JP2019014841A - 蓄熱材料の製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】大きな蓄熱量と高い熱伝導率とが両立された蓄熱材料の製造方法を提供すること。
【解決手段】金属有機構造体(MOF)と、熱伝導助剤と、金属粒子とを混合して混合物を得ること、及び前記混合物を加熱することを含み、前記金属粒子は、融点が500℃以下の金属から成り、且つ最大粒径が150nm以下の低融点金属のナノ粒子である、蓄熱材料の製造方法。
【選択図】図3

Description

本発明は、蓄熱材料の製造方法に関する。
熱交換器等における蓄熱材料として、MOF(Metal Organic Frameworks:金属有機構造体)を用いることが知られている。しかし、MOFそのものは熱伝導率が低いため、蓄熱材料として適用するためには、熱伝導率を向上することが必要である。
特許文献1には、熱伝達流体を搬送するための少なくとも1つのチューブ状又はマイクロチャネル構造を備え、前記構造の外面は少なくとも2つの位置で延長部を備え、前記延長部は1つ又は複数の吸着体材料を提供するためにそれらの間に床を形成し、吸着体材料のコーティングが前記延長部の少なくとも一部に施される、ハイブリッド吸着熱交換デバイスが記載されている。この特許文献1には、蓄熱材料として機能する吸着体材料としてMOFを使用できることが記載されており、更に、吸着体材料の熱伝導率を高めるために炭素繊維を添加できることが記載されている。
特許文献2には、マトリックス樹脂40vol%以上と、該マトリックス樹脂に分散された熱伝導性フィラー10〜55vol%と、残部が該熱伝導性フィラー同士を連結する融点500℃以下の低融点合金から成り、上記低融点合金と上記熱伝導性フィラーの体積含有率の比率が、低融点合金/熱伝導性フィラー=1/30〜3/1の範囲にある高熱伝導性樹脂組成物が記載されている。特許文献2には、更に、低融点合金の粒径が5mm以下が好ましいこと、及び低融点合金の粒径が5mmよりも大きいと、溶融に時間を要し、均一に分散し難くなることが記載されている。
特表2017−508121号公報 国際公開第2003/029352号
特許文献1の技術によると、炭素繊維の添加によって蓄熱材料の熱伝導率が向上されると説明されているが、その程度は不十分である。
特許文献2は、蓄熱材料ではなく、高熱伝導性樹脂組成物に関し、該樹脂組成物中の熱伝導性フィラーの使用量が10〜55vol%と大量である。そのため、蓄熱材料として適用することは困難である。この特許文献2では、実施例における低融点合金として、平均粒系が十数ミクロンオーダーの合金粒子粉末を使用している。
本発明は、上記のような従来技術における問題点に鑑みてなされた。本発明の目的は、大きな蓄熱量と高い熱伝導率とが両立された蓄熱材料の製造方法を提供することである。
本発明は、以下のとおりのものである。
[1]金属有機構造体と、熱伝導助剤と、金属粒子とを混合して混合物を得ること、及び
前記混合物を加熱すること
を含み、
前記金属粒子は、融点が500℃以下の金属の粒子であり、且つ最大粒径が150nm以下である、
蓄熱材料の製造方法。
本発明の非限定的な好ましい実施形態は、以下のとおりである。
[2]前記金属有機構造体が、金属イオン又は金属酸化物クラスターイオンと、多座有機配位子とから構成される多孔性の配位化合物である、[1]に記載の方法。
[3]前記金属イオンが、Co2+、Ni2+、Cu2+、及びZr2+から選択される、[2]に記載の方法。
[4]前記金属酸化物クラスターイオンが、Zr(OH)、Zr、及びZrOから選択される金属酸化物クラスターのイオンである、[2]に記載の方法。
[5]前記多座有機配位子が、ポリカルボン酸、イミダゾール化合物、ピラゾール化合物、トリアゾール化合物、ピリジン化合物、及びトリエチレンジアミンから選択される、[2]〜[4]のいずれか一項に記載の方法。
[6]前記熱伝導助剤が炭素繊維である、[1]〜[5]のいずれか一項に記載の方法。
[7]前記金属粒子がスズ粒子である、[1]〜[6]のいずれか一項に記載の方法。
[8]前記蓄熱材料の全質量に占める前記熱伝導助剤の質量割合が5.0質量%以下である、[1]〜[7]のいずれか一項に記載の方法。
[9]前記蓄熱材料の全質量に占める前記金属粒子の質量割合が5.0質量%以下である、[1]〜[8]のいずれか一項に記載の方法。
[10]前記混合物の加熱が加圧条件下で行われる、[1]〜[9]のいずれか一項に記載の方法。
[11]前記混合物の加熱が放電プラズマ焼結によって行われる、[10]に記載の方法。
本発明によると、大きな蓄熱量と高い熱伝導率とが両立された蓄熱材料の製造方法が提供される。
図1は、従来技術の一態様における蓄熱材料が、熱伝導率に劣る機構を説明するための概念図である。 図2は、従来技術の別の態様における蓄熱材料が、熱伝導率に劣る機構を説明するための概念図である。 図3は、本発明の蓄熱材料が、熱伝導率に優れる機構を説明するための概念図である。 図4は、実施例1及び比較例1における熱伝導率の測定結果を示すグラフである。
本発明は、
金属有機構造体と、熱伝導助剤と、金属粒子とを混合して混合物を得ること、及び
前記混合物を加熱すること
を含み、
前記金属粒子は、融点が500℃以下の金属の粒子であり、且つ最大粒径が150nm以下である、
蓄熱材料の製造方法に関する。
本発明の方法によって製造された蓄熱材料は、大きな蓄熱量と高い熱伝導率とが両立されたものである。
従来の蓄熱材料において、蓄熱材に、熱伝導助剤として例えば炭素繊維を添加したとしても、熱伝導率の向上の程度は不十分であった。その理由は、添加された炭素繊維間の熱抵抗が高く、蓄熱材からある炭素繊維に伝導された熱の流れが、隣接する炭素繊維との接触部又は間隙において遮断され、有効な熱伝導経路を形成することが困難であるためと推察される(図1参照)。
そこで、特許文献2の教示に従って、平均粒径が十数ミクロンオーダーの低融点金属粒子を添加することが考えられる。しかし、粒径十数ミクロンの粒子は、一般的な炭素繊維の径に比べて有意に大きいから、炭素繊維の間隙に入り込むことができない(図2参照)。この場合も、炭素繊維間に有効な熱伝導経路を形成することは困難であり、熱伝導率の向上の程度は不十分である。
これらに対して本発明では、金属粒子として、融点が500℃以下の金属から成り、且つ最大粒径が150nm以下の低融点金属のナノ粒子を使用し、更に、蓄熱材である金属有機構造体と、熱伝導助剤と、低融点金属ナノ粒子とを混合した後に、加熱処理を行うことにより、蓄熱材料を得る。低融点金属ナノ粒子は、粒径が小さいから熱伝導助剤の間隙に容易に入り込むことができる。更に、各成分混合後の加熱処理によって、熱伝導助剤の間隙に入り込んだ低融点金属ナノ粒子が溶融し、隣接する2つの熱伝導助剤の双方に接触した状態で凝固することにより、安定的な熱伝導経路が形成されると考えられる。従って、本発明の蓄熱材料では、蓄熱材であるMOFからある熱伝導助剤に伝導された熱の流れは、熱伝導助剤間の金属粒子を介して隣接する熱伝導助剤に容易に伝導され、その結果、高い熱伝導率を示すことができる(図3参照)。
しかも、本発明の方法によって得られた蓄熱材料では、上記のように、有効な熱伝導経路を容易且つ効率的に形成し得るから、熱伝導助剤及び金属粒子の使用量を低く抑えてよい。従って、本発明の方法によると、蓄熱材である金属有機構造体の使用量を相対的に高く設定することができるから、蓄熱材が本来有していた蓄熱量を損なうことなく、高いままに維持することができる。
本発明によると、上記のような作用機構によって、大きな蓄熱量と高い熱伝導率とが両立された蓄熱材料が得られる。
以下、本発明の蓄熱材料の製造方法について、その好ましい実施形態(以下、「本実施形態」という。)を例として、詳細に説明する。
<金属有機構造体>
本実施形態における金属有機構造体(MOF)は、金属イオン又は金属酸化物クラスターイオンと、多座有機配位子とから構成される多孔性の配位化合物であってよい。本実施形態におけるMOFは、詳しくは、金属イオン又は金属酸化物クラスターイオンに多座有機配位子が配位して、内部に細孔を有する結晶性の三次元配位ネットワーク構造を形成して成る配位化合物であってよい。MOFは、多孔性配位高分子(PCP:Porous Coordination Polymer)と呼ばれることもある。
金属イオンは、例えば、Mn2+、Fe2+、Co2+、Ni2+、Cu2+、Zr2+、Al3+等から選択される1種以上であってよく、好ましくはCo2+、Ni2+、Cu2+、及びZr2+から選択される1種以上であってよく、特に好ましくはZr2+であってよい。
金属酸化物クラスターイオンは、複数個の金属原子と、酸素原子と、任意的にその他の原子とを含み、全体が正に荷電した金属酸化物クラスターのイオンであってよい。金属酸化物クラスターイオンを構成する金属原子は、例えば、Mn、Fe、Co、Ni、Cu、Zr、Al等から選択される1種以上であってよく、好ましくはCo、Ni、Cu、及びZrから選択される1種以上であってよく、特に好ましくはZrであってよい。金属酸化物クラスターイオンは、例えば、Zr(OH)、Zr、ZrO等から選択される1種以上の金属酸化物クラスターのイオンであってよい。
多座有機配位子は、例えば、ポリカルボン酸、イミダゾール化合物、ピラゾール化合物、トリアゾール化合物、ピリジン化合物、トリエチレンジアミン等から選択される1種以上であってよい。
ポリカルボン酸は、例えば、フマル酸、フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、1,3,5−ベンゼントリカルボン酸、1,3,5−トリス(4−カルボキシフェニル)ベンゼン、3,5−ピリジンジカルボン酸等であってよい。イミダゾール化合物は、例えば、イミダゾール、ベンゾイミダゾール等であってよい。ピラゾール化合物は、例えば、1H,1’H−4,4’−ビピラゾール等であってよい。トリアゾール化合物は、例えば、1,2,4−トリアゾール等であってよい。ピリジン化合物からは、上記のポリカルボン酸に該当するものは除かれ、例えば、4,4’−ビピリジン、1,2−ジ(4−ピリジル)エチレン等であってよい。
MOFは、例えば、上記の金属イオンを含む金属塩と、多座有機配位子とを、適当な溶媒中で混合して加熱することにより、調製することができる。具体的な調製方法は、例えば、非特許文献1(J.Am.Chem.Soc.,2014,136,p4369)に記載の方法によってよい。
本実施形態におけるMOFの使用量は、得られる蓄熱材料の蓄熱量を高く維持する観点から、できるだけ多い方がよい。具体的には、得られる蓄熱材料の全質量に占めるMOFの質量割合として、90質量%以上、92質量%以上、又は94質量%以上であってよい。一方で、熱伝導助剤及び金属粒子の使用による、熱伝導経路の形成機能を有効に発現させるため、蓄熱材料の全質量に占めるMOFの質量割合は、98質量%以下又は96質量%以下であってよい。
<熱伝導助剤>
本実施形態における熱伝導助剤としては、炭素繊維を用いてよい。この炭素繊維は例えば、PAN系炭素繊維、ピッチ系炭素繊維、気相法炭素繊維、活性炭素繊維等であってよい。これらのうち、熱伝導率の向上効果が大きいことの他、繊維長が比較的短くてMOFとの混合性に優れることから、気相法炭素繊維が好ましい。
本実施形態における熱伝導助剤として炭素繊維を用いる場合、その平均径は、例えば、80nm以上、100nm以上、120nm以上、又は140nm以上であってよく、例えば、240nm以下、220nm以下、200nm以下、又は180nm以下であってよい。炭素繊維の長さは、例えば、4μm以上、6μm以上、又は8μm以上であってよく、18μm以下、16μm以下、14μm以下、又は12μm以下であってよい。
本実施形態における熱伝導助剤の使用量は、従来技術における熱伝導助剤の使用量と比較して少なくてよい。具体的には、得られる蓄熱材料の全質量に占める熱伝導助剤の質量割合として、5.0質量%以下、4.5質量%以下、又は4.0質量%以下であってよい。一方で、熱伝導助剤の使用による、蓄熱材料の熱伝導率向上効果を有効に発現させるため、蓄熱材料の全質量に占める熱伝導助剤の質量割合は、1.0質量%以上、2.0質量%以上、又は2.5質量%以上であってよい。
<金属粒子>
本実施形態における金属粒子は、融点が500℃以下の金属の粒子であり、且つ最大粒径が150nm以下である。
本実施形態における金属粒子を構成する金属は、融点が500℃以下であれば、1つの金属元素から成る金属であっても、2つ以上の金属元素から成る合金であってもよい。金属粒子を構成する金属の融点は、450℃以下、400℃以下、350℃以下、又は300℃以下であってもよい。しかしながら、金属粒子を構成する金属の融点が過度に低いと、蓄熱材料の稼働中に融解し、蓄熱材料の構造が破壊される可能性がある。そのため、金属粒子を構成する金属の融点は、例えば、180℃以上、200℃以上、又は220℃以上であってよい。上記における金属の融点は、バルクの金属について1気圧において測定した値である。
本実施形態における金属粒子は、最大粒径150nm以下のナノ粒子であることにより、熱伝導助剤の間隙に容易に入り込み、熱伝導助剤間に有効な熱伝導経路を形成することができる。金属粒子の最大粒径は、140nm以下、130nm以下、又は120nm以下であってよく、30nm以上、50nm以上、又は70nm以上であってよい。金属粒子の平均径は、例えば、30nm以上又は50nm以上であってよく、120nm以下又は100nm以下であってよい。
本実施形態における金属粒子を構成する金属は、具体的には例えば、亜鉛、スズ、鉛、ビスマス、セレン等であってよい。これらのうち、融点の低さ、沸点の高さ、入手性の良さ、毒性の少なさ等の観点から、スズ(融点232℃、沸点2,600℃)の粒子を使用してよい。
本実施形態における金属粒子の使用量は、得られる蓄熱材料の蓄熱量を高く維持する観点から、熱伝導助剤間に有効な熱伝導経路を形成することができる限りで、できるだけ少ない方がよい。具体的には、得られる蓄熱材料の全質量に占める金属粒子の質量割合として、5.0質量%以下、4.5質量%以下、又は4.0質量%以下であってよい。一方で、金属粒子の使用による、熱伝導経路の形成機能を有効に発現させるため、蓄熱材料の全質量に占める金属粒子の質量割合は、1.0質量%以上、2.0質量%以上、又は2.5質量%以上であってよい。
<熱伝導助剤及び金属粒子の使用割合>
本実施形態における熱伝導助剤及び金属粒子の使用割合は、各成分の使用量が上記の範囲内である限り、任意であってよい。しかしながら、両者の合計質量に対する金属粒子の割合として、例えば、10質量%以上、15質量%以上、又は20質量%以上であって、例えば、70質量%以下、60質量%以下、又は50質量%以下の範囲を例示することができる。
<蓄熱材料の製造方法>
本実施形態の蓄熱材料の製造方法は、
金属有機構造体と、熱伝導助剤と、金属粒子とを混合して混合物を得ること、及び
得られた混合物を加熱すること
を含む。
[混合]
金属有機構造体、熱伝導助剤、及び金属粒子の混合は、金属粒子が熱伝導助剤間に入り込むのに足りるシェアをかけられるものである限り、湿式混合でも、乾式混合でもよい。
湿式混合は、適当な溶媒と、金属有機構造体、熱伝導助剤、及び金属粒子とを、任意の順で混ぜ合わせて、適当な撹拌装置によって撹拌する方法によって行ってよい。溶媒としては、熱伝導助剤として好ましく使用される炭素繊維の分散に特別効果的な、所謂「マジックソルベント」と呼ばれる1−メチル−2−ピロリドン、又は1−メチル−2−ピロリドンと他の溶媒との混合溶媒を使用してよい。撹拌装置は、例えば、超音波ホモジナイザー、自転・公転ミキサー等、及びこれらの組み合わせ等から選択されてよい。
乾式混合は、金属有機構造体、熱伝導助剤、及び金属粒子を、任意の順で混ぜ合わせて、適当な混練装置によって混練する方法によって行ってよい。混練装置は、例えば、ボールミル、ビーズミル等であってよい。
[加熱]
次いで、上記で得られた混合物を加熱する。この加熱によって、金属粒子が溶融して熱伝導助剤間を溶着することにより、安定的な熱伝導経路が形成されると考えられる。従って、加熱温度は、金属粒子を構成する金属の融点以上の温度に設定されてよい。例えば、金属粒子としてスズ(融点232℃)の粒子を使用する場合の加熱温度は、232℃以上、235℃以上、238℃以上、又は240℃以上であってよい。この加熱温度は、過度に高い必要はなく、例えば、300℃以下、280℃以下、又は260℃以下であってよい。
加熱時間は、例えば、15分以上、30分以上、45分以上、又は1時間以上であってよく、例えば、12時間以下、6時間以下、4時間以下、又は2時間以下であってよい。
この加熱は、常圧下で行ってもよいし、減圧下又は加圧下で行ってもよい。緻密な多孔性の結晶構造を効率よく得る観点からは、加圧下に加熱することが好ましい。加圧の際の圧力は、例えば、1MPa以上、10MPa以上、50MPa以上、75MPa以上、100MPa以上、又は120MPa以上であってよく、例えば、300MPa以下、250MPa以下、200MPa以下、又は180MPa以下であってよい。
上記の加熱、及び任意的な加圧は、適当な装置を用いて行ってよく、例えば、放電プラズマ焼結装置によって行われてよい。
<MOFの合成>
非特許文献1(J.Am.Chem.Soc.,2014,136,p4369)に記載の方法に従って、Zr(OH)(fumarate)を合成した。
60mLのスクリュー栓付きガラス瓶中で、フマル酸0.081g(0.70mmol)及びZrOCl・8HO 0.23g(0.70mmol)を、N,N−ジメチルホルムアミド(DMF)35mL及びギ酸35mLから成る混合溶媒中に溶解させた。得られた溶液を、120℃にて24時間加熱した。生成した8面体の無色結晶を回収し、フレッシュなDMF5mLによる洗浄を3回行った。
得られた結晶を、無水DMF10mLにて1日3回ずつ、3日間にわたって洗浄した後、メタノール10mL中に3日間浸漬した。メタノール浸漬の3日の間、メタノールを1日3回交換した。固体を回収し、真空下、150℃において24時間乾燥することにより、MOFとしてのZr(OH)(fumarate)を得た。
元素分析 C:19.25%、H:1.05%
<実施例1>
(1)蓄熱材料の調製
上記で得られたMOF114mg、熱伝導助剤としての炭素繊維(昭和電工(株)製、品名「VGCF」)4.8mg、及び金属粒子としての最大粒径150nmのスズナノ粒子(Aldrich製)1.2gを、1−メチル−2−ピロリドン10mL中に投入し、超音波照射による混合、及び自転・公転ミキサーによる混合をこの順で行った。次いで、固体をろ取してアセトンで1回洗浄した後、120℃において1晩減圧乾燥して、MOF−熱伝導助剤−金属粒子混合物を得た。
得られたMOF−熱伝導助剤−金属粒子混合物60mgを直径10mmφの放電プラズマ焼結用金属ダイス中に封入し、以下の条件にて放電プラズマ焼結を行うことにより、蓄熱材料のペレットを得た。
圧力:150MPa
温度:240℃
昇温速度:40℃/分
保持時間:1時間
雰囲気:アルゴン
(2)熱伝導率の測定
得られた蓄熱材料について、JIS R2616に記載のプローブ法に準拠して熱伝導率を測定した。
<実施例2及び比較例1〜5>
各成分の使用量を表1のとおりとした他は実施例1と同様にして蓄熱材料を調整し、その熱伝導率を測定した。なお、比較例1では金属粒子を使用しなかった。比較例2〜4では、金属粒子として、最大粒径150nmのスズナノ粒子に代えて、最大粒径150μmのスズ粒子(Aldrich製)を用いた。比較例4及び5では熱伝導助剤を使用しなかった。
実施例1及び2、並びに比較例1〜5は、混合物全量に対するMOFの使用量を95質量%に固定して、残り5質量%の添加剤(熱伝導助剤及び金属粒子)中の金属粒子の使用割合を変更して行った実験である。これらの実施例及び比較例における熱伝導率の測定結果を、図4に示した。
Figure 2019014841
図4に示されるように、MOF及び炭素繊維のみを用いた比較例1、MOF及びスズ粒子(最大粒径150μm以下)のみを用いた比較例4、及びMOF及びスズナノ粒子(最大粒径150nm以下)のみを用いた比較例5の蓄熱材料試料は、熱伝導率がさほど高くはない。また、MOF、炭素繊維、スズ粒子(最大粒径150μm以下)を用いた比較例2及び3の蓄熱材料試料も、比較例1、4、及び5の蓄熱材料試料と比べて熱伝導率の大きな向上は見られない。
これらに対して、MOF、炭素繊維、及びスズナノ粒子(最大粒径150nm以下)を用いた実施例1及び2の蓄熱材料試料は、熱伝導率が顕著に向上することが検証された。スズをナノ粒子として用いると、炭素繊維間に入り込み易く、炭素繊維間に熱流路が多く形成されたため、蓄熱材料の熱伝導率が顕著に向上したものと推察される。

Claims (1)

  1. 金属有機構造体と、熱伝導助剤と、金属粒子とを混合して混合物を得ること、及び
    前記混合物を加熱すること
    を含み、
    前記金属粒子は、融点が500℃以下の金属の粒子であり、且つ最大粒径が150nm以下である、
    蓄熱材料の製造方法。
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