JP2019005710A - 膜ろ過方法、膜ろ過システム及びろ過膜の洗浄方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】薬品使用量を低減し、且つろ過フラックスを十分に回復することが可能な膜ろ過方法を提供する。【解決手段】被処理水に、塩基度が60%以上70%以下のポリ塩化アルミニウム溶液を添加する工程と、前記被処理水と前記ポリ塩化アルミニウム溶液を含む液を、浸漬槽12内に設置された浸漬型のセラミック製平膜40でろ過するろ過工程と、を備える膜ろ過方法である。【選択図】図1
Description
本発明は、膜ろ過方法、膜ろ過システム及びろ過膜の洗浄方法に関する。
従来、上水処理、下水処理、工業用水処理、工業排水処理等の各種水処理分野において、被処理水をろ過して被処理水中の懸濁物質を除去し、清浄なろ過水を得る方法として、膜ろ過法が用いられる。
例えば、特許文献1には、被処理水に凝集剤を添加して、被処理水と凝集剤とを含む液を、浸漬槽内に設置された浸漬型のろ過膜でろ過する膜ろ過方法が開示されている。
ところで、被処理水を浸漬型のろ過膜で連続的にろ過すると、被処理水中の懸濁物質により、浸漬型のろ過膜が閉塞されて、ろ過フラックスが低下する場合がある。
このような場合、浸漬型のろ過膜を塩酸や硫酸、シュウ酸、クエン酸といった酸や次亜塩素酸ナトリウム、水酸化ナトリウムといったアルカリ剤等の薬品で洗浄して(薬品洗浄)、ろ過フラックスを回復させる場合があるが、薬品洗浄の実施においては、浸漬型のろ過膜が設置される浸漬槽内を薬品で満たす必要があるため、多量の薬品を使用しなければならない。
また、薬品使用量の削減の観点から、被処理水に添加する凝集剤の量を減らすことが望ましいが、凝集剤の添加量を減らすと、浸漬型のろ過膜に剥離困難な懸濁物質が多量に付着するため、浸漬型のろ過膜を洗浄しても、ろ過フラックスを十分に回復させることは困難となる。
このように、従来、浸漬型のろ過膜のろ過フラックスを回復させるには、薬品洗浄を実施したり、凝集剤の添加量を多くしたりする必要があるため、薬品使用に伴う処理コストの増加が問題となっている。
そこで、本発明の目的は、薬品使用量を低減し、且つろ過フラックスを十分に回復することが可能な膜ろ過方法、膜ろ過システム及びろ過膜の洗浄方法を提供することにある。
本実施形態は、被処理水に、塩基度が60%以上70%以下のポリ塩化アルミニウム溶液を添加する工程と、前記被処理水と前記ポリ塩化アルミニウム溶液を含む液を、浸漬槽内に設置された浸漬型のセラミック製平膜でろ過するろ過工程と、を備える膜ろ過方法である。
前記膜ろ過方法において、前記浸漬型のセラミック製平膜に高圧水を吹き付けて、前記浸漬型のセラミック製平膜を洗浄する高圧洗浄工程をさらに備えることが好ましい。
前記膜ろ過方法において、前記浸漬型のセラミック製平膜に気体を供給して、前記浸漬型のセラミック製平膜を洗浄する気体洗浄工程をさらに備えることが好ましい。
前記膜ろ過方法において、前記浸漬型のセラミック製平膜は横方向に所定の間隔を空けて複数積層されており、前記高圧水洗浄工程では、前記浸漬型のセラミック製平膜の積層方向の端面及び隣り合う前記浸漬型のセラミック製平膜の対向面に前記高圧水を吹き付けることが好ましい。
また、本実施形態は、被処理水に、塩基度が60%以上70%以下のポリ塩化アルミニウム溶液を添加する添加手段と、浸漬槽内に設置された浸漬型のセラミック製平膜を有し、前記被処理水と前記ポリ塩化アルミニウム溶液を含む液を、前記浸漬型のセラミック製平膜でろ過するろ過手段と、を備える膜ろ過システムである。
前記膜ろ過システムにおいて、前記浸漬型のセラミック製平膜に高圧水を吹き付けて、前記浸漬型のセラミック製平膜を洗浄する高圧洗浄手段をさらに備えることが好ましい。
前記膜ろ過システムにおいて、前記浸漬型のセラミック製平膜に気体を供給して、前記浸漬型のセラミック製平膜を洗浄する気体洗浄手段をさらに備えることが好ましい。
前記膜ろ過システムにおいて、前記浸漬型のセラミック製平膜は横方向に所定の間隔を空けて複数積層された積層体であり、前記高圧水洗浄手段は、前記浸漬型のセラミック製平膜の積層方向の端面及び隣り合う前記浸漬型のセラミック製平膜の対向面に前記高圧水を吹き付けることが好ましい。
また、本実施形態は、被処理水と塩基度が60%以上70%以下のポリ塩化アルミニウム溶液を含む液を膜ろ過する浸漬型のセラミック製平膜に高圧水を吹き付けて、前記浸漬型のセラミック製平膜を洗浄する高圧水洗浄工程を有するろ過膜の洗浄方法である。
本発明によれば、薬品使用量を低減し、且つろ過フラックスを十分に回復することが可能となる。
本発明の実施形態について以下説明する。本実施形態は本発明を実施する一例であって、本発明は本実施形態に限定されるものではない。
図1は、本実施形態に係る膜ろ過システムの構成の一例を示す概略構成図である。図1に示す膜ろ過システム1は、凝集槽10と、浸漬槽12及び浸漬型膜モジュール14を有するろ過装置と、処理水槽16と、散気装置18、コンプレッサ20及び気体供給配管22を備える気体洗浄装置と、ポンプ24、供給配管26、分配管28及び分配管28に設置されたジェットノズル30を備える高圧水洗浄装置と、原水配管32a,32b、凝集剤添加配管34、ろ過処理水配管36、汚泥排出管38を備える。
図1に示す浸漬型膜モジュール14は、浸漬型のセラミック製平膜40及び集水配管42を備えている。浸漬型のセラミック製平膜40は、単一でも複数でもよい。集水配管42は、浸漬型のセラミック製平膜40の上端に設置されている。浸漬型のセラミック製平膜40の内部は、膜を透過した処理水が流入する集水空間が形成されており、浸漬型のセラミック製平膜40の上端に設置された集水配管42と連通している。以下、浸漬型のセラミック製平膜40を単にセラミック製平膜40と呼ぶ場合がある。
凝集槽10の原水入口には原水配管32aが接続され、凝集槽10の薬品入口には凝集剤添加配管34が接続されている。また、凝集槽10の出口と浸漬槽12の入口とは原水配管32bにより接続されている。また、集水配管42と処理水槽16の入口とはろ過処理水配管36により接続されている。浸漬槽12の下部出口には汚泥排出管38が接続されている。また、散気装置18は、浸漬型膜モジュール14の下方に配置され、散気装置18とコンプレッサ20とは気体供給配管22により接続されている。また、ジェットノズル30が設置された分配管28は、浸漬型膜モジュール14の上方に配置され、分配管28には供給配管26が接続されている。供給配管26にはポンプ24が設置されている。
本実施形態に係る膜ろ過システム1の動作の一例について説明する。
懸濁物質等を含む原水(被処理水)が、原水配管32aから凝集槽10内に供給される。また、塩基度60%以上70%以下のポリ塩化アルミニウム溶液が、凝集剤添加配管34から凝集槽10内に供給される。凝集槽10内では、被処理水とポリ塩化アルミニウム溶液とが混合され、ポリ塩化アルミニウム溶液の凝集作用により、被処理水中の懸濁物質がフロック化される(凝集処理工程)。塩基度が60%%以上70%%以下のポリ塩化アルミニウム溶液を使用することで、例えば、被処理水のpHが6〜8.5程度であれば、被処理水のpHを調整しなくても懸濁物質を十分に凝集させることができ、pH調整に必要な薬品使用量を削減することが可能である。また、被処理水中の懸濁物質と共に有機物もフロック中に取り込まれるので、後述する膜ろ過処理により、有機物濃度の低い清浄なろ過水を得ることができる。
凝集処理後、フロック化した懸濁物質(以下、フロック)を含む被処理水とポリ塩化アルミニウム溶液を含む液は、原水配管32bを通して、浸漬槽12に供給される。ここで、例えば、ろ過処理水配管36に設置される不図示のポンプによって、浸漬型膜モジュール14に吸引圧力(負圧)が付与され、浸漬槽12内のフロックを含む被処理水とポリ塩化アルミニウム溶液を含む水が、浸漬型膜モジュール14のセラミック製平膜40によりろ過される(ろ過工程)。ろ過工程により、セラミック製平膜40を透過したろ過水(処理水)が、膜内の内部空間(二次側(処理水側))、集水配管42、ろ過処理水配管36を通り、処理水槽16に供給される。
また、本実施形態では、以下の高圧水洗浄工程を実施することが好ましい。
ろ過工程を停止した後、浸漬槽12内に残留する被処理水等を汚泥排出管38から排出させる。そして、ポンプ24を稼働させ、不図示のタンク等に貯留された水が、所定の圧力まで加圧され、供給配管26、分配管28を通り、ジェットノズル30から高圧水として噴射され、セラミック製平膜40の表面に吹き付けられる。ジェットノズル30から噴射された高圧水により、ろ過工程によりセラミック製平膜40に堆積したケーキが剥離され、セラミック製平膜40が洗浄される(高圧水洗浄工程)。なお、ろ過工程後、浸漬槽12内に残留する被処理水等を排出せずに、浸漬型膜モジュール14を引き上げて、大気中に露出させて、上記の高圧水洗浄工程を実施してもよい。
高圧水洗浄工程により剥離されたケーキは、例えば、汚泥排出管38から排出される。なお、剥離されたケーキ(懸濁物質)に有価物が含まれる場合には、ケーキは汚泥排出管38から不図示の回収槽に供給(回収)されることが好ましい。
本実施形態の膜ろ過方法では、塩基度が60%以上70%以下のポリ塩化アルミニウム溶液を被処理水に添加しているが、塩基度が60%以上70%以下のポリ塩化アルミニウム溶液は、塩基度が40%以上50%以下の通常のポリ塩化アルミニウム溶液より、ろ過工程中のろ過フラックスの低下を抑え、また、少ない添加量でも、セラミック製平膜40に対して剥離性の良好なフロックの形成が可能である。したがって、本実施形態の膜ろ過方法によれば、薬品使用量を抑え、且つろ過フラックスを十分に回復させることが可能となる。また、本実施形態の膜ろ過方法では、上記高圧水洗浄工程を実施することが好ましい。例えば、前述した剥離性が良好なフロックがセラミック製平膜40に堆積して、膜面上にケーキが形成された場合でも、上記高圧水洗浄工程により、当該ケーキはセラミック製平膜40上から容易に剥離される。その結果、例えば、浸漬槽12を塩酸や硫酸、シュウ酸、クエン酸といった酸や次亜塩素酸ナトリウム、水酸化ナトリウムといったアルカリ剤等の薬品で満たして、セラミック製平膜40を洗浄する薬品洗浄を実施しなくても(或いは薬品洗浄頻度を低減しても)、セラミック製平膜40のろ過フラックスを十分に回復することができる。
塩基度が60%以上70%以下のポリ塩化アルミニウム溶液を用いることで、セラミック製平膜40に対して剥離性が良好なフロックが形成される理由は、明らかではないが、以下のことが考えられる。塩基度が60%以上70%以下のポリ塩化アルミニウム溶液は高い荷電中和力を有し、塩基度が60%以上70%以下のポリ塩化アルミニウム溶液により形成されたフロックは荷電の中和が進んでいるため、荷電中和が進んだフロックとセラミック製平膜40との親和性が低下したことによるものであると推察される。
本実施形態に係る膜ろ過処理の条件や変形例等について、以下説明する。
本実施形態では、ろ過工程中におけるセラミック製平膜40のろ過フラックスの低下を抑制する点で、気体洗浄工程を実施することが好ましい。例えば、コンプレッサ20を稼働させ、空気等の気体が、気体供給配管22及び散気装置18を通して、セラミック製平膜40に供給される。供給された気体により、セラミック製平膜40近傍の流れが乱れ、セラミック製平膜40に付着したフロックが剥離される。
気体洗浄工程は、例えば、膜ろ過工程の間、継続して実施しても良いし、予め定めた一定の時間間隔で実施しても良いし、予め定めた一定のろ過水量の間隔で実施しても良く、特に制限されるものではない。
本実施形態では、得られたろ過水をセラミック製平膜40の二次側から供給して、セラミック製平膜40を洗浄する逆洗工程を行っても良い。逆洗工程は、例えば、一定の時間間隔で実施される。逆洗工程は、気体洗浄工程と同時に行うことで洗浄の点でより効果的である。
凝集槽10は、被処理水と塩基度が60%以上70%以下のポリ塩化アルミニウム溶液とを急速撹拌条件下で混合する急速撹拌槽と、急速撹拌槽で混合した被処理水と塩基度が60%以上70%以下のポリ塩化アルミニウム溶液とを含む液を緩速撹拌条件下で混合する緩速撹拌槽とから構成されることが好ましい。
急速撹拌槽では、被処理水と塩基度が60%以上70%以下のポリ塩化アルミニウム溶液とが、例えばG値=100〜300/sの急速撹拌条件下で混合され、被処理水中の懸濁物質が凝集して微細なフロックを形成する。緩速撹拌槽では、急速撹拌槽から流入した微細なフロックを有する被処理水とポリ塩化アルミニウム溶液とを含む液が、例えばGT値=23000〜210000の緩速撹拌条件下で混合され、微細なフロックを粗大化させる。このように、急速撹拌槽および緩速撹拌槽からなる凝集槽10により、粗大なフロックを含有する被処理水とポリ塩化アルミニウム溶液を含む液を浸漬槽12に導入して、膜ろ過処理を行うことができるため、より良好な水質を有するろ過水が得られる。なお、本実施形態では、急速撹拌槽及び緩速撹拌槽のいずれか一方または両方をインライン型ミキサー等に代えても良い。また、薬品の注入点を被処理水が越流し、槽に流れ込む部分に注入しても良い。
本実施形態では、浸漬槽12の前段に凝集槽10を設置することが望ましいが、必ずしも凝集槽10を設置しなくてもよい。凝集槽10を設置しない場合には、原水配管32aを浸漬槽12の入口に接続し、凝集剤添加配管34を原水配管32aに接続するか又は浸漬槽12に接続すればよい。いずれにしろ、浸漬槽12内で、被処理水中の懸濁物質は、ポリ塩化アルミニウム溶液の凝集作用によりフロック化される。
塩基度が60%以上70%以下のポリ塩化アルミニウム溶液は、例えば特開2009−203125号公報に記載の方法で製造することができる。具体的には、Al2O3濃度が5〜17質量%、Cl/Al2O3(モル比)が1.80〜3.60、SO4/Al2O3(モル比)が0〜0.35で且つ塩基度が40〜63%の塩基性塩化アルミニウム溶液に、85℃以下の温度下でアルカリ金属および/またはアルカリ土類金属の化合物を添加した後、65〜85℃の温度で0.5〜2時間熟成を行うことによって製造することができる。ポリ塩化アルミニウム溶液の塩基度は、滴定により測定することができる(JIS K−154:2016)。
ポリ塩化アルミニウム溶液は、塩基度が60%以上70%以下で、且つ、Al2O3濃度が10.2質量%のときのSO4濃度が1〜4質量%、更に好ましくは1.5〜3.5質量%のポリ塩化アルミニウム溶液を用いることが好ましい。ポリ塩化アルミニウム溶液の塩基度が60%未満になると、残留アルミニウムが多くなる傾向があるので好ましくない。また、SO4濃度が1質量%未満になると、ポリ塩化アルミニウム溶液の安定性がより増加するものの凝集性が悪くなる傾向があり、4質量%超になると、ポリ塩化アルミニウム溶液の安定性が低下する傾向がある。なお、ポリ塩化アルミニウム溶液の塩基度については、65%以上70%以下が特に好ましく、68%以上70%以下が更に好ましい。塩基度が68%以上70%以下であれば、本発明の効果が最もよく得られ、且つ、残留アルミニウムを少なくすることができる。また、PAC溶液中のAl2O3濃度は、9〜11質量%の範囲であることが好ましく、10質量%前後の範囲であることが更に好ましい。
本実施形態におけるろ過工程は、ポンプによる吸引式の膜ろ過処理に制限されるものではなく、浸漬槽12の水位と処理水槽16の水位との水位差によるサイホン作用を利用したサイホン式の膜ろ過処理等でもよい。
浸漬型膜モジュール14において用いられるセラミック製平膜40は、例えば、アルミナ、シリカ、チタニア、ジルコニア、ムライト、スピネル、又はこれらの混合物等の無機膜である。セラミック製平膜40の孔径は、例えば、0.001μm〜0.1μmの範囲、分画分子量は、例えば、数千〜数十万Daの範囲、平膜1枚あたりの膜面積は、例えば、0.5m2〜5m2の範囲である。
図2は、浸漬型のセラミック製平膜とジェットノズルとの配置状態の一例を示す模式上面図である。図2では、浸漬型のセラミック製平膜40の上部に設けられる集水配管42を省略している。図2に示すように、浸漬型のセラミック製平膜40は、所定の間隔を空けて複数積層されている。分配管28に設置されたジェットノズル30は、セラミック製平膜40の積層方向の端面Aに高圧水を吹き付ける端面用ジェットノズル30aと、隣り合うセラミック製平膜40の対向面Bに高圧水を吹き付ける対向面用ジェットノズル30bとから構成されることが好ましい。すなわち、本実施形態では、セラミック製平膜40が積層された状態のままで、セラミック製平膜40の積層方向の端面A及び隣り合うセラミック製平膜40の対向面Bに高圧水を吹き付ける高圧水洗浄工程が実施される。このように、セラミック製平膜40が積層された状態のままで、上記高圧水洗浄工程を実施しても、端面A及び対向面Bに形成されたケーキは容易に剥離される。したがって、積層された状態のセラミック製平膜40を一枚ずつに分解して、各セラミック製平膜40に対して高圧洗浄工程を実施する必要が無く、作業効率の向上が図られる。
本実施形態では、ジェットノズル30が設置された分配管28は、セラミック製平膜40の上部に設置されているが、これに制限されるものではなく、セラミック製平膜40の下部や側面に設置されていてもよい。また、ジェットノズル30が設置された分配管28は、浸漬槽12内に固定されていてもよいが、移動機構により、例えば垂直方向(図の上下方向)等に移動してもよい。
ジェットノズル30から噴射される高圧水の噴射角度は、セラミック製平膜40に対して垂直でもよいが、高圧水がセラミック製平膜40に接触する範囲を広くし、洗浄効果を高めることができる点で、例えば、セラミック製平膜40に対して45°〜90°傾斜させることが好ましい。
高圧水の噴射圧力は、特に制限されるものではないが、セラミック製平膜40の洗浄効果の点等で、例えば、1MPa〜10MPaの範囲が好ましい。
高圧水に用いられる水は、処理コストの点から、水道水が望ましいがこれに制限されるものではなく、例えば、酸性水、アルカリ水、オゾン水等でもよいし、膜の処理水を使ってもよい。
高圧水洗浄工程は、例えば、予め定めた一定の間隔で実施しても良いし、セラミック製平膜40のろ過フラックスが所定の値まで低下した段階で実施しても良いし、セラミック製平膜40の膜間差圧が所定の値まで上昇した段階で実施してもよいし、ろ過水量が所定の値まで達した段階で実施してもよいし、ろ過水の水質(例えば、濁度、懸濁物質濃度等)が所定の値まで上昇した段階で実施しても良いし、上記例示した以外の基準で実施しても良い。
本実施形態では、ジェットノズル30を取り付けた分配管28を浸漬槽12内に設置した定置式の高圧水洗浄装置を用いて、高圧水洗浄工程を実施しているが、高圧水洗浄工程はこれに制限されるものではない。例えば、水に所定の圧力をかけるためのポンプ、高圧水を送るための配管、当該配管の先端に取り付けられた高圧水を噴射するノズル等を備える高圧水洗浄装置を作業者が現場に持ち込み、高圧水洗浄装置を手動で操作して、セラミック製平膜40に高圧水を吹き付けてもよい。
本実施形態による水回収率は、例えば95%〜99.9%の範囲であることが好ましい。浸漬槽12の底部に堆積する懸濁物質(フロック)を含む汚泥は、汚泥排出管38から引き抜かれることが好ましいが、汚泥引き抜き量は、上記水回収率を満たす範囲であることが好ましく、例えば、浸漬槽12に供給される被処理水の供給量の1/1000〜1/20の範囲であることが好ましい。
以下、実施例および比較例を挙げ、本発明をより具体的に詳細に説明するが、本発明は、以下の実施例に限定されるものではない。
<実施例1>
図1に示す膜ろ過装置を用いて、以下の条件で試験を行った。
<処理条件>
被処理水:河川水(水質を表1に示す。)
浸漬型のろ過膜:孔径0.1μm、膜面積40m2のセラミック製平膜(明電舎製)
通水条件:吸引圧力を72kPaで一定
ポリ塩化アルミニウム溶液の塩基度:70%
ポリ塩化アルミニウムの添加量:10mg/L
気体洗浄:気体洗浄はろ過工程中常時行った。
逆洗工程:0.01m3/m2毎に1分実施した。
図1に示す膜ろ過装置を用いて、以下の条件で試験を行った。
<処理条件>
被処理水:河川水(水質を表1に示す。)
浸漬型のろ過膜:孔径0.1μm、膜面積40m2のセラミック製平膜(明電舎製)
通水条件:吸引圧力を72kPaで一定
ポリ塩化アルミニウム溶液の塩基度:70%
ポリ塩化アルミニウムの添加量:10mg/L
気体洗浄:気体洗浄はろ過工程中常時行った。
逆洗工程:0.01m3/m2毎に1分実施した。
<比較例1>
塩基度50%のポリ塩化アルミニウム溶液を用いたこと以外は、実施例1と同様の条件で試験を行った。
塩基度50%のポリ塩化アルミニウム溶液を用いたこと以外は、実施例1と同様の条件で試験を行った。
図3は、実施例1及び比較例1におけるろ過工程中のろ過水量に対するろ過フラックスの結果を示す図である。図3に示すように、実施例1及び比較例1共にろ過水量が増すにつれてろ過フラックス(m/d)は低下したが、実施例1の方が比較例1よりろ過フラックスの低下が小さかった。高塩基度のポリ塩化アルミニウム溶液を用いた実施例1は、比較例1と比較して、セラミック製平膜に対して剥離性の良好なフロック(懸濁物質)が形成されたため、ろ過工程中の気体洗浄により、セラミック製平膜へのフロックの付着量が抑えられ、ろ過フラックスの低下が抑制されたと考えられる。
<実施例2>
ポリ塩化アルミニウム溶液の添加量を5mg/Lとしたこと以外は、実施例1と同様の条件で試験を行った。
ポリ塩化アルミニウム溶液の添加量を5mg/Lとしたこと以外は、実施例1と同様の条件で試験を行った。
<比較例2>
塩基度50%のポリ塩化アルミニウム溶液を用いたこと、当該ポリ塩化アルミニウム溶液の添加量を5mg/Lとしたこと以外は、実施例1と同様の条件で試験を行った。
塩基度50%のポリ塩化アルミニウム溶液を用いたこと、当該ポリ塩化アルミニウム溶液の添加量を5mg/Lとしたこと以外は、実施例1と同様の条件で試験を行った。
図4は、実施例2及び比較例2におけるろ過工程中のろ過水量に対するろ過フラックスの結果を示す図である。図4に示すように、実施例2及び比較例2共にろ過水量が増すにつれてろ過フラックス(m/d)は低下したが、実施例2の方が比較例2よりろ過フラックスの低下が小さかった。実施例2は、実施例1よりポリ塩化アルミニウム溶液の添加量は少ないが、実施例1と同様に、セラミック製平膜に対して剥離性の良好なフロック(懸濁物質)が形成されたと考えられる。
実施例1及び比較例1において、ろ過水量が0.1m3/m2に達した段階で、ろ過工程を停止した後、作業者が高圧水洗浄装置(ケルヒャーK2クラシック)を用いて、セラミック製平膜の表面に高圧水(約8MPa)を吹き付ける高圧水洗浄工程を実施した。実施例2及び比較例2はろ過水量が0.07m3/m2に達した段階で高圧洗浄を行った。そして、以下の式により、セラミック製平膜のろ過フラックスの回復率を算出した。
ろ過フラックスの回復率=(高圧水洗浄工程後のろ過フラックス/ろ過初期のろ過フラックス)×100
ろ過フラックスの回復率=(高圧水洗浄工程後のろ過フラックス/ろ過初期のろ過フラックス)×100
表2に実施例1〜2及び比較例1〜2のセラミック製平膜のろ過フラックスの回復率の結果をまとめた。
高塩基度のポリ塩化アルミニウム溶液を用いた実施例1〜2はいずれも、高圧水洗浄工程によって、セラミック製平膜のろ過フラックスを100%以上回復することができた。すなわち、浸漬槽を塩酸や硫酸、シュウ酸、クエン酸といった酸や次亜塩素酸ナトリウム、水酸化ナトリウムといったアルカリ剤等の薬品で満たして、セラミック製平膜を洗浄する薬品洗浄工程を実施しなくても(或いは薬品洗浄工程頻度を低減しても)、セラミック製平膜のろ過フラックスを十分に回復することができると言える。また、実施例2及び比較例2の結果から分かるように、高塩基度のポリ塩化アルミニウム溶液を用いることで、セラミック製平膜のろ過フラックスを100%以上回復させるのに必要なポリ塩化アルミニウム溶液の添加量を削減することができる。したがって、実施例の方法によれば、薬品使用量を抑え、且つろ過フラックスを十分に回復させることができると言える。
1 膜ろ過システム、10 凝集槽、12 浸漬槽、14 浸漬型膜モジュール、16 処理水槽、18 散気装置、20 コンプレッサ、22 気体供給配管、24 ポンプ、26 供給配管、28 分配管、30 ジェットノズル、30a 端面用ジェットノズル、30b 対向面用ジェットノズル、32a,32b 原水配管、34 凝集剤添加配管、36 ろ過処理水配管、38 汚泥排出管、40 セラミック製平膜、42 集水配管。
Claims (9)
- 被処理水に、塩基度が60%以上70%以下のポリ塩化アルミニウム溶液を添加する工程と、
前記被処理水と前記ポリ塩化アルミニウム溶液を含む液を、浸漬槽内に設置された浸漬型のセラミック製平膜でろ過するろ過工程と、を備えることを特徴とする膜ろ過方法。 - 前記浸漬型のセラミック製平膜に高圧水を吹き付けて、前記浸漬型のセラミック製平膜を洗浄する高圧洗浄工程をさらに備えることを特徴とする請求項1に記載の膜ろ過方法。
- 前記浸漬型のセラミック製平膜に気体を供給して、前記浸漬型のセラミック製平膜を洗浄する気体洗浄工程をさらに備えることを特徴とする請求項2に記載の膜ろ過方法。
- 前記浸漬型のセラミック製平膜は所定の間隔を空けて複数積層されており、
前記高圧水洗浄工程では、前記浸漬型のセラミック製平膜の積層方向の端面及び隣り合う前記浸漬型のセラミック製平膜の対向面に高圧水を吹き付けることを特徴とする請求項2又は3に記載の膜ろ過方法。 - 被処理水に、塩基度が60%以上70%以下のポリ塩化アルミニウム溶液を添加する添加手段と、
浸漬槽内に設置された浸漬型のセラミック製平膜を有し、前記被処理水と前記ポリ塩化アルミニウム溶液を含む液を、前記浸漬型のセラミック製平膜でろ過するろ過手段と、を備えることを特徴とする膜ろ過装置。 - 前記浸漬型のセラミック製平膜に高圧水を吹き付けて、前記浸漬型のセラミック製平膜を洗浄する高圧洗浄手段をさらに備えることを特徴とする請求項5に記載の膜ろ過装置。
- 前記浸漬型のセラミック製平膜に気体を供給して、前記浸漬型のセラミック製平膜を洗浄する気体洗浄手段をさらに備えることを特徴とする請求項6に記載の膜ろ過装置。
- 前記浸漬型のセラミック製平膜は所定の間隔を空けて複数積層されており、
前記高圧水洗浄手段は、前記浸漬型のセラミック製平膜の積層方向の端面及び隣り合う前記浸漬型のセラミック製平膜の対向面に高圧水を吹き付けることを特徴とする請求項6又は7に記載の膜ろ過装置。 - 被処理水と塩基度が60%以上70%以下のポリ塩化アルミニウム溶液を含む液を膜ろ過する浸漬型のセラミック製平膜に高圧水を吹き付けて、前記浸漬型のセラミック製平膜を洗浄する高圧水洗浄工程を有することを特徴とするろ過膜の洗浄方法。
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CN116726703A (zh) * | 2023-06-28 | 2023-09-12 | 宁夏大学 | 一种基于陶瓷膜法浓缩水溶石墨烯浆料的方法 |
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2017
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