JP2019006438A - バタフライバルブ制御システム及びバタフライバルブ制御方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】開度設定部201は、排出口を閉塞したバタフライバルブに対して、開度の上限値と下限値とを設定する。弁動作部202は、設定された開度の上限値と下限値との間で、バタフライバルブを往復動作させる。計量部203は、排出口から供給された粉体物の重量を計量する。判定部204は、計量された粉体物の重量で換算される現状投入達成率が、基準投入達成率を超過したか否かを判定する。再設定部205は、現状投入達成率が基準投入達成率を超過した場合、開度の上限値と下限値とを、当該開度の上限値と下限値とのそれぞれを段階的に小さくした、当該開度の次に設定された次の開度の上限値と下限値とに再設定する。繰り返し部206は、前記弁動作と、前記計量と、前記判定と、前記再設定とを、次の開度の設定が無くなるまで繰り返す。弁停止部207は、バタフライバルブの動作を停止させて、当該バタフライバルブで前記排出口を閉塞する。【選択図】図3
Description
本発明は、バタフライバルブ制御システム及びバタフライバルブ制御方法に関する。
従来、バタフライバルブを用いた流量制御システムは、多種存在する。例えば、特開昭62−270873号公報(特許文献1)には、バタフライバルブ(弁体)が特定の開度(弁角度)で開かれている場合に、バタフライバルブの本体を流れる流体の流量を算出し、算出された流量と設定値とを比較して、差があれば、アクチュエータを作動してバタフライバルブの開度を調整し、流量を変化させるバタフライバルブが開示されている。他にも、特開2012−206742号公報(特許文献2)には、バタフライバルブを開閉制御するコンテナ開閉装置が開示されている。
又、特開2006−82942号公報(特許文献3)には、供給管の排出口に接離し排出口を開閉する弁板が取り付けられた弁軸を回動させ弁板を任意の位置に駆動保持する弁軸駆動手段と、弁軸を振動させる振動数調整可能な弁軸加振手段を備える粉体供給機が開示されている。弁軸を振動させることで、粉体の供給を、定量的にまた連続的に行なうことができるとしている。
又、特開2008−50007号公報(特許文献4)には、粉粒体を収容するコンテナの排出口(5)に設けられ、弁板(6)を取り付けた弁軸(8)を回転させることにより排出口を開閉するバタフライ弁装置(10)と、このバタフライ弁装置の弁板および弁軸を振動させる弁加振手段(12)と、バタフライ弁装置および排出口に向けて空気を断続自在に噴射する空気噴射手段(14)を備えるコンテナ排出装置が開示されている。これにより、コンテナの排出口からの粉粒体を、比較的簡単な構造で、定量的・連続的に取り出すことができるとしている。
しかしながら、特許文献1、2に記載の発明では、単に、バタフライバルブを通過した流量を調整するだけの機能であり、その流量の積算値を制御することが出来ないという課題がある。又、粉体物の供給を行う場合、バタフライバルブの開度を固定するだけでは、粉体物の流量の大小により、粉体物の濃淡が激しくなり、ダマが生じ、供給先で粉体物が適切に混合されないという課題がある。
特許文献3、4に記載の発明では、外部から弁軸や弁板を振動させることで、粉体物の供給を均一にしようと試みているが、弁軸や弁板の振動では、装置のサイズや粉体物の種類によって、粉体物に振動が適切に伝わらない場合も考えられる。
ここで、上述のように、粉体物の流量によっては、濃淡やダマが発生し、粉体物の供給先で粉体物が均一に混合しない場合があり、粉体物の供給時において、粉体物が適切に分散しながら供給されるように工夫する必要がある。
一方、バタフライバルブは、通常、弁本体を通過する粉体物の供給又は計量に用いられるが、粉体物は、粒径の大きさや形状に応じて、流速が異なるため、粉体物の種類に応じて、バタフライバルブの開度を調整する必要がある。この調整は、例えば、作業者が、バタフライバルブを通過した粉体物の流量や重量(積算値)をリアルタイムで見ながら、バタフライバルブの開度を微調整することで、目標の重量に到達させるが、その微調整は難しいという課題がある。
そこで、本発明は、前記課題を解決するためになされたものであり、バタフライバルブの開度を適切に調整し、粉体物を均一に、且つ、正確に供給することが可能なバタフライバルブ制御システム及びバタフライバルブ制御方法を提供することを目的とする。
本発明者は、鋭意研究を重ねた結果、本発明に係る新規なバタフライバルブ制御システム及びバタフライバルブ制御方法を完成させた。
即ち、本発明に係るバタフライバルブ制御システムは、粉体物を収納したコンテナと、前記コンテナの下方の排出口に設けられたバタフライバルブと、を備えるバタフライバルブ制御システムであって、開度設定部と、弁動作部と、計量部と、判定部と、再設定部と、繰り返し部と、弁停止部と、を備える。開度設定部は、前記排出口を閉塞したバタフライバルブに対して、ユーザにより自由に設定可能な開度の上限値と下限値とを設定する。弁動作部は、前記設定された開度の上限値と下限値との間で、前記バタフライバルブを往復動作させる。計量部は、前記排出口から供給された粉体物の重量を計量する。判定部は、前記計量された粉体物の重量で換算される現状投入達成率が、前記設定された開度に関連付けられた基準投入達成率を超過したか否かを判定する。再設定部は、前記現状投入達成率が前記基準投入達成率を超過した場合、前記開度の上限値と下限値とを、当該開度の上限値と下限値とのそれぞれを段階的に小さくした、当該開度の次に設定された次の開度の上限値と下限値とに再設定する。繰り返し部は、前記弁動作と、前記計量と、前記判定と、前記再設定とを、前記次の開度の設定が無くなるまで繰り返す。弁停止部は、前記次の開度の設定が無い場合、前記バタフライバルブの動作を停止させて、当該バタフライバルブで前記排出口を閉塞する。
又、前記弁停止部は、前記次の開度の設定が無い場合、前記開度の微小な範囲で、前記バタフライバルブの開閉を繰り返して、微開放を行い、前記現状投入達成率が100%に到達したか否かを判定し、前記現状投入達成率が100%に到達した場合、前記バタフライバルブを閉塞する。
又、本発明に係るバタフライバルブ制御方法は、粉体物を収納したコンテナと、前記コンテナの下方の排出口に設けられたバタフライバルブと、を備えるシステムのバタフライバルブ制御方法であって、開度設定ステップと、弁動作ステップと、計量ステップと、判定ステップと、再設定ステップと、繰り返しステップと、弁停止ステップと、を備える。開度設定ステップは、前記排出口を閉塞したバタフライバルブに対して、ユーザにより自由に設定可能な開度の上限値と下限値とを設定する。弁動作ステップは、前記設定された開度の上限値と下限値との間で、前記バタフライバルブを往復動作させる。計量ステップは、前記排出口から供給された粉体物の重量を計量する。判定ステップは、前記計量された粉体物の重量で換算される現状投入達成率が、前記設定された開度に関連付けられた基準投入達成率を超過したか否かを判定する。再設定ステップは、前記現状投入達成率が前記基準投入達成率を超過した場合、前記開度の上限値と下限値とを、当該開度の上限値と下限値とのそれぞれを段階的に小さくした、当該開度の次に設定された次の開度の上限値と下限値とに再設定する。繰り返しステップは、前記弁動作と、前記計量と、前記判定と、前記再設定とを、前記次の開度の設定が無くなるまで繰り返す。弁停止ステップは、前記次の開度の設定が無い場合、前記バタフライバルブの動作を停止させて、当該バタフライバルブで前記排出口を閉塞する。
本発明は、バタフライバルブの開度を適切に調整し、粉体物を均一に、且つ、正確に供給することが可能となる。
以下に、添付図面を参照して、本発明に係るバタフライバルブ制御システム及びバタフライバルブ制御方法の実施形態について説明し、本発明の理解に供する。尚、以下の実施形態は、本発明を具体化した一例であって、本発明の技術的範囲を限定する性格のものではない。
図1Aは、本発明に係るバタフライバルブ制御システムの概念図である。本発明に係るバタフライバルブ制御システム1は、図1Aに示すように、コンテナ10と、バタフライバルブ11と、受け容器12と、制御装置13と、を備えている。
コンテナ10は、粉体物を収容している。バタフライバルブ11は、コンテナ10の下方の排出口10aに設けられ、所定の開度まで開放されることで、コンテナ10内の粉体物を排出口10aから下方へ排出する。又、バタフライバルブ11が閉塞することで、排出口10aからの粉体物の排出を停止させる。受け容器12は、バタフライバルブ11の直下に配置され、バタフライバルブ11を通過する粉体物を受けて収容する。
制御装置13は、コンテナ10の近傍に設置され、バタフライバルブ11の動作を制御するプラグラムを入力する。バタフライバルブ11は、基本的に、制御装置13によるプログラムに基づいて開閉の動作をする。又、制御装置13には、受け容器12の下面に、計量槽を有する計量部13a(計量機)が設けられる。計量部13aは、受け容器12内の粉体物の重量をリアルタイムに計量するため、制御装置13は、計量部13aを介して計量した粉体物の重量に応じて、バタフライバルブ11の開度を制御し、受け容器12内の粉体物の重量を、目標の重量に調整することが出来る。
図1Bは、本発明に係るバタフライバルブの弁軸の軸方向に対して垂直から見た断面図である。図1Bに示すように、バタフライバルブ11の弁軸11aの一方の端部11bには、駆動部11cが装着されている。駆動部11cは、例えば、ACサーボギアモーターである。制御装置13は、駆動部11cのコントローラーを備え、指令パルス信号の調整により弁軸11aの位置と速度を制御することで、駆動部11cを介して、バタフライバルブ11を所定の開度で回転させ、バタフライバルブ11の回転を高精度で制御することが出来る。
制御装置13は、図示しないCPU、RAM、ROM等を備え、CPUが、RAMを作業領域として利用し、ROM等に記憶されているプログラムを実行することで、上述の制御を行う。
図2Aは、バタフライバルブ11の駆動回路の概略図である。バタフライバルブ11の駆動部11cを動作させるためには、先ず、PLC(プログラマブルコントローラ)20が、プログラムのデータを選択してスタート信号をパルス発振器21に入力し、パルス発振器21が、選択されたデータに応じた指令パルス信号をドライバ22に入力する。ドライバ22は、指令パルス信号を電流に変換し、駆動部11c(モーター)に入力することで、駆動部11cは、選択されたデータに対応して回転する。ドライバ22は、選択されたデータにより、回転信号、反回転信号、開度変更信号、動作完了信号等の指令信号をパルス発振器21に入力し、それを受けたパルス発振器21は、指令信号に応じた指令パルス信号を発振したり停止したりする。これにより、バタフライバルブ11を所定の開度の上限値と下限値との間で往復動作させたり、開度の上限値と下限値とのそれぞれを段階的に小さくさせたりすることが出来る。PLC20、パルス発振器21、ドライバ22は、制御装置13に組み込まれたり、駆動部11cに専用に接続されたりする。尚、本発明では、必要に応じて、弁軸11aに回転検出器(エンコーダ)を設けて、エンコーダからのエンコーダ信号をドライバ22にフィードバックして、バタフライバルブ11の動作を精度高く制御するよう構成しても良い。
図2Bは、本発明に係るバタフライバルブの弁軸の軸方向に対して水平から見た断面図である。図2Bに示すように、バタフライバルブ11の開度A(度)は、基準となる閉塞状態(0度)のバタフライバルブ11と、弁軸11aを中心に反時計回りに回転したバタフライバルブ11との間の角度として定義される。バタフライバルブ11が、反時計回りに180度回転すると、元の閉塞状態に戻るため、バタフライバルブ11の開度Aは、0度から180度の範囲内となる。
次に、図3、図4を参照しながら、本発明に係る構成及び実行手順について説明する。図3は、本発明に係るバタフライバルブ制御システムの機能ブロック図である。図4は、本発明に係るバタフライバルブ制御方法の第一の実行手順を示すためのフローチャートである。
先ず、作業者が、コンテナ10内に所定量の粉体物が収容され、且つ、コンテナ10の排出口がバタフライバルブ11で閉塞されていることを確認して、制御装置13の電源を入れる。次に、作業者は、空の受け容器12をコンテナ10の下方の計量槽に設置すると、制御装置13の開度設定部201は、計量部13aを介して、受け容器12の空重量W0(kg)を計量する。
そして、作業者は、制御装置13に、受け容器12に収納すべき粉体物の目標の重量W1(kg)を入力し、制御装置13のスタートキーを押下し、開始信号を入力すると、開度設定部201は、排出口を閉塞したバタフライバルブ11に対して、ユーザ(作業者)により自由に設定可能な開度A(度)の上限値Amax(度)と下限値Amin(度)とを設定する(図3:S101)。ここで、開度A(度)の上限値Amax(度)と下限値Amin(度)は、任意に設定可能な設定値を意味する。
具体的には、開度設定部201は、受け容器12の空重量W0(kg)と、目標の重量W1(kg)と、計量部13aから計量される現在の受け容器12の重量W2(kg)とに基づいて、現在の粉体物の重量に対応する現状投入達成率B(%)を算出する。粉体物の現状投入達成率B(%)は、下記の式(1)で求めることが出来る。
B(%)={(W2−W0)/W1}×100 (1)
B(%)={(W2−W0)/W1}×100 (1)
現状投入達成率B(%)が100%になれば、受け容器12に目標の重量W1(kg)の粉体物が投入されたことになる。現時点では、未だ、粉体物の投入は開始されていないことから、B(%)={(W0−W0)/W1}×100=0%となる。現状投入達成率B(%)を基準とすることで、粉体物の密度や性質が異なる場合であっても、現状投入達成率B(%)を用いれば、一律に制御することが可能となる。
次に、開度設定部201は、所定のメモリに記憶された開度調整テーブルを参照する。図5は、本発明に係る開度調整テーブルの一例を示す図である。図5に示すように、開度調整テーブル500は、複数段階に区分された開度A(度)501の上限値Amax(度)と下限値Amin(度)と、各開度A(度)501毎に設定された基準投入達成率B(%)502とが関連付けて記憶されている。
開度A(度)501は、0度〜180度の範囲内で4つの段階に区分されており、開度A(度)501の上限値Amax(度)と下限値Amin(度)とのそれぞれは、上から下に向かって、段階的に小さくなるように設定されている。各開度A(度)501の上限値Amax(度)と下限値Amin(度)とのそれぞれは、相互に一部重複しても良い。
本実施形態に係る開度調整テーブル503において、開度A(度)504の上限値Amax(度)と下限値Amin(度)とのそれぞれは、60度≦A1(度)≦120度、20度≦A2(度)≦60度、10度≦A3(度)≦20度、0度<A4(度)≦10度と設定されている。尚、開度A(度)504の上限値Amax(度)と下限値Amin(度)は、粉体物の性質や供給量(例えば、1kg〜1t)、バタフライバルブ11のサイズ(例えば、150Φ〜400Φ)に応じて適宜設計変更される。
又、開度調整テーブル500の基準投入達成率B(%)502は、0%〜100%の範囲内で、開度A(度)501に応じて4つの段階に区分されており、開度A(度)501が小さい程、大きな基準投入達成率B(%)502が関連付けられる。
本実施形態に係る開度調整テーブル503において、基準投入達成率B(%)505は、上から下に向かって、70%、85%、95%、99%と設定されている。尚、基準投入達成率B(%)503は、上述と同様に、粉体物の性質や供給量、バタフライバルブ11のサイズに応じて適宜設計変更される。
さて、開度設定部201は、算出した現状投入達成率B(%)と、参照した開度調整テーブル503の基準投入達成率B(%)505とを照合し、現状投入達成率B(%)に対応する基準投入達成率B(%)505の最初の開度A(度)504の上限値Amax(度)「120度」と下限値Amin(度)「60度」とを取得して、バタフライバルブ11に設定する。
開度設定部201が設定を完了すると、制御装置13の弁動作部202は、前記設定された開度A(度)504の上限値Amax(度)「120度」と下限値Amin(度)「60度」との間で、前記バタフライバルブ11を往復動作させる(図3:S102)。
図6Aは、本発明に係るバタフライバルブの第一の開放形態の一例を示す断面図である。図6Aに示すように、弁動作部202は、ACサーボギアモーター11cを介して、バタフライバルブ11の開度A(度)を上限値Amax(度)「120度」に移動させる。これにより、バタフライバルブ11の上方のコンテナ10内の粉体物が、自重により受け容器12に落下する。この場合は、例えば、粉体物が、粉体物の粒子形状が丸かったり、粒子径が有る程度のサイズであったりして、自重で容易に流れ落ちる性質であれば、自然に落ちる。
図6Bは、本発明に係るバタフライバルブの第二の開放形態の一例を示す断面図である。次に、図6Bに示すように、弁動作部202は、ACサーボギアモーター11cを介して、上限値Amax(度)「120度」になったバタフライバルブ11の開度A(度)を、所定の開速度で、下限値Amin(度)「60度」に移動させる。そして、弁動作部202は、下限値Amin(度)「60度」になったバタフライバルブ11の開度A(度)を、再度、所定の開速度で、上限値Amax(度)「120度」に移動させる。つまり、弁動作部202は、上限値Amax(度)「120度」と下限値Amin(度)「60度」との間で、バタフライバルブ11を往復(搖動)させる。
これにより、コンテナ10内の粉体物は、バタフライバルブ11の往復運動により、一気に投入されず、緩やかに受け容器12に投入されるため、粉体物の濃淡やダマの発生を防止することが出来る。この場合は、例えば、粉体物が、粉体物の粒子形状が棒状であったり、粒子径が細かいサイズであったりして、コンテナ10内で塊を形成し易い性質であれば、適切に流れ落ちる。
又、コンテナ10内で粉体物がブリッジを形成したり、ダマを形成したりする場合に、バタフライバルブ11の開度を「90度」にして、バタフライバルブ11を単に開放しただけでは、ブリッジやダマを壊すことは出来ない。本発明では、バタフライバルブ11を往復運動させることで、ブリッジやダマを壊して、粉体物を円滑に落とす機能もある。
さて、弁動作部202が往復動作を開始すると、制御装置13の計量部203は、前記排出口から供給された粉体物の重量を計量する(図3:S103)。
次に、制御装置13の判定部204は、開度調整テーブル500から、前記設定された開度A(度)に関連付けられた基準投入達成率B1(%)「70%」を取得し、前記計量された粉体物の重量で換算される現状投入達成率B(%)が前記基準投入達成率B1(%)「70%」を超過したか否かを判定する(図3:S104)。
前記判定の結果、現状投入達成率B(%)が基準投入達成率B1(%)「70%」を超過していない場合(図3:S104NO)、S103に戻って、計量部203は、粉体物の重量を計量し(図3:S103)、判定部204は、前記判定を継続的に行う。この間は、弁動作部202が、前記設定された上限値Amax(度)「120度」と下限値Amin(度)「60度」との間で、前記バタフライバルブ11の往復運動を継続する。そのため、粉体物は、所定の投入速度C(kg/秒)で落ち続ける。
一方、粉体物の落下が継続され、前記判定の結果、現状投入達成率B(%)が基準投入達成率B1(%)「70%」を超過した場合(図3:S104YES)、制御装置13の再設定部205は、開度調整テーブル503を参照し、設定された開度A(度)504の上限値Amax(度)「120度」と下限値Amin(度)「60度」について、次の開度A(度)の設定が無いか否かを判定する(図3:S105)。
次の開度A(度)の設定が無い場合は、バタフライバルブ11の開閉を終了することを意味し、次の開度A(度)の設定が有る場合は、バタフライバルブ11の開閉を継続することを意味する。次の開度A(度)の存否は、開度調整テーブル503の開度A(度)504の設計により、ユーザにより予め調整可能である。
前記判定の結果、次の開度A(度)の設定が有る場合(図3:S105NO)、再設定部205は、前記開度A(度)504の上限値Amax(度)「120度」と下限値Amin(度)「60度」とを、当該開度A(度)504の上限値Amax(度)「120度」と下限値Amin(度)「60度」とのそれぞれを段階的に小さくした、当該開度A(度)504の次に設定された次の開度A(度)504の上限値Amax(度)「60度」と下限値Amin(度)「20度」とに再設定する(図3:S106)。
再設定部205が再設定を完了すると、S102へ戻って、制御装置13の繰り返し部206は、前記弁動作と、前記計量と、前記判定と、前記再設定とを、前記次の開度の設定が無くなるまで繰り返す。
具体的には、繰り返し部206は、弁動作部202に指示し、弁動作部202は、ACサーボギアモーター11cを介して、上限値Amax(度)「60度」と下限値Amin(度)「20度」との間で、バタフライバルブ11を往復(搖動)させる(図3:S102)。
これにより、先ほどのバタフライバルブ11の往復動作と比較して、開度A(度)の上限値Amax(度)と下限値Amin(度)とを小さくしてバタフライバルブ11を往復動作させるため、先ほどの粉体物の投入速度C(kg/秒)を段階的に低下させて、粉体物の投入速度を更に緩やかにし、粉体物の濃淡やダマの発生を防止することが出来る。
次に、繰り返し部206は、計量部203に指示し、計量部203は、落下する粉体物の重量を計量する(図3:S103)。繰り返し部206は、判定部204に指示し、判定部204は、計量された重量による現状投入達成率B(%)が、前記設定された開度A(度)(上限値Amax(度)「60度」、下限値Amin(度)「20度」)に関連付けられた基準投入達成率B2(%)「85%」を超過したか否かを判定する(図3:S104)。
これにより、現状投入達成率B(%)が次の基準投入達成率B2(%)「85%」に達成するまでの間は、1段階小さくなった上限値Amax(度)と下限値Amin(度)の開度A(度)504でバタフライバルブ11を往復動作させることが出来る。
そして、前記判定の結果、現状投入達成率B(%)が基準投入達成率B2(%)「85%」を超過した場合(図3:S104YES)、再設定部205は、設定された開度A(度)504の上限値Amax(度)「60度」と下限値Amin(度)「20度」に対して、次の開度A(度)の設定が無いか否かを判定する(図3:S105)。前記判定の結果、次の開度A(度)の設定が有る場合(図3:S105NO)、再設定部205は、更に、前記開度A(度)504の上限値Amax(度)「60度」と下限値Amin(度)「20度」とを、次の開度A(度)504の上限値Amax(度)「20度」と下限値Amin(度)「10度」とに再設定する(図3:S106)。
このように、S102からS106までのステップが繰り返されることで、バタフライバルブ11の往復動作の開度A(度)の範囲を段階的に小さくして、粉体物の投入速度C(kg/秒)を段階的に低くすることが出来る。
図7Aは、最初のバタフライバルブの往復動作の一例を示す断面図であり、図8Aは、その斜視写真である。図7Bは、二番目のバタフライバルブの往復動作の一例を示す断面図であり、図8Bは、その斜視写真である。図7Cは、三番目のバタフライバルブの往復動作の一例を示す断面図であり、図8Cは、その斜視写真である。図7Dは、四番目のバタフライバルブの往復動作の一例を示す断面図であり、図8Dは、その斜視写真である。図9は、本発明に係るバタフライバルブ制御システムにおける経過時間と粉体物の投入達成率との関係を示すグラフである。
例えば、図7、図8に示すように、バタフライバルブ11の開度A(度)の上限値Amax(度)と下限値Amin(度)とがそれぞれ「120度」と「60度」とから、「60度」と「20度」と、「20度」と「10度」と、「10度」と「0度」とまでに段階的に小さくなると、図9に示すように、粉体物の投入達成率(%)の「70%」、「85%」、「95%」、「99%」の増加分は、段階的に少なくなるとともに、投入速度C(kg/秒)は、C1(kg/秒)>C2(kg/秒)>C3(kg/秒)>C4(kg/秒)と、段階的に遅くなる。これにより、粉体物の現状投入達成率B(%)が100%に接近する程、投入速度C(kg/秒)を段階的に遅くすることが可能となり、所定量の粉体物もムラを生じさせずに、均一に供給することが出来る。又、粉体物の現状投入達成率B(%)が100%に接近する程、投入速度C(kg/秒)を遅くすることで、粉体物の急激な投入を確実に防止し、精度高い投入量を実現出来る。特に、投入速度C(kg/秒)の調整を粉体物の現状投入達成率B(%)を指標として行うことで、粉体物の精度高い供給を可能とする。
さて、開度調整テーブル500の最後の開度A(度)504の上限値Amax(度)「10度」と下限値Amin(度)「0度」が再設定された後に、S105において、再設定部205は、次の開度A(度)の設定が無いか否かを判定する(図3:S105)。この場合は、前記判定の結果、次の開度A(度)の設定が無いため(図3:S105YES)、制御装置13の弁停止部207は、バタフライバルブ11の動作を停止させて、当該バタフライバルブ11で前記排出口を閉塞する。
ここで、最後の投入達成率(%)を「100%」として、弁停止部207は、直ぐにバタフライバルブ11の動作を停止させても良いが、計量部203が粉体物の目標の重量W1(kg)を正確に測定することが出来ることから、最後の開度A(度)に対応する基準投入達成率B(%)を「100%」とせず、例えば、上述のように、「99%」と設定しておき、弁停止部207は、開度A(度)504の微小な範囲内で、バタフライバルブ11の開閉を繰り返して、微開放を行い(図3:S107)、測定部206を介して、現在の受け容器12の重量W2(kg)を計量する(図3:S108)。そして、弁停止部207は、現状投入達成率B(%)を算出し、現状投入達成率B(%)が「100%」に到達したか否かを判定する(図3:S109)。
前記判定の結果、現状投入達成率B(%)が「100%」に到達していない場合(図3:S109NO)、S107に戻って、弁停止部207は、バタフライバルブ11の微開放と、計量と、現状投入達成率B(%)の判定とを繰り返す。
このように、現状投入達成率B(%)が100%に接近した際に、バタフライバルブ11の微開放を繰り返すことで、粉体物の投入を微小量とし、粉体物の投入速度を極めて低速とすることが出来る。そのため、正確に、且つ、過不足なく、残りの粉体物の重量を受け容器12に投入させることが可能となる。
さて、S109において、前記判定の結果、現状投入達成率B(%)が「100%」に到達した場合(図3:S109YES)、弁停止部207は、バタフライバルブ11を閉塞し、操作画面を介して、作業者に、目標の重量W1(kg)の粉体物が受け容器12に投入された旨を通知する。これにより、作業者は、バタフライバルブ11を操作することなく、目標の重量W1(kg)の粉体物が入った受け容器12を入手出来る。
このように、本発明では、バタフライバルブの開度を自動化し、目標の重量となった粉体物を容易に入手することが出来る。
尚、上述では、粉体物の重量を粉体物の投入達成率に換算しているが、換算することなく、目標の重量を基準投入達成率とし、粉体物の重量を現状投入達成率として用いても構わない。
又、上述では、開度A(度)と基準投入達成率B(%)を4段階で区分したが、上述と同様に、粉体物の性質や供給量、バタフライバルブ11のサイズに応じて自由に設定して変更しても良く、3段階でも2段階でも構わない。
本発明の実施形態では、制御装置13が各部を備えるよう構成したが、当該各部を実現するプログラムを記憶媒体に記憶させ、当該記憶媒体を提供するよう構成しても構わない。当該構成では、前記プログラムを制御装置に読み出させ、当該制御装置が前記各部を実現する。その場合、前記記録媒体から読み出されたプログラム自体が本発明の作用効果を奏する。さらに、各部が実行するステップを実行する方法として提供することも可能である。
以上のように、本発明は、バタフライバルブの開度を適切に調整し、粉体物を均一に、且つ、正確に供給することが可能なバタフライバルブ制御システム及びバタフライバルブ制御方法として有効である。
1 バタフライバルブ制御システム
10 コンテナ
11 バタフライバルブ
12 受け容器
13 制御装置
201 開度設定部
202 弁動作部
203 計量部
204 判定部
205 再設定部
206 繰り返し部
207 弁停止部
10 コンテナ
11 バタフライバルブ
12 受け容器
13 制御装置
201 開度設定部
202 弁動作部
203 計量部
204 判定部
205 再設定部
206 繰り返し部
207 弁停止部
Claims (3)
- 粉体物を収納したコンテナと、前記コンテナの下方の排出口に設けられたバタフライバルブと、を備えるバタフライバルブ制御システムであって、
前記排出口を閉塞したバタフライバルブに対して、ユーザにより自由に設定可能な開度の上限値と下限値とを設定する開度設定部と、
前記設定された開度の上限値と下限値との間で、前記バタフライバルブを往復動作させる弁動作部と、
前記排出口から供給された粉体物の重量を計量する計量部と、
前記計量された粉体物の重量で換算される現状投入達成率が、前記設定された開度に関連付けられた基準投入達成率を超過したか否かを判定する判定部と、
前記現状投入達成率が前記基準投入達成率を超過した場合、前記開度の上限値と下限値とを、当該開度の上限値と下限値とのそれぞれを段階的に小さくした、当該開度の次に設定された次の開度の上限値と下限値とに再設定する再設定部と、
前記弁動作と、前記計量と、前記判定と、前記再設定とを、前記次の開度の設定が無くなるまで繰り返す繰り返し部と、
前記次の開度の設定が無い場合、前記バタフライバルブの動作を停止させて、当該バタフライバルブで前記排出口を閉塞する弁停止部と、
を備えることを特徴とするバタフライバルブ制御システム。 - 前記弁停止部は、前記次の開度の設定が無い場合、前記開度の微小な範囲で、前記バタフライバルブの開閉を繰り返して、微開放を行い、前記現状投入達成率が100%に到達したか否かを判定し、前記現状投入達成率が100%に到達した場合、前記バタフライバルブを閉塞する
請求項1に記載のバタフライバルブ制御システム。 - 粉体物を収納したコンテナと、前記コンテナの下方の排出口に設けられたバタフライバルブと、を備えるシステムのバタフライバルブ制御方法であって、
前記排出口を閉塞したバタフライバルブに対して、ユーザにより自由に設定可能な開度の上限値と下限値とを設定する開度設定ステップと、
前記設定された開度の上限値と下限値との間で、前記バタフライバルブを往復動作させる弁動作ステップと、
前記排出口から供給された粉体物の重量を計量する計量ステップと、
前記計量された粉体物の重量で換算される現状投入達成率が、前記設定された開度に関連付けられた基準投入達成率を超過したか否かを判定する判定ステップと、
前記現状投入達成率が前記基準投入達成率を超過した場合、前記開度の上限値と下限値とを、当該開度の上限値と下限値とのそれぞれを段階的に小さくした、当該開度の次に設定された次の開度の上限値と下限値とに再設定する再設定ステップと、
前記弁動作と、前記計量と、前記判定と、前記再設定とを、前記次の開度の設定が無くなるまで繰り返す繰り返しステップと、
前記次の開度の設定が無い場合、前記バタフライバルブの動作を停止させて、当該バタフライバルブで前記排出口を閉塞する弁停止ステップと、
を備えることを特徴とするバタフライバルブ制御方法。
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JP2017122512A JP2019006438A (ja) | 2017-06-22 | 2017-06-22 | バタフライバルブ制御システム及びバタフライバルブ制御方法 |
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