央及び左側部には、遊技状態に応じて発光演出可能な装飾装置18a,18bが配設されている。装飾装置18a,18bは、内部にLED等の照明部材を収容しており、遊技状態に応じた発光演出を行う。これら装飾装置18a,18bの内部に配設される照明部材は、枠装飾装置18(図4参照)の一部を構成している。
ガラス枠15の上右角部分及び上左角部分には、上スピーカ19aがそれぞれ配設される。これら上スピーカ19aとは別に遊技機10の下部には、2つの下スピーカ19bが設けられている。下スピーカ19bは、ガラス枠15の下左角部分及び前面枠12の下右角部分に配設されている。これら上スピーカ19a及び下スピーカ19bは、効果音や警報音、報知音等を発するものである。
ガラス枠15の右側部には、遊技機10の上下方向に延設されるとともに、前方(遊技者側)に向かって突出する突出演出ユニット13が配設されている。突出演出ユニット13は、遊技の進行状態に応じて発光演出等を行う演出装置である。突出演出ユニット13の内部に配設される照明部材も枠装飾装置18(図4参照)の一部を構成している。
ガラス枠15の下部には、遊技球を貯留可能な上皿21を有する上皿ユニットが取り付けられている。上皿21は、上面が開口した箱状に形成されている。上皿21に貯留されている遊技球は、一球ずつ球発射装置(図示省略)に供給される。
上皿ユニットは、遊技者からの入力操作を受け付ける演出操作装置と、遊技者からの入力操作を受け付ける球貸操作装置と、遊技状態に応じて発光演出等を行う装飾装置22と、をさらに備える。
演出操作装置は、演出ボタン25にタッチパネル25bを組み込んだ操作装置であり、遊技者が操作しやすいように上皿ユニットの上部中央に設けられている。
遊技者が演出操作装置を操作することによって、表示装置41(図2参照)に表示される特図変動表示ゲーム等において遊技者の操作を介入させた演出を行うことができる。例えば、演出パターン(演出態様)を選択したり、始動記憶に対応する変動表示ゲームの結果を事前に予告する予告演出を実行したりすることができる。なお、変動表示ゲームには特図変動表示ゲームが含まれ、単に変動表示ゲームとした場合には、本明細書では特図変動表示ゲームを指すものとする。
また、変動表示ゲームの実行中だけでなく、非実行中に遊技者が演出操作装置を操作することによっても演出パターンを変更するようにしてもよい。
なお、変動表示ゲームが実行される際の遊技状態は、複数の遊技状態からなる。通常遊技状態(通常状態)とは、特別な遊技状態が発生していない遊技状態である。また、特別な遊技状態とは、例えば特定遊技状態(時短状態)や変動表示ゲームにおいて特別結果(例えば大当り)の発生確率が高い状態(確変状態、確率変動状態、特定遊技状態)、大当り状態(特別遊技状態)、小当り遊技状態(小当り状態)である。
ここで、確変状態は、次の大当りが発生するまで継続するもの(ループタイプ)、所定回数の変動表示ゲームが実行されるまで継続するもの(回数切りタイプ、ST)、及び所定の確率転落抽選に当選するまで継続するもの(転落抽選タイプ)等がある。
さらに、確変状態を発生させるか否かを大当り図柄乱数によって決定せずに、大当りが発生した場合に必ず確変状態を発生させるようにしてもよいし、特定領域を備える入賞装置等を設け、特定領域を遊技球が通過した場合に確変状態を発生させるようにしてもよい。
球貸操作装置は、遊技者が遊技球を借りる場合に操作する操作装置であって、上皿ユニットの上部右側に設けられている。球貸操作装置は、球貸ボタン27と、返却ボタン28と、残高表示部26と、を備えている。球貸ボタン27は遊技球を借りる場合に遊技者が操作するボタンであり、返却ボタン28は遊技機10に隣接するように配置されるカードユニット(図示省略)からプリペイドカード等を排出させる場合に遊技者が操作するボタンである。残高表示部26は、プリペイドカード等の残高が表示される表示領域である。
装飾装置22は、内部にLED等の照明部材を収容しており、遊技状態に応じて発光演出等を行う装置であって、上皿ユニットの前側部分に設けられている。装飾装置22の内部に配設される照明部材は、枠装飾装置18(図4参照)の一部を構成している。
上記した上皿ユニット等を備えるガラス枠15の下方であって、前面枠12の下部には、球発射装置(図示省略)の動作を制御するための操作ハンドル24と、遊技球を貯留可能な下皿23とが設けられている。
操作ハンドル24は、前面枠12の右下部であって、右側の下スピーカ19bの下方に配置されている。遊技者が操作ハンドル24を回動操作することによって、球発射装置(発射手段)は上皿21から供給された遊技球を遊技盤30の遊技領域32に発射する。球発射装置から発射される遊技球の発射速度は、操作ハンドル24の回動操作量が大きくなるほど速くなるように設定されている。即ち、球発射装置は、遊技領域に遊技球を発射する勢(速度)である発射勢を、遊技者による操作ハンドル24の操作に対応して変更でき、発射勢の異なる種々の発射態様で遊技球を発射できる。発射態様には、第1の発射勢で遊技領域32の左側において遊技球を流下させる左打ち(通常打ち、通常発射態様、第1発射態様)と、遊技領域32の右側において遊技球を流下させる右打ち(特別打ち、特別発射態様、第2発射態様)が含まれる。
下皿23は、上皿ユニットに対して所定の間隔をあけて、上皿ユニットの下方に配置されている。下皿23は、当該下皿23の底面を上下方向に貫通する球抜き穴23aと、球抜き穴23aを開閉するための開閉操作部23bと、を有している。遊技者が開閉操作部23bを操作して、球抜き穴23aを開くことによって、下皿23に貯留されていた遊技球を球抜き穴23aを通じて外部に排出することができる。
〔遊技盤〕
続いて、図2を参照して、遊技機10の遊技盤30について説明する。図2は、遊技機10に備えられる遊技盤30の正面図である。
図2に示すように、遊技盤30は、各種部材の取付ベースとなる平板状の遊技盤本体30aを備える。遊技盤本体30aは木製又は合成樹脂製であって、当該遊技盤本体30aの前面にはガイドレール31で囲まれた遊技領域32が設けられている。遊技機10は、ガイドレール31で囲まれた遊技領域32内に球発射装置から遊技球を発射して遊技を行うように構成されている。遊技領域32には遊技球の流下方向を変換する部材として風車や障害釘等が配設されており、発射された遊技球はこれら部材により転動方向を変えながら遊技領域32を流下する。
遊技領域32の略中央には、変動表示ゲームの表示領域となる窓部を形成するセンターケース(前面構成体)40が取り付けられている。センターケース40に形成された窓部の後方には、複数の識別情報を変動表示(可変表示)する演出表示装置(変動表示装置)としての表示装置41が配置されている。表示装置41は、例えば、液晶ディスプレイを備え、センターケース40の窓部を介して遊技盤30の前面側から表示内容が視認可能となるように配置される。なお、表示装置41は、液晶ディスプレイを備えるものに限らず、ELやCRT等のディスプレイを備えるものであってもよい。
表示装置41の表示画面(表示部)には、複数の変動表示領域が設けられており、各変動表示領域に識別情報(特別図柄)や変動表示ゲームを演出するキャラクタが表示される。その他、表示画面には遊技の進行に基づく画像(大当り表示やファンファーレ表示、エンディング表示等)が表示される。
また、センターケース40には、遊技領域32を流下する遊技球をセンターケース40の内側に導くためのワープ通路40aと、ワープ通路40aへの流入口40eと、ワープ通路40aを通過した遊技球が転動可能なステージ部40bとが設けられている。センターケース40のステージ部40bは、第1始動入賞口36及び第2始動入賞口37を備える始動入賞口ユニット820の上方に配置されているため、ステージ部40b上で転動した遊技球は第1始動入賞口36又は第2始動入賞口37に入賞しやすくなっている。
センターケース40の上部には、上部演出ユニット40cが設けられる。上部演出ユニット40cは、盤装飾装置46(図4参照)及び盤演出装置44(図4参照)の一部を構成している。
センターケース40の右方の遊技領域32には、遊技球の流下方向を左右に6回切りかえす6段流路40dが設けられ、6段流路40dの最上部に一般入賞口35が設けられる。また、6段流路40dの途中であって5段目の左側に、第2特別変動入賞装置39が配置され、6段流路40dの最下部に普図始動ゲート(普通図柄始動ゲート)34が設けられている。普図始動ゲート34の内部には、当該普図始動ゲート34を通過した遊技球を検出するためのゲートスイッチ(SW)34a(図3参照)が設けられている。遊技領域32内に打ち込まれた遊技球が普図始動ゲート34を通過すると、普図変動表示ゲームが実行される。
センターケース40の左下方の遊技領域32には一般入賞口35が2個配置されている。これら一般入賞口35への遊技球の入賞は、一般入賞口35に備えられた入賞口スイッチ(SW)35a〜35n(図3参照)によって検出される。
センターケース40の下方の遊技領域32には、始動入賞口ユニット820が設けられる。始動入賞口ユニット820の下部には、遊技球が入賞した場合に特図1変動表示ゲームの開始条件(始動条件)を付与する第1始動入賞口36(第1始動入賞領域、始動口1)と、遊技球が入賞した場合に特図2変動表示ゲームの開始条件(始動条件)を付与する第2始動入賞口37(第2始動入賞領域、始動口2)とを備える。
始動入賞口ユニット820は、共通入口823から入った遊技球を入賞切替機構825によって振分けて、第1始動入賞口36と第2始動入賞口37に交互に入賞させ得るように構成されている。なお、入賞切替機構825として、公知の機構(例えば、特開2015−36026号公報、特開2015−77230号公報に記載)が使用可能である。入賞切替機構825は、入賞領域を変更する領域変更手段を構成する。
入賞切替機構825は、始動入賞口ユニット820の共通入口823から入った遊技球を左側(第1始動入賞口36側)と右側(第2始動入賞口37側)に振分けて、始動入賞口ユニット820内を流下させる。始動入賞口ユニット820の共通入口823には、遊技領域32の左側において遊技球を流下させる左打ち時において、右打ち時より遊技球は流入し易くなる。
入賞切替機構825は、始動入賞口ユニット820本体に対して回転軸を中心として回動する回転部材と、回転部材の回転を止めるストッパ部材を有する。回転部材は、回転軸から三方に延びる三つの延在部を有する。三つの延在部によって、第1始動入賞口36へ流下させる遊技球を収容するL字状の収容部と、第2始動入賞口37へ流下させる遊技球を収容するL字状の収容部が形成される。
入賞切替機構825は、回転部材を左側と右側とに交互に回転させ、遊技球が入賞する始動入賞口を、第1始動入賞口36と第2始動入賞口37に交互に切り替える。始動入賞口ユニット820の共通入口823に入球した遊技球は、エラーがない限り、入賞切替機構825によって左側(第1始動入賞口36側)と右側(第2始動入賞口37側)に交互に振分けられて、第1始動入賞口36と第2始動入賞口37に交互に入賞(入球)することになる。
センターケース40の右方の遊技領域32には、普図始動ゲート34の左下方において、遊技球の入賞に基づき特図2変動表示ゲームの開始条件(始動条件)を付与する普電始動入賞口(第2始動入賞領域)を備えた普通変動入賞装置33が設けられる。普電始動入賞口(第2始動入賞領域)は、特図2変動表示ゲームの開始条件(始動条件)を付与するため、第2始動入賞口の範疇に含められる。普通変動入賞装置33は、上端側が右側に倒れる方向に回動することで、遊技球が流入し易い状態に変換する開閉部材(可動部材)33bを備える。開閉部材(可動部材)33bが閉状態である場合には遊技球が普通変動入賞装置33に入賞できないようになっている。遊技球は、右打ち時に左打ち時よりも普通変動入賞装置33に流入し易くなる。遊技球が第1始動入賞口36、又は、第2始動入賞口(普通変動入賞装置33、第2始動入賞口37)に入賞した場合には、補助遊技として特図変動表示ゲームが実行される。
開閉部材(可動部材)33bは、所謂電チュー型の普通電動役物であり、普図変動表示ゲームの結果が所定の停止表示態様となった場合に、普電ソレノイド33c(図3参照)を介して回動して開いて、遊技球が普通変動入賞装置33に流入しやすい開状態(遊技者にとって有利な入賞容易状態)に変化する。
なお、可動部材33bは、後述する遊技制御装置100によって制御される。遊技制御装置100は、普図変動表示ゲームの変動時間を短縮したり普図変動表示ゲームの当り確率を通常よりも高確率としたりすることで入賞容易状態の発生頻度を高めたり、通常遊技状態で発生する入賞容易状態よりも入賞容易状態の発生時間を長くしたりすることで、前述の特定遊技状態として時短状態(普電サポート状態)を発生させる。なお、特定遊技状態としての確変状態(潜伏確変状態を除く)においても、重複して時短状態(普電サポート状態)が発生する。
普通図柄始動ゲート(普図始動ゲート)34の左下方の遊技領域32には、下大入賞口ソレノイド38b(図3参照)によって上端側が手前側に倒れる方向に回動することで下大入賞口を開放するアタッカ形式の開閉扉38cを有する第1特別変動入賞装置38(特別電動役物)が設けられている。第1特別変動入賞装置38は、特図変動表示ゲームの結果によって大入賞口を閉じた状態(遊技者にとって不利な閉塞状態)から開放状態(遊技者にとって有利な遊技状態)に変換し、下大入賞口内への遊技球の流入を容易にさせることで、遊技者に所定の遊技価値(賞球)を付与するようになっている。なお、下大入賞口内には、当該大入賞口に入った遊技球を検出する検出手段として下大入賞口スイッチ38a(図3参照)が配設されている。
また、センターケース40の右上方の遊技領域32(6段流路40d)には、第2特別変動入賞装置39(特別電動役物)が設けられる。第2特別変動入賞装置39は、上大入賞口ソレノイド39b(図3参照)によって、可動部材39c(開閉部材)の下部を軸として左右に開閉する入賞装置である。第2特別変動入賞装置39は、第1特別変動入賞装置38と同様に、特図変動表示ゲームの結果によって大入賞口を閉じた状態(遊技者にとって不利な閉塞状態)から開放状態(遊技者にとって有利な遊技状態)に変換し、上大入賞口内への遊技球の流入を容易にさせることで、遊技者に所定の遊技価値(賞球)を付与するようになっている。なお、上大入賞口内には、当該大入賞口に入った遊技球を検出する検出手段として上大入賞口スイッチ39a(図3参照)(本実施形態では2個)が配設されている。
一般入賞口35、第1始動入賞口36、第2始動入賞口(普通変動入賞装置33、第2始動入賞口37)、第1特別変動入賞装置38の下大入賞口、及び第2特別変動入賞装置39の上大入賞口に遊技球が入賞すると、払出制御装置200(図3参照)は、入賞した入賞口の種類に応じた数の賞球を払出装置から上皿21に排出する。また、第1特別変動入賞装置38の下方の遊技領域32には、入賞口等に入賞しなかった遊技球を回収するアウト口30bが設けられている。
また、遊技領域32の外側であって遊技盤本体30aの右下角部には、特図変動表示ゲーム(特図1変動表示ゲーム(特図1ゲーム)、特図2変動表示ゲーム(特図2ゲーム))を実行する一括表示装置50が設けられている。一括表示装置50は、現在の遊技状態等の情報を表示する表示部を備え、表示部は、一つ又は複数のLEDランプから構成される。
一括表示装置50は、7セグメント型の表示器(LEDランプ)等で構成された変動表示ゲーム用の第1特図変動表示部51(特図1表示器)及び第2特図変動表示部52(特図2表示器)と、普図変動表示ゲーム用の変動表示部58(普図表示器)と、を有している。また、一括表示装置50は、大当り時のラウンド数(特別変動入賞装置38、39の開閉回数)や小当りの発生を表示するラウンド表示部53と、各変動表示ゲームの始動(保留)記憶数の報知用の記憶表示部(特図1保留表示器54、特図2保留表示器59、普図保留表示器60)と、を有している。
さらに、一括表示装置50には、当りの確率状態が高確率状態となっていることを表示する第1遊技状態表示部55(第1遊技状態表示器、確率状態表示部)、大当り又は小当りが発生すると点灯して右打ち時(右打ちすべき時)であることを報知する第2遊技状態表示部56(第2遊技状態表示器)が設けられている。また、一括表示装置50は、後述の変形例に対応して特図1変動表示ゲーム又は特図2変動表示ゲームが中断中であることを示す第3遊技状態表示部57(第3遊技状態表示器、中断状態表示部)を有してよい。
次に、遊技機10における遊技の流れ、普図変動表示ゲーム及び特図変動表示ゲームの詳細について説明する。
遊技機10では、図示しない球発射装置から遊技領域32に向けて遊技球が打ち出されることによって遊技が行われる。打ち出された遊技球は、遊技領域32内の各所に配置された障害釘や風車等によって転動方向を変えながら遊技領域32を流下し、一般入賞口35、第1始動入賞口36、第2始動入賞口37、普通変動入賞装置33、第1特別変動入賞装置38又は第2特別変動入賞装置39に入賞するか、遊技領域32の最下部に設けられたアウト口30bへ流入し、遊技領域32から排出される。そして、一般入賞口35、第1始動入賞口36、第2始動入賞口37、普通変動入賞装置33、第1特別変動入賞装置38又は第2特別変動入賞装置39に遊技球が入賞すると、入賞した入賞口の種類に応じた数の賞球が払出装置を介して上皿21に排出される。
基本的な遊技の仕方として、通常遊技状態では遊技者は左打ちで始動入賞口ユニット820の共通入口823を狙って第1始動入賞口36や第2始動入賞口37に遊技球を入賞させることによって特図1変動表示ゲームや特図2変動表示ゲームが開始し、小当り/大当りや確変状態等が発生することにより遊技者は右打ちに切り替えて、普通変動入賞装置33や上大入賞口や下大入賞口を狙う。表示装置41は、遊技者が左打ちすべきか右打ちすべきか指示する指示表示(打ち方指示表示、打ち方指示報知)することが可能であり、遊技者が指示に従わない場合には、表示装置41やスピーカ19a、19bによってエラーが報知可能である。
普図始動ゲート34には、当該普図始動ゲート34を通過した遊技球を検出するゲートスイッチ34a(図3参照)が設けられている。遊技球が普図始動ゲート34を通過すると、ゲートスイッチ34aによって検出され、このときに抽出された当り判定用乱数値の判定結果に基づき普図変動表示ゲームが実行される。
普図変動表示ゲームを開始できない状態、例えば、既に普図変動表示ゲームが行われており当該普図変動表示ゲームが終了していない場合や、普図変動表示ゲームの結果が当りとなって普通変動入賞装置33が開放状態に変換されている場合に、遊技球が普図始動ゲート34を通過すると、普図始動記憶数が上限数未満ならば当該記憶数が加算(+1)される。
普図始動記憶には普図変動表示ゲームの当りはずれを決定するための当り判定用乱数値が記憶されており、この当り判定用乱数値が判定値と一致した場合に、当該普図変動表示ゲームが当りとなって特定の結果態様(特定結果)が導出される。
普図変動表示ゲームは、一括表示装置50に設けられた普図表示器58で実行されるようになっている。普図表示器58は、普通識別情報(普図)として点灯状態の場合に当りを示し、消灯状態の場合にはずれを示すLEDから構成され、このLEDを点滅表示することで普通識別情報の変動表示を行い、所定の変動表示時間の経過後、LEDを点灯又は消灯することで結果を表示するようになっている。
普図始動ゲート34通過時に抽出された普図乱数値が当り値である場合には、普図表示器58に表示される普通図柄が当り状態で停止し、当り状態となる。このとき、普電ソレノイド33c(図3参照)が駆動されることにより、可動部材33bが所定の時間(例えば0.3秒間)だけ開状態に変換され、普通変動入賞装置33への遊技球の入賞が許容される。
遊技球の第1始動入賞口36への入賞及び第2始動入賞口(普通変動入賞装置33、第2始動入賞口37)への入賞は、それぞれ始動口1スイッチ36a(図3参照)及び始動口2スイッチ37a(図3参照)によって検出される。簡単のため、第2始動入賞口37及び普通変動入賞装置33の普電始動入賞口に設けられる各始動口スイッチは、まとめて始動口2スイッチ37aと呼ぶ。第1始動入賞口36に入賞した遊技球は特図1変動表示ゲームの始動入賞球として検出され、所定の上限数(本実施形態では4)を限度に記憶されるとともに、第2始動入賞口(普通変動入賞装置33、第2始動入賞口37)に入賞した遊技球は特図2変動表示ゲームの始動入賞球として検出され、所定の上限数(本実施形態では4)を限度に記憶される。
特図変動表示ゲームの始動入賞球の検出時には、大当り乱数値や大当り図柄乱数値、各変動パターン乱数値が抽出される。これら乱数値は、遊技制御装置100の特図保留記憶領域(RAMの一部)に特図始動入賞記憶(特図始動記憶)として各々所定回数分(例えば、特図1変動表示ゲームでは最大で4回分)を限度に記憶される。特図1始動入賞記憶(特図1始動記憶)の記憶数は、一括表示装置50の始動入賞数報知用の特図1保留表示器54に表示されるとともに、表示装置41の表示画面にも表示される。特図2始動入賞記憶(特図2始動記憶)の記憶数は、一括表示装置50の始動入賞数報知用の特図2保留表示器59に表示されるとともに、表示装置41の表示画面にも表示される。
遊技制御装置100は、第1始動入賞口36への入賞若しくは第1始動記憶に基づいて、特図1表示器51で特図1変動表示ゲーム(第1特図変動表示ゲーム)を実行する。また、遊技制御装置100は、第2始動入賞口(普通変動入賞装置33、第2始動入賞口37)への入賞若しくは第2始動記憶に基づいて、特図2表示器52で特図2変動表示ゲーム(第2特図変動表示ゲーム)を実行する。
特図1変動表示ゲーム及び特図2変動表示ゲームは、特図1表示器51及び特図2表示器52において識別情報(特別図柄1(特図1)、特別図柄2(特図2))を変動表示した後に所定の結果態様を停止表示することで行われる。
本実施形態において、特図1変動表示ゲーム及び特図2変動表示ゲームは互いに独立して、同時に(共に)実行状態にすることができるが、一方の特図変動表示ゲームで大当りもしくは小当りが発生する(特別結果又は特定結果が導出され停止表示される)場合には、実行中の他方の特図変動表示ゲームは、強制的にはずれ結果で停止する。
例えば、特図1変動表示ゲームは、特図1表示器51において識別情報(例えば、7セグメント型の表示器の中央のセグメントと点部分)の点灯消灯を繰り返す変動表示によって実行される。特図1変動表示ゲームのはずれ結果の停止表示(はずれ図柄、はずれ表示)は、中央のセグメントと点部分が点灯した表示でよい。特図1変動表示ゲームの大当り結果の停止表示(大当り図柄、大当り表示)は、大当りのラウンド数(R)と大当り終了後の遊技状態(通常状態又は確変状態)とに対応する複数の表示(図柄)が存在可能である。特図1変動表示ゲームの小当り結果の停止表示(小当り図柄、小当り表示)も、複数種類が存在するが、小当りによる大入賞口の開放パターン(開放時間等)は同じ1種類(特図1小当り)のみでよい。
なお、本実施形態では、全ての大当りの種類で、確変状態が大当り終了後に所定回数(例えば50回)の変動表示ゲームが実行されるまで継続する。即ち、遊技機はST(スペシャルタイム)機であり、大当り図柄は確変図柄のみとなる。
特図2変動表示ゲームは、特図2表示器52において識別情報(例えば、7セグメント型の表示器の中央のセグメントと点部分)の点灯消灯を繰り返す変動表示によって実行される。特図2変動表示ゲームのはずれ結果の停止表示(はずれ図柄、はずれ表示)は、中央のセグメントが点灯した表示でよい。特図2変動表示ゲームの大当り結果の停止表示(大当り図柄、大当り表示)は、大当りのラウンド数(R)と大当り終了後の遊技状態(通常状態又は確変状態)とに対応する複数の表示(図柄)が存在可能である。特図2変動表示ゲームの小当り結果の停止表示(小当り図柄、小当り表示)は、複数種類が存在し、小当りによる大入賞口の開放パターン(開放時間等)は3種類(特図2小当り1、2、3)でよい。また、特図2小当り1、2、3では、開放される大入賞口(上大入賞口又は下大入賞口)が異なってよく、小当り図柄によって上大入賞口又は下大入賞口の何れかが所定の開放パターンにて開放することになる。
また、表示装置41では、各特図変動表示ゲームに対応して複数種類の識別情報(例えば、数字、記号、キャラクタ図柄など)を変動表示させる飾り特図変動表示ゲームが実行される。
表示装置41における飾り特図変動表示ゲームは、例えば、数字等で構成される飾り特別図柄(識別情報)が左(第一特別図柄)、右(第二特別図柄)、中(第三特別図柄)の順に変動表示(スクロール表示)を開始して、所定時間後に変動している図柄を順次停止させて、特図変動表示ゲームの結果を表示することで行われる。また、表示装置41では、興趣向上のためにキャラクタの出現等の多様な演出表示が行われる。さらに、飾り特図変動表示ゲームでは、他の飾り特別図柄(識別情報)として、点灯表示と消灯表示の繰り返し(点滅)などによってランプ表示装置80に設けられる左下の発光部85と右下の発光部86が第四特別図柄(第4図柄)として変動してもよい。なお、ランプ表示装置80は、複数の発光部(LED)から構成され、演出制御装置300(後述)で制御される。
第四特別図柄の変動表示は、開始から所定時間後に、はずれの場合は「消灯」、大当りの場合は「点灯」で停止する。第四特別図柄(第4図柄)の変動表示は、ランプ表示装置80の発光部85、86(LED)で表示されるが、それ以外の表示装置41やサブ表示装置で表示されてもよい。
ここで、ランプ表示装置80について説明すると、左上の発光部81と右上の発光部82は、特図2の保留に関する情報(ここでは特図2保留数)を報知し、中左の発光部83と中右の発光部84が特図1の保留に関する情報(ここでは特図1保留数)を報知する。左下の発光部85は、特図1変動表示ゲームの第四特別図柄(第4図柄)を表示し、右下の発光部86は、特図2変動表示ゲームの第四特別図柄(第4図柄)を表示する。
第1始動入賞口36又は第2始動入賞口(普通変動入賞装置33、第2始動入賞口37)への遊技球の入賞が所定のタイミングでなされた場合(入賞検出時の大当り乱数値が大当り値である場合)には、特図変動表示ゲームの結果として表示図柄により特別の結果態様(特別結果態様)が導出され、大当り状態(特別遊技状態)となる。これに対応して、表示装置41の表示態様は特別結果態様(例えば「7,7,7」等の数字が揃った状態)となる。
この場合、第1特別変動入賞装置38及び/又は第2特別変動入賞装置39は、下大入賞口ソレノイド(38b)及び/又は上大入賞口ソレノイド(39b)(図3参照)への通電によって、大入賞口が所定の時間(例えば数秒又は数十秒)だけ閉状態から開状態に変換される。すなわち、第1特別変動入賞装置38及び第2特別変動入賞装置39に備えられた大入賞口が所定の時間又は所定数の遊技球が入賞するまで大きく開き、この間遊技者は多くの遊技球を獲得することができるという特典が付与される。
第1始動入賞口36又は第2始動入賞口(普通変動入賞装置33、第2始動入賞口37)への遊技球の入賞が所定のタイミングでなされた場合(入賞検出時の大当り乱数値が小当り値である場合)には、特図変動表示ゲームの結果として表示図柄により特定結果態様(小当り結果態様)が導出され、小当り状態となる。これに対応して、表示装置41の表示態様は小当り結果態様となる。なお、本実施形態では、小当りの判定にも大当り乱数値が使用されるが、小当り値(小当り判定値)は、大当り値(大当り判定値)と異なる。
この場合、第1特別変動入賞装置38及び/又は第2特別変動入賞装置39は、下大入賞口ソレノイド38b及び/又は上大入賞口ソレノイド39b(図3参照)への通電によって、大入賞口が所定の短時間(例えば2秒以下)だけ閉状態から開状態に変換される。
ここで、大当りと小当りとの違いについて説明する。
大当りとは条件装置の作動を伴う特別結果であり、小当りとは条件装置の作動を伴わない特定結果である。条件装置とは、特図変動表示ゲームで大当りが発生(大当り図柄の停止表示)した場合に作動するもので、条件装置が作動するとは、例えば大当り状態が発生して特別電動役物としての特別変動入賞装置(第1特別変動入賞装置38及び/又は第2特別変動入賞装置39)を連続して作動させるための特定のフラグがセットされることを意味する。条件装置が作動しないとは、例えば小当り抽選に当選した場合のように上述の特定のフラグがセットされないことを意味する。なお、「条件装置」は、上記のようなソフトウェア的にオンオフされるフラグのようなソフトウェア手段であっても良いし、電気的にオンオフされるスイッチのようなハードウェア手段であっても良い。また、「条件装置」は、その作動が電動役物の連続作動に必要条件とされる装置として、パチンコ遊技機の分野においては一般的に使用されている用語であり、本明細書においても同様の意味を有する用語として使用している。
具体的には、大当りの場合は、大当りフラグが設定されることにより特別変動入賞装置が開放されるのに対して、小当りの場合は、小当りフラグが設定されることにより特別変動入賞装置が開放される。なお、特別変動入賞装置の当り状態中の全開放期間は、大当りの方が小当りよりも長いため、通常、大当りによって遊技者に付与される遊技価値(賞球)は、小当りよりも大きくなる。
なお、特図1表示器51及び特図2表示器52は、別々の表示器として構成され、各特図変動表示ゲームは共に同時に実行状態(実行されている状態)をとってよいが、一方の特図変動表示ゲームで大当りもしくは小当りが発生する(特別結果又は特定結果が導出され停止表示される)場合には、実行中の他方の特図変動表示ゲームは、強制的にはずれ結果で停止する。
表示装置41における飾り特図変動表示ゲームについては、特図1変動表示ゲームと特図2変動表示ゲームとを別々の表示装置や別々の表示領域で実行するようにしてもよいし、同一の表示装置や表示領域で実行するようにしてもよい。また、特図1変動表示ゲーム及び特図2変動表示ゲームに対応する飾り特図変動表示ゲームは共に同時に実行状態(実行されている状態)をとってよいが、一方の飾り特図変動表示ゲームで大当りもしくは小当りが発生する(特別結果又は特定結果が導出され停止表示される)場合には、実行中の他方の飾り特図変動表示ゲームは、強制的にはずれ結果で停止する。
なお、以下の説明において、特図1変動表示ゲームと特図2変動表示ゲームを区別しない場合は、単に特図変動表示ゲームと称する。
また、特に限定されるわけではないが、上記第1始動入賞口36内の始動口1スイッチ36a、普通変動入賞装置33及び第2始動入賞口37内の各始動口2スイッチ37a、入賞口スイッチ35a、カウントスイッチ(38a,39a)には、磁気検出用のコイルを備え該コイルに金属が近接すると磁界が変化する現象を利用して遊技球を検出する非接触型の磁気近接センサ(以下、近接スイッチと称する)が使用されている。また、遊技機10のガラス枠15等に設けられたガラス枠開放検出スイッチ63や前面枠(遊技枠)12等に設けられた前面枠開放検出スイッチ64(本体枠開放検出スイッチ)には、機械的な接点を有するマイクロスイッチを用いることができる。
〔遊技制御装置〕
図3は、遊技機10の遊技制御系のブロック図である。遊技機10は遊技制御装置100を備え、遊技制御装置100は、遊技を統括的に制御する主制御装置(主基板)であって、遊技用マイクロコンピュータ(以下、遊技用マイコンと称する)111を有するCPU部110と、入力ポートを有する入力部120と、出力ポートやドライバなどを有する出力部130、CPU部110と入力部120と出力部130との間を接続するデータバス140などからなる。
CPU部110は、アミューズメントチップ(IC)と呼ばれる遊技用マイコン(CPU)111と、水晶振動子のような発振子を備え、CPUの動作クロックやタイマ割込み、乱数生成回路の基準となるクロックを生成する発振回路(水晶発振器)113などを有する。遊技制御装置100及び該遊技制御装置100によって駆動されるソレノイドやモータなどの電子部品には、電源装置400で生成されたDC32V,DC12V,DC5Vなど所定のレベルの直流電圧が供給されて動作可能にされる。
電源装置400は、24Vの交流電源からDC32Vの直流電圧を生成するACDCコンバータやDC32Vの電圧からDC12V,DC5Vなどのより低いレベルの直流電圧を生成するDC−DCコンバータなどを有する通常電源部410と、遊技用マイコン111の内部のRAMに対して停電時に電源電圧を供給するバックアップ電源部420と、停電監視回路を有し、遊技制御装置100に停電の発生、回復を知らせる停電監視信号やリセット信号などの制御信号を生成して出力する制御信号生成部430などを備える。
本実施形態では、電源装置400は、遊技制御装置100と別個に構成されているが、バックアップ電源部420及び制御信号生成部430は、別個の基板上あるいは遊技制御装置100と一体、すなわち、主基板上に設けるように構成してもよい。遊技盤30及び遊技制御装置100は機種変更の際に交換の対象となるので、実施例のように、電源装置400若しくは主基板とは別の基板にバックアップ電源部420及び制御信号生成部430を設けることにより、交換の対象から外しコストダウンを図ることができる。
バックアップ電源部420は、電解コンデンサのような大容量のコンデンサ1つで構成することができる。バックアップ電源は、遊技制御装置100の遊技用マイコン111(特に内蔵RAM)に供給され、停電中あるいは電源遮断後もRAMに記憶されたデータが保持されるようになっている。制御信号生成部430は、例えば通常電源部410で生成された32Vの電圧を監視してそれが例えば17V以下に下がると停電発生を検出して停電監視信号を変化させるとともに、所定時間後にリセット信号を出力する。また、電源投入時や停電回復時にもその時点から所定時間経過後にリセット信号を出力する。
また、遊技制御装置100には初期化スイッチ112が設けられている。初期化スイッチ112が操作されると初期化スイッチ信号が生成され、これに基づき遊技用マイコン111内のRAM111c及び払出制御装置200内のRAMに記憶されている情報を強制的に初期化する処理が行われる。特に限定されるわけではないが初期化スイッチ信号は電源投入時に読み込まれ、停電監視信号は遊技用マイコン111が実行するメインプログラムのメインループの中で繰り返し読み込まれる。リセット信号は強制割込み信号の一種であり、制御システム全体をリセットさせる。
遊技用マイコン111は、CPU(中央処理ユニット:マイクロプロセッサ)111a、読出し専用のROM(リードオンリメモリ)111b及び随時読出し書込み可能なRAM(ランダムアクセスメモリ)111cを備える。
ROM111bは、遊技制御のための不変の情報(プログラム、固定データ、各種乱数の判定値等)を不揮発的に記憶し、RAM111cは、遊技制御時にCPU111aの作業領域や各種信号や乱数値の記憶領域として利用される。ROM111b又はRAM111cとして、EEPROMのような電気的に書換え可能な不揮発性メモリを用いてもよい。
また、ROM111bは、例えば、特図変動表示ゲームの実行時間、演出内容、リーチ状態の発生の有無などを規定する変動パターン(変動態様)を決定するための変動パターンテーブルを記憶している。変動パターンテーブルとは、始動記憶として記憶されている変動パターン乱数1〜3をCPU111aが参照して変動パターンを決定するためのテーブルである。また、変動パターンテーブルには、結果がはずれとなる場合に選択されるはずれ変動パターンテーブル、結果が大当りとなる場合に選択される大当り変動パターンテーブル等が含まれる。さらに、これらのパターンテーブルには、リーチ状態となった後の変動パターンである後半変動パターンを決定するためのテーブル(後半変動グループテーブルや後半変動パターン選択テーブル等)、リーチ状態となる前の変動パターンである前半変動パターンを決定するためのテーブル(前半変動グループテーブルや前半変動パターン選択テーブル等)が含まれている。
ここでリーチ(リーチ状態)とは、表示状態が変化可能な表示装置を有し、該表示装置が時期を異ならせて複数の表示結果を導出表示し、該複数の表示結果が予め定められた特別結果態様となった場合に、遊技状態が遊技者にとって有利な遊技状態(特別遊技状態)となる遊技機10において、複数の表示結果の一部がまだ導出表示されていない段階で、既に導出表示されている表示結果が特別結果態様となる条件を満たしている表示状態をいう。また、別の表現をすれば、リーチ状態とは、表示装置の変動表示制御が進行して表示結果が導出表示される前段階にまで達した時点でも、特別結果態様となる表示条件からはずれていない表示態様をいう。そして、例えば、特別結果態様が揃った状態を維持しながら複数の変動表示領域による変動表示を行う状態(いわゆる全回転リーチ)もリーチ状態に含まれる。また、リーチ状態とは、表示装置の表示制御が進行して表示結果が導出表示される前段階にまで達した時点での表示状態であって、表示結果が導出表示される以前に決定されている複数の変動表示領域の表示結果の少なくとも一部が特別結果態様となる条件を満たしている場合の表示状態をいう。
よって、例えば、特図変動表示ゲームに対応して表示装置に表示される飾り特図変動表示ゲームが、表示装置における左、中、右の変動表示領域の各々で所定時間複数の識別情報を変動表示した後、左、右、中の順で変動表示を停止して結果態様を表示するものである場合、左、右の変動表示領域で、特別結果態様となる条件を満たした状態(例えば、同一の識別情報)で変動表示が停止した状態がリーチ状態となる。他に、すべての変動表示領域の変動表示を一旦停止した時点で、左、中、右のうちいずれか二つの変動表示領域で特別結果態様となる条件を満たした状態(例えば、同一の識別情報となった状態、ただし特別結果態様は除く)をリーチ状態とし、リーチ状態から残りの一つの変動表示領域を変動表示するようにしてもよい。
そして、リーチ状態には複数のリーチ演出が含まれ、特別結果態様が導出される可能性が異なる(期待値が異なる)リーチ演出の系統として、ノーマルリーチ(Nリーチ)、スペシャル1リーチ(SP1リーチ)、スペシャル2リーチ(SP2リーチ)、スペシャル3リーチ(SP3リーチ)、プレミアリーチが設定されている。なお、大当りの期待度(期待値)は、リーチなし<ノーマルリーチ<スペシャル1リーチ<スペシャル2リーチ<スペシャル3リーチ<プレミアリーチの順に高くなるようになっている。また、リーチ状態は、少なくとも特図変動表示ゲームで特別結果態様が導出される場合(大当りとなる場合)における変動表示態様に含まれるようになっている。すなわち、特図変動表示ゲームで特別結果態様が導出されないと判定する場合(はずれとなる場合)における変動表示態様に含まれることもある。よって、リーチ状態が発生した状態は、リーチ状態が発生しない場合と比較して大当りとなる可能性の高い状態である。
CPU111aは、ROM111b内の遊技制御用プログラムを実行して、払出制御装置200や演出制御装置300に対する制御信号(コマンド)を生成したりソレノイドや表示装置の駆動信号を生成して出力して遊技機10全体の制御を行う。また、図示しないが、遊技用マイコン111は、特図変動表示ゲームの大当りを判定するための大当り乱数や大当りの図柄を決定するための大当り図柄乱数、小当りの図柄を決定するための小当り図柄乱数、特図変動表示ゲームでの変動パターン(各種リーチやリーチなしの変動表示における変動表示ゲームの実行時間等を含む)を決定するための変動パターン乱数等を生成するための乱数生成回路と、発振回路113からの発振信号(原クロック信号)に基づいてCPU111aに対する所定周期(例えば、4ミリ秒)のタイマ割込み信号や乱数生成回路の更新タイミングを与えるクロックを生成するクロックジェネレータを備えている。
また、CPU111aは、特図変動表示ゲームに関する処理において、ROM111bに記憶されている複数の変動パターンテーブルの中から、いずれか一の変動パターンテーブルを取得する。具体的には、CPU111aは、特図変動表示ゲームの遊技結果(大当りあるいははずれ)や、現在の遊技状態としての特図変動表示ゲームの確率状態(通常確率状態あるいは高確率状態)、始動記憶数などに基づいて、複数の変動パターンテーブルの中から、いずれか一の変動パターンテーブルを選択して取得する。ここで、CPU111aは、特図変動表示ゲームを実行する場合に、ROM111bに記憶された複数の変動パターンテーブルのうち、いずれか一の変動パターンテーブルを取得する変動振り分け情報取得手段をなす。
払出制御装置200は、CPU、ROM、RAM、入力インタフェース、出力インタフェース等を備え、遊技制御装置100からの賞球払出し指令(コマンドやデータ)に従って、払出ユニットの払出モータ91を駆動させ、賞球を払い出させるための制御を行う。また、払出制御装置200は、カードユニット600からの貸球要求信号に基づいて払出ユニットの払出モータ91を駆動させ、貸球を払い出させるための制御を行う。
遊技用マイコン111の入力部120には、遊技機に対する電波の発射を検出する電波センサ62(盤電波センサ)、第1始動入賞口36内の始動口1スイッチ36a、普通変動入賞装置33及び第2始動入賞口37内の各始動口2スイッチ37a、ゲートスイッチ34a、入賞口スイッチ35a、第1特別変動入賞装置38の下大入賞口スイッチ38a、第2特別変動入賞装置39の上大入賞口スイッチ39aに接続され、これらのスイッチから供給されるハイレベルが11Vでロウレベルが7Vのような負論理の信号が入力され、0V−5Vの正論理の信号に変換するインタフェースチップ(近接I/F)121が設けられている。
近接I/F121の出力は、第2入力ポート123又は第3入力ポート124に供給されデータバス140を介して遊技用マイコン111に読み込まれる。なお、近接I/F121の出力のうち、ゲートスイッチ34a、始動口1スイッチ36a、各始動口2スイッチ37a、入賞口スイッチ35a、下大入賞口スイッチ38a及び上大入賞口スイッチ39aの検出信号は第3入力ポート124に入力される。
また、近接I/F121の出力のうち、電波センサ62の検出信号及びセンサやスイッチの異常を検出した際に出力される異常検知信号は第2入力ポート123に入力される。
また、第2入力ポート123には、遊技機10の前面枠12等に設けられた不正検出用の磁気センサスイッチ61の検出信号、遊技機10のガラス枠15等に設けられたガラス枠開放検出スイッチ63、前面枠12等に設けられた前面枠開放検出スイッチ64からの信号が入力される。なお、振動を検出する振動センサスイッチを遊技機に設け、検出信号が第2入力ポート123に入力されるようにしてもよい。
また、近接I/F121の出力のうち、第3入力ポート124への出力は、遊技制御装置100から中継基板70を介して図示しない試射試験装置へも供給されるようになっている。さらに、近接I/F121の出力のうち始動口1スイッチ36aと各始動口2スイッチ37aの検出信号は、第3入力ポート124の他、遊技用マイコン111に入力されるように構成されている。
前述のように近接I/F121は、信号のレベル変換機能を有する。このようなレベル変換機能を可能にするため、近接I/F121には、電源装置400から通常のICの動作に必要な例えば5Vのような電圧の他に、12Vの電圧が供給されるようになっている。
第3入力ポート124が保持しているデータは、遊技用マイコン111が第3入力ポート124に割り当てられているアドレスをデコードすることによってイネーブル信号CE2をアサート(有効レベルに変化)することよって、読み出すことができる。第2入力ポート123や後述の第1入力ポート122も同様である。
また、入力部120には、払出制御装置200から出力される枠電波不正信号、払出ビジー信号、払出異常を示すステータス信号、払出前の遊技球の不足を示すシュート球切れスイッチ信号、オーバーフローを示すオーバーフロースイッチ信号、操作ハンドル24に設けられたタッチスイッチの入力に基づくタッチスイッチ信号を取り込んでデータバス140を介して遊技用マイコン111に供給する第1入力ポート122が設けられている。枠電波不正信号は前面枠12に設けられた枠電波センサが電波を検出することに基づき出力される信号であり、払出ビジー信号は払出制御装置200がコマンドを受付可能な状態か否かを示す信号である。オーバーフロースイッチ信号は、下皿23に遊技球が所定量以上貯留されていること(満杯になったこと)を検出したときに出力される信号である。
また、入力部120には、電源装置400からの停電監視信号やリセット信号などの信号を遊技用マイコン111等に入力するためのシュミットバッファ125が設けられており、シュミットバッファ125はこれらの入力信号からノイズを除去する機能を有する。電源装置400からの停電監視信号や、初期化スイッチ112からの初期化スイッチ信号は、一旦第1入力ポート122に入力され、データバス140を介して遊技用マイコン111に取り込まれる。つまり、前述の各種スイッチからの信号と同等の信号として扱われる。遊技用マイコン111に設けられている外部からの信号を受ける端子の数には制約があるためである。
一方、シュミットバッファ125によりノイズ除去されたリセット信号RSTは、遊技用マイコン111に設けられているリセット端子に直接入力されるとともに、出力部130の各ポートに供給される。また、リセット信号RSTは出力部130を介さずに直接中継基板70に出力することで、試射試験装置に出力するために中継基板70のポート(図示省略)に保持される試射試験信号をオフするように構成されている。
また、リセット信号RSTを中継基板70を介して試射試験装置に出力可能に構成するようにしてもよい。なお、リセット信号RSTは入力部120の各ポート122,123,124には供給されない。リセット信号RSTが入る直前に遊技用マイコン111によって出力部130の各ポートに設定されたデータはシステムの誤動作を防止するためリセットする必要があるが、リセット信号RSTが入る直前に入力部120の各ポートから遊技用マイコン111が読み込んだデータは、遊技用マイコン111のリセットによって廃棄されるためである。
出力部130には、遊技用マイコン111から演出制御装置300への通信経路及び遊技用マイコン111から払出制御装置200への通信経路に配されるシュミットバッファ132が設けられている。遊技制御装置100から演出制御装置300及び払出制御装置200へは、シリアル通信でデータが送信される。なお、演出制御装置300の側から遊技制御装置100へ信号を入力できないようにした片方向通信とされている。
さらに、出力部130には、データバス140に接続され図示しない認定機関の試射試験装置へ変動表示ゲームの特図図柄情報を知らせるデータや大当りの確率状態を示す信号などを中継基板70を介して出力するバッファ133が実装可能に構成されている。バッファ133は遊技店に設置される実機(量産販売品)としてのパチンコ遊技機の遊技制御装置(主基板)には実装されない部品である。なお、前記近接I/F121から出力される始動口スイッチなど加工の必要のないスイッチの検出信号は、バッファ133を通さずに中継基板70を介して試射試験装置に供給される。
一方、磁気センサスイッチ61や電波センサ62のようにそのままでは試射試験装置に供給できない検出信号は、一旦遊技用マイコン111に取り込まれて他の信号若しくは情報に加工されて、例えば遊技機が遊技制御できない状態であることを示すエラー信号としてデータバス140からバッファ133、中継基板70を介して試射試験装置に供給される。
なお、中継基板70には、バッファ133から出力された信号を取り込んで試射試験装置に供給するポートや、バッファを介さないスイッチの検出信号の信号線を中継して伝達するコネクタなどが設けられている。中継基板70上のポートには、遊技用マイコン111から出力されるチップイネーブル信号CEも供給され、該信号CEにより選択制御されたポートの信号が試射試験装置に供給されるようになっている。
また、出力部130には、データバス140に接続され第1特別変動入賞装置38を開放させるソレノイド(下大入賞口ソレノイド)38b、第2特別変動入賞装置39を開放させるソレノイド(上大入賞口ソレノイド)39bの開閉データを出力するための第2出力ポート134が設けられている。
また、出力部130には、一括表示装置50に表示する内容に応じてLEDのアノード端子が接続されているセグメント線のオン/オフデータを出力するための第3出力ポート135、一括表示装置50のLEDのカソード端子が接続されているデジット線のオン/オフデータを出力するための第4出力ポート136が設けられている。
また、出力部130には、大当り情報など遊技機10に関する情報を外部情報端子71に出力するための第5出力ポート137が設けられている。外部情報端子71にはフォトリレーが備えられ、例えば遊技店に設置された外部装置(情報収集端末や遊技場内部管理装置(ホールコンピュータ)など)に接続可能であり、遊技機10に関する情報を外部装置に供給することができるようになっている。また、第5出力ポート137からはシュミットバッファ132を介して払出制御装置200に発射許可信号も出力される。
さらに、出力部130には、第2出力ポート134から出力される普電ソレノイド33cや下大入賞口ソレノイド38bや上大入賞口ソレノイド39bの開閉データ信号を受けてソレノイド駆動信号を生成し出力する第1ドライバ(駆動回路)138a、第3出力ポート135から出力される一括表示装置50の電流供給側のセグメント線のオン/オフ駆動信号を出力する第2ドライバ138b、第4出力ポート136から出力される一括表示装置50の電流引き込み側のデジット線のオン/オフ駆動信号を出力する第3ドライバ138c、第5出力ポート137から管理装置等の外部装置に供給する外部情報信号を外部情報端子71に出力する第4ドライバ138dが設けられている。
第1ドライバ138aには、32Vで動作するソレノイドを駆動できるようにするため、電源電圧としてDC32Vが電源装置400から供給される。また、一括表示装置50のセグメント線を駆動する第2ドライバ138bには、DC12Vが供給される。デジット線を駆動する第3ドライバ138cは、表示データに応じたデジット線を電流で引き抜くためのものであるため、電源電圧は12V又は5Vのいずれであってもよい。
12Vを出力する第2ドライバ138bによりセグメント線を介してLEDのアノード端子に電流を流し込み、接地電位を出力する第3ドライバ138cによりカソード端子よりセグメント線を介して電流を引き抜くことで、ダイナミック駆動方式で順次選択されたLEDに電源電圧が流れて点灯される。外部情報信号を外部情報端子71に出力する第4ドライバ138dは、外部情報信号に12Vのレベルを与えるため、DC12Vが供給される。なお、バッファ133や第2出力ポート134、第1ドライバ138a等は、遊技制御装置100の出力部130、すなわち、主基板ではなく、中継基板70側に設けるようにしてもよい。
さらに、出力部130には、外部の検査装置250へ各遊技機の識別コードやプログラムなどの情報を送信するためのフォトカプラ139が設けられている。フォトカプラ139は、遊技用マイコン111が検査装置250との間でシリアル通信によってデータの送受信を行えるように双方通信可能に構成されている。なお、かかるデータの送受信は、通常の汎用マイクロプロセッサと同様に遊技用マイコン111が有するシリアル通信端子を利用して行われるため、入力ポート122,123,124のようなポートは設けられていない。
〔演出制御装置〕
次に、図4を用いて、演出制御装置300(サブ基板)の構成について説明する。図4は、遊技機10の演出制御系のブロック図である。
演出制御装置300は、遊技用マイコン111と同様にアミューズメントチップ(IC)からなる主制御用マイコン(CPU)311と、主制御用マイコン311からのコマンドやデータに従って表示装置41への映像表示のための画像処理を行うグラフィックプロセッサとしてのVDP(Video Display Processor)312と、各種のメロディや効果音などをスピーカ19から再生させるため音の出力を制御する音源LSI314を備えている。
主制御用マイコン311には、CPUが実行するプログラム(演出制御用プログラム)や各種データを格納したPROM(プログラマブルリードオンリメモリ)からなるプログラムROM321、作業領域を提供するRAM322、停電時に電力が供給されなくとも記憶内容を保持可能なFeRAM323、現在の日時(年月日や曜日、時刻など)を示す情報を生成する計時手段をなすRTC(リアルタイムクロック)338が接続されている。なお、主制御用マイコン311の内部にも作業領域を提供するRAMが設けられている。
また、主制御用マイコン311にはWDT(ウォッチドッグタイマ)回路324が接続されている。主制御用マイコン311は、遊技用マイコン111からのコマンドを解析し、演出内容を決定してVDP312に出力映像の内容を指示したり、音源LSI314への再生音の指示、装飾ランプの点灯、モータやソレノイドの駆動制御、演出時間の管理などの処理を実行する。
VDP312には、作業領域を提供するRAM312aや、画像を拡大、縮小処理するためのスケーラ312bが設けられている。また、VDP312にはキャラクタ画像や映像データが記憶された画像ROM325や、画像ROM325から読み出されたキャラクタなどの画像データを展開したり加工したりするのに使用される超高速なVRAM(ビデオRAM)326が接続されている。
特に限定されるわけではないが、主制御用マイコン311とVDP312との間は、パラレル方式でデータの送受信が行われるように構成されている。パラレル方式でデータを送受信することで、シリアルの場合よりも短時間にコマンドやデータを送信することができる。
VDP312から主制御用マイコン311へは、表示装置41の映像とガラス枠15や遊技盤30に設けられている装飾ランプの点灯を同期させるための垂直同期信号VSYNC、データの送信タイミングを与える同期信号STSが入力される。なお、VDP312から主制御用マイコン311へは、VRAMへの描画の終了等処理状況を知らせるため割込み信号INT0〜n及び主制御用マイコン311からのコマンドやデータの受信待ちの状態にあることを知らせるためのウェイト信号WAITなども入力される。
演出制御装置300には、LVDS(小振幅信号伝送)方式で表示装置41に送信する映像信号を生成する信号変換回路313が設けられている。VDP312から信号変換回路313へは、映像データ、水平同期信号HSYNC及び垂直同期信号VSYNCが入力されるようになっており、VDP312で生成された映像は、信号変換回路313を介して表示装置41に表示される。
音源LSI314には音声データが記憶された音ROM327が接続されている。主制御用マイコン311と音源LSI314は、アドレス/データバス340を介して接続されている。また、音源LSI314から主制御用マイコン311へは割込み信号INTが入力されるようになっている。演出制御装置に300には、ガラス枠15に設けられた上スピーカ19a及び前面枠12に設けられた下スピーカ19bを駆動するオーディオパワーアンプなどからなるアンプ回路337が設けられており、音源LSI314で生成された音声はアンプ回路337を介して上スピーカ19a及び下スピーカ19bから出力される。
また、演出制御装置300には、遊技制御装置100から送信されるコマンドを受信するインタフェースチップ(コマンドI/F)331が設けられている。コマンドI/F331を介して、遊技制御装置100から演出制御装置300に送信された飾り特図保留数コマンド、飾り特図コマンド、変動コマンド、停止情報コマンド等を、演出制御指令信号(演出コマンド)として受信する。遊技制御装置100の遊技用マイコン111はDC5Vで動作し、演出制御装置300の主制御用マイコン311はDC3.3Vで動作するため、コマンドI/F331には信号のレベル変換の機能が設けられている。
また、演出制御装置300には、遊技盤30(センターケース40を含む)に設けられているLED(発光ダイオード)を有する盤装飾装置46を駆動制御する盤装飾LED制御回路332、ガラス枠15に設けられているLED(発光ダイオード)を有する枠装飾装置(例えば枠装飾装置18等)を駆動制御する枠装飾LED制御回路333、遊技盤30(センターケース40を含む)に設けられている盤演出装置44(例えば表示装置41における演出表示と協働して演出効果を高める可動役物等)を駆動制御する盤演出可動体制御回路334が設けられている。
ランプやモータ及びソレノイドなどを駆動制御するこれらの制御回路332〜334は、アドレス/データバス340を介して主制御用マイコン311と接続されている。なお、ガラス枠15に設けられているモータ等の枠演出装置を駆動制御する枠演出可動体制御回路を備えていてもよい。
さらに、演出制御装置300には、ガラス枠15に設けられた演出ボタン25に内蔵されている演出ボタンスイッチ25a、演出ボタン25の表面に設けられているタッチパネル25b、盤演出装置44内のモータの初期位置等を検出する演出役物スイッチ47(演出モータスイッチ)のオン/オフ状態を検出して主制御用マイコン311に検出信号を入力する機能や、演出制御装置300に設けられた音量調節スイッチ335の状態を検出して主制御用マイコン311に検出信号を入力する機能を有するスイッチ入力回路336が設けられている。
電源装置400の通常電源部410は、前述のような構成を有する演出制御装置300やそれによって制御される電子部品に対して所望のレベルの直流電圧を供給するため、モータやソレノイドを駆動するためのDC32V、液晶パネルからなる表示装置41、モータやLEDを駆動するためのDC12V、コマンドI/F331の電源電圧となるDC5Vの他に、モータやLED、スピーカを駆動するためのDC15Vの電圧を生成するように構成されている。
さらに、主制御用マイコン311として、3.3Vあるいは1.2Vのような低電圧で動作するLSIを使用する場合には、DC5Vに基づいてDC3.3VやDC1.2Vを生成するためのDC−DCコンバータが演出制御装置300に設けられる。なお、DC−DCコンバータは通常電源部410に設けるようにしてもよい。
電源装置400の制御信号生成部430により生成されたリセット信号は、主制御用マイコン311に供給され、当該デバイスをリセット状態にする。また、主制御用マイコン311から出力される形で、VDP312(VDPRESET信号)、音源LSI314、スピーカを駆動するアンプ回路337(SNDRESET信号)、ランプやモータなどを駆動制御する制御回路332〜334(IORESET信号)に供給され、これらをリセット状態にする。また、演出制御装置300には遊技機10の各所を冷却する冷却FAN45が接続され、演出制御装置300の電源が投入された状態では冷却FAN45が駆動するようにされている。
次に、これらの制御回路において行われる遊技制御について説明する。
第1始動入賞口36に備えられた始動口1スイッチ36aからの遊技球の検出信号の入力に基づき始動入賞(始動記憶)を記憶し、始動記憶に基づき、特図1変動表示ゲームの大当り判定用乱数値を抽出してROM111bに記憶されている判定値と比較し、特図1変動表示ゲームの当り外れを判定する。
また、普通変動入賞装置33及び第2始動入賞口37に備えられた始動口2スイッチ37aからの遊技球の検出信号の入力に基づき始動記憶を記憶し、始動記憶に基づき、特図2変動表示ゲームの大当り判定用乱数値を抽出してROM111bに記憶されている判定値と比較し、特図2変動表示ゲームの当り外れを判定する。
そして、遊技制御装置100のCPU111aは、特図1変動表示ゲームや特図2変動表示ゲームの判定結果を含む制御信号(演出制御コマンド)を、演出制御装置300に出力する。そして、特図1表示器51や特図2表示器52に、識別図柄を所定時間変動表示した後、停止表示する特図変動表示ゲームを表示する。すなわち、遊技制御装置100が、遊技領域32を流下する遊技球の始動入賞領域(第1始動入賞口36、第2始動入賞口)への入賞に基づき変動表示ゲームの進行制御を行う遊技制御手段をなす。
また、演出制御装置300では、遊技制御装置100からの制御信号に基づき、表示装置41で特図変動表示ゲームに対応した飾り特図変動表示ゲームを表示する。さらに、演出制御装置300では、遊技制御装置100からの制御信号に基づき、演出状態の設定や、スピーカ19a,19bからの音の出力、各種LEDの発光を制御する処理等を行う。すなわち、演出制御装置300が、遊技(変動表示ゲーム等)に関する演出を制御する演出制御手段をなす。
そして、遊技制御装置100のCPU111aは、特図変動表示ゲームの結果が大当りの場合は、特図1表示器51や特図2表示器52に特別結果態様を表示するとともに、特別遊技状態(大当り状態)を発生させる。特別遊技状態を発生させる処理においては、CPU111aは、例えば、大入賞口ソレノイド38bにより第1特別変動入賞装置38の開閉扉38cを開放又は大入賞口ソレノイド39bにより第2特別変動入賞装置39の可動部材39cを開放させ、大入賞口内への遊技球の流入を可能とする制御を行う。
そして、大入賞口に所定個数(例えば、10個)の遊技球が入賞するか、大入賞口の開放から所定の開放可能時間(例えば、27秒又は0.05秒程度)が経過するかのいずれかの条件が達成されるまで大入賞口を開放することを1ラウンドとし、これを所定ラウンド回数(例えば、16回、8回、4回又は2回)継続する(繰り返す)制御(サイクル遊技)を行う。すなわち、遊技制御装置100が、停止結果態様が特別結果態様となった場合に、大入賞口を開閉する制御を行う大入賞口開閉制御手段をなす。また、特図変動表示ゲームの結果がはずれの場合は、特図1表示器51や特図2表示器52にはずれの結果態様を表示する制御を行う。
また、遊技制御装置100は、特図変動表示ゲームの結果態様に基づき、特別遊技状態の終了後に、遊技状態として高確率状態を発生可能となっている。高確率状態は、特図変動表示ゲームにて当り結果(本実施形態では大当り結果)となる確率が、通常確率状態(低確率状態)と比較して高い状態である。また、特図1変動表示ゲーム(第1特図変動表示ゲーム)及び特図2変動表示ゲーム(第2特図変動表示ゲーム)のどちらの特図変動表示ゲームの結果態様に基づき高確率状態となっても、特図1変動表示ゲーム及び特図2変動表示ゲームの両方が高確率状態となる。
また、遊技制御装置100は、特図変動表示ゲームの結果態様に基づき、特別遊技状態の終了後に、遊技状態として時短状態(特定遊技状態)を発生可能となっている。時短状態においては、特図変動表示ゲームの変動時間が短くなるように制御する。本実施形態では、高確率状態と時短状態は、同時に発生する構成であるが、それぞれ独立して発生可能とし一方のみを発生させることも可能である。
[遊技制御装置の制御]
以下、このような遊技を行う遊技機の制御について説明する。まず、上記遊技制御装置100の遊技用マイクロコンピュータ(遊技用マイコン)111によって実行される制御について説明する。遊技用マイコン111による制御処理は、主に図5A及び図5Bに示すメイン処理と、所定時間周期(本実施形態では4msec(ミリ秒))で行われる図6に示すタイマ割込み処理とからなる。即ち、遊技用マイコン111の制御処理に対応する遊技制御用プログラムは、メイン処理に対応するメインプログラム(呼出元ルーチン)と、タイマ割込み処理に対応する割込み処理プログラム(割込み処理ルーチン)から構成される。
〔メイン処理〕
まず、メイン処理について説明する。図5A及び図5Bは、遊技制御装置100が実行するメイン処理(メインプログラム)の手順を示すフローチャートである。メイン処理は、電源が投入されることで開始される。なお、遊技制御装置100が実行する処理のフローチャートにおいて、ステップの符号(番号)は「A****」或は「S****」と表されている。
図5Aに示すように、遊技制御装置100は、メイン処理を開始すると、まず、割込みを禁止する処理を実行する(A1001)。さらに、割込み発生時にレジスタ等の値を退避する領域の先頭アドレスであるスタックポインタを設定するスタックポインタ設定処理を実行する(A1002)。
続いて、使用するレジスタバンクとしてレジスタバンク0を指定し(A1003)、所定のレジスタにRAM先頭アドレスの上位アドレスをセットする(A1004)。例えば、RAMのアドレスが0000h〜01FFhの範囲である場合に、上位アドレスとして00hをセットする。
次に、遊技制御装置100は、発射禁止の信号を出力して発射許可信号を禁止状態に設定する(A1005)。発射許可信号は遊技制御装置100と払出制御装置200の少なくとも一方が発射禁止の信号を出力している場合に禁止状態に設定され、遊技球の発射が禁止されるようになっている。その後、遊技制御装置100は、入力ポート1(第1入力ポート122)の状態を読み込む(A1006)。
さらに、遊技制御装置100は、電源投入ディレイタイマを設定する(A1007)。電源投入ディレイタイマに所定の初期値を設定することにより、主制御手段をなす遊技制御装置100からの指示に従い種々の制御を行う従制御手段(例えば、払出制御装置200や演出制御装置300)のプログラムが正常に起動するまで待機するための待機時間(例えば3秒)が設定される。これにより、電源投入の際に仮に遊技制御装置100が先に立ち上がって従制御装置(例えば払出制御装置200や演出制御装置300)が立ち上がる前にコマンドを従制御装置に送ってしまい、従制御装置がコマンドを取りこぼすことを回避することができる。すなわち、遊技制御装置100が、電源投入時において、主制御手段(遊技制御装置100)の起動を遅らせて従制御装置(払出制御装置200、演出制御装置300等)の起動を待つための所定の待機時間を設定する待機手段をなす。
また、電源投入ディレイタイマの計時は、RAMの正当性判定(チェックサム算出)の対象とならない記憶領域(正当性判定対象外のRAM領域又はレジスタ等)を用いて行われる。これにより、RAM領域のチェックサム等のチェックデータを算出する際に、一部のRAM領域を除外して算出する必要がないため電源投入時の制御が複雑になることを防止することができる。
なお、第1入力ポート122には初期化スイッチ信号が入力されるようになっており、待機時間の開始前に第1入力ポート122の状態を読み込むことで、初期化スイッチ112の操作を確実に検出できる。すなわち、待機時間の経過後に初期化スイッチ112の状態を読み込むようにすると、待機時間の経過を待ってから初期化スイッチ112を操作したり、電源投入から待機時間の経過まで初期化スイッチ112を操作し続けたりする必要がある。しかし、待機時間の開始前に状態を読み込むことで、このような煩わしい操作を行わなくても電源投入後すぐに操作を行うことで検出されるようになり、電源投入時に行った初期化の操作が受け付けられないような事態を防止できる。
電源投入ディレイタイマを設定すると(A1007)、遊技制御装置100は、待機時間の計時と、待機時間中における停電の発生を監視する処理とを実行する(A1008からA1012)。
停電監視処理が開始されると、遊技制御装置100は、まず、電源装置400から入力されている停電監視信号をポート及びデータバスを介して読み込んでチェックする回数(例えば2回)を設定し(A1008)、停電監視信号がオンである否かを判定する(A1009)。
遊技制御装置100は、停電監視信号がオンである場合には(A1009の結果が「Y」)、ステップA1008の処理で設定したチェック回数分停電監視信号のオン状態が継続しているか否かを判定する(A1010)。そして、チェック回数分停電監視信号のオン状態が継続していない場合には(A1010の結果が「N」)、ステップA1009の停電監視信号がオンであるか否かを判定する処理に戻る。
また、遊技制御装置100は、チェック回数分停電監視信号のオン状態が継続している場合(A1010の結果が「Y」)、すなわち、停電が発生していると判定した場合には、遊技機の電源が遮断されるまで待機する。このように、所定期間に亘り停電監視信号を受信し続けた場合に停電が発生したと判定することで、ノイズなどにより停電を誤検知することを防止でき、電源投入時における不具合に適切に対処することができる。
すなわち、遊技制御装置100が、所定の待機時間において停電の発生を監視する停電監視手段をなす。これにより、主制御手段をなす遊技制御装置100の起動を遅らせている期間において発生した停電に対応することが可能となり、電源投入時における不具合に適切に対処することができる。なお、待機時間の終了まではRAMへのアクセスが許可されておらず、前回の電源遮断時の記憶内容が保持されたままとなっているため、ここでの停電発生時にはバックアップの処理等は行う必要がない。したがって、待機時間中に停電が発生してもRAMのバックアップを取る必要がなく、制御の負担を軽減することができる。
一方、遊技制御装置100は、停電監視信号がオンでない場合(A1009の結果が「N」)、すなわち、停電が発生していない場合には、電源投入ディレイタイマを−1更新し(A1011)、タイマの値が0であるか否かを判定する(A1012)。タイマの値が0でない場合(A1012の結果が「N」)、すなわち、待機時間が終了していない場合には、ステップA1008の停電監視信号のチェック回数を設定する処理に戻る。
また、遊技制御装置100は、タイマの値が0である場合(A1012の結果が「Y」)、すなわち、待機時間が終了した場合には、RAMやEEPROM等の読出し書込み可能なRWM(リードライトメモリ)のアクセスを許可し(A1013)、全出力ポートにオフデータを出力(出力が無い状態に設定)する(A1014)。
次に、遊技制御装置100は、シリアルポート(遊技用マイコン111に予め搭載されているポートで、本実施形態では、演出制御装置300や払出制御装置200との通信に使用)を設定する(A1015)。さらに、先に読み込んだ第1入力ポート122の状態から初期化スイッチがオンにされたか否かを判定する(A1016)。
遊技制御装置100は、初期化スイッチがオフである場合には(A1016の結果が「N」)、RWM内の停電検査領域1の値が正常な停電検査領域チェックデータであるか否かを判定する(A1017)。そして、正常であれば(A1017の結果が「Y」)、RWM内の停電検査領域2の値が正常な停電検査領域チェックデータであるか否かを判定する(A1018)。
さらに、遊技制御装置100は、停電検査領域2の値が正常であれば(A1018の結果が「Y」)、RWM内の所定領域のチェックサムを算出するチェックサム算出処理を実行し(A1019)、算出されたチェックサムと電源断時のチェックサムが一致するか否かを判定する(A1020)。チェックサムが一致する場合には(A1020の結果が「Y」)、図5BのステップA1021の処理に移行し、停電から正常に復旧(回復)した場合の処理を実行する。
また、遊技制御装置100は、初期化スイッチがオンである場合(A1016の結果が「Y」)、停電検査領域のチェックデータが正常なデータでないと判定された場合(A1017の結果が「N」、又は、A1018の結果が「N」)、チェックサムが正常でない場合には(A1020の結果が「N」)、図5BのステップA1023の処理に移行して初期化処理を実行する。すなわち、初期化スイッチが外部からの操作が可能な初期化操作部をなし、遊技制御装置100が、初期化操作部が操作されたことに基づきRAMに記憶されたデータを初期化する初期化手段をなす。
遊技制御装置100は、初期化すべき領域に停電復旧時の初期値をセーブする(A1021)。初期化すべき領域とは、停電検査領域、チェックサム領域及びエラー不正監視に係る領域である。なお、払出制御装置200がコマンドを受付可能な状態か否かを示す信号である払出ビジー信号の状態を記憶するビジー信号ステータス領域(払出ビジー信号フラグ領域)もクリアされ、払出ビジー信号の状態を確定していないことを示す不定状態とされる。
そして、特図ステータスに対応する停電復旧時のコマンドを演出制御基板(演出制御装置300)に送信し(A1022)、ステップA1028の処理を実行する。停電復旧時のコマンドには、遊技機の種類を示す機種指定コマンド、特図1の保留数を示す飾り特図1保留数コマンド、確率の状態を示す確率情報コマンド、画面指定のコマンド等がある。画面指定のコマンドは、表示装置41の表示内容を指定するコマンドであり、例えば、特図1変動表示ゲームと特図2変動表示ゲームに関して共に普段処理中の場合(変動中でも当り動作中でもない場合)には客待ちデモのコマンド、それ以外の場合なら復旧画面のコマンドである。
また、停電復旧時のコマンドには、後述の図42から図49の変形例のように、特図1変動表示ゲーム又は特図1変動表示ゲームが中断中である場合(RWMにバックアップされていた特図ゲーム中断フラグがある場合)には、特図1変動表示ゲームが中断中であること又は特図2変動表示ゲームが中断中であることを示す中断中コマンド(中断中指令)を含めてよい。
一方、ステップA1016,A1017,A1018,A1020の実行後にステップA1023の処理を実行する場合には、遊技制御装置100は、RAMアクセス禁止領域をアクセス許可に設定する(A1023)。さらに、ビジー信号ステータス領域を含むすべてのRAM領域を0クリアし(A1024)、RAMアクセス禁止領域をアクセス禁止に設定する(A1025)。
そして、遊技制御装置100は、初期化すべき領域にRAM初期化時の初期値をセーブする(A1026)。初期化すべき領域とは、客待ちデモ領域及び演出モードの設定に係る領域である。さらに、遊技制御装置100は、RAM初期化時のコマンドを演出制御基板(演出制御装置300)に送信し(A1027)、ステップA1028の処理を実行する。RAM初期化時のコマンドには、機種指定コマンド、飾り特図1保留数コマンド、確率情報コマンド、RAM初期化のコマンド等がある。RAM初期化のコマンドによって、演出制御装置300は、表示装置41の画面に客待ちデモを表示させ、盤装飾装置46や枠装飾装置18のLEDと上スピーカ19a、19bでRAM初期化の報知を行う(例えば30秒間)。
なお、ステップA1022の処理で送信される停電復旧時のコマンド及びステップA1027の処理で送信されるRAM初期化時のコマンドには、さらに、機種によって演出モードの状態を示す演出モード情報コマンド、時短状態での残りゲーム数を示す時短回数情報コマンドが含まれる。
遊技制御装置100は、遊技用マイコン111(クロックジェネレータ)内のタイマ割込み信号及び乱数更新トリガ信号(CTC)を発生するCTC(Counter/Timer Circuit)回路を起動する(A1028)。なお、CTC回路は、遊技用マイコン111内のクロックジェネレータに設けられている。クロックジェネレータは、発振回路113からの発振信号(原クロック信号)を分周する分周回路と、分周された信号に基づいてCPU111aに対して所定周期(例えば、4ミリ秒)のタイマ割込み信号及び乱数生成回路に供給する乱数更新のトリガを与える信号CTCを発生するCTC回路とを備えている。
ステップA1028のCTC起動処理の実行後、遊技制御装置100は、乱数生成回路を起動設定する(A1029)。具体的には、乱数生成回路内の所定のレジスタ(CTC更新許可レジスタ)に乱数生成回路を起動させるためのコード(指定値)の設定などがCPU111aによって行われる。また、乱数生成回路のハードウェアで生成されるハード乱数(ここでは大当り乱数)のビット転置パターンの設定も行われる。
ビット転置パターンとは、抽出した乱数のビット配置(上段のビット転置前の配置)を、予め定められた順で入れ替えて異なるビット配置(下段のビット転置後の配置)として格納する際の入れ替え方を定めるパターンである。
本実施形態では、ビット転置パターンに従い乱数のビットを入れ替えることで、乱数の規則性を崩すことができるとともに、乱数の秘匿性を高めることができる。なお、ビット転置パターンは、固定された単一のパターンであってもよいし、予め用意された複数のパターンから選択するようにしてもよい。また、ユーザーが任意に設定できるようにしてもよい。
その後、遊技制御装置100は、電源投入時の乱数生成回路内の所定のレジスタ(ソフト乱数レジスタ1〜n)の値を抽出し、対応する各種初期値乱数(大当り図柄を決定する乱数(大当り図柄乱数1、大当り図柄乱数2))の初期値(スタート値)としてRWMの所定領域にセーブし(A1030)、割込みを許可する(A1031)。本実施形態で使用するCPU111a内の乱数生成回路においては、電源投入ごとにソフト乱数レジスタの初期値が変わるように構成されているため、この値を各種初期値乱数の初期値(スタート値)とすることで、ソフトウェアで生成される乱数の規則性を崩すことができ、遊技者による不正な乱数の取得を困難にすることができる。
続いて、遊技制御装置100は、各種初期値乱数の値を更新して乱数の規則性を崩すための初期値乱数更新処理を実行する(A1032)。なお、特に限定されるわけではないが、本実施形態においては、大当り乱数、大当り図柄乱数、小当り図柄乱数は乱数生成回路において生成される乱数を使用して生成するように構成されている。ただし、大当り乱数はCPUの動作クロックと同等以上の速度のクロックを基にして更新される所謂「高速カウンタ」であり、大当り図柄乱数、小当り図柄乱数はプログラムの処理単位であるタイマ割込み処理と同周期となるCTC出力(タイマ割込み処理のCTC(CTC0)とは別のCTC(CTC2))を基にして更新される「低速カウンタ」である。
また、大当り図柄乱数、小当り図柄乱数においては、乱数が一巡するごとに各々の初期値乱数(ソフトウェアで生成)を用いてスタート値を変更する所謂「初期値変更方式」を採用している。なお、前記各乱数は、+1あるいは1によるカウンタ式更新でもよいし、一巡するまで範囲内のすべての値が重複なくバラバラに出現するランダム式更新でもよい。つまり、大当り乱数はハードウェアのみで更新される乱数であり、大当り図柄乱数、小当り図柄乱数はハードウェア及びソフトウェアで更新される乱数である。
ステップA1032の初期値乱数更新処理の後、遊技制御装置100は、電源装置400から入力されている停電監視信号をポート及びデータバスを介して読み込んでチェックする回数を設定し(A1033)、停電監視信号がオンであるか否かを判定する(A1034)。停電監視信号がオンでない場合には(A1034の結果が「N」)、ステップA1032の初期値乱数更新処理に戻る。すなわち、停電が発生していない場合には、初期値乱数更新処理と停電監視信号のチェック(ループ処理)を繰り返し行う。初期値乱数更新処理(A1032)の前に割込みを許可する(A1031)ことによって、初期値乱数更新処理中にタイマ割込みが発生すると割込み処理が優先して実行されるようになり、タイマ割込みが初期値乱数更新処理によって待機させられることで割込み処理が圧迫されることを回避することができる。
なお、ステップA1032の初期値乱数更新処理は、メイン処理のほか、タイマ割込み処理の中においても初期値乱数更新処理を行う方法もあり、そのような方法を採用した場合には両方で初期値乱数更新処理が実行されることを回避するため、メイン処理で初期値乱数更新処理を行う場合には割込みを禁止してから更新して割込みを解除する必要がある。一方、本実施形態のようにタイマ割込み処理の中での初期値乱数更新処理はせず、メイン処理内のみにした場合には初期値乱数更新処理の前に割込みを解除しても何ら問題はなく、それによってメイン処理が簡素化されるという利点がある。
停電監視信号がオンである場合には(A1034の結果が「Y」)、遊技制御装置100は、ステップA1033の処理で設定したチェック回数分停電監視信号のオン状態が継続しているか否かを判定する(A1035)。そして、チェック回数分停電監視信号のオン状態が継続していない場合には(A1035の結果が「N」)、ステップA1034に戻り、停電監視信号がオンであるか否かを判定する。
また、遊技制御装置100は、チェック回数分停電監視信号のオン状態が継続している場合(A1035の結果が「Y」)、すなわち、停電が発生していると判定した場合には、一旦割込みを禁止し(A1036)、全出力ポートにオフデータを出力する(A1037)。
その後、遊技制御装置100は、停電検査領域1に停電検査領域チェックデータ1をセーブし(A1038)、停電検査領域2に停電検査領域チェックデータ2をセーブする(A1039)。さらに、RWMの電源遮断時のチェックサムを算出するチェックサム算出処理を実行し(A1040)、さらに、算出したチェックサムをセーブする(A1041)。最後に、RWMへのアクセスを禁止する処理を実行し(A1042)、遊技機の電源が遮断されるまで待機する。
このように、停電検査領域にチェックデータをセーブするとともに、電源遮断時のチェックサムを算出することで、電源の遮断の前にRWMに記憶されていた情報が正しくバックアップされているか否かを電源再投入時に判断することができる。
以上のことから、遊技を統括的に制御する主制御手段(遊技制御装置100)と、該主制御手段からの指示に従い種々の制御を行う従制御手段(払出制御装置200、演出制御装置300等)と、を備える遊技機において、主制御手段は、電源投入時において、当該主制御手段の起動を遅らせて従制御装置の起動を待つための所定の待機時間を設定する待機手段(遊技制御装置100)と、当該所定の待機時間において停電の発生を監視する停電監視手段(遊技制御装置100)と、を備えていることとなる。
また、各種装置に電力を供給する電源装置400を備え、当該電源装置400は、停電の発生を検出した際に停電監視信号を出力するように構成され、停電監視手段(遊技制御装置100)は、所定期間に亘り停電監視信号を受信し続けた場合に停電が発生したと判定するようにしていることとなる。
また、主制御手段(遊技制御装置100)は、データを記憶可能なRAM111cと、外部からの操作が可能な初期化操作部(初期化スイッチ)と、初期化操作部が操作されたことに基づきRAM111cに記憶されたデータを初期化する初期化手段(遊技制御装置100)と、を備え、当該初期化手段の操作状態を待機時間の開始前に読み込むようにしていることとなる。
また、主制御手段(遊技制御装置100)は、待機時間の経過後にRAM111cへのアクセスを許可するようにしていることとなる。
〔タイマ割込み処理〕
次に、タイマ割込み処理について説明する。図6は、タイマ割込み処理(割込み処理プログラム)の手順を示すフローチャートである。タイマ割込み処理は、クロックジェネレータ内のCTC回路で生成される周期的なタイマ割込み信号がCPU111aに入力されることで開始される。遊技用マイコン111においてタイマ割込みが発生すると、タイマ割込み処理が開始される。
タイマ割込み処理が開始されると、遊技制御装置100は、まず、使用するレジスタバンクとしてレジスタバンク1を指定し(A1301)、所定のレジスタにRAM先頭アドレスの上位アドレスをセットする(A1302)。タイマ割込み処理の開始時にメイン処理で使用するレジスタバンク0からレジスタバンク1に切り替えることで、メイン処理で使っているレジスタを退避したのと同等になる。なお、タイマ割込み処理が開始されると、自動的に割込み禁止状態になる。
次に、遊技制御装置100は、各種センサやスイッチからの入力や、信号の取り込み、すなわち、各入力ポートの状態を読み込む入力処理を実行する(A1303)。さらに、各種処理でセットされた出力データに基づき、ソレノイド(大入賞口ソレノイド38b,39b)等のアクチュエータの駆動制御などを行うための出力処理を実行する(A1304)。なお、メイン処理におけるステップA1005の処理で発射禁止の信号を出力した場合は、この出力処理が行われることで発射許可の信号が出力され、発射許可信号を許可状態に設定可能な状態とされる。
次に、遊技制御装置100は、各種処理で送信バッファにセットされたコマンドを払出制御装置200に出力する払出コマンド送信処理を実行し(A1305)、さらに、乱数更新処理1(A1306)、乱数更新処理2(A1307)を実行する。その後、始動口1スイッチ36a、始動口2スイッチ37a、入賞口スイッチ35a、下大入賞口スイッチ38a、上大入賞口スイッチ39aから正常な信号の入力があるか否かの監視や、エラーの監視(前面枠やガラス枠が開放されていないかなど)を行う入賞口スイッチ/状態監視処理を実行する(A1308)。
さらに、遊技制御装置100は、始動口1スイッチ36a及び始動口2スイッチ37aにより始動口への入賞を監視する始動口スイッチ監視処理を実行する(A1309)。続いて、特図1変動表示ゲームに関する処理を行う特図1ゲーム処理を実行し(A1310)、次に、特図2変動表示ゲームに関する処理を行う特図2ゲーム処理を実行する(A1311)。なお、特図1ゲーム処理と特図2ゲーム処理の詳細については図15と図16にて後述する。次に、普図変動表示ゲームに関する処理を行う普図ゲーム処理を実行する(A1312)。普図ゲーム処理の詳細については図38にて後述する。
次に、遊技制御装置100は、遊技機10に設けられ、特図変動ゲームの表示や遊技に関する各種情報を表示するセグメントLEDを所望の内容を表示するように駆動するセグメントLED編集処理を実行する(A1313)。セグメントLED編集処理では、一括表示装置50に設けられたラウンド表示部53、特図1保留表示器(記憶表示部)54、第1遊技状態表示部55、第2遊技状態表示部56等を構成するセグメントLEDの駆動に関する設定等を行う。
さらに、遊技制御装置100は、磁気センサスイッチ61からの検出信号をチェックして異常がないか否かを判定する磁石不正監視処理を実行する(A1314)。さらに、遊技盤の電波センサ62からの検出信号をチェックして異常がないか否かを判定する電波不正監視処理(盤電波不正監視処理)を実行する(A1315)。なお、磁石不正監視処理の詳細については図40にて後述する。また、電波不正監視処理の詳細については図41にて後述する。
その後、遊技制御装置100は、外部の各種装置に出力する信号を出力バッファにセットする外部情報編集処理を実行する(A1316)。その後、タイマ割込み処理を終了する。なお、タイマ割込み処理のリターンの際、割込み禁止状態の復元やレジスタバンクの指定の復元は、自動的に行われる構成とするが、使用するCPUによっては、外部情報編集処理の後に、割込みを許可する処理やレジスタバンクの指定をレジスタバンク0に戻す処理を行ってもよい。
〔入賞口スイッチ/状態監視処理〕
図7は、入賞口スイッチ/状態監視処理の手順を示すフローチャートである。入賞口スイッチ/状態監視処理は、図6に示したタイマ割込み処理におけるステップA1308にて実行される。
遊技制御装置100は、まず、上大入賞口(第2特別変動入賞装置39)内の上大入賞口スイッチ39a(2個)に対応する不正監視テーブル1を準備する(A2001)。そして、大入賞口が開いていないにもかかわらず大入賞口に不正な入賞がないかを監視するとともに正常な入賞を検出する不正&入賞監視処理を実行する(A2002)。
不正監視テーブルには、対象のスイッチに入力があるか否かを判定するデータの位置を示す監視スイッチビット、不正監視情報の下位アドレス、不正入賞数領域の下位アドレス、不正入賞エラー報知コマンド、不正入賞数上限値(不正発生判定個数)、入賞口監視テーブル、報知タイマ更新情報(許可/更新)の情報が定義されている。また、入賞口監視テーブルには、監視の繰り返し数(スイッチの数)、監視スイッチビット、入賞数カウンタ領域1のアドレス、入賞数カウンタ領域2のアドレスの情報が定義されている。これらの不正監視テーブルや入賞口監視テーブルは、監視対象のスイッチのそれぞれに応じたものが用意されている。
その後、遊技制御装置100は、下大入賞口(第1特別変動入賞装置38)内の下大入賞口スイッチ38aに対応する不正監視テーブル2を準備する(A2003)。そして、不正入賞を監視するとともに正常な入賞を検出する不正&入賞監視処理を実行する(A2004)。
そして、遊技制御装置100は、常時入賞可能な入賞口スイッチ(ここでは始動口1スイッチ36a、始動口2スイッチ37a、一般入賞口35の入賞口スイッチ35a)の入賞口監視テーブルを準備し(A2005)、入賞数を更新する入賞数カウンタ更新処理を実行する(A2006)。
続いて、遊技制御装置100は、ゲート異常通過監視処理を実行する(A2007)。ゲート異常通過監視処理では、通常遊技状態(低確率時)において普図始動ゲート34に対する遊技球の異常通過数をカウントして、異常通過数が規定値(例えば5)に到達した場合に、エラー報知を演出制御装置300に実行させる。なお、ゲート異常通過監視処理の詳細は、図8にて後述する。
次に、遊技制御装置100は、状態を監視すべき複数のスイッチ並びに信号のうちいずれのスイッチ又は信号を今回の監視の対象とするかを順番に指定するための状態スキャンカウンタを更新する(A2008)。状態スキャンカウンタは0から3の範囲で更新される。
その後、遊技制御装置100は、状態スキャンカウンタの値に応じて、監視する状態を設定するための遊技機状態監視テーブル1を準備する(A2009)。そして、エラーが発生しているかなどの状態を判定する遊技機状態チェック処理を実行する(A2010)。なお、遊技機状態チェック処理の詳細は、図10にて後述する。
状態スキャンカウンタの値を遊技機状態監視テーブル1に参照することで、状態スキャンカウンタの値が0である場合はスイッチのコネクタ抜けなどの発生により出力される異常検知信号1に基づく状態(スイッチ異常1エラー)の監視が設定され、状態スキャンカウンタの値が1である場合は払出制御装置200からのシュート玉切れスイッチ信号に基づく状態(シュート球切れエラー)の監視が設定される。状態スキャンカウンタの値が2である場合はオーバーフロースイッチ信号に基づく状態(オーバーフローエラー)の監視が設定され、状態スキャンカウンタの値が3である場合は払出異常ステータス信号に基づく状態(払い出し異常エラー)の監視が設定される。
次に、遊技制御装置100は、状態スキャンカウンタの値に応じて、監視する状態を設定するための遊技機状態監視テーブル2を準備する(A2011)。そして、エラーが発生しているかなどの状態を判定する遊技機状態チェック処理を実行する(A2012)。
状態スキャンカウンタの値を遊技機状態監視テーブル2に参照することで、状態スキャンカウンタの値が0である場合はガラス枠開放検出スイッチから出力される信号に基づく状態(ガラス枠開放エラー)の監視が設定され、状態スキャンカウンタの値が1である場合は前面枠開放検出スイッチから出力される信号に基づく状態(本体枠開放エラー、前面枠開放エラー)の監視が設定される。また、状態スキャンカウンタの値が2である場合は枠電波不正信号に基づく状態(枠電波不正)の監視が設定され、状態スキャンカウンタの値が3である場合はタッチスイッチ信号に基づく状態の監視が設定される。
次に、遊技制御装置100は、状態スキャンカウンタの値が0であるか否かを判定する(A2013)。そして、エラースキャンカウンタの値が0でない場合には(A2013の結果が「N」)、入賞口スイッチ/状態監視処理を終了する。この場合は、次に参照する遊技機状態監視テーブル3に状態の監視対象がない場合である。
また、遊技制御装置100は、エラースキャンカウンタの値が0である場合には(A2013の結果が「Y」)、遊技機状態監視テーブル3を準備し(A2014)、エラーが発生しているかなどの状態を判定する遊技機状態チェック処理を実行する(A2015)。
状態スキャンカウンタの値を遊技機状態監視テーブル3に参照することで、状態スキャンカウンタの値が0である場合はスイッチのコネクタ抜けなどの発生により出力される異常検知信号2に基づく状態(スイッチ異常2エラー)の監視が設定される。なお、遊技機状態監視テーブル3には状態スキャンカウンタが1から3の場合は定義されていない。
その後、遊技制御装置100は、払出制御装置200が払出制御を開始可能であるかを示す払出ビジー信号に基づきビジー信号ステータス(払出ビジー信号フラグ)を設定する払出ビジー信号チェック処理を実行し(A2016)、入賞口スイッチ/状態監視処理を終了する。
なお、ステップA2014からA2016までの処理は、タイマ割込み毎に更新される状態スキャンカウンタの値が0の場合のみ実行されるため、4回のタイマ割込みに1回の割合で実行されることとなる。すなわち、タイマ割込みが4ms毎に行われる場合は、16ms毎にA2014からA2016までの処理が行われることとなる。
〔ゲート異常通過監視処理〕
図8は、ゲート異常通過監視処理の手順を示すフローチャートである。ゲート異常通過監視処理は、図7に示した入賞口スイッチ/状態監視処理におけるステップA2007にて実行される。
遊技制御装置100は、まず、特図1変動チェックフラグが設定されているか否かを判定する(A2401)。なお、後述のように、特図1変動チェックフラグは、当り確率が低確率状態(通常遊技状態含む)で特図1変動表示ゲームが開始する場合にその都度設定されている。特図1変動チェックフラグが設定されていない場合(A2401の結果が「N」)、ステップA2407の処理に移行する。
遊技制御装置100は、特図1変動チェックフラグが設定されている場合(A2401の結果が「Y」)、特図1変動チェックフラグをクリアし(A2402)、特図1変動数を+1更新(1だけ加算)する(A2403)。そして、特図1変動数が規定値(例えば18)より小さいか否かを判定する(A2404)。特図1変動数が規定値より小さい場合(A2404の結果が「Y」)、ステップA2407の処理に移行する。
遊技制御装置100は、特図1変動数が規定値以上の場合(A2404の結果が「N」)、ゲート異常通過数が0でなければ−1更新(1だけ減算)し(A2405)、特図1変動数を0クリアする(A2406)。
続いて、遊技制御装置100は、現在通常遊技状態中(左打ちすべき遊技状態)であり且つゲートスイッチ34aに入力があったか否かを判定する(A2407)。現在通常遊技状態中でないか、又は、ゲートスイッチ34aに入力がない場合(A2407の結果が「N」)、ステップA2410の処理に移行する。
遊技制御装置100は、通常遊技状態中にゲートスイッチ34aに入力があった場合(A2407の結果が「Y」)、高確率最終変動中であるか否かを判定する(A2408)。高確率最終変動中であるか否かは、後述の高確率変動回数更新処理で設定される高確率最終変動フラグに基づいて判定可能である。高確率最終変動中である場合(A2408の結果が「Y」)、ステップA2410の処理に移行する。高確率最終変動中でない場合(A2408の結果が「N」)、ゲート異常通過数を+1更新する(A2409)。その後、ゲート異常通過数が規定値(例えば5)より小さいか否かを判定する(A2410)。
ここで、高確率最終変動(高確率の最終変動)とは、高確率状態で特図変動表示ゲームが開始する場合の最終の特図変動表示ゲームのことであり、例えば、ST(スペシャルタイム)機において、大当り終了後に所定回数(例えば50回)の変動開始に対して高確率状態が維持される場合における最終の特図変動表示ゲームである。
遊技制御装置100は、ゲート異常通過数が規定値以上の場合(A2410の結果が「N」)、ゲート異常通過数をステップA2410の判定に用いた規定値から1だけ減算した値に設定する(A2411)。次に、エラー報知タイマとしてのゲート異常通過報知タイマに初期値(例えば60秒)を設定し(A2412)、ゲート異常通過の発生を示すゲート異常通過発生フラグを準備し(A2413)、演出コマンドとしてゲート異常通過発生コマンドを準備し(A2414)、ステップA2419の処理に移行する。ゲート異常通過発生フラグとゲート異常通過発生コマンドは、普図始動ゲート34を遊技球が異常に通過したことを示す。
遊技制御装置100は、ゲート異常通過数が規定値より小さい場合(A2410の結果が「Y」)、ゲート異常通過報知タイマを−1更新する(A2415)。次に、ゲート異常通過報知タイマがタイムアップしたか否かを判定する(A2416)。タイムアップしていない場合(A2416の結果が「N」)、ゲート異常通過監視処理を終了する。
遊技制御装置100は、タイムアップした場合(A2416の結果が「Y」)、ゲート異常通過解除フラグを準備し(A2417)、演出コマンドとしてゲート異常通過解除コマンドを準備する(A2418)。次に、準備したフラグは現在のゲート異常通過フラグ領域の値と同じであるか否かを判定する(A2419)。準備したフラグが現在のゲート異常通過フラグ領域の値と同じ場合(A2419の結果が「Y」)、ゲート異常通過監視処理を終了する。
遊技制御装置100は、準備したフラグが現在のゲート異常通過フラグ領域の値と異なる場合(A2419の結果が「N」)、準備したフラグはゲート異常通過解除フラグであるか否かを判定する(A2420)。準備したフラグは解除フラグでない場合(A2420の結果が「N」)、ステップA2422の処理に移行する。
遊技制御装置100は、準備したフラグは解除フラグである場合(A2420の結果が「Y」)、ゲート異常通過数を0クリアする(A2421)。即ち、ゲート異常通過フラグ領域にゲート異常通過発生フラグが設定されている状態で、ゲート異常通過解除フラグが準備されると(A2417)、ゲート異常通過数を0クリアする。その後、準備したフラグをRWM内のゲート異常通過フラグ領域にセーブする(A2422)。即ち、準備したフラグが現在のゲート異常通過フラグ領域のフラグと異なる場合に、ゲート異常通過フラグ領域を準備したフラグに書き換える。次に、演出コマンドを設定するための演出コマンド設定処理を実行し(A2423)、ゲート異常通過監視処理を終了する。演出コマンド設定処理では、シリアル送信バッファに演出コマンドを書き込み、演出コマンドが演出制御装置300に送信されることになる。
なお、ゲート異常通過(普図始動ゲート34に対する遊技球の異常通過状態)の発生を示すゲート異常通過発生フラグがゲート異常通過フラグ領域にセーブされると、後述の外部情報編集処理によって、セキュリティ信号が外部情報として外部装置(ホールコンピュータなど)に出力される。演出制御装置300は、演出コマンドとしてのゲート異常通過発生コマンドを受信すると、表示装置41やスピーカ19a、19bでエラーの報知を実行する。特に、演出制御装置300は、表示装置41でエラー表示(警告表示)を実行し、スピーカ19a、19bから警告音を発生する。
通常遊技状態(大当り確率が低確率中)において、遊技者は通常左打ちで第1始動入賞口36又は第2始動入賞口37への入賞を狙うが、遊技者は右打ちをする場合がある。この場合に、遊技者に右打ちを止めさせるためにエラーの報知を行う。なお、通常遊技状態において、左打ちが行われる場合には、図8の点線のような常態のルートで処理が行われ、ゲート異常通過発生コマンド(即ちエラー報知)は発生せず、ゲート異常通過報知タイマも開始しない。
図9A−図9Cのタイムチャートを参照して、さらにゲート異常通過監視処理を説明する。図9A−図9Cは上述のゲート異常通過監視処理の結果を例示する。
図9Aのように、通常遊技状態において、ゲートスイッチ34aへの入力が複数回あり、ゲート異常通過数が規定値(ここでは5)に達すると(A2410の結果が「N」)、ゲート異常通過報知タイマの初期値(60秒)とゲート異常通過発生コマンドが設定でき(A2412、A2414)、ゲート異常通過発生コマンドを受信した演出制御装置300は、表示装置41やスピーカ19a、19bでエラーの報知を開始できる。
その後、ゲート異常通過数は規定値(ここでは5)から1だけ減算されているため(A2411)、通常遊技状態中のゲートスイッチ34aへの入力がない限り、次回のゲート異常通過監視処理からゲート異常通過報知タイマが連続的に−1更新され計時できる(A2410の結果が「Y」)。演出制御装置300は、初期値に相当する期間(60秒)の経過によりゲート異常通過報知タイマがタイムアップし、ゲート異常通過解除コマンドを受信するまで、エラー報知を継続できる。なお、エラー報知中においても、賞球の払出しは行われる。
エラー報知期間中(60秒)には、外部情報端子71への外部情報出力が行われ、ホールコンピュータ等の外部装置にエラー発生を通知できるとともに、試射試験を行う場合には試射試験装置に遊技機エラー状態信号を出力できる(外部情報編集処理)。
なお、ゲート異常通過報知タイマの計時中(エラー報知中)に、ゲート異常通過数が再度規定値(ここでは5)に達すると、ゲート異常通過報知タイマの初期値が再度設定され、そこから60秒間のエラー報知が開始できる(タイマ再セット)。また、大当り発生(開始)時には、ゲート異常通過解除コマンドを送信し、ゲート異常通過数、ゲート異常通過報知タイマ、特図1変動数を0クリアする。
また、図8の制御では、図9Aのように、ゲート異常通過解除コマンドによるエラー報知の終了後に、ゲート異常通過数を0にするが(A2421)、図9Bのように、ゲート異常通過数を規定値に維持してもよい。
図9Cでは、特図1変動数が規定値(ここでは18)に達した場合(A2404の結果が「N」)、ゲート異常通過数が−1更新されて例えば4から3に減少し(A2405)、特図1変動数が0クリアされて18から0に変化する状況が示されている(A2406)。このように、通常遊技状態において、右打ちにより遊技球が普図始動ゲート34を複数回通過してゲート異常通過数が上昇しても、遊技者が左打ちに戻して(右打ちを止めて)、特図1変動数が規定値まで達すると、ゲート異常通過数が減少してエラー報知を免れることができる。
〔遊技機状態チェック処理〕
図10は、遊技機状態チェック処理の手順を示すフローチャートである。遊技機状態チェック処理は、図7に示した入賞口スイッチ/状態監視処理におけるステップA2010、A2012及びA2015にて実行される。
遊技制御装置100は、まず、状態スキャンカウンタに対応する状態監視テーブルを取得する(A2501)。状態スキャンカウンタは遊技状態に対応して0から3の範囲の値が設定されている。なお、状態監視テーブルと状態スキャンカウンタとの関係については、図7に示した入賞口スイッチ/状態監視処理にて説明した通りである。
続いて、遊技制御装置100は、チェック対象の信号がオンであるか否かを判定する(A2502)。チェック対象の信号がオンでない場合(A2502の結果が「N」)、すなわち、チェック対象の信号がオフの場合には、状態フラグとして状態オフフラグを準備し(A2503)、対象の状態オフコマンドを取得し、準備する(A2504)。さらに、対象の状態オフ監視タイマ比較値を取得する(A2505)。状態オフフラグは、エラー系の信号に関しては、正常状態を示し、タッチスイッチ信号に関しては、タッチ無しの状態を示す。
一方、遊技制御装置100は、チェック対象の信号がオンの場合には(A2502の結果が「Y」)、状態フラグとして状態オンフラグを準備し(A2506)、対象の状態オンコマンドを取得し、準備する(A2507)。さらに、対象の状態オン監視タイマ比較値を取得する(A2508)。状態オンフラグは、エラー系の信号に関しては、異常又は不正状態を示し、タッチスイッチ信号に関しては、タッチ有りの状態を示す。
ステップA2505又はステップA2508の処理が終了すると、遊技制御装置100は、対象の信号制御領域の値が取得された信号の状態と一致するか否かを判定する(A2509)。一致していない場合には(A2509の結果が「N」)、対象の信号制御領域に取得した信号状態をセーブし(A2510)、対象の状態監視タイマをクリアする(A2511)。
続いて、遊技制御装置100は、対象の状態監視タイマを+1更新する(A2512)。さらに、更新された状態監視タイマの値が対応するタイマ比較値以上であるか否かを判定する(A2513)。更新された状態監視タイマの値が対応するタイマ比較値未満の場合には(A2513の結果が「N」)、遊技機状態チェック処理を終了する。
一方、遊技制御装置100は、更新された状態監視タイマの値が対応するタイマ比較値以上の場合には(A2513の結果が「Y」)、状態監視タイマを−1更新し、タイマ比較値−1の値に留める(A2514)。さらに、準備した状態フラグが対象の状態フラグ領域の値と一致するか否かを判定する(A2515)。一致している場合には(A2515の結果が「Y」)、遊技機状態チェック処理を終了する。
一方、遊技制御装置100は、準備した状態フラグが対象の状態フラグ領域の値と一致していない場合には(A2515の結果が「N」)、準備した状態フラグを対象の状態フラグ領域にセーブする(A2516)。最後に、演出コマンドを設定する演出コマンド設定処理を実行し(A2517)、遊技機状態チェック処理を終了する。ここでの演出コマンドは、状態オフコマンドか状態オンコマンドの何れかである。状態オンコマンドがエラー系のコマンドであれば、演出制御装置300にエラー報知を開始させる。
〔始動口スイッチ監視処理〕
次に、前述のタイマ割込み処理における始動口スイッチ監視処理(A1309)の詳細について説明する。図11は、始動口スイッチ監視処理の手順を示すフローチャートである。
遊技制御装置100は、まず、第1始動入賞口36(始動口1)への入賞を監視する始動口1入賞監視テーブルを準備し(A2701)、ハード乱数を取得するハード乱数取得処理を実行する(A2702)。次に、第1始動入賞口36への始動口入賞があったか否かを判定する(A2703)。そして、始動口入賞がなかった場合(A2703の結果が「N」)、ステップA2709の処理に移行する。
遊技制御装置100は、第1始動入賞口36への始動口入賞があった場合(A2703の結果が「Y」)、当りの発生確率が低確率状態であるか否かを判定する(A2704)。そして、低確率状態(通常遊技状態中を含む)である場合(A2704の結果が「Y」)、ステップA2707の処理に移行する。
遊技制御装置100は、当りの発生確率が低確率状態でない場合(高確率状態である場合)(A2704の結果が「N」)、演出コマンドとして右打ち指示報知コマンドを準備し(A2705)、演出コマンド設定処理を実行する(A2706)。これにより、演出制御装置300は、高確率状態で第1始動入賞口36への始動口入賞があった場合に、右打ちを指示する右打ち指示表示を警告として表示装置41に表示することができる。
次に、遊技制御装置100は、第1始動入賞口36(始動口1)への入賞による保留の情報を設定するテーブルを準備し(A2707)、特図始動口1スイッチ処理を実行する(A2708)。
続いて、遊技制御装置100は、第2始動入賞口(始動口2)37への入賞を監視する始動口2入賞監視テーブルを準備し(A2709)、ハード乱数を取得するハード乱数取得処理を実行する(A2710)。次に、第2始動入賞口(普通変動入賞装置33、第2始動入賞口37)への始動口入賞があったか否かを判定する(A2711)。始動口入賞がなかった場合(A2711の結果が「N」)、始動口スイッチ監視処理を終了する。
遊技制御装置100は、第2始動入賞口(普通変動入賞装置33、第2始動入賞口37)への始動口入賞があった場合(A2711の結果が「Y」)、第2始動入賞口(始動口2、普通変動入賞装置33又は第2始動入賞口37)への入賞による保留の情報を設定するテーブルを準備し(A2712)、特図始動口2スイッチ処理を実行し(A2713)、始動口スイッチ監視処理を終了する。
〔特図始動口1スイッチ処理〕
次に、前述の始動口スイッチ監視処理における特図始動口1スイッチ処理(A2708)の詳細について説明する。図12は、特図始動口1スイッチ処理の手順を示すフローチャートである。
遊技制御装置100は、まず、始動口1スイッチ36aへの入賞の回数に関する情報を遊技機10の外部の管理装置に対して出力する回数である始動口1信号出力回数をロードする(A2901)。さらに、ロードした始動口1信号出力回数の値を+1更新し(A2902)、出力回数がオーバーフローするか否かを判定する(A2903)。
遊技制御装置100は、出力回数がオーバーフローしない場合には(A2903の結果が「N」)、更新後の値をRWMの始動口1信号出力回数領域にセーブする(A2904)。一方、出力回数がオーバーフローする場合には(A2903の結果が「Y」)、ステップA2904の処理を実行せずにステップA2905の処理を実行する。
次に、遊技制御装置100は、始動口1スイッチ36aに対応する更新対象の特図保留(始動記憶)数が上限値(例えば4)未満か否かを判定する(A2905)。特図保留数が上限値未満でない場合には(A2905の結果が「N」)、特図始動口1スイッチ処理を終了する。
遊技制御装置100は、特図保留数が上限値未満である場合には(A2905の結果が「Y」)、特図1情報設定フラグをセットし(A2906)、特図1保留数を+1更新する(A2907)。なお、特図1情報設定フラグは、変動情報の設定用 (先読み変動パターンの振り分けを含む) などに使用される。
次に、遊技制御装置100は、特図1保留数に対応する特図1用の乱数格納領域のアドレスを算出し(A2908)、ハード乱数取得処理で準備した大当り乱数をRWMの大当り乱数格納領域にセーブする(A2909)。続いて、大当り図柄乱数を抽出して準備し(A2910)、大当り図柄乱数をRWMの大当り図柄乱数格納領域にセーブする(A2911)。さらに、小当り図柄乱数を抽出し、RWMの小当り図柄乱数格納領域にセーブする(A2912)。次に、変動パターン乱数(変動パターン乱数1〜3)をRWMの対応する変動パターン乱数格納領域(変動パターン乱数1格納領域、変動パターン乱数2格納領域、変動パターン乱数3格納領域)にセーブする(A2913)。
次に、遊技制御装置100は、特図保留情報を判定する特図保留情報判定処理(先読み処理、事前判定処理)を実行し(A2914)、特図1保留数を示す飾り特図1保留数コマンドを演出コマンドとして準備し(A2915)、演出コマンド設定処理を実行し(A2916)、特図始動口1スイッチ処理を終了する。なお、特図保留情報判定処理の詳細については、図14にて後述する。
〔特図始動口2スイッチ処理〕
次に、前述の始動口スイッチ監視処理における特図始動口2スイッチ処理(A2718)の詳細について説明する。図13は、特図始動口2スイッチ処理の手順を示すフローチャートである。
始動口2スイッチ37aへの入賞の回数に関する情報を遊技機10の外部の管理装置に対して出力する回数である始動口2信号出力回数をロードする(A3001)。さらに、
ロードした始動口2信号出力回数の値を+1更新し(A3002)、出力回数がオーバーフローするか否かを判定する(A3003)。
遊技制御装置100は、出力回数がオーバーフローしない場合には(A3003の結果が「N」)、更新後の値をRWMの始動口2信号出力回数領域にセーブする(A3004)。一方、出力回数がオーバーフローする場合には(A3003の結果が「Y」)、ステップA3004の処理を実行せずにステップA3005の処理を実行する。
次に、遊技制御装置100は、始動口2スイッチ37aに対応する更新対象の特図保留(始動記憶)数が上限値(例えば4)未満か否かを判定する(A3005)。特図保留数が上限値未満でない場合には(A3005の結果が「N」)、特図始動口2スイッチ処理を終了する。
遊技制御装置100は、特図保留数が上限値未満である場合には(A3005の結果が「Y」)、特図2情報設定フラグをセットし(A3006)、特図2保留数を+1更新する(A3007)。なお、特図2情報設定フラグは、変動情報の設定用(先読み変動パターンの振り分けを含む)などに使用される。
次に、遊技制御装置100は、特図2保留数に対応する特図2用の乱数格納領域のアドレスを算出し(A3008)、ハード乱数取得処理で準備した大当り乱数をRWMの大当り乱数格納領域にセーブする(A3009)。続いて、大当り図柄乱数を抽出して準備し(A3010)、大当り図柄乱数をRWMの大当り図柄乱数格納領域にセーブする(A3011)。さらに、小当り図柄乱数を抽出し、RWMの小当り図柄乱数格納領域にセーブする(A3012)。次に、変動パターン乱数(変動パターン乱数1〜3)をRWMの対応する変動パターン乱数格納領域(変動パターン乱数1格納領域、変動パターン乱数2格納領域、変動パターン乱数3格納領域)にセーブする(A3013)。
次に、遊技制御装置100は、特図保留情報を判定する特図保留情報判定処理(先読み処理、事前判定処理)を実行し(A3014)、特図2保留数を示す飾り特図2保留数コマンドを演出コマンドとして準備し(A3015)、演出コマンド設定処理を実行し(A3016)、特図始動口2スイッチ処理を終了する。なお、特図保留情報判定処理の詳細については、図14にて後述する。
このように、遊技制御装置100(RAM111c)は、第1始動入賞口36や第2始動入賞口(普通変動入賞装置33、第2始動入賞口37)の始動入賞領域への遊技球の流入に基づき、所定の乱数を抽出し前記変動表示ゲームの実行権利となる始動記憶として所定数を上限に記憶する始動入賞記憶手段をなす。また、始動入賞記憶手段(遊技制御装置100)は、第1始動入賞口36への遊技球の入賞に基づき抽出した各種の乱数値を、所定数(例えば4)を上限に第1始動記憶(特図1始動記憶、特図1始動入賞記憶)として記憶し、第2始動入賞口(普通変動入賞装置33、第2始動入賞口37)への遊技球の入賞に基づき抽出した各種の乱数値を、所定数(例えば4)を上限に第2始動記憶(特図2始動記憶、特図2始動入賞記憶)として記憶する。
〔特図保留情報判定処理〕
次に、前述の特図始動口1スイッチ処理と特図始動口2スイッチ処理における特図保留情報判定処理(A2914、A3014)の詳細について説明する。図14は、特図保留情報判定処理(先読み処理、事前判定処理)の手順を示すフローチャートである。
遊技制御装置100は、当りの発生確率が高確率状態(即ち確変状態)であるか否かを判定する(A3101)。高確率状態でない場合(A3101の結果が「N」)、大当り状態中であるか否かを判定する(A3102)。大当り状態中でない場合(A3102の結果が「N」)、第1始動記憶として記憶された大当り乱数値に基づいて大当り判定処理を実行する(A3103)。
なお、高確率状態である場合(A3101の結果が「Y」)、又は、大当り状態中である場合(A3102の結果が「Y」)、特図保留情報判定処理は大当り判定処理等を行わずそのまま終了する(事前判定(先読み)は行わない)。
次に、遊技制御装置100は、大当り判定処理の判定結果は大当りであるか否かを判定する(A3104)。判定結果は大当りである場合(A3104の結果が「Y」)、大当り図柄乱数チェックテーブルを設定し(A3105)、準備した大当り図柄乱数に対応する大当り停止図柄情報を取得し(A3106)、ステップA3111の処理に移行する。
遊技制御装置100は、大当り判定処理の判定結果は大当りでない場合(はずれの場合)(A3104の結果が「N」)、第1始動記憶として記憶された大当り乱数値に基づいて小当り判定処理を実行し(A3107)、判定結果は小当りであるか否かを判定する(A3108)。なお、本実施形態では、小当りの判定にも大当り乱数を利用する。
遊技制御装置100は、小当り判定処理の判定結果は小当りの場合(A3108の結果が「Y」)、小当りの停止図柄情報を設定し(A3109)、判定結果は小当りでない場合(A3108の結果が「N」)、はずれの停止図柄情報を設定する(A3110)。
次に、遊技制御装置100は、取得または設定された停止図柄情報に対応する先読み停止図柄コマンドを演出コマンドとして準備し(A3111)、演出コマンド設定処理を実行する(A3112)。そして、特図1変動表示ゲームの変動パターンを設定するためのパラメータである特図情報を設定する特図1情報設定処理(A3113)、特図1変動表示ゲームの変動態様を設定する特図1変動パターン設定処理(A3114)を実行する。続いて、前半変動番号及び後半変動番号に対応する先読み変動パターンコマンドを演出コマンドとして準備し(A3115)、演出コマンド設定処理を実行する(A3116)。
〔特図1ゲーム処理〕
次に、タイマ割込み処理における特図1ゲーム処理(A1310)の詳細について説明する。図15は、特図1ゲーム処理の手順を示すフローチャートである。
遊技制御装置100は、まず、特図2変動表示ゲームの大当り状態中又は小当り状態中であるか否かを判定する(A3201)。特図2変動表示ゲームの大当り状態でも小当り状態中でもない場合(A3201の結果が「N」)、大入賞口スイッチ監視処理を実行する(A3202)。大入賞口スイッチ監視処理では、第1特別変動入賞装置38内に設けられた下大入賞口スイッチ38aや第2特別変動入賞装置39内に設けられた上大入賞口スイッチ39aでの遊技球の検出を監視する。
次に、遊技制御装置100は、特図1ゲーム処理タイマが0でなければ−1更新する(1だけ減算する)(A3203)。特図1ゲーム処理タイマは、−1更新によって、タイマ割込み処理の割込み周期(4msec)の分だけ計時されることになる。なお、特図ゲーム処理タイマの最小値は0に設定されている。特図2変動表示ゲームの大当り中状態又は小当り状態中である場合(A3201の結果が「Y」)、ステップA3202の処理を行わずに、ステップA3203の処理を行う。次に、特図1ゲーム処理タイマが0であるか否かを判定する(A3204)。特図1ゲーム処理タイマが0でない場合(A3204の結果が「N」)、ステップA3219の処理に移行する。
遊技制御装置100は、特図1ゲーム処理タイマが0である場合(A3204の結果が「Y」)、すなわち、タイムアップした又は既にタイムアップしていた場合には、特図1ゲーム処理番号に対応する処理に分岐させるために参照する特図1ゲームシーケンス分岐テーブルをレジスタに設定する(A3205)。さらに、特図1ゲームシーケンス分岐テーブルを用いて特図1ゲーム処理番号に対応する処理の分岐先アドレスを取得する(A3206)。続いて、特図1ゲーム処理番号によるサブルーチンコールを行って、特図1ゲーム処理番号に応じたゲーム分岐処理を実行する(A3207)。
遊技制御装置100は、ステップA3207にてゲーム処理番号が「0」の場合には、特図1変動表示ゲームの変動開始を監視し、特図1変動表示ゲームの変動開始の設定、演出の設定や、特図1変動中処理を行うために必要な情報の設定等を行う特図1普段処理を実行する(A3208)。なお、特図1普段処理の詳細については、図17にて後述する。
遊技制御装置100は、ステップA3207にてゲーム処理番号が「1」の場合には、特図1の停止表示時間の設定や、特図1表示中処理を行うために必要な情報の設定等を行う特図1変動中処理を実行する(A3209)。なお、特図1変動中処理の詳細については、図31にて後述する。
遊技制御装置100は、ステップA3207にてゲーム処理番号が「2」の場合には、特図1変動表示ゲームの遊技結果が大当りであれば、大当りの種類に応じたファンファーレコマンドの設定や、各大当りの大入賞口開放パターンに応じたファンファーレ時間の設定、ファンファーレ/インターバル中処理を行うために必要な情報の設定等を行う特図1表示中処理を実行する(A3210)。
例えば、特図1表示中処理では、特図1変動表示ゲームの結果が大当りであれば、大当りファンファーレコマンド、右打ち指示報知コマンドや大当りファンファーレ時間など必要な情報を設定して、ファンファーレ/インターバル中処理に係る処理番号「3」を設定し特図ゲーム処理番号領域にセーブする。特図1変動表示ゲームの結果が小当りであれば、小当りファンファーレコマンドや小当りファンファーレ時間など必要な情報を設定して、小当りファンファーレ中処理に係る処理番号「7」を設定し特図ゲーム処理番号領域にセーブする。特図1変動表示ゲームの結果がはずれであれば、特図1普段処理に係る処理番号「0」を設定し特図ゲーム処理番号領域にセーブし、高確率最終変動である場合には確率情報コマンド(低確率)を演出コマンドとして設定する。
遊技制御装置100は、ステップA3207にてゲーム処理番号が「3」の場合には、大入賞口の開放時間の設定や開放回数の更新、大入賞口開放中処理を行うために必要な情報の設定等を行うファンファーレ/インターバル中処理を実行する(A3211)。例えば、ファンファーレ/インターバル中処理では、実行するラウンド遊技のラウンドに対応するラウンドコマンドや大入賞口の開放時間など必要な情報を設定して、大入賞口開放中処理に係る処理番号「4」を設定し特図1ゲーム処理番号領域にセーブする。
遊技制御装置100は、ステップA3207にてゲーム処理番号が「4」の場合には、大当りラウンドが最終ラウンドでなければインターバルコマンドを設定する一方で最終ラウンドであればエンディングコマンドを設定する処理や、大入賞口残存球処理を行うために必要な情報の設定等を行う大入賞口開放中処理を実行する(A3212)。例えば、大入賞口開放中処理では、インターバルコマンドやエンディングコマンドなど必要な情報を設定して、大入賞口残存球処理に係る処理番号「5」を設定し特図1ゲーム処理番号領域にセーブする。
遊技制御装置100は、ステップA3207にてゲーム処理番号が「5」の場合には、大当りラウンドが最終ラウンドであれば大入賞口内にある残存球が排出されるための時間を設定する処理や、大当り終了処理を行うために必要な情報の設定等を行う大入賞口残存球処理を実行する(A3213)。例えば、大入賞口残存球処理では、最終ラウンドでなければインターバル時間を特図ゲーム処理タイマ領域にセーブし、ファンファーレ/インターバル中処理に係る処理番号「3」を設定し特図ゲーム処理番号領域にセーブする。最終ラウンドであればエンディング時間を特図ゲーム処理タイマ領域にセーブし、大当り終了処理に係る処理番号「6」を設定し特図ゲーム処理番号領域にセーブする。
遊技制御装置100は、ステップA3207にてゲーム処理番号が「6」の場合には、特図2ゲームウェイト時間値(後述)を設定したり、特図1普段処理を実行するために必要な情報の設定等を行う特図1大当り終了処理を実行する(A3214)。なお、特図1大当り終了処理の詳細については、図34にて後述する。
遊技制御装置100は、ステップA3207にてゲーム処理番号が「7」の場合には、大入賞口の開放時間の設定や開放回数の更新、小当り中処理を行うために必要な情報の設定等を行う小当りファンファーレ中処理を実行する(A3215)。例えば、小当りファンファーレ中処理では、大入賞口の小当り開放時間など必要な情報を設定して、小当り中処理に係る処理番号「8」を設定し特図1ゲーム処理番号領域にセーブする。
遊技制御装置100は、ステップA3207にてゲーム処理番号が「8」の場合には、小当り終了コマンドを設定する処理や、小当り残存球処理を行うために必要な情報の設定等を行う小当り中処理を実行する(A3216)。例えば、小当り中処理では、小当り残存球処理時間など必要な情報を設定して、大入賞口残存球処理に係る処理番号「9」を設定し特図1ゲーム処理番号領域にセーブする。
遊技制御装置100は、ステップA3207にてゲーム処理番号が「9」の場合には、大入賞口内にある残存球が排出されるための時間を設定する処理や、特図1小当り終了処理を行うために必要な情報の設定等を行う小当り残存球処理を実行する(A3217)。例えば、小当り残存球処理では、小当りエンディング時間など必要な情報を設定して、特図1小当り終了処理に係る処理番号「10」を設定し特図1ゲーム処理番号領域にセーブする。
遊技制御装置100は、ステップA3207にてゲーム処理番号が「10」の場合には、特図2ゲームウェイト時間値(後述)を設定したり、特図1普段処理を実行するために必要な情報の設定等を行う特図1小当り終了処理を実行する(A3218)。なお、特図1小当り終了処理の詳細については、図36にて後述する。
特図1ゲーム処理番号に基づく処理が終了すると、遊技制御装置100は、特図1表示器51の変動を制御するための特図1変動制御テーブルを準備した後(A3219)、特図1表示器51に係る図柄変動制御処理を実行し(A3220)、特図1ゲーム処理を終了する。この図柄変動制御処理は、特図1(特別図柄1)の変動の制御と特別図柄の表示データの設定を行う処理である。
〔特図2ゲーム処理〕
次に、タイマ割込み処理における特図2ゲーム処理(A1311)の詳細について説明する。図16は、特図2ゲーム処理の手順を示すフローチャートである。
遊技制御装置100は、まず、特図2変動表示ゲームの大当り状態中又は小当り状態中であるか否かを判定する(A3301)。特図2変動表示ゲームの大当り状態でも小当り状態中でもない場合(A3301の結果が「N」)、大入賞口スイッチ監視処理を実行する(A3302)。大入賞口スイッチ監視処理では、第1特別変動入賞装置38内に設けられた下大入賞口スイッチ38aや第2特別変動入賞装置39内に設けられた上大入賞口スイッチ39aでの遊技球の検出を監視する。
次に、遊技制御装置100は、特図2ゲーム処理タイマが0でなければ−1更新する(1だけ減算する)(A3303)。特図2ゲーム処理タイマは、−1更新によって、タイマ割込み処理の割込み周期(4msec)の分だけ計時されることになる。なお、特図ゲーム処理タイマの最小値は0に設定されている。特図2変動表示ゲームの大当り中状態又は小当り状態中である場合(A3301の結果が「Y」)、ステップA3302の処理を行わずに、ステップA3303の処理を行う。次に、特図2ゲーム処理タイマが0であるか否かを判定する(A3304)。特図2ゲーム処理タイマが0でない場合(A3304の結果が「N」)、ステップA3322の処理に移行する。
遊技制御装置100は、特図2ゲーム処理タイマが0である場合(A3304の結果が「Y」)、すなわち、タイムアップした又は既にタイムアップしていた場合には、特図2ゲーム処理タイマの繰り返し回数が0であるか否かを判定する(A3305)。特図2ゲーム処理タイマの繰り返し回数が0になっていない場合(A3305の結果が「N」)、特図2ゲーム処理タイマの繰り返し回数を−1更新し(A3306)、特図2ゲーム処理タイマ領域に長変動用タイマ値(例えば20000msec(20秒))をセーブする(A3307)。ステップA3303−A3307の処理によって長変動用タイマ値のカウントを繰り返し回数分だけ繰り返して、特図2変動表示ゲーム用の長い変動時間のタイマを用意している。
遊技制御装置100は、特図2ゲーム処理タイマが0である場合(A3304の結果が「Y」)且つ特図2ゲーム処理タイマの繰り返し回数が0である場合(A3305の結果が「Y」)、特図2ゲーム処理番号に対応する処理に分岐させるために参照する特図2ゲームシーケンス分岐テーブルをレジスタに設定する(A3308)。さらに、特図2ゲームシーケンス分岐テーブルを用いて特図2ゲーム処理番号に対応する処理の分岐先アドレスを取得する(A3309)。続いて、特図2ゲーム処理番号によるサブルーチンコールを行って、特図2ゲーム処理番号に応じたゲーム分岐処理を実行する(A3310)。
遊技制御装置100は、ステップA3310にてゲーム処理番号が「0」の場合には、特図2変動表示ゲームの変動開始を監視し、特図2変動表示ゲームの変動開始の設定、演出の設定や、特図2変動中処理を行うために必要な情報の設定等を行う特図2普段処理を実行する(A3311)。なお、特図2普段処理の詳細については、図18にて後述する。
遊技制御装置100は、ステップA3310にてゲーム処理番号が「1」の場合には、特図2の停止表示時間の設定や、特図2表示中処理を行うために必要な情報の設定等を行う特図2変動中処理を実行する(A3312)。なお、特図2変動中処理の詳細については、図32にて後述する。
遊技制御装置100は、ステップA3310にてゲーム処理番号が「2」の場合には、特図2変動表示ゲームの遊技結果が大当りであれば、大当りの種類に応じたファンファーレコマンドの設定や、各大当りの大入賞口開放パターンに応じたファンファーレ時間の設定、ファンファーレ/インターバル中処理を行うために必要な情報の設定等を行う特図2表示中処理を実行する(A3313)。特図2表示中処理では、特図1表示中処理において特図1を特図2に置き換えたものと同様である。
遊技制御装置100は、ステップA3310にてゲーム処理番号が「3」の場合には、大入賞口の開放時間の設定や開放回数の更新、大入賞口開放中処理を行うために必要な情報の設定等を行うファンファーレ/インターバル中処理を実行する(A3314)。なお、ファンファーレ/インターバル中処理は、特図1ゲーム処理内で実行するものと同様である。
遊技制御装置100は、ステップA3310にてゲーム処理番号が「4」の場合には、大当りラウンドが最終ラウンドでなければインターバルコマンドを設定する一方で最終ラウンドであればエンディングコマンドを設定する処理や、大入賞口残存球処理を行うために必要な情報の設定等を行う大入賞口開放中処理を実行する(A3315)。なお、大入賞口開放中処理は、特図1ゲーム処理内で実行するものと同様である。
遊技制御装置100は、ステップA3310にてゲーム処理番号が「5」の場合には、大当りラウンドが最終ラウンドであれば大入賞口内にある残存球が排出されるための時間を設定する処理や、大当り終了処理を行うために必要な情報の設定等を行う大入賞口残存球処理を実行する(A3316)。なお、大入賞口残存球処理は、特図1ゲーム処理内で実行するものと同様である。
遊技制御装置100は、ステップA3310にてゲーム処理番号が「6」の場合には、特図2普段処理を実行するために必要な情報の設定等を行う特図2大当り終了処理を実行する(A3317)。なお、特図2大当り終了処理の詳細については、図35にて後述する。
遊技制御装置100は、ステップA3310にてゲーム処理番号が「7」の場合には、大入賞口の開放時間の設定や開放回数の更新、小当り中処理を行うために必要な情報の設定等を行う小当りファンファーレ中処理を実行する(A3318)。なお、小当りファンファーレ中処理は、特図1ゲーム処理内で実行するものと同様である。
遊技制御装置100は、ステップA3310にてゲーム処理番号が「8」の場合には、小当り終了コマンドを設定する処理や、小当り残存球処理を行うために必要な情報の設定等を行う小当り中処理を実行する(A3319)。なお、小当り中処理は、特図1ゲーム処理内で実行するものと同様である。
遊技制御装置100は、ステップA3310にてゲーム処理番号が「9」の場合には、大入賞口内にある残存球が排出されるための時間を設定する処理や、特図2小当り終了処理を行うために必要な情報の設定等を行う小当り残存球処理を実行する(A3320)。なお、小当り残存球処理は、特図1ゲーム処理内で実行するものと同様である。
遊技制御装置100は、ステップA3310にてゲーム処理番号が「10」の場合には、特図2普段処理を実行するために必要な情報の設定等を行う特図2小当り終了処理を実行する(A3321)。なお、特図2小当り終了処理の詳細については、図37にて後述する。
特図2ゲーム処理番号に基づく処理が終了すると、遊技制御装置100は、特図2表示器52の変動を制御するための特図2変動制御テーブルを準備した後(A3322)、特図2表示器52に係る図柄変動制御処理を実行し(A3323)、特図2ゲーム処理を終了する。この図柄変動制御処理は、特図2(特別図柄2)の変動の制御と特別図柄の表示データの設定を行う処理である。
〔特図1普段処理〕
次に、特図1ゲーム処理における特図1普段処理(A3208)の詳細について説明する。図17は、特図1普段処理の手順を示すフローチャートである。
遊技制御装置100は、まず、特図1変動表示ゲームが変動開始可能であるか否か判定する(A3501)。特図1変動表示ゲームが変動開始可能でない場合(変動開始不可である場合)(A3501の結果が「N」)、RWMの特図1ゲーム処理番号領域に特図1普段処理番号「0」をセーブする(A3502)。なお、ここで、特図2変動表示ゲームの大当り変動の終了(特図2表示中処理中)から大当り動作の終了(特図2大当り終了処理)まで、及び、特図2変動表示ゲームの小当り変動の終了(特図2表示中処理中)から小当り動作の終了(特図2小当り終了処理)までは、特図1変動表示ゲームは、変動開始可能でないとされる。
遊技制御装置100は、特図1変動表示ゲームが変動開始可能である場合(A3501の結果が「Y」)、左打ち指示報知済みであるか否か判定する(A3503)。既に、左打ち指示報知コマンドを演出コマンドとして準備して、演出制御装置300に送信していれば、左打ち指示報知済みであると判断できる。左打ち指示報知済みである場合(A3503の結果が「Y」)、ステップA3507の処理に移行する。
遊技制御装置100は、左打ち指示報知済みでない場合(A3503の結果が「N」)、左打ち指示報知コマンドを演出コマンドとして準備し(A3504)、演出コマンド設定処理を実行し(A3505)、表示装置41等で左打ち指示の報知(表示)がされることを示す左打ち指示報知フラグをセットする(A3506)。
次に、遊技制御装置100は、特図1保留数が0であるか否か判定する(A3507)。特図1保留数が0である場合(A3507の結果が「Y」)、RWMの特図1ゲーム処理番号領域に特図1普段処理番号「0」をセーブする(A3502)。これにより、特図1保留数が1以上になるまで、特図1普段処理が繰り返される。
遊技制御装置100は、特図1保留数が0でない場合(A3507の結果が「N」)、現在の確率状態(低確率状態又は高確率状態)に対応する変動開始確率情報コマンドを演出コマンドとして準備し(A3508)、演出コマンド設定処理を実行する(A3509)。続いて、特図1変動表示ゲームを開始するための特図1変動開始処理を実行する(A3510)。その後、特図1保留数に対応する飾り特図1保留数コマンドを演出コマンドとして準備し(A3511)、演出コマンド設定処理を実行する(A3512)。
次に、遊技制御装置100は、RWM内の特図ステータス領域に特図1変動中の情報をセットする(情報加算)(A3513)。ここで、特図ステータス領域には、特図1変動中、又は、(特図1変動中+特図2変動中)の情報がセットされることになる。次に、当りの発生確率が高確率状態であるか否か判定し(A3514)、高確率状態でない場合(低確率状態である場合)(A3514の結果が「N」)、高確率最終変動中であるか否かを判定する(A3515)。高確率最終変動中であるか否かは、後述の高確率最終変動フラグに基づいて判定可能である。
遊技制御装置100は、高確率最終変動中でない場合(A3515の結果が「N」)、特図1変動チェックフラグをセットし(A3516)、特図1変動中処理移行設定処理を実行する(A3517)。なお、特図1変動チェックフラグは、前述のゲート異常通過監視処理(図8)で使用される。特図1変動中処理移行設定処理では、例えば、特図1変動中処理に移行するために処理番号として「1」を設定し、特図1ゲーム処理番号領域に処理番号をセーブする。
一方、遊技制御装置100は、高確率状態である場合(A3514の結果が「Y」)、又は、高確率最終変動中である場合(A3515の結果が「Y」)、特図1変動チェックフラグをセットせずに、特図1変動中処理移行設定処理を実行する(A3517)。
〔特図2普段処理〕
次に、特図2ゲーム処理における特図2普段処理(A3311)の詳細について説明する。図18は、特図2普段処理の手順を示すフローチャートである。
遊技制御装置100は、まず、特図2変動表示ゲームが変動開始可能であるか否か判定する(A3601)。特図2変動表示ゲームが変動開始可能でない場合(変動開始不可である場合)(A3601の結果が「N」)、RWMの特図2ゲーム処理番号領域に特図2普段処理番号「0」をセーブする(A3602)。なお、ここで、特図1変動表示ゲームの大当り変動の終了(特図1表示中処理中)から大当り動作の終了(特図1大当り終了処理)まで、及び、特図1変動表示ゲームの小当り変動の終了(特図1表示中処理中)から小当り動作の終了(特図1小当り終了処理)までは、特図2変動表示ゲームは、変動開始可能でないとされる。
遊技制御装置100は、特図2変動表示ゲームが変動開始可能である場合(A3601の結果が「Y」)、特図2保留数が0であるか否か判定する(A3602)。特図2保留数が0でない場合(A3602の結果が「N」)、現在の確率状態(低確率状態又は高確率状態)に対応する変動開始確率情報コマンドを演出コマンドとして準備し(A3603)、演出コマンド設定処理を実行する(A3604)。続いて、特図2変動表示ゲームを開始するための特図2変動開始処理を実行する(A3605)。
次に、遊技制御装置100は、特図2保留数に対応する飾り特図2保留数コマンドを演出コマンドとして準備し(A3606)、演出コマンド設定処理を実行する(A3607)。そして、RWM内の特図ステータス領域に特図2変動中の情報をセットする(情報加算)(A3608)。ここで、特図ステータス領域には、特図2変動中、又は、(特図1変動中+特図2変動中)の情報がセットされることになる。
次に、遊技制御装置100は、特図2変動中処理移行設定処理を実行する(A3609)。特図2変動中処理移行設定処理では、例えば、特図2変動中処理に移行するために処理番号として「1」を設定し、特図2ゲーム処理番号領域に処理番号をセーブする。
遊技制御装置100は、特図2保留数が0である場合(A3602の結果が「Y」)、
特図1保留数が0であるか否か判定する(A3610)。特図1保留数が0である場合(A3610の結果が「Y」)、特図1が変動中(特図1変動表示ゲームが実行中)であるか否か判定する(A3611)。特図1が変動中でない場合(A3611の結果が「N」)、客待ちデモ開始済みであるか否か判定する(A3612)。客待ちデモ開始済みでない場合(A3612の結果が「N」)、客待ちデモ中フラグをセットする(A3613)。
次に、遊技制御装置100は、現在の確率状態に対応する客待ちデモコマンドを演出コマンドとして準備し(A3614)、演出コマンド設定処理を実行する(A3615)。客待ちデモコマンドを受信した演出制御装置300は、表示装置41で客待ちデモを実行できる。その後、RWMの特図2ゲーム処理番号領域に特図2普段処理番号「0」をセーブする(A3616)。これにより、特図2保留数が1になるまで、特図2普段処理が繰り返される。
一方、特図1保留数が0でない場合(A3610の結果が「N」)、特図1変動表示ゲームが実行されることになるため、客待ちデモコマンドを準備等せずに、RWMの特図2ゲーム処理番号領域に特図2普段処理番号「0」をセーブする(A3616)。また、特図1が変動中である場合(A3611の結果が「Y」)、又は、客待ちデモ開始済みである場合(A3612の結果が「Y」)にも、客待ちデモコマンドを準備等せずに、RWMの特図2ゲーム処理番号領域に特図2普段処理番号「0」をセーブする(A3616)。
〔特図1変動開始処理〕
次に、特図1普段処理における特図1変動開始処理(A3510)の詳細について説明する。図19は、特図1変動開始処理の手順を示すフローチャートである。
遊技制御装置100は、まず、特図1情報設定フラグをセットする(A3701)。なお、特図1情報設定フラグは、変動情報の設定用 (先読み変動パターンの振り分けを含む) などに使用される。続いて、特図1変動表示ゲームが大当りであるか否かを判別するための大当りフラグ1にはずれ情報や大当り情報を設定する大当りフラグ1設定処理(A3702)、特図1停止図柄(図柄情報)の設定に係る特図1停止図柄設定処理(A3703)、特図1変動表示ゲームの変動パターンを設定するためのパラメータである特図情報を設定する特図1情報設定処理(A3704)を実行する。
特図1停止図柄設定処理では、はずれ時、小当り時、又は大当り時の停止図柄番号と、この停止図柄番号に対応するはずれ停止図柄パターン、小当り停止図柄パターン、又は大当り停止図柄パターンをセーブする。そして、停止図柄パターンに対応する飾り特図1コマンドを演出コマンドとして準備して、演出コマンド設定処理を実行する。また、大当り時の停止図柄番号に対応するラウンド数情報(ラウンド上限値)を取得してセーブする。
次に、遊技制御装置100は、特図1変動表示ゲームの変動パターンの設定に関する種々の情報を参照するための情報が設定されたテーブルである特図1変動パターン設定情報テーブルを準備する(A3705)。続いて、特図1変動表示ゲームにおける変動態様である変動パターンを設定する特図1変動パターン設定処理(A3706)、特図1変動表示ゲームの変動開始の情報を設定する変動開始情報設定処理(A3707)を実行する。
続いて、遊技制御装置100は、当りの発生確率が高確率状態(即ち確変状態)であるか否かを判定する(A3708)。高確率状態でない場合(A3708の結果が「N」)、高確率最終変動中であるか否かを判定する(A3709)。高確率最終変動中でない場合(A3709の結果が「N」)、特図2が変動中(特図2変動表示ゲームが実行中)であるか否かを判定する(A3710)。
遊技制御装置100は、特図2が変動中である場合(A3710の結果が「Y」)、特図2ゲーム処理タイマの繰り返し回数が0であるか否かを判定する(A3711)。特図2ゲーム処理タイマの繰り返し回数が0である場合(A3711の結果が「Y」)、即ち、特図2変動表示ゲームの残りの変動時間が特図2ゲーム処理タイマの時間値の範囲内である場合、ステップA3714の処理に移行する。
遊技制御装置100は、特図2ゲーム処理タイマの繰り返し回数が0でない場合(A3711の結果が「N」)、特図2ゲーム処理タイマの繰り返し回数が所定回数としての4以上であるか否かを判定する(A3712)。特図2ゲーム処理タイマの繰り返し回数が所定回数(ここでは4)未満の場合(A3712の結果が「N」)、特図2変動表示ゲームの残りの変動時間を算出する(A3713)。特図2変動表示ゲームの残りの変動時間は、(特図2ゲーム処理タイマ領域の値+繰り返し回数×60000msec)の値で算出される。
次に、遊技制御装置100は、開始する特図1変動表示ゲームの変動時間が特図2変動表示ゲームの残りの変動時間未満であるか否かを判定する(A3714)。開始する特図1変動表示ゲームの変動時間が特図2変動表示ゲームの残りの変動時間以上である場合(A3714の結果が「N」)、特図1変動表示ゲームの変動時間の方が特図2変動表示ゲームの残りの変動時間よりも長いことを通知するコマンドを演出コマンドとして準備し(A3715)、演出コマンド設定処理を実行する(A3716)。特図1変動表示ゲームの変動時間が特図2変動表示ゲームの残りの変動時間以上である場合に、特図2変動表示ゲームが小当り等になると、表示装置41で飾り特図1変動表示ゲームに関連する演出が突然終了する可能性がある。このため、上記のコマンドを受信した演出制御装置300は、遊技者に違和感を与えないように、飾り特図1変動表示ゲームに関連する演出を例えば派手でないものに設定(変更)する。
次に、遊技制御装置100は、高確率状態で開始する特図変動表示ゲームの変動回数(残り回数)を更新管理する高確率変動回数更新処理を実行し(A3717)、特図1変動開始処理を終了する。
一方、高確率状態である場合(A3708の結果が「Y」)、高確率最終変動中である場合(A3709の結果が「Y」)、特図2が変動中でない場合(A3710の結果が「N」)には、ステップA3711からA3716の処理を行わず、ステップA3717の処理に移行する。
また、遊技制御装置100は、特図2ゲーム処理タイマの繰り返し回数が所定回数以上の場合に(A3712の結果が「Y」)、特図2変動表示ゲームの残りの変動時間は、特図1変動表示ゲームの最長変動時間より長くなるため、特図1変動表示ゲームの変動時間の方が長いことを通知するコマンドを準備することなくステップA3717の処理に移行する。
さらに、遊技制御装置100は、特図1変動表示ゲームの変動時間が特図2変動表示ゲームの残りの変動時間未満である場合(A3714の結果が「Y」)も、特図1変動表示ゲームの変動時間の方が長いことを通知するコマンドを準備することなくステップA3717の処理に移行する。
〔特図2変動開始処理〕
次に、特図2普段処理における特図2変動開始処理(A3605)の詳細について説明する。図20は、特図2変動開始処理の手順を示すフローチャートである。
遊技制御装置100は、まず、特図2情報設定フラグをセットする(A3801)。なお、特図2情報設定フラグは、変動情報の設定用 (先読み変動パターンの振り分けを含む) などに使用される。続いて、特図2変動表示ゲームが大当りであるか否かを判別するための大当りフラグ2にはずれ情報や大当り情報を設定する大当りフラグ2設定処理(A3802)、特図2停止図柄(図柄情報)の設定に係る特図2停止図柄設定処理(A3803)、特図2変動表示ゲームの変動パターンを設定するためのパラメータである特図情報を設定する特図2情報設定処理(A3804)を実行する。
特図2停止図柄設定処理では、はずれ時、小当り時、又は大当り時の停止図柄番号と、この停止図柄番号に対応するはずれ停止図柄パターン、小当り停止図柄パターン、又は大当り停止図柄パターンをセーブする。そして、停止図柄パターンに対応する飾り特図2コマンドを演出コマンドとして準備して、演出コマンド設定処理を実行する。また、大当り時の停止図柄番号に対応するラウンド数情報(ラウンド上限値)を取得してセーブする。
次に、遊技制御装置100は、特図2変動表示ゲームの変動パターンの設定に関する種々の情報を参照するための情報が設定されたテーブルである特図2変動パターン設定情報テーブルを準備する(A3805)。続いて、特図2変動表示ゲームにおける変動態様である変動パターンを設定する特図2変動パターン設定処理(A3806)、特図2変動表示ゲームの変動開始の情報を設定する変動開始情報設定処理(A3807)、高確率状態で開始する特図変動表示ゲームの変動回数(残り回数)を更新管理する高確率変動回数更新処理を実行し(A3808)、特図1変動開始処理を終了する。
〔大当りフラグ1設定処理〕
次に、特図1変動開始処理における大当りフラグ1設定処理(A3702)の詳細について説明する。図21Aは、大当りフラグ1設定処理の手順を示すフローチャートである。
遊技制御装置100は、まず、RWMの小当りフラグ1領域にはずれ情報をセーブし(A3901a)、RWMの大当りフラグ1領域にはずれ情報をセーブする(A3902a)。続いて、RWMの特図1大当り乱数格納領域(保留数1用)から大当り乱数をロードし、準備する(A3903a)。なお、保留数1用とは、消化順序が最先(ここでは特図1のうちで最先)の特図始動記憶についての情報(乱数等)を格納する領域である。その後、特図1大当り乱数格納領域(保留数1用)を0クリアする(A3904a)。
次に、遊技制御装置100は、大当りフラグ2は大当りであるか否か、即ち、大当りフラグ2領域に大当り情報がセーブされているか判定する(A3905a)。大当りフラグ2は大当りでない場合(A3905aの結果が「N」)、取得した大当り乱数値に基づいて、特図1変動表示ゲームが大当りであるか否かを判定する大当り判定処理を実行し(A3906a)、判定の結果が大当りであるか否か判断する(A3907a)。判定の結果が大当りである場合(A3907aの結果が「Y」)、ステップA3902aにてはずれ情報をセーブした大当りフラグ1領域に大当り情報を上書きしてセーブし(A3908a)、大当りフラグ1設定処理を終了する。なお、大当りフラグ2が大当りでない場合にのみ、大当りフラグ1が大当りとなり得る(大当りフラグ1領域に大当り情報がセーブされる)ので、大当りフラグ1と大当りフラグ2が同時に大当りとなることが避けられる。
遊技制御装置100は、大当りフラグ2は大当りである場合(A3905aの結果が「Y」)、又は、特図1変動表示ゲームの判定結果が大当りでない場合(A3907aの結果が「N」)、取得した大当り乱数値に基づいて、特図1変動表示ゲームが小当りであるか否かを判定する小当り判定処理を実行し(A3909a)、判定の結果は小当りであるか否か判断する(A3910a)。なお、本実施形態では、小当りの判定にも大当り乱数値が使用される(別の言い方では、小当り判定と大当り判定に同じ乱数値が使用される)。特図1変動表示ゲームが小当りである場合(A3910aの結果が「Y」)、ステップA3901aにてはずれ情報をセーブした小当りフラグ1領域に小当り情報を上書きしてセーブし(A3911a)、大当りフラグ1設定処理を終了する。特図1変動表示ゲームが小当りでない場合(A3910aの結果が「N」)、小当りフラグ1領域に小当り情報をセーブすることなく、大当りフラグ1設定処理を終了する。
〔大当りフラグ2設定処理〕
次に、特図2変動開始処理における大当りフラグ2設定処理(A3802)の詳細について説明する。図21Bは、大当りフラグ2設定処理の手順を示すフローチャートである。
大当りフラグ2設定処理は、大当りフラグ1設定処理(図21A)における「小当りフラグ1」を「小当りフラグ2」に、「大当りフラグ1」を「大当りフラグ2」に、「大当りフラグ2」を「大当りフラグ1」に、「特図1」を「特図2」に置き換えたものであり、大当りフラグ1設定処理と同様の処理が行われるため、詳細な説明は省略する。なお、大当りフラグ2設定処理におけるステップA3901b−A3911bは、それぞれ、大当りフラグ1設定処理におけるステップA3901a−A3911aに対応する。
〔大当り判定処理〕
次に、大当りフラグ1設定処理と大当りフラグ2設定処理等における大当り判定処理(A3906a、A3906b)の詳細について説明する。図22は、大当り判定処理の手順を示すフローチャートである。なお、大当り判定処理は、タイマ割込み処理中に実行される他の処理における大当り判定処理に共通する処理であり、特図保留情報判定処理のステップA3103などでも実行される。
遊技制御装置100は、まず、大当り判定値の下限判定値を設定し(A4001)、対象の大当り乱数の値が下限判定値未満であるか否かを判定する(A4002)。なお、大当りであるとは大当り乱数が大当り判定値と一致することである。大当り判定値は連続する複数の値であり、大当り乱数が、大当り判定値の下限の値である下限判定値以上で、かつ、大当り判定値の上限の値である上限判定値以下である場合に、大当りであると判定される。
遊技制御装置100は、対象の大当り乱数の値が下限判定値未満である場合(A4002の結果が「Y」)、判定結果としてはずれ(大当り以外)を設定し(A4007)、大当り判定処理を終了する。
また、遊技制御装置100は、大当り乱数の値が下限判定値未満でない場合には(A4002の結果が「N」)、当りの発生確率が高確率状態であるか否かを判定する(A4003)。そして、高確率状態である場合には(A4003の結果が「Y」)、高確率中の上限判定値を設定する(A4004)。一方、高確率状態でない場合には(A4003の結果が「N」)、低確率中の上限判定値を設定する(A4005)。
遊技制御装置100は、大当り乱数の値の上限判定値を設定すると、対象の大当り乱数の値が上限判定値より大きいか否かを判定する(A4006)。大当り乱数の値が上限判定値より大きい場合(A4006の結果が「Y」)、判定結果としてはずれ(大当り以外)を設定する(A4007)。一方、大当り乱数の値が上限判定値より大きくない場合(A4006の結果が「N」)、判定結果として大当りを設定する(A4008)。判定結果を設定すると、大当り判定処理を終了する。
〔小当り判定処理〕
次に、大当りフラグ1設定処理と大当りフラグ2設定処理等における小当り判定処理(A3909a、A3909b)の詳細について説明する。図23は、小当り判定処理の手順を示すフローチャートである。なお、小当り判定処理は、タイマ割込み処理中に実行される他の処理における小当り判定処理に共通する処理であり、特図保留情報判定処理のステップA3107などでも実行される。
遊技制御装置100は、まず、対象の大当り乱数の値が小当り下限判定値未満であるか否かを判定する(A4101)。なお、小当りであるとは大当り乱数が小当り判定値と一致することである。小当り判定値は連続する複数の値であり、大当り乱数が、小当り判定値の下限の値である小当り下限判定値以上で、かつ、小当り判定値の上限の値である小当り上限判定値以下である場合に、小当りであると判定される。
当然ながら、同じ特図変動表示ゲームの結果が小当り且つ大当りとなることを避けるべく、小当り判定値の範囲(小当り下限判定値と小当り上限判定値の間)は、前述の大当り判定値の範囲(下限判定値と上限判定値の間)とは重ならない。なお、本実施形態では、独自に小当り乱数を設けることはせず、小当りの判定にも大当り乱数を利用するが、独自の小当り乱数を設ける構成も可能である。
遊技制御装置100は、対象の大当り乱数の値が小当り下限判定値未満である場合(A4101の結果が「Y」)、判定結果としてはずれを設定し(A4106)、小当り判定処理を終了する。
また、遊技制御装置100は、大当り乱数の値が小当り下限判定値未満でない場合には(A4101の結果が「N」)、特図1変動表示ゲームに関して情報設定中であるか否かを判定する(A4102)。そして、特図1変動表示ゲームに関して情報設定中である場合には(A4102の結果が「Y」)、特図1変動表示ゲーム用の小当り上限判定値を設定する(A4103)。一方、特図1変動表示ゲームに関して情報設定中でない場合には(A4102の結果が「N」)、特図2変動表示ゲーム用の小当り上限判定値を設定する(A4104)。
遊技制御装置100は、小当り上限判定値を設定すると、対象の大当り乱数の値が小当り上限判定値より大きいか否かを判定する(A4105)。大当り乱数の値が小当り上限判定値より大きい場合(A4105の結果が「Y」)、判定結果としてはずれを設定する(A4106)。一方、大当り乱数の値が小当り上限判定値より大きくない場合(A4105の結果が「N」)、判定結果として小当りを設定する(A4107)。判定結果を設定すると、小当り判定処理を終了する。
図24は、前述の大当り判定処理と小当り判定処理による大当り確率(判定結果が大当りになる確率)、小当り確率(判定結果が小当りになる確率)、はずれ確率(判定結果がはずれになる確率)を、特図1変動表示ゲームと特図2変動表示ゲームについて示す。図24(a)は低確率状態における確率を示し、図24(b)は高確率状態における確率を示す。
本実施形態において、大当り確率(大当りの発生確率)と小当り確率(小当りの発生確率)は、高確率状態において、低確率状態よりも高くなっている。なお、小当り確率(小当りの発生確率)は、高確率状態と低確率状態とで同じにしてもよい。はずれ確率(はずれの発生確率)は、高確率状態において、低確率状態よりも低くなっている。
また、本実施形態において、大当り確率、小当り確率、はずれ確率は、特図1変動表示ゲームと特図2変動表示ゲームとで共通であるが、小当り確率は、特図1変動表示ゲームにおいて、特図2変動表示ゲームよりも低くし、はずれ確率は、特図1変動表示ゲームにおいて、特図2変動表示ゲームよりも高くしてもよい。
なお、本実施形態において、大当り図柄は確変図柄のみであり、大当り状態(特別遊技状態)終了後は例外なく高確率状態(確変状態)となり、確変突入率は100%である。また、高確率状態は、大当り終了後に所定回数(例えば50回)の変動表示ゲームが開始するまで継続する。しかし、これに限られず、大当り状態(特別遊技状態)終了後に低確率状態(普電サポート有り(時短状態)又は普電サポート無し)となる構成としてもよい。
〔特図1情報設定処理〕
次に、特図1変動開始処理における特図1情報設定処理(A3704)の詳細について説明する。図25は、特図1情報設定処理の手順を示すフローチャートである。
遊技制御装置100は、まず、高確率状態であるか否か判定する(A4401)。高確率状態でない場合(低確率状態の場合)(A4401の結果が「N」)、変動パターン選択情報テーブルを設定する(A4402)。そして、特図1の停止図柄パターンに対応する前半オフセットデータと後半オフセットデータを取得する(A4403)。
ここで、前半オフセットデータ(変動振分情報1)は、前半変動を振り分けるためのテーブルポインタであり、後半オフセットデータ(変動振分情報2)は、後半変動を振り分けるためのテーブルポインタである。前半変動は、リーチ開始前までの変動態様であり、後半変動は、リーチ状態となった後の変動態様でありリーチの種類(ノーマルリーチやスペシャルリーチ等でありリーチなしを含む)に対応する。
続いて、遊技制御装置100は、特図1変動表示ゲームの結果が大当りであるか否か判定し(A4404)、特図1変動表示ゲームの結果が大当りでない場合(A4404の結果が「N」)、特図1変動表示ゲームの結果が小当りであるか否か判定する(A4405)。
遊技制御装置100は、特図1変動表示ゲームの結果が小当りである場合(A4405の結果が「Y」)、特図1保留数に応じて後半変動を振り分けるために後半オフセットデータに特図1保留数を加算して値を更新し(A4406)、特図1保留数に応じて前半変動を振り分けるために前半オフセットデータに特図1保留数を加算して値を変換する(A4407)。特図1変動表示ゲームの結果が小当りでない場合(はずれの場合)(A4405の結果が「N」)、ステップA4406の処理を行わず、前半オフセットデータのみに特図1保留数を加算して値を変換する(A4407)。
遊技制御装置100は、特図1変動表示ゲームの結果が大当りである場合(A4404の結果が「Y」)、ステップA4405−A4407の処理を行わず、ステップA4403で取得した前半オフセットデータと後半オフセットデータを更新、変換せずに、ステップA4412の処理に移行する。
一方、遊技制御装置100は、高確率状態である場合(A4401の結果が「Y」)、特図1変動表示ゲームの結果が大当りであるか否か判定する(A4408)。特図1変動表示ゲームの結果が大当りでない場合(A4408の結果が「N」)、高確率時の特図1のはずれ・小当り用の前半オフセットデータを設定し(A4409)、ステップA4411の処理に移行する。特図1変動表示ゲームの結果が大当りである場合(A4408の結果が「Y」)、高確率時の特図1の大当り用の前半オフセットデータを設定する(A4410)。続いて、特図1変動表示ゲームの長時間変動用の後半オフセットデータを設定する(A4411)。これにより、高確率状態では、特図1変動表示ゲームは長時間変動(長変動)になる。なお、低確率状態では、特図1変動表示ゲームの長時間変動用の後半オフセットデータを設定しないため、特図1変動表示ゲームは、長時間変動(長変動)に比較して短時間変動(短変動)になる傾向にある。
遊技制御装置100は、ステップA4404、A4407、又は、A4411の後、前半オフセットデータ(変動振分情報1)をRWMの変動振分情報1領域にセーブし(A4412)、後半オフセットデータ(変動振分情報2)をRWMの変動振分情報2領域にセーブし(A4413)、特図1情報設定処理を終了する。
〔特図2情報設定処理〕
次に、特図2変動開始処理における特図2情報設定処理(A3804)の詳細について説明する。図26は、特図2情報設定処理の手順を示すフローチャートである。
遊技制御装置100は、まず、高確率状態であるか否か判定する(A4501)。高確率状態である場合(A4501の結果が「N」)、変動パターン選択情報テーブルを設定する(A4502)。そして、特図2の停止図柄パターンに対応する前半オフセットデータと後半オフセットデータを取得する(A4503)。前半オフセットデータ(変動振分情報1)は、前半変動を振り分けるためのテーブルポインタであり、後半オフセットデータ(変動振分情報2)は、後半変動を振り分けるためのテーブルポインタである。
一方、遊技制御装置100は、高確率状態でない場合(低確率状態の場合)(A4501の結果が「N」)、特図2変動表示ゲームの結果が大当りであるか否か判定する(A4504)。特図2変動表示ゲームの結果が大当りでない場合(A4504の結果が「N」)、低確率時の特図2のはずれ・小当り用の前半オフセットデータを設定し(A4505)、ステップA4507の処理に移行する。特図2変動表示ゲームの結果が大当りである場合(A4504の結果が「Y」)、低確率時の特図2の大当り用の前半オフセットデータを設定する(A4506)。続いて、特図2変動表示ゲームの長時間変動用の後半オフセットデータを設定する(A4507)。これにより、低確率状態では、特図2変動表示ゲームは長時間変動(長変動)になる。なお、高確率状態では、特図2変動表示ゲームの長時間変動用の後半オフセットデータを設定しないため、特図2変動表示ゲームは、長時間変動(長変動)に比較して短時間変動(短変動)になる傾向にある。
遊技制御装置100は、ステップA4503又はA4507の後、前半オフセットデータ(変動振分情報1)をRWMの変動振分情報1領域にセーブし(A4508)、後半オフセットデータ(変動振分情報2)をRWMの変動振分情報2領域にセーブし(A4509)、特図2情報設定処理を終了する。
〔特図1変動パターン設定処理〕
次に、特図1変動開始処理における特図1変動パターン設定処理(A3706)の詳細について説明する。図27は、特図1変動パターン設定処理の手順を示すフローチャートである。
遊技制御装置100は、まず、変動グループアドレステーブルを設定し(A4601)、変動振分情報2に対応する後半変動グループテーブルのアドレスを取得して準備し(A4602)、特図1の変動パターン乱数1格納領域(保留数1用)から乱数として変動パターン乱数1をロードして準備する(A4603)。
続いて、遊技制御装置100は、特図1変動表示ゲームの結果がはずれであるか否か判定する(A4604)。特図1変動表示ゲームの結果がはずれである場合(A4604の結果が「Y」)、変動パターン乱数1に基づく2バイト振り分け処理を実行し(A4605)、特図1変動表示ゲームの結果がはずれでない場合(大当り又は小当りの場合)(A4604の結果が「N」)、変動パターン乱数1に基づく振り分け処理を実行する(A4606)。
なお、後半変動グループテーブルの構造は、当り用とはずれ用で構造が異なり、当り用では振り分けの乱数は1バイトサイズ、はずれ用では2バイトサイズとなっている。当り用は、データ容量の節約のため1バイトサイズとしているが、特図1変動表示ゲームの当りの出現率自体が低いため1バイトでも足りる。なお、当りの場合(大当り又は小当りの場合)、変動パターン乱数1の下位の値だけを使用する。
遊技制御装置100は、ステップA4605又はA4606の後、振り分けられた結果得られた後半変動選択テーブルのアドレスを取得して準備する(A4607)。続いて、特図1の変動パターン乱数2格納領域(保留数1用)から乱数として変動パターン乱数2をロードして準備し(A4608)、変動パターン乱数2に基づく振り分け処理を実行する(A4609)。そして、振り分けられた結果得られた後半変動番号を取得し、後半変動番号領域にセーブする(A4610)。以上の処理により、後半変動パターンが設定されることとなる。すなわち、遊技制御装置100が、ゲームの実行態様である変動パターンを複数のうちから設定する変動パターン設定手段をなす。
次に、遊技制御装置100は、前半変動グループテーブルを設定し(A4611)、変動振分情報1と後半変動番号を基にテーブル選択ポインタを算出する(A4612)。続いて、算出したポインタに対応する前半変動選択テーブルのアドレスを取得して準備する(A4613)。さらに、特図1の変動パターン乱数3格納領域(保留数1用)から乱数として変動パターン乱数3をロードして準備し(A4614)、変動パターン乱数3に基づく振り分け処理を実行する(A4615)。
さらに、遊技制御装置100は、振り分けられた結果得られた前半変動番号を取得し、前半変動番号領域にセーブし(A4616)、特図1変動パターン設定処理を終了する。以上の処理により、前半変動パターンが設定され、特図変動表示ゲームの変動パターンが設定されることとなる。すなわち、遊技制御装置100が、ゲームの実行態様である変動パターンを複数のうちから設定する変動パターン設定手段をなす。
〔特図2変動パターン設定処理〕
次に、特図2変動開始処理における特図2変動パターン設定処理(A3806)の詳細について説明する。図28は、特図2変動パターン設定処理の手順を示すフローチャートである。
遊技制御装置100は、まず、後半変動選択アドレステーブルを設定し(A4701)、変動振分情報2に対応する後半変動選択テーブルのアドレスを取得して準備する(A4702)。続いて、特図2の変動パターン乱数2格納領域から乱数として変動パターン乱数2をロードして準備し(A4703)、変動パターン乱数2に基づく振り分け処理を実行する(A4704)。そして、振り分けられた結果得られた後半変動番号を取得し、後半変動番号領域にセーブする(A4705)。以上の処理により、後半変動パターンが設定されることとなる。すなわち、遊技制御装置100が、ゲームの実行態様である変動パターンを複数のうちから設定する変動パターン設定手段をなす。
次に、遊技制御装置100は、前半変動グループテーブルを設定し(A4706)、変動振分情報1と後半変動番号を基にテーブル選択ポインタを算出する(A4707)。続いて、算出したポインタに対応する前半変動選択テーブルのアドレスを取得して準備する(A4708)。さらに、特図2の変動パターン乱数3格納領域から乱数として変動パターン乱数3をロードして準備し(A4709)、変動パターン乱数3に基づく振り分け処理を実行する(A4710)。
さらに、遊技制御装置100は、振り分けられた結果得られた前半変動番号を取得し、前半変動番号領域にセーブし(A4711)、特図2変動パターン設定処理を終了する。以上の処理により、前半変動パターンが設定され、特図変動表示ゲームの変動パターンが設定されることとなる。すなわち、遊技制御装置100が、ゲームの実行態様である変動パターンを複数のうちから設定する変動パターン設定手段をなす。
〔変動開始情報設定処理〕
次に、特図1変動開始処理と特図2変動開始処理における変動開始情報設定処理(A3707、A3807)の詳細について説明する。図29は、変動開始情報設定処理の手順を示すフローチャートである。
遊技制御装置100は、まず、特図1変動表示ゲームに関して情報設定中であるか否かを判定する(A5001)。特図1変動表示ゲームに関して情報設定中である場合(A5001の結果が「Y」)、使用した特図1の変動パターン乱数1〜3の乱数格納領域(保留球1用)をクリアする(A5002)。特図1変動表示ゲームに関して情報設定中でない場合(A5001の結果が「N」)、特図2変動表示ゲームに関して情報設定中であるため、使用した特図2の変動パターン乱数2〜3の乱数格納領域をクリアする(A5003)。
遊技制御装置100は、ステップA5002、A5003の後、前半変動時間値テーブルを設定し(A5004)、前半変動番号に対応する前半変動時間値を取得する(A5005)。さらに、後半変動時間値テーブルを設定し(A5006)、後半変動番号に対応する後半変動時間値を取得する(A5007)。
そして、遊技制御装置100は、前半変動時間値と後半変動時間値を加算し(A5008)、加算値を対象の特図ゲーム処理タイマ領域にセーブする(A5009)。続いて、特図1変動表示ゲームに関して情報設定中であるか否かを判定する(A5010)。特図1変動表示ゲームに関して情報設定中でない場合(A5010の結果が「N」)、特図2変動表示ゲームに関して情報設定中であるため、特図2変動表示ゲームの長変動(長時間変動)を開始するか否かを判定する(A5011)。
遊技制御装置100は、特図2変動表示ゲームの長変動を開始しない場合(A5011の結果が「N」)、特図2ゲーム処理タイマの繰り返し回数領域に0をセーブし(A5012)、特図2変動表示ゲームの長変動を開始する場合(A5011の結果が「Y」)、特図2ゲーム処理タイマの繰り返し回数領域に2をセーブする(A5013)。
例えば、特図ゲーム処理タイマ領域への上記の加算値のセーブによって20000msec(20秒)のタイマが設定され、さらに2回の繰り返し回数がセーブされる場合に、タイマ割込み処理(特に、特図2ゲーム処理(図16))でタイマを減算していき(A3303)、タイムアップした時に(A3304の結果が「Y」)、繰り返し回数を1減算し(A3306)、ゲーム処理タイマに長変動用タイマ値である20000ms(20秒)がセットされる。結果として、長変動の特図2変動表示ゲームを、20000msec+(20000msec×2)=1分の長い変動時間とすることができる。
なお、特図1変動表示ゲームの変動時間と、長変動でない場合(繰り返し回数=0)の特図2変動表示ゲームの変動時間は、ステップA5009で特図ゲーム処理タイマ領域にセーブされた前半変動時間値と後半変動時間値の加算値となる。
遊技制御装置100は、特図1変動表示ゲームに関して情報設定中である場合(A5010の結果が「Y」)、タイマの繰り返し回数を設定することなく、ステップA5014に移行する。
遊技制御装置100は、ステップA5010、A5012、A5013の後、前半変動番号に対応する変動コマンド(MODE)を準備し(A5014)、後半変動番号に対応する変動コマンド(ACTION)を準備する(A5015)。そして、変動コマンドを演出コマンドとして送信するための演出コマンド設定処理を実行する(A5016)。
次に、遊技制御装置100は、特図1変動表示ゲームに関して情報設定中であるか否かを判定する(A5017)。特図1変動表示ゲームに関して情報設定中である場合(A5017の結果が「Y」)、特図1保留数を−1更新し(A5018)、特図1変動表示ゲームに係る乱数格納領域の内容をシフトし(A5019)、シフト後の空き領域をクリアする(A5020)。特図1変動表示ゲームに関して情報設定中でない場合(A5017の結果が「N」)、特図2変動表示ゲームに関して情報設定中であるため、特図2保留数を−1更新し(A5021)、特図2変動表示ゲームに係る乱数格納領域の内容をシフトし(A5022)、シフト後の空き領域をクリアし(A5023)、変動開始情報設定処理を終了する。
以上の処理により、特図変動表示ゲームの開始に関する情報が設定される。すなわち、遊技制御装置100が、始動記憶手段(遊技制御装置100)に記憶された各種の乱数値の判定を行う判定手段をなす。また、遊技制御装置100が、始動記憶の判定情報に基づいて、変動表示ゲームで実行する識別情報の変動パターンを決定することが可能な変動パターン決定手段をなす。
そして、これらの特図変動表示ゲームの開始に関する情報は後に演出制御装置300に送信され、演出制御装置300では、特図変動表示ゲームの開始に関する情報の受信に基づき、決定された変動パターンに応じて飾り特図変動表示ゲームでの詳細な演出内容を設定する。これらの特図変動表示ゲームの開始に関する情報としては、始動記憶数(保留数)に関する情報を含む飾り特図保留数コマンド、停止図柄に関する情報を含む飾り特図コマンド、特図変動表示ゲームの変動パターンに関する情報を含む変動コマンドが挙げられ、これらコマンドが演出制御装置300に送信される。特に、飾り特図コマンドを変動コマンドよりも先に送信することで、演出制御装置300での処理を効率よく進めることができる。
〔高確率変動回数更新処理〕
次に、特図1変動開始処理と特図2変動開始処理における高確率変動回数更新処理(A3717、A3808)の詳細について説明する。図30は、高確率変動回数更新処理の手順を示すフローチャートである。高確率変動回数更新処理では、高確率状態で開始する特図変動表示ゲームの変動回数(ここでは、残りの変動回数としての高確率変動回数)を更新管理する。
遊技制御装置100は、まず、高確率状態であるか否かを判定する(A5101)。高確率状態でない場合(低確率状態の場合)(A5101の結果が「N」)、高確率変動回数更新処理を終了する。
なお、特図1変動表示ゲーム又は特図2変動表示ゲームが大当りである場合は、低確率状態となる(後述のファンファーレ/インターバル中処理移行設定処理で低確率状態に設定できる)。即ち、特図1変動表示ゲームが大当りである場合、特図1変動表示ゲームだけでなく特図2変動表示ゲームも低確率状態で実行され、特図2変動表示ゲームが大当りである場合、特図2変動表示ゲームだけでなく特図1変動表示ゲームも低確率状態で実行される。なお、特図1変動表示ゲーム又は特図2変動表示ゲームが小当りである場合は、高確率状態の可能性があり、特図1変動表示ゲームと特図2変動表示ゲームは高確率状態で実行されることもある。
遊技制御装置100は、高確率状態である場合(A5101の結果が「Y」)、高確率状態で開始する特図変動表示ゲームの残りの回数を示す高確率変動回数を−1更新する(1だけ減算する)(A5102)。なお、高確率変動回数の初期値は、大当り終了後に高確率状態が維持される変動回数であり、例えば50回に設定されている(後述の特図1大当り終了処理又は特図2大当り終了処理)。また、特図1変動表示ゲーム又は特図2変動表示ゲームのいずれが変動開始する場合でも、高確率変動回数を−1更新する。
続いて、遊技制御装置100は、高確率変動回数が0であるか否かを判定する(A5103)。高確率変動回数が0でない場合(A5103の結果が「N」)、すなわち、次の特図変動表示ゲームの開始時に高確率状態が継続する場合には、高確率変動回数更新処理を終了する。高確率変動回数が0である場合(A5103の結果が「Y」)、高確率の終了に関する信号(大当り2信号のオフデータ)をRWMの外部情報出力データ領域にセーブする(A5104)。さらに、高確率&時短の終了に関する信号をRWMの試験信号出力データ領域にセーブする(A5105)。高確率&時短の終了に関する信号は、例えば、特別図柄1高確率状態信号のオフデータ、特別図柄2高確率状態信号のオフデータ、特別図柄1変動時間短縮状態信号のオフデータ、特別図柄2変動時間短縮状態信号のオフデータである。
次に、遊技制御装置100は、RWMの遊技状態表示番号領域に低確率中の番号をセーブし(A5106)、RWMの特図ゲームモードフラグ領域に特図低確率&時短なしフラグをセーブし(A5107)、変動を開始する図柄(特図1又は特図2)に対応する高確率最終変動フラグをセットし(A5108)、高確率変動回数更新処理を終了する。
なお、高確率最終変動フラグは、今は低確率中であっても高確率中に開始した変動であることを示すための情報である。高確率最終変動(高確率の最終変動)では、変動開始直後に低確率に落とさないと、この最終変動中における始動口入賞による当りの判定が高確率で行われてしまう。そのため、高確率最終変動の変動開始の際に特図低確率&時短なしフラグによって当り確率が低確率に設定される。そこで、高確率最終変動フラグを設定して、高確率最終変動であるか否か判定するために使用する(例えば、ステップA3515、A3608、A3709等において)。また、高確率最終変動フラグは、特図1又は特図2のいずれの高確率最終変動であるか判定できる情報も含む。
以上のように、大当り終了後に、高確率状態は、所定回数(高確率変動回数の初期値、例えば50回)の変動表示ゲームが開始されるまで維持され、高確率変動回数=0となり所定回数目の変動表示ゲーム(高確率最終変動)が開始される際に、特図低確率&時短なしフラグが設定されて、低確率状態になるとともに時短状態が終了し、さらに、高確率最終変動フラグが設定される。
〔特図1変動中処理〕
次に、特図1ゲーム処理における特図1変動中処理(A3209)の詳細について説明する。図31は、特図1変動中処理の手順を示すフローチャートである。
遊技制御装置100は、まず、図柄確定回数出力回数を+1更新する(A5301)。図柄確定回数出力回数は、後述の図柄確定回数信号編集処理で利用される。次に、飾り特図1コマンド領域から飾り特図1コマンドをロードして演出コマンドとして準備し(A5302)、演出コマンド設定処理を実行する(A5303)。その後、飾り特図1変動表示ゲームを停止させるための飾り特図1停止コマンドを演出コマンドとして準備し(A5304)、演出コマンド設定処理を実行する(A5305)。
次に、遊技制御装置100は、開始する特図1変動表示ゲームが高確率最終変動(高確率の最終変動)であるか否かを判定する(A5306)。なお、高確率変動回数更新処理のステップA5108で高確率最終変動フラグが設定されていれば、高確率最終変動であると判定できる。開始する特図1変動表示ゲームが高確率最終変動である場合(A5306の結果が「Y」)、特図1の停止図柄の表示時間(停止表示時間)として、特図1の停止図柄パターンに対応する表示時間を設定する(A5307)。例えば、停止図柄パターンに対応する表示時間は、停止図柄パターンが特図1のはずれ図柄であれば600msec、特図1の大当り図柄であれば2000msec、特図1の小当り図柄であれば136msecである。
遊技制御装置100は、開始する特図1変動表示ゲームが高確率最終変動でない場合(A5306の結果が「N」)、特図1の表示時間として、高確率最終変動時の表示時間を設定する(A5308)。例えば、高確率最終変動時の表示時間は、7000msecである。
遊技制御装置100は、ステップA5307、A5308の後、特図1変動表示ゲームの結果がはずれであるか否かを判定する(A5309)。特図1変動表示ゲームの結果がはずれである場合(A5309の結果が「Y」)、前述の特図1停止図柄設定処理でセーブした情報(はずれ時の停止図柄番号)を特図1停止図柄退避領域からロードして特図1停止図柄領域にセーブする(A5324)。
遊技制御装置100は、特図1変動表示ゲームの結果がはずれでない場合(大当り又は小当りの場合)(A5309の結果が「N」)、特図2も変動中(特図2変動表示ゲームも実行中)であるか否かを判定する(A5310)。特図2は変動中でない場合(A5310の結果が「N」)、ステップA5320の処理に移行する。特図2も変動中である場合(A5310の結果が「Y」)、後述の特図2表示中処理が実行中であるか否かを判定する(A5311)。
遊技制御装置100は、特図2表示中処理が実行中である場合(A5311の結果が「Y」)、ステップA5313の処理に移行する。特図2表示中処理が実行中でない場合(A5311の結果が「N」)、図柄確定回数出力回数を+1更新する(A5312)。続いて、特図2の表示時間として特図1の表示時間に4msecを加算した値(特図1の表示時間+4msec)の表示時間を設定し(A5313)、特図2ゲーム処理タイマ領域に表示時間をセーブする(A5314)。ここで、4msecは、タイマ割込み処理の割込み周期(所定時間周期)である。4msecを加算したのは、次の特図2ゲーム処理で特図2ゲーム処理タイマが−1更新(割込み周期に相当する4msecだけ減算)されるため(A3303)、余分に付加したものである。これにより、実際の特図1の停止図柄の表示時間と特図2の停止図柄の表示時間を同じに揃えることができる。なお、既に特図2の停止表示を開始していたら、ここでは表示時間が再設定されることになる(基本は表示時間の延長となるが、場合によっては短縮になる可能性もある)。
次に、遊技制御装置100は、飾り特図2のはずれ図柄コマンドを演出コマンドとして準備し(A5315)、演出コマンド設定処理を実行する(A5316)。続いて、飾り特図2変動表示ゲームを停止させるための飾り特図2停止コマンドを演出コマンドとして準備し(A5317)、演出コマンド設定処理を実行する(A5318)。その後、特図2表示中処理を実行するための設定をする特図2表示中処理移行設定処理2を実行する(A5319)。
ステップA5313からA5319の処理により、特図1変動表示ゲームに係る制御である特図1変動中処理において、特図2変動表示ゲーム(飾り特図2変動表示ゲームも含む)のはずれ結果が設定され、特図2表示中処理の実行(特図2変動表示ゲームの終了)が設定される。このように、特図2変動表示ゲームが実行中(特図2の変動中)であっても、特図1変動表示ゲームが当り結果(大当り又は小当り)になると、特図2変動表示ゲームは、はずれ結果で強制的に変動終了(強制終了)することになる。
なお、特図1変動中処理は、変動時間の終了の際、即ち、特図1ゲーム処理タイマ(ステップA5009で設定された特図1ゲーム処理タイマ領域の値)がタイムアップする際(A3204の結果が「Y」)に実行されるため、当り結果の特図1変動表示ゲームが変動停止する際に、特図2変動表示ゲームは強制的に変動終了(強制終了)することになる。
次に、遊技制御装置100は、飾り特図1コマンド領域から飾り特図1コマンドをロードし、当り図柄コマンド領域にセーブする(A5320)。次に、特図1変動表示ゲームの結果が小当りであるか否か判定する(A5321)。特図1変動表示ゲームの結果が小当りである場合(A5321の結果が「Y」)、前述の特図1停止図柄設定処理でセーブした情報(小当り時の停止図柄番号)を特図1停止図柄退避領域からロードして特図1停止図柄領域にセーブする(A5324)。
遊技制御装置100は、特図1変動表示ゲームの結果が小当りでない場合(大当りである場合)(A5321の結果が「N」)、前述の特図1ラウンド数上限値情報領域からラウンド数上限値情報をロードし、ラウンド数上限値情報領域にセーブし(A5322)、
前述の特図1大入賞口開放情報領域から大入賞口開放情報をロードし、大入賞口開放情報領域にセーブする(A5323)。その後、前述の特図1停止図柄設定処理でセーブした情報(大当り時の停止図柄番号)を特図1停止図柄退避領域からロードし、特図1停止図柄領域にセーブする(A5324)。次に、特図1表示中処理を実行するための設定をする特図1表示中処理移行設定処理1を実行し(A5325)、特図1変動中処理を終了する。特図1表示中処理移行設定処理1では、例えば、特図1表示中処理に移行するために処理番号として「2」を設定し、特図1ゲーム処理番号領域に処理番号をセーブする。
以上のように、本実施形態では、遊技制御装置100が、変動表示ゲームの停止結果態様を表示する停止時間(表示時間)を設定する停止時間設定手段(表示時間設定手段)をなす。また、遊技制御装置100が、特図2変動表示ゲームが実行中(特図2の変動中)であっても、特図1変動表示ゲームが当り結果になると、特図2変動表示ゲームをはずれ結果で強制的に終了させる強制終了手段をなす。
〔特図2変動中処理〕
次に、特図2ゲーム処理における特図2変動中処理(A3312)の詳細について説明する。図32は、特図2変動中処理の手順を示すフローチャートである。
遊技制御装置100は、まず、図柄確定回数出力回数を+1更新する(A5401)。図柄確定回数出力回数は、後述の図柄確定回数信号編集処理で利用される。次に、飾り特図2コマンド領域から飾り特図2コマンドをロードして演出コマンドとして準備し(A5402)、演出コマンド設定処理を実行する(A5403)。その後、飾り特図2変動表示ゲームを停止させるための飾り特図2停止コマンドを演出コマンドとして準備し(A5404)、演出コマンド設定処理を実行する(A5405)。
次に、遊技制御装置100は、開始する特図2変動表示ゲームが高確率最終変動(高確率の最終変動)であるか否かを判定する(A5406)。なお、高確率変動回数更新処理のステップA5108で高確率最終変動フラグが設定されていれば、高確率最終変動であると判定できる。開始する特図2変動表示ゲームが高確率最終変動でない場合(A5406の結果が「N」)、特図2の停止図柄の表示時間(停止表示時間)として、特図2の停止図柄パターンに対応する表示時間を設定する(A5407)。例えば、停止図柄パターンに対応する表示時間は、停止図柄パターンが特図2のはずれ図柄であれば600msec、特図2の大当り図柄であれば600msec、特図2の小当り図柄であれば600msecである。なお、特図2のはずれ図柄と大当り図柄と小当り図柄の表示時間は、同じになっている。
遊技制御装置100は、開始する特図2変動表示ゲームが高確率最終変動である場合(A5406の結果が「Y」)、特図2の表示時間として、高確率最終変動時の表示時間を設定する(A5408)。例えば、高確率最終変動時の表示時間は、7000msecである。
遊技制御装置100は、ステップA5407、A5408の後、特図2変動表示ゲームの結果がはずれであるか否かを判定する(A5409)。特図2変動表示ゲームの結果がはずれである場合(A5409の結果が「Y」)、前述の特図2停止図柄設定処理でセーブした情報(はずれ時の停止図柄番号)を特図2停止図柄退避領域からロードして特図2停止図柄領域にセーブする(A5424)。
遊技制御装置100は、特図2変動表示ゲームの結果がはずれでない場合(A5410の結果が「N」)、特図1も変動中(特図1変動表示ゲームも実行中)であるか否かを判定する(A5410)。特図1は変動中でない場合(A5410の結果が「N」)、ステップA5420の処理に移行する。特図1も変動中である場合(A5410の結果が「Y」)、後述の特図1表示中処理が実行中であるか否かを判定する(A5411)。
遊技制御装置100は、特図1表示中処理が実行中である場合(A5411の結果が「Y」)、ステップA5413の処理に移行する。特図1表示中処理が実行中でない場合(A5411の結果が「N」)、図柄確定回数出力回数を+1更新する(A5412)。続いて、特図1の表示時間として特図2の表示時間に4msecを加算した値(特図2の表示時間+4msec)の表示時間を設定し(A5413)、特図1ゲーム処理タイマ領域に表示時間をセーブする(A5414)。ここで、4msecは、タイマ割込み処理の割込み周期(所定時間周期)である。4msecを加算したのは、次の特図1ゲーム処理で特図1ゲーム処理タイマが−1更新(割込み周期に相当する4msecだけ減算)されるため(A3203)、余分に付加したものである。これにより、実際の特図2の停止図柄の表示時間と特図1の停止図柄の表示時間を同じに揃えることができる。なお、既に特図1の停止表示を開始していたら、ここでは表示時間が再設定されることになる(基本は表示時間の延長となるが、場合によっては短縮になる可能性もある)。
次に、遊技制御装置100は、飾り特図1のはずれ図柄コマンドを演出コマンドとして準備し(A5415)、演出コマンド設定処理を実行する(A5416)。続いて、飾り特図1変動表示ゲームを停止させるための飾り特図1停止コマンドを演出コマンドとして準備し(A5417)、演出コマンド設定処理を実行する(A5418)。その後、特図1表示中処理を実行するための設定をする特図1表示中処理移行設定処理2を実行する(A5419)。
ステップA5413からA5419の処理により、特図2変動表示ゲームに係る制御である特図2変動中処理において、特図1変動表示ゲーム(飾り特図1変動表示ゲームも含む)のはずれ結果が設定され、特図1表示中処理の実行(特図1変動表示ゲームの終了)が設定される。このように、特図1変動表示ゲームが実行中(特図1の変動中)であっても、特図2変動表示ゲームが当り結果(大当り又は小当り)になると、特図1変動表示ゲームは、はずれ結果で強制的に変動終了(実行終了)することになる。
なお、特図2変動中処理は、変動時間の終了の際、即ち、特図2ゲーム処理タイマの繰り返し回数が0であり且つ特図2ゲーム処理タイマがタイムアップする際(A3304とA3305の結果が「Y」)に実行されるため、当り結果の特図2変動表示ゲームが変動停止する際に、特図1変動表示ゲームは強制的に変動終了(実行終了)することになる。
次に、遊技制御装置100は、飾り特図2コマンド領域から飾り特図2コマンドをロードし、当り図柄コマンド領域にセーブする(A5420)。次に、特図2変動表示ゲームの結果が小当りであるか否か判定する(A5421)。特図2変動表示ゲームの結果が小当りである場合(A5421の結果が「Y」)、前述の特図2停止図柄設定処理でセーブした情報(小当り時の停止図柄番号)を特図2停止図柄退避領域からロードして特図2停止図柄領域にセーブする(A5424)。
遊技制御装置100は、特図2変動表示ゲームの結果が小当りでない場合(大当りである場合)(A5421の結果が「N」)、前述の特図2ラウンド数上限値情報領域からラウンド数上限値情報をロードし、ラウンド数上限値情報領域にセーブし(A5422)、
前述の特図2大入賞口開放情報領域から大入賞口開放情報をロードし、大入賞口開放情報領域にセーブする(A5423)。その後、前述の特図2停止図柄設定処理でセーブした情報(大当り時の停止図柄番号)を特図2停止図柄退避領域からロードし、特図2停止図柄領域にセーブする(A5424)。次に、特図2表示中処理を実行するための設定をする特図2表示中処理移行設定処理1を実行し(A5425)、特図2変動中処理を終了する。特図2表示中処理移行設定処理1では、例えば、特図2表示中処理に移行するために処理番号として「2」を設定し、特図2ゲーム処理番号領域に処理番号をセーブする。
以上のように、本実施形態では、遊技制御装置100が、変動表示ゲームの停止結果態様を表示する停止時間(表示時間)を設定する停止時間設定手段(表示時間設定手段)をなす。また、遊技制御装置100が、特図1変動表示ゲームが実行中(特図1の変動中)であっても、特図2変動表示ゲームが当り結果になると、特図1変動表示ゲームをはずれ結果で強制的に終了させる強制終了手段をなす。
〔特図1表示中処理移行設定処理2〕
次に、特図2変動中処理における特図1表示中処理移行設定処理2(A5419)の詳細について説明する。図33Aは、特図1表示中処理移行設定処理2の手順を示すフローチャートである。特図1表示中処理移行設定処理2では、特図2変動表示ゲームの当りによって特図1変動表示ゲームを強制終了させる場合の情報設定を行う。
遊技制御装置100は、まず、特図1表示中処理に移行するために処理番号として「2」を設定し(A5601a)、特図1ゲーム処理番号領域に処理番号をセーブし(A5602a)、特図1の変動終了に関する信号を試験信号出力データ領域にセーブする(A5603a)。続いて、特図1表示器51における特図1変動表示ゲームの制御用の情報として、特図1表示器51での変動停止に係る停止フラグを特図1変動制御フラグ領域にセーブする(A5604a)。
次に、遊技制御装置100は、停止図柄パターン領域にはずれ停止図柄パターンをセーブし(A5605a)、特図1ラウンド数上限値情報領域をクリアし(A5606a)、特図1大入賞口開放情報領域をクリアする(A5607a)。さらに、小当りフラグ1領域にはずれ情報をセーブし(A5608a)、大当りフラグ1領域にはずれ情報をセーブする(A5609a)。続いて、特図1停止図柄退避領域をクリアし(A5610a)、特図1停止図柄領域にはずれ停止図柄番号(はずれ時の停止図柄番号)をセーブする(A5611a)。以上の処理により、特図1表示器51での特図1変動表示ゲームが、はずれの停止図柄で、変動停止(変動終了)となる。
〔特図2表示中処理移行設定処理2〕
次に、特図1変動中処理における特図2表示中処理移行設定処理2(A5319)の詳細について説明する。図33Bは、特図2表示中処理移行設定処理2の手順を示すフローチャートである。特図2表示中処理移行設定処理2では、特図1変動表示ゲームの当りによって特図2変動表示ゲームを強制終了させる場合の情報設定を行う。
遊技制御装置100は、まず、特図2表示中処理に移行するために処理番号として「2」を設定し(A5601b)、特図2ゲーム処理番号領域に処理番号をセーブし(A5602b)、特図2の変動終了に関する信号を試験信号出力データ領域にセーブする(A5603b)。続いて、特図2表示器52における特図2変動表示ゲームの制御用の情報として、特図2表示器52での変動停止に係る停止フラグを特図2変動制御フラグ領域にセーブする(A5604b)。
次に、遊技制御装置100は、停止図柄パターン領域にはずれ停止図柄パターンをセーブし(A5605b)、特図2ラウンド数上限値情報領域をクリアし(A5606b)、特図2大入賞口開放情報領域をクリアする(A5607b)。さらに、小当りフラグ2領域にはずれ情報をセーブし(A5608b)、大当りフラグ2領域にはずれ情報をセーブする(A5609b)。続いて、特図2停止図柄退避領域をクリアし(A5610b)、特図2停止図柄領域にはずれ停止図柄番号(はずれ時の停止図柄番号)をセーブする(A5611b)。以上の処理により、特図2表示器52での特図2変動表示ゲームが、はずれの停止図柄で、変動停止(変動終了)となる。
〔特図1大当り終了処理〕
次に、特図1ゲーム処理における特図1大当り終了処理(A3214)の詳細について説明する。図34は、特図1大当り終了処理の手順を示すフローチャートである。
遊技制御装置100は、まず、特図1普段処理に戻るために処理番号として「0」を設定し(A6701)、特図1ゲーム処理番号領域に処理番号をセーブする(A6702)。続いて、大当りの終了に関する信号(大当り1信号のオフデータと大当り3信号のオフデータ)を外部情報出力データ領域にセーブし(A6703)、高確率&時短の開始に関する信号(大当り中から出力されている大当り2信号を継続して出力)を外部情報出力データ領域にセーブする(A6704)。
次に、遊技制御装置100は、大当りの終了に関する信号を試験信号出力データ領域にセーブする(A6705)。大当りの終了に関する信号は、例えば、条件装置作動中信号のオフデータ、役物連続作動装置作動中信号のオフデータ、特別図柄1当り信号のオフデータである。続いて、高確率&時短の開始に関する信号を試験信号出力データ領域にセーブする(A6706)。ここで、高確率&時短の開始に関する信号は、例えば、特別図柄1高確率状態信号、特別図柄2高確率状態信号、特別図柄1変動時間短縮状態信号、特別図柄2変動時間短縮状態信号である。その後、右打ち指示に関する信号(発射位置指定信号1)を試験信号出力データ領域にセーブする(A6707)。
続いて、遊技制御装置100は、遊技状態表示番号領域に高確率中の番号をセーブし(A6708)、遊技状態表示番号2領域に右打ち状態中の番号をセーブし(A6709)、ラウンドLEDポインタ領域に消灯の番号をセーブする(A6710)。続いて、上大入賞口不正監視期間フラグ領域に不正監視期間中フラグをセーブし(A6711)、下大入賞口不正監視期間フラグ領域に不正監視期間中フラグをセーブし(A6712)、特図ステータス領域をクリアする(A6713)
次に、遊技制御装置100は、大当り状態終了後を高確率状態(確変状態)とするために、特図ゲームモードフラグ領域に高確率フラグをセーブする(A6714)。本実施形態では、大当り図柄は確変図柄のみであり、大当り終了後は高確率状態となるとともに時短状態にもなる。続いて、高確率変動回数を保持するための高確率変動回数領域に高確率変動回数の初期値(例えば50回)をセーブする(A6715)。その後、停電復旧時に演出制御装置300に出力されるコマンドをセーブする停電復旧時送信コマンド領域に確率情報コマンド(高確率)をセーブする(A6716)。
その後、遊技制御装置100は、特図2ゲームウェイト時間値を特図2ゲーム処理タイマ領域にセーブし(A6717)、特図1大当り終了処理を終了する。この特図2ゲームウェイト時間値は、特図2変動表示ゲームの変動開始の判定(特図2ゲーム処理中の特図2普段処理)を、次回のタイマ割込み処理(図6)の時に遅らせるために設定するものである。ここでは、特図2ゲームウェイト時間値は、割込み周期の2倍の時間である8msec(即ち、特図2ゲーム処理タイマ領域にセーブされる値としては2)である。
仮に、特図2ゲームウェイト時間値を設定しないとすると、特図1大当り終了処理が実行されている今回の特図1ゲーム処理(図6のA1310)の直後に行われる特図2ゲーム処理(図6のA1311)で、特図2変動表示ゲームの変動開始の判定が開始してしまうため(今回のタイマ割込み処理内で開始する)、特図1変動表示ゲームより特図2変動表示ゲームが先に開始することになり問題となる場合がある。なお、特図1大当り終了処理において特図1ゲーム処理タイマは設定していないので0のままとなっている。従って、特図1変動表示ゲームの変動開始の判定に関しては、次回のタイマ割込み処理(特図1ゲーム処理中の特図1普段処理)で行われる。
特図2ゲームウェイト時間値は、割込み周期の2倍の時間(8msec)に設定されるが、今回の特図1ゲーム処理の直後の特図2ゲーム処理(今回のタイマ割込み処理内で開始する)で特図2ゲーム処理タイマが−1更新(4msecの減少)するためである。次回のタイマ割込み処理における特図2ゲーム処理で、特図2ゲーム処理タイマがさらに−1更新(4msecの減少)して0になり(A3304の結果が「Y」)、特図2変動表示ゲームの変動開始の判定(特図2ゲーム処理中の特図2普段処理)が行われる。これにより、特図1変動表示ゲームによる大当り状態終了後の次回のタイマ割込み処理内において、特図1変動表示ゲームと特図2変動表示ゲームの変動開始の判定(特図1ゲーム処理と特図2ゲーム処理内)が行われ、開始条件(始動条件)が成立していれば、特図1変動表示ゲームと特図2変動表示ゲームが同時に変動開始することができる。なお、前述のように、特図1変動表示ゲームが大当り状態中は、特図2変動表示ゲームははずれ図柄で停止している(強制終了しているか元々変動していない)。
なお、大当り状態終了後に、特図2変動表示ゲームが特図1変動表示ゲームよりも先に開始しても特に遊技制御に問題が生じない場合には、ステップA6717の処理を省略して、特図2ゲームウェイト時間値を設定しなくてもよい。
〔特図2大当り終了処理〕
次に、特図2ゲーム処理における特図2大当り終了処理(A3317)の詳細について説明する。図35は、特図2大当り終了処理の手順を示すフローチャートである。
遊技制御装置100は、まず、特図2普段処理に戻るために処理番号として「0」を設定し(A6801)、特図2ゲーム処理番号領域に処理番号をセーブする(A6802)。続いて、大当りの終了に関する信号(大当り1信号のオフデータと大当り3信号のオフデータ)を外部情報出力データ領域にセーブし(A6803)、高確率&時短の開始に関する信号(大当り中から出力されている大当り2信号を継続して出力)を外部情報出力データ領域にセーブする(A6804)。
次に、遊技制御装置100は、大当りの終了に関する信号を試験信号出力データ領域にセーブする(A6805)。大当りの終了に関する信号は、例えば、条件装置作動中信号のオフデータ、役物連続作動装置作動中信号のオフデータ、特別図柄2当り信号のオフデータである。続いて、高確率&時短の開始に関する信号を試験信号出力データ領域にセーブする(A6806)。ここで、高確率&時短の開始に関する信号は、例えば、特別図柄1高確率状態信号、特別図柄2高確率状態信号、特別図柄1変動時間短縮状態信号、特別図柄2変動時間短縮状態信号である。その後、右打ち指示に関する信号(発射位置指定信号1)を試験信号出力データ領域にセーブする(A6807)。
続いて、遊技制御装置100は、遊技状態表示番号領域に高確率中の番号をセーブし(A6808)、遊技状態表示番号2領域に右打ち状態中の番号をセーブし(A6809)、ラウンドLEDポインタ領域に消灯の番号をセーブする(A6810)。続いて、上大入賞口不正監視期間フラグ領域に不正監視期間中フラグをセーブし(A6811)、下大入賞口不正監視期間フラグ領域に不正監視期間中フラグをセーブし(A6812)、特図ステータス領域をクリアする(A6813)
次に、遊技制御装置100は、大当り状態終了後を高確率状態(確変状態)とするために、特図ゲームモードフラグ領域に高確率フラグをセーブする(A6814)。本実施形態では、大当り図柄は確変図柄のみであり、大当り終了後は高確率状態となるとともに時短状態にもなる。続いて、高確率変動回数を保持するための高確率変動回数領域に高確率変動回数の初期値(例えば50回)をセーブする(A6815)。その後、停電復旧時に演出制御装置300に出力されるコマンドをセーブする停電復旧時送信コマンド領域に確率情報コマンド(高確率)をセーブする(A6816)。
なお、特図2大当り終了処理において、特図1ゲームウェイト時間値を設ける必要はない。特図1ゲーム処理タイマと特図2ゲーム処理タイマは設定していないので0のままとなっており、次回のタイマ割込み処理において、特図1変動表示ゲームと特図2変動表示ゲームの変動開始の判定(特図1ゲーム処理と特図2ゲーム処理内)が行われ、開始条件(始動条件)が成立していれば、特図1変動表示ゲームと特図2変動表示ゲームが同時に変動開始することができるためである。
〔特図1小当り終了処理〕
次に、特図1ゲーム処理における特図1小当り終了処理(A3218)の詳細について説明する。図36は、特図1小当り終了処理の手順を示すフローチャートである。
遊技制御装置100は、特図1普段処理に戻るために処理番号として「0」を設定し(A7201)、特図1ゲーム処理番号領域に処理番号をセーブする(A7202)。続いて、小当りの終了に関する信号(特別図柄1小当り信号のオフデータ)を試験信号出力データ領域にセーブし(A7203)、下大入賞口不正監視期間フラグ領域に不正監視期間中フラグをセーブする(A7204)。さらに、ラウンドLEDポインタ領域に消灯の番号をセーブし(A7205)、特図ステータス領域をクリアする(A7206)。
次に、遊技制御装置100は、当り確率が高確率状態であるか否かを判定する(A7207)。高確率状態である場合(A7207の結果が「Y」)、特図2ゲームウェイト時間値を特図2ゲーム処理タイマ領域にセーブする(A7210)。高確率状態でない場合(A7207の結果が「N」)、左打ち指示に関する信号(発射位置指定信号1のオフデータ)を試験信号出力データ領域にセーブし(A7208)、遊技状態表示番号2領域に左打ち状態中の番号をセーブし(A7209)、特図2ゲームウェイト時間値を特図2ゲーム処理タイマ領域にセーブする(A7210)。
ここでは、特図1大当り終了処理(図34)のステップA6717と同じ理由により、割込み周期の2倍の時間である8msec(特図2ゲーム処理タイマ領域にセーブされる値としては2)を、特図2ゲームウェイト時間値として特図2ゲーム処理タイマ領域にセーブしている。これにより、特図1変動表示ゲームによる小当り状態終了後の次回のタイマ割込み処理において、特図1変動表示ゲームと特図2変動表示ゲームの変動開始の判定(特図1ゲーム処理と特図2ゲーム処理内)が行われ、開始条件(始動条件)が成立していれば、特図1変動表示ゲームと特図2変動表示ゲームが同時に変動開始することができる。
〔特図2小当り終了処理〕
次に、特図2ゲーム処理における特図2小当り終了処理(A3321)の詳細について説明する。図37は、特図2小当り終了処理の手順を示すフローチャートである。
遊技制御装置100は、特図2普段処理に戻るために処理番号として「0」を設定し(A7301)、特図2ゲーム処理番号領域に処理番号をセーブする(A7302)。続いて、小当りの終了に関する信号(特別図柄2小当り信号のオフデータ)を試験信号出力データ領域にセーブし(A7303)、上大入賞口不正監視期間フラグ領域に不正監視期間中フラグをセーブし(A7304)、下大入賞口不正監視期間フラグ領域に不正監視期間中フラグをセーブする(A7305)。さらに、ラウンドLEDポインタ領域に消灯の番号をセーブし(A7306)、特図ステータス領域をクリアする(A7307)。
次に、遊技制御装置100は、当り確率が高確率状態であるか否かを判定する(A7308)。高確率状態である場合(A7308の結果が「Y」)、特図2小当り終了処理を終了する。高確率状態でない場合(A7308の結果が「N」)、左打ち指示に関する信号(発射位置指定信号1のオフデータ)を試験信号出力データ領域にセーブし(A7309)、遊技状態表示番号2領域に左打ち状態中の番号をセーブし(A7310)、特図2小当り終了処理を終了する。
なお、特図2大当り終了処理(図35)と同じ理由により、特図2小当り終了処理において、ゲームウェイト時間値を設ける必要はない。
〔普図ゲーム処理〕
次に、タイマ割込み処理における普図ゲーム処理(A1312)の詳細について説明する。図38は、普図ゲーム処理の手順を示すフローチャートである。普図ゲーム処理では、ゲートスイッチ34aの入力の監視と、普図変動表示ゲームに関する処理全体の制御、普図の表示の設定等を行う。
遊技制御装置100は、まず、ゲートスイッチ34aからの入力を監視するゲートスイッチ監視処理を実行する(A7401)。ゲートスイッチ監視処理の詳細については、後述する。
続いて、遊技制御装置100は、始動口2スイッチ37aからの入力を監視する普電入賞スイッチ監視処理を実行する(A7402)。
次に、遊技制御装置100は、普図ゲーム処理タイマが0でなければ−1更新する(1だけ減算する)(A7403)。なお、普図ゲーム処理タイマの最小値は0に設定されている。そして、遊技制御装置100は、普図ゲーム処理タイマの値が0となったか否かを判定する(A7404)。
遊技制御装置100は、普図ゲーム処理タイマの値が0である場合(A7404の結果が「Y」)、すなわち、タイムアップした又はすでにタイムアップしていた場合には、普図ゲーム処理番号に対応する処理に分岐させるために参照する普図ゲームシーケンス分岐テーブルをレジスタに設定する(A7405)。
さらに、遊技制御装置100は、設定された普図ゲームシーケンス分岐テーブルに基づいて普図ゲーム処理番号に対応する処理の分岐先アドレスを取得する(A7406)。そして、普図ゲーム処理番号によるサブルーチンコールを行って、普図ゲーム処理番号に応じたゲーム分岐処理を実行する(A7407)。
遊技制御装置100は、ステップA7407にてゲーム処理番号が「0」の場合には、普図変動表示ゲームの変動開始を監視し、普図変動表示ゲームの変動開始の設定や演出の設定や、普図変動中処理を行うために必要な情報の設定等を行う普図普段処理を実行する(A7408)。例えば、普図普段処理では、普図保留(普図始動記憶、ゲートスイッチ34aの入力)が発生した場合に、普図変動時間を設定して普図ゲーム処理タイマ領域にセーブし、普図変動中処理に移行するための処理番号として「1」を設定し普図ゲーム処理番号領域にセーブする。
また、遊技制御装置100は、ステップA7407にてゲーム処理番号が「1」の場合には、普図表示中処理を行うために必要な情報の設定等を行う普図変動中処理を実行する(A7409)。例えば、普図変動中処理では、普図表示時間を設定して普図ゲーム処理タイマ領域にセーブし、普図表示中処理に移行するための処理番号として「2」に設定し普図ゲーム処理番号領域にセーブする。
また、遊技制御装置100は、ステップA7407にてゲーム処理番号が「2」の場合には、普図変動表示ゲームの結果が当りであれば、時短状態中であるか否かに応じた普電開放時間の設定や、普図当り中処理を行うために必要な情報の設定等を行う普図表示中処理を実行する(A7410)。例えば、普図表示中処理では、普図変動表示ゲームの結果が当りであれば、普電開放時間を設定して普図ゲーム処理タイマ領域にセーブし、普図当り中処理に移行するための処理番号として「3」に設定し普図ゲーム処理番号領域にセーブする。普図変動表示ゲームの結果がはずれであれば、普図普段処理に移行するための処理番号として「0」に設定し普図ゲーム処理番号領域にセーブする。
また、遊技制御装置100は、ステップA7407にてゲーム処理番号が「3」の場合は、普図当り中処理の継続、あるいは普電残存球処理を行うために必要な情報の設定等を行う普図当り中処理を実行する(A7411)。例えば、普図当り中処理では、普通変動入賞装置37を開閉するための普電ソレノイド37cの駆動制御を継続して実行した後、普電残存球処理時間を設定して普図ゲーム処理タイマ領域にセーブし、普図残存球処理に移行するための処理番号として「4」に設定し普図ゲーム処理番号領域にセーブする。
また、遊技制御装置100は、ステップA7407にてゲーム処理番号が「4」の場合は、普図当り終了処理を行うために必要な情報の設定等を行う普電残存球処理を実行する(A7412)。例えば、普電残存球処理では、普図エンディング時間を設定して普図ゲーム処理タイマ領域にセーブし、普図当り終了処理に移行するための処理番号として「5」に設定し普図ゲーム処理番号領域にセーブする。
また、遊技制御装置100は、ステップA7407にてゲーム処理番号が「5」の場合は、普図普段処理(A7408)を行うために必要な情報の設定等を行う普図当り終了処理を実行する(A7413)。例えば、普図当り終了処理では、普図普段処理に移行するための処理番号として「0」に設定し普図ゲーム処理番号領域にセーブする。
その後、遊技制御装置100は、普図表示器58による普通図柄の変動を制御するための普図変動制御テーブルを準備する(A7414)。その後、普図表示器58による普通図柄の変動の制御に係る図柄変動制御処理を実行し(A7415)、普図ゲーム処理を終了する。
一方、遊技制御装置100は、普図ゲーム処理タイマの値が0でない場合(A7404の結果が「N」)、すなわち、タイムアップしていない場合には、ステップA7414以降の処理を実行する。
〔ゲートスイッチ監視処理〕
図39は、ゲートスイッチ監視処理の手順を示すフローチャートである。ゲートスイッチ監視処理は、図38に示した普図ゲーム処理におけるステップA7401にて実行される。
遊技制御装置100は、まず、ゲートスイッチ34aに入力があるか否かを判定する(A7501)。そして、ゲートスイッチ34aに入力がある場合(A7501の結果が「Y」)、右打ちすべき遊技状態であるか否かを判定する(A7502)。右打ちする遊技状態(所定遊技状態)は、大当り状態、小当り状態、確変状態、時短状態(普電サポート状態)である。右打ちすべき遊技状態である場合(A7502の結果が「Y」)、ステップA7505の処理に移行する。左打ちするべき遊技状態(通常遊技状態)である場合(A7502の結果が「N」)、左打ち指示報知コマンド(左打ち指示コマンド)を演出コマンドとして準備し(A7503)、演出コマンド設定処理を実行する(A7504)。演出コマンド設定処理では、シリアル送信バッファに演出コマンドを書き込み、演出コマンドが演出制御装置300に送信されることになる。左打ち指示報知コマンドを受信した演出制御装置300は、左打ちするよう指示する左打ち指示報知(警告)を表示装置41等によって実行する。
次に、遊技制御装置100は、普図保留数を取得して当該普図保留数が上限値(例えば4)未満であるか否かを判定する(A7505)。遊技制御装置100は、普図保留数が上限値未満である場合には(A7505の結果が「Y」)、普図保留数を+1更新し(A7506)、更新後の普図保留数に対応する当り乱数格納領域のアドレスを算出する(A7507)。そして、当り乱数を抽出してRWMの当り乱数格納領域にセーブし(A7508)、当り図柄乱数を抽出し、当り図柄乱数格納領域にセーブし(A7509)、ゲートスイッチ監視処理を終了する。
一方、遊技制御装置100は、ゲートスイッチ34aに入力がない場合(A7501の結果が「N」)、又は、普図保留数が上限値未満でないと判定された場合には(A7505の結果が「N」)、ゲートスイッチ監視処理を終了する。
〔磁石不正監視処理〕
次に、タイマ割込み処理における磁石不正監視処理(A1314)の詳細について説明する。図40は、磁石不正監視処理の手順を示すフローチャートである。磁石不正監視処理では、磁気センサスイッチ61からの検出信号に基づき異常の有無を判定し、不正報知の開始や終了の設定等を行う。
遊技制御装置100は、まず、磁気センサスイッチ61から出力されて第2入力ポート123(入力ポート2)に取り込まれる検出信号の状態から、磁石センサ(磁気センサスイッチ61)がオン、すなわち、異常な磁気を検出した状態であるか否かを判定する(A7601)。
遊技制御装置100は、磁石センサがオンである場合(A7601の結果が「Y」)、すなわち、異常な磁気を検出した場合には、異常な磁気の検出期間を計時する磁石不正監視タイマを+1更新し(A7602)、当該タイマがタイムアップしたか否かを判定する(A7603)。
遊技制御装置100は、磁石不正監視タイマがタイムアップした場合(A7603の結果が「Y」)、すなわち、異常な磁気を一定期間継続して検出した場合には、磁石不正監視タイマをクリアし(A7604)、磁石不正報知タイマ初期値(例えば60秒)を磁石不正報知タイマ領域にセーブする(A7605)。
そして、遊技制御装置100は、磁石不正報知のコマンドを演出コマンドとして準備し(A7606)、磁石不正が発生したことを示す磁石不正発生フラグを磁石不正フラグとして準備する(A7607)。さらに、準備した磁石不正フラグが磁石不正フラグ領域の値と一致するか否かを判定する(A7613)。すなわち、磁気センサスイッチ61が磁石不正監視タイマで設定した一定期間(例えば8回の割込み)連続してオンであった場合に、異常が発生していると判定するようにしている。
一方、遊技制御装置100は、磁石センサ(磁気センサスイッチ61)がオンでない場合(A7601の結果が「N」)、すなわち、異常な磁気を検出していない場合には、磁石不正監視タイマをクリアする(A7608)。そして、磁石不正の報知時間を規定する磁石不正報知タイマが0でなければ−1更新する(A7609)。なお、磁石不正報知タイマの最小値は0に設定されている。
そして、遊技制御装置100は、磁石不正報知タイマの値が0であるか否かを判定する(A7610)。なお、磁石不正監視タイマがタイムアップしていない場合についても(A7603の結果が「N」)、ステップA7609の処理に移行する。
遊技制御装置100は、磁石不正報知タイマの値が0でない場合(A7610の結果が「N」)、すなわち、タイムアップしていない場合には、磁石不正監視処理を終了する。
また、遊技制御装置100は、磁石不正報知タイマの値が0である場合(A7610の結果が「Y」)、すなわち、タイムアップした又はすでにタイムアップしていた場合であって、不正報知の期間が終了した場合又は当初から不正報知が行われていない場合には、磁石不正報知終了のコマンドを演出コマンドとして準備する(A7611)。
さらに、遊技制御装置100は、磁石不正フラグとして磁石不正解除フラグを準備し(A7612)、準備した磁石不正フラグが磁石不正フラグ領域の値と一致するか否かを判定する(A7613)。
そして、遊技制御装置100は、準備した磁石不正フラグが磁石不正フラグ領域の値と一致する場合には(A7613の結果が「Y」)、磁石不正監視処理を終了する。一方、準備した磁石不正フラグが磁石不正フラグ領域の値と一致しない場合には(A7613の結果が「N」)、準備した磁石不正フラグを磁石不正フラグ領域にセーブし(A7614)、演出コマンド設定処理を実行する(A7615)。その後、磁石不正監視処理を終了する。
〔盤電波不正監視処理〕
次に、タイマ割込み処理における盤電波不正監視処理(A1315)の詳細について説明する。図41は、盤電波不正監視処理の手順を示すフローチャートである。盤電波不正監視処理では、遊技盤の電波センサ62(盤電波センサ)からの検出信号に基づき異常の有無を判定し不正報知の開始や終了の設定等を行う。
遊技制御装置100は、まず、電波センサ62から出力されて近接I/F121を経由して第2入力ポート123(入力ポート2)に取り込まれる検出信号の状態から、電波センサ62がオン、すなわち、異常な電波を検出した状態であるか否かを判定する(A7701)。電波センサがオンである場合(A7701の結果が「Y」)、すなわち、異常な電波を検出した場合には、電波不正報知タイマ初期値(例えば60秒)を電波不正報知タイマ領域にセーブする(A7702)。
そして、遊技制御装置100は、盤電波不正報知のコマンドを演出コマンドとして準備し(A7703)、盤電波不正が発生したことを示す盤電波不正発生フラグを盤電波不正フラグとして準備する(A7704)。さらに、準備した盤電波不正フラグが盤電波不正フラグ領域の値と一致するか否かを判定する(A7709)。すなわち、電波不正の場合は磁気不正の場合とは異なり、異常な電波を検出した時点で異常が発生していると判定している。
一方、遊技制御装置100は、電波センサがオンでない場合(A7701の結果が「N」)、すなわち、異常な電波を検出していない場合には、電波不正の報知時間を規定する電波不正報知タイマが0でなければ−1更新する(A7705)。なお、電波不正報知タイマの最小値は0に設定されている。
そして、遊技制御装置100は、電波不正報知タイマの値が0であるか否かを判定する(A7706)。電波不正報知タイマの値が0でない場合(A7706の結果が「N」)、すなわち、タイムアップしていない場合には、盤電波不正監視処理を終了する。
また、遊技制御装置100は、電波不正報知タイマの値が0である場合(A7706の結果が「Y」)、すなわち、タイムアップした又はすでにタイムアップしていた場合であって、不正報知の期間が終了した場合又は当初から不正報知が行われていない場合には、電波不正報知終了のコマンドを演出コマンドとして準備する(A7707)。さらに、盤電波不正フラグとして盤電波不正解除フラグを準備し(A7708)、準備した盤電波不正フラグが盤電波不正フラグ領域の値と一致するか否かを判定する(A7709)。
そして、遊技制御装置100は、準備した盤電波不正フラグが盤電波不正フラグ領域の値と一致する場合には(A7709の結果が「Y」)、盤電波不正監視処理を終了する。また、値が一致しない場合には(A7709の結果が「N」)、準備した盤電波不正フラグを盤電波不正フラグ領域にセーブし(A7710)、演出コマンド設定処理を実行する(A7711)。その後、盤電波不正監視処理を終了する。
[遊技制御装置の制御の変形例]
以下に、遊技制御装置の制御(処理)の変形例を説明する。下記で説明する以外の構成は、遊技制御装置の前述の制御(処理)と同様である。
以上の制御処理(図31、図32等)おいては、一方の特図変動表示ゲーム(特図1変動表示ゲーム又は特図2変動表示ゲーム)の変動中に、他方の特図変動表示ゲーム(特図2変動表示ゲーム又は特図1変動表示ゲーム)が当り結果(大当り又は小当り)になる場合、一方の特図変動表示ゲームがはずれ結果で強制的に変動終了(強制終了)する。しかし、以下の変形例のように、この場合に、この一方の特図変動表示ゲームに関して、タイマによる変動時間の計測を中断してゲーム結果の導出(停止図柄番号に対応する停止図柄の表示)を延期し、他方の特図変動表示ゲームに関する当り動作の終了後(大当り状態又は小当り状態の終了後)に、中断していた一方の特図変動表示ゲームを再開する構成も可能である。
なお、特図変動表示ゲームの中断中でも、表示装置41や特図変動表示部(特図1表示器51又は特図2表示器52)において、特別図柄(識別情報)の変動自体は見かけ上継続する(なお、中断中に、一時的に特別図柄の変動を仮停止する構成も可能である)。変動を見かけ上継続する場合には、別の概念では、一方の特図に関して、他方の特図に関する当り動作の時間(大当り状態又は小当り状態の時間)の分だけ変動時間を延長するとも言える。
〔特図1ゲーム処理(変形例)〕
前述の特図1ゲーム処理(A1310)の変形例について説明する。図42は、変形例に係る特図1ゲーム処理の手順を示すフローチャートである。図42は、図15にステップS8200の処理を追加したものである。図42のステップA3201からA3220までの処理は図15と同じ内容であるため説明を省略する。
遊技制御装置100は、まず、特図1変動表示ゲームが中断中であることを示す特図1ゲーム中断フラグが設定されているか否かを判定する(S8200)。特図1ゲーム中断フラグが設定されていない場合(S8200の結果が「N」)、ステップA3201からA3220までの処理を実行する。
一方、遊技制御装置100は、特図1ゲーム中断フラグが設定されている場合(S8200の結果が「Y」)、ステップA3201からA3218の処理を行わずに、特図1表示器51の変動を制御するための特図1変動制御テーブルを準備した後(A3219)、特図1表示器51に係る図柄変動制御処理を実行し(A3220)、特図1ゲーム処理を終了する。このようにして、特図1変動表示ゲームが中断中である場合には、変動時間を計時する変動時間タイマ(特図1ゲーム処理タイマ)の計時(更新)が停止する。なお、図柄変動制御処理によって、特図1表示器51において、特別図柄の変動自体は見かけ上継続することになる。
〔特図2ゲーム処理(変形例)〕
前述の特図2ゲーム処理(A1311)の変形例について説明する。図43は、変形例に係る特図2ゲーム処理の手順を示すフローチャートである。図43は、図16にステップS8300の処理を追加したものである。図43のステップA3301からA3323までの処理は図16と同じ内容であるため説明を省略する。
遊技制御装置100は、まず、特図2変動表示ゲームが中断中であることを示す特図2ゲーム中断フラグが設定されているか否かを判断する(S8300)。特図2ゲーム中断フラグが設定されていない場合(S8300の結果が「N」)、ステップA3301からA3323までの処理を実行する。
一方、遊技制御装置100は、特図2ゲーム中断フラグが設定されている場合(S8300の結果が「Y」)、ステップA3301からA3321の処理を行わずに、特図2表示器52の変動を制御するための特図2変動制御テーブルを準備した後(A3322)、特図2表示器52に係る図柄変動制御処理を実行し(A3323)、特図2ゲーム処理を終了する。このようにして、特図2変動表示ゲームが中断中である場合には、変動時間を計時する変動時間タイマ(特図2ゲーム処理タイマ)の計時(更新)が停止する。なお、図柄変動制御処理によって、特図2表示器52において、特別図柄の変動自体は見かけ上継続することになる。
〔特図1変動中処理(変形例)〕
前述の特図1ゲーム処理における特図1変動中処理(A3209)の変形例について説明する。図44は、変形例に係る特図1変動中処理の手順を示すフローチャートである。図44は、図31のステップA5311からA5319の処理を削除し、ステップS8411からS8416の処理を追加したものである。図44のステップA5301からA5310とステップA5320からA5325の処理は図31と同じ内容であるため説明を省略する。
遊技制御装置100は、特図1変動表示ゲームの結果がはずれでない場合(大当り又は小当りの場合)且つ特図2が変動中(特図2変動表示ゲームが実行中)である場合(A5309の結果が「N」且つA5310の結果が「Y」)、ステップS8411からS8416の処理によって、特図2変動表示ゲームを中断させる。当り結果の特図1変動表示ゲームが変動停止するときに、特図2変動表示ゲームは中断する。
遊技制御装置100は、特図1変動表示ゲームの結果がはずれでない場合且つ特図2が変動中である場合、特図2変動表示ゲームの結果がはずれであるか否かを判定する(S8411)。特図2変動表示ゲームの結果がはずれである場合(S8411の結果が「Y」)、特図2ゲーム処理タイマの残り時間が4msec(特図2ゲーム処理タイマ=4msec)であるか否かを判定する(S8412)。即ち、特図2変動表示ゲームの残り変動時間に基づいて、特図2変動表示ゲームが特図1変動表示ゲームと同じタイミング(同一の割込み処理内)で終了する可能性があるか否か判定する。
遊技制御装置100は、特図2ゲーム処理タイマの残り時間が4msecである場合(S8412の結果が「Y」)、今回の特図1ゲーム処理の直後の特図2ゲーム処理(今回のタイマ割込み処理内で開始する)で特図2ゲーム処理タイマが−1更新(4msecの減少)して0になり、特図2変動表示ゲームがはずれ結果で終了可能である。従って、この場合には、特図2変動表示ゲームを中断させる必要はないため、ステップA5324の処理に移行する。
遊技制御装置100は、特図2変動表示ゲームの結果がはずれでない場合(S8411の結果が「N」)、又は、特図2ゲーム処理タイマの残り時間が4msecでない場合(S8412の結果が「N」)、特図2変動表示ゲームが中断中であることを示す特図2ゲーム中断フラグを設定する(S8413)。特図2ゲーム中断フラグは、前述のステップS8300の判定に使用される。続いて、飾り特図2変動表示ゲームの中断を指示するための飾り特図2中断コマンドを演出コマンドとして準備し(S8414)、演出コマンド設定処理を実行する(S8415)。飾り特図2中断コマンドを受信した演出制御装置300は、飾り特図2変動表示ゲームの中断用の演出を設定できる。
次に、遊技制御装置100は、特図2ゲーム処理タイマを−1更新(4msecの減少)させる(S8416)。これは、特図2ゲーム中断フラグが設定され(S8413)、今回の特図1ゲーム処理の直後の特図2ゲーム処理で特図2ゲーム処理タイマが−1更新(4msecの減少)されないため、ここで、代わりに、特図2ゲーム処理タイマを−1更新(4msecの減少)させておくものである。これによって、中断させた特図2変動表示ゲームを再開する場合に、特図2ゲーム処理タイマが4msecだけ余分に増える事態を防止できる。
遊技制御装置100は、ステップS8416の後、図31と同様に、ステップA5320からA5325の処理を実行する。なお、変形例に係る特図1変動中処理において、図31と異なり、特図2表示中処理移行設定処理2は実行されない。
〔特図2変動中処理(変形例)〕
前述の特図2ゲーム処理における特図2変動中処理(A3312)の変形例について説明する。図45は、変形例に係る特図2変動中処理の手順を示すフローチャートである。図45は、図32のステップA5411からA5419の処理を削除し、ステップS8511からS8513の処理を追加したものである。図45のステップA5401からA5410とステップA5420からA5425の処理は図32と同じ内容であるため説明を省略する。
遊技制御装置100は、特図2変動表示ゲームの結果がはずれでない場合(大当り又は小当りの場合)且つ特図1が変動中(特図1変動表示ゲームが実行中)である場合(A5409の結果が「N」且つA5410の結果が「Y」)、ステップS8511からS8513の処理によって、特図1変動表示ゲームを中断させる。当り結果の特図2変動表示ゲームが変動停止するときに、特図1変動表示ゲームは中断する。
遊技制御装置100は、特図2変動表示ゲームの結果がはずれでない場合且つ特図1が変動中である場合、特図1変動表示ゲームが中断中であることを示す特図1ゲーム中断フラグを設定する(S8511)。特図1ゲーム中断フラグは、前述のステップS8200の判定に使用される。続いて、飾り特図1変動表示ゲームの中断を指示するための飾り特図1中断コマンドを演出コマンドとして準備し(S8512)、演出コマンド設定処理を実行する(S8513)。飾り特図1中断コマンドを受信した演出制御装置300は、飾り特図1変動表示ゲームの中断用の演出を設定できる。
遊技制御装置100は、ステップS8513の後、図32と同様に、ステップA5420からA5325の処理を実行する。なお、変形例に係る特図2変動中処理において、図32と異なり、特図1表示中処理移行設定処理2は実行されない。
〔特図1大当り終了処理(変形例)〕
前述の特図1ゲーム処理における特図1大当り終了処理(A3214)の変形例について説明する。図46は、変形例に係る特図1大当り終了処理の手順を示すフローチャートである。図46は、図34にステップS8617からS8621の処理を追加したものである。図46のステップA6701からA6716までの処理は図34と同じ内容であるため説明を省略する。
遊技制御装置100は、ステップA6716の後、特図2変動表示ゲームが中断中であるか否かを判定する(S8617)。特図2ゲーム中断フラグが設定されている場合に、特図2変動表示ゲームが中断中であると判定できる。特図2変動表示ゲームが中断中でない場合(S8617の結果が「N」)、RWM内において特図2ゲーム中断フラグを設定可能な特図2ゲーム中断フラグ領域をクリアし(S8620)、特図2ゲームウェイト時間値を特図2ゲーム処理タイマ領域にセーブし(S8621)、特図1大当り終了処理を終了する。
遊技制御装置100は、特図2変動表示ゲームが中断中である場合(S8617の結果が「Y」)、飾り特図2変動表示ゲームの再開を指示するための飾り特図2再開コマンドを演出コマンドとして準備し(S8618)、演出コマンド設定処理を実行する(S8619)。飾り特図2再開コマンドを受信した演出制御装置300は、飾り特図2変動表示ゲームの再開の処理を実行できる。その後、RWM内において特図2ゲーム中断フラグを設定可能な特図2ゲーム中断フラグ領域をクリアし(S8620)、特図2ゲームウェイト時間値を特図2ゲーム処理タイマ領域にセーブし(S8621)、特図1大当り終了処理を終了する。
特図2ゲーム中断フラグ領域をクリアすることにより、特図2変動表示ゲームの変動時間を計時する変動時間タイマ(特図2ゲーム処理タイマ)の計時(更新)が再開する(S8300の結果が「N」)。即ち、特図2ゲーム中断フラグが未設定の状態となり、中断されていた特図2変動表示ゲームが再開することになる。
なお、ステップS8621の処理は、図34のステップA6717と同様の処理であり、特図2ゲームウェイト時間値は、特図1変動表示ゲームによる大当り状態終了後の特図2変動表示ゲームの変動開始(再開)を、次回のタイマ割込み処理(図6)の時に遅らせるために設定するものであり、割込み周期の2倍の時間である8msecである。これにより、特図1変動表示ゲームによる大当り状態終了後のタイマ割込み処理で、新たな特図1変動表示ゲームの開始と同時に特図2変動表示ゲームを再開できる。特図2ゲームウェイト時間値を設定しないと、特図1変動表示ゲームよりも先に特図2変動表示ゲームが今回のタイマ割込み処理内で開始(再開)することになる。なお、大当り状態終了後に、特図2変動表示ゲームが特図1変動表示ゲームよりも先に開始(再開)しても特に遊技制御に問題が生じない場合には、ステップA8621の処理を省略して、特図2ゲームウェイト時間値を設定しなくてもよい。
また、特図2ゲームウェイト時間値によって、特図2変動表示ゲームの変動開始の判定は、次回のタイマ割込み処理の時になるが、先に飾り特図2再開コマンドを設定送信しておく。これは、演出制御装置300の処理周期が、遊技制御装置100より長いので、1割込み分の時間(4msec)は吸収できるためである。
〔特図2大当り終了処理(変形例)〕
前述の特図2ゲーム処理における特図2大当り終了処理(A3317)の変形例について説明する。図47は、変形例に係る特図2大当り終了処理の手順を示すフローチャートである。図47は、図35にステップS8717からS8720の処理を追加したものである。図47のステップA6801からA6816までの処理は図35と同じ内容であるため説明を省略する。
遊技制御装置100は、ステップA6816の後、特図1変動表示ゲームが中断中であるか否かを判定する(S8717)。特図1ゲーム中断フラグが設定されている場合に、特図1変動表示ゲームが中断中であると判定できる。特図1変動表示ゲームが中断中でない場合(S8717の結果が「N」)、RWM内において特図1ゲーム中断フラグを設定可能な特図1ゲーム中断フラグ領域をクリアし(S8720)、特図2大当り終了処理を終了する。
遊技制御装置100は、特図1変動表示ゲームが中断中である場合(S8717の結果が「Y」)、飾り特図1変動表示ゲームの再開を指示するための飾り特図1再開コマンドを演出コマンドとして準備し(S8718)、演出コマンド設定処理を実行する(S8719)。飾り特図1再開コマンドを受信した演出制御装置300は、飾り特図1変動表示ゲームの再開の処理を実行できる。その後、RWM内において特図2ゲーム中断フラグを設定可能な特図2ゲーム中断フラグ領域をクリアし(S8720)、特図2大当り終了処理を終了する。
特図1ゲーム中断フラグ領域をクリアすることにより、特図2変動表示ゲームの変動時間を計時する変動時間タイマ(特図2ゲーム処理タイマ)の計時(更新)が再開する(S8300の結果が「N」)。即ち、特図2ゲーム中断フラグが未設定の状態となり、中断されていた特図2変動表示ゲームが再開することになる。
なお、特図2大当り終了処理において、特図2ゲームウェイト時間値は設定されない。特図2ゲームウェイト時間値がなくても、次回のタイマ割込み処理(図6)内で、特図1変動表示ゲームと特図2変動表示ゲームが共に開始(再開)できるためである。
〔特図1小当り終了処理(変形例)〕
次に、特図1ゲーム処理における特図1小当り終了処理(A3218)の変形例について説明する。図48は、変形例に係る特図1小当り終了処理の手順を示すフローチャートである。図48は、図36にステップS8810からS8814の処理を追加したものである。図36のステップA7201からA7209までの処理は図36と同じ内容であるため説明を省略する。
遊技制御装置100は、高確率状態である場合(A7207の結果が「Y」)、又は、ステップA7209の後、特図2変動表示ゲームが中断中であるか否かを判定する(S8810)。特図2ゲーム中断フラグが設定されている場合に、特図2変動表示ゲームが中断中であると判定できる。特図2変動表示ゲームが中断中でない場合(S8810の結果が「N」)、特図2ゲーム中断フラグ領域をクリアし(S8813)、特図2ゲームウェイト時間値(8msec)を特図2ゲーム処理タイマ領域にセーブし(S8814)、特図1小当り終了処理を終了する。
遊技制御装置100は、特図2変動表示ゲームが中断中である場合(S8810の結果が「Y」)、飾り特図2変動表示ゲームの再開を指示するための飾り特図2再開コマンドを演出コマンドとして準備し(S8811)、演出コマンド設定処理を実行する(S8812)。飾り特図2再開コマンドを受信した演出制御装置300は、飾り特図2変動表示ゲームの再開の処理を実行できる。その後、特図2ゲーム中断フラグ領域をクリアし(S8813)、特図2ゲームウェイト時間値(8msec)を特図2ゲーム処理タイマ領域にセーブし(S8814)、特図1小当り終了処理を終了する。これにより、特図1変動表示ゲームによる小当り状態終了後の次回のタイマ割込み処理で、新たな特図1変動表示ゲームの開始と同時に特図2変動表示ゲームを再開できる。なお、ステップS8814の処理は、図36のステップA7210と同様の処理である。また、特図2ゲーム中断フラグ領域をクリアすることにより、中断されていた特図2変動表示ゲームが再開することになる。
〔特図2小当り終了処理(変形例)〕
次に、特図2ゲーム処理における特図2小当り終了処理(A3321)の変形例について説明する。図49は、変形例に係る特図2小当り終了処理の手順を示すフローチャートである。図49は、図37にステップS8911からS8814の処理を追加したものである。図37のステップA7301からA7210までの処理は図37と同じ内容であるため説明を省略する。
遊技制御装置100は、高確率状態である場合(A7308の結果が「Y」)、又は、ステップA7310の後、特図1変動表示ゲームが中断中であるか否かを判定する(S8911)。特図1ゲーム中断フラグが設定されている場合に、特図1変動表示ゲームが中断中であると判定できる。特図1変動表示ゲームが中断中でない場合(S8911の結果が「N」)、特図1ゲーム中断フラグ領域をクリアし(S8914)、特図2小当り終了処理を終了する。
遊技制御装置100は、特図2変動表示ゲームが中断中である場合(S8911の結果が「Y」)、飾り特図1再開コマンドを演出コマンドとして準備し(S8912)、演出コマンド設定処理を実行する(S8913)。飾り特図1再開コマンドを受信した演出制御装置300は、飾り特図2変動表示ゲームの再開の処理を実行できる。その後、特図2ゲーム中断フラグ領域をクリアし(S8914)、特図2小当り終了処理を終了する。なお、特図1ゲーム中断フラグ領域をクリアすることにより、中断されていた特図1変動表示ゲームが再開できる。
[演出制御装置の制御]
以下に、演出制御装置300が演出制御用プログラムによって実行する制御(処理)を説明する。なお、説明の都合上、演出制御装置300の制御は、遊技制御装置100の制御の上記の変形例(中断していた特図変動表示ゲームを再開する構成)に対応するものとして説明するが、特図変動表示ゲームを強制終了させる基本構成(変形例でない構成)の場合には、特図変動表示ゲームの中断再開に関する処理を省略してよい。
〔メイン処理(演出制御装置)〕
最初に、演出制御装置300によって実行されるメイン処理の詳細を説明する。図50は、演出制御装置300によって実行されるメイン処理(メインプログラム)の手順を示すフローチャートである。メイン処理は、遊技機10に電源が投入されると主制御用マイコン311(演出用マイコン)によって実行される。なお、演出制御装置300が実行する処理のフローチャートにおいて、ステップの符号(番号)は「B****」と表されている。
演出制御装置300は、メイン処理の実行が開始されると、まず、割込みを禁止する(B1001)。次にCPU311及びVDP312の初期設定を実行し(B1002、B1003)、割込みを許可する(B1004)。割込みが許可されると、遊技制御装置100から送信されたコマンドを受信するコマンド受信割込み処理を実行可能な状態となる。
次に、演出制御装置300は、表示装置41等に表示する表示用データの生成を許可し(B1005)、乱数生成に用いる乱数シードを設定する(B1006)。そして、初期化すべき領域に電源投入時の初期値をセーブする(B1007)。
続いて、演出制御装置300は、WDT(ウォッチドッグタイマ)をクリアする(B1008)。WDTは、上述したCPU初期設定(B1002)で起動され、CPU311が正常に動作しているかどうかを監視する。WDTが一定周期を経過してもクリアされない場合は、WDTがタイムアップしてCPU311がリセットされる。
次に、演出制御装置300は、遊技者による演出ボタン25の操作信号(演出ボタンスイッチ25a又はタッチパネル25bの信号)を検出したり、検出した信号に応じて演出内容(設定)を変更したりする演出ボタン入力処理を実行する(B1009)。続いて、遊技者によるLEDや液晶の輝度、音量の変更などの操作を受け付けるホール・遊技者設定モード処理を実行する(B1010)。そして、演出乱数などの乱数を更新するための乱数更新処理を実行し(B1011)、遊技制御装置100から受信した受信コマンドを解析して対応する受信コマンドチェック処理を実行する(B1012)。なお、受信コマンドチェック処理の詳細については、図51にて後述する。さらに、保留消化領域における変動中保留表示(消化中保留表示)の表示態様を変化させる変動中保留表示変化処理を実行する(B1013)。なお、変動中保留表示変化処理の詳細については、図61にて後述する。
次に、演出制御装置300は、表示装置41等に表示する内容に合わせて各種データの更新を行ったり、表示装置41に表示する描画を表示フレームバッファに設定したりする演出表示編集処理を実行する(B1014)。このとき設定される描画データは、フレーム周期1/30秒(約33.3msec)以内にVDP312が描画を完了することができるものであれば問題なく表示装置41の画像を更新することができる。そして、表示フレームバッファへの描画準備を完了させて描画コマンド準備終了設定を実行する(B1015)。
続いて、演出制御装置300は、フレーム切替タイミングであるか否かを判定する(B1016)。フレーム切替タイミングでない場合は(B1016の結果が「N」)、フレーム切替タイミングになるまでB1016の処理を繰り返し、フレーム切替タイミングである場合は(B1016の結果が「Y」)、表示装置41への画面描画を指示する(B1017)。本実施形態のフレーム周期は1/30秒なので、例えば1/60秒(フレーム周期の1/2)毎の周期的なVブランク(画像更新)が2回実行されるとフレームの切り替えが行われる。なお、1/60秒で画像を更新せず、さらに間隔を大きくしてもよい。
また、演出制御装置300は、スピーカ19から出力される音を制御するサウンド制御処理を実行する(B1018)。
また、演出制御装置300は、LED等からなる装飾装置(盤装飾装置46、枠装飾装置18)を制御する装飾制御処理を実行する(B1019)。装飾制御処理では、例えば、LED等の装飾装置の発光制御を実行する。
さらに、演出制御装置300は、モータ及びソレノイドで駆動される電動役物などの演出装置(盤演出装置44)を制御する可動体制御処理を実行する(B1020)。可動体制御処理では、例えば、ソレノイドを駆動して役物動作演出を実行する。
そして、演出制御装置300は、前述のB1020の処理を終えると、B1008の処理に戻る。以降、B1008からB1020までの処理を繰り返す。
〔受信コマンドチェック処理〕
次に、図51を参照して、前述したメイン処理(図50)における受信コマンドチェック処理(B1012)の詳細について説明する。図51は、演出制御装置300によって実行される受信コマンドチェック処理の手順を示すフローチャートである。
演出制御装置300は、まず、遊技制御装置100から受信したコマンド数をチェックするためにRAMのコマンド受信カウンタ領域のコマンド受信カウンタの値をコマンド受信数としてロードする(B1101)。そして、コマンド受信数が0でないか否かを判定する(B1102)。コマンド受信数が0である場合、すなわち、遊技制御装置100から受信したコマンドがない場合には(B1102の結果が「N」)、解析するコマンドがないので、受信コマンドチェック処理を終了する。
一方、演出制御装置300は、コマンド受信数が0でない場合、すなわち、遊技制御装置100からコマンドを受信している場合には(B1102の結果が「Y」)、コマンド受信カウンタ領域のコマンド受信カウンタ値をコマンド受信数分減算した後(B1103)、RAMの受信コマンドバッファの内容を解析用のコマンド領域にコピーする(B1104)。ここで、受信コマンドバッファはリングバッファなので、バッファ内の内容をコマンド領域にコピーする前にコマンド受信数を減算しても問題ない。また、コピー中に新たにコマンドを受信してもデータが上書きされることはない。
そして、演出制御装置300は、コマンド読出インデックスを0〜31の範囲で+1更新(1だけ加算)する(B1105)。受信コマンドバッファは受信したコマンドを32個まで保存できるよう構成されている。受信したコマンドは、コマンド読出インデックス0〜31の順に受信コマンドバッファに格納されており、ここではインデックス順に受信したコマンドを読み出して、解析用のコマンド領域にコピーする。なお、解析用のコマンド領域へのコピーが完了したタイミングで、読みだしたコマンド読出インデックスに対応する受信コマンドバッファの格納領域内はクリアされる。
演出制御装置300は、ステップB1101の処理にてロードしたコマンド受信数分のコマンドのコピーが完了したか否かを判定し(B1106)、コピーが完了していない場合は(B1106の結果が「N」)、ステップB1104からB1106の処理を繰り返す。
遊技制御装置100から送信されたコマンドを演出制御装置300が受信すると、受信コマンドバッファに受信したコマンドの内容が保存されると同時にコマンド受信カウンタ領域のコマンド受信カウンタ値が加算更新される。受信コマンドバッファには32個分のコマンドを保存することができるが、受信したコマンドの解析は、別途、解析用のコマンド領域で行われる。そして、解析用のコマンド領域に受信したコマンドの内容がコピーされると、受信コマンドバッファ及びコマンド受信カウンタ値はクリアされる。このように、受信コマンドバッファ内で直接解析を行わずに常に空き領域を確保しておくことで、コマンドの大量受信に備えることができる。
続いて、演出制御装置300は、コピーが完了した場合には(B1106の結果が「Y])、解析用のコマンド領域の受信したコマンド内容をロードし(B1107)、内容を解析する受信コマンド解析処理を実行する(B1108)。なお、受信コマンド解析処理の詳細については、図52にて後述する。また、解析用のコマンド領域のアドレスを更新する(B1109)。その後、ステップB1101の処理にてロードしたコマンド受信数分のコマンドの解析が完了したか否かを判定し(B1110)、解析が完了していない場合は(B1110の結果が「N」)、ステップB1107からB1110の処理を繰り返す。解析が完了した場合には(B1110の結果が「Y])、受信コマンドチェック処理を終了する。
〔受信コマンド解析処理〕
次に、図52を参照して、前述した受信コマンドチェック処理(図51)における受信コマンド解析処理(B1108)の詳細について説明する。図52は、演出制御装置300によって実行される受信コマンド解析処理の手順を示すフローチャートである。
演出制御装置300は、まず、受信したコマンドの上位バイトをMODE部、下位バイトをACTION部(ACT部)として分離する(B1201)。遊技制御装置100から演出制御装置300に送信されるコマンドは、MODE部(MODEコマンド)及びACTION部(ACTIONコマンド)によって構成されており、通常、コマンドの種類を示すMODE部から連続して送信される。従って、受信したコマンドの上位、下位はMODE部、ACTION部の順に構成される。
次に、演出制御装置300は、MODE部が正常範囲であるか否かを判定する(B1202)。すなわち、コマンドの種類を示すMODE部が取り得る値(種類を示すコマンド仕様として割り当てられた値)であるか否かを判定する。そして、MODE部が正常範囲である場合には(B1202の結果が「Y」)、同様にACTION部が正常範囲であるか否かを判定する(B1203)。すなわち、コマンドの内容(具体的な演出指示等)を示すACTION部が取り得る値(内容を示すコマンド仕様として割り当てられた値)であるか否かを判定する。そして、ACTION部が正常範囲である場合には(B1203の結果が「Y」)、さらに、MODE部に対するACTION部は正しい組み合せか否かを判定する(B1204)。すなわち、ACTION部の値が、MODE部によって特定される種類のコマンドが取り得る値であるのか否かを判定する。そして、正しい組み合せである場合には(B1204の結果が「Y」)、B1205以降の処理でコマンドの系統に応じたコマンド処理を実行する。
演出制御装置300は、まず、MODE部の値が変動系コマンドの範囲か否かを判定する(B1205)。なお、変動系コマンドは、飾り特別図柄の変動パターンを指令するコマンドであり、変動コマンド(図29のA5014とA5015)がある。そして、MODE部が変動系コマンドを表す場合には(B1205の結果が「Y」)、変動系コマンド処理を実行し(B1206)、受信コマンド解析処理を終了する。
演出制御装置300は、MODE部が変動系コマンドを表していない場合には(B1205の結果が「N」)、次に、MODE部が当り系コマンドの範囲か否かを判定する(B1207)。なお、当り系コマンドは、大当りや小当り中の演出に関する動作(ファンファーレ画面やラウンド画面の表示など)を指令するコマンドであり、例えば、ファンファーレコマンド、ラウンドコマンド、インターバルコマンド、エンディングコマンドなどである。そして、MODE部が当り系コマンドを表す場合には(B1207の結果が「Y」)、当り系コマンド処理を実行し(B1208)、受信コマンド解析処理を終了する。
演出制御装置300は、MODE部が当り系コマンドを表していない場合には(B1207の結果が「N」)、次に、MODE部が図柄系コマンドの範囲か否かを判定する(B1209)。なお、図柄系コマンドには、停止図柄パターンに対応する飾り特図1コマンドと飾り特図2コマンドがある。そして、MODE部が図柄系コマンドを表す場合には(B1209の結果が「Y」)、図柄系コマンド処理を実行し(B1210)、受信コマンド解析処理を終了する。
演出制御装置300は、MODE部が図柄系コマンドを表していない場合には(B1209の結果が「N」)、次に、MODE部が単発系コマンドの範囲か否かを判定する(B1211)。そして、MODE部が単発系コマンドを表す場合には(B1211の結果が「Y」)、単発系コマンド処理を実行し(B1212)、受信コマンド解析処理を終了する。
演出制御装置300は、MODE部が単発系コマンドを表していない場合には(B1211の結果が「N」)、次に、MODE部が先読み図柄系コマンドの範囲か否かを判定する(B1213)。先読み図柄系コマンドには、前述の先読み停止図柄コマンド(図14のA3111)がある。そして、MODE部が先読み図柄系コマンドを表す場合には(B1213の結果が「Y」)、先読み図柄系コマンド処理を実行し(B1214)、受信コマンド解析処理を終了する。
演出制御装置300は、MODE部が先読み図柄系コマンドを表していない場合には(B1213の結果が「N」)、次に、MODE部が先読み変動系コマンドの範囲か否かを判定する(B1215)。先読み変動系コマンドには、前述の先読み変動パターンコマンド(図14のA3115)がある。そして、MODE部が先読み変動系コマンドを表す場合には(B1215の結果が「Y」)、先読み変動系コマンド処理を実行し(B1216)、受信コマンド解析処理を終了する。
一方、演出制御装置300は、MODE部が先読み変動系コマンドを表していない場合には(B1215の結果が「N」)、予期しないコマンド(例えば、テストモード中のみ使用するコマンド)を受信した可能性があるので、受信コマンド解析処理を終了する。また、MODE部が正常範囲でない場合(B1202の結果が「N」)、ACTION部が正常範囲でない場合(B1203の結果が「N」)、もしくは、MODE部に対するACTION部が正しい組合せでない場合も(B1204の結果が「N」)、受信コマンド解析処理を終了する。
〔単発系コマンド処理〕
次に、図53を参照して、前述した受信コマンド解析処理(図52)における単発系コマンド処理(B1212)の詳細について説明する。図53Aは、演出制御装置300によって実行される単発系コマンド処理の前半部分の手順を示すフローチャートである。図53Bは、演出制御装置300によって実行される単発系コマンド処理の後半部分の手順を示すフローチャートである。
演出制御装置300は、まず、MODE部が遊技機の種類を示す機種指定コマンドを表すか否かを判定する(B1301)。そして、MODE部が機種指定コマンドを表す場合には(B1301の結果が「Y」)、遊技機の種類を設定する機種設定処理を実行し(B1302)、単発系コマンド処理を終了する。
演出制御装置300は、MODE部が機種指定コマンドを表していない場合には(B1301の結果が「N」)、次に、MODE部がRAM初期化のコマンドを表すか否かを判定する(B1303)。そして、MODE部がRAM初期化のコマンドを表す場合には(B1303の結果が「Y」)、RAM初期化の報知等を行うRAM初期化設定処理を実行し(B1304)、単発系コマンド処理を終了する。
演出制御装置300は、MODE部がRAM初期化のコマンドを表していない場合には(B1303の結果が「N」)、次に、MODE部が停電復旧時のコマンドを表すか否かを判定する(B1305)。そして、MODE部が停電復旧時のコマンドを表す場合には(B1305の結果が「Y」)、停電復旧設定処理を実行し(B1306)、単発系コマンド処理を終了する。なお、特図1変動表示ゲーム又は特図1変動表示ゲームが中断中である場合(RWMにバックアップされていた特図ゲーム中断フラグがある場合)には、停電復旧時のコマンドには、特図1変動表示ゲームが中断中であること又は特図2変動表示ゲームが中断中であることを示す中断中コマンド(中断中指令)が含まれる。
演出制御装置300は、MODE部が停電復旧時のコマンドを表していない場合には(B1305の結果が「N」)、次に、MODE部が客待ちデモコマンドを表すか否かを判定する(B1307)。そして、MODE部が客待ちデモコマンドを表す場合には(B1307の結果が「Y」)、客待ちデモ設定処理を実行し(B1308)、単発系コマンド処理を終了する。
演出制御装置300は、MODE部が客待ちデモコマンドを表していない場合には(B1307の結果が「N」)、次に、MODE部が飾り特図1保留数コマンドを表すか否かを判定する(B1309)。そして、MODE部が飾り特図1保留数コマンドを表す場合には(B1309の結果が「Y」)、特図1保留情報設定処理を実行し(B1310)、単発系コマンド処理を終了する。特図1保留情報設定処理は、第1始動記憶表示手段を構成し、特図1保留(第1始動記憶、特図1始動記憶)に対応する特図1保留表示620a(第1始動記憶表示)を表示装置41の第1表示部620に表示する設定を行う。
演出制御装置300は、MODE部が飾り特図1保留数コマンドを表していない場合には(B1309の結果が「N」)、次に、MODE部が飾り特図2保留数コマンドを表すか否かを判定する(B1311)。そして、MODE部が飾り特図2保留数コマンドを表す場合には(B1311の結果が「Y」)、特図2保留情報設定処理を実行し(B1312)、単発系コマンド処理を終了する。特図2保留情報設定処理は、第2始動記憶表示手段を構成し、特図2保留(第2始動記憶、特図2始動記憶)に対応する特図2保留表示630a(第2始動記憶表示)を表示装置41の第2表示部630に表示する設定を行う。
演出制御装置300は、MODE部が飾り特図2保留数コマンドを表していない場合には(B1311の結果が「N」)、次に、MODE部が確率情報コマンドを表すか否かを判定する(B1313)。そして、MODE部が確率情報コマンドを表す場合には(B1313の結果が「Y」)、確率情報設定処理を実行し(B1314)、単発系コマンド処理を終了する。
演出制御装置300は、MODE部が確率情報コマンドを表していない場合には(B1313の結果が「N」)、次に、MODE部がエラー/不正/打ち方系のコマンドを表すか否かを判定する(B1315)。なお、エラー/不正/打ち方系のコマンドとして、例えば、不正報知コマンド(A7606、A7703)、不正報知終了コマンド(A7611、A7707)、ゲート異常通過発生コマンド(A2414)、ゲート異常通過解除コマンド(A2418)、状態オフコマンド(A2504)、状態オンコマンド(A2507)、左打ち指示報知コマンド(A7503等)、右打ち指示報知コマンド(A2705等)がある。そして、MODE部がエラー/不正系/打ち方のコマンドを表す場合には(B1315の結果が「Y」)、エラーや不正の報知や、打ち方指示報知(左打ち指示報知、右打ち指示報知)や、それらの解除をするための警告設定処理を実行し(B1316)、単発系コマンド処理を終了する。
演出制御装置300は、MODE部がエラー/不正系/打ち方のコマンドを表していない場合には(B1315の結果が「N」)、次に、MODE部が演出モード切替用のコマンドを表すか否かを判定する(B1317)。そして、MODE部が演出モード切替用のコマンドを表す場合には(B1317の結果が「Y」)、演出モード切替設定処理を実行し(B1318)、単発系コマンド処理を終了する。
演出制御装置300は、MODE部が演出モード切替用のコマンドを表していない場合には(B1317の結果が「N」)、次に、MODE部が図柄停止用のコマンドを表すか否かを判定する(B1319)。なお、図柄停止用のコマンドとしては、飾り特図1停止コマンドと、飾り特図2停止コマンドがある。そして、MODE部が図柄停止用のコマンドを表す場合には(B1319の結果が「Y」)、正常なコマンドであるか否かを判定する(B1320)。正常なコマンドでない場合(B1320の結果が「N」)、単発系コマンド処理を終了する。
演出制御装置300は、正常なコマンドである場合(B1320の結果が「Y」)、対応する特図(飾り特図1又は飾り特図2)を停止させるための停止設定を行う(B1321)。そして、表示装置41の複数の変動表示領域の全ての特別図柄(識別情報)が停止したなら、遊技状態フラグを通常状態に設定し(B1322)、単発系コマンド処理を終了する。なお、遊技状態フラグは、他には、変動中、大当り中、小当り中などの状態を示すことができるフラグである。
演出制御装置300は、MODE部が図柄停止用のコマンドを表していない場合には(B1319の結果が「N」)、次に、MODE部が変動中断用のコマンドを表すか否かを判定する(B1323)。なお、変動中断用のコマンドは、前述の飾り特図1中断コマンド(図45のS8512)と飾り特図2中断コマンド(図44のS8414)である。そして、MODE部が変動中断用のコマンドを表す場合には(B1323の結果が「Y」)、変動中断設定処理を実行し(B1324)、単発系コマンド処理を終了する。
演出制御装置300は、MODE部が変動中断用のコマンドを表していない場合には(B1323の結果が「N」)、次に、MODE部が変動再開用のコマンドを表すか否かを判定する(B1325)。なお、変動再開用のコマンドは、前述の飾り特図1再開コマンド(図47のS8718)と飾り特図2再開コマンド(図46のS8618)である。そして、MODE部が変動中断用のコマンドを表す場合には(B1325の結果が「Y」)、変動再開設定処理を実行し(B1326)、単発系コマンド処理を終了する。
なお、変動中断用のコマンドを受信していなくても、特図1と特図2のうち一方の飾り特図変動表示ゲームの当り(大当り又は小当り)の演出に関する当り系コマンドを受信したら、他方の飾り特図変動表示ゲームの実行中であるか否かを演出制御装置300が自動的に判断して、変動中断設定処理とその後の変動再開設定処理を行う構成としても良い。
〔変動中断設定処理〕
次に、図54を参照して、前述した単発系コマンド処理(図53)における変動中断設定処理(B1324)の詳細について説明する。図54は、演出制御装置300によって実行される変動中断設定処理の手順を示すフローチャートである。
演出制御装置300は、まず、受信した変動中断用のコマンドが正常なコマンドであるか否かを判定する(B1401)。正常なコマンドでない場合(B1401の結果が「N」)、変動中断設定処理を終了する。正常なコマンドである場合(B1401の結果が「Y」)、電源投入時でのコマンドの受信であるか否かを判定する(B1402)。電源投入時でのコマンドの受信である場合(B1402の結果が「Y」)、受信したコマンド(飾り特図1中断コマンド又は飾り特図2中断コマンド)に対応して、飾り特図変動表示ゲームの中断中であることを示す飾り特図(特図1又は特図2)の中断中フラグをセットする(B1403)。
演出制御装置300は、電源投入時でのコマンドの受信でない場合(B1402の結果が「N」)、これから中断しようとする対象の図柄(飾り特図1又は飾り特図2)が変動中であるか否か、即ち、中断対象の図柄の変動表示ゲームの実行中であるか否かを判定する(B1404)。対象の図柄が変動中でない場合(B1404の結果が「N」)、変動中断設定処理を終了する。対象の図柄が変動中である場合(B1404の結果が「Y」)、受信した変動中断用のコマンドが飾り特図1中断コマンドであるか否かを判定する(B1405)。
演出制御装置300は、受信した変動中断用のコマンドが飾り特図1中断コマンドである場合(B1405の結果が「Y」)、飾り特図1の中断用変動表示を設定する(B1406)。例えば、表示装置41の表示画面(表示部)において、飾り特図1の変動表示が中央で大きく拡大表示(メイン表示、通常表示)されていたなら、隅に移動して小さく縮小表示されるような中断用変動表示を設定してよいし、通常よりも透明度の高い状態で表示する中断用変動表示を設定してもよい。続いて、飾り特図1変動表示ゲームの中断中であることを示す飾り特図1の中断中フラグをRAM等に設定する(B1407)。そして、低確率状態であるか否かを判定する(B1408)。
演出制御装置300は、低確率状態である場合(B1408の結果が「Y」)、飾り特図2変動表示ゲームの結果が大当りであるか否かを判定する(B1409)。飾り特図2変動表示ゲームの結果が大当りでない場合(B1409の結果が「N」)、表示装置41等で飾り特図1変動表示ゲームの中断を示唆するため、飾り特図1変動表示ゲームの中断用演出の表示設定を実行し(B1410)、変動中断設定処理を終了する。
演出制御装置300は、低確率状態でない場合(B1408の結果が「N」)、即ち、高確率状態である場合、飾り特図2変動表示ゲームの演出が表示装置41で優先的に表示されているため、飾り特図1変動表示ゲームの中断用演出の表示設定を行わず、変動中断設定処理を終了する。また、飾り特図2変動表示ゲームの結果が大当りである場合(B1409の結果が「Y」)、飾り特図2変動表示ゲームの大当りの演出を表示装置41で優先的に表示するため、飾り特図1変動表示ゲームの中断用演出の表示設定を行わず、変動中断設定処理を終了する。
一方、演出制御装置300は、受信した変動中断用のコマンドが飾り特図1中断コマンドでない場合(B1405の結果が「N」)、即ち、飾り特図2中断コマンドである場合、飾り特図2の中断用変動表示を設定する(B1411)。例えば、表示装置41の表示画面(表示部)において、飾り特図2の変動表示が中央で大きく拡大表示(メイン表示、通常表示)されていたなら、隅に移動して小さく縮小表示されるような中断用変動表示を設定してよいし、通常よりも透明度の高い状態で表示する中断用変動表示を設定してもよい。続いて、飾り特図2変動表示ゲームの中断中であることを示す飾り特図2の中断中フラグをRAM等に設定する(B1412)。そして、低確率状態であるか否かを判定する(B1413)。
演出制御装置300は、低確率状態でない場合(B1413の結果が「N」)、即ち、高確率状態の場合、飾り特図1変動表示ゲームの結果が大当りであるか否かを判定する(B1414)。飾り特図1変動表示ゲームの結果が大当りでない場合(B1414の結果が「N」)、表示装置41等で飾り特図2変動表示ゲームの中断を示唆するため、飾り特図2変動表示ゲームの中断用演出の表示設定を実行し(B1415)、変動中断設定処理を終了する。
演出制御装置300は、低確率状態である場合(B1413の結果が「Y」)、飾り特図1変動表示ゲームの演出が表示装置41で優先的に表示されているため、飾り特図2変動表示ゲームの中断用演出の表示設定を行わず、変動中断設定処理を終了する。また、飾り特図1変動表示ゲームの結果が大当りである場合(B1414の結果が「Y」)、飾り特図1変動表示ゲームの大当りの演出を表示装置41で優先的に表示するため、飾り特図2変動表示ゲームの中断用演出の表示設定を行わず、変動中断設定処理を終了する。
〔変動再開設定処理〕
次に、図55を参照して、前述した単発系コマンド処理(図53)における変動再開設定処理(B1326)の詳細について説明する。図55は、演出制御装置300によって実行される変動再開設定処理の手順を示すフローチャートである。
演出制御装置300は、まず、受信した変動再開用のコマンドが正常なコマンドであるか否かを判定する(B1501)。正常なコマンドでない場合(B1501の結果が「N」)、変動再開設定処理を終了する。正常なコマンドである場合(B1501の結果が「Y」)、受信した変動再開用のコマンドが飾り特図1再開コマンドであるか否かを判定する(B1502)。
演出制御装置300は、受信した変動再開用のコマンドが飾り特図1再開コマンドである場合(B1502の結果が「Y」)、飾り特図1の中断中フラグに基づいて、飾り特図1変動表示ゲームが中断中であるか否かを判定する(B1503)。飾り特図1変動表示ゲームが中断中でない場合(B1503の結果が「N」)、変動再開設定処理を終了する。
演出制御装置300は、飾り特図1変動表示ゲームが中断中である場合(B1503の結果が「Y」)、飾り特図1の中断中フラグをクリアする(B1504)。続いて、表示装置41において停電復旧表示(復旧画面)の表示中であるか否かを判定する(B1505)。停電復旧表示は、停電が復旧したことや停電復旧後の処理を行っていることを示唆する表示である。停電復旧表示の表示中である場合(B1505の結果が「Y」)、確率状態に応じた復旧用の飾り特図1の変動再開(復旧用の飾り特図1変動表示ゲームの再開)を設定する(B1506)。停電復旧表示の表示中でない場合(B1505の結果が「N」)、確率状態に応じた飾り特図1変動表示ゲームの再開(復旧用でない)を設定する(B1507)。
一方、演出制御装置300は、受信した変動再開用のコマンドが飾り特図1再開コマンドでない場合(B1502の結果が「N」)、即ち、飾り特図2再開コマンドである場合、飾り特図2の中断中フラグに基づいて、飾り特図2変動表示ゲームが中断中であるか否かを判定する(B1508)。飾り特図2変動表示ゲームが中断中でない場合(B1508の結果が「N」)、変動再開設定処理を終了する。
演出制御装置300は、飾り特図2変動表示ゲームが中断中である場合(B1508の結果が「Y」)、飾り特図2の中断中フラグをクリアする(B1509)。続いて、表示装置41において停電復旧表示(復旧画面)の表示中であるか否かを判定する(B1510)。停電復旧表示の表示中である場合(B1510の結果が「Y」)、確率状態に応じた復旧用の飾り特図2の変動再開(復旧用の飾り特図2変動表示ゲームの再開)を設定する(B1511)。停電復旧表示の表示中でない場合(B1510の結果が「N」)、確率状態に応じた飾り特図2変動表示ゲームの再開(復旧用でない)を設定する(B1512)。
ステップB1506、B1507、B1511、B1512の処理に関して、飾り特図変動表示ゲームの中断を始めた時と、再開する時では確率状態が変化している可能性がある。そのため、再開時は対象の図柄を優先表示をする確率状態かどうかで図柄の表示態様が異なる。例えば、低確率中に特図1変動表示ゲームが中断すると、表示装置41の隅に特図1の縮小図柄が変動を継続した状態で中断となるが、再開時にも低確率なら、特図1が表示装置41の中央で大きく優先表示された状態で再開する。再開時に高確率/時短状態なら、縮小図柄(縮小表示)のまま再開する。
〔先読み図柄系コマンド処理〕
次に、図56を参照して、前述した受信コマンド解析処理(図52)における先読み図柄系コマンド処理(B1214)の詳細について説明する。図56は、演出制御装置300によって実行される先読み図柄系コマンド処理の手順を示すフローチャートである。
演出制御装置300は、まず、最新保留情報が特図1保留(特図1始動記憶)の情報であるか否か、例えば、最新で受信した飾り特図保留数コマンドが飾り特図1保留数コマンドであるか否かを判定する(B1601)。最新保留情報が特図1保留の情報である場合(B1601の結果が「Y」)、先読み図柄系コマンド(先読み停止図柄コマンド)を特図1保留数に対応する特図1先読み図柄コマンド領域にセーブする(B1602)。
演出制御装置300は、最新保留情報が特図1保留の情報でない場合(B1601の結果が「N」)、即ち、最新で受信した飾り特図保留数コマンドが飾り特図2保留数コマンドである場合、先読み図柄系コマンド(先読み停止図柄コマンド)を特図2保留数に対応する特図2先読み図柄コマンド領域にセーブする(B1603)。
演出制御装置300は、ステップB1602とB1603の後、先読み変動系コマンドの受信待ちであることを示す先読み変動系コマンド受信待ちフラグを設定する(B1604)。これは、先読み図柄系コマンドと先読み変動系コマンドがセットになっているため、遊技制御装置100から先読み図柄系コマンドに続いて先読み変動系コマンドが送信されるためである。その後、先読み図柄系コマンド処理を終了する。
〔先読み変動系コマンド処理〕
次に、図57を参照して、前述した受信コマンド解析処理(図52)における先読み変動系コマンド処理(B1215)の詳細について説明する。図57は、演出制御装置300によって実行される先読み変動系コマンド処理の手順を示すフローチャートである。
演出制御装置300は、まず、先読み変動系コマンドの受信待ち中であるか否かを判定する(B1701)。前述の先読み変動系コマンド受信待ちフラグ(B1604)が設定されている場合、先読み変動系コマンドの受信待ち中であると判定できる。先読み変動系コマンドの受信待ち中でない場合(B1701の結果が「N」)、先読み変動系コマンド処理を終了する。先読み変動系コマンドの受信待ち中である場合(B1701の結果が「Y」)、先読み変動系コマンド受信待ちフラグをクリアする(B1702)。
次に、演出制御装置300(サブ基板)は、最新保留情報の図柄(特図1又は特図2)の保留数に対応する先読み変動MODE変換テーブルを設定し(B1703)、先読み変動系コマンドのMODE部に対応してサブ内先読み変動コマンドMODE部を取得する(B1704)。次に、先読み変動ACT変換テーブルを設定し(B1705)、先読み変動系コマンドのACTION部(ACT部)に対応するサブ内先読み変動コマンドACT部を取得する(B1706)。
次に、演出制御装置300は、変換後のMODE部とACT部(即ち、サブ内先読み変動コマンドMODE部とACT部)が共に0以外であるか否かを判定する(B1707)。なお、正常(有効)なコマンドであれば0以外に変換される。変換後のMODE部、ACT部が共に0以外である場合(B1707の結果が「Y」)、変換後のMODE部とACT部から構成される変換後のコマンドを最新保留情報、保留数に対応する先読み変動コマンド領域(特図1先読み変動コマンド領域又は特図2先読み変動コマンド領域)にセーブする(B1708)。そして、先読みコマンド整合チェック処理を実行して(B1709)、変換後のMODE部とACT部の組合せが正常であるか否か判定する(B1710)。
なお、保留が変動表示ゲームを開始するときの保留数によって、MODE部に対応する前半変動の時間が変化する。保留が変動表示ゲームを開始するときに、保留が他になければ長めの前半変動になり、新たに保留が発生して保留数が多ければ短めの前半変動となる。従って、前半変動の時間値が遷移しても、演出制御装置300の内部コマンドが同じに扱えるように、受信した先読み変動系コマンドのMODE部をサブ内先読み変動コマンドMODE部に変換しておく。
また、リーチの種類は保留数に関係ないため、サブ内先読み変動コマンドACT部に対応する後半変動は保留数に依存しない。しかし、同一系統のリーチにも種類があるため、仮に先読み変動系コマンドのACT部(後半変動の値)を変換せずに、演出制御装置300がそのまま使うと数が多くなりチェックが困難になる。例えば、ノーマルリーチにも、ノーマルリーチ−1停止はずれ、ノーマルリーチ+1停止はずれなどの種類が存在する。従って、同一系統のリーチを示すACT部を、同じサブ内先読み変動コマンドACT部に変換することで、数を減らし、先読みコマンド整合チェック処理等のチェック処理の負担を軽減する。
次に、演出制御装置300は、変換後のMODE部とACT部(即ち、サブ内先読み変動コマンドMODE部とACT部)の少なくとも一方が0である場合(B1707の結果が「N」)、又は、変換後のMODE部とACT部の組合せが正常でない場合(B1710の結果が「N」)、変換後のコマンドに異常があるとして、先読み変動系コマンド処理を終了する。
演出制御装置300は、変換後のMODE部とACT部の組合せが正常である場合(B1710の結果が「Y」)、最も新しく生じた最新保留がはずれであるか否かを判定する(B1711)。演出制御装置300は、最新保留が当りの場合(B1711の結果が「N」)、最新保留の特図変動表示ゲームが変動終了するまでの合計時間を算出する(B1712)。合計時間には、停止図柄の表示時間も含める。
次に、演出制御装置300は、最新保留の特図変動表示ゲームの変動終了時に、他方の飾り特図変動表示ゲームを中断させることになるか否かを判定する(B1713)。なお、最新保留が特図1保留であれば、他方の飾り特図変動表示ゲームは飾り特図2変動表示ゲームとなる。ここでは、例えば、算出した合計時間後に、他方の飾り特図変動表示ゲームが実行されていない場合や、他方の飾り特図変動表示ゲームがはずれ変動の場合、他方の飾り特図変動表示ゲームを中断させないと判定する。
演出制御装置300は、他方の飾り特図変動表示ゲームを中断させることになる場合(B1713の結果が「Y」)、中断保留に対する先読み演出の実行予定があるか否か判定する(B1714)。なお、中断保留は、中断される飾り特図変動表示ゲームに対応する保留である。また、実行予定があることには、先読み演出の実行中であることを含む。中断保留に対する先読み演出の実行予定がある場合(B1714の結果が「Y」)、中断保留の先読み演出が保留変化予告であるか否かを判定する(B1715)。
演出制御装置300は、中断保留の先読み演出が保留変化予告でない場合(B1715の結果が「N」)、中断保留の先読み演出に対する演出差し替えが間に合うか否か判定する(B1716)。先読み演出がすでに進行して強制的に終了させるには無理がある場合には、演出差し替えが間に合わないと判定する(差し替えを行わない)。演出差し替えが間に合う場合(B1716の結果が「Y」)、演出を差し替えるよう、変換後のコマンドを最新保留情報、保留数に対応する先読み変動コマンド領域にセーブする(B1717)。
演出制御装置300は、最新保留がはずれである場合(B1711の結果が「Y」)、他方の飾り特図変動表示ゲームを中断させることにならない場合(B1713の結果が「N」)、中断保留に対する先読み演出の実行予定がない場合(B1714の結果が「N」)、中断保留の先読み演出は保留変化予告である場合(B1715の結果が「Y」)、演出差し替えが間に合わない場合(B1716の結果が「N」)、演出を差し替えず、直接、ステップB1718の処理に移行する。
次に、演出制御装置300は、先読み対象の保留情報(最新保留の情報)を先読み変動コマンド領域からロードし(B1718)、最新保留の先読み演出に関する先読み抽選処理を実行する(B1719)。続いて、最新保留の先読み予告演出が発生するか否かを判定する(B1720) 。最新保留の先読み予告演出が発生する場合(B1720の結果が「Y」)、発生する先読み予告演出が直ちに開始する演出であるか否か判定する (B1721)。直ちに開始する演出には、例えば、保留変化予告がある。発生する先読み予告演出が直ちに開始する演出である場合(B1721の結果が「Y」)、選出された先読み演出に対応する表示を設定する(B1722)。そして、先読み変動系コマンド処理を終了する。
一方、演出制御装置300は、最新保留の先読み予告演出が発生しない場合(B1720の結果が「N」)、又は、発生する先読み予告演出が直ちに開始する演出でない場合(B1721の結果が「N」)、そのまま。先読み変動系コマンド処理を終了する。
〔図柄系コマンド処理〕
次に、図58を参照して、前述した受信コマンド解析処理(図52)における図柄系コマンド処理(B1210)の詳細について説明する。図58は、演出制御装置300によって実行される図柄系コマンド処理の手順を示すフローチャートである。
演出制御装置300は、受信した図柄系コマンド(飾り特図1コマンド又は飾り特図2コマンド)のMODE部に対応する特図種別を設定する(B1801)。特図種別は、特図1又は特図2である。そして、図柄系コマンドのMODE部とACTION部(ACT部)の組合せに対応する図柄種別を設定し、RAM等の所定領域にセーブする(B1802)。ここで、特図1と特図2では、図柄の振分け割合が変わるので、MODE毎にテーブルを使用して、図柄種別を設定する。なお、本実施形態では、図柄種別は、前述のはずれ図柄、2R確変図柄、4R確変図柄、8R確変図柄、16R確変図柄である。
〔変動系コマンド処理〕
次に、図59を参照して、前述した受信コマンド解析処理(図52)における変動系コマンド処理(B1206)の詳細について説明する。図59は、演出制御装置300によって実行される変動系コマンド処理の手順を示すフローチャートである。
演出制御装置300は、受信した変動系コマンド(変動コマンド)の特図種別(特図1又は特図2)が未確定であるか否かを判定する(B1901)。特図種別が未確定である場合(B1901の結果が「Y」)、変動系コマンド処理を終了する。特図種別が未確定でない場合(B1901の結果が「N」)、受信した変動系コマンドと図柄系コマンドの組合せをチェックし(B1902)、変動系コマンドと図柄種別が不整合であるか否かを判定する(B1903)。ここで、不整合とは、はずれの変動系コマンドを受信したのに確変図柄の図柄系コマンドを受信していた場合など、演出を行う上で矛盾してしまうことである。変動系コマンドと図柄種別が不整合である場合(B1903の結果が「Y」)、変動系コマンド処理を終了する。
演出制御装置300は、変動系コマンドと図柄種別が不整合でない場合(B1903の結果が「N」)、変動系コマンド(変動コマンド)から変動パターン種別を判別し(B1904)、変動中の演出を設定する変動演出設定処理を実行する(B1905)。なお、同じ変動系コマンドに対して、複数の演出が存在する。続いて、遊技状態(P機状態)を示す遊技状態フラグに特図変動中を設定し(B1906)、連続演出等の先読み演出回数が0でなければ−1更新する(B1907)。
〔変動演出設定処理〕
次に、図60を参照して、前述した変動系コマンド処理(図59)における変動演出設定処理(B1905)の詳細について説明する。図60は、演出制御装置300によって実行される変動演出設定処理の手順を示すフローチャートである。
演出制御装置300は、まず、変動パターン種別が、リーチなし変動(リーチ状態にならない変動)であるか否かを判定する(B2001)。変動パターン種別がリーチなし変動である場合(B2001の結果が「Y」)、機種コード、特図種別、演出モードに対応する前半予告振分グループアドレステーブルを設定し(B2002)、変動系コマンド(変動コマンド)のMODE部と特図種別の保留数に対応する前半予告振分グループテーブルのアドレスを取得する(B2003)。リーチなし変動の場合、保留数が多いほど変動時間が短縮されるため、保留数に対応するテーブルのアドレスを取得している。
演出制御装置300は、変動パターン種別がリーチなし変動でない場合(B2001の結果が「N」)、即ち、リーチあり変動である場合、機種コード、特図種別、演出モード、図柄種別に対応する前半予告振分グループアドレステーブルを設定し(B2004)、変動系コマンド(変動コマンド)のMODE部と変動パターン種別に対応する前半予告振分グループテーブルのアドレスを取得する(B2005)。
演出制御装置300は、ステップB2003、B2005の後、前半変動中(リーチ前)に出現する予告の抽選を行う(B2006)。続いて、機種コード、特図種別、演出モード、図柄種別に対応する後半予告振分グループアドレステーブルを設定し(B2007)、変動系コマンドのACT部に対応する後半予告振分グループテーブルのアドレスを取得し(B2008)、後半変動中(リーチ中)に出現する予告の抽選を行う(B2009)。その後、変動系コマンド(変動コマンド)のMODE部、ACT部に対応する変動演出の内容を決定する(B2010)。なお、変動系コマンドから変動時間や主なリーチ内容などがわかる。
次に、演出制御装置300は、予告の抽選結果に対応する演出(予告演出)の内容を決定する(B2011)。その後、リーチ演出等の変動演出や予告演出の内容に応じて、飾り特図変動表示ゲームの停止図柄を決定する(B2012)。ここで、はずれ図柄の場合にばらけ目を決定するなど、飾り停止図柄を具体的に決定する
続いて、演出制御装置300は、表示装置41において停電復旧表示(復旧画面)の表示中であるか否かを判定する(B2013)。停電復旧表示の表示中でない場合(B2013の結果が「N」)、ステップB2015の処理に移行する。停電復旧表示の表示中である場合(B2013の結果が「Y」)、今回の変動が、メイン表示となっている図柄に関するものであるか否かを判定する(B2014)。なお、今回の変動とは、今回の変動系コマンドにより実行される飾り特図変動表示ゲームである。例えば、飾り特図1の変動表示が表示装置41の中央で大きく拡大表示(通常表示)されている場合に、特図1がメイン表示となっている。
演出制御装置300は、今回の変動がメイン表示となっている図柄に関するものである場合(B2014の結果が「Y」)、変動演出の表示設定を行い(B2015)、予告演出の表示設定を行う(B2016)。続いて、スピーカによる演出態様を定める音声番号、装飾装置の演出動作を定める装飾番号を設定する(B2017)。
次に、演出制御装置300は、特図種別に対応する保留減少の表示設定を行う(B2018)。ここで、演出制御装置300は、保留表示の表示位置を隣の表示位置に変更する保留シフトに関する表示設定を行うとともに、保留シフト時に発生する変動中保留表示(消化中保留表示)の表示態様(色、大きさ、形状、配置等の形態)の表示設定を行う。
即ち、演出制御装置300は、特図1保留(第1始動記憶)に基づく特図1変動表示ゲームが開始されるときには、第1表示部620において各特図1保留表示620aの表示位置を隣の表示位置に変更する保留シフト(図63も参照)に関する表示設定を行う。さらに、演出制御装置300は、第1表示部620の端に位置する一つの特図1保留表示620aを第1表示部620から消去して、消去した特図1保留表示620aに対応する特図1変動中保留表示620b(特図1消化中保留表示)を保留消化領域640(特定表示部、変動中保留表示領域)に所定の態様で表示する表示設定を行う(特図1保留表示620aの保留消化領域640への保留シフト)。第1表示部620の端に位置する特図1保留表示620aは、第1表示部620から保留消化領域640に移動するように見える。特図1変動中保留表示620b(第1報知画像、第1報知表示)は、特図1変動表示ゲームが実行中であることを報知する。
また、演出制御装置300は、特図2保留(第2始動記憶)に基づく特図2変動表示ゲームが開始されるときには、第2表示部630において各特図2保留表示630aの表示位置を隣の表示位置に移動する保留シフト(図63も参照)に関する表示設定を行う。さらに、演出制御装置300は、第2表示部630の端に位置する一つの特図2保留表示630aを第2表示部630から消去して、消去した特図2保留表示630aに対応する特図2変動中保留表示630b(特図2消化中保留表示)を保留消化領域640(特定表示部、変動中保留表示領域)に所定の態様で表示する表示設定を行う(特図2保留表示630aの保留消化領域640への保留シフト)。第2表示部630の端に位置する特図2保留表示630aは、第2表示部630から保留消化領域640に移動するように見える。特図2変動中保留表示630b(第2報知画像、第2報知表示)は、特図2変動表示ゲームが実行中であることを報知する。
次に、演出制御装置300は、特図種別に対応する飾り特図変動の表示設定を行い(B2019)、表示装置41で変動する前述の第一から第三の特別図柄以外に第四特別図柄(第4図柄)がある場合に、特図種別に対応する第4図柄変動の表示設定を行う(B2020)。なお、第4図柄変動は、表示装置41及び表示装置41以外のLED(ランプ表示装置80)で表示されるものでもよい。
一方、演出制御装置300は、停電復旧表示の表示中である場合(B2013の結果が「Y」)、且つ、今回の変動がメイン表示となっている図柄に関するものでない場合(B2014の結果が「N」)、即ち、今回の変動が、表示装置41の隅で縮小表示された図柄に関するものである場合に、派手な演出を行わないよう変動演出や予告演出等の設定(B2015からB2017の処理)を行わずに、ステップB2018の処理に移行する。
〔変動中保留表示変化処理〕
次に、図61を参照して、前述したメイン処理(図50)における変動中保留表示変化処理(B1013)の詳細について説明する。図61は、演出制御装置300によって実行される変動中保留表示変化処理の手順を示すフローチャートである。
演出制御装置300は、まず、特図1変動中であるか否か、即ち、特図1変動表示ゲームが実行中の状態であるか否かを判定する(B2201)。特図1変動中であるか否かは、特図種別(B1901)と遊技状態フラグ(B1906)から判定できる。特図1変動中である場合に(B2201の結果が「Y」)、特図2変動中であるか否か、即ち、特図2変動表示ゲームが実行中の状態であるか否かを判定する(B2202)。特図1変動中であるが特図2変動中でない場合に(B2202の結果が「N」)、特図1変動中保留表示620bの表示態様を変化させず現状のまま維持して設定する(B2203)。なお、特図1変動中保留表示620bは、特図1変動表示ゲームが実行中であることを報知する第1報知画像として構成される。また、ここで、特図2変動中保留表示630bは表示されない。なお、演出等のため特図1変動中保留表示620bの表示態様を変化させる構成も可能である。
演出制御装置300は、特図1変動中でない場合に(B2201の結果が「N」)、特図2変動中であるか否か、即ち、特図2変動表示ゲームが実行中の状態であるか否かを判定する(B2204)。特図2変動中であるか否かは、特図種別(B1901)と遊技状態フラグ(B1906)から判定できる。特図1変動中でなく特図2変動中である場合に(B2204の結果が「Y」)、特図2変動中保留表示630bの表示態様を変化させず現状のまま維持して設定する(B2205)。なお、特図2変動中保留表示630bは、特図2変動表示ゲームが実行中であることを報知する第2報知画像として構成される。また、ここで、特図1変動中でないため、特図1変動中保留表示620bは表示されない。なお、演出等のため特図2変動中保留表示630bの表示態様を変化させる構成も可能である。
演出制御装置300は、特図2変動中でない場合に(B2204の結果が「N」)、特図1変動中でもないため、特図1変動中保留表示620bも特図2変動中保留表示630bも表示しない(B2206)。
演出制御装置300は、特図1変動中且つ特図2変動中である場合に(B2202の結果が「Y」)、特図1変動表示ゲームの残りの変動時間である特図1残り変動時間を算出
し(B2207)、特図2変動表示ゲームの残りの変動時間である特図2残り変動時間を算出する(B2208)。なお、特図変動表示ゲームの全体の変動時間は、変動系コマンド(変動コマンド)或は変動パターン種別からわかるため、変動系コマンド受信からの経過時間を全体の変動時間から減算すれば、残りの変動時間が算出できる。
次に、演出制御装置300は、特図1残り変動時間と特図2残り変動時間に対応して、特図1変動中保留表示620bと特図2変動中保留表示630bの表示態様を変更設定する(B2209)。これにより、特図1残り変動時間と特図2残り変動時間に応じて、特図1変動中保留表示620b及び特図2変動中保留表示630b、さらには全体の変動中保留表示680(特図1変動中保留表示620bと特図2変動中保留表示630bを組合せたもの)の態様が変化することになる(図65、図67も参照)。従って、特図1残り変動時間と特図2残り変動時間が視覚的に認識できる。
〔表示画面のレイアウト例〕
図62Aと図62Bは、表示装置41の表示画面のレイアウト例(表示態様例)を示す図である。
図62A(I)では、表示装置41の表示画面の中央には、複数の変動表示領域610(左領域610a、右領域610b、中領域610c)が設けられ、左領域610aでは第一特別図柄、右領域610bでは第二特別図柄、中領域610cでは第三特別図柄が拡大表示(メイン表示、通常表示)で変動表示される。また、同様に、表示装置41の表示画面の右下隅の変動表示領域615において、三つの飾り縮小図柄(飾り特別図柄より小さい特別図柄)が変動表示(縮小表示)される。演出制御装置300は、飾り特別図柄(飾り特図)の変動の拡大表示と縮小表示の設定を、例えば、変動演出設定処理のステップB2019で実行できる。
通常遊技状態(低確率状態)では、図62A(I)のように、特図1変動表示ゲームの飾り特別図柄(飾り特図1)の変動表示が、表示画面の中央の変動表示領域610で拡大表示(メイン表示、通常表示)され、特図2変動表示ゲームの飾り特別図柄(飾り特図2)の変動表示が、表示画面の右下隅の変動表示領域615で縮小表示(サブ表示)される。なお、高確率状態では、逆に、図62B(III)のように、特図2変動表示ゲームの飾り特別図柄の変動表示が、表示画面の中央の変動表示領域610で拡大表示され、特図1変動表示ゲームの飾り特別図柄の変動表示が、表示画面の左下隅の変動表示領域611で縮小表示されてもよい。
特図1変動表示ゲームと特図2変動表示ゲームの一方がリーチ状態となった場合に、当該一方の変動表示ゲームの変動表示を、表示画面の中央の変動表示領域610で拡大表示し、他方の変動表示ゲームの変動表示を、変動表示領域611又は変動表示領域615で縮小表示してもよい。また、特図1変動表示ゲームと特図2変動表示ゲームのうち先に変動停止(終了)する一方の変動表示ゲームの変動表示を、表示画面の中央の変動表示領域610で拡大表示し、他方の変動表示ゲームの変動表示を、変動表示領域611又は変動表示領域615で縮小表示してもよい。また、表示画面の中央でムービー系のリーチ演出などが行われる場合に、変動表示領域610で実行されていた変動表示ゲームの拡大表示に代えて、変動表示領域611又は変動表示領域615において縮小表示されてよい。
特図1変動表示ゲームの飾り特別図柄と、特図2変動表示ゲームの飾り特別図柄は、相似形でも良いし、全く異なるものでもよい。全く異なる場合には、特図1変動表示ゲームと特図2変動表示ゲームの変動表示を明確に区別でき、遊技者は混乱しない。
また、図62A(II)では、特図1変動表示ゲームと特図2変動表示ゲームの変動表示が、並列的に、それぞれ表示画面の中央左側の変動表示領域610と中央右側の変動表示領域616に表示される。変動表示領域610と変動表示領域616は、同じ大きさでよい。なお、特図1変動表示ゲームと特図2変動表示ゲームの変動表示の流れる方向(スクロール方向)を、一方を縦方向に他方を横方向に設定して、特図1変動表示ゲームと特図2変動表示ゲームを区別し易くしてもよい。
なお、演出制御装置300は、演出ボタン入力処理(B1009)やホール・遊技者設定モード処理(B1010)において、遊技者による演出ボタン25(操作部)の操作(演出ボタンスイッチ25aへの入力)に対応して、図62A(I)又は図62B(III)の変動表示ゲームの表示態様(拡大表示と縮小表示によるもの)と、図62A(II)の変動表示ゲームの表示態様(同じ大きさの2つの表示によるもの)を切り換えてもよい。
表示装置41の表示画面の下部には、特図1保留(第1始動記憶)に対応する特図1保留表示620aを表示する第1表示部620(第1保留表示部)と、特図2保留(第2始動記憶)に対応する特図2保留表示630aを表示する第2表示部630(第2保留表示部)と、が設けられる。また、表示画面の下部で、第1表示部620と第2表示部630の間において、特図1変動中保留表示620b及び/又は特図2変動中保留表示630bを表示可能な保留消化領域640(特定表示部、変動中保留表示領域)が設けられる。特図1変動中保留表示620b(第1報知画像)は、特図1変動表示ゲームが実行中であることを報知し、特図2変動中保留表示630b(第2報知画像)は、特図2変動表示ゲームが実行中であることを報知する。なお、特図1変動中保留表示620bは第1表示部620側に表示され、特図2変動中保留表示630bは第2表示部630側に表示される。また、特図1変動中保留表示620bと特図2変動中保留表示630bに対応する領域をそれぞれ第1報知部と第2報知部と呼んでもよい。
第1表示部620と第2表示部630の間に保留消化領域640(特定表示部)が設けられるため、遊技者は、特図1変動中保留表示620b及び/又は特図2変動中保留表示630bと、特図1保留表示620a及び/又は特図2保留表示630aとを、一度に確認することが容易になり、特図1保留と特図2保留の発生状況と消化状況(保留に基づく変動表示ゲームの実行状況)とを同時に確認できる。
図62A(II)では、特図1保留表示620aを表示する第1表示部620は、特図1変動表示ゲームを表示する中央左側の変動表示領域610と対向し、特図2保留表示630aを表示する第2表示部630は、特図2変動表示ゲームを表示する中央右側の変動表示領域616と対向する。これにより、特図1保留と特図2保留の発生状況と消化状況(保留に基づく変動表示ゲームの実行状況)とを確認し易くなる。
また、特図1変動中保留表示620bと特図2変動中保留表示630bの組合せは、全体でまとまった形状の変動中保留表示680となる。変動中保留表示680は、特図1変動表示ゲームと特図2変動表示ゲームが共に実行中の状態であることを報知可能な報知表示(報知画像)となる。変動中保留表示680は、特図1変動表示ゲームと特図2変動表示ゲームの両方に対応する表示であるため、遊技者は、変動中保留表示680を一瞬見るだけで、特図1変動表示ゲームと特図2変動表示ゲームが共に実行中の状態であることを簡単に認識できる。
変動中保留表示680は、特図1変動中保留表示620b(第1報知画像)と特図2変動中保留表示630b(第2報知画像)を関連付けた態様で含む。例えば、変動中保留表示680は、特図1変動中保留表示620bと特図2変動中保留表示630bを対向させ結合(接続)又は隣接させた表示態様(形態)や、特図1変動中保留表示620bと特図2変動中保留表示630bのうちの一方を他方の内部に包含させたような表示態様(形態)を有する。従って、遊技者は、特図1変動中保留表示620bと特図2変動中保留表示630bが関連付けられていない場合よりも、変動中保留表示680を見易くなり、特図1変動表示ゲームと特図2変動表示ゲームが共に実行中の状態であるか否かをすぐに判断できる。
表示装置41の表示画面の一方の側(ここでは左側)には、特図1保留(第1始動記憶)の数を表示する特図1保留数表示650(第1始動記憶数表示)と、特図2保留(第2始動記憶)の数を表示する特図2保留数表示660(第2始動記憶数表示)が表示される。なお、特図1保留数表示650と特図2保留数表示660は、区別し易くなるよう互いに態様(色や形状)が重複しないようにしてよい。
特図1変動中保留表示620bとは別に、特図1変動表示ゲームが実行中であることを報知可能な第1所定画像675が、特図1保留数表示650に対向して表示される。特図2変動中保留表示630bとは別に、特図2変動表示ゲームが実行中であることを報知可能な第2所定画像676が、特図2保留数表示660に対向して表示される。従って、遊技者は、特図1保留数表示650と第1所定画像675を同時に見ることができ、特図1保留の発生状況と消化状況とを同時に確認できるし、特図2保留数表示660と第2所定画像676を同時に見ることができ、特図2保留の発生状況と消化状況とを同時に確認できる。
例えば、第1所定画像675は、特図1変動表示ゲームが実行中である場合には、記号「○」や数字「1」であるが、特図1変動表示ゲームが実行中でない場合には、記号「×」や数字「0」に変化する。同様に、第2所定画像676は、特図2変動表示ゲームが実行中である場合には、記号「○」や数字「1」であるが、特図2変動表示ゲームが実行中でない場合には、記号「×」や数字「0」に変化する。なお、第1所定画像675と第2所定画像676は、区別し易くなるよう互いに態様(色や形状)が重複しないようにしてよい。
また、図62Bのように、特図1変動表示ゲームの第四特別図柄671(第4図柄)と特図2変動表示ゲームの第四特別図柄672(第4図柄)は、表示装置41の表示画面外のランプ表示装置80(LED)で表示される以外に、表示装置41の表示画面中に表示してもよい。第4図柄は、例えば図62B(III)のように、はずれ図柄と大当り図柄を交互に表示することにより変動表示し、はずれの場合にはずれ図柄で停止し、大当りの場合に大当り図柄で停止する。また、第4図柄は、例えば図62B(IV)のように、3つの図柄を変動表示し、はずれの場合にはずれ図柄で停止し、大当りの場合に大当り図柄で停止してよい。
〔画面遷移〕
図63A−図63Cは、表示装置41の表示画面を時系列で示した画面遷移図である。
図63Aの(ア)は、特図1変動表示ゲームを開始する直前の表示画面である。変動表示領域610には、前回の特図1変動表示ゲームのはずれ停止図柄が表示されている。なお、変動表示領域615において、特図2変動表示ゲームは実行中(変動中)の状態であり、保留消化領域640では、特図2変動中保留表示630bだけが表示されている。第1所定画像675は、特図1変動表示ゲームが停止中であることを示す記号「×」となっており、第2所定画像676は、特図2変動表示ゲームは実行中(変動中)であることを示す記号「○」になっている。また、特図1保留数表示650は、現在の特図1保留の数「4」を表示し、特図2保留数表示660は、現在の特図2保留の数「3」を表示する。
(イ)は、表示画面中央の変動表示領域610で、メイン表示として特図1変動表示ゲームを開始するタイミングでの表示画面である。第1表示部620において、各特図1保留表示620aは、右隣の特図1保留表示620aの表示位置に移動する(保留シフト)。さらに、第1表示部620の右端に位置する特図1保留表示620aを第1表示部620から保留消化領域640に移動する(保留シフト)。即ち、第1表示部620の右端の特図1保留表示620aを第1表示部620から消去して、消去した特図1保留表示620aに対応する特図1変動中保留表示620bを保留消化領域640に表示する。なお、消去した特図1保留表示620aとこれに対応する特図1変動中保留表示620bは、形状の一部を同じか相似にし、色を同じにしてよい。
保留消化領域640では、特図1変動中保留表示620bと特図2変動中保留表示630bが組み合わされた円状の変動中保留表示680が表示されている(B2018)。特図1保留数表示650は、1だけ減少した特図1保留の数「3」を表示し、第1所定画像675は、特図1変動表示ゲームは実行中であることを示す記号「○」に変化する。
なお、演出制御装置300によって、第1表示部620の特図1保留表示620aと第2表示部630の特図2保留表示630aとは互いに色が異なり、保留消化領域640における特図1変動中保留表示620bと特図2変動中保留表示630bも互いに色が異なるように設定されている。従って、遊技者は、特図1保留表示620aと特図2保留表示630aを混同しないし、特図1変動中保留表示620bと特図2変動中保留表示630bを混同しない。また、特図1保留表示620aの一つ(縞状で示す)は、保留変化予告(B1722の先読み演出)によって、他の特図1保留表示620aとは色が異なり期待度が高いことを示している。
その後、(ウ)では、特図1変動表示ゲームの残りの変動時間(特図1残り変動時間)と特図2変動表示ゲームの残りの変動時間(特図2残り変動時間)に対応して、特図1変動中保留表示620bと特図2変動中保留表示630bの表示態様(形態)が変更される(B2209)。ここでは、特図2残り変動時間が特図1残り変動時間よりも短いため、円状の変動中保留表示680において特図2変動中保留表示630bの領域(面積)が減少し、特図1変動中保留表示620bの領域(面積)が増加して、特図2変動表示ゲームの終了(変動停止)が近いことを示している。なお、演出制御装置300は、特図1変動中保留表示620bと特図2変動中保留表示630bの領域(面積)の比率を、特図2残り変動時間と特図1残り変動時間の比率に基づいて設定してよい。
その後、(エ)では、特図2変動表示ゲームが終了(変動停止)し、変動表示領域615には、特図2変動表示ゲームのはずれ停止図柄が表示されている。保留消化領域640では、特図1変動中保留表示620bだけが表示されている。第2所定画像676は、特図2変動表示ゲームが停止中であることを示す記号「×」となっている。
(オ)は、その後、表示画面右下隅の変動表示領域615で、縮小表示として特図2変動表示ゲームを開始するタイミングでの表示画面である。第2表示部630において、各特図2保留表示630aは、左隣の特図2保留表示630aの表示位置に移動する(保留シフト)。さらに、第2表示部630の左端に位置する特図2保留表示630aを第2表示部630から保留消化領域640に移動する(保留シフト)。即ち、第2表示部630の左端の特図2保留表示630aを第2表示部630から消去して、消去した特図2保留表示630aに対応する特図2変動中保留表示630bを保留消化領域640に表示する。なお、消去した特図2保留表示630aとこれに対応する特図2変動中保留表示630bは、形状の一部を同じか相似にし、と色を同じにしてよい。
保留消化領域640では、特図1変動中保留表示620bと特図2変動中保留表示630bが組み合わされた円状の変動中保留表示680が表示されている(B2018)。特図2保留数表示660は、1だけ減少した特図2保留の数「2」を表示し、第2所定画像676は、特図2変動表示ゲームは実行中であることを示す記号「○」に変化する。
その後、(カ)では、特図1残り変動時間と特図2残り変動時間に対応して、特図1変動中保留表示620bと特図2変動中保留表示630bの表示態様(形態)が変更される(B2209)。ここでは、特図1残り変動時間が特図2残り変動時間よりも短いため、円状の変動中保留表示680において、特図1変動中保留表示620bの領域(面積)が減少し、特図2変動中保留表示630bの領域(面積)が増加して、特図1変動表示ゲームの終了(変動停止)が近いことを示している。
その後、図63Bの(キ)では、特図1変動表示ゲームが終了(変動停止)し、変動表示領域610には、特図1変動表示ゲームのはずれ停止図柄が表示されている。保留消化領域640では、特図2変動中保留表示630bだけが表示されている。第1所定画像675は、特図1変動表示ゲームが停止中であることを示す記号「×」となっている。
(ク)は、表示画面中央の変動表示領域610で、メイン表示として特図1変動表示ゲームを開始するタイミングでの表示画面である。(イ)と同様に、第1表示部620と保留消化領域640において、保留シフトが実行される。特図1保留数表示650は、1だけ減少した特図1保留の数「2」を表示し、第1所定画像675は、特図1変動表示ゲームは実行中であることを示す記号「○」に変化する。
その後、(ケ)では、(ウ)と同様に、円状の変動中保留表示680において特図2変動中保留表示630bの領域(面積)が減少し、特図1変動中保留表示620bの領域(面積)が増加して、特図2変動表示ゲームの終了(変動停止)が近いことを示している。
その後、(コ)では、表示画面右下隅の変動表示領域615において特図2変動表示ゲームの結果が小当り結果態様となり、小当り状態が発生している。特図1変動表示ゲームの変動中に、特図2変動表示ゲームが小当り結果になるため、特図1変動表示ゲームがはずれ結果で強制的に変動終了(強制終了)する。表示画面中央では、特図1変動表示ゲームのはずれ停止図柄の表示の後に、小当り状態の演出等が表示される。保留消化領域640では、特図1変動中保留表示620bと特図2変動中保留表示630bのいずれも表示されない(消去される)。第1所定画像675は特図1変動表示ゲームが停止中であることを示す記号「×」になり、第2所定画像676は、特図2変動表示ゲームが停止中であることを示す記号「×」になっている。なお、(コ)では、特図2変動表示ゲームの結果が小当り結果態様となる状況を示すが、大当り結果態様となる状況も同様である。なお、同様に、特図2変動表示ゲームの変動中に、特図1変動表示ゲームが小当り結果や大当り結果になって特図2変動表示ゲームがはずれ結果で強制的に変動終了(強制終了)する場合にも、特図1変動中保留表示620bと特図2変動中保留表示630bのいずれも表示されない(消去される)。
その後、(サ)では、第1表示部620と保留消化領域640、及び、第2表示部630と保留消化領域640において、保留シフトが実行される。そして、表示画面中央の変動表示領域610での特図1変動表示ゲームと、表示画面右下隅の変動表示領域615での特図2変動表示ゲームが、略同時に開始される。保留消化領域640では、特図1変動中保留表示620bと特図2変動中保留表示630bが組み合わされた円状の変動中保留表示680が表示されている(B2018)。保留シフトによって、第1表示部620の右端の特図1保留表示620a(縞状で示す)が保留変化予告で変化した色が維持されたまま、保留消化領域640へ移動して、特図1変動中保留表示620bになる。
特図1保留数表示650は、1だけ減少した特図1保留の数「1」を表示し、特図2保留数表示660は、1だけ減少した特図2保留の数「1」を表示する。第1所定画像675は、特図1変動表示ゲームは実行中であることを示す記号「○」に変化し、第2所定画像676は、特図2変動表示ゲームは実行中であることを示す記号「○」に変化する。
その後、(シ)では、(カ)と同様に、特図1残り変動時間が特図2残り変動時間よりも短いため、円状の変動中保留表示680において、特図1変動中保留表示620bの領域(面積)が減少し、特図2変動中保留表示630bの領域(面積)が増加して、特図1変動表示ゲームの終了(変動停止)が近いことを示している。
図63Cは、(ケ)の後に、特図2変動表示ゲームの小当り状態が発生して、特図1変動表示ゲームが中断して、小当り状態の後に再開する例を示す。
図63Cの(コ’)では、特図1変動表示ゲームの変動中に、特図2変動表示ゲームが小当り結果になるため、特図1変動表示ゲームは中断する。ここで中断とは、特図1ゲーム処理タイマによる特図1変動表示ゲームの変動時間の計測(特図1ゲーム処理タイマの更新)を中断して、特図1変動表示ゲームの結果の導出を延期することである(図42)。再開とは、特図1ゲーム処理タイマによる特図1変動表示ゲームの変動時間の計測(特図1ゲーム処理タイマの更新)を再開することである(図48、図42)。
なお、特図1変動表示ゲームの変動自体は、表示画面左下隅の変動表示領域611で縮小表示によって見かけ上継続してもよいし(B1406)、変動表示領域611での特図1変動表示ゲームの変動自体も表示さなくてよい(見かけ上も継続しなくてよい)。また、(コ’)では、特図2変動表示ゲームの結果が小当り結果態様となる状況を示すが、大当り結果態様となる状況も同様である。
保留消化領域640では、特図2変動中保留表示630bは表示されないが、特図1変動中保留表示620bに代えて、特図1変動表示ゲームが中断中であることを示唆する中断用演出(B1410)として、特図1中断中保留表示620c(点線)を表示する。特図1中断中保留表示620cは、特図1変動中保留表示620bに形状的に対応するが、薄く表示する(半透明表示)などして特図1変動中保留表示620bと異なる態様で表示される。また、第1所定画像675は特図1変動表示ゲームが中断中であることを示す記号「△」になり、第2所定画像676は、特図2変動表示ゲームが停止中であることを示す記号「×」になっている。なお、同様に、特図2変動表示ゲームの変動中に、特図1変動表示ゲームが小当り結果や大当り結果になって特図2変動表示ゲームが中断する場合にも、特図1中断中保留表示620cと同じく、特図2変動表示ゲームが中断中であることを示唆する特図2中断中保留表示を特図2変動中保留表示630bに代えて表示してよい。
その後、(サ’)では、第2表示部630と保留消化領域640において、保留シフトが実行される。表示画面中央の変動表示領域610での特図1変動表示ゲームの再開と、表示画面右下隅の変動表示領域615での特図2変動表示ゲームの開始が、略同時に実行される。保留消化領域640では、特図1変動中保留表示620bと特図2変動中保留表示630bが組み合わされた円状の変動中保留表示680が表示されている(B2018)。
特図2保留数表示660は1だけ減少した特図1保留の数「1」を表示するが、特図1保留数表示650は維持され特図2保留の数「2」を表示する。第1所定画像675は、特図1変動表示ゲームは実行中であることを示す記号「○」に変化し、第2所定画像676は、特図2変動表示ゲームは実行中であることを示す記号「○」に変化する。
その後、(シ’)では、(カ)と同様に、特図1残り変動時間が特図2残り変動時間よりも短いため、円状の変動中保留表示680において、特図1変動中保留表示620bの領域(面積)が減少し、特図2変動中保留表示630bの領域(面積)が増加して、特図1変動表示ゲームの終了(変動停止)が近いことを示している。
〔変動中保留表示の表示態様〕
図64は、特図1変動中保留表示620b、特図2変動中保留表示630b、及び、全体の変動中保留表示680の表示態様(色、大きさ、形状、配置)を示す図である。これらの表示態様は、例えば、図60のステップB2018において設定される。なお、図64において、白い部分は特図1変動中保留表示620bを示し、黒い部分は特図2変動中保留表示630bを示す。
特図1変動中保留表示620b、特図2変動中保留表示630b、及び、全体の変動中保留表示680の表示態様は、特図1変動表示ゲーム及び/又は特図2変動表示ゲームの大当りの期待度(期待値)に応じて変化する。大当りの期待度は、前述のように、特図変動表示ゲームのリーチ系統(例えば、リーチなし、ノーマルリーチ、スペシャル1リーチ、スペシャル2リーチ、スペシャル3リーチ、プレミアリーチ)に対応して変化する。従って、大当りの期待度は、事前判定結果としての先読み変動系コマンド(A3115の先読み変動パターンコマンド)、又は、変動パターン種別(B1904)からわかる。なお、大当りの期待度は、そのリーチ系統が選択された場合に大当りになる確率に相当する。また、図64(I)(II)(III)(IV)の色、大きさ、形状、配置を、期待度に応じて適宜組み合わせることができる。
図64(I)のように、特図1変動中保留表示620bと特図2変動中保留表示630bの色は、大当りの期待度に応じて設定されてよい。例えば、特図1変動中保留表示620bの色は、特図1変動表示ゲームの期待度が「低」の場合は青色に、「中」の場合は黄色に、「高」の場合に赤色に設定される。例えば、特図2変動中保留表示630bの色は、特図2変動表示ゲームの期待度が「低」の場合は緑色に、「中」の場合は茶色に、「高」の場合に金色に設定される。
なお、特図1変動中保留表示620bと特図2変動中保留表示630bの色は、それぞれの期待度が異なっても同じであっても重ならないように設定される。これにより、特図1変動中保留表示620bと特図2変動中保留表示630bは、期待度に応じて色が変化しても、区別が可能となる。
なお、例えば、特図変動表示ゲームがリーチなし及びノーマルリーチの場合に期待度が「低」と扱い、スペシャルリーチ(スペシャル1リーチ、スペシャル2リーチ、スペシャル3リーチ)の場合に期待度が「中」と扱い、プレミアリーチ及び大当りの場合に期待度が「高」と扱ってよい。
また、図64(I)での期待度に対する色変化は、変動前の特図1保留表示620aと特図2保留表示630aの保留変化予告(先読み演出)にも適用できる。即ち、特図1変動中保留表示620bの色は、対応する特図1保留表示620aの保留変化予告によって変化した色と同じに維持されてよい。また、特図2変動中保留表示630bの色は、対応する特図2保留表示630aの保留変化予告によって変化した色と同じに維持されてよい。
図64(II)のように、特図1変動中保留表示620bと特図2変動中保留表示630bの大きさ、ひいては全体の変動中保留表示680の大きさは、大当りの期待度が高くなると、大きくなるように設定されてよい。
図64(III)のように、特図1変動中保留表示620bと特図2変動中保留表示630bの形状、ひいては全体の変動中保留表示680の形状は、大当りの期待度の「低」「中」「高」ごとに設定されてよい。
例えば、大当りの期待度が「低」の場合に、円状の変動中保留表示680の左側を特図1変動中保留表示620bとし、右側を特図2変動中保留表示630bとした形状が設定されてよい。大当りの期待度が「中」の場合に、円状の変動中保留表示680の内側を円状の特図1変動中保留表示620bとし、外側をリング状の特図2変動中保留表示630bとした形状が設定されてよい(外側の特図2変動中保留表示630bが内側の特図1変動中保留表示620bを包んだ形状)。大当りの期待度が「高」の場合に、星型の変動中保留表示680の内側を円状の特図1変動中保留表示620bとし、外側を特図2変動中保留表示630bとした形状が設定されてよい(外側の特図2変動中保留表示630bが内側の特図1変動中保留表示620bを包んだ形状)。
図64(IV)のように、変動中保留表示680内での特図1変動中保留表示620bと特図2変動中保留表示630bの配置は、大当りの期待度の「低」「中」「高」ごとに設定されてよい。
例えば、大当りの期待度が「低」の場合に、変動中保留表示680の左側を特図1変動中保留表示620bとし、右側を特図2変動中保留表示630bとした配置が設定されてよい。大当りの期待度が「中」の場合に、変動中保留表示680の内側を特図1変動中保留表示620bとし、外側を特図2変動中保留表示630bとした配置が設定されてよい。大当りの期待度が「高」の場合に、変動中保留表示680の下側を特図1変動中保留表示620bとし、上側を特図2変動中保留表示630bとした配置が設定されてよい。
なお、図64(II)(III)(IV)での期待度は、特図1変動表示ゲームの期待度と特図2変動表示ゲームのいずれか一つ(例えば、高い方の期待度)、或は、特図1変動表示ゲームと特図2変動表示ゲームの期待度を合算又は平均したものでよい。
以上のように、特図1変動中保留表示620b、特図2変動中保留表示630b、及び、全体の変動中保留表示680の表示態様を、特図1変動表示ゲームが大当りとなる期待度と特図2変動表示ゲームが大当りとなる期待度の少なくとも一つに応じて設定できる。そして、これらの表示態様を、第1始動記憶に対する第1事前判定手段の判定結果と第2始動記憶に対する第2事前判定手段の判定結果の少なくとも一つに応じて設定できることにもなる。なお、第1事前判定手段と第2事前判定手段は、特図保留情報判定処理(図14)、及び/又は、先読み変動系コマンド処理(図57)から構成される。
このため、特図1変動中保留表示620b、特図2変動中保留表示630b、及び、全体の変動中保留表示680の表示態様と保留変化予告(先読み演出)との間に連続性や関連性が生じて、遊技者に違和感を与えない。また、特図1変動中保留表示620b、特図2変動中保留表示630b、及び、全体の変動中保留表示680の表示態様に応じて、遊技者は、第1変動表示ゲームと第2変動表示ゲームの結果に期待でき、遊技の興趣も向上する。
〔変動中保留表示の表示態様変化1〕
図65は、保留消化領域640における変動中保留表示の表示態様の変化例を示す図である。変動中保留表示の表示態様の変化は、例えば、図61の変動中保留表示変化処理において設定される。なお、本例では、変動中保留表示680の全体の大きさと、特図1変動中保留表示620bと特図2変動中保留表示630bの配置とは、残り変動時間に対して変化しない。
図65の(A−1)から(A−7)までは、特図1変動中保留表示620bと特図2変動中保留表示630bのうち、対応する特図変動表示ゲームの残り変動時間が短い方の領域が減少する場合を示す。
(A−1)から(A−3)において、特図1変動表示ゲームと特図2変動表示ゲームが共に変動中の状態であるが、特図2変動表示ゲームの残りの変動時間(特図2残り変動時間)が特図1変動表示ゲームの変動時間(特図1残り変動時間)よりも短い。このため、特図2残り変動時間の特図1残り変動時間に対する比率(特図2残り変動時間/特図1残り変動時間)が小さくなると、特図2変動中保留表示630bの領域(面積)が減少する。変動中保留表示680の全体の大きさは変化しないため、特図2変動中保留表示630bの領域(面積)の減少分だけ、特図1変動中保留表示620bの領域(面積)が増加する。
変動中保留表示680は、特図1変動表示ゲームと特図2変動表示ゲームが共に実行中の状態であることを報知可能である。また、変動中保留表示680内で、特図1変動中保留表示620b(第1報知画像)と特図2変動中保留表示630b(第2報知画像)を左右方向に対向させて接続して(或は隣接させて)関連付けている。
(A−4)において、特図2変動表示ゲームが終了すると、特図2変動中保留表示630bが消去され、(A−5)において、特図1変動表示ゲームだけが実行中であるため、保留消化領域640において特図1変動中保留表示620bだけが表示される。この場合も、変動中保留表示680の全体の大きさや外形は変化しない。なお、(A−4)を省略して、特図2変動表示ゲームの終了時に(A−5)に移行してもよい。
(A−6)から(A−7)において、保留シフトによって特図2変動表示ゲームが開始し、特図1変動表示ゲームと特図2変動表示ゲームが共に変動中の状態であるが、特図1残り変動時間が特図2残り変動時間よりも短い。このため、特図1残り変動時間の特図2残り変動時間に対する比率(特図1残り変動時間/特図2残り変動時間)が小さくなると、特図1変動中保留表示620bの領域(面積)が減少する。変動中保留表示680の全体の大きさは変化しないため、特図1変動中保留表示620bの領域(面積)の減少分だけ、特図2変動中保留表示630bの領域(面積)が増加する。
図65の(B−1)から(B−7)までは、特図1変動中保留表示620bと特図2変動中保留表示630bのうち、対応する特図変動表示ゲームの残り変動時間が短い方の領域が増加する場合を示す。
(B−1)から(B−3)において、特図1変動表示ゲームと特図2変動表示ゲームが共に変動中の状態であるが、特図2変動表示ゲームの残りの変動時間(特図2残り変動時間)が特図1変動表示ゲームの変動時間(特図1残り変動時間)よりも短い。このため、特図2残り変動時間の特図1残り変動時間に対する比率(特図2残り変動時間/特図1残り変動時間)が小さくなると、特図2変動中保留表示630bの領域(面積)が増加する。変動中保留表示680の全体の大きさは変化しないため、特図2変動中保留表示630bの領域(面積)の増加分だけ、特図1変動中保留表示620bの領域(面積)が減少する。
(B−4)において、特図2変動表示ゲームが終了すると、特図2変動中保留表示630bが消去され、(A−5)において、特図1変動表示ゲームだけが実行中であるため、保留消化領域640において特図1変動中保留表示620bだけが表示される。この場合も、変動中保留表示680の全体の大きさや外形は変化しない。なお、(B−4)を省略して、特図2変動表示ゲームが終了時に(B−5)に移行してもよい。
(B−6)から(B−7)において、保留シフトによって特図2変動表示ゲームが開始し、特図1変動表示ゲームと特図2変動表示ゲームが共に変動中の状態であるが、特図1残り変動時間が特図2残り変動時間よりも短い。このため、特図1残り変動時間の特図2残り変動時間に対する比率(特図1残り変動時間/特図2残り変動時間)が小さくなると、特図1変動中保留表示620bの領域(面積)が増加する。変動中保留表示680の全体の大きさは変化しないため、特図1変動中保留表示620bの領域(面積)の増加分だけ、特図2変動中保留表示630bの領域(面積)が減少する。
以上のように、特図1変動中保留表示620bと特図2変動中保留表示630bの領域(面積)が、特図1残り変動時間と特図2残り変動時間の比率(即ち、特図1残り変動時間/特図2残り変動時間、又は、特図1残り変動時間/特図2残り変動時間)に基づいて決定される。しかし、これに限られず、簡単のため、特図1変動中保留表示620bと特図2変動中保留表示630bの変化方向の幅(左右の幅)を特図1残り変動時間と特図2残り変動時間の比率に基づいて決定するようにしてもよい。
また、特図1変動表示ゲームと特図2変動表示ゲームが共に変動中の状態となった直後には、図60のステップB2018の設定(初期設定)として、特図1残り変動時間と特図2残り変動時間の比率によらず、特図1変動中保留表示620bと特図2変動中保留表示630bの領域(面積)を同じに設定してもよい。即ち、変動中保留表示680の全体に対して、特図1変動中保留表示620bと特図2変動中保留表示630bとを半々で表示してよい。このようにすれば、特図1変動表示ゲームと特図2変動表示ゲームが共に変動中の状態となったことが、明確に視認できる。
さらに、図65とは異なり、変動中保留表示の表示態様の変化させずに、常に、変動中保留表示680の全体に対して、特図1変動中保留表示620bと特図2変動中保留表示630bとを半々(所定の面積割合)で固定的に表示する構成も可能である。また、リーチ状態中に、変動中保留表示の表示態様の変化を停止し、残り変動時間を分からなくして、遊技者の期待を高める構成も可能である。
図66は、変動中保留表示680の詳細図である。変動中保留表示680は、変化領域680aと、特図1固定領域680bと、特図2固定領域680cに分けられる。変化領域680aは、特図1変動中保留表示620bと特図2変動中保留表示630bの境界681が位置できる領域である。変化領域680aにおいて、境界681が特図1残り変動時間と特図2残り変動時間の比率に応じて移動する。
特図1固定領域680bは、常に、特図1変動中保留表示620bの一部又は全部が表示される領域となり、特図2変動中保留表示630bが表示される領域とはならない。特図2固定領域680cは、常に、特図2変動中保留表示630bの一部又は全部が表示される領域となり、特図1変動中保留表示620bが表示される表示領域とはならない。
なお、特図1固定領域680bと特図2固定領域680cをなくして、変動中保留表示680の全体を変化領域680aとしてよい。この場合には、特図1残り変動時間と特図2残り変動時間の比率に比例させて、特図1変動中保留表示620b又は特図2変動中保留表示630bの領域(面積)或は変化方向の幅(左右の幅)を決定できる。
〔変動中保留表示の表示態様変化2〕
図67は、保留消化領域640における変動中保留表示の表示態様の他の変化例を示す図である。変動中保留表示の表示態様の変化は、例えば、図61の変動中保留表示変化処理において設定される。なお、本例では、変動中保留表示680の全体の大きさと、特図1変動中保留表示620bと特図2変動中保留表示630bの配置とは、残り変動時間に対して変化する。
図67の(C−1)から(C−7)までは、特図1変動中保留表示620bの領域が特図1残り変動時間に応じて変化し、特図2変動中保留表示630bの領域が特図2残り変動時間に応じて変化する場合を示す。例えば、特図1変動中保留表示620bの面積や変化方向の幅は、特図1残り変動時間が長いほど大きくなり、特図2変動中保留表示630bの面積や変化方向の幅は、特図2残り変動時間が長いほど大きくなる。
変動中保留表示680は、特図1変動表示ゲームと特図2変動表示ゲームが共に実行中の状態であることを報知可能であり、変動中保留表示680内で、特図1変動中保留表示620b(第1報知画像)と特図2変動中保留表示630b(第2報知画像)を内側と外側(又は、外側と内側)に配置し対向させるとともに、接続して(或は隣接させて)関連付けている。
(C−1)において、特図2変動表示ゲームのみが実行中の状態であり、保留消化領域640において円状の特図2変動中保留表示630bのみが表示されている。特図2変動中保留表示630bの面積は、特図2残り変動時間に比例する大きさである。なお、特図2変動中保留表示630bの変化方向の幅(ここでは半径)を、特図2残り変動時間に比例する長さにしてもよい。
(C−2)において、特図1変動表示ゲームが開始し、特図1変動中保留表示620bが表示される。特図1変動表示ゲームの開始時においては、内側の特図2変動中保留表示630bを包み込むよう外側に特図1変動中保留表示620bが追加されている。
しかし、特図2残り変動時間が特図1残り変動時間よりも短いため、すぐに、(C−3)のように、特図2変動中保留表示630bと特図1変動中保留表示620bの配置が入れ替えられて、外側にリング状の特図2変動中保留表示630bが表示され、内側に円状の特図1変動中保留表示620bが表示される。特図1変動中保留表示620bと特図2変動中保留表示630bの境界681も、円状である。
特図1変動中保留表示620bと特図2変動中保留表示630bの面積は、各々、特図1残り変動時間と特図2残り変動時間を直接的に示して、特図1残り変動時間と特図2残り変動時間に比例する大きさとなる。なお、特図1変動中保留表示620bと特図2変動中保留表示630bの変化方向の幅(ここでは半径)を、各々、特図1残り変動時間と特図2残り変動時間に比例する長さにしてもよい。
その後、(C−4)において、特図1残り変動時間と特図2残り変動時間の両方が減少し、特図1変動中保留表示620bと特図2変動中保留表示630bの面積が共に小さくなる。変動中保留表示680の全体の大きさも減少している。その後、(C−5)において、特図2変動表示ゲームが終了して特図2変動中保留表示630bが消え、特図1変動中保留表示620bだけが表示される。
その後、(C−6)において、特図2変動表示ゲームが開始し、特図2変動中保留表示630bが表示される。特図2変動表示ゲームが開始時においては、内側の特図1変動中保留表示620bを包み込むよう外側に特図2変動中保留表示630bが追加されている。
しかし、特図1残り変動時間が特図2残り変動時間よりも短いため、すぐに、(C−7)のように、特図1変動中保留表示620bと特図2変動中保留表示630bの配置が入れ替えられて、外側にリング状の特図1変動中保留表示620bが表示され、内側に円状の特図2変動中保留表示630bが表示される。
なお、図67では、特図1変動中保留表示620bと特図2変動中保留表示630bの大きさ、ひいては変動中保留表示680の全体の大きさと、特図1変動中保留表示620bと特図2変動中保留表示630bの配置を時間変化させるだけでなく、特図1変動中保留表示620bと特図2変動中保留表示630bの形状や変動中保留表示680の全体の形状も変化している。図67以外の時間的な形状変化として、演出の一環で特図1変動中保留表示620bと特図2変動中保留表示630bを互いに関連付けたキャラクタの形状に変化させることも可能である。
(第1実施形態に係る遊技機)
以上の第1実施形態には、次の(1)〜(8)、(1a)〜(1c)に示す遊技機が含まれる。
(1)識別情報を変動表示させる変動表示ゲームに関連する演出を表示装置(41)に表示可能な演出制御手段(演出制御装置300)を備え、前記変動表示ゲームの結果態様が特別結果態様となる場合に、遊技者に遊技価値を付与可能な特別遊技状態を発生可能な遊技機において、
第1の始動条件の成立(第1始動入賞口への入賞)に基づいて第1変動表示ゲーム(特図1変動表示ゲーム)を実行可能な第1制御手段(遊技制御装置100)と、
第2の始動条件の成立(第2始動入賞口への入賞)に基づいて第2変動表示ゲーム(特図2変動表示ゲーム)を実行可能な第2制御手段(遊技制御装置100)と、を備え、
前記第1制御手段による前記第1変動表示ゲームと、前記第2制御手段による前記第2変動表示ゲームとを共に実行中の状態とすることが可能であり、
前記演出制御手段は、
前記第1変動表示ゲームと前記第2変動表示ゲームが共に実行中の状態である場合に、前記第1変動表示ゲームと前記第2変動表示ゲームが共に実行中の状態であることを報知可能な報知表示(変動中保留表示680)を、前記表示装置の特定表示部(保留消化領域640)に表示することを特徴とする遊技機。
(2)前記演出制御手段は、
前記第1変動表示ゲームが実行中であることを報知する第1報知画像(特図1変動中保留表示620b)と、前記第2変動表示ゲームが実行中であることを報知する第2報知画像(特図2変動中保留表示630b)と、を前記特定表示部(保留消化領域640)に表示可能であり、
前記第1変動表示ゲームと前記第2変動表示ゲームが共に実行中の状態である場合に、前記第1報知画像と前記第2報知画像を関連付けた態様で含む前記報知表示(変動中保留表示680)を、前記特定表示部に表示することを特徴とする(1)に記載の遊技機(図65−図67)。
(3)前記演出制御手段は、実行中の前記第1変動表示ゲームの残りの変動時間(特図1残り変動時間)と実行中の前記第2変動表示ゲームの残りの変動時間(特図2残り変動時間)とに応じて、前記報知表示における前記第1報知画像と前記第2報知画像の態様を変更可能であることを特徴とする(2)に記載の遊技機(図61)。
(4)前記第1の始動条件の成立に基づいて前記第1変動表示ゲームの実行権利を第1始動記憶として記憶する第1始動記憶手段(遊技制御装置100)と、
前記第2の始動条件の成立に基づいて前記第2変動表示ゲームの実行権利を第2始動記憶として記憶する第2始動記憶手段(遊技制御装置100)と、を備え、
前記演出制御手段は、
前記第1始動記憶に対応する第1始動記憶表示(特図1保留表示620a)を前記表示装置の第1表示部(620)に表示する第1始動記憶表示手段(B1310)と、
前記第2始動記憶に対応する第2始動記憶表示(特図2保留表示630a)を前記表示装置の第2表示部(630)に表示する第2始動記憶表示手段(B1312)と、を備え、
前記第1始動記憶に基づく前記第1変動表示ゲームが開始されるときに、当該第1始動記憶に対応する第1始動記憶表示を前記第1表示部(620)から消去するとともに、消去した当該第1始動記憶表示に対応する前記第1報知画像(620b)を前記特定表示部(保留消化領域640)に表示し、
前記第2始動記憶に基づく前記第2変動表示ゲームが開始されるときに、当該第2始動記憶に対応する第2始動記憶表示を前記第2表示部(630)から消去するとともに、消去した当該第2始動記憶表示に対応する前記第2報知画像(630b)を前記特定表示部(保留消化領域640)に表示することを特徴とする(2)に記載の遊技機(図63)。
(5)前記演出制御手段は、前記特定表示部(保留消化領域640)を前記第1表示部(620)と前記第2表示部(630)の間に設定することを特徴とする(4)に記載の遊技機(図62)。
(6)前記演出制御手段は、
前記第1始動記憶の数を表示する第1始動記憶数表示(特図1保留数表示650)と前記第2始動記憶の数を表示する第2始動記憶数表示(特図2保留数表示660)を前記表示装置(41)に表示可能であり、
前記第1報知画像(620b)とは別に、前記第1変動表示ゲームが実行中であることを報知する第1所定画像(675)を、前記第1始動記憶数表示(650)に対向して表示可能であり、
前記第2報知画像(630b)とは別に、前記第2変動表示ゲームが実行中であることを報知する第2所定画像(676)を、前記第2始動記憶数表示(660)に対向して表示可能であることを特徴とする(4)または(5)に記載の遊技機(図62)。
(7)前記第1始動記憶に基づく前記第1変動表示ゲームの実行情報(例えばゲーム結果や変動パターン)を当該第1始動記憶に基づく前記第1変動表示ゲームが実行されるよりも前に判定する第1事前判定手段(例えば遊技制御装置100)と、
前記第2始動記憶に基づく前記第2変動表示ゲームの実行情報(例えばゲーム結果や変動パターン)を当該第2始動記憶に基づく前記第2変動表示ゲームが実行されるよりも前に判定する第2事前判定手段(例えば遊技制御装置100)と、を備え、
前記演出制御手段は、
前記第1始動記憶に対する前記第1事前判定手段の判定結果と前記第2始動記憶に対する前記第2事前判定手段の判定結果の少なくとも一つに応じて、前記報知表示(変動中保留表示680)の態様を変更することを特徴とする(4)から(6)のいずれか一つに記載の遊技機(図64)。
(8)前記演出制御手段は、前記報知表示(変動中保留表示680)の態様を、前記第1変動表示ゲームが前記特別結果態様となる期待度と前記第2変動表示ゲームが前記特別結果態様となる期待度の少なくとも一つに応じて設定することを特徴とする(1)から(7)のいずれか一つに記載の遊技機(図64)。
(1a)識別情報を変動表示させる変動表示ゲームに関連する演出を表示装置に表示可能な演出制御手段を備え、前記変動表示ゲームの結果態様が当り結果態様となる場合に、遊技者に遊技価値を付与可能な所定遊技状態を発生可能な遊技機において、
第1の始動条件の成立に基づいて第1変動表示ゲームを実行可能な第1制御手段(遊技制御装置100)と、
第2の始動条件の成立に基づいて第2変動表示ゲームを実行可能な第2制御手段(遊技制御装置100)と、を備え、
前記第1制御手段による前記第1変動表示ゲームと、前記第2制御手段による前記第2変動表示ゲームとを共に実行中の状態とすることが可能であり、
前記第1変動表示ゲームと前記第2変動表示ゲームのうち、一方の変動表示ゲームが当り結果態様となる場合に、他方の変動表示ゲームを強制的に終了して当該他方の変動表示ゲームをはずれ結果態様とし、
前記演出制御手段は、
前記第1変動表示ゲームが実行中であることを報知する第1報知表示(特図1変動中保留表示620b)と、前記第2変動表示ゲームが実行中であることを報知する第2報知表示(特図2変動中保留表示630b)と、を前記表示装置の特定表示部(保留消化領域640)に表示可能であり、
前記第1変動表示ゲーム又は前記第2変動表示ゲームが強制的に終了する際に、前記第1報知表示及び前記第2報知表示を消去することを特徴とする遊技機(図63B(コ))。
(1b)識別情報を変動表示させる変動表示ゲームに関連する演出を表示装置に表示可能な演出制御手段を備え、前記変動表示ゲームの結果態様が当り結果態様となる場合に、遊技者に遊技価値を付与可能な所定遊技状態を発生可能な遊技機において、
第1の始動条件の成立に基づいて第1変動表示ゲームを実行可能な第1制御手段と、
第2の始動条件の成立に基づいて第2変動表示ゲームを実行可能な第2制御手段と、を備え、
前記第1制御手段による前記第1変動表示ゲームと、前記第2制御手段による前記第2変動表示ゲームとを共に実行中の状態とすることが可能であり、
前記第1変動表示ゲームと前記第2変動表示ゲームのうち、一方の変動表示ゲームが当り結果態様となる場合に、当該他方の変動表示ゲームを中断させ、
前記演出制御手段は、
前記第1変動表示ゲームが実行中であることを報知する第1報知表示(特図1変動中保留表示620b)と、前記第2変動表示ゲームが実行中であることを報知する第2報知表示(特図2変動中保留表示630b)と、を前記表示装置の特定表示部(保留消化領域640)に表示可能であり、
前記第1変動表示ゲームが中断した場合に、前記第1変動表示ゲームが中断中であることを示唆するよう前記第1報知表示の表示態様を変更し、
前記第2変動表示ゲームが中断した場合に、前記第2変動表示ゲームが中断中であることを示唆するよう前記第2報知表示の表示態様を変更することを特徴とする遊技機(図63C(コ’))。
(1c)識別情報を変動表示させる変動表示ゲームに関連する演出を表示装置に表示可能な演出制御手段を備え、前記変動表示ゲームの結果態様が特別結果態様となる場合に、遊技者に遊技価値を付与可能な特別遊技状態を発生可能な遊技機において、
第1の始動条件の成立に基づいて第1変動表示ゲームを実行可能な第1制御手段と、
第2の始動条件の成立に基づいて第2変動表示ゲームを実行可能な第2制御手段と、を備え、
前記演出制御手段は、
前記第1変動表示ゲーム及び前記第2変動表示ゲームの少なくとも一つが実行中の状態であることを、前記表示装置の特定報知部(保留消化領域640)において報知可能であり、
前記特定報知部は、前記第1変動表示ゲームが実行中の状態であることを報知可能な第1報知部(特図1変動中保留表示620bに対応する領域)と、前記第2変動表示ゲームが実行中の状態であることを報知可能な第2報知部(特図2変動中保留表示630bに対応する領域)を含むことを特徴とする遊技機(図65)。
(第1実施形態の効果)
上記(1)の遊技機によると、表示装置41の特定表示部(保留消化領域640)に表示する報知表示(変動中保留表示680)によって、第1変動表示ゲーム(特図1変動表示ゲーム)と第2変動表示ゲーム(特図2変動表示ゲーム)が共に実行中の状態であることを明確に報知することができる。遊技者は、報知表示(変動中保留表示680)を短い時間見るだけで、特図1変動表示ゲームと特図2変動表示ゲームが共に実行中の状態であることを簡単に認識でき、遊技の興趣も向上する。
なお、表示装置41で表示される第1変動表示ゲームと第2変動表示ゲームの変動表示は、高速で変動すると視認し難いため、変動表示から特図1変動表示ゲームと特図2変動表示ゲームが共に実行中の状態であることを認識することは難しい場合もあり、報知表示(変動中保留表示680)を表示する利点がある。
上記(2)の遊技機によると、報知表示(変動中保留表示680)は、第1報知画像(特図1変動中保留表示620b)と第2報知画像(特図2変動中保留表示630b)を関連付けた態様で含むため、全体としてまとまって見易くなる。従って、遊技者は、報知表示を一瞥しただけで、特図1変動表示ゲームと特図2変動表示ゲームが共に実行中の状態であるか否かをすぐに判断できる。
上記(3)の遊技機によると、遊技者は、報知表示における第1報知画像(特図1変動中保留表示620b)と第2報知画像(特図2変動中保留表示630b)によって、特図1残り変動時間と特図2残り変動時間を視覚的に認識できる。これによって、遊技の興趣も向上する。
上記(4)の遊技機によると、第1始動記憶表示(特図1保留表示620a)と第1報知画像(特図1変動中保留表示620b)を対応付け、第2始動記憶表示(特図2保留表示630a)と第2報知画像(特図2変動中保留表示630b)を対応付けることができる。従って、第1表示部(620)から特定表示部(保留消化領域640)に亘って繋がりのある演出ができる。また、第2表示部(630)から特定表示部(保留消化領域640)に亘って繋がりのある演出ができる。これによって、遊技の興趣も向上する。
上記(5)の遊技機によると、第1始動記憶表示(特図1保留表示620a)を表示する第1表示部(620)、第2始動記憶表示(特図2保留表示630a)を表示する第2表示部(630)、特定表示部(保留消化領域640)を、一度に確認することが容易になり、特図1保留と特図2保留の発生状況と消化状況(保留に基づく変動表示ゲームの実行状況)とを同時に確認できる。これによって、遊技の興趣も向上する。
上記(6)の遊技機によると、遊技者は、第1始動記憶数表示(特図1保留数表示650)と、第1変動表示ゲームが実行中であることを報知する第1所定画像(675)とを同時に見ることができ、第1始動記憶(特図1保留)の発生状況と消化状況とを同時に確認できる。また、第2始動記憶数表示(特図2保留数表示660)と、第2変動表示ゲームが実行中であることを報知する第2所定画像(676)とを同時に見ることができ、第2始動記憶(特図2保留)の発生状況と消化状況とを同時に確認できる。
上記(7)の遊技機によると、報知表示(変動中保留表示680)の表示態様と、事前判定手段の判定結果による保留変化予告(先読み演出)との間に連続性や関連性が生じて、遊技者に違和感を与えない。また、報知表示(変動中保留表示680)の態様に応じて、遊技者は、第1変動表示ゲームと第2変動表示ゲームの結果に期待でき、遊技の興趣も向上する。
上記(8)の遊技機によると、期待度に応じた保留変化予告(先読み演出)が実行される場合に、報知表示(変動中保留表示680)の表示態様と事前判定手段の判定結果による保留変化予告(先読み演出)との間に連続性や関連性が生じて、遊技者に違和感を与えない。また、報知表示(変動中保留表示680)の態様に応じて、遊技者は、第1変動表示ゲームと第2変動表示ゲームの結果に期待でき、遊技の興趣も向上する。
上記(1a)の遊技機は、上記(1)の遊技機の効果を奏する。加えて、第1変動表示ゲーム又は第2変動表示ゲームが強制的に終了する際に、第1報知表示及び第2報知表示を消去するため、第1変動表示ゲームと第2変動表示ゲームが共に実行中の状態であることをさらに明確に報知することができる。
上記(1b)の遊技機によると、上記(1)の遊技機の効果を奏する。加えて、第1変動表示ゲームが中断した場合に、第1変動表示ゲームが中断中であることを示唆するよう前記第1報知表示の表示態様を変更し、第2変動表示ゲームが中断した場合に、第2変動表示ゲームが中断中であることを示唆するよう第2報知表示の表示態様を変更するため、第1変動表示ゲームと第2変動表示ゲームが共に実行中の状態であることをさらに明確に報知することができる。
上記(1c)の遊技機によると、特定報知部は、第1変動表示ゲームが実行中の状態であることを報知可能な第1報知部と、第2変動表示ゲームが実行中の状態であることを報知可能な第2報知部を含むため、第1変動表示ゲームと第2変動表示ゲームのどちらが実行中であるか遊技者に明確に報知できる。
(第2実施形態)
第2実施形態は、エラーや不正の報知や、打ち方指示報知(左打ち指示報知、右打ち指示報知)などの警告に関するものである。以下で述べる構成以外の構成は、第1実施形態と同様でよい。
〔警告設定処理〕
図68を参照して、前述した単発系コマンド処理(図53)における警告設定処理(B1316)の詳細について説明する。図68は、演出制御装置300によって実行される警告設定処理の手順を示すフローチャートである。
演出制御装置300は、まず、受信したエラー/不正/打ち方系のコマンドが、正常なコマンドであるか否かを判定する(B3001)。正常なコマンドでない場合に(B3001の結果が「N」)、警告設定処理を終了する。一方、正常なコマンドである場合に(B3001の結果が「Y」)、受信したコマンドが、エラーや不正の発生又は報知に関するエラー/不正発生コマンド(エラー/不正報知コマンド、第1警告コマンドとも呼ぶ)であるか否かを判定する(B3002)。受信したコマンドがエラー/不正発生コマンドでない場合に(B3002の結果が「N」)、ステップB3007の処理に移行する。
なお、エラー/不正発生コマンドのうちエラー発生コマンドとして、普図始動ゲート34を遊技球が異常に通過したことをエラーとして示すゲート異常通過発生コマンド(A2414)や、オーバーフロースイッチ信号がオンしたことなどをエラーとして示す状態オンコマンド(A2507)が含まれる。なお、オーバーフロースイッチ信号は、下皿23に遊技球が所定量以上貯留されていること(満杯になったこと)を玉抜きエラーとして知らせる信号である。さらに、エラー/不正発生コマンドのうち不正発生コマンドとして、磁石不正が発生したことを示す磁石不正報知コマンド(A7606)や、盤電波不正が発生したことを示す盤電波不正報知コマンド(A7703)が含まれる。
演出制御装置300は、受信したコマンドがエラー/不正発生コマンドである場合に(B3002の結果が「Y」)、表示装置41で、エラー又は不正を報知するためのエラー/不正報知画面の表示設定を行う(B3003)(図70(B)も参照)。エラー/不正報知画面は、エラー又は不正の発生を示すエラー/不正表示851(特殊表示、第1警告表示とも呼ぶ)を含む。なお、エラー/不正表示851を表示する表示期間は、エラー/不正発生コマンドの受信とエラー/不正解除コマンドとの受信の間の期間となる。そして、エラー/不正表示851が表示されると、表示中の第1左打ち指示表示691と少なくとも一部で重なる(重複する)ことになるか否かを判定する(B3004)。即ち、エラー/不正表示851と第1左打ち指示表示691の設定された表示領域が一部で重なるか否かを判定する。
なお、図70(A)のように、遊技者に左打ちすることを促す左打ち指示表示には、表示装置41の表示画面の中央で大きく表示される第1左打ち指示表示691と、表示画面の端部で小さく表示される第2左打ち指示表示815の2種類がある。なお、通常の場合には、エラー/不正表示851は表示装置41の表示画面の中央で大きく表示され、エラー/不正表示851と第1左打ち指示表示691が同時に発生すると少なくとも一部が重なるように設定されている。しかし、一部のエラー/不正(例えばゲート異常通過)、即ち一部のエラー/不正発生コマンドに対しては、エラー/不正表示851と第1左打ち指示表示691が同時に発生しても重ならないように設定してもよい。通常遊技状態中に右打ちをすることにより発生するゲート異常通過に対しては、エラー/不正表示851と第1左打ち指示表示691が同時に発生しても両方とも重ならないように表示すると、遊技者に強く左打ちすることを促すことができる。
演出制御装置300は、エラー/不正表示851が表示されると、表示中の第1左打ち指示表示691と少なくとも一部で重なることになる場合に(B3004の結果が「Y」)、第1左打ち指示表示691を消去する(B3005)。従って、エラー/不正表示851(第1警告表示)を第1左打ち指示表示691(第2警告表示)よりも優先的に表示することになる。なお、第1左打ち指示表示691を消去せずに、薄い透過表示又は半透明表示に変化させてもよい。また、エラー/不正表示851と第1左打ち指示表示691が重ならない部分では、第1左打ち指示表示691を表示してもよい(即ち、エラー/不正表示851を、第1左打ち指示表示691を隠して前面側に優先的に表示する表示方法でもよい)。その後、エラー/不正の報知中であることを示すエラー/不正報知中フラグを設定して(B3006)、警告設定処理を終了する。
なお、図68には記載されていないが、エラー/不正表示851が表示されると、表示中の右打ち指示表示と少なくとも一部で重なることになる場合にも、例えば、エラー/不正表示851と右打ち指示表示のいずれか一方を他方よりも優先的に表示する(他方を消去する)。
一方、演出制御装置300は、エラー/不正表示851が表示されても、表示中の第1左打ち指示表示691と重ならない場合に(B3004の結果が「N」)、第1左打ち指示表示691をそのまま維持して、エラー/不正報知中フラグを設定し(B3006)、警告設定処理を終了する。
演出制御装置300は、受信したコマンドがエラー/不正発生コマンドでない場合に(B3002の結果が「N」)、受信したコマンドがエラー/不正解除コマンド(エラー/不正報知終了コマンド)であるか否かを判定する(B3007)。受信したコマンドがエラー/不正解除コマンドである場合に(B3007の結果が「Y」)、エラー/不正報知画面の表示終了の設定を行い(B3008)、エラー/不正報知中フラグをクリアし(B3009)、警告設定処理を終了する。
なお、エラー/不正解除コマンドのうちエラー解除コマンドとして、普図始動ゲート34を遊技球が異常に通過するエラーが解除したことを示すゲート異常通過解除コマンド(A2418)や、オーバーフロースイッチ信号がオンする玉抜きエラーなどが解除したことを示す状態オフコマンド(A2504)が含まれる。さらに、エラー/不正解除コマンドのうち不正解除コマンドとして、磁石不正報知終了を指示する磁石不正報知終了コマンド(A7611)や、電波不正報知終了を指示する盤電波不正報知終了コマンド(A7707)が含まれる。
演出制御装置300は、受信したコマンドがエラー/不正解除コマンドでない場合に(B3007の結果が「N」)、受信したコマンドが打ち方指示報知コマンドであるか否かを判定する(B3010)。打ち方指示報知コマンド(第2警告コマンドとも呼ぶ)には、左打ち指示報知コマンド(A7503等)と右打ち指示報知コマンド(A2705等)がある。受信したコマンドが打ち方指示報知コマンド(左打ち指示報知コマンド又は右打ち指示報知コマンド)である場合に(B3010の結果が「Y」)、打ち方指示報知(左打ち指示報知、右打ち指示報知)を設定する打ち方指示報知設定処理を実行し(B3011)、警告設定処理を終了する。受信したコマンドが打ち方指示報知コマンドでない場合に(B3010の結果が「N」)、警告設定処理を終了する。
〔打ち方指示報知設定処理〕
図69を参照して、前述した警告設定処理(図68)における打ち方指示報知設定処理(B3011)の詳細について説明する。図69は、演出制御装置300によって実行される打ち方指示報知設定処理の手順を示すフローチャートである。打ち方指示報知設定処理では、第2警告表示としての打ち方指示表示(左打ち指示表示又は右打ち指示表示)を設定して、打ち方指示報知を実行する。
演出制御装置300は、まず、受信した打ち方指示報知コマンドが正常なコマンドであるか否かを判定する(B3301)。正常なコマンドでない場合に(B3301の結果が「N」)、打ち方指示報知設定処理を終了する。一方、正常なコマンドである場合に(B3301の結果が「Y」)、受信したコマンドが左打ち指示報知コマンドであるか否かを判定する(B3302)。
演出制御装置300は、受信したコマンドが左打ち指示報知コマンドでない場合に(B3302の結果が「N」)、即ち、右打ち指示報知コマンドである場合に、右打ち指示報知画面の通常表示設定を行い(B3303)、打ち方指示報知設定処理を終了する。例えば、この通常表示設定では、右打ち指示表示が表示中のエラー/不正表示851と少なくとも一部で重なることになる場合には、エラー/不正表示851と右打ち指示表示のいずれか一方を他方よりも優先的に表示する。重なることにならない場合には、右打ち指示表示を通常の通り実行する。
一方、演出制御装置300は、受信したコマンドが左打ち指示報知コマンドである場合に(B3302の結果が「Y」)、所定期間における左打ち指示の発生回数である左打ち指示頻度を+1更新(1だけ加算)する(B3304)。なお、左打ち指示頻度は、所定期間(例えば10分)の経過する度に0クリアされる。その後、エラー/不正報知中フラグ(B3006)が設定されているか否か判定する(B3305)。
演出制御装置300は、エラー/不正報知中フラグが設定されていない場合に(B3305の結果が「N」)、エラー/不正表示851が左打ち指示表示と重なることはないため、左打ち指示報知画面の通常表示設定し、第1左打ち指示表示691と第2左打ち指示表示815の両方を表示設定する(B3306)。従って、左打ち指示報知コマンドが受信された場合に、所定の表示期間の間、左打ち指示表示が表示されることになる。その後、打ち方指示報知設定処理を終了する。
演出制御装置300は、エラー/不正報知中フラグが設定されている場合に(B3305の結果が「Y」)、第1左打ち指示表示691が表示されると、表示中のエラー/不正表示851と少なくとも一部で重なる(重複する)ことになるか否かを判定する(B3307)。第1左打ち指示表示691が表示されても、表示中のエラー/不正表示851と重ならない場合に(B3307の結果が「N」)、第1左打ち指示表示691と第2左打ち指示表示815の両方を表示設定する(B3306)。
一方、演出制御装置300は、第1左打ち指示表示691が表示されると、表示中のエラー/不正表示851と少なくとも一部で重なることになる場合に(B3307の結果が「Y」)、第2左打ち指示表示815のみを表示するように左打ち指示報知画面の特別表示設定をする(B3308)。即ち、第1左打ち指示表示691(第2警告表示)を表示せず、エラー/不正表示851(第1警告表示)を優先的に表示する。従って、左打ち指示報知コマンドが受信された場合に、第2左打ち指示表示815によって所定の表示期間の間、左打ち指示表示が実行されることになる。なお、第1左打ち指示表示691を、薄い透過表示又は半透明表示にするなど視認し難く表示してもよい。また、エラー/不正表示851と第1左打ち指示表示691が重ならない部分では、第1左打ち指示表示691を表示してもよい(即ち、エラー/不正表示851を、第1左打ち指示表示691を隠して前面側に優先的に表示する表示方法でもよい)。
次に、演出制御装置300は、所定期間における左打ち指示頻度が所定値(例えば3回)よりも大きいか否か判定し(B3309)、大きくない場合に(B3309の結果が「N」)、打ち方指示報知設定処理を終了する。左打ち指示頻度が所定値よりも大きい場合に(B3309の結果が「Y」)、左打ち指示頻度に応じて第2左打ち指示表示815の表示態様を変更する(B3310)。例えば、左打ち指示頻度に応じて第2左打ち指示表示815のサイズを大きくする(図73も参照)。
〔表示画面例1〕
図70は、表示装置41の表示画面において、左打ち指示表示の表示中にエラー/不正表示851が表示される様子を示す図である。図70(A)は、表示画面において、第1左打ち指示表示691と第2左打ち指示表示815が表示されている図である。図70(B)は、表示画面において、エラー/不正表示851が表示されている図である。
図70(A)のように、左打ち指示表示は、第1左打ち指示表示691(第1指示表示)と、第1左打ち指示表示691とは異なる形態(表示態様)及び異なる位置で表示される第2左打ち指示表示815(第2指示表示)と、を含む。なお、左打ち指示表示は、飾り特図変動表示ゲームの変動表示よりも優先的に表示され、左打ち指示表示と変動表示が重なっても、左打ち指示表示は、変動表示を隠すように前面側に表示される。
第1左打ち指示表示691は、表示画面の中央に大きく表示され、第2左打ち指示表示815は、表示画面の左端の下部に小さく表示される。従って、大きな第1左打ち指示表示691が、表示画面中央でエラー/不正表示851などの他の表示と重なっても、小さな第2左打ち指示表示815は他の表示と重なり難くなり、遊技者に確実に左打ちの指示を伝えることができる。
なお、第1左打ち指示表示691と第2左打ち指示表示815は、形態として、大きさ、色彩、模様、形のいずれか一つ以上が異なる。本実施形態で、第1左打ち指示表示691と第2左打ち指示表示815は、特に、大きさと形が異なっている。
第1左打ち指示表示691(第1指示表示)は、表示画面の中央の第1表示領域690に表示可能である。本実施形態では、第1左打ち指示表示691は、矢印690aと文字690b(「左打ち」)からなる。これに限られず、背景も含めて第1表示領域690内に表示されるもの全てを第1左打ち指示表示691と取り扱ってもよい。また、矢印690aと文字690bの一方を第1左打ち指示表示691と取り扱ってもよい。図70(A)では、第1表示領域690を枠で囲まれた領域として表示しているが、これに限られず、矢印690a及び文字690b自体の領域を第1表示領域690とみなしてもよい。
第2左打ち指示表示815(第2指示表示)は、表示画面の端の第2表示領域810に表示可能である。本実施形態では、第2左打ち指示表示815は矢印からなる。第2表示領域810は他の領域から枠で区画して表示される。そして、第2表示領域810は、情報表示領域として、第2左打ち指示表示815以外の情報(例えば特図1保留数表示650、特図2保留数表示660)も表示可能である。従って、遊技者は、第2表示領域810を見るだけで、左打ち指示を含む種々の情報をまとめて視認できる。
図70(B)のように、左打ち指示表示の表示中に、エラー/不正表示851(特殊表示)の表示期間となった場合(B3002の結果が「Y」)、エラー/不正表示領域850(特殊表示領域)においてエラー/不正表示851が優先的に表示される(B3005)。なお、エラー/不正表示851は、飾り特図変動表示ゲームの変動表示よりも優先的に表示され、エラー/不正表示851と変動表示が重なっても、エラー/不正表示851は、変動表示を隠すように前面側に表示される。
本実施形態では、エラー/不正表示851は、文字850a(「エラー/不正発生中」)からなる。これに限られず、背景も含めてエラー/不正表示領域850内に表示されるもの全てをエラー/不正表示851と取り扱ってもよい。図70(B)では、エラー/不正表示領域850を枠で囲まれた領域として表示しているが、これに限られず、文字850aそのものの領域をエラー/不正表示領域850とみなしてもよい。
エラー/不正表示領域850は、第2表示領域810とは重ならないように設定されているが、エラー/不正表示領域850の少なくとも一部は、第1表示領域690に重なるように設定されている場合もある。この場合、第1左打ち指示表示691を消去して(B3005)、エラー/不正表示851を第1左打ち指示表示691よりも優先的に表示する。従って、緊急度の高いエラー/不正表示851を単なる指示である第1左打ち指示表示691よりも優先的に表示できるため、遊技者及び遊技場の利益となる。なお、第1左打ち指示表示691を消去せずに、薄い透過表示又は半透明表示にするなど視認し難くするよう変化させてもよい。
なお、このようにエラー/不正表示851及び左打ち指示表示の表示期間が重複する場合に、重複する期間において、左打ち指示表示のうち第1左打ち指示表示691が消去されても、第2表示領域810の第2左打ち指示表示815は、エラー/不正表示851とともに、表示装置41の表示画面に表示され続ける。従って、遊技者は、第2左打ち指示表示815によって、左打ちすべきことを確認できる。
〔表示画面例2〕
図71は、盤演出装置44としての可動役物805(可動体)が動作する場合に、表示装置41の表示画面を示す図である。なお、第2実施形態において、遊技機10は、可動役物805を表示装置41に対して左側に備えている。図71(A)は、可動役物805が初期位置(第1位置)に配置されている図である。図71(B)は、可動役物805が動作して動作位置(第2位置)に配置されている図である。演出制御装置300は、可動役物805の動作を制御する。
可動役物805は、透明部又は開口部である窓部805aを有する。窓部805aからは、後方を視認可能である。可動役物805の初期位置は、表示装置41の周囲(左側)で且つセンターケース40の後方であり、初期位置において前方から可動役物805を視認できない。
可動役物805は、表示装置41の前方の動作位置に初期位置から移動する動作を実行できる。遊技者は、動作位置にある可動役物805を前方から視認できる。また、可動役物805は、動作位置において、表示装置41の表示画面の一部を遮蔽して前方から視認できなくするが、窓部805aは第2表示領域810に重なるため、窓部805aから第2表示領域810に表示された情報(第2左打ち指示表示815を含む)が視認可能となる。従って、可動役物805による動作演出を行う場合でも、第2左打ち指示表示815を視認することができる。
なお、可動役物805の窓部805aをレンズで構成する場合には、可動役物805の動作位置において、窓部805aは、第2表示領域810に表示された情報(第2左打ち指示表示815を含む)を拡大表示することができる。
〔第2表示領域(情報表示領域)〕
図72は、第2表示領域810(情報表示領域)の表示内容を示す図である。表示装置41の表示画面の端に位置する第2表示領域810は、表示画面の中央で、エラー/不正表示851や重要な演出(ムービ演出等のリーチ演出など)が実行されている場合にでも、種々の情報を表示できる。
図72(A)のように、第2表示領域810は、特図1保留の数を表示する特図1保留数表示650、特図2保留の数を表示する特図2保留数表示660、特図1変動表示ゲームが実行中であることを報知可能な第1所定画像675、特図2変動表示ゲームが実行中であることを報知可能な第2所定画像676を表示可能である。さらに、遊技者に左打ちすることを促す第2左打ち指示表示815を表示可能である。
図72(B)のように、第2表示領域810は、遊技者に右打ちすることを促す右打ち指示表示817も表示可能である。右打ち指示表示817と第2左打ち指示表示815は、略同一の場所に表示されてよいが、同時に表示されることはない。また、右打ち指示表示817は、表示画面中央で大きく表示される右打ち指示表示と共に表示されてもよい。
図72(C)のように、第2表示領域810は、いわゆるV入賞を報知するV入賞表示819も表示可能である。V入賞とは、V入賞口(所定の領域)に遊技球が入球した場合に大当り終了後の確変状態(高確率状態、特定遊技状態、所定遊技状態の一つ)が確定することをいう。例えば、V入賞口は、第1特別変動入賞装置38や第2特別変動入賞装置39の内部に設けられる。V入賞口(所定の領域)は、確変大当りの場合にのみ開放されるなどして遊技球が通過でき、V入賞は、大当りのラウンド遊技中にV入賞表示819よって報知される。なお、遊技制御装置100は、V入賞口への遊技球の通過を検出するセンサ等を介してをV入賞を検知でき、V入賞を検知すると大当り終了後に確変状態に移行すること確定する(フラグを設定する)とともに、演出制御装置300にV入賞があったことを示す情報(コマンド等)を送信する。そして、演出制御装置300は、V入賞をV入賞表示819等によって報知できる。
従って、表示画面の中央で、ラウンド中の演出が実行されている場合やエラー/不正表示851が表示された場合でも、表示画面の端の第2表示領域810において、V入賞表示819によってV入賞を報知できる。なお、表示画面の中央でも、V入賞表示819(第1V報知表示、第1情報表示)とは異なる形態で他のV入賞表示(第2V報知表示、第2情報表示)をV入賞表示819と同時に表示してもよい。即ち、演出制御装置300は、V入賞を契機に、表示画面の端の第2表示領域810と表示画面の中央領域の両方で、V入賞表示(V報知表示、V情報表示)を表示してよい。
なお、このV入賞報知を1種2種混合機にも適用可能である。なお、1種2種混合機は、特図2始動入賞口への入賞でV入賞口が開放可能となり、V入賞口への入賞によって、本実施形態の特図2大当りに相当する大当り(V当り)が発生する機種である。
図72(D)のように、第2表示領域810は、確変状態(高確率状態)での変動回数である高確率変動回数を報知する変動回数報知821を表示可能である。変動回数報知821は、低確率の時短状態(普電サポート状態)が存在する場合には、時短状態での変動回数を報知するものであってもよい。また、変動回数報知821は、確変状態や時短状態の残りの変動回数を表示してもよい。
図72(E−1)から(E−3)のように、第2表示領域810は、エラー/不正表示828を表示してよい。例えば、エラー/不正表示828として、玉抜きエラー、磁石不正、盤電波不正を各々示す文字「球抜きせよ」「電波不正」「磁石不正」が表示される。なお、表示画面の中央でも、エラー/不正表示828とは異なる形態で前述のエラー/不正表示851が同時に表示される。なお、表示画面の端の第2表示領域810において、エラー/不正表示828によってエラー/不正を報知できるため、表示画面の中央で、重要な演出等の他の表示がエラー/不正表示851に優先して実行されている場合でも、エラー/不正表示828によってエラー/不正を報知できる。
その他、第2表示領域810は、大当り中のラウンドを示すラウンド表示など他の情報を表示してもよい。
〔左打ち表示の表示態様変化〕
図73は、第2表示領域810における第2左打ち指示表示815の表示態様の変化を示す図である。
図73(A−1)から(A−3)のように、図69のステップB3310の処理によって、第2左打ち指示表示815は、左打ち指示の発生回数である左打ち指示頻度に応じて大きくなるように表示態様(形態)が変化する。なお、第2左打ち指示表示815は、左打ち指示頻度に応じて色が変化するなど、左打ち指示頻度に応じた別の表示態様変化を行ってもよい。従って、遊技者が左打ちすべき状態(通常遊技状態)で右打ちを続けている場合に、左打ち指示報知コマンドが何度も発生すると(B3302、A7503)、第2左打ち指示表示815が、遊技者の注意を引く表示態様に変化して行き、遊技者に左打ちすることを強く促すことができる。
また、図73(B)のように、第2左打ち指示表示815は振動して変位し、表示態様(表示位置)が変化可能である。第2左打ち指示表示815の振動する方向は、図73(B)では左右方向であるが、上下方向でもよい。図70(B)のように、エラー/不正表示851が表示され、左打ち指示表示のうち、第1左打ち指示表示691が表示されずに第2左打ち指示表示815だけが表示されている場合に、第2左打ち指示表示815が振動して揺れる。従って、第2左打ち指示表示815が小さくても目立つようになり、第2左打ち指示表示815だけによって左打ちすることを促すことができる。なお、第2左打ち指示表示815を点滅させて、小さくても目立つようにする構成も可能である。
〔タイムチャート〕
図74は、図68の警告設定処理(図69の打ち方指示報知設定処理を含む)によって、左打ち指示表示(第1左打ち指示表示691、第2左打ち指示表示815)とエラー/不正表示851が行われる様子を示すタイムチャートである。
図74(A)は、エラー/不正報知中に、左打ち指示報知コマンドによる左打ち指示が繰り返して発生する状況を示す。エラー/不正報知が開始すると、表示画面中央のエラー/不正表示領域850(特殊表示領域)においてエラー/不正表示851(特殊表示、第1警告表示)が表示される。その後、左打ち指示報知コマンドの発生によって、左打ち指示表示の表示期間がエラー/不正表示851の表示期間と重複すると、重複する期間において、第2左打ち指示表示815が、表示画面端の第2表示領域810(情報表示領域)に表示されるだけで、第1左打ち指示表示691は表示されない(B3308)。
なお、重複する期間において、第2左打ち指示表示815が、図73(B)のように左右に振動し変位する。また、重複する期間において、第1左打ち指示表示691が薄い透過表示又は半透明表示で表示される構成も可能である。
図74(B)は、左打ち指示報知中にエラー/不正報知が発生する状況を示す。左打ち指示報知中に、通常、第1左打ち指示表示691と第2左打ち指示表示815が表示される。なお、通常、第2左打ち指示表示815は振動せず停止している。しかし、左打ち指示報知中にエラー/不正報知が発生すると、エラー/不正表示851の表示期間が左打ち指示表示の表示期間と重複して、重複する期間において、表示画面中央の第1左打ち指示表示691は消去され、第2左打ち指示表示815だけが表示画面端の第2表示領域810(情報表示領域)に表示される(B3005)。
なお、重複する期間において、第2左打ち指示表示815が、図73(B)のように左右に振動し変位する。また、重複する期間において、第1左打ち指示表示691は薄い透過表示又は半透明表示で表示される構成も可能である。
なお、第1左打ち指示表示691及び/又は第2左打ち指示表示815の表示中に、所定遊技状態が発生した場合に、第1左打ち指示表示691及び/又は第2左打ち指示表示815を消去する。これにより、所定遊技状態で右打ちすべきところ、左打ち指示表示が表示される事態を防止できる。
また、変形例として、第2左打ち指示表示815を表示装置41以外の他の表示装置(サブ表示装置)や役物に設けた表示部に表示する構成も可能である(第1左打ち指示表示691は表示装置41に表示する)。このようにすると、表示装置41の演出と第2左打ち指示表示815が重なることを防止でき、第2左打ち指示表示815を確実に遊技者に示すことができる。さらに、この場合、第2左打ち指示表示815を含めて表示装置41の第2表示領域810(情報表示領域)に表示していた前述の情報を全て他の表示装置(サブ表示装置)や役物に設けた表示部に表示してもよい。即ち、情報表示領域を他の表示装置(サブ表示装置)や表示部に設けてもよい。
(第2実施形態に係る遊技機)
以上の第2実施形態には、次の(9)〜(19)、(9a)、(9b)に示す遊技機が含まれる。
(9)始動条件の成立に基づき識別情報を変動表示させる変動表示ゲームを実行可能な遊技制御手段(遊技制御装置100)と、前記変動表示ゲームに関連する演出を表示装置(41)に表示可能な演出制御手段(演出制御装置300)を備え、前記変動表示ゲームの結果態様が所定結果態様となる場合に、遊技者に有利な所定遊技状態(例えば、大当り状態、小当り状態、確変状態、時短状態(普電サポート状態)を発生可能な遊技機において、
遊技領域に遊技球を発射する発射手段(球発射装置)と、
遊技球が入賞容易な入賞容易状態と入賞困難な入賞非容易状態とに変換可能であり、前記所定遊技状態において通常遊技状態よりも前記入賞容易状態に変換し易くなる変動入賞装置(普通変動入賞装置33、第1特別変動入賞装置38、第2特別変動入賞装置39)と、を備え、
前記発射手段は、遊技者による操作に対応して、第1の発射勢で遊技球を発射する第1発射態様(左打ち)と、前記第1の発射勢とは異なる第2の発射勢で遊技球を発射する第2発射態様(右打ち)と、で遊技球を発射可能であり、
前記変動入賞装置は、前記第1発射態様(左打ち)の場合よりも前記第2発射態様(右打ち)で発射された場合の方が、遊技球が容易に入賞可能となるように前記遊技領域(32)に配置され、
前記演出制御手段は、
前記通常遊技状態において前記第2発射態様(右打ち)で遊技球が発射された場合に、前記第1発射態様(左打ち)で遊技球を発射することを指示する指示表示(左打ち指示表示)を表示可能であり、
前記指示表示(左打ち指示表示)は、第1指示表示(第1左打ち指示表示691)と、当該第1指示表示とは異なる形態及び異なる位置で表示される第2指示表示(第2左打ち指示表示815)と、を含むことを特徴とする遊技機。
(10)前記演出制御手段は、エラー又は不正の発生したことを報知する特殊表示(エラー/不正表示851)を前記表示装置(41)に表示可能であり、
前記特殊表示及び前記指示表示の表示期間が重複する場合に、重複する期間において、前記指示表示のうち前記第2指示表示(第2左打ち指示表示815)を、前記特殊表示(エラー/不正表示851)とともに前記表示装置に表示可能であることを特徴とする(9)に記載の遊技機(図70(B)、図74)。
(11)前記重複する期間において、前記第2指示表示(第2左打ち指示表示815)の位置を変位させることを特徴とする(10)に記載の遊技機(図73(D))。
(12)前記演出制御手段は、
前記第1指示表示を前記表示装置の中央の第1表示領域(690)に、前記第2指示表示を前記表示装置の端の第2表示領域(810)に表示可能であり、
前記第1表示領域に少なくとも一部が重なる特殊表示領域(850)において、前記特殊表示を表示可能であり、
前記第1指示表示(第1左打ち指示表示691)の表示中に前記特殊表示の表示期間となった場合に、前記第1指示表示を消去するか、又は、視認し難くするよう変化させる(透過表示又は半透明表示)ことを特徴とする(10)に記載の遊技機(図70)。
(13)前記演出制御手段は、前記第2表示領域(810)を他の領域から区画して表示し、前記第2表示領域において、前記第2指示表示以外の情報も表示可能であることを特徴とする(12)に記載の遊技機(図70、図72)。
(14)前記所定遊技状態(ここでは確変状態)は、遊技球が所定の領域(V入賞口)に入球した場合に確定し、
前記演出制御手段は、前記所定遊技状態が確定したことを、前記第2表示領域において報知することを特徴とする(13)に記載の遊技機(図72(C))。
(15)前記演出として動作する可動体(可動役物805)を備え、前記可動体は、初期位置から動作位置に動作した場合に前記第2指示表示を視認可能とする窓部(805a)を備えることを特徴とする(9)から(14)のいずれか一つに記載の遊技機(図71)。
(16)前記演出制御手段は、前記第1指示表示及び/又は前記第2指示表示の表示中に、前記所定遊技状態が発生した場合に、前記第1指示表示及び/又は前記第2指示表示を消去することを特徴とする(9)から(15)のいずれか一つに記載の遊技機。
(17)前記演出制御手段は、前記第2指示表示(第2左打ち指示表示815)を表示する頻度に応じて、前記第2指示表示の態様を変化させることを特徴とする(9)から(16)のいずれか一つに記載の遊技機(図73)。
(18)前記演出制御手段は、前記第2指示表示(第2左打ち指示表示815)を、前記第1指示表示(第1左打ち指示表示691)よりも小さく表示することを特徴とする(9)から(17)のいずれか一つに記載の遊技機。
(19)前記演出制御手段は、前記第1指示表示を前記表示装置に表示可能であり、
前記第2指示表示を前記表示装置と異なる表示装置に表示可能であることを特徴とする(9)から(18)のいずれか一つに記載の遊技機。
(9a)始動条件の成立に基づき識別情報を変動表示させる変動表示ゲームを実行可能な遊技制御手段と、前記変動表示ゲームに関連する演出を表示装置に表示可能な演出制御手段と、を備えた遊技機において、
遊技者の操作に対応した発射態様で遊技領域に遊技球を発射する発射手段(球発射装置)を備え、
前記演出制御手段は、
所定の発射態様で遊技球を発射することを指示する指示表示(左打ち指示表示又は右打ち指示表示)を表示可能であり、
前記指示表示は、第1指示表示と、当該第1指示表示とは異なる形態及び異なる位置で表示される第2指示表示と、を含むことを特徴とする遊技機。
(9b)始動条件の成立に基づき識別情報を変動表示させる変動表示ゲームを実行可能な遊技制御手段と、前記変動表示ゲームに関連する演出を表示装置に表示可能な演出制御手段と、を備え、前記変動表示ゲームの結果態様が特別結果態様となる場合に、遊技者に有利な特別遊技状態(例えば大当り遊技状態)を発生可能な遊技機において、
遊技球が入賞容易な入賞容易状態と入賞困難な入賞非容易状態とに変換可能であり、前記特別遊技状態において通常遊技状態よりも前記入賞容易状態に変換する変動入賞装置を備え、
前記遊技制御手段は、
遊技球が前記変動入賞装置内の所定の領域を通過した場合に、前記特別遊技状態後に遊技者に有利な特定遊技状態(例えば高確率状態)に移行することを確定し、
前記演出制御手段は、
前記特定遊技状態への移行が確定した場合に、前記特定遊技状態への移行が確定したことを報知する情報表示(例えばV入賞表示、V報知表示)を表示可能であり、
前記情報表示は、第1情報表示(例えば表示画面の端の第1V報知表示)と、当該第1情報表示とは異なる形態及び異なる位置で表示される第2情報表示(例えば表示画面の中央の第2V報知表示)と、を含むことを特徴とする遊技機。
(第2実施形態の効果)
上記(9)の遊技機によると、第1指示表示(第1左打ち指示表示691)と第2指示表示(第2左打ち指示表示815)とが異なる形態及び異なる位置で表示できるため、第1指示表示と第2指示表示の一方が、エラー/不正表示851などの他の表示と重なっても、他方はこの他の表示と重なり難くなり、遊技者は、確実に遊技球の発射態様の指示を確認できる。また、種々のバリエーションで、柔軟に第1指示表示(第1左打ち指示表示691)と第2指示表示(第2左打ち指示表示815)とが表示できる。
上記(10)の遊技機によると、特殊表示(エラー/不正表示851)及び指示表示(左打ち指示表示)の表示期間が重複して、特殊表示(エラー/不正表示851)が第1指示表示(第1左打ち指示表示691)を消すか又は隠してしまった場合でも、重複する期間において、第2指示表示(第2左打ち指示表示815)は確実に表示できる。従って、遊技者は、第2指示表示(第2左打ち指示表示815)によって、遊技球の発射態様の指示を確認できる。
上記(11)の遊技機によると、特殊表示(エラー/不正表示851)及び指示表示(左打ち指示表示)の重複する期間において、第2指示表示(第2左打ち指示表示815)の位置を変位(動作)させて目立つようにできる(振動させるなど)。従って、特殊表示(エラー/不正表示851)が第1指示表示(第1左打ち指示表示691)を消すか又は隠してしまった場合でも、遊技者は、第2指示表示(第2左打ち指示表示815)に注目するようになる。
上記(12)の遊技機によると、第1指示表示(第1左打ち指示表示691)の表示中に特殊表示(エラー/不正表示851)の表示期間となっても、第1指示表示(第1左打ち指示表示691)を消去するか、又は、視認し難くするよう変化させるため、特殊表示(エラー/不正表示851)を見易い態様で表示できる。
上記(13)の遊技機によると、遊技者は、第2表示領域(810)を見るだけで、第2指示表示(第2左打ち指示表示815)を含む種々の情報をまとめて一度に確認できる。
上記(14)の遊技機によると、表示装置(41)で、ラウンド中の演出が実行されている場合や特殊表示(エラー/不正表示851)が表示された場合でも、第2表示領域(810)において、所定遊技状態が確定したこと(V入賞)を確実に報知できる。
上記(15)の遊技機によると、可動体(可動役物805)が動作位置に動作した場合でも、可動体の窓部(805a)を介して、第2指示表示(第2左打ち指示表示815)を視認することができる。
上記(16)の遊技機によると、所定遊技状態において、第2発射態様(右打ち)が推奨されるにもかかわらず、第1発射態様(左打ち)で遊技球を発射することを指示する第1指示表示及び/又は第2指示表示が表示されることを防止できる。
上記(17)の遊技機によると、第2指示表示(第2左打ち指示表示815)は、繰り返し表示されると、遊技者が注視する表示態様に変化する。このため、第2指示表示(第2左打ち指示表示815)に従って発射手段(球発射装置)を操作して第1発射態様(左打ち)にすることを遊技者に強く促すことができる。
上記(18)の遊技機によると、大きい第1指示表示(第1左打ち指示表示691)がエラー/不正表示851などの他の表示と重なり易くても、小さな第2指示表示(第2左打ち指示表示815)は、他の表示と重なり難くなり、遊技者に第1発射態様(左打ち)とする操作を促し続けることができる。
上記(19)の遊技機によると、第1指示表示(第1左打ち指示表示691)を表示する表示装置(41)の演出と第2指示表示(第2左打ち指示表示815)が重なることを防止でき、第2指示表示(第2左打ち指示表示815)を確実に遊技者に示すことができるとともに、表示装置(41)の演出を表示する領域を広げることができる。
上記(9a)の遊技機によると、第1指示表示(例えば表示画面中央の打ち方指示表示)と第2指示表示(例えば表示画面端の打ち方指示表示)とが異なる形態及び異なる位置で表示できるため、第1指示表示と第2指示表示の一方が、エラー/不正表示851などの他の表示と重なっても、他方はこの他の表示と重なり難くなり、遊技者は、確実に遊技球の発射態様の指示を確認できる。また、種々のバリエーションで、柔軟に第1指示表示と第2指示表示とが表示できる。
上記(9b)の遊技機によると、特別遊技状態(例えば大当り遊技状態)後に特定遊技状態(例えば高確率状態)への移行することが確定した場合に、特定遊技状態への移行が確定したことを報知する情報表示を表示可能であり、情報表示は、第1情報表示(例えば表示画面の端の表示)と、当該第1情報表示とは異なる形態及び異なる位置で表示される第2情報表示(例えば表示画面の中央の表示)と、を含む。従って、第1指示表示と第2指示表示の一方が、エラー/不正表示851等と重なっても、他方はエラー/不正表示851等と重なり難くなり、遊技者は、特定遊技状態(例えば高確率状態)へ移行することを明確に確認できる。
なお、本発明は、以上説明した実施形態に限定されることなく、その技術的思想の範囲内において種々の変形や変更が可能であり、それらも本発明の技術的範囲に含まれることが明白である。例えば、複数の実施形態を組合せることも可能である。左打ちと右打ちを入れ替える変更を行って実施形態を適用することなども可能である。
また、パチンコ機以外のパチスロ機等の遊技機にも本発明を適用可能である。
本発明の範囲は特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味及び内容の範囲でのすべての変更が含まれることが意図される。