JP2019012911A - 符号化器、復号器、送信装置及び受信装置 - Google Patents

符号化器、復号器、送信装置及び受信装置 Download PDF

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Shingo Asakura
慎悟 朝倉
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健一 土田
正寛 岡野
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正寛 岡野
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Kenichi Murayama
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Abstract

【課題】LDPC符号化率8/16、9/16、10/16、11/16、12/16、13/16、14/16の各々に関して、地上放送用の誤り訂正符号としてLDPC符号の適用及びその性能改善を図り、耐雑音性に優れたデジタルデータの送信装置及び受信装置を提供する。【解決手段】本発明の符号化器(LDPC符号化部114)は、69120ビットからなる符号長で符号化率毎に予め定めた検査行列初期値テーブルを初期値として、各符号化率に応じた情報長に対応する行列の1の要素を、列方向に所定のサイクル数で周期的に配置して構成した検査行列を用いてLDPC符号化を行う手段を備え、本発明の送信装置1に設けられる。本発明の復号器(LDPC復号部212)は、当該符号化器により符号化されたデジタルデータを復号する手段を備え、本発明の受信装置2に設けられる。【選択図】図4

Description

本発明は、衛星放送及び地上放送並びに固定通信及び移動通信の技術分野に関するものであり、特に、デジタルデータの符号化器、復号器、送信装置及び受信装置に関する。
デジタル伝送方式では、各サービスで利用可能な周波数帯域幅において、より多くの情報が伝送可能なよう、多値変調方式がよく用いられる。周波数利用効率を高めるには、変調信号1シンボル当たりに割り当てるビット数(変調次数)を高めるのが有効であるが、周波数1Hzあたりに伝送可能な情報速度の上限値と信号対雑音比の関係はシャノン限界で制限される。
現在利用されている地上デジタル放送では、誤り訂正符号を用いた受信装置における情報訂正が行われている。パリティビットと呼ばれる冗長信号を送るべき情報に付加することで信号の冗長度(符号化率)を制御し、雑音に対する耐性を上げることが可能である。誤り訂正符号と変調方式は密接に関わっており、信号対雑音比に対する周波数利用効率の理論的な上限値はシャノン限界と呼ばれる。シャノン限界に迫る性能を有する強力な誤り訂正符号の一つとしてLDPC(Low Density Parity Check)符号が1962年にギャラガーによって提案されている(例えば、非特許文献1参照)。
LDPC符号は、非常に疎な検査行列H(検査行列の要素が0と1からなり、且つ1の数が非常に少ない)により定義される線形符号である。
LDPC符号は符号長を大きくし、適切な検査行列を用いることによりシャノン限界に迫る伝送特性が得られる強力な誤り訂正符号であり、次世代の放送サービスである4K・8Kスーパーハイビジョン衛星放送の伝送方式を規定するARIB STD−B44(以下、高度衛星放送方式と呼ぶ。例えば、非特許文献2参照)においてもLDPC符号が採用されている。多値変調とLDPC符号をはじめとする強力な誤り訂正符号を組み合わせることで、より高い周波数利用効率の伝送が可能となってきている。
高度衛星放送方式を例にした場合、本方式におけるLDPC符号の符号長は、前方向誤り訂正方式(FEC:Forward Error Correction)フレームで構成され、44880ビットであり、BPSK限界(信号点配置をBPSKとした場合の信号対雑音比に対する周波数利用効率の理論的な上限値)から約1dB以内の性能を有することが示されている(例えば、非特許文献3参照)。
また、高度衛星放送方式においては、LDPC符号化率として、41/120(≒1/3)、49/120(≒2/5)、61/120(≒1/2)、73/120(≒3/5)、81/120(≒2/3)、89/120(≒3/4)、93/120(≒7/9)、97/120(≒4/5)、101/120(≒5/6)、105/120(≒7/8)、及び、109/120(≒9/10)の11種類が定められている。
R. G Gallager, "Low Density Parity Check Codes," in Research Monograph series Cambridge, MIT Press, 1963 "高度広帯域衛星デジタル放送の伝送方式 標準規格 ARIB STD-B44 2.1版、平成28年3月25日改定、一般社団法人 電波産業会(ARIB) 鈴木他、"高度BSデジタル放送用LDPC符号の設計"、映像情報メディア学会誌、一般社団法人映像情報メディア学会、映像情報メディア vol.62、No.12、2008年12月1日、pp.1997-2004
昨今、現行の衛星・地上放送による2Kサービスや、衛星放送による4K・8Kスーパーハイビジョンに加え、新たに地上放送による4K・8Kスーパーハイビジョン(以下、次世代地上放送)の提供が期待されている。しかしながら、4K・8Kスーパーハイビジョン(以下、4K・8K)は情報量が膨大であり、十分に高いサービス時間率を維持して次世代地上放送網を構築するには、劣悪な伝搬環境による雑音に埋もれない、十分高い送信電力が求められる。また、衛星放送の場合、衛星中継器における非線形歪や、降雨減衰による電力低下が主な信号劣化要因であるが、地上放送においては、マルチパスフェージングや都市雑音など、地上伝搬特有の信号劣化が発生する。よって、次世代地上放送における誤り訂正符号の基本性能としては、符号長が長いLDPC符号を適用することで、なるべくシャノン限界に迫る非常に誤り訂正能力が高いことが求められる。さらに、放送事業者によって、放送品質とサービス時間率のバランスのとり方は異なることから、複数の符号化率を適時切り替えることで、情報ビットレートの選択が柔軟に変更でき、少なくとも、上述の高度衛星方式と同等以上の選択肢を用意することが望ましい。
次世代地上放送における符号化率の選択肢としては、符号長を69120ビットとし、符号化率は2/16、3/16、4/16、5/16、6/16、7/16、8/16、9/16、10/16、11/16、12/16、13/16、14/16の合計13種類が検討されている。この符号化率数は、高度衛星放送方式で採用された11種類よりも十分に広範囲な選択肢である一方、符号化率毎に、シャノン限界に近い性能を有するLDPC符号検査行列を設計する必要がある。従って、地上放送における地上伝搬特有の信号劣化が発生することを加味し、尚且つ当該符号化率にとって最適化された検査行列とするための技法が求められる。
本発明は、LDPC符号化率8/16、9/16、10/16、11/16、12/16、13/16、14/16の各々に関して、地上放送用の誤り訂正符号としてLDPC符号の適用及びその性能改善を図り、耐雑音性に優れたデジタルデータの符号化器、復号器、送信装置及び受信装置を提供することを目的とする。
本発明に係る送信装置及び受信装置において、本発明に係る符号化器及び復号器はLDPC符号率8/16、9/16、10/16、11/16、12/16、13/16、14/16の各々のLDPC符号に関する処理を備え、さらにLDPC符号率8/16、9/16、10/16、11/16、12/16、13/16、14/16の各々の特性を効果的に改善させる検査行列初期値テーブルを用いてLDPC符号に関する処理を実行する。
即ち、本発明の符号化器は、符号化率毎に固有の検査行列を用いてデジタルデータをLDPC符号化する符号化器であって、69120ビットからなる符号長で符号化率毎に予め定めた検査行列初期値テーブルを初期値として、符号化率8/16、9/16、10/16、11/16、12/16、13/16、14/16の各々に応じた情報長に対応する行列の1の要素を、列方向に所定のサイクル数で周期的に配置して構成した検査行列を用いてLDPC符号化を行う手段を備えることを特徴とする。
また、本発明の符号化器において、前記符号化率8/16、9/16、10/16、11/16、12/16、13/16、14/16の各々の検査行列初期値テーブルに基づく検査行列は、前記行列が、所定のサイクル数で周期的に1の要素を列方向に配置する行列であることを特徴とする。
また、本発明の符号化器において、前記行列の初期値を示す前記符号化率8/16の検査行列初期値テーブル(表1)は、以下の表からなることを特徴とする。
また、本発明の符号化器において、前記行列の初期値を示す前記符号化率9/16の検査行列初期値テーブル(表2)は、以下の表からなることを特徴とする。
また、本発明の符号化器において、前記行列の初期値を示す前記符号化率10/16の検査行列初期値テーブル(表3)は、以下の表からなることを特徴とする。
また、本発明の符号化器において、前記行列の初期値を示す前記符号化率11/16の検査行列初期値テーブル(表4)は、以下の表からなることを特徴とする。
また、本発明の符号化器において、前記行列の初期値を示す前記符号化率12/16の検査行列初期値テーブル(表5)は、以下の表からなることを特徴とする。
また、本発明の符号化器において、前記行列の初期値を示す前記符号化率13/16の検査行列初期値テーブル(表6)は、以下の表からなることを特徴とする。
また、本発明の符号化器において、前記行列の初期値を示す前記符号化率14/16の検査行列初期値テーブル(表7)は、以下の表からなることを特徴とする。
また、本発明の復号器は、本発明の符号化器で符号化したデータを、前記検査行列に基づいてLDPC復号することを特徴とする。
また、本発明の送信装置は、本発明の符号化器を備えることを特徴とする。
また、本発明の受信装置は、本発明の復号器を備えることを特徴とする。
本発明によれば、地上放送における非常に劣悪な雑音環境においても、LDPC符号の性能を高め周波数利用効率の向上を実現することが可能となる。
本発明による一実施例の伝送システムにおける送信装置の主要な構成要素のみを概略的に示すブロック図である。 本発明による一実施例の伝送システムにおける受信装置の主要な構成要素のみを概略的に示すブロック図である。 (a),(b)は、それぞれ本発明による一実施例のLDPC符号化率8/16の伝送システムにおける伝送フレームの構成を示す図である。 本発明に係るLDPC符号化率8/16の検査行列Hを示す図である。 本発明に係るLDPC符号化率8/16の部分行列Bを示す図である。 本発明に係るLDPC符号化率8/16の部分行列Aを示す図である。 本発明に係るLDPC符号化率8/16のQPSK変調適用時のC/N対BER特性を示す図である。 本発明に係るLDPC符号化率8/16のQPSK変調適用時のシャノン限界との差を示す図である。 (a),(b)は、それぞれ本発明による一実施例のLDPC符号化率9/16の伝送システムにおける伝送フレームの構成を示す図である。 本発明に係るLDPC符号化率9/16の検査行列Hを示す図である。 本発明に係るLDPC符号化率9/16の部分行列Bを示す図である。 本発明に係るLDPC符号化率9/16の部分行列Aを示す図である。 本発明に係るLDPC符号化率9/16のQPSK変調適用時のC/N対BER特性を示す図である。 本発明に係るLDPC符号化率9/16のQPSK変調適用時のシャノン限界との差を示す図である。 (a),(b)は、それぞれ本発明による一実施例のLDPC符号化率10/16の伝送システムにおける伝送フレームの構成を示す図である。 本発明に係るLDPC符号化率10/16の検査行列Hを示す図である。 本発明に係るLDPC符号化率10/16の部分行列Bを示す図である。 本発明に係るLDPC符号化率10/16の部分行列Aを示す図である。 本発明に係るLDPC符号化率10/16のQPSK変調適用時のC/N対BER特性を示す図である。 本発明に係るLDPC符号化率10/16のQPSK変調適用時のシャノン限界との差を示す図である。 (a),(b)は、それぞれ本発明による一実施例のLDPC符号化率11/16の伝送システムにおける伝送フレームの構成を示す図である。 本発明に係るLDPC符号化率11/16の検査行列Hを示す図である。 本発明に係るLDPC符号化率11/16の部分行列Bを示す図である。 本発明に係るLDPC符号化率11/16の部分行列Aを示す図である。 本発明に係るLDPC符号化率11/16のQPSK変調適用時のC/N対BER特性を示す図である。 本発明に係るLDPC符号化率11/16のQPSK変調適用時のシャノン限界との差を示す図である。 (a),(b)は、それぞれ本発明による一実施例のLDPC符号化率12/16の伝送システムにおける伝送フレームの構成を示す図である。 本発明に係るLDPC符号化率12/16の検査行列Hを示す図である。 本発明に係るLDPC符号化率12/16の部分行列Bを示す図である。 本発明に係るLDPC符号化率12/16の部分行列Aを示す図である。 本発明に係るLDPC符号化率12/16のQPSK変調適用時のC/N対BER特性を示す図である。 本発明に係るLDPC符号化率12/16のQPSK変調適用時のシャノン限界との差を示す図である。 (a),(b)は、それぞれ本発明による一実施例のLDPC符号化率13/16の伝送システムにおける伝送フレームの構成を示す図である。 本発明に係るLDPC符号化率13/16の検査行列Hを示す図である。 本発明に係るLDPC符号化率13/16の部分行列Bを示す図である。 本発明に係るLDPC符号化率13/16の部分行列Aを示す図である。 本発明に係るLDPC符号化率13/16のQPSK変調適用時のC/N対BER特性を示す図である。 本発明に係るLDPC符号化率13/16のQPSK変調適用時のシャノン限界との差を示す図である。 (a),(b)は、それぞれ本発明による一実施例のLDPC符号化率14/16の伝送システムにおける伝送フレームの構成を示す図である。 本発明に係るLDPC符号化率14/16の検査行列Hを示す図である。 本発明に係るLDPC符号化率14/16の部分行列Bを示す図である。 本発明に係るLDPC符号化率14/16の部分行列Aを示す図である。 本発明に係るLDPC符号化率14/16のQPSK変調適用時のC/N対BER特性を示す図である。 本発明に係るLDPC符号化率14/16のQPSK変調適用時のシャノン限界との差を示す図である。
以下、図面を参照して、本発明による一実施例の伝送システムにおける送信装置1及び受信装置2を説明する。本発明による一実施例の伝送システムは、次世代地上放送伝送方式を想定した図1に示す送信装置1、及び図2に示す受信装置2から構成され、次世代地上放送伝送方式で用いるLDPC符号を、前方誤り訂正符号として最適化したものとなっている。
まず、図1を参照して、本発明による一実施例の送信装置1について説明する。
〔送信装置〕
図1は、本発明による一実施例の送信装置1の主要な構成要素のみを概略的に示すブロック図である。この送信装置1は、フレーム生成部111、エネルギー拡散部112、BCH符号化部113、LDPC符号化部114、変調部115を備え、主信号の入力ビット列を送信する場合に、後述する図3に示した伝送フレームの信号を生成してから変調信号を生成するまでの一連の処理を行う。以下、LDPC符号化部114は、単に符号化器とも称する。また、送信装置1は、変調方式及び符号化率といった伝送に関するパラメータを含むTMCC信号を生成し主信号より前に伝送する手段として、TMCC生成部12を有する。TMCC生成部12は、主信号の信号処理を行う主信号処理部11とは別構成により接続し、伝送フレーム生成部111から発生される主信号に対して、TMCC信号を時分割多重により伝送することで、主信号とは独立して、受信装置2に対し伝送に関するパラメータを伝送することが可能である。また、TMCC生成部12は、後述するLDPC符号化部114や、変調部115に対して、TMCC信号が指定するLDPC符号化率(以下、単に「符号化率」とも称する)、及び変調方式を指定する機能を有する。以後、図1に示す送信装置1の各構成要素について説明する。
伝送フレーム生成部111は、LDPC符号化率に応じた伝送フレーム構成に基づき、主信号の入力ビット列を、所定の長さに区切り、LDPC符号化を可能とする伝送フレームを生成する。例えば、LDPC符号化率8/16については、図3に示すように、主信号の入力ビット列は、情報ビット長として34560ビット毎に区切られ、都度、後続する機能ブロックに出力される。
(LDPC符号化率8/16の伝送フレーム構成)
図3(a),(b)は、それぞれ本発明による一実施例のLDPC符号化率8/16の伝送システムにおける伝送フレームの構成を示している。特に、図3(a)は、誤り訂正符号として、LDPC符号化率8/16のLDPC符号のみを用いる場合の伝送フレームの構成を示しており、図3(b)は、誤り訂正符号として、外符号としてのBCH符号、及び内符号としてのLDPC符号化率8/16のLDPC符号よりなる連接符号を用いる場合の伝送フレームの構成を示している。そして、図3(a),(b)にそれぞれ示す伝送フレームは、次世代地上放送伝送方式で用いるLDPC符号を基本とする伝送フレームを想定している。
まず、図3(a)に示す伝送フレームは、LDPC符号化率8/16を満たす情報ビット及びLDPCパリティから構成される。本発明による一実施例の送信装置1は、図3(a)に示す伝送フレーム構成を用いることにより、符号化及び変調を行う。そして、本発明による一実施例の受信装置2(図2を参照。詳細については後述する。)は、このフレーム構成に基づいて、復調及び誤り訂正符号の復号を行う。
また、図3(b)に示す伝送フレームは、図3(a)の変形として、情報ビット、BCHパリティ、及びLDPCパリティから構成され、図3(a)に示す伝送フレームと同様に、本発明による一実施例の送信装置1及び受信装置2に適用可能である。図3(b)において、K_bchはBCH符号のパリティビット長に相当する。外符号の一例として、高度衛星放送方式で利用可能なBCH符号を適用する場合を示しており、K_bchは192ビットである。BCHパリティは基本的に情報ビットの一部として扱われ、LDPC符号で訂正しきれない軽微なビット誤りを保護する役割を有する。LDPCパリティ長が等しい場合、図3(a)及び図3(b)は、LDPC符号の訂正能力は同等である。しかしながら、誤り訂正の大部分の能力はLDPC符号に依存するため、主として、図3(a)に示す伝送フレームを前提に説明する。
図3(a)に示すように、LDPC符号化率8/16の場合、次世代地上放送伝送方式を想定した伝送フレーム長は、LDPC符号長である69120ビットに相当する。69120ビットは360の整数倍で構成され、360×192で分割することが可能である。また、情報ビット長は34560ビットであり、34560/69120=8/16であることから、本伝送フレームはLDPC符号化率8/16を満たしている。また、符号長69120ビットは、高度衛星放送方式におけるLDPC符号長44880ビットよりも十分長いことから、よりシャノン限界に近い誤り訂正能力が期待できる。
図1に示すように、エネルギー拡散部112は、伝送フレーム生成部111の出力ビット列に対し、エネルギー拡散(ビットランダム化)を行う。これは、擬似ランダムな「1」及び「0」のパターンを、M系列を使って発生させ、これとスロット内のデータとでMOD2により加算することにより実現する。これにより、「1」又は「0」が連続することがなくなることから、後述する受信装置2において、同期再生の安定化を図ることができる。
BCH符号化部113は、外符号として、必要に応じて設けられる誤り訂正符号化処理であり、所定のデータに対してBCH符号化を施す。BCH符号化の符号化処理は、非特許文献2に規定されているものと同様とすることができ、その詳細は省略する。尚、図3(a)に示す伝送フレームの構成を用いる場合、図1に示す送信装置1において、BCH符号化部113の処理は不要である。
LDPC符号化部114は、TMCC生成部12で生成するTMCC信号が指定する所定の符号化率に基づき、エネルギー拡散部112を経て入力される所定のデータ(又はBCH符号化部113を経て入力されるBCH符号化データ)に対して、LDPC符号化を施す。尚、本発明に係る符号化器(LDPC符号化部114)のLDPC符号化率8/16におけるLDPC符号検査行列を用いたLDPC符号化についての詳細は、後述する。
変調部115は、TMCC生成部12で生成するTMCC信号が指定する所定の変調方式に基づき直交変調を施して、変調信号を生成する。変調方式には、例えば、BPSK(π/2シフトBPSK(Binary Phase Shift Keying))、QPSK(Quadrature Phase Shift Keying)、8PSK、16APSK(Amplitude and Phase-Shift Keying)(或いは16QAM(Quadrature Amplitude Modulation))、32APSK(32QAM)、64QAM、256QAM、1024QAM等が含まれる。
次に、図2を参照して、本発明による一実施例の受信装置2について説明する。
〔受信装置〕
図2は、本発明による一実施例の受信装置2の主要な構成要素のみを概略的に示すブロック図である。この受信装置2は、復調部211、LDPC復号部212、BCH復号部213、及びエネルギー逆拡散部214を含む主信号の信号処理を行う主信号処理部21と、TMCC復調・復号部22とを備えている。
復調部211は、入力された変調信号を直交復調し、LDPC復号部212に対し復調したIQ信号(同相成分Iと直交位相成分Qの直交信号)を出力する。尚、TMCC復調・復号部22は、復調部211に先立ちTMCC信号の復調・復号を行い、復調部211に対して、主信号の変調に適用した変調方式を指定する。また、後述するLDPC復号部212に対しては、主信号のLDPC符号化に適用した符号化率を指定する。本発明に係る符号化器(LDPC符号化部114)にてLDPC符号化処理を行う際の符号化率は8/16、9/16、10/16、11/16、12/16、13/16、14/16の各々に相当する。
LDPC復号部212は、LDPC符号用の復号器として構成され、復調部211からIQ信号が入力されると共に、TMCC復調・復号部22により検出された変調方式及びLDPC符号化率の情報が入力され、所定の変調方式及びLDPC符号化率に合わせた復号を行う。尚、本発明に係る符号化器(LDPC符号化部114)のLDPC符号化率8/16、9/16、10/16、11/16、12/16、13/16、14/16の各々における検査行列を用いたLDPC復号についての詳細は後述する。
BCH復号部213は、送信装置1のBCH符号化部113によりBCH符号化した信号に対し、復号を行う。尚、図3(a)に示す伝送フレームの構成を用いる場合、図2に示す受信装置2において、BCH復号部213の処理は不要である。
エネルギー逆拡散部214は、送信装置1のエネルギー拡散部112において擬似ランダム符号がMOD2により加算された処理を元に戻すため、再度同じ擬似ランダム符号をMOD2により加算し、エネルギー逆拡散処理を行う。これにより、受信装置2における信号処理部21は、送信装置1から送信された主信号の入力ビット列に対応する出力ビット列を復元して外部に出力する。
以上のように、本発明による一実施例の送信装置1及び受信装置2は、長い符号長を持つLDPC符号による誤り訂正符号に対応した伝送フレームを用いて、変調方式と符号化率とを自由に組み合わせることができる。従って、主信号として伝送するMPEG−2 TS又はその他のデジタルデータストリームを効率良く伝送することが可能である。
次に、LDPC符号化率8/16、9/16、10/16、11/16、12/16、13/16、14/16の各々に関して、本発明に係る符号化器(LDPC符号化部114)及び復号器(LDPC復号部212)の各処理過程を順に説明する。
まず、一実施例のLDPC符号化率8/16における符号化器(LDPC符号化部114)の処理過程について説明する。
(LDPC符号化率8/16における符号化器の処理過程)
本実施例の符号化器(LDPC符号化部114)は、部分行列A,Bにより2個の領域に分割された検査行列Hを生成し、この検査行列Hを用いてLDPC符号パリティの生成を行う。LDPC符号化率8/16における検査行列Hの基本構成を図4に示す。検査行列Hの行方向の長さがLDPC符号長に相当し、LDPC符号長N=69120と設定する。本検査行列の符号化率は8/16であることから、検査行列Hの列方向の長さがLDPCパリティ長に相当し、LDPCパリティ長P=34560ビットである。
図4において、部分行列Aは、上述の表1に示す検査行列初期値テーブルを用いて構成される部分行列であり、部分行列BにはLDGM構造(図5)を適用する。LDGM構造の行重み(検査行列の行方向の1の数)は1行目が1で残りの行重みは全て2、列重みは全ての列で2(ただし、最後列のみ1)である階段行列である。
部分行列Aのサイズは、図6に示すように、34560ビット(行)×34560ビット(列)で構成される。
部分行列Aにおいて、部分行列のサイズは有限であることから、以下の式(1)に基づき、検査行列の1の位置は算出される。
q−j= mod{(hi−j+ mod((q−1),360)) × Q),P} (1)
ここで、hi−jのiは検査行列初期値テーブルの行番号であり、hi−jのjは検査行列初期値テーブルの列番号である。Hq−jは検査行列Hのq列目の1の行番号を示す。Hq−jのjは列重みの要素数の順番を示す。従って、列重み9の場合、j=1〜9である。q=1は検査行列初期値テーブルの1行目を用いることになる。また、mod(x,y)はxをyで割った余りを意味する。式(1)のQは、符号化率毎に定まる値を持つサイクル数であり、Qは式(2)で求められる。
Q=各部分行列の行サイズ/360 (2)
よって、本実施例のLDPC符号化率8/16において、部分行列Aの場合、Q=96となる。
以下、より具体的に、LDPC符号化率8/16における部分行列A,Bにより2個の領域に分割された検査行列Hを生成する方法について説明する。
まず、部分行列A(図6)について説明する。本実施例の符号化器(LDPC符号化部114)は、部分行列Aを形成するために、上述の表1に示す検査行列初期値テーブルの一部から数値を読み出して、検査行列Hにおける部分行列Aの領域内の1の位置を周期的に配置する。表1に示す検査行列初期値テーブルは、列方向に96、行方向に最大25の数値が記載されている。この数値は、部分行列Aで利用する検査行列の1の最初の位置(初期値)に相当する。即ち、表1中のi行目・j列目の数値座標hi-j(数値)により、図4に示す検査行列H内の部分行列Aにおける1の最初の位置を指定する。一例として、図6において、h1-1(1730)は、部分行列Aの1列目の1を1730行目に配置することに相当し、h1-2(2964)は、部分行列Aの1列目の1を2964行目に配置することに相当する。また、h2-1(152)は、部分行列Aの361列目の1を152行目に配置し、h2-2(786)は部分行列Aの361列目の1を786行目に配置することに相当する。
以上の関係に基づき、図6に示すように、本実施例の符号化器(LDPC符号化部114)は、表1における検査行列初期値テーブルから、部分行列Aの360列毎の1を配置する行位置を指定するための96行・j列(最大25列)の数値座標hi-j(数値)のすべてを読み出して当該指定される部分行列A内の位置に1を最初に割り当て、この最初に割り当てた1の位置を基準にして1ビット分を行方向に右方シフトし、且つ所定のサイクル数Q=96(96ビット)で列方向に下方シフトした位置に1を割り当てることを繰り返すことで、検査行列H内の部分行列Aを構成する。
〈表1における検査行列初期値テーブルの部分行列A用の数値座標hi-j(数値)〉
1行目:h1-1(1730)からh1-25(31360)
2行目:h2-1(152)からh2-25(34379)
3行目:h3-1(1017)からh3-25(32174)
・・・・
12行目:h12-1(2762)からh12-25(33236)
13行目:h13-1(5808)からh13-9(25811)
・・・・
32行目:h32-1(1302)からh32-9(30776)
33行目:h33-1(524)からh33-3(30538)
・・・・
96行目:h96-1(4887)からh96-3(10122)
このように、表1における部分行列A用の数値座標hi-j(数値)における96行(この96行の各行が部分行列Aの360列毎の最初の1列に相当)の数値を1列毎(この1列毎の数値が部分行列Aの360列毎の最初の行位置に相当)に読み出し、図6に示すように、所定のサイクル数Q=96シフトを繰り返すことで、360×96=34560ビット(列)相当の検査行列Hにおける部分行列Aの1の位置を指定することが可能となる。
以上の処理により求められたLDPC符号化率8/16における部分行列A、Bの集合行列である検査行列Hを用いて、パリティ検査方程式(3)により、LDPCパリティを算出する。尚、符号化率8/16の場合、情報ビット長は34560ビットであることから、パリティ検査方程式においては、LDGM構造に基づくパリティ計算が適用される。
H・C=0 (3)
本実施例の符号化器(LDPC符号化部114)は69120ビットを基本単位としており、また、69120は1,2,3,4,5,6,8,10,11,12,15,16等の値で割り切れる値である。よって本実施例の符号化器は、図1に示す送信装置1の機能ブロックとして適用した場合、非常に多様な変調多値数を用いることが可能であり、例えば、BPSK(π/2シフトBPSK)、QPSK、8PSK、16APSK(16QAM)、32APSK(32QAM)、64QAM、256QAM、1024QAM等、非常に多様な多値変調方式に対応可能である。よって、本実施例の送信装置1により非常に柔軟な変調方式及び符号化率を組み合わせた信号送信が可能となる。尚、LDPC符号化に用いた検査行列のための検査行列初期値テーブルは、補助情報として送信装置1から受信装置2に送信することができ、或いはまた、受信装置2により予め保持させてもよい。或いは、送信装置1から受信装置2に検査行列自体を送信することができ、又は、検査行列自体を受信装置2により予め保持させてもよい。
続いて、本実施例のLDPC符号化率8/16における復号器(LDPC復号部212)の処理過程について説明する。
(LDPC符号化率8/16における復号器の処理過程)
本実施例の復号器(LDPC復号部212)は、部分行列A,Bにより2個の領域に分割された検査行列Hを用いて、LDPC符号の復号処理を行う。以下の説明では簡単のため、変調方式はBPSKとする。
本実施例の復号器(LDPC復号部212)は、まず、送信シンボルx及び受信シンボルyに基づいて対数尤度比λ(n=1〜69120)を算出する。対数尤度比λとは送るビット0と1の確からしさの比の自然対数であり、送信シンボルx及び受信シンボルyを用いて式(4)で表される。
λ= ln{P(y|x=0)/P(y|x=1)} (4)
式(4)により取得した対数尤度比、及び上述の符号化率8/16に相当する検査行列H(図4に相当)を用いて、sum−product復号法等によるLDPC復号法を行う。反復復号回数は任意の値とする。また、LDPC復号においてはsum−product復号法以外にもmin−sum復号法等、多様な手段が提案されているが、検査行列を用いた尤度比を最大化する様々な手法を本発明に係るLDPC復号に適用可能である。
図7は、検査行列初期値テーブル(表1)によるLDPC符号化率8/16についてBCH符号を使用しないときのQPSK変調におけるC/N対BER特性(計算機シミュレーション)を示している。尚、図7において、復号アルゴリズムは、sum−product復号法(例えば、非特許文献1参照)を利用した。sum−product復号法の復号反復回数は50回である。図8に、符号化率8/16におけるシャノン限界C/Nと、図7から取得したBER=1×10−7点におけるC/Nの比較結果を示す。図8より、本検査行列に基づく符号化器、復号器、送信装置1及び受信装置2を適用することで、シャノン限界に迫る復号性能が得られることがわかる。従って、表1に基づく検査行列Hの採用により、現行の地上デジタル放送では困難であったシャノン限界に対し1dB未満となる好ましい伝送性能が得られるようになる。
上述した例では、主として、LDPC符号率8/16に係る伝送フレーム構成と、LDPC符号率8/16に係る検査行列初期値テーブル(表1)に基づく検査行列H、並びにその伝送性能の改善効果について説明したが、図1に示す送信装置1におけるLDPC符号化部114、及び図2に示す受信装置2におけるLDPC復号部212は、LDPC符号率9/16、10/16、11/16、12/16、13/16、14/16の各々についても同様に構成することができる。
以下、LDPC符号率9/16、10/16、11/16、12/16、13/16、14/16の各々に係る伝送フレーム構成と、各LDPC符号率に係る検査行列初期値テーブルに基づく検査行列H、並びにその伝送性能の改善効果について、順に説明する。
(LDPC符号化率9/16の伝送フレーム構成)
図9(a),(b)は、それぞれ本発明による一実施例のLDPC符号化率9/16の伝送システムにおける伝送フレームの構成を示している。特に、図9(a)は、誤り訂正符号として、LDPC符号化率9/16のLDPC符号のみを用いる場合の伝送フレームの構成を示しており、図9(b)は、誤り訂正符号として、外符号としてのBCH符号、及び内符号としてのLDPC符号化率9/16のLDPC符号よりなる連接符号を用いる場合の伝送フレームの構成を示している。そして、図9(a),(b)にそれぞれ示す伝送フレームは、次世代地上放送伝送方式で用いるLDPC符号を基本とする伝送フレームを想定している。
まず、図9(a)に示す伝送フレームは、LDPC符号化率9/16を満たす情報ビット及びLDPCパリティから構成される。本発明による一実施例の送信装置1は、図9(a)に示す伝送フレーム構成を用いることにより、符号化及び変調を行う。そして、本発明による一実施例の受信装置2は、このフレーム構成に基づいて、復調及び誤り訂正符号の復号を行う。
また、図9(b)に示す伝送フレームは、図9(a)の変形として、情報ビット、BCHパリティ、及びLDPCパリティから構成され、図9(a)に示す伝送フレームと同様に、本発明による一実施例の送信装置1及び受信装置2に適用可能である。図9(b)において、K_bchはBCH符号のパリティビット長に相当する。外符号の一例として、高度衛星放送方式で利用可能なBCH符号を適用する場合を示しており、K_bchは192ビットである。BCHパリティは基本的に情報ビットの一部として扱われ、LDPC符号で訂正しきれない軽微なビット誤りを保護する役割を有する。LDPCパリティ長が等しい場合、図9(a)及び図9(b)は、LDPC符号の訂正能力は同等である。しかしながら、誤り訂正の大部分の能力はLDPC符号に依存するため、主として、図9(a)に示す伝送フレームを前提に説明する。
図9(a)に示すように、LDPC符号化率9/16の場合、次世代地上放送伝送方式を想定した伝送フレーム長は、LDPC符号長である69120ビットに相当する。69120ビットは360の整数倍で構成され、360×192で分割することが可能である。また、情報ビット長は38880ビットであり、38880/69120=9/16であることから、本伝送フレームはLDPC符号化率9/16を満たしている。また、符号長69120ビットは、高度衛星放送方式におけるLDPC符号長44880ビットよりも十分長いことから、よりシャノン限界に近い誤り訂正能力が期待できる。
まず、一実施例のLDPC符号化率9/16における符号化器(LDPC符号化部114)の処理過程について説明する。
(LDPC符号化率9/16における符号化器の処理過程)
本実施例の符号化器(LDPC符号化部114)は、部分行列A,Bにより2個の領域に分割された検査行列Hを生成し、この検査行列Hを用いてLDPC符号パリティの生成を行う。LDPC符号化率9/16における検査行列Hの基本構成を図10に示す。検査行列Hの行方向の長さがLDPC符号長に相当し、LDPC符号長N=69120と設定する。本検査行列の符号化率は9/16であることから、検査行列Hの列方向の長さがLDPCパリティ長に相当し、LDPCパリティ長P=30240ビットである。
図10において、部分行列Aは、上述の表2に示す検査行列初期値テーブルを用いて構成される部分行列であり、部分行列BにはLDGM構造(図11)を適用する。LDGM構造の行重み(検査行列の行方向の1の数)は1行目が1で残りの行重みは全て2、列重みは全ての列で2(ただし、最後列のみ1)である階段行列である。
部分行列Aのサイズは、図12に示すように、30240ビット(行)×38880ビット(列)で構成される。
部分行列Aにおいて、部分行列のサイズは有限であることから、上述した式(1)に基づき、検査行列の1の位置は算出され、式(1)のQは、符号化率毎に定まる値を持つサイクル数であり、Qは上述した式(2)で求められる。
よって、本実施例のLDPC符号化率9/16において、部分行列Aの場合、Q=84となる。
以下、より具体的に、LDPC符号化率9/16における部分行列A,Bにより2個の領域に分割された検査行列Hを生成する方法について説明する。
まず、部分行列A(図12)について説明する。本実施例の符号化器(LDPC符号化部114)は、部分行列Aを形成するために、上述の表2に示す検査行列初期値テーブルの一部から数値を読み出して、検査行列Hにおける部分行列Aの領域内の1の位置を周期的に配置する。表2に示す検査行列初期値テーブルは、列方向に108、行方向に最大23の数値が記載されている。この数値は、部分行列Aで利用する検査行列の1の最初の位置(初期値)に相当する。即ち、表2中のi行目・j列目の数値座標hi-j(数値)により、図10に示す検査行列H内の部分行列Aにおける1の最初の位置を指定する。一例として、図12において、h1-1(392)は、部分行列Aの1列目の1を392行目に配置することに相当し、h1-2(1720)は、部分行列Aの1列目の1を1720行目に配置することに相当する。また、h2-1(586)は、部分行列Aの361列目の1を586行目に配置し、h2-2(4053)は部分行列Aの361列目の1を4053行目に配置することに相当する。
以上の関係に基づき、図12に示すように、本実施例の符号化器(LDPC符号化部114)は、表2における検査行列初期値テーブルから、部分行列Aの360列毎の1を配置する行位置を指定するための108行・j列(最大23列)の数値座標hi-j(数値)のすべてを読み出して当該指定される部分行列A内の位置に1を最初に割り当て、この最初に割り当てた1の位置を基準にして1ビット分を行方向に右方シフトし、且つ所定のサイクル数Q=84(84ビット)で列方向に下方シフトした位置に1を割り当てることを繰り返すことで、検査行列H内の部分行列Aを構成する。
〈表2における検査行列初期値テーブルの部分行列A用の数値座標hi-j(数値)〉
1行目:h1-1(392)からh1-23(29055)
2行目:h2-1(586)からh2-23(28778)
3行目:h3-1(713)からh3-23(29078)
・・・・
15行目:h15-1(1025)からh15-23(24075)
16行目:h16-1(2441)からh16-7(28939)
・・・・
40行目:h40-1(6879)からh40-7(27591)
41行目:h41-1(12538)からh41-3(18071)
・・・・
108行目:h108-1(7214)からh108-3(16115)
このように、表2における部分行列A用の数値座標hi-j(数値)における108(この108行の各行が部分行列Aの360列毎の最初の1列に相当)の数値を1列毎(この1列毎の数値が部分行列Aの360列毎の最初の行位置に相当)に読み出し、図12に示すように、所定のサイクル数Q=84シフトを繰り返すことで、360×84=30240ビット(列)相当の検査行列Hにおける部分行列Aの1の位置を指定することが可能となる。
以上の処理により求められたLDPC符号化率9/16における部分行列A、Bの集合行列である検査行列Hを用いて、上述したパリティ検査方程式(3)により、LDPCパリティを算出する。尚、符号化率9/16の場合、情報ビット長は38880ビットであることから、パリティ検査方程式においては、LDGM構造に基づくパリティ計算が適用される。
本実施例の符号化器(LDPC符号化部114)は69120ビットを基本単位としており、また、69120は1,2,3,4,5,6,8,10,11,12,15,16等の値で割り切れる値である。よって本実施例の符号化器は、図1に示す送信装置1の機能ブロックとして適用した場合、非常に多様な変調多値数を用いることが可能であり、例えば、BPSK(π/2シフトBPSK)、QPSK、8PSK、16APSK(16QAM)、32APSK(32QAM)、64QAM、256QAM、1024QAM等、非常に多様な多値変調方式に対応可能である。よって、本実施例の送信装置1により非常に柔軟な変調方式及び符号化率を組み合わせた信号送信が可能となる。尚、LDPC符号化に用いた検査行列のための検査行列初期値テーブルは、補助情報として送信装置1から受信装置2に送信することができ、或いはまた、受信装置2により予め保持させてもよい。或いは、送信装置1から受信装置2に検査行列自体を送信することができ、又は、検査行列自体を受信装置2により予め保持させてもよい。
続いて、本実施例のLDPC符号化率9/16における復号器(LDPC復号部212)の処理過程について説明する。
(LDPC符号化率9/16における復号器の処理過程)
本実施例の復号器(LDPC復号部212)は、部分行列A,Bにより2個の領域に分割された検査行列Hを用いて、LDPC符号の復号処理を行う。以下の説明では簡単のため、変調方式はBPSKとする。
本実施例の復号器(LDPC復号部212)は、まず、送信シンボルx及び受信シンボルyに基づいて対数尤度比λ(n=1〜69120)を算出する。対数尤度比λとは送るビット0と1の確からしさの比の自然対数であり、送信シンボルx及び受信シンボルyを用いて上述した式(4)で表される。
式(4)により取得した対数尤度比、及び上述の符号化率9/16に相当する検査行列H(図10に相当)を用いて、sum−product復号法等によるLDPC復号法を行う。反復復号回数は任意の値とする。また、LDPC復号においてはsum−product復号法以外にもmin−sum復号法等、多様な手段が提案されているが、検査行列を用いた尤度比を最大化する様々な手法を本発明に係るLDPC復号に適用可能である。
図13は、検査行列初期値テーブル(表2)によるLDPC符号化率9/16についてBCH符号を使用しないときのQPSK変調におけるC/N対BER特性(計算機シミュレーション)を示している。尚、図13において、復号アルゴリズムは、sum−product復号法(例えば、非特許文献1参照)を利用した。sum−product復号法の復号反復回数は50回である。図14に、符号化率9/16におけるシャノン限界C/Nと、図13から取得したBER=1×10−7点におけるC/Nの比較結果を示す。図14より、本検査行列に基づく符号化器、復号器、送信装置1及び受信装置2を適用することで、シャノン限界に迫る復号性能が得られることがわかる。従って、表2に基づく検査行列Hの採用により、現行の地上デジタル放送では困難であったシャノン限界に対し1dB未満となる好ましい伝送性能が得られるようになる。
(LDPC符号化率10/16の伝送フレーム構成)
図15(a),(b)は、それぞれ本発明による一実施例のLDPC符号化率10/16の伝送システムにおける伝送フレームの構成を示している。特に、図15(a)は、誤り訂正符号として、LDPC符号化率10/16のLDPC符号のみを用いる場合の伝送フレームの構成を示しており、図15(b)は、誤り訂正符号として、外符号としてのBCH符号、及び内符号としてのLDPC符号化率10/16のLDPC符号よりなる連接符号を用いる場合の伝送フレームの構成を示している。そして、図15(a),(b)にそれぞれ示す伝送フレームは、次世代地上放送伝送方式で用いるLDPC符号を基本とする伝送フレームを想定している。
まず、図15(a)に示す伝送フレームは、LDPC符号化率10/16を満たす情報ビット及びLDPCパリティから構成される。本発明による一実施例の送信装置1は、図15(a)に示す伝送フレーム構成を用いることにより、符号化及び変調を行う。そして、本発明による一実施例の受信装置2は、このフレーム構成に基づいて、復調及び誤り訂正符号の復号を行う。
また、図15(b)に示す伝送フレームは、図15(a)の変形として、情報ビット、BCHパリティ、及びLDPCパリティから構成され、図15(a)に示す伝送フレームと同様に、本発明による一実施例の送信装置1及び受信装置2に適用可能である。図15(b)において、K_bchはBCH符号のパリティビット長に相当する。外符号の一例として、高度衛星放送方式で利用可能なBCH符号を適用する場合を示しており、K_bchは192ビットである。BCHパリティは基本的に情報ビットの一部として扱われ、LDPC符号で訂正しきれない軽微なビット誤りを保護する役割を有する。LDPCパリティ長が等しい場合、図15(a)及び図15(b)は、LDPC符号の訂正能力は同等である。しかしながら、誤り訂正の大部分の能力はLDPC符号に依存するため、主として、図15(a)に示す伝送フレームを前提に説明する。
図15(a)に示すように、LDPC符号化率10/16の場合、次世代地上放送伝送方式を想定した伝送フレーム長は、LDPC符号長である69120ビットに相当する。69120ビットは360の整数倍で構成され、360×192で分割することが可能である。また、情報ビット長は43200ビットであり、43200/69120=10/16であることから、本伝送フレームはLDPC符号化率10/16を満たしている。また、符号長69120ビットは、高度衛星放送方式におけるLDPC符号長44880ビットよりも十分長いことから、よりシャノン限界に近い誤り訂正能力が期待できる。
まず、一実施例のLDPC符号化率10/16における符号化器(LDPC符号化部114)の処理過程について説明する。
(LDPC符号化率10/16における符号化器の処理過程)
本実施例の符号化器(LDPC符号化部114)は、部分行列A,Bにより2個の領域に分割された検査行列Hを生成し、この検査行列Hを用いてLDPC符号パリティの生成を行う。LDPC符号化率10/16における検査行列Hの基本構成を図16に示す。検査行列Hの行方向の長さがLDPC符号長に相当し、LDPC符号長N=69120と設定する。本検査行列の符号化率は10/16であることから、検査行列Hの列方向の長さがLDPCパリティ長に相当し、LDPCパリティ長P=25920ビットである。
図16において、部分行列Aは、上述の表3に示す検査行列初期値テーブルを用いて構成される部分行列であり、部分行列BにはLDGM構造(図17)を適用する。LDGM構造の行重み(検査行列の行方向の1の数)は1行目が1で残りの行重みは全て2、列重みは全ての列で2(ただし、最後列のみ1)である階段行列である。
部分行列Aのサイズは、図18に示すように、25920ビット(行)×43200ビット(列)で構成される。
部分行列Aにおいて、部分行列のサイズは有限であることから、上述した式(1)に基づき、検査行列の1の位置は算出され、式(1)のQは、符号化率毎に定まる値を持つサイクル数であり、Qは上述した式(2)で求められる。
よって、本実施例のLDPC符号化率10/16において、部分行列Aの場合、Q=72となる。
以下、より具体的に、LDPC符号化率10/16における部分行列A,Bにより2個の領域に分割された検査行列Hを生成する方法について説明する。
まず、部分行列A(図18)について説明する。本実施例の符号化器(LDPC符号化部114)は、部分行列Aを形成するために、上述の表3に示す検査行列初期値テーブルの一部から数値を読み出して、検査行列Hにおける部分行列Aの領域内の1の位置を周期的に配置する。表3に示す検査行列初期値テーブルは、列方向に120、行方向に最大20の数値が記載されている。この数値は、部分行列Aで利用する検査行列の1の最初の位置(初期値)に相当する。即ち、表3中のi行目・j列目の数値座標hi-j(数値)により、図16に示す検査行列H内の部分行列Aにおける1の最初の位置を指定する。一例として、図18において、h1-1(853)は、部分行列Aの1列目の1を853行目に配置することに相当し、h1-2(2268)は、部分行列Aの1列目の1を2268行目に配置することに相当する。また、h2-1(74)は、部分行列Aの361列目の1を74行目に配置し、h2-2(234)は部分行列Aの361列目の1を234行目に配置することに相当する。
以上の関係に基づき、図18に示すように、本実施例の符号化器(LDPC符号化部114)は、表3における検査行列初期値テーブルから、部分行列Aの360列毎の1を配置する行位置を指定するための120行・j列(最大20列)の数値座標hi-j(数値)のすべてを読み出して当該指定される部分行列A内の位置に1を最初に割り当て、この最初に割り当てた1の位置を基準にして1ビット分を行方向に右方シフトし、且つ所定のサイクル数Q=72(72ビット)で列方向に下方シフトした位置に1を割り当てることを繰り返すことで、検査行列H内の部分行列Aを構成する。
〈表3における検査行列初期値テーブルの部分行列A用の数値座標hi-j(数値)〉
1行目:h1-1(853)からh1-20(25419)
2行目:h2-1(74)からh2-20(23213)
3行目:h3-1(2068)からh3-20(25911)
・・・・
15行目:h15-1(1535)からh15-20(23358)
16行目:h16-1(6372)からh16-9(18582)
・・・・
36行目:h36-1(4185)からh36-9(20932)
37行目:h37-1(2856)からh37-3(15157)
・・・・
120行目:h120-1(10061)からh120-3(20941)
このように、表3における部分行列A用の数値座標hi-j(数値)における120(この120行の各行が部分行列Aの360列毎の最初の1列に相当)の数値を1列毎(この1列毎の数値が部分行列Aの360列毎の最初の行位置に相当)に読み出し、図18に示すように、所定のサイクル数Q=72シフトを繰り返すことで、360×72=25920ビット(列)相当の検査行列Hにおける部分行列Aの1の位置を指定することが可能となる。
以上の処理により求められたLDPC符号化率10/16における部分行列A、Bの集合行列である検査行列Hを用いて、上述したパリティ検査方程式(3)により、LDPCパリティを算出する。尚、符号化率10/16の場合、情報ビット長は43200ビットであることから、パリティ検査方程式においては、LDGM構造に基づくパリティ計算が適用される。
本実施例の符号化器(LDPC符号化部114)は69120ビットを基本単位としており、また、69120は1,2,3,4,5,6,8,10,11,12,15,16等の値で割り切れる値である。よって本実施例の符号化器は、図1に示す送信装置1の機能ブロックとして適用した場合、非常に多様な変調多値数を用いることが可能であり、例えば、BPSK(π/2シフトBPSK)、QPSK、8PSK、16APSK(16QAM)、32APSK(32QAM)、64QAM、256QAM、1024QAM等、非常に多様な多値変調方式に対応可能である。よって、本実施例の送信装置1により非常に柔軟な変調方式及び符号化率を組み合わせた信号送信が可能となる。尚、LDPC符号化に用いた検査行列のための検査行列初期値テーブルは、補助情報として送信装置1から受信装置2に送信することができ、或いはまた、受信装置2により予め保持させてもよい。或いは、送信装置1から受信装置2に検査行列自体を送信することができ、又は、検査行列自体を受信装置2により予め保持させてもよい。
続いて、本実施例のLDPC符号化率10/16における復号器(LDPC復号部212)の処理過程について説明する。
(LDPC符号化率10/16における復号器の処理過程)
本実施例の復号器(LDPC復号部212)は、部分行列A,Bにより2個の領域に分割された検査行列Hを用いて、LDPC符号の復号処理を行う。以下の説明では簡単のため、変調方式はBPSKとする。
本実施例の復号器(LDPC復号部212)は、まず、送信シンボルx及び受信シンボルyに基づいて対数尤度比λ(n=1〜69120)を算出する。対数尤度比λとは送るビット0と1の確からしさの比の自然対数であり、送信シンボルx及び受信シンボルyを用いて上述した式(4)で表される。
式(4)により取得した対数尤度比、及び上述の符号化率10/16に相当する検査行列H(図16に相当)を用いて、sum−product復号法等によるLDPC復号法を行う。反復復号回数は任意の値とする。また、LDPC復号においてはsum−product復号法以外にもmin−sum復号法等、多様な手段が提案されているが、検査行列を用いた尤度比を最大化する様々な手法を本発明に係るLDPC復号に適用可能である。
図19は、検査行列初期値テーブル(表3)によるLDPC符号化率10/16についてBCH符号を使用しないときのQPSK変調におけるC/N対BER特性(計算機シミュレーション)を示している。尚、図19において、復号アルゴリズムは、sum−product復号法(例えば、非特許文献1参照)を利用した。sum−product復号法の復号反復回数は50回である。図20に、符号化率10/16におけるシャノン限界C/Nと、図19から取得したBER=1×10−7点におけるC/Nの比較結果を示す。図20より、本検査行列に基づく符号化器、復号器、送信装置1及び受信装置2を適用することで、シャノン限界に迫る復号性能が得られることがわかる。従って、表3に基づく検査行列Hの採用により、現行の地上デジタル放送では困難であったシャノン限界に対し1dB未満となる好ましい伝送性能が得られるようになる。
(LDPC符号化率11/16の伝送フレーム構成)
図21(a),(b)は、それぞれ本発明による一実施例のLDPC符号化率11/16の伝送システムにおける伝送フレームの構成を示している。特に、図21(a)は、誤り訂正符号として、LDPC符号化率11/16のLDPC符号のみを用いる場合の伝送フレームの構成を示しており、図21(b)は、誤り訂正符号として、外符号としてのBCH符号、及び内符号としてのLDPC符号化率11/16のLDPC符号よりなる連接符号を用いる場合の伝送フレームの構成を示している。そして、図21(a),(b)にそれぞれ示す伝送フレームは、次世代地上放送伝送方式で用いるLDPC符号を基本とする伝送フレームを想定している。
まず、図21(a)に示す伝送フレームは、LDPC符号化率11/16を満たす情報ビット及びLDPCパリティから構成される。本発明による一実施例の送信装置1は、図21(a)に示す伝送フレーム構成を用いることにより、符号化及び変調を行う。そして、本発明による一実施例の受信装置2は、このフレーム構成に基づいて、復調及び誤り訂正符号の復号を行う。
また、図21(b)に示す伝送フレームは、図21(a)の変形として、情報ビット、BCHパリティ、及びLDPCパリティから構成され、図21(a)に示す伝送フレームと同様に、本発明による一実施例の送信装置1及び受信装置2に適用可能である。図21(b)において、K_bchはBCH符号のパリティビット長に相当する。外符号の一例として、高度衛星放送方式で利用可能なBCH符号を適用する場合を示しており、K_bchは192ビットである。BCHパリティは基本的に情報ビットの一部として扱われ、LDPC符号で訂正しきれない軽微なビット誤りを保護する役割を有する。LDPCパリティ長が等しい場合、図21(a)及び図21(b)は、LDPC符号の訂正能力は同等である。しかしながら、誤り訂正の大部分の能力はLDPC符号に依存するため、主として、図21(a)に示す伝送フレームを前提に説明する。
図21(a)に示すように、LDPC符号化率11/16の場合、次世代地上放送伝送方式を想定した伝送フレーム長は、LDPC符号長である69120ビットに相当する。69120ビットは360の整数倍で構成され、360×192で分割することが可能である。また、情報ビット長は47520ビットであり、47520/69120=11/16であることから、本伝送フレームはLDPC符号化率11/16を満たしている。また、符号長69120ビットは、高度衛星放送方式におけるLDPC符号長44880ビットよりも十分長いことから、よりシャノン限界に近い誤り訂正能力が期待できる。
まず、一実施例のLDPC符号化率11/16における符号化器(LDPC符号化部114)の処理過程について説明する。
(LDPC符号化率11/16における符号化器の処理過程)
本実施例の符号化器(LDPC符号化部114)は、部分行列A,Bにより2個の領域に分割された検査行列Hを生成し、この検査行列Hを用いてLDPC符号パリティの生成を行う。LDPC符号化率11/16における検査行列Hの基本構成を図22に示す。検査行列Hの行方向の長さがLDPC符号長に相当し、LDPC符号長N=69120と設定する。本検査行列の符号化率は11/16であることから、検査行列Hの列方向の長さがLDPCパリティ長に相当し、LDPCパリティ長P=21600ビットである。
図22において、部分行列Aは、上述の表4に示す検査行列初期値テーブルを用いて構成される部分行列であり、部分行列BにはLDGM構造(図23)を適用する。LDGM構造の行重み(検査行列の行方向の1の数)は1行目が1で残りの行重みは全て2、列重みは全ての列で2(ただし、最後列のみ1)である階段行列である。
部分行列Aのサイズは、図24に示すように、21600ビット(行)×47520ビット(列)で構成される。
部分行列Aにおいて、部分行列のサイズは有限であることから、上述した式(1)に基づき、検査行列の1の位置は算出され、式(1)のQは、符号化率毎に定まる値を持つサイクル数であり、Qは上述した式(2)で求められる。
よって、本実施例のLDPC符号化率11/16において、部分行列Aの場合、Q=60となる。
以下、より具体的に、LDPC符号化率11/16における部分行列A,Bにより2個の領域に分割された検査行列Hを生成する方法について説明する。
まず、部分行列A(図24)について説明する。本実施例の符号化器(LDPC符号化部114)は、部分行列Aを形成するために、上述の表4に示す検査行列初期値テーブルの一部から数値を読み出して、検査行列Hにおける部分行列Aの領域内の1の位置を周期的に配置する。表4に示す検査行列初期値テーブルは、列方向に132、行方向に最大15の数値が記載されている。この数値は、部分行列Aで利用する検査行列の1の最初の位置(初期値)に相当する。即ち、表4中のi行目・j列目の数値座標hi-j(数値)により、図22に示す検査行列H内の部分行列Aにおける1の最初の位置を指定する。一例として、図24において、h1-1(939)は、部分行列Aの1列目の1を939行目に配置することに相当し、h1-2(1004)は、部分行列Aの1列目の1を1004行目に配置することに相当する。また、h2-1(1830)は、部分行列Aの361列目の1を1830行目に配置し、h2-2(3547)は部分行列Aの361列目の1を3547行目に配置することに相当する。
以上の関係に基づき、図24に示すように、本実施例の符号化器(LDPC符号化部114)は、表4における検査行列初期値テーブルから、部分行列Aの360列毎の1を配置する行位置を指定するための132行・j列(最大15列)の数値座標hi-j(数値)のすべてを読み出して当該指定される部分行列A内の位置に1を最初に割り当て、この最初に割り当てた1の位置を基準にして1ビット分を行方向に右方シフトし、且つ所定のサイクル数Q=60(60ビット)で列方向に下方シフトした位置に1を割り当てることを繰り返すことで、検査行列H内の部分行列Aを構成する。
〈表4における検査行列初期値テーブルの部分行列A用の数値座標hi-j(数値)〉
1行目:h1-1(939)からh1-15(21005)
2行目:h2-1(1830)からh2-15(21176)
3行目:h3-1(402)からh3-15(11028)
・・・・
30行目:h30-1(880)からh30-15(21214)
31行目:h31-1(1154)からh31-10(18617)
32行目:h32-1(8175)からh32-3(15203)
・・・・
132行目:h132-1(3480)からh132-3(15867)
このように、表4における部分行列A用の数値座標hi-j(数値)における132(この132行の各行が部分行列Aの360列毎の最初の1列に相当)の数値を1列毎(この1列毎の数値が部分行列Aの360列毎の最初の行位置に相当)に読み出し、図24に示すように、所定のサイクル数Q=60シフトを繰り返すことで、360×60=21600ビット(列)相当の検査行列Hにおける部分行列Aの1の位置を指定することが可能となる。
以上の処理により求められたLDPC符号化率11/16における部分行列A、Bの集合行列である検査行列Hを用いて、上述したパリティ検査方程式(3)により、LDPCパリティを算出する。尚、符号化率11/16の場合、情報ビット長は47520ビットであることから、パリティ検査方程式においては、LDGM構造に基づくパリティ計算が適用される。
本実施例の符号化器(LDPC符号化部114)は69120ビットを基本単位としており、また、69120は1,2,3,4,5,6,8,10,11,12,15,16等の値で割り切れる値である。よって本実施例の符号化器は、図1に示す送信装置1の機能ブロックとして適用した場合、非常に多様な変調多値数を用いることが可能であり、例えば、BPSK(π/2シフトBPSK)、QPSK、8PSK、16APSK(16QAM)、32APSK(32QAM)、64QAM、256QAM、1024QAM等、非常に多様な多値変調方式に対応可能である。よって、本実施例の送信装置1により非常に柔軟な変調方式及び符号化率を組み合わせた信号送信が可能となる。尚、LDPC符号化に用いた検査行列のための検査行列初期値テーブルは、補助情報として送信装置1から受信装置2に送信することができ、或いはまた、受信装置2により予め保持させてもよい。或いは、送信装置1から受信装置2に検査行列自体を送信することができ、又は、検査行列自体を受信装置2により予め保持させてもよい。
続いて、本実施例のLDPC符号化率11/16における復号器(LDPC復号部212)の処理過程について説明する。
(LDPC符号化率11/16における復号器の処理過程)
本実施例の復号器(LDPC復号部212)は、部分行列A,Bにより2個の領域に分割された検査行列Hを用いて、LDPC符号の復号処理を行う。以下の説明では簡単のため、変調方式はBPSKとする。
本実施例の復号器(LDPC復号部212)は、まず、送信シンボルx及び受信シンボルyに基づいて対数尤度比λ(n=1〜69120)を算出する。対数尤度比λとは送るビット0と1の確からしさの比の自然対数であり、送信シンボルx及び受信シンボルyを用いて上述した式(4)で表される。
式(4)により取得した対数尤度比、及び上述の符号化率11/16に相当する検査行列H(図22に相当)を用いて、sum−product復号法等によるLDPC復号法を行う。反復復号回数は任意の値とする。また、LDPC復号においてはsum−product復号法以外にもmin−sum復号法等、多様な手段が提案されているが、検査行列を用いた尤度比を最大化する様々な手法を本発明に係るLDPC復号に適用可能である。
図25は、検査行列初期値テーブル(表4)によるLDPC符号化率11/16についてBCH符号を使用しないときのQPSK変調におけるC/N対BER特性(計算機シミュレーション)を示している。尚、図25において、復号アルゴリズムは、sum−product復号法(例えば、非特許文献1参照)を利用した。sum−product復号法の復号反復回数は50回である。図26に、符号化率11/16におけるシャノン限界C/Nと、図25から取得したBER=1×10−7点におけるC/Nの比較結果を示す。図26より、本検査行列に基づく符号化器、復号器、送信装置1及び受信装置2を適用することで、シャノン限界に迫る復号性能が得られることがわかる。従って、表4に基づく検査行列Hの採用により、現行の地上デジタル放送では困難であったシャノン限界に対し1dB未満となる好ましい伝送性能が得られるようになる。
(LDPC符号化率12/16の伝送フレーム構成)
図27(a),(b)は、それぞれ本発明による一実施例のLDPC符号化率12/16の伝送システムにおける伝送フレームの構成を示している。特に、図27(a)は、誤り訂正符号として、LDPC符号化率12/16のLDPC符号のみを用いる場合の伝送フレームの構成を示しており、図27(b)は、誤り訂正符号として、外符号としてのBCH符号、及び内符号としてのLDPC符号化率12/16のLDPC符号よりなる連接符号を用いる場合の伝送フレームの構成を示している。そして、図27(a),(b)にそれぞれ示す伝送フレームは、次世代地上放送伝送方式で用いるLDPC符号を基本とする伝送フレームを想定している。
まず、図27(a)に示す伝送フレームは、LDPC符号化率12/16を満たす情報ビット及びLDPCパリティから構成される。本発明による一実施例の送信装置1は、図27(a)に示す伝送フレーム構成を用いることにより、符号化及び変調を行う。そして、本発明による一実施例の受信装置2は、このフレーム構成に基づいて、復調及び誤り訂正符号の復号を行う。
また、図27(b)に示す伝送フレームは、図27(a)の変形として、情報ビット、BCHパリティ、及びLDPCパリティから構成され、図27(a)に示す伝送フレームと同様に、本発明による一実施例の送信装置1及び受信装置2に適用可能である。図27(b)において、K_bchはBCH符号のパリティビット長に相当する。外符号の一例として、高度衛星放送方式で利用可能なBCH符号を適用する場合を示しており、K_bchは192ビットである。BCHパリティは基本的に情報ビットの一部として扱われ、LDPC符号で訂正しきれない軽微なビット誤りを保護する役割を有する。LDPCパリティ長が等しい場合、図27(a)及び図27(b)は、LDPC符号の訂正能力は同等である。しかしながら、誤り訂正の大部分の能力はLDPC符号に依存するため、主として、図27(a)に示す伝送フレームを前提に説明する。
図27(a)に示すように、LDPC符号化率12/16の場合、次世代地上放送伝送方式を想定した伝送フレーム長は、LDPC符号長である69120ビットに相当する。69120ビットは360の整数倍で構成され、360×192で分割することが可能である。また、情報ビット長は51840ビットであり、51840/69120=12/16であることから、本伝送フレームはLDPC符号化率12/16を満たしている。また、符号長69120ビットは、高度衛星放送方式におけるLDPC符号長44880ビットよりも十分長いことから、よりシャノン限界に近い誤り訂正能力が期待できる。
まず、一実施例のLDPC符号化率12/16における符号化器(LDPC符号化部114)の処理過程について説明する。
(LDPC符号化率12/16における符号化器の処理過程)
本実施例の符号化器(LDPC符号化部114)は、部分行列A,Bにより2個の領域に分割された検査行列Hを生成し、この検査行列Hを用いてLDPC符号パリティの生成を行う。LDPC符号化率12/16における検査行列Hの基本構成を図28に示す。検査行列Hの行方向の長さがLDPC符号長に相当し、LDPC符号長N=69120と設定する。本検査行列の符号化率は12/16であることから、検査行列Hの列方向の長さがLDPCパリティ長に相当し、LDPCパリティ長P=17280ビットである。
図28において、部分行列Aは、上述の表5に示す検査行列初期値テーブルを用いて構成される部分行列であり、部分行列BにはLDGM構造(図29)を適用する。LDGM構造の行重み(検査行列の行方向の1の数)は1行目が1で残りの行重みは全て2、列重みは全ての列で2(ただし、最後列のみ1)である階段行列である。
部分行列Aのサイズは、図30に示すように、17280ビット(行)×51840ビット(列)で構成される。
部分行列Aにおいて、部分行列のサイズは有限であることから、上述した式(1)に基づき、検査行列の1の位置は算出され、式(1)のQは、符号化率毎に定まる値を持つサイクル数であり、Qは上述した式(2)で求められる。
よって、本実施例のLDPC符号化率12/16において、部分行列Aの場合、Q=48となる。
以下、より具体的に、LDPC符号化率12/16における部分行列A,Bにより2個の領域に分割された検査行列Hを生成する方法について説明する。
まず、部分行列A(図30)について説明する。本実施例の符号化器(LDPC符号化部114)は、部分行列Aを形成するために、上述の表5に示す検査行列初期値テーブルの一部から数値を読み出して、検査行列Hにおける部分行列Aの領域内の1の位置を周期的に配置する。表5に示す検査行列初期値テーブルは、列方向に144、行方向に最大15の数値が記載されている。この数値は、部分行列Aで利用する検査行列の1の最初の位置(初期値)に相当する。即ち、表5中のi行目・j列目の数値座標hi-j(数値)により、図28に示す検査行列H内の部分行列Aにおける1の最初の位置を指定する。一例として、図30において、h1-1(704)は、部分行列Aの1列目の1を704行目に配置することに相当し、h1-2(1387)は、部分行列Aの1列目の1を1387行目に配置することに相当する。また、h2-1(2451)は、部分行列Aの361列目の1を2451行目に配置し、h2-2(2859)は部分行列Aの361列目の1を2859行目に配置することに相当する。
以上の関係に基づき、図30に示すように、本実施例の符号化器(LDPC符号化部114)は、表5における検査行列初期値テーブルから、部分行列Aの360列毎の1を配置する行位置を指定するための144行・j列(最大15列)の数値座標hi-j(数値)のすべてを読み出して当該指定される部分行列A内の位置に1を最初に割り当て、この最初に割り当てた1の位置を基準にして1ビット分を行方向に右方シフトし、且つ所定のサイクル数Q=48(48ビット)で列方向に下方シフトした位置に1を割り当てることを繰り返すことで、検査行列H内の部分行列Aを構成する。
〈表5における検査行列初期値テーブルの部分行列A用の数値座標hi-j(数値)〉
1行目:h1-1(704)からh1-15(17233)
2行目:h2-1(2451)からh2-15(16802)
3行目:h3-1(11)からh3-15(13589)
・・・・
13行目:h13-1(327)からh13-15(15023)
14行目:h14-1(2039)からh14-14(17192)
・・・・
30行目:h30-1(2768)からh30-14(15922)
31行目:h31-1(348)からh31-3(7702)
・・・・
144行目:h144-1(1054)からh144-3(6687)
このように、表5における部分行列A用の数値座標hi-j(数値)における144(この144行の各行が部分行列Aの360列毎の最初の1列に相当)の数値を1列毎(この1列毎の数値が部分行列Aの360列毎の最初の行位置に相当)に読み出し、図30に示すように、所定のサイクル数Q=48シフトを繰り返すことで、360×48=17280ビット(列)相当の検査行列Hにおける部分行列Aの1の位置を指定することが可能となる。
以上の処理により求められたLDPC符号化率12/16における部分行列A、Bの集合行列である検査行列Hを用いて、上述したパリティ検査方程式(3)により、LDPCパリティを算出する。尚、符号化率12/16の場合、情報ビット長は51840ビットであることから、パリティ検査方程式においては、LDGM構造に基づくパリティ計算が適用される。
本実施例の符号化器(LDPC符号化部114)は69120ビットを基本単位としており、また、69120は1,2,3,4,5,6,8,10,11,12,15,16等の値で割り切れる値である。よって本実施例の符号化器は、図1に示す送信装置1の機能ブロックとして適用した場合、非常に多様な変調多値数を用いることが可能であり、例えば、BPSK(π/2シフトBPSK)、QPSK、8PSK、16APSK(16QAM)、32APSK(32QAM)、64QAM、256QAM、1024QAM等、非常に多様な多値変調方式に対応可能である。よって、本実施例の送信装置1により非常に柔軟な変調方式及び符号化率を組み合わせた信号送信が可能となる。尚、LDPC符号化に用いた検査行列のための検査行列初期値テーブルは、補助情報として送信装置1から受信装置2に送信することができ、或いはまた、受信装置2により予め保持させてもよい。或いは、送信装置1から受信装置2に検査行列自体を送信することができ、又は、検査行列自体を受信装置2により予め保持させてもよい。
続いて、本実施例のLDPC符号化率12/16における復号器(LDPC復号部212)の処理過程について説明する。
(LDPC符号化率12/16における復号器の処理過程)
本実施例の復号器(LDPC復号部212)は、部分行列A,Bにより2個の領域に分割された検査行列Hを用いて、LDPC符号の復号処理を行う。以下の説明では簡単のため、変調方式はBPSKとする。
本実施例の復号器(LDPC復号部212)は、まず、送信シンボルx及び受信シンボルyに基づいて対数尤度比λ(n=1〜69120)を算出する。対数尤度比λとは送るビット0と1の確からしさの比の自然対数であり、送信シンボルx及び受信シンボルyを用いて上述した式(4)で表される。
式(4)により取得した対数尤度比、及び上述の符号化率12/16に相当する検査行列H(図28に相当)を用いて、sum−product復号法等によるLDPC復号法を行う。反復復号回数は任意の値とする。また、LDPC復号においてはsum−product復号法以外にもmin−sum復号法等、多様な手段が提案されているが、検査行列を用いた尤度比を最大化する様々な手法を本発明に係るLDPC復号に適用可能である。
図31は、検査行列初期値テーブル(表5)によるLDPC符号化率12/16についてBCH符号を使用しないときのQPSK変調におけるC/N対BER特性(計算機シミュレーション)を示している。尚、図31において、復号アルゴリズムは、sum−product復号法(例えば、非特許文献1参照)を利用した。sum−product復号法の復号反復回数は50回である。図32に、符号化率12/16におけるシャノン限界C/Nと、図31から取得したBER=1×10−7点におけるC/Nの比較結果を示す。図32より、本検査行列に基づく符号化器、復号器、送信装置1及び受信装置2を適用することで、シャノン限界に迫る復号性能が得られることがわかる。従って、表5に基づく検査行列Hの採用により、現行の地上デジタル放送では困難であったシャノン限界に対し1dB未満となる好ましい伝送性能が得られるようになる。
(LDPC符号化率13/16の伝送フレーム構成)
図33(a),(b)は、それぞれ本発明による一実施例のLDPC符号化率13/16の伝送システムにおける伝送フレームの構成を示している。特に、図33(a)は、誤り訂正符号として、LDPC符号化率13/16のLDPC符号のみを用いる場合の伝送フレームの構成を示しており、図33(b)は、誤り訂正符号として、外符号としてのBCH符号、及び内符号としてのLDPC符号化率13/16のLDPC符号よりなる連接符号を用いる場合の伝送フレームの構成を示している。そして、図33(a),(b)にそれぞれ示す伝送フレームは、次世代地上放送伝送方式で用いるLDPC符号を基本とする伝送フレームを想定している。
まず、図33(a)に示す伝送フレームは、LDPC符号化率13/16を満たす情報ビット及びLDPCパリティから構成される。本発明による一実施例の送信装置1は、図33(a)に示す伝送フレーム構成を用いることにより、符号化及び変調を行う。そして、本発明による一実施例の受信装置2は、このフレーム構成に基づいて、復調及び誤り訂正符号の復号を行う。
また、図33(b)に示す伝送フレームは、図33(a)の変形として、情報ビット、BCHパリティ、及びLDPCパリティから構成され、図33(a)に示す伝送フレームと同様に、本発明による一実施例の送信装置1及び受信装置2に適用可能である。図33(b)において、K_bchはBCH符号のパリティビット長に相当する。外符号の一例として、高度衛星放送方式で利用可能なBCH符号を適用する場合を示しており、K_bchは192ビットである。BCHパリティは基本的に情報ビットの一部として扱われ、LDPC符号で訂正しきれない軽微なビット誤りを保護する役割を有する。LDPCパリティ長が等しい場合、図33(a)及び図33(b)は、LDPC符号の訂正能力は同等である。しかしながら、誤り訂正の大部分の能力はLDPC符号に依存するため、主として、図33(a)に示す伝送フレームを前提に説明する。
図33(a)に示すように、LDPC符号化率13/16の場合、次世代地上放送伝送方式を想定した伝送フレーム長は、LDPC符号長である69120ビットに相当する。69120ビットは360の整数倍で構成され、360×192で分割することが可能である。また、情報ビット長は56160ビットであり、56160/69120=13/16であることから、本伝送フレームはLDPC符号化率13/16を満たしている。また、符号長69120ビットは、高度衛星放送方式におけるLDPC符号長44880ビットよりも十分長いことから、よりシャノン限界に近い誤り訂正能力が期待できる。
まず、一実施例のLDPC符号化率13/16における符号化器(LDPC符号化部114)の処理過程について説明する。
(LDPC符号化率13/16における符号化器の処理過程)
本実施例の符号化器(LDPC符号化部114)は、部分行列A,Bにより2個の領域に分割された検査行列Hを生成し、この検査行列Hを用いてLDPC符号パリティの生成を行う。LDPC符号化率13/16における検査行列Hの基本構成を図34に示す。検査行列Hの行方向の長さがLDPC符号長に相当し、LDPC符号長N=69120と設定する。本検査行列の符号化率は13/16であることから、検査行列Hの列方向の長さがLDPCパリティ長に相当し、LDPCパリティ長P=12960ビットである。
図34において、部分行列Aは、上述の表6に示す検査行列初期値テーブルを用いて構成される部分行列であり、部分行列BにはLDGM構造(図35)を適用する。LDGM構造の行重み(検査行列の行方向の1の数)は1行目が1で残りの行重みは全て2、列重みは全ての列で2(ただし、最後列のみ1)である階段行列である。
部分行列Aのサイズは、図36に示すように、12960ビット(行)×56160ビット(列)で構成される。
部分行列Aにおいて、部分行列のサイズは有限であることから、上述した式(1)に基づき、検査行列の1の位置は算出され、式(1)のQは、符号化率毎に定まる値を持つサイクル数であり、Qは上述した式(2)で求められる。
よって、本実施例のLDPC符号化率13/16において、部分行列Aの場合、Q=36となる。
以下、より具体的に、LDPC符号化率13/16における部分行列A,Bにより2個の領域に分割された検査行列Hを生成する方法について説明する。
まず、部分行列A(図36)について説明する。本実施例の符号化器(LDPC符号化部114)は、部分行列Aを形成するために、上述の表6に示す検査行列初期値テーブルの一部から数値を読み出して、検査行列Hにおける部分行列Aの領域内の1の位置を周期的に配置する。表6に示す検査行列初期値テーブルは、列方向に156、行方向に最大15の数値が記載されている。この数値は、部分行列Aで利用する検査行列の1の最初の位置(初期値)に相当する。即ち、表6中のi行目・j列目の数値座標hi-j(数値)により、図34に示す検査行列H内の部分行列Aにおける1の最初の位置を指定する。一例として、図36において、h1-1(1215)は、部分行列Aの1列目の1を1215行目に配置することに相当し、h1-2(1845)は、部分行列Aの1列目の1を1845行目に配置することに相当する。また、h2-1(1282)は、部分行列Aの361列目の1を1282行目に配置し、h2-2(1289)は部分行列Aの361列目の1を1289行目に配置することに相当する。
以上の関係に基づき、図36に示すように、本実施例の符号化器(LDPC符号化部114)は、表6における検査行列初期値テーブルから、部分行列Aの360列毎の1を配置する行位置を指定するための156行・j列(最大15列)の数値座標hi-j(数値)のすべてを読み出して当該指定される部分行列A内の位置に1を最初に割り当て、この最初に割り当てた1の位置を基準にして1ビット分を行方向に右方シフトし、且つ所定のサイクル数Q=36(36ビット)で列方向に下方シフトした位置に1を割り当てることを繰り返すことで、検査行列H内の部分行列Aを構成する。
〈表6における検査行列初期値テーブルの部分行列A用の数値座標hi-j(数値)〉
1行目:h1-1(1215)からh1-15(12390)
2行目:h2-1(1282)からh2-15(12180)
3行目:h3-1(575)からh3-15(9555)
・・・・
26行目:h26-1(1577)からh26-15(12495)
27行目:h27-1(4940)からh27-8(12577)
・・・・
35行目:h35-1(3194)からh35-8(12866)
36行目:h36-1(1098)からh36-3(3468)
・・・・
156行目:h156-1(5048)からh156-3(8480)
このように、表6における部分行列A用の数値座標hi-j(数値)における156(この156行の各行が部分行列Aの360列毎の最初の1列に相当)の数値を1列毎(この1列毎の数値が部分行列Aの360列毎の最初の行位置に相当)に読み出し、図36に示すように、所定のサイクル数Q=36シフトを繰り返すことで、360×36=12960ビット(列)相当の検査行列Hにおける部分行列Aの1の位置を指定することが可能となる。
以上の処理により求められたLDPC符号化率13/16における部分行列A、Bの集合行列である検査行列Hを用いて、上述したパリティ検査方程式(3)により、LDPCパリティを算出する。尚、符号化率13/16の場合、情報ビット長は56160ビットであることから、パリティ検査方程式においては、LDGM構造に基づくパリティ計算が適用される。
本実施例の符号化器(LDPC符号化部114)は69120ビットを基本単位としており、また、69120は1,2,3,4,5,6,8,10,11,12,15,16等の値で割り切れる値である。よって本実施例の符号化器は、図1に示す送信装置1の機能ブロックとして適用した場合、非常に多様な変調多値数を用いることが可能であり、例えば、BPSK(π/2シフトBPSK)、QPSK、8PSK、16APSK(16QAM)、32APSK(32QAM)、64QAM、256QAM、1024QAM等、非常に多様な多値変調方式に対応可能である。よって、本実施例の送信装置1により非常に柔軟な変調方式及び符号化率を組み合わせた信号送信が可能となる。尚、LDPC符号化に用いた検査行列のための検査行列初期値テーブルは、補助情報として送信装置1から受信装置2に送信することができ、或いはまた、受信装置2により予め保持させてもよい。或いは、送信装置1から受信装置2に検査行列自体を送信することができ、又は、検査行列自体を受信装置2により予め保持させてもよい。
続いて、本実施例のLDPC符号化率13/16における復号器(LDPC復号部212)の処理過程について説明する。
(LDPC符号化率13/16における復号器の処理過程)
本実施例の復号器(LDPC復号部212)は、部分行列A,Bにより2個の領域に分割された検査行列Hを用いて、LDPC符号の復号処理を行う。以下の説明では簡単のため、変調方式はBPSKとする。
本実施例の復号器(LDPC復号部212)は、まず、送信シンボルx及び受信シンボルyに基づいて対数尤度比λ(n=1〜69120)を算出する。対数尤度比λとは送るビット0と1の確からしさの比の自然対数であり、送信シンボルx及び受信シンボルyを用いて上述した式(4)で表される。
式(4)により取得した対数尤度比、及び上述の符号化率13/16に相当する検査行列H(図34に相当)を用いて、sum−product復号法等によるLDPC復号法を行う。反復復号回数は任意の値とする。また、LDPC復号においてはsum−product復号法以外にもmin−sum復号法等、多様な手段が提案されているが、検査行列を用いた尤度比を最大化する様々な手法を本発明に係るLDPC復号に適用可能である。
図37は、検査行列初期値テーブル(表6)によるLDPC符号化率13/16についてBCH符号を使用しないときのQPSK変調におけるC/N対BER特性(計算機シミュレーション)を示している。尚、図37において、復号アルゴリズムは、sum−product復号法(例えば、非特許文献1参照)を利用した。sum−product復号法の復号反復回数は50回である。図38に、符号化率13/16におけるシャノン限界C/Nと、図37から取得したBER=1×10−7点におけるC/Nの比較結果を示す。図38より、本検査行列に基づく符号化器、復号器、送信装置1及び受信装置2を適用することで、シャノン限界に迫る復号性能が得られることがわかる。従って、表6に基づく検査行列Hの採用により、現行の地上デジタル放送では困難であったシャノン限界に対し1dB未満となる好ましい伝送性能が得られるようになる。
(LDPC符号化率14/16の伝送フレーム構成)
図39(a),(b)は、それぞれ本発明による一実施例のLDPC符号化率14/16の伝送システムにおける伝送フレームの構成を示している。特に、図39(a)は、誤り訂正符号として、LDPC符号化率14/16のLDPC符号のみを用いる場合の伝送フレームの構成を示しており、図39(b)は、誤り訂正符号として、外符号としてのBCH符号、及び内符号としてのLDPC符号化率14/16のLDPC符号よりなる連接符号を用いる場合の伝送フレームの構成を示している。そして、図39(a),(b)にそれぞれ示す伝送フレームは、次世代地上放送伝送方式で用いるLDPC符号を基本とする伝送フレームを想定している。
まず、図39(a)に示す伝送フレームは、LDPC符号化率14/16を満たす情報ビット及びLDPCパリティから構成される。本発明による一実施例の送信装置1は、図39(a)に示す伝送フレーム構成を用いることにより、符号化及び変調を行う。そして、本発明による一実施例の受信装置2は、このフレーム構成に基づいて、復調及び誤り訂正符号の復号を行う。
また、図39(b)に示す伝送フレームは、図39(a)の変形として、情報ビット、BCHパリティ、及びLDPCパリティから構成され、図39(a)に示す伝送フレームと同様に、本発明による一実施例の送信装置1及び受信装置2に適用可能である。図39(b)において、K_bchはBCH符号のパリティビット長に相当する。外符号の一例として、高度衛星放送方式で利用可能なBCH符号を適用する場合を示しており、K_bchは192ビットである。BCHパリティは基本的に情報ビットの一部として扱われ、LDPC符号で訂正しきれない軽微なビット誤りを保護する役割を有する。LDPCパリティ長が等しい場合、図39(a)及び図39(b)は、LDPC符号の訂正能力は同等である。しかしながら、誤り訂正の大部分の能力はLDPC符号に依存するため、主として、図39(a)に示す伝送フレームを前提に説明する。
図39(a)に示すように、LDPC符号化率14/16の場合、次世代地上放送伝送方式を想定した伝送フレーム長は、LDPC符号長である69120ビットに相当する。69120ビットは360の整数倍で構成され、360×192で分割することが可能である。また、情報ビット長は60480ビットであり、60480/69120=14/16であることから、本伝送フレームはLDPC符号化率14/16を満たしている。また、符号長69120ビットは、高度衛星放送方式におけるLDPC符号長44880ビットよりも十分長いことから、よりシャノン限界に近い誤り訂正能力が期待できる。
まず、一実施例のLDPC符号化率14/16における符号化器(LDPC符号化部114)の処理過程について説明する。
(LDPC符号化率14/16における符号化器の処理過程)
本実施例の符号化器(LDPC符号化部114)は、部分行列A,Bにより2個の領域に分割された検査行列Hを生成し、この検査行列Hを用いてLDPC符号パリティの生成を行う。LDPC符号化率14/16における検査行列Hの基本構成を図40に示す。検査行列Hの行方向の長さがLDPC符号長に相当し、LDPC符号長N=69120と設定する。本検査行列の符号化率は14/16であることから、検査行列Hの列方向の長さがLDPCパリティ長に相当し、LDPCパリティ長P=8640ビットである。
図40において、部分行列Aは、上述の表7に示す検査行列初期値テーブルを用いて構成される部分行列であり、部分行列BにはLDGM構造(図41)を適用する。LDGM構造の行重み(検査行列の行方向の1の数)は1行目が1で残りの行重みは全て2、列重みは全ての列で2(ただし、最後列のみ1)である階段行列である。
部分行列Aのサイズは、図42に示すように、8640ビット(行)×60480ビット(列)で構成される。
部分行列Aにおいて、部分行列のサイズは有限であることから、上述した式(1)に基づき、検査行列の1の位置は算出され、式(1)のQは、符号化率毎に定まる値を持つサイクル数であり、Qは上述した式(2)で求められる。
よって、本実施例のLDPC符号化率14/16において、部分行列Aの場合、Q=24となる。
以下、より具体的に、LDPC符号化率14/16における部分行列A,Bにより2個の領域に分割された検査行列Hを生成する方法について説明する。
まず、部分行列A(図42)について説明する。本実施例の符号化器(LDPC符号化部114)は、部分行列Aを形成するために、上述の表7に示す検査行列初期値テーブルの一部から数値を読み出して、検査行列Hにおける部分行列Aの領域内の1の位置を周期的に配置する。表7に示す検査行列初期値テーブルは、列方向に168、行方向に最大14の数値が記載されている。この数値は、部分行列Aで利用する検査行列の1の最初の位置(初期値)に相当する。即ち、表7中のi行目・j列目の数値座標hi-j(数値)により、図40に示す検査行列H内の部分行列Aにおける1の最初の位置を指定する。一例として、図42において、h1-1(605)は、部分行列Aの1列目の1を605行目に配置することに相当し、h1-2(1260)は、部分行列Aの1列目の1を1260行目に配置することに相当する。また、h2-1(1712)は、部分行列Aの361列目の1を1712行目に配置し、h2-2(2597)は部分行列Aの361列目の1を2597行目に配置することに相当する。
以上の関係に基づき、図42に示すように、本実施例の符号化器(LDPC符号化部114)は、表7における検査行列初期値テーブルから、部分行列Aの360列毎の1を配置する行位置を指定するための168行・j列(最大14列)の数値座標hi-j(数値)のすべてを読み出して当該指定される部分行列A内の位置に1を最初に割り当て、この最初に割り当てた1の位置を基準にして1ビット分を行方向に右方シフトし、且つ所定のサイクル数Q=24(24ビット)で列方向に下方シフトした位置に1を割り当てることを繰り返すことで、検査行列H内の部分行列Aを構成する。
〈表7における検査行列初期値テーブルの部分行列A用の数値座標hi-j(数値)〉
1行目:h1-1(605)からh1-14(7962)
2行目:h2-1(1712)からh2-14(8586)
3行目:h3-1(393)からh3-14(5876)
・・・・
31行目:h31-1(1701)からh35-14(7488)
32行目:h32-1(3165)からh36-3(7852)
・・・・
168行目:h168-1(2841)からh168-3(7531)
このように、表7における部分行列A用の数値座標hi-j(数値)における168(この168行の各行が部分行列Aの360列毎の最初の1列に相当)の数値を1列毎(この1列毎の数値が部分行列Aの360列毎の最初の行位置に相当)に読み出し、図42に示すように、所定のサイクル数Q=24シフトを繰り返すことで、360×24=8640ビット(列)相当の検査行列Hにおける部分行列Aの1の位置を指定することが可能となる。
以上の処理により求められたLDPC符号化率14/16における部分行列A、Bの集合行列である検査行列Hを用いて、上述したパリティ検査方程式(3)により、LDPCパリティを算出する。尚、符号化率14/16の場合、情報ビット長は60480ビットであることから、パリティ検査方程式においては、LDGM構造に基づくパリティ計算が適用される。
本実施例の符号化器(LDPC符号化部114)は69120ビットを基本単位としており、また、69120は1,2,3,4,5,6,8,10,11,12,15,16等の値で割り切れる値である。よって本実施例の符号化器は、図1に示す送信装置1の機能ブロックとして適用した場合、非常に多様な変調多値数を用いることが可能であり、例えば、BPSK(π/2シフトBPSK)、QPSK、8PSK、16APSK(16QAM)、32APSK(32QAM)、64QAM、256QAM、1024QAM等、非常に多様な多値変調方式に対応可能である。よって、本実施例の送信装置1により非常に柔軟な変調方式及び符号化率を組み合わせた信号送信が可能となる。尚、LDPC符号化に用いた検査行列のための検査行列初期値テーブルは、補助情報として送信装置1から受信装置2に送信することができ、或いはまた、受信装置2により予め保持させてもよい。或いは、送信装置1から受信装置2に検査行列自体を送信することができ、又は、検査行列自体を受信装置2により予め保持させてもよい。
続いて、本実施例のLDPC符号化率14/16における復号器(LDPC復号部212)の処理過程について説明する。
(LDPC符号化率14/16における復号器の処理過程)
本実施例の復号器(LDPC復号部212)は、部分行列A,Bにより2個の領域に分割された検査行列Hを用いて、LDPC符号の復号処理を行う。以下の説明では簡単のため、変調方式はBPSKとする。
本実施例の復号器(LDPC復号部212)は、まず、送信シンボルx及び受信シンボルyに基づいて対数尤度比λ(n=1〜69120)を算出する。対数尤度比λとは送るビット0と1の確からしさの比の自然対数であり、送信シンボルx及び受信シンボルyを用いて上述した式(4)で表される。
式(4)により取得した対数尤度比、及び上述の符号化率14/16に相当する検査行列H(図40に相当)を用いて、sum−product復号法等によるLDPC復号法を行う。反復復号回数は任意の値とする。また、LDPC復号においてはsum−product復号法以外にもmin−sum復号法等、多様な手段が提案されているが、検査行列を用いた尤度比を最大化する様々な手法を本発明に係るLDPC復号に適用可能である。
図43は、検査行列初期値テーブル(表7)によるLDPC符号化率14/16についてBCH符号を使用しないときのQPSK変調におけるC/N対BER特性(計算機シミュレーション)を示している。尚、図43において、復号アルゴリズムは、sum−product復号法(例えば、非特許文献1参照)を利用した。sum−product復号法の復号反復回数は50回である。図44に、符号化率14/16におけるシャノン限界C/Nと、図43から取得したBER=1×10−7点におけるC/Nの比較結果を示す。図44より、本検査行列に基づく符号化器、復号器、送信装置1及び受信装置2を適用することで、シャノン限界に迫る復号性能が得られることがわかる。従って、表7に基づく検査行列Hの採用により、現行の地上デジタル放送では困難であったシャノン限界に対し1dB未満となる好ましい伝送性能が得られるようになる。
上述した実施例に関して、符号化器及び復号器、並びに送信装置1及び受信装置2として機能するコンピュータを構成し、符号化器及び復号器、並びに送信装置1及び受信装置2の各手段を機能させるためのプログラムを好適に用いることができる。具体的には、各手段を制御するための制御部をコンピュータ内の中央演算処理装置(CPU)で構成でき、且つ、各手段を動作させるのに必要となるプログラムを適宜記憶する記憶部を少なくとも1つのメモリで構成させることができる。即ち、そのようなコンピュータに、CPUによって該プログラムを実行させることにより、上述した各手段の有する機能を実現させることができる。更に、各手段の有する機能を実現させるためのプログラムを、前述の記憶部(メモリ)の所定の領域に格納させることができる。そのような記憶部は、装置内部のRAM又はROMなどで構成させることができ、或いは又、外部記憶装置(例えば、ハードディスク)で構成させることもできる。また、そのようなプログラムは、コンピュータで利用されるOS上のソフトウェア(ROM又は外部記憶装置に格納される)の一部で構成させることができる。更に、そのようなコンピュータに、各手段として機能させるためのプログラムは、コンピュータ読取り可能な記録媒体に記録することができる。また、上述した各手段をハードウェア又はソフトウェアの一部として構成させ、各々を組み合わせて実現させることもできる。
上述の実施例については代表的な例として説明したが、本発明の趣旨及び範囲内で、多くの変更及び置換することができることは当業者に明らかである。例えば、LDPC符号化と組み合わされる場合の他の誤り訂正符号化として、BCH符号化以外に、リードソロモン符号化などのブロック符号化のみならず、畳込み符号化であってもよく、又は他のLDPC符号化を組み合わせても良い。従って、本発明は、上述の実施例によって制限するものと解するべきではなく、特許請求の範囲によってのみ制限される。
本発明による符号化器及び復号器、並びに送信装置及び受信装置は、各種伝送方式においてLDPC符号の符号長が異なる場合において、複数種類のデジタル変調方式を時分割多重する伝送システムにおいて有用である。
1 送信装置
11 主信号処理部
111 伝送フレーム生成部
112 エネルギー拡散部
113 BCH符号化部
114 LDPC符号化部
115 変調部
12 TMCC生成部
2 受信装置
21 主信号処理部
211 復調部
212 LDPC復号部
213 BCH復号部
214 エネルギー逆拡散部
22 TMCC復調・復号部

Claims (12)

  1. 符号化率毎に固有の検査行列を用いてデジタルデータをLDPC符号化する符号化器であって、
    69120ビットからなる符号長で符号化率毎に予め定めた検査行列初期値テーブルを初期値として、符号化率8/16、9/16、10/16、11/16、12/16、13/16、14/16の各々に応じた情報長に対応する行列の1の要素を、列方向に所定のサイクル数で周期的に配置して構成した検査行列を用いてLDPC符号化を行う手段を備えることを特徴とする符号化器。
  2. 前記符号化率8/16、9/16、10/16、11/16、12/16、13/16、14/16の各々の検査行列初期値テーブルに基づく検査行列は、前記行列が、所定のサイクル数で周期的に1の要素を列方向に配置する行列であることを特徴とする、請求項1に記載の符号化器。
  3. 前記行列の初期値を示す前記符号化率8/16の検査行列初期値テーブルは、
    からなることを特徴とする、請求項2に記載の符号化器。
  4. 前記行列の初期値を示す前記符号化率9/16の検査行列初期値テーブルは、
    からなることを特徴とする、請求項2に記載の符号化器。
  5. 前記行列の初期値を示す前記符号化率10/16の検査行列初期値テーブルは、
    からなることを特徴とする、請求項2に記載の符号化器。
  6. 前記行列の初期値を示す前記符号化率11/16の検査行列初期値テーブルは、
    からなることを特徴とする、請求項2に記載の符号化器。
  7. 前記行列の初期値を示す前記符号化率12/16の検査行列初期値テーブルは、
    からなることを特徴とする、請求項2に記載の符号化器。
  8. 前記行列の初期値を示す前記符号化率13/16の検査行列初期値テーブルは、
    からなることを特徴とする、請求項2に記載の符号化器。
  9. 前記行列の初期値を示す前記符号化率14/16の検査行列初期値テーブルは、
    からなることを特徴とする、請求項2に記載の符号化器。
  10. 請求項1から9のいずれか一項に記載の符号化器で符号化したデータを、前記検査行列に基づいてLDPC復号することを特徴とする復号器。
  11. 請求項1から9のいずれか一項に記載の符号化器を備えることを特徴とする送信装置。
  12. 請求項10に記載の復号器を備えることを特徴とする受信装置。
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