JP2019010051A - 水生生物育成用水溜め部に設けられる酸素供給装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】非常に実用的な水生生物育成用水溜め部に設けられる酸素供給装置を提供する。
【解決手段】水生生物育成用水溜め部に設けられる酸素供給装置であって、前記水生生物育成用水溜め部の水を水面より上方まで汲み上げる水汲み上げ部2と、この水汲み上げ部2で汲み上げられた水を空気と接触させる空気接触部10を介して前記水生生物育成用水溜め部に戻す水戻し部3とを有し、前記水汲み上げ部2は、上部に回転駆動源4を有し周面に螺旋凹溝5aが設けられた回転軸部5と、この回転軸部5に被嵌し下端部が前記水生生物育成用水溜め部の水内に配される筒状部6とから成るものである。
【選択図】図1

Description

本発明は、水生生物育成用水溜め部に設けられる酸素供給装置に関するものである。
従来から、水生生物育成用水溜め部に設けられる酸素供給装置として、例えば特開平6−253703に開示される酸素供給装置(以下、従来例という)が提案されている。
この従来例は、池に浮くフロート上に駆動モーターの作動により回動する水車を回動自在に設け、この水車の下部が水中に浸漬されるように構成したものであり、この水車を回動させることで水を掻き上げ、掻き上げた水を空気と接触させることにより、可及的に酸素を取り込んだ水を戻すようにしたものである。
特開平6−253703号公報
しかしながら、従来例は、前述した構造上、池の表層付近の水に酸素を供給することは可能であるが、池の底に酸素を供給することが出来ないのが現状である。
本発明は、前述した問題点を解消する、非常に実用的な水生生物育成用水溜め部に設けられる酸素供給装置を提供するものである。
添付図面を参照して本発明の要旨を説明する。
水生生物育成用水溜め部Pに設けられる酸素供給装置であって、前記水生生物育成用水溜め部Pの水Wを水面より上方まで汲み上げる水汲み上げ部2と、この水汲み上げ部2で汲み上げられた水Wを空気と接触させる空気接触部10を介して前記水生生物育成用水溜め部Pに戻す水戻し部3とを有し、前記水汲み上げ部2は、上部に回転駆動源4を有し周面に螺旋凹溝5aが設けられた回転軸部5と、この回転軸部5に被嵌し下端部が前記水生生物育成用水溜め部Pの水W内に配される筒状部6とから成り、前記回転駆動源4により前記回転軸部5が回転した際、前記回転軸部5の周面に設けられた螺旋凹溝5aにより前記水生生物育成用水溜め部Pの水Wを前記筒状部6内を通過させて汲み上げるように構成されていることを特徴とする水生生物育成用水溜め部に設けられる酸素供給装置に係るものである。
また、請求項1記載の水生生物育成用水溜め部に設けられる酸素供給装置において、前記空気接触部10は、前記水汲み上げ部2で汲み上げられた水Wの通過を許容し且つ通気可能な容体7内に、固形充填材8を多数収納した構成であることを特徴とする水生生物育成用水溜め部に設けられる酸素供給装置に係るものである。
また、請求項1,2いずれか1項に記載の水生生物育成用水溜め部に設けられる酸素供給装置において、前記水汲み上げ部2及び前記水戻し部3は水Wに浮く浮体1に設けられていることを特徴とする水生生物育成用水溜め部に設けられる酸素供給装置に係るものである。
また、請求項1〜3いずれか1項に記載の水生生物育成用水溜め部に設けられる酸素供給装置において、前記水汲み上げ部2の下端は水生生物育成用水溜め部Pの底に可及的に届く長さであることを特徴とする水生生物育成用水溜め部に設けられる酸素供給装置に係るものである。
本発明は上述のように構成したから、水生生物育成用水溜め部の底に酸素を供給することができ、しかも、この酸素の供給が風力エネルギーを利用して良好に行われるなど、環境に優しく非常に実用的な水生生物育成用水溜め部に設けられる酸素供給装置となる。
本実施例の説明図である。 本実施例の分解斜視図である。 本実施例の要部の動作説明図である。 本実施例の要部の動作説明図である。 本実施例の使用状態説明図である。
好適と考える本発明の実施形態を、図面に基づいて本発明の作用を示して簡単に説明する。
水汲み上げ部2により水生生物育成用水溜め部Pの水Wを水面より上方まで汲み上げ、この水汲み上げ部2で汲み上げた水Wを空気接触部10を介して水戻し部3により水生生物育成用水溜め部Pに戻す。
従って、酸素濃度が低くなる水生生物育成用水溜め部Pの水Wを汲み上げ、この汲み上げた水Wを直ちに水生生物育成用水溜め部Pに戻すのではなく、空気接触部10を介して戻すから、汲み上げた水は十分空気を含んだ状態となり、よって、水生生物育成用水溜め部Pの水Wに酸素を十分供給することができる。
また、本発明の水汲み上げ部2は、上部に回転駆動源4を有し周面に螺旋凹溝5aが設けられた回転軸部5と、この回転軸部5を軸受し下端部が前記水生生物育成用水溜め部Pの水W内に配される筒状部6とから成り、前記回転駆動源4により前記回転軸部5が回転した際、前記回転軸部5の周面に設けられた螺旋凹溝5aにより前記水生生物育成用水溜め部Pの水Wが前記筒状部6内を通過して上方まで汲み上げられるから、確実な水Wの汲み上げができ、しかも、回転軸部5及び筒状部6の長さを適宜設定し、酸素濃度の低い水生生物育成用水溜め部Pの底の水Wを汲み上げるようにすれば、酸素が少量の状態を可及的に解消することができる。
本発明の具体的な実施例について図面に基づいて説明する。
本実施例は、水生生物育成用水溜め部Pに設けられる酸素供給装置である。
尚、本実施例では、水生生物(例えば魚類、甲殻類など)を育成する水生生物育成用水溜め部Pをため池としているが、これに限られるものではない。
具体的には、水生生物育成用水溜め部Pの水Wを水面より上方所定位置まで汲み上げる水汲み上げ部2と、この水汲み上げ部2で汲み上げられた水Wを空気と接触させる空気接触部10を介して水生生物育成用水溜め部Pに戻す水戻し部3とを有している。
水汲み上げ部2は、上部に回転駆動源4を有し周面に螺旋凹溝5aが設けられた回転軸部5と、この回転軸部5を軸受し下端部が水生生物育成用水溜め部Pの水W内に配される筒状部6とで構成されている。
回転駆動源4は、図1,2に図示したように適宜な合成樹脂製の部材で形成したものであり、上下に配される円形状の回転板状部材4aと、この上下の回転板状部材4aの間に架設され中心部から放射方向に長さを有する複数の羽根部材4bとで構成された風力回転構造体である。
従って、回転駆動源4は、風力エネルギーを利用して回転する。尚、回転駆動源4は太陽光エネルギー(太陽電池モジュール備えた太陽光発電システム)を利用して作動するモーターでも良い。
また、回転駆動源4の中央部には、回転軸部5の上端部に連結する連結部4cが設けられている。
回転軸部5は、図1,2に図示したように適宜な合成樹脂製の部材で形成したものであり、上端部には回転駆動源4に連結する連結棒部5bが設けられている。尚、回転軸部5は金属製でも良い。
この回転軸部5は、後述する浮体1に設けられる基体部9で回動自在に軸受されている。
また、回転軸部5は、連結棒部5bよりも下方部位の周面に下端まで螺旋凹溝5aが設けられている。
この螺旋凹溝5aは、回転駆動源4により回転軸部5が回転した際、後述する筒状部6内の水生生物育成用水溜め部Pの水Wが水面より上方所定位置まで上昇するように構成されている(図3,4参照)。
筒状部6は、図1,2に図示したように適宜な合成樹脂製の部材で形成された筒状体であり、対象となる水生生物育成用水溜め部Pの深さに応じて長さが設定されており、具体的には、対象となる水生生物育成用水溜め部Pの底部まで到達する長さに設定される。尚、筒状部6は金属製でも良く、また、前述した回転軸部5及びこの筒状部6を伸縮自在な構造としても良い。
この筒状部6は、回転軸部5に被嵌状態に設けられ、その内面が回転軸部5の外面と可及的に接近した状態で設けられている。
水戻し部3は、内部に外気を通気し且つ水汲み上げ部2で汲み上げられた水Wの通過を許容する容体7内に、固形充填材8を多数収納した構成である。
容体7は、図1,2に図示したように適宜な合成樹脂製の部材で形成した平面視円形の中空状体であり、上下に配される円形状の板状部材7aと、この上下の板状部材7a同士間の側面部に網部材7bが設けられている。
従って、容体7は、側面部が網部材7bで構成されている為、内部に外気を通気し得ることになる。
また、この上下の板状部材7aには、多数の通水孔7a’が設けられている。
従って、容体7は、水Wが上下に通過するように構成されている。
また、容体7内には多数の固形充填材8が収納されている。
この固定充填材8は、図1に図示したように適宜な合成樹脂製の部材で形成されたものであり、本実施例では、マツイマシン(株)製のカスケードミニリング(登録商標)を採用している。尚、固定充填材8としてはこれに限られるものではない。
また、本実施例では、前述した水汲み上げ部2及び水戻し部3は水Wに浮く浮体1に設けられている。
この浮体1は、図1,2に図示したように適宜な合成樹脂製の部材(発泡樹脂)で形成された環状板状体であり、前述した水汲み上げ部2及び水戻し部3と後述する基体部9を上部に設けた状態で水Wに浮く浮力に設定されている。
基体部は、図1に図示したように適宜な合成樹脂製の部材で形成した枠状体であり、上下に仕切る仕切り部の上部空間には前述した回転駆動源4が収納され、下部空間には前述した水戻し部3が収納されている。
本実施例は上述のように構成したから、水汲み上げ部2により水生生物育成用水溜め部Pの水Wを水面より上方所定位置まで汲み上げ、この水汲み上げ部2で汲み上げた水Wを空気接触部10を介して水戻し部3により水生生物育成用水溜め部Pに戻す(図5参照)。
従って、酸素濃度が低くなる水生生物育成用水溜め部Pの水Wを汲み上げ、この汲み上げた水Wを直ちに水生生物育成用水溜め部Pに戻すのではなく、空気接触部10を介して戻すから、汲み上げた水Wは十分空気を含んだ状態となり、よって、水生生物育成用水溜め部Pの水Wに酸素を十分供給することができる。
また、本実施例の水汲み上げ部2は、上部に回転駆動源4を有し周面に螺旋凹溝5aが設けられた回転軸部5と、この回転軸部5を軸受し下端部が水生生物育成用水溜め部Pの水W内に配される筒状部6とから成り、回転駆動源4により回転軸部5が回転した際、回転軸部5の周面に設けられた螺旋凹溝5aにより水生生物育成用水溜め部Pの水Wが筒状部6内を通過して水面より上方所定位置まで汲み上げられるから、風力エネルギーを利用した確実な水Wの汲み上げができ、しかも、回転軸部5及び筒状部6の長さを適宜設定し、酸素濃度の低い水生生物育成用水溜め部Pの底(例えば水深50cm〜1mの部位)の水Wを汲み上げるようにすれば、酸素が少量の状態を可及的に解消することができる。
また、本実施例は、空気接触部10は、水汲み上げ部2で汲み上げられた水Wの通過を許容し且つ通気可能な容体7内に、固形充填材8を多数収納した構成であるから、確実に水Wに酸素を付与することができる。
また、本実施例は、水汲み上げ部2及び水戻し部3は水Wに浮く浮体1に設けられているから、適宜移動することができ、水生生物育成用水溜め部Pの任意の位置で水Wへの酸素の供給が行えることになる。
尚、本発明は、本実施例に限られるものではなく、各構成要件の具体的構成は適宜設計し得るものである。
P 水生生物育成用水溜め部
W 水
1 浮体
2 水汲み上げ部
3 水戻し部
4 回転駆動源
5 回転軸部
5a 螺旋凹溝
6 筒状部
7 容体
8 固形充填材
10 空気接触部

Claims (4)

  1. 水生生物育成用水溜め部に設けられる酸素供給装置であって、前記水生生物育成用水溜め部の水を水面より上方まで汲み上げる水汲み上げ部と、この水汲み上げ部で汲み上げられた水を空気と接触させる空気接触部を介して前記水生生物育成用水溜め部に戻す水戻し部とを有し、前記水汲み上げ部は、上部に回転駆動源を有し周面に螺旋凹溝が設けられた回転軸部と、この回転軸部に被嵌し下端部が前記水生生物育成用水溜め部の水W内に配される筒状部とから成り、前記回転駆動源により前記回転軸部が回転した際、前記回転軸部の周面に設けられた螺旋凹溝により前記水生生物育成用水溜め部の水を前記筒状部内を通過させて汲み上げるように構成されていることを特徴とする水生生物育成用水溜め部に設けられる酸素供給装置。
  2. 請求項1記載の水生生物育成用水溜め部に設けられる酸素供給装置において、前記空気接触部は、前記水汲み上げ部で汲み上げられた水の通過を許容し且つ通気可能な容体内に、固形充填材を多数収納した構成であることを特徴とする水生生物育成用水溜め部に設けられる酸素供給装置。
  3. 請求項1,2いずれか1項に記載の水生生物育成用水溜め部に設けられる酸素供給装置において、前記水汲み上げ部及び前記水戻し部は水に浮く浮体に設けられていることを特徴とする水生生物育成用水溜め部に設けられる酸素供給装置。
  4. 請求項1〜3いずれか1項に記載の水生生物育成用水溜め部に設けられる酸素供給装置において、前記水汲み上げ部の下端は水生生物育成用水溜め部の底に可及的に届く長さであることを特徴とする水生生物育成用水溜め部に設けられる酸素供給装置。
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Citations (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS4737358Y1 (ja) * 1967-10-25 1972-11-11
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