JP2019010702A - 微細パターン構造体およびその製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】入射光により電場を増強させ得る微細パターン構造体およびその製造方法を提供する。
【解決手段】金属基板2の表面に複数のナノオーダの凸部3が形成された微細パターン構造体1である。各凸部3は、電場増強作用を有する金属または金属化合物からなる。各凸部3は、最も高い頂点である第一山部31と、その次に高い極大点である第二山部32と、これら第一山部31および第二山部32の間に位置する最も低い点である谷底部33とを有する。各凸部3において、谷底部33の高さh3は、第二山部32の高さh2の8割以下である。
【選択図】図2
【解決手段】金属基板2の表面に複数のナノオーダの凸部3が形成された微細パターン構造体1である。各凸部3は、電場増強作用を有する金属または金属化合物からなる。各凸部3は、最も高い頂点である第一山部31と、その次に高い極大点である第二山部32と、これら第一山部31および第二山部32の間に位置する最も低い点である谷底部33とを有する。各凸部3において、谷底部33の高さh3は、第二山部32の高さh2の8割以下である。
【選択図】図2
Description
本発明は、微細パターン構造体およびその製造方法に関するものである。
微細パターン構造体は、例えば、局在表面プラズモン共鳴を利用したセンサとして応用することが可能である。このようなセンサは、小型および安価という長所を有し、主にバイオセンサとして使用されている。
前記センサでは、その微細パターン構造体が入射光により電場を増強させるものであるほど、より高感度となる。勿論、センサに応用した例に限られず、微細パターン構造体が入射光により電場を増強させるものであれば、微細パターン構造体として高品質であると言える。
従来は、微細パターン構造体を応用した光学デバイスとして、金属基板の表面に周期的にナノオーダの凸部を形成し、当該表面に金属膜を形成したものが開示されている(例えば、特許文献1参照)。
しかしながら、前記特許文献1に記載のものは、その図11(D)および(E)並びに図13(C)および(D)に示すように、基板200の表面に形成された凸部210および金属アイランド221は、いずれも滑らかな表面を有する。このため、前記基板200の表面に入射光を受けても、前記凸部210または金属アイランド221の自由電子と入射光との間で結合が不十分であり、電界の集中が不十分である。したがって、前記特許文献1に記載の光学デバイスとして用いられた微細パターン構造体には、入射光を受けた際の電場の増強に改善の余地がある。
そこで、本発明は、入射光により電場を増強させ得る微細パターン構造体およびその製造方法を提供することを目的とする。
前記課題を解決するため、第1の発明に係る微細パターン構造体は、金属基板の表面に複数のナノオーダの凸部が形成された微細パターン構造体であって、
前記各凸部が、電場増強作用を有する金属または金属化合物からなり、
前記各凸部が、最も高い頂点である第一山部と、その次に高い極大点である第二山部と、これら第一山部および第二山部の間に位置する最も低い点である谷底部とを有し、
前記各凸部において、前記谷底部の高さが、前記第二山部の高さの8割以下である。
前記各凸部が、電場増強作用を有する金属または金属化合物からなり、
前記各凸部が、最も高い頂点である第一山部と、その次に高い極大点である第二山部と、これら第一山部および第二山部の間に位置する最も低い点である谷底部とを有し、
前記各凸部において、前記谷底部の高さが、前記第二山部の高さの8割以下である。
また、第2の発明に係る微細パターン構造体は、第1の発明に係る微細パターン構造体において、各凸部の表面に、局在表面プラズモン共鳴を発生させる金属または水素吸蔵物質からなる金属の金属膜が形成されたものである。
さらに、第3の発明に係る微細パターン構造体の製造方法は、第1の発明に係る微細パターン構造体の製造方法であって、
陽極酸化用金属板と金属基板とを積層することで、積層板を作成し、
前記積層板を陽極酸化することで、前記陽極酸化用金属板を規則的にナノオーダの貫通孔が形成された陽極酸化被膜にするとともに、これら貫通孔の底で前記金属基板の表面を酸化させて陽極酸化凸部を形成し、
前記陽極酸化被膜を除去し、
前記陽極酸化凸部の表面を溶解することで、当該陽極酸化凸部を、第一山部、第二山部および谷底部が形成された凸部にする方法である。
陽極酸化用金属板と金属基板とを積層することで、積層板を作成し、
前記積層板を陽極酸化することで、前記陽極酸化用金属板を規則的にナノオーダの貫通孔が形成された陽極酸化被膜にするとともに、これら貫通孔の底で前記金属基板の表面を酸化させて陽極酸化凸部を形成し、
前記陽極酸化被膜を除去し、
前記陽極酸化凸部の表面を溶解することで、当該陽極酸化凸部を、第一山部、第二山部および谷底部が形成された凸部にする方法である。
加えて、第4の発明に係る微細パターン構造体の製造方法は、第3の発明に係る微細パターン構造体の製造方法において、各凸部の表面に、局在表面プラズモン共鳴を発生させる金属または水素吸蔵物質からなる金属を、斜め蒸着により成膜する方法である。
前記微細パターン構造体およびその製造方法によると、谷底部から第一山部および第二山部に至る面での自由電子と入射光との間で結合が起こり、谷底部で強い電界が集中するので、入射光により電場を増強させることができる。
以下、本発明の実施の形態に係る微細パターン構造体について図面に基づき説明する。
図1に示すように、この微細パターン構造体1は、金属基板2の表面に複数のナノオーダ(数nm〜数百nm)の凸部3が形成されたものである。これら複数の凸部3は、より電場を増強させるためにも、多数且つ規則的であることが好ましい。この金属基板2の金属は特に限定されないが、例えば、Al,Ti,Ta,Hf,Zr,Si,Inおよび/またはZnなどである。前記凸部3は、電場増強作用を有する金属または金属化合物(金属酸化物、金属窒化物または金属ホウ化物など)からなる。電場増強作用を有する金属としては、例えば、Au,Ag,Al,Cu,Ni,Ti,In,Ga,Crまたはこれらの合金などである。電場増強作用を有する金属酸化物としては、例えば、ZnO,SnO,In2O3,ITO,Ga:ZnO,F:SnO,CaVO3,SrVO3,PdCoO2,SrMoO3,CaMoO3,NiO,LaNiO3,SrRuO3,VO2,Nd2−xCexCuO4(x=0〜1.5),Sr2RuO4,LaFePO,La0.5Sr0.5TiO3+x/2などである。電場増強作用を有する金属窒化物としては、例えば、TiN,ZrN,HfNなどである。電場増強作用を有する金属ホウ化物としては、例えば、MgB2などである。なお、前記金属基板2の金属の酸化物が電場増強作用を有するのであれば、前記凸部3は、金属基板2を酸化させたものでもよい。また、前記金属基板2の金属の窒化物が電場増強作用を有するのであれば、前記凸部3は、例えば、金属基板2を酸化させた後に、アンモニア雰囲気中で800℃以上の温度(高温)で焼成することで、窒化させたものでもよい。
図2は、前記微細パターン構造体1を拡大した断面図であり、紙面の上下方向を前記金属基板2の厚さ方向として示す。この図2に示すように、前記微細パターン構造体1の各凸部3は、最も高いh1頂点(以下、第一山部31と言う)およびその次に高いh2極大点(以下、第二山部32と言う)と、これら第一山部31および第二山部32の間に位置する最も低いh3点(以下、谷底部33と言う)とを有する。前記谷底部33の高さh3は、前記第二山部32の高さh2の8割以下である。このような形状の凸部3、すなわち、2つ以上の高い点31,32を有するとともに高低差(h2−h3)が顕著な凸部3は、前記谷底部33から第一山部31および第二山部32に至る面での自由電子と入射光との間で結合が起こり、谷底部33で強い電界が集中するので、電場を増強させるものである。
図3は、前記微細パターン構造体1を拡大した平面図であり、各凸部3の内側に示す多数の閉じた線は等高線である。この図3に示すように、金属基板2の厚さ方向から見た各凸部3(つまり各凸部3の平面視)は、歪(いびつ)であることが好ましい。なぜなら、各凸部3の平面視が歪(いびつ)、つまり真円から遥かに外れた閉じた形状であれば、凸部3の平面視における周縁でも電界が集中するので、より電場を増強させるからである。どの程度に歪(いびつ)であることが好ましいかは、円形度を用いて説明する。この円形度は、例えば次のように算出される。
まず、前記微細パターン構造体1の凸部3が形成された面を、その金属基板2の厚さ方向から走査電子顕微鏡またはAFMを通じて撮影する。この撮影により得られた写真から、画像処理などにより、前記凸部3の平面視における周縁の座標群を取得する。これら座標群から、当該凸部3の平面視における「面積」および「周囲長」を算出し、次の(1)式により「円形度」を算出する。
「円形度」=4π×「面積」/「周囲長」の2乗・・・・・(1)
前記微細パターン構造体1における凸部3の円形度は、当該微細パターン構造体1における全ての凸部3で同一である必要はなく、平均が0.0〜0.8であれば、前記微細パターン構造体1の凸部3が全体的に電場をより増強させる程度に歪(いびつ)であるから、好ましいと言える。
前記微細パターン構造体1における凸部3の円形度は、当該微細パターン構造体1における全ての凸部3で同一である必要はなく、平均が0.0〜0.8であれば、前記微細パターン構造体1の凸部3が全体的に電場をより増強させる程度に歪(いびつ)であるから、好ましいと言える。
図4に示すように、各凸部3の表面に、局在表面プラズモン共鳴を発生させる金属または水素吸蔵物質からなる金属の金属膜5が形成されたことが好ましい。この金属膜5は、局在表面プラズモン共鳴を発生させる金属として、例えばAu,Ag,Cu,Al,Pt,Ntおよび/またはTiなどが採用され、水素吸蔵物質からなる金属として、Ti,Zr,Pd,Mg,Fe,Coおよび/またはNiなどが採用される。前記各凸部3の表面を覆った金属膜5も、前記各凸部3と同様に、2つ以上の高い点51,52(高さH1,H2)を有するとともに高低差(H2−H3)が顕著であることが好ましい。また、図5に示すように、金属膜5の平面視も、前記各凸部3の平面視と同様に、平均の円形度が0.0〜0.8であることが好ましい。
以下、前記微細パターン構造体1の製造方法について図6〜図10に基づき説明する。
まず、図6に示すように、陽極酸化用金属板4と金属基板2とを積層することで、積層板24を作成する。前記陽極酸化用金属板4には、前記金属基板2とは異なる金属のものを採用する。この金属は特に限定されないが、例えばAl,Ti,Ta,Hf,Zr,Si,Inおよび/またはZnなどが採用される。陽極酸化用金属板4および金属基板2は、前記金属の単体である必要はなく、前記金属の合金でもよい。陽極酸化用金属板4および金属基板2は、いずれも、適切な厚さのものが採用され(厚さによって板または箔になる)、成膜により形成されたものでもよい。陽極酸化用金属板4および金属基板2は、いずれも、形成する前記凸部3の規則性を高めるためにも、表面の平滑性が高い方が好ましく、例えば表面粗さRaが10nm以下および/または最大高低差PVが100nm以下のものが好ましい。表面の平滑性を高めるに、当該表面に研磨をしてもよい。この研磨には、バフ研磨、電解研磨、または電界複合研磨などが採用される。さらに、陽極酸化用金属板4および金属基板2は、いずれも、形成する前記凸部3の規則性を高めるためにも、前処理としてアニール処理またはピーニング処理などをしてもよい。アニール処理では、陽極酸化用金属板4および金属基板2を適切な温度および時間で加熱することにより、内部応力が緩和されるとともに結晶方位が揃い、その結果、形成される前記凸部3の規則性が高まる。前記アニール処理では、その温度が陽極酸化用金属板4および金属基板2の融解温度よりも低く、環境雰囲気が不活性ガス雰囲気(Ar若しくはN2など)または真空雰囲気にされることが好ましい。
次に、前記積層板24を、陰極とともに電解質溶液に浸して通電することで、陽極酸化する。これにより、図7に示すように、前記陽極酸化用金属板4が陽極酸化被膜40になるとともに、当該陽極酸化被膜40に規則的にナノオーダの貫通細孔41(貫通孔の一例である)が形成され、さらに、これら貫通細孔41の底で前記金属基板2の表面が酸化されて陽極酸化凸部30が形成される。この段階での陽極酸化凸部30は、前記第一山部31、第二山部32および谷底部33を有しない。前記陽極酸化では、陰極に例えば金属またはカーボンで採用され、電解質溶液に例えば硫酸、シュウ酸、リン酸、クロム酸、酒石酸、マロン酸、スルファミン酸水溶液またはこれらの混合溶液が採用される。陽極酸化用金属板4としてAlを採用するとともに電解質溶液として硫酸を採用した場合、陽極酸化のための電圧を10〜28Vにすることで、貫通細孔41の径が10〜28nmとなり、隣り合う貫通細孔41の間隔(ピッチ)が25〜70nmとなる。また、陽極酸化用金属板4としてAlを採用するとともに電解質溶液としてシュウ酸を採用した場合、陽極酸化のための電圧を28〜60Vにすることで、貫通細孔41の径が28〜60nmとなり、隣り合う貫通細孔41の間隔(ピッチ)が70〜150nmとなる。なお、陽極酸化において、電解質溶液を撹拌または循環させている方が好ましい。
その後、前記陽極酸化被膜40を、除去溶液への浸漬などにより除去する。これにより、図8に示すように、金属基板2およびその表面に形成された陽極酸化凸部30が残ることになる。除去溶液は、陽極酸化被膜40を除去し得るものであればよく、例えば、クロム酸およびリン酸の混合溶液を加熱により50〜80℃にした溶液が採用される。この混合溶液は、一般的に、1.5〜2.0wt%のクロム酸と5〜8wt%のリン酸とを混合したものである。除去溶液に陽極酸化被膜40を浸漬する時間は、当該陽極酸化被膜40の厚さに依存する。
そして、除去溶液への浸漬をさらに続けるなどして、前記陽極酸化凸部30の表面を溶解させる。これにより、当該陽極酸化凸部30が、図9に示すように、2つ以上の高い点を有するとともに高低差が顕著な凸部3となる。すなわち、当該凸部3は、図2に示す前記第一山部31、第二山部32および谷底部33を有するものとなる。これら凸部3が形成されることで、前記微細パターン構造体1が製造される。
図10に示すように、凸部3の表面に金属膜5が形成された微細パターン構造体1を製造するには、金属基板2の厚さ方向に対して所定の角度から蒸着(つまり斜め蒸着)などで凸部3の表面に金属を成膜する。前記所定の角度とは、例えば10〜80°であり、好ましくは30〜60°である。前記成膜する金属は、局在表面プラズモン共鳴を発生させる金属または水素吸蔵物質からなる金属である。局在表面プラズモン共鳴を発生させる金属として、例えばAu,Ag,Cu,Al,Pt,Ntおよび/またはTiなどが採用され、水素吸蔵物質からなる金属として、Ti,Zr,Pd,Mg,Fe,Coおよび/またはNiなどが採用される。
このように、前記微細パターン構造体1およびその製造方法によると、谷底部33から第一山部31および第二山部32に至る面での自由電子と入射光との間で結合が起こり、谷底部33で強い電界が集中するので、入射光により電場を増強させることができる。
以下、本発明の実施例1および2に係る微細パターン構造体1およびその製造方法について説明する。
本実施例1に係る微細パターン構造体1は、陽極酸化用金属板4としてAlを採用し、金属基板2としてTiを採用したものである。
まず、ガラス基板(図示省略)の上に順次TiおよびAlを成膜することで、当該ガラス基板の上に積層板24を作成した。
次に、前記積層板24を、陰極とともに電解質溶液に浸して通電することで、陽極酸化した。具体的には、電解質溶液として0.3mol/m3のシュウ酸を採用し、陽極酸化のための電圧を40Vとし、陽極酸化の時間を3時間30分とした。
その後、陽極酸化された積層板24を除去溶液へ浸漬することにより、陽極酸化被膜40を除去し、さらに陽極酸化凸部30の表面を溶解させた。具体的には、除去溶液として1.8wt%のクロム酸と6wt%のリン酸とを混合した60℃の溶液を採用し、除去溶液への浸漬の時間を1時間とした。その後、前記所定の角度を50°とするAuの斜め蒸着により、凸部3の表面にAuを成膜して、本実施例1に係る微細パターン構造体1を製造した。
こうして製造された本実施例1に係る微細パターン構造体1の平面視におけるAFM写真を図11に示し、このAFM写真を元に各凸部3の高さを立体的に表したものを図12に示す。
本実施例2に係る微細パターン構造体1は、前記実施例1に係る微細パターン構造体1の製造方法において、陽極酸化の時間を倍に長くしたものである。
具体的には、陽極酸化の時間を本実施例2では7時間とした。
[実施例1および2に係る微細パターン構造体1並びに比較例のラマンスペクトル]
ラマン分光分析により、前記実施例1および2に係る微細パターン構造体1の表面(凸部3が形成された側)に試料液を付着させて、当該微細パターン構造体1のラマンスペクトルを測定した。なお、比較例として、凸部3が形成されていない平坦な基板にAuの金属膜を蒸着により形成したものにも、試料液を付着させてラマンスペクトルを測定した。図13に示すように、当該測定で得られたラマンスペクトルから、実施例1および2では、1500cm−1より若干低いところのラマンシフトでピークが明瞭に得られた。一方で、比較例では、ピークが得られなかった。このため、前記実施例1および2に係る微細パターン構造体1で局在表面プラズモン共鳴が効果的に得られたと言える。
ラマン分光分析により、前記実施例1および2に係る微細パターン構造体1の表面(凸部3が形成された側)に試料液を付着させて、当該微細パターン構造体1のラマンスペクトルを測定した。なお、比較例として、凸部3が形成されていない平坦な基板にAuの金属膜を蒸着により形成したものにも、試料液を付着させてラマンスペクトルを測定した。図13に示すように、当該測定で得られたラマンスペクトルから、実施例1および2では、1500cm−1より若干低いところのラマンシフトでピークが明瞭に得られた。一方で、比較例では、ピークが得られなかった。このため、前記実施例1および2に係る微細パターン構造体1で局在表面プラズモン共鳴が効果的に得られたと言える。
このように、前記実施例1および2に係る微細パターン構造体1およびその製造方法によると、局在表面プラズモン共鳴が効果的に得られたので、入射光により電場を増強させることができたと言える。
ところで、図11および図12では、実施例1として、凸部3の平面視における幅が50〜100nm程度、凸部3の高さが50〜100nm程度として示したが、これは一例に過ぎず、凸部3の幅および高さがナノオーダ(数nm〜数百nm)であればよい。
また、前記実施の形態ならびに実施例1および2では、前記微細パターン構造体1の製造方法として、積層板24を作成する前の工程について説明しなかったが、規則性の高い凸部3を形成するために、陽極酸化用金属板4に規則性の高い凹凸を形成する工程が、積層板24を作成する前にあってもよい。この工程では、例えばインプリント工程が採用される。このインプリント工程では、使用するモールドとして、金属、ガラスまたはシリコンカーバイドが採用される。前記モールドは、スパッタまたはメッキなどのコーティングを劣化防止のために有してもよい。前記モールドの構造は、陽極酸化用金属板4に形成する凹凸の規則性、陽極酸化での電解質溶液および/または電圧に依存する。なお、インプリント工程は、陽極酸化用金属板4を軟化させるために、加熱下で行われてもよい。
1 微細パターン構造体
2 金属基板
3 凸部
4 陽極酸化用金属板
5 金属膜
24 積層板
30 陽極酸化凸部
31 第一山部
32 第二山部
33 谷底部
40 陽極酸化被膜
41 貫通細孔
2 金属基板
3 凸部
4 陽極酸化用金属板
5 金属膜
24 積層板
30 陽極酸化凸部
31 第一山部
32 第二山部
33 谷底部
40 陽極酸化被膜
41 貫通細孔
Claims (4)
- 金属基板の表面に複数のナノオーダの凸部が形成された微細パターン構造体であって、
前記各凸部が、電場増強作用を有する金属または金属化合物からなり、
前記各凸部が、最も高い頂点である第一山部と、その次に高い極大点である第二山部と、これら第一山部および第二山部の間に位置する最も低い点である谷底部とを有し、
前記各凸部において、前記谷底部の高さが、前記第二山部の高さの8割以下であることを特徴とする微細パターン構造体。 - 各凸部の表面に、局在表面プラズモン共鳴を発生させる金属または水素吸蔵物質からなる金属の金属膜が形成されたことを特徴とする請求項1に記載の微細パターン構造体。
- 請求項1に記載の微細パターン構造体の製造方法であって、
陽極酸化用金属板と金属基板とを積層することで、積層板を作成し、
前記積層板を陽極酸化することで、前記陽極酸化用金属板を規則的にナノオーダの貫通孔が形成された陽極酸化被膜にするとともに、これら貫通孔の底で前記金属基板の表面を酸化させて陽極酸化凸部を形成し、
前記陽極酸化被膜を除去し、
前記陽極酸化凸部の表面を溶解することで、当該陽極酸化凸部を、第一山部、第二山部および谷底部が形成された凸部にすることを特徴とする微細パターン構造体の製造方法。 - 各凸部の表面に、局在表面プラズモン共鳴を発生させる金属または水素吸蔵物質からなる金属を、斜め蒸着により成膜することを特徴とする請求項3に記載の微細パターン構造体の製造方法。
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