JP2019007887A - A/fセンサ制御装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】A/Fセンサの劣化時等の特定条件下においても不具合を生じることなくA/Fセンサに印加する交流電圧を制御し、センサのインピーダンス(特に低温時のインピーダンス)を高精度に検出できるようにしたA/Fセンサ制御装置を提供する。
【解決手段】交流電圧制御部5,8は、内燃機関の排気ガスに含まれる気体の状態を検出するためのA/Fセンサ素子3に交流電圧を印加する。演算部11は、交流電圧制御部5,8により交流電圧が印加されたときにA/Fセンサ素子3に流れる電流値を取得しインピーダンスを演算する。そして交流電圧制御部5,8は、取得された電流値IL及び演算されたインピーダンスに応じて交流電圧の振幅を変更制御する。
【選択図】図1

Description

本発明は、A/Fセンサを制御するA/Fセンサ制御装置に関する。
一般に、内燃機関を制御するときには、空燃比(A/F:AirByFuel)センサを用いて排気中の空燃比を測定し、この測定された空燃比を目標空燃比(例えば、理論空燃比)に制御するように内燃機関への供給燃料量をフィードバックしている(例えば、特許文献1参照)。特許文献1記載の技術によれば、センサ素子のインピーダンスを用いてセンサの活性状態を検出し、特に、センサ素子温度が高い状態と低い状態とで異なる交流電圧をセンサ素子に印加することで当該交流電圧に対するセンサ素子のインピーダンスを計測している。このとき、始動から所定時間経過した時点をトリガとして交流電圧の設定を低く変更したり、または、センサ素子のインピーダンスと所定のインピーダンスとを比較し、所定のインピーダンス未満のときに交流電圧を低く設定し、所定のインピーダンスよりも高いときに交流電圧を高く設定するようにしている。
特許3869629号公報(段落0040〜0042、0049)(特開2002−5882号公報)
例えば、A/Fセンサの劣化時においては同じ温度条件でもインピーダンスが高くなる傾向になることから、例えば特許文献1記載のように所定のインピーダンスよりも高いときに交流電圧を高く設定したとしても、インピーダンスと温度が正確に対応していないため温度を正確に算出できず不具合を生じてしまう虞がある。
また例えば、車両の再始動指令が内燃機関の停止直後に行われたとき(ホットスタート時)においては、そもそも始動時にA/Fセンサのインピーダンスが低くなっていることから、特許文献1記載の技術を用いて車両始動から所定時間をトリガとして交流電圧の設定を変更したとしても交流電圧の設定の変更タイミングが遅くなり不具合を生じてしまう虞がある。
本発明の目的は、A/Fセンサの劣化時等の特定条件下においても不具合を生じることなくA/Fセンサに印加する交流電圧を制御し、センサのインピーダンス(特に低温時のインピーダンス)を高精度に検出できるようにしたA/Fセンサ制御装置を提供することにある。
請求項1記載の発明によれば、交流電圧制御部は、内燃機関の排気ガスに含まれる気体の状態を検出するためのA/Fセンサ素子に交流電圧を印加する。演算部は、交流電圧制御部により交流電圧が印加されたときにA/Fセンサ素子に流れる電流値を取得しインピーダンスを演算する。そして交流電圧制御部は、取得された電流値及び演算されたインピーダンスに応じて交流電圧の振幅を変更制御する。この結果、たとえA/Fセンサの劣化時においてインピーダンスが高くなる傾向にありインピーダンスの低下の検出が遅れてA/Fセンサに電流が大きく流れようとしても、交流電圧制御部は、電流値が閾値に達したときに交流電圧の振幅を小さくできるようになり、不具合を生じることなくA/Fセンサに印加する交流電圧を制御できる。
また、たとえホットスタート時にA/Fセンサが低インピーダンスだった場合においても、交流電圧制御部は、例えば電流値が閾値を超えたときに振幅を小さくできるようになるため不具合を生じることなくA/Fセンサに印加する交流電圧を制御できる。しかも、A/Fセンサのインピーダンスに応じて交流電圧の振幅を変更制御するため、A/Fセンサに流れる電流値を極力正確に取得できインピーダンス値を広範囲に渡って極力正確に算出できる。
第1実施形態におけるA/Fセンサ制御装置を概略的に示す機能ブロック図 基本的な動作例を示すタイミングチャート 処理内容例を説明するフローチャート 各部の電圧波形の変化例 通常始動時におけるインピーダンス、センサ電流、振幅の変化例を示すタイミングチャート ホットスタート時におけるインピーダンス、センサ電流、振幅の変化例を示すタイミングチャート センサが劣化しているときのインピーダンス、センサ電流、振幅の変化例を示すタイミングチャート 第2実施形態における処理内容例を説明するフローチャート 通常始動時におけるインピーダンス、センサ電流、振幅の変化例を示すタイミングチャート
以下、A/Fセンサ制御装置の幾つかの実施形態を説明する。以下の実施形態中では、各実施形態間で同一機能または類似機能を備えた部分に同一符号を付して説明を行い、第1実施形態の後述の実施形態においては必要に応じて説明を省略する。
(第1実施形態)
図1から図7は第1実施形態の説明図を示す。図1にはA/Fセンサ制御装置1の概略的な電気的構成をブロック図により示している。図1に示すA/Fセンサ制御装置1は、車両内にネットワーク接続された電子制御装置(ECU:Electronic Control Unit)2を用いて構成され、車両用の内燃機関(図示せず)が排出する排気ガスを検出ガスとし、この排気ガスに含まれる気体の状態、ここでは排気中の空燃比を特定するためのA/Fセンサ素子(以下、センサ素子と略す)3の各種制御処理を行う。このセンサ素子3は車両用の内燃機関の排気通路に配置されている。
A/Fセンサ制御装置1は、センサ素子3の一端にバッファ4を通じて電圧を印加する電圧制御部5、センサ素子3に直列接続された電流検出抵抗6、センサ素子3の他端にバッファ7及び電流検出抵抗6を通じて電圧を印加する電圧制御部8、を駆動系回路として備えると共に、増幅回路9、A/D変換回路10、及び演算部11、を検出系回路として備える。電圧制御部5,8は、センサ素子3の両端に交流電圧を印加する交流電圧制御部として動作する。さらに、演算部11にはヒータ制御部12が接続されており、ヒータ制御部12は、演算部11による演算結果に応じてヒータ13を加熱制御しセンサ素子3の温度調整を行う。
電圧制御部5は、制御電圧Vuとして直流電圧Vp(図2参照)を出力する。すると、この制御電圧Vuは、バッファ4及び上流端子2uを通じてセンサ素子3の一端に与えられる。電圧制御部8は、制御電圧Vdとしてパルス電圧(図2参照:交流電圧相当)を出力する。この制御電圧Vdは、バッファ7、電流検出抵抗6、及び下流端子2dを通じてセンサ素子3の他端に与えられる。この制御電圧Vdは、図2に示すように第1電圧VHと第2電圧VLとを所定周期Tsで交互に切替えるパルス電圧であり、周期Tsの前半デューティ50%にて第1電圧VHを出力し、周期Tsの後半デューティ50%にて第2電圧VL(<第1電圧VH)を出力する。
図1に示す増幅回路9は、電流検出抵抗6の端子間電圧を増幅し、A/D変換回路10は、この増幅回路9の出力をA/D変換処理して演算部11に出力する。A/D変換回路10は、電圧制御部8の指令を受付け、A/D変換処理のサンプリングタイミングを計るように構成される。A/D変換回路10は、電圧制御部8が第1電圧VHから第2電圧VLに電圧変更制御する直前のタイミングで増幅回路9の出力信号をサンプリングしてA/D変換処理し、このA/D変換結果VAHを演算部11に出力する。また、A/D変換回路10は、電圧制御部8が第2電圧VLから第1電圧VHに電圧変更制御する直前のタイミングで増幅回路9の出力信号をサンプリングしてA/D変換処理し、当該A/D変換結果VALを演算部11に出力する。
演算部11は、例えばマイクロコンピュータを主として構成され、A/D変換回路10から出力される連続した2つのA/D変換結果VAH、VALに基づいて、センサ電流ILを演算処理する。このとき下記の(1)式に応じてセンサ電流ILを算出する。
IL=(VAH + VAL)/(2×Rs×G) …(1)
この(1)式において、Rsは電流検出抵抗6の抵抗値、Gは増幅回路9のゲインを示す。すなわち演算部11は、連続して取得された2つのA/D変換結果VAH、VALを平均化し、この平均化電圧を増幅回路9のゲインGと電流検出抵抗6の抵抗値Rsで除した値をセンサ電流ILとして算出する処理を実行する。センサ素子3の電流ILの符号は、空燃比のリーン/リッチに対応し、例えば空燃比がリーンになれば電流ILは正、空燃比がリッチになれば電流ILは負となる。
他方、図1に示した回路構成上、下記の(2−1)式、(2−2)式が成立する。
VAH = G×(Vp−VH)×Rs/(Rs+Z) …(2−1)
VAL = G×(Vp−VL)×Rs/(Rs+Z) …(2−2)
このため、この(2−1)式、(2−2)式をインピーダンスZについて解くことで、下記の(3)式のようにインピーダンスZを得ることができる。
Z={G×ΔV−(VAL − VAH)}×Rs/(VAL − VAH) …(3)
ここで、ΔVは交流電圧の振幅を示しておりΔV=VH−VLとなる。演算部11は、A/D変換回路10により出力された連続した2つのA/D変換結果VAH、VALに基づいて、前記の(3)式に応じてセンサ素子3のインピーダンスZを演算処理できる。センサ素子3のインピーダンスZはセンサ素子3の温度Tとの間で相関関係を備える。
インピーダンスZと温度Tとは反比例する相関関係にあり、温度Tが低いとインピーダンスZは非常に高く、ヒータ制御による加温に応じて温度Tが高くなるとインピーダンスZが低くなる関係性を示す。このため演算部11は、インピーダンスZの測定結果に基づいて温度Tを算出でき、センサ素子3が活性状態(例えば、数百℃以上)であるか否かを判定でき、温度Tが低く活性状態に達していないときには、ヒータ制御部12によりヒータ13を用いてセンサ素子3を加熱制御できる。
以下、本実施形態に係る特徴的な制御方法を説明する。本実施形態では、演算部11が、図3に示す処理を実行することでパルス電圧の振幅ΔV(=VH−VL)をインピーダンスZ及びセンサ電流ILの算出結果に基づいて切替えているところに特徴を備えている。図3に示すように、まず電圧制御部8は、S1においてパルス電圧の振幅ΔVを通常動作時の電圧V1(例えば、0.4V)に設定する。この設定電圧V1は、図4に振幅ΔVの電圧V1を示すように、センサ素子3を通常動作可能であり、さらにセンサ電流ILを極力正確に検出できるように予め定められたバイアス電圧であり、車両の状態やセンサ素子3の状態に依存しない一定の電圧に定められている。
そして電圧制御部8は、この振幅ΔVにより規定される電圧VH、VLをセンサ素子3に印加する。演算部11は、S2においてA/D変換回路10から連続した2つのA/D変換結果VAH、VALを取得し、インピーダンスZ及びセンサ電流ILを測定する。そして演算部11は、S3においてインピーダンスZが所定の閾値Zthより高いか否かを判定する。ここで、この閾値Zthは、センサ素子3の活性判定用の閾値(例えば数百Ω)を示しており、センサ素子3の種類に応じて変化する。演算部11は、インピーダンスZをインピーダンス閾値Zth以下と判定すれば、センサ素子3を活性状態と判定し、閾値Zthを超えていればセンサ素子3を非活性状態と判定する。
演算部11は、S3においてインピーダンスZがインピーダンス閾値Zth以下となるときにはS3にてNOと判定し、S4において振幅ΔVを電圧値V1のまま保持する。また演算部11は、S3においてインピーダンスZがインピーダンス閾値Zthを超えると判定したときには、S5においてILa<IL<ILbであるか否かを判定する。
ここでILa、ILbは、それぞれセンサ電流ILの下限閾値、上限閾値(例えば、1mA)を示しており、センサ素子3の種類に応じて変化する制限値である。ILaは負の値であり、ILbは正の値である。このためセンサ素子3に電流ILが流れなければS5の条件を満たすことになる。
演算部11は、S5の条件を満たしていなければ、S4において振幅ΔVを電圧V1のまま保持するが、S5の条件を満たしたときにはS6において振幅ΔVを電圧V2に設定する。この電圧V2は、図4に示すように、通常動作時の電圧V1よりも高く定められた電圧(例えば、1.0[V])を示している。このように、センサ電流ILが下限値ILaよりも大きく上限値ILbより小さいときには、印加パルス電圧の振幅ΔVを電圧V2に調整設定することになる。
以下、内燃機関の始動後の通常動作、内燃機関の停止直後に再始動したときのホットスタート動作、センサ素子3が劣化した時の劣化時動作に分けて説明する。
<通常始動時>
例えば、始動時においては、センサ素子3は暖機されておらず、センサ素子3はほぼ外気温と同じ温度である。このため、制御開始タイミングt0では、センサ素子3は非活性状態であり、このインピーダンスZは大幅に高い値(例えば、十数kΩ以上)になる。
このとき演算部11は、図3のS1の初期設定において振幅ΔVを比較的低い電圧V1に設定するものの、センサが非活性状態であるため、センサ電流ILがほとんど流れない。このため演算部11は、センサインピーダンスZが閾値Zthよりも高いと判定することでS3にてYESと判定すると共に、センサ電流ILが負の下限値ILaを超え且つ正の上限値ILb未満と判定することでS5にてYESと判定し、振幅ΔVを比較的高い電圧V2に設定する(図5のタイミングt1参照)。
その後、ヒータ制御部12が、ヒータ13によりセンサ素子3を高温に制御することで、センサ素子3の温度Tが徐々に活性領域に移行するが、温度Tが高くなることでインピーダンスZが低下する。インピーダンスZがその閾値Zth以下になると、演算部11はS3にてNOと判定するため、振幅ΔVを比較的低い電圧V1に設定する。演算部11は、このタイミングt1〜t2の間、電圧制御部5、8により振幅ΔVを比較的高い電圧V2に保ちながらインピーダンスZを測定しているため、インピーダンスZを極力正確に測定でき、この結果、温度Tも極力正確に算出できる。
また、図5のストイキ状態の電流特性Istに示すように、空燃比がストイキのときにはセンサ電流ILは原理的に流れることはなく、センサ素子3のインピーダンスZがいくら低下しても故障することはない。
また、図5のリーン状態の電流特性Ileに示すように、インピーダンスZが閾値Zthにまで低下したタイミングt2において、たとえ空燃比がリーン状態の最大範囲にまで到達していたとしても、センサ電流ILが上限値ILb以下となる条件を満たすILbを設定する。また逆に、図5のリッチ状態の電流特性Iriに示すように、インピーダンスZが閾値Zthにまで低下したタイミングt2において、たとえ空燃比がリッチ状態の最大範囲にまで到達していたとしても、センサ電流ILは下限値ILa以上となる条件を満たすILbを設定する。このため、空燃比がリーン/リッチの何れの極限範囲にまで達していたとしても、センサ素子3のインピーダンスZに応じて温度Tを算出でき、センサ素子3が活性状態にあるか否かを極力正確に判定できる。
<ホットスタート時>
例えば、内燃機関の停止直後にはセンサ素子3の温度Tも比較的高い。このため、停止直後に再始動されると、このタイミングt10では通常始動に比較してセンサ素子3のインピーダンスZが低くなる。このときにも演算部11は、図3に示す処理を実行することになるが、インピーダンスZが通常よりも低くなるものの当該閾値Zthを上回っているときには、センサ素子3は非活性状態となる。このためセンサ電流ILも流れにくい。
このとき演算部11は、インピーダンスZが閾値Zthよりも高いと判定することでS3にてYESと判定すると共に、センサ電流ILが負の下限値ILaを超え且つ正の上限値ILb未満と判定することで、S5にてYESと判定し、振幅ΔVを比較的高い電圧V2に設定する(図6のタイミングt11参照)。
その後、ヒータ制御部12が、ヒータ13によりセンサ素子3を高温に制御することで、センサ素子3の温度Tが徐々に活性領域に移行するが、制御開始タイミングt11においては、元々のセンサインピーダンスZが通常始動の制御開始タイミングt1に比較して低いため、特に図6の電流特性Ile、Iriに示すように、空燃比がリーン又はリッチに偏っているときにセンサ電流ILが流れやすくなる。このような場合、センサ電流ILは、再始動タイミングt10から空燃比に相当した電流値に変化する(図3のタイミングt11〜t12参照)。
しかしながら、通常始動時と同様に、センサ素子3のインピーダンスZが閾値Zthに低下したとしても、センサ電流ILは上限値ILb以下で且つ下限値ILa以上となっているため、演算部11は、インピーダンスZが閾値Zthに低下したタイミングt12において振幅ΔVを比較的低い電圧V1に変更設定できる。これにより、センサ素子3に対する過電圧の印加に係る不具合を防止でき当該センサ素子3を保護できる。
<センサ素子3の経年劣化時>
センサ素子3が経年劣化すると、そのインピーダンスZが高くなりやすい。センサ素子3の劣化などの要因でインピーダンスZが高くなったときには、図7に破線で示す標準特性Zaに比較して、実線で示すように高いインピーダンス特性Zbとなる。
センサ素子3の温度Tが高温に変化したとしても、この高温変化に対応してインピーダンスZの変化が追従できず正確な温度Tを検出し難くなる。この場合、例えば演算部11が、図3のS3に示すようにインピーダンスZの閾値Zthだけで判定してしまうと、空燃比がストイキレベルのときには問題を生じることはないものの、空燃比のリーン又はリッチの状態によってはセンサ電流ILが大きくなり、センサ素子3の劣化を促進してしまう虞がある。
このため本実施形態では、図3のS5に示すようにセンサ電流ILの判定条件、すなわちセンサ電流ILが下限値ILaを超え、且つ、上限値ILb未満となっているか否かを判定する処理を別途設けている。すると、たとえセンサ素子3が経年劣化しインピーダンスZが高インピーダンス特性Zbに沿うような変化となったとしても、S5でNOと判定されればS4にて振幅ΔVを電圧V1に設定することになる。このため、センサ電流ILが大きく流れることがなくなりセンサ素子3を保護できる。
以下、具体例について図7を参照しながら説明する。
この図7に示すように、始動時においてはエンジンが暖機されておらず、制御開始タイミングt20においてはセンサ素子3が非活性状態となる。このため演算部11は、S1の初期設定において低電圧V1に設定するものの、その直後に振幅ΔVを比較的高い電圧V2に設定する(図7のタイミングt20、t21参照)。
そしてヒータ制御部12がヒータ13を用いてセンサ素子3を高温制御することで、センサ素子3の温度Tが徐々に活性領域に移行するが、センサ素子3の温度Tがたとえ高温になったとしても劣化が酷いときにはインピーダンスZが低下しにくくなる(特性Za、Zb参照)。
このとき、温度Tがセンサ素子3の活性温度範囲に至ったとしてもインピーダンスZが閾値Zthにまで低下していないことがある(図7のタイミングt22a)。このとき、仮に空燃比の状態がリーン/リッチの何れか一方に振れているときには、センサ電流ILが正方向/負方向に大きくなり、上限値ILbから下限値ILaの範囲を逸脱するため、センサ素子3の劣化を促進し最悪の場合にはセンサ素子3が故障する虞もある。
しかし本実施形態では、演算部11は、センサ素子3のインピーダンスZが閾値Zthに低下することを検出する前にセンサ電流ILが上限値ILb又は下限値ILaに達したことを検出したときには振幅ΔVを低電圧V1に変更している(図7のタイミングt22c参照)。このため、センサ素子3を保護できる。
なお、この図7に示す特性においては、標準特性のインピータンスZaが閾値Zthよりも高い間に、センサ電流ILが下限値ILa、上限値ILbに達するように下限値ILa及び上限値ILbを設定する形態を示しているが、これに限定されるものではなく、例えば標準特性のインピーダンスZaが閾値Zthよりも低いときに、リーンまたはリッチ時におけるセンサ電流ILが上限値ILb及び下限値ILaに達するように当該上限値ILb及び下限値ILaを設定しても良い。また上限値ILb及び下限値ILaは、センサ素子3の種類に応じて設定を変更することが望ましい。
<本実施形態の概念的なまとめ>
以上説明したように、本実施形態によれば、センサ電流IL及びインピーダンスZに応じてセンサ素子3の印加パルス電圧の振幅ΔVを変更制御するようにした。この結果、たとえセンサ素子3の劣化時においてインピーダンスZが高くなる傾向にあり、インピーダンスZの低下の検出が遅れてセンサ素子3に電流が大きく流れようとしても、下限値ILaまたは上限値ILbに達したときにパルス電圧の振幅ΔVを小さくできるようになり、不具合を生じることなくセンサ素子3に印加するパルス電圧を制御できる。
また、たとえホットスタート時において、センサ素子3のインピーダンスZが低い状態から始動したとしても、センサ電流ILが閾値ILa,ILbに達したときにパルス電圧の振幅ΔVを電圧V1に小さくできるようになり、センサ素子3の劣化を促進することがなくなり不具合を生じることなくセンサ素子3に印加するパルス電圧を制御できる。しかもセンサ素子3のインピーダンスZに応じて振幅ΔVを変更制御するため、センサ素子3に流れる電流ILを広範囲で極力正確に取得でき広範囲のインピーダンスZを精度良く検出できる。
この振幅ΔVの変更制御処理はインピーダンスZをメインとしつつ、センサ電流ILも切替判定処理に用いることでセンサ素子3の活性状態によらずに適切な振幅ΔVを設定できる。センサ素子3の温度Tを低温から精度良く検出できるため、システムの消費電力を低減でき低燃費にできる。
(第2実施形態)
図8及び図9は第2実施形態の追加説明図を示している。この図8は、図3に代わる処理内容をフローチャートで示しており、電圧制御部8が出力する制御電圧Vdのパルス電圧の振幅ΔVを3段階に切替える形態を示している。
この図8に示すように、演算部11は、S1において振幅ΔVを低電圧V1に設定した後、S2においてインピーダンスZ、センサ電流ILを計測し、この計測されたインピーダンスZが、第1閾値Zth1(例えば2kΩ)、第2閾値Zth2(<Zth1:例えば1kΩ)を用いて当該閾値間で規定される何れのインピーダンス範囲に属するかに応じて振幅ΔVを電圧V1(例えば0.4V),V2(例えば1.0V),V3(例えば1.5V)の何れかに設定する。本実施形態では、電圧V1,V2,V3はV3>V2>V1の関係性を備える。
例えば、インピーダンスZが第1閾値Zth1を上回る範囲に属していれば、演算部11は、S3aにおいてYESと判定し、S7において振幅ΔVを電圧V3に設定する。また、インピーダンスZが第1閾値Zth1以下であるときには、S3aにてNOと判定しS3bに移行し、S3bにてインピーダンスZが第2閾値Zth2以下であると判定したときには、S8にて振幅ΔVを電圧V1に設定する。
またインピーダンスZが第1閾値Zth1以下であり且つ第2閾値Zth2未満となっているときには、S3bにてYESと判定してS5に移行し、S5にてセンサ電流ILが下限値ILaを超え且つ上限値ILb未満であるか否かを判定し、この所定電流範囲に入っていればS9において振幅ΔVを電圧V2に設定する。
通常始動時において徐々に温度Tを上昇させるときの処理の詳細は、第1実施形態と同様であるため説明を省略するが、演算部11がこのような処理を行うことで、例えばセンサ素子3の温度Tを活性温度範囲に向けて徐々に上昇させることができ、図9のタイミングt31、t32a、t32bに示すように、振幅ΔVを一番高い高電圧V3から中間電圧V2、低電圧V1の順に徐々に低下させるように設定できる。すなわち、インピーダンスZが第1閾値Zth1よりも大きいときには、センサ電流ILはほぼ流れないため、センサ素子3の劣化が促進されることはなく不具合を生じることはない。
また、インピーダンスZを段階的に分けて振幅ΔVの電圧V3,V2,V1に調整するときには、演算部11が、それぞれのインピーダンス範囲でセンサ素子3の使用用途を互いに変更することもできる(演算部11による変更部の機能)。
例えば、インピーダンスZが第1閾値Zth1より大きいインピーダンス範囲では例えば断線検出などダイアグ判定するために利用することが望ましい。例えば、電子制御装置2とセンサ3との接続が断線している場合、測定されるインピーダンスZはほぼ無限大となるが、センサ3が低温状態においてもインピーダンスZが非常に高くなるため、測定精度が悪いと断線と区別できなくなる。このため、図9のタイミングt31〜t32aにおいて振幅ΔVを電圧V3に設定し、センサ3が低温状態でも高精度にインピーダンス検出することで断線検出の閾値を精度よく設定できる。
さらに例えば、インピーダンスZが第1閾値Zth1以下で且つ第2閾値Zth2を超えるインピーダンス範囲においては、センサ素子3の活性判定に用いると良い。すなわち、温度Tが徐々に上昇することでインピーダンスZが第2閾値Zth2以下になるタイミングt32bにおいて、演算部11はセンサ素子3を活性状態に移行したと判定し、電圧制御部8により振幅ΔVを中間電圧V2から低電圧V1に設定させる。そして、インピーダンスZが第2閾値Zth2以下となるインピーダンス範囲においてはセンサ素子3を通常利用すると良い。
なお図示していないが、インピーダンスZが第2閾値Zth2よりもさらに低い閾値(図示せず)に達すると温度Tが高すぎることでセンサ素子3の活性領域から外れることになる。この場合、演算部11は、ヒータ制御部12によりヒータ13の通電を停止することで温度Tを低下させセンサ素子3を活性状態に戻すことができる。
<本実施形態の概念的なまとめ>
要するに、本実施形態によれば、段階的に分けられたインピーダンスZの複数の範囲で使用用途を変更し、インピーダンスZが所定閾値Zth1よりも高い範囲においては振幅ΔVを電圧V3に設定して断線のダイアグ判定に用い、所定閾値Zth1以下の範囲においては振幅ΔVを電圧V2に設定してセンサ素子3の活性状態の適否の判定に用い、所定閾値Zth2以下の範囲においては振幅ΔVを電圧V1に設定してセンサ素子3を活性状態と見做して実使用している。このため、算出されたインピーダンスZの使用用途を明確に分けることができる。
(他の実施形態)
本発明は、前述した実施形態に限定されるものではなく、例えば、以下に示す変形又は拡張が可能である。
前述実施形態においては、パルス電圧の振幅ΔVを2段階、3段階に切替える形態を示したが、無段階で切り替えるようにしても良い。
「交流電圧」として、矩形状のパルス電圧を適用した形態を示したが、例えば正弦波状に変化する電圧を交流電圧として用いても良い。上流端子2uを通じてセンサ素子3の一端子に印加する電圧Vuを直流電圧Vpとし、下流端子2dを通じてセンサ素子3の他端子に印加する電圧Vdをパルス電圧として交流電圧をセンサ素子3に印加するようにしたが、下流端子2dを通じて直流電圧を印加し上流端子2uを通じて交流電圧を印加しても良い。要は交流電圧をセンサ素子3に印加できれば良く、例えば前述実施形態で説明した図1の回路形態に限定されるものではない。
前述した実施形態の各要素を組み合わせて構成しても良い。また、特許請求の範囲に記載した括弧内の符号は、本発明の一つの態様として前述する実施形態に記載の具体的手段との対応関係を示すものであって、本発明の技術的範囲を限定するものではない。前述実施形態の一部を、課題を解決できる限りにおいて省略した態様も実施形態と見做すことが可能である。また、特許請求の範囲に記載した文言によって特定される発明の本質を逸脱しない限度において、考え得るあらゆる態様も実施形態と見做すことが可能である。
本開示は、前述した実施形態に準拠して記述したが、本開示は当該実施形態や構造に限定されるものではないと理解される。本開示は、様々な変形例や均等範囲内の変形をも包含する。加えて、様々な組み合わせや形態、さらには、それらに一要素、それ以上、あるいはそれ以下、を含む他の組み合わせや形態をも、本開示の範畴や思想範囲に入るものである。
図面中、1はA/Fセンサ制御装置、3はA/Fセンサ素子、5,8は電圧制御部(交流電圧制御部)、11は演算部(変更部)、V1〜V3は電圧(V3は第1電圧、V2は第2電圧)、を示す。

Claims (2)

  1. 内燃機関の排気ガスに含まれる気体の状態を検出するA/Fセンサ素子(3)に交流電圧を印加する交流電圧制御部(5,8)と、
    前記交流電圧制御部により交流電圧が印加されたときに前記A/Fセンサ素子に流れる電流値を取得しインピーダンスを演算する演算部(11)と、
    前記交流電圧制御部は、前記取得された電流値及び前記演算されたインピーダンスに応じて交流電圧の振幅を変更制御するA/Fセンサ制御装置。
  2. 前記演算部により演算されたインピーダンスを複数の閾値に応じて段階的な複数のインピーダンス範囲で使用用途を互いに変更する変更部(11)をさらに備え、
    前記変更部が前記インピーダンスを複数の範囲に段階的に分けて用途を分けて使用するときに、前記インピーダンスが所定閾値(Zth1)よりも高い範囲においては、前記交流電圧制御部は交流電圧の振幅を第1電圧(V3)に設定して断線のダイアグ判定に用い、
    前記インピーダンスが所定閾値(Zth1)より低い範囲においては前記交流電圧制御部は交流電圧の振幅を前記第1電圧(V3)より低い第2電圧(V2)に設定して前記A/Fセンサ素子の活性状態の適否の判定に用いる請求項1記載のA/Fセンサ制御装置。
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