JP2019007623A - 異材接合用リベット、異材接合体、及び異材接合方法 - Google Patents

異材接合用リベット、異材接合体、及び異材接合方法 Download PDF

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Abstract

【課題】スポット溶接用電極の軸とリベットの軸の芯ずれが生じた場合でも、電流密度の低下を抑制し、必要な大きさの溶接ナゲットを安定して形成できる鋼製の異材接合用リベット、異材接合体、及び異材接合方法を提供する。【解決手段】鋼製の異材接合用リベット11は、軽合金材にかしめ固定される板状の頭部13と、頭部13から延設され軽合金材を貫通し、先端が鋼材にスポット溶接される軸部15と、を有する。頭部13は、長さLと、幅Wとの比L/Wが、1.5以上、3以下の長方形平面を有する。軸部15の幅方向端部の側面に、軸部15の内側に窪む凹み部が形成され、軸部15の先端面に、軸部15の幅方向、長手方向、又は長手方向から傾斜した斜め方向に並設された複数の線状に延びる突起19、又はローレット形状の突起が形成されている。【選択図】図1

Description

本発明は、異材接合用リベット、異材接合体、及び異材接合方法に関する。
近年、排気ガス等による地球環境問題に対して、自動車等の輸送機の車体を軽量化することにより燃費の向上が図られている。また、この軽量化をできるだけ阻害せず、自動車の車体衝突時の安全性を高めるための種々の試みがなされている。特に、自動車の車体構造に対しては、従来から使用されている鋼材の一部を、より軽量でエネルギー吸収性にも優れたアルミニウム合金材及びマグネシウム材等の軽合金材で代用することが増加している。
自動車の車体等に使用されるアルミニウム合金材は、圧延板材、押出材、又は鍛造材等の形態がある。例えば、自動車のルーフ、フード、フェンダー、ドア、トランクリッド等の大型のパネル構造体のアウタパネル及びインナパネル等として、AA規格又はJIS規格の6000系(Al−Mg−Si系)、及び5000系(Al−Mg系)等のアルミニウム合金板の使用が検討されている。これらのアルミニウム合金材は、車体の全ての部分をアルミニウム合金材で構成しない限り、元々汎用されている鋼板又は型鋼等の鋼材(鋼部材)と組み合わせて使用する必要がある。そのため、必然的にアルミニウム合金材と鋼材とを接合する必要がある。
特許文献1〜5には、アルミニウム合金材等の軽合金材に鋼製のリベットを予め接合した後、そのリベットの頭部と鋼材とを一対の電極で挟み、通電して、リベットの軸部と鋼材をスポット溶接し、軽合金材と鋼材を接合する技術が開示されている。
特許文献1では、鋼製リベットを軽合金材に打ち込み、軸部で軽合金材を打抜くと同時にリベットを軽合金材にかしめ固定し、次いで、リベットの軸部と鋼材とをスポット溶接している。このリベットの頭部には、軸部を取り囲む凹部(環状溝)が形成されている。
特許文献2でも同様に、鋼製リベットを軽合金材に打ち込み、軸部で軽合金材を打抜くと同時にリベットを軽合金材にかしめ固定し、次いで、リベットの軸部と鋼材とをスポット溶接している。このリベットは、頭部に軸部を取り囲む凹部(環状溝)が形成され、軸部は先端側に向けて横断面積が大きく形成されている。更に、このリベットの軸部の先端面には、突起(盛り上がり部)が形成されている。
特許文献3には、鋼製リベットの軸部の先端の周面に凹部を形成すると共に、このリベットを軽合金材に打ち込んだとき、軽合金材に上記凹部に連なる凹部を形成することが記載されている。また、特許文献3には、リベットの頭部及び軸部の表面のうち、軽合金材に打ち込み後に軽合金材と接触する部分に、鋼材より高い抵抗を有する皮膜(絶縁層)を形成することが記載されている。
特許文献4では、鋼製リベットを軽合金材に形成した下穴に押し込んで、リベットを軽合金材にかしめ固定し、次いで、リベットの軸部と鋼材とをスポット溶接している。このリベットの軸部は、下穴の径より小径の先端部と、下穴の径より大きい基端部と、先端部と基端部の間の曲面状の縮径部(先端部より小径)からなる。
特許文献5では、鋼製リベットを軽合金材に打ち込み、軸部で前記軽合金材を打抜くと同時にリベットを軽合金材にかしめ固定し、次いで、リベットの軸部と鋼材とをスポット溶接している。このリベットは、頭部と軸部先端に隆起部を備える。また、特許文献5には、頭部に軸部を取り囲む凹部(環状溝)を形成することと、軽合金材に打ち込み後に軽合金材と接触する部分に、鋼材より高い抵抗を有する皮膜(絶縁層)を形成することが記載されている。
特開2009−285678号公報 特開2010−207898号公報 特開2014−580号公報 特開2014−121710号公報 特開2014−173683号公報
特許文献2の図2には、軸部の先端中央に突起を形成した鋼製の異材接合用リベットが記載されている。しかし、このようなリベットを用いると、図10に示すように、スポット溶接用電極211がリベット213からの芯ずれを生じることがある。その場合、軽合金材215と鋼材217とを接合するリベット213が傾くことがある。傾いたリベット213は、リベット213の軸部219が、突起部221と軸部219の先端周縁部223の2点で鋼材217に接触する。
上記のようにリベット213が傾くと、リベット213と軽合金材215のかしめ固定の強度が低下する虞がある。また、この状態でスポット溶接用電極211に通電が行われた場合、溶接ナゲット225が良好に成長せず、スポット溶接用電極211の芯ずれが生じなかった場合に比べてナゲット径が小さくなる。その結果、必要とする大きな接合強度を得ることができなくなる。溶接ナゲット225の成長が妨げられる理由は、スポット溶接電流が、リベット213の軸部219と鋼材217との2つの接触点(中央の突起部221と先端周縁部223)を含む比較的広い領域に分散して流れ、十分に高い電流密度が得られないためと考えられる。しかし、上記のリベットの傾きによる電流密度の低下を防止することに関しては、各引用文献に何ら開示がない。
本発明は、上記事項に鑑みてなされたものであり、その目的は、スポット溶接用電極の軸とリベットの軸の芯ずれが生じた場合でも、電流密度の低下を抑制し、必要な大きさのナゲットを安定して形成できる鋼製の異材接合用リベット、及び異材接合体、並びに異材接合方法を提供することにある。
本発明の異材接合用リベットは、軽合金材にかしめ固定される板状の頭部と、前記頭部から延設され前記軽合金材を貫通し、先端が鋼材にスポット溶接される軸部と、を有する鋼製の異材接合用リベットであって、前記頭部は、長さ(L)と、幅(W)との比(L/W)が、1.5以上、3以下の長方形平面を有し、前記軸部は、底面視長方形であり、前記軸部の幅方向端部の側面に、軸部の内側に窪む凹み部が形成され、前記軸部の先端面に、前記軸部の幅方向、長手方向、又は長手方向から傾斜した斜め方向に並設された複数の線状に延びる突起が形成されていることを特徴とする。
本発明の異材接合用リベットは、軽合金材にかしめ固定される板状の頭部と、前記頭部から延設され前記軽合金材を貫通し、先端が鋼材にスポット溶接される軸部と、を有する鋼製の異材接合用リベットであって、前記頭部は、長さ(L)と、幅(W)との比(L/W)が、1.5以上、3以下の長方形平面であり、前記軸部は、底面視長方形であり、前記軸部の幅方向端部の側面に、軸部の内側に窪む凹み部が形成され、前記軸部の先端に、ローレット形状の突起が形成されていることを特徴とする。
この異材接合用リベットは、好ましくは、前記頭部における前記軸部の根元部に溝が形成されている。
本発明の異材接合体は、上記の異材接合用リベットと、前記異材接合用リベットによりそれぞれ接合される前記軽合金材及び前記鋼材と、を備えることを特徴とする。
本発明の異材接合方法は、上記の異材接合用リベットを使用して、前記鋼材と前記軽合金材とを接合する異材接合方法であって、
前記異材接合用リベットの前記軸部の先端側から前記軽合金材に打ち込み、前記異材接合用リベットを前記軽合金材にかしめ固定する工程と、
前記軽合金材にかしめ固定された前記異材接合用リベットを前記鋼材と重ね合わせ、前記異材接合用リベットの頭部と前記鋼材とを一対の電極で挟み、前記一対の電極により前記異材接合用リベットと前記鋼材とを加圧しつつ前記電極に通電して、前記異材接合用リベットの前記軸部と前記鋼材とをスポット溶接する工程と、
を含むことを特徴とする。
本発明の異材接合用リベットにおいては、頭部が、長さ(L)と幅(W)との比(L/W)を、1.2以上、3以下とするアスペクト比の長方形平面を備え、軸部の先端面には、複数の線状に延びる突起(プロジェクション)、又はローレット形状の突起(プロジェクション)が形成される。頭部と軸部がこのような形状を有することにより、スポット溶接時の電極位置にばらつきが生じても、電極の接地点が確保されやすくなる。
また、スポット溶接時に、電極の軸とリベットの軸とのずれ(芯ずれ)が生じた場合でも、従来の中央突起のみが形成されている場合に比べ、リベットが傾きにくくなる。仮に、スポット溶接時に電極の芯ずれが生じて、リベットが傾いたとしても、複数のプロジェクションが比較的接近して配置されているため、隣接する複数のプロジェクションを含む比較的狭い領域に溶接電流が流れる。その結果、電流密度の低下が抑えられ、必要な大きさのナゲットを安定して形成でき、必要な接合強度を常に安定して確保できる。
リベットの一例を示す斜視図である。 図1に示すリベットのA−A線断面図である。 (A),(B)は、リベットを、軸部の先端側から軽合金材に打ち込む様子を示す説明図である。 (A),(B)は、リベットと鋼材とを抵抗スポットする様子を示す説明図である。 電極の芯ずれを模式的に示す説明図である。 (A)は図5のB−B線断面図、(B)は図5のC−C線断面図である。 第1変形例のリベットの幅方向断面図である。 第2変形例のリベットの幅方向断面図を示す。 (A)〜(D)は、他の変形例のリベット先端の突起を示す模式的な底面図である。 従来のリベットを用いた抵抗スポット溶接工程における電極の芯ずれの状態を示す断面図である。
以下、本発明の実施形態について、図面を参照して詳細に説明する。
図1は、本発明の実施形態を説明するための図で、異材接合用リベット(以降、単にリベットと略称する)の外観斜視図、図2は図1のA−A線断面図(軸中心を通る断面)である。
リベット11は、全体が鋼製であり、板状の頭部13と、頭部13から板面の法線方向に延設される軸部15とを有する。頭部13は、接合方向(軸方向)に垂直な長方形平面を有する。この頭部13の長手方向の長さ(L)と、長手方向に直交する幅方向の長さ(W)との比(L/W)は、1.5以上、3以下である。軸部15は、底面視長方形であり、全体が略直方体のブロック形状である。
軸部15は、先端面17に複数の線状に延びる突起19を有する。突起19は、軸部15の軸方向に突出し、幅方向中央に配置される中央突起部21と、中央突起部21の両脇側に配置される側方突起部23,23を含んで構成される。側方突起部23,23は、軸部15の幅方向端部の側面25,25よりも内側に配置される。これら中央突起部21と側方突起部23は、それぞれ等しい突出高さに形成されている。また、頭部13における軸部15の両脇側の根元部には、直線状の溝27,27が形成される。
上記リベット11は、素材から鍛造加工により成形することができるが、切削やローレット加工等を併用して成形してもよい。
リベット11には、頭部13の幅方向端部の側面29,29と、軸部15の先端面17を除いた表面全体に、絶縁層を形成することが好ましい。絶縁層は、鋼材より高い抵抗の皮膜であればよい。この絶縁層は、例えば、ディスゴ(登録商標)、ラフレ(登録商標)、ジオメット(登録商標)、ポリエステル系樹脂プレコート、シリコーンエラストマ等の絶縁性を有する塗料で形成することができる。なお、絶縁層は、リベット11を後述する軽合金材に打ち込む際、リベット11と軽合金材が接する箇所に形成されていればよい。
本明細書においては、軽合金材の種類としては、アルミニウム(金属及び合金を含む)の他、マグネシウムやチタン(いずれも金属及び合金を含む)等を含むものとする。
次に、上記構成のリベット11を、軽合金材と鋼材との異材接合に使用する異材接合方法の各工程について説明する。
まず、図3(A)に示すように、円筒状の下型31の上に軽合金材33を載置し、リベット11を下型31の直上に配置する。そして、リベット11の上側に配置される上型(ポンチ)35により、リベット11を、軸部15の先端側から軽合金材33に打ち込む。このリベット11は、適宜の支持装置により支持された状態で、軽合金材33の上に配置される。また、リベット11は、帯磁されたポンチ35に磁気的に付着させることで、軽合金材33の上に配置することもできる。
次に、ポンチ35を軽合金材33に向けて下降させ、リベット11を軽合金材33に打ち込む。すると、図3(B)に示すように、軽合金材33は軸部15により打ち抜かれ、抜きカス37が下型31内に落下する。これにより、軸部15の先端部が軽合金材33を貫通して、軽合金材33に打抜き孔39が形成される。この打ち抜きによって、打抜き孔39の周囲の材料は、リベット11の頭部13と下型31との間に挟まれて塑性流動する。つまり、上記周囲の材料は、リベット11の頭部13に形成された溝27内に持ち上げられるようにして入り込み、軸部15の周囲に密着する。上記の打ち込みによって、リベット11が軽合金材33にかしめ固定される。
リベット11がかしめ固定された軽合金材33は、図4(A)に示す抵抗スポット溶接装置41に搬入され、鋼材43の上に重ねられる。このとき、軽合金材33と鋼材43は、スポット溶接電極(以降は、電極と略称する)45,47の間にリベット11が位置するように配置される。リベット11の軸部15は、軽合金材33を貫通しているので、軸部15の先端における複数の突起19と、鋼材43とは接触した状態となる。
次いで、上下の電極45,47を相互に接近させ、リベット11の頭部13と鋼材43を挟んで加圧力を作用させる。そして、電極45,47間にスポット溶接電流(パルス電流)を印加する。これにより、図4(B)に示すように、リベット11と鋼材43とが抵抗スポット溶接された異材接合体が得られる。この例では、電極45,47の軸とリベット11の軸が略一致していることから、電流はリベット11の軸部15の中心を流れ、軸部15の中心にナゲット49が形成されやすくなる。
図4(A),(B)では、電極45,47の軸とリベット11の軸が一致しているが、図5に模式的に示すように、電極45,47の軸心が、例えばP1,P2で示すように、リベット11の軸心Oからずれることがある。その場合、従来のリベットでは、図10に示すように、電極211,212に挟まれたリベット213が傾きやすくなる。このように、リベット213が傾いた状態で溶接をすると、鋼材217に、リベット213の軸部219の端部が食い込んで面接触し、溶接電流の密度が低下する。そのため、溶接ナゲット225が小さくなる。
一方、本構成のリベット11は、図1、図2に示すように、板状の頭部13が、実質的に平面視で長方形(L/W>1)であり、軸部15が底面視で長方形の略直方体形状を有する。更に、軸部15の先端面17には、直方体形状の長手方向に沿って線状に延びる中央突起部21と、中央突起部21に並設された複数の側方突起部23とを有する。このように、中央突起部21の周囲に側方突起部23が複数配置されることにより、リベット11を安定して支持可能な電極45,47の配置領域が広くなる。よって、リベット11は、芯ずれを生じた電極45,47に挟まれても、傾きにくくなる。
すなわち、図5に示すように、電極45,47が、リベット11の長手方向(L1方向)、又は幅方向(L2方向)、或いは、長手方向及び幅方向に芯ずれを生じたとしても、突起19が分散配置されることによって、リベット11が傾くことが抑制される。
更には、リベット11が若干傾いたとしても、電極45,47がスポット溶接電流は、鋼材43と接触する複数の突起19のそれぞれに、高い電流密度で流れる。そのため、複数の突起19により複数の溶接ナゲット49が形成され、個々の溶接ナゲット49は小さくならない。しかも、隣接する溶接ナゲット49同士が時間経過に伴い纏まることで、より大きな溶接ナゲットが形成される。
図6(A)は図5のB−B線断面図、(B)は図5のC−C線断面図である。図6(A),(B)に示すいずれの場合でも、軸部15と鋼材43とが、複数の突起部を有する突起19と鋼材43との接触部を起点として溶融し、適正な溶接強度が得られる大きさの溶接ナゲット49が形成される。
なお、スポット溶接の条件は、通常の鋼材−鋼材の同種材同士の接合に汎用されている条件をそのまま適用できる。換言すると、本構成は、軽合金材−鋼材の異材接合であるにも拘わらず、通常の鋼材−鋼材の同種材同士のスポット接合に汎用されている条件が適用できる。
上記のスポット溶接は、一対の電極45,47の間の加圧力を1.0〜5.0kNの範囲とすることが好ましい。また、電極間電流を5〜15kAの範囲、好ましくは7〜8kAの範囲とし、通電時間を軽合金材の接合部の厚さt(mm)との関係で、200×t(msec)以下の時間にすることが好ましい。通電時間を軽合金材33の厚さtに比例させるのは、リベット11にかしめ固定される熱伝導率の高い軽合金材33を通して逃げる熱を補償して、スポット溶接部に一定サイズの溶接ナゲット49を形成するためである。
リベット11の長手方向の長さ(L)と、幅方向の長さ(W)との比(L/W)が、1.5未満である場合、電極45,47が接触する面積が小さくなり、特に自動車ルーフパネルとサイドレインフォースの接合部分(モールが嵌合される部分)のような幅の狭い部分の接合では、電極45,47が接地できる頭部13の面積が少ないため、芯ずれが生じやすくなる。
一方、比(L/W)が3を超える場合には、リベット11の重量が大きくなり、接合体の重量が必要以上に増加する。また、単位長さ当たりに設置できるリベットの数が減少し、しかも、溶接ナゲットの面積が増えないため、リベット11の軸部面積に対する溶接ナゲットの形成面積の割合が小さくなる。その結果、接合体の接合強度が低下することになる。
本構成の異材接合用リベット100によれば、スポット溶接時の電極位置にばらつきが生じても、電極の接地点が確保されやすくなる。また、軸部の先端に複数のプロジェクションが形成されるため、電極の軸とリベットの軸とのずれ(芯ずれ)が生じてもリベットが傾斜しにくくなる。仮に、スポット溶接時に電極の芯ずれが生じて、リベットが傾いたとしても、複数のプロジェクションが比較的接近して配置されているため、隣接する複数のプロジェクションを含む比較的狭い領域に溶接電流が流れる。その結果、電流密度の低下が抑えられ、必要な大きさのナゲットを安定して形成でき、必要な接合強度を確保できる。
<リベットの変形例>
次に、リベット11の変形例を説明する。以下の説明においては、同一の部材や対応する部材に対しては同一の符号を付与することで、その説明を簡単化又は省略する。
図7に第1変形例のリベット11Aの幅方向断面図を示す。本変形例のリベット11Aは、軸部15の幅方向端部の側面に、軸部15の内側に窪む凹み部51がそれぞれ形成される。凹み部51は、軸部15の長手方向に沿った断面略半円状の溝である。その他の構成は、前述のリベット11と同一である。
本変形例のリベット11Aによれば、軸部15が軽合金材33を打ち抜く際に、軽合金材33が凹み部51内に塑性流動する。そのため、打抜き孔39の縁部が凹み部51に入り込むだけで、軽合金材33はリベット11Aに接合され、凹み部51から抜け出ることがない。
図8に第2変形例のリベット11Bの幅方向断面図を示す。本変形例のリベット11Bは、軸部15の先端面17に形成される突起19が、前述のリベット11の中央突起部21,側方突起部23の総数よりも多い複数の突起部24からなる。そのため、溶接電流が流れる隣接する突起部24間の間隔を小さくすることができ、これにより、電流密度の低下が生じず、所定の大きさの溶接ナゲットをより安定して形成できる。
上記のように突起(プロジェクション)の形態としては特に限定されない。図9(A)に示すように、軸部15の先端面に、幅方向に複数列の突起部24が並設されたリベット11Cであってもよい。また、図9(B)に示すように、長手方向に複数列の突起部24が並設されたリベット11Dであってもよい。更に、図9(C)に示すように、長手方向から傾斜した斜め方向に沿って、複数列の突起部24が並設されたリベット11Eであってもよい。
また、上記した直線状の突起部24に限らず、図9(D)に示すように、微小な凹凸パターンであるローレット形状の突起部26(窪み28の周囲の稜線)を有するリベット11Fであってもよい。なお、上記ローレット形状は、例えば、JIS B 0951等に規定された形状が含まれる。
上記各形状のリベット11C,11D,11E,11Fによっても、リベット11,11A,11Bを用いた場合と同様の効果が得られる。すなわち、溶接電流は、鋼材43に接触している複数の隣接する突起部24,26間の間隔を、幅方向及び長手方向の両方で小さくできるため、電流密度の低下が生じない。これにより、リベット11,11A,11Bと同様に、適正な溶接強度が得られる大きさの溶接ナゲットが形成される。
その際、隣接する突起の距離をW,電極45,47の接触領域の直径d(図4(A)参照)を、W>dとなる寸法に設定することが、良好な溶接ナゲット形成のために好ましい。
11,11A,11B,11C,11D,11E,11F リベット(異材接合用リベット)
13 頭部
15 軸部
17 先端面
19 突起
21 中央突起部
23 側方突起部
24 突起部
26 突起部
27 溝
33 軽合金材
43 鋼材
45,47 スポット溶接電極

Claims (4)

  1. 軽合金材にかしめ固定される板状の頭部と、前記頭部から延設され前記軽合金材を貫通し、先端が鋼材にスポット溶接される軸部と、を有する鋼製の異材接合用リベットであって、
    前記頭部は、長さ(L)と、幅(W)との比(L/W)が、1.5以上、3以下の長方形平面を有し、
    前記軸部は、底面視長方形であり、
    前記軸部の幅方向端部の側面に、軸部の内側に窪む凹み部が形成され、
    前記軸部の先端面に、前記軸部の幅方向、長手方向、又は長手方向から傾斜した斜め方向に並設された複数の線状に延びる突起が形成されていること
    を特徴とする異材接合用リベット。
  2. 軽合金材にかしめ固定される板状の頭部と、前記頭部から延設され前記軽合金材を貫通し、先端が鋼材にスポット溶接される軸部と、を有する鋼製の異材接合用リベットであって、
    前記頭部は、長さ(L)と、幅(W)との比(L/W)が、1.5以上、3以下の長方形平面であり、
    前記軸部は、底面視長方形であり、
    前記軸部の幅方向端部の側面に、軸部の内側に窪む凹み部が形成され、
    前記軸部の先端に、ローレット形状の突起が形成されていること
    を特徴とする異材接合用リベット。
  3. 請求項1又は請求項2に記載の異材接合用リベットと、
    前記異材接合用リベットによりそれぞれ接合される前記軽合金材及び前記鋼材と、
    を備えることを特徴とする異材接合体。
  4. 前記請求項1又は2に記載の異材接合用リベットを使用して、前記鋼材と前記軽合金材とを接合する異材接合方法であって、
    前記異材接合用リベットの前記軸部の先端側から前記軽合金材に打ち込み、前記異材接合用リベットを前記軽合金材にかしめ固定する工程と、
    前記軽合金材にかしめ固定された前記異材接合用リベットを前記鋼材と重ね合わせ、前記異材接合用リベットの前記頭部と前記鋼材とを一対の電極で挟み、前記一対の電極により前記異材接合用リベットと前記鋼材とを加圧しつつ前記電極に通電して、前記異材接合用リベットの前記軸部と前記鋼材とをスポット溶接する工程と、
    を含むことを特徴とする異材接合方法。
JP2018162892A 2018-08-31 2018-08-31 異材接合用リベット、異材接合体、及び異材接合方法 Expired - Fee Related JP6574884B2 (ja)

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