JP2019007215A - 軌道、軌道の温度管理装置及び温度管理方法 - Google Patents

軌道、軌道の温度管理装置及び温度管理方法 Download PDF

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Abstract

【課題】この発明は、日射及び放射を考慮した高い温度抑制効果を有し、座屈等のトラブル発生を未然に防止できる軌道、軌道の温度管理装置、及び軌道の温度管理方法を提供する。【解決手段】列車が走行するレールRをレール支持体1上に有する軌道10であって、レールRの表面に被覆材3を形成し、該被覆材3は、日射によりレールRに受ける熱吸収量と、レールRから放射される熱排出量との関係に基づきその被覆領域2が設定される。【選択図】図1

Description

本発明は、日射によるレールの過度な温度上昇を防止及び管理することができる軌道、軌道の温度管理装置及び温度管理方法に関する。
夏季に著大なレール軸力の発生が予見される箇所では、高反射率塗料をレール表面に塗布してレール温度の上昇を抑制することが、有効な座屈対策法の一つとして考えられる。
これに関連した技術として、以下の特許文献1に示される鉄道用レールの温度上昇抑制方法が知られている。
この温度上昇抑制方法は、レールとこれを支持する支持面とを備えた軌道において、該レールの側面に、塗膜の日射反射率、及び色空間内のLab表色系が所定値の範囲内にある塗料を塗布するものであって、当該塗料の塗布により夏季高温時における鉄道用レールの温度上昇を抑制する。
特開2010−196462号公報
ところで、特許文献1で示す技術では、レールの側面に所定成分の塗料を塗布することで、該レールの温度上昇を抑制する効果が示されるものの、日射及び放射を考慮した温度抑制効果の検討までは行われていない。
このため、状況によっては、レールに不必要に塗布された塗料の影響により、該レールに含有された熱の放出が阻害され、その結果、塗料の塗布が原因となって、レール温度が反対に上昇して、座屈等の不具合が発生することもある。
この発明は、上述した事情に鑑みてなされたものであって、日射及び放射を考慮した高い温度抑制効果を有し、座屈等のトラブル発生を未然に防止することができる軌道、軌道の温度管理装置及び軌道の管理方法を提供する。
上記課題を解決するために、この発明は以下の手段を提案している。
本発明では、列車が走行するレールをレール支持体上に有する軌道であって、前記レールの表面には被覆材が設置されており、前記被覆材は、日射により前記レールに受ける熱吸収量と、前記レールから放射される熱排出量との関係に基づきその被覆領域が設定されることを特徴とする。
また、本発明は、列車が走行するレールをレール支持体上に有する軌道の温度管理装置であって、前記レールの表面に有する複数の被覆領域のそれぞれに設けられる被覆材と、日射条件により前記レールに受ける熱吸収量と、前記レールから放射される熱排出量との関係に基づき、前記被覆材の被覆領域をいずれかに決定する分析手段と、を有することを特徴とする。
また、本発明は、列車が走行するレールをレール支持体上に有する軌道の管理方法であって、前記レールの表面に有する複数の被覆領域のそれぞれに設けられた被覆材毎に、日射により前記レールに受ける熱吸収量と、前記レールから放射される熱排出量との関係を求める測定工程と、前記測定工程で得た、前記レールからの放射による熱排出量が、日射による吸熱量よりも大きいか否かとの関係から、前記被覆材のいずれかの被覆領域を選択する分析工程と、前記分析工程の分析結果に基づき選択された被覆領域に被覆材を設置する設置工程と、を有することを特徴とする。
本発明によれば、日射によりレールに受ける熱吸収量と、該レールから放射される熱排出量との関係に基づき被覆材の被覆領域が設定される。これにより本発明では、当該被覆領域上の被覆材が有する高い温度抑制効果により、座屈等のトラブル発生を未然に防止することができる。
本発明の第1実施形態に係る軌道のモデルを示す正断面図である。 レールの熱収支計算モデルを示す図である。 レールと太陽の位置関係を示す図であって、(a)は条件1、(b)は条件2をそれぞれ示している。 レールと空気との熱伝達率を示すグラフである。 レール頭頂面付近の中心温度を示すグラフである。 定常状態でのレール温度分布を示す図であって、(a)は条件1、(b)は条件2をそれぞれ示している。 レール表面に塗布する白色塗料の塗布範囲を示す図である。 白色塗料の塗布範囲に対応した熱収支を示すグラフである。 白色塗料の塗布範囲をグループ分けした場合の熱収支を示すグラフである。 本発明の第1実施形態に係る温度管理装置の概略構成図である。 本発明の第2実施形態に係る温度管理装置の概略構成図である。 1次元軌道の構造解析モデル例を示す図である。
(第1実施形態)
本発明の第1実施形態に係る軌道10について、図1〜図10を参照して説明する。
この軌道10は、図1に示されるように列車が走行するレールRをレール支持体1上に有するものであって、レールRの表面の被覆領域2には、日射によるレールRの温度上昇を抑制するための被覆材3が設置されている。
この被覆材3は、日射によりレールRに受ける熱吸収量と、レールRから放射される熱排出量との関係に基づき、多数ある被覆領域2(符号(1)〜(10):図7参照)の中の一つ又は複数箇所に設置される。
なお、被覆材3は、レールRに白色塗料を塗布することで形成される他、レールRに金属製の反射板を貼付することでも形成される。また、レール支持体1として、バラスト、枕木、軌道パッド、コンクリートスラブ等が設けられているが、図面では詳細が省略されている。
以下に、レールR上の多数ある被覆領域2の一つ又は複数箇所に、被覆材3を設置するための手順について説明する。
まず、レール(例えば、60kgレール)の形状をソリッド要素等の構造解析で忠実に再現し、レールの要素表面を傾斜面の集合と見なし、文献(新エネルギー・産業技術総合開発機構:NEDO 標準気象データベースの解説書,2015)の方法を用いてレールの要素表面への日射量Iを要素毎に算出する。
これにレールの熱吸収率αr(=0.84)を乗じてレールが吸収する熱量αrIを求める。日射は、図2に符号A1〜A3で示されるように、直達日射、散乱日射、地表面反射日射を考慮するが、これら符号A1〜A3の日射量は、上記文献に基づき、法線面直達日射IDnと水平面散乱日射IShにより定義することができ、ここでは8月中旬の快晴時を模擬して以下の数式1、数式2のように決定する。
Figure 2019007215
Figure 2019007215
なお、本例では、太陽とレールの位置関係は、太陽高度hを45°とし、太陽方位とレール長手方向とが直交する「条件1」(図3(a)参照)と、太陽方位とレール長手方向とが平行となる「条件2」(図3(b)参照)の2通り設定し、レールの敷設方向による影響を検討する。
一方、レールからの熱排出については、図2に符号B1〜B3で示されるように、軌道パッドへの熱伝導、自然対流による熱伝達、レール表面からの放射を考慮し、これらの各熱流束J,J,Jをそれぞれ数式3〜数式5で算出する。
なお、数式3は、外気温teとレール温度tの平均「ts=(t+te)/2」で表わせる枕木温度tsの温度勾配が、軌道パッド上面から下面の間で一定であると仮定した場合における、枕木直上での熱伝導の式を示すものであって、さらに枕木間のレールと軌道パッドが接していない箇所を考慮するため3(≒枕木間隔約600mm/軌道パッドサイズ約200mm)で除している。
Figure 2019007215
Figure 2019007215
Figure 2019007215
ここで、λp:軌道パッドの熱伝導率(0.25W/(mK))、L:軌道パッドの厚さ(0.01m)、α:レール-空気間の熱伝達率(図4参照)、εr:レールの放射率(0.84)、σ:ステファンボルツマン定数(5.67×10-8W/(m))であり、レールの熱伝導率λr:は50W/(mK)、レールの比熱crは、461J/(kg℃)とする。
そして、以上のような日射量I(IDn,ISh)で示される熱吸収、及び熱流束J(JC,J,JR)で示される熱排出がなされるレールRについて、太陽光となる光線を照射した場合の過渡熱伝導について試験した。
なお、この過渡熱伝導についての試験は、外気温とレールの初期温度を33℃と設定して行ない、その試験結果を図5及び図6に示す。
また、実験では、太陽とレールの位置関係として太陽高度hを45°とし、太陽方位とレール長手方向が直交する「条件1」(図3(a))と、平行となる「条件2」(図3(b))の2通りを設定し、レールの敷設方向による影響を検討した。
そして、試験の結果、図5に示すように、レール温度は初期温度から概ね4時間で定常状態となり、定常状態のレール温度は「条件1」では55℃、「条件2」では42℃となった。ここで、「条件1」のレール温度は4時間で52℃を越えたが、これは太陽の位置が変わらないという条件の下であり、実際には4時間で太陽方位は100°以上変化するため(「条件1」から太陽方位が90°変化すると「条件2」となる)、レール温度はこれよりも低くなると考察される。
各条件1,2で試験を行った際の定常状態でのレール温度分布を図6(a)(b)にそれぞれ示す。
次に、レールRの被覆領域2(符号(1)〜(10)で示す)に白色塗料を塗った「塗料の塗布による効果の検証」について、図7〜図9を参照して説明する。
なお、図7で示されるように、レールRの被覆領域2として、レールの熱吸収が高い太陽側のレール底部上面とレール腹部(符号(2)及び(3)で示す)、両側のレール底部上面とレール腹部(符号(2),(3),(9)及び(10)で示す)、太陽と反対側のレール底部上面とレール腹部(符号(9)及び(10)で示す)を設定した。また、符号(1)は底部底面、符号(6)は頭部上面を示している。
そして、レール表面を符号(1)〜(10)にそれぞれ分割した領域にて、太陽光の影響を受け易い「条件1」下にて、レールRの被覆領域2に反射率0.2の白色塗料を部分的に塗布した場合の50℃における熱収支と定常状態のレール温度を求め、その結果を、図8及び図9に示した。
なお、これらの図において、図8は、被覆領域2の各箇所(符号(1)〜(10)で示される箇所)の熱収支を示し、図9は、被覆領域2の各箇所(符号(1)〜(10)で示される箇所)をグループ分けした場合の熱収支及び温度変化を示している(後述する)。
図8に示される、レール表面を符号(1)〜(10)の領域に分割した際の、「条件1」のレール温度50℃における各領域の熱収支を参照して分かるように、熱吸収量は符号(2)で示されるレール底部上面(太陽側)と、符号(3)で示されるレール腹部(太陽側)とで大きくなり、また、熱排出のほとんどが放射によるものであることが理解できる。
レールの熱吸収率αr、反射率ρr、放射率εrには、以下の数式6で示される関係が成り立ち、かつレールの熱吸収と熱放射はそれぞれαr,εrに比例するため、レール表面に白色塗料を塗布することで、レールの熱吸収量と放射による熱排出量は同時に減少する。
Figure 2019007215
よって、レール上の白色塗料は、日射による熱吸収が放射に比べて高い箇所に塗布することが効率的であり、放射が優位な箇所に塗布した場合はレール温度が逆に上昇する恐れがある。
一方、図9には、被覆領域2の各箇所(符号(1)〜(10)で示される箇所)をグループ分けした場合の熱収支及び温度変化が示されている。
ここで、塗料を塗布する箇所として、レールの熱吸収が高い太陽側のレール底部上面とレール腹部(図7の符号(2),(3))、両側のレール底部上面とレール腹部(図7の符号(2),(3),(9),(10))、太陽と反対側のレール底部上面とレール腹部(図7の符号(9),(10))の3通りを設定し、50℃における熱収支と定常状態のレール温度を算出した。
そして、図9の結果を参照して分かるように、符号(2),(3)の領域への塗料の塗布により熱吸収量が減少し、定常状態のレール温度が46℃まで低下した。
また、符号(2),(3)の領域に追加して、符号(9)及び(10)の領域に塗布した場合には、符号(2),(3)の領域のみに塗布した場合よりもさらに熱吸収量が減少するが、熱排出量も同時に減少するため、定常状態のレール温度は46℃と変わらない。符号(9),(10)の領域に塗布した条件では、熱吸収量よりも熱排出量の減少が優位となるため、塗料を塗布しない条件よりもレール温度が1℃上昇した。
すなわち、白色塗料の塗布領域に、符号(2),(3)の領域又は符号(2),(3),(9)及び(10)の領域を選択することで、条件1で示される日射があった場合でも50℃のレール温度を46℃まで低下させることができ、一定の放熱効果が見込めることが確認された。
なお、上記例では、太陽高度hを45°とし、太陽方位とレール長手方向が直交する(90°となる)「条件1」にて、レールの被覆領域2に反射率0.2の白色塗料を部分的に塗布した場合の50°Cにおける熱収支を示したが、これに限定されず、実際のレールの敷設状況に応じて複数の条件を設定しても良い。
例えば、太陽高度hを45°とした上で、太陽方位とレール長手方向が交差する角度を、15°刻みで、「15°,30°,45°,60°,75°」とし、これら各角度において、レールからの放射による熱排出量が、日射による吸熱量よりも大きくなる被覆領域2(符号(1)〜(10)で示される箇所の1つ又は複数)を求め、その評価結果を図10に示される温度管理装置100のデータベース(符号13参照)に記憶しておくと良い。
この温度管理装置100は、図10に示されるように、地理情報システム11(GIS:Geographic Information System)から得た地理データに基づき、レールが敷設される実際の地理状況を検出し、その検出結果に基づき、太陽方位とレール長手方向との位置関係を求める分析手段12を有する。
なお、この分析手段12では、レールRの表面に有する複数の被覆領域2のそれぞれに設けられた被覆材3毎に、日射によりレールRに受ける熱吸収量と、レールRから放射される熱排出量との関係を求める測定工程と、測定工程で得た、レールRからの放射による熱排出量が、日射による吸熱量よりも大きいか否かとの関係から、被覆材3のいずれかの被覆領域2を選択する分析工程と、分析工程の分析結果に基づき選択された被覆領域2に被覆材3を設置する設置工程と、を有する。
具体的には、この分析手段12では、地理情報システム11で求めた太陽方位とレール長手方向との位置関係に基づき、前述したデータベース13から最適な白色塗料の被覆領域2(符号(1)〜(10)で示される箇所の1つ又は複数)を選択し、その選択結果に応じて、レール表面への白色塗料の塗布作業指示を出力する。
また、この分析手段12での分析結果となる作業指示は、表示パネル14にレールRを模したイメージ図とともに表示すると良い。
以上詳細に示されるように第1実施形態に示される軌道10によれば、日射によりレールRに受ける熱吸収量と、該レールRから放射される熱排出量との関係に基づき、被覆材3となる白色塗料の被覆領域2を設定した。
これにより第1実施形態に示される軌道10では、当該被覆領域2上の被覆材3が有する高い温度抑制効果により、座屈等のトラブル発生を未然に防止することができる。
また、第1実施形態の温度管理装置100では、地理情報システム11から得た地理データに基づき、レールRが敷設される実際の地理状況を検出し、その検出結果に基づき、太陽方位とレール長手方向との位置関係を求める分析手段12を有するようにした。
そして、この分析手段12では、地理情報システム11で求めた太陽方位とレール長手方向との位置関係に基づき、データベース13から最適な白色塗料の被覆領域2(符号(1)〜(10)で示される箇所の1つ又は複数)を選択し、その選択結果に応じて、レール表面への白色塗料の塗布作業指示を出力できることから、軌道座屈のリスクを低減するための作業を効率的に行うことが可能となる。
(第2実施形態)
本発明の第2実施形態に係る構成について、図11及び図12を参照して説明する。
図11は、温度管理装置100の分析手段12の処理内容をさらに具体的に示すフローチャートであって、第1実施形態で示す白色塗料の塗布によるレールRの温度上昇抑制処理に追加した処理(以下のステップS1〜S9)を行う。
以下、図11の処理内容をステップS毎に説明する。
《ステップS1》
上述した数式1〜5に基づき、軌道10に敷設するレールRについて、日射量I(IDn,ISh)で示される熱吸収、及び熱流束J(JC,J,JR)で示される熱排出をそれぞれ求める。
《ステップS2》
ステップS1で求めたレールRの熱収支を発熱量Q(x,t,T)として、以下の数式7で示される、レール長手方向をx軸とした1次元の熱伝導方程式から、レール温度の時間・空間分布を求める。
Figure 2019007215
数式7の解法の一例として、時間微分を前進差分、空間微分を中心差分で近似することで、数値計算により容易に解くことができる。
《ステップS3》
ステップS2で求めたレール温度に基づき、以下のステップS4で示すレール温度を抑制する処理、又は以下のステップS5〜S9で示すレールRを含む軌道10を抑制する処理を行う。
《ステップS4》
レール温度上昇の抑制工法を模擬したレールRの熱収支計算・熱伝導解析を行い、工法適用時のレール温度を求めて、その効果を定量的に評価する。
その工法の検討に際して、第1実施形態に示されるレールRへの日射が大きい箇所に白色塗料を塗布する方法を用いる。
《ステップS5》
例えば、図12の軌道10に示されるような、レール長手方向をx軸とした1次元の線路構造解析モデルに、ステップS2で求めたレール温度を入力して熱膨張による荷重f(x,t,T)を作用させる。
《ステップS6》
ステップS5で求めたレール温度、軸力、レール破断時開口量、及び伸縮継目部の伸縮ストロークから最適な設定温度を定める。また、低温時と高温時の両方の基準を満足できない場合は、設定温度を低温時の基準を満足できるような範囲に設定し、高温時に対しては、レール温度の上昇を抑制する工法を検討する。
《ステップS7》
ステップS6の工法の検討に際して、第1実施形態に示されるレールRへの日射が大きい箇所に白色塗料を塗布する方法を用いる。
《ステップS8》
ステップS5の解析結果に基づき、レールRのふく進量を求める。
《ステップS9》
ステップS8で求めたレールRのふく進量から、アンチクリーパーなどのふく進対策が必要となる箇所を選定する。また、ふく進対策の効果は、ステップS5の線路の構造解析より評価する。
以上詳細に説明したように第2実施形態の分析手段12でも、レールRの熱収支から求めたレール温度の上昇予測に基づき、被覆材3となる白色塗料の被覆領域2(符号(1)〜(10)で示される箇所の1つ又は複数)を決定することができるので、軌道座屈のリスクを低減させることが可能となる。
さらに、第2実施形態に示される分析手段12では、被覆材3となる白色塗料のレール表面への塗布により、軌道座屈のリスクを低減させるとともに、ふく進、レール破断時開口量、及び伸縮継目部の伸縮ストロークを最適に調整することができ、これにより鉄道軌道10の状態を最適に維持することができる。
以上、本発明の実施形態について図面を参照して詳述したが、具体的な構成はこの実施形態に限られるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲の設計変更等も含まれる。
本発明は、日射によるレールの過度な温度上昇を防止及び管理することができる軌道、軌道の温度管理装置及び軌道の温度管理方法に関する。
1 レール支持体
2 被覆領域
3 被覆材
10 軌道
11 地理情報システム
12 分析手段
13 データベース
14 表示手段
100 温度管理装置
R レール

Claims (10)

  1. 列車が走行するレールをレール支持体上に有する軌道であって、
    前記レールの表面には被覆材が設置されており、
    前記被覆材による被覆領域は、日射により前記レールに受ける熱吸収量と、前記レールから放射される熱排出量との関係に基づき設定されたことを特徴とする軌道。
  2. 前記被覆材は前記レールに塗布された白色塗料であることを特徴とする請求項1に記載の軌道。
  3. 前記被覆材は、放射による熱排出量が日射による吸熱量よりも大きい領域に設置されたことを特徴とする請求項1又は2のいずれか1項に記載の軌道。
  4. 前記被覆材は少なくとも前記レールの腹部側面に設けられたことを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の軌道。
  5. 列車が走行するレールをレール支持体上に有する軌道の温度管理装置であって、
    前記レールの表面に有する複数の被覆領域のそれぞれに設けられる被覆材と、
    日射条件により前記レールに受ける熱吸収量と、前記レールから放射される熱排出量との関係に基づき、前記被覆材の被覆領域をいずれかに決定する分析手段と、を有することを特徴とする軌道の温度管理装置。
  6. 前記分析手段は、放射による熱排出量が日射による吸熱量よりも大きい領域を、前記被覆材の被覆領域として選択することを特徴とする請求項5に記載の軌道の温度管理装置。
  7. 前記被覆材は前記レールに塗布された白色塗料であることを特徴とする請求項5又は6のいずれか1項に記載の軌道の温度管理装置。
  8. 列車が走行するレールをレール支持体上に有する軌道の温度管理方法であって、
    前記レールの表面に有する複数の被覆領域のそれぞれに設けられた被覆材毎に、日射により前記レールに受ける熱吸収量と、前記レールから放射される熱排出量との関係を求める測定工程と、
    前記測定工程で得た、前記レールからの放射による熱排出量が、日射による吸熱量よりも大きいか否かとの関係から、前記被覆材のいずれかの被覆領域を選択する分析工程と、
    前記分析工程の分析結果に基づき選択された被覆領域に被覆材を設置する設置工程と、を有することを特徴とする軌道の温度管理方法。
  9. 前記被覆材は前記レールに塗布される白色塗料であることを特徴とする請求項8に記載の軌道の温度管理方法。
  10. 前記被覆材は少なくとも前記レールの腹部側面に設けられることを特徴とする請求項8又は9のいずれか1項に記載の軌道の温度管理方法。
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