JP2019007908A - 電気化学測定装置、電気化学測定方法及び電気化学測定プログラム - Google Patents

電気化学測定装置、電気化学測定方法及び電気化学測定プログラム Download PDF

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Abstract

【課題】より正確に試料の状態を測定する。【解決手段】電気化学測定装置は、溶液21に対して複数回の電圧パルスを印加し、当該電圧パルスによって生じた電流を測定することにより溶液中の試料を測定する電気化学測定装置であって、試料に印加された電圧パルスの測定波形が増幅器17に印加されるごとに生じるプレサンプリング状態において、増幅器17の測定ゲインを調整するゲイン調整部132と、プレサンプリング状態において、取得される増幅器17の出力電圧値と、出力電圧値の所定の範囲とに基づいて、ゲイン調整部132が調整した複数の測定ゲインのうちから本測定ゲインを選択するゲイン選択部131と、プレサンプリング後の状態である本サンプリング状態において、ゲイン選択部131が選択した測定ゲインによって増幅器17が出力する出力電圧値を取得する測定部133とを備える。【選択図】図2

Description

本発明は、電気化学測定装置、電気化学測定方法及び電気化学測定プログラムに関する。
従来、溶液に電圧を印加し、印加された電圧によって生じる電流を測定することにより、溶液中の化学物質を測定する装置が知られている(例えば、非特許文献1)。
大堺利行,加納健司,桑畑進、「ベーシック電気化学」、化学同人、2000年、p.101−113
本発明の一態様は、溶液に対して複数回の電圧パルスを印加し、当該電圧パルスによって生じた電流を測定することにより前記溶液中の試料を測定する電気化学測定装置であって、前記試料に印加された前記電圧パルスの測定波形が増幅器に印加されるごとに生じるプレサンプリング状態において、前記増幅器の測定ゲインを調整するゲイン調整部と、前記プレサンプリング状態において、取得される前記増幅器の出力電圧値と、出力電圧値の所定の範囲とに基づいて、前記ゲイン調整部が調整した複数の測定ゲインのうちから本測定ゲインを選択するゲイン選択部と、前記プレサンプリング後の状態である本サンプリング状態において、前記ゲイン選択部が選択した測定ゲインによって前記増幅器が出力する出力電圧値を取得する測定部とを備える電気化学測定装置である。
本発明の一態様は、溶液に対して複数回の電圧パルスを印加し、当該電圧パルスによって生じた電流を測定することにより前記溶液中の試料を測定する電気化学測定方法であって、前記試料に印加された前記電圧パルスの測定波形が増幅器に印加されるごとに生じるプレサンプリング状態において、前記増幅器の測定ゲインを調整するゲイン調整ステップと、前記プレサンプリング状態において、取得される前記増幅器の出力電圧値と、出力電圧値の所定の範囲とに基づいて、前記ゲイン調整ステップによって調整された複数の測定ゲインのうちから本測定ゲインを選択するゲイン選択ステップと、前記プレサンプリング後の状態である本サンプリング状態において、前記ゲイン選択ステップによって選択された測定ゲインによって前記増幅器が出力する出力電圧値を取得する測定ステップとを有する電気化学測定方法である。
本発明の一態様は、溶液に対して複数回の電圧パルスを印加し、当該電圧パルスによって生じた電流を測定することにより前記溶液中の試料を測定する電気化学測定装置が備えるコンピュータに、前記試料に印加された前記電圧パルスの測定波形が増幅器に印加されるごとに生じるプレサンプリング状態において、前記増幅器の測定ゲインを調整するゲイン調整ステップと、前記プレサンプリング状態において、取得される前記増幅器の出力電圧値と、出力電圧値の所定の範囲とに基づいて、前記ゲイン調整ステップによって調整された複数の測定ゲインのうちから本測定ゲインを選択するゲイン選択ステップと、前記プレサンプリング後の状態である本サンプリング状態において、前記ゲイン選択ステップによって選択された測定ゲインによって前記増幅器が出力する出力電圧値を取得する測定ステップとを実行させるための電気化学測定プログラムである。
電気化学測定システムの外観構成の一例を示す図である。 測定装置の機能構成の一例を示す図である。 測定装置の演算手順の一例を示す流れ図である。 測定装置が印加する電圧パルスの一例を示す図である。 レンジを切り替えることにより変化する測定感度の一例を示す図である。 測定装置がプロットしたグラフの予測図である。 従来の測定装置がプロットしたグラフの一例である。
[実施形態]
以下、図面を参照して電気化学測定システムについて説明する。
図1は、電気化学測定システム1の外観構成の一例を示す図である。
電気化学測定システム1は、測定装置10と、容器20とを備える。測定装置10は、電気化学測定装置の一例である。
試料が含まれる溶液21は、容器20に貯留される。
測定装置10は、電圧印加部11と、電流測定部12と、演算部13と、参照極4と、対極5と、作用極6とを備える。演算部13は、例えば、CPUを備えており、種々の演算や情報の授受を行う。また、演算部13の各機能部のうちの一部または全部は、LSI(Large Scale Integration)やASIC(Application Specific Integrated Circuit)等のハードウェアによって構成されていてもよい。
この一例では、測定装置10は、三電極法によって、溶液21中の試料を測定する。三電極法は、参照極4を介して、溶液21に電位を印加し、対極5と作用極6との間に流れる電流を測定することにより、溶液21中の試料を測定する。
次に、図2を参照して、測定装置10の動作の概要と、測定装置10の機能構成の一例について説明する。
図2は、測定装置10の機能構成の一例を示す図である。
[測定装置10の動作の概要]
電圧印加部11は、参照極4を介して、溶液21に印加する電位を規制する。溶液21に電位が印加されることにより、対極5と、作用極6との間に電流が流される。作用極6に流された電流は、切替部16を介して、増幅器17に供給される。増幅器17は、作用極6に流された電流を、電圧に変換する。切替部16は、増幅器17に供給された電流を電圧に変換するときの変換ゲインを切り替える。増幅器17から出力される電圧は、電圧測定部18によって測定される。電圧測定部18は、増幅器17から出力された電圧を測定する。電圧測定部18は、測定した電圧の測定値をデジタル信号に変換する。電圧測定部18は、電圧の測定値のデジタル信号を、演算部13に対して供給する。演算部13は、電流測定部12が検出した、対極5と作用極6との間に流れる電流に基づいて、試料を測定する。これにより、測定装置10は、溶液21中の試料を測定する。この本実施形態の測定装置10は、微分パルスボルタンメトリー法によって、溶液21中の試料を測定する。
測定装置10は、測定した結果である測定結果を、表示部30に表示させる。表示部30は、例えば液晶ディスプレイを備えており、画像や数値を表示する。この表示部30に表示される画像には、測定装置10が測定した測定結果に基づいて生成される画像が含まれている。
[測定装置10の機能構成]
測定装置10は、上述した電圧印加部11と、電流測定部12と、演算部13とに加え、記憶部STと、増幅器17と、切替部16と、電圧測定部18とを備える。演算部13は、ゲイン調整部132と、ゲイン選択部131と、測定部133と、測定結果出力部134とを、その機能部として備える。
記憶部STには、上述した溶液21に対して印加する電圧パルスの設定や、この電圧パルスによって生じた電流を測定するタイミングなどの情報が記憶される。この電圧パルスの設定や、電流を測定するタイミングなどは、測定する試料に応じて予め決定される。
増幅器17は、溶液21に印加された電圧によって生じた電流を増幅する。具体的には、増幅器17は、対極5と、作用極6との間に生じた電流を増幅し、電圧に変換する。この一例では、増幅器17には、試料に印加された電圧パルスによって生じた電流が供給される。増幅器17は、この供給された電流を電圧に変換する。増幅器17は、変換した電圧を、電圧測定部18に対して供給する。
切替部16は、増幅器17の測定ゲインを切り替える。ここで、測定ゲインとは、測定装置10が測定する電流の入力と、増幅器17が出力する電圧の比である。以下の説明では、測定ゲインを切り替えることを、レンジを切り替えるとも記載する。
測定装置10は、この測定ゲインを切り替え、増幅器17によって変換された電圧を測定する。この一例では、切替部16は、増幅器17の測定ゲインの調整に用いられる複数の抵抗器を備える。測定ゲインの調整に用いられる抵抗器は、ゲイン調整部132によって、複数の抵抗器のうちから選択される。切替部16は、ゲイン調整部132によって選択された抵抗器に切り替える。
電圧測定部18は、増幅器17から供給された電圧を測定する。電圧測定部18は、測定した電圧を示すデジタル信号を、測定部133と、ゲイン選択部131とに対して供給する。
ゲイン調整部132は、プレサンプリング状態において、増幅器17の測定ゲインを調整する。この一例では、ゲイン調整部132は、切替部16の回路を切り替えることにより、測定ゲインの調整に用いられる抵抗器を調節する。プレサンプリング状態については後述する。
ゲイン選択部131は、プレサンプリング状態において、取得される増幅器17の出力電圧値と、出力電圧値の所定の範囲とに基づいて、ゲイン調整部132が調整した複数の測定ゲインのうちから本測定ゲインを選択する。この一例では、ゲイン選択部131は、ゲイン調整部132が選択した複数の抵抗器のうちから、本サンプリング状態に用いられる抵抗器を選択する。本サンプリング状態については、後述する。
測定部133は、電圧測定部18から増幅器17によって変換された電圧値を取得する。具体的には、測定部133は、電圧印加部11が印加した電圧パルスごとに、本サンプリング状態において、ゲイン選択部131が選択した測定ゲインによって増幅器17によって変換された電圧を示す電圧値を、電圧測定部18から取得する。測定部133は、電圧測定部18から取得した電圧値を、測定結果出力部134に対して供給する。
測定結果出力部134は、電圧印加部11が印加した電圧パルスごとに、測定部133から電圧値を取得する。測定結果出力部134は、測定部133から取得した電圧値に基づいて、溶液21に含まれる試料の状態を示すグラフをプロットする。測定結果出力部134は、プロットしたグラフを、表示部30に表示させる。
[測定装置10の動作の概要]
次に、図3及び図4を参照して、測定装置10の動作の概要について説明する。
図3は、測定装置10の演算手順の一例を示す流れ図である。なお、ここに示す演算手順は、一例であって、演算手順の省略や演算手順の追加が行われてもよい。
図4は、測定装置10が印加する電圧パルスの一例を示す図である。
測定装置10は、溶液21に対して、電圧印加部11を介して電圧パルスを印加する(ステップS10)。ここで、図4を参照して、測定装置10が印加するパルス電圧の一例について説明する。電圧印加部11は、ステップS10からステップS80を繰り返し行うことにより、溶液21に対して、電圧パルスPLS1から電圧パルスPLSnまでを複数回印加する。以下の説明では、電圧パルスPLS1から電圧パルスPLSnまでを区別しない場合には、単に電圧パルスPLSと記載する。電圧パルスPLSは、印加される電圧が順次上昇する。
ここで、電圧パルスPLSを具体的に説明する。電圧印加部11は、ステップS10において、電圧パルスPLS1を印加する。ここで、電圧パルスPLS1とは、予め定められた初期電位V1から、所定の振幅VSの電圧を増加させ、所定の時刻経過後に、電位V3に減少させた電圧である。この一例では、電圧パルスPLS1は、時刻t0から、時刻t2まで印加される。電圧パルスPLS1の電圧は、時刻t0のときに、初期電位V1から所定の振幅VSぶん増加した電圧である電位V2にされる。電圧パルスPLS1の電圧は、時刻t2のときに、電位V2から電位V3に減少される。この初期電位V1と、電位V3との電位差は、電位VUである。この電圧パルスPLSが所定の電圧の場合に、測定装置10は、待機状態と、プレサンプリング状態と、本サンプリング状態との記載の順に状態が変化する。それぞれの状態を維持する時間は、予め記憶部STに記憶される。
図3に戻り、測定装置10は、所定時間、待機する(ステップS20)。以下の説明では、この測定装置10が待機する状態を、待機状態とも記載する。待機状態とは、溶液21に印加された電圧パルスによって生じた電流の応答を待機する状態である。なお、この待機する時間は、上述したように試料によって異なる。この一例では、この待機する時間は、記憶部STに記憶される。測定装置10は、この待機状態を設けることにより、溶液21を流れる電流応答が安定してから、電圧値を測定することができる。これにより、測定装置10は、正確に溶液21に含まれる試料の状態を測定することができる。
図4に示す時刻t0から時刻t10が、待機状態の一例である。この待機状態は、電流値A2から、電流値A1まで安定するまでの間である。
図3に戻り、測定装置10は、所定時間待機後、複数回プレサンプリングを開始する(ステップS30)。プレンサンプリングとは、本サンプリングに用いるゲインを選択するために、本サンプリングよりも短い時間で測定ゲインを異ならせて予備測定することである。このプレサンプリングは、電圧パルスPLSごとに行われる。以下の説明では、測定装置10が、プレサンプリングを行っている状態を、プレサンプリング状態とも記載する。
電圧パルスPLSのプレサンプリング状態とは、待機状態の後の状態である。このプレサンプリング状態において、ゲイン調整部132は、増幅器17のゲインを調整する(ステップS40)。具体的には、ゲイン調整部132は、切替部16を複数回、互いに異なるゲインに切り替えることにより、増幅器17のゲインを調整する。
電圧測定部18は、このゲインが調整された状態の増幅器17の出力電圧を測定する(ステップS45)。電圧測定部18は、測定した増幅器17の出力電圧値を、ゲイン選択部131に対して供給する。ゲイン選択部131は、電圧測定部18から取得した増幅器17の出力電圧値を取得する。
測定装置10は、ゲイン調整部132が、全てのゲインでプレサンプリングを行ったか判定する(ステップS50)。
測定装置10は、ゲイン調整部132が、全てのゲインでプレサンプリングを行っていないと判定する場合(ステップS50;NO)には、ゲインを異ならせてステップS40から処理を繰り返す。
測定装置10は、ゲイン調整部132が、全てのゲインでプレサンプリングを行ったと判定する場合(ステップS50;YES)には、ステップS60の処理を行う。
ここで、図4に示す時刻t10から時刻t1が、プレサンプリング状態の一例である。このプレサンプリング状態の間に、ゲイン調整部132は、レンジ1からレンジ6に、ゲインを調整する。この一例では、レンジ1、レンジ2、レンジ3、レンジ4、レンジ5、レンジ6の記載の順に、測定感度が低いゲインへと調整される。つまり、レンジ1は、レンジ2からレンジ6のそれぞれと比較すると、測定感度が最も高い。
ここで、図5を参照して、測定感度の一例について説明する。
図5は、レンジを切り替えることにより変化する測定感度の一例を示す図である。
図5に示すグラフは、横軸に作用極6に流れる電流値と、縦軸に電圧測定部18が測定する電圧値との関係を示す。
波形W1は、最も測定感度がよい状態であるレンジ1の場合に測定される波形である。
波形W2は、レンジ2の場合に測定される波形である。波形W3は、レンジ3の場合に測定される波形である。波形W4は、レンジ4の場合に測定される波形である。波形W5は、レンジ5の場合に測定される波形である。波形W6は、レンジ6の場合に測定される波形である。
波形W1から波形W3は、電流値が、“0.00015”(A)の場合に、電圧閾値THHよりも高い電圧である。つまり、波形W1から波形W3は、測定感度がよいために、飽和している。
波形W6は、電流値が、“0.00015”(A)の場合に、電圧閾値THLよりも低い電圧である。つまり、波形W6は、測定感度が悪いために、増幅器17から出力される電圧が、測定に適さない電圧である。
波形W4から波形W5は、電流値が、“0.00015”(A)の場合に、電圧閾値THHよりも低く、電圧閾値THLよりも高い電圧である。つまり、波形W4から波形W5を測定したレンジ4及びレンジ5は、溶液21中の試料を測定するのに適したレンジである。言い換えると、波形W4から波形W5を測定したゲインは、溶液21中の試料を測定するのに適したゲインである。
図4に戻り、ゲイン調整部132は、時刻t10から時刻t11までの間、増幅器17のゲインを、レンジ1に調整する。レンジは、上述したように、切替部16の抵抗器を切り替えることによって調整される。
電圧測定部18は、レンジ1に調整された状態の増幅器17の出力電圧を測定する。同様に、ゲイン調整部132は、時刻t11から時刻t12までの間、増幅器17のゲインを、レンジ2に調整する。電圧測定部18は、レンジ2に調整された状態の増幅器17の出力電圧を測定する。ゲイン調整部132は、レンジ1及びレンジ2と同様に、レンジ3からレンジ6まで、順次レンジを調整する。電圧測定部18は、レンジ3からレンジ6まで、順次、増幅器17の出力電圧を測定する。なお、この一例では、ゲイン調整部132は、レンジ1からレンジ6までの6段階に調整する場合について説明したが、これに限られない。
図3に戻り、ゲイン選択部131は、複数回のプレサンプリングによって取得した電圧値に基づいて、本サンプリングに用いる本測定ゲインを選択する(ステップS60)。具体的には、ゲイン選択部131は、増幅器17の出力電圧値の所定の範囲内のゲインを、本測定ゲインとして選択する。上述した図5に示すゲインの場合には、ゲイン選択部131は、波形W4から波形W5を測定したレンジ4及びレンジ5のいずれかを、本サンプリングに用いる測定ゲインとして選択する。なお、測定装置10は、ゲイン選択部131が、レンジ4を測定ゲインとして選択する場合には、レンジ5を選択する場合よりも感度よく、電流を測定することができる。このように増幅器17の出力電圧値が所定の範囲内となるゲインが複数ある場合、ゲイン選択部は、その中からより感度のよいレンジを選択してもよい。
ゲイン選択部131は、選択した本測定ゲインを、ゲイン調整部132に対して供給する。ゲイン調整部132は、ゲイン選択部131から本測定ゲインを取得する。ゲイン調整部132は、ゲイン選択部131から取得した本測定ゲインに、切替部16を切り替える。測定部133は、本サンプリングを開始する(ステップS70)。この、測定部133が本サンプリングを行っている状態が、本サンプリング状態である。ここで、本サンプリングとは、図4に示す時刻t1から時刻t2までの間に行われる。測定部133は、本サンプリングで測定した電圧値を、溶液21に対して印加した電圧パルスの電位と対応付けた状態で、測定結果出力部134に対して供給する。測定結果出力部134は、測定部133から、本サンプリングで測定した電圧値を、溶液21に対して印加した電圧パルスの電位と対応付けた状態で取得する。
測定装置10は、溶液21に対して、全ての電圧で本サンプリングを行ったか判定する(ステップS80)。ここで、全ての電圧とは、図4に示す初期電位から、最終電位までの、初期電位から順次、電位VU増加するそれぞれの電位のことである。
測定装置10は、全ての電圧で本サンプリングを行っていないと判定する場合(ステップS80;NO)には、溶液21に対して印加する電圧を変更(ステップS85)して、ステップS10からステップS80までの処理を繰り返す。例えば、図4に示すように、測定装置10は、ステップS10からステップS80までの間に、溶液21に対して電圧パルスPLS1を印加した場合には、ステップS85に於いて電圧パルスPLS2の開始電位V3に変更する。つまり、測定装置10は、溶液21に対して電圧パルスPLS2を印加した状態で、ステップS10からステップS80を繰り返す。
測定装置10は、全ての電圧で本サンプリングを行ったと判定する場合(ステップS80;YES)には、測定結果出力部134は、全ての電圧で測定された電流値に基づいて、グラフをプロットする。測定結果出力部134は、プロットしたグラフを、表示部30に対して表示させる。
ここで、図6及び図7を参照して、測定装置10が測定した溶液21に含まれる試料の状態を示すグラフの一例を示す。
図6は、測定装置10がプロットしたグラフの予測図である。
図7は、従来の測定装置がプロットしたグラフの一例である。
図6及び図7は、共に横軸に溶液21に対して印加する電圧値と、縦軸に作用極6に流れる電流値をもつグラフである。
図6に示すように、測定装置10がプロットしたグラフは、電流値のピークを示す点P61と、電流値のベースを示す領域B61とが、明瞭に分けてプロットされることが予測される。これは、電圧パルスPLSごとに適した測定ゲインによって、電流値を測定したためである。
図7は、従来の測定装置が、同一濃度の測定対象を、異なるレンジ設定によって測定したグラフの一例を示す図である。具体的には、図7(a)は、測定ゲインが“1.00E−4”に設定された場合にプロットされたグラフである。図7(b)は、測定ゲインが“1.00E−5”に設定された場合にプロットされたグラフである。図7(c)は、測定ゲインが“1.00E−6”に設定された場合にプロットされたグラフである。
ここで、図7(a)から図7(c)に示す電流値のピークは、測定ゲインが“1.00E−6”のときにノイズがない。また、図7に示す電流値のベース領域は、測定ゲインが“1.00E−4”、“1.00E−5”、“1.00E−6”の記載の順にノイズが抑制されることがわかる。つまり、ベース領域は、測定ゲインが小さく設定されるとノイズが抑制される。この一例では、ベース領域を測定する場合には、測定ゲインが“1.00E−7”に設定されると、この測定ゲインよりも大きな測定ゲインによって測定する場合と比較して、よりノイズが抑制されると考えられる。
測定装置10は、電圧パルスPLSごとに適した測定ゲインによって、電流値を測定することができるため、ベース領域と、ピークとを明瞭に分けてプロットすることができる。
微分パルスボルタンメトリー法では、このピークと、ベース領域との差分を、電流の測定値として算出する。つまり、ベース領域が不明瞭の場合には、溶液21に含まれる試料の測定結果を正確に算出することができない。
この場合、従来の測定装置では、測定ゲインを、測定装置を操作するユーザーが設定し直し、再度測定する必要がある。しかし、溶液21に含まれる試料によっては、この測定によって状態が変化することがある。この状態の変化により、同一の試料を複数回測定することが困難な場合があった。つまり、複数回の測定に耐えられない試料は、従来の測定装置では測定が困難であった。
[まとめ]
以上説明したように、測定装置10は、プレサンプリング状態において、ゲイン調整部132が、溶液21に印加される電圧パルスPLSごとに、切替部16のゲインを調整する。電圧測定部18は、この調整されるゲインごとに、増幅器17から出力される出力電圧値を測定する。ゲイン選択部131は、電圧測定部18が測定した出力電圧値が、所定の範囲におさまるゲインを、本サンプリング状態において用いるゲインである本測定ゲインとして選択する。測定部133は、ゲイン選択部131が選択した本測定ゲインに基づいて、本サンプリングする。これにより、測定装置10は、溶液21に印加される電圧パルスPLSごとに、適した測定感度によって本サンプリングすることができる。これにより、測定装置10によって測定される電圧パルスPLSごとの電流値は、それぞれ、適した測定感度によって測定される。これにより、測定装置10は、一度の測定で正確な測定結果をプロットすることができる。また、測定装置10は、一度の測定で正確な測定結果をプロットすることができるため、同一の試料に対して複数回の測定を行う必要がない。これにより、測定による試料への影響を低減することができる。また、測定装置10は、正確な測定結果をプロットすることができるため、より正確に試料の状態を測定することができる。
なお、上述した説明では、測定装置10は、切替部16が備える複数の抵抗器を切り替えることによりゲインを調整したが、これに限られない。切替部16は、増幅器17が複数のゲインが異なる増幅器の場合には、スイッチ回路などであってもよい。この場合には、切替部16は、スイッチを切り替えることにより、測定に用いる増幅器を切り替えてもよい。
なお、上述した説明では、ゲイン調整部132は、プレサンプリング状態において、測定ゲインを、測定感度が高いゲインから、測定感度が低いゲインへと調整する場合について説明したが、必須ではない。測定感度が高いゲインから、測定感度が低いゲインへと調整する場合には、ゲイン選択部131は、最初に電圧閾値THH以下、かつ、電圧閾値THL以上の電圧が測定されたゲインを、本測定ゲインとして選択してもよい。この場合には、測定装置10は、測定感度が所定の範囲内に収まり、かつ、測定感度がよいゲインを選択することができる。
また、上述した説明では、測定装置10は、レンジ1からレンジ6まで、全てのレンジを切り替える場合について説明したが、これに限られない。ゲイン選択部131は、このレンジの切り替えごとに、測定感度を算出してもよい。この場合には、測定装置10は、本測定ゲインを、より短時間に決めることができる。これにより、測定装置10は、本サンプリングにかける時間を長くとることができる。
以上、本発明の実施形態を、図面を参照して詳述してきたが、具体的な構成はこの実施形態に限られるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更を加えることができる。
なお、上述の各装置は内部にコンピュータを有している。そして、上述した装置の各処理の過程は、プログラムの形式でコンピュータ読み取り可能な記録媒体に記憶されており、このプログラムをコンピュータが読み出して実行することによって、上記処理が行われる。ここでコンピュータ読み取り可能な記録媒体とは、磁気ディスク、光磁気ディスク、CD−ROM、DVD−ROM、半導体メモリ等をいう。また、このコンピュータプログラムを通信回線によってコンピュータに配信し、この配信を受けたコンピュータが当該プログラムを実行するようにしてもよい。
また、上記プログラムは、前述した機能の一部を実現するためのものであってもよい。
さらに、前述した機能をコンピュータシステムにすでに記録されているプログラムとの組み合わせで実現できるもの、いわゆる差分ファイル(差分プログラム)であってもよい。
1…電気化学測定システム、4…参照極、5…対極、6…作用極、10…測定装置、11…電圧印加部、12…電流測定部、13…演算部、16…切替部、17…増幅器、18…電圧測定部、20…容器、21…溶液、131…ゲイン選択部、132…ゲイン調整部、133…測定部、134…測定結果出力部

Claims (5)

  1. 溶液に対して複数回の電圧パルスを印加し、当該電圧パルスによって生じた電流を測定することにより前記溶液中の試料を測定する電気化学測定装置であって、
    前記試料に印加された前記電圧パルスの測定波形が増幅器に印加されるごとに生じるプレサンプリング状態において、前記増幅器の測定ゲインを調整するゲイン調整部と、
    前記プレサンプリング状態において、取得される前記増幅器の出力電圧値と、出力電圧値の所定の範囲とに基づいて、前記ゲイン調整部が調整した複数の測定ゲインのうちから本測定ゲインを選択するゲイン選択部と、
    前記プレサンプリング後の状態である本サンプリング状態において、前記ゲイン選択部が選択した測定ゲインによって前記増幅器が出力する出力電圧値を取得する測定部と
    を備える電気化学測定装置。
  2. 前記ゲイン調整部は、前記プレサンプリング状態において、前記測定ゲインを、測定感度が高いゲインから、前記測定感度が低いゲインへと調整する
    請求項1に記載の電気化学測定装置。
  3. 前記ゲイン調整部は、前記プレサンプリング状態において、
    前記ゲイン選択部が前記本測定ゲインを選択した場合には、前記ゲインの調整を停止する
    請求項2に記載の電気化学測定装置。
  4. 溶液に対して複数回の電圧パルスを印加し、当該電圧パルスによって生じた電流を測定することにより前記溶液中の試料を測定する電気化学測定方法であって、
    前記試料に印加された前記電圧パルスの測定波形が増幅器に印加されるごとに生じるプレサンプリング状態において、前記増幅器の測定ゲインを調整するゲイン調整ステップと、
    前記プレサンプリング状態において、取得される前記増幅器の出力電圧値と、出力電圧値の所定の範囲とに基づいて、前記ゲイン調整ステップによって調整された複数の測定ゲインのうちから本測定ゲインを選択するゲイン選択ステップと、
    前記プレサンプリング後の状態である本サンプリング状態において、前記ゲイン選択ステップによって選択された測定ゲインによって前記増幅器が出力する出力電圧値を取得する測定ステップと
    を有する電気化学測定方法。
  5. 溶液に対して複数回の電圧パルスを印加し、当該電圧パルスによって生じた電流を測定することにより前記溶液中の試料を測定する電気化学測定装置が備えるコンピュータに、
    前記試料に印加された前記電圧パルスの測定波形が増幅器に印加されるごとに生じるプレサンプリング状態において、前記増幅器の測定ゲインを調整するゲイン調整ステップと、
    前記プレサンプリング状態において、取得される前記増幅器の出力電圧値と、出力電圧値の所定の範囲とに基づいて、前記ゲイン調整ステップによって調整された複数の測定ゲインのうちから本測定ゲインを選択するゲイン選択ステップと、
    前記プレサンプリング後の状態である本サンプリング状態において、前記ゲイン選択ステップによって選択された測定ゲインによって前記増幅器が出力する出力電圧値を取得する測定ステップと
    を実行させるための電気化学測定プログラム。
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