JP2019014177A - 画像形成装置 - Google Patents

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Kunio Miyakoshi
邦生 宮腰
雅樹 片岡
Masaki Kataoka
雅樹 片岡
昌史 平塚
Masashi Hiratsuka
昌史 平塚
雄一 井上
Yuichi Inoue
雄一 井上
和幸 原
Kazuyuki Hara
和幸 原
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Abstract

【課題】含浸部が貯留部に貯留されている液体に浸っている場合と比して、インクを含んだ液体がノズル面に塗布されるのを抑制することができる画像形成装置を得る。【解決手段】ノズル面を洗浄する洗浄液を含浸し、ノズル面が押し付けられることでノズル面に洗浄液を塗布する含浸部を、貯留部の内部に貯留されている液体と非接触状態で配置する。【選択図】図1

Description

本発明は、画像形成装置に関する。
特許文献1に記載のインクジェットプリンターは、保湿液タンクと吐出ヘッの液体ノズルとの間を接続する液体供給路の途中にバルブユニットを有する。吐出ヘッドはバルブユニットを開閉するための押し込みレバーを備えており、キャップが吐出ヘッドの液体ノズル面を密封するために吐出ヘッドに接近する際に、キャップと共に移動するワイパーユニットが押し込みレバーを押し込んでバルブユニットを開状態とする。
特開2012−206291号公報
インクジェット方式の画像形成装置は、ノズルが形成されたノズル面を有する吐出部(インク吐出ヘッド)を備えている。このノズルからインクが吐出される。そして、ノズル面に形成されたノズルの詰まり等を抑制するため、画像形成動作の前に、ノズル面を清掃する等の準備工程が実行される場合がある。
この準備工程では、液体が貯留されている凹状の貯留部に向けて、ノズルから増粘したインクを吐き出させる。一方、この貯留部には、ノズル面を洗浄する洗浄液が含浸されている含浸部(多孔質体)が配置されている。ノズル面を清掃する場合には、ノズル面を含浸部に押し付けることで、洗浄液がノズル面に塗布(付着)される。
ここで、含浸部が貯留部に貯留されている液体に浸っている場合には、含浸部が、ノズルから吐出されたインクを含んでいる液体を吸い込んでしまう。このため、ノズル面を含浸部に押し付けると、インクを含んだ液体がノズル面に塗布(付着)される。
本発明の課題は、含浸部が貯留部に貯留されている液体に浸っている場合と比して、インクを含んだ液体がノズル面に塗布されるのを抑制することである。
本発明の請求項1に係る画像形成装置は、液滴を吐出するノズルが形成されたノズル面を有する吐出部と、液体を内部に貯留する凹状で、前記吐出部から液滴が吐出される貯留部と、前記貯留部に配置され、前記ノズル面を洗浄する洗浄液を含浸し、前記ノズル面が押し付けられることで前記ノズル面に洗浄液を塗布すると共に、前記貯留部の内部に貯留されている液体と非接触状態で配置されている含浸部と、を備えることを特徴とする。
本発明の請求項2に係る画像形成装置は、請求項1に記載の画像形成装置において、前記含浸部の下端は、前記貯留部に貯留されている液体の液面と比して上方に配置されていることを特徴とする。
本発明の請求項3に係る画像形成装置は、請求項1又は2に記載の画像形成装置において、前記貯留部には、内部に貯留された液体の中で予め決められた上限高さ以上の部分を排出する排出部が形成されており、前記含浸部の下端は、前記排出部と比して上方に配置されていることを特徴とする。
本発明の請求項4に係る画像形成装置は、請求項1から3の何れか1項に記載の画像形成装置において、前記含浸部を下方から支持する支持部を備え、前記支持部には、液体が通過する貫通孔が形成されていることを特徴とする。
本発明の請求項5に係る画像形成装置は、請求項1から4の何れか1項に記載の画像形成装置において、前記吐出部は、前記貯留部に対して相対的に移動し、少なくとも、前記ノズル面が前記含浸部に押し付けられることで前記ノズル面に洗浄液が塗布される第一位置と、前記ノズル面と前記含浸部とが上下方向に隙間を空けて配置される第二位置とに移動し、前記含浸部を前記ノズル面側から覆うと共に、一部が前記貯留部の内部に貯留されている液体に浸かっている布材を備えることを特徴とする。
本発明の請求項6に係る画像形成装置は、請求項5に記載の画像形成装置において、前記布材は、前記ノズル面の面沿い方向から見て、前記含浸部の一方側の部分と他方側の部分で前記貯留部に取り付けられており、前記一方側の部分と前記他方側の部分とが、前記貯留部に貯留されている液体に浸かっていることを特徴とする。
本発明の請求項7に係る画像形成装置は、請求項1から6の何れか1項に記載の画像形成装置において、前記含浸部を前記ノズル面側から覆うと共に、前記ノズル面の面沿い方向から見て、前記含浸部を挟んで一方側の部分と他方側の部分で前記貯留部に取り付けられている布材と、前記ノズル面の面沿い方向から見て、前記一方側の部分と前記他方側の部分との間に配置され、前記含浸部を、前記ノズル面に向けて付勢する付勢部とを備えることを特徴とする。
本発明の請求項8に係る画像形成装置は、請求項1から7の何れか1項に記載の画像形成装置において、前記吐出部は、前記貯留部に対して相対的に移動し、少なくとも、前記ノズル面が前記含浸部に押し付けられることで前記ノズル面に洗浄液が塗布される第一位置と、前記ノズル面と前記含浸部とが上下方向に隙間を空けて配置される第二位置とに移動し、前記第二位置に配置された状態で、前記貯留部へ液滴を吐出し、前記第二位置に配置された前記吐出部の前記ノズルから吐出された液滴が、前記含浸部に直接当たらない位置に、前記吐出部が配置されていることを特徴とする。
本発明の請求項9に係る画像形成装置は、請求項8に記載の画像形成装置において、前記第二位置では、上方から見て前記ノズル面において前記ノズルが形成されているノズル領域の外側に前記含浸部が配置されていることを特徴とする。
本発明の請求項10に係る画像形成装置は、請求項1から9の何れか1項に記載の画像形成装置において前記洗浄液を前記含浸部の上方から前記含浸部に供給する洗浄液供給機構を備えることを特徴とする。
本発明の請求項1の画像形成装置によれば、貯留部に貯留されている液体に含浸部が浸っている場合と比して、インクを含んだ液体がノズル面に塗布されるのを抑制することができる。
本発明の請求項2の画像形成装置によれば、含浸部の下端が、貯留部に貯留されている液体の液面と比して下方に配置されている場合と比して、インクを含んだ液体がノズル面に塗布されるのを抑制することができる。
本発明の請求項3の画像形成装置によれば、含浸部の下側が液体を排出する排出部の下方に配置されている場合と比して、インクを含んだ液体がノズル面に塗布されるのを抑制することができる。
本発明の請求項4の画像形成装置によれば、前記ノズル面が押し付けられることで含浸部から染み出た洗浄液を、支持部に形成された貫通孔から下方へ排出することができる。
本発明の請求項5の画像形成装置によれば、布材の全ての部分が貯留部に貯留されている液体に浸かっていない場合と比して、第二位置に配置されている吐出部においてノズル面の周辺の湿度を高くすることができる。
本発明の請求項6の画像形成装置によれば、布材の一方側の部分だけが貯留部に貯留されている液体に浸かっている場合と比して、第二位置に配置されている吐出部においてノズル面の周辺の湿度を高くすることができる。
本発明の請求項7の画像形成装置によれば、筒状の布材が含浸部を含浸部の全周から覆っており、含浸部が布材によって圧縮されている構成と比して、含浸部の形状のばらつきを抑制することができる。
本発明の請求項8の画像形成装置によれば、 第二位置で、ノズルから吐出された液滴が含浸部に直接当たる場合と比して、含浸部が液滴によって汚れるのを抑制することができる。
本発明の請求項9の画像形成装置によれば、第二位置で、上方から見てノズル領域の内に含浸部が配置されている場合と比して、含浸部が液滴によって汚れるのを抑制することができる。
本発明の請求項10の画像形成装置によれば、含浸部の内部に洗浄液を供給する構成と比して、含侵部の表面を洗浄しつつ、洗浄液を含浸部に供給できる。
本発明の第1実施形態に係る画像形成装置の貯留部等を示した断面図である。 本発明の第1実施形態に係る画像形成装置の保守装置の動作図あって、吐出ユニットがキャップ位置に配置されている状態を示した動作図である。 本発明の第1実施形態に係る画像形成装置の保守装置の動作図あって、吐出ユニットによるパージ動作を示した動作図である。 本発明の第1実施形態に係る画像形成装置の保守装置の動作図あって、吐出ユニットが待機位置に配置されている状態を示した動作図である。 本発明の第1実施形態に係る画像形成装置の保守装置の動作図あって、貯留部が退避位置に配置されている状態を示した動作図である。 本発明の第1実施形態に係る画像形成装置の保守装置の動作図あって、貯留部に配置されているパッドに洗浄液が滴下されている状態を示した動作図である。 本発明の第1実施形態に係る画像形成装置の保守装置の動作図あって、貯留部が対向位置に配置されている状態を示した動作図である。 本発明の第1実施形態に係る画像形成装置の保守装置の動作図あって、吐出ユニットが塗布位置に配置されている状態を示した動作図である。 本発明の第1実施形態に係る画像形成装置の保守装置の動作図あって、吐出ユニットが待機位置に配置されている状態を示した動作図である。 本発明の第1実施形態に係る画像形成装置の保守装置の動作図あって、吐出ユニットのノズル面がワイプされている状態を示した動作図である。 本発明の第1実施形態に係る画像形成装置の保守装置の動作図あって、貯留部が退避位置に配置されている状態を示した動作図である。 本発明の第1実施形態に係る画像形成装置の保守装置の動作図あって、吐出ユニットが画像形成位置に配置されている状態を示した動作図である。 本発明の第1実施形態に係る画像形成装置の制御部による制御系を示したブロック図である。 本発明の第1実施形態に係る画像形成装置の吐出ユニットに対する準備工程の流れを示したフロー図である。 本発明の第1実施形態に係る画像形成装置の吐出ユニットに対する準備工程の流れを示したフロー図である。 本発明の第1実施形態に係る画像形成装置の含浸部を支持する支持部を示した斜視図である。 本発明の第1実施形態に係る画像形成装置の貯留部等を示した斜視図である。 本発明の第1実施形態に係る画像形成装置の吐出ユニット等を示した斜視図である。 本発明の第1実施形態に係る画像形成装置を示した概略構成図である。 本発明の第1実施形態に係る画像形成装置の貯留部に対する比較形態に係る貯留部を示した断面図である。 本発明の第2実施形態に係る画像形成装置の貯留部、及び吐出ユニットを示した断面図である。 本発明の第2実施形態に係る画像形成装置の貯留部、及び吐出ユニットを示した断面図である。
<第1実施形態>
本発明の第1実施形態に係る画像形成装置の一例について図1〜図20に従って説明する。なお、各図に示す矢印Hは、鉛直方向であって装置上下方向を示し、矢印Wは、水平方向であって装置幅方向を示し、矢印Dは、水平方向であって装置奥行方向を示す。
(全体構成)
画像形成装置10は、図19に示されるように、記録媒体としての連続紙Pを搬送する搬送機構20と、インクジェット方式によって画像を形成する吐出ユニット30と、各部を制御する制御部18とを備えている。さらに、画像形成装置10は、吐出ユニット30を移動させる移動機構48(図13参照)と、吐出ユニット30を保守する保守装置50とを備えている。なお、吐出ユニット30、移動機構48、及び保守装置50については、詳細を後述する。
〔搬送機構20〕
搬送機構20は、図19に示されるように、連続紙Pを巻き出す巻出ロール22と、連続紙Pを巻き取る巻取ロール24と、連続紙Pを搬送する複数の搬送ロール26とを備えている。巻取ロール24は、駆動部28によって回転駆動される。これにより、巻取ロール24が連続紙Pを巻き取ると共に、巻出ロール22が連続紙Pを巻き出すようになっている。
複数の搬送ロール26は、所謂従動ロールであって、巻出ロール22と巻取ロール24との間で連続紙Pに巻き掛けられている。これにより、複数の搬送ロール26は、巻出ロール22から巻取ロール24までの連続紙Pの搬送経路を定めるようになっている。
(要部構成)
次に、吐出ユニット30と、吐出ユニット30を移動させる移動機構48と、吐出ユニット30を保守する保守装置50とについて説明する。
〔吐出ユニット30〕
吐出ユニット30は、装置幅方向へ搬送される連続紙Pの上方に配置されている(図12参照)。吐出ユニット30は、吐出部の一例である。
吐出ユニット30は、図18に示されるように、長手方向を装置奥行方向として、複数の吐出ヘッド31、32、33、34、35(以下、「吐出ヘッド31〜35」と記載する)と、吐出ヘッド31〜35を支持する支持板42とを備えている。
夫々の吐出ヘッド31〜35は、下方から見て、装置奥行方向に沿って千鳥状に配置されている。また、夫々の吐出ヘッド31〜35は、同様の構成とされており、装置奥行方向に延びる直方体状とされている。
さらに、夫々の吐出ヘッド31〜35は、黒色(K)のインク滴(液滴の一例)を収納するタンク(図示省略)にチューブを介して接続されている。そして、タンクから夫々の吐出ヘッド31〜35へインクが供給されるようになっている。
さらに、夫々の吐出ヘッド31〜35には、複数のノズル38が形成されたノズル面36が形成されており、このノズル面36が、搬送される連続紙Pと対向するようになっている(図12参照)。
支持板42は、板面が上下方向を向き、下方から見て、装置奥行方向に延びる矩形状とされている。さらに、支持板42には、夫々の吐出ヘッド31〜35が貫通する貫通孔(符号省略)が夫々形成されている。そして、夫々の吐出ヘッド31〜35は、支持板42に形成された貫通孔を貫通した状態で、図示せぬ取付具によって、支持板42に取り付けられている。
この状態で、夫々の吐出ヘッド31〜35に形成されているノズル面36は、支持板42の下面44に対して下方に配置されている。また、支持板42の下面44には、下方から見て、吐出ヘッド31〜35全体を囲む囲い面44A(図18の斜線で示す範囲)が形成されている。
〔移動機構48〕
移動機構48(図13参照)は、既知のボールねじやベルトなどの機械要素を用いて吐出ユニット30を装置上下方向へ移動するようになっている。
本実施形態では、移動機構48は、吐出ユニット30を、待機位置(図4参照)、キャップ位置(図2参照)、塗布位置(図8参照)、及び画像形成位置(図12参照)へ移動させるようになっている。なお、待機位置、キャップ位置、塗布位置、及び画像形成位置の順番で、吐出ユニット30の上下方向の高さが低くなる。塗布位置は、第一位置の一例で、キャップ位置が第二位置の一例である。また、夫々の位置での作用については、後述する作用と共に説明する。
〔保守装置50〕
保守装置50は、図4に示されるように、ワイピング機構60と、キャップ機構70(被覆機構)と、洗浄液供給機構110とを備えている。
<ワイピング機構60>
ワイピング機構60は、図18に示されるように、ワイパ62、64と、ワイパ62、64を装置奥行方向へ移動させる移動機構66(図13参照)とを備えている。
ワイパ62は、非稼動状態で、待機位置に配置されている吐出ユニット30において吐出ヘッド32、34のノズル面36の装置奥行方向の手前側に配置されている。また、ワイパ64は、非稼働状態で、待機位置に配置されている吐出ユニット30において吐出ヘッド31、33、35のノズル面36の装置奥行方向の手前側に配置されている。このワイパ62、64は、板面を装置奥行方向に向けた板状で、上側部分は、ゴム材で形成されている。
移動機構66(図18参照)は、既知のボールねじやベルトなどの機械要素を用いてワイパ62、64を装置奥行方向へ移動するようになっている。
この構成において、移動機構66が非稼動状態のワイパ62、64を移動させることで、図10に示されるように、ワイパ62、64は、装置奥行方向へ往復移動して、吐出ヘッド31〜35のノズル面36を払拭する。
<キャップ機構70>
キャップ機構70は、図4に示されるように、凹状の貯留部68と、貯留部68の内部に配置されている複数のパッド71、72、73、74、75(以下、「パッド71〜75」と記載する)と、貯留部68に取り付けられているシール部材78とを備えている。さらに、キャップ機構70は、貯留部68を装置幅方向へ移動させる移動機構80(図13参照)を備えている。
−移動機構80−
移動機構80(図13参照)は、既知のボールねじやベルトなどの機械要素を用いて貯留部68を装置幅方向へ移動するようになっている。そして、移動機構80は、貯留部68を、吐出ユニット30と上下方向で対向する対向位置(図4参照)と、吐出ユニット30と装置幅方向で離間する(上下方向で対向していない)退避位置(図5参照)とへ移動させるようになっている。
−貯留部68−
貯留部68は、図17に示されるように、上方が開放された凹状で、上方から見て、装置奥行方向に延びる矩形状とされている。そして、貯留部68の側壁部68Bの上端に形成された外周縁部68Aは、貯留部68が対向位置に配置された状態で、待機位置に配置された吐出ユニット30の囲い面44A(図18参照)と上下方向で対向するようになっている。
また、貯留部68の内部には、液体の一例としての洗浄液Lが貯留されている。さらに、貯留部68の一の側壁68Bには、貯留部68の内部に貯留された洗浄液Lの液面の高さが予め定められた上限高さ以上となると、上限高さ以上の部分の洗浄液Lを排出する貫通孔69が形成されている。さらに、この貫通孔69には、貯留部68から排出された洗浄液Lが流れるチューブ82が接続されている。貫通孔69は、排出部の一例である。洗浄液Lは液体の一例である。
なお、洗浄液Lとしては、増粘(粘度が上昇した)又は固化したインクを再溶解可能な液体が用いられる。具体的には、洗浄液Lの一例として、インクの溶媒が用いられる。なお、洗浄液Lとしては、ノズル面36での濡れ性を向上させるため、表面張力がインクよりも低い液体が用いられることが望ましい。
−シール部材78−
シール部材78は、発泡ゴム等の弾性部材で形成されており、図1、図17に示されるように、貯留部68の外周縁部68Aに取り付けられ、上方から見て枠状に配置されている。このシール部材78の断面は、上端側の部分が半円状に形成され、上下方向に延びている。そして、対向位置に貯留部68が配置された状態で、シール部材78は、キャップ位置、又は塗布位置に配置された吐出ユニット30の囲い面44Aと接触するようになっている(図2、図8参照)。これにより、吐出ユニット30が塗布位置に配置された状態のシール部材78の圧縮量は、吐出ユニット30がキャップ位置に配置された状態のシール部材78の圧縮量と比して多くなる。
−パッド71〜75−
パッド71〜75は、図17に示されるように、貯留部68の内部に配置されており、夫々のパッド71〜75は、同様の構成とされている。また、貯留部68が対向位置に配置され、吐出ユニット30が待機位置に配置された状態で、パッド71は、吐出ヘッド31のノズル面36と上下方向で対向し、パッド72は、吐出ヘッド32のノズル面36と上下方向で対向するようになっている(図4参照)。同様に、パッド73は、吐出ヘッド33のノズル面36と上下方向で対向し、パッド74は、吐出ヘッド34のノズル面36と上下方向で対向し、パッド75は、吐出ヘッド35のノズル面36と上下方向で対向するようになっている。そして、上方から見て、夫々のパッド71〜75は、夫々の吐出ヘッド31〜35のノズル面36を覆っている。
さらに、夫々のパッド71〜75は、上方から見て、装置奥行方向に延びる矩形状とされている。図1に示されるように、パッド71〜75は、含浸部86と、布材88と、含浸部86を支持する支持機構90と、布材88を保持する保持機構100とを夫々備えている。
含浸部86は、一例として、スポンジ状の多孔質体(具体的には、軟質ウレタンフォームなど)によって形成されている。この含浸部86は、装置奥行方向(ノズル面36の面沿い方向)から見て、装置幅方向の中央部で、上下方向の厚みが最大となるように、上方へ凸状に膨らんだU字状とされている。さらに、含侵部86は、上方から見て、装置奥行方向に延びる矩形状とされている。
この含浸部86が支持機構90に支持されることで、含浸部86は、貯留部68に貯留されている洗浄液Lと非接触状態で配置されている。具体的には、含浸部86が支持機構90に支持されることで、含浸部86の下端は、貯留部68に貯留されている洗浄液Lの液面に対して上方に配置されている。換言すれば、含浸部86が支持機構90に支持されることで、含浸部86の下端は、貫通孔69(図17参照)の下端部と比して上方に配置されている。つまり、含浸部86の下端は、貯留部68に貯留されている洗浄液Lの上限高さの液面と比して上方に配置されている。
支持機構90は、含浸部86が載せられている支持部92と、支持部92の後述する底板92Aに上端が取り付けられている一対の柱部96(図16参照)とを備えている。さらに、支持機構90は、支持部92、及び柱部96を介して含浸部86を上方側へ付勢する一対の付勢バネ98と、上下方向に延びている円筒状で、内部に付勢バネ98が配置されている一対の円筒部102とを備えている。付勢バネ98は、付勢部の一例である。
支持部92は、上方が開口した凹状(図1参照)とされており、図16に示されるように、支持部92の底板92Aは、下方から見て、装置奥行方向に延びる矩形状とされている。そして、この底板92Aには、複数の貫通孔94が形成されている。具体的には、貫通孔94は、底板92Aの一対の長辺に沿って装置奥行方向に並んで、2列に形成されている。また、支持部92の側壁92の上端部は、貫通孔69(図17参照)の上端部と比して上方に位置している。
柱部96は、上下方向に延びる円柱状で、支持部92の装置奥行方向の手前側の部分と、奥側の部分とに夫々配置されている。そして、柱部96の上端が、支持部92の底板92Aに接触している。
付勢バネ98は、圧縮コイルバネで、図1に示されるように、柱部96の下端と貯留部68の底板68Cとの間で、上下方向に延びるように圧縮状態で配置されている。
円筒部102は、内部に付勢バネ98、及び柱部96の下方部分が配置されるように、貯留部68の底板68Cに取り付けられている。なお、円筒部102は、支持部92の底板92Aとは上下方向で常に離間している。
布材88は、一例として、ポリエステル布(具体的には、商品名:アズピュアスーパーワイパー(アズワン社製)など)によって形成されている。この布材88は、装置奥行方向から見て、含浸部86を上方(ノズル面36側)から覆っている。具体的には、布材88は、含浸部86の上面、及び一対の側面を覆っている。さらに、装置奥行方向(含浸部86の長手方向)から見て、布材88の一方側の部分、及び布材88の他方側の部分は、貯留部68に貯留されている洗浄液Lに浸っている。また、前述した付勢バネ98は、布材88の一方側の部分と布材88の他方側の部分との間に配置されている。
保持機構100は、装置奥行方向から見て装置奥行方向に延びる円柱状で、布材88の一方側の部分、他方側の部分が夫々巻き付けられて固定されている一対の円柱部100Aと、一対の円柱部100Aを夫々支持する一対の支持部100Bとを備えている。
一対の円柱部100A、及び一対の支持部100Bは、装置奥行方向から見て、支持機構90の円筒部102を挟むように夫々配置されており、洗浄液Lに浸っている。また、支持部100Bの下端は貯留部の底板68Cに取り付けられている。そして、支持部100Bは上方へ延びており、支持部100Bの上端側の部分に、円柱部100Aの両端面が取り付けられている。
この構成において、付勢バネ98は、支持部92、及び柱部96を介して含浸部86を上方へ付勢する。含浸部86が上方へ付勢されることで、含浸部86が、布材88に押し付けられる。このため、含浸部86は布材88によって圧縮され、布材88には、圧縮した含浸部86によって張力が付与される。このように、含浸部86が布材88によって圧縮されることで、含浸部86の形状が予め定められた狙いの形状となる。
<洗浄液供給機構110>
洗浄液供給機構110は、図5に示されるように、退避位置に配置された貯留部68の上方に配置されている。この洗浄液供給機構110は、供給ヘッド112、114と、流通管116と、タンク118と、ポンプ120とを備えている。
供給ヘッド112は、装置奥行方向に延びており、貯留部68が退避位置に配置された状態で、パッド72、74の上方に配置されている。供給ヘッド114は、装置奥行方向に延びており、貯留部68が退避位置に配置された状態で、パッド71、73、75の上方に配置されている。そして、供給ヘッド112、114には、パッド71〜75に向けて洗浄液Lのインク滴(液滴)を吐出するノズル(図示省略)が形成されている。
タンク118は、供給ヘッド112、114の上方に配置されており、内部に夫々の供給ヘッド112、114に送られる洗浄液Lを収容している。
流通管116の一端は、タンク118に接続されており、流通管116の他端側の部分は、分岐管116Aと分岐管116Bとに分岐している。そして、分岐管116Aは、供給ヘッド112に接続されており、分岐管116Bは、供給ヘッド114に接続されている。
ポンプ120は、流通管116の一端側の部分に配置されている。そして、ポンプ120を稼動させることで、タンク118から夫々の供給ヘッド112、114へ洗浄液Lが送られ、夫々の供給ヘッド112、114のノズルから夫々のパッド71〜75へ洗浄液Lが滴下されるようになっている(図6参照)。
(制御部)
制御部18は、図13に示されるように、吐出ユニット30、移動機構48、移動機構66、移動機構80、ポンプ120、及び搬送機構20を制御するようになっている。なお、制御部18による各部の制御については、後述する作用と共に説明する。
(要部構成の作用)
次に、制御部18による各部の制御について、比較形態に係る画像形成装置510と比較しつつ、図14、図15に示すフロー図を用いて説明する。先ず、比較形態に係る画像形成装置510について、画像形成装置10と異なる部分を主に説明する。
−画像形成装置510−
比較形態に係る画像形成装置510は、図20に示されるように、キャップ機構570を備えている。このキャップ機構570は、貯留部68と、貯留部68の内部に配置されている複数のパッド571、572、573、574、575(以下、「パッド571〜575」と記載する)と、貯留部68に取り付けられているシール部材78とを備えている。さらに、キャップ機構570は、貯留部68を装置幅方向へ移動させる移動機構80を備えている。
そして、貯留部68が対向位置に配置され、吐出ユニット30が待機位置に配置された状態で、パッド571は、吐出ヘッド31のノズル面36と上下方向で対向し、パッド572は、吐出ヘッド32のノズル面36と上下方向で対向するようになっている。同様に、パッド573は、吐出ヘッド33のノズル面36と上下方向で対向し、パッド574は、吐出ヘッド34のノズル面36と上下方向で対向し、パッド575は、吐出ヘッド35のノズル面36と上下方向で対向するようになっている(図4参照)。
そして、夫々のパッド571〜575は、上方から見て、装置奥行方向に延びる矩形状とされている。夫々のパッド571〜575は、同様の構成とされており、含浸部586と、布材588とを備えている。
含浸部586は、一例として、弾性を有するスポンジ状の多孔質体(具体的には、軟質ウレタンフォームなど)によって形成されている。この含浸部586は、上方へ凸状に膨らんだU字状とされている。そして、含浸部586は、貯留部68の底板68Cに支持されている。これにより、含浸部586は、上側部分を除いて貯留部68に貯留されている洗浄液Lに浸っている。
布材588は、筒状に形成されており、装置奥行方向から見て、含浸部586の全周を覆っている。具体的には、装置奥行方向から見て、布材588は、含浸部586の上面、一対の側面、及び下面を覆っている。そして、装置奥行方向から見た、布材588の周長は、自然状態(荷重が負荷されていない状態)の含浸部586の周長に対して短くなっている。このため、含浸部586は布材588によって圧縮され、布材588には、圧縮した含浸部586によって張力が付与されている。
そして、布材588は、上側部分を除いて貯留部68に貯留されている洗浄液Lに浸っている。また、パッド571〜575は、図示せぬ取付部材を用いて、貯留部68の底板68Cに取り付けられている。
−制御部18による各部の制御−
次に、制御部18による各部の制御について説明する。なお、画像形成装置510については、画像形成装置10と異なる部分を主に説明する。
先ず、画像形成装置10の非稼働状態では、図2に示されるように、貯留部68は対向位置に配置されており、吐出ユニット30はキャップ位置に配置されている。さらに、貯留部68の内部には、液面の高さが決められた上限高さとされた洗浄液Lが貯留されている。また、貯留部68の外周縁部68Aに取り付けられたシール部材78と、吐出ユニット30の囲い面44Aと接触しており、貯留部68内のシール性(気体の出入りを許容しない性能)は、確保されている。このため、貯留部68内の湿度は、貯留部68外の湿度と比して高く、安定している。そこで、ノズル38内のインクの増粘が抑制されている。また、ワイパ62、64は非稼働状態とされている。
画像形成装置10に印刷ジョブ指令が入力されると、図14に示すステップS100へ移行する。
ステップS100では、制御部18が、吐出ユニット30を制御して、図3に示されるように、夫々の吐出ヘッド31〜35のノズル38(図18参照)から夫々のパッド71〜75へ向けてインク滴を排出させる(所謂パージ動作)。これにより、増粘したインク滴がノズル38から吐き出される。ノズル38から吐き出されたインクの一部は、貯留部68に貯留されている洗浄液Lに混入する。そして、ステップS200へ移行する。
ステップS200では、制御部18が、移動機構48を制御して、図3、図4に示されるように、キャップ位置に配置された吐出ユニット30を待機位置へ移動させる。吐出ユニット30が待機位置に到達すると、ステップS300へ移行する。
ステップS300では、制御部18が、移動機構80を制御して、図4、図5に示されるように、対向位置に配置された貯留部68を退避位置へ移動させる。貯留部68が退避位置に到達すると、ステップS400へ移行する。
ステップS400では、制御部18は、ポンプ120を制御して、図6に示されるように、夫々の供給ヘッド112、114のノズルから夫々のパッド71〜75へ洗浄液Lを滴下させる。これにより、ステップS100のパージ動作で、パッド71〜75に付着したインクが、パッド71〜75から貯留部68に貯留されている洗浄液Lへと流れる。そして、夫々のパッド71〜75の含浸部86によって、洗浄液Lが含浸される。夫々の供給ヘッド112、114のノズルから夫々のパッド71〜75へ洗浄液Lが滴下されると、ステップS500へ移行する。
ステップS500では、制御部18は、移動機構80を制御して、図6、図7に示されるように、退避位置に配置された貯留部68を対向位置へ移動させる。これにより、貯留部68は、吐出ユニット30と上下方向で対向する。貯留部68が対向位置に到達すると、ステップS600へ移行する。
ステップS600では、制御部18は、移動機構48を制御して、図7、図8に示されるように、待機位置に配置された吐出ユニット30を塗布位置へ移動させる。これにより、夫々の吐出ヘッド31〜35のノズル面36は、夫々のパッド71〜75へ押し付けられ、ノズル面36には、含浸部86から染み出た洗浄液Lの一部が塗布(付着)される。
また、含浸部86から染み出た洗浄液Lの他の一部は、含浸部86か載せられている支持部92に形成された貫通孔94(図16参照)から下方へ排出される。
ここで、貯留部68には、ステップS100のパージ動作によってインクが混入した洗浄液Lが貯留されている。比較形態に係る画像形成装置510のパッド571〜575の含浸部586は、前述したように、上側部分を除いて貯留部68に貯留されている洗浄液Lに浸っている(図20参照)。このため、含浸部586は、貯留部68に貯留されている、インクが混入した洗浄液Lを含浸する。そこで、画像形成装置510のノズル面36には、含浸部586から染み出た、インクが混入した洗浄液Lが塗布(付着)される。
一方、本実施形態に係る画像形成装置10のパッド71〜75の含浸部86の下端は、前述したように、貯留部68に貯留されている洗浄液Lの液面に対して上方に配置されている(図1参照)。このため、含浸部86は、貯留部68に貯留されている、インクが混入した洗浄液Lを吸い込んでいない。そこで、画像形成装置10のノズル面36には、含浸部86から染み出た、インクが混入していない洗浄液Lが塗布(付着)される。
また、比較形態に係る画像形成装置510のパッド571〜575の含浸部586は、全周を筒状の布材588によって覆われている(図20参照)。そして、含浸部586は布材588によって圧縮されている。ここで、布材588は、筒状の部材である。このため、生産ばらつき等で、布材588の周長がばらついてしまうことがある。そこで、布材588によって含浸部586が圧縮される圧縮量がばらつくため、含浸部586の形状もばらついてしまう。これによって、夫々の吐出ヘッド31〜35のノズル面36が、夫々のパッド571〜575へ押し付けられた状態で、ノズル面36と夫々のパッド571〜575との接触範囲がばらついてしまう。
一方、本実施形態に係る画像形成装置10のパッド71〜75の含浸部86は、付勢バネ98によって上方側へ付勢されている(図1参照)。そして、含浸部86は、布材88に押し付けられている。これにより、含浸部86は布材88によって圧縮されることで、含浸部86の形状が予め定められた狙いの形状となる。このため、夫々の吐出ヘッド31〜35のノズル面36が、夫々のパッド71〜75へ押し付けられた状態で、ノズル面36と夫々のパッド71〜75との接触範囲がばらついてしまうのが抑制される。
夫々のパッド71〜75へノズル面36が押し付けられるとステップS700へ移行する。
ステップS700では、制御部18は、移動機構48を制御して、図8、図9に示されるように、塗布位置に配置された吐出ユニット30を待機位置へ移動させる。吐出ユニット30が待機位置に到達すると、ステップS800へ移行する。
ステップS800では、制御部18は、移動機構66を制御して、図10に示されるように、非稼働状態のワイパ62、64を装置奥行方向へ往復移動させる。これにより、ワイパ62、64は、洗浄液Lが塗布されているノズル面36を払拭する。そして、ノズル面36に付着しているインク等の異物が除去される。ワイパ62、64が往復移動すると、ステップS900へ移行する。
ステップS900では、制御部18は、移動機構48を制御して、図9、図11に示されるように、対向位置に配置された貯留部68を退避位置へ移動させる。これにより、貯留部68は、洗浄液供給機構110と上下方向で対向する。貯留部68が退避位置へ到達すると、ステップS1000へ移行する。
ステップS1000では、制御部18は、移動機構48を制御して、図11、図12に示されるように、待機位置に配置された吐出ユニット30を画像形成位置へ移動させる。これにより、夫々の吐出ヘッド31〜35のノズル面36は、連続紙Pと対向する。
さらに、制御部18は、搬送機構20(図19参照)を制御して、連続紙Pを搬送させる。また、連続紙Pが搬送されると、制御部18は、吐出ユニット30を制御して、夫々の吐出ヘッド31〜35のノズル面36に形成されたノズル38からインク滴(液滴)を吐出させて、連続紙Pに画像を形成させる。連続紙Pに画像が形成され印刷ジョブが終了すると、ステップS1100へ移行する。
ステップS1100では、制御部18は、移動機構48を制御して、図11に示されるように、画像形成位置に配置された吐出ユニット30を待機位置へ移動させる。吐出ユニット30が待機位置に到達すると、ステップS1200へ移行する。
ステップS1200では、制御部18は、移動機構80を制御して、図9に示されるように、退避位置に配置された貯留部68を対向位置へ移動させる。これにより、貯留部68が、吐出ユニット30と上下方向で対向する。貯留部68が対向位置に到達すると、ステップS1300へ移行する。
ステップS1300では、制御部18は、移動機構48を制御して、図2に示されるように、待機位置に配置された吐出ユニット30をキャップ位置へ移動させる。これにより、貯留部68の外周縁部68Aに取り付けられたシール部材78と、吐出ユニット30の囲い面44Aと接触する。そして、貯留部68内のシール性は、確保されている。また、夫々の吐出ヘッド31〜35のノズル面36は、夫々のパッド71〜75と上下方向で対向する。
吐出ユニット30がキャップ位置へ移動すると一例の動作が終了する。
(まとめ)
以上説明したように、ステップS600で、比較形態に係る画像形成装置510のノズル面36には、インクが混入した洗浄液Lが塗布される。一方、本実施形態に係る画像形成装置10のノズル面36には、インクが混入していない洗浄液Lが塗布される。このように、画像形成装置10では、画像形成装置510を用いる場合と比して、インクを含んだ洗浄液Lが、ノズル面36に塗布されるのが抑制される。
また、ステップS600で、ノズル面26が夫々のパッド71〜75へ押し付けられることで含浸部86から染み出た洗浄液Lの他の一部は、含浸部86か載せられている支持部92に形成された貫通孔94から下方へ排出される。換言すれば、凹状の支持部92を用いた場合に、支持部92内に含浸部86から染み出た洗浄液Lの他の一部が溜まるのが抑制される。
また、布材88の一部が貯留部68に貯留されている洗浄液Lに浸っており、布材88の全体が洗浄液Lで濡れている。このため、吐出ユニット30がキャップ位置に配置された状態で、布材が濡れていない場合と比して、夫々のパッド71〜75と対向しているノズル面36の周辺の湿度が高くなる。
また、布材88の両端部分が貯留部68に貯留されている洗浄液Lに浸っており、布材88の全体が洗浄液Lで濡れている。このため、布材88の一方側の部分だけが貯留部68に貯留されている洗浄液Lに浸っている場合と比して、布材が洗浄液Lを吸い込む量が多くなることで、ノズル面36の周辺の湿度が高くなる。
また、比較形態に係る画像形成装置510では、布材588の周長がばらついてしまうことで、含浸部586の形状もばらついてしまう。このため、ノズル面36と夫々のパッド571〜575との接触範囲がばらついてしまう。一方、画像形成装置10では、付勢バネ98によって含浸部86が上方へ付勢されることで、含浸部86は布材88によって圧縮される。そして、含浸部86の形状が予め定められた狙いの形状となる。換言すれば、含浸部86の形状のばらつきは、画像形成装置510を用いる場合と比して抑制される。
また、含浸部86の形状のばらつきが抑制されることで、ノズル面36と夫々のパッド71〜75との接触範囲のばらつきが、画像形成装置510を用いる場合と比して、抑制される。
<第2実施形態>
本発明の第2実施形態に係る画像形成装置の一例について図21、図22に従って説明する。なお、第2実施形態については、第1実施形態と異なる部分を主に説明する。
第2実施形態に係る画像形成装置210の貯留部268は、図22に示されるように、第1実施形態の貯留部68と比して装置幅方向に広げられている。さらに、画像形成装置210の吐出ユニット230は、第1実施形態の吐出ユニット30と比して装置幅方向に広げられている。吐出ユニット230は、吐出部の一例である。
具体的に貯留部268については、パッド71、73、75と、貯留部268の装置幅方向の一方側(図中右側)の壁板268Aとの装置幅方向の間隔が、第1実施形態の吐出ユニット30と比して広げられている。また、吐出ユニット230については、夫々の吐出ヘッド31〜35を支持している支持板242の装置幅方向の両端部が、装置幅方向の両側へ広げられている。
さらに、第2実施形態の制御部218は、貯留部268を装置幅方向に移動させる移動機構280を制御して、貯留部268を吐出ユニット230と対向する対向位置に移動させる。ここで、対向位置には、夫々のパッド71〜75が上下方向でノズル面36と対向、又は接触する第一対向位置(図21参照)と、夫々のパッド71〜75がノズル面36に対して装置幅方向にずれている第二対向位置(図22参照)とが設定されている。
図22に示されるように、貯留部268が第二対向位置に配置され、吐出ユニット230がキャップ位置に配置された状態では、上方から見て、ノズル面36においてノズル38が形成されているノズル領域(図中領域G)の外側に、パッド71〜75(含浸部86)が配置されている。
この構成において、画像形成装置210の非稼働状態では、貯留部268は、第二対向位置に配置されている。また、制御部218は、ステップS500で、移動機構280を制御して、退避位置に配置されている貯留部68を第一対向位置へ移動させる。さらに、制御部218は、ステップS1200で、移動機構280を制御して、退避位置に配置されている貯留部68を第二対向位置へ移動させる。
これにより、ステップS100のパージ動作では、図22に示されるように、夫々の吐出ヘッド31〜35のノズル38から吐出されたインクは、パッド71〜75に付着しない。
このため、第1実施形態の画像形成装置10と比して、パージ動作によって、パッド71〜75(含浸部86)がインクによって汚れるのが抑制される。具体的には、ステップS600で、吐出ユニット30のノズル面36がパッド71〜75に押し付けられる際にも、パッド71〜75(含浸部86)の汚れが抑制されている。
第2実施形態の他の作用については、第1実施形態と同様である。
なお、本発明を特定の実施形態について詳細に説明したが、本発明は係る実施形態に限定されるものではなく、本発明の範囲内にて他の種々の実施形態をとることが可能であることは当業者にとって明らかである。例えば、上記実施形態では、含浸部86の下端が、貯留部68に貯留されている洗浄液Lの液面に対して上方に配置されていることで、含浸部86と洗浄液Lが非接触状態とされたが、例えば、含浸部の下端が洗浄液Lの液面に対して下方に配置されている場合であっても、洗浄液Lが含侵部に接触しないように、含浸部を被覆する部材を設けることで、含浸部と洗浄液Lとを非接触状態としてもよい。
また、上記実施形態では、支持部92には、液体が通る貫通孔94が形成されたが、貫通孔94が形成されていなくてもよい。この場合には、貫通孔94が形成されることで奏する作用は奏しない。
また、上記実施形態では、布材88の端側の部分が、洗浄液Lに浸かっていたが、特に、浸かっていなくてもよい。この場合には、布材88の端側の部分が、洗浄液Lに浸かることで奏する作用は奏しない。
また、上記第2実施形態では、上方から見てノズル領域の外側に含浸部を配置することで、ノズル38から吐出されたインク滴(液滴)が、含浸部86に直接当たらないようにしたが、例えば、吐出ユニット30を装置幅方向に対して傾けることで、ノズル38から吐出されたインク滴(液滴)が、含浸部86に直接当たらないようにしてもよい。
また、上記実施形態では、吐出ユニット30は、黒色(K)のインクを用いたが、例えば、吐出ユニット30は、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、ブラック(K)の色ごとに吐出ユニットを複数備えられていてもよい。
また、上記実施形態では、上限高さ以上の部分の洗浄液Lを排出する排出部は、貫通孔69であったが、例えば、上方が開放されたVノッチ等であってもよい。
10 画像形成装置
30 吐出ユニット(吐出部の一例)
36 ノズル面
38 ノズル
68 貯留部
69 貫通孔(排出部の一例)
86 含浸部
88 布材
92 支持部
94 貫通孔
98 付勢バネ(付勢部の一例)
210 画像形成装置
230 吐出ユニット(吐出部の一例)
268 貯留部

Claims (10)

  1. 液滴を吐出するノズルが形成されたノズル面を有する吐出部と、
    液体を内部に貯留する凹状で、前記吐出部から液滴が吐出される貯留部と、
    前記貯留部に配置され、前記ノズル面を洗浄する洗浄液を含浸し、前記ノズル面が押し付けられることで前記ノズル面に洗浄液を塗布すると共に、前記貯留部の内部に貯留されている液体と非接触状態で配置されている含浸部と、
    を備える画像形成装置。
  2. 前記含浸部の下端は、前記貯留部に貯留されている液体の液面と比して上方に配置されている請求項1に記載の画像形成装置。
  3. 前記貯留部には、内部に貯留された液体の中で予め決められた上限高さ以上の部分を排出する排出部が形成されており、
    前記含浸部の下端は、前記排出部と比して上方に配置されている請求項1又は2に記載の画像形成装置。
  4. 前記含浸部を下方から支持する支持部を備え、
    前記支持部には、液体が通過する貫通孔が形成されている請求項1から3の何れか1項に記載の画像形成装置。
  5. 前記吐出部は、前記貯留部に対して相対的に移動し、少なくとも、前記ノズル面が前記含浸部に押し付けられることで前記ノズル面に洗浄液が塗布される第一位置と、前記ノズル面と前記含浸部とが上下方向に隙間を空けて配置される第二位置とに移動し、
    前記含浸部を前記ノズル面側から覆うと共に、一部が前記貯留部の内部に貯留されている液体に浸かっている布材を備える請求項1から4の何れか1項に記載の画像形成装置。
  6. 前記布材は、前記ノズル面の面沿い方向から見て、前記含浸部の一方側の部分と他方側の部分で前記貯留部に取り付けられており、
    前記一方側の部分と前記他方側の部分とが、前記貯留部に貯留されている液体に浸かっている請求項5に記載の画像形成装置。
  7. 前記含浸部を前記ノズル面側から覆うと共に、前記ノズル面の面沿い方向から見て、前記含浸部を挟んで一方側の部分と他方側の部分で前記貯留部に取り付けられている布材と、
    前記ノズル面の面沿い方向から見て、前記一方側の部分と前記他方側の部分との間に配置され、前記含浸部を、前記ノズル面に向けて付勢する付勢部と、
    を備える請求項1から6の何れか1項に記載の画像形成装置。
  8. 前記吐出部は、前記貯留部に対して相対的に移動し、少なくとも、前記ノズル面が前記含浸部に押し付けられることで前記ノズル面に洗浄液が塗布される第一位置と、前記ノズル面と前記含浸部とが上下方向に隙間を空けて配置される第二位置とに移動し、前記第二位置に配置された状態で、前記貯留部へ液滴を吐出し、
    前記第二位置に配置された前記吐出部の前記ノズルから吐出された液滴が、前記含浸部に直接当たらない位置に、前記吐出部が配置されている請求項1〜7の何れか1項に記載の画像形成装置。
  9. 前記第二位置では、上方から見て前記ノズル面において前記ノズルが形成されているノズル領域の外側に前記含浸部が配置されている請求項8項に記載の画像形成装置。
  10. 前記洗浄液を前記含浸部の上方から前記含浸部に供給する洗浄液供給機構を備える請求項1から9の何れか1項に記載の画像形成装置。
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