JP2019005970A - 透明導電性フィルム - Google Patents

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Abstract

【課題】 ITO層による配線パターンが視認されにくくすることを可能とした透明導電性フィルムを提供する。【解決手段】 基材フィルムの片面に第2ハードコート層と、基材フィルムの第2ハードコート層積層面と反対の表面に、少なくとも、第1ハードコート層と、光学調整層と、無機層と、透明導電層と、を積層してなり、第1ハードコート層は紫外線硬化樹脂によるものであり、第2ハードコート層は紫外線硬化樹脂によるものであり、無機層は、酸化珪素によるものであり、かつその屈折率が1.4以上1.5以下であり、透明導電層は結晶化タイプの酸化インジウム錫(ITO)である透明導電性フィルムであり、透明導電性フィルムを透過した光の透過色相のb*が、1.5以下であること、を特徴とする透明導電性フィルムとした。【選択図】 なし

Description

本発明は透明導電性フィルムに関するものであり、より具体的には表面の色むら視認を抑制できる透明導電性フィルムに関する。
昨今様々な日常生活の中で、タッチパネルを用いた多種多様な製品が普及している。例えば銀行のATMや鉄道の券売機、カーナビゲーションのディスプレイ部分やオフィス用コピー機の操作部分等に用いられており、さらには携帯電話のような携帯用小型モバイル機器における画像・情報表示部分を機器操作装置部分として兼用するためにもタッチパネルが用いられている。
タッチパネルは透明基材に透明導電層を積層した透明導電性フィルムを電極としており、液晶ディスプレイなどの表示装置と貼り合わされてタッチパネルディスプレイとして用いられる。この透明導電層において形成される透明配線としてインジウム錫複合酸化物(ITO)が広く用いられている。即ちITO層を配線パターンにパターニングして透明導電層とし、それを積層したものが透明導電性フィルムとして提供されている。
そのような透明導電性フィルムでは、ITO層と、透明導電性フィルムの基材として用いられる透明フィルムと、それぞれの持つ屈折率が異なるため、従来ITO層の配線パターンが容易に視認される、という問題が生じることがあった。
そこでその対策として、例えば特許文献1に記載の発明に見られるように、例えばITO層と透明基材フィルムとの間に光学調整層を設けることが行われている。そのようにすることで、視認性の観点から透明導電性フィルムの反射率を低いものとしようとしている例もある。
また、特許文献2に記載の発明に見られるように、基材フィルムとITO層との間に粒子を含むアンチブロッキング層を設けることでこの問題を解消使用としている例もある。
特開2013−025737号 特開2015−005272号
しかし特許文献1に見られるような構成とした場合、そもそも一般的に透明導電性フィルムは完全な無色透明積層体ではないため、得られる透明導電性フィルムの反射率を低くしようとするとどうしてもフィルム表面の色むらが視認しやすくなってしまうものであり、特許文献1の構成とすると、なおのこと色調補正層の厚みのばらつき等を理由とした色むらの発生する確率が高くなってしまう。また色むらと同時に、ITO層による配線パターンも反射率を低くすることを試みれば、そのパターンが視認しやすくなってしまう、という問題も含んでいた。特に昨今利用拡大が見込まれる有機エレクトロルミネセンス(OLED)パネルにこのようなフィルムを用いる場合、偏光板が最表面に位置することとなるため、低リタデーションが求められるのであるが、この特許文献1に記載の発明では十分に対応できず、問題であった。また配線形成を行う場合であって、それをOLEDに用いるならば、有効な光学調整層を設けておかないと、配線が容易に視認される現象が見られ、やはり問題であると言える。
即ち、これらの発明をもってしても、タッチパネルディスプレイに透明導電性フィルムを用いてもITO層による配線パターンが視認されやすい、という問題を回避することは困難であったと言える。
また特許文献2に見られるような構成とした場合、アンチブロッキング層には粒子に起因する隆起部と、そうではない平坦部と、が生じてしまい、その段差が透明導電性フィルムに求められる平滑さを阻害する可能性があり、必ずしも好ましい解決策とはなり得ていなかった。
本発明はこのような問題点に鑑みてなされたものであり、その目的は、ITO層による配線パターンが視認されにくくすることを可能とした、OLEDのようなディスプレイに用いた場合であっても配線パターンが視認されにくい透明導電性フィルムを提供することである。
上記課題を解決するため、本願発明の請求項1に記載の透明導電性フィルムでは、基材フィルムの片面に第2ハードコート層と、前記基材フィルムの前記第2ハードコート層積層面と反対の表面に、少なくとも、第1ハードコート層と、光学調整層と、無機層と、透明導電層と、を積層してなる透明導電性フィルムであって、前記第1ハードコート層は紫外線硬化樹脂によるものであり、前記第2ハードコート層は紫外線硬化樹脂によるものであり、前記無機層は、酸化珪素によるものであり、かつその屈折率が1.4以上1.5以下であり、前記透明導電層は結晶化タイプの酸化インジウム錫(ITO)である透明導電性フィルムであり、前記透明導電性フィルムを透過した光の透過色相のb*が、1.5以下であること、を特徴とする。
本願発明の請求項2に記載の透明導電性フィルムでは、請求項1に記載の透明導電性フィルムにおいて、前記第2ハードコート層が紫外線硬化樹脂に無機系フィラーが添加されたものであること、を特徴とする。
本願発明の請求項3に記載の透明導電性フィルムでは、請求項2に記載の透明導電性フィルムであって、前記無機系フィラーが酸化珪素、酸化ジルコニウム、酸化チタン、又は酸化ニオブのいずれかであること、を特徴とする。
本願発明の請求項4に記載の透明導電性フィルムでは、請求項2又は請求項3に記載の透明導電性フィルムであって、前記無機系フィラーが、平均長径が1.5μm以上3.0μm以下であること、を特徴とする。
本願発明の請求項5に記載の透明導電性フィルムでは、請求項1ないし請求項4の何れか1項に記載の透明導電性フィルムであって、前記光学調整層は紫外線硬化樹脂に無機系フィラーが添加されたものであること、を特徴とする。
本願発明の請求項6に記載の透明導電性フィルムでは、請求項1ないし請求項5の何れか1項に記載の透明導電性フィルムであって、前記基材フィルムが、厚み20μm以上100μm以下のシクロオレフィン系フィルムであり、前記第1ハードコート層及び前記第2ハードコート層の厚みが、いずれも0.5μm以上1.5μm以下であり、前記光学調整層の厚みが、50nm以上150nm以下であり、前記無機層が、厚み2nm以上10nm以下の酸化珪素による層であり、前記透明導電層は、厚み15nm以上50nm以下であり、抵抗値が50Ω/□以上200Ω/□以下であること、を特徴とする。
本願発明の請求項7に記載の透明導電性フィルムでは、請求項1ないし請求項6の何れか1項に記載の透明導電性フィルムであって、前記第2ハードコート層のさらに表面に、帯電防止機能を有した保護フィルムが貼着されてなること、を特徴とする。
本願発明に係る透明導電性フィルムであれば、その構成中に光学調整層と酸化珪素による無機層とを含んでいるので、この2層が本願発明に係る透明導電性フィルムの色相を制御することで、例えば実際の使用時に回路部分が中途半端に浮き出て見えてしまう、視認性を阻害してしまう、という問題を解消出来る。
以下、本願発明の実施の形態について説明する。尚、ここで示す実施の形態はあくまでも一例であって、必ずしもこの実施の形態に限定されるものではない。
(実施の形態1)
本願発明に係る透明導電性フィルムに関して、第1の実施の形態として説明する。
本実施の形態に係る透明導電性フィルムは、基材フィルムの片面に第2ハードコート層と、基材フィルムの第2ハードコート層積層面と反対の表面に、少なくとも、第1ハードコート層と、光学調整層と、無機層と、透明導電層と、を積層してなる構成を有する。
また以下の説明では、第1ハードコート層及び第2ハードコート層は紫外線硬化樹脂によるものであり、また無機層は酸化珪素よりなり、かつその屈折率が1.4以上1.5以下であり、さらに透明導電層は結晶化タイプの酸化インジウム錫(ITO)である透明導電性フィルムであり、そして透明導電性フィルムを透過した光の透過色相のb*が、1.5以下であること、と想定しておくが、必ずしもこれに限定されるものではないことを予め断っておく。
以下、順番に説明をする。
まず基材フィルムであるが、これはいわゆる透明な基材フィルムであってあることが好ましい。即ち、本実施の形態に係る透明導電フィルムは、例えばスマートフォンなどの液晶ディスプレイ表面に貼着して用いることを想定しているので、透明であることが好ましいのである。
またそのような用途に用いることを想定した場合、例えばシクロオレフィン系フィルム、特にシクロオレフィンポリマー(COP)フィルム、さらには低リタデーションタイプのCOPフィルムを用いることが好適であるので、本実施の形態では低リタデーションタイプのCOPフィルム(以下単に「COPフィルム」とも記す。)を基材フィルムとして用いることとする。これは、本実施の形態に係る透明導電性フィルムがリタデーションを低いものとすることを目的としているからである。即ち、基材として用いるフィルムが、複屈折が小さい低位相差フィルムであれば、得られる透明導電性フィルムに対して低リタデーションという性質を付与することが容易となる。
尚、そのような条件を具現化できるのであれば、従来公知の透明導電性フィルムにおいて一般的に用いられる透明な基材フィルムを用いることも考えられ、より具体的には透明高分子樹脂フィルムであれば良く、フィルム状とすることで様々な面、平面や曲面に対し本実施の形態に係る透明導電性フィルムを容易に用いることが可能となるからである。このような透明高分子樹脂フィルムとしては、先述のCOPフィルム以外にも、例えば、ポリエチレンテレフタレート(PET)フィルムやポリカーボネートフィルム、ポリエチレンナフタレートフィルム、ノルボルネン系フィルム等が考えられることを付言しておく。
本実施の形態における基材フィルム(COPフィルム)の厚みは20μm以上100μm以下であることが好ましい。基材フィルムの厚みが100μmより厚いと、一度に加工できる数量が減り作業性が悪くなる上にコストがかかり、且つ透明導電性フィルム全体の厚みが厚くなるため好ましくない。しかし必要以上に薄い基材としてしまうと、後述の積層物を積層するに際して基材それ自身が破損してしまう、又は得られた本実施の形態に係る透明導電フィルムを用いてディスプレイなどを製造する場面においてすぐ破損してしまい、即ち透明導電フィルムとしての機能が破損してしまうため、20μm以上の厚みが必要なのである。ここで、得られる本実施の形態に係る透明導電フィルムの全体を低リタデーションとするためにも、30μm以上50μm以下とすることがより好ましい。本実施の形態においては40μmとする。
本実施の形態にかかる基材フィルムは、例えばCOPフィルムを基材フィルムとして用いるような場合であればそのまま表面に後述する層を積層しても問題ないが、積層した場合に層間密着力の確保が必要となるようなフィルム、例えばPETフィルムなど、を基材フィルムとして用いる場合は、そのいずれかの表面、又は双方の表面に易接着層が設けられていても良い。易接着層を有することにより、基材フィルムと後述する第1ハードコート層や第2ハードコート層との密着力が向上し、層間剥離などによる耐久性の低下を防ぐことができる。このとき、設けられる易接着層を所望の好適な範囲内に設定しておけば後述する第1ハードコート層や第2ハードコート層との屈折率差により生じる干渉縞をより確実に防ぐことができ、より良好な外観を得ることができる。
次に、第1ハードコート層について説明する。
本実施の形態にかかる第1ハードコート層は、得られる透明導電性フィルムの硬度を向上させ、また耐擦傷性を高めるために、ハードコート層として従来公知に用いられてなる樹脂を用いれば良い。例えば紫外線硬化型樹脂である多官能アクリレート樹脂、ウレタンアクリレート樹脂、無機有機ハイブリッド樹脂、ポリエステルアクリレート樹脂、熱硬化型樹脂であるメラミン樹脂、ウレタン樹脂等が挙げられる。またこのハードコート層は、光線屈折率nが1.45以上1.65以下となるならば好ましい。このような範囲の屈折率を有することにより、屈折率差により生じる干渉縞を防ぐことができ、得られる透明導電性フィルムの視認性を向上させることができる。
本実施の形態におけるハードコート層は紫外線硬化型樹脂を用いることとする。これを基材フィルムの表面に塗工により積層し、次いで紫外線硬化を行うことにより、ハードコート層を得る。硬化後の膜厚は0.5μm以上1.5μm以下であることが好ましく、本実施の形態では1.3μmであるものとする。0.5μmより薄いと搬送等におけるキズつき防止に必要な耐擦傷性が得られず、要求特性を満たせない。1.5μmより厚い膜厚では応力によるカールが生じ、取り扱い性が悪く加工が困難となる。
本実施の形態における第1ハードコート層は、その他添加剤を含有していても良い。具体的には光重合開始剤、硬化剤、硬化促進剤、架橋剤、溶剤、反応性希釈剤、光増感剤、表面調整剤、スリップ剤などが挙げられる。
尚、本実施の形態における第2ハードコート層も上述した第1ハードコート層と同等であってよい。即ち、本実施の絵形態では紫外線硬化樹脂を用い、その硬化後の厚みは0.5μm以上1.5μm以下であることが好ましく、本実施の形態では1.3μmであるものとする。
本実施の形態において、第2ハードコート層に、無機系フィラーを含有させることも考えられる。第2ハードコート層に含有させることで本実施の形態に係る透明導電性フィルムの搬送性や巻き取り性を好適なものとするために有益である。
本実施の形態では、この無機系フィラーとして例えば酸化珪素や酸化ジルコニウム、酸化チタン、酸化ニオブなどを用いることが好適と言え、ここでは酸化珪素フィラーを用いることとする。またその大きさであるが、平均長径が1.5μm以上3.0μm以下であることが好ましい。本実施の形態では第2ハードコート層には搬送性、巻き取り性を考慮して、平均長径が1.7μmの無機系フィラーを含有させることとする。
またさらには、より精細に光学調整を行うために、同様の無機系フィラーを第1ハードコート層に含有させることも考えられるが、ここではこれ以上の詳述は省略しておく。
次に光学調整層について説明する。
本実施の形態における光学調整層は、層間密着性を向上させるために設けられるものであり、同時に本実施の形態では透明導電性フィルム全体の光学調整を行うという重要な効果も呈するためにも必要な層である。
用いられる材料は従来公知のものであってよく、紫外線硬化タイプの樹脂などは好適に利用できるものであり、本実施の形態でもこれを用いることとする。この光学調整層はいわゆるウェットコーティング法により積層される。またその厚みは、前述同様に樹脂を硬化した後の厚みが50nm以上150nm以下であれば好ましく、本実施の形態では90nmであるものとする。
この光学調整層についても光線屈折率を調整することで、より透明感に好適な透明導電性フィルムとすることが出来てより好ましい。単純に考察するのであれば、この光学調整層のb*値を抑制すれば視認性を向上させやすくなるとも言える。
即ち、光学調整層と後述の無機層とを2層積層することにより、光学調整層の光学屈折率と無機層の光学屈折率との相関関係をもってしてより色相を効果的に制御することが出来るのであり、それ故に光学調整層の光線屈折率も所望の数値範囲となるように調整すれば、より好適な、色目の存在が視認できないレベルまで均一な透明感を高めた透明導電性フィルムを得る事が出来るようになるのである。本実施の形態において効果的な屈折率は、いわゆる中屈折率と称される範囲であれば好ましい。
また光学調整の目的をより容易に達成するために、ジルコニア微粒子をこの層に含有させることも考えられるが、ここではその詳述を省略する。
次に、本実施の形態ではこの光学調整層のさらに表面に透明導電層を積層する前に無機層を設ける。そこでこの無機層に関し説明する。
本実施の形態における無機層は、酸化珪素(SiOx)を用いるのであるが、その結果、光学調整層と、後述する透明導電層との層間密着性を向上させることが出来るようになる。
これは、より具体的には、光学調整層の表面に無機層を構成する物質が散在するようにすることで、即ち、イメージとして酸化珪素の粒子が光学調整層の表面に散在することで、酸化珪素の粒子が核となって、まずは光学調整層と密着し、同時にその核を中心に後述する透明導電層を構成する物質が核を中心に成長し、やがてそれぞれの核から成長した物質が膜状となり、やがてそれらが連結して一連の層となることにより、結果として光学調整層と透明導電層との層間密着性を向上させることが出来るようになるのである。
本実施の形態における無機層の好適な厚みは2nm以上10nm以下であり、光線屈折率は1.4以上1.5以下であることが望ましい。この範囲に収めることで、光学調整層と後述する透明導電層との層間密着力が好適に向上し、またそれと同時に基材フィルムとして低リタデーションタイプのCOPフィルムを用いることと相まって、本実施の形態に係る透明導電性フィルムの低リタデーション性をより好適に得られる。さらにこの無機層を設けることで、これが後述する透明導電層の下地として作用し、その結透明導電層の耐久性を向上させることにも寄与している。
次に無機層のさらに表面に積層される透明導電層について説明する。
透明導電層としては酸化インジウムスズ(ITO)や酸化アルミニウム、酸化インジウム亜鉛(IZO)、又はアルミニウム添加酸化亜鉛(AZO)やガリウム添加酸化亜鉛(GZO)等のような酸化亜鉛系材料、等を用いることが考えられる。そして本実施の形態では結晶化タイプのITOを積層するものとする。
透明導電層の積層方法は従来公知のスパッタリング法等のいわゆるドライコーティング法によればよく、酸素ガスを導入して行う反応性成膜としても良い。また、その厚みは15nm以上50nm以下であることが好ましい。15nmより薄い膜厚では必要な性能を発揮することができず、50nmより厚くなると透過率が下がり、またかかるコストに対して得られる効果が高くなく効率的ではない。またその抵抗率は50Ω/□以上200Ω/□以下であることが好適である。本実施の形態においては厚みは35nmとし、また抵抗率は70Ω/□であるものとする。
本実施の形態に係る透明導電性フィルムは以上述べたように
第2ハードコート層/(第1易接着層)/基材フィルム/(第2易接着層)/第1ハードコート層/光学調整層/無機層/ITO層
という構成を有しているが、実際の使用面はITO層側からの光線入射となる。
これを前提に、各層の光線屈折率を高く、あるいは低く設定し、即ちいわゆる高屈折率層や低屈折率層を組み合わせることにより、それぞれの層に入射した光線の干渉による縞の発生や、それを原因とする電極パターンの視認性を抑制する、ということを行うのである。
具体的には、本実施の形態に係る透明導電性フィルムの光の透過色相のb*値が1.5以下であれば、電極パターンの視認性を抑制することが出来る。
(実施の形態2)
以上のようにして得られた本実施の形態にかかる透明導電性フィルムであるが、これを実際に製造過程にて使用すると、製造時の高温高圧下の環境に曝されることで肝心の透明導電層が破損することが見られる。または、特段の対応を施さずに搬送しようとすると搬送中に透明導電層に傷がついたりクラックが生じたりすることで透明導電性フィルムが欠陥品となることがあった。
そこで本実施の形態では先に説明した第1の実施の形態で得られた透明導電性フィルムのさらに表面にこれを保護する保護フィルムを予め貼着した状態で製品化した透明導電性フィルムを、第2の実施の形態として説明する。
まず、保護フィルムを貼着する対象となる透明導電性フィルムは先の第1の実施の形態で説明した構成を有するものとする。即ち
第2ハードコート層/(第1易接着層)/基材フィルム/(第2易接着層)/第1ハードコート層/光学調整層/無機層/ITO層
という構成である。
そして保護フィルムはITO層の汚染を考慮して、ITO層とは反対側の面に貼着する。即ち、第2ハードコート層の表面に貼着する。
この保護フィルムは基材となる高分子樹脂フィルムと、その表面に粘着層と、を備えているが、高分子樹脂フィルムにもともと粘着性が備わったものを選択した場合は前記粘着層は必要としない。
第2の実施の形態にかかる透明導電性フィルムを構成する各層は第1の実施の形態と同様であるので、ここではその説明は省略する。
本実施の形態では、第1の実施の形態で説明したのと同等の構成を有する透明導電性フィルムの第2ハードコート層の表面に保護フィルムを貼着するのであるが、保護フィルムを貼着した状態の透明導電性フィルムを加工するに際して保護フィルムが悪影響を及ぼさないように配慮をすることが必要である。
これは、保護フィルムは文字通り透明導電性フィルムを保護することを目的とするのであるが、さらに言えば、透明導電性フィルムを加工する際には必要であり、即ち貼着した状態を保持出来ることが必要であり、一方加工が終了した際には美麗に透明導電性フィルムから容易に剥離されなければならず、一見すると矛楯したこの目的を両立するために、粘着力をかような範囲に収めることが好適であることを見いだしたので、本実施の形態ではその範囲内としているのである。
また加工時のことを考慮するのであれば、熱収縮率や熱収差に関する配慮も必要である。即ち、加工時の加熱等により透明導電性フィルムとその表面に貼着された保護フィルムとの熱収縮率や熱収差に大差があるならば、それが原因で例えば加工中に保護フィルムが勝手に剥離してしまったり、保護フィルムそれ自体が破損したりすると、本来の目的を達することが出来なくなるからである。
以上の条件を満たすため、本実施の形態ではその粘着力を、150℃程度又はそれよりやや低い温度で60分後の粘着力が剥離速度300mm/分以上1000mm/分で剥離200N/25mm以下であり、保護フィルムの150℃熱収縮率とITOフィルムの150℃熱収縮率差がMD、TD共に0.5%以下であること、とした。そのような条件下であれば、前述した通り、必要な時にのみ美麗に剥離できる保護フィルムとすることが出来るのである。
さらに、保護フィルムを透明導電性フィルムに貼着した状態でのカールに関する点も配慮が必要である。即ち、保護フィルムそれ自体の応力によって透明導電性フィルムがカールしてしまうことで、加工作業に支障が生じることが考えられるからである。
以上説明した保護フィルムを予め透明導電性フィルムに貼着しておくことで、例えば透明導電性フィルムを搬送している時の表面に擦傷が生じることを防止したり、これを加工する際の高温高圧下での環境による透明導電層の破損等、を防止することが出来るようになる。
以上、第1及び第2の実施の形態につき簡単に説明したが、いずれの場合であっても、第1ハードコート層を紫外線硬化樹脂に無機系フィラーが添加されたものとすることも考えられるが、ここでは詳述を省略する。
以上説明した本願発明に係る透明導電性フィルムであれば、従来よりも低リタデーションを実現化した透明導電性フィルムであり、例えばこれを昨今スマートフォンなどに用いられることで注目を集め始めている有機ディスプレイを用いたタッチパネル用のITOフィルムとして大変有益なものを得る事が出来るようになる。
上記課題を解決するため、本願発明の請求項1に記載の透明導電性フィルムでは、
基材フィルムの片面に第2ハードコート層と、
前記基材フィルムの前記第2ハードコート層積層面と反対の表面に、少なくとも、
第1ハードコート層と、光学調整層と、無機層と、透明導電層と、
を積層してなる透明導電性フィルムであって、
前記第1ハードコート層は紫外線硬化樹脂によるものであり、
前記第2ハードコート層は紫外線硬化樹脂によるものであり、
前記無機層は、酸化珪素によるものであり、かつその屈折率が1.4以上1.5以下であり、
前記透明導電層は結晶化タイプの酸化インジウム錫(ITO)である透明導電性フィルムであり、
前記透明導電性フィルムを透過した光の透過色相のb*が、1.5以下であり、
前記第2ハードコート層が紫外線硬化樹脂に平均長径が1.5μm以上3.0μm以下である無機系フィラーが添加されたものであること、
を特徴とする、透明導電性フィルム。

本願発明の請求項に記載の透明導電性フィルムでは、請求項2に記載の透明導電性フィルムであって、前記無機系フィラーが酸化珪素、酸化ジルコニウム、酸化チタン、又は酸化ニオブのいずれかであること、を特徴とする。
本願発明の請求項に記載の透明導電性フィルムでは、請求項1又は請求項2に記載の透明導電性フィルムであって、前記光学調整層は紫外線硬化樹脂に無機系フィラーが添加されたものであること、を特徴とする。
本願発明の請求項に記載の透明導電性フィルムでは、請求項1ないし請求項の何れか1項に記載の透明導電性フィルムであって、前記基材フィルムが、厚み20μm以上100μm以下のシクロオレフィン系フィルムであり、前記第1ハードコート層及び前記第2ハードコート層の厚みが、いずれも0.5μm以上1.5μm以下であり、前記光学調整層の厚みが、50nm以上150nm以下であり、前記無機層が、厚み2nm以上10nm以下の酸化珪素による層であり、前記透明導電層は、厚み15nm以上50nm以下であり、抵抗値が50Ω/□以上200Ω/□以下であること、を特徴とする。
本願発明の請求項記載の透明導電性フィルムでは、請求項1ないし請求項の何れか1項に記載の透明導電性フィルムであって、前記第2ハードコート層のさらに表面に、帯電防止機能を有した保護フィルムが貼着されてなること、を特徴とする。

上記課題を解決するため、本願発明の請求項1に記載の透明導電性フィルムでは、基材フィルムの片面に第2ハードコート層と、前記基材フィルムの前記第2ハードコート層積層面と反対の表面に、少なくとも、第1ハードコート層と、光学調整層と、無機層と、透明導電層と、ををこの記載順にかつ各層が接触した状態で積層してなる透明導電性フィルムであって積層してなる透明導電性フィルムであって、前記第1ハードコート層は紫外線硬化樹脂によるものであり、前記第2ハードコート層は紫外線硬化樹脂によるものであり、前記無機層は、酸化珪素によるものであり、かつその屈折率が1.4以上1.5以下であり、前記透明導電層は結晶化タイプの酸化インジウム錫(ITO)である透明導電性フィルムであり、前記透明導電性フィルムを透過した光の透過色相のb*が、1.5以下であり、前記第2ハードコート層が紫外線硬化樹脂に平均長径が1.5μm以上3.0μm以下である無機系フィラーが添加されたものであること、を特徴とする。

Claims (7)

  1. 基材フィルムの片面に第2ハードコート層と、
    前記基材フィルムの前記第2ハードコート層積層面と反対の表面に、少なくとも、
    第1ハードコート層と、光学調整層と、無機層と、透明導電層と、
    を積層してなる透明導電性フィルムであって、
    前記第1ハードコート層は紫外線硬化樹脂によるものであり、
    前記第2ハードコート層は紫外線硬化樹脂によるものであり、
    前記無機層は、酸化珪素によるものであり、かつその屈折率が1.4以上1.5以下であり、
    前記透明導電層は結晶化タイプの酸化インジウム錫(ITO)である透明導電性フィルムであり、
    前記透明導電性フィルムを透過した光の透過色相のb*が、1.5以下であること、
    を特徴とする、透明導電性フィルム。
  2. 請求項1に記載の透明導電性フィルムにおいて、
    前記第2ハードコート層が紫外線硬化樹脂に無機系フィラーが添加されたものであること、
    を特徴とする、透明導電性フィルム。
  3. 請求項2に記載の透明導電性フィルムであって、
    前記無機系フィラーが酸化珪素、酸化ジルコニウム、酸化チタン、又は酸化ニオブのいずれかであること、
    を特徴とする、透明導電性フィルム。
  4. 請求項2又は請求項3に記載の透明導電性フィルムであって、
    前記無機系フィラーが、平均長径が1.5μm以上3.0μm以下であること、
    を特徴とする、透明導電性フィルム。
  5. 請求項1ないし請求項4の何れか1項に記載の透明導電性フィルムであって、
    前記光学調整層は紫外線硬化樹脂に無機系フィラーが添加されたものであること、
    を特徴とする、透明導電性フィルム。
  6. 請求項1ないし請求項5の何れか1項に記載の透明導電性フィルムであって、
    前記基材フィルムが、厚み20μm以上100μm以下のシクロオレフィン系フィルムであり、
    前記第1ハードコート層及び前記第2ハードコート層の厚みが、いずれも0.5μm以上1.5μm以下であり、
    前記光学調整層の厚みが、50nm以上150nm以下であり、
    前記無機層が、厚み2nm以上10nm以下の酸化珪素による層であり、
    前記透明導電層は、厚み15nm以上50nm以下であり、抵抗値が50Ω/□以上200Ω/□以下であること、
    を特徴とする、透明導電性フィルム。
  7. 請求項1ないし請求項6の何れか1項に記載の透明導電性フィルムであって、
    前記第2ハードコート層のさらに表面に、帯電防止機能を有した保護フィルムが貼着されてなること、
    を特徴とする、透明導電性フィルム。
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