JP2019014231A - 積層造形法 - Google Patents
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Abstract
【課題】積層造形装置の作動制御を容易化することができ、高精度の三次元構造物を容易に作成できる積層造形法を提供する。【解決手段】実際の三次元構造物の製造条件と同一条件で補正値作成用モデルを作成する第1の工程と、この第1の工程で作成した補正値作成用モデルの実際の変化率を算出する第2の工程と、三次元構造物が収縮後に設計したとおりの形状になるように、実際の変化率から三次元構造物の補正値を算出する第3の工程と、第3の工程で算出した補正値で補正用3Dデータを作成する第4の工程と、補正用3Dデータで積層造形装置を作動させる第5の工程と、を備えている。【選択図】図7
Description
この発明は、光照射によって硬化した樹脂層を積み重ね、三次元構造物を製造する積層造形法に関するものである。
従来から知られている積層造形法の一つである光造形法は、硬化工程において、容器内の液状の光硬化性樹脂に光(例えば、レーザー光)を照射し、光が当たった造形テーブル上の1層分の光硬化性樹脂を硬化させ、次に造形テーブルを移動させて硬化した1層目の光硬化性樹脂の上に2層目の液状の光硬化性樹脂を供給し、その2層目の液状の光硬化性樹脂に光を照射し、光が当たった2層目の光硬化性樹脂を硬化させ、このような作業をN層まで繰り返し行って、所望の光造形物(三次元構造物)を形作るようになっている。
しかしながら、このような光造形法によって形成される光造形物は、光硬化性樹脂層が多数積層されたものであり、最初に光が照射された1層目の光硬化性樹脂層とその後に光が照射されたN層目(最終層)の光硬化性樹脂層とを対比した場合、1層目の光硬化樹脂層とN層目の光硬化樹脂層とで光の照射履歴が大きく異なり、1層目の光硬化樹脂層の方がN層目の光硬化樹脂層よりも光照射量が多くなる。その結果、光造形法によって形成された光造形物は、光の照射履歴に応じた変形が生じる。
図8は、光造形法によって形成された光造形物100を示す図であり、変形を誇張して示す光造形物100の図である。なお、図8(a)は光造形物100の平面図であり、図8(b)は光造形物100の正面図であり、図8(c)は光造形物100の側面図である。
この図8に示すように、光造形法によって形成された光造形物100は、最後に光が照射されたN層目の光硬化樹脂層101anから最初に光が照射された1層目の光硬化性樹脂層101a1に向かうにしたがって収縮量が大きくなっており、外観形状が変形するのみでなく、凸部102の位置が下面103(N層目の光硬化性樹脂層101anの下面103)側と上面104(1層目の光硬化性樹脂層101a1の上面104)側とでずれを生じると共に、N層目の光硬化性樹脂層101an側から1層目の光硬化性樹脂層101a1側へ向かうにしたがって凸部102が光造形物100の中心(xy平面の原点)oに近づいている。また、光造形法によって形成された光造形物100は、長手方向(xy平面におけるX方向)と短手方向(xy平面におけるY方向)とで収縮量が違う場合、真円として設計された凸部102が楕円形状に変形する。
このように、光造形法によって形成された光造形物100は、各光硬化性樹脂層101a1〜101anの光の照射履歴によって収縮差を生じ、その収縮差によって形状精度が悪化するという不具合を有している。そこで、このような光造形法の不具合を解消するため、各光硬化性樹脂層101a1〜101anに対する刺激力(照明の強さ)及び前刺激待ち時間(n層目の光硬化性樹脂層101anを形成する時点とn−1層目の光硬化性樹脂層101a(n−1)を形成する時点との間の期間)などのパラメータを各光硬化性樹脂層101a1〜101an毎に選択し、各光硬化性樹脂層101a1〜101an毎の収縮差を最小化する技術(光造形法)が開発された(特許文献1参照)。
しかしながら、従来の光造形法は、各光硬化性樹脂層101a1〜101an毎に刺激力及び前刺激待ち時間などのパラメータを選択し、各光硬化性樹脂層101a1〜101an毎に光硬化条件を変えるようになっているため、積層造形装置(例えば、3Dプリンター)の作動制御が難しいという問題を有している。
そこで、本発明は、積層造形装置の作動制御を容易化することができ、高精度の三次元構造物を容易に作成できる積層造形法の提供を目的とする。
本発明は、光照射によって硬化した樹脂層を積み重ね、三次元構造物6を製造する積層造形法に関するものである。この発明に係る積層造形法は、実際の三次元構造物6の製造条件と同一条件で補正値作成用モデル6Aを作成する第1の工程と、前記第1の工程で作成した前記補正値作成用モデル6Aから樹脂材料の実際の変化率を算出する第2の工程と、前記三次元構造物6が収縮後に設計したとおりの形状になるように、実際の変化率から三次元構造物6の補正値を算出する第3の工程と、前記補正値で補正用3Dデータ7Aを作成する第4の工程と、前記補正用3Dデータ7Aで積層造形装置5を作動させる第5の工程と、を備えている。
本発明に係る積層造形法によれば、補正値作成用モデルから算出した補正値で補正用3Dデータを作成し、その補正用3Dデータで積層造形装置を作動させることができるため、積層造形装置の作動制御を容易化することができ、高精度の三次元構造物を容易に作成できる。
以下、本発明の実施形態を図面に基づき詳述する。なお、本実施形態は、積層造形法のうちの光造形法について説明する。
(硬化工程)
図1は、本発明の実施形態に係る光造形法の硬化工程を示す図である。この図1に示すように、本実施形態に係る光造形法は、容器1内に液状の光硬化性樹脂2(例えば、エポキシ系樹脂、アクリレート系樹脂)を入れ、容器1内を昇降する造形テーブル3のサポート4の下に1層分の液状の光硬化性樹脂層2を位置させる(図1(a))。この図1において、光造形法に使用される3Dプリンター(積層造形装置)5は、光造形物(三次元構造物)6に対応する3Dデータ7が制御コントローラ8に入力されると、その入力された3Dデータ7が制御コントローラ8内の作動制御ソフトによって処理され、制御コントローラ8から造形テーブル3の昇降用の第1ステッピングモータ10に制御信号が出力されると共に、制御コントローラ8から光照射手段11の移動案内手段12の駆動部となる第2ステッピングモータ13に制御信号が出力され、また、制御コントローラ8から光照射手段11に光14(例えば、レーザー光)の照射をコントロールするための制御信号が出力される。
図1は、本発明の実施形態に係る光造形法の硬化工程を示す図である。この図1に示すように、本実施形態に係る光造形法は、容器1内に液状の光硬化性樹脂2(例えば、エポキシ系樹脂、アクリレート系樹脂)を入れ、容器1内を昇降する造形テーブル3のサポート4の下に1層分の液状の光硬化性樹脂層2を位置させる(図1(a))。この図1において、光造形法に使用される3Dプリンター(積層造形装置)5は、光造形物(三次元構造物)6に対応する3Dデータ7が制御コントローラ8に入力されると、その入力された3Dデータ7が制御コントローラ8内の作動制御ソフトによって処理され、制御コントローラ8から造形テーブル3の昇降用の第1ステッピングモータ10に制御信号が出力されると共に、制御コントローラ8から光照射手段11の移動案内手段12の駆動部となる第2ステッピングモータ13に制御信号が出力され、また、制御コントローラ8から光照射手段11に光14(例えば、レーザー光)の照射をコントロールするための制御信号が出力される。
次に、本実施形態に係る光造形法は、造形テーブル3のサポート4の下に位置する液状の光硬化性樹脂2に光照射手段11から光14を照射し、光14が当たった1層分の光硬化性樹脂層2a1を硬化させる(図1(b))。
次に、本実施形態に係る光造形法は、造形テーブル3を上昇させ、硬化した1層目の光硬化性樹脂層2a1の下に2層目の液状の光硬化性樹脂2を供給し、その2層目の液状の光硬化性樹脂2に光14を照射し、光14が当たった2層目の光硬化性樹脂層2a2を硬化させる(図1(c))。
そして、本実施形態に係る光造形法は、上記のような作業を繰り返し行い、硬化した光硬化性樹脂層2a(n−1)の下に新たな液状の光硬化性樹脂層2を供給し、その液状の光硬化性樹脂2に光14を照射して、液状の光硬化性樹脂2を硬化させ、複数層(N層)の光硬化性樹脂層2anを積み重ねて、3次元形状の光造形物6を形作るようになっている(図1(d))。
以上のような本実施形態に係る光造形法の硬化工程において、液状の光硬化性樹脂2に対する光14の照射範囲(光硬化させる範囲)は、後述する補正用3Dデータ7Aに基づいて定められる。
上記硬化工程が終了した後、造形テーブル3が上昇し、容器内から光造形物6が取り出されるようになっている。次に、造形テーブル3からサポート4及び光造形物6が取り外されるようになっている。そして、サポート4と光造形物6とを切り離すようになっている。
(三次元構造物)
図2は、本発明の実施形態に係る光造形法によって形成された光造形物(三次元構造物)6を示す図である。なお、図2(a)は光造形物6の平面図であり、図2(b)は光造形物6の正面図であり、図2(c)は光造形物6の側面図である。
図2は、本発明の実施形態に係る光造形法によって形成された光造形物(三次元構造物)6を示す図である。なお、図2(a)は光造形物6の平面図であり、図2(b)は光造形物6の正面図であり、図2(c)は光造形物6の側面図である。
この図2に示すように、本発明の実施形態に係る光造形法によって形成された光造形物6は、平面視した形状が凸部20を有する矩形形状の直方体であり、表裏のそれぞれの面側に同一形状の凸部20が複数形成されている。この光造形物6は、1層目の光硬化性樹脂層2a1からN層目の光硬化性樹脂層2anまでの収縮差がなく、裏面(下面)21と4側面22a〜22dとが直角であり、表面(上面)23と4側面22a〜22dが直角になっている。また、光造形物6は、凸部20を平面視した形状が真円であり、1層目の光硬化性樹脂層2a1における凸部20の位置とN層目の光硬化性樹脂層2anにおける凸部20の位置に差がなく、凸部20の中心軸20aが裏面(下面)21及び表面(上面)23に直交するように形成されている。
(補正用3Dデータの作成)
光造形法によって作成される光造形物6は、積み重ねられる光硬化性樹脂層2a1〜2an毎に光の照射履歴が異なり、光硬化性樹脂層2a1〜2an毎に変化量(以下、収縮量ともいう)が異なる。すなわち、光造形物6は、光の照射量が少ない第N層目の光硬化性樹脂層2anから光の照射量が多い第1層目の光硬化性樹脂層2a1に向かうにしたがって収縮量が漸増する(図3参照)。その結果、図2に示す光造形物6に対応する3Dデータ(補正されていない設計値を使用した3Dデータ)をそのまま使用して光造形した場合には、収縮差による形状のズレを生じ、図2に示す光造形物6を正確に作成することができなくなる(図3参照)。
光造形法によって作成される光造形物6は、積み重ねられる光硬化性樹脂層2a1〜2an毎に光の照射履歴が異なり、光硬化性樹脂層2a1〜2an毎に変化量(以下、収縮量ともいう)が異なる。すなわち、光造形物6は、光の照射量が少ない第N層目の光硬化性樹脂層2anから光の照射量が多い第1層目の光硬化性樹脂層2a1に向かうにしたがって収縮量が漸増する(図3参照)。その結果、図2に示す光造形物6に対応する3Dデータ(補正されていない設計値を使用した3Dデータ)をそのまま使用して光造形した場合には、収縮差による形状のズレを生じ、図2に示す光造形物6を正確に作成することができなくなる(図3参照)。
図3は、光造形物6の設計形状(二点鎖線で示す形状であり、光造形物(収縮前)と略称する)と光造形物6の光造形後の形状(実線で示す形状であり、光造形物(収縮後)と略称する)とを対比して示す図である。なお、図3(a)は光造形物6の平面図であり、図3(b)は光造形物6の正面図であり、図3(c)は光造形物6の側面図であり、図3(d)は光造形物6の裏面図である。また、この図3において、光造形物(収縮後)6の形状は、光造形物(収縮前)6との違いを明確にするため、収縮量を誇張して記載してある。
図3に示すように、光造形物6は、平面視した形状が凸部20を有する矩形形状の直方体状の六面体である。この図3において、光造形物(収縮前)6は、長手方向の寸法をX0とし、短手方向の寸法をY0としている。また、光造形物(収縮後)6は、第N層目の光硬化性樹脂層2anの裏面(下面)21における長手方向の寸法をX1とし、第N層目の光硬化性樹脂層2anの裏面(下面)21における短手方向の寸法をY1としている。また、光造形物(収縮後)6は、第1層目の光硬化性樹脂層2a1の表面(上面)23における長手方向の寸法をX2とし、第1層目の光硬化性樹脂層2a1の表面(上面)23における短手方向の寸法をY2としている。また、この図3に示すように、光造形物6は、複数の凸部20が表裏の同じ位置に形成されており、平面視した矩形形状の表面(上面)23の中心位置(図心位置)をxy平面の原点(o)とすると共に、平面視した矩形形状の裏面(下面)21の中心位置(図心位置)をxy平面の原点(o)としている。そして、光造形物(収縮後)6は、第N層目の光硬化性樹脂層2anの収縮量に応じて、第N層目の光硬化性樹脂層2anの裏面(下面)21に位置する凸部20の中心が光造形物(収縮前)6の凸部20の中心からズレて位置する。また、光造形物(収縮前)6は、第N層目の光硬化性樹脂層2anにおいて、凸部20の形状が第N層目の光硬化性樹脂層2anのx方向の収縮量とy方向の収縮量の差によって設計形状の真円から楕円に変形する。また、光造形物(収縮後)6は、第1層目の光硬化性樹脂層2a1の収縮量に応じて、第1層目の光硬化性樹脂層2a1の表面(上面)23に位置する凸部20の中心が光造形物(収縮前)6の凸部20の中心からズレて位置し、その凸部20の中心のズレ量が第N層目の光硬化性樹脂層2anの裏面(下面)21に位置する凸部20の中心のズレ量よりも多くなる。また、光造形物(収縮後)6は、第1層目の光硬化性樹脂層2a1の表面(上面)23において、凸部20の形状が第1層目の光硬化性樹脂層2a1のx方向の収縮量とy方向の収縮量の差によって光造形物(収縮前)6の真円から楕円に変形し、その凸部20の変形量が第N層目の光硬化性樹脂層2anの裏面(下面)21における凸部20の変形量よりも大きくなる。なお、本実施形態に係る光造形法(積層造形法)の説明において、凸部20の形状を真円又は楕円と具体的に特定しない限り、凸部20の形状を円と表現し、その円に真円及び楕円の両方を含むものとする。
以上の図3を使用した説明のように、光造形後の光造形物(収縮後)6は、光の照射履歴に応じて収縮するため、補正を施していない光造形物(収縮前)6に対し、形状のズレを生じる。そこで、本実施形態に係る光造形法は、以下のようにして作成した補正用3Dデータ7Aを使用して光造形物6を作成することにより、光造形後の収縮した光造形物6が設計形状になるようにした(図2に示した高精度の光造形物6を作成できるようにした)。
(1)補正値作成用モデル6Aを作成する(第1の工程)。
設計値に基づいたCADデータ7によって3Dプリンター5を作動させ、光造形法(積層造形法)による硬化工程を経て補正値作成用モデル(光造形物)6Aを作成する(図3のハッチングを付した光造形物(収縮後)6を作成する)。
設計値に基づいたCADデータ7によって3Dプリンター5を作動させ、光造形法(積層造形法)による硬化工程を経て補正値作成用モデル(光造形物)6Aを作成する(図3のハッチングを付した光造形物(収縮後)6を作成する)。
(2)補正値作成用モデル6Aの下面21の実際の変化率を算出する(第2の工程)。
補正値作成用モデル6Aの下面21(第N層目の光硬化性樹脂層2anの裏面(下面)21)の長手方向の寸法X1及び短手方向の寸法Y1を実測し、これら実測値(X1,Y1)と設計値(X0,Y0)とを使用して、補正値作成用モデル6Aの実際の変化率(α1、β1)を数1で算出する。
補正値作成用モデル6Aの下面21(第N層目の光硬化性樹脂層2anの裏面(下面)21)の長手方向の寸法X1及び短手方向の寸法Y1を実測し、これら実測値(X1,Y1)と設計値(X0,Y0)とを使用して、補正値作成用モデル6Aの実際の変化率(α1、β1)を数1で算出する。
(3)補正値作成用モデル6Aの下面21における凸部20の中心位置の補正値及び凸部20の形状の補正値を算出する(第3の工程)。
補正値作成用モデル6Aの下面21における平面形状の中心位置(図心位置)を直交座標系のxy平面の原点oとし、硬化工程が終了した後における光造形物(収縮後)6の凸部20の中心位置が設計値に合致するように、硬化工程が終了した後における光造形物6の収縮量を見込んだ凸部20の中心位置の補正値(補正後のX座標値S、補正後のY座標値T)を、実際の変化率(α1、β1)を使用して数2で算出する。なお、数2において、凸部20の中心の設計上におけるx座標値をsとし、凸部20の中心の設計上におけるy座標値をtとする。
また、硬化工程が終了した後における光造形物(収縮後)6の凸部20の半径が設計値(r)になるように、硬化工程が終了した後における光造形物(収縮後)6の収縮量を見込んだ凸部20の開口縁の形状を数3で求める。なお、図4は、数3の理解を助けるための図であり、原点oから補正後のX座標値Sで且つ原点oから補正後のY座標値Tの凸部20を例示している。また、この図4において、x’は、凸部20の中心を通る直線であり、x軸と平行の直線である。また、この図4において、y’は、凸部20の中心を通る直線であり、y軸と平行の直線である。
このような凸部20の中心位置の補正値及び凸部20の形状の補正値の算出は、各凸部20毎に行う。
補正値作成用モデル6Aの下面21における平面形状の中心位置(図心位置)を直交座標系のxy平面の原点oとし、硬化工程が終了した後における光造形物(収縮後)6の凸部20の中心位置が設計値に合致するように、硬化工程が終了した後における光造形物6の収縮量を見込んだ凸部20の中心位置の補正値(補正後のX座標値S、補正後のY座標値T)を、実際の変化率(α1、β1)を使用して数2で算出する。なお、数2において、凸部20の中心の設計上におけるx座標値をsとし、凸部20の中心の設計上におけるy座標値をtとする。
また、硬化工程が終了した後における光造形物(収縮後)6の凸部20の半径が設計値(r)になるように、硬化工程が終了した後における光造形物(収縮後)6の収縮量を見込んだ凸部20の開口縁の形状を数3で求める。なお、図4は、数3の理解を助けるための図であり、原点oから補正後のX座標値Sで且つ原点oから補正後のY座標値Tの凸部20を例示している。また、この図4において、x’は、凸部20の中心を通る直線であり、x軸と平行の直線である。また、この図4において、y’は、凸部20の中心を通る直線であり、y軸と平行の直線である。
このような凸部20の中心位置の補正値及び凸部20の形状の補正値の算出は、各凸部20毎に行う。
(4)補正値作成用モデル6Aの下面21の輪郭形状の補正値を算出する(第3の工程)。
硬化工程が終了した後における光造形物(収縮後)6の輪郭が設計寸法に合致するように、硬化工程が終了した後における光造形物(収縮後)6の収縮量を見込んだ下面21の輪郭寸法(輪郭形状の補正値)を数4で算出する。なお、図5は、数4の理解を助けるための図であり、設計形状の光造形物(収縮前)6の下面21におけるコーナー部24aの設計値を(X0,Y0)とし、補正値を反映した補正造形用モデル6Bの下面21におけるコーナー部24aの補正値を(X3,Y3)としている。
なお、補正造形用モデル6Bの下面21における4コーナー部24a〜24dの補正値は、下面21の形状が矩形形状であるため、1箇所のコーナー部24aの補正値を求めることにより、他の3箇所のコーナー部24b〜24dの補正値を容易に求めることができる。
硬化工程が終了した後における光造形物(収縮後)6の輪郭が設計寸法に合致するように、硬化工程が終了した後における光造形物(収縮後)6の収縮量を見込んだ下面21の輪郭寸法(輪郭形状の補正値)を数4で算出する。なお、図5は、数4の理解を助けるための図であり、設計形状の光造形物(収縮前)6の下面21におけるコーナー部24aの設計値を(X0,Y0)とし、補正値を反映した補正造形用モデル6Bの下面21におけるコーナー部24aの補正値を(X3,Y3)としている。
なお、補正造形用モデル6Bの下面21における4コーナー部24a〜24dの補正値は、下面21の形状が矩形形状であるため、1箇所のコーナー部24aの補正値を求めることにより、他の3箇所のコーナー部24b〜24dの補正値を容易に求めることができる。
(5)補正値作成用モデル6Aの上面23の実際の変化率を算出する(第2の工程)。
補正値作成用モデル6Aの上面23の長手方向の寸法X2及び短手方向の寸法Y2を実測し、これら実測値(X2,Y2)と設計値(X0,Y0)とを使用して、補正値作成用モデル6Aの実際の変化率(α2、β2)を数5で算出する。
補正値作成用モデル6Aの上面23の長手方向の寸法X2及び短手方向の寸法Y2を実測し、これら実測値(X2,Y2)と設計値(X0,Y0)とを使用して、補正値作成用モデル6Aの実際の変化率(α2、β2)を数5で算出する。
(6)補正値作成用モデル6Aの上面23における凸部20の中心位置の補正値及び凸部20の形状の補正値を算出する(第3の工程)。
補正値作成用モデル6Aの上面23における平面形状の中心位置(図心位置)を直交座標系のxy平面の原点oとし、硬化工程が終了した後における光造形物(収縮後)6の凸部20の中心位置が設計値に合致するように、硬化工程が終了した後における光造形物6の収縮量を見込んだ凸部20の中心位置の補正値(補正後のX座標値S、補正後のY座標値T)を、実際の変化率(α2、β2)を使用して数6で算出する。なお、数6において、凸部20の中心の設計上におけるx座標値をsとし、凸部20の中心の設計上におけるy座標値をtとする。
また、硬化工程が終了した後における光造形物(収縮後)6の凸部20の半径が設計値(r)になるように、硬化工程が終了した後における光造形物(収縮後)6の収縮量を見込んだ凸部20の形状を数7で求める。なお、図4は、数7の理解を助けるための図であり、原点oから補正後のX座標値Sで且つ原点oから補正後のY座標値Tの凸部20を例示している。また、この図4において、x’は、凸部20の中心を通る直線であり、x軸と平行の直線である。また、この図4において、y’は、凸部20の中心を通る直線であり、y軸と平行の直線である。
このような凸部20の中心位置の補正値及び凸部20の形状の補正値の算出は、各凸部20毎に行う。
補正値作成用モデル6Aの上面23における平面形状の中心位置(図心位置)を直交座標系のxy平面の原点oとし、硬化工程が終了した後における光造形物(収縮後)6の凸部20の中心位置が設計値に合致するように、硬化工程が終了した後における光造形物6の収縮量を見込んだ凸部20の中心位置の補正値(補正後のX座標値S、補正後のY座標値T)を、実際の変化率(α2、β2)を使用して数6で算出する。なお、数6において、凸部20の中心の設計上におけるx座標値をsとし、凸部20の中心の設計上におけるy座標値をtとする。
また、硬化工程が終了した後における光造形物(収縮後)6の凸部20の半径が設計値(r)になるように、硬化工程が終了した後における光造形物(収縮後)6の収縮量を見込んだ凸部20の形状を数7で求める。なお、図4は、数7の理解を助けるための図であり、原点oから補正後のX座標値Sで且つ原点oから補正後のY座標値Tの凸部20を例示している。また、この図4において、x’は、凸部20の中心を通る直線であり、x軸と平行の直線である。また、この図4において、y’は、凸部20の中心を通る直線であり、y軸と平行の直線である。
このような凸部20の中心位置の補正値及び凸部20の形状の補正値の算出は、各凸部20毎に行う。
(7)補正値作成用モデル6Aの上面23の輪郭形状の補正値を算出する(第3の工程)。
硬化工程が終了した後における光造形物(収縮後)6の輪郭が設計寸法に合致するように、硬化工程が終了した後における光造形物(収縮後)6の収縮量を見込んだ上面23の輪郭寸法(輪郭形状の補正値)を数8で算出する。なお、図6は、数8の理解を助けるための図であり、設計形状の光造形物(収縮前)6の上面23におけるコーナー部25aの設計値を(X0,Y0)とし、補正値を反映した補正造形用モデル6Bの上面23におけるコーナー部25aの補正値を(X4,Y4)としている。
なお、補正造形用モデル6Bの上面23における4コーナー部25a〜25dの補正値は、上面23の形状が矩形形状であるため、1箇所のコーナー部25aの補正値を求めることにより、他の3箇所のコーナー部25b〜25dの補正値を容易に求めることができる。
硬化工程が終了した後における光造形物(収縮後)6の輪郭が設計寸法に合致するように、硬化工程が終了した後における光造形物(収縮後)6の収縮量を見込んだ上面23の輪郭寸法(輪郭形状の補正値)を数8で算出する。なお、図6は、数8の理解を助けるための図であり、設計形状の光造形物(収縮前)6の上面23におけるコーナー部25aの設計値を(X0,Y0)とし、補正値を反映した補正造形用モデル6Bの上面23におけるコーナー部25aの補正値を(X4,Y4)としている。
なお、補正造形用モデル6Bの上面23における4コーナー部25a〜25dの補正値は、上面23の形状が矩形形状であるため、1箇所のコーナー部25aの補正値を求めることにより、他の3箇所のコーナー部25b〜25dの補正値を容易に求めることができる。
(8)3Dプリンター5を作動制御するための補正用3Dデータ7Aの作成を行う(第4の工程)。
以上のようにして求めた補正値を3DCADソフト(例えば、ANSYS)に入力し、3DCADソフト内に予め入力されていた設計値を補正値に置き換え、3DCADソフトによって六面体の補正用3Dデータ7Aを作成する。すなわち、前記六面体は、補正値を反映した下面21の輪郭(四辺)と補正値を反映した上面23の輪郭(四辺)とを3DCADソフトのブレンドという機能によって平面27a〜27dで繋ぎ合わせた形状になっている。
以上のようにして求めた補正値を3DCADソフト(例えば、ANSYS)に入力し、3DCADソフト内に予め入力されていた設計値を補正値に置き換え、3DCADソフトによって六面体の補正用3Dデータ7Aを作成する。すなわち、前記六面体は、補正値を反映した下面21の輪郭(四辺)と補正値を反映した上面23の輪郭(四辺)とを3DCADソフトのブレンドという機能によって平面27a〜27dで繋ぎ合わせた形状になっている。
(9)補正用3Dデータ7Aで3Dプリンターを作動させる(第5の工程)。
補正用3Dデータ7Aは、3Dプリンター5の作動制御用データとして使用され、図1に示した硬化工程において、各光硬化性樹脂層2a1〜2an毎の光14の照射範囲を決定する。そして、このような補正用3Dデータ7Aを使用して光造形された(硬化工程を経て収縮した)光造形物6は、図2に示すような高精度の形状になる。
補正用3Dデータ7Aは、3Dプリンター5の作動制御用データとして使用され、図1に示した硬化工程において、各光硬化性樹脂層2a1〜2an毎の光14の照射範囲を決定する。そして、このような補正用3Dデータ7Aを使用して光造形された(硬化工程を経て収縮した)光造形物6は、図2に示すような高精度の形状になる。
図7は、本実施形態に係る光造形法を実行するための工程図であり、上記第1の工程から第5の工程までを時系列に並べて示す工程図である。
以上のように本実施形態に係る光造形法によれば、補正値作成用モデル6Aから算出した補正値で補正用3Dデータ7Aを作成し、その補正用3Dデータ7Aで3Dプリンター5を作動させることができるため、3Dプリンター5の作動制御を容易化することができ、高精度の光造形物6を容易に作成できる。
また、本実施形態に係る光造形法によれば、平面視した形状が円形の凸部20を光造形物6が有している場合、その凸部20の形状を補正値作成用モデル6Aから算出した補正値で補正し、その凸部20の形状の補正値を補正用3Dデータ7Aに含ませることにより、高精度の凸部20を備えた光造形物6を容易に作成できる。
本発明に係る積層造形法は、上記の実施形態に係る光造形物の形状に限定されず、例えば、凸部ではなく凹部を有する形状、上面から下面を貫通する穴を有する形状、及び前記穴を複数有する形状にも適用できる。また、前記穴の形状は、特に限定されず、真円であってもよく、楕円であってもよく、三角形または四角形などの多角形であってもよい。
なお、本発明に係る積層造形法は、上記実施形態に係る光造形法に限定されず、粉末状の樹脂層を積層造形装置のレーザー光で焼結させて積み重ね、積み重ねた複数の樹脂層で三次元構造物を作成する粉末焼結法にも適用できる。
5……3Dプリンター(積層造形装置)、6……光造形物(三次元構造物)、6A……補正値作成用モデル、7A……補正用3Dデータ
Claims (2)
- 光照射によって硬化した樹脂層を積み重ね、三次元構造物を製造する積層造形法において、
実際の三次元構造物の製造条件と同一条件で補正値作成用モデルを作成する第1の工程と、
前記第1の工程で作成した前記補正値作成用モデルの実際の変化率を算出する第2の工程と、
前記三次元構造物が収縮後に設計したとおりの形状になるように、実際の変化率から三次元構造物の補正値を算出する第3の工程と、
前記補正値で補正用3Dデータを作成する第4の工程と、
前記補正用3Dデータで積層造形装置を作動させる第5の工程と、
を備えたことを特徴とする積層造形法。 - 前記三次元構造物は、平面視した形状が円形の凸部を有し、
前記円形の凸部は、前記三次元構造物が収縮後に設計したとおりの形状になるように、前記第2の工程で算出した前記変化率を使用して凸部形状の補正値を算出し、
前記補正用3Dデータは、前記凸部形状の補正値を含む、
ことを特徴とする積層造形法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
PCT/JP2018/023299 WO2019009064A1 (ja) | 2017-07-06 | 2018-06-19 | 積層造形法 |
Applications Claiming Priority (2)
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JP2017132913 | 2017-07-06 | ||
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Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
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ID=65358053
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
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JP2018092118A Pending JP2019014231A (ja) | 2017-07-06 | 2018-05-11 | 積層造形法 |
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JP (1) | JP2019014231A (ja) |
Citations (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2017035879A (ja) * | 2015-08-12 | 2017-02-16 | キヤノン株式会社 | 造形システム及び造形方法 |
JP2017047679A (ja) * | 2015-08-31 | 2017-03-09 | キヤノン株式会社 | 造形装置及び造形方法 |
-
2018
- 2018-05-11 JP JP2018092118A patent/JP2019014231A/ja active Pending
Patent Citations (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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JP2017035879A (ja) * | 2015-08-12 | 2017-02-16 | キヤノン株式会社 | 造形システム及び造形方法 |
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