JP2019006857A - ポリマー溶液の脱溶媒装置、及び、ポリマー粒子の製造方法 - Google Patents

ポリマー溶液の脱溶媒装置、及び、ポリマー粒子の製造方法 Download PDF

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充宏 小田
郁実 久岡
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郁実 久岡
栄勅 福田
Shigetoki Fukuda
栄勅 福田
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Abstract

【課題】ポリマー粒子によるつまりの発生を抑制しやすい脱溶媒装置等を提供する。
【解決手段】ポリマー溶液の脱溶媒装置40は、一端が板42で閉鎖された内管41と、内管41の外側に配置されて内管41の板42より先まで伸びた外管44と、を備える。板42は少なくとも一つの貫通孔43を有する。
【選択図】図2

Description

本発明は、ポリマー溶液の脱溶媒装置、及び、これを用いたポリマー粒子の製造方法に関する。
従来より、ポリマーを溶解した溶液にスチームなどの高温ガスを供給して、ポリマー溶液から溶媒を除去し、ポリマー粒子(クラムとも呼ばれる)を析出させるポリマー溶液の脱溶媒装置が知られている。
特開2002−241425号公報
しかしながら、従来の装置では、スチームなどの高温ガスとポリマー溶液との接触部位及びその近傍で、生成したポリマー粒子によるつまりが生じやすかった。
本発明は上記課題に鑑みてなされたものであり、生成したポリマー粒子によるつまりの発生を抑制しやすい脱溶媒装置等を提供することを目的とする。
本発明にかかるポリマー溶液の脱溶媒装置は、一端が板で閉鎖された内管と、前記内管の外側に配置されて前記内管の前記板より先まで伸びた外管と、を備える。前記板は少なくとも一つの貫通孔を有する。
このような脱溶媒装置に対して、内管の他端から一端の板に向かってポリマー溶液を供給し、内管と外管との間にスチームなどの高温ガスを供給すると、板の貫通孔から噴出した線状のポリマー溶液に対して、スチームなどの高温ガスが接触する。これにより、ポリマー溶液の溶媒が効率よく気化して、ポリマー粒子(クラム)が生成する。このとき、内管の外管との隙間ではポリマー粒子が発生せず、この隙間に比べて相対的に空間容積の大きな板の先でポリマー粒子が発生するため、ポリマー粒子によるラインのつまりを抑制できる。
ここで、前記内管及び外管は水平方向に対して斜め方向または鉛直方向に伸び、前記板は前記内管の下端に配置されていることができる。
これによれば、ポリマー粒子が重力により落下しやすいので、より一層ポリマー粒子によるラインのつまりが抑制される。
また、前記外管は、前記板よりも先まで伸びた部分の内径を前記内管の外径よりも狭める環状部をさらに有することができる。
これにより、スチームなどの高温ガスが、内管と外管との間を出てから向きが変わって板に沿うように流れるため、スチームなどの高温ガスとポリマー溶液との接触効率が向上する。
また、前記貫通孔の径が2〜6mmであることができる。
また、前記板は複数の前記貫通孔を有し、これらの前記貫通孔は前記内管の中心軸の周りに環状に配置されていることもできる。
また、本発明にかかるポリマー粒子の製造方法は、上記のポリマー溶液の脱溶媒装置を用いたポリマー粒子の製造方法であって、前記内管にポリマー溶液を供給して前記板の貫通孔から前記ポリマー溶液を排出させる工程と、前記内管と前記外管との間に前記ポリマー溶液よりも10℃以上高い温度のガスを供給して、前記ガスを前記貫通孔から排出された前記ポリマー溶液と接触させ、前記ポリマー溶液の溶媒を気化させ及びポリマー粒子を析出させる工程と、を備える。
ここで、上記方法は、析出したポリマー粒子、及び、気化した溶媒を含む混合物を、気液分離槽の気相に供給する工程をさらに備えることができる。
ここで、前記ガスはスチームであることができる。
また、上記方法は、前記脱溶媒装置の内管に供給する前に、前記ポリマー溶液に水を添加する工程をさらに備えることができる。
本発明によれば、ポリマー粒子によるつまりの発生を抑制しやすい脱溶媒装置等が提供される。
図1は、本発明の1実施形態におけるポリマー粒子の製造方法のフロー図である。 図2は、図1のポリマー溶液の脱溶媒装置の断面図である。 図3は、図2のIII−III矢視図である。 図4は、気液分離槽62に複数の脱溶媒装置が接続された場合の例を示す概略斜視図である。
まず、図1を参照して、本発明の一つの実施形態にかかるポリマー溶液の脱溶媒装置を用いたポリマー粒子の製造方法のフロー図を説明する。
タンク12は、タンク12内を攪拌する攪拌翼14及び攪拌翼14を駆動するモータ16を有する。
タンク12には、ポリマー及びポリマーを溶解する溶媒を含むポリマー溶液(セメントと呼ばれることもある)が貯留されている。
ポリマーの例は、溶液重合により生成されるポリマーである。このようなポリマ一の例は、ブタジエンゴム;イソプレンゴム;スチレン・ブタジエンゴム等のスチレン・ブタジエン共重合体;スチレン・イソプレンゴム等のスチレン・イソプレン共重合体;エチレン・αオレフィン共重合ゴム、エチレン・αオレフィン・非共役ジエン共重合ゴム等のエチレン・αオレフィン系共重合体;ブチルゴム;スチレン・ブタジエン・スチレンブロック共重合体;水素添加スチレン・ブタジエン・スチレンブロック共重合体;ブタジエン樹脂;アクリル樹脂である。
αオレフィンは炭素数3〜20、3〜18、3〜12であることができる。αオレフィンの例は、プロピレン、1−ブテン、1−ヘキセン、1−オクテン、1−デセンである。
非共役ジエンの例は、エチリデンノルボルネン(ENB)、1,4-ヘキサジエン(1,4-HD)、ジシクロペンタジエン(DCPD)である。
ポリマーは、好ましくはブタジエンゴム、スチレン・ブタジエンゴム、エチレン・αオレフィン系共重合体である。
溶媒の例は、シクロへキサン、シクロペンタン、シクロヘプタン等の脂環族炭化水素、トルエン、キシレン、ベンゼン等の芳香族炭化水素、n−へキサン、n−ペンタン、イソペンタン、n−ヘプタン、n−オクタン、n−デカン等の脂肪族炭化水素、及び、ジクロロメタン等のハロゲン化炭化水素である。これらのうち好ましくはn−へキサン、n−ヘプタン、シクロへキサン及びトルエンである。この溶媒は1種のみであってもよく、2種以上の溶媒を含む混合溶媒であってもよい。
ポリマー溶液中の溶媒の質量割合は、たとえば、70〜98wt%とすることができる。ポリマー溶液の温度は、溶媒の融点以上かつ沸点以下であればよい。
タンク12内で重合を行ってポリマー溶液を得てもよいし、別の場所からポリマー溶液をタンク12に移送してきてもよい。
重合方法としては公知の種々の方法を利用できる。ポリマー溶液は、重合に必要な触媒などの添加成分を含有することができる。
タンク12内のポリマー溶液は、ポンプ20を有するラインL1によりミキサー30に送られる。ミキサー30には、ラインL2を介して水が供給される。ミキサー30は、容器34、容器内を攪拌する攪拌翼32、及び、攪拌翼32を駆動するモータ36を有する。ミキサー内では、ポリマー溶液が水により洗浄される。
水の添加量は、ポリマー溶液の100質量部に対して、たとえば、18〜90質量部とすることができる。
水が添加されたポリマー溶液は、ラインL3を介して脱溶媒装置40に供給される。脱溶媒装置40には、さらに、ラインL4を介して該ポリマー溶液よりも10℃以上高い温度のガス、例えばスチームが供給される。
図2は、脱溶媒装置40の一つの実施形態の断面図、図3は図2の脱溶媒装置のIII−III矢視図である。
脱溶媒装置40は、内管41及び外管44を備える。内管41は、鉛直方向に伸びる円管である。内管41の内径D1は、25〜151mmとすることができる。内管41の外径D2は、たとえば、34〜166mmとすることができる。
内管41の下端は、板42で閉鎖されている。板42には複数の貫通孔43が設けられている。本実施形態では、図3に示すように、複数の貫通孔43は、内管41の軸周りに一列に円環状に配置されている。
貫通孔43の径は、たとえば、2〜6mmであることができる。貫通孔43間の間隔は、たとえば、3〜6mmとすることができる。貫通孔43の断面形状は円形であることができる。貫通孔43の数は、たとえば、1〜100個とすることができる。
外管44は円管であり、内管41と同軸に配置されており、鉛直方向に伸びている。外管44の上端は、板45で閉じられており、内管の方が上方へ突出している。外管44は、内管41の板42よりも先(下方)に伸びている。
外管44の内径D3は、たとえば、50〜200mmとすることができる。D3−D2は、25〜50mmとすることができる。
外管44における内管41を取り囲んでいる部分には、スチームの導入管46が接続されている。導入管46と板の外面(下面)42oとの距離Z1は、10〜500mmとすることができる。
外管44の内面における、板42よりも先(下方)の部分には、板42よりも先における外管44の内径を、内管41の外径D2よりも狭める環状部47をさらに有する。
環状部47の最狭部の内径D4は、25〜150mmとすることができる。D2−D4を5〜50mmとすることができる。
環状部47は、内管41側に斜面47fを有する。斜面47fは、外管44及び内管41の軸に対して傾斜する。軸と直交する面と斜面47fとのなす角度θは、15〜45°とすることができる。
斜面47fと内管41の板42の端部とのギャップGは、3〜10mmとすることができる。
内管41には、ラインL3を介してポリマー溶液が供給される。供給されたポリマー溶液は、板42の各貫通孔43から線状に排出される。ポリマー溶液の供給量は、貫通孔から排出されるポリマー溶液の線速(流量/各貫通孔の総断面積)が0.5〜20m/sとなるように設定できる。
一方、導入管46には、ラインL4を介してスチームが供給される。スチームの質量流量は、ポリマー溶液中の溶媒の質量流量を100としたときに、15〜60とすることができる。スチームの温度は、ラインL3を介して供給されるポリマー溶液の温度よりも10℃以上高温であることが好ましく、150℃以上高温であることがより好ましく、180℃以上高温であることがさらに好ましい。ポリマー溶液の溶媒の沸点よりも高いことも好ましい。スチーム温度の上限は特にないが、たとえば、240℃であることができる。
供給されたスチームは、外管44と内管41との間を通って板42の位置を超え、環状部47の斜面47fに当たって向きが変えられて軸の中央に寄せ集められて板42の下面40oに沿って流れた後、環状部47の最狭部を通り抜けて下方に抜ける。
これにより、線状に噴出するポリマー溶液とスチームとが接触し、ポリマー溶液から溶媒が気化し、固体であるポリマー粒子が析出する。このポリマー粒子はクラムとも称される。ポリマー粒子の粒径は、たとえば、1〜30mmであることができる。
図1に戻って、得られたポリマー粒子、溶媒ガス、スチーム、水などの混合物は、バルブ50及びラインL5を介して、気液分離槽62の気相部に供給される。
気液分離槽62は、タンク内の液相を攪拌する攪拌翼64と、攪拌翼64を駆動するモータ66を備える。
気液分離槽62内では、液相部LFと気相部GFとが形成される。液相部LFは、主として、ポリマー粒子及び水を含む液体である。気相部GFは、気化した溶媒及びスチームを含むガスである。
気相部GFのガスは、ラインL6を介して排出される。ラインL6には冷却用の熱交換器70が設けられており、ガス中のスチームは液体の水になり、ガス中の溶媒ガスは液体溶媒に戻る。得られた液体混合物は液液分離用のデカンタ80に供給される。重質成分である液体の水はラインL8を介して排出され、軽質成分である液体溶媒はラインL7を介して排出され、精製処理等がなされる。精製された溶媒は、ポリマー重合用の溶媒等、ポリマー溶液の原料に再利用できる。
気液分離槽62の液相部LFのポリマー粒子及び水の混合物は、ラインL9を介して排出され、公知の濾過及び乾燥工程を経ることにより、ポリマー粒子が得られる。
気液分離槽62には、ラインL9を介して排出された水に対応して、液相部LFを形成するための水がラインL10を介して適宜供給される。
本実施形態によれば、板42の貫通孔43から噴出した線状のポリマー溶液に対して、スチームが接触する。これにより、ポリマー溶液の溶媒が効率よく気化して、ポリマー粒子(クラム)が生成する。このとき、内管41の外管44との隙間ではポリマー粒子が発生せず、この隙間に比べて相対的に空間容積の大きな板42の先でポリマー粒子が発生するため、ポリマー粒子によるラインのつまりを抑制できる。
また、内管41及び外管44が鉛直方向に伸び、板42は内管41の下端に配置されているので、生成したポリマー粒子が重力により下方に落下しやすくなり、より一層ポリマー粒子によるラインのつまりが抑制される。
また、外管44は、板42よりも先(下方)まで伸びた部分の内径を内管41の外径よりも狭める環状部47をさらに有しているので、スチームが板42の下面に沿うように流れるため、スチームとポリマー溶液との接触効率がよりいっそう向上する。
また、貫通孔43の径が2〜6mmであることにより、ポリマー粒径が小さくなって、つまりがより一層抑制されるという効果がある。
また、複数の貫通孔43が、内管41の中心軸の周りに環状に配置されているので、ポリマー溶液が複数個設けられた貫通孔43に均一に流れやすいという効果がある。
また、上記方法では、析出したポリマー粒子、及び、気化した溶媒を含む混合物を、気液分離槽62の気相に供給しているので、液相に供給する場合に比べて、液状のヘキサンが熱水中で蒸発する事による液温のフレが生じにくいという効果がある。
また、スチームを用いて溶媒の気化を行っていることにより再凝縮後の水を再利用可能であるという効果がある。
さらに、脱溶媒装置40の内管41に供給する前に、ポリマー溶液に水を添加する工程をさらに備えるので、ポリマー溶液と水でエマルジョンを形成させて、溶液粘度の低下によるポリマー粒子径のより一層の小粒径化を図れるという効果がある。
本発明は、上記実施形態に限定されず様々な変形態様をとることができる。
たとえば、上記実施形態では板42の複数の貫通孔43は、板の中心軸周りに円環状に一列に配置されているが、貫通孔の配置に特段の限定はない。たとえば、複数の貫通孔は、円環状に二列に配置されていてもよいし、四角い環状に配置されていてもよく、四角格子状(マトリクス状)に配置されていてもよい。
また、上記実施形態では、板42は複数の貫通孔43を有するが、一つの貫通孔43のみを有することもできる。
さらに、貫通孔の形状も円形に限らず、四角形等でもよい。
さらに、上記実施形態では、内管41及び外管44のいずれも直管であるが、これらのうち一方又は両方がテーパー管であっても実施は可能である。また、内管41及び外管44のいずれも円管であるが、これらのうちの一方又は両方が四角管などの非円管でも実施は可能である。
また、上記実施形態では、内管41及び外管44は、鉛直方向に伸びるように配置されているが、他の方向に伸びるように配置されてもよい。たとえば、水平方向に伸びるように配置されてもよいし、水平方向に対して斜め方向に伸びるように配置されていてもよい。重力を利用したポリマー粒子のつまり抑制の観点からは、内管41及び外管44が水平に対して斜め方向又は鉛直方向に伸びるように配置され、内管41の下端に板42が配置されていることが好ましい。水平面と内管41の軸とがなす角度は45〜90°が好ましい。
上記実施形態では、脱溶媒装置は環状部47を有するが、これを有さず、外管44における板42よりも先まで伸びた部分の内径が、板42よりも手前の部分、すなわち、内管41を覆う部分と同じ、あるいは、大きくても実施は可能である。
また、ポリマー溶液よりも10℃以上高温のガスであればスチーム以外のガスを使用して脱溶媒することもできる。スチーム以外のガスの例は、たとえば、窒素である。
さらに、上記実施形態では、析出したポリマー粒子、及び、気化した溶媒を含む混合物を、気液分離槽62の気相に供給しているが、液相に供給しても実施は可能である。
また、上記実施形態では、脱溶媒装置40の内管41に供給する前に、ポリマー溶液に水を添加しているが、添加しなくても実施は可能である。
さらに、一つの気液分離槽62に対して、図4に示すように、複数の脱溶媒装置40を配置することも可能である。図4においては、スチームのラインL4が複数に分岐されていて、各分岐ラインは流量調節バルブ92を介してそれぞれ脱溶媒装置40に接続されている。また、ポリマー溶液を移送するラインL3は、複数に分岐されており、流量調節バルブ90を介してそれぞれ脱溶媒装置40に接続されている。バルブ50を有するラインL5は、それぞれ気液分離槽62に接続されている。特に、図4では、複数の脱溶媒装置40が気液分離槽62の上方に、鉛直軸まわりに環状に配置されている。
このような実施形態によれば、複数の脱溶媒装置を備えることにより、ポリマー溶液の処理量の増加や変動にも容易に対応できる。
(実施例1〜7)
(ポリマー溶液の調製)
撹拌機を備え温度を41℃に保ったステンレススチール製の第1重合槽に、n−ヘキサン、エチレン、プロピレン、VOCl、エチルアルミニウムセスキクロライド、および水素を連続的に供給し、重合反応を行った。
第1重合槽と同容積の、撹拌機を備えたステンレススチール製の第2重合槽に、第1重合槽から抜き出された重合溶液を供給した。第2重合槽の温度を45℃に保ち、n−ヘキサン、エチレン、プロピレン、VOCl、エチルアルミニウムセスキクロライドを供給し、重合反応を行った結果、エチレン−プロピレン共重合体ゴムがn−ヘキサンに溶解したポリマー溶液が得られた。ポリマー溶液の組成は、ポリマー(エチレン−プロピレン共重合体ゴム)が約13質量%、n−ヘキサンが約86質量%であった。
得られたポリマー溶液に対して、高温ガスとしてスチームを用いて図2及び図3に示す脱溶媒装置及びフローを用いて脱溶媒を行った。
実施例1〜5で使用した脱溶媒装置において、内管の内径は27mm、内管の外径は34mm、距離Z1は250mm、環状部47の最狭部の内径D4は25.4mm、環状部の角度θは36°、内管41の板42の角とのギャップGは3.2mmとした。
実施例6〜7で使用した脱溶媒装置において、内管の内径は66mm、内管の外径は76mm、距離Z1は100mm、環状部47の最狭部の内径D4は62mm、環状部の角度θは36°、内管41の板42の角とのギャップGは8.7mmとした。
板42の貫通孔43の径及び数は表1のようにした。なお、貫通孔が1個の場合には、板42の中心軸上に、2個の場合には中心軸を挟んで中心間距離11.2mmで離間して配置し、16個の場合には、中心軸周りの直径46mmの円上に等角度間隔で配置した。
70℃のポリマー溶液を内管41に供給し、貫通孔43から線状に排出し、導入管46から供給した180℃のスチームと接触させた。
実施例1〜5では、ポリマー溶液の流量及びスチームの質量流量を表1に示すように設定した。貫通孔から排出されるポリマー溶液の線速は、貫通孔の径と個数に応じてそれぞれ表1のようになった。スチームの流量は、各板に対して、5〜20mm程度の粒径のポリマー粒子が形成するような量とした。
実施例6、7では、ポリマー溶液の流量及びスチームの質量流量を表1に示すように設定した。貫通孔から排出されるポリマー溶液の線速は、貫通孔の径と個数に応じて5〜20m/sとなった。なお、実施例6,7では、12ヶ月以上長期間の運転を行ったため、ポリマー溶液流量及びスチーム量は一定では無い。スチームの流量は、各板に対して、5〜20mm程度の粒径のポリマー粒子が形成するような量とした。
これにより、溶媒が気化して、ポリマー粒子が析出した。ポリマー粒子、溶媒ガス、及び、スチームの混合物を、下方のタンクに回収した。
条件及び結果を表1に示す。
実施例1〜5では60分以上の連続運転でもポリマー粒子によるつまりが生じなかった。また実施例6〜7では12ヶ月以上の連続運転でもポリマー粒子によるつまりは生じなかった。
また、実施例1,2の比較、及び、実施例3,4の比較から、ポリマー溶液中の溶媒質量流量に対するスチームの量を多くすると、得られるポリマー粒子の粒径が小さくなることがわかる。
また、実施例1〜4の比較から、貫通孔の径が小さいと、少ないスチームの質量流量でポリマー粒子の粒径を小さくできることがわかる。
また、実施例3〜6の比較から、貫通孔の数を増やしてポリマー溶液の処理量を増やしても、粒径が5〜20mm程度のポリマー粒子を製造できることが確認された。
なお、ポリマー粒子の粒径とは、50個のポリマー粒子の最大長さと最小長さをそれぞれ測定し、すべての平均値とした。
Figure 2019006857
40…ポリマー溶液の脱溶媒装置、41…内管、42…板、43…貫通孔、44…外管、47…環状部。

Claims (9)

  1. 一端が板で閉鎖された内管と、前記内管の外側に配置されて前記内管の前記板より先まで伸びた外管と、を備え、前記板は少なくとも一つの貫通孔を有する、ポリマー溶液の脱溶媒装置。
  2. 前記内管及び前記外管は、水平方向に対して斜め方向、又は、鉛直方向に伸び、前記板は前記内管の下端に配置されている、請求項1記載の脱溶媒装置。
  3. 前記外管は、前記板よりも先まで伸びた部分の内径を前記内管の外径よりも狭める環状部をさらに有する、請求項1または2に記載の脱溶媒装置。
  4. 前記貫通孔の径が2〜6mmである、請求項1〜3のいずれか1項記載の脱溶媒装置。
  5. 前記板は複数の前記貫通孔を有し、これらの前記貫通孔は前記内管の中心軸の周りに環状に配置されている、請求項1〜4のいずれか一項記載の脱溶媒装置。
  6. 請求項1〜5のいずれか一項記載のポリマー溶液の脱溶媒装置を用いた、ポリマー粒子の製造方法であって、
    前記内管にポリマー溶液を供給して前記板の貫通孔から前記ポリマー溶液を排出させる工程と、
    前記内管と前記外管との間に前記ポリマー溶液よりも10℃以上高い温度のガスを供給して、前記ガスを前記貫通孔から排出された前記ポリマー溶液と接触させ、前記ポリマー溶液の溶媒を気化させ及びポリマー粒子を析出させる工程と、を備える、方法。
  7. 析出したポリマー粒子、及び、気化した溶媒を含む混合物を、気液分離槽の気相に供給する工程をさらに備える、請求項6記載の方法。
  8. 前記ガスはスチームである、請求項6又は7記載の方法。
  9. 前記脱溶媒装置の内管に供給する前に、前記ポリマー溶液に水を添加する工程をさらに備える、請求項6〜8のいずれか一項に記載の方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2020115926A (ja) * 2019-01-18 2020-08-06 サミー株式会社 ぱちんこ遊技機
JP2020115928A (ja) * 2019-01-18 2020-08-06 サミー株式会社 ぱちんこ遊技機
JP2020115927A (ja) * 2019-01-18 2020-08-06 サミー株式会社 ぱちんこ遊技機

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